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特許7536079インクジェットプリンティング装置、双極性素子の整列方法および表示装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】インクジェットプリンティング装置、双極性素子の整列方法および表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20240809BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240809BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240809BHJP
   B05D 3/14 20060101ALI20240809BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B05C5/00 101
H01L33/00 H
B05D7/24 303A
B05D7/24 301M
B05D3/14
G09F9/00 338
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022504282
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 KR2020002798
(87)【国際公開番号】W WO2021015385
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0089752
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】リュウ アンナ
(72)【発明者】
【氏名】カク ジンオ
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ ドンホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ソンチャン
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0055021(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1482951(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0019377(US,A1)
【文献】特開2014-144430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00- 5/04
B05D 1/00- 7/26
B41J 2/01,
2/085,
2/095,
2/14
H01L 33/00
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びた形状を有し、前記一方向に延びた形状の一端部は第1極性を有し、他端部は前記第1極性と異なる第2極性を有する双極性素子を複数含むインクを吐出するインクジェットプリンティング装置であって、
前記インクジェットプリンティング装置は、
ステージおよび前記ステージ上に電界を生成するプローブユニットを含む電界生成ユニットと、
前記ステージの上部に位置し、前記インクが吐出される複数のノズルを有するインクジェットヘッドを含み、
前記プローブユニットは、電界を生成するプローブパッドと、前記プローブパッドを前記ステージ上で移動させるプローブ駆動部と、を含み、
前記複数のノズルの各々は第1直径を有する流入口および前記流入口と連結されて前記第1直径より小さい第2直径を有する排出口を含
前記排出口の一側面である第1側面は前記ステージの上面に向かう方向である第1方向に延び、前記流入口の一側面である第2側面は前記第1方向を基準として傾斜し、前記第2側面の長さは前記双極性素子の前記一方向に延びた形状の長さより大きい、インクジェットプリンティング装置。
【請求項2】
前記インクは前記流入口を介して前記排出口に流入し、
前記双極性素子は前記ノズルの前記第2側面に沿って前記排出口に流入する、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項3】
前記双極性素子は延びた一方向が前記第1方向と平行な状態で前記排出口から吐出される、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項4】
前記インクジェットヘッドは複数の前記ノズルの間に位置するガイド部をさらに含み、前記ガイド部は前記排出口の間の第1ガイド部および前記流入口の間の第2ガイド部を含む、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項5】
前記インクジェットヘッドは、前記ガイド部に配置された電界生成電極をさらに含む、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項6】
前記電界生成電極は、前記第1ガイド部の前記第1側面と接触する一面に配置された第1電界生成電極および前記第2ガイド部の前記第2側面と接触する一面に配置され、前記第1電界生成電極と前記第1方向に離隔した第2電界生成電極を含む、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項7】
前記第1電界生成電極および前記第2電界生成電極は、前記流入口と前記排出口に前記第1方向に向かう電界を生成する、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項8】
前記インクジェットヘッドは前記ノズルを囲むように配置された電界生成コイルをさらに含む、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項9】
前記電界生成コイルは、前記流入口と前記排出口に前記第1方向に向かう電界を生成する、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項10】
前記インクジェットヘッドは前記流入口と連結された内部管をさらに含み、
前記流入口の前記第1直径は前記内部管から前記排出口に行くほど小さくなる、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項11】
前記インクジェットヘッドは前記流入口と前記内部管の間に配置された複数の第3ガイ
ド部をさらに含み、
前記ノズルは前記内部管と前記流入口の間で前記第3ガイド部が離隔した空間が形成する流入管をさらに含む、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項12】
前記インクは前記内部管から前記流入管に沿って前記流入口に供給され、
前記双極性素子は前記流入管の一側面に沿って前記第2側面に流入する、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項13】
前記インクジェットヘッドは一方向に延びた支持台に据え付けられたプリントヘッドユニットに配置され、前記プリントヘッドユニットは前記一方向に移動する、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項14】
前記吐出されたインクは前記ステージ上に噴射され、前記電界生成ユニットは前記ステージ上に電界を生成する、請求項に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項15】
前記ステージ上に噴射された双極性素子は、前記電界によって延びた方向が前記第1方向と異なる第2方向に向かうように整列する、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項16】
請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置を用いた双極性素子の整列方法であって、
対象基板上に一方向に配向された、一方向に延びた形状を有し、前記一方向に延びた形状の一端部は第1極性を有し、他端部は前記第1極性と異なる第2極性を有する双極性素子を複数含むインクを噴射する段階と、
前記対象基板の上部に電界を生成して前記双極性素子を前記対象基板上に安着させる段階を含む、双極性素子の整列方法。
【請求項17】
記インクを噴射する段階は、前記双極性素子の長軸が向かう方向が前記対象基板の上面に垂直である状態で配向されて噴射される段階である、請求項1に記載の双極性素子の整列方法。
【請求項18】
前記インクを噴射する段階は、前記インクに電界が生成されて前記双極性素子の長軸が前記電界が向かう方向に配向される段階を含む、請求項1に記載の双極性素子の整列方法。
【請求項19】
前記インクは、前記双極性素子の前記一端部が前記対象基板の上面に向かうように配向された状態で噴射される、請求項1に記載の双極性素子の整列方法。
【請求項20】
前記対象基板は第1電極と第2電極を含み、
前記双極性素子を安着させる段階は前記第1電極と前記第2電極の間に前記双極性素子を安着させる段階である、請求項1に記載の双極性素子の整列方法。
【請求項21】
前記双極性素子は少なくとも一端部が前記第1電極および前記第2電極のうち少なくともいずれか一つ上に配置される、請求項2に記載の双極性素子の整列方法。
【請求項22】
請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置を用いた表示装置の製造方法であって、
第1電極および第2電極が形成された対象基板を準備する段階と、
前記対象基板上に一方向に配向された、一方向に延びた形状を有し、前記一方向に延びた形状の一端部は第1極性を有し、他端部は前記第1極性と異なる第2極性を有する発光素子を複数含むインクを噴射する段階と、
前記第1電極と前記第2電極の間に前記発光素子を安着させる段階を含む、表示装置の製造方法。
【請求項23】
記インクを噴射する段階は前記発光素子の長軸が向かう方向が前記対象基板の上面に垂直である状態で配向されて噴射される段階である、請求項2に記載の表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記発光素子を安着させる段階は前記第1電極と前記第2電極上に電界が生成され、
前記電界によって前記発光素子の配向方向が整列する段階をさらに含む、請求項2に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットプリンティング装置、双極性素子の整列方法および表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置はマルチメディアの発達と共にその重要性が増大している。これに応じて有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display,OLED)、液晶表示装置(Liquid Crystal Display,LCD)等のような様々な種類の表示装置が使われている。
【0003】
表示装置の画像を表示する装置として有機発光表示パネルや液晶表示パネルのような表示パネルを含む。その中で、発光表示パネルとしては、発光素子を含み得るが、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)の場合、有機物を蛍光物質として用いる有機発光ダイオード(OLED)、無機物を蛍光物質として用いる無機発光ダイオード等がある。
【0004】
蛍光物質として無機物半導体を用いる無機発光ダイオードは、高温の環境でも耐久性を有し、有機発光ダイオードに比べて青色光の効率が高い長所がある。また、既存の無機発光ダイオード素子の限界として指摘されていた製造工程においても、誘電泳動(Dielectrophoresis,DEP)法を用いた転写方法が開発された。そのため、有機発光ダイオードに比べて耐久性および効率に優れた無機発光ダイオードに対する研究が続けられている。
【0005】
一方、誘電泳動法を用いて、無機発光ダイオード素子を転写するために、または、表示装置に含まれる有機物層を形成するために、インクジェットプリンティング装置が用いられる。任意のインクや溶液をインクジェットでプリンティングした後、後処理工程を行うことで、前記無機発光ダイオード素子を転写することができ、有機物層を形成することもできる。インクジェットプリンティング装置は所定のインクまたは溶液がインクジェットヘッドに供給され、インクジェットヘッドは所定の基板上に前記インクや溶液を噴射する工程を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、双極性素子が一定の配向を有して吐出され得るインクジェットプリンティング装置を提供することにある。
【0007】
本発明が解決しようとする他の課題は、インクジェットプリンティング装置を用いて整列度が改善された双極性素子の整列方法、および双極性素子を含む表示装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための一実施形態によるインクジェットプリンティング装置は、一方向に延びた双極性素子を含むインクを吐出するインクジェットプリンティング装置であって、前記インクジェットプリンティング装置は、ステージおよび前記ステージ上に電界を生成するプローブユニットを含む電界生成ユニットおよび前記ステージの上部に位置し、前記インクが吐出される複数のノズルを有するインクジェットヘッドを含み、前記ノズルは第1直径を有する流入口および前記流入口と連結されて前記第1直径より小さい第2直径を有する排出口を含む。
【0010】
前記ノズルは前記排出口の一側面である第1側面は第1方向に延び、前記流入口の一側面である第2側面は前記第1方向を基準として傾斜するように形成され得る。
【0011】
前記インクは前記流入口を介して前記排出口に流入し、前記双極性素子は前記ノズルの前記第2側面に沿って前記排出口に流入し得る。
【0012】
前記双極性素子は、延びた一方向が前記第1方向と平行な状態で前記排出口から吐出され得る。
【0013】
前記インクジェットヘッドは複数の前記ノズルの間に位置するガイド部をさらに含み、前記ガイド部は前記排出口の間の第1ガイド部および前記流入口の間の第2ガイド部を含み得る。
【0014】
前記インクジェットヘッドは、前記ガイド部に配置された電界生成電極をさらに含み得る。
【0015】
前記電界生成電極は、前記第1ガイド部の前記第1側面と接触する一面に配置された第1電界生成電極および前記第2ガイド部の前記第2側面と接触する一面に配置され、前記第1電界生成電極と前記第1方向に離隔した第2電界生成電極を含み得る。
【0016】
前記第1電界生成電極および前記第2電界生成電極は、前記流入口と前記排出口に前記第1方向に向かう電界を生成し得る。
【0017】
前記インクジェットヘッドは、前記ノズルを囲むように配置された電界生成コイルをさらに含み得る。
【0018】
前記電界生成コイルは、前記流入口と前記排出口に前記第1方向に向かう電界を生成し得る。
【0019】
前記インクジェットヘッドは前記流入口と連結された内部管をさらに含み、前記流入口の前記第1直径は前記内部管から前記排出口に行くほど小さくなり得る。
【0020】
前記インクジェットヘッドは前記流入口と前記内部管の間に配置された複数の第3ガイド部をさらに含み、前記ノズルは前記内部管と前記流入口の間で前記第3ガイド部が離隔した空間が形成する流入管をさらに含み得る。
【0021】
前記インクは前記内部管から前記流入管に沿って前記流入口に供給され、前記双極性素子は前記流入管の一側面に沿って前記第2側面に流入し得る。
【0022】
前記インクジェットヘッドは一方向に延びた支持台に据え付けられたプリントヘッドユニットに配置され、前記プリントヘッドユニットは前記一方向に移動し得る。
【0023】
前記吐出されたインクは前記ステージ上に噴射され、前記電界生成ユニットは前記ステージ上に電界を生成し得る。
【0024】
前記ステージ上に噴射された双極性素子は、前記電界によって延びた方向が前記第1方向と異なる第2方向に向かうように整列し得る。
【0025】
前記課題を解決するための一実施形態による双極性素子の整列方法は、対象基板上に一方向に配向された双極性素子を含むインクを噴射する段階および前記対象基板の上部に電界を生成して前記双極性素子を前記対象基板上に安着させる段階を含む。
【0026】
前記双極性素子は一方向に延びた形状を有し、前記インクを噴射する段階は前記双極性素子の長軸が向かう方向が前記対象基板の上面に垂直である状態で配向されて噴射される段階であり得る。
【0027】
前記インクを噴射する段階は、前記インクに電界が生成されて前記双極性素子の長軸が前記電界が向かう方向に配向される段階を含み得る。
【0028】
前記インクは前記双極性素子の第1端部が前記対象基板の上面に向かうように配向された状態で噴射され得る。
【0029】
前記対象基板は第1電極と第2電極を含み、前記双極性素子を安着させる段階は前記第1電極と前記第2電極の間に前記双極性素子を安着させる段階であり得る。
【0030】
前記双極性素子は少なくとも一端部が前記第1電極および前記第2電極のうち少なくともいずれか一つ上に配置され得る。
【0031】
前記対象基板上に前記インクを噴射する段階は、インクジェットプリンティング装置を用いて行われ得る。
【0032】
前記インクジェットプリンティング装置は、ステージおよび前記ステージ上に電界を生成するプローブユニットを含む電界生成ユニットおよび前記ステージの上部に位置し、前記インクが吐出される複数のノズルを有するインクジェットヘッドを含み、前記ノズルは第1幅を有する流入口および前記流入口と連結されて前記第1幅より小さい第2幅を有する排出口を含み得る。
【0033】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置の製造方法は、第1電極および第2電極が形成された対象基板を準備する段階、前記対象基板上に一方向に配向された発光素子を含むインクを噴射する段階および前記第1電極と前記第2電極の間に前記発光素子を安着させる段階を含む。
【0034】
前記発光素子は一方向に延びた形状を有し、前記インクを噴射する段階は、前記発光素子の長軸が向かう方向が前記対象基板の上面に垂直である状態で配向されて噴射される段階であり得る。
【0035】
前記発光素子を安着させる段階は、前記第1電極と前記第2電極上に電界が生成され、前記電界によって前記発光素子の配向方向が整列する段階をさらに含み得る。
【0036】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0037】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置は傾斜した側面を有し、一部領域が互いに異なる直径を有するノズルを含み、インク内に分散した双極性素子は任意の配向方向を有する状態で吐出されることができる。また、インクジェットプリンティング装置は電界を生成できる部材がインクジェットヘッドにさらに配置され、双極性素子は特定の配向方向を有して整列した状態で吐出されることができる。
【0038】
そのため、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を用いて高い整列度で双極性素子を整列させることができる。
【0039】
実施形態による効果は、以上で例示した内容によって制限されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の斜視図である。
図2】一実施形態によるプリントヘッドユニットの概略的な平面図である。
図3】一実施形態によるプリントヘッドユニットの動作を示す概略図である。
図4】一実施形態によるインクジェットヘッドの概略的な断面図である。
図5】一実施形態によるインクジェットヘッドからインクが吐出されることを示す断面図である。
図6】一実施形態によるインクジェットヘッドから吐出されたインクを示す概略図である。
図7】一実施形態による電界生成ユニットの概略的な平面図である。
図8】一実施形態によるプローブユニットの動作を示す概略図である。
図9】一実施形態によるプローブユニットの動作を示す概略図である。
図10】一実施形態による電界生成ユニットによって対象基板上に電界が生成されたことを示す概略図である。
図11】他の実施形態によるインクジェットヘッドの概略的な断面図である。
図12図11のQ1部分の拡大図である。
図13図11のインクジェットヘッドの他の一例を示す概略的な断面図である。
図14図11のインクジェットヘッドのまた他の一例を示す概略的な断面図である。
図15】また他の実施形態によるインクジェットヘッドの概略的な断面図である。
図16図15のQ2部分の拡大図である。
図17】また他の実施形態によるインクジェットヘッドの概略的な断面図である。
図18図17のインクジェットヘッドでインクが流れることを示す概略図である。
図19】一実施形態による双極性素子の整列方法を示すフローチャートである。
図20】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を用いた双極性素子の整列方法を示す断面図である。
図21】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を用いた双極性素子の整列方法を示す断面図である。
図22】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を用いた双極性素子の整列方法を示す断面図である。
図23】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を用いた双極性素子の整列方法を示す断面図である。
図24】一実施形態による発光素子の概略図である。
図25】他の実施形態による発光素子の概略図である。
図26】一実施形態による表示装置の概略的な平面図である。
図27】一実施形態による表示装置の一画素を示す平面図である。
図28図27のXa-Xa’線、Xb-Xb’線およびXc-Xc’線に沿って切断した断面図である。
図29】一実施形態による表示装置の製造方法の一部を示す断面図である。
図30】一実施形態による表示装置の製造方法の一部を示す断面図である。
図31】一実施形態による表示装置の製造方法の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現されることができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0042】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称する場合、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。これと同様に、「下(below)」、「左(left)」および「右(right)」と称される場合は、他の素子とすぐ隣に介在する場合または中間に他の層または他の素材を介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を称する。
【0043】
第1、第2等が多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得るのはもちろんである。
【0044】
以下、添付する図面を参照して実施形態について説明する。
【0045】
図1は一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の概略的な平面図である。
【0046】
図1を参照すると、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、複数のインクジェットヘッド(300,図2に図示)を含むプリントヘッドユニット100および電界生成ユニット700を含む。インクジェットプリンティング装置1000はベースフレーム600、ステージSTAをさらに含み得る。
【0047】
インクジェットプリンティング装置1000はプリントヘッドユニット100を用いて所定のインク(90,図3に図示)を対象基板(SUB、図3に図示)上に噴射することができる。インク90が噴射された対象基板SUB上には電界生成ユニット700により電界が生成され、インク90に含まれた双極性素子のような粒子は対象基板SUB上で整列することができる。
【0048】
対象基板SUBは電界生成ユニット700上に提供されることができ、電界生成ユニット700は対象基板SUBの上部に電界を形成し、前記電界は対象基板SUB上に噴射されたインク90に伝達されることができる。インク90に含まれた双極性素子のような粒子は一方向に延びた形状を有し、前記電界によって延びた方向が一方向に向かうように整列することができる。ここで、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は後述するインクジェットヘッド300を含み、対象基板SUB上に整列する双極性素子のような粒子は任意の方向に配向された状態で対象基板SUB上に噴射され得る。また、インクジェットヘッド300はインク90に含まれた粒子によってインク90が吐出されるノズル350が詰まることを防止することができる。以下、図面を参照してインクジェットプリンティング装置1000について詳細に説明する。
【0049】
一方、図1では第1方向DR1、第2方向DR2および第3方向DR3が定義されている。第1方向DR1と第2方向DR2は一平面上に位置して互いに直交する方向であり、第3方向DR3は第1方向DR1と第2方向DR2にそれぞれ垂直な方向である。第1方向DR1は図面上横方向を意味し、第2方向DR2は図面上縦方向を意味し、第3方向DR3は図面上上部および下部方向を意味するものと理解されることができる。
【0050】
図2は一実施形態によるプリントヘッドユニットの概略的な平面図である。
【0051】
図1に関連して図2を参照すると、インクジェットプリンティング装置1000は複数のインクジェットヘッド300を含むプリントヘッドユニット100と電界生成ユニット700を含む。また、インクジェットプリンティング装置1000は電界生成ユニット700が配置されるステージSTAをさらに含み得る。
【0052】
ステージSTAは電界生成ユニット700が配置される領域を提供することができる。インクジェットプリンティング装置1000は第2方向DR2に延びた第1レールRL1および第2レールRL2を含み、ステージSTAは第1レールRL1と第2レールRL2上に配置される。ステージSTAは第1レールRL1と第2レールRL2上で別の移動部材を介して第2方向DR2に移動し得る。電界生成ユニット700はステージSTAとともに第2方向DR2に移動し得、プリントヘッドユニット100を通過してその上部にインク90が噴射され得る。
【0053】
プリントヘッドユニット100は複数のインクジェットヘッド300を含んでベースフレーム600に配置され得る。プリントヘッドユニット100は別のインク格納部と連結されたインクジェットヘッド300を用いて電界生成ユニット700に提供される対象基板SUB上に所定のインク90を噴射し得る。
【0054】
一方、一実施形態で、インク90は溶媒91と溶媒91内に含まれた複数の双極性素子95を含み得る。例示的な実施形態で、インク90は溶液またはコロイド(colloide)状態で提供されることができる。例えば、溶媒91はアセトン、水、アルコール、トルエン、プロピレングリコール(Propylene glycol,PG)またはプロピレングリコールメチルアセテート(Propylene glycol methyl acetate,PGMA)等であり得るが、これに制限されない。複数の双極性素子95は溶媒91内に分散した状態で含まれてプリントヘッドユニット100に供給されて吐出されることができる。
【0055】
ベースフレーム600は支持部610および移動ユニット630を含み得る。支持部610は水平方向である第1方向DR1に延びた第1支持部611および第1支持部611と連結されて垂直方向である第3方向DR3に延びた第2支持部612を含み得る。第1支持部611の延長方向は電界生成ユニット700の長辺方向である第1方向DR1と同様であり得る。プリントヘッドユニット100は第1支持部611上に据え付けられた移動ユニット630に配置され得る。
【0056】
移動ユニット630は第1支持部611に据え付けられ、一方向に移動できる移動部631および移動部631の下面に配置されてプリントヘッドユニット100が配置される固定部632を含み得る。移動部631は第1支持部611上で第1方向DR1に移動することができ、プリントヘッドユニット100は固定部632に固定されて移動部631とともに第1方向DR1に移動することができる。
【0057】
プリントヘッドユニット100はベースフレーム600に配置され、インクストレージから提供されたインク90を後述するインクジェットヘッド300を介して対象基板SUB上に噴射することができる。プリントヘッドユニット100はベースフレーム600の下部で通過するステージSTAから一定間隔離隔し得る。プリントヘッドユニット100がステージSTAと離隔した間隔はベースフレーム600の第2支持部612の高さによって調節されることができる。プリントヘッドユニット100とステージSTAの離隔距離はステージSTA上に電界生成ユニット700と対象基板SUBが配置されたときプリントヘッドユニット100が対象基板SUBからある程度の間隔を有して工程空間が確保できる範囲内で調節されることができる。
【0058】
一実施形態によれば、プリントヘッドユニット100は複数のノズル350を含むインクジェットヘッド300を含み得る。インクジェットヘッド300はプリントヘッドユニット100の下面に配置され得る。
【0059】
複数のインクジェットヘッド300は一方向に互いに離隔して配置され、一つの列または複数の列に配列されることができる。図面ではインクジェットヘッド300が2列に配置されて各列のインクジェットヘッド300が互いにずれるように配置されたことを示している。ただし、これに制限されず、インクジェットヘッド300はより多くの数の列に配列されることができ、互いにずれることなく重なるように配置されることもできる。インクジェットヘッド300の形状は特に制限されないが、一例としてインクジェットヘッド300は四角形の形状を有することができる。
【0060】
インクジェットヘッド300は少なくとも一つ、例えば2個のインクジェットヘッド300が一つのパック(pack)を形成して隣接するように配置され得る。ただし、一つのパックに含まれるインクジェットヘッド300の数はこれに制限されず、一例として一つのパックに含まれるインクジェットヘッド300の数は1個~5個であり得る。また、図面にはプリントヘッドユニット100に配置されたインクジェットヘッド300を6個のみ示しているが、これはプリントヘッドユニット100を概略的に図示するためであり、インクジェットヘッド300の数はこれに制限されない。
【0061】
プリントヘッドユニット100に配置されたインクジェットヘッド300はステージSTAの上部に配置される対象基板SUB上にインク90を噴射し得る。一実施形態によれば、プリントヘッドユニット100は第1支持部611上で一方向に移動することができ、インクジェットヘッド300は前記一方向に移動して対象基板SUBの上部にインク90を噴射することができる。
【0062】
図3は一実施形態によるプリントヘッドユニットの動作を示す概略図である。図3は一実施形態によるプリントヘッドユニット100と、ステージSTA上に配置された電界生成ユニット700を正面から見た形状を示している。
【0063】
図1および図3を参照すると、プリントヘッドユニット100は第1支持部611が延びた第1方向DR1に移動することができ、インクジェットヘッド300は第1方向DR1に移動して対象基板SUBの上部にインク90を噴射することができる。いくつかの実施形態で、対象基板SUBは第1方向DR1に測定された幅がプリントヘッドユニット100の幅より大きくてもよい。この場合、プリントヘッドユニット100は第1方向DR1に移動して対象基板SUB上に全面的にインク90を噴射することができる。また、電界生成ユニット700上には複数の対象基板SUBが提供される場合、プリントヘッドユニット100は第1方向DR1に移動しながら複数の対象基板SUB上にインク90をそれぞれ噴射することができる。
【0064】
ただし、これに制限されず、プリントヘッドユニット100は第1レールRL1と第2レールRL2の外側に位置してから第1方向DR1に移動して対象基板SUBの上部にインク90を噴射することができる。プリントヘッドユニット100はステージSTAが第2方向DR2に移動してベースフレーム600の下部に位置すると、第1レールRL1と第2レールRL2の間に移動してインクジェットヘッド300を介してインク90を噴射することができる。このようなインクジェットヘッド300の動作はこれに制限されず、これを実現できる範囲内で多様に変形することができる。インクジェットヘッド300の動作に係る詳しい説明は省略する。
【0065】
図4は一実施形態によるインクジェットヘッドの概略的な断面図である。図5は一実施形態によるインクジェットヘッドからインクが吐出されることを示す断面図である。
【0066】
図4および図5を参照すると、インクジェットヘッド300は複数のノズル350を含んでノズル350を介してインク90を吐出することができる。ノズル350から吐出されたインク90はステージSTAまたは電界生成ユニット700上に提供された対象基板SUBに噴射され得る。ノズル350はインクジェットヘッド300の底面に位置し、インクジェットヘッド300が延びた一方向に沿って配列され得る。
【0067】
一実施形態によるインクジェットヘッド300は、ベース部310、インク90が供給される内部管330、内部管330と連結されてインク90が吐出される複数のノズル350およびベース部310のうち複数のノズル350の間に位置するガイド部370を含み得る。
【0068】
ベース部310はインクジェットヘッド300の本体を構成する部分であり得る。ベース部310はプリントヘッドユニット100に付着し、ベース部310に含まれた内部管330はプリントヘッドユニット100の内部流路と連結されてインク90が供給されることができる。ベース部310は一方向に延びた形状を有することができ、内部管330はベース部310の延長方向に沿って形成されることができる。プリントヘッドユニット100を介して供給されたインク90は内部管330に沿って流入し、インクジェットヘッド300のノズル350を介して吐出され得る。
【0069】
インクジェットヘッド300は複数のノズル350を含み、ベース部310は複数のノズル350の間の部分であるガイド部370を含み得る。複数のノズル350は互いに離隔して配列され、ベース部310のうち、これらの間の部分はガイド部370であり得る。
【0070】
複数のノズル350は内部管330と連結され、ベース部310の延長方向に沿って配列され得る。図面に示していないが、複数のノズル350は1列または複数列に配列され得る。また、図面ではインクジェットヘッド300に4個のノズル350が形成されたことが示されているが、これに制限されない。いくつかの実施形態で、インクジェットヘッド300に含まれたノズル350の数は128個~1800個であり得る。
【0071】
ノズル350は内部管330に沿って流入したインク90を吐出し得る。ノズル350を介するインク90の噴射量は各ノズル350に印加される電圧に応じて調節されることができる。一実施形態で、各ノズル350から1回吐出されるインク90の量は1~50pl(picolitter)であり得るが、これに制限されるものではない。
【0072】
一実施形態によれば、ノズル350は第1直径R1を有する流入口351および流入口351と連結されて第1直径R1より小さい第2直径R2を有する排出口353を含み得る。流入口351は内部管330と直接連結され、内部管330に沿って流れるインク90がノズル350に供給される部分である。排出口353は流入口351と連結され、流入口351から供給されたインク90は排出口353を介して吐出され得る。
【0073】
インク90に分散した双極性素子95は一方向に延びた形状を有することができる。インク90内で無作為に分散した双極性素子95は内部管330に沿って流れてノズル350に供給されることができる。ノズル350の内部管330と連結された入口が狭い直径を有する場合、インク90内の双極性素子95が固まった状態でノズル350に供給され、ノズル350の入口が詰まる現象が発生し得る。一実施形態によるインクジェットヘッド300は、排出口353の第2直径R2より大きい第1直径R1を有する流入口351を含むことで双極性素子95によりノズル350が詰まることを防止することができる。流入口351の第1直径R1は双極性素子95の長軸の長さより大きくてもよいが、これに制限されない。
【0074】
双極性素子95は一方向に延びた形状を有することにより、複数の双極性素子95は長軸が向かう方向である配向方向が決定され得る。複数の双極性素子95はインク90内で無作為の配向方向を有する状態で内部管330に供給されることができる。ただし、内部管330に流れるインク90がノズル350に供給されるとき、流入口351の形状に応じて双極性素子95の長軸が向かう方向、すなわち配向方向が変わり得る。
【0075】
インクジェットヘッド300のノズル350は少なくとも一部領域が傾斜した側面を有することができる。一実施形態によれば、インクジェットヘッド300のノズル350は排出口353の一側面である第1側面S1は一方向に延び、流入口351の一側面である第2側面S2は前記一方向を基準として傾斜するように形成され得る。流入口351の第1直径R1は内部管330から排出口353に行くほど小さくなる。流入口351は排出口353より大きい直径を有するが、内部管330と隣接する部分より排出口353と隣接する部分はさらに小さい直径を有することで、第2側面S2は傾斜するように形成されることができる。
【0076】
内部管330からノズル350に供給されるインク90は流入口351の傾斜した側面に沿って流れ得る。インク90に分散した双極性素子95は流入口351の第2側面S2に沿って流れ、無作為の配向方向を有する双極性素子95は第2側面S2に沿って流れながら配向方向が変わり得る。一方向に延びた双極性素子95は長軸が向かう方向が第2側面S2の傾斜した方向と平行なように変わり得る。そのためインク90に分散した双極性素子95は任意の一方向に向かう配向方向を有することができる。
【0077】
ノズル350の排出口353は流入口351とは異なり、第1側面S1が一方向に延びることができる。流入口351を介して流入したインク90は排出口353の第1側面S1に沿って流れながら配向方向が変わることなくそのまま吐出されることができる。排出口353に流入する双極性素子95は流入口351の第2側面S2のよって流れながら任意の配向方向を有し、前記配向方向を有する状態で排出口353に吐出されることができる。一実施形態によれば、インクジェットヘッド300から吐出される双極性素子95は長軸の方向が排出口353の第1側面S1が延びた一方向と平行な状態から吐出される。
【0078】
図5に示すように、内部管330に供給された双極性素子95は無作為の配向方向を有して流れる。ただし、ノズル350の流入口351を介して排出口353に流入する双極性素子95は延びた一方向と第1側面S1が延びた一方向が平行なように配向されることができる。インクジェットヘッド300のノズル350から吐出されたインク90は任意の配向方向を有する複数の双極性素子95が分散した状態で含まれ得る。
【0079】
インクジェットヘッド300のベース部310はノズル350の間に位置する部分であるガイド部370を含み、ガイド部370の形状に応じて流入口351と排出口353の側面S1,S2の形状および直径R1,R2が決定されることができる。一実施形態によれば、インクジェットヘッド300は複数のノズル350の間に位置するガイド部370を含み、ガイド部370は排出口353の間の第1ガイド部371および流入口351の間の第2ガイド部372を含み得る。前述したように、流入口351の直径R1は排出口353の直径R2より大きくてもよく、これと同様に、第1ガイド部371の第1幅W1は第2ガイド部372の第2幅W2より大きくてもよい。また、第2ガイド部372は内部管330から第1ガイド部371に行くほど第2幅W2が大きくなる。そのため第2ガイド部372の間の流入口351は第1直径R1が変わり、傾斜した側面を形成することができる。
【0080】
第1側面S1と第2側面S2を有するノズル350は複数の双極性素子95が任意の配向方向を有する状態のインク90を吐出することができ、前述したようにインクジェットヘッド300から吐出されたインク90は対象基板SUB上に噴射されることができる。
【0081】
図6は一実施形態によるインクジェットヘッドから吐出されたインクを示す概略図である。
【0082】
図6を参照すると、インクジェットヘッド300から吐出されたインク90は対象基板SUB上に噴射される。内部管330で無作為の配向を有する双極性素子95はノズル350を介して任意の配向方向を有して吐出されることができる。例示的な実施形態で、インク90は双極性素子95の長軸が向かう配向方向が対象基板SUBの上面に垂直である状態で配向されてインクジェットヘッド300から吐出されることができる。インク90がインクジェットヘッド300から吐出されて対象基板SUB上に噴射されたインク90は双極性素子95の長軸が向かう方向が対象基板SUBの上面に向かうことができる。後述するように、双極性素子95は任意の配向方向を有して対象基板SUB上に噴射され、電界生成ユニット700が生成する電界によって特定の配向方向を有して対象基板SUB上に安着することができる。
【0083】
一方、双極性素子95は第1極性を有する第1端部と第2極性を有する第2端部を含み得る。一方向に延びた双極性素子95は第1端部が向かう方向を基準として特定の配向方向が定義されることができる。図5および図6ではインク90内に分散した双極性素子95は第1端部が向かう方向が統一されず、図面上上部方向および下部方向に向かうことが示されている。ただし、これに制限されない。いくつかの実施形態で、インクジェットヘッド300はインク90内に分散した双極性素子95が第1端部が同じ方向に向かうようにノズル350内に電界を生成する部材をさらに含み得る。これに関する説明は他の実施形態が参照される。
【0084】
対象基板SUB上に双極性素子95を含むインク90が噴射されると、電界生成ユニット700は対象基板SUBの上部に電界を生成することができる。前記電界によってインク90内に含まれた双極性素子95は特定の配向方向を有するように整列することができる。以下、他の図面を参照して電界生成ユニット700について説明する。
【0085】
図7は一実施形態による電界生成ユニットの概略的な平面図である。
【0086】
図1および図7を参照すると、電界生成ユニット700はサブステージ710、プローブ支持台730、プローブユニット750およびアライナ780を含み得る。
【0087】
電界生成ユニット700はステージSTA上に配置され、ステージSTAとともに第2方向DR2に移動し得る。対象基板SUBが配置された電界生成ユニット700はステージSTAに沿って移動し、その上部にインク90が噴射され得る。電界生成ユニット700はインク90が噴射されると対象基板SUBの上部に電界を生成することができる。
【0088】
サブステージ710は対象基板SUBが配置される空間を提供することができる。また、サブステージ710上にはプローブ支持台730、プローブユニット750およびアライナ780が配置され得る。サブステージ710の形状は特に制限されないが、一例として、サブステージ710は図面に示すように両辺が第1方向DR1および第2方向DR2に延びた四角形の形状を有することができる。サブステージ710は第1方向DR1に延びた長辺と第2方向DR2に延びた短辺を含み得る。ただし、サブステージ710の全般的な平面形状は対象基板SUBの平面上形状に応じて変わり得る。例えば、対象基板SUBが平面上長方形の場合、図面に示すようにサブステージ710の形状は長方形であり得、対象基板SUBが円形の平面を有する場合、サブステージ710も平面上形状が円形であり得る。
【0089】
アライナ780はサブステージ710上に少なくとも一つ配置され得る。アライナ780はサブステージ710の各辺上に配置され、複数のアライナ780が囲む領域は対象基板SUBが配置される領域であり得る。図面ではサブステージ710の各辺上に2個のアライナ780が離隔して配置され、サブステージ710上には合計8個のアライナ780が配置されたことが示されている。ただし、これに制限されず、アライナ780の数と配置等は対象基板SUBの形状または種類によって変わり得る。
【0090】
プローブ支持台730およびプローブユニット750はサブステージ710上に配置される。プローブ支持台730はサブステージ710上でプローブユニット750が配置される空間を提供することができる。具体的にはプローブ支持台730はサブステージ710上の少なくとも一側に配置され、一側部が延びた方向に沿って延び得る。一例として、図面に示すようにプローブ支持台730はサブステージ710上の左右側の側部で第2方向DR2に延びて配置され得る。ただし、これに制限されず、プローブ支持台730はより多くの数が含まれ得、場合によってはサブステージ710の上下側にも配置されることができる。すなわち、プローブ支持台730は電界生成ユニット700に含まれるプローブユニット750の数、または配置や構造等によってその構造が変わり得る。
【0091】
プローブユニット750はプローブ支持台730上に配置されてサブステージ710に準備される対象基板SUB上に電界を形成することができる。プローブユニット750はプローブ支持台730のように一方向、例えば、第2方向DR2に延びて前記延びた長さは対象基板SUB全体をカバーすることができる。すなわち、プローブ支持台730とプローブユニット750の大きさおよび形状は対象基板SUBにより変わり得る。
【0092】
一実施形態で、プローブユニット750はプローブ支持台730上に配置されるプローブ駆動部753、プローブ駆動部753に配置されて電気信号が伝達されるプローブジグ751、およびプローブジグ751に接続されて前記電気信号を対象基板SUB上に電気信号を伝達するプローブパッド758を含み得る。
【0093】
プローブ駆動部753はプローブ支持台730上に配置されてプローブジグ751およびプローブパッド758を移動させることができる。例示的な実施形態で、プローブ駆動部753はプローブジグ751を水平方向および垂直方向、例えば水平方向である第1方向DR1と垂直方向である第3方向DR3に移動させることができる。プローブ駆動部753の駆動によってプローブパッド758は対象基板SUBと接触すること、及び、分離することができる。インクジェットプリンティング装置1000の工程中に、対象基板SUBに電界を形成する段階ではプローブ駆動部753が駆動してプローブパッド758を対象基板SUBに接触させ、それ以外の段階ではプローブ駆動部753が再び駆動してプローブパッド758を対象基板SUBと分離させることができる。これに係る詳しい説明は他の図面を参照して後述する。
【0094】
プローブパッド758はプローブジグ751から伝達される電気信号を介して対象基板SUB上に電界を形成することができる。プローブパッド758は対象基板SUBに接触して前記電気信号を伝達して対象基板SUB上に電界を形成することができる。一例として、プローブパッド758は対象基板SUBの電極または電源パッド等に接触し、プローブジグ751の電気信号は前記電極または電源パッドに伝達されることができる。対象基板SUBに伝達された前記電気信号は対象基板SUB上に電界を形成することができる。
【0095】
ただし、これに制限されるものではなく、プローブパッド758はプローブジグ751から伝達された電気信号を介して電界を形成する部材であり得る。すなわち、プローブパッド758から前記電気信号の伝達を受けて電界を形成する場合、プローブパッド758は対象基板SUBと接触されなくてもよい。
【0096】
プローブパッド758の形状は特に制限されないが、例示的な実施形態で、プローブパッド758は対象基板SUB全体をカバーするように一方向に延びた形状を有することができる。
【0097】
プローブジグ751はプローブパッド758に接続され、別の電圧印加装置と接続され得る。プローブジグ751は前記電圧印加装置から伝達される電気信号をプローブパッド758に伝達して対象基板SUB上に電界を形成することができる。プローブジグ751に伝達される電気信号は電界を形成するための電圧、一例として交流電圧であり得る。
【0098】
プローブユニット750は複数のプローブジグ751を含み得、その数は特に制限されない。図面では3個のプローブジグ751と3個のプローブ駆動部753が配置されたことを示しているが、プローブユニット750はより多くの数のプローブジグ751およびプローブ駆動部753を含み対象基板SUB上にさらに高い密度を有する電界を形成することもできる。
【0099】
一実施形態によるプローブユニット750はこれに制限されない。図面ではプローブユニット750がプローブ支持台730、すなわち電界生成ユニット700に配置されたことが示されているが、場合によってプローブユニット750は別の装置に配置されることもできる。電界生成ユニット700は電界を形成できる装置を含み対象基板SUB上に電界を形成できれば、その構造や配置は制限されない。
【0100】
図8および図9は一実施形態によるプローブユニットの動作を示す概略図である。
【0101】
前述したように、プローブユニット750のプローブ駆動部753はインクジェットプリンティング装置1000の工程段階に従い動作することができる。図8および図9を参照すると、電界生成ユニット700に電界を形成しない第1状態ではプローブユニット750はプローブ支持台730上に配置されて対象基板SUBと離隔することができる。プローブユニット750のプローブ駆動部753は水平方向である第2方向DR2と垂直方向である第3方向DR3に駆動してプローブパッド758を対象基板SUBと離隔させることができる。
【0102】
次に、対象基板SUB上に電界を形成する第2状態ではプローブユニット750のプローブ駆動部753が駆動してプローブパッド758を対象基板SUBと接触させることができる。プローブ駆動部753が垂直方向である第3方向DR3と水平方向である第1方向DR1に駆動してプローブパッド758は対象基板SUBと接触することができる。プローブユニット750のプローブジグ751はプローブパッド758に電気信号を伝達し、対象基板SUB上には電界が形成されることができる。
【0103】
一方、図面では電界生成ユニット700の両側にプローブユニット750がそれぞれ一つずつ配置され、二つのプローブユニット750が同時に対象基板SUBに接触することを示している。ただし、これに制限されるものではなく、複数のプローブユニット750はそれぞれ別に駆動されることもできる。例えば、サブステージ710上に対象基板SUBが準備され、インク90が噴射されると、任意の第1プローブユニット750が先に対象基板SUB上に電界を形成し、第2プローブユニット750は対象基板SUBに接触しない。その後、第1プローブユニット750が対象基板SUBから分離し、第2プローブユニット750が対象基板SUBと接触して電界を形成することもできる。すなわち、複数のプローブユニット750は同時に駆動して電界を形成することができ、それぞれ順次駆動して順次に電界を形成することもできる。
【0104】
図10は一実施形態による電界生成ユニットによって対象基板上に電界が生成されたことを示す概略図である。
【0105】
双極性素子95は一端部が第1極性を有し、他端部が第1極性と異なる第2極性を有する物体であり得る。例えば、双極性素子95の一端部は陽の極性を有し、双極性素子95の他端部は陰の極性を有することができる。両端部に異なる極性を有する双極性素子95は所定の電界に置かれたとき電気的な力(引力と斥力)を受けて配向方向が制御されることができる。
【0106】
図10を参照すると、インク90は双極性素子95を含んでインクジェットヘッド300のノズル350から吐出される。ノズル350から吐出されたインク90は任意の配向方向を有する双極性素子95を含んで対象基板SUB上に噴射されることができる。対象基板SUB上に電界IELが生成されると、第1極性および第2極性を有する双極性素子95は対象基板SUB上にインク90が安着するまで、または安着した後にも電気的力を受けることができる。前記電気的力によって双極性素子95は第1端部および第2端部の極性に応じて配向されることができる。一例として双極性素子95の配向方向は電界IELが向かう方向であり得る。
【0107】
前述したように、インクジェットヘッド300から吐出された双極性素子95は長軸が向かう方向が対象基板SUBの上面と垂直な方向に配向されることができる。対象基板SUB上に生成される電界IELは対象基板SUBの上面に水平な方向に形成され、双極性素子95は第1端部と第2端部が電界IELの方向に沿って配向方向および位置が変わり得る。例示的な実施形態で、対象基板SUB上に噴射された双極性素子95は電界IELにより延びた方向が対象基板SUBの上面に垂直な方向と異なる方向に向かうように配向されることができる。
【0108】
対象基板SUB上に水平方向の電界IELが生成されると、一方向に延びた双極性素子95は第1端部と第2端部が対象基板SUB上に水平な方向に向かうように配向されることができる。ここで、双極性素子95は第1極性を有する第1端部が一方向に向かい、第2極性を有する第2端部は他方向に向かうように配向されることができる。インクジェットヘッド300から吐出された双極性素子95は長軸が向かう方向が対象基板SUBの上面に垂直な方向を有するが、各双極性素子95の第1端部は無作為の方向に向かうように配向されることができる。反面、対象基板SUB上に噴射されて電界IELが生成されると、各双極性素子95は第1端部が同じ方向に向かうように配向され、対象基板SUB上で整列することができる。インクジェットプリンティング装置1000は第1端部が特定方向を有するように双極性素子95を対象基板SUB上に整列させることができる。
【0109】
インクジェットヘッド300から吐出される双極性素子95が任意の配向方向を有するので、対象基板SUB上に生成される電界IELの方向に応じて双極性素子95が円滑に整列することができる。対象基板SUB上に配向された双極性素子95はいずれか一つの双極性素子95を基準として他の双極性素子95の配向誤差が計算されることができ、これにより配向された双極性素子95の整列度が測定されることができる。双極性素子95が有する「整列度」とは、対象基板SUB上で整列した双極性素子95の配向方向間の誤差の程度を意味する。例えば、双極性素子95の配向方向間の誤差が大きい場合、双極性素子95の整列度が低いことであり、双極性素子95の配向方向間の誤差が小さい場合、双極性素子95の整列度が高かいかまたは改善されたと理解されることができる。
【0110】
双極性素子95が無作為の配向を有している状態で対象基板SUB上に噴射される場合、双極性素子95が電界IELにより電気的な力の伝達を受けても、これらが特定の配向方向を有するように整列する程度が充分でないこともある。反面、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は任意の配向方向を有する状態で双極性素子95を吐出することができ、対象基板SUB上で整列する双極性素子95の整列度を改善することができる。
【0111】
一方、電界生成ユニット700が対象基板SUBの上部に電界IELを生成する時点は特に制限されない。図面ではインク90がノズル350から吐出されて対象基板SUB上に到達する間プローブユニット750で電界IELを生成することを示している。そのため双極性素子95はノズル350から吐出されて対象基板SUBに到達するまで電界IELにより力の受けることができる。ただし、これに制限されず、場合によってプローブユニット750はインク90が対象基板SUBに噴射された後に電界IELを生成することもできる。電界生成ユニット700はインクジェットヘッド300からインク90が噴射されるとき、またはその後に電界IELを生成することができる。
【0112】
図面には示していないが、いくつかの実施形態でサブステージ710上には電界生成部材がさらに配置され得る。電界生成部材は後述するプローブユニット750のように上部(すなわち、第3方向DR3)、または対象基板SUB上に電界を形成することができる。例示的な実施形態で、電界生成部材はアンテナユニットであるが、複数の電極を含む装置等が適用されることができる。
【0113】
一方、図面に示していないが、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は対象基板SUB上に噴射されたインク90を揮発させる工程が行われる熱処理ユニットをさらに含み得る。前記熱処理ユニットは対象基板SUB上に噴射されたインク90に熱を照射してインク90の溶媒91は揮発して除去され、双極性素子95は対象基板SUB上に安着することができる。インク90に熱を照射して溶媒91を除去する工程は通常の熱処理ユニットを用いて行われ得る。これに係る詳しい説明は省略する。
【0114】
インクジェットプリンティング装置1000はインクジェットヘッド300が傾斜した第2側面S2を有するノズル350を含み、双極性素子95が任意の配向方向を有する状態で吐出されることができる。対象基板SUB上に噴射されたインク90内には双極性素子95が任意の配向方向を有し分散し、電界生成ユニット700が生成する電界IELにより双極性素子95は特定の配向方向を有して整列することができる。一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は対象基板SUB上に整列する双極性素子95の整列度を改善することができる。
【0115】
以下ではインクジェットプリンティング装置1000の多様な実施形態について説明する。
【0116】
前述したように、双極性素子95は第1極性を有する第1端部と第2極性を有する第2端部を含み、第1端部が向かう特定の配向方向を有することができる。一実施形態によるインクジェットヘッド300はノズル350に電界IELを生成する部材をさらに含んで吐出される双極性素子95が第1端部が同じ方向に向かって特定の配向方向を有するように誘導することができる。
【0117】
図11は他の実施形態によるインクジェットヘッドの概略的な断面図である。図12図11のQ1部分の拡大図である。
【0118】
図11および図12を参照すると、一実施形態によるインクジェットヘッド300_1はガイド部370に配置された電界生成電極400_1をさらに含み得る。電界生成電極400_1は印加される電気信号によってノズル350に電界IELを生成することができる。ノズル350を介して吐出される双極性素子95は電界生成電極400_1が生成する電界IELにより極性を有する第1端部および第2端部が特定方向に向かうように整列することができる。本実施形態はガイド部370に配置された電界生成電極400_1をさらに含んでインク90に分散した複数の双極性素子95が第1端部が同じ方向に向かうように整列した状態で吐出されることができる。その他に他の部材に係る説明は図4の実施形態と同様であるため、以下では重複する説明は省略して差異点を中心に説明する。
【0119】
電界生成電極400_1はガイド部370の側面に配置され得る。電界生成電極400_1は第1電界生成電極410_1および第2電界生成電極420_1を含み得、第1電界生成電極410_1は第1ガイド部371の一側面に配置され、第2電界生成電極420_1は第2ガイド部372の一側面に配置され得る。第1電界生成電極410_1は第1ガイド部371の一側面に配置されて排出口353の第1側面S1に配置され得、第2電界生成電極420_1は第2ガイド部372の一側面に配置されて流入口351の第2側面S2に配置され得る。前述したように、排出口353の第1側面S1は一方向に延びた形状を有し、流入口351の第2側面S2は傾斜するように形成され得る。そのため、第1電界生成電極410_1は一方向に延びた側面上に配置され、第2電界生成電極420_1は傾斜するように形成された側面上に配置され得る。
【0120】
一実施形態によれば、第1電界生成電極410_1と第2電界生成電極420_1は一方向に離隔することができる。第1電界生成電極410_1と第2電界生成電極420_1のノズル350の側面に沿って互いに離隔して配置され得る。第1電界生成電極410_1は第2電界生成電極420_1の下部に配置され得る。
【0121】
第1電界生成電極410_1と第2電界生成電極420_1は実質的に電界生成ユニット700のプローブユニット750と同じ機能をすることができる。ただし、電界生成電極400_1はインクジェットヘッド300に直接配置される点で電界生成ユニット700と差がある。
【0122】
第1電界生成電極410_1と第2電界生成電極420_1には所定の電気信号が印加されることができ、これらの間には電界IELが生成されることができる。例示的な実施形態で、第1電界生成電極410_1および第2電界生成電極420_1は流入口351と排出口353に第1側面S1が延びた一方向に向かう電界IELを生成することができる。電界IELはインク90に分散した双極性素子95が第1極性を有する第1端部が同じ方向に向かうように整列させることができる。図5の実施形態とは異なり、図11および図12のインクジェットヘッド300_1は電界生成電極400_1をさらに含んで吐出される双極性素子95が第1端部が同じ方向を有するように特定の配向方向を有して整列することができる。そのため、対象基板SUB上に噴射されたインク90には第1端部が同じ方向に向かうように整列した双極性素子95が分散することができ、電界生成ユニット700が生成する電界IELにより双極性素子95が円滑に整列することができる。すなわち、電界生成電極400_1をさらに含むインクジェットプリンティング装置1000は双極性素子95の整列度をさらに改善することができる。
【0123】
図13図11のインクジェットヘッドの他の一例を示す概略的な断面図である。図14図11のインクジェットヘッドのまた他の一例を示す概略的な断面図である。
【0124】
先に、図13を参照すると、インクジェットヘッド300_2はより多くの数の電界生成電極400_2を含み得る。第1電界生成電極410_2は第1ガイド部371の両側面に配置され、第2電界生成電極420_2は第2ガイド部372の両側面に配置され得る。そのためインクジェットヘッド300_2のノズル350にはより強い電界IELが生成されることができ、双極性素子95は特定の配向方向を有して整列した状態でインクジェットヘッド300_2から吐出されることができる。本実施形態はより多くの数の電界生成電極400_2が配置された点で図11の実施形態と差がある。
【0125】
引き続き、図14を参照すると、インクジェットヘッド300_3は電界生成電極400_3がノズル350を囲むように配置され得る。そのためインクジェットヘッド300_3のノズル350には位置に応じて均一な電界IELが生成されることができ、双極性素子95はノズル350を介して吐出される前まで均一に電界IELした力を伝達されることができる。本実施形態は電界生成電極400_3の配置が相異する点で図13の実施形態と差がある。以下、重複する説明は省略する。
【0126】
図15はまた他の実施形態によるインクジェットヘッドの概略的な断面図である。図16図15のQ2部分の拡大図である。
【0127】
図15および図16を参照すると、一実施形態によるインクジェットヘッド300_4はノズル350を囲むように配置された電界生成コイル500_4を含み得る。電界生成コイル500_4は流れる電流によってコイルの延びた一方向に電界IELを生成することができる。ノズル350のうち少なくとも排出口353を囲むように配置された電界生成コイル500_4は排出口353の第1側面S1が延びた一方向に沿って電界IELを生成することができる。ノズル350に流入する双極性素子95は電界IELの方向に応じて第1端部および第2端部が配向され、特定の配向方向を有して整列した状態でインクジェットヘッド300_4から吐出されることができる。本実施形態はインクジェットヘッド300_4のノズル350に電界IELを生成する部材が電界生成コイル500_4の点で図11の実施形態と差がある。以下、重複する説明は省略する。
【0128】
図17はまた他の実施形態によるインクジェットヘッドの概略的な断面図である。図18図17のインクジェットヘッドでインクが流れることを示す概略図である。
【0129】
図17および図18を参照すると、一実施形態によるインクジェットヘッド300_5は流入口351_5と内部管330_5の間に配置された複数の第3ガイド部380_5をさらに含み、ノズル350_5は内部管330と流入口351_5の間で第3ガイド部380_5が離隔した空間が形成する流入管355_5をさらに含み得る。本実施形態はインクジェットヘッド300_5が第3ガイド部380_5をさらに含んで内部管330に沿って流れるインク90が流入管355_5を介して流入口351_5に供給される点で図5の実施形態と差がある。以下では重複する説明は省略して差異点を中心に説明する。
【0130】
第3ガイド部380_5は第2ガイド部372_5上に配置され得る。第3ガイド部380_5は一方向に延びた形状を有し、流入口351_5の一側面から他側面に向かうように突出することができる。複数のノズル350_5の間ごとに第1ガイド部371_5および第2ガイド部372_5が位置し、第3ガイド部380_5の場合にも複数のノズル350_5の間ごとに配置され得る。インクジェットヘッド300_5は複数の第3ガイド部380_5を含み、これらは互いに離隔することができる。第3ガイド部380_5は内部管330とノズル350_5の流入口351_5の間に配置され、第3ガイド部380_5が離隔した空間には流入管355_5が形成されることができる。
【0131】
第3ガイド部380_5は内部管330と流入口351_5の間に配置されることにより、内部管330からインク90が供給される流入口351_5の入口が狭くなる。すなわち、流入管355_5の直径である第3直径R3は流入口351_5の直径である第1直径R1より小さい。内部管330に沿って流れるインク90は狭い直径を有する流入管355_5を介して流入口351_5に供給されることができる。インク90は流入管355_5を介して流れる間流速がはやくなり、インク90は流入口351_5の傾斜した側面に沿ってはやくなった流速を有して排出口353_5に流入し得る。
【0132】
図18は第3ガイド部380_5が形成する流入管355_5を介してインク90が流入口351_5に供給されることを概略的に示している。図18では図面に示していないが、流入管355_5の上部と下部には第3ガイド部380_5が位置すると理解されることができる。図面に示すように、内部管330_5に沿って流れるインク90は流入管355_5を介して流入口351_5に供給されることができる。比較的広い直径を有する内部管330_5から狭い直径を有する流入管355_5に供給されたインク90ははやい流速を有して流入口351_5の側面に沿って流れる。例示的な実施形態で流入口351_5が平面上円形を有する形状を有する場合、インク90は流入口351_5の側面に沿って回転しながら流れ、回転力を有する状態で排出口353_5に流入することができる。
【0133】
前述したように流入口351_5は一側面である第2側面S2が傾斜するように形成され、はやい流速を有するインク90内に分散した双極性素子95は任意の配向方向を有することができる。一実施形態によるインクジェットヘッド300_5は第3ガイド部380_5をさらに含んで双極性素子95が任意の配向方向を有してノズル350_5から吐出されるように誘導することができる。その後、対象基板SUB上に双極性素子95が噴射されると、電界生成ユニット700が生成する電界IELにより双極性素子95は特定の配向方向を有するように整列することができる。以下、重複する説明は省略する。
【0134】
以上で説明したインクジェットプリンティング装置1000は双極性素子95が任意の方向に配列された状態を有するインク90を吐出することができる。双極性素子95が配列された状態を有するインク90は対象基板SUB上に噴射され、電界生成ユニット700はインク90が噴射された対象基板SUBの上部に電界IELを生成する。双極性素子95は電界IELにより配向方向および位置が変わって対象基板SUB上で特定方向に整列することができる。以下では一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000を用いた双極性素子95の整列方法について詳しく説明する。
【0135】
図19は一実施形態による双極性素子の整列方法を示すフローチャートである。図20図23は一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を用いた双極性素子の整列方法を示す断面図である。
【0136】
図1、および図19図23を参照すると、一実施形態による双極性素子95整列方法は、インクジェットプリンティング装置1000をセットする段階(S100)、対象基板SUB上に一方向に配向された双極性素子95を含むインク90を噴射する段階(S200)および対象基板SUB上に双極性素子95を安着させる段階(S300)を含み得る。
【0137】
一実施形態による双極性素子95整列方法は、図1を参照して上述したインクジェットプリンティング装置1000を用いて行われ得、対象基板SUB上にインク90を噴射するとき双極性素子95は任意の一方向に配向された状態で吐出されることができる。その後、対象基板SUBの上部に生成される電界IELにより双極性素子95は一方向に整列することができる。
【0138】
先に、インクジェットプリンティング装置1000をセット(S100)する。インクジェットプリンティング装置1000をセットする段階(S100)はインクジェットプリンティング装置1000を対象工程に合わせてチューニングする段階である。精密なチューニングのために検査用基板に対するインクジェットプリントテスト工程を行い、その結果によってインクジェットプリンティング装置1000の設定値を調節することができる。
【0139】
具体的に説明すると、検査用基板を先に準備する。検査用基板は対象基板SUBと同じ構造を有することもできるが、ガラス基板等のようなベース基板を用いることもできる。
【0140】
引き続き、検査用基板の上面を撥水処理する。撥水処理はフッ素コーティングまたはプラズマ表面処理等により行われる。
【0141】
引き続き、検査用基板の上面にインクジェットプリンティング装置1000を用いて双極性素子95を含むインク90を噴射し、各インクジェットヘッド300別の液滴量を測定する。インクジェットヘッド300別の液滴量の測定はカメラを用いて噴射される瞬間の液滴の大きさおよび基板に塗布された液滴の大きさを確認する方式で行われる。測定された液滴量が基準液滴量と相異する場合、該当インクジェットヘッド300別の電圧を調整して基準液滴量が吐出されるように調節する。このような検査方法は各インクジェットヘッド300が正確な液滴量を吐出するまで数回繰り返することができる。
【0142】
ただし、これに制限されず、上述したインクジェットプリンティング装置をセットする段階(S100)は省略することもできる。
【0143】
次に、インクジェットプリンティング装置1000のセットが完了すると、図20に示すように、対象基板SUBを準備する。例示的な実施形態で対象基板SUB上には第1電極21と第2電極22が配置され得る。図面では一対の電極が配置されたことを示しているが、対象基板SUB上にはより多くの数の電極双が形成されることができ、複数のインクジェットヘッド300が各電極双に同じ方式でインク90を噴射することができる。
【0144】
引き続き、図21に示すように、対象基板SUB上に双極性素子95が分散した溶媒91を含むインク90を噴射(S200)する。インク90はプリントヘッドユニット100のインクジェットヘッド300から吐出され得、対象基板SUB上に配置された第1電極21と第2電極22上に噴射され得る。特に、一実施形態によるインクジェットヘッド300は互いに異なる幅を有する流入口351および排出口353を含むノズル350を含み、インク90内に分散した双極性素子95が一方向に配向された状態で吐出されることができる。インク90は対象基板SUBに配置された第1電極21と第2電極22上に噴射され、インク90に分散した双極性素子95は延びた一方向が対象基板SUBの上面に垂直な方向に配向されることができる。また、図面に示していないが、インクジェットヘッド300が図11図16のインクジェットヘッド300の場合、インク90に分散した各双極性素子95は第1極性有する第1端部または第2極性を有する第2端部が同じ方向を有するように整列した状態で噴射されることができる。これに関する説明は上述した内容と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0145】
次に、図22を参照すると、対象基板SUB上に電界IELを生成して電界IELにより双極性素子95を対象基板SUB上に安着(S300)させる。いくつかの実施形態で、双極性素子95は対象基板SUBの上部に生成された電界IELにより誘電泳動力の伝達を受けて第1電極21と第2電極22の間に配置されることができる。
【0146】
具体的に説明すると、プローブユニット750を用いて第1電極21と第2電極22に電気信号を印加する。プローブユニット750は対象基板SUB上に備えられた所定のパッド(図示せず)と接触し、前記パッドと接続された第1電極21と第2電極22に電気信号を印加することができる。例示的な実施形態で前記電気信号は交流電圧であり得、前記交流電圧は±(10~50)Vの電圧および10kHz~1MHzの周波数を有することができる。前記交流電圧が第1電極21と第2電極22に印加されると、これらの間には電界IELが形成され、双極性素子95は電界IELによる誘電泳動力(Dielectrophoretic Force)の伝達を受ける。誘電泳動力の伝達を受けた双極性素子95は配向方向および位置が変わって第1電極21と第2電極22上に配置されることができる。
【0147】
図面に示すように、インク90上に延びた一方向が対象基板SUBに垂直であるように分散した双極性素子95は電界IELの方向により配向方向が変わり得る。一実施形態によれば、双極性素子95は電界IELにより延びた一方向が電界IELが向かう方向に向かうように整列することができる。対象基板SUB上に生成される電界IELが対象基板SUBの上面に平行なように生成される場合、双極性素子95は延びた方向が対象基板SUBに平行なように整列して第1電極21と第2電極22の間に配置されることができる。いくつかの実施形態で、双極性素子95を安着させる段階は双極性素子95を第1電極21と第2電極22の間に安着させる段階であり、双極性素子95の少なくとも一端部は第1電極21または第2電極22の少なくともいずれか一つ上に配置されることができる。ただし、これに制限されず、双極性素子95は第1電極21と第2電極22の間の対象基板SUB上に直接配置されることができる。
【0148】
次に、図23に示すように対象基板SUB上に噴射されたインク90の溶媒91を除去する。溶媒91を除去する段階は熱処理装置を介して行われ、熱処理装置は対象基板SUB上に熱Hまたは赤外線を照射し得る。対象基板SUB上に噴射されたインク90で溶媒91が除去されることによって双極性素子95の流動が防止され、電極21,22上に安着することができる。
【0149】
以上の方法により、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は対象基板SUB上に双極性素子95を整列させることができる。
【0150】
一方、上述した双極性素子95は複数の半導体層を含む発光素子であり得、一実施形態によれば、インクジェットプリンティング装置1000を用いて発光素子を含む表示装置を製造することができる。
【0151】
図24は一実施形態による発光素子の概略図である。
【0152】
発光素子30は、発光ダイオード(Light Emitting diode)であり得、具体的には発光素子30はマイクロメータ(micro-meter)またはナノメータ(nano-meter)単位の大きさを有し、無機物からなる無機発光ダイオードであり得る。無機発光ダイオードは互いに対向する二つの電極の間に特定方向に電界を形成すると極性が形成される前記二つの電極の間に整列することができる。発光素子30は二つの電極上に形成された電界によって電極の間に整列することができる。
【0153】
一実施形態による発光素子30は一方向に延びた形状を有することができる。発光素子30はロッド、ワイヤー、チューブ等の形状を有することができる。例示的な実施形態で、発光素子30は円筒形またはロッド形(rod)であり得る。ただし、発光素子30の形態はこれに制限されるものではなく、正六面体、直六面体、六角柱形等多角柱の形状を有ることができ、一方向に延びるが外面が部分的に傾斜した形状を有する等発光素子30は多様な形状を有することができる。後述する発光素子30に含まれる複数の半導体は、前記一方向に沿って順次配置されことができ、積層された構造を有することができる。
【0154】
発光素子30は任意の導電型(例えば、p型またはn型)不純物でドーピングされた半導体層を含み得る。半導体層は外部の電源から印加される電気信号の伝達を受け、これを特定波長帯の光として放出することができる。
【0155】
図24を参照すると参照すると、発光素子30は第1半導体層31、第2半導体層32、活性層33、電極層37および絶縁膜38を含み得る。
【0156】
第1半導体層31はn型半導体であり得る。一例として、発光素子30が青色波長帯の光を放出する場合、第1半導体層31はAlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の化学式を有する半導体材料を含み得る。例えば、n型にドーピングされたAlGaInN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのうちいずれか一つ以上であり得る。第1半導体層31はn型ドーパントがドーピングされ得、一例としてn型ドーパントはSi、Ge、Sn等であり得る。例示的な実施形態で、第1半導体層31はn型Siでドーピングされたn-GaNであり得る。第1半導体層31の長さは1.5μm~5μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。
【0157】
第2半導体層32は後述する活性層33上に配置される。第2半導体層32はp型半導体であり得、一例として、発光素子30が青色または緑色波長帯の光を放出する場合、第2半導体層32はAlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の化学式を有する半導体材料を含み得る。例えば、p型にドーピングされたAlGaInN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのうちいずれか一つ以上であり得る。第2半導体層32はp型ドーパントがドーピングされ得、一例としてp型ドーパントはMg、Zn、Ca、Se、Ba等であり得る。例示的な実施形態で、第2半導体層32はp型Mgでドーピングされたp-GaNであり得る。第2半導体層32の長さは0.05μm~0.10μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。
【0158】
一方、図面では第1半導体層31と第2半導体層32が一つの層として構成されたことを示しているが、これに制限されるものではない。いくつかの実施形態によれば、活性層33の物質によって第1半導体層31と第2半導体層32はより多くの数の層、例えばクラッド層(clad layer)またはTSBR(Tensile strain barrier reducing)層をさらに含むこともできる。これに関する説明は他の図面を参照して後述する。
【0159】
活性層33は第1半導体層31と第2半導体層32の間に配置される。活性層33は単一または多重量子井戸構造の物質を含み得る。活性層33が多重量子井戸構造の物質を含む場合、量子層(Quantum layer)と井戸層(Well layer)が互いに交互に複数積層された構造であり得る。活性層33は第1半導体層31および第2半導体層32を介して印加される電気信号に応じて電子-正孔ペアの結合によって光を発光することができる。一例として、活性層33が青色波長帯の光を放出する場合、AlGaN、AlGaInN等の物質を含み得る。特に、活性層33が多重量子井戸構造として量子層と井戸層が交互に積層された構造である場合、量子層はAlGaNまたはAlGaInN、井戸層はGaNまたはAlInN等のような物質を含み得る。例示的な実施形態で、活性層33は量子層としてAlGaInNを、井戸層としてAlInNを含み前述したように、活性層33は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有する青色(Blue)光を放出することができる。
【0160】
ただし、これに制限されるものではなく、活性層33はバンドギャップ(Band gap)エネルギが大きい種類の半導体物質とバンドギャップエネルギが小さい半導体物質が互いに交互に積層された構造であり得、発光する光の波長帯によって他の3族~5族半導体物質を含むこともできる。活性層33が放出する光は青色波長帯の光に制限されず、場合によって赤色、緑色波長帯の光を放出することもできる。活性層33の長さは0.05μm~0.10μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。
【0161】
一方、活性層33から放出される光は発光素子30の長手方向の外部面だけでなく、両側面に放出されることができる。活性層33から放出される光は一つの方向に方向性が制限されない。
【0162】
電極層37はオーミック(Ohmic)接触電極であり得る。ただし、これに制限されず、ショットキー(Schottky)接触電極でもあり得る。発光素子30は少なくとも一つの電極層37を含み得る。図24では発光素子30が一つの電極層37を含むことを示しているが、これに制限されない。場合によって発光素子30はより多くの数の電極層37を含むことができ、省略することもできる。後述する発光素子30に係る説明は電極層37の数が変わってよく、他の構造をさらに含んでも同様に適用することができる。
【0163】
電極層37は一実施形態による表示装置10で発光素子30が電極または接触電極と電気的に接続されるとき、発光素子30と電極または接触電極の間の抵抗を減少させることができる。電極層37は伝導性がある金属を含み得る。例えば、電極層37はアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、インジウム(In)、金(Au)、銀(Ag)、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)およびITZO(Indium Tin-Zinc Oxide)のうち少なくともいずれか一つを含み得る。また、電極層37はn型またはp型にドーピングされた半導体物質を含むこともできる。電極層37は同じ物質を含み得、互いに異なる物質を含むこともでき、これに制限されるものではない。
【0164】
絶縁膜38は上述した複数の半導体層および電極層の外面を囲むように配置される。例示的な実施形態で、絶縁膜38は少なくとも活性層33の外面を囲むように配置され、発光素子30が延びた一方向に延び得る。絶縁膜38は前記部材を保護する機能をすることができる。一例として、絶縁膜38は前記部材の側面部を囲むように形成され、発光素子30の長手方向の両端部は露出するように形成されることができる。
【0165】
図面では絶縁膜38が発光素子30の長手方向に延びて第1半導体層31から電極層37の側面までカバーするように形成されたことを示しているが、これに制限されない。絶縁膜38は活性層33を含んで一部の半導体層の外面のみをカバーすることができ、電極層37外面の一部のみをカバーして各電極層37の外面が部分的に露出することもできる。また、絶縁膜38は発光素子30の少なくとも一端部と隣接する領域で断面上上面がラウンド形状に形成されることもできる。
【0166】
絶縁膜38の厚さは10nm~1.0μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。好ましくは絶縁膜38の厚さは40nm内外であり得る。
【0167】
絶縁膜38は絶縁特性を有する物質、例えば、シリコン酸化物(Silicon oxide,SiO)、シリコン窒化物(Silicon nitride,SiN)、酸窒化シリコン(SiO)、窒化アルミニウム(Aluminum nitride,AlN)、酸化アルミニウム(Aluminum oxide,Al)等を含み得る。そのため活性層33が発光素子30に電気信号が伝達される電極と直接接触する場合に発生し得る電気的短絡を防止することができる。また、絶縁膜38は活性層33を含んで発光素子30の外面を保護するので、発光効率の低下を防止することができる。
【0168】
また、いくつかの実施形態で、絶縁膜38は外面が表面処理されることができる。発光素子30は表示装置10の製造時、所定のインク内で分散した状態で電極上に噴射されて整列することができる。ここで、発光素子30がインク内で隣接する他の発光素子30と凝集せずに分散した状態を保持するために、絶縁膜38は表面が疎水性または親水性処理されることができる。
【0169】
発光素子30は長さ(h)が1μm~10μmまたは2μm~6μmの範囲を有することができ、好ましくは3μm~5μmの長さを有することができる。また、発光素子30の直径は30nm~700nmの範囲を有し、発光素子30の縦横比(Aspect ratio)は1.2~100であり得る。ただし、これに制限されず、表示装置10に含まれる複数の発光素子30は活性層33の組成差によって互いに異なる直径を有することもできる。好ましくは発光素子30の直径は500nm内外の範囲を有することができる。
【0170】
発光素子30は一方向に延びた形状を有することができる。発光素子30はナノロッド、ナノワイヤ、ナノチューブ等の形状を有することができる。例示的な実施形態で、発光素子30は円筒形またはロッド形(rod)であり得る。ただし、発光素子30の形態はこれに制限されるものではなく、正六面体、直六面体、六角柱形等多様な形態を有することができる。
【0171】
一方、発光素子30の構造は図24に示されたところに制限されず、他の構造を有することもできる。
【0172】
図25は他の実施形態による発光素子の概略図である。
【0173】
図25を参照すると、発光素子30’は一方向に延びた形状を有するが、部分的に側面が傾斜した形状を有することができる。すなわち、一実施形態による発光素子30’は部分的に円錘形の形状を有することができる。
【0174】
発光素子30’は複数の層が一方向に積層されず、各層がいずれか他の層の外面を囲むように形成されることができる。図25の発光素子30’は複数の半導体層がある他の層の外面のうち少なくとも一部を囲むように形成されることができる。発光素子30は少なくとも一部領域が一方向に延びた半導体コアとこれを囲むように形成された絶縁膜38’を含み得る。前記半導体コアは第1半導体層31’、活性層33’、第2半導体層32’および電極層37’を含み得る。図25の発光素子30’は各層の形状が一部相異することを除いては図24の発光素子30と同一である。以下では同じ内容は省略して差異点について叙述する。
【0175】
一実施形態によれば、第1半導体層31’は一方向に延びて両端部が中心部に向かって傾斜するように形成されることができる。図25の第1半導体層31’はロッド形または円筒形の本体部と、前記本体部の上部および下部にそれぞれの側面が傾斜した形状の端部が形成された形状であり得る。前記本体部の上段部は下段部に比べてさらに急な傾斜を有することができる。
【0176】
活性層33’は第1半導体層31’の前記本体部の外面を囲むように配置される。活性層33’は一方向に延びた環状の形状を有することができる。活性層33’は第1半導体層31’の上段部および下段部上には形成されなくてもよい。活性層33’は第1半導体層31’の傾斜のない側面にのみ形成されることができる。ただし、これに制限されるものではない。そのため活性層33’から放出される光は発光素子30’の長手方向の両端部だけでなく、長手方向を基準として両側面に放出されることができる。図24の発光素子30に比べて図25の発光素子30’は活性層33’の面積が広いためより多くの量の光を放出することができる。
【0177】
第2半導体層32’は活性層33’の外面と第1半導体層31’の上段部を囲むように配置される。第2半導体層32’は一方向に延びた環状の本体部との側面が傾斜するように形成された上段部を含み得る。すなわち、第2半導体層32’は活性層33’の平行な側面と第1半導体層31’の傾斜した上段部に直接接触することができる。ただし、第2半導体層32’は第1半導体層31’の下段部には形成されない。
【0178】
電極層37’は第2半導体層32’の外面を囲むように配置される。すなわち、電極層37’の形状は実質的に第2半導体層32’と同一であり得る。すなわち、電極層37’は第2半導体層32’の外面に全面的に接触することができる。
【0179】
絶縁膜38’は電極層37’および第1半導体層31’の外面を囲むように配置され得る。絶縁膜38’は電極層37’を含み、第1半導体層31’の下段部および活性層33’と第2半導体層32’の露出した下段部と直接接触することができる。
【0180】
一実施形態によれば、インクジェットプリンティング装置1000は図24または図25の発光素子30,30’をインク90に分散させて対象基板SUB上に噴射または吐出させることができ、これにより発光素子30を含む表示装置10を製造することができる。
【0181】
図26は一実施形態による表示装置の概略的な平面図である。
【0182】
図26を参照すると、表示装置10は動画や静止映像を表示する。表示装置10は表示画面を提供するすべての電子装置をいう。例えば、表示画面を提供するテレビ、ノートブック、モニタ、広告板、モノのインターネット、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、電子時計、スマートウォッチ、ウォッチフォン、ヘッドマウントディスプレイ、移動通信端末機、電子手帳、電子ブック、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、ゲーム機、デジタルカメラ、カムコーダ等が表示装置10に含まれ得る。
【0183】
表示装置10の形状は多様に変形することができる。例えば、表示装置10は横が長い長方形、縦が長い長方形、正方形、コーナー部(頂点)が丸い四角形、その他の多角形、円形等の形状を有することができる。表示装置10の表示領域DAの形状もまた、表示装置10の全般的な形状と同様であり得る。図26では横が長い長方形形状の表示装置10および表示領域DAが例示している。
【0184】
表示装置10は表示領域DAと非表示領域NDAを含み得る。表示領域DAは画面が表示される領域であり、非表示領域NDAは画面が表示されない領域である。表示領域DAは活性領域であり、非表示領域NDAは非活性領域ともいう。
【0185】
表示領域DAは概して表示装置10の中央を占め得る。表示領域DAは複数の画素PXを含み得る。複数の画素PXは行列方向に配列され得る。各画素PXの形状は平面上長方形または正方形であり得るが、これに制限されるのではなく、各辺が一方向に対して傾いた菱形形状でもあり得る。画素PXそれぞれは特定波長帯の光を放出する発光素子30を一つ以上含んで特定色を表示することができる。
【0186】
図27は一実施形態による表示装置の一画素の概略的な平面図である。
【0187】
図27を参照すると、複数の画素PXそれぞれは第1サブ画素PX1、第2サブ画素PX2および第3サブ画素PX3を含み得る。第1サブ画素PX1は第1色の光を発光し、第2サブ画素PX2は第2色の光を発光し、第3サブ画素PX3は第3色の光を発光し得る。第1色は青色、第2色は緑色、第3色は赤色であり得るが、これに制限されず、各サブ画素PXnが同じ色の光を発光することもできる。また、図27では画素PXが3個のサブ画素PXnを含むことを例示したが、これに制限されず、画素PXはより多くの数のサブ画素PXnを含み得る。
【0188】
表示装置10の各サブ画素PXnは発光領域EMAと定義される領域を含み得る。第1サブ画素PX1は第1発光領域EMA1を、第2サブ画素PX2は第2発光領域EMA2を、第3サブ画素PX3は第3発光領域EMA3を含み得る。発光領域EMAは表示装置10に含まれる発光素子30が配置されて特定波長帯の光が出射される領域と定義することができる。
【0189】
図面に示していないが、表示装置10の各サブ画素PXnは発光領域EMA以外の領域と定義された非発光領域を含み得る。非発光領域は発光素子30が配置されず、発光素子30から放出された光が到達せず、光が出射されない領域であり得る。
【0190】
表示装置10の各サブ画素PXnは発光層EMLを含む。発光層EMLは複数の電極21,22、発光素子30、複数の接触電極26、複数の内部バンク(41,42度28に図示)と外部バンク43および少なくとも一つの絶縁層(51,52,53,55,図28に図示)を含み得る。
【0191】
複数の電極21,22は発光素子30と電気的に接続され、発光素子30が特定波長帯の光を放出するように所定の電圧の印加を受けることができる。また、各電極21,22の少なくとも一部は発光素子30を整列するためにサブ画素PXn内に電場を形成するのに活用されることができる。
【0192】
複数の電極21,22は第1電極21および第2電極22を含み得る。例示的な実施形態で、第1電極21は各サブ画素PXnごとに分離した画素電極であり、第2電極22は各サブ画素PXnに沿って共通に接続された共通電極であり得る。第1電極21と第2電極22のいずれか一つは発光素子30のアノード(Anode)電極であり、他の一つは発光素子30のカソード(Cathode)電極であり得る。ただし、これに制限されず、その逆の場合でもあり得る。
【0193】
第1電極21と第2電極22はそれぞれ第4方向DR4に延びて配置される電極幹部21S,22Sと電極幹部21S,22Sで第4方向DR4と交差する方向である第5方向DR5に延びて分枝する少なくとも一つの電極枝部21B,22Bを含み得る。
【0194】
第1電極21は第4方向DR4に延びて配置される第1電極幹部21Sと第1電極幹部21Sから分枝して第5方向DR5に延びた少なくとも一つの第1電極枝部21Bを含み得る。
【0195】
任意の一画素の第1電極幹部21Sは両端が各サブ画素PXnの間で離隔して終止するが、同一行(例えば、第4方向DR4に隣接する)で隣り合うサブ画素の第1電極幹部21Sと実質的に同一直線上に置かれ得る。各サブ画素PXnに配置される第1電極幹部21Sは両端が相互離隔することによって各第1電極枝部21Bに互いに異なる電気信号を印加することができ、第1電極枝部21Bはそれぞれ別に駆動されることができる。
【0196】
第1電極枝部21Bは第1電極幹部21Sの少なくとも一部から分枝して第5方向DR5に延びて配置されるが、第1電極幹部21Sと対向して配置された第2電極幹部22Sと離隔した状態で終止し得る。
【0197】
第2電極22は第4方向DR4に延びて第1電極幹部21Sと第5方向DR5に離隔して対向する第2電極幹部22Sと第2電極幹部22Sから分枝して第5方向DR5に延びた第2電極枝部22Bを含み得る。第2電極幹部22Sは他端部が第4方向DR4に隣接する他のサブ画素PXnの第2電極幹部22Sと接続され得る。すなわち、第2電極幹部22Sは第1電極幹部21Sとは異なり第4方向DR4に延びて各サブ画素PXnを横切るように配置されることができる。各サブ画素PXnを横切る第2電極幹部22Sは各画素PXまたはサブ画素PXnが配置された表示領域DAの外郭部、または、非表示領域NDAで一方向に延びた部分と接続され得る。
【0198】
第2電極枝部22Bは第1電極枝部21Bと離隔して対向し、第1電極幹部21Sと離隔した状態で終止し得る。第2電極枝部22Bは第2電極幹部22Sと接続され、延びた方向の端部は第1電極幹部21Sと離隔した状態でサブ画素PXn内に配置され得る。
【0199】
第1電極21と第2電極22はそれぞれコンタクトホール、例えば第1電極コンタクトホールCNTDおよび第2電極コンタクトホールCNTSを介して表示装置10の回路素子層(図示せず)と電気的に接続され得る。図面には第1電極コンタクトホールCNTDは各サブ画素PXnの第1電極幹部21Sごとに形成され、第2電極コンタクトホールCNTSは各サブ画素PXnを横切る一つの第2電極幹部22Sに一つのみが形成されたことを示している。ただし、これに制限されず、場合によっては第2電極コンタクトホールCNTSの場合にも各サブ画素PXnごとに形成されることができる。
【0200】
複数のバンク41,42,43は各サブ画素PXn間の境界に配置される外部バンク43、各サブ画素PXnの中心部と隣接して各電極21,22の下部に配置される複数の内部バンク41,42を含み得る。図面では複数の内部バンク41,42が示していないが、第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの下部にはそれぞれ第1内部バンク41と第2内部バンク42が配置され得る。
【0201】
外部バンク43は各サブ画素PXn間の境界に配置され得る。複数の第1電極幹部21Sは各端部が外部バンク43を基準として互いに離隔して終止し得る。外部バンク43は第5方向DR5に延びて第4方向DR4に配列されたサブ画素PXnの境界に配置され得る。ただし、これに制限されず、外部バンク43は第4方向DR4に延びて第5方向DR5に配列されたサブ画素PXnの境界にも配置されることができる。外部バンク43は内部バンク41,42と同じ材料を含んで一つの工程で同時に形成されることができる。
【0202】
発光素子30は第1電極21と第2電極22の間に配置され得る。発光素子30は一端部が第1電極21と電気的に接続され、他端部が第2電極22と電気的に接続され得る。発光素子30は後述する接触電極26を介してそれぞれ第1電極21と第2電極22に電気的に接続され得る。
【0203】
複数の発光素子30は互いに離隔して配置されて実質的に相互平行なように整列し得る。発光素子30が離隔する間隔は特に制限されない。場合によって複数の発光素子30が隣接して配置されて群れをなし、他の複数の発光素子30は一定間隔離隔した状態で群れをなすこともでき、不均一な密集度を有するが、一方向に配向されて整列することもできる。また、例示的な実施形態で発光素子30は一方向に延びた形状を有し、各電極、例えば第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bが延びた方向と発光素子30が延びた方向は実質的に垂直をなすことができる。ただし、これに制限されず、発光素子30は第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bが延びた方向に垂直でない、斜めに配置されることもできる。
【0204】
一実施形態による発光素子30は、互いに異なる物質を含む活性層33を含んで互いに異なる波長帯の光を外部に放出することができる。表示装置10は、第1サブ画素PX1の発光素子30は中心波長帯域が第1波長である第1光L1を放出し、第2サブ画素PX2の発光素子30は中心波長帯域が第2波長である第2光L2を放出し、第3サブ画素PX3の発光素子30は中心波長帯域が第3波長である第3光L3を放出することができる。そのため第1サブ画素PX1では第1光L1が出射され、第2サブ画素PX2では第2光L2が出射され、第3サブ画素PX3では第3光L3が出射されることができる。いくつかの実施形態で、第1光L1は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有する青色光であり、第2光L2は中心波長帯域が495nm~570nmの範囲を有する緑色光であり、第3光L3は中心波長帯域が620nm~750nmの範囲を有する赤色光であり得る。ただし、これに制限されない。
【0205】
図27には示していないが、表示装置10は第1電極21および第2電極22の少なくとも一部を覆う第2絶縁層52を含み得る。
【0206】
第2絶縁層52は表示装置10の各サブ画素PXnに配置され得る。第2絶縁層52は実質的に各サブ画素PXnを全面的に覆うように配置され得、隣り合う他のサブ画素PXnにも延びて配置され得る。第2絶縁層52は第1電極21と第2電極22の少なくとも一部を覆うように配置され得る。図27には示していないが、第2絶縁層52は第1電極21および第2電極22の一部、具体的には第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの一部領域を露出するように配置され得る。
【0207】
複数の接触電極26は少なくとも一部領域が一方向に延びた形状を有することができる。複数の接触電極26はそれぞれ発光素子30および電極21,22と接触し得、発光素子30は接触電極26を介して第1電極21と第2電極22から電気信号の伝達を受け得る。
【0208】
接触電極26は第1接触電極26aおよび第2接触電極26bを含み得る。第1接触電極26aと第2接触電極26bはそれぞれ第1電極枝部21Bと第2電極枝部22B上に配置され得る。
【0209】
第1接触電極26aは第1電極21、または第1電極枝部21B上に配置されて第5方向DR5に延び得る。第1接触電極26aは発光素子30の一端部と接触し得る。また、第1接触電極26aは第2絶縁層52が配置されずに露出した第1電極21と接触し得る。そのため、発光素子30は第1接触電極26aを介して第1電極21と電気的に接続されることができる。
【0210】
第2接触電極26bは第2電極22、または、第2電極枝部22B上に配置されて第5方向DR5に延び得る。第2接触電極26bは第1接触電極26aと第4方向DR4に離隔し得る。第2接触電極26bは発光素子30の他端部と接触し得る。また、第2接触電極26bは第2絶縁層52が配置されずに露出した第2電極22と接触し得る。そのため、発光素子30は第2接触電極26bを介して第2電極22と電気的に接続されることができる。図面では一つのサブ画素PXnに2個の第1接触電極26aと一つの第2接触電極26bが配置されたことが示されているが、これに制限されない。第1接触電極26aと第2接触電極26bの個数は各サブ画素PXnに配置された第1電極21と第2電極22、または第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの数により変わり得る。
【0211】
いくつかの実施形態で、第1接触電極26aと第2接触電極26bは一方向に測定された幅がそれぞれ第1電極21と第2電極22、または第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの前記一方向に測定された幅より大きくてもよい。ただし、これに制限されず、場合によって第1接触電極26aおよび第2接触電極26bは第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの一側部のみを覆うように配置されることもできる。
【0212】
一方、表示装置10は第2絶縁層52以外にも各電極21,22の下部に位置する回路素子層(図示せず)と、各電極21,22および発光素子30の少なくとも一部を覆うように配置される第3絶縁層(53,図28に図示)およびパッシベーション層(55,図28に図示)を含み得る。以下では図28を参照して表示装置10の構造について詳しく説明する。
【0213】
図28図27のXa-Xa’線、Xb-Xb’線およびXc-Xc’線に沿って切断した断面図である。
【0214】
図28は第1サブ画素PX1の断面のみを示しているが、他の画素PXまたはサブ画素PXnの場合にも同様に適用することができる。図28は第1サブ画素PX1に配置された発光素子30の一端部と他端部を横切る断面を示している。
【0215】
一方、図28には示していないが、表示装置10は各電極21,22の下部に位置する回路素子層をさらに含み得る。回路素子層は複数の半導体層および複数の導電パターンを含み、少なくとも一つのトランジスタと電源配線を含み得る。ただし、以下ではこれに係る詳しい説明は省略する。
【0216】
図27に関連して図28を参照すると、表示装置10は第1絶縁層51と第1絶縁層51上に配置される電極21,22、発光素子30等を含み得る。第1絶縁層51の下部には回路素子層(図示せず)がさらに配置され得る。第1絶縁層51は有機絶縁物質を含んで表面平坦化機能をすることができる。
【0217】
第1絶縁層51上には複数のバンク41,42,43と複数の電極21,22および発光素子30が配置され得る。
【0218】
複数のバンク41,42,43は各サブ画素PXn内で離隔して配置される内部バンク41,42および隣り合うサブ画素PXnの境界に配置される外部バンク43を含み得る。
【0219】
外部バンク43は第5方向DR5に延びて第4方向DR4に配列されたサブ画素PXnの境界に配置され得る。ただし、これに制限されず、外部バンク43は第4方向DR4に延びて第5方向DR5に配列されたサブ画素PXnの境界にも配置され得る。すなわち、外部バンク43は各サブ画素PXnの境界を区分することができる。
【0220】
外部バンク43は表示装置10の製造の際、上述した図1のインクジェットプリンティング装置1000を用いて発光素子30が分散したインクを噴射するときインクがサブ画素PXnの境界を越えることを防止する機能をすることができる。外部バンク43は互いに異なるサブ画素PXnごとに他の発光素子30が分散したインクが互いに混合されないようにこれらを分離させることができる。ただし、これに制限されるものではない。
【0221】
複数の内部バンク41,42は各サブ画素PXnの中心部に隣接して配置された第1内部バンク41および第2内部バンク42を含み得る。
【0222】
第1内部バンク41および第2内部バンク42は互いに離隔して対向するように配置される。第1内部バンク41上には第1電極21が、第2内部バンク42上には第2電極22が配置され得る。図27および図28を参照すると第1内部バンク41上には第1電極枝部21Bが、第2内部バンク42上には第2電極枝部22Bが配置されたと理解することができる。
【0223】
第1内部バンク41と第2内部バンク42は各サブ画素PXn内で第5方向DR5に延びて配置され得る。ただし、これに制限されず、第1内部バンク41と第2内部バンク42は各サブ画素PXnごとに配置されて表示装置10の全面でパターンをなすことができる。複数のバンク41,42,43はポリイミド(Polyimide,PI)を含み得るが、これに制限されない。
【0224】
第1内部バンク41および第2内部バンク42は第1絶縁層51を基準として少なくとも一部が突出した構造を有することができる。第1内部バンク41および第2内部バンク42は発光素子30が配置された平面を基準として上部に突出することができ、前記突出した部分は少なくとも一部が傾斜を有することができる。内部バンク41,42は第1絶縁層51を基準として突出して傾斜した側面を有するので、発光素子30から放出された光が内部バンク41,42の傾斜した側面で反射し得る。後述するように、内部バンク41,42上に配置される電極21,22が反射率が高い材料を含む場合、発光素子30から放出された光は電極21,22で反射して第1絶縁層51の上部方向に進行することができる。
【0225】
前述したように、複数のバンク41,42,43は同じ材料を含んで同じ工程で形成されることができる。ただし、外部バンク43は各サブ画素PXnの境界に配置されて格子型パターンをなすように形成されるが、内部バンク41,42は各サブ画素PXn内に配置されて一方向に延びた形状を有する。
【0226】
複数の電極21,22は第1絶縁層51および内部バンク41,42上に配置され得る。前述したように、各電極21,22は電極幹部21S,22Sと電極枝部21B,22Bを含む。
【0227】
第1電極21と第2電極22は一部領域は第1絶縁層51上に配置され、一部領域は第1内部バンク41および第2内部バンク42上に配置され得る。前述したように、第1電極21の第1電極幹部21Sと第2電極22の第2電極幹部22Sは第4方向DR4に延び、第1内部バンク41と第2内部バンク42は第5方向DR5に延びて第5方向DR5に隣り合うサブ画素PXnにも配置されることができる。
【0228】
第1電極21の第1電極幹部21Sには第1絶縁層51を貫いて回路素子層の一部を露出する第1電極コンタクトホールCNTDが形成され得る。第1電極21は第1電極コンタクトホールCNTDを介して回路素子層のトランジスタと電気的に接続され得る。第1電極21は前記トランジスタから所定の電気信号の伝達を受け得る。
【0229】
第2電極22の第2電極幹部22Sは一方向に延びて発光素子30が配置されない非発光領域にも配置され得る。第2電極幹部22Sには第1絶縁層51を貫いて回路素子層の一部を露出する第2電極コンタクトホールCNTSが形成され得る。第2電極22は第2電極コンタクトホールCNTSを介して電源電極と電気的に接続され得る。第2電極22は前記電源電極から所定の電気信号の伝達を受け得る。
【0230】
第1電極21と第2電極22の一部領域、例えば第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bはそれぞれ第1内部バンク41および第2内部バンク42上に配置され得る。第1電極21と第2電極22の間の領域、すなわち、第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bが離隔して対向する空間には複数の発光素子30が配置され得る。
【0231】
各電極21,22は透明性伝導性物質を含み得る。一例として、各電極21,22は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITZO(Indium Tin-Zinc Oxide)等のような物質を含み得るが、これに制限されるものではない。いくつかの実施形態で、各電極21,22は反射率が高い伝導性物質を含み得る。例えば、各電極21,22は反射率が高い物質として銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等のような金属を含み得る。この場合、各電極21,22に入射される光を反射させて各サブ画素PXnの上部方向に出射させることもできる。
【0232】
また、電極21,22は透明性伝導性物質と反射率が高い金属層がそれぞれ一層以上積層された構造をなすか、これらを含んで一つの層として形成されることもできる。例示的な実施形態で、各電極21,22は、ITO/銀(Ag)/ITO/IZOの積層構造を有してよく、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ランタン(La)等を含む合金であり得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0233】
第2絶縁層52は第1絶縁層51、第1電極21および第2電極22上に配置される。第2絶縁層52は第1電極21および第2電極22を部分的に覆うように配置される。第2絶縁層52は第1電極21と第2電極22の上面をほぼ覆うように配置され、第1電極21と第2電極22の一部を露出させることができる。第2絶縁層52は第1電極21と第2電極22の上面のうち一部、例えば第1内部バンク41上に配置された第1電極枝部21Bの上面と第2内部バンク42上に配置された第2電極枝部22Bの上面のうち一部が露出するように配置され得る。すなわち、第2絶縁層52は実質的に第1絶縁層51上に全面的に形成され、第1電極21と第2電極22を部分的に露出する開口部を含み得る。
【0234】
例示的な実施形態で、第2絶縁層52は第1電極21と第2電極22の間で上面の一部が陥没するように段差が形成され得る。いくつかの実施形態で、第2絶縁層52は無機物絶縁性物質を含み、第1電極21と第2電極22を覆うように配置された第2絶縁層52は下部に配置される部材の段差によって上面の一部が陥没することができる。第1電極21と第2電極22の間で第2絶縁層52上に配置される発光素子30は第2絶縁層52の陥没した上面の間で空の空間を形成することができる。発光素子30は第2絶縁層52の上面と部分的に離隔した状態に配置されることができ、後述する第3絶縁層53をなす材料が前記空間に埋められる。ただし、これに制限されない。第2絶縁層52は発光素子30が配置されるように平坦な上面を形成することができる。
【0235】
第2絶縁層52は第1電極21と第2電極22を保護すると同時にこれらを相互絶縁させることができる。また、第2絶縁層52上に配置される発光素子30が他の部材と直接接触して損傷することを防止することもできる。ただし、第2絶縁層52の形状および構造はこれに制限されない。
【0236】
発光素子30は各電極21,22の間で第2絶縁層52上に配置され得る。例示的に、発光素子30は各電極枝部21B,22Bの間に配置された第2絶縁層52上に少なくとも一つ配置され得る。ただし、これに制限されず、図面に示していないが各サブ画素PXn内に配置された発光素子30のうち少なくとも一部は各電極枝部21B,22Bの間以外の領域に配置されることもできる。発光素子30は第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bが互いに対向する各端部上に配置されて接触電極26を介して各電極21,22と電気的に接続され得る。
【0237】
発光素子30は第1絶縁層51に水平な方向に複数の層が配置され得る。一実施形態による表示装置10の発光素子30は一方向に延びた形状を有し、複数の半導体層が一方向に順次配置された構造を有することができる。前述したように、発光素子30は第1半導体層31、活性層33、第2半導体層32および電極層37が一方向に沿って順次配置され、これらの外面を絶縁膜38が囲み得る。表示装置10に配置された発光素子30は延びた一方向が第1絶縁層51と平行なように配置され、発光素子30に含まれた複数の半導体層は第1絶縁層51の上面と平行な方向に沿って順次配置され得る。ただし、これに制限されない。場合によっては発光素子30が異なる構造を有する場合、複数の層は第1絶縁層51に垂直な方向に配置されることもできる。
【0238】
また、発光素子30の一端部は第1接触電極26aと接触し、他端部は第2接触電極26bと接触し得る。一実施形態によれば、発光素子30は延びた一方向側の端部面には絶縁膜38が形成されずに露出するので、前記露出した領域で後述する第1接触電極26aおよび第2接触電極26bと接触することができる。ただし、これに制限されない。場合によって発光素子30は絶縁膜38のうち少なくとも一部領域が除去され、絶縁膜38が除去されて発光素子30の両端部の側面が部分的に露出することができる。
【0239】
第3絶縁層53は第1電極21と第2電極22の間に配置された発光素子30上に部分的に配置され得る。第3絶縁層53は発光素子30の外面を部分的に囲むように配置され得る。第3絶縁層53は発光素子30を保護すると同時に表示装置10の製造工程で発光素子30を固定させる機能をすることもできる。また、例示的な実施形態で、第3絶縁層53の材料のうち一部は発光素子30の下面と第2絶縁層52の間に配置されることもできる。前述したように第3絶縁層53は表示装置10の工程中に形成された第2絶縁層52と発光素子30の間の空間を埋めるように形成されることもできる。そのため第3絶縁層53は発光素子30の外面を囲むように形成されることもできる。ただし、これに制限されない。
【0240】
第3絶縁層53は平面上第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの間で第5方向DR5に延びて配置され得る。一例として、第3絶縁層53は第1絶縁層51上で平面上島状または線状の形状を有することができる。一実施形態によれば、第3絶縁層53は発光素子30の上部に配置され得る。
【0241】
第1接触電極26aと第2接触電極26bはそれぞれ電極21,22および第3絶縁層53上に配置される。第1接触電極26aと第2接触電極26bは第3絶縁層53上で互いに離隔して配置され得る。第3絶縁層53は第1接触電極26aと第2接触電極26bが直接接触しないように相互絶縁させることができる。
【0242】
第1接触電極26aは第1内部バンク41上で第1電極21の露出した一部領域と接触し得、第2接触電極26bは第2内部バンク42上で第2電極22の露出した一部領域と接触し得る。第1接触電極26aと第2接触電極26bは各電極21,22から伝達される電気信号を発光素子30に伝達し得る。
【0243】
接触電極26は伝導性物質を含み得る。例えば、ITO、IZO、ITZO、アルミニウム(Al)等を含み得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0244】
パッシベーション層55は接触電極26および第3絶縁層53上に配置され得る。パッシベーション層55は第1絶縁層51上に配置される部材を外部環境から保護する機能をすることができる。
【0245】
上述した第2絶縁層52、第3絶縁層53およびパッシベーション層55それぞれは無機物絶縁性物質または有機物絶縁性物質を含み得る。例示的な実施形態で、第2絶縁層52、第3絶縁層53およびパッシベーション層55はシリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)等のような無機物絶縁性物質を含み得る。また、第2絶縁層52、第3絶縁層53およびパッシベーション層55は有機物絶縁性物質として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ベンゾシクロブテン、カルド樹脂、シロキサン樹脂、シルセスキオキサン樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート-ポリカーボネート合成樹脂等を含み得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0246】
図29図31は一実施形態による表示装置の製造方法の一部を示す断面図である。
【0247】
図29図31を参照すると、一実施形態による表示装置10は図1を参照して上述したインクジェットプリンティング装置1000を用いて製造されることができる。インクジェットプリンティング装置1000は発光素子30が分散したインク90を噴射し得、表示装置10の第1電極21と第2電極22の間に発光素子30が配置され得る。
【0248】
先に、図29に示すように、第1絶縁層51、第1絶縁層51上に互いに離隔して配置される第1内部バンク41および第2内部バンク42、第1内部バンク41および第2内部バンク42上にそれぞれ配置される第1電極21および第2電極22、および第1電極21と第2電極22を覆う第2絶縁物層52’を準備する。第2絶縁物層52’は後続工程で一部パターニングされて表示装置10の第2絶縁層52をなすことができる。前記の部材は通常のマスク工程を行い、金属、無機物または有機物等をパターニングすることによって形成されることができる。
【0249】
引き続き、第1電極21と第2電極22上に発光素子30が分散したインク90を噴射する。発光素子30は双極性素子の一種として、発光素子30が分散したインク90の噴射は上述したインクジェットプリンティング装置1000および双極性素子の整列方法を用いて行われる。図面に示すように、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000を介して噴射されるインク90は一方向に延びた発光素子30が分散することができ、発光素子30は延びた一方向が第1絶縁層51の上面に垂直な状態で噴射されることができる。これに関する説明は上述した内容と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0250】
次に、図30に示すように、第1電極21と第2電極22に電気信号を印加して発光素子30が分散したインク90に電界IELを生成する。発光素子30は電界IELにより誘電泳動力の伝達を受け、配向方向および位置が変わって第1電極21と第2電極22の間に安着することができる。
【0251】
次に、図31に示すように、インク90の溶媒91を除去する。以上の工程によって発光素子30は第1電極21と第2電極22の間に配置され得る。その後、図面に示していないが、第2絶縁物層52’をパターニングして第2絶縁層52を形成し、第3絶縁層53、第1接触電極26aおよび第2接触電極26b、およびパッシベーション層55を形成して表示装置10を製造することができる。
【0252】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000を用いた表示装置10の製造方法は、発光素子30が第1電極21と第2電極22の間で高い整列度を有して整列することができる。整列度が改善された発光素子30は各電極21,22または接触電極26a,26bの間の接続または接触不良を減らすことができ、表示装置10の各画素PX別の発光信頼度を向上させることができる。
【0253】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
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