(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】二酸化塩素薫蒸消毒用キットおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
A61L 9/01 20060101AFI20240809BHJP
C01B 11/02 20060101ALI20240809BHJP
A61L 9/02 20060101ALI20240809BHJP
A61L 9/03 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
A61L9/01 F
C01B11/02 F
A61L9/02
A61L9/03
(21)【出願番号】P 2022544175
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(86)【国際出願番号】 KR2021000619
(87)【国際公開番号】W WO2021145732
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0006719
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0171416
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522288016
【氏名又は名称】ジン,ナム-ソプ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ナム-ソプ
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-201721(JP,A)
【文献】特開2015-104688(JP,A)
【文献】特開2018-148983(JP,A)
【文献】国際公開第2016/088387(WO,A1)
【文献】特開2001-218826(JP,A)
【文献】特開2006-290717(JP,A)
【文献】特公平07-045368(JP,B2)
【文献】特開2004-210596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00- 9/22、 2/20
C01B 11/02
A01M 1/00-99/00
B01J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖、水、及び亜塩素酸ナトリウムを含む二酸化塩素
ガス薫蒸消毒用キットであり、
前記糖は、ブドウ糖、砂糖、乳糖、麦芽糖、果糖、及び蜂蜜からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、
前記糖は
、液状糖
、すなわち前記糖及び水の混合により用意される糖希釈液の形態であり、
水と前記糖との間の重量比は、10:1~5であり、
前記キットは、亜塩素酸ナトリウム100重量部に対して、糖を30~70重量部含み、
前記キットは、加熱誘導剤、加熱容器または酸をさらに含む、キット。
【請求項2】
前記キットは、次を含む、キット:
糖及び水を含むA1ユニット;
亜塩素酸ナトリウムを含むA2ユニット;及び
加熱誘導剤を含むBユニット、
前記A1ユニット、A2ユニット及びBユニットはそれぞれ個別に分離包装されたものである、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記酸は、乳酸、酢酸、ギ酸、シトル酸、酒石酸、シュウ酸、アスコルビン酸、尿酸、酪酸、ステアリン酸、及びプロピオン酸からなる群から選ばれる少なくとも一つの有機酸である、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記酸は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、及びフッ化水素酸からなる群から選ばれる少なくとも一つの無機酸である、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記酸は、水に対して0.01~10のモル濃度で含まれている、請求項1に記載のキット。
【請求項6】
次の段階を含む二酸化塩素
ガス薫蒸消毒用キットの使用方法であり:
i)糖希釈液及び亜塩素酸ナトリウムを混合する段階;及び
ii)前記混合物に加熱誘導剤及び水を添加して発熱反応及び二酸化塩素気体を発生させる段階、
前記糖は、ブドウ糖、砂糖、乳糖、麦芽糖、果糖、及び蜂蜜からなる群から選ばれる少なくとも一つであ
り、
前記糖希釈液は、前記糖及び水の混合により用意され、
水と前記糖との間の重量比は、10:1~5であり、
前記キットは、亜塩素酸ナトリウム100重量部に対して、糖を30~70重量部含む
使用方法。
【請求項7】
次の段階を含む二酸化塩素
ガス薫蒸消毒用キットの使用方法であり:
i)糖希釈液及び亜塩素酸ナトリウムを混合する段階;及び
ii)前記混合物を加熱容器に入れて加熱する段階、
前記糖は、ブドウ糖、砂糖、乳糖、麦芽糖、果糖、及び蜂蜜からなる群から選ばれる少なくとも一つであ
り、
前記糖希釈液は、前記糖及び水の混合により用意され、
水と前記糖との間の重量比は、10:1~5であり、
前記キットは、亜塩素酸ナトリウム100重量部に対して、糖を30~70重量部含む
使用方法。
【請求項8】
次の段階を含む二酸化塩素
ガス薫蒸消毒用キットの使用方法であり:
i)糖;酸;及び水を混合して溶解させる段階;及び
ii)前記混合物に亜塩素酸ナトリウムを添加し混合して二酸化塩素気体を発生させる段階、
前記糖は、ブドウ糖、砂糖、乳糖、麦芽糖、果糖、及び蜂蜜からなる群から選ばれる少なくとも一つであ
り、
水と前記糖との間の重量比は、10:1~5であり、
前記キットは、亜塩素酸ナトリウム100重量部に対して、糖を30~70重量部含む
使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2020年1月17日に大韓民国特許庁に提出された大韓民国特許出願第10-2020-0006719号、及び2020年12月9日に大韓民国特許庁に提出された大韓民国特許出願第10-2020-0171416号に対して優先権を主張し、これらの特許出願の開示事項は本明細書に参照によって組み込まれる。
【0002】
本発明は、二酸化塩素薫蒸消毒用キット、その製造方法及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
薫蒸機(薫蒸消毒装置)は、建物の室内消毒などのために用いられている。薫蒸機は、薫蒸有効成分が空気中に揮散されるので、密閉した室内でより高い効果を示し、薫蒸された薬剤が室内の隅々に作用し、人の手が届かない部分の消毒が可能である他、噴霧消毒と違い、室内の機構や設備に消毒溶液の湿気による被害も発生しないという長所がある。
【0004】
このように、薫蒸機は、薫蒸成分を空中に揮散させることによって消毒効果を達成するので、薫蒸機に適用可能な薫蒸成分は、熱によって空中に揮散される必要があるだけでなく、気体状態で揮散時にも消毒活性を示す必要がある。
【0005】
一方、二酸化塩素(Chlorine Dioxide;ClO2)は、水溶液の状態や気体の形態で消毒、脱臭、漂白の作用をする物質であり、伝染病発生空間、患者の入院空間、微生物実験空間、大型医療装備、実験動物飼育空間などの医療関連施設と畜舎、温室、食品貯蔵倉庫、動植物検疫施設などの農畜産関連施設及び各種交通手段の内外部などの消毒及び脱臭に使用できる。
【0006】
具体的に、亜塩素酸ナトリウム(Sodium Chlorite;NaClO2)をゲルの形態などに加工した後、物理化学的反応によって低い濃度の二酸化塩素ガスを発生させる方法を用いて生活空間の周辺や機構を消毒する製品として開発され販売されている。しかしながら、このようなゲル形態の製品を含む既存の製品は、短時間内に高濃度で大量の二酸化塩素を発生させることができなかった。亜塩素酸ナトリウムは反応性が非常に強い物質であって、二酸化塩素生成反応過程で反応物質が燃焼する或いは火炎を発生し爆発する現象を起こすわけである。
【0007】
このため、このような過激な反応を調節し、より安全で便利に高濃度の二酸化塩素を一時的に発生させ得る薫蒸(煙幕)消毒方法の開発が要求されており、製造及び使用法が簡便な改善された形態の薫蒸消毒用キットの開発に対する必要性も提起されている。
【0008】
本明細書全体にわたって多数の論文及び特許文献が参照され、その引用が表示されている。引用された論文及び特許文献の開示内容はその全体として本明細書に参照によって組み込まれ、本発明の属する技術分野のレベル及び本発明の内容がより明確に説明される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、燃焼、爆発無しで短期間内に高濃度の二酸化塩素を発生させる方法を開発しようとした。その結果、一定量の亜塩素酸ナトリウム及び一定濃度の水と希釈した糖溶液を混合した後、別個の発熱剤を用いて反応熱を加えると、燃焼、爆発無しで短期間内に高濃度の二酸化塩素を発生させることができることを究明し、また、発熱剤を添加しなくとも少量の酸及び糖を添加すると、製品の製造及び包装も簡単な構成の二酸化塩素薫蒸消毒用キットを製造できることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の目的は、二酸化塩素薫蒸消毒用キットを提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、二酸化塩素薫蒸消毒用キットの使用方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、二酸化塩素薫蒸消毒用キットの製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的及び利点は、下記の発明の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面によってより明確になる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、本発明は、糖、水、及び亜塩素酸ナトリウムを含む二酸化塩素薫蒸消毒用キットを提供する。
【0015】
本明細書において、用語「薫蒸消毒」は、有効成分が気体状態で空中に揮散して一定の空間又は地域を消毒(殺菌、漂白及び脱臭など)する作用を示す過程を意味する。
【0016】
本発明の一具現例において、前記糖は、糖粉末又は液状糖である。
【0017】
本発明の一具現例において、前記糖及び水は混合して糖希釈液をなす。
【0018】
本発明の一具現例において、前記糖希釈液は、糖分末又は液状糖に水を1:0.1~10の重量比で添加して希釈したものである。
【0019】
本発明の一具現例において、前記糖は、ブドウ糖、砂糖、乳糖、麦芽糖、果糖、オリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖又はゲンチオオリゴ糖など)、デキストリン及び/又は蜂蜜であってよいが、これに制限されるものではない。
【0020】
本発明の一具現例において、前記亜塩素酸ナトリウム及び糖希釈液は、1:0.1~1:10の重量比で含まれる。
【0021】
本発明の一具現例において、前記キットは、加熱誘導剤(又は、加熱剤或いは発熱剤)をさらに含む。
【0022】
本発明の一具現例において、前記加熱誘導剤は、アルミニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、金属ハロゲン化物(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩化マンガン、塩化亜鉛又は塩化第一銅など)、金属硫酸塩(例えば、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄又は硫酸マンガンなど)、酢酸塩(例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸塩又は酢酸ナトリウムなど)及び/又は炭酸塩(例えば、炭酸第一鉄など);鉄粉末、活性炭、水などを含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0023】
本発明の前記加熱誘導剤は、鉄の酸化反応を用いる場合(4Fe+3O2->2Fe2O3+発熱)のような反応によって熱を発生させ、酸化カルシウムの反応を用いる場合(CaO+2H2O->Ca(OH)2+2H2+1.5kcal)のような反応によって熱を発生させることができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
本発明の一具現例において、前記キットは、次を含む構成で製造されてよい:
糖及び水を含むA1ユニット;
亜塩素酸ナトリウムを含むA2ユニット;及び
加熱誘導剤を含むBユニット、
前記A1ユニット、A2ユニット及びBユニットはそれぞれ個別に分離包装される。
【0025】
本発明の一実施例によれば、糖希釈液を製造してこれを亜塩素酸ナトリウムと混合後に、加熱誘導剤及び水を投入して発熱を起こした結果、加熱した混合物が燃焼、爆発無しで反応し、二酸化塩素気体が発生することを確認した(
図1参照)。
【0026】
すなわち、本発明の二酸化塩素薫蒸消毒用キットは、糖希釈液と亜塩素酸ナトリウムとを混合した後、加熱誘導剤を用いて前記混合物に熱を加えて反応させる方法によって二酸化塩素気体を発生させることができる。
【0027】
したがって、本発明の二酸化塩素薫蒸消毒用キットの前記A1ユニット、A2ユニット及びBユニットはそれぞれ個別に分離包装されて含まれてよく、前記A2ユニットは、前記Bユニットよりも前記A1ユニットに先に添加されてよい。
【0028】
本発明によれば、前記A1ユニットは、糖希釈液を含むことができる。
【0029】
前記糖希釈液は、糖粉末又は液状糖に水を1:0.1~10、1:0.1~9、1:0.1~8、1:0.1~7、1:0.1~6、1:0.1~5、1:0.1~4、1:0.1~3、1:1~10、1:2~10、1:3~10、1:3~9、1:3~8、1:3~7、1:3~6、1:3~5、1:3又は1:1の重量比で添加/溶解させて製造したものでよい。
【0030】
具体的に、前記糖希釈液は、糖粉末に水を1:0.1~10の重量比で添加するか、又は液状糖に水を1:0.1~5の重量比で添加/溶解させて製造したものでよい。
【0031】
前記糖希釈液に対して、前記糖粉末(又は、液状糖)に対する水の重量比が前記範囲を上回ると、反応物(糖希釈液及び亜塩素酸ナトリウム)が過激に反応して沸いてあふれたり燃焼する様相を示すことがあり、糖希釈液の粘度が増加して糖希釈液と亜塩素酸ナトリウムとが均質に混合されずに亜塩素酸ナトリウムの部分的な過剰反応現象が起き、反応液が容器外に噴出する現象を示すことがある。また、糖粉末(又は、液状糖)に対する水の重量比が前記範囲を下回ると、反応が遅くなって反応が開始されない現象を示すことができる。
【0032】
また、本発明によれば、前記A2ユニットは、亜塩素酸ナトリウムを含むが、前記亜塩素酸ナトリウム及び糖希釈液は、1:0.1~10、1:0.5~10、1:1~10、1:1~9、1:1~8、1:1~7、1:1~6、1:1~5、1:2~10、1:3~10、1:3~9、1:3~8、1:3~7、1:3~6、1:3~5又は1:4の重量比で含まれたものでよい。
【0033】
前記亜塩素酸ナトリウムに対する糖希釈液の重量比が前記範囲を上回ると、糖希釈液に含まれた水の量が多すぎて反応が開始されない現象を示すことがある。また、亜塩素酸ナトリウムに対する糖希釈液の重量比が前記範囲を下回ると、亜塩素酸ナトリウムの量が多すぎてユニットが混合されない現象を示すことがある。
【0034】
また、本発明によれば、前記Bユニットは加熱誘導剤を含むが、前記加熱誘導剤は、アルミニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、金属ハロゲン化物(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩化マンガン、塩化亜鉛又は塩化第一銅など)、金属硫酸塩(例えば、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄又は硫酸マンガンなど)、酢酸塩(例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸塩又は酢酸ナトリウムなど)及び/又は炭酸塩(例えば、炭酸第一鉄など);鉄粉末、活性炭、水などを含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0035】
前記加熱誘導剤は、不織布、脱脂綿又はガーゼなどの透水性材質で包装して使用されてよい。ただし、キットの使用前には発熱反応が起きないように、前記材質を包む製品の最外側の包装は、加熱誘導剤が真空及び無湿状態で保管され得るように包装されたものである。
【0036】
前記加熱誘導剤を包装しないで粉末状態で前記糖希釈液及び亜塩素酸ナトリウムの混合物に添加して使用する場合に、粉末が散らばって発熱が直ちに起こらない或いは発熱が弱くなる現象を示すことがある。したがって、発熱が前記混合物に集中することから、加熱誘導剤を透水性材質に包装して使用する。特に、圧縮された脱脂綿を用いて包装した場合に、発熱反応に優れていた。
【0037】
一方、前記加熱誘導剤の重量は、前記A1ユニット及びA2ユニットの混合物の体積と反応容器の大きさによる試験によって定められてよく、前記A1ユニット及びA2ユニットの重量に正比例して含まれるものではない。
【0038】
前記A1ユニット及びA2ユニットの反応に必要な初期反応熱はBユニットの発熱によって提供され、前記Aユニットが反応容器中で化学的に反応して二酸化塩素気体を生産し始めると、この反応過程で発生した反応熱によって自動で混合物の反応が持続し得る。
【0039】
本発明の二酸化塩素薫蒸消毒用キットは、上記のような加熱誘導剤を反応初期発熱反応の誘導剤として使用することにより、前記糖希釈液と亜塩素酸ナトリウムとの反応速度を調節し、両物質の反応による高熱、火炎又は爆発を防止することができる。
【0040】
本発明の二酸化塩素薫蒸消毒用キットは、上述した成分の他に、発泡剤、殺虫成分、害虫忌避成分、脱臭成分、香又はこれらの組合せをさらに含むことができる。
【0041】
本発明の二酸化塩素薫蒸消毒用キットは、様々な薫蒸機に適用可能である。前記薫蒸機は、薫蒸成分を空気中に揮散させることによって消毒作用をする装置である。本発明の薫蒸消毒用キットを当業界に公知の様々な薫蒸機に具備させる方法によって薫蒸機を製造することができる。
【0042】
本発明の一具現例において、前記キットは加熱容器をさらに含む。
【0043】
本発明の具体的な具現例において、前記加熱容器は、耐熱性プラスチック、金属、ガラス、又はセラミックなど、反応熱によって変形されない材質の容器である。前記加熱容器は、アルコールランプ、ガスバーナーなど、種類に制限されない別個の加熱手段を用いて加熱容器に熱を加えることによって容器内部の温度を上昇させるか、或いは加熱容器内部に熱線などの加熱手段を備えて容器内部の温度を上昇させることができる。前記加熱容器の内部の温度は、約80℃~約150℃まで加熱することができる。
【0044】
本発明の一具現例において、前記キットは酸をさらに含む。
【0045】
本明細書の一具現例に示すように、本発明の亜塩素酸ナトリウムを、糖、酸、及び水を含む溶液に添加して混合すれば、二酸化塩素気体が非常に活発に発生しながら、反応の起きる空間全体に二酸化塩素気体が発散する。
【0046】
本発明の一具現例において、前記酸は、乳酸、酢酸、ギ酸、シトル酸、酒石酸、シュウ酸、アスコルビン酸、尿酸、酪酸、ステアリン酸、及びプロピオン酸からなる群から選ばれる少なくとも一つの有機酸であってよい。
【0047】
本発明の一具現例において、前記酸は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、及びフッ化水素酸からなる群から選ばれる少なくとも一つの無機酸であってよい。
【0048】
本発明の一具現例において、前記水に対する糖の重量比は、10:0.1~10であってよい。
【0049】
本発明の具体的な具現例において、前記薫蒸消毒用キットに含まれる水に対する糖の重量比は、10:0.1~100、10:0.1~90、10:0.1~80、10:0.1~70、10:0.1~60、10:0.1~50、10:0.1~40、10:0.1~30、10:0.1~20、10:0.1~10、10:0.1~5、又は10:0.1~1であってよく、10:0.5~100、10:0.5~90、10:0.5~80、10:0.5~70、10:0.5~60、10:0.5~50、10:0.5~40、10:0.5~30、10:0.5~20、10:0.5~10、10:0.5~5、又は10:0.5~1であってよく、10:1~100、10:1~90、10:1~80、10:1~70、10:1~60、10:1~50、10:1~40、10:1~30、10:1~20、又は10:1~10であってよく、より具体的には、10:0.1~10、10:0.1~9、10:0.1~8、10:0.1~7、10:0.1~6、10:0.1~5、10:0.1~4、10:0.1~3、10:0.1~2、10:0.1~1であるか、10:1~10、10:1~9、10:1~8、10:1~7、10:1~6、10:1~5、10:1~4、10:1~3、10:1~2、10:9、10:8、10:7、10:6、10:5、10:4、10:3、10:2、10:1、10:0.5、又は10:0.1であってよいが、これに限定されるものではない。
【0050】
本発明の一具現例において、前記薫蒸消毒用キットに含まれる前記酸は、水に対して0.01~10のモル濃度で含まれてよい。
【0051】
本発明の具体的な具現例において、前記薫蒸消毒用キットに含まれる前記酸は、水に対して0.1~10、0.5~10、1~10、2~10、3~10、4~10、5~10、6~10、7~10、8~10、又は9~10のモル濃度で含まれてよい。
【0052】
本発明の他の具体的な具現例において、前記薫蒸消毒用キットに含まれる前記酸は、水に対して0.1~10、0.1~9、0.1~8、0.1~7、0.1~6、0.1~5、0.1~4、0.1~3、0.1~2、0.1~1、又は0.1~0.5のモル濃度で含まれてよい。
【0053】
本発明の一具現例において、前記亜塩素酸ナトリウムを除く糖、酸、及び水の混合溶液に対する亜塩素酸ナトリウムの重量比が1:0.1~1:10である。
【0054】
本発明の具体的な具現例において、前記薫蒸消毒用キットに含まれる前記亜塩素酸ナトリウムを除く糖、酸、及び水の混合溶液に対する亜塩素酸ナトリウムの重量比は、1:0.1~10、1:0.5~10、1:1~10、1:2~10、1:3~10、1:4~10、1:5~10、1:6~10、1:7~10、1:8~10、又は1:9~10であってよい。
【0055】
本発明の他の具体的な具現例において、前記薫蒸消毒用キットに含まれる前記亜塩素酸ナトリウムを除く糖、酸、及び水の混合溶液に対する亜塩素酸ナトリウムの重量比は、1:0.1~10、1:0.1~9、1:0.1~8、1:0.1~7、1:0.1~6、1:0.1~5、1:0.1~4、1:0.1~3、1:0.1~2、1:0.1~1、又は1:0.1~0.5であってよい。
【0056】
本発明の一具現例において、前記薫蒸消毒用キットは、亜塩素酸ナトリウム100重量部に対して、糖を20~200重量部含む。より具体的に、前記薫蒸消毒用キットは、亜塩素酸ナトリウム100重量部に対して糖を20~200重量部、30~200重量部、40~200重量部、50~200重量部、60~200重量部;20~180重量部、30~180重量部、40~180重量部、50~180重量部、60~180重量部;20~160重量部、30~160重量部、40~160重量部、50~160重量部、60~160重量部;20~140重量部、30~140重量部、40~140重量部、50~140重量部、60~140重量部;20~120重量部、30~120重量部、40~120重量部、50~120重量部、60~120重量部;20~100重量部、30~100重量部、40~100重量部、50~100重量部、60~100重量部;20~80重量部、30~80重量部、40~80重量部、50~80重量部、60~80重量部;20~70重量部、30~70重量部、40~70重量部、50~70重量部、又は60~70重量部、20重量部、30重量部、40重量部、50重量部、60重量部、又は70重量部含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0057】
本発明の他の具現例において、前記薫蒸消毒用キットに含まれる亜塩素酸ナトリウムは、水に溶解した状態で提供されてよい。この場合、本発明の薫蒸消毒用キットは、亜塩素酸ナトリウムと接触時に二酸化塩素生成反応をする構成物である糖及び酸を分離して含むことができる。
【0058】
本発明の他の態様によれば、本発明は、次の段階を含む二酸化塩素薫蒸消毒用キットの使用方法を提供する:
i)糖希釈液及び亜塩素酸ナトリウムを混合する段階;及び
ii)前記混合物に加熱誘導剤及び水を添加して発熱反応及び二酸化塩素気体を発生させる段階。
【0059】
前記本発明の他の態様に係る二酸化塩素薫蒸消毒用キットの使用方法又は二酸化塩素薫蒸消毒方法は、上述した二酸化塩素薫蒸消毒用キットと糖希釈液、亜塩素酸ナトリウム、加熱誘導剤、及び水などの構成及び含有量を同一にするものであり、両発明間に重複する内容は、本明細書の複雑性を避けるために記載を省略する。
【0060】
本発明の他の態様によれば、本発明は、次の段階を含む二酸化塩素薫蒸消毒用キットの使用方法を提供する:
i)糖希釈液及び亜塩素酸ナトリウムを混合する段階;及び
ii)前記混合物を加熱容器に入れて加熱する段階。
【0061】
本発明の一具現例において、前記加熱容器は、耐熱性プラスチック、金属、ガラス、又はセラミックなどの、反応熱によって変形されない材質の容器である。前記加熱容器は、アルコールランプ、ガスバーナーなど、種類に制限がない別途の加熱手段を用いて加熱容器に熱を加えることによって容器内部の温度を上昇させるか、加熱容器の内部に熱線などの加熱手段を備えて容器内部の温度を上昇させることができる。
【0062】
前記加熱容器の内部の温度は、約80℃~150℃まで加熱することができる。
【0063】
本発明の一具現例において、前記加熱容器に前記糖希釈液及び亜塩素酸ナトリウムの混合物を入れて加熱すれば、上述した加熱剤を用いた時と同様に、糖と亜塩素酸ナトリウムの混合物が反応しながら二酸化塩素を発生させる。特に、加熱剤は、一定時間が過ぎると加熱剤が消耗して発熱反応が終了し、二酸化塩素をさらに発生させることができないが、加熱容器は、容器内に糖希釈液と亜塩素酸ナトリウムをさらに添加すると、連続して二酸化塩素を発生させ続くことができる。
【0064】
本発明のさらに他の態様によれば、本発明は、次の段階を含む二酸化塩素薫蒸消毒用キットの使用方法を提供する:
i)糖;酸;及び水を混合して溶解させる段階;及び
ii)前記混合物に亜塩素酸ナトリウムを添加し混合して二酸化塩素気体を発生させる段階。
【0065】
本発明の前記ii)二酸化塩素気体を発生させる段階では、二酸化塩素気体が非常に活発に発生しながら高濃度の二酸化塩素気体を発生させる。
【0066】
また、前記段階では、二酸化塩素気体が発生する反応が起きながら100℃以上の高熱が発生し、二酸化塩素気体が反応の起きる空間周辺に迅速で容易に広がるので、広い空間を速く消毒することができる。
【0067】
また、本発明で用いられる二酸化塩素薫蒸消毒用キットは発熱剤を含まないので、発熱剤に混入した不純物が100℃以上の高熱によって発生させ得る第3の成分が発生しなく、よって、より純度の高い二酸化塩素気体を発生させることができる。
【0068】
前記本発明のさらに他の態様に係る二酸化塩素薫蒸消毒用キットの使用方法は、上述した二酸化塩素薫蒸消毒用キットと糖、酸、水などの構成及び含有量などを同一にするものであり、両発明間に重複する内容は、本明細書の複雑性を避けるために記載を省略する。
【0069】
本発明のさらに他の態様によれば、本発明は、次の段階を含む二酸化塩素薫蒸消毒用キットの製造方法を提供する:
i)糖;酸;及び水を混合後に溶解させて第1ユニットを製造する段階;及び
ii)亜塩素酸ナトリウムを含む第2ユニットを製造する段階。
【0070】
本発明の一具現例において、前記第1ユニットは、酸を含むことを特徴とする。また、前記第1ユニットは、発熱剤を含まず、亜塩素酸ナトリウム以外の成分をあらかじめ混合して保管できるので、本発明者らが開発した従来の二酸化塩素薫蒸消毒用キット発明に比べて製造及び保管が容易である。
【0071】
本発明の一具現例において、前記第1ユニットと前記第2ユニットは相互接触時に二酸化塩素気体が発生し、ユーザにとって必要な時点に二酸化塩素気体を発生させることがあることから、それぞれ別個に包装される。
【0072】
前記本発明のさらに他の態様に係る二酸化塩素薫蒸消毒用キットの製造方法は、上述した二酸化塩素の薫蒸消毒用キットと糖、酸、水などの構成及び含有量を同一にするものであり、両発明間に重複する内容は、本明細書の複雑性を避けるために記載を省略する。
【発明の効果】
【0073】
本発明は、二酸化塩素薫蒸消毒用キット、その製造方法及びその使用方法に関し、本発明のキットを用いる場合に、燃焼、爆発無しで短期間内に高濃度の二酸化塩素を発生させることができ、既存の消毒キットに比べて生産と包装が簡便であり、使用法も簡便であり、より安全ながらも純度の高い二酸化塩素気体を多量生産し、空間消毒に有用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】本発明の一実施例に係る薫蒸消毒方法によって発生した二酸化塩素気体の濃度を測定した結果である。200ppmを超える場合に、検出限界を超えてしまい、最大値が確認できなかった。
【
図2】本発明の一実施例に係るキットの使用方法を順に示す図である。(1.ブドウ糖溶液に亜塩素酸ナトリウム粉末を添加、2.発熱剤を添加、3.精製水を添加、4.二酸化塩素気体発生)
【
図3】本発明の他の実施例に係るキットの使用方法を順に示す図である。(1.ブドウ糖及びクエン酸溶液に亜塩素酸ナトリウム粉末を添加、2.二酸化塩素気体発生)
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の要旨によって本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されないということは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【0076】
実施例
実施例1:本発明の二酸化塩素薫蒸消毒用キットの製造1
1)糖希釈液の製造
粉末形態のブドウ糖、砂糖、麦芽糖、果糖、オリゴ糖は、水と糖の重量比が3:1になるように溶解させ、液状である水飴及び蜂蜜は、水と糖の重量比が1:1になるように混合した。下記の実験では、製造された糖希釈液150mlを使用した。
【0077】
2)亜塩素酸ナトリウム及び糖希釈液の混合物の製造
前記糖希釈液が含まれたビーカーに亜塩素酸ナトリウム粉末100gを添加後によく混合し、混合して直ちに使用した。
【0078】
3)加熱誘導剤の投入
前記亜塩素酸ナトリウム及び糖希釈液の混合物に、加熱誘導剤13gが入っている脱脂綿パックを載せて置き、その上に水60mlを注いで混合物を加熱した。
【0079】
4)二酸化塩素気体発生の確認
加熱した混合物が反応して気体が発生したし、二酸化塩素測定機(Wandi Gas tiger 6000-CLO2、測定限界200ppm)を用いて測定した結果、試験に提供された全ての糖類の希釈液は、亜塩素酸ナトリウムと反応して二酸化塩素気体を発生させることを確認した。
【0080】
具体的に、ブドウ糖、麦芽糖、水飴は、発熱剤添加5分~20分後に二酸化塩素気体を発生させ、砂糖、オリゴ糖、果糖及び蜂蜜は、発熱剤添加40分後に気体を発生し始めた。一方、発生した二酸化塩素気体の濃度を測定した結果、いずれも、測定機の測定限界である200ppmまで発生した。
【0081】
上記の結果に基づき、水とブドウ糖を75:25の重量比で混合した溶液を用いて下記のような実験を行った。
【0082】
実験例1:二酸化塩素発生濃度の測定
約120m3(4.2m×5.7m×5m)の密閉した空間に測定機(Wandi Gas tiger 6000-CLO2)を設置した。測定機から5m離れた空間の地面に配置された金属容器(直径13cm、高さ15cmの円形金属缶)にブドウ糖希釈液150ml及び亜塩素酸ナトリウム粉末100gを入れてよく混合した後、混合液上に、発熱剤13gの入っている脱脂綿パックを載せておき、水60mlを発熱剤の上に注いだ。その後、発熱剤を入れた時間から測定機を作動させ、毎1分単位で二酸化塩素気体の濃度を測定した。
【0083】
図1から確認できるように、測定開始5分後に二酸化塩素気体が測定され始め、測定開始22分後に200ppm以上の濃度に達した。その後、24分間200ppm以上の濃度が保持されてから徐々に減少し、1時間20分後まで50ppm以上、3時間後にも30ppmの濃度が120m
3の空間で保持されることを確認した。
【0084】
実施例2:本発明の二酸化塩素薫蒸消毒用キットの製造2
本発明者は、二酸化塩素発熱剤を使用しなくとも二酸化塩素薫蒸消毒が可能な薫蒸消毒用キットを次のように製造した。また、実施例1で製造した二酸化塩素薫蒸消毒用キットと比較して改善の程度を確認するために、表1のような構成で製造し、比較した。
【0085】
[表1]実施例1のキットと実施例2のキットの構成
【0086】
【0087】
実施例1のキットと実施例2のキットの包装構成は表2に示した。
【0088】
[表2]実施例1のキットと実施例2のキットの包装構成(製造過程)
【0089】
【0090】
表1及び表2に示すように、実施例1のキットは、亜塩素酸ナトリウム、ブドウ糖溶液、発熱剤、発熱用精製水をいずれも個別に包装しなければならなかった。しかし、本発明の実施例2のキットは、ブドウ糖、クエン酸、精製水を一つに混合してもよいので、亜塩素酸ナトリウムと、ブドウ糖+クエン酸+精製水の溶液のみを別個に包装すればよく、包装が簡便である特徴がある。
【0091】
実験例2:実施例1及び実施例2の二酸化塩素薫蒸消毒用キットの使用
2-1.実施例1のキットの使用方法
実施例1のキットは、ブドウ糖溶液が入っている容器に別途包装された亜塩素酸ナトリウム粉末を入れて均一に混合した後、発熱剤を入れた。その後、発熱剤上に精製水を注いで発熱反応を起こした。その結果、混合物が沸きながら熱が発生し、二酸化塩素気体が生成されることを確認した。実施例1のキットの使用方法は、表3及び
図2に示す。
【0092】
2-2.実施例2のキットの使用方法
本発明の実施例2のキットは、ブドウ糖及びクエン酸の入っている混合液を反応容器に入れ、亜塩素酸ナトリウム粉末を入れた。その結果、混合物が沸きながら100℃以上の高熱が発生し、二酸化塩素気体が非常に速く生成されると同時に、反応の起きる空間全体に速く広がることを確認した。本発明の実施例2のキットの使用方法は、表3及び
図3に示す。
【0093】
[表3]実施例1のキットと実施例2のキットの使用方法
【0094】
【0095】
前記表3、
図2及び
図3に示すように、実施例1の発熱剤を含むキットは、i)ブドウ糖溶液を容器に入れた後、ii)亜塩素酸ナトリウムを添加、iii)発熱剤を添加、及びiv)発熱反応のための精製水を添加、する4つの段階の過程を経なければならなかった。
【0096】
しかし、実施例2のキットは、i)ブドウ糖及びクエン酸の混合溶液を容器に入れた後、ii)亜塩素酸ナトリウムを添加すればいいので、2段階の過程のみを経て二酸化塩素気体を発生させることができ、実施例1のキットに比べて使用法が簡便である。
【0097】
上述したように、本発明の実施例2のキットは、製品の生産と包装が簡便であり、使用方法も簡便である他、発熱剤を使用しなくてもよいので、発熱剤で発生し得る不純物が、薫蒸する二酸化塩素気体に含まれる可能性がなく、より安全である。
【0098】
また、本発明の実施例2のキットは、二酸化塩素気体を非常に活発に発生させながら高濃度の二酸化塩素気体を生成し、反応が起きながら100℃以上の高熱を発生させ、二酸化塩素気体が反応の起きる空間全体に非常に迅速で容易に広がるので、広い空間を速く消毒することができた。
【0099】
したがって、本発明の実施例2の薫蒸消毒用キットは、空間消毒の用途に非常に有用に用いることができる。
【0100】
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したところ、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述は単に好ましい具現例であり、これに本発明の範囲が制限されないことは明らかである。