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特許75360762,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの合成のための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの合成のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/354 20060101AFI20240809BHJP
   C07C 21/18 20060101ALI20240809BHJP
   C07C 17/35 20060101ALI20240809BHJP
   C07B 61/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
C07C17/354
C07C21/18
C07C17/35
C07B61/00 300
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022500088
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 US2020040403
(87)【国際公開番号】W WO2021003207
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】62/870,653
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515269383
【氏名又は名称】ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュエフイ スン
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-517345(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0327441(US,A1)
【文献】国際公開第2019/036049(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105777484(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103508840(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105753638(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 17/354
C07C 21/18
C07C 17/35
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを合成する方法であって、
気相又は液相中の2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを塩素ガスに、第1の触媒の存在下で接触させて、1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンを形成することと、
前記1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンを回収することと、
気相又は液相中の前記1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンをフッ化水素に接触させて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを形成することと、
前記2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを水素ガスに、第2の触媒の存在下で接触させて、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを形成することとを含む、方法。
【請求項2】
前記第1の触媒がルイス酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の触媒が塩化第二鉄(FeCl3)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の触媒が炭素担持銅(Cu/C)又は酸化アルミニウム担持金(Au/Al23)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンをフッ化水素に、第3の触媒の存在下又は非存在下で接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の触媒が、活性炭、アルミナ、酸化クロム、遷移金属の酸化物、金属ハロゲン化物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるフッ素化触媒である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記反応が五ハロゲン化アンチモンを本質的に含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを合成する方法であって、
気相又は液相中の2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを塩素ガス及びフッ化水素に、第1の触媒の存在下又は非存在下で接触させて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを形成することと、
気相中の前記2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを水素ガスに、第2の触媒の存在下で接触させて、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを形成することとを含む、方法。
【請求項9】
前記第1の触媒がルイス酸である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の触媒が塩化第二鉄(FeCl3)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の触媒が炭素担持銅(Cu/C)又は酸化アルミニウム担持金(Au/Al23)を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記反応が五ハロゲン化アンチモンを本質的に含まない、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを合成する方法であって、
気相又は液相中の2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを塩素ガスに、第1の触媒の存在下で接触させて、1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンを形成することと、
前記1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンを回収することと、
気相又は液相中の前記1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンをフッ化水素に接触させて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを形成することと、
液相中で苛性剤を用いて、又は気相中で触媒を用いて若しくは用いずに、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを脱塩化水素化して、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとすることとを含む、方法。
【請求項14】
1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを合成する方法であって、
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを塩素ガス及びフッ化水素に、任意に第1の触媒の存在下で接触させて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを形成することと、
2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを脱塩化水素化して、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを形成することとを含む、方法。
【請求項15】
液相中で少なくとも1つの苛性剤を用いて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを脱塩化水素化して、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを形成する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年7月3日に出願された出願第62/870653号の利益を主張する。出願第62/870653号の開示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ヒドロフルオロ-オレフィン(HFO)の合成方法に関する。本発明は、より詳細には、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの合成のための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒドロフルオロカーボン(HFC)、例えばヒドロフルオロオレフィンは、有効冷媒、消火剤、熱伝導媒体、噴射剤、起泡剤、発泡剤、ガス状誘電体、滅菌剤担体、重合媒体、微粒子除去流体、分散媒、バフ研磨剤、置換乾燥剤、及び動力サイクル作動流体として開示されてきた。ヒドロフルオロ-オレフィンは、置換クロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボンを有し、これは地球のオゾン層を破壊する可能性がある。ヒドロフルオロ-オレフィンは塩素を含有せず、したがって地球のオゾン層を破壊することがない。更に、ヒドロフルオロ-オレフィンは、ヒドロフルオロカーボンと比較して地球温暖化係数が低く、これによりCO換算フットプリントが低下する。
【0004】
2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)は、様々なクロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボンの代替物として使用される、環境に優しいヒドロフルオロ-オレフィンである。2,3,3,3-テトラフルオロ-2-プロペン(1234yf)の従来の生成は、一般に2つの合成経路に焦点を当てている。
【0005】
第1の従来の経路は、アンチモン系触媒(例えばSb+5)などの強ルイス触媒が2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233xf)を2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(244bb)に変換し、次いで、244bbを2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)に変換するステップを含む。ハロゲン化アンチモン触媒及びHFとのそれらの組み合わせは、プロセス機器に対して高腐食性であり、これによりプロセスの操作が困難となる。ハロゲン化アンチモン触媒は、更に調達費用が高い。
【0006】
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233xf)を2,3,3,3-テトラフルオロ-2-プロペン、(1234yf)に変換するための第2の従来の経路は、触媒を用いる気相フッ化水素化によって進行する。このプロセスは、収率が低く、選択性が低い。多数の望ましくない副生成物が形成され、使用前に2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)の徹底的な精製が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の合成経路と比較して、収率及び選択性を改善して、コストがより低くなり、製造が容易となる、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)の合成方法が、当分野で望ましいであろう。
【0008】
1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1224yd)も、新しい低GWP不燃性冷媒として開発された。1224ydを合成するための1つの従来のプロセスは、1234yfを塩素化して2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパン(234bb)とし、次いで234bbを脱塩化水素化して1224ydとする。従来の合成経路と比較して、コストがより低く、製造が容易である、1224ydの合成方法もまた望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)を合成する方法が本明細書に開示される。この方法は、気相又は液相中の2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233xf)を塩素ガスに、第1の触媒の存在下で接触させて、1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパン(233ab)を形成することと、233abを回収することと、気相又は液相中の233abをフッ化水素に接触させて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパン(234bb)を形成することと、気相中の234bbを水素ガスに、第2の触媒の存在下で接触させて、1234yfを形成することとを含む。
【0010】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、第1の触媒が、ルイス酸、炭素及び活性炭に担持されたルイス酸のうちの少なくとも1つである方法も開示される。
【0011】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、第1の触媒が、塩化第二鉄(FeCl)及び活性炭の少なくとも1つを含む方法も開示される。
【0012】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、第2の触媒が、炭素担持銅(Cu/C)又は酸化アルミニウム担持金(Au/Al)を含む方法も開示される。
【0013】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、233abを第3の触媒の存在下又は非存在下でフッ化水素と接触させる方法も開示される。
【0014】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、第3の触媒が、活性炭、アルミナ、酸化クロム、遷移金属の酸化物、金属ハロゲン化物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるフッ素化触媒である方法も開示される。
【0015】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、反応が本質的に五ハロゲン化アンチモンを含まない方法も開示される。
【0016】
別の実施形態では、本明細書には、1234yfを合成する方法であって、気相又は液相中の1233xfを塩素ガス及びフッ化水素に、第1の触媒の存在下又は非存在下で接触させて、234bbを形成することと、気相中の234bbを水素ガスに、第2の触媒の存在下で接触させて、1234yfを形成することとを含む、方法が開示される。
【0017】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、第1の触媒がルイス酸である方法も開示される。
【0018】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、第1の触媒が塩化第二鉄(FeCl)を含む方法も開示される。
【0019】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、第2の触媒が、炭素担持銅(Cu/C)又は酸化アルミニウム担持金(Au/Al)を含む方法も開示される。
【0020】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、反応が本質的に五ハロゲン化アンチモンを含まない方法も開示される。
【0021】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、上記の方法によって形成された2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを含む組成物も開示される。
【0022】
別の実施形態では、本明細書には、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを合成する方法であって、
気相又は液相中の2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを塩素ガスに、第1の触媒の存在下で接触させて、1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンを形成することと、
1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンを回収することと、
気相又は液相中の1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロ-プロパンをフッ化水素に接触させて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを形成することと、
液相中で苛性剤を用いて、又は気相中で触媒を用いて若しくは用いずに、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを脱塩化水素化して、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとすることとを含む、方法が開示される。
【0023】
別の実施形態では、本明細書には、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを合成する方法であって、
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを塩素ガス及びフッ化水素に、任意に第1の触媒の存在下で接触させて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを形成することと、
2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを脱塩化水素化して、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを形成することとを含む、方法が開示される。
【0024】
前述の実施形態の任意の組み合わせによれば、本明細書には、液相中で少なくとも1つの苛性剤を用いて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパンを脱塩化水素化して、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを形成する、方法も開示される。
【0025】
別の実施形態では、本明細書には、234bb及び234da並びに1234yf、1243zf、1233xf、245cb、CF3COF、CHCl3、234bb(Br)、243ab、1224yd、224bb、243db、243dbB、C6H3Cl2F7及びCF3CFClCH2OCH2CFClCF3からなる群から選択される少なくとも1つの追加の化合物を含む、組成物が開示される。
【0026】
別の実施形態では、本明細書には、1224yd及び1233xf並びに1234yf、1243zf、245cb、244bb、1233xf(Br)、243db、1223xd、1-クロロ-トリフルオロプロピン、3,3,3-トリフルオロプロピン、1215yb、1224xe、253fb、1214ya、123、及び124からなる群から選択される少なくとも1つの追加の化合物を含む、組成物が開示される。
【0027】
本開示の様々な様態及び実施形態は、単独で、又は互いに組み合わせて使用されることができる。本発明の他の特徴及び利点は、例として本発明の原理を例示する以下のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
上述の一般説明及び以下の「発明を実施するための形態」は、単なる例示かつ説明のみであり、また本発明を制限するものではない。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「包含する(includes)」、「包含する(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又は他の任意の変型は、非排他的包含を扱うものとする。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、これらの要素に必ずしも限定されるものではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に対して明示的に記載されていない、又はこれらに固有のものではない、他の要素も含む場合がある。更には、反対のことが明示的に述べられていない限り、「又は」は、排他的又は排他的ではなく包括的であることを意味する。例えば、条件A又はBは、以下、すなわち、Aが真であり(又は存在し)かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在しない)かつBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)のいずれか1つにより満たされる。
【0030】
移行句「からなる(consisting of)」は、特定されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する。特許請求の範囲における場合には、このような語句は、材料に通常付随する不純物を除き、列挙された材料以外の材料の包含を特許請求項から締め出すものである。語句「からなる」がプリアンブルの直後ではなく請求項の本文の節内で現れる場合、この語句はその節の中に示される要素のみを限定するものであり、その他の要素が特許請求の範囲全体から除外されるわけではない。
【0031】
移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、文字どおり開示されているものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む、組成物、方法を定義するために使用されるが、ただし、これらの追加的に含まれる材料、工程、特徴、成分、又は要素は、請求される発明の基本的及び新規の特徴、特に本発明のプロセスのいずれかの所望の結果を達成するための行動様式に実質的に影響を及ぼす。用語「から本質的になる」は、「含む」と「からなる」との間の中間の意味を持つ。
【0032】
出願人らが、発明又はその一部を、「含む」などの非限定的な用語で定義していた場合、(特に明記しない限り)その記載は、用語「から本質的になる」又は「からなる」を使用する発明もまた含むと解釈すべきであることが容易に理解されるべきであろう。
【0033】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載された要素及び成分を説明するために用いられる。これは、単に便宜上なされるものであり、本発明の範囲の全般的な意味を与えるためのものである。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むものと解釈されるべきであり、単数形は、別の意味を有することが明白でない限り、複数形も含む。
【0034】
用語「選択性」は、本明細書で使用する場合、所望の生成物のモル数の、所望でない生成物のモル数に対する、パーセンテージで表した割合を意味する。
【0035】
用語「収率」は、本明細書で使用する場合、制限試薬の量に基づく、生成された生成物の量の、生成物の理論最大量に対する割合を意味する。
【0036】
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。矛盾が生じた場合には、定義を含め、本明細書が優先される。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を、本発明の実施形態の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。更に、材料、方法、及び実施例は、単なる例証であり、限定することを意図するものではない。
【0037】
ヒドロクロロ-オレフィン及びヒドロクロロフルオロ-オレフィン試薬及び中間体からヒドロフルオロ-オレフィン(HFO)を製造する方法が提供される。例示的な実施形態では、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)は、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233xf)から多ステッププロセスによって生成される。いくつかの実施形態では、方法は、五ハロゲン化アンチモンを含まないか、又は本質的に含まない。「本質的に含まない」とは、試薬、中間体、及び生成物が、100ppm未満のアンチモン(V)含有化合物を含有することを意味する。
【0038】
この手法は、気相又は液相フッ素化反応に好適な任意の反応器にて実施されてもよい。反応器は使用される反応物質に耐性がある材料から製造される。反応器は、ステンレス鋼、Hastelloy(登録商標)、Inconel(登録商標)、Monel(登録商標)、金、又は金線又は石英といったフッ化水素の腐食効果に耐性がある材料から構成されていてもよい。反応は、回分式、連続式、半連続式、又はこれらの組み合わせであってもよい。好適な反応器としては、バッチ反応容器及び管状反応器が挙げられる。
【0039】
一実施形態では、スキーム(1)に示すように、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233xf)を反応器に投入し、加熱して、触媒の存在下で塩素Clに、塩素化を行うのに十分な温度及び圧力で接触させて、2,2,3-トリクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(233ab)を形成する。
CFCCl=CH+Cl→CFCClCHCl(FeCl
1233xf 233ab (1)
【0040】
好適な触媒としては、ルイス酸が挙げられる。一実施形態では、触媒は、塩化第二鉄(FeCl)又は活性炭の少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、反応混合物は-50℃~175℃の範囲の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、反応は1重量ポンド毎平方インチゲージ(psig)~300重量ポンド毎平方インチゲージ(psig)の反応器圧にて行われる。別の実施形態では、反応は撹拌しながら行われる。更なる実施形態において、反応は、任意の触媒を用いて行われる。触媒は、用いられる場合、反応混合物の総重量の2%未満、0%超~約2%未満、場合によっては約0.1%~約1.5%の量で存在する。233abに対する選択性は、約60%~約99.9%、約65%~約99%、場合によっては約80~約95%である。反応の収率は、約60%~約99.9%、約80%~約99%、場合によっては約90~約98%%である。Cl/1233xfのモル比は、約2~約0.1の範囲であり得る。更なる実施形態では、反応は、UV光を使用して、大気圧、準大気圧、又は真空で、約0℃~約150℃の温度にて行われる。
【0041】
2,2,3-トリクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(233ab)は、反応から回収され、第2の反応器に投入されてもよい。次いで、2,2,3-トリクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(233ab)を加熱し、スキーム(2)に示すように、気相又は液相中のフッ化水素(HF)に、フッ素化をもたらすのに十分な温度及び圧力にて接触させて、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパン(234bb)を形成する。いくつかの実施形態では、反応混合物は50℃~175℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、反応は、約1psig~約300psigの反応器圧で行われる。いくつかの実施形態では、スキーム(2)の反応は、触媒なしで行われてもよい。いくつかの実施形態では、スキーム(2)の反応は、溶媒の存在下で行われてもよい。一実施形態では、触媒はルイス酸を含む。一実施形態では、反応は、撹拌しながら行われる。触媒は、全反応物の0~20%、0超~約15%、場合によっては約5~約10重量%の範囲であり得る。HF/233abのモル比は、0.2~約30、約0.5~約25、場合によっては約1~10の範囲であり得る。234bbに対する選択性は、約50%~約99%、約70~95%、場合によっては約75~約90%の範囲であり得る。
CFCClCHCl+HF→CFCFCl-CHCl
233ab 234bb (2)
【0042】
次いで、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパン(234bb)を加熱し、スキーム(3)に示すように、気相中で触媒の存在下、水素(H)に、水素化をもたらすのに十分な温度及び圧力にて接触させて、1,1,1,2-テトラフルオロ-2-プロペン(1234yf)を形成する。一実施形態において、反応温度は、約180℃~約400℃、約200~約350、場合によっては約225~約325℃の範囲である。触媒は、Cu/C及び/又はAu/Al2O3の少なくとも1つを含むことができる。触媒接触時間は、約10秒~約120秒、約25~約100秒、及び場合により約50~約75秒の範囲であり得る。1234yfに対する選択性は、約80%~約99%、約85~約98、場合によっては約90~95%の範囲であり得る。
CFCFCl-CHCl+H→CFCF=CH+HCl
234bb 1234yf (3)
【0043】
好適な触媒としては、炭素担持銅(Cu/C)又は酸化アルミニウム担持金(Au/Al)が挙げられる。いくつかの実施形態では、反応混合物は-50℃~300℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、反応は、約1psig~約300psigの反応器圧で行われる。
【0044】
代替実施形態では、上記のスキーム(1)及びスキーム(2)の合成ステップを組み合わせて、単一のプロセスステップとしてもよい。気相又は液相中の2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233xf)を反応器に投入し、スキーム4に示すように、気相又は液相中、触媒の存在下又は非存在下で加熱し、2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパン(234bb)への変換をもたらすのに十分な温度及び圧力にて、塩素ガス(Cl)及びフッ化水素(HF)に接触させる。
CFCCl=CH+Cl+HF→CFCClFCHCl
1233xf 234bb (4)
【0045】
スキーム(4)の触媒及び反応条件は、スキーム(1)及び(2)について上述したものと同じである。得られた2,3-ジクロロ-1,1,1,2-テトラフルオロ-プロパン(234bb)は、上述のように、スキーム(3)によって、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)に変換されてもよい。
【0046】
更なる実施形態では、234bbは、スキーム(5)に示すように、触媒の存在下又は非存在下で、234bbを1224ydに変換するのに十分な温度にて、水性苛性剤と反応させることによって、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンに変換されてもよい。例えば、反応は、約20℃~約100℃、約25~約80℃、及び場合によっては約30~75℃の温度にて、及び相間移動触媒を用いて又は用いずに行うことができる。相間移動触媒は、用いられる場合、全反応物の約0.1重量%~約3重量%、約0.25重量%~約2.5重量%、及び場合によっては約0.5~約2重量%を構成し得る。苛性剤/234bbのモル比は、約0.1~約2、約0.25~約1.75、場合によっては約0.5~約1.5の範囲である。1224ydに対する選択性は、80%~99%、約85%~99%、場合によっては約90~99%の範囲である。
CFCClFCHCl+NaOH→CFCF=CHCl+NaCl+NaOH
234bb 1224yd (5)
【0047】
反応は、回分式、連続式、半連続式、又はこれらの組み合わせであってもよい。水性苛性剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、酸化カルシウム、又は水酸化カルシウムの少なくとも1つなどの強塩基であり得る。塩基の234bbに対するモル比は、約0.1~約2、約0.5~約1.75、場合によっては約0.75~約1.5の範囲であり得る。NaOH又はKOHを含む塩基を使用することにより、所望の結果が得られた。液相脱塩化水素化は、相間移動触媒の存在下又は非存在下で行われ得る。いくつかの実施形態では、相間移動触媒は、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、又はクラウンエーテルを含み得る。相間移動触媒の量は、約0.5~約3重量%、約1~約2.5%、場合によっては約1.5~約2%の範囲であり得る。所望の結果は、四級アンモニウムを使用することによって得ることができる。
【0048】
更なる実施形態では、反応スキーム(2)又は(4)からの234bbを反応スキーム(5)で用いることができ、特定の態様において、反応スキーム(2)又は(4)及び(5)が統合されている。
【0049】
別の実施形態では、以下のスキーム(6)に示すように、234bbは、触媒の存在下又は非存在下での気相脱塩化水素化により、1224ydに変換されてもよい。
CFCClFCHCl→CFCF=CHCl+HCl
234bb 1224yd (6)
【0050】
約200℃~約550℃、約250~約500℃、場合によっては約300~約450℃の温度範囲において、接触時間は10~120秒、約20~約100秒、場合によっては約25~75秒であり、並びに選択性は約90%~約99%、及び場合によっては約95~約99%である。
【0051】
更なる実施形態では、反応スキーム(2)又は(4)からの234bbを反応スキーム(6)で用いることができ、特定の態様において、反応スキーム(2)又は(4)及び(6)が統合されている。
【0052】
一実施形態では、スキーム(6)の脱塩化水素化は、脱塩化水素化触媒の存在下で熱駆動プロセスである。好適な触媒としては、活性炭、アルミナ、酸化クロム、遷移金属の酸化物、金属ハロゲン化物、及びそれらの組み合わせの少なくとも1つが挙げられる。所望の結果は、炭素触媒上で活性炭及び炭素担持KClなどの炭素担持ハロゲン化金属物の使用によって得ることができる。200℃~550℃、約250~約500℃、及び場合によっては約275~450℃の温度範囲において、接触時間は約10秒~120秒、約20~約100、及び場合によっては約25~約75秒であり、並びに選択性は90%~99%及び約95~99%である。
【0053】
一実施形態では、本明細書には、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンと、254eb、263fb及び234bbからなる群から選択される少なくとも1つの追加の化合物とを含む組成物が開示される。これらの組成物は、本明細書に記載のプロセスによって製造できるか、又は組成物の成分をブレンドすることによって得ることができる。この追加の化合物の量は、0超~約1%、約0~約0.5%、場合によっては約0~約0.1%の範囲であり得て、残りは1234yfで構成される。
【0054】
一実施形態では、本明細書には、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンと、244bb、244eb、1233xf、及び263fbからなる群から選択される少なくとも1つの追加の化合物とを含む組成物が開示される。これらの組成物は、本明細書に記載のプロセスによって製造できるか、又は組成物の成分をブレンドすることによって得ることができる。この追加の化合物の量は、0超~約1%、約0~約0.5%、場合によっては約0~約0.1%の範囲であり得て、残りは1234yfで構成される。
【0055】
別の実施形態では、本明細書には、234bb、234daと、1234yf、1243zf、CF3COF、CHCl3、234bb(Br)、1224yd、224bb、243db、243db(B)、243ab、C6H3Cl2F7及びCF3CFClCH2OCH2CFClCF3からなる群から選択される少なくとも1つの追加の化合物とを含む組成物が開示される。これらの組成物は、本明細書に記載のプロセスによって製造できるか、又は組成物の成分をブレンドすることによって得ることができる。この追加の化合物の量は、0超~約10%、約0超~約5%、及び場合によっては約0超~約1%の範囲であり得て、残りは234bb及び234daで構成される。
【0056】
別の実施形態では、本明細書には、1224yd、1233xfと、1234yf、1243zf、244bb、1233xf(Br)、243db、1223xd、1-クロロ-トリフルオロプロピン、3,3,3-トリフルオロプロピン、1215yb、1224xe、253fb、1214ya、123、及び124からなる群から選択される少なくとも1つの追加の化合物とを含む組成物が開示される。この追加の化合物の量は、0ppm超~10重量%、約5ppm~約8%、いくつかの場合では約20ppm~約1%の範囲であり得る。1224yd及び1233xfの量はそれぞれ、90%~99.99%の範囲であり得る。これらの組成物は、本明細書に記載のプロセスによって製造できるか、又は組成物の成分をブレンドすることによって得ることができる。
【0057】
以下の実施例は、本発明の特定の態様及び実施形態を例示するために提供されるものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例
【0058】
実施例1:233abへの1233xfの塩素化
無水FeCl 0.9gを400mlハステロイC振とう管に投入した。次いで、オートクレーブを脱気した。次いで、1233xf196g及びCl 107gを反応器に添加した。混合物を85℃に加熱し、85℃にて2.5時間撹拌した。反応器を室温まで冷却した後、キャピラリーGCカラムをパッキングなしで使用して、GC-MS-FIDによって生成物を分析した。生成物のGC分析を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
実施例2:234bbへの1233xfのクロロフッ素化
HF433g、1233xf68.25ml及びCl 45gを1リットルオートクレーブに添加した。これを90℃に加熱し、撹拌しながら90℃で220分間維持した。反応器を室温まで冷却した後、生成物を氷及びジクロロベンゼン中で急冷し、KOH溶液で洗浄した。次いで、キャピラリーGCカラムをパッキングなしで使用して、GC-MS-FIDによって生成物を分析した。生成物のGC分析を表2に示す。表中の生成物濃度は、ジクロロベンゼンなしで正規化した。
【0061】
【表2】
【0062】
実施例3:234bbの1234yfへの水素化脱塩素化
実施例3は、10重量%Cu/C触媒上での234bbの1234yfへの変換を示す。酸洗浄炭素触媒顆粒に担持された10重量%Cu 10ccを1/2インチハステロイC反応器に投入した。触媒を2時間、50ccm/min Hを用いて約250℃でコンディショニングした。234bbの水素化脱塩素化を約200℃~300℃の温度範囲で調べ、生成物を表4に示した。反応の生成物を、キャピラリーGCカラムをパッキングなしで使用してGC-MSによって分析し、表3に示すようなGC-MS面積%を得た。
【0063】
【表3】
【0064】
実施例4:234bbの1234yfへの水素化脱塩素化
実施例4は、5重量%Ru/C触媒上での234bbの1234yfへの変換を示す。酸洗浄炭素触媒顆粒に担持された10重量%Ru 10ccを1/2インチハステロイC反応器に投入した。触媒を2時間、50ccm/min Hを用いて250℃でコンディショニングした。234bbの水素化脱塩素化を約100℃~200℃の温度範囲で調べ、生成物を表4に示した。反応の生成物を、キャピラリーGCカラムをパッキングなしで使用してGC-MSによって分析し、表4に示すようなGC-MS面積%を得た。
【0065】
【表4】
【0066】
実施例5:234bbへの1234yfの塩素化
1234yf 180gをCl2 112g及び触媒としての無水FeCl3 1gと混合した。反応器を撹拌しながら80℃に加熱し、80℃で4時間撹拌した。生成物の液相を回転蒸発させてFeCl3を除去し、次いで、表5に示すように、キャピラリーGCカラムをパッキングなしで使用して、GC-MS-FIDによって分析した。
【0067】
【表5】
【0068】
実施例6:234bbへの1234yfの塩素化
1234yf 180gをCl2 112g及び触媒としての無水FeCl3 1gと混合して、撹拌しながら100℃に加熱し、次いで100℃で6時間撹拌した。生成物の液相を回転蒸発させてFeCl3を除去し、次いで、表6に示すように、キャピラリーGCカラムをパッキングなしで使用して、GC-MS-FIDによって分析した。
【0069】
【表6】
【0070】
実施例7:234bbの1224ydへの脱塩化水素化
234bb 150gを32重量%KOH 200gと混合し、撹拌しながら90℃に加熱し、次いで90℃で6時間撹拌した。反応器を室温まで冷却した後、表7に示すように、キャピラリーGCカラムをパッキングなしで使用して、GC-MS-FIDによって生成物の液相を収集し、分析した。
【0071】
【表7】
【0072】
実施例8:234bbの1224ydへの脱塩化水素化
234bb 150gを25重量%NaOH 152g及びTBAB 1.5gと混合し、撹拌しながら40℃に加熱し、次いで40℃で4時間撹拌した。表8に示すように、キャピラリーGCカラムをパッキングなしで使用して、生成物の液相をGC-MS-FIDによって分析した。
【0073】
【表8】
【0074】
以下の実施例9~12は、ThermPyソフトウェアを使用して生成され、冷却(COP_c及びCAP_c)及び加熱(COP_h及びCAP_h)を含む移動条件下での、ある本発明の組成物の性能を示す。
T_凝縮器=40.0℃
T_蒸発器=0.0℃
過熱=15.0K
圧縮器効率=0.7
【0075】
実施例9:98重量%のR-1224yd並びに
追加の化合物R-1233xf及びR-1234yf。
表9は、この実施例の全てのブレンドが、R-1224ydよりも高い容量及びより小さいCOPを有することを示している。追加の化合物の量が純粋なR-1233xfから純粋なR-1234yfの範囲である場合、R-1233xf含有量が0から2重量%に上昇するにつれて、CAPが減少し、COPが増加する。追加の化合物がR-1233xf(98%R-1224yd及び2%R-1233xf)である場合、COPはR-1224ydと同じであり、CAPはより大きい。
【0076】
【表9-1】
【0077】
【表9-2】
【0078】
【表9-3】
【0079】
【表9-4】
【0080】
【表9-5】
【0081】
【表9-6】
【0082】
【表9-7】
【0083】
実施例10:98重量%のR-1224yd並びに
追加の化合物R-1233xf及びR-1243zf
表10は、この実施例における全てのブレンドが、未希釈R-1224ydよりも高い容量及びより小さいCOPを有することを示す。追加の化合物の量が純粋なR-1233xfから純粋なR-1243zfの範囲である場合、R-1233xf含有量が0から2重量%に上昇するにつれて、CAPが減少し、COPが増加する。追加の化合物がR-1233xf(98%R-1224yd及び2%R-1233xf)である場合、COPはR-1224ydと同じであり、CAPはより大きい。
【0084】
【表10-1】
【0085】
【表10-2】
【0086】
【表10-3】
【0087】
【表10-4】
【0088】
【表10-5】
【0089】
実施例11:99重量%のR-1234yf及び追加の化合物R-263fb。
表11は、追加の化合物の含有量が0から1重量%に増加するにつれて、COPが増加し、CAPが減少することを示す。
【0090】
【表11】
【0091】
実施例12:99重量%のR-1234yf及び追加の化合物R-254eb。
表12は、追加の化合物の含有量が0から1重量%に増加するにつれて、COPが増加し、CAPが減少することを示す。
【0092】
【表12】
【0093】
本発明を1つ以上の実施形態を参照して説明してきたが、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、その要素の代わりに同等物を使用することができることが理解されるであろう。加えて、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示されている特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。加えて、詳細な説明で特定された全ての数値は、正確な及び近似的な値が両方とも明示的に特定されているかのように解釈されるものとする。