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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】多経路自動戻り位置決定
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/029 20180101AFI20240809BHJP
   G01S 5/12 20060101ALI20240809BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240809BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240809BHJP
【FI】
H04W4/029
G01S5/12
H04W64/00 160
H04W84/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022567690
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 US2021062231
(87)【国際公開番号】W WO2023107101
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン,ドンギク
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/098920(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0055370(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0088616(US,A1)
【文献】特開2007-272676(JP,A)
【文献】特開2005-348418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
G01S 5/00- 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットタグの位置を特定するために、コンピューティングデバイスが、無線信号を介してメッセージをブロードキャストするステップと、
前記コンピューティングデバイスが、ブロードキャストされた前記メッセージに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答を受信するステップと、
前記コンピューティングデバイスが、前記複数の中間応答に基づいて、前記1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグまでの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定するステップと、
前記コンピューティングデバイスが、前記1つ以上の中間タグの各々からの前記複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、前記コンピューティングデバイスから前記ターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するステップとを含み、
前記1つ以上の中間タグからの前記複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、前記中間タグから前記ターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含む、方法。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスが、前記メッセージに応答して、前記ターゲットタグから距離データを含むターゲット応答を受信するステップと、
前記コンピューティングデバイスが、前記ターゲット応答と前記1つ以上の中間タグの各々からの前記複数の中間応答とに基づいて、前記コンピューティングデバイスから前記ターゲットタグまでの前記ターゲットタグ距離および前記ターゲットタグ方向を決定するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスが、前記コンピューティングデバイスからの前記ターゲットタグ距離と各第1ホップ距離とを、前記コンピューティングデバイスと前記ターゲットタグおよび各第1ホップ中間タグとの間の前記無線信号の対応する往復時間に基づいて決定するステップをさらに含む、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスが、前記距離データを用いて、各中間タグから前記ターゲットタグまでの前記ターゲットホップ距離を、各中間タグから前記ターゲットタグまでの第2の無線信号の往復時間に基づいて決定するステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記無線信号は第1の無線信号であり、
前記方法はさらに、前記メッセージを暗号化するステップを含み、暗号化された前記メッセージは、第2の無線信号を介して第2のメッセージを送信するために各中間タグによって使用され、前記ターゲットタグとのみ通信するように構成された、ターゲットタグ識別子を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲットタグから複数の中間タグの各々までのしきい値距離、または、前記コンピューティングデバイスから前記複数の中間タグの各々までの方向のうちの少なくとも1つに基づいて前記ターゲットタグ距離を決定するために、前記複数の中間タグから2つ以上の中間タグを選択するステップをさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記中間タグのうちの1つ以上についての前記中間応答はさらに、各第1ホップ中間タグから第2ホップ中間タグまでの第3ホップ距離と、前記第2ホップ中間タグから前記ターゲットタグまでの前記ターゲットホップ距離とに関連付けられた距離データを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットタグ距離および前記ターゲットタグ方向を決定するステップはさらに、前記1つ以上の中間タグの各々からの前記複数の中間応答に基づいて、前記コンピューティングデバイスから前記ターゲットタグまでの前記ターゲットタグ距離および前記ターゲットタグ方向を決定するステップを含み、前記中間応答は、1つ以上の中間タグから別の中間タグおよび前記ターゲットタグまでの方向を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記無線信号および前記第2の無線信号は、ウルトラワイドバンド信号である、請求項4または5に記載の方法。
【請求項10】
1つ以上の中間経路が、前記コンピューティングデバイスと前記ターゲットタグとの間の1つ以上の中間タグと、前記コンピューティングデバイスから前記ターゲットタグへの直接経路とを含み、
前記コンピューティングデバイスから前記ターゲットタグまでの前記ターゲットタグ距離および前記ターゲットタグ方向を決定するステップはさらに、前記ターゲットタグ距離および前記ターゲットタグ方向を決定するために、前記コンピューティングデバイスが、式の各項に重みを適用する損失関数アルゴリズムを適用するステップを含み、前記式の各項は、前記ターゲットタグへの前記1つ以上の中間経路のうちの各中間経路、または、前記ターゲットタグへの前記直接経路のうちの少なくとも1つを表わす、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
コンピューティングデバイスであって、
ターゲットタグの位置を特定するために、無線信号を介してメッセージをブロードキャストするための無線送受信機と、
メモリと、
前記メモリに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサとを含み、前記1つ以上のプロセッサは、
前記メッセージをブロードキャストすることに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答を受信し、
前記複数の中間応答に基づいて、前記1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグまでの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定し、
前記1つ以上の中間タグの各々からの前記複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、前記コンピューティングデバイスから前記ターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するように構成され、
前記1つ以上の中間タグからの前記複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、前記中間タグから前記ターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含む、コンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記1つ以上のプロセッサはさらに、
前記メッセージに応答して、前記ターゲットタグから距離データを含むターゲット応答を受信し、
前記ターゲット応答と前記1つ以上の中間タグの各々からの前記複数の中間応答とに基づいて、前記コンピューティングデバイスから前記ターゲットタグまでの前記ターゲットタグ距離および前記ターゲットタグ方向を決定するように構成される、請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサはさらに、
前記コンピューティングデバイスからの前記ターゲットタグ距離と各第1ホップ距離とを、前記コンピューティングデバイスと前記ターゲットタグおよび各第1ホップ中間タグとの間の前記無線信号の対応する往復時間(RTT)に基づいて決定し、
前記距離データを用いて、各中間タグから前記ターゲットタグまでの前記ターゲットホップ距離を、各中間タグから前記ターゲットタグまでの第2の無線信号の往復時間RTTに基づいて決定するように構成される。請求項11~12のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記中間タグのうちの1つ以上についての前記中間応答はさらに、各第1ホップ中間タグから第2ホップ中間タグまでの第3ホップ距離と、前記第2ホップ中間タグから前記ターゲットタグまでの前記ターゲットホップ距離とに関連付けられた距離データを含む、請求項11~13のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項15】
実行されると、コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサに、請求項1~10に記載の方法のいずれかを行なわせる、プログラム
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
コンピューティングデバイス、特にポータブルまたはハンドヘルドデバイスは典型的には、GPS(global positioning system:全地球測位システム)、ブルートゥース(登録商標)LE(low energy:低エネルギー)、Wi-Fi(登録商標)、ジグビー(ZigBee:登録商標)、およびウルトラワイドバンド(登録商標)のための送受信機といった、多数の無線送受信機を含む。その結果、これらのコンピューティングデバイスにインストールされた追跡アプリケーションは、これらの無線技術のうちのいくつかを、追跡タグまたは追加の無線ノードとともに利用して、タグ付けされたアイテムを追跡し位置を特定するための便利なやり方を提供することができる。タグは、アクティブ、セミアクティブ、またはパッシブであってもよい。パッシブタグは、リーダからの入来無線信号を使用して、タグの応答の送信に電力供給する。セミアクティブタグは、リーダに送信するためにそれ自体の電源(たとえばバッテリー)を使用するものの、リーダがその回路をオンにするための通電信号を送信するまで休止したままである、中距離タグである。アクティブタグは、タグの回路を動かすために、および信号をリーダにブロードキャストするために、送信機とそれ自体の電源とを有する、長距離タグである。アクティブタグは、ビーコンとして連続的に、または、リーダの信号によって起動されたときに送信され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
概要
一般に、この開示の手法は、コンピューティングデバイス(たとえばスマートフォン)の無線コンポーネントを使用して、暗号化されたデータフレームを無線信号(たとえばウルトラワイドバンド(登録商標)(Ultra-Wideband:UWB))を介してブロードキャストし、直接経路および間接経路のうちの1つまたはそれらの組合せを介した隣接中間タグからの応答を使用してターゲットタグの位置を特定し、ターゲットタグ距離および方向を決定することに向けられる。各間接経路およびそれらのそれぞれの中間タグ応答からの組合された距離情報全体は、ターゲットタグへの単一の直接経路のみを使用する場合、または、いくつかの事例では、ターゲットタグがコンピューティングデバイスによって到達可能でない場合に比べて、ターゲットタグまでの距離および位置特定結果の向上を提供する。ターゲットタグが到達可能(すなわち直接経路)である場合、コンピューティングデバイスは、ターゲットタグ応答を、1つ以上の間接経路応答とともに使用して、潜在的により正確なターゲットタグ距離および方向を決定し得る。結果をさらに洗練するために、損失関数アルゴリズムにおける1つ以上の経路に重みが適用され得る。損失関数アルゴリズムは、中間タグの数、ターゲットタグまでのホップの数、間接経路の数、もしくは、ターゲットタグおよびコンピューティングデバイスのうちの1つまたは双方に対する中間タグの相対位置といった、経路パラメータのうちのいずれか1つまたはそれらの組合せに基づき得る。
【0003】
コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスとターゲットタグおよび到達可能な各中間タグとの間のブロードキャストされたデータフレームに関連付けられた無線信号の往復時間(round-trip-time:RTT)を決定する往復時間アルゴリズムに基づいて、初期ターゲットタグ距離(到達可能である場合)と、コンピューティングデバイスから中間タグのうちの少なくともいくつかまでの距離に対応する各第1ホップ距離とを決定し得る。
【0004】
そのため、この開示の手法は、集団、この場合、隣接中間タグの知恵という概念を利用し得る。コンピューティングデバイスから各中間タグまたはターゲットまでの、および、各中間タグからターゲットまでの各経路は、直接的であれ間接的であれ、異なるノイズおよび多経路プロファイルを有しており、このため、ここに述べられるようにそれらを組合せた場合、ノイズを緩和し、コンピューティングデバイスからのターゲットタグ距離および方向のより正確な推定値を提供する効果を有する。
【0005】
一例では、この開示は、ターゲットタグの位置を特定するために、コンピューティングデバイスが、無線信号を介してメッセージをブロードキャストするステップと、ブロードキャストされたメッセージに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答を受信するステップと、コンピューティングデバイスが、複数の中間応答に基づいて、1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグまでの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定するステップと、コンピューティングデバイスが、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するステップとを含み、1つ以上の中間タグからの複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含む、方法を開示する。
【0006】
別の例では、コンピューティングデバイスは、1つ以上のプロセッサと、メモリと、ターゲットタグの位置を特定するために、無線信号を介してメッセージをブロードキャストするための無線送受信機とを含み、1つ以上のプロセッサはメモリに動作可能に結合されており、ブロードキャストされたメッセージに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答を受信し、複数の中間応答に基づいて、1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグまでの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定し、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するように構成され、1つ以上の中間タグからの複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含む。
【0007】
追加の例では、コンピュータ読取可能記憶媒体は、実行されると、コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサを、動作を行なうように構成する命令を含み、動作は、ターゲットタグの位置を特定するために、無線信号を介してメッセージをブロードキャストすることと、ブロードキャストされたメッセージに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答を受信することと、複数の中間応答に基づいて、1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグまでの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定することと、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定することとを含み、1つ以上の中間タグからの複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含む。
【0008】
別の例では、コンピューティングデバイスは、ターゲットタグの位置を特定するために、コンピューティングデバイスが、無線信号を介してメッセージをブロードキャストするステップと、ブロードキャストされたメッセージに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答を受信するステップと、コンピューティングデバイスが、複数の中間応答に基づいて、1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグまでの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定するステップと、コンピューティングデバイスが、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するステップとを含み、1つ以上の中間タグからの複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含む、方法、を行なうための手段を含む。
【0009】
この開示の1つ以上の例の詳細が、添付図面および以下の説明で述べられる。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】ターゲットタグに近接する隣接中間タグと通信することによってターゲットタグの位置を特定するように構成されたコンピューティングデバイスの一例を示す概念図である。
図1B】ターゲットタグに近接する隣接中間タグおよびターゲットタグと通信することによってターゲットタグの位置を特定するように構成されたコンピューティングデバイスの別の例を示す概念図である。
図2】本開示の1つ以上の局面に従った、例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図である。
図3】本開示の1つ以上の局面に従った、コンピューティングデバイスと、複数の中間無線タグと、無線ターゲットタグとを含む、駐車場を示す図である。
図4】本開示の1つ以上の局面に従った、コンピューティングデバイスがターゲットタグに近接する隣接中間タグと通信することによってターゲットタグの位置を特定するための例示的な動作モードを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
この開示全体を通し、コンピューティングデバイスおよび/またはコンピューティングシステムが、コンピューティングデバイスおよびコンピューティングデバイスのユーザに関連付けられた情報(たとえば、無線IDタグおよびそれぞれの情報、位置、情況、動きなど)を、コンピューティングデバイスが当該情報を分析するためにコンピューティングデバイスのユーザから許可を受信した場合のみ分析する例が説明される。たとえば、以下に述べられる状況では、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングシステムがユーザに関連付けられた情報を収集または使用し得る前に、ユーザには、コンピューティングデバイスおよび/またはコンピューティングシステムのプログラムまたは特徴がユーザ情報(たとえば、GPSまたは無線IDタグなどによる、ユーザまたはユーザデバイスの現在の位置に関する情報)を収集または使用し得るかどうかを制御するための、もしくは、デバイスおよび/またはシステムがユーザに関連し得る内容を受信し得るかどうか、および/または、どのように受信し得るかを指示するための入力を提供する機会が提供され得る。加えて、あるデータは、それがコンピューティングデバイスおよび/またはコンピューティングシステムによって格納または使用される前に、個人識別可能情報が除去されるように、1つ以上のやり方で処理され得る。たとえば、ユーザに関する個人識別可能情報を判断できないように、ユーザのアイデンティティおよび画像が処理されてもよく、もしくは、(市、郵便番号、または州などのレベルまで)位置情報が得られる場合、ユーザの特定の位置を判断できないように、ユーザの地理的位置が一般化されてもよい。このため、ユーザは、ユーザに関する情報がコンピューティングデバイスおよびコンピューティングシステムによってどのように収集され使用されるかに対する制御を有し得る。
【0012】
図1Aは、ターゲットタグに近接する隣接中間タグと通信することによってターゲットタグの位置を特定するように構成されたコンピューティングデバイスの一例を示す概念図である。図1の例では、コンピューティングデバイス102は、携帯電話(スマートフォンを含む)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートウォッチまたはコンピュータ化眼鏡などのウェアラブルコンピューティングデバイスといった、ポータブルまたはモバイルデバイスを含み得るものの、それらに限定されない。
【0013】
図1Aに示すように、コンピューティングデバイス102は、ディスプレイ104と、無線送受信機105と、ロケータアプリケーション106とを含む。無線送受信機105は、中間タグ108~112およびターゲットタグ114などの無線識別タグと通信するように構成される。中間タグ108~112およびターゲットタグ114は、少なくとも質問する(interrogating)ノード(たとえば、コンピューティングデバイスまたはタグ)とタグとの間の距離を決定するように構成可能である、ウルトラワイドバンドまたは他の無線通信プロトコルなどの一般的な無線通信プロトコルを使用して、互いに通信するように構成され得る。たとえば、間の距離は、RTTアルゴリズム、信号強度などによって決定され得る。例では、質問機(interrogator)(たとえば、コンピューティングデバイス102およびいくつかのまたはすべての中間タグ)は、質問されたタグからの応答の到来角(angle of arrival:AoA)、ひいては、質問機に対する応答の方向を決定し得る、複数のアンテナ(図示せず)を含み得る。タグおよびアプリケーションの構成に依存して、中間タグは、アクティブタグ、セミアクティブタグ、またはパッシブタグのうちの1つまたはそれらの組合せであり得る。
【0014】
コンピューティングデバイス102は、1つ以上のプロセッサ(たとえば、図2のプロセッサ208)を用いてロケータアプリケーション106を実行し、ディスプレイ104、無線送受信機105、および、図1に示されず、図2に関して詳細に述べられる他のコンポーネントといった、コンピューティングデバイス102のさまざまなコンポーネントにアクセスしてそれらを利用し得る。一例では、ロケータアプリケーション106は、周辺エリアにおける1つ以上の中間タグと通信することによって、物体(たとえば、車両、バックパック、別のコンピューティングデバイスなど)に関連付けられたターゲットタグ114の位置を特定するように構成され得る。ここに述べられるさまざまな手法および例においてターゲットタグ(たとえばターゲットタグ114)への経路を確立するために中間タグ(たとえば中間タグ108~112)を使用することは、ターゲットタグが、ターゲットタグを追跡しようとしているコンピューティングデバイスからさらに遠ざかる場合に、長距離感知のための高まった距離忠実性を得ることに関する問題を減少させる。測距および位置特定誤差が大きくなるにつれて、推定値は信頼できなくなり得る。これらの問題は、駐車場で車両の位置を特定すること、駐車場管理、ユーザへの自動車の自動運転、事前ロック解除などといった、物体からのアクションを正確に位置特定し、制御し、または始動することといった、遠距離場アプリケーションを実現する際の難易度を高める。
【0015】
図1Aの例で示されるように、中間タグ110およびターゲットタグ114は、コンピューティングデバイス102から遠すぎて、無線送受信機105と通信できないかもしれない。例は、長距離感知のための距離忠実性を高めるための、さまざまな中間タグを通る、ターゲットタグ(たとえばターゲットタグ114)への複数の経路を含み得る。各経路は、複数のホップを含み得る。単純化するために、ここに示される1つの間接経路におけるホップの最大数は、ターゲットホップを含めて3つであるが、ターゲットへの経路および対応するホップの数はそれに限定されない。図1Aについての例では、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス102からターゲットタグ114までの方向および距離についての向上した推定値を決定するために、ターゲットへの、2つのホップおよび3つのホップをそれぞれ有する2つの中間タグ経路を使用する。
【0016】
たとえば、無線送受信機105は、コンピューティングデバイス102に対するターゲットタグ114の位置を特定するために、データフレーム118とターゲット識別子120とを含むメッセージ122を、無線通信チャネル(たとえばUWB)を介して中間タグ108および112にブロードキャストし得る。ターゲット識別子120を含むデータフレーム118は、ターゲットタグ114のみがターゲット識別子に基づいてメッセージ122を復号してそれに応答し得るように、暗号化され得る。
【0017】
第1の中間タグ経路では、中間タグ108は第1ホップでメッセージ122を受信し、そして、コンピューティングデバイス102がターゲットタグ114に到達できないため、コンピューティングデバイス102は第2ホップで、ターゲット識別子120を含むメッセージ122の少なくとも一部を別の中間タグ110に通信する。中間タグ110は、ターゲットタグ114への、ターゲット識別子120を含むメッセージ122の少なくとも一部のその通信に基づいて、ターゲットホップでターゲットタグ114に到達する。ターゲット識別子120は、ターゲットタグ114がメッセージ122の意図された受け手であるということを、ターゲットタグ114に信号で伝える。中間タグ110は、少なくとも中間タグ110とターゲットタグ114との間のターゲットホップ距離を決定するための距離データを含むターゲット応答140を受信する。中間タグ110は、ターゲットホップ距離に関連付けられた距離データと第2ホップ距離に関連付けられた方向データとを含む中間応答142を送信する。中間タグ108は、中間応答144を、無線送受信機105を通してロケータアプリケーション106に通信する。中間応答144は、ターゲットホップ距離、第2ホップ距離に関連付けられた距離データと、コンピューティングデバイス102から中間タグ108までの第1ホップ距離に関連付けられた方向データとを含み得る。別の例では、第1ホップ距離の距離データを含む中間応答144が、中間タグ110への送信に先立って、コンピューティングデバイス102に通信される。すなわち、ターゲットホップ距離および第2ホップ距離にそれぞれ関連付けられた距離データを含む中間応答142およびターゲット応答140を受信した後で、別の中間応答144がコンピューティングデバイス102に通信され得る。
【0018】
図1Aの例は、中間タグ112を通る、ターゲットタグ114への第2の中間タグ経路を含む。中間タグ112は第1ホップノードであり、コンピューティングデバイス102からメッセージ122を受信する。中間タグ112は、ターゲットタグ114への、ターゲット識別子120を含むメッセージ122の少なくとも一部のその通信に基づいて、ターゲットホップでターゲットタグ114に到達する。中間タグ112は、少なくとも中間タグ112とターゲットタグ114との間のターゲットホップ距離を決定するための距離データを含むターゲット応答146を受信する。中間タグ112は、ターゲットホップ距離と第1ホップ距離とに関連付けられた距離データを含む中間応答148をコンピューティングデバイス102に通信し、コンピューティングデバイス102は、ロケータアプリケーション106を使用してデータを処理し、ターゲットタグ114までの方向および距離を見つけ出す。
【0019】
ロケータアプリケーション106は、コンピューティングデバイス102と中間タグ108および112との間の各第1ホップ応答方向を、中間応答144および148にそれぞれ基づいて決定し得る。一例では、コンピューティングデバイス102は、中間応答144および中間応答148に関連付けられた無線信号の到来角(AoA)を決定し得る複数のアンテナ(図示せず)を含む。各到来角に基づいて、位置アプリケーション106は、コンピューティングデバイス102に対する各応答の方向を決定し得る。他の例では、いくつかのまたはすべての中間タグは複数のアンテナを含み、AoAに基づいて、他の中間タグおよび/またはターゲットタグに対する各中間応答の源の方向データを提供し得る。他のデータ(たとえば、他の中間タグまたはターゲットタグからの距離データ)の中でも、方向データは、ターゲットタグ114までの方向および距離を決定するために位置アプリケーション106によって使用され得る。コンピューティングデバイス102に戻って、一例では、中間応答144および148に基づいて、ロケータアプリケーション106は、コンピューティングデバイス102に対するターゲットタグ114の距離および方向を決定し得る。一例では、ターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向は、各中間タグ108および112の第1ホップ方向(すなわち、コンピューティングデバイス102からの方向)とそれらのそれぞれの中間応答144および148とを含む各中間経路のデータに基づいている。中間応答144および148はさらに、中間タグ108から110までの第2ホップ距離と、中間タグ110からターゲットタグ114までのターゲットホップ距離と、中間タグ112からターゲットタグ114までのターゲットホップとをそれぞれ含み得る。一例では、ターゲットタグ距離および各ホップ距離は、各無線信号に関連付けられた往復時間(RTT)アルゴリズムに基づいて決定される。たとえば、コンピューティングデバイス102とターゲットタグ114(範囲内にある場合)との間のRTT、ならびに、中間タグ108と中間タグ110との間、中間タグ110とターゲットタグ114との間といった、各第2ホップおよびターゲットホップについてのRTTが挙げられる。いくつかの例では、各中間タグからの中間応答は、RTT決定の精度を高めるために、中間タグ処理遅延を反映するターンアラウンドタイムといった、RTTアルゴリズムのための追加のタイミングデータを含み得る。
【0020】
結果をさらに洗練するために、ロケータアプリケーション106は、損失関数アルゴリズムなどのアルゴリズムを使用して、2つの中間経路の各々に別々の重みを適用し得る。一例では、重みは、損失関数アルゴリズムの各項に乗算されるスカラであり、各項は、ターゲットタグへの経路を数学的に表わす。損失関数アルゴリズムの各項は、距離測定値(すなわち、第2ホップ距離およびターゲット距離)に基づいたデカルト座標、デカルトと極とのマッピング(すなわち、第1ホップ距離およびAoAデータ)といった位置値で構成され得る。いくつかの例では、より高い重みが最も正確な経路に与えられ、より低い重みが他の経路に与えられ得る。図1Aの例では、コンピューティングデバイス102からターゲットタグ114への直接経路はなく、このため、直接経路を表わす項に与えられる重みは「0」であり、間接経路に与えられる重みは「1」であり得る。他の例では、以下に述べられるように、異なる重みが、複数の経路間で、それらの経路パラメータに依存して分散され得る。
【0021】
一例では、各経路項についての重みは、ターゲットタグへの利用可能な経路の数およびタイプ(たとえば、直接経路および間接経路)、第1ホップ方向、経路におけるターゲットまでの中間タグの数(すなわち、ホップの数)、直接ホップでのターゲットタグまでの距離、もしくは、ターゲットタグおよびコンピューティングデバイスのうちの1つまたは双方に対する中間タグの相対位置といった、複数の経路パラメータのうちのいずれか1つまたはそれらの組合せに基づき得る。一例では、さまざまな経路の組合せおよび経路パラメータについての重みは、実験結果またはシミュレーションに基づいて決定され、コンピューティングデバイス102上にローカルに、またはリモートで(すなわち、図示されないクラウドに)格納され、一例では、ここに述べられるようにターゲットタグ距離および方向を決定するためにロケータアプリケーション106によって使用され得る。
【0022】
一例では、ロケータアプリケーション106は、結果をディスプレイ104に出力し得る。たとえば、ロケータアプリケーション106は、ここに述べられる手法および例で述べられるように、決定されたターゲット距離およびターゲット方向に基づいて、物体(たとえば、車両、バックパック、または別のコンピューティングデバイス)までのマップ、格子、または座標といったナビゲーションデータを、コンピューティングデバイス102のユーザに提供するためのマッピングまたはプロッティング機能を含み得る。
【0023】
図1Bは、ターゲットタグに近接する隣接中間タグおよびターゲットタグと通信することによってターゲットタグの位置を特定するように構成されたコンピューティングデバイスの別の例を示す概念図である。図1Bの例では、図1Aと同様に、コンピューティングデバイス102は、ディスプレイ104と、無線送受信機105と、ロケータアプリケーション106とを含み得る。ハードウェア、ソフトウェア、プロトコル(たとえばUWB)、コンピューティングデバイス102によって通信される無線データ、および手法(たとえば、RTTの使用など)といった、図1Bに関してここに述べられるコンポーネントおよび手法は、図1Aで述べられたものと類似しているかまたは同じであり、簡潔にするためにここでは繰り返されないであろう。図1Bの例は、図1Aの例とは異なり、ある中間タグから別の中間タグへの第2ホップ(たとえば、図1Aの第2ホップを参照)を含んでおらず、ターゲットタグ154に直接向かう第1ホップをさらに含む。コンピューティングデバイス102からターゲットタグ154への直接接続が行なわれるが、接続は、特に長距離にわたる場合、または、コンピューティングデバイスをアクティブに動かす(たとえば、モバイルデバイスを所持して歩いている)場合に、デバイスがターゲットタグ(たとえばターゲットタグ154)を追跡しようとする際にターゲットタグがデバイスからさらに遠ざかるため、ノイズなどに起因する距離忠実性に関する精度問題を有する場合がある。このため、ここに述べられるさまざまな手法および例において中間タグを使用することは、ターゲットタグを追跡しつつ、長~中距離感知のための高まった距離忠実性を得ることに関する問題を減少させる。
【0024】
例は、長距離感知のための距離忠実性を高めるために使用され得る、ターゲットタグへの経路と、さまざまな中間タグを通る、ターゲットタグ(たとえばターゲットタグ154)への複数の経路とを含み得る。図1Bについての例では、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス102からターゲットタグ154までの方向および距離についての向上した推定値を決定するために、ターゲットタグ154への1つの直接経路と、ターゲットタグ154への2つの中間タグ経路とを使用する。
【0025】
たとえば、無線送受信機105は、コンピューティングデバイス102に対するターゲットタグ154の位置を特定するために、ターゲット識別子120を含むデータフレーム118を、メッセージ132で、無線通信チャネル(たとえばUWB)を介して中間タグ150および152とターゲットタグ154とにブロードキャストし得る。ターゲット識別子120を含むデータフレーム118は、ターゲットタグ154のみがターゲット識別子に基づいてメッセージ132を復号してそれに応答し得るように、暗号化され得る。言い換えれば、ターゲットタグ識別子120は、ターゲットタグ114がメッセージ132の意図された受け手であるということを、ターゲットタグ114に信号で伝えるように構成される。
【0026】
一例では、ターゲットタグ154は、第1ホップでメッセージ132を受信する。これに応答して、ターゲットタグ154はターゲット応答160を、無線送受信機105を通してロケータアプリケーション106に通信する。ターゲット応答160は、コンピューティングデバイス102からターゲットタグ154までの直接ターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含み得る。直接ターゲットホップは、コンピューティングデバイス102の直接的な第1ホップであるため、ターゲットタグ方向も、図1Aに関して上述されたように、ターゲット応答160に基づいて(たとえば、RTTアルゴリズムを使用して)導き出され得る。
【0027】
第1の中間タグ経路では、中間タグ150は、第1ホップでメッセージ132を受信し、ターゲットホップで、ターゲット識別子120を含むメッセージ132の少なくとも一部をターゲットタグ154に通信する。中間タグ150は、少なくとも中間タグ150とターゲットタグ154との間のターゲットホップ距離を決定するための距離データを含むターゲット応答162を受信する。中間タグ150は、中間応答164を、無線送受信機105を通してロケータアプリケーション106に通信する。中間応答164は、ターゲットホップ距離と、コンピューティングデバイス102から中間タグ150までの第1ホップ距離とに関連付けられた距離データを含み得る。別の例では、第1ホップ距離の距離データを含む中間応答164が、ターゲットホップの送信に先立って、コンピューティングデバイス102に通信される。すなわち、ターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含むターゲット応答162を得た後で、別の中間応答164がコンピューティングデバイス102に通信され得る。
【0028】
図1Bの例における第2の中間タグ経路は、中間タグ152を通ってターゲットタグ154に向かう。中間タグ152は、第1ホップでメッセージ132を受信する。中間タグ112は、ターゲットタグ154への、ターゲット識別子120を含むメッセージ132の少なくとも一部のその通信に基づいて、ターゲットホップでターゲットタグ154に到達する。中間タグ152は、少なくとも中間タグ152とターゲットタグ154との間のターゲットホップ距離を決定するための距離データを含むターゲット応答166を受信する。中間タグ152は、ターゲットホップ距離と第1ホップ距離とに関連付けられた距離データを含む中間応答168を、無線送受信機105を通してロケータアプリケーション106に通信する。
【0029】
ロケータアプリケーション106は、中間応答164、中間応答168、および、ターゲットタグ154から直接来るターゲット応答160に基づいて、コンピューティングデバイス102と中間タグ150、中間タグ152、およびターゲットタグ154との間の各第1ホップ応答方向を決定し得る。図1Aに関して上述されたように、コンピューティングデバイス102、および、いくつかの例では中間タグのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイス102に対する各第1ホップ応答および直接ターゲットホップ応答の(たとえばAoAを介する)方向を決定し得る。
【0030】
コンピューティングデバイス102のロケータアプリケーション106は、受信された中間応答、ターゲット応答160、決定された第1ホップ応答方向、および直接ターゲットホップ方向に基づいて、コンピューティングデバイス102からターゲットタグ154までの修正されたターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定し得る。また、図1Aに関して上述されたように、ターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定することは、ロケータアプリケーション106が、精度を高めるために、各経路項に重みを適用する損失関数アルゴリズムを適用することを含み得る。
【0031】
一例では、ロケータアプリケーション106は、結果をディスプレイ104に出力し得る。たとえば、ロケータアプリケーション106は、ここに述べられる手法および例で述べられるように、ターゲットタグ154と中間タグ150および152とに基づいて、決定されたターゲット距離およびターゲット方向を使用して、物体(たとえば、車両、バックパック、または別のコンピューティングデバイス)までのマップ、格子、または座標といったナビゲーションデータを、コンピューティングデバイス102のユーザに提供するためのマッピングまたはプロッティング機能を含み得る。
【0032】
図2は、本開示の1つ以上の局面に従った、例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図である。図2は、図1Aおよび図1Bに示されたようなコンピューティングデバイス102のほんの一例を示す。他の事例では、コンピューティングデバイス102の多くの他の例が使用されてもよく、例示的なコンピューティングデバイス202に含まれるコンポーネントの一部を含んでいてもよく、または、図2に示されない追加のコンポーネントを含んでいてもよい。
【0033】
図2の例で示されるように、コンピューティングデバイス202は、1つ以上のプロセッサ208と、ユーザインターフェイスコンポーネント(user interface component:UIC)203などの1つ以上の入力/出力コンポーネントと、1つ以上の通信ユニット210と、1つ以上のストレージデバイス207とを含む。コンピューティングデバイス202のストレージデバイス207は、ロケータアプリケーション206アプリケーションと、オペレーティングシステム214とを含み得る。UIC203は、ディスプレイ204とI/O(入力/出力)デバイス212とを含み、通信ユニット210は、無線送受信機205を含み得る。コンピューティングデバイス202の1つ以上の通信ユニット210は、たとえば、コンピューティングデバイス202でデータをたとえばロケータアプリケーション206ならびに中間タグおよびターゲットタグ(たとえば、中間タグ150およびターゲットタグ154)に送信し、および/またはそれらから受信することによって、外部デバイスと通信し得る。コンピューティングデバイス202は、セルラーネットワークなどの無線ネットワーク上でデータを含む無線信号を送信および/または受信するために、または、データフレームとパケットとを含む無線信号を送信および受信するために、通信ユニット210を使用し得る。例示的な通信ユニット210は、ネットワークインターフェイスカード(たとえば、イーサネット(登録商標)カードなど)、光学送受信機、無線周波数送受信機、GPS受信機、もしくは、情報を送信および/または受信できる任意の他のタイプのデバイスを含む。通信ユニット210の他の例は、モバイルデバイスなどのコンピューティングデバイスで見られ得る、ウルトラワイドバンド(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、GPS、3G、4G、およびWi-Fi(登録商標)などを送信および受信するように構成されたデバイスであり得る。
【0034】
図2の例で示されるように、通信チャネル232が、コンポーネントの各々を、コンポーネント間通信のために、図示されるように(物理的に、通信可能に、および/または動作可能に)相互接続し得る。いくつかの例では、通信チャネル232は、システムバス、(たとえば、上述されるような無線接続への)ネットワーク接続、1つ以上のプロセス間通信データ構造、もしくは、ハードウェアおよび/またはソフトウェア間でローカルにまたはリモートでデータを通信するための任意の他のコンポーネントを含み得る。
【0035】
コンピューティングデバイス202内の1つ以上のストレージデバイス207は、ここに述べられるような中間応答およびターゲット応答に関連付けられたデータといった情報を、コンピューティングデバイス202の動作中に処理するために格納し得る。いくつかの例では、ストレージデバイス207のうちの1つ以上のストレージデバイスは、揮発性または一時的メモリであり得る。揮発性メモリの例は、ランダムアクセスメモリ(random access memories:RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memories:DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memories:SRAM)、および、当該技術分野において公知の他の形式の揮発性メモリを含む。ストレージデバイス207はまた、いくつかの例では、1つ以上のコンピュータ読取可能記憶媒体を含み得る。ストレージデバイス207は、揮発性メモリに比べ、より大きい情報量を、より長い期間の間、不揮発性メモリに格納するように構成され得る。不揮発性メモリの例は、磁気ハードディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュメモリ、もしくは、電気的プログラマブルメモリ(electrically programmable memories:EPROM)または電気的消去可能プログラマブル(electrically erasable and programmable:EEPROM)メモリの形式を含む。ストレージデバイス207は、オペレーティングシステム214およびロケータアプリケーション206に関連付けられたプログラム命令および/またはデータを格納し得る。
【0036】
コンピューティングデバイス202のUIC203の1つ以上のI/Oデバイス212およびディスプレイ204は、入力を受信し、出力を生成し得る。入力の例は、数例挙げると、触覚入力、音声入力、運動学的入力、および光学入力である。I/Oデバイス212の入力デバイスは、一例では、タッチスクリーン、タッチパッド、マウス、キーボード、音声応答システム、ビデオカメラ、ボタン、コントロールパッド、マイクロホン、もしくは、人間またはマシンからの入力を検出するための任意の他のタイプのデバイスを含み得る。I/Oデバイス212の出力デバイスは、ディスプレイ204に加え、サウンドカード、ビデオグラフィックスアダプタカード、スピーカ、もしくは、人間またはマシンへの出力を生成するための任意の他のタイプのデバイスを含み得る。
【0037】
ロケータアプリケーション206は、コンピューティングデバイス202または1つ以上の他のリモートコンピューティングデバイス(たとえば、クラウドベースのアプリケーション(図示せず))に存在し、そのようなコンピューティングデバイスに対して実行される、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、または、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの組合せを使用して、ここに説明される動作を行ない得る。コンピューティングデバイス202は、1つ以上のプロセッサ208を用いてロケータアプリケーション206を実行してもよく、もしくは、ロケータアプリケーション206のいずれかまたは一部を、基礎となるハードウェアに対して実行される仮想マシンとして、または当該仮想マシン内で実行してもよい。ロケータアプリケーション206はさまざまなやり方で実現されてもよく、たとえば、ロケータアプリケーション206は、ダウンロード可能であるかまたはプリインストールされたアプリケーション、すなわち「アプリ」として実現されてもよい。別の例では、ロケータアプリケーション206は、コンピューティングデバイス202のオペレーティングシステム214の一部として実現されてもよい。この開示の手法を実現するコンピューティングデバイス202の他の例は、図1Aおよび図1Bに示されない追加のコンポーネントを含んでいてもよい。
【0038】
1つ以上のプロセッサ208は、コンピューティングデバイス202内で機能性を実現し、および/または、命令を実行し得る。たとえば、1つ以上のプロセッサ208は、ロケータアプリケーション206の機能性を提供する命令を受信し実行して、暗号化されたメッセージを無線信号(たとえばUWB)を介してブロードキャストし、間接経路を介した隣接中間タグからの応答を使用してターゲットタグの位置を特定し、ターゲットタグ距離および範囲を決定するための、ここに説明される1つ以上の動作およびさまざまな機能を行ない得る。
【0039】
図2の例では、1つ以上のプロセッサ208は、コンピューティングデバイス202内で機能性を実現し、および/または、命令を実行し得る。たとえば、1つ以上のプロセッサ208は、UIC203、通信ユニット210、および、ロケータアプリケーション206とオペレーティングシステム214とを含む1つ以上のストレージデバイス207の機能性を提供する命令を受信し実行して、ここに説明されるような1つ以上の動作を行ない得る。1つ以上のプロセッサ208は、中央処理装置(central processing unit:CPU)218と、グラフィックス処理装置(graphics processing unit:GPU)220とを含む。GPU220は、たとえばグラフィックスデータをディスプレイ上での提示のために生成して出力するといった、グラフィックス関連機能を行なうように、および、GPU220によって提供された大量の処理並列性を利用する非グラフィックス関連機能を行なうように構成された構成された処理装置であり得る。CPU218およびGPU220の例は、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)、汎用マイクロプロセッサ、テンソル処理装置(tensor processing unit:TPU);ニューラル処理装置(neural processing unit:NPU);ニューラル処理エンジン;CPU、VPU、GPU、TPU、NPU、または他の処理デバイスのコア、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)、フィールドプログラマブル論理アレイ(field programmable logic array:FPGA)、もしくは、他の同等の集積または離散論理回路、もしくは、他の同等の集積または離散論理回路を含むものの、それらに限定されない。
【0040】
コンピューティングデバイス202のUIC203は、たとえば、ロケータアプリケーション206の実行に関連付けられた入力を受信し、出力を表示するために、コンピューティングデバイス202のための入力デバイスとして、および、出力デバイスとして機能し得る。たとえば、UIC203のディスプレイ204は、抵抗式タッチスクリーン、表面音響波タッチスクリーン、静電容量式タッチスクリーン、投影型静電容量式タッチスクリーン、感圧式スクリーン、音響パルス認識タッチスクリーン、または別の存在感知式スクリーン技術を使用する入力デバイスとして機能し得る。また、UIC203のディスプレイ204は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)、ドットマトリックスディスプレイ、発光ダイオード(light emitting diode:LED)ディスプレイ、マイクロLED、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode:OLED)ディスプレイ、電子インク、もしくは、コンピューティングデバイス202のユーザに可視情報を出力することができる同様のモノクロまたはカラーディスプレイのうちのいずれか1つ以上を使用する出力デバイスとして機能し得る。
【0041】
いくつかの例では、ディスプレイ204は、コンピューティングデバイス202のユーザから触覚ユーザ入力を受信する存在感知式スクリーンであり得る。UIC203は、コンピューティングデバイス202のユーザからの1つ以上のタップおよび/またはジェスチャー(たとえば、ユーザが指かスタイラスペンでUIC203の1つ以上の位置を触るかまたは指すこと)を検出することによって、触覚ユーザ入力を受信し得る。UIC203の存在感知式スクリーンは、ユーザに出力を提示し得る。UIC203は出力をユーザインターフェイスとして提示してもよく、ユーザインターフェイスは、コンピューティングデバイス202によって提供される機能性に関連していてもよい。たとえば、UIC203は、電子メッセージアプリケーション、メッセージングアプリケーション、マップアプリケーションなどといった、コンピューティングデバイス202上で実行されるさまざまな機能およびアプリケーションを提示してもよい。
【0042】
一例では、ロケータアプリケーション206は、(たとえば、ユーザがディスプレイ204上のある位置で1つ以上のジェスチャーを提供する際に)UIC203のディスプレイ204で検出された入力データを、物体に関連付けられたターゲットタグの位置を特定することを求める、ロケータアプリケーション206への要求として解釈し得る。これに応答して、たとえば、無線送受信機205は、データフレームとターゲット識別子とを含むメッセージを、無線通信チャネル(たとえばUWB)を介して中間タグに、および、場合によってはターゲットタグにブロードキャストし得る。ロケータアプリケーション206は次に、図1Aおよび図1Bに関して上に詳述されたように、中間応答およびターゲット応答(範囲内にある場合)の形をした中間タグおよび/またはターゲットタグデータを、無線送受信機205を介して受信し得る。
【0043】
ロケータアプリケーション206は、受信された中間応答およびターゲット応答に基づいて、コンピューティングデバイスと各中間タグおよびターゲットタグ(範囲内にある場合)との間の各第1ホップ応答方向を決定し得る。図1Aおよび図1Bに関して上述されたように、コンピューティングデバイス202、および、いくつかの例では中間タグのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイス202に対する各第1ホップ応答および直接ターゲットホップ応答の(たとえばAoAを介する)方向を決定し得る。
【0044】
コンピューティングデバイス202のロケータアプリケーション206は、受信された中間応答、ターゲット応答、決定された第1ホップ応答方向、および直接ターゲットホップ方向(ターゲットタグが無線送受信機205の範囲内にある場合)に基づいて、コンピューティングデバイス202からターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定し得る。
【0045】
一例では、ロケータアプリケーション206は、結果をディスプレイ204に出力し得る。たとえば、ロケータアプリケーション206は、ここに述べられる手法および例で述べられるように、ターゲットタグと中間タグとに基づいて、決定されたターゲット距離およびターゲット方向を使用して、物体(たとえば、車両、バックパック、または別のコンピューティングデバイス)までのマップ、格子、または座標といったナビゲーションデータを、コンピューティングデバイス202のユーザに提供するためのマッピングまたはプロッティング機能を含み得る。
【0046】
ここに述べられるシステムが、ユーザに関する個人情報(すなわちデータ)をそれが含む程度まで収集し、中間タグの使用および位置データといったユーザの個人情報を利用し得る状況では、ユーザには、プログラムまたは特徴がユーザの情報(たとえば、ユーザの現在の位置に関する情報)を収集するかどうか、および、どの程度収集するかを制御するための機会が提供され得る。加えて、あるデータは、それが格納または使用される前に、個人識別可能情報が除去されるように、1つ以上のやり方で処理され得る。たとえば、ユーザについての個人識別可能情報を判断できないように、ユーザのアイデンティティが処理されてもよく、もしくは、(市、郵便番号、または州などのレベルまで)位置情報が得られる場合、ユーザの特定の位置を判断できないように、ユーザの地理的位置が一般化されてもよい。このため、ここで説明されるように、ユーザは、ユーザに関する情報がコンピューティングデバイス102によってどのように収集され使用されるかに対する制御を有し得る。
【0047】
図3は、本開示の1つ以上の局面に従った、ハンドヘルドデバイスの形をしたコンピューティングデバイス302と、複数の中間無線タグと、無線ターゲットタグとを含む、駐車場を示す図である。コンピューティングデバイス302は、この例では、上述の図1B図1B、および図2に関して説明されたようなコンピューティングデバイス102および202のコンポーネントをすべて含み、ディスプレイ304を含む。
【0048】
図3の例で示されるように、図は、ターゲットタグ314を含むユーザ自動車376と、中間タグ312を含む自動車374と、中間タグ308を含む自動車370と、中間タグ311を含む自動車378と、中間タグ310を含む自動車372とを含む。一例では、コンピューティングデバイス302は、ユーザ自動車376に関連付けられたターゲットタグ314の位置を特定するためにロケータアプリケーション(たとえばロケータアプリケーション106)の実行を開始する、上述のような入力を受信し得る。一例では、デバイス302は、データフレームとターゲット識別子とを含むメッセージを無線通信チャネル(たとえばUWB)を介して中間タグに、および、場合によってはターゲットタグ(範囲内にある場合)にブロードキャストすることによって、ターゲットタグ314の位置を特定するための動作および機能を行なう。ロケータアプリケーション106(図示せず)は次に、図1Aおよび図1Bに関して上に詳述されたように、ならびに、第1ホップ、第2ホップ、ターゲットホップ、および直接ターゲットホップ(範囲内にある場合)としてここに示されるように、中間応答およびターゲット応答(範囲内にある場合)の形をした中間タグおよび/またはターゲットタグデータを、無線送受信機205を介して受信し得る。
【0049】
上述されたように、コンピューティングデバイス302のロケータアプリケーション106は、コンピューティングデバイス302と各中間タグ312~320およびターゲットタグ314(範囲内にある場合)との間の各第1ホップ応答方向を決定し得る。各第1ホップ方向はそれぞれ、中間タグ308~212からの受信された中間応答と、ターゲットタグ314からのターゲット応答とに基づいている。
【0050】
コンピューティングデバイス302は、少なくとも中間タグ311の方向または距離のうちの1つに基づいて、ターゲットタグ314の位置を決定する際に中間タグ311が使用されないであろうと判断し得る。図3に示されるような例では、コンピューティングデバイス302は、中間タグ311がターゲットタグ314に対して反対方向にあると判断し、このため、ターゲットタグ314までの距離および方向を決定する際に中間タグ311を除外する。別の例では、コンピューティングデバイス302は、中間タグ(たとえば中間タグ311)からターゲットタグ314またはコンピューティングデバイス302のうちの少なくとも1つまでの距離がしきい値距離を上回ると判断し得る。これに応答して、コンピューティングデバイス302は、ターゲットタグ114までの距離および方向の決定の際に中間タグを除外し得る。
【0051】
コンピューティングデバイス302は、コンピューティングデバイス302からターゲットタグ314までのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を、(第1ホップを介する)中間タグ316および318からの受信された中間応答と、(第2ホップを介して中間タグ308を通る)中間タグ310と、ターゲットタグ314からのターゲット応答(範囲内にある場合)と、決定された第1ホップ応答方向と、直接ターゲットホップ方向(範囲内にある場合)とに基づいて決定し得る。図1Aに関して上述されたように、コンピューティングデバイス302は、ターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定する一環として精度を高めるために、各経路項に重みを適用する損失関数アルゴリズムを適用し得る。
【0052】
一例では、コンピューティングデバイス302で実行されるロケータアプリケーションは、コンピューティングデバイス302のディスプレイに、位置特定プロセスの結果を表示させ得る。たとえば、コンピューティングデバイス302は、ユーザ自動車376までのマップ、格子、または座標といったナビゲーションデータを、コンピューティングデバイス302のユーザに提供するためのマッピングまたはプロッティング機能を含むディスプレイ304上に、グラフィカルユーザインターフェイスを表示し得る。
【0053】
図4は、コンピューティングデバイスがターゲットタグに近接する隣接中間タグと通信することによってターゲットタグの位置を特定するための例示的な動作モードを示すフローチャートである。図4は、図1Aおよび図1B図2のコンピューティングデバイス202、ならびに、図3のコンピューティングデバイス302の情況において、以下に説明される。図4に示すように、コンピューティングデバイス202は、ターゲットタグ(たとえばターゲットタグ114)の位置を特定するために、無線信号を介してメッセージ(たとえばメッセージ122)をブロードキャストし得る(402)。コンピューティングデバイス202は、ブロードキャストされたメッセージに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答(たとえば中間応答144および148)を受信し得る(404)。コンピューティングデバイスは、複数の中間応答に基づいて、1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグ(たとえば中間タグ108および112)までの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定し得る(406)。コンピューティングデバイスは、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定し、1つ以上の中間タグからの複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含み得る(408)。
【0054】
この開示は、以下の例を含む。
例1:ターゲットタグの位置を特定するために、コンピューティングデバイスが、無線信号を介してメッセージをブロードキャストするステップと、ブロードキャストされたメッセージに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答を受信するステップと、コンピューティングデバイスが、複数の中間応答に基づいて、1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグまでの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定するステップと、コンピューティングデバイスが、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するステップとを含み、1つ以上の中間タグからの複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含む、方法。
【0055】
例2:メッセージに応答して、ターゲットタグから距離データを含むターゲット応答を受信するステップと、コンピューティングデバイスが、ターゲット応答と1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するステップとをさらに含む、例1に記載の方法。
【0056】
例3:コンピューティングデバイスが、コンピューティングデバイスからのターゲットタグ距離と各第1ホップ距離とを、コンピューティングデバイスとターゲットタグおよび各第1ホップ中間タグとの間の無線信号の対応する往復時間(RTT)に基づいて決定するステップをさらに含む、例1~2のいずれか1つに記載の方法。
【0057】
例4:コンピューティングデバイスが、距離データを用いて、各中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離を、各中間タグからターゲットタグまでの第2の無線信号の往復時間(RTT)に基づいて決定するステップをさらに含む、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0058】
例5:無線信号は第1の無線信号であり、方法はさらに、メッセージを暗号化するステップを含み、暗号化されたメッセージは、第2の無線信号を介して第2のメッセージを送信するために各中間タグによって使用され、ターゲットタグとのみ通信するように構成された、ターゲットタグ識別子を含む、例1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
例6:ターゲットタグから複数の中間タグの各々までのしきい値距離、または、コンピューティングデバイスから複数の中間タグの各々までの方向のうちの少なくとも1つに基づいてターゲットタグ距離を決定するために、複数の中間タグから2つ以上の中間タグを選択するステップをさらに含む、例1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
例7:中間タグのうちの1つ以上についての中間応答はさらに、各第1ホップ中間タグから第2ホップ中間タグまでの第3ホップ距離と、第2中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離とに関連付けられた距離データを含む、例1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
例8:ターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するステップはさらに、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答に基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するステップを含み、中間応答は、1つ以上の中間タグから別の中間タグおよびターゲットタグまでの方向を含む、例1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
例9:無線信号および第2の無線信号は、ウルトラワイドバンド(UWB)信号である、例1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
例10:1つ以上の中間経路が、コンピューティングデバイスとターゲットタグとの間の1つ以上の中間タグと、コンピューティングデバイスからターゲットタグへの直接経路とを含み、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するステップはさらに、ターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するために、コンピューティングデバイスが、式損失関数アルゴリズムの各項に重みを適用する損失関数アルゴリズムを適用するステップを含み、式の各項は、ターゲットタグへの1つ以上の中間経路のうちの各中間経路、または、ターゲットタグへの直接経路のうちの少なくとも1つを表わす、例1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
例11:コンピューティングデバイスであって、ターゲットタグの位置を特定するために、無線信号を介してメッセージをブロードキャストするための無線送受信機と、メモリと、メモリに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサとを含み、1つ以上のプロセッサは、ブロードキャストされたメッセージに応答して、1つ以上の中間タグから複数の中間応答を受信し、複数の中間応答に基づいて、1つ以上の中間タグのうちの少なくとも1つの第1ホップ中間タグまでの第1ホップ方向および第1ホップ距離を決定し、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答と各第1ホップ方向とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するように構成され、1つ以上の中間タグからの複数の中間応答のうちの少なくとも1つは、中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離に関連付けられた距離データを含む、コンピューティングデバイス。
【0065】
例12:1つ以上のプロセッサはさらに、メッセージに応答して、ターゲットタグから距離データを含むターゲット応答を受信し、ターゲット応答と1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答とに基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するように構成される、例11に記載のコンピューティングデバイス。
【0066】
例13:1つ以上のプロセッサはさらに、コンピューティングデバイスからのターゲットタグ距離と各第1ホップ距離とを、コンピューティングデバイスとターゲットタグおよび各第1ホップ中間タグとの間の無線信号の対応する往復時間(RTT)に基づいて決定するように構成される。例12のいずれか1つに記載のコンピューティングデバイス。
【0067】
例14:1つ以上のプロセッサはさらに、距離データを用いて、各中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離を、各中間タグからターゲットタグまでの第2の無線信号の往復時間(RTT)に基づいて決定するように構成される、例12に記載のコンピューティングデバイス。
【0068】
例15:1つ以上のプロセッサはさらに、メッセージを暗号化するように構成され、暗号化されたメッセージは、第2の無線信号を介して第2のメッセージを送信するために各中間タグによって使用され、ターゲットタグとのみ通信するように構成された、ターゲットタグ識別子を含む、例12に記載のコンピューティングデバイス。
【0069】
例16:1つ以上のプロセッサはさらに、ターゲットタグから複数の中間タグの各々までのしきい値距離、または、コンピューティングデバイスから複数の中間タグの各々までの方向のうちの少なくとも1つに基づいてターゲットタグ距離を決定するために、複数の中間タグから2つ以上の中間タグを選択するように構成される、例12~15のいずれか1つに記載のコンピューティングデバイス。
【0070】
例17:中間タグのうちの1つ以上についての中間応答はさらに、各第1ホップ中間タグから第2ホップ中間タグまでの第3ホップ距離と、第2中間タグからターゲットタグまでのターゲットホップ距離とに関連付けられた距離データを含む、例12~16のいずれか1つに記載のコンピューティングデバイス。
【0071】
例18:ターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するために、1つ以上のプロセッサはさらに、1つ以上の中間タグの各々からの複数の中間応答に基づいて、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するように構成され、中間応答は、1つ以上の中間タグから別の中間タグおよびターゲットタグまでの方向を含む、例12~16のいずれか1つに記載のコンピューティングデバイス。
【0072】
例19:無線信号および第2の無線信号は、ウルトラワイドバンド(UWB)信号である、例11~18のいずれか1つに記載のコンピューティングデバイス。
【0073】
例20:1つ以上の中間経路が、コンピューティングデバイスとターゲットタグとの間の1つ以上の中間タグと、コンピューティングデバイスからターゲットタグへの直接経路とを含み、コンピューティングデバイスからターゲットタグまでのターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するために、1つ以上のプロセッサはさらに、ターゲットタグ距離およびターゲットタグ方向を決定するために、式損失関数アルゴリズムの各項に重みを適用する損失関数アルゴリズムを適用するように構成され、式の各項は、ターゲットタグへの1つ以上の中間経路のうちの各中間経路、または、ターゲットタグへの直接経路のうちの少なくとも1つを表わす、例19に記載のコンピューティングデバイス。
【0074】
例21:コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサに、例1~10のいずれか1つに記載の方法を行なわせる命令で符号化された、コンピュータ読取可能記憶媒体。
【0075】
例22:例1~10のいずれか1つに記載の方法を行なうための手段を含む、コンピューティングデバイス。
【0076】
限定のためではなく例示のために、そのようなコンピュータ読取可能記憶媒体は、所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形式で格納するために使用され、コンピュータによってアクセスされ得る、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリ、または任意の他の記憶媒体を含み得る。また、任意の接続が、適切にコンピュータ読取可能媒体と称される。たとえば、命令が、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(digital subscriber line:DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、当該同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ読取可能記憶媒体およびデータストレージ媒体は、接続部、搬送波、信号、または他の一時的媒体を含まず、代わりに、非一時的な有形的記憶媒体に向けられる、ということが理解されるべきである。ここに使用されるようなディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc:CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc:DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上述のものの組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0077】
この開示で説明された手法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで、少なくとも部分的に実現され得る。たとえば、説明された手法のさまざまな局面は、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable logic array:FPGA)、もしくは、任意の他の同等の集積または離散論理回路、および、そのようなコンポーネントの任意の組合せを含む、1つ以上のプロセッサ内で実現され得る。「プロセッサ」または「処理回路」という用語は一般に、単独の、または他の論理回路と組合された、前述の論理回路のうちのいずれか、もしくは、任意の他の同等の回路を指し得る。ハードウェアを含む制御ユニットも、この開示の手法のうちの1つ以上を行ない得る。
【0078】
そのようなハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアは、この開示で説明されたさまざまな手法をサポートするために、同じデバイス内または別々のデバイス内で実現され得る。加えて、説明されたユニット、モジュール、またはコンポーネントのいずれも、離散的であるものの相互動作可能な論理デバイスとして、ともにまたは別々に実現され得る。異なる特徴をモジュールまたはユニットとして表現することは、異なる機能的局面を強調するよう意図されており、そのようなモジュールまたはユニットが別々のハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアコンポーネントによって実現されなければならないことを必ずしも暗示していない。むしろ、1つ以上のモジュールまたはユニットに関連付けられた機能性は、別々のハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアコンポーネントによって行なわれてもよく、もしくは、共通のまたは別個のハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアコンポーネント内で集積されてもよい。
【0079】
この発明のさまざまな例が説明された。これらのおよび他の例は、請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図2
図3
図4