IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オートリブ ディベロップメント エービーの特許一覧

<>
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図1
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図2
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図3
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図4
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図5
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図6
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図7
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図8
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図9
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図10
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図11
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図12
  • 特許-ニーエアバッグ装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】ニーエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/2338 20110101AFI20240809BHJP
   B60R 21/201 20110101ALI20240809BHJP
   B60R 21/206 20110101ALI20240809BHJP
   B60R 21/2165 20110101ALI20240809BHJP
【FI】
B60R21/2338
B60R21/201
B60R21/206
B60R21/2165
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022579451
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2022002419
(87)【国際公開番号】W WO2022168656
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】P 2021015436
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110003155
【氏名又は名称】弁理士法人バリュープラス
(72)【発明者】
【氏名】大篠 真樹
(72)【発明者】
【氏名】堀田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔太
(72)【発明者】
【氏名】荒井 聡
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/050009(WO,A1)
【文献】特開2000-247199(JP,A)
【文献】特開2007-045241(JP,A)
【文献】特開2010-274840(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0152842(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/206,21/2338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員の膝部を保護するためのニーエアバッグ装置であって、
乗員の膝部の前方に収納され、前記膝部側に向かって膨張展開するエアバッグクッションと、
前記エアバッグクッションを膨張させる膨張ガスを噴射するインフレータと、
前記エアバッグクッションを収納し、前記膨張ガスにより膨張展開するエアバッグクッションが飛び出す開口部が形成された収納ケースと、
前記収納ケース内に前記エアバッグクッションが保持されるように、前記開口部から露出するエアバッグクッションを覆い、前記膨張展開中の前記エアバッグクッションにより押されると破断する第1脆弱部を有する第1フラップと、
前記第1フラップよりも長さ方向の寸法が大きく、前記エアバッグクッションの横方向の中央部を上下方向又は前後方向に横断するように前記第1フラップの外面を覆う部品であって、前記第1脆弱部の破綻後に前記エアバッグクッションにより押されると破断する第2脆弱部を有する第2フラップとを備え
前記収納ケースに収納された状態の前記エアバッグクッションに対し、前記第1フラップと前記第2フラップが、2重に設けられている、ニーエアバッグ装置。
【請求項2】
前記第2フラップのうち前記中央部を横断する横断部において幅方向の両側に、前記幅方向の中央に向かって凹む切り欠きが形成されている、請求項1に記載のニーエアバッグ装置。
【請求項3】
前記切り欠きは、前記開口部の正面視において、前記幅方向の中央に向かって曲線状に凹む形状に形成されている、請求項2に記載のニーエアバッグ装置。
【請求項4】
前記第2フラップは、該第2フラップを車両側に取り付けるための一対の取付部と、前記一対の取付部間を延びて前記中央部を横断する横断部とを有し、
前記一対の取付部の一方は、前記収納ケースにおいて前記横断部の横断方向の片側に設けられた第1フラップ取付部に取り付けられ、
前記一対の取付部の他方は、前記収納ケースにおける前記横断方向のもう片側に設けられた第2フラップ取付部に取り付けられている、請求項1乃至3の何れか1つに記載のニーエアバッグ装置。
【請求項5】
前記第1フラップ取付部には、前記第1フラップの一端側も取り付けられ、
前記第2フラップ取付部には、前記第1フラップの他端側も取り付けられている、請求項4に記載のニーエアバッグ装置。
【請求項6】
前記第1フラップ取付部及び前記第2フラップ取付部の少なくとも一方は、前記開口部の縁部の近傍に配置されている、請求項4又は5に記載のニーエアバッグ装置。
【請求項7】
前記第2フラップは、前記第1フラップ取付部に取り付けられる第1布と、前記第2フラップ取付部に取り付けられる第2布とが一体化されることにより構成されている、請求項4乃至6の何れか1つに記載のニーエアバッグ装置。
【請求項8】
前記第1フラップは、前記開口部を横断するように設けられ、
前記第1フラップの横断方向において、前記第1脆弱部は、前記開口部の中央又はその近傍に位置している、請求項1乃至7の何れか1つに記載のニーエアバッグ装置。
【請求項9】
前記第2脆弱部は、前記開口部の縁部近傍に位置している、請求項1乃至8の何れか1つに記載のニーエアバッグ装置。
【請求項10】
前記第2フラップでは、前記中央部を横断する横断部に、長さ方向に複数回折り返されて前記横断部同士が互いに重なり合う重複部が設けられている、請求項1乃至9の何れか1つに記載のニーエアバッグ装置。
【請求項11】
前記重複部には、折り返しの状態が保持されるように、互いに重なり合う前記横断部の布を一緒に縫い付ける縫製部が設けられており、
前記縫製部は、前記第2脆弱部よりも先に破断する、請求項10に記載のニーエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員の膝部を保護するためのニーエアバッグ装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の衝突時など車両に衝撃が加わった時に、乗員の膝部を保護するニーエアバッグ装置が知られている。特許文献1には、この種の装置として、膝保護用装置が記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1に記載の膝保護用装置は、エアバッグ及びインフレータを収納するケースと、ケースの車両後方側を覆うカバーとを備え、運転者の膝の前方側のステアリングコラムの下方に搭載されている。この装置では、インフレータから吐出された膨張用ガスがエアバッグ内に流入すると、エアバッグが膨張する。その際、エアバッグは、カバーの扉部を押して破断予定部を破断させ、扉部を開かせる。エアバッグは、コラムカバーの下面に沿うように膨張展開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-205814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ニーエアバッグ装置は、車両のインテリア構造上の制約等により、エアバッグクッションの幅方向の寸法を大きくすることが困難であるために、エアバッグクッションの幅方向の寸法が、乗員の膝間と同程度、又は、膝間よりも小さくなる場合がある。また、乗員の膝前のスペースは、エアバッグクッションの膨張展開スペースとしては比較的狭い。そのため、従来は、乗員の脚部の位置によっては、乗員の膝前でエアバッグクッションが展開できずに膝間に入り込み、所望の拘束性能が発揮されない虞がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、膨張展開時にエアバッグクッションが乗員の膝間に入りにくく、前側から膝部を安定的に拘束できるニーエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するべく、本発明は、乗員の膝部を保護するためのニーエアバッグ装置であって、乗員の膝部の前方に収納され、膝部側に向かって膨張展開するエアバッグクッションと、エアバッグクッションを膨張させる膨張ガスを噴射するインフレータと、エアバッグクッションを収納し、膨張ガスにより膨張展開するエアバッグクッションが飛び出す開口部が形成された収納ケースと、収納ケース内にエアバッグクッションが保持されるように、開口部から露出するエアバッグクッションを覆い、膨張展開中のエアバッグクッションにより押されると破断する第1脆弱部を有する第1フラップと、第1フラップよりも長さ方向の寸法が大きく、エアバッグクッションの横方向の中央部を上下方向又は前後方向に横断するように第1フラップの外面を覆う部品であって、第1脆弱部の破綻後にエアバッグクッションにより押されると破断する第2脆弱部を有する第2フラップとを備えている。なお、「上下方向又は前後方向」について、斜め方向で傾斜角度が45°の場合は、上下方向とも前後方向とも言うことができ、傾斜角度が45°以外の場合は、傾斜角度が0°に近い場合は前後方向と言うことができ、傾斜角度が90°に近い場合は上下方向と言うことができる。
【0008】
本発明について、第2フラップのうち中央部を横断する横断部において幅方向の両側に、幅方向の中央に向かって凹む切り欠きが形成されている構成を採用してもよい。
【0009】
本発明について、切り欠きが、開口部の正面視において、幅方向の中央に向かって曲線状に凹む形状に形成されている構成を採用してもよい。
【0010】
本発明について、第2フラップは、該第2フラップを車両側に取り付けるための一対の取付部と、一対の取付部間を延びて中央部を横断する横断部とを有し、且つ、一対の取付部の一方は、収納ケースにおいて横断部の横断方向の片側に設けられた第1フラップ取付部に取り付けられ、且つ、一対の取付部の他方は、収納ケースにおける横断方向のもう片側に設けられた第2フラップ取付部に取り付けられている構成を採用してもよい。
【0011】
本発明について、第1フラップ取付部には、第1フラップの一端側も取り付けられ、且つ、第2フラップ取付部には、第1フラップの他端側も取り付けられている構成を採用してもよい。
【0012】
本発明について、第1フラップ取付部及び第2フラップ取付部の少なくとも一方は、開口部の縁部の近傍に配置されている構成を採用してもよい。
【0013】
本発明について、第2フラップは、第1フラップ取付部に取り付けられる第1布と、第2フラップ取付部に取り付けられる第2布とが一体化されることにより構成されている構成を採用してもよい。
【0014】
本発明について、第1フラップは、開口部を横断するように設けられ、且つ、第1フラップの横断方向において、第1脆弱部は、開口部の中央又はその近傍の位置している構成を採用してもよい。
【0015】
本発明について、第2脆弱部は、開口部の縁部近傍に位置している構成を採用してもよい。
【0016】
本発明について、第2フラップでは、中央部を横断する横断部に、長さ方向に複数回折り返されて横断部同士が互いに重なり合う重複部が設けられている構成を採用してもよい。
【0017】
本発明について、重複部には、折り返しの状態が保持されるように、互いに重なり合う横断部の布を一緒に縫い付ける縫製部が設けられており、且つ、縫製部は、第2脆弱部よりも先に破断する構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、収納ケース内にエアバッグクッションを保持する第1フラップと、エアバッグクッションの横方向の中央部を上下方向又は前後方向に横断するように第1フラップの外面を覆う第2フラップとが設けられている。インフレータから膨張ガスが噴射されると、エアバッグクッションの膨張展開が開始され、第1フラップが第1脆弱部で破断する。そうすると、第2フラップが広がって第2脆弱部で破断するまでの間、第2フラップによりエアバッグクッションの中央部の展開が抑制される。これにより、エアバッグクッションは、膝部側への展開が抑制され、横方向外側(例えば、車両の左右方向)への展開が促進される。第2フラップを有しないニーエアバッグ装置に比べて、エアバッグクッションは横方向に広がる。
【0019】
また、本発明では、第2フラップに加えて、第1フラップを設けている。ここで、通常、エアバッグクッションは、折り畳まれた圧縮状態で収納ケースに収納される。そのため、仮に第1フラップがない場合、第2フラップは、エアバッグクッションの圧縮反力により押された状態となる。他方、第2フラップの長さは第1フラップよりも長く、例えば折り返し部などの長さ調節部を設けて、比較的緩く張った又は弛ませた状態で取り付けられる。そのため、上述の圧縮反力により押されると、第2フラップがさらに緩み、破断予定位置又はその近傍で第2脆弱部が破断せずに、上述の展開抑制が有効になされない虞がある。それに対し、本発明によれば、第1フラップを設けることで、上述の圧縮反力により第2フラップが押されて緩むことを抑制することができる。従って、膨張展開時にエアバッグクッションが乗員の膝間に入りにくく、前側から膝部を安定的に拘束できるニーエアバッグ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態に係るニーエアバッグ装置が車両に取り付けられた状態を示す概略構成図である。
図2図2は、実施形態に係るニーエアバッグ装置の概略構成図である。
図3図3は、実施形態に係るニーエアバッグ装置について開口部側から見た概略構成図である。
図4図4(a)は、実施形態に係るニーエアバッグ装置の第1フラップの平面図であり、図4(b)は、第2フラップの平面図である。
図5図5は、実施形態に係るニーエアバッグ装置について、第1フラップ及び下部パネルの破断直後の状態を示す概略構成図である。
図6図6は、実施形態に係るニーエアバッグ装置について、エアバッグクッションが乗員の脛部に到達した状態を示す概略構成図である。
図7図7は、実施形態に係るニーエアバッグ装置について、第2脆弱部の破断直後の状態を示す概略構成図である。
図8図8(a)は、実施形態に係るニーエアバッグ装置について、エアバッグクッションの膨張展開が完了した状態を側方から見た図であり、図8(b)は、第2フラップを有しないニーエアバッグ装置について、エアバッグクッションの膨張展開が完了した状態を側方から見た図である。
図9図9(a)は、実施形態に係るニーエアバッグ装置について、エアバッグクッションの膨張展開が完了した状態を上方から見た図であり、図9(b)は、第2フラップを有しないニーエアバッグ装置について、エアバッグクッションの膨張展開が完了した状態を上方から見た図である。
図10図10は、実施形態の第1変形例に係るニーエアバッグ装置について開口部側から見た概略構成図である。
図11図11は、実施形態の第2変形例に係るニーエアバッグ装置について、第1布と第2布を一体化する前の第2フラップの平面図である。
図12図12は、実施形態の第3変形例に係るニーエアバッグ装置の第2フラップの平面図である。
図13図13(a)は、実施形態の第4変形例に係るニーエアバッグ装置が車両に取り付けられた状態を示す概略構成図であり、図13(b)は、ニーエアバッグ装置を拡大させた概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0022】
本実施形態は、自動車などの車両の座席1に着座した乗員5の膝部5aを保護するためのニーエアバッグ装置10である。図1に示すニーエアバッグ装置10は、運転席に対して設けられたものである。但し、ニーエアバッグ装置10は、助手席など他の座席に対して設けてもよい。ニーエアバッグ装置10は、車両のインストルメントパネル8内に配置され、衝突時など車両に衝撃が加わった時にエアバッグクッション11が乗員5側に膨張展開して乗員5の膝部5aを拘束する。
【0023】
なお、本明細書において、「上」、「上側」とは座席1の正規の位置に着座した乗員5の頭部方向を、「下」、「下側」とは乗員5の足元方向を意味する場合がある。ここで、「正規の位置」とは、座席1におけるシートクッション2の左右方向の中心位置で、背もたれ部3に乗員5の背中が上下に亘って接する位置をいう。また、「前」、「前側」とは座席1の正規の位置に着座した乗員5の正面方向を、「後」、「後ろ側」とは乗員5の背面方向を意味する場合がある。また、「左」、「左側」とは座席1の正規の位置に着座した乗員5の左手方向を、「右」、「右側」とは乗員5の右手方向を意味する場合がある。また、乗員5は、WorldSID(国際統一側面衝突ダミー:World Side Impact Dummy)のAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)を想定したものである。
【0024】
[ニーエアバッグ装置の構成]
ニーエアバッグ装置10は、図1に示すように、インストルメントパネル8のうち、乗員5の脛部5bの前方に位置する下部パネル8aの裏側に配置されている。ここで、下部パネル8aは、断面視において前方斜め下に延びている。下部パネル8aの裏面からは、第1取付用部材9a及び第2取付用部材9bが前方に突出している。第1取付用部材9a及び第2取付用部材9bは、板状に形成され、略水平に延びている。第1取付用部材9a及び第2取付用部材9bは、上下方向に間隔を空けて配置されている。ニーエアバッグ装置10は、第1取付用部材9a及び第2取付用部材9bに取り付けられている。
【0025】
ニーエアバッグ装置10は、図2及び図3に示すように、乗員5の膝部5aの前方に収納され膝部5a側に向かって膨張展開するクッション11と、エアバッグクッション11を膨張させる膨張ガスを噴射するインフレータ12と、エアバッグクッション11を収納する収納ケース15と、収納ケース15の開口部16から露出するエアバッグクッション11を覆う第1フラップ(折り畳み保持フラップ)21と、第1フラップ21の外面を被覆する第2フラップ(膝間展開抑制フラップ)22とを備えている。本実施形態では、収納状態のエアバッグクッション11に対し、第1フラップ21と第2フラップ22が、2重に設けられている。
【0026】
収納ケース15は、膨張ガスにより膨張展開するエアバッグクッション11が飛び出す横長の開口部16が形成された箱体である。収納ケース15は、開口部16が下部パネル8aの裏面に臨むように下部パネル8aの裏側に取り付けられている。下部パネル8aの裏面には、エアバッグクッション11の膨張圧により押されて破断する脆弱部8bが形成されている。脆弱部8bは、下部パネル8aにおいて他の部分より強度が弱く、例えば、左右方向に延びる直線状の溝により形成することができる。
【0027】
収納ケース15は、上面板26と、上面板26に対面する下面板27と、上面板26の前端部と下面板27の前端部との間を延びる底面板28と、左右方向において上面板26の端部と下面板27の端部との間を延びる一対の側面板25とを備えた箱体である。開口部16は、断面視において、上面板26の後端部と下面板27の後端部との間に形成されている。上面板26と下面板27は、平面視で矩形状に形成されている。上面板26と下面板27とでは、前後方向の長さが上面板26の方が長い。
【0028】
収納ケース15は、横長の開口部16を有する箱体であり、図3に示すように、下部パネル8aの裏側に取り付けた状態を開口部16側から見た場合において、左右方向の長さは上下方向の長さよりも長い。以下、収納ケース15について、開口部16側から見た正面視における左右方向を長手方向、開口部16側から見た正面視における上下方向を短手方向という場合がある。
【0029】
収納ケース15では、上面板26の外面及び下面板27の外面にそれぞれ、複数のフック26a,27aが設けられている。各フック26a,27aは、先端が底面板28側(前方)を向くように形成され(図2参照)、開口部16の縁部の外側近傍に配置されている。収納ケース15は、上面板26の複数のフック26aにより第1取付用部材9aに取り付けられ、下面板27の複数のフック27aにより第2取付用部材9bに取り付けられている。第1取付用部材9aには、取付時に複数のフック26aが挿通される複数の貫通孔(図示省略)が形成されている。第2取付用部材9bには、取付時に複数のフック27aが挿通される複数の貫通孔(図示省略)が形成されている。
【0030】
なお、上面板26の複数のフック26aは、第2フラップ22の第1取付部36が取り付けられる第1フラップ取付部を構成している。下面板27の複数のフック27aは、第2フラップ22の第2取付部37が取り付けられる第2フラップ取付部を構成している。第1フラップ取付部である複数のフック26aには、第1フラップ21の一端側も取り付けられ、第2フラップ取付部である複数のフック27aには、第1フラップ21の他端側も取り付けられる。本実施形態では、各フック26a,27aが開口部16の縁部の外側近傍に配置されているため、各フラップ21,22の取り付けが容易である。
【0031】
底面板28には、スタッドボルト29により、エアバッグクッション11とインフレータ12と整流板13とが取り付けられている。インフレータ12と整流板13は、エアバッグクッション11の内側に配置されている。インフレータ12は、整流板13内に配置されている。整流板13は、インフレータ12から噴射されたガスの流れを、エアバッグクッション11のバッグ本体部11a側に整流する板材である。整流板13は、スタッドボルト29による取付箇所からバッグ本体部11a側に向かって広がっている。
【0032】
収納状態のエアバッグクッション11は、折り畳まれた状態で収納ケース15内の開口部16側に配置されたバッグ本体部11aと、バッグ本体部11aから底面板28側に延びるバッグ端部11bとを備えている(図2参照)。バッグ本体部11aは、断面視において、開口部16から少しはみ出している。バッグ本体部11aは、第1フラップ21により収納ケース15内に押し留められている。エアバッグクッション11では、バッグ端部11bがスタッドボルト29により底面板28に固定されている。
【0033】
第1フラップ21と第2フラップ22の構成を更に詳しく説明する。図4(a)及び図4(b)は、第1フラップ21、第2フラップ22を、それぞれ広げて平坦面に平置きにした状態を示している。
【0034】
第1フラップ21は、図4(a)に示すように、幅方向と長さ方向に、それぞれ所要の長さを有する帯状の布材である。ここで、第1フラップ21の幅方向とは、第1フラップ21を収納ケース15に取り付けるときに、収納ケース15の長手方向と向きを揃える方向である。第1フラップ21の長さ方向とは、第1フラップ21を収納ケース15に取り付けるときに、収納ケース15の短手方向と向きを揃える方向である。これら幅方向及び長さ方向に関する定義は、図4(b)に示すように、第2フラップ22についても同じである。
【0035】
第1フラップ21は、収納状態のエアバッグクッション11の位置及び形状を保持するための布材(例えば、非ストレッチ素材)である。第1フラップ21は、図4(a)に示すように、真っすぐな帯状に形成されている。第1フラップ21の幅は一定である。第1フラップ21の長さは、収納ケース15の短手方向の寸法と概ね同じ長さである。ここで「概ね同じ長さ」とは、収納ケース15の短手方向の寸法に対して+10%以内の範囲である。第1フラップ21は、開口部16を覆うように設けられて収納ケース15内にエアバッグクッション11を保持する。
【0036】
第1フラップ21の各端部には、幅方向に並ぶ複数の貫通孔21a,21bが形成されている。第1フラップ21は、一端部の複数の貫通孔21aに上面板26の複数のフック26aを挿通させ、他端部の複数の貫通孔21bに下面板27の複数のフック27aを挿通させることにより、収納ケース15に取り付けられている。第1フラップ21は、収納状態のエアバッグクッション11の後部に接触するように開口部16を上下方向(短手方向)に横断している。
【0037】
第1フラップ21は、エアバッグクッション11により押されると破断する第1脆弱部31を有する。第1脆弱部31は、複数のスリット31aにより構成されている。各スリット31aは、細長い貫通孔であり、第1フラップ21の幅方向に延びている。複数のスリット31aは、第1フラップ21の幅方向に距離を隔てて並んでいる。第1フラップ21では、第1脆弱部31の強度が他の部分よりも弱く、膨張展開中のエアバッグクッション11により押されると、第1脆弱部31が破断する。第1フラップ21が収納ケース15に取り付けられた状態では、開口部16の短手方向(横断方向)において開口部16の中央又はその近傍に、第1脆弱部31は位置している。そのため、エアバッグクッション11の膨張展開開始から速やかに第1脆弱部31が破断する。
【0038】
第2フラップ22は、膨張展開するエアバッグクッション11のうち中央部11c(図3参照)の乗員5側への展開を一時的に規制するための布材(例えば、非ストレッチ素材又はストレッチ素材)である。第2フラップ22は、1枚の布材により構成されている。第2フラップ22は、図4(b)に示すように、真っ直ぐな帯状に形成されている。第2フラップ22は、エアバッグクッション11の横方向の中央部11cを開口部16の短手方向(上下方向)に横断するように、第1フラップ21の外面を覆う。
【0039】
第2フラップ22は、複数の貫通孔22aが形成された第1取付部36と、複数の貫通孔22bが形成された第2取付部37と、一対の取付部36,37間を延びてエアバッグクッション11の中央部11cを横断する横断部38とを有する。第2フラップ22は、第1取付部36の複数の貫通孔22aに上面板26の複数のフック26aを挿通させ、第2取付部37の複数の貫通孔22bに下面板27の複数のフック27aを挿通させることにより、収納ケース15に取り付けられている。なお、第2フラップ22の貫通孔22a,22bは、第1フラップ21の貫通孔21a,21bよりも大きい。そのため、収納ケース15への第2フラップ22の取り付けが容易である。
【0040】
横断部38の幅方向の両側には、幅方向の中心位置を通る中心線に対して対称に、幅方向の中央に向かって凹む一対の切り欠き39が形成されている。各切り欠き39は、第2フラップ22の幅方向に上底と下底が対向して幅方向の中央側に向かって窄まる略等脚台形状に形成されている。収納ケース15に第2フラップ22を取り付けた状態での開口部16の正面視では、各切り欠き39が、幅方向の中央に向かって曲線状に凹む形状を有する(図3参照)。横断部38は、幅が一定の横断部本体38aと、横断部本体38aの各端に連続して取付部36,37に近づくに従って幅が広くなる一対の接続部38bとにより構成されている。
【0041】
第2フラップ22は、その長さ方向に複数回(偶数回)折り返されて横断部38同士が互いに重なり合う重複部40を設けることで(図2参照)、第1フラップ21と略同じ長さに調節されている。重複部40を設ける前の第2フラップ22は、長さ方向の寸法が、第1フラップ21よりも大きい。第2フラップ22の長さ方向の寸法は、好ましくは、第1フラップ21の長さ方向の寸法の1.2倍以上であり、さらに好ましくは1.8倍以上(例えば、2倍)である。重複部40には、折り返しの状態を保持する保持部41が設けられている。保持部41は、互いに重なり合う横断部38の布(最も表側の布から最も裏側の布)を一緒に縫い付けた縫製部により構成されている。重複部40では、保持部41が横方向に延びている。保持部41は、第1脆弱部31の破断後で、第2脆弱部32の破断前に破断する。なお、保持部41は、縫製部以外の構成であってもよい。
【0042】
第2フラップ22は、第1脆弱部31の破綻後にエアバッグクッション11により押されると破断する第2脆弱部32を有する。第2脆弱部32は、複数のスリット32aにより構成されている。各スリット32aは、細長い貫通孔であり、第2フラップ22の幅方向に延びている。複数のスリット32aは、第2フラップ22の幅方向に距離を隔てて並んでいる。第2フラップ22では、第2脆弱部32の強度が他の部分よりも弱く、エアバッグクッション11の膨張圧により押されると、第2脆弱部32が破断する。第2フラップ22が収納ケース15に取り付けられた状態では、開口部16の短手方向において上面板26の近傍(開口部16の縁部近傍)に、第2脆弱部32が位置している。第2脆弱部32は、第2フラップ22の中で幅広の部分に形成されている。具体的に、本実施形態では、第2脆弱部32は、幅が細い横断部38ではなく、横断部38よりも幅が広い第1取付部36に形成されている。第2脆弱部32は、第1取付部36において幅方向に設けた複数の貫通孔22aの並びの下側に形成されている。
【0043】
開口部16の正面視における横方向の寸法について、数値範囲の一例を記載する。収納ケース15の開口部16、及び、収納状態のエアバッグクッション11の寸法は、例えば20cm~30cmである。第2フラップ22の横断部本体38aの寸法(幅)W1は、5cm~10cmであり、収納状態のエアバッグクッション11の1/6~1/3である。また、横断部本体38aに覆われていない開放部分の寸法W2は、左右とも5cm~10cmである。
【0044】
[ニーエアバッグ装置の動作、及び、実施形態の効果]
図5図9を参照しながら、ニーエアバッグ装置10の動作及び実施形態の効果について説明を行う。例えば車両の衝突時など車両に衝撃が加わった時に、センサーからの信号を受けたインフレータ12が膨張ガスを噴射することで、エアバッグクッション11の膨張展開が開始される。ニーエアバッグ装置10では、まず第1フラップ21が、エアバッグクッション11の膨張圧により外側に押されて第1脆弱部31で破断する。さらに、下部パネル8aが、エアバッグクッション11の膨張圧により外側に押されて脆弱部8bで破断する。そして、下部パネル8aがエアバッグクッション11の膨張に伴って開いていき、エアバッグクッション11が下部パネル8aの開口部から外側に膨出していく。図5は、第1フラップ21及び下部パネル8aの破断直後の状態を表す。
【0045】
また、第1脆弱部31が破断すると、エアバッグクッション11の膨張圧により第2フラップ22が外側に押される。これにより、縫製部により構成された保持部41が破断する。第2フラップ22は、図6に示すように、折り返し箇所が徐々に延ばされて外側に広がっていく。そして、第2フラップ22がある程度延びきった状態になると、第2フラップ21によりエアバッグクッション11の中央部11cの展開が抑制される。
【0046】
また、第2脆弱部32に作用する引っ張り力が増す。そのため、中央部11cの展開抑制の開始から少し時間が経過すると、図7に示すように、第2フラップ22は、第2脆弱部32で破断する。第2フラップ22は、エアバッグクッション11が脛部5bに衝突するタイミングとほぼ同時に破断する。この破断までの間に、第2フラップ21による中央部11cの展開抑制は、断面視において、下部パネル8aの設置位置から脛部5bまで領域でなされる。ニーエアバッグ装置10では、第2フラップ22が破断すると、その直後にエアバッグクッション11の膨張展開は完了し、左右の膝部5aがエアバッグクッション11により拘束される。
【0047】
本実施形態では、第2フラップ22が広がって第2フラップ22が破断するまでの間、第2フラップ21の横断部38によりエアバッグクッション11の中央部11cの展開が抑制される。これにより、エアバッグクッション11は、膝部5a側への展開が抑制され、車両の左右方向への展開が促進される。第2フラップ22を有しないニーエアバッグ装置に比べて、エアバッグクッション11は横方向に広がる。また、第2フラップ22の横断部38では幅方向の両側に、曲線状に凹む切り欠き39が形成されており、切り欠き39によっても、エアバッグクッション11が横方向に広がることが促進される。
【0048】
ここで、図8(a)及び図9(a)は、本実施形態に係るニーエアバッグ装置10において膨張展開が完了した状態を表し、図8(b)及び図9(b)は、第2フラップ22を有しないニーエアバッグ装置において膨張展開が完了した状態を表す。第2フラップ22を有しないニーエアバッグ装置では、乗員5の膝部5a間にエアバッグクッション11が入り込み、エアバッグクッション11が膝部5aの前側で十分に展開できず、エアバッグクッション11により乗員5の膝部5aを拘束できない虞がある。このような事態は、収納ケースの開口部16の横幅(20cm~30cm)が、膝部5a間の距離よりも短い小型のニーエアバッグ装置10で生じやすい。なお、乗員5の膝部5a間の距離は、30cmとなることが多い。
【0049】
それに対し、本実施形態によれば、エアバッグクッション11が横方向に広がる。そのため、小型のニーエアバッグ装置10であったとしても、膨張展開時にエアバッグクッション11が乗員5の膝部5a間に入りにくく、膝部5aの前側で安定的にエアバッグクッション11を展開させるができ、前側から膝部5aを安定的に拘束することができる。
【0050】
また、本実施形態では、第2フラップ22に加えて、第1フラップ21を設けている。そのため、上述したように、収納状態のエアバッグクッション11の圧縮反力により第2フラップ22が押されて緩むことを抑制することができる。従って、少なくとも2枚のフラップ21,22を設けることで、前側から膝部5aをさらに安定的に拘束することができる。
【0051】
また、本実施形態では、第2フラップ22の長さが第1フラップ21よりも長い。ここで、仮に第2フラップ22の長さが第1フラップ21に等しい場合、第2フラップ22による中央部11cの展開抑制タイミングが早くなり過ぎ、開口部16に近い側でエアバッグクッション11が横方向に広がる。そのため、エアバッグクッション11がインストルメントパネル8に干渉する虞がある。それに対し、本実施形態では、第2フラップ22が長い分だけ、上述の展開抑制タイミングが遅れるため、膝部5aに近い側でエアバッグクッション11が横方向に広がり、上述の干渉が抑制される。第2フラップ22は、エアバッグクッション11の膨張展開時に下部パネル8aの設置位置(脆弱部8bが破断する前の位置)からバッグ本体部11aが飛び出した後に、第2脆弱部32が破断する長さ寸法を有している。本実施形態によれば、エアバッグクッション11が横方向にスムーズに広がるニーエアバッグ装置10を提供することができる。
【0052】
また、本実施形態では、各フラップ取付部26a,27aが、第1フラップ21及び第2フラップ22に兼用されている。また、各フラップ取付部26a,27aは、収納ケース15の車体側への取り付けにも利用されている。そのため、ニーエアバッグ装置10の構成を簡素化できる。また、各フラップ取付部26a,27aは、3つ以上のフックにより構成されているため、エアバッグクッション11により各フラップ21,22が押された時に変形が生じにくく、破断予定位置又はその近傍で、各脆弱部31,32の破断を安定期に生じさせることができる。
【0053】
また、本実施形態では、第2脆弱部31が開口部16の縁部近傍に位置している。そのため、第2フラップ22では、第2脆弱部31から下面板27側の長さが長くなり、重複部40を設けやすい。また、本実施形態では、重複部40が1箇所である。本実施形態では、第2フラップ22の長さ調節の作業が容易である。
【0054】
[実施形態の第1変形例]
本変形例では、図10に示すように、第2フラップ22の保持部41が、2箇所の縫製部により構成されている。各保持部41は、第2フラップ22の横断方向に延びている。各保持部41は、重複部40と、その上側の非重複部とに跨って設けられている。各保持部41は、第2フラップ22の幅方向に所要の距離を隔てて設けられている。
【0055】
[実施形態の第2変形例]
本変形例では、図11に示すように、第2フラップ22が、複数枚の布46,47を一体化することにより構成されている。具体的に、第2フラップ22は、第1フラップ取付部26aに取り付けられる第1布46と、第2フラップ取付部27aに取り付けられる第2布47とにより構成されている。第1布46と第2布47は、例えば縫製部により一体化される。縫製部は、第1布46の端部と第2布47の端部とを重ね合わせた箇所に設けられる。
【0056】
[実施形態の第3変形例]
本変形例では、図12に示すように、第2フラップ22において横断部本体38aに第2脆弱部32が形成されている。第2脆弱部32は、例えば、第1取付部36側に設けることができる。但し、第2脆弱部32は、本変形例とは異なる箇所に形成してもよい。
【0057】
[実施形態の第4変形例]
本変形例では、図13に示すように、ニーエアバッグ装置10が、ローマウントタイプの装置である。収納ケース15の開口部16は、下方を向いており、前後方向に延びる下部パネル8aの裏面に臨む。第1フラップ21は、前後方向に開口部16を横断している。また、第2フラップ22は、エアバッグクッション11の横方向の中央部11cを前後方向に横断している。
【0058】
本変形例でも、エアバッグクッション11の膨張展開開始後に、第1脆弱部31、保持部(縫製部)41及び第2脆弱部32が、この順番で破断する。そして、第2フラップ22が広がって第2脆弱部32が破断するまでの間、第2フラップ21の横断部38によりエアバッグクッション11の中央部11cの展開が抑制される。これにより、エアバッグクッション11は横方向に広がる。
【0059】
[その他の変形例]
上述の実施形態において、第1フラップ21と第2フラップ22とは、収納ケース15において互いに異なる部位に取り付けてもよい。
【0060】
上述の実施形態において、第2フラップ22は、切り欠き39がない布材(例えば、幅が一定の布材)であってもよい。
【0061】
上述の実施形態では、第1フラップ取付部26a及び第2フラップ取付部27aの両方とも開口部16の縁部の近傍に配置したが、第1フラップ取付部26a及び第2フラップ取付部27aの片方だけを開口部16の縁部の近傍に配置してもよい。
【0062】
上述の実施形態において、第1脆弱部31は、スリット以外の構成(例えば縫製部)であってもよい。
【0063】
上述の実施形態において、第2脆弱部32は、スリット以外の構成(例えば縫製部)であってもよい。例えば、第2変形例のように、縫製部により2枚の布46,47を一体化する場合に、複数のスリット32aを設けずに、縫製部により第2脆弱部32を構成してもよい。この場合、2枚の布46,47を一体化する縫製部の強度は、第2フラップ21によりエアバッグクッション11の中央部11cの展開が抑制された後、エアバッグクッション11の膨張展開が進んで第2脆弱部32(縫製部)に作用する引っ張り力が増したときに、エアバッグクッション11が脛部5bを拘束するのとほぼ同時に破断する程度の強度とする。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、乗員の膝部を保護するためのニーエアバッグ装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 座席
5 乗員
5a 膝部
10 ニーエアバッグ装置
11 エアバッグクッション
12 インフレータ
15 収納ケース
16 開口部
21 第1フラップ
22 第2フラップ
31 第1脆弱部
32 第2脆弱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13