(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】位置データを生成及び送信する方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20240809BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20240809BHJP
G08G 1/137 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G09B29/10 A
G08G1/137
(21)【出願番号】P 2022534333
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2020087080
(87)【国際公開番号】W WO2021123208
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-02
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515295946
【氏名又は名称】トムトム トラフィック ベスローテン フエンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】TOMTOM TRAFFIC B.V.
【住所又は居所原語表記】De Ruijterkade 154, 1011 AC Amsterdam Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル ラーン, アントワーヌ, カール
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-505449(JP,A)
【文献】特開2003-203243(JP,A)
【文献】国際公開第2016/199496(WO,A1)
【文献】特開2011-252957(JP,A)
【文献】特開2009-266057(JP,A)
【文献】特表2016-522922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G09B 29/10
G08G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に関連するデバイスが、位置データを含むプローブ・データ・サンプルを生成及び送信する方法であって、
前記車両に関する検出イベントのシーケンスを示す検出イベント・シーケンス・データを取得するこ
とと、
イベントの検索パターンを示す検索パターン・データを取得するこ
とと、
イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントの前記シーケンスの少なくとも一部に存在するかどうかを判定するために、前記検索パターン・データと、前記検出イベント・シーケンス・データの前記少なくとも一部とを使用することと、を有し、
イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントの前記シーケンスの前記少なくとも一部に発見された場合に、前記デバイスは、前記検索パターン及びイベントの前記一致したパターンの一方又は両方を示すデータと、イベントの前記一致したパターンに関連する前記デバイスの位置を示すデータとを含むプローブ・データ・サンプルを生成し、前記方法は、前記生成されたプローブ・データ・サンプルを前記デバイスが送信することをさらに有
し、
検出イベントの前記シーケンスを示す前記データは、複数の文字を含み、イベントの前記検索パターンは、正規表現によって規定される検索文字列を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記検出イベント・シーケンス・データを取得するステップは、前記車両に関連する1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のアクチュエータから取得されたデータに基づいて前記車両に関する各イベントを検出することによって、前記検出イベント・シーケンス・データを生成することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記検出イベント・シーケンス・データは、各イベントについて、イベントのタイプを示すデータと、前記イベントに関連する時刻及び/又は位置を示すオプションのデータとを含む、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法であって、前記検出イベント・シーケンス・データは、検出イベントの時間順ログを含む、方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法であって、前記検出イベントは、ハンドルの回転と、ドアの開閉と、バッテリ状態の変化と、燃料レベルの変化と、ウィンドウの作動と、前記車両の接続性の変化と、加速又は減速と、所与の方向への前記車両の移動と、ブレーキの適用又は解除と、ドアのロック又はアンロックと、これらの任意の組合せとのうちの任意の1つ以上を含む、方法。
【請求項6】
請求項
1乃至5の何れか1項に記載の方法であって、検出イベントの前記シーケンス内の各文字は、所与のタイプの検出イベントを示す、方法。
【請求項7】
請求項1乃至
6の何れか1項に記載の方法であって、前記生成されたプローブ・データ・サンプルは、イベントの前記一致したパターンを示すデータを少なくとも含む、方法。
【請求項8】
請求項1乃至
7の何れか1項に記載の方法であって、前記生成されたプローブ・データ・サンプルは、一致した前記検索パターンを示す検索パターン識別子をさらに含む、方法。
【請求項9】
請求項1乃至
8の何れか1項に記載の方法であって、前記生成されたプローブ・データ・サンプルは、イベントの前記一致したパターンに関連する時刻を示すデータをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項1乃至
9の何れか1項に記載の方法であって、前記デバイスによって送信された前記プローブ・データ・サンプルを受信することと、電子地図データに関する動作を実行するために前記プローブ・データ・サンプルを使用することとをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項
10に記載の方法であって、前記動作は、前記電子地図に関連する関心点(POI)データに関する動作であり、オプションとして、前記動作は、前記電子地図に関連するPOIを示すデータを削除、修正、又は検証すること、又は新たなPOIを示すデータを前記電子地図に関連付けることを含む、方法。
【請求項12】
請求項
10又は11に記載の方法であって、前記動作を実行すべきPOIのタイプを識別するために、イベントの前記一致したパターン及び/又は前記検索パターンを示す前記データを使用することを有する、方法。
【請求項13】
請求項1乃至
12の何れか1項に記載の方法であって、イベントの前記パターン内のイベントは、駐車操縦に関連すると予想されるイベントである、方法。
【請求項14】
請求項1乃至
13の何れか1項に記載の方法であって、前記検索パターン・データは、サーバから受信される、方法。
【請求項15】
請求項1乃至
14の何れか1項に記載の方法であって、前記検出イベント・シーケンス・データを取得するステップは、
1つよりも多いセンサ、又は
1つ以上のセンサと1つ以上のアクチュエータとの組み合わせ
から取得されたデータに基づいて前記車両に関する各イベントを検出することによって、前記検出イベント・シーケンス・データを生成することを含む、方法。
【請求項16】
請求項1乃至
15の何れか1項に記載の方法であって、イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンの発見は、前記プローブ・データ・サンプルの生成を引き起こす、方法。
【請求項17】
オプションとして非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ・プログラム製品であって、コンピューティング・デバイスによって読み取られた場合に、請求項1乃至
16の何れか1項に記載の方法に従って前記コンピューティング・デバイスを動作させる命令を含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項18】
車両に関連するデバイスが、位置データを含むプローブ・データ・サンプルを生成及び送信するシステムであって、
前記車両に関する検出イベントのシーケンスを示す検出イベント・シーケンス・データを取得するためのサブシステ
ムと、
イベントの検索パターンを示す検索パターン・データを取得するためのサブシステ
ムと、
イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントの前記シーケンスの少なくとも一部に存在するかどうかを判定するために、前記検索パターン・データと、前記検出イベント・シーケンス・データとを使用するためのサブシステムと、を有し、
イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントの前記シーケンスの前記少なくとも一部に発見された場合に、前記デバイスは、前記検索パターン及びイベントの前記一致したパターンの一方又は両方を示すデータと、検出イベントの前記シーケンス内のイベントの前記一致したパターンに関連する前記デバイスの位置を示すデータとを含むプローブ・データ・サンプルを生成するように構成され、前記デバイスは、前記生成されたプローブ・データ・サンプルを送信するようにさらに構成され
、
検出イベントの前記シーケンスを示す前記データは、複数の文字を含み、イベントの前記検索パターンは、正規表現によって規定される検索文字列を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関連するデバイスが、車両の位置を示すデータを含む1つ以上のプローブ・データ・サンプルを生成する方法に関する。本発明は、このような方法に従って1つ以上のプローブ・データ・サンプルを生成するように構成されたデバイス、及び電子地図データを更新するために、生成されたプローブ・データ・サンプルを使用する方法に及ぶ。本書で使用されるように、“プローブ・データ・サンプル”という用語は少なくとも位置データを含むサンプルを指し、“プローブ・データ”はこのようなプローブ・データ・サンプルの1つ以上のものの、典型的には複数のものの、集合を指す。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション・アプリケーションによって使用される地図データは経路案内アルゴリズムによって使用されるように特に設計され、典型的には測位システム、例えばGPS又はGNSSシステムからの位置データを使用する。例えば、道路は線、すなわち、ベクトル(例えば、始点、終点、道路の方向、道路全体が何百ものこのようなセグメントから構成され、それぞれが始点/終点方向パラメータによって一意に規定される)として記述されうる。そして、マップはこのような道路ベクトルの集合、各ベクトル(速度制限、移動方向など)に関連するデータ、さらには関心点(POI)、道路名、さらには公園境界、河川境界などのような他の地理的特徴の集合であり、これらはすべてベクトルに関して規定される。すべての地図特徴(例えば、道路ベクトル、POIなど)は、典型的に、測位システム、例えばGPSシステムの座標系に対応する又は関連する座標系で規定され、測位システムを通して決定されたような位置が、地図に示されている関連道路上に配置されることを可能にし、目的地まで最適経路が計画されることを可能にする。
【0003】
地図データの更新は時間を要し、費用が掛かるタスクでありうる。出願人の国際公報第2018/104563号公報は、車両に関連するセンサ、例えばカメラから取得されたデータが、道路網のエリアのローカル地図表現を生成するために使用され、その後、これを参照地図のセクションと比較してもよい方法を記載する。そして、ローカル地図表現と参照地図セクションとは、参照地図セクション内にあるかもしれないエラーを識別するために比較されてもよい。エラーが発見されたならば、ローカル地図表現を示すデータが、参照地図セクションの更新に使用するためにサーバに提供されてもよい。よって、このような方法はユーザによる行動を必要とせずに、車両に関連するセンサから取得されたセンサ・データに基づいて、地図データにあるかもしれないエラーを識別することを可能にしてもよい。
【0004】
デバイスがナビゲーション・アプリケーションを実行することによって送信されるプローブ・データに基づいて地図データを更新するための他の技術が提案されている。
【0005】
ナビゲーション・アプリケーションは、任意の適切な1つ以上のデバイスによって実施されてもよい。このようなナビゲーション・デバイスは例えば、専用ナビゲーション・デバイス、又は適切なナビゲーション・アプリケーションが実行される任意のモバイル・デバイス(例えば、携帯電話、タブレット、又はウェアラブル・デバイス、例えば、時計)を含んでもよく、又は統合車載ナビゲーション・システムを使用して実施されてもよい。車両環境は、ナビゲーション・アプリケーションを実施するために使用されてもよいこれらのタイプのうちの任意の1つ以上のコンピューティング・デバイスを含んでもよい。
【0006】
ナビゲーション・アプリケーションは、アプリケーションを実行しているデバイスに、デバイスの少なくとも現在の位置を周期的にサンプリングさせてもよい。このような位置データのサンプルは、“プローブ”データ・サンプルと呼ばれてもよい。プローブ・データ・サンプルは少なくともデバイスの位置を含み、位置が関係する時刻を示すデータを含んでもよい。オプションとして、プローブ・データ・サンプルに他のデータが含まれてもよい。例えば、プローブ・データ・サンプルは、緯度座標値、経度座標値及び時間値、並びにオプションとして、方位、移動速度、高度などのうちの1つ以上などの追加情報を含んでもよい。デバイスは、プローブ・サンプル・データをサーバに送信するように構成される。プローブ・サンプルはサーバに個別に送信されてもよく、又はデータがサーバに送信される必要がある頻度を低減するために、デバイスは所与の期間にわたってプローブ・データ・サンプルの集合を記憶し、プローブ・データ・サンプルの集合をサーバに送信してもよい。言い換えれば、デバイスは、プローブ・データ・サンプルをバッチでサーバに送信してもよい。
【0007】
位置データのこのようなサンプル、すなわちプローブ・データ・サンプルは、地理的エリア内のナビゲーション可能なネットワークのナビゲーション可能な要素を横断する複数のデバイスからサーバによって収集されてもよい。ナビゲーション可能な要素は、電子地図のセグメントによって表されてもよい。所与のデバイスから取得されたプローブ・データ・サンプルは、特定のデバイスによって移動された経路を示す。プローブ・データ(すなわち、プローブ・データ・サンプルの集合)の分析は、多くの文脈において有用である。
【0008】
ナビゲーション可能なネットワークに関する情報、例えばネットワークの構成を取得するためにプローブ・データが分析されてもよい。ナビゲーション可能なネットワークに関して変化があったかもしれない状況を識別するために、及び/又はナビゲーション可能なネットワークに関する動的特徴、例えば関心点を識別するために、履歴プローブ・データ・サンプルと現在のプローブ・データ・サンプルとが比較されてもよい。交通密度又は交通の他のパターンの変化は、ネットワークに関して起こりうる変化を示すかもしれない。例えば、プローブ・データは、変化及び/又は動的特徴、例えば駐車場の利用可能性、事故又は道路工事の存在、道路閉鎖、道路標識の変化、又は関心点に関する変化のようなナビゲーション可能なネットワークに関する関心点を識別する際に使用されてもよい。地図データが更新されるべきである可能性が十分に高い場合をナビゲーション可能なネットワークに関する変更が識別するために、地図更新システムによって、プローブ・データが典型的には他の補強証拠と一緒に使用されてもよい。
【0009】
地図更新が必要とされうる場合を識別するためにプローブ・データを使用する技術は、エンド・ユーザ又は他のソースからの特定のレポート、又はインフラストラクチャの調査に依拠することなく、費用効果的かつタイムリーな方法で起こりうる変化が識別されうるという点で有利である。しかし、改善されたこのような方法、及びこのような方法をサポートするプローブ・データを提供するための方法の必要性があることが認識されている。
【0010】
電子地図に関する関心点を使用して識別されうるナビゲーション可能なネットワークの動的特徴の一例は、パーキングの利用可能性である。本出願人の同時係属中の欧州特許第2291835号明細書及び欧州特許第2291611号明細書において、トリップ終了通知及びパワーダウン通知に基づいて、路側駐車場所の利用可能性を決定する技術が提案されている。少なくとも実施形態において、本発明は、プローブ・データに基づいてパーキングの利用可能性を識別することを可能にし、必要に応じて、例えばパーキングの利用可能性を表す関心点に関して電子地図を更新するために使用される改善された方法を提供してもよい。
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、
車両に関連するデバイスが、位置データを含むプローブ・データ・サンプルを生成及び送信する方法であって、
前記車両に関する検出イベントのシーケンスを示す検出イベント・シーケンス・データを生成することと、
イベントの検索パターンを示す検索パターン・データを取得することと、
イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントの前記シーケンスの少なくとも一部に存在するかどうかを判定するために、前記検索パターン・データと、前記検出イベント・シーケンス・データの前記少なくとも一部とを使用することと、を有し、
イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントの前記シーケンスの前記少なくとも一部に発見された場合に、前記デバイスは、前記検索パターン及びイベントの前記一致したパターンの一方又は両方を示すデータと、イベントの前記一致したパターンに関連する前記デバイスの位置を示すデータとを含むプローブ・データ・サンプルを生成し、前記方法は、前記生成されたプローブ・データ・サンプルを前記デバイスが送信することをさらに有する、方法が提供される。
【0012】
したがって、本発明によれば、車両に関する検出イベントのシーケンスを示すデータ(“検出イベント・シーケンス・データ”)が生成される。イベントの検索パターンを示すデータ(“検索パターン・データ”)が取得され、イベントの取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、考慮される検出イベントのシーケンスの少なくとも一部に存在するかどうかを決定するために、検出イベント・シーケンス・データとともに使用される。一致が発見された場合に、検索パターン及びイベントの一致したパターンの一方又は両方を示すデータと、検出イベントの一致したパターンに関連するデバイス(したがって車両)の位置を示すデータとを含むプローブ・データ・サンプルが生成される。プローブ・データ・サンプルは送信される。
【0013】
よって、位置データだけでなく、車両に関して発生した当該位置に関連するイベントの特定のパターンを示すデータも含むプローブ・データ・サンプルが生成される。位置は、一連のイベントが発生した位置又はその近傍の位置であってもよい。以下に記載されるように、位置は、イベントの一致したパターンに関連する任意の適切な参照位置、例えば、イベントの一致したパターン内のイベントのうちの1つが発生した時刻におけるデバイス、すなわち車両の位置であってもよい。イベントの一致したパターンは、イベントの一致したシーケンスであってもよい。
【0014】
検索パターン・データに依存して、考慮される検出イベント・データのシーケンスの少なくとも一部において、正確な一致が必要とされてもされなくてもよいことが理解されよう。よって、イベントの一致したパターンは、検索パターン・データに対応してもよいし、しなくてもよい。しかし、検索パターンと、一致するパターンとが完全に一致しない場合であっても、検索パターン・データはイベントの一致パターンのインジケーションを与える。よって、検索パターン又は一致したパターンを示すデータのいずれかが有用であってもよいが、検索パターン及び一致したパターンの両方を示すデータを含むことが有利でありうる。好ましくは、プローブ・データ・サンプルは、イベントの一致したパターンを示すデータを少なくとも含む。
【0015】
イベントの一致したパターンは、車両に関して発生したイベントのシーケンスを示す。検索パターン・データは、(必要とされる一致の近さに依存して)イベントの一致したパターンを間接的に示してもよい。イベントの特定のパターンは、電子地図によって表されてもよい特定の特徴を示すことが見出される。例えば、このような特徴は、地図に関する関心点(POI)によって表されてもよい。よって、イベントの検索パターンを適切に選択することによって、イベントの所与の検索パターンについて検出イベント・シーケンス・データを検索するプロセスは、特定のタイプの特徴、例えば電子地図によって表されるPOIの存在又は任意の変化に関する情報を提供してもよい。本発明は、排他的ではないが特に動的特徴の文脈において有用である。したがって、本発明に従って生成及び送信されるプローブ・データ・サンプルは、電子地図データに関連する動作を実行する際に、及び実施形態では、電子地図に関連するPOIデータに関して、例えば、電子地図に関連するPOIを生成、検証、修正、又は削除するために有利に使用されてもよいことが見出される。
【0016】
参照を容易にするために、検索プロセスは、検出イベントのシーケンスを検索することを参照することによって記載してもよいが、これは検索される検出イベントのシーケンスの少なくとも一部を検索することを指すものと理解されたい。以下に述べるように、いくつかの実施形態では、検出イベントのシーケンスのより最近のサブシーケンスのみが検索されてもよい。検出イベントのシーケンスの一部のみが検索される場合、当該部分は、イベント・データのシーケンスの連続したサブシーケンスである。
【0017】
例として、イベントの検索パターンは、車両による路上駐車操縦を示すと予想されるイベントの検索パターンであってもよい。その後、検出イベント・シーケンス・データは、イベントのこのような検索パターンの存在について検索されてもよく、一致が発見された場合、イベントの一致したパターンに関連する位置に利用可能な路上パーキングが存在すると仮定されてもよい。(存在すると予想されるPOIの性質を示す)イベントの検索パターン及びイベントの一致したパターンに関連する位置を示す生成及び送信されるプローブ・データ・サンプルは、電子地図データに関する、より具体的にはそれに関連するPOIデータに関する動作を自動的に実行する際に使用されてもよい追加のデータを提供し、より具体的には、例えば、当該位置での路上パーキングの利用可能性を示すPOIを追加するか、又はそうでなければ、このような存在するPOIを検証する。当然ながら、電子地図に関する動作は、必ずしも、本発明に従う車両に関して送信される単一のプローブ・データ・サンプルに基づいて実行されなくてもよい。例えば、電子地図に関して動作が実行される必要があるかどうかを判定するために、生成及び送信されるプローブ・データは他のデータ、例えば、他の車両から取得された他のこのようなプローブ・データ・サンプル、及び/又は本発明に従って取得されなかったプローブ・データ・サンプル又は他のデータ・ソースと併せて使用されてもよい。言い換えれば、本発明に従って取得されてもされなくてもよい他のデータ・ソースは、電子地図、例えばこのような変更を行う前に関連するPOIデータに関する変更を補強するために、本発明に従うプローブ・データ・サンプルと共に使用されてもよい。
【0018】
本方法は、電子地図に関連するPOIデータに関する動作を実行する際に、受信されたプローブ・データ・サンプルを使用することを含んでもよい。動作は、電子地図に関連するPOIを示すデータを削除、修正、又は検証すること、あるいは新たなPOIを示すデータを電子地図に関連付けることを含んでもよい。本方法は、電子地図に対する位置を識別するために、プローブ・データ・サンプルに関連する位置データを使用することと、動作を実行すべきPOIのタイプを識別するために、イベントの一致したパターン及び/又は検索パターンを示すデータを使用することとを含んでもよい。
【0019】
POIは、イベントの検索パターンが関連付けられることが予想される任意のPOIであってもよい。例えば、限定するものではないが、POIは、路側パーキング、個人駐車施設、例えば、屋内駐車施設、車両修理施設、洗車施設、電気自動車充電施設、燃料補給施設、又は速度違反取締カメラの存在のインジケーションから選択されてもよい。
【0020】
動作は、例えば単一のプローブ・データ・サンプルを受信することに応答することに基づいて、電子地図に関連して、例えばそれに関連するPOIデータに関して、実行されてもよい。しかし、他の車両に関連するデバイスから受信された同様のプローブ・データ・サンプル、又は他のタイプのデータ、又は実際には、異なる時刻に、例えば同じ車両によって実行された別の移動で同じデバイスから受信されたプローブ・データ・サンプルのような、データの他のソースを使用して、単一のプローブ・データ・サンプルによって提供されたPOIに関するインジケーションを補強することが望ましくてもよい。
【0021】
本発明によれば、車両に関する検出イベントのシーケンスを示す検出イベント・シーケンス・データが生成される。イベントは、車両に関連する1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のアクチュエータから取得されたデータに基づいて、任意の適切な方法で検出されてもよい。1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のアクチュエータのそれぞれは、車両に取り付けられる。センサ又はアクチュエータは、車両の任意のシステム又はサブシステムに関連付けられてもよい。それらは、車両の1つ以上のデバイス又は構成要素に組み込まれてもよい。検出イベント・シーケンス・データを生成するステップは、車両に関連する1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のアクチュエータから取得されたデータに基づいて各イベントを検出するステップを含んでもよい。
【0022】
例として、1つ以上のセンサから取得されたデータは、1つ以上のボタン押下、車両の速度又は加速度、タイヤ空気圧、燃料レベル・バッテリ充電状態、エンジン稼働などを示すデータを含んでもよい。センサ・データは、カメラ画像データ、LIDARデータ、GPSデータなどのような画像データを含んでもよい。1つ以上のアクチュエータから取得されるデータは、ウィンドウの動き、ブレーキの適用又は解除、エンジンのオン又はオフ、電源のオン又はオフ、フロントガラスのワイパーのオン又はオフ、ハンドルの左又は右などを示すデータを含んでもよい。
【0023】
各イベントは、車両に関連する1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のアクチュエータから取得されたデータの適切な処理によって検出されてもよい。2つ以上のセンサ及び/又は2つ以上のアクチュエータからのデータ、及び/又は1つ以上のセンサと1つ以上のアクチュエータとの組合せからのデータが、所与のイベントを検出する際に使用されてもよい。
【0024】
検出イベント・シーケンス・データは、検出イベントの時間順ログを含んでもよい。
【0025】
検出イベント・シーケンス・データを取得するステップは、データにアクセスすること、例えば、このようなデータのデータベースにアクセスすることを含んでもよい。本方法は、検出イベントの時間順ログにアクセスすることを含んでもよい。しかし、好ましい実施形態では、検出イベント・シーケンス・データを取得するステップは、検出イベント・シーケンス・データを生成することを含む。データを生成するステップは、車両に関連する複数のイベントを検出することと、車両に関連する検出イベントのシーケンス内の各イベントの位置が決定されることを可能にするように、各イベントを示すデータを記憶することとを含んでもよい。イベントは、イベントの順序を直接的又は間接的に決定することを可能にする任意の適切な方法で記憶されてもよい。例えば、各検出イベントは、時刻データ、又は検出イベントのシーケンス内のイベントの位置を決定することを可能にする数に関連付けられてもよい。しかし、他の場合には、イベントの順序は、検出イベントのログへのイベントの追加の順序によって、単に暗示されてもよい。本方法は、車両に関連する複数のイベントを検出することと、各イベントを示すデータを時間順ログに記憶することとを含んでもよい。よって、検出イベント・シーケンス・データは、時間順ログを含んでもよい。検出イベント・シーケンス・データが生成されるのではなくアクセスされる場合、データは、本書に記載される方法での生成を通じて取得される形態のいずれであってもよい。
【0026】
検出イベント・シーケンス・データ内のイベントを示すデータは、イベントのタイプを示すデータを含んでもよい。イベントを示すデータは、イベント識別子を含んでもよい。検出イベントは、所定の検出可能なイベントのリストの1つとして識別されてもよいことが想定される。異なる車両タイプに関して異なるリストが使用されてもよい。データは、イベント・コードを参照することによって所与のイベントを識別してもよい。イベント・コードは、文字の形態であってもよい。したがって、検出イベント・シーケンス・データは、それぞれがイベントを示す文字の列を含んでもよい。ここで使用される文字は、文字、数字、又は記号を指してもよい。文字は、文字(アルファベットと呼ばれてもよい)の有限集合の一部を形成してもよい。よって、所定の検出可能なイベントのリストは、文字の有限集合であってもよい。これは、以下に記載されるように、所与の文字列を探す列検索技術を用いて、イベントのパターンを検索することを可能にしてもよい。
【0027】
検出イベント・シーケンス・データを生成するステップは、任意の適切なサブシステムによって実行されてもよい。実施形態では、本ステップは、車両に関連するサブシステムによって実行される。
【0028】
本方法は、生成されたイベント・シーケンス・データを検出イベント・シーケンス・データベースに記憶することを含んでもよい。本方法は、新たなイベントが検出された場合に、検出イベントを検出イベント・シーケンス・データベースに追加することを含んでもよい。このようなデータベースは、車両に関連するサブシステム(プローブ・データを生成するデバイスを備えていてもよいし、備えていなくてもよい)によって記憶されてもよい。しかし、代替実施形態では、検出イベント・シーケンス・データベースが車両から離れて記憶されてもよいことが想定される。本方法は例えば、生成されたイベント・シーケンス・データを、遠隔サーバに記憶するために送信することを含む。
【0029】
検出イベントは、車両に関するイベントである。イベントは、車両全体、又はその1つ以上の構成要素に関係してもよく、車両の移動に関係してもしなくてもよい。例えば、イベントは、車両又はその1つ以上の構成要素の状態の変化、又は車両の動きの変化に関係してもよい。限定ではなく例として、検出イベントは、ハンドルの左又は右への回転、運転者ドアの開閉、乗員ドアの開閉、車両のオン又はオフ、バッテリ充電の増加、燃料レベルの増加、乗員ウィンドウの上昇又は下降、GPS又はモバイル・ネットワークの車両システムへの接続又は切断、車両の加速又は減速、車両の徐行前進又は徐行後退、車両の静止中のブレーキの適用又は解除、ハンドブレーキの適用又は解除、ドアのロック又はアンロックのうちの任意の1つ以上を含んでもよい。一般に、検出イベントは、ハンドルの回転、ドアの開閉、バッテリ状態の変化、燃料レベルの変化、ウィンドウの作動、車両の接続性の変化、加速又は減速、所与の方向への車両の移動、ブレーキの適用又は解除、ドアのロック又はアンロック、又はそれらの任意の組合せのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0030】
所与のイベントを示すデータは、イベントに関連する時刻及び/又は位置をさらに含んでもよい。例えば、このような時刻及び/又は位置は、イベントのタイプを示すデータに関連してもよい。時刻及び/又は位置は、任意の適切な参照時刻及び/又は位置、例えば、イベントが検出された時刻及び/又はイベントの検出時のデバイス(したがって車両)の位置であってもよい。このようなデータは、イベントのタイプを示すデータに関連して、例えば検出イベント・シーケンス・データベースに記憶されてもよい。位置データは、GPSセンサのような任意の適切な位置センサから取得されてもよい。いくつかの実施形態では、時刻及び/又は位置データは、プローブ・データ・サンプルに含まれるイベント・データの一致したパターンに関連付けられるべき時刻及び/又は位置を提供する際に有用であってもよい。
【0031】
本方法は、イベントの検索パターンを示すデータを取得することを含む。検出イベントの検索パターンは、車両に関する検出イベントのシーケンスにおいて検索することが望まれる任意のパターンである。検索パターンは、電子地図に対する関心点(POI)の存在を示すことが期待されるパターンであってもよい。検出イベントの特定のパターンは、特定のタイプのPOIの存在に関連してもよいことが見出される。例として、いくつかの場合にハンドブレーキのオン/オフ、ブレーキ、ドアのアンロック/ロック、又は加速又は減速のような他のイベントに関連する前方及び後方への車両の徐行は縦列駐車操縦と一致しうる。電気自動車について、車両が電源オフ状態にある間の車両バッテリの充電量の増加は、車両が充電中であることを示してもよい。例えば、限定するものではないが、POIは、路上パーキング、個人駐車施設、例えば、屋内駐車施設、車両修理施設、洗車施設、電気自動車充電施設、燃料補給施設、又は速度違反取締カメラの存在のインジケーションから選択されてもよい。
【0032】
例として、イベントの検索パターンは、例えば、車両の充電又は車両の燃料補給、駐車施設への出入り、車両の修理、自動洗車施設での車両の洗浄、速度違反取締カメラの領域内での移動などの駐車操縦、例えば縦列駐車のうちの1つ以上のイベントに関連すると予想される1つ以上のイベント(又はイベントのシーケンス)を含んでもよい。
【0033】
より詳細に後述するように、イベントは例えば、例えば縦列駐車操縦のための操縦を実施するために必要とされるイベントを含んでもよく、これらは徐行前進及び徐行後退及びハンドル動作を含みうるが、また、典型的には駐車操縦に関連する他のイベント、例えばハンドブレーキのオン又はオフ、ブレーキ、ドアのロック又はアンロック、加速又は減速をも含みうる。いくつかの好ましい実施形態では、イベントのパターン内のイベントは、駐車、例えば縦列駐車操縦に関連すると予想されるイベントである。その後、イベントのパターンは、路上パーキングの利用可能性を示してもよい。
【0034】
検索パターンは、一致を提供するために検出イベントのシーケンスにおいて何が要求されるかを任意の方法で示してもよい。いくつかの実施形態では、一致が存在するかどうかを判定するために検索パターン・データ及び検出イベント・シーケンス・データを使用するステップは、パターン検索エンジンによって実行される。検索パターンは、検出イベント・シーケンス内の一致イベント・パターンを探すようにパターン検索エンジンを構成するために使用されてもよいデータであってもよい。このようなパターン検索エンジンは、適切なモジュール、例えばナビゲーション・アプリケーションの一部を形成するソフトウェア・モジュール(アプレット、スクリプト又はコードなど)によって実施されてもよい。ナビゲーション・アプリケーションは、プローブ・データを生成及び送信する同じデバイス、又は車両に関連する別のデバイス上で実行されるアプリケーションであってもよいが、そうである必要はない。
【0035】
検索パターンを示すデータは、検索パターン、又は検索パターンが取得されることを可能にする任意のデータを含んでもよい。データは例えば、検索パターンの圧縮又はハッシュされたバージョンを含んでもよい。例示的な実施形態では、検索パターンは、検索列又は正規表現であってもよく、検索パターンを示すデータは検索列又は正規表現であってもよい。
【0036】
イベントの検索パターンを示す検索パターン・データは、任意の適切なソースから取得されてもよい。いくつかの実施形態では、検索パターン・データは、検索パターン提供サブシステムから受信される。このようなサブシステムは、適切なモジュール、例えばナビゲーション・アプリケーションの一部を形成するソフトウェア・モジュール(アプレット、スクリプト又はコードなど)によって実施されてもよい。ナビゲーション・アプリケーションは、プローブ・データを生成及び送信する同じデバイス又は車両に関連する別のデバイス上で実行されるアプリケーションであってもよい。例えば、検索パターン・データ、例えば検索列は、デバイスによって実行されるナビゲーション・アプリケーションのソフトウェアに統合されてもよい(すなわち、ナビゲーション・クライアントに統合されてもよい)。しかし、さらに他の実施形態では、検索パターン提供サブシステムが必ずしも車両に関連しなくてもよいことが想定される。例えば、これは、その後、本書に記載する技術で使用するために検索パターン・データを送信してもよいサーバを使用して実施してもよい。よって、いくつかの実施形態では、検索パターン・データは、サーバによって生成され、本書に記載される方法で使用するためにデバイスに送信されてもよい。検索パターン・データは、起動中に、又はデバイスによって実行されるナビゲーション・アプリケーションの構成中に、デバイスによって取得されてもよい。これは、本書に記載されるパターン・マッチング及び一致パターンに関するプローブ・データの生成をユーザに可能にされた場合に、自動的に起こりうる。サーバは、検索パターン・データを生成し、データを複数のデバイスに配信してもよい。デバイスはナビゲーション・デバイス、すなわち、受信された検索パターン・データを使用して本書に記載される方法を実行するように構成されたナビゲーション・アプリケーションを実行するデバイスであってもよい。
【0037】
検索パターン提供サブシステムは、デバイス又はサーバ若しくは他によって実施されるかどうかによらず、任意の適切な方法で、本書に記載される方法で使用するための検索パターン・データを取得してもよい。例えば、本方法は、このようなデータを生成するサブシステムに及び、データベース、例えば、事前規定された検索パターンからデータを取得してもよい。
【0038】
イベントの検索パターンを示す検索パターン・データを取得、例えば受信するステップは、任意の所望の1つ以上の時刻に乗じてもよい。例えば、本ステップは、事前に規定された時間間隔で生じてもよく、又は新たなイベントが検出されるたびに生じてもよく、又はn回の検出イベントごとに生じてもよい。パターン・マッチング・プロセスは、例えば検索パターン提供サブシステムからの検索パターン・データの受信によってトリガされてもよい。
【0039】
検索パターン・データを取得するステップと、検出イベント・シーケンス・データを取得するステップとは、任意の順序で、又は同時に生じてもよいことが理解されよう。
【0040】
検索パターン・データは、本書に開示される方法を実施するシステムの任意の適切なサブシステムによって取得されてもよい(例えば、受信されてもよい)。例えば、検索パターン・データは、イベントの取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが検出イベントのシーケンスに存在するかどうかを判定するために、検索パターン・データと検出イベント・シーケンス・データとを使用するステップを実行するように構成された検索エンジンによって受信されてもよい。このような検索エンジンは、適切なモジュール、例えばナビゲーション・アプリケーションの一部を形成するソフトウェア・モジュール(アプレット、スクリプト又はコードなど)によって実施されてもよい。ナビゲーション・アプリケーションは、プローブ・データを生成及び送信する同じデバイス又は車両に関連する別のデバイス上で実行されるアプリケーションであってもよい。いくつかの実施形態では、検索エンジンは、例えば車両に関連する1つ以上のデバイスによって提供される、車両に関連するサブシステムによって実施される。しかし、やはり、検索エンジンが代わりにサーバによって実施されてもよいことが想定される。このような実施形態では、サーバは検索パターン・データ及び検出イベント・シーケンス・データにアクセスする必要がある。検索エンジンは、正規表現エンジンのような、取得された検索パターンを処理してもよい任意のタイプの検索エンジンであってもよい。
【0041】
したがって、いくつかの実施形態では、検出イベント・シーケンス・データを生成するステップと、検索パターン・データを取得するステップと、一致が存在するかどうかを判定するために検索パターン・データ及び検出イベント・シーケンス・データを使用するステップと、適切であればその後にプローブ・データを生成するステップとはすべて、車両に関連するサブシステムによって実行されてもよく、又はすべて、1つ以上のサーバによって実行されてもよく、又は車両ベースのサブシステム及びサーバの任意の組合せを使用して実行されてもよいことが理解されよう。このようなステップがサーバによって実行されるならば、検出イベント・シーケンス・データ、すなわちセンサ及び/又はアクチュエータ・データを生成する際に使用するために必要なデータは、サーバに送信される必要がある。いくつかの好ましい実施形態では、ステップはすべて、車両に関連するサブシステムによって実行される。これは、より帯域幅効率の良いシステムを提供してもよい。これらのステップはすべて、ナビゲーション・アプリケーションの適切なモジュールによって実施されてもよい。ナビゲーション・アプリケーションは、プローブ・データ・サンプルを生成及び送信するデバイスを含む、車両に関連する1つ以上のデバイス上で実行されてもよい。
【0042】
検索パターン・データは、本書に記載される方法を実施するシステムの任意の適切なサブシステムから取得(例えば、受信)されてもよい。いくつかの実施形態では、検索パターン・データは、地図サーバのようなサーバから受信される。よって、検索パターンは、例えば所与のタイプのPOIに関連して情報を取得するために使用するために地図サーバによって取得、例えば生成されてもよい。検索パターン・データを取得するステップは、サーバから(すなわち、無線(OTA)インタフェースを使用して無線で)データを受信することを含んでもよい。さらに他の実施形態では、検索パターン・データは、例えば車両に関連するサブシステムによって、ローカルに取得されてもよい。いずれの場合も、ローカルに取得されても遠隔サーバから取得されても、検索パターン・データは、このようなデータのデータベースから生成又は読み出されてもよい。例えば、イベントの複数の検索パターンを示すデータを含むデータベースが提供されてもよい。それぞれのこのようなパターンは、所与のタイプのPOI及び/又は検索パターン識別子に関連してもよい。これらのオプションの組合せも考えられる。例えば、検索パターン識別子は、遠隔サーバから受信され、検索パターンのローカルに記憶されたデータベースから必要な検索パターンを取得するために使用されてもよい。よって、検索パターン・データを取得することは、検索パターンを示すデータを受信すること、及び/又はデータベースからこのようなデータを読み出すことを含んでもよい。
【0043】
本方法の様々なステップが実施されるときはいつでも、検索パターン・データは、イベントの検索パターンを任意の適切な方法で示してもよい。いくつかの実施形態において、検索パターン・データは、検索パターン識別子に関連する。このような識別子は、以下に記載されるように、一致が発見された場合に、生成されたプローブ・データに有用に含められてもよい。
【0044】
本方法は、イベントの取得された規定済みの検索パターンと一致すると考えられうるイベントのパターンを検出イベント・シーケンス・データから検索するために、検索パターンを示すデータと検出イベント・シーケンス・データとを使用することを含む。いくつかの実施形態において、検出イベントのシーケンスを示すデータは、複数の文字を含み、イベントの検索パターンは、文字の検索列を含む。検出イベントのシーケンス内の各文字は、所与のタイプの検出イベントを示してもよい。その後、本方法は、一致する文字列を求めて検出イベントのシーケンスを検索することを含んでもよい。このようなステップは、適切な列検索アルゴリズムを使用して実行されてもよい。検出イベントのシーケンスを形成する文字は、検索列を使用して検索されるテキストを提供する。検出イベントのシーケンスで使用される各文字は、使用可能なタイプの検出イベントを規定する文字の有限集合の1つを形成してもよい。文字(character)は、文字(letter)、数字、記号の任意の1つ以上を含んでもよい。
【0045】
検出イベントの一致パターンが存在するかどうかを判定するために検索パターン・データと検出イベント・シーケンス・データとを使用するステップは、生成されたイベント・シーケンス・データの少なくとも一部を使用することを含む。よって、本ステップは、生成されたイベント・シーケンス・データのすべて又は部分集合を使用することを含んでもよい。検出イベントのシーケンスの少なくとも最新の部分が使用される。データの部分集合のみが使用される場合に、部分集合は、複数の検出イベントを含む。イベントは連続したイベントである。例えば、いくつかの実施形態では、検出イベントのパターンと検出イベントのシーケンスとの間の直前の一致が発見された時刻から始まる部分集合のような、検出イベント・シーケンス・データの最も直近の部分集合のみが使用されてもよい。これは、一致が発見されるごとに、パターン検索エンジンに関連するタイミング・オフセットをリセットすることを指定することによって実現されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、イベントの検索パターンは、一致が判定されるために検出イベントのシーケンスの少なくとも一部で発見されなければならない順序付けられたイベントの正確な集合を指定する。よって、順序付けされた検出イベントの1つの集合のみが、イベントの検索パターンへの一致を提供することになる。単純な場合には、検索パターン・データは、一致を提供するために車両に関連する検出イベントのシーケンスの少なくとも一部において発見される必要がある文字列を示してもよい。これらの実施形態では、検索パターン・データに従った文字列内の文字の正確なシーケンスが検出イベントのシーケンスの少なくとも一部で発見される一致が判定される。
【0047】
しかし、いくつかの場合に、イベントの検索パターンが、検出イベントのシーケンスの少なくとも一部に発見された順序付けられた検出イベントの複数の集合のうちの任意の1つが一致を提供しうるようなものであることが望ましいことが認識されている。したがって、他の実施形態では、イベントの検索パターンは、順序付けられた検出イベントの複数の異なる集合のうちのいずれか1つが検出イベントのシーケンスの少なくとも一部に発見されることによって満たされてもよいイベントのパターンを指定する。これは、特定のタイプのPOIに関連する検出イベントに何らかの変動がありうることを反映する。例えば、縦列駐車の例に戻ると、車両オフ・イベントが発生する前に徐行前進イベントの後に徐行後退イベントが続くと仮定すると、複数の異なる検出イベント、例えばハンドブレーキ・オン又はオフ、ハンドル左又は右のいずれか1つが、これらの必要なイベントの間で許容されてもよい。縦列駐車操縦に関連しうる検出イベントの正確なシーケンスは、運転者の熟練度、車両のサイズに対する利用可能な駐車スペースのサイズなどの要因に依存しうる。よって、このような操縦に関連する検出イベントの基本パターンに一致するシナリオの範囲のうちの任意の1つにおいて一致が発見されうることが望ましい。
【0048】
いくつかの実施形態では、検索パターンは正規表現によって規定される。正規表現は、文字のシーケンスである。文字のシーケンスは検索パターンを規定する。よって、正規表現は、一致を提供するために検出イベントのシーケンスの少なくとも一部で発見されなければならない文字の組合せを規定する。正規表現の各文字は、メタ文字又は通常文字のいずれかである。メタ文字は特別な意味を有するが、通常文字はその文字通りの意味を有する。メタ文字は、一致を提供するために必要な精度の程度を効果的に制御してもよい。正規表現は、文字のテキストに作用する。よって、実施形態では、検索パターンは、検出イベントのシーケンスの少なくとも一部によって提供されるテキストに作用する正規表現によって規定されてもよい。
【0049】
当然ながら、列ベースの検索技術は、本発明に従って使用してもよい検索パターン及びマッチング技術の1つの可能な形態の単なる例示である。同様に、上述したようなテキスト・ベースの検索技術ではなく、画像ベースの検索が代替的に又は追加的に使用されてもよい。検出イベントのシーケンスの少なくとも一部において、任意の所望の正確さのレベルの一致が求められることを可能にしうる任意の適切な検索技術、したがって、検索パターンが使用されてもよい。例えば、使用してもよい他の検索技術は、非決定論的有限オートマトン、決定論的有限オートマトン、再帰的降下パーサ、トリグラム検索、ファジィ検索などを含む。
【0050】
検出イベント・シーケンス・データを生成するステップは、連続的に実行されてもよい。
【0051】
検索パターンと検出イベント・シーケンスの少なくとも一部内の検出イベントのパターンとの間に一致があるかどうかを判定するために検索パターン・データと検出イベント・シーケンス・データとを使用するステップは、任意の所望の時刻に実行されてもよい。例えば、このステップは、周期的に実行されてもよく、及び/又は検出イベントのシーケンスに新たなイベントを追加することによってトリガされてもよい。よって、本ステップは、同じ検索パターン・データ及び検出イベント・シーケンス・データの異なる集合を使用して、複数の場面で実行されてもよい。
【0052】
本方法は代替的に又は追加的に、検索パターン・データの1つ以上のさらなる集合に関連して実行されてもよい。検索パターン・データのこのようなさらなる集合は、(第1集合)に関連して記載したのと同じ方法で取得されてもよい。例えば、異なるタイプのPOIを示す一致を決定する際に使用するために、検索パターン・データの集合が取得されてもよい。検索は、検索パターン・データの任意のさらなる集合に関連して複数回、例えば周期的に、又は新たなイベントの追加によってトリガされて実行されてもよい。パターン検索エンジンは、定期的に(又はイベントが追加された際に)センサ・イベント・シーケンスを走査する。一致するパターンが発見された場合、パターン検索エンジンは、新たなパターンの検索を続けるためのオフセットを設定する。センサ・イベント・シーケンスへのこのオフセットは最初に、ナビゲーション・クライアント・アプリケーションの開始時にシーケンスの先頭に設定される。検索パターン・データの1つ以上のさらなる集合に関して検索が実行される場合、検索は、異なる検索パターンに関して順次又は同時に実行されてもよい。よって、検索パターンは、直列又は並列に処理されてもよい。
【0053】
本発明によれば、検出イベントの一致パターンが、検出イベントのシーケンスの少なくとも一部に発見される場合に、車両に関連するデバイスによってプローブ・データ・サンプルが生成される。検出イベントの一致パターンの発見は、プローブ・データ・サンプルの生成をトリガしてもよい。
【0054】
態様又は実施形態のいずれかにおいて本発明に従って生成されるプローブ・データ・サンプルは、イベントの一致したパターン及び/又は検索パターンを示すデータと、イベントの一致したパターンに関連するデバイスの位置を示すデータとを少なくとも含む。好ましくは、少なくとも一致したパターン(及び位置データ)を示すものが含まれる。
【0055】
プローブ・データ・サンプルは、少なくとも一致したパターン及び/又は検索パターン及び位置データを含むメッセージの形式であってもよい。
【0056】
位置データは、イベントの一致したパターンに関連する任意の参照位置を示してもよい。例えば、位置データは、検出イベント・シーケンス・データの検出イベントの一致したパターン内のイベントのうちの1つを示すデータに関連してもよい。代替的に、位置データは、イベントの検索パターンが検出イベントのシーケンス内のイベントのパターンに一致した時刻のデバイスの位置を示してもよい。本方法は、イベントの一致したパターンに関連するデバイスの位置を取得するステップを含んでもよい。このステップは、車両に関連する位置センサ、例えばGPS又は同様の位置センサから、位置、例えば現在位置を取得すること、又は、記憶されたデータから、例えば記憶された検出イベント・シーケンス・データから位置を読み出すことを含んでもよい。よって、位置データは、現在の感知された位置又は以前に記憶された位置であってもよい。
【0057】
生成されたプローブ・データは、追加のデータを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、プローブ・データは、イベントの一致したパターンに関連する時刻を示すデータをさらに含む。これは、任意の適切な参照時刻であってもよい。イベントの一致したパターンに関連する位置と同様に、時刻は、一致を発見した時刻、例えば現在の時刻、又は検出イベント・シーケンス・データの検出イベントの一致したパターンにおけるイベントのうちの1つに関連する時刻であってもよい。時刻データを取得するステップは、現在の時刻を取得すること、又は、記憶されたデータから、例えば記憶された検出イベント・シーケンス・データから時刻を取得することを含んでもよい。
【0058】
生成されたプローブ・データは、検出イベントのシーケンスの少なくとも一部に発見されたイベントの一致したパターンと、イベントの検索パターンを示すデータとの一方又は好ましくは両方を示すデータを含む。検索パターンによってどれほど正確な一致が要求されるかに応じて、検索パターン及び一致するパターンは、互いに異なっていても異なっていなくてもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、イベント検索パターン提供サブシステムは、検索エンジン・サブシステムに加えて、検索パターンを示すデータをプローブ・データ・サンプル・ジェネレータに提供してもよい。プローブ・データ・サンプル・ジェネレータは、パターン検索エンジン・サブシステムから一致したパターンを示すデータを受信してもよい。
【0059】
検索パターン・データを検索エンジンに提供する際に検索パターン識別子が使用されるかどうかにかかわらず、プローブ・データ・サンプル・ジェネレータに提供される検索パターンを示すデータは、好ましくは検索パターン識別子の形式である。いくつかの好ましい実施形態では、生成されたプローブ・データは、検索パターン識別子を示すデータを含む。生成されたプローブ・データはまた、イベントの一致したパターンを示すデータを含んでもよい。
【0060】
検索パターン識別子は、検索パターンが識別されることを可能にする任意の形態であってもよい。検索パターン識別子は、検索パターン・データの短縮又は圧縮された形態、例えば、短縮された検索列であってもよい。例えば、検索パターン識別子は、検索パターンの圧縮された、例えばハッシュ化されたバージョンの形態であってもよい。一般に、検索パターン識別子は、データ・サイズに関して効率的な方法で検索パターンが識別されることを可能にする。プローブ・データに検索パターン識別子を含めることにより、プローブ・データ・サンプル・メッセージのサイズを制限するのを助けながら、一致を生じさせた検索パターンが識別されることを可能にする。
【0061】
プローブ・データ・サンプルにさらなる情報が含まれてもよい。例えば、一致するイベント検索パターンはが所与のタイプのPOIを示すならば、POIに関する追加情報が提供されてもよい。これは、電子地図に関する動作を実行する際に使用するためにより詳細なPOIデータが提供されることを可能にしてもよい。情報は、プローブ・データを提供するデバイスに利用可能な任意の情報であってもよい。例えば、一致するイベント検索パターンが燃料補給施設を示す場合、プローブ・データ・サンプルは、車両によって使用される燃料のタイプを示すデータを含んでもよい。これは、POIで利用可能な燃料のタイプを示してもよい。
【0062】
デバイスは本書に記載される方法に関して指定されるもの、すなわちイベントの検索パターンと、検出イベントのシーケンスの少なくとも一部におけるイベントのパターンとの間で一致が発見されたとき以外の時刻における位置データを少なくとも含むプローブ・データ・サンプルをさらに生成及び送信してもよいことが理解されよう。例えば、デバイスは、規則的な間隔で、又は他の要因によって促されるように、プローブ・データ・サンプルを生成及び送信してもよい。
【0063】
プローブ・データ・サンプルの生成時に、本方法は、更新された検出イベント・シーケンス・データを生成するステップと、検索パターン・データを取得するステップと、以前のプローブ・データ・サンプルの生成の時刻後に生じたイベントに関する更新された検出イベント・シーケンス・データに関連する一致を探すために、検索パターン・データ及び更新された検出イベント・シーケンス・データの少なくとも一部を使用するステップとを繰り返すことを含んでもよい。
【0064】
デバイスは、プローブ・データ・サンプルが生成されるとすぐに、又は後の段階で、それを送信してもよい。本書に記載された方法に従って生成されたプローブ・データ・サンプルは、生成されたときに一度に1つずつ送信されてもよく、又は本書に記載された方法に従うイベントの一致するパターンによってトリガされてもされなくてもよい他のプローブ・データ・サンプルと共にバッチとして送信されてもよい。各プローブ・データ・サンプルがイベントの一致したパターン及びそれに関連する時刻を示すデータを含む限り、それは、その後、例えば電子地図データを使用する動作のような方法においてサーバによって使用されてもよい。
【0065】
プローブ・データ・サンプルは、好ましくは無線で、すなわちエア・インタフェース(OTA)を介して送信される。
【0066】
本方法は、デバイスによって送信されたプローブ・データ・サンプルを受信し、電子地図データに関する動作を(自動的に)実行するためにプローブ・データ・サンプルを使用するステップに及ぶ。このようなステップはサーバ、例えば、地図プロバイダのサーバによって実行されてもよい。電子地図は、ナビゲーション可能なネットワークのナビゲーション可能な要素を表す複数のセグメントを備え、電子地図のセグメントはノードによって接続され、本方法は電子地図に対する経路を再構成することを含む。デバイスは、電子地図によってカバーされるナビゲーション可能なネットワークを通る経路を横断する車両に関連するデバイスであってもよい。
【0067】
本方法は、電子地図に関連するPOIデータに関する動作を実行する際に、受信されたプローブ・データ・サンプルを使用することを含んでもよい。本動作は、電子地図に関連するPOIを追加、削除、修正、又は検証することを含んでもよい。本方法は、電子地図に対する位置を識別するために、プローブ・データ・サンプルに関連する位置データを使用することと、動作を実行すべきPOIのタイプを識別するために、イベントの一致したパターンを示すデータを使用することとを含んでもよい。
【0068】
POIは、イベントの検索パターンが関連付けられることが予想される任意のPOIであってもよい。例えば、限定するものではないが、POIは、路側パーキング、個人駐車施設、例えば屋内駐車施設、車両修理施設、洗車施設、電気自動車充電施設、燃料補給施設、又は速度違反取締カメラの存在のインジケーションから選択されてもよい。
【0069】
例えば単一のプローブ・データ・サンプルの受信に応答することに基づいて、電子地図に関して、例えばそれに関連するPOIデータに関して動作が実行されてもよい。しかし、他の車両に関連するデバイスから受信された類似のプローブ・データ・サンプル、又は他のタイプのデータ、又は実際には、異なる時刻に、例えば同じ車両によって実行された別の移動で同じデバイスから受信されたプローブ・データ・サンプルのような、データの他のソースを使用して、単一のプローブ・データ・サンプルによって提供されたPOIに関するインジケーションを補強することが望ましくてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、本方法が追加又は代替として、受信されたプローブ・データ・サンプルをデータベースに記憶するステップを含んでもよい。
【0071】
本書に記載されるように生成及び送信されるプローブ・データ・サンプル又は各プローブ・データ・サンプルは、デバイス(したがって、車両)がナビゲーション可能なネットワークを通る経路を横断する際に生成及び送信されてもよい。経路は、起点位置から目的地位置までの任意の経路であってもよい。経路は、デバイスによる移動の一部として横断されてもよい。経路は、あらかじめ規定された経路に沿って目的地まで移動する間に横断される経路であってもなくてもよい。よって、目的地位置は必ずしも事前規定された位置でなくてもよい。その後、経路は、本書に記載される方法に従ってデバイスによるプローブ・データ・サンプル生成が制御される期間にわたってデバイスによって横断される経路に対応してもよい。
【0072】
各デバイスは、位置決定能力を有し、本書に記載される方法でプローブ・データ・サンプルを生成及び送信するようにトリガされてもよい任意のデバイスであってもよい。例えば、デバイスは、WiFiアクセス・ポイント又はGSMデバイスのようなセルラー通信ネットワークからの情報にアクセス及び受信し、その位置を決定するためにこの情報を使用するための手段を含んでもよい。しかし、好ましい実施形態では、デバイスは、特定の時点で受信機の位置を示す衛星信号を受信するための、GPS受信機のようなグローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)受信機を含み、これは、好ましくは、更新された位置情報を一定の間隔で受信する。このようなデバイスは、ナビゲーション・デバイス、測位能力を有するモバイル電気通信デバイス、測位能力を有するウェアラブル・デバイス、位置センサなどを含んでもよい。
【0073】
一般に、1つ又は各デバイスは、モバイル・デバイス、例えばナビゲーション・デバイス、ウェアラブル・デバイス、電話、ラップトップ又はタブレット、又は車両に統合されたデバイス、例えばナビゲーション・デバイスから選択されてもよい。デバイスは、好ましくはナビゲーション・アプリケーションを実行するデバイスである。
【0074】
デバイス又は各デバイスは、車両に関連する。車両は例えば、トラック、車、オートバイ、自転車、ボート、飛行機などを含んでもよい。車両は、任意の適切な方法で給電されてもよく、電気車両を含むことが理解されよう。車両に関連するデバイスへの参照は、デバイスの位置が車両の位置に対応するとみなされうるように、デバイスが車両と共に移動する任意の構成を包含する。いくつかの実施形態では、デバイスは、個別の経路を横断する車両に関連する。車両に関連するデバイスは車両に統合されてもよく、又はモバイル・デバイス、ポータブル・ナビゲーション装置、又は車両の乗員によって装着されるデバイスなどのような、車両に関連する別個のデバイスであってもよい。
【0075】
デバイスは、電子地図によってカバーされる地理的エリア内で、すなわち電子地図のセグメントによって表されるナビゲーション可能なネットワークのナビゲーション可能な要素に沿って移動する車両に関連してもよい。デバイスは、ユーザに関連するデバイスであってもよい。
【0076】
本書で参照される位置データは、座標、例えば緯度座標及び経度座標の集合を含んでもよい。
【0077】
デバイスは、位置決定能力を有し、デバイスの現在位置を示すデータを異なる時刻に、例えば所定の間隔で送信するように構成された任意のデバイスであってもよい。デバイスは、データをサーバに送信するように構成されてもよく、サーバは本書に記載される方法の他のステップを実行するサーバであってもなくてもよい。デバイスは、異なる時刻にデバイスに位置データを送信させるようにナビゲーション・アプリケーションが実行されるデバイスであってもよい。
【0078】
本発明は、その態様又は実施形態のいずれかに従って本発明の方法を実行するためのシステムにまで及ぶ。
【0079】
本発明のさらなる態様によれば、
車両に関連するデバイスが、位置データを含むプローブ・データ・サンプルを生成及び送信するシステムであって、
前記車両に関する検出イベントのシーケンスを示す検出イベント・シーケンス・データを取得するためのサブシステムと、
イベントの検索パターンを示す検索パターン・データを取得するためのサブシステムと、
イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントの前記シーケンスの少なくとも一部に存在するかどうかを判定するために、前記検索パターン・データと、前記検出イベント・シーケンス・データとを使用するためのサブシステムと、を有し、
イベントの前記取得された検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントの前記シーケンスの前記少なくとも一部に発見された場合に、前記デバイスは、前記検索パターン及びイベントの前記一致したパターンの一方又は両方を示すデータと、検出イベントの前記シーケンス内のイベントの前記一致したパターンに関連する前記デバイスの位置を示すデータとを含むプローブ・データ・サンプルを生成するように構成され、前記デバイスは、前記生成されたプローブ・データ・サンプルを送信するようにさらに構成される、システムが提供される。
【0080】
これらのさらなる態様における本発明は、相互に矛盾しない範囲で、本発明の第1態様に関して説明された特徴のいずれか又はすべてを含んでもよく、逆もまた同様である。よって、本書で明示的に述べられていないならば、本発明のシステムは、記載された方法のステップのいずれかを実行するためのサブシステム又は手段を含んでもよい。
【0081】
システムは、車両に関連するデバイスを備え、1つ以上の他のデバイス及び/又はサーバを備えてもよい。システムは、車両に関連するデバイスを含む分散システムであってもよい。このようなシステムは、サーバと、オプションの1つ以上の他の車両サブシステムとをさらに備えてもよい。本発明のこのさらなる態様に関して参照される各サブシステムは、サーバ、又は、プローブ・データを生成及び送信するデバイスを備えても備えなくてもよい車両に関連するサブシステムによって提供されてもよい。各サブシステムは、言及されたステップを実行するための“手段”と呼ばれてもよい。
【0082】
本方法のステップのいずれかを実行するためのサブシステム又は手段は、そのようにするために構成された、例えばプログラムされた1つ以上のプロセッサの集合を含んでもよい。所与のステップは、任意の他のステップと同じ又は異なるプロセッサの集合を使用して実行されてもよい。任意の所与のステップは、プロセッサの集合の組合せを使用して実行されてもよい。システムは例えば、イベントの検索パターン、検出イベントのシーケンス、及び/又はプローブ・データ又はその部分集合を示すデータを記憶するための、コンピュータ・メモリなどのデータ・ストレージ手段をさらに備えてもよい。
【0083】
本発明の方法は、コンピュータで実施される方法である。プローブ・データの生成及び送信(例えば、検出イベント・シーケンス・データを生成するステップ、検索パターン・データを取得するステップ、及び一致が存在するかどうかを判定するために検索パターン・データ及び検出イベント・シーケンス・データを使用するステップ、ならびに存在するならばプローブ・データを生成及び送信するステップ)に関与する本発明の方法は、好ましい実施形態では車両に関連する1つ以上のデバイスによって実施される。このような各デバイスは、ナビゲーション・アプリケーションを実行するように構成されてもよい。よって、実施形態では、本発明のシステムは、記載された様々なステップを実行するための手段又はサブシステムを備える車両に関連する1つ以上のデバイスの集合を備え、本書に記載された方法ステップは、1つ以上のデバイスのこのような集合によって実行される。
【0084】
例えば電子地図データに関する動作を実行するために、本発明の方法に従って生成及び送信されるプローブ・データ・サンプルを、その態様又は実施形態のいずれかにおいて使用することを含む任意のステップは、有利にはサーバ、例えば、地図データ・プロバイダのサーバによって実行される。
【0085】
ナビゲーション可能な要素のネットワーク、及び本書で言及される任意のナビゲーション可能な要素は、現実世界又は物理的なナビゲーション可能なネットワークのナビゲーション可能な要素であることが理解されよう。ネットワークは、電子地図データによって電子的に表される。電子地図データは、本方法がサーバを使用して実施される実施形態では、サーバによって記憶されてもよく、又はサーバによって他の方法でアクセス可能であってもよい。電子地図データでは、ナビゲーション可能なネットワークは、ノードによって接続された複数のセグメントによって表される。電子地図の各セグメントは、ナビゲーション可能なネットワークのナビゲーション可能な要素の少なくとも一部を表す。
【0086】
本書に記載された技術の様々な機能は、任意の所望の適切な方法で実施されうる。例えば、本書に記載された技術の機能は所望により、ハードウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。よって、例えば、別段の指示がない限り、本書に記載された技術の様々な機能要素、段階、及び“手段”又は“サブシステム”は、適切な専用のハードウェア要素(処理回路(circuitry)/回路(circuit))及び/又は所望の方法で動作するようにプログラムされうるプログラマブル・ハードウェア要素(処理回路(circuitry)/回路(circuit))のような、様々な機能などを実行するように動作可能な、適切な1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコントローラ、機能ユニット、回路(circuitry)、回路(circuit)、処理ロジック、マイクロプロセッサ装置などを備えてもよい。
【0087】
また、当業者には理解されるように、本書に記載された技術の様々な機能などは、所与のプロセッサ上で複製され、かつ/又は並列に実行されてもよいことにも留意されたい。同様に、種々の処理段階は、必要に応じて、処理回路(circuitry)/回路(circuit)等を共有してもよい。
【0088】
さらに、本書に記載された技術の処理段階のうちの任意の1つ以上又はすべては、例えば1つ以上の固定機能ユニット(ハードウェア)(処理回路(circuitry)/回路(circuit))の形態で、及び/又は所望の動作を実行するようにプログラムされうるプログラマブル処理回路(circuitry)/回路(circuit)の形態の処理段階回路(circuitry)/回路(circuit)として実施されてもよい。同様に、本書に記載された技術の処理段階及び処理段階回路(circuitry)/回路(circuit)のうちの任意の1つ以上は、別々の回路要素として、他の処理段階又は処理段階回路(circuitry)/回路(circuit)のうちの任意の1つ以上に提供されてもよく、及び/又は処理段階及び処理段階回路(circuitry)/回路(circuit)のうちの任意の1つ以上又はすべては共有処理回路(circuitry)/回路(circuit)から少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0089】
本発明は、任意のタイプのナビゲーション可能な要素を含むナビゲーション可能なネットワークを通る経路に関して実施されてもよい。好ましくは、ナビゲーション可能な要素は、(道路網の)道路要素である。例示的な実施形態は道路網の道路要素に言及するが、本発明は道、河川、運河、自転車道、曳舟道、鉄道線路などの要素を含む、任意の形態のナビゲーション可能な要素に適用可能であることが理解されよう。参照を容易にするために、これらは、一般に、道路網の道路要素と呼ばれる。
【0090】
本発明に従う方法は、本書に記載の態様のいずれかにおいて、ソフトウェア、例えば、コンピュータ・プログラムを少なくとも部分的に使用して実施されてもよい。よって、本書に記載された技術はさらなる実施形態から見ると、データ・プロセッサにインストールされた場合に本書に記載された方法を実行するように特に適合されたコンピュータ・ソフトウェア、プログラム要素がデータ・プロセッサ上で実行される場合に本書に記載された方法を実行するためのコンピュータ・ソフトウェア・コード部分を含むコンピュータ・プログラム要素、及びプログラムがデータ処理システム上で実行される場合に本書に記載された1つ以上の方法のすべてのステップを実行するように適合されたコードを含むコンピュータ・プログラムを提供することが分かる。データ・プロセッサは、マイクロプロセッサ・システム、プログラマブルFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)などであってもよい。
【0091】
本書に記載された技術はまた、ディスプレイ・プロセッサを動作させるために使用される場合に、データ・プロセッサを備えるマイクロプロセッサ・システムが前記データ・プロセッサと共に、前記コントローラ又はシステムに、本書に記載された技術の方法のステップを実行させるようなソフトウェアを備えるコンピュータ・ソフトウェア・キャリアにも及ぶ。このようなコンピュータ・ソフトウェア・キャリアは、ROMチップ、CD ROM、RAM、フラッシュ・メモリ、又はディスクのような物理的記憶媒体であってもよく、あるいは、ワイヤを介した電気信号、光信号、又は衛星などへの無線信号などの信号であってもよい。
【0092】
さらに、本書に記載された技術の方法のすべてのステップがコンピュータ・ソフトウェアによって実行される必要はなく、よって、さらなる広い実施形態から、本書に記載された技術が本書に記載された方法のステップのうちの少なくとも1つを実行するために、コンピュータ・ソフトウェア及びコンピュータ・ソフトウェア・キャリアにインストールされたこのようなソフトウェアを提供することが理解されよう。
【0093】
したがって、本書に記載された技術は、コンピュータ・システムと共に使用するためのコンピュータ・プログラム製品として適切に実施されてもよい。このような実施は、例えばディスケット、CDROM、ROM、RAM、フラッシュ・メモリ、又はハードディスクのような有形の非一時的な中間体上に固定された一連のコンピュータ可読命令を含んでもよい。これはまた、モデム又は他のインタフェース・デバイスを介して、光又はアナログ通信回線を含むがこれらに限定されない有形の中間体を介して、又はマイクロ波、赤外線又は他の送信技術を含むがこれらに限定されない無線技術を無形に使用して、コンピュータ・システムに送信可能な一連のコンピュータ可読命令を備えてもよい。一連のコンピュータ可読命令は、本書で先に記載された機能の全部又は一部を実施する。
【0094】
そのさらなる態様又は実施形態のいずれかによる本発明は、相互に矛盾しない範囲で、本発明の他の態様又は実施形態を参照して記載された特徴のいずれかを含んでもよい。
【0095】
1つのアイテムを他のアイテムと比較することへのいかなる参照も、いずれかのアイテムを他のアイテムと比較することをいかなる方法で含んでもよい。
【0096】
1つ以上のセグメント又は要素に関する“それに関連する”というフレーズは、データ記憶位置に対するいかなる特定の制限も必要とすると解釈されるべきではないことに留意されたい。本フレーズは、特徴が要素に識別可能に関連することのみを必要とする。したがって、関連付けは例えば、潜在的に遠隔サーバに配置されたサイド・ファイルへの参照によって実現されてもよい。
【0097】
明示的に記載されていない場合、その態様のいずれかにおける本発明はそれらが相互に排他的でない限り、本発明の他の態様又は実施形態に関して記載された特徴のいずれか又はすべてを含んでもよいことが理解されよう。具体的に、方法において、及びシステム又は装置によって実行されてもよい動作の様々な実施形態が説明されたが、これらの動作の任意の1つ以上又はすべてが、方法において、及びシステム又は装置によって、所望のように、任意の組合せで、必要に応じて、実行されてもよいことが理解されよう。
【0098】
これらの実施形態の利点は以下に記載され、これらの実施形態のそれぞれのさらなる詳細及び特徴は添付の従属請求項及び以下の詳細な説明の他の箇所で規定される。
【0099】
本発明に従う方法のいずれも、ソフトウェア、例えばコンピュータ・プログラムを少なくとも部分的に使用して実施されてもよい。よって、本発明は、本発明の態様又は実施形態のいずれかに従う方法を実行するために実行可能なコンピュータ可読命令を備えるコンピュータ・プログラムにも及ぶ。
【0100】
明示的に述べられていない場合に、本発明が、その態様のいずれかにおいて、本発明の他の態様又は実施形態に関して記載された特徴のいずれか又はすべてを、それらが相互に排他的でない範囲で含んでもよいことが理解されよう。特に、方法において、システム又は装置によって実行されてもよい動作の様々な実施形態が説明されてきたが、これらの動作のうちの任意の1つ以上又はすべてが、方法において、システム又は装置によって、任意の組合せで、所望に応じて、及び必要に応じて実行されてもよいことが理解されよう。
これらの実施形態の利点は以下に説明され、これらの実施形態のそれぞれのさらなる詳細及び特徴は、添付の従属請求項及び以下の詳細な説明の他の箇所において規定される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
ここで、添付の図面を参照して、単なる例として本発明の実施形態が説明される。
【
図1】ナビゲーション・デバイスによって使用可能な全地球測位システム(GPS)の例示的な部分の概略説明である。
【
図2】ナビゲーション・デバイスとサーバとの間の通信のための通信システムの概略図である。
【
図3】
図2のナビゲーション・デバイス又は任意の他の適切なナビゲーション・デバイスの電子構成要素の概略説明である。
【
図4】ナビゲーション・デバイスの取り付け及び/又はドッキングの装置の概略図である。
【
図5】
図3のナビゲーション・デバイスによって採用されるアーキテクチャ・スタックの概略表現である;
【
図6】ナビゲーション・デバイスがとりうる様々な形状を示す。
【
図7】車両に関連してもよい様々なデバイスを示す。
【
図8】別の例示的ナビゲーション・システムを示す。
【
図9】本発明の実施形態を実施する際に使用されてもよい1つのシステム500の例を示す。
【
図10】本発明による方法の1つの実施形態を示すフローチャートである。
【
図11】本発明による方法を実施する際に使用されてもよいシステム600を示す概略図である;
【
図12】本発明の方法を実施するために使用されてもよい、
図11のものと同様の別のシステム700の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0102】
ここで、
図1~
図5を参照して、本発明を実施するために使用されてもよいシステムが記載される。ここで、ポータブル・ナビゲーション・デバイス(PND)を特に参照して実施形態が記載される。しかし、本発明の教示はPNDに限定されず、代わりに、経路計画及びナビゲーション機能を提供するために携帯可能な方法でナビゲーション・ソフトウェアを実行するように構成される任意のタイプの処理デバイスを含むが、これに限定されない、サーバにプローブ・データ・サンプルを送信できるデバイスに汎用的に適用可能であることを覚えておくべきである。いくつかの例示的なこのようなデバイスが、
図6及び7を参照して以下に記載される。したがって、本出願の文脈で、ナビゲーション・デバイスは、当該デバイスがPNDとして実施されるかどうかにかかわらず、任意のタイプの経路計画及びナビゲーション・デバイスを(限定なしに)含むことが意図され、自動車のような車両に一体化されたデバイス、又は実際には経路計画及びナビゲーション・ソフトウェアを実行するポータブル・コンピューティング・リソース、例えばポータブル・パーソナル・コンピュータ(PC)、モバイル電話、又はパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)を含むことになる。本発明はまた、ナビゲーション・ソフトウェアを実行するように必ずしも構成されていなくてもよいが、プローブ・データ・サンプルを送信し、本書に記載される他の機能を実施するように構成される、プローブ・データ・サンプルを送信してもよいデバイスにも適用可能である。
【0103】
さらに、本発明の実施形態は、道路セグメントを参照して記載される。本発明は、道、河川、運河、自転車道、曳舟道、鉄道線路、又は同様のもののセグメントのような他のナビゲーション可能なセグメントにも適用可能であってもよいことを理解されたい。参照を容易にするために、これらは一般に道路セグメントと呼ばれる。
【0104】
経路計画が実行される場合、これは、ある地点から別の地点へナビゲーションする方法に関する命令をユーザが求めておらず、単に所与の位置のビューを提供されることを望む状況においても起こりうることが、以下から明らかになるだろう。このような状況で、ユーザによって選択された“目的地”位置は、ユーザがナビゲーションを開始したい対応する開始位置を有する必要はなく、その結果、本書で“目的地”位置又は実際には“目的地”ビューへの参照は、経路の生成が必須であること、“目的地”への移動が生じなければならないこと、又は実際に目的地の存在が対応する開始位置の指定を必要とすることを意味すると解釈されるべきではない。
【0105】
上記の条件を念頭に置いて、
図1の全地球測位システム(GPS)等は、様々な目的に使用される。一般に、GPSは、無制限の数のユーザについての連続的な位置、速度、時刻、及びいくつかの例では方向情報を決定できる衛星無線ベースのナビゲーション・システムである。NAVSTARとして従来知られているGPSは、地球を極めて正確な軌道で周回する複数の衛星を組み込んでいる。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は、GPSデータとして、それらの位置を任意の数の受信ユニットに中継できる。しかし、GLOSNASS、欧州ガリレオ測位システム、COMPASS測位システム又はIRNSS(インド地域航法衛星システム)のような全地球測位システムが使用されうることが理解されるだろう。
【0106】
GPSシステムは、GPSデータを受信するために特別に装備されたデバイスがGPS衛星信号のための無線周波数の走査を開始する場合に実施される。GPS衛星から無線信号を受信すると、デバイスは、複数の異なる従来の方法の1つを介して、当該衛星の正確な位置を決定する。デバイスは、ほとんどの例で、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで(通常ではないが、他の三角測量技術を用いて2つの信号のみで位置が決定されうることに留意されたい)、信号を求めて走査を続ける。幾何学的三角測量を実施して、受信機は衛星に対する自身の2次元位置を決定するために3つの既知の位置を利用する。これは既知の方法で行われうる。加えて、第4の衛星信号を取得することにより、受信デバイスは、既知の方法で、同じ幾何学的演算によって、自身の3次元位置を算出できる。位置及び速度データは、無制限の数のユーザによって連続的にリアルタイムで更新されうる。
【0107】
図1に示されるように、GPSシステム100は、地球104の周りを周回する複数の衛星102を備える。GPS受信機106は、スペクトル拡散GPS衛星データ信号108としてGPSデータを複数の衛星102のうちの複数から受信する。スペクトラム拡散データ信号108は各衛星102から連続的に送信され、送信されるスペクトラム拡散データ信号108はそれぞれ、データ・ストリームの起点となる特定の衛星102を識別する情報を含むデータ・ストリームを含む。GPS受信機106は一般に、2次元位置を算出できるようにするために、少なくとも3つの衛星102からのスペクトル拡散データ信号108を必要とする。第4のスペクトル拡散データ信号の受信は、GPS受信機106が既知の技術を使用して、3次元位置を算出することを可能にする。
【0108】
図2を参照して、GPS受信機デバイス106を含むか又はそれに結合されたナビゲーション・デバイス200(例えば、PND)は、必要に応じて、デジタル接続、例えば既知のBluetooth(登録商標)技術を介したデジタル接続を確立するために、モバイル・デバイス(図示せず)、例えば、モバイル電話、PDA、及び/又はモバイル電話技術を有する任意のデバイスを介して、“モバイル”又は電気通信ネットワークのネットワーク・ハードウェアとデータ・セッションを確立してもよい。その後、そのネットワーク・サービス・プロバイダを通じて、モバイル・デバイスはサーバ150とのネットワーク接続を(例えば、インターネットを通じて)確立できる。このように、“モバイル”ネットワーク接続は、(単体で及び/又は車両内で移動するためモバイルでありうるか、しばしばモバイルである)ナビゲーション・デバイス200と、情報のための“リアルタイム”又は少なくとも非常に“最新の”ゲートウェイを提供するためのサーバ150との間で確立されうる。
【0109】
例えば、インターネットを使用して、(サービス・プロバイダを介した)モバイル・デバイスとサーバ150のような別のデバイスとの間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われうる。この点において、任意の数の適切なデータ通信プロトコル、例えば、TCP/IP層化プロトコルが採用されうる。さらに、モバイル・デバイスは、CDMA2000、GSM(登録商標)、IEEE802.11a/b/c/g/nなどのような任意の数の通信標準を利用できる。
【0110】
したがって、例えばナビゲーション・デバイス200内のモバイル電話又はモバイル電話技術を介して、データ接続を介して実現可能されうるインターネット接続が利用されてもよいことが分かる。
【0111】
図示されていないが、ナビゲーション・デバイス200は、当然ながら、(例えば、アンテナを含むか、又はオプションとして、ナビゲーション・デバイス200の内部アンテナを使用する)ナビゲーション・デバイス200自体の中に自身のモバイル電話技術を含んでもよい。ナビゲーション・デバイス200内のモバイル電話技術は内部構成要素を含むことができ、及び/又は、例えば、必要なモバイル電話技術及び/又はアンテナを備えた挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール(SIM)カード)を含んでもよい。このように、ナビゲーション・デバイス200内のモバイル電話技術は同様に、例えば任意のモバイル・デバイスと同様の方法で、インターネットを介して、ナビゲーション・デバイス200とサーバ150との間のネットワーク接続を確立してもよい。
【0112】
電話設定について、Bluetooth対応ナビゲーション・デバイスは、モバイル電話モデル、製造業者などの絶えず変化するスペクトルで正しく動作するように使用されてもよく、モデル/製造業者固有の設定は、例えばナビゲーション・デバイス200に記憶されてもよい。この情報について記憶されたデータは更新されうる。
【0113】
図2において、ナビゲーション・デバイス200は、複数の異なる装置のいずれかによって実施されうる汎用通信チャネル152を介してサーバ150と通信するものとして図示される。通信チャネル152は、総括的に、ナビゲーション・デバイス200とサーバ150とを接続する伝搬媒体又は経路を表す。サーバ150とナビゲーション・デバイス200とは、通信チャネル152を介した接続がサーバ150とナビゲーション・デバイス200との間に確立された場合に通信できる(このような接続がモバイル装置を介したデータ接続、インターネットを介したパーソナル・コンピュータを介した直接接続などでありうることに留意されたい)。
【0114】
通信チャネル152は、特定の通信技術に限定されない。さらに、通信チャネル152は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル152は、様々な技術を使用するいくつかの通信リンクを含んでもよい。例えば、通信チャネル152は、電気通信、光通信、及び/又は電磁通信などのための経路を提供するように適合されうる。このようなものとして、通信チャネル152は、電気回路、有線及び同軸ケーブルのような導電体、光ファイバ・ケーブル、コンバータ、無線周波数(RF)波、大気、自由空間などのうちの1つ又はそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。さらに、通信チャネル152は例えば、ルータ、リピータ、バッファ、送信機、及び受信機などの中間デバイスを含みうる。
【0115】
1つの例示的な構成で、通信チャネル152は、電話及びコンピュータ・ネットワークを含む。さらに、通信チャネル152は、ワイヤレス通信、例えば、赤外線通信、マイクロ波周波数通信のような無線周波数通信などを収容することが可能であってもよい。さらに、通信チャネル152は、衛星通信に対応できる。
【0116】
通信チャネル152を通じて送信される通信信号は、所与の通信技術に必要又は所望されてもよい信号を含むが、これらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル移動体通信システム(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS)などのセルラー通信技術において使用されるように適合されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の両方が、通信チャネル152を介して送信されてもよい。これらの信号は、通信技術にとって望ましくてもよいように変調され、暗号化され、及び/又は圧縮された信号であってもよい。
【0117】
サーバ150は図示されていなくてもよい他の構成要素に加えて、メモリ156に動作可能に接続され、さらに、有線又は無線接続158を介して大容量データストレージ・デバイス160に動作可能に接続されたプロセッサ154を含む。大容量ストレージ・デバイス160はナビゲーション・データ及び地図情報の記憶装置を含み、やはり、サーバ150とは別個のデバイスであってもよいし、サーバ150に組み込まれてもよい。プロセッサ154は、通信チャネル152を介してナビゲーション・デバイス200へ情報を送信する又はこれからの情報を受信するために、送信機162及び受信機164に動作可能にさらに接続される。送受信される信号は、データ、通信、及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機162及び受信機164は、ナビゲーション・システム200の通信設計に使用される通信要件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。さらに、送信機162及び受信機164の機能は、単一の送受信機に組み合わされてもよいことに留意されたい。
【0118】
上述のように、ナビゲーション・デバイス200は、通信チャネル152を介して信号及び/又はデータを送受信するために送信機166及び受信機168を使用して、通信チャネル152を介してサーバ150と通信するように構成され得、これらのデバイスはサーバ150以外のデバイスと通信するためにさらに使用されてもよいことに留意されたい。さらに、送信機166及び受信機168はナビゲーション・デバイス200のための通信設計において使用される通信要件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機166及び受信機168の機能は
図2に関連して上述したように単一の送受信機に組み合わされてもよい。当然ながら、ナビゲーション・デバイス200は、本書でさらに詳細に後述する他のハードウェア及び/又は機能部分を備える。
【0119】
サーバ・メモリ156に記憶されたソフトウェアはプロセッサ154に命令を提供し、サーバ150がナビゲーション・デバイス200にサービスを提供することを可能にする。サーバ150によって提供される1つのサービスは、ナビゲーション・デバイス200からの要求を処理することと、大容量データ・ストレージ160からのナビゲーション・データをナビゲーション・デバイス200に送信することとを含む。サーバ150によって提供されうる別のサービスは、所望のアプリケーションのための様々なアルゴリズムを使用してナビゲーション・データを処理することと、これらの演算の結果をナビゲーション・デバイス200に送ることとを含む。
【0120】
サーバ150は、無線チャネルを介してナビゲーション・デバイス200によってアクセス可能なデータの遠隔ソースを構成する。サーバ150は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、バーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)等に位置するネットワーク・サーバを含んでもよい。
【0121】
サーバ150はデスクトップ又はラップトップ・コンピュータのようなパーソナル・コンピュータを含んでもよく、通信チャネル152はパーソナル・コンピュータとナビゲーション・デバイス200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、サーバ150とナビゲーション・デバイス200との間にインターネット接続を確立するために、ナビゲーション・デバイス200とサーバ150との間にパーソナル・コンピュータが接続されてもよい。
【0122】
ナビゲーション・デバイス200は、自動的に、時々、又はユーザがナビゲーション・デバイス200をサーバ150に接続する際に更新されてもよい情報、及び/又は例えば無線モバイル接続デバイス及びTCP/IP接続を介してサーバ150とナビゲーション・デバイス200との間でより一定の又は頻繁な接続が行われる際に、より動的であってもよい情報を、情報ダウンロードを介してサーバ150から提供されてもよい。多くの動的演算について、サーバ150内のプロセッサ154は処理ニーズの大部分を処理するために使用してもよいが、ナビゲーション・デバイス200のプロセッサ(
図2には示されていない)はサーバ150への接続とはしばしば無関係に、より多くの処理及び演算を処理することもできる。
【0123】
図3を参照して、ナビゲーション・デバイス200のブロック図は、ナビゲーション・デバイスのすべての構成要素を含むものではなく、多くの例示的な構成要素を表すに過ぎないことに留意されたい。ナビゲーション・デバイス200は、ハウジング(図示せず)内に配置される。ナビゲーション・デバイス200は例えば、上述のプロセッサ202を含む処理回路を含み、プロセッサ202は入力デバイス204及び表示デバイス、例えば表示画面206に結合される。ここでは入力デバイス204を単数で参照するが、当業者は入力デバイス204がキーボード・デバイス、音声入力デバイス、タッチパネル、及び/又は情報を入力するために利用される任意の他の既知の入力デバイスを含む、任意の数の入力デバイスを表すことを理解されたい。同様に、表示画面206は例えば、液晶ディスプレイ(LCD)のような任意のタイプの表示画面を含みうる。
【0124】
1つの構成では、入力デバイス204、タッチパネル、及び表示画面206の1つの態様は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力250(
図4)を含む統合された入出力デバイスを提供するように統合され、(直接入力、メニュー選択などを介した)情報の入力と、タッチパネル画面を通じた情報の表示との両方を可能にし、その結果、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するために、又は複数の仮想又は“ソフト”ボタンのうちの1つをアクティブ化するために、表示画面206の一部分にタッチするだけでよい。この点において、プロセッサ202は、タッチスクリーンと連動して動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)をサポートする。
【0125】
ナビゲーション・デバイス200において、プロセッサ202は接続210を介して入力デバイス204に動作可能に接続され、入力情報を受信でき、個別の出力接続212を介して、表示画面206及び出力デバイス208のうちの少なくとも1つに動作可能に接続され、それに情報を出力する。ナビゲーション・デバイス200は、出力デバイス208、例えば可聴出力デバイス(例えば、ラウドスピーカ)を含んでもよい。出力デバイス208がナビゲーション・デバイス200のユーザのための可聴情報を生成できるため、入力デバイス204は入力音声コマンドを受信するためのマイクロフォン及びソフトウェアも含みうることを同様に理解されたい。さらに、ナビゲーション・デバイス200は、任意の追加の入力デバイス204及び/又はオーディオ入力/出力デバイスのような任意の追加の出力デバイスを含むこともできる。
【0126】
プロセッサ202は接続216を介してメモリ214に動作的に接続され、さらに、接続220を介して入出力(I/O)ポート218との間で情報を受信/送信するように構成され、I/Oポート218は、ナビゲーション・デバイス200の外部のI/Oデバイス222に接続可能である。外部I/Oデバイス222は、例えばイヤホンのような外部リスニング・デバイスを含んでもよいが、これに限定されない。I/Oデバイス222への接続はさらに、ハンズフリー動作のための、及び/又は例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のための、及び/又は例えばモバイル電話への接続のための音声起動動作のためのカー・ステレオ・ユニットのような任意の他の外部デバイスへの有線又は無線接続であってもよく、モバイル電話接続は例えば、ナビゲーション・デバイス200とインターネット又は任意の他のネットワークとの間のデータ接続を確立するために、及び/又は例えばインターネット又は他の何らかのネットワークを介してサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0127】
ナビゲーション・デバイス200のメモリ214は、(例えば、プログラム・コードを記憶するための)不揮発性メモリの部分と、(例えば、プログラム・コードが実行される際にデータを記憶するための)揮発性メモリの部分とを含む。ナビゲーション・デバイスはまた、リムーバブル・メモリ・カード(一般にカードと呼ばれる)をデバイス200に追加することを可能にするために、接続230を介してプロセッサ202と通信するポート228を備える。記載されている本実施形態では、SD(セキュア・デジタル)カードを追加できるようにポートが構成されている。他の実施形態では、ポートは、他の形式のメモリ(コンパクト・フラッシュ(CF)カード、メモリ¥スティック、xDメモリ・カード、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)(登録商標)フラッシュ・ドライブ、MMC(マルチメディア)カード、スマート・メディア・カード、マイクロドライブなど)を接続可能にしてもよい。
【0128】
図3は、接続226を介したプロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の動作可能な接続をさらに説明し、アンテナ/受信機224は例えばGPSアンテナ/受信機でありえ、よって
図1のGPS受信機106として機能する。参照符号224によって示されるアンテナ及び受信機は説明のために概略的に組み合わされているが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチ・アンテナ又はヘリカル・アンテナであってもよいことを理解されたい。
【0129】
当然ながら、
図3に示される電子部品は、従来の方法で1つ以上の電源(図示せず)によって給電されることが当業者には理解されるのであろう。このような電源は、内部バッテリ及び/又は低電圧DC電源又は任意の他の適切な構成のための入力を含んでもよい。当業者によって理解されるように、
図3に示される構成要素の異なる構成が企図される。例えば、
図3に示される構成要素は、有線及び/又は無線接続等を介して互いに通信してもよい。よって、本書に記載されるナビゲーション・デバイス200は、ポータブル又はハンドヘルド・ナビゲーション・デバイス200でありうる。
【0130】
さらに、
図3のポータブル又はハンドヘルド・ナビゲーション・デバイス200は例えば、自転車、オートバイ、自動車、又はボートのような車両に、既知の方法で接続又は“ドッキング”されうる。その後、このようなナビゲーション・デバイス200は、ポータブル又はハンドヘルド・ナビゲーション用途のために、ドッキングされた位置から取り外し可能である。実際、他の実施形態では、デバイス200は、ユーザのナビゲーションを可能にするためにハンドヘルドであるように構成されてもよい。
【0131】
図4を参照して、ナビゲーション・デバイス200は、一体化された入力及び表示デバイス206と、
図2の他の構成要素(内部GPS受信機224、プロセッサ202、電源(図示せず)、メモリ・システム214などを含むが、これらに限定されない)とを含むユニットであってもよい。
【0132】
ナビゲーション・デバイス200はアーム252上に座してもよく、アーム252はそれ自体が吸引カップ254を用いて車両のダッシュボード、ウィンドウ等に固定されてもよい。このアーム252は、ナビゲーション・デバイス200がドッキングされうるドッキング・ステーションの一例である。ナビゲーション・デバイス200は例えば、ナビゲーション・デバイス200をアーム252にスナップ接続することによって、ドッキング・ステーションのアーム252にドッキングされるか、又は他の方法で接続されうる。その後、ナビゲーション・デバイス200は、アーム252上で回動可能であってもよい。ナビゲーション・デバイス200とドッキング・ステーションとの接続を解除するために、例えばナビゲーション・デバイス200のボタン(図示せず)が押下されてもよい。ナビゲーション・デバイス200をドッキング・ステーションに結合及び分離するための他の同様に適切な構成は、当業者には周知である。
【0133】
当然ながら、ナビゲーション・デバイスは、説明されるようなPND型デバイスによって提供される必要はない。以下に説明されるように、広範囲の一般的なコンピューティング・デバイスは、ナビゲーション・クライアントを実行する場合に、ナビゲーション・デバイス200を参照して記載される機能を提供してもよく、同じ方法でサーバと通信してもよい。
【0134】
図5を参照して、プロセッサ202とメモリ214は、ナビゲーション・デバイス200の機能ハードウェア構成要素280とデバイスによって実行されるソフトウェアとの間のインタフェースとして機能するBIOS(基本入出力システム)282をサポートするように協調する。そして、プロセッサ202はメモリ214からオペレーティング・システム284をロードし、これは、(記載された経路計画及びナビゲーション機能の一部又は全部を実施する)アプリケーション・ソフトウェア286が実行可能な環境を提供する。アプリケーション・ソフトウェア286は、ビゲーション・デバイスのコア機能、例えば地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及びそれに関連する他の任意の機能をサポートするグラフィカル・ユーザ・インタフェースを含む動作環境を提供する。この点において、アプリケーション・ソフトウェア286の一部は、ビュー生成モジュール288を含む。
【0135】
記載されている実施形態において、ナビゲーション・デバイスのプロセッサ202は、アンテナ224によって受信されたGPSデータを受信し、本書に記載される方法に従ってトリガされた場合に、ナビゲーション・デバイスの位置の記録を構築するために、そのGPSデータを、GPSデータが受信されたときのタイム・スタンプとともにメモリ214内に記憶するようにプログラムされる。このように記憶された各データ記録はGPSフィックスと考えられてもよく、すなわち、ナビゲーション・デバイスの位置のフィックスであり、緯度、経度、及びタイム・スタンプを含む。このようなデータは、本書ではプローブ・データ・サンプルと呼ばれる。
【0136】
さらに、プロセッサ202は、各プローブ・データ・サンプル(すなわち、GPSデータ及びタイム・スタンプ)をサーバ150にアップロードするように構成される。ナビゲーション・デバイス200は、自身をサーバ150に接続する永続的、又は少なくとも一般的に存在する通信チャネル152を有してもよい。
【0137】
記載されている実施形態において、プローブ・データ・サンプルは、1つ以上のトレースを提供し、各トレースは適用可能な期間内の、例えば所与の経路を横断している間の当該ナビゲーション・デバイス200の移動を表す。サーバ150は、受信されたプローブ・データ・サンプルを受信し、これらを処理のために大容量データ・ストレージ160内にデバイスの所在の記録として記憶するように構成される。よって、時間が経過するにつれて、大容量データ・ストレージ160は、プローブ・データ・サンプルをアップロードしたナビゲーション・デバイス200の所在の複数のレコードを蓄積する。サーバは、例えば、デバイス識別子値又はデータが関連する期間のような共通要素を、トレースを構成するプローブ・データ・サンプルのそれぞれではなく、トレース全体に関連付けることによって、トレースを形成するプローブ・データ・サンプルを再構築してもよい。共通要素をトレース・レベルに移動させた後、トレース内の個々のプローブ・データ・サンプルは、トレースが関係する期間内の位置値及び時間オフセット(例えば、期間の開始からの時間又はシーケンス番号)を少なくとも含んでもよい。
【0138】
上述のように、大容量データ・ストレージ160は地図データも含む。このような地図データは、道路セグメントの位置、関心点、及び地図上で一般に見られる他のこのような情報に関する情報を提供する。
【0139】
上述のように、本書で使用される“ナビゲーション・デバイス”という用語は、適切なナビゲーション・クライアントを実行する任意の形態のデバイスを包含するものと理解されるべきであり、
図4に説明されるような特定用途のPNDタイプのデバイスの使用に限定されるものではない。ナビゲーション・クライアントは、コンピュータ・デバイス上で実行されるソフトウェア・アプリケーションである。ナビゲーション・デバイスは、広範囲のコンピューティング・デバイスを使用して実施されてもよい。いくつかの例示的なこのようなデバイスが
図7に示される。
【0140】
図6のデバイスはすべて、ユーザが所望の目的地にナビゲーションすることを支援するためのナビゲーション画面を含む。これらは、単一目的コンピューティング・デバイス(左上)であるパーソナル・ナビゲーション・デバイス(PND)、モバイル電話の形態の汎用コンピューティング・デバイス(右上)、ラップトップ(左下)、及び車載統合コンピューティング・デバイス(右下)を含む。当然ながら、これらは、ナビゲーション・クライアントを実行するために使用されてもよい広範囲の一般的なコンピューティング・デバイスのいくつかの例にすぎない。例えば、タブレット又は時計のようなウェアラブル・デバイスが使用されてもよい。
【0141】
車両は、
図7に示すように、運転者を支援する複数のコンピューティング・デバイス及び複数のディスプレイを有してもよい。
図7は、ハンドル300、ハンドル後方の第1表示エリア320、フロント・ウィンドウに投影されるヘッドアップ・ディスプレイ330、センター・ディスプレイ340、及び複数のコントロール(ボタン、タッチスクリーン)350を有する自動車の内部を示す。さらに、自動車は、自動車コンピュータ環境へのモバイル端末の採用をサポートしてもよい。
【0142】
別の例示的なナビゲーション・システム400の機能図が
図8に示される。システムは、
図6及び
図7を参照して例示されるような任意の適切なコンピューティング・デバイス上で実行されるソフトウェア・アプリケーションによって提供されてもよいナビゲーション・クライアント402を含む。システム400はまた、地図サーバ404と、交通情報サーバ406と、車載制御システム408とを含む。これらの構成要素は、以下により詳細に記載される。ナビゲーション・システムが、地図サーバ404及び交通情報サーバ406と通信する複数のナビゲーション・クライアント402を含むことが理解されよう。
【0143】
ナビゲーション・クライアント402
ナビゲーション・クライアントは、コンピューティング・デバイス上で実行されるナビゲーション・アプリケーションによって提供される。ナビゲーション・クライアント402は、ほとんどのコンピューティング・デバイスに共通として、ユーザ入力・出力デバイス410、412を提供する。ナビゲーション・クライアントはまた、地図データを取得し、クライアントを提供するナビゲーション・アプリケーションが実行されるコンピューティング・デバイスの不揮発性メモリに地図データを記憶する地図データ・コントローラ414を提供する。ナビゲーション・アプリケーションが実行されるナビゲーション・デバイスはまた、処理ユニット、メモリ、ディスプレイ、長期ストレージ(フラッシュ・メモリ)、ネットワーキング・インタフェースのような従来のコンピューティング・デバイス構成要素に加えて、位置センサ416を含む。このようなより従来的な構成要素は、ナビゲーション機能をサポートすることにより関連する構成要素を示す
図8には示されていない。
【0144】
ナビゲーション・クライアント400は、地理的エリアの電子地図を使用して動作する。地図情報はデバイス上にローカルに(例えば、不揮発性のソリッド・ステート・メモリ内に)記憶されてもよく、又はナビゲーション・サーバから読み出されてもよい。ナビゲーション・クライアントは、コンピューティング・デバイスのディスプレイ上に関心のある地理的エリアの地図ビューを生成するために電子地図を使用する。通常、地理的エリアは、ナビゲーション・クライアントソフトウェア・アプリケーションを実行するコンピューティング・デバイスの現在の場所を中心とする。
【0145】
現在位置は、衛星測位(GPS、GNSS、…)、WiFi(登録商標)(無線三角測量)、モバイル電話追跡、BlueToothビーコン、画像解析(その例は本出願人の国際特許出願第PCT/EP2016/068593号、国際特許出願第PCT/EP2016/068594号、国際特許出願第PCT/EP2016/068595号、及び国際特許出願第PCT/IB2016/001198号に記載されており、これらの全内容は参照によって本書に組み込まれる)、地図マッチング、デッド・レコニング、及び他の位置検知技術などの広範囲の位置検知技術のいずれかを使用してもよい位置センサ416を使用して決定される。位置検知誤差の存在において、地図マッチングは、地図上の道路セグメントに最良にマッチするように測定位置を調整するために使用されてもよい。
【0146】
ナビゲーション・クライアント402は、ユーザが現在位置から目的地位置までナビゲーションすることを支援してもよい。目的地は、目的地選択モジュール418を使用して入力されうる。ナビゲーション・クライアントの経路決定モジュール420は、選択された目的地への経路を算出する。経路決定モジュール420はまた、推定移動時間又は推定到着時刻を決定するために、電子地図に加えて現在の交通情報を取得する。現在の交通情報は、電子地図の地理的エリアにおける道路網上の現在の状況を記載する。これは、現在の平均速度、現在の交通密度、現在の道路閉鎖などを含む。経路決定モジュール420は、好ましい経路だけでなく、エンド・ユーザが好ましい経路を選択することを可能にする代替経路を提示してもよい。
【0147】
ナビゲーション・クライアントの案内モジュール422は、エンド・ユーザを選択された目的地に案内するために、選択された優先経路を使用する。これは、地図と目的地までの経路の一部とを示す表示を使用してもよい。案内は、ディスプレイ上の追加のグラフィカル・インジケーションの形態をとってもよい。また、ほとんどのナビゲーション・クライアントは、進路変更指示による音声案内をサポートする。
【0148】
アクティブなナビゲーション・クライアントは位置プローブを生成し、交通情報を計算及び更新するためにこれらのプローブを使用して交通情報サーバにこれらを提供する。ナビゲーション・クライアント402は、これらの機能を実施するために、位置プローブ・ジェネレータ418及びプローブ・インタフェース420を含む。
【0149】
ナビゲーション・クライアント402はまた、地図サーバ404及び交通情報サーバ424と通信するためのHTTPSクライアントを含む。
【0150】
地図サーバ404
地図サーバ404は、電子地図を作成しナビゲーション用の電子地図を使用するための大量の情報を記憶、管理、作成するためのインフラストラクチャである。地図サーバは、クラウド・サーバ・システムによって提供されてもよい。
【0151】
地図サーバ404は、適当な地図製作部432から地図データを受信する地図コンパイラ430を含む。地図制作部432は、地図データ・ソース434から地図ソース・データを受信し、これを電子地図に含めるのに適した形式に変換する。例えば、地図コンパイラ430は、地図データを、電子地図のための個別の層及びタイルにソートしてもよい。地図サーバ404はさらに、地図データ・サービス436及び地図メタデータ・サービス436を含む。地図データ・サービス436と地図メタデータ・サービス436との組合せは、共に“クラウド・サービス”と呼ばれてもよい。HTTPSクライアント424は、地図メタデータ・サービス436から地図メタデータを読み出してもよく、その後、必要に応じて、地図データ・サービス438から地図データを読み出すためにメタデータを使用してもよい。
【0152】
典型的なナビゲーション・サーバは、広範囲の国(約200カ国)について、107~108キロメートルの道路網に関連する地図情報を管理する。地図情報は高品質である必要があるため、サーバ・インフラストラクチャは、1秒あたり平均して約1000回の更新となる更新レートで地図情報への更新を処理する。さらに、地図情報は、ナビゲーション・クライアントのグローバル・インフラストラクチャに配信される必要がある。配信は、配信される地図情報を生成するために、クラウド・コンピューティング・システムに加えて、洗練されたコンテンツ配信ネットワークを必要とする。ナビゲーション・サーバはまた、リアルタイム交通情報を集約、処理、及び配信する。
【0153】
交通情報サーバ406
交通情報サーバ406は、プローブ・データ・ソース442から取得されたデータを用いて交通情報をコンパイルする交通情報コンパイラ440を含む。プローブ・データ・ソース442はプローブ・データ・サービス446からデータを受信し、これは、次に、ナビゲーション・クライアントからプローブ・データを受信するように構成される。交通情報コンパイラ440は交通情報を交通情報サービス444に提供し、このサービスは、交通情報を提供するためにHTTPSクライアント424と通信する。
【0154】
交通情報サーバ406は、道路及び交通情報をナビゲーション・クライアント402に提供する。
【0155】
地図情報は、通常、履歴データに基づく静的交通情報を含む。交通密度、パーキング利用可能性、事故、道路閉鎖、更新された道路標識、及び関心点のようなより動的な交通情報について、交通情報サーバは、ナビゲーション・クライアントから位置プローブ・データを受信する。交通情報コンパイラは、現在の交通情報を生成するために、複数のナビゲーション・クライアントから取得された現在位置プローブ・データを使用する。
【0156】
位置プローブ・データ
通常の動作中、ナビゲーション・クライアント402は、位置プローブ・データを交通情報サーバ406に定期的に送信する。位置プローブ・データは、ナビゲーション・クライアントの最近又は現在の位置に関する情報を含む。位置プローブ・データは、通常トレースと呼ばれるプローブ・データ要素の集合に結合されてもよい。交通情報サーバ406は、現在の交通情報を推定するために、トレース又はプローブ・データを使用する。この情報は、現在の平均速度及び現在の交通密度のような道路セグメントのためのパラメータを含む。交通情報サーバ406は、ナビゲーション・クライアント402にリアルタイムの交通情報を提供し、より良い経路生成を可能にし、目的地までの推定移動時間を改善するために、位置プローブ・データを処理する。
【0157】
位置プローブ(又は“プローブ”)という用語は、ナビゲーション・クライアント、すなわちクライアントを実施するデバイスの位置を示す、少なくとも位置情報を含むデータ・サンプルを指す。典型的に、位置データが経度値及び緯度値(両方とも典型的に約10メートルの精度を有する)を含む。プローブ・データ・サンプルは、時刻値のような他のデータを含んでもよい。時刻値は、位置データに関連する時刻を提供し、位置データが生成された時刻に対応するように、又はプローブ・データ・サンプルの送信時刻に対応するように、測位システムから受信されてもよい。プローブ・データ・サンプルは、(エンド・ユーザ・デバイス及びユーザに一意に関連する)デバイス識別子値を含んでもよい。
【0158】
トレースという用語は、同じデバイス、ユーザ、及び共通期間に関連する位置プローブの集合を表す。トレース・データは例えば、デバイス識別子値又はプローブ・データが関連する期間のような共通要素を、トレースを構成するプローブのそれぞれに関連付けることによって、サーバにおいて再構築されうる。共通要素をトレース・レベルに移動させた後、トレース内の個々のプローブは、期間内の位置値及び時間オフセット(例えば、期間の開始からの時間又はシーケンス番号)を少なくとも含む。
【0159】
図9は、本発明の実施形態を実施する際に使用してもよい1つのシステム500の例を示す。図示されるように、車両510は、車載ネットワーク514を通じて互いに通信可能な相互接続されたデバイス512の集合を含む。デバイス512のいくつかはまた、例えばサーバ518を介して、1つ以上のインターネット・サービスへのアクセスを提供する(セルラー電話ネットワーク、GSM G1~G4、G5、狭帯域IoT、LoRaなどのような)長距離無線ネットワーク516に接続される。
【0160】
図9は、車載ネットワークに取り付けられたいくつかのデバイス512を示す。各デバイス512は、典型的に、プロセッサと、何らかのメモリと、ネットワーク・インタフェースとを含む。デバイス512の少なくともいくつかはまた、1つ以上のセンサ513、例えば、マイクロフォン、カメラ、加速度計、測位センサ、近接センサ、レーダ、レーザ・レンジ・ファインダ、環境光検出器などを備える。デバイス512のいくつかは、それらのセンサ513が固定された向きを有するように、車両に組み込まれてもよい。しかし、デバイス512のいくつかは、ユーザのスマートフォンのようにユーザに属してもよく、よって、それらを確実に使用されうる前に、定位置に搭載される必要があってもよい。
【0161】
車載ネットワーク514に接続された任意のデバイス512は、それらのリソース(例えば、センサ513)をネットワーク514内の他のデバイス512と共有するように構成されてもよい。例えば、モバイル・デバイスは、車両に組み込まれたデバイスに組み込まれたビデオ・センサにアクセスすることを可能にしてもよい。同様に、組み込みデバイスで実行されているアプリケーションは、モバイル・デバイスの長距離無線ネットワークにアクセスできるようにされてもよい。よって、デバイス512は、リソースを共有することを可能にする“もののインターネット”タイプのインフラストラクチャ内で通信してもよい。
【0162】
センサ、アクチュエータ、コンピューティング・デバイス及び車載ネットワークは、
図8において“408”と称されるタイプの車載制御システムを提供してもよい。
【0163】
デバイス512のうちの少なくとも1つは、
図8に関連して記載された方法でナビゲーション・クライアントを提供するために、ナビゲーション・アプリケーションを実行してもよい。上述のように、ナビゲーション・アプリケーションはユーザが新たな目的地にナビゲーションするのを支援してもよく、又は一般的に使用される目的地(家、職場など)にナビゲーションするための関連情報を単に提供してもよい。どちらのモードでも、ナビゲーション・アプリケーションはローカルに記憶された地図情報を使用し、長距離無線ネットワーク516を使用して地図サーバから地図情報を受信してもよい。
【0164】
地図サーバ516(又は
図8の地図サーバ434)は、広範囲の地図情報を提供する。道路網に関連する地図情報は比較的静的であり、道路工事が完了するのに数ヶ月から数年を要するかもしれないため、地図更新が十分に前もってスケジュールされうることが理解されよう。しかし、交通密度、事故、道路閉鎖、更新された道路標識、関心点などの他の地図情報は、より動的であってもよい。地図コンテンツ・プロバイダは、履歴ナビゲーション・データと最近のナビゲーション・データの差異を検出するために、ナビゲーション・アプリケーションから位置データ・ポイントを観察してもよい。このような差異は、地図情報の変化を示してもよい。このタイプ及びその他のタイプのレポートは、地図更新システムによって処理される。
【0165】
ここで、
図10~
図12を参照して、本発明のいくつかの実施形態が記載される。
【0166】
少なくとも実施形態では、本発明に従う方法は、特に、排他的ではないが、電子地図に関連するPOI情報に関連して、地図更新が必要とされうるかどうかを判定するために地図更新システムによって使用されてもよいデータを提供してもよい。本発明の方法は、このようなデータが自動的に生成され、地図更新サーバに提供されることを可能にする。
【0167】
本発明によれば、プローブ・データ・サンプルに関連する位置の近くの車両内で発生した検出イベントの特定のシーケンスのインジケーションも含むプローブ・データ・サンプルが生成される。検出イベントは、車両に関連する1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のアクチュエータから取得されたデータに基づいて検出されたイベントである。プローブ・データは、特に地図に関連するPOIデータに関連して、地図更新が必要かどうかを判定するために地図サーバが使用できる追加情報を提供する。例えば、地図更新システムは、受信されたプローブ・データに基づいて、地
図POIを自動的に生成、修正又は削除してもよい。
【0168】
本発明の実施形態は、車両に関連するナビゲーション・クライアントを含むシステムに関連して記載される。上述のように、ナビゲーション・クライアントは、車両に関連する任意のナビゲーション・デバイス上で実行される適切なソフトウェア・アプリケーションによって提供されてもよい。例えば、ナビゲーション・アプリケーションは、ソフトウェア・アプリケーション、アプレットなどを使用して実施されてもよい。上記の
図1~
図9を参照することによって説明されるシステムのいずれもが、本発明に従う方法を実施する際の使用に適してもよい。
【0169】
ナビゲーション・アプリケーションは、本発明に従う方法を実施するための追加の機能を実行することを可能にするように修正されてもよい。
【0170】
本発明に従う方法の1つの実施形態が
図10のフローチャートに説明される。記載されるステップは、ナビゲーション・クライアントのナビゲーション・アプリケーションによって実行される。当然ながら、他の構成も可能である。ナビゲーション・クライアントは、1つ以上のサーバを含むシステムの一部を形成する。本書に記載されるステップのいずれか1つ以上は代替的に、サーバを使用して実施されてもよい(ただし、これは車両システム、例えば、センサ/アクチュエータ・データとサーバとの間のデータの追加の送信を伴う)。
【0171】
ステップ1で、車両に関する検出イベントのシーケンスを示すデータ(“検出イベント・シーケンス・データ”)が生成される。センサ・イベントの検出は、車両に関連する1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のアクチュエータから取得されたデータの処理を伴う。
図9に説明されるように、1つ以上のコンピュータ・デバイスを介して複数のセンサ及びアクチュエータが車載ネットワークと通信することになる。ナビゲーション・アプリケーションを実行する、
図9の512のようなコンピュータ・デバイスは、本書に記載される方法に従う使用のために、車載ネットワークからセンサ及び/又はアクチュエータ・データを取得してもよい。
【0172】
センサ・データは、(ボタン押下、車速、タイヤ空気圧、燃料レベル、バッテリ充電状態、エンジン稼働、カメラ画像、LIDARデータ、GPSデータなどを含んでもよい。アクチュエータ・データは、ウィンドウ・ダウン、ブレーキ・オン、エンジン・オン/オフ、電源オン/オフ、ウィンドスクリーン・ワイパー・オン/オフ、ハンドル左/右、加速のような動作を示すデータを含んでもよい。
【0173】
図11は、本発明に従う方法を実施する際に使用されてもよいシステム600を示す概略図である。ここで、検出イベント・シーケンス・データを取得するための1つの例示的な方法に含まれるステップを実施するために使用されるシステムのこれらの部分が記載される。車載センサ及びアクチュエータ613は、センサ及びアクチュエータ・データ622を生成する。センサ及びアクチュエータ・データ処理モジュール604は、センサ・データ及びアクチュエータ・データを処理し、検出イベント624を示すデータを生成する。
【0174】
検出イベント624を示すデータは、イベントのタイプを示すイベント識別子を含む。検出イベント・データは、典型的にはイベントの時刻と、イベントの時刻における車両の位置とも含む。検出イベント・データ624は、検出イベント・シーケンス・モジュール606に収納される。検出イベント・シーケンス・モジュール606は検出イベントのログを保持し、これは、順序付けられたシーケンス内の各イベントに関する検出イベント・データを含む。ログは、データベースを使用して実施され、任意の適切な方法で記憶されてもよい。
【0175】
センサ及びアクチュエータ・データ処理と、検出イベント・シーケンス・ログとは、ナビゲーション・アプリケーションのモジュールによって提供されてもよい。
【0176】
例示的な実施形態で、各検出イベントに、取り得る文字の有限集合から取られた文字の形態のイベント識別子が割り当てられる。例として、複数のイベントは、文字、例えばラテン語アルファベットの大文字及び小文字によって記述されうる。例が以下の表に示される。
【0177】
【0178】
表1は、イベントに関する単一の文字をそれぞれが有するイベント記述のリストを含む。したがって、左コーナリング動作の結果として、センサ・イベント・シーケンスに文字“a”が追加される。
【0179】
結果の検出イベント・シーケンス・ログは、このような文字のシーケンス又は列を含むことが理解されよう。車両に関する特定の動作は、特定の文字(サブ)シーケンスに関連付けられる。例えば、(道路の右側を走行し、道路の右側に駐車することを前提とする)縦列駐車操縦は、センサ・イベント・シーケンス列“JklKAaJlALkaJlmLnDcCN”によって表されてもよい。駐車動作が完了した後、車は道の縁側に駐車される。利用可能な駐車スペースの量及び運転者の能力に依存して、車両を駐車スポットに着かせるための全体的な操縦に関わるより少ない又はより多いイベント(例えば、副操縦)が存在するかもしれないことは明らかである。
【0180】
上記の表1ではラテン文字を使用するが、任意の異体文字集合が使用されうる。文字はまた、N個の数字{0,1,…,N-1}の集合からの(2進数の)数字であってもよい。報告されるイベントのリストは車両タイプ間で異なってもよく、これは、各車両タイプでの使用に利用可能な文字の集合内のサポートされる又は利用可能な文字の範囲に影響しうる。
【0181】
各検出イベントのタイプを識別する文字に加えて、各イベントは、関連するイベント時刻とイベント位置(position)、すなわち位置(location)とを有する。いくつかのユースケースでは、イベントを表す文字に関連付けて時刻及び位置データを記録することが有用である。よって、検出イベントのログ内の各文字は、文字によって記述されたイベントに関する時刻及び位置データを含んでもよい。
【0182】
図10に戻ると、ステップ3において、本方法はイベントの検索パターンを示すデータ(“検索パターン・データ”)を取得し、ステップ5において、取得されたイベントの検索パターンに一致する検出イベントのパターンが、検出イベントのシーケンスの少なくとも一部に存在するかどうかを判定するために、検索パターン・データと、検出イベント・シーケンス・データの少なくとも一部とを使用することを含む。
【0183】
ここで、このようなステップが実施されてもよい1つの方法が記載される。
【0184】
パターン検索
上述したように、検出イベント処理ステップは、検出イベント・シーケンスを生成する。上記の例では、検出イベント・シーケンスは文字の列で表される。
【0185】
本発明の方法は、位置プローブの生成をトリガするために、検出イベント・シーケンス・データのパターン検索を使用する。
【0186】
図11に戻ると、ここで、このようなパターン・マッチング処理を実施するために使用されてもよいシステム600のそれらの部分が記載される。上述のように、検出イベント・シーケンス・モジュール606は、検出イベント624を示すデータを、それらが発生した順序で記憶する。
【0187】
システムはまた、イベント検索パターンをパターン検索エンジン608に提供するように構成されたイベント検索パターン・モジュール606を含む。イベント検索パターン・モジュール606は以下に記載されるように、地図サーバからイベント検索パターンを受信してもよく、又はパターン・マッチング処理の意図された目的に応じて、任意の適切な方法でイベント検索パターンを生成又は取得してもよい。例えば、検索パターン・データ、例えば検索列はナビゲーション・クライアント・ソフトウェアに統合されてもよく、よって、検索パターンは、配信されインストールされるナビゲーション・アプリケーションの組み込みデータである。その後、検索パターン・データを取得するステップは、デバイス・ストレージ・サブシステムからデータを読み出すことを含んでもよい。他の実施形態では、検索パターン・データは地図サーバで生成され、ナビゲーション・クライアント・データの一部としてナビゲーション・アプリケーション(ナビゲーション・クライアント)を実行するデバイスに配信されてもよい。例えば、検索パターン・データは、起動中又はナビゲーション・クライアントの設定中に、デバイスによって受信されてもよい(ここで、ユーザは本願に記載されているように、イベント・プローブの共有を可能にする)。上記の様々な組み合わせが可能である。一般に、検索パターン・データを取得するステップは、データベースからデータを読み出すこと又はデータを生成することを含んでもよく、デバイスのみ、又はデバイス及びサーバを含んでもよい。パターン検索エンジン608はまた、検出イベント・シーケンス・モジュール606から検出イベント・シーケンス・データ626を受信するように構成される。パターン検索エンジン608は、イベント検索パターンとの一致を求めて、検出イベント・シーケンス・データ626の少なくとも一部を検索する。最初に、検出イベントの全シーケンスが検索される。しかし、本方法が複数回実行される場合に、初期一致が発見された後に新たな検出イベント・データがログに記録されると、パターン検索エンジン608は、以前の一致が発見されてから検出イベント・シーケンス・ログに追加された検出イベント・データのみを検索するように構成されてもよい。これは、一致が発見された場合に、パターン検索エンジンが、オフセットを設定し、このオフセットから新たなパターンの検索を続けることによって実現されてもよい。このオフセットは最初に、マッチング処理の開始時にシーケンスの先頭に設定される。
【0188】
パターン検索エンジン608は、このような一致データが発見された場合に、一致イベント検索パターン・データ628を、例えば後述する位置プローブ・エンジン610に出力するように構成される。
【0189】
パターン検索エンジン608は、取得されたイベント検索パターンとの一致を求めて、定期的に、又は新たな検出イベントが追加されるときはいつでも、又は任意の他の所望の方法で、検出イベント・シーケンス・データを走査するように構成されてもよい。
【0190】
イベント検索パターン・モジュール606はまた、出力のためのイベント検索パターンを示す検索パターン識別子644を、例えば後述する位置プローブ・ジェネレータ610に提供するように構成されてもよい。検索パターン識別子644は例えば、イベント検索パターンの圧縮又はハッシングを通じて、イベント検索パターン上の任意の適切な動作を通じて取得されたイベント検索パターンの、より空間効率のよい表現であってもよい。イベント検索パターン識別子644は、検索パターンの短縮名と等価であってもよい。検索パターン識別子644が位置プローブ・ジェネレータ・モジュール610に提供されるならば、これは、検索パターン識別子が検索データに含まれることを可能にし、プローブの生成を引き起こした検索パターンを交通情報サーバが識別することを可能にする。プローブ・メッセージ内のデータ量を制限し続けることが望ましいため、省略形式の検索パターン、例えばプローブ・データ内の列を使用することが有用であり、これは依然として検索パターンが識別されることを可能にする。検索パターンの個数が制限されてもよい。当然ながら、イベント検索パターンの性質に依存して、パターン識別子ではなく、イベント検索パターン自体を示すデータが、プローブ・データ・サンプルに含めるために位置プローブ・ジェネレータ・モジュールに提供されてもよく、又は検索パターン識別子及び検索パターンの両方が提供されてもよい。
【0191】
イベント検索パターン642は、検出イベント・シーケンス・データ内の一致イベント検索パターン628を発見するようにパターン検索エンジン602を構成するために使用される。
【0192】
パターン検索エンジン608及びイベント検索パターン・モジュール606は、通常のナビゲーション・アプリケーション機能の拡張を提供するために使用されてもよいプラグ可能ソフトウェア・アプリケーション(例えば、アプレット、スクリプト、コード)として提供されてもよい。
【0193】
検出イベント・シーケンス・データ内の特定のイベント検索パターンの検索を実施するための任意の適切な検索技術が使用されてもよい。このような技術は、正規表現、非決定性有限オートマトン、決定性有限オートマトン、再帰的下降パーサ、トリグラム検索、ファジィ検索などを含む。よって、本書の実施形態では、テキスト検索技術が使用されるように検出イベント・シーケンス・データがテキストの形態であると説明されているが、代替の実施形態ではシーケンス・データが画像の形態であってもよく、画像検索が使用される。
【0194】
ここで、文字の列の形態で、上記で例示したタイプの検出イベント・シーケンス・データに作用してもよい適切なパターン検索プロセスの一例が記載される。
【0195】
ここで、検出イベント・シーケンス・データは、集合{‘a’,…,‘m’,‘A’…,‘M’}の文字を含む列である。上述のように、一例では、車両の縦列駐車は、列“JklKAaJlALkaJlmlnDcCN”がイベント・シーケンス・ログに収納されることを結果としてもたらしてもよい。
【0196】
検出イベント・ログ内の縦列駐車操縦を検索する簡単な方法は、検出イベント・シーケンス・ログ内の列“JklKAaJlALkaJlmLnDcCN”の正確な一致を検索することである。この場合、イベント検索パターン628は、列“JklKAaJlALkaJlmlnDcCN”でもある。
【0197】
このような方法は列検索アルゴリズムを使用して実施されてもよく、イベント検索パターン及び検索されるテキストは、検索列及び検出イベント・シーケンス(又は少なくとも、考慮されるべきそれらの部分)とそれぞれ等価である。
【0198】
上述のように、検出イベントは、センサ・データ及びアクチュエータ・データの処理から取得される。各検出イベントに、アルファベット(有限集合)から文字(要素)を表すイベント・タイプが割り当てられてもよい。検出イベントは検出イベント・シーケンス、例えばログに、検出された順序で追加され、その結果、時間順の検出イベント・シーケンスが生じる。本発明は、検出イベント・シーケンス(又は考慮されているその少なくとも一部)を検索するために、イベント検索パターンを使用する。
【0199】
列検索プロセスを記述するために広く使用されている技術の1つは、(文字の)テキストに効果がある正規表現(有理式、検索パターン式)である。正規表現は、一致検索結果を求めて文字の組合せを指定する。よって、イベント検索パターンは、一致検索結果を発見するための正規表現(イベント検索パターン)と、位置プローブ生成で使用するための正規表現識別子(イベント検索パターン識別子)とを含んでもよい。
【0200】
正確なシーケンスは利用可能な駐車スペース、運転者の縦列駐車スキル、及び車両によってサポートされるイベントの範囲に依存するため、いくつかの実施形態では正確な一致を必要とするのではなく、場合によっては他のイベントによって分離されて、繰り返し発生する特定のイベントのシーケンスを検索するイベント検索パターンを使用することが望ましいかもしれない。このようなパターンはまた、正規表現を用いて効果的に表現されうる。
【0201】
このような実施形態で、縦列駐車の例のための正規表現は、検索エンジンが典型的には駐車に関連するイベント(例えば、ハンドル“aA”、ブレーキ“lL”、加速/減速“jJ”、ハンドブレーキ・オン/オフ“mM”、ドア・ロック/アンロック“nN”)によってのみ分離された、徐行前進“k”及び徐行後退車両移動“K”のシーケンスを検索する必要があり、“車両オフ”‘D’イベントで終了することを指定してもよい。
【0202】
正規表現マッチングは、列“
aAjJlLnN”からの文字を含むサブパターンのみによって分離さ、文字‘D’(ストライクスルー)で終わる交互の‘k’及び‘K’イベントの一致(太字)で示されてもよい。検出イベントの例示的な列に対するこのパターン・マッチングの結果は、
によって表されてもよい。検出イベントの一致シーケンスは、列“klKAaJlALkaJlmlnD”である。
【0203】
上述のパターン・マッチングを実施するための例示的な正規表現は、以下の通りである。
/k[ajlmnAJLN]*K[ajlmnAJLN]*(k*[ajlmnAJLMN]*K*[ajlmnAJLN]*)*D/
【0204】
上述のような正規表現を作成し、テストし、検証するツールが知られていることが理解されよう。例えば、https://regexr.com/のような様々なウェブサイトは、これを行うためのプラットホームを提供する。(PCRE構文を使用する)この例のイベント検索パターンを提供する正規表現は、最初の徐行前進イベント文字‘k’及び徐行後退イベント文字‘K’と、これら2つの文字のそれぞれに続く許可された車両イベントの集合(集合“ajlmnAJLN”)とを検索する(一致する)第1部分を含む。小括弧内の第2部分は、終了する車両オフ・イベント文字“D”が発見されるまで、ゼロ以上の徐行前進又は後退移動(やはり、オプションの許可された他のイベントのシーケンス)を検索する。この正規表現検索は、正確な列マッチングと比較して、検出イベント・シーケンス・データ内のより広い範囲のパターンに一致する。
【0205】
この例では、検出イベント626の検索されたシーケンスは列“JklKAaJlALkaJlmLnDcCN”であり、イベント検索パターン642は“/k[ajlmnAJLN]*K[ajlmnAJLN]*(k*[ajlmnAJLMN]*K*[ajlmnAJLN]*)*D/”であり、パターン検索エンジン608は一致イベント検索パターン628“klKAaJlALkaJlmLnD”を生成する。
【0206】
この例の検索パターン識別子644は、イベント検索パターン・メッセージで提供される識別子であってもよく、イベント検索パターン(文字列)、又は圧縮又はハッシュ関数をイベント検索パターンに適用した結果であってもよい。
【0207】
上記の例は、イベント検索パターンが(起こり得る)路上駐車操縦のインジケーションを提供することを示す。同じ位置に(同じ又は他の車両による)いくつかの他のこのような操縦が存在するならば、これは、その位置に路上パーキングが存在することのインジケーションを提供するととらえられてもよい。
【0208】
検出イベント・シーケンス・データの検索は、他のタイプの関心点及びそれらの位置のインジケーションを提供するために適用されてもよい。以下の表は、複数のこのようなPOIと、POIの各タイプに対するPOIを示す検出イベント・タイプの簡単な記述を列挙する。適用可能な場合に、例えば個人駐車施設の入口又は出口位置が決定されてもよいことが分かっている。
【0209】
【0210】
テーブルの例は、検出イベント・ログ・データが、特定のタイプのPOIに通常関連する特定のパターンについてどのように検索されてもよいかを示す。
【0211】
位置プローブ生成
前節で記載されたパターン検索は、車両を運転する場合に関連する関心点の存在のインジケーションを提供する。このようなデータは、POIが現在の地図データによって正しく反映されているかどうかを判定し、更新が必要かどうかを判定するために使用するために、地図サーバに有利に提供される。これにより、正確な地図データが利用可能になり、地図サーバを介してPOIデータを複数のユーザと共有できるようになる。
【0212】
地図サーバがこのような機能を実行することを可能にするために、一致パターン及びそれに関連する位置(すなわち、車両位置)を示す位置プローブ・データ・サンプルを生成するために位置プローブ・ジェネレータが使用される。
【0213】
図10に戻ると、イベント検索パターンと、考慮された検出イベント・シーケンス・データとの間に一致が発見された場合、検出イベント・シーケンス・データからの検出イベントの一致パターンとそれに関連する位置とを示すデータを含むプローブ・データ・サンプルが生成され、プローブ・データ・サンプルが地図サーバに送信される‐ステップ7。
【0214】
ここで
図11に戻ると、システムは、位置プローブ・ジェネレータ610と、車両内のナビゲーション・クライアントと地図サーバ614との間の通信インタフェースとを含む。位置プローブ・ジェネレータ610は、パターン検索エンジン608から、検出イベント・シーケンス内で発見された検出イベント628の一致パターンを示すデータを受信する。これは、要求されたイベント検索パターンが検出イベント・シーケンス・ログ606内で発見されたことを示す。プローブ・エンジン610はまた、イベント検索パターン・モジュール612から検索パターン識別子644を受信する。
【0215】
これは、検索パターン識別子644と、検出イベント628の一致パターンに関連する車両の位置とを含む位置プローブ・メッセージ650(すなわち、プローブ・データ・サンプル)を生成するように位置検索プローブ・エンジン610をトリガする。位置は一致時の車両の位置であってもよく、よって、ナビゲーション・クライアントのGPS又は同様の位置センサから取得されてもよく、又は一致イベント検索パターン628の一部を形成する検出イベントのうちの1つ、すなわち、それに関連する位置から取得されてもよく、又は(例えば、検出イベントが追加された時刻の車両の位置に基づいて)検出イベント・シーケンス・ストレージ・ログ606から取得されてもよい。一致検出イベントのうちの異なるものが異なる時刻に関連付けられるか、又は異なる時刻にログに記録された場合、プローブ・データ・サンプルに含めるための最も関連する位置を決定することが必要であってもよい。
【0216】
いくつかの実施形態では、位置プローブ・ジェネレータ610は、位置プローブ・メッセージ、すなわち、検出イベント628の一致パターンに関連する時刻値をさらに含むプローブ・データ・サンプルを生成してもよい。これは、一致が発見された時刻、又は一致イベント検索パターンのイベントのうちの1つについて記録された時刻、又は検出イベント・シーケンス・ログにイベントが追加された時刻などであってもよい。
【0217】
いくつかの実施形態では、位置プローブ・ジェネレータ610は、生成された位置プローブ・メッセージに、検出イベント628の一致パターンを含めてもよい。
【0218】
位置プローブ・ジェネレータはまた、検出イベントの一致パターンによって示されるPOIのタイプに依存する追加の情報を提供してもよい。例えば、それは、車両が使用している燃料のタイプに基づいて、燃料ステーションPOIのための燃料タイプを含んでもよい。同様に、EV充電ポイントPOIについて、位置プローブ・ジェネレータは、電圧、検出された充電率、車両に関連する充電プラグ・タイプを記述するパラメータを含んでもよい。
【0219】
センサ及びアクチュエータ・データ処理モジュール604、検出イベント・シーケンス・モジュール606、パターン検索エンジン608、及び位置プローブ・ジェネレータ610はすべて、ナビゲーション・クライアントのモジュールによって提供されてもよいことが理解されよう。ナビゲーション・クライアントは、複数の他の同様のナビゲーション・クライアントと共に、長距離無線ネットワークを介して地図サーバ614と通信する。
【0220】
各ナビゲーション・クライアントは、地図サーバ614と情報を交換するために通信インタフェースを使用してもよい。位置プローブ・ジェネレータ612は、位置プローブ・メッセージ650を生成し、通信インタフェースを介してそれを地図サーバ614に送信する。ナビゲーション・アプリケーションのイベント検索パターン・モジュール612は、地図サーバ614からイベント検索情報650を受信する。この検索情報は、イベント検索パターン642及び検索パターン識別子644を含んでもよい。
【0221】
検出イベント・データは、検出イベント・シーケンス・モジュール606でログに継続的に追加されてもよい。パターン検索エンジン608は、検出イベント・シーケンスを定期的に(又はイベントが追加された際に)走査してもよい。一致パターンが発見された場合、パターン検索エンジンは、新たなパターンの検索を続けるためのオフセットを設定してもよい。センサ・イベント・シーケンスへのこのオフセットは最初に、ナビゲーション・クライアント・アプリケーションの開始時にシーケンスの先頭に設定される。
【0222】
上記のステップは、(地図サーバから受信されてもよい)イベント検索パターン・モジュール612によって提供される他のイベント検索パターンに関連して繰り返されてもよいことが理解されよう。このような各パターンは、表2のリスト中のPOIのような異なるタイプのPOIに関連付けられてもよい。検出イベント・シーケンス・データは、検出イベント・シーケンス・データが上述のように拡張されるときに繰り返される検索を可能にするために、一致が発見された場合の各タイプのイベント検索パターンに関して適切なオフセットが設定される、異なる各タイプのイベント検索パターンに関連して検索されてもよい。複数の検索パターンの処理は、順次又は並行して行われてもよい。
【0223】
検出イベントのシーケンスにおいて発見された一致パターンを示す何らかのデータがプローブ・データ・サンプルにおいて提供される場合、これが検索パターン識別子を含む必要はない。一致パターンを示すデータは一致パターンであってもよく、又はいくつかの場合に検出イベント・シーケンス・データ内の一致パターンと同一であってもよいイベント検索パターンであってもよいと考えられる。好ましくは、一致パターン及び検索パターン識別子を示すデータはプローブ・データ・サンプルに含まれる。
【0224】
パターン検索エンジンは、正規表現エンジンのような任意の検索エンジンでありうる。
【0225】
図12は、本発明の方法を実施するために使用されてもよい、
図11のものと同様の別のシステム700の概略図である。このシステムは、車両に関連するコンピューティング・デバイス702にデータを提供してもよい様々なセンサ及びアクチュエータ702を説明する。車載ネットワークにわたるこれらのコンピューティング・デバイスから、本書に記載される方法に従って動作するナビゲーション・クライアントのセンサ及びアクチュエータ・データ処理モジュールにデータが提供されてもよい。ナビゲーション・クライアントは、702で示されるものと同じ又は他の、車両のコンピューティング・デバイス上で実行されてもよい。システムの他の構成要素は、
図11に関連して記載されたものと同様である。
図12のシステムでは、イベント検索パターン・モジュールは、位置プローブ・ジェネレータと通信するものとして示されていない。これは、検索パターン識別子がパターン検索エンジンを介して位置プローブ・ジェネレータに提供されてもよい代替オプションを示す。
【0226】
本発明は、ある位置における特定のタイプのPOIのインジケーションを提供する新たな位置プローブを可能にする。これらの新たな位置プローブの処理は、正確で現在のPOI情報の生成を可能にする。
【0227】
図10に戻ると、ステップ9において、地図サーバは、生成されたプローブ・データ・サンプルを受信し、電子地図に関連するPOIデータを更新する際にプローブ・データ・サンプルを使用する。例えば、プローブ・データ・サンプルによって示されるPOIのタイプ及び位置は、既存の電子地図データと比較されてもよい。POIが既存の地図データに存在しないならば、又はその位置若しくはタイプが正確に反映されていないならば、地図データが修正されてもよい。よって、本方法は、POIを電子地図に追加又は修正することを含んでもよい。本発明に従って生成されたプローブ・データ・サンプルは、地図を更新するかどうかを判定するための他の補強データ、例えば同じ又は他のナビゲーション・アプリケーションから異なる時刻に取得された対応するプローブ・データ・サンプル、又は他のソースからのデータと共に使用されてもよい。
【0228】
POIデータを更新する文脈で本発明が記載されてきたが、生成されたプローブ・データ・サンプルは電子地図データに関連して他の方法を実行する際に使用されてもよい。
【0229】
本発明に従う方法を実行する際にナビゲーション・クライアントに関連して記載されたステップのすべてが、このようなナビゲーション・クライアントによって実行される必要はなく、ステップの一部又はすべてが、ナビゲーション・クライアントによってサーバに提供された情報に基づいてサーバによって実行されてもよいことを理解されたい。例えば、センサ・イベント・シーケンス・モジュール、パターン検索エンジン、及びイベント検索パターン・モジュールのうちのいずれか1つ以上は、記載された地図サーバであってもなくてもよいサーバを使用して実施されてもよい。
【0230】
POIは関心点を指す。関心点は、特定の施設、例えば、洗車、充電ポイント、燃料補給ステーション、駐車施設、路側パーキング、車両修理施設、又は物体、例えば、速度違反取締カメラのような、関心のある属性に関連する位置を示すために、電子地図データに関連付けられる。関心のある属性は施設や建物のような物理オブジェクトであってもよいが、ビューポイントのような属性であってもよい。POIは、一般的に関心のあるものであってもよいし、特定のユーザにとって関心のあるものであってもよい。
【0231】
本書に記載された方法は、地図情報更新を自動的に実行することを可能にするのに有用であることが分かるのであろう。現在の実務では、収集されたデータが自動的に解決されない場合を解決するために、かなりの量の人間の関与が依然として必要とされている。他の場合には、変化する地図情報(道路、ジャンクション、POI)を正確に反映するには、ローカル地図情報を収集する時間が長すぎる。地図情報は年間10%の割合で変化するため、プローブ・データからPOI情報をコンパイルすることは、情報を最新かつ正確に保つための重要な技術である。
【0232】
当業者は、本書で説明されるような方法を実行するために提供される装置がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのうちの2つ以上の任意の組合せを備えてもよいことを理解するだろう。
【0233】
当業者は、GPSデータという用語がGPS全地球測位システムから導出された測位データを指すために使用されてきたことを理解するのであろう本書に記載された方法と同様の方法で他の測位データが処理されてもよい。よって、GPSデータという用語は、測位データというフレーズと置き換え可能であってもよい。
【0234】
この明細書に開示される特徴のすべて、及び/又はそのように開示される任意の方法又はプロセスのステップのすべては、このような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。
【0235】
この明細書に開示される各特徴は別段の明示的な記載がない限り、同じ、均等の、又は同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えられてもよい。よって、特に明記しない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の均等又は同様の機能の一例に過ぎない。
【0236】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、この明細書に開示された特徴の任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。特許請求の範囲は、前述の実施形態のみをカバーように解釈されるべきではなく、特許請求の範囲内に入る任意の実施形態もカバーするように解釈されるべきである。