(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】シャント、閉塞器、開窓のためのメディカルデバイスならびに関連するシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/86 20130101AFI20240809BHJP
A61F 2/95 20130101ALI20240809BHJP
A61B 17/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
A61F2/86
A61F2/95
A61B17/00 500
(21)【出願番号】P 2022543744
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 US2021013421
(87)【国際公開番号】W WO2021146412
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-08-18
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エス.コール
(72)【発明者】
【氏名】トム アール.マクダニエル
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イー.ショー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン エー.スミス
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー ベイス
(72)【発明者】
【氏名】フィル ハースタッド
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ ジェガー
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表平07-502918(JP,A)
【文献】特表2005-528181(JP,A)
【文献】特表2001-519694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/04
A61F 2/82 - 2/97
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の解剖学的構造に適合するように構成された第一のフレーム構成要素、
患者の解剖学的構造に適合するように構成された第二のフレーム構成要素を含み、ここで、
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム
構成要素、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは内側頂点及び外側頂点を含み、
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含み、前記第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、そして1つ以上のアイレットは、前記内側頂
点のいずれかの側に配置されている、インプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項2】
前記内側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に配置されたアイレットのうちの1つを含み、前記外側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に配置されたアイレットのうちの1つを含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは外側及び内側を含み、そして前記内側頂点で配置された1つ以上のアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に開いており、そして前記外側頂点で配置されたアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている、請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記星形は湾曲した星形である、請求項1記載のデバイス。
【請求項5】
前記アイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている、請求項4記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置されており、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記アイレットと前記外側頂点との間に配置された線形部分を含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項7】
前記アイレットは楕円形である、請求項1~6のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項8】
前記1つ以上のアイレットは前記外側頂点で配置され、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている、請求項1記載のデバイス。
【請求項9】
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記外側頂点と前記内側頂点の間で可変幅又は1つ以上の湾曲を有する長尺要素を有する星形を含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項10】
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは長尺要素を有する星形を含み、前記長尺要素は前記内側頂点の近くで相互接続ストラットによって接続されている、請求項1記載のデバイス。
【請求項11】
心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスを展開するためのデリバリーシステムであって、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第一のフレーム構成要素、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第二のフレーム構成要素を含み、ここで、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム
構成要素、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは内側頂点及び外側頂点を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは外側及び内側を含み、そして1つ以上のアイレットは、前記内側頂
点のいずれかの側に配置されており、前記システムは、
1つ以上の係合要素、及び、
前記係合要素を通して配置され、前記1つ以上のアイレットを通過して、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つを前記デリバリーシステムに結合するように構成された1つ以上の解放ライン、
を含む、デリバリーシステム。
【請求項12】
前記1つ以上の係合要素は、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つをカテーテルに向かって崩潰するように構成されている、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記解放ラインは、前記1つ以上のアイレットから引き、前記フレーム構成要素を前記デリバリーシステムから解放するように構成されている、請求項11~12のいずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
前記内側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に配置されたアイレットのうちの1つを含み、そして前記外側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に配置されたアイレットのうちの1つを含む、請求項11記載のシステム。
【請求項15】
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、前記内側頂点で配置された1つ以上のアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に開いており、前記外側頂点で配置されたアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている、請求項11記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年1月17日に出願された仮出願第62/962,540号の利益を主張し、あらゆる目的のためにその全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
分野
本開示は、一般に、インプラント可能なメディカルデバイス、より具体的には、体液又は構造をシャント及び/又は閉塞するためのインプラント可能なメディカルデバイス、ならびにそれらの関連するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
心不全及び心臓の疾患は、世界中の何百万もの人々に影響を及ぼしている。心不全としては、心臓の左側、心臓の右側又はその両方のいずれかの障害が挙げられる。心不全につながる可能性のある心臓の病気としては、高血圧、肺動脈性高血圧及び心臓の先天性欠陥が挙げられる。心不全の絶えず進化する性質は、治療法にとって重要な課題を表す。したがって、心不全を治療するための新しく適応可能な方法及びデバイスが必要である。
【発明の概要】
【0004】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、インプラント可能なメディカルデバイスは、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第一のフレーム構成要素、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第二のフレーム構成要素、ここで、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素は区別され、互いに分離されており、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは内側頂点及び外側頂点、ならびに、前記外側頂点及び前記内側頂点のうちの少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレットを含む、及び、前記第一のフレーム構成要素と前記第二のフレーム構成要素との間に配置された導管部分、ここで、前記導管部分は、前記第一のフレーム構成要素と前記第二のフレーム構成要素とを接続する膜を含む、を含む。
【0005】
1つの例(「例2」)によれば、例1のデバイスに加えて、前記導管部分の少なくとも一部は、前記導管部分内で前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素によって半径方向に支持されていない。
【0006】
1つの例(「例3」)によれば、例2のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素は、前記導管部分の展開を容易にし、前記導管部分を通る管腔を維持するように構成されている。
【0007】
1つの例(「例4」)によれば、例1~3のいずれか1つのデバイスに加えて、前記導管部分はフレーム構成要素を含まない。
【0008】
1つの例(「例5」)によれば、例1~4のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素は、長尺要素の第一のセットを含み、前記第二のフレーム構成要素は、長尺要素の第二のセットを含み、そして前記長尺要素の第一のセット及び前記長尺要素の第二のセットは互いに隣接していない。
【0009】
1つの例(「例6」)によれば、例5のデバイスに加えて、前記長尺要素の第一のセットは、第一の複数の支持ストラットを含み、前記長尺要素の第二のセットは、第二の複数の支持ストラットを含み、前記第一の複数の支持ストラット及び前記第二の複数の支持ストラットは、前記長尺要素のそれぞれの中に支持構造を形成している。
【0010】
1つの例(「例7」)によれば、例6のデバイスに加えて、前記長尺要素の第一のセットは、複数の第一のローブを形成している。
【0011】
1つの例(「例8」)によれば、例6のデバイスに加えて、前記長尺要素の第一のセットは星形を形成している。
【0012】
1つの例(「例9」)によれば、例1~8のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含む。
【0013】
1つの例(「例10」)によれば、例9のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、そして前記1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置されている。
【0014】
1つの例(「例11」)によれば、例10のデバイスに加えて、前記内側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に配置されたアイレットのうちの1つを含み、そして前記外側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に配置されたアイレットのうちの1つを含む。
【0015】
1つの例(「例12」)によれば、例9のデバイスに加えて、前記内側頂点で配置されたアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に開いており、そして前記外側頂点で配置されたアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている。
【0016】
1つの例(「例13」)によれば、例9のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、湾曲した星形を含む。
【0017】
1つの例(「例14」)によれば、例13のデバイスに加えて、前記アイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている。
【0018】
1つの例(「例15」)によれば、例9のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記アイレットと前記外側頂点との間に配置された線形部分を含む。
【0019】
1つの例(「例16」)によれば、例9のデバイスに加えて、前記アイレットは楕円形である。
【0020】
1つの例(「例17」)によれば、例9のデバイスに加えて、前記アイレットは、前記外側頂点で配置され、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている。
【0021】
1つの例(「例18」)によれば、例1のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、内側頂点及び外側頂点を有し、前記外側頂点と前記内側頂点の間に可変幅又は1つ以上の湾曲を有する長尺要素を有する星形を含む。
【0022】
1つの例(「例19」)によれば、例1のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、内側頂点及び外側頂点を有し、前記内側頂点の近くで相互接続ストラットによって接続された長尺要素を有する星形を含む。
【0023】
1つの例(「例20」)によれば、例1~19のいずれか1つのデバイスを展開するためのデリバリーシステムであって、前記デリバリーシステムは、1つ以上の係合要素、前記係合要素を通して配置され、そして前記1つ以上のアイレットを通過して前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つを前記デリバリーシステムに結合するように構成されている1つ以上の解放ラインを含む。
【0024】
1つの例(「例21」)によれば、例21のシステムに加えて、前記1つ以上の係合要素は、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つをカテーテルに向かって崩潰するように構成されている。
【0025】
1つの例(「例22」)によれば、例20~21のいずれか1つのシステムに加えて、前記解放ラインは、前記1つ以上のアイレットから引き、前記フレーム構成要素を前記デリバリーシステムから解放するように構成されている。
【0026】
別の例(「例23」)によれば、心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するための方法は、インプラント可能なメディカルデバイスを患者の体内の所望の治療位置にデリバリーすること、ここで、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、心臓の中隔にまたがるように構成され、そこを通る流体流を可能にするように構成された導管部分、前記導管部分の第一の側に配置された長尺要素の第一のセットと、前記導管部分の第二の側に配置された長尺要素の第二のセットとを含むフレーム構成要素、ここで、前記長尺要素の第一のセット及び前記長尺要素の第二のセットは互いに隣接していない、を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、内側頂点及び外側頂点、ならびに前記外側頂点及び前記内側頂点のうちの少なくとも1つに配置された1つ以上のアイレットを含む、前記導管部分が心臓の左心房と右心房の間の中隔にまたがるように前記デバイスを位置決めすること、及び、前記導管部分が所望の量を開いて左心房と右心房との間に流体流路を提供するように、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素を展開することを含む。
【0027】
別の例(「例24」)によれば、例23の方法に加えて、この方法はまた、前記導管部分の直径及びそれを通る流体流速を調整するためにデバイスに対する張力を調整することを含む。
【0028】
別の例(「例25」)によれば、インプラント可能なメディカルデバイスは、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第一のフレーム構成要素、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第二のフレーム構成要素を含み、ここで、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは内側頂点及び外側頂点を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、そして1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置されている。
【0029】
別の例(「例26」)によれば、例25のデバイスに加えて、前記内側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に配置されたアイレットのうちの1つを含み、前記外側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に配置されたアイレットのうちの1つを含む。
【0030】
別の例(「例27」)によれば、例25のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは外側及び内側を含み、そして前記内側頂点で配置された1つ以上のアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に開いており、そして前記外側頂点で配置されたアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている。
【0031】
別の例(「例28」)によれば、例25のデバイスに加えて、前記星形は湾曲した星形である。
【0032】
別の例(「例29」)によれば、例28のデバイスに加えて、前記アイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている。
【0033】
別の例(「例30」)によれば、例25のデバイスに加えて、前記1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置されており、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記アイレットと前記外側頂点との間に配置された線形部分を含む。
【0034】
別の例(「例31」)によれば、例25~30のいずれか1つのデバイスに加えて、前記アイレットは楕円形である。
【0035】
別の例(「例32」)によれば、例25のデバイスに加えて、前記1つ以上のアイレットは前記外側頂点で配置され、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている。
【0036】
別の例(「例33」)によれば、例25のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記外側頂点と前記内側頂点の間で可変幅又は1つ以上の湾曲を有する長尺要素を有する星形を含む。
【0037】
別の例(「例34」)によれば、例25のデバイスに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは長尺要素を有する星形を含み、前記長尺要素は前記内側頂点の近くで相互接続ストラットによって接続されている。
【0038】
別の例(「例35」)によれば、心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスを展開するためのデリバリーシステムであって、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第一のフレーム構成要素、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第二のフレーム構成要素を含み、ここで、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは内側頂点及び外側頂点を含む、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは外側及び内側を含み、そして1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置されており、前記システムは、1つ以上の係合要素、及び、前記係合要素を通して配置され、前記1つ以上のアイレットを通過して、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つを前記デリバリーシステムに結合するように構成された1つ以上の解放ラインを含む。
【0039】
別の例(「例36」)によれば、例35のシステムに加えて、前記1つ以上の係合要素は、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つをカテーテルに向かって崩潰するように構成されている。
【0040】
別の例(「例37」)によれば、例35~36のいずれか1つのシステムに加えて、前記解放ラインは、前記1つ以上のアイレットから引き、前記フレーム構成要素を前記デリバリーシステムから解放するように構成されている。
【0041】
別の例(「例38」)によれば、例35のシステムに加えて、前記内側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に配置されたアイレットのうちの1つを含み、そして前記外側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に配置されたアイレットのうちの1つを含む。
【0042】
別の例(「例39」)によれば、例35のシステムに加えて、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、前記内側頂点で配置された1つ以上のアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に開いており、前記外側頂点で配置されたアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている。
【0043】
別の例(「例40」)によれば、心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するための方法は、インプラント可能なメディカルデバイスを患者の体内の所望の治療位置にデリバリーすること、ここで、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、心臓の中隔にまたがるように構成され、そこを通る流体流を可能にするように構成された導管部分、前記導管部分の第一の側に配置された長尺要素の第一のセットと、前記導管部分の第二の側に配置された長尺要素の第二のセットとを含むフレーム構成要素、ここで、前記長尺要素の第一のセット及び前記長尺要素の第二のセットは互いに隣接していない、を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、内側頂点及び外側頂点を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含み、そして、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、そして1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置される、前記導管部分が心臓の左心房と右心房の間の中隔にまたがるようにデバイスを位置決めすること、及び、前記導管部分が所望の量を開いて左心房と右心房との間に流体流路を提供するように、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素を展開することを含む。
【0044】
別の例(「例41」)によれば、例40の方法に加えて、この方法はまた、前記導管部分の直径及びそれを通る流体流速を調整するために前記デバイスに対する張力を調整することを含む。
【0045】
別の例(「例42」)によれば、例40の方法に加えて、前記デバイスの位置決めは、1つ以上のアイレットを前記1つ以上の係合要素と係合させること、及び、前記係合要素を通して、そして1つ以上のアイレットを通過して、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つを前記デリバリーシステムに結合するように構成されている1つ以上の解放ラインを配置することを含む。
【0046】
別の例(「例43」)によれば、例42の方法に加えて、前記1つ以上の係合要素は、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つをカテーテルに向かって崩潰するように構成されている。
【0047】
別の例(「例44」)によれば、例42の方法に加えて、前記解放ラインは、1つ以上のアイレットから引き、前記フレーム構成要素を前記デリバリーシステムから解放するように構成されている。
【0048】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限又は他の方法で狭めるために読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0050】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による、血圧を調節するための例示的なインプラント可能なメディカルデバイスである。
【0051】
【
図2】
図2は、1つの実施形態による、血圧を調節するための例示的なインプラント可能なメディカルデバイスである。
【0052】
【
図3A】
図3Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するための別の例示的なインプラント可能なメディカルデバイスの斜視図である。
【0053】
【
図3B】
図3Bは、1つの実施形態による、
図3Aに示される、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスの側面図である。
【0054】
【
図4】
図4は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素を示す。
【0055】
【
図5】
図5は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる別の例示的なフレーム構成要素を示す。
【0056】
【
図6】
図6は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素を示す。
【0057】
【
図7】
図7は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素を示す。
【0058】
【
図8】
図8は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素を示す。
【0059】
【
図9】
図9は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素を示す。
【0060】
【
図10A】
図10Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素の上面図を示す。
【0061】
【0062】
【
図11】
図11は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素を示す。
【0063】
【
図12】
図12は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素を示す。
【0064】
【
図13A】
図13Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素の上面図を示す。
【0065】
【0066】
【
図14A】
図14Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素の上面図を示す。
【0067】
【0068】
【0069】
【
図15A】
図15Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素の上面図を示す。
【0070】
【0071】
【0072】
【
図16A】
図16Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素のカットパターンを示す。
【0073】
【0074】
【
図17】
図17は、1つの実施形態による、例示的な展開システム及びフレーム構成要素を示す。
【0075】
【
図18】
図18は、1つの実施形態による、例示的な展開システム及びフレーム構成要素の端部を示す。
【0076】
【
図19】
図19は、1つの実施形態による、フレーム構成要素を再捕捉するための例示的な把持器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的な方法で読まれることを意図されていない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0078】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」という用語は、交換可能に、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含む測定値を指すために使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に少量だけ逸脱している。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的誤差、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味すると理解することができる。
【0079】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0080】
本開示の様々な態様は、体液又は構造をシャント及び/又は閉塞するためのデバイスなどのインプラント可能なメディカルデバイスを対象とする。特定の例において、本開示の様々な態様は、圧力解放シャントを作成することによって心腔内の高血圧を低減することによって心不全を治療するための方法及びデバイスに関する。さらに、幾つかの実施形態は、圧力解放シャントの治療効果を高めるために、シャントを通る血流をカスタマイズ、調整又は操作するための方法及びデバイスに関する。
【0081】
図1は、1つの実施形態による、血圧を調節するための例示的なインプラント可能なメディカルデバイスである。インプラント可能なメディカルデバイス100は、患者の心臓H内にインプラント処置されていることが示されている。デバイス100は、患者の左心房と右心房との間に配置されて示されている。特定の例において、デバイス100を使用して、心臓H内、例えば、左心房LAと右心房RAとの間の血流を調節することができる。示されるように、デバイス100は、一般に、中隔の第一の側(例えば、右心房RA内)に配置された第一のフレーム構成要素110、中隔の第二の側(例えば、左心房LA内)に配置された第二のフレーム構成要素120、及び、中隔を通って延在している導管部分130を含む。中隔に開口部を作成するために針を使用することができる。
【0082】
シース140及び拘束及び/又は解放線(図示せず)を使用して、デバイス100の展開を容易にすることができる。例えば、第一のフレーム構成要素110を含むデバイス100の第一の側は、シース140が中隔を通ってRAに進められた後に解放されることができ、第二のフレーム構成要素120を含む第二のフレーム構成要素120は、中隔のLA側で解放されることができる。導管部分130(例えば、
図2に示される)は、開口部内に配置される。フレーム構成要素110、120及び導管部分130は、デバイス100の患者内の所望の治療領域へのデリバリー中にシース140内で圧縮され、続いてデバイス100の展開中に拡張されうる。
【0083】
図2は、1つの実施形態による、血圧を調節するための例示的なインプラント可能なメディカルデバイスである。示されるように、デバイス100は、第一のフレーム構成要素110及び第二のフレーム構成要素120を含む。第一のフレーム構成要素110は、患者の解剖学的構造(すなわち、例えば、中隔の第一の側)に適合するように構成されうる。第二のフレーム構成要素120は、患者の解剖学的構造(すなわち、中隔の第二の側)に適合するように構成されうる。
【0084】
特定の例において、第一のフレーム構成要素110は、長尺要素の第一のセット112を含み、第二のフレーム構成要素120は、長尺要素の第二のセット122を含む。例えば、長尺要素112、122を含むフレーム構成要素110、120は、区別され、互いに分離されていることができる。例えば、第一のフレーム構成要素110は、デバイス100の第一の側100aを形成し、第二のフレーム構成要素120は、デバイス100の第二の側100bを形成する。第二のフレーム構成要素120と区別され、分離されている第一のフレーム構成要素110はデバイスの第二の側100bに入らず、そして、第一のフレーム構成要素110と区別され、分離されている第二のフレーム構成要素120は、デバイスの第一の側100aに入らない。
【0085】
特定の例において、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、互いに隣接していない。第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120が互いに隣接していないことで、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120が互いに区別され、分離されることができる。さらに、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、患者の解剖学的構造の動きに応答して、互いに分離して自由に動くことができる。このようにして、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の一方に対して作用する力は、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の他方の内部に維持される。第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の一方に対して作用する力は、力が作用するフレーム構成要素に対して分離されることができる。
【0086】
示されるように、導管部分130は、第一のフレーム構成要素と第二のフレーム構成要素との間に配置されている。導管部分130の少なくとも一部は、一般に、導管部分130内で第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120によって半径方向又は周方向に支持されていない。
図2に示されるように、導管部分130は、約90度の角度で第一の側100a及び第二の側100bに移行する(他の角度は考えられる)。導管部分130の境界は、導管部分130が第一の側100a及び第二の側100bに移行する場所であると考えることができる。第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、導管部分130に対して横断(横)方向に(laterally)延在している。さらに、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、導管部分130の境界に実質的に入ることなく、導管部分130を支持することができる。特定の例において、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、導管部分130の境界の外側から横断方向に導管部分130を支持する。したがって、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、導管部分130を通る管腔を維持し、導管部分130を横断方向に強制的に開くことにより導管部分130の展開を容易にする。
【0087】
特定の例において、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、導管部分130に張力を与えて、導管部分130をそれを通る管腔で展開及び維持することができる。導管部分130は、導管部分130の完全に展開された直径よりも小さい直径を有する開口部(例えば、中隔を横切る針刺し)を通して、組織表面間の隔壁内に展開されうる。第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の拡張によって与えられる導管部分130における張力は、組織表面間の隔壁を所望のシャントサイズに拡張することもできる。
【0088】
特定の例において、導管部分130はフレーム構成要素を実質的に含まなくてもよい。例えば、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、上記のように互いに隣接しておらず、導管部分130の境界の外側に配置されているためである。導管部分130は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜132を含み、第一のフレーム構成要素110及び第二のフレーム構成要素120を接続することができる。膜132は、一般に、患者の体内に適合する適切な距離で第一のフレーム構成要素110及び第二のフレーム構成要素120を分離する。例えば、膜132は、患者の体内の所望の治療位置に応じて、0~15mmのギャップによって第一のフレーム構成要素110と第二のフレーム構成要素120とを分離することができる。さらに、導管部分は、膜132のみで形成することができる。組織表面間の隔壁内に展開されるように構成された導管部分130は、第一のフレーム構成要素110及び第二のフレーム構成要素120を含まない。導管部分130は、ステント要素からの隆起が流れを中断又は妨害することなく、それを通る血流を容易にする滑らかな内部を含むことができる。したがって、導管部分130は、血栓症の機会を減らすことができる。
【0089】
導管部分130を形成する膜132に加えて、膜132はまた、第一のフレーム構成要素110の少なくとも一部、第二のフレーム構成要素120の少なくとも一部、又は第一のフレーム構成要素110及び第二のフレーム構成要素120の少なくとも一部も覆うことができる。特定の例において、第一のフレーム構成要素110及び/又は第二のフレーム構成要素120の少なくとも一部に配置された膜132は、別個の膜フィルム(例えば、第一のフレーム構成要素110上に配置された第一の膜フィルム、及び、第二のフレーム構成要素120上に配置された第二の膜フィルム)である。これらの例において、1つ以上の膜フィルムは、導管部分130において膜132に結合されうる。膜132は、導管部分130の拡張を可能にし、第一のフレーム構成要素110及び/又は第二のフレーム構成要素120の部分の移動(例えば、長尺要素の第一のセット112及び/又は長尺要素の第二のセット122の移動)を可能にするように弾性であることができる。
【0090】
膜132は、長尺要素の第一のセット112及び/又は長尺要素の第二のセット122との間のギャップにまたがることができる。膜132は、特定の例において、少なくとも、第一のフレーム構成要素110の組織係合側、及び、第二のフレーム構成要素120の組織係合側に配置される。これらの例において、膜132は、第一のフレーム構成要素110及び/又は第二のフレーム構成要素120のフレーム侵食の可能性を低減するように構成されている。膜132及び長尺要素の第一のセット112及び/又は長尺要素の第二のセット122の配置は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。長尺要素の第一のセット112及び/又は長尺要素の第二のセット122は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0091】
特定の例において、長尺要素の第一のセット112のそれぞれは、膜132を介して互いに取り付けられて、第一のフレーム構成要素110を形成することができる。特定の例において、第一のフレーム構成要素110は、示されているように、実質的に平坦又は二次元のディスク状の形状を形成することができる。追加的に又は代替的に、長尺要素の第二のセット122はまた、膜材料132を介して互いに取り付けられて、第二のフレーム構成要素120を形成することができる。第二のフレーム構成要素120はまた、デバイス100が展開構成にあるときに、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120が互いに実質的に平行であるように、実質的に平坦又は二次元のディスク状の形状を形成することができる。
【0092】
特定の例において、膜132は、膜132の少なくとも一部、又は膜132の少なくとも一部にわたって組織内部成長を促進するように構成されうる。特定の例において、膜132は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の少なくとも一部を覆うように組織内部成長を促進するように構成されており、このことは、患者の体内でのデバイス100の適合性及び安定性をさらに促進することができる。導管部分130内の膜132は、組織の内部成長を可能にせず、開存性の増加につながるように構成されうる。特定の例において、膜132は、導管部分130内の閉塞性内部成長なしに内皮化を促進するように構成されている。膜132は、導管部分130内への組織の閉塞性過成長なしに内皮化を促進することができる。
【0093】
特定の例において、デバイス100は、患者の体内の所望の治療位置に薬物をデリバリーすることができることがある。例えば、デバイス100は、組織応答を調節するように構成された薬物を溶出することができることがある。特定の例において、デバイス100は、治療用コーティング、薬物溶出材料又は他の治療用材料又は親水性コーティングでコーティングされうる。1つの特定の例において、デバイス100は、デバイス100の血栓抵抗性及び開存性を促進するためにヘパリンでコーティングされることができる。代替的に又は追加的に、デバイス100は、(組織/細胞応答を調節するために)パクリタキセルを含むことができる。
【0094】
図3Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するための別の例示的なインプラント可能なメディカルデバイス100の斜視図である。示されるように、長尺要素の第一のセット112のそれぞれは、隣接する長尺要素から区別され、分離されうる。言い換えれば、膜132は、長尺要素の第一のセット112のそれぞれを一緒に接続しない。このようにして、長尺要素の第一のセット112のそれぞれは、互いに独立して移動し、隔壁の第一の側のトポグラフィーに個別に適合し、したがって、高度に適合性のある第一のフレーム構成要素110を提供することができる。長尺要素の第二のセット122のそれぞれはまた、隣接する長尺要素から区別され、分離されていることができる。例えば、長尺要素の第二のセット122のそれぞれは、互いに独立して移動し、長尺要素の第一のセット112が隔壁の第一の側に適合するのと非常に同様に、隔壁の第二の側に個別に適合することができる。したがって、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は両方とも非常に適合性があり、患者の解剖学的構造に基づいて互いに独立して適合することができる。
【0095】
特定の例において、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の長尺要素の第一のセット又は第二のセット112、122の一方は、膜132を介して互いに取り付けられ、長尺要素の他方のセットは取り付けられていない(例えば、それらは、隣接する長尺要素から区別され、分離されている)。他の例において、長尺要素の第一のセット又は第二のセット112、122の一部のみが互いに取り付けられることができるが、長尺要素の第一のセット及び第二のセット112、122の他の長尺要素は取り付けられない。したがって、デバイス100は、他の要因の中でもとりわけ、患者内の所望の治療位置、及び欠損のサイズ及び/又は形状に応じて、患者に高度にカスタマイズ可能であることができる。
【0096】
デバイス100は、一般に、デリバリー構成から展開構成へ展開可能又は拡張可能である。幾つかの例において、長尺要素の第一のセット112及び長尺要素の第二のセット122は、デバイスがデリバリー構成にあるときに、互いに入れ子になることができる。これにより、デバイス100をより小さなサイズに圧縮することが可能になり、例えば、デバイス100をより多種多様な治療場所に(例えば、小さい、狭い又は複雑な通路を通って)デリバリーすることができる。
【0097】
図3Bは、1つの実施形態による、
図3Aに示される、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスの側面図である。
図3Bは、展開構成のデバイス100を示している。示されるように、長尺要素の第一のセット112を含む第一のフレーム構成要素110及び長尺要素の第二のセット122を含む第二のフレーム構成要素120は、デバイス100が展開構成にあるときに、導管部分130の長手方向軸Lに対して半径方向外向きに配置されている。例えば、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、それぞれ第一の角度及び第二の角度114、124に配置される。第一の角度及び第二の角度114、124は、デバイスが展開構成にあるときに、長手方向軸Lに対して約90°の角度を形成することができる。これにより、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120を、隔壁の第一の側及び第二の側と平行に隣接して配置することができる。特定の例において、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、長手方向軸Lに対して任意の角度(例えば、長手方向軸Lに対して約0°~90°より大きい)で配置でき、これにより、隔壁の第一の側と第二の側の組織表面と接触することができる。
【0098】
特定の例において、第一の長尺要素及び第二の長尺要素112、122は、デバイス100が展開構成にあるときに、互いに分離するように構成されている。
図3Bに示されるように、長尺要素の第一のセット112のそれぞれは、長尺要素の第一のセット112のそれぞれが隣接する長尺要素から独立して移動できるように、デバイス100が展開構成にあるときに、互いに区別され、分離されている。長尺要素の第二のセット122のそれぞれはまた、長尺要素の第二のセット122のそれぞれが、隣接する長尺要素から独立して移動するように、デバイス100が展開構成にあるときに、互いに区別され、分離されることができる。
【0099】
第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、導管部分130を通る管腔を維持し、導管部分130を横断方向に強制的に開くことによって導管部分130の展開を容易にすることができる。さらに、管腔は、自由であるか、又は、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120がなくてもよい。このように、導管部分130は、追加手順(例えば、左心耳閉塞インプラント処置)のために中隔の再交差を容易にすることができる。さらに、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は異なって構成されうる。例えば、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の一方はフレア状になることができ、一方、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の他方は平坦である。他の例において、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の両方はフレア状であることができる。さらに、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120のうちの1つは凸状であり、一方、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の他方は平坦又は凹状であるか、又は、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の両方が凸状であることができる。さらに、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の一方は凹面であることができ、一方、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の他方は平坦又は凸状であるか、又は、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120の両方が凹面であることができる。さらに、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は異なるサイズであることができる。
【0100】
第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、例えば、患者の体内の他のパラメータの中でもとりわけ、圧力などの様々な血行動態パラメータを継続的にモニタリングするために、それぞれのフレーム構成要素に統合されたセンサを含むことができる。例えば、アンテナ又はインダクタは、第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120のうちの1つの周囲に巻き付けられることができ、センサはインダクタに取り付けられることができる。センサは、例えば、温度、心臓の電気信号、血液化学、血液pHレベル、血行動態、バイオマーカー、音、圧力、及び、心臓病、心不全及び/又は他の心血管疾患状態の診断、モニタリング及び/又は治療に重要であることがある電解質などの生理学的性質を検知するように構成されうる。
【0101】
特定の例において、導管部分130は、デリバリー後にかなり大きくなることができる。膜132は、導管部分130内に適用されて膜132を膨張させるバルーンによって選択的に調整可能であることができる。デバイス100は、患者の解剖学的構造に適合するのに適した任意のサイズであることができる。特定の例において、導管部分の直径は3~12mmである。例えば、導管部分の直径は、患者の解剖学的構造及び/又は所望の治療位置に応じて、4~10mm、又は5~8mmであることができる。第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素110、120は、一般に、例えば、導管部分130の直径よりも大きい直径を有し、その結果、フレーム構成要素は、隔壁内にデバイス100の導管部分130を固定することができる。
【0102】
デバイス100は、患者の解剖学的構造に適合するのに適した任意の形状であることができる。例えば、第一のフレーム部分及び第二のフレーム部分110、120は、デバイス100を患者の体内に固定するための様々な適切な形状のいずれかであることができる。例えば、第一のフレーム部分及び第二のフレーム部分110、120は、実質的に円形、卵形、ダイアモンド形、星形、花形、又は、所望のとおりの任意の他の適切な形状であることができる。特定の例において、例えば、長尺要素の第一のセット及び第二のセット112、122のうちの少なくとも1つは、星形を形成する。特定の例において、長尺要素の第一のセット及び第二のセット112、122の両方は星形を形成する。
【0103】
特定の例において、長尺要素の第一のセット112は、複数の第一のローブ116を形成し、長尺要素の第二のセット122は、複数の第二のローブ126を形成する。複数の第一のローブ及び複数の第二のローブ116、126のそれぞれは、所望に応じて、例えば、3~12ローブ、4~10ローブ又は6~8ローブを含むことができる。特定の例において、複数の第一のローブ116は、複数の第二のローブ126よりも多くのローブを有することができ、他の例において、複数の第一のローブ116は、複数の第二のローブ126と同じ数のローブ又はより少ないローブを有することができる。
【0104】
図4は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素400を示す。フレーム構成要素400は、
図1~3を参照して上記に示され、議論されたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素400は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになって、導管部分130を通る管腔を維持する。フレーム構成要素400は、フレーム構成要素400を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されうる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素400を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0105】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素400の少なくとも組織係合側に配置することができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素400のフレーム侵食の可能性を低減するように構成されている。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0106】
特定の例において、長尺要素112は、
図4に示されるように星形を形成する。星形フレーム構成要素400は、外側頂点402及び内側頂点404を含む。特定の例において、フレーム構成要素400は、外側頂点402及び内側頂点404のうちの少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレット406を含むことができる。フレーム構成要素400はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、1つ以上のアイレット406は、内側頂点404及び/又は外側頂点402のいずれかの側に配置されることができる。特定の例において、内側頂点404のそれぞれは、フレーム400の外側408に配置されたアイレット406の1つを含む。さらに、外側頂点402のそれぞれは、特定の例において、フレーム400の内側410に配置されたアイレット406の1つを含むことができる。他の例において、アイレット406の1つは、フレーム400の内側410に配置されたアイレットなしで、フレーム400の外側408に配置されることができる。さらに他の例において、アイレット406の1つは、フレーム400の外側408に配置されたアイレット406なしで、フレーム400の内側410に配置されることができる。アイレット406は、フレーム構成要素400の展開を容易にするためにデリバリーシステムとインターフェース形成するように構成されることができる。
【0107】
図5は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる別の例示的なフレーム構成要素を示す。フレーム構成要素500は、
図1~3を参照して上記に示され、議論されたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素500は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになり、導管部分130を通る管腔を維持することができる。フレーム構成要素500は、フレーム構成要素500を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されうる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上記で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素500を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0108】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素500の少なくとも組織係合側に配置することができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素500のフレーム侵食の可能性を低減するように構成されている。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合しうる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0109】
特定の例において、長尺要素112は、
図5に示されるように星形を形成する。フレーム構成要素500は外側頂点402及び内側頂点404を含む。特定の例において、フレーム構成要素500は、外側頂点402及び内側頂点404のうちの少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレット406を含むことができる。フレーム構成要素500は外側408及び内側410も含む。特定の例において、1つ以上のアイレット406は、内側頂点404及び/又は外側頂点402のいずれかの側に配置されることができる。示されるように、アイレット406は、外側頂点402のそれぞれの内側に配置されることができる。アイレット406は、フレーム構成要素500の展開を容易にするために、デリバリーシステムとインターフェース形成するように構成されうる。
【0110】
図6は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素600を示す。フレーム構成要素600は、
図1~3を参照して上記に示され、議論されたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素600は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになることができ、導管部分130を通して管腔を維持することができる。フレーム構成要素600は、フレーム構成要素600を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されることができる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素600を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0111】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素600の少なくとも組織係合側に配置されることができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素600のフレーム侵食の可能性を低減するように構成される。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0112】
特定の例において、長尺要素112は、
図6に示されるように星形を形成する。フレーム構成要素600は、外側頂点402及び内側頂点404を含む。特定の例において、フレーム構成要素600は、外側頂点402及び内側頂点404のうちの少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレット406a、406bを含むことができる。フレーム構成要素600はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、1つ以上のアイレット406a、406bは、内側頂点404及び/又は外側頂点402のいずれかの側に配置されうる。特定の例において、アイレット406a、406bは、内側頂点404及び外側頂点402の両方で配置されうる。さらに、内側頂点404で配置されたアイレット406bは、フレーム構成要素600の外側408に開いており、外側頂点402で配置されたアイレット406aは、フレーム構成要素600の内側410に開いている。アイレット406は、フレーム構成要素500の展開を容易にするために、デリバリーシステムとインターフェース形成するように構成されうる。
【0113】
図7は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素を示す。フレーム構成要素700は、
図1~3を参照して上記に示され、論じられたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素700は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになることができ、導管部分130を通して管腔を維持することができる。フレーム構成要素700は、フレーム構成要素700を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されることができる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、星形フレーム構成要素700を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0114】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素700の少なくとも組織係合側に配置されることができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素700のフレーム侵食の可能性を低減するように構成されている。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0115】
特定の例において、長尺要素112は、
図7に示されるように、湾曲した星形を形成する。星形フレーム構成要素700は、頂点402の間に湾曲を有する長尺要素112を含む。フレーム構成要素700は、外側頂点402及び内側頂点404を含む。特定の例において、フレーム構成要素700は、外側頂点402及び内側頂点404の少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレット406を含むことができる。フレーム構成要素400はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、1つ以上のアイレット406は、内側頂点404及び/又は外側頂点402のいずれかの側に配置されうる。特定の例において、アイレット406は、内側頂点404及び外側頂点402の両方で配置されうる。さらに、示されるように、アイレット406は、外側頂点402で配置されることができ、フレーム構成要素700の内側410に開いていることができる。アイレット406は、フレーム構成要素700の展開を容易にするために、デリバリーシステムとインターフェース形成するように構成されうる。
【0116】
図8は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素800を示す。フレーム構成要素800は、
図1~3を参照して上に示され、論じられたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素800は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになることができ、導管部分130を通して管腔を維持することができる。フレーム構成要素800は、フレーム構成要素800を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されうる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素800を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0117】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素800の少なくとも組織係合側に配置することができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素800のフレーム侵食の可能性を低減するように構成される。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0118】
特定の例において、長尺要素112は、
図8に示されるように星形を形成する。フレーム構成要素800は外側頂点402及び内側頂点404を含む。特定の例において、フレーム構成要素800は、外側頂点402及び内側頂点404のうちの少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレット406を含むことができる。フレーム構成要素800はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、1つ以上のアイレット406は、内側頂点404及び/又は外側頂点402のいずれかの側に配置されうる。示されるように、アイレット406は、フレーム構成要素800に対して外側頂点402から外向きに延在している。フレーム構成要素800は、アイレット406と外部頂点402との間に配置された線形部分850を含む。アイレット406は、フレーム構成要素800の展開を容易にするためにデリバリーシステムとインターフェース形成するように構成されうる。
【0119】
図9は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素900を示す。フレーム構成要素900は、
図1~3を参照して上に示され、論じられたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素900は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになることができ、導管部分130を通る管腔を維持することができる。フレーム構成要素900は、フレーム構成要素900を形成する長尺要素112を含むことができる。フレーム構成要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されうる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素900を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0120】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素900の少なくとも組織係合側に配置することができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素900のフレーム侵食の可能性を低減するように構成される。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0121】
特定の例において、長尺要素112は、
図9に示されるように星形を形成する。フレーム構成要素900は、外側頂点402及び内側頂点404を含む。特定の例において、フレーム構成要素900は、外側頂点402及び内側頂点404のうちの少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレット406を含むことができる。フレーム構成要素900はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、1つ以上のアイレット406は、内側頂点404及び/又は外側頂点402のいずれかの側に配置されうる。示されるように、アイレット406は、外側頂点402からフレーム構成要素900に対して外向きに延在している。さらに、アイレット406は楕円形であることができる。アイレット406は、フレーム構成要素900の展開を容易にするために、デリバリーシステムとインターフェース形成するように構成されうる。
【0122】
図10Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素100の上面図を示す。フレーム構成要素1000は、
図1~3を参照して上に示され、論じられたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素1000は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになることができ、導管部分130を通る管腔を維持することができる。フレーム構成要素1000は、フレーム構成要素1000を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されうる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素1000を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0123】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素1000の少なくとも組織係合側に配置することができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素1000のフレーム侵食の可能性を低減するように構成されている。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0124】
特定の例において、長尺要素112は、
図10に示されるように星形を形成する。フレーム構成要素1000は外側頂点402及び内側頂点404を含む。特定の例において、フレーム構成要素1000は、外側頂点402及び内側頂点404のうちの少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレット406を含むことができる。フレーム構成要素1000はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、1つ以上のアイレット406は、内側頂点404及び/又は外側頂点402のいずれかの側に配置されうる。示されるように、アイレット406は外側頂点402で配置され、そしてフレーム構成要素1000の内側410に開いている。
図10Bは、1つの実施形態による、
図10Aに示されるフレーム構成要素1000の側面図を示し、特定の例において、フレーム構成要素1000は可変勾配を含む。長尺要素112は、長尺要素112が外側頂点402から内向きに延在するように、湾曲を含むことができる(例えば、フレーム構成要素1000の高さを増加させる)。
【0125】
図11は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素1100を示す。本明細書で論じられる他のフレーム構成要素と比較して、フレーム構成要素1100は、アイレットを含まない。フレーム構成要素の形状又は他の特徴(例えば、
図2~10及び12~16に示されるとおり)のいずれもまた、アイレットを含まなくてよい。
【0126】
図12は、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素1200を示す。フレーム構成要素1200は、
図1~3を参照して上に示され、論じられたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素1200は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになることができ、導管部分130を通して管腔を維持することができる。フレーム構成要素1200は、フレーム構成要素1200を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されうる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素1200を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0127】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素1200の少なくとも組織係合側に配置することができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素1200のフレーム侵食の可能性を低減するように構成されている。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0128】
特定の例において、長尺要素112は、
図12に示されるように星形を形成する。フレーム構成要素1200は外側頂点402及び内側頂点404を含む。フレーム構成要素1200はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、長尺要素112は、示されているように、外側頂点402及び内側頂点404の間に可変幅又は1つ以上の湾曲を含むことができる。さらに、長尺要素112は、長尺要素112が外側頂点402でフレーム構成要素1200を内側にテーパー化することができるように、外側頂点402の近くに湾曲パターンを有する。この例において、外側頂点420は、アイレットとして構成されうる。
【0129】
図13Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素1300の上面図を示す。フレーム構成要素1300は、
図1~3を参照して上に示され、論じられたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素1300は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになることができ、導管部分130を通る管腔を維持することができる。フレーム構成要素1300は、フレーム構成要素1300を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、例えば、ワイヤ、カットチューブ又はカットシートから形成されうる。特定の例において、長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素1300を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0130】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素1300の少なくとも組織係合側に配置することができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素1300のフレーム侵食の可能性を低減するように構成されている。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0131】
特定の例において、長尺要素112は、
図13に示されるように星形を形成する。フレーム構成要素1300は外側頂点402及び内側頂点404を含む。フレーム構成要素1300はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、長尺要素112は、内側頂点404の近くで相互接続ストラット1360によって接続される。さらに、
図13Bに示されるように、内側頂点404は、フレーム構成要素1300を湾曲させて、フレーム構成要素1300の高さを変更することができる。
【0132】
図14Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素400の上面図を示す。
図14Bは、1つの実施形態による、
図14Aに示されるフレーム構成要素1400の側面図を示す。
図14Cは、1つの実施形態による、
図14A~14Bに示されるフレーム構成要素1400の斜視図を示す。フレーム構成要素1400は、上に示され、論じられた他のフレーム構成要素又はフレーム構成要素の態様の組み合わせであることができる。例えば、フレーム構成要素1400は、フレーム構成要素1300の態様(例えば、内側頂点404の近くの相互接続ストラット1360)及びフレーム構成要素600(例えば、外側頂点402で配置されたアイレット406aはフレーム構成要素600の内側410に開いている)を含むことができる。
【0133】
図15Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素1500の上面図を示す。
図15Bは、1つの実施形態による、
図15Aに示されるフレーム構成要素1500の側面図を示す。
図15Cは、1つの実施形態による、
図15A~15Bに示されるフレーム構成要素1500の斜視図を示す。フレーム構成要素1500は、上に示され、論じられた他のフレーム構成要素又はフレーム構成要素の態様の組み合わせであることができる。例えば、フレーム構成要素1500は、フレーム構成要素1300の態様(例えば、内側頂点404の近くの相互接続ストラット1360)及びフレーム構成要素600(例えば、外側頂点402で配置されたアイレット406aはフレーム構成要素600の内側410に開いている)を含むことができる。
【0134】
図16Aは、1つの実施形態による、血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム構成要素1600のカットパターンを示す。
図16Bは、1つの実施形態による、
図16Aに示されるフレーム構成要素1600の側面図を示す。フレーム構成要素1600は、
図1~3を参照して上に示され、論じられたフレーム構成要素110、120の一方又は両方の代わりに使用されうる。例えば、フレーム構成要素1600は、第一のフレーム構成要素及び/又は第二のフレーム構成要素110、120の代わりになることができ、導管部分130を通る管腔を維持することができる。フレーム構成要素1600は、フレーム構成要素1600を形成する長尺要素112を含むことができる。長尺要素112は、膜(図示せず)を介して互いに取り付けられることができる。さらに、上で詳細に論じたように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜などの膜は、フレーム構成要素1600を接続し、導管部分130を形成することができる。
【0135】
膜は、長尺要素112間のギャップにまたがることができ、特定の例において、フレーム構成要素1600の少なくとも組織係合側に配置することができる。これらの例において、膜は、フレーム構成要素1600のフレーム侵食の可能性を低減するように構成される。長尺要素112は、隔壁を取り巻く組織表面に適合することができる。さらに、長尺要素112は、組織表面に対して平らに置かれることができる。
【0136】
特定の例において、長尺要素112は、
図16Bに示されるように星形を形成する。星形フレーム構成要素1600は外側頂点402及び内側頂点404を含む。特定の例において、フレーム構成要素1600は、外側頂点402及び内側頂点404のうちの少なくとも1つで配置された1つ以上のアイレット406を含むことができる。フレーム構成要素1600はまた、外側408及び内側410を含む。特定の例において、1つ以上のアイレット406は、内側頂点404及び/又は外側頂点402のいずれかの側に配置されうる。特定の例において、内側頂点404のそれぞれは、フレーム1600の外側408に配置されたアイレット406の1つを含む。さらに、外側頂点402のそれぞれは、特定の例において、フレーム1600の内側410に配置されたアイレット406の1つを含むことができる。他の例において、アイレット406の1つは、フレーム1600の内側410に配置されたアイレットなしで、フレーム1600の外側408に配置されうる。さらに他の例において、アイレット406の1つは、フレーム1600の外側408に配置されたアイレット406なしに、フレーム1600の内側410に配置されうる。アイレット406は、フレーム構成要素1600の展開を容易にするためにデリバリーシステムとインターフェース形成するように構成されうる。
【0137】
図17は、1つの実施形態による、例示的な展開システム1700及びフレーム構成要素110を示す。展開システム1700は、フレーム構成要素110と係合するように構成された係合要素1702、1704を含むことができる。上記で詳細に論じたように、フレーム構成要素110はアイレット406を含むことができる。ハイポチューブ又はカットチューブと同様の構造から作られることができる係合要素1702、1704は、フレーム構成要素110のアイレット406のうちの1つ以上と係合するように構成されることができる。
【0138】
特定の例において、デリバリーシステム1700はまた、係合要素1702、1704内に配置されうる解放ライン1706、1708を含むことができる。解放ライン1706、1708は、示されるようにアイレット406を通して配置されうる。特定の例において、解放ライン1706、1708を引き、フレーム構成要素110をデリバリーシステム1700から解放することができる。フレーム構成要素110と係合しているときに、係合要素1702、1704を引き、フレーム構成要素100をカテーテル1710の方向に崩潰することができる。特定の例において、張力は係合要素1702、1704(又は係合要素1702、1704に結合された要素)に加えられて、係合要素1702、1704及びフレーム構成要素110をカテーテル1710に向かって崩潰することができる。特定の例において、デリバリーシステム1700は、係合要素1702、1704及びフレーム構成要素110(及びフレーム構成要素110を含むことができるメディカルデバイス)が中に崩潰することができるデリバリーシース1712を含むことができる。デリバリーシース1712内の係合要素1702、1704の引き込みは、係合要素1702、1704を崩潰することができる。
【0139】
図18は、1つの実施形態による、例示的な展開システム1700及びフレーム構成要素110の端部を示す。係合要素1702及び解放ライン1706は、フレーム構成要素110とともに示されている。解放ライン1706は、アイレット406を通して配置される。上記のように、解放ライン1706は、フレーム構成要素110をデリバリーシステム1700及び係合要素1702から結合解除するように引くことができる。
【0140】
図19は、1つの実施形態による、フレーム構成要素を再捕捉するための例示的な把持器1900、1902を示す。把持器1900、1902は、フレーム構成要素又はメディカルデバイスをつかむか又はそれに結合するために使用されうる。把持器1900、1902は、フレーム構成要素又はメディカルデバイスを再捕捉するために、又はフレーム構成要素又はメディカルデバイスの展開を容易にするために使用されることができる。把持器1900、1902は、フレーム構成要素のアイレットを通して配置されうるフック端部1904、1906を含むことができる。
【0141】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関して上記の両方で記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは、当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内にあるかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
患者の解剖学的構造に適合するように構成された第一のフレーム構成要素、
患者の解剖学的構造に適合するように構成された第二のフレーム構成要素を含み、ここで、
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは内側頂点及び外側頂点を含み、
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含み、前記第一のフレーム構成要素及び第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、そして1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置されている、インプラント可能なメディカルデバイス。
(態様2)
前記内側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に配置されたアイレットのうちの1つを含み、前記外側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に配置されたアイレットのうちの1つを含む、態様1記載のデバイス。
(態様3)
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは外側及び内側を含み、そして前記内側頂点で配置された1つ以上のアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に開いており、そして前記外側頂点で配置されたアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている、態様1記載のデバイス。
(態様4)
前記星形は湾曲した星形である、態様1記載のデバイス。
(態様5)
前記アイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている、態様4記載のデバイス。
(態様6)
前記1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置されており、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記アイレットと前記外側頂点との間に配置された線形部分を含む、態様1記載のデバイス。
(態様7)
前記アイレットは楕円形である、態様1~6のいずれか1項記載のデバイス。
(態様8)
前記1つ以上のアイレットは前記外側頂点で配置され、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている、態様1記載のデバイス。
(態様9)
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記外側頂点と前記内側頂点の間で可変幅又は1つ以上の湾曲を有する長尺要素を有する星形を含む、態様1記載のデバイス。
(態様10)
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは長尺要素を有する星形を含み、前記長尺要素は前記内側頂点の近くで相互接続ストラットによって接続されている、態様1記載のデバイス。
(態様11)
心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスを展開するためのデリバリーシステムであって、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第一のフレーム構成要素、患者の解剖学的構造に適合するように構成された第二のフレーム構成要素を含み、ここで、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム、そして前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは内側頂点及び外側頂点を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは外側及び内側を含み、そして1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置されており、前記システムは、
1つ以上の係合要素、及び、
前記係合要素を通して配置され、前記1つ以上のアイレットを通過して、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つを前記デリバリーシステムに結合するように構成された1つ以上の解放ライン、
を含む、デリバリーシステム。
(態様12)
前記1つ以上の係合要素は、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つをカテーテルに向かって崩潰するように構成されている、態様11記載のシステム。
(態様13)
前記解放ラインは、前記1つ以上のアイレットから引き、前記フレーム構成要素を前記デリバリーシステムから解放するように構成されている、態様11~12のいずれか1項記載のシステム。
(態様14)
前記内側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に配置されたアイレットのうちの1つを含み、そして前記外側頂点のそれぞれは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に配置されたアイレットのうちの1つを含む、態様11記載のシステム。
(態様15)
前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、前記内側頂点で配置された1つ以上のアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの外側に開いており、前記外側頂点で配置されたアイレットは、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つの内側に開いている、態様11記載のシステム。
(態様16)
心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するための方法であって、
インプラント可能なメディカルデバイスを患者の体内の所望の治療位置にデリバリーすること、ここで、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、
心臓の中隔にまたがるように構成され、そこを通る流体流を可能にするように構成された導管部分、
前記導管部分の第一の側に配置された長尺要素の第一のセットと、前記導管部分の第二の側に配置された長尺要素の第二のセットとを含むフレーム構成要素、ここで、前記長尺要素の第一のセット及び前記長尺要素の第二のセットは互いに隣接していない、
を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、内側頂点及び外側頂点を含み、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは前記内側頂点及び前記外側頂点を有する星形を含み、そして、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つは、外側及び内側を含み、そして1つ以上のアイレットは、前記内側頂点及び前記外側頂点のうちの少なくとも1つのいずれかの側に配置される、
前記導管部分が心臓の左心房と右心房の間の中隔にまたがるようにデバイスを位置決めすること、及び、
前記導管部分が所望の量を開いて左心房と右心房との間に流体流路を提供するように、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素を展開すること、
を含む、方法。
(態様17)
前記導管部分の直径及びそれを通る流体流速を調整するために前記デバイスに対する張力を調整することをさらに含む、態様16記載の方法。
(態様18)
前記デバイスの位置決めは、1つ以上のアイレットを前記1つ以上の係合要素と係合させること、及び、前記係合要素を通して、そして1つ以上のアイレットを通過して、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つを前記デリバリーシステムに結合するように構成されている1つ以上の解放ラインを配置することを含む、態様16記載の方法。
(態様19)
前記1つ以上の係合要素は、前記第一のフレーム構成要素及び前記第二のフレーム構成要素のうちの少なくとも1つをカテーテルに向かって崩潰するように構成されている、態様18記載の方法。
(態様20)
前記解放ラインは、1つ以上のアイレットから引き、前記フレーム構成要素を前記デリバリーシステムから解放するように構成されている、態様18記載の方法。