(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】線装置および計量装置が統合された検査装置
(51)【国際特許分類】
G01G 11/00 20060101AFI20240809BHJP
G01N 23/18 20180101ALI20240809BHJP
【FI】
G01G11/00 H
G01N23/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023076152
(22)【出願日】2023-05-02
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】10 2022 111 511.9
(32)【優先日】2022-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506186673
【氏名又は名称】ヴィポテック ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】ADAM-HOFFMANN STRASSE 26, 67657 KAISERSLAUTERN,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】テオ デュプレ
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-202979(JP,A)
【文献】特開平09-049883(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102007032270(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0249663(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01923147(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0349102(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110631677(CN,A)
【文献】中国実用新案第214151090(CN,U)
【文献】特開2011-075508(JP,A)
【文献】特開2010-071669(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0232541(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-23/48
G01N 23/00-23/2276
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線防護ハウジング(3)の中に、電磁放射による検査をする装置(5)と、計量装置(11)とを含んでいる検査装置において、
a)前記検査装置(1)はその高さでz方向、その長さでx方向、およびその幅でy方向に延び、
b)電磁放射による検査をする前記装置(5)と前記計量装置(11)とについて共通のエンドレス搬送ベルト(19)を有し、それにより製品(33)を搬送方向(x方向)で前記検査装置(1)の入口領域(39)から電磁放射による検査をする領域へ、そこから計量をする領域へ、およびそこから前記検査装置(1)の出口領域(41)へと搬送し、
c)前記エンドレス搬送ベルト(19)の上側車間部は
、前記検査をする領域と前記計量をする領域を通り、前記計量をする領域と前記出口領域(41)との間にはZ方向の高さ差があり、前記製品(33)を前記計量をする領域から前記出口領域(41)へと搬送する経路が傾斜領域(17)で構成され、
d)前記傾斜領域の少なくとも1つの部分領域が、または複数の部分領域が、または前記傾斜領域(17)の全体が、共通の前記エンドレス搬送ベルト(19)によって周回され、
e)前記計量装置(11)は前記検査装置(1)の中で、搬送方向(x方向)で見て、前記傾斜領域(17)の直前に配置される、装置。
【請求項2】
1つまたは複数の前記部分領域が、または前記傾斜領域(17)の全体が、前記放射線防護ハウジング(3)の内部にあることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記計量装置(11)は前記検査装置(1)に挿入したり、これから取り出せるようにするためにモジュールとして構成され、前記傾斜領域(17)のセグメント(23)としての少なくとも1つの部分領域が統合された構成要素として、モジュール形式で構成された前記計量装置(11)に定置に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記傾斜領域(17)の前記セグメント(23)は、その重量が、先行して電磁放射により検査された製品(33)の計量にあたって考慮されないように、前記計量装置(11)に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記傾斜領域(17)の少なくとも1つの部分領域がエジェクタ(31)またはソータの構成要素として構成されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項6】
前記計量装置(11)は少なくとも1つの計量セル(15)と少なくとも1つの計量プラットフォーム(13)とを含むことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記計量プラットフォーム(13)の前の上流側に、かつこれに対して一直線上に並ぶように、ベルトアライメントユニット(27)が統合された構成要素として、モジュール形式で構成された前記計量装置(11)に定置に配置されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記入口領域(39)と前記検査をする領域との間にはZ方向の高さ差があり、前記
エンドレス搬送ベルト(19)の上側車間部は
、前記入口領域(39)から
前記検査をする領域への経路で
前記高さ差を克服
する入口斜面(29)
を有することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項9】
前記検査装置(1)の前記入口領域(39)と前記出口領域(41)はz方向に関して実質的に同じ高さに位置することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくはカーテンレスの放射線防護ハウジングの中に、電磁放射による検査をする装置、特にX線装置と、計量装置とを含んでいる検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような種類の検査装置は、たとえば食品産業や製薬産業などでも利用されており、未包装の製品も、その申し分のない品質と重量に関して点検することができる。
【0003】
このような種類の製品の検査は、通常、生産ラインで行われており、特に、X線検査については特別な防護措置が設けられなければならない。
【0004】
とりわけ重量の軽い製品では、並びに環境保護技術上の理由から、鉛などの材料からなる重い放射線防護カーテンを設けることには問題がある。たとえば-特定の材料の望ましくない使用を度外視するとしても-、ベルトの上を運ばれていく製品がその姿勢に関して変わってしまい、その点検が誤った結果につながるという危険性がある。
【0005】
さらに、望ましくない姿勢変化は製品の以後の処理のときにも、たとえば識別表示を付すときにも、問題につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、前述した問題を回避し、電磁放射による検査、特にX線検査だけでなく、製品(包装済み、未包装、または、まだ開いている容器での包装)の計量も可能にする検査装置を提供し、検査結果が高い精度を有し、誤結果が回避されることにある。さらに、搬送方向での短い設計形態が追求される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は本発明によると、請求項1の構成要件を有する検査装置によって解決される。
【0008】
この検査装置は、電磁放射による検査をする装置、特にX線装置と、計量装置とをいずれも含んでいるので、x方向(搬送方向)での短い設計形態が可能になるという利点がある。
【0009】
(搬送方向で)電磁放射による検査をする装置が、特にX線装置が、計量装置の前に位置することが、すでに、ベルトおよび場合により製品の進行のための安定区間としての役目を果たすので、計量装置の領域でベルトがいっそう安定して進行し、ベルト振動のリスクが低減され、装置全体のいっそう短い設計形態(ないしいっそう短い設計長さ)が可能となる。
【0010】
高い精度の計量結果を、それにもかかわらず十分な放射線防護のもとで可能にするために、検査装置は出口側に、傾斜領域と、x方向で見て傾斜領域の直前に配置された計量装置とを有する。傾斜領域はプレートとして、特に端を折り曲げた薄板として、製作されるのが好ましい。当然ながら、少なくとも1つの方向転換ローラとして傾斜領域を構成することも考えられる。
【0011】
本発明によると、局部的に観察したとき、ベルトが傾斜領域を介して(ベルト弾性を考慮したうえで)下方に向かって引っ張られてその上で案内されるので、ベルトは傾斜領域の直前の領域で-およびそれに伴って計量装置の領域で-、z方向(高さ方向)への運動(浮き上がり)のない均一なベルト進行を有する。
【0012】
上流側に位置するベルト領域と比較して(わずかであるが)高くなるベルト張力によって、(方向転換個所の前ないしベルトの方向変更の前の)望ましくないベルト振動や隆起形成を回避することができる。少なくとも計量装置の領域でのこのような局部的な引張は、ベルト案内部のジオメトリーによって、および計量装置の領域のいっそう近傍への駆動ローラの、特に牽引ローラの、相応の配置によって、および/または(計量装置の前の)製品流に前置される相応のローラおよび/またはブレーキ作用(制動)を有する前置されたベルト案内部によって、強化することができる。ベルト進行方向で、計量装置から駆動ローラ21までのベルト区間(出口側)は、駆動ローラから計量装置までのベルト区間よりも短く構成されるのが好ましい(ベルトジオメトリー)。
【0013】
上で説明したとおり、計量装置の領域だけでなく、好ましくは電磁放射による検査をする装置の領域でも、特にX線装置の領域でも、(搬送方向に)ベルトが引っ張られるようにベルトの進行が構成されることによって、X線装置でのベルト進行方向での隆起形成、伸長なども回避することができるという利点がある。普通であればこのような現象は、電磁放射による検査のとき、特にX線撮影のとき、記録される画像の同時性と品質に、特に時間と長さ単位あたりのラインに、望ましくない影響を及ぼす可能性がある。
【0014】
特に、(搬送方向で)電磁放射による検査をする装置の、特にX線装置の、動作を、時間単位あたりで定義されたラインの値を必要とする低コストなラインカメラによって可能にするために、速度の定義された推移をもって、特に一定の速度をもって、ベルトが駆動されるのが好ましい。
【0015】
傾斜領域は、その重量が、先行してX線撮影された製品の計量にあたって考慮されないように、検査装置に配置されるのが好ましい。それに応じて、傾斜領域のすぐ近傍への計量装置の配置のもとで、計量装置の荷重受容をする部分と傾斜領域との間に(力を伝達する)結合が存在せず、それにより、傾斜領域の自重が計量にあたって考慮されずに保たれる。
【0016】
さらに、傾斜領域を介してベルトが案内されることで、このような傾斜領域の前での製品の計量が、場合により生じるベルト案内部の垂直方向の力成分による影響を受けるのを回避することができる。
【0017】
本発明によると-ベルト移行部およびこれに伴って増大する清掃コストを回避するために-、(搬送方向で)電磁放射による検査をする装置、特にX線装置と、計量装置と、傾斜領域の少なくとも1つの部分領域とが、共通のエンドレス搬送ベルトによって周回される。
【0018】
傾斜領域により、追加の放射線防護カーテンがない場合でさえ、X線放射(またはたとえばテラヘルツ放射などの他の危険な放射)の放射線防護ハウジングからの漏出が回避される。それにより、普通であれば必要になる放射線防護カーテンが不要となり、それに伴って、その汚れや摩減といった問題も生じない。それに応じて、放射線防護カーテンの、特に鉛カーテンの、清掃や摩耗監視も省略することができる。
【0019】
反射に基づく放射線防護ハウジングからの放射の漏出でさえ、X線検査のベルト平面と比較して低く位置する出口領域ないし出口開口部によって、十分な仕方で遮られる。
【0020】
ここで付言しておくと、X線装置(X線源を含む)は、その(搬送方向で)計量装置の前に前置された位置により、出口領域のすぐ近傍にあるのではない。
【0021】
或いは電磁放射による、たとえば光学カメラ(可視光、赤外線、紫外線などを用いる)による、その他の検査においても、たとえば外部光や外部放射の侵入を防止するために、放射線防護ハウジングがしばしば必要となる。その場合には、上記で説明したような放射の漏出に類似する方式で、相応の検出器に放射が入るのを防止することができる。
【0022】
とりわけカメラの明暗調整のために、放射線防護ハウジングによって、望ましくない外部光を(侵入に対して)遮蔽するのが特別に好ましい。
【0023】
本発明によると、エンドレスベルトの上側車間部は、計量をする領域から出口領域への経路で、z方向と反対向きの高さ差を傾斜領域によって克服する。そのようにして出口領域のレベルを、さまざまな所与の条件に合わせて適合化することができる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、計量装置は、検査装置へ挿入したり、これから取り出せるようにするために、モジュールとして構成される。この場合、傾斜領域のセグメントとしての少なくとも1つの部分領域が統合された構成要素として、モジュール形式で構成された計量装置に定置に配置される。好ましい形態では、この部分はプレートとして、特に端を折り曲げた薄板として、製作される。当然ながら、傾斜領域のこの部分をたとえば1つ、2つ、またはそれ以上の方向転換ローラによって構成することも考えられる。
【0025】
モジュール形式の統合された構成により、このセグメントを計量装置に対してすでに工場側で調節を完了させて製造することが可能であり、それにより、モジュールを挿入するときに普通であれば必要となる調節を省略することができる。
【0026】
そのようにして、z方向に位置するセグメントの最高点が、計量装置ないしその計量プラットフォームの最高点と一直線上に並んで、またはこれよりも若干上に、位置することを保証することができ、それにより、ベルト案内部の垂直方向の力成分が製品の計量に直接的に影響を及ぼすことがない。
【0027】
さらに、モジュール形式の構造により、装置の保守整備、清掃、補修などが簡易化される。ベルトを緩めたり外したりすることを除けば、組立が完了した設備を解体することなく、これらを行うことができるからである。
【0028】
本発明の別の実施形態では、傾斜領域のセグメントは、その重量が、先行してX線撮影された製品の計量にあたって考慮されないように、計量装置に配置される。たとえば傾斜領域は、計量装置または計量セルそのものの(定置の)本体側の領域に配置されていてよく、それにより、計量装置の荷重受容をする領域がこれによる影響を受けずに保たれる。
【0029】
ベルトのための駆動部も本体に組み付けられていてよく、それにより、計量のときに駆動部を予荷重として考慮しなくてすむ。
【0030】
本発明の特別な実施形態では、傾斜領域の少なくとも1つの部分領域がエジェクタまたはソータの構成要素として構成される。このような種類のエジェクタまたはソータは独自のベルトコンベヤとして、または簡易なシュータとして、構成されていてよい。
【0031】
それにより、検査装置はたとえば欠陥のある製品をエジェクトしたり、さまざまに異なる検査結果をソーティングすることができ、これらに関わるエジェクタ装置やソータ装置を生産ラインに設けなくてすむ。たとえば、z方向に作用するフラップ機構(特にy方向の旋回軸を有する部分領域の上方回動および/または下方回動)として、エジェクタまたはソータを構成することが考えられる。
【0032】
このような種類のエジェクタまたはソータは、放射防護部の構成要素であってもよい。たとえばカメラの明暗調整のために、エジェクタまたはソータが部分領域の特定の旋回位置で、外部光の侵入を防ぐために追加的に寄与することができる。
【0033】
本発明の別の実施形態では、計量装置は、少なくとも1つの計量セルと、好ましくは薄板曲げ部品として構成される少なくとも1つの計量プラットフォームとを含む。この場合、1つのプラットフォームごとに複数の計量セルが設けられることも考えられる。複数の計量プラットフォームを、x方向に隣接して設けることも、y方向(ベルト幅)に設けることもできる。このようにして、複数のプラットフォームでのさまざまに異なるサイズの製品の正確な計量や、マルチトラック計量も可能にすることができる。
【0034】
本発明の特別に好ましい実施形態では、(製品の)上流側で計量プラットフォームの前に、かつこれと一直線上に並ぶように、ベルトアライメントユニットが、モジュール形式で構成された計量装置に、統合された構成要素として定置に配置される。
【0035】
それにより、計量装置の領域の前の上流側に原因がある、場合により生じるベルト案内部の不規則性の不都合な影響さえも排除することができる。
【0036】
本発明の別の実施形態では、エンドレスベルトの上側車間部は、入口領域から、電磁放射による検査をする装置への、特にX線撮影をする領域への、経路でz方向の高さ差を克服し、上側車間部は当該領域で好ましくは入口斜面として製作される。このようにして、入口領域のレベルと出口領域のレベルとをさまざまな所与の条件に合わせて適合化することができる。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、検査装置の入口領域と出口領域はz方向に関して実質的に同じ高さに位置し、それにより、同じレベルで作動する既存の生産ラインで、レベルの変更なしに検査装置を使用することができる。
【0038】
本発明によると、電磁放射による検査をする装置、特にX線装置、すなわち放射源、特にX線源、および放射検出器、特にX線検出器、好ましくはラインカメラ、および、計量装置、すなわち荷重受容部を有する計量セル、特に計量プラットフォームは、放射線防護ハウジングの内部にあり、それに伴って検査装置に統合される。
【0039】
電磁放射による検査をする装置によって、放射を製品に貫通させることができ、または、製品で反射させることができる。
【0040】
或いは、当然ながら別の追加の検査ユニット、たとえば金属検知器、光学式の検査装置(ラベル印刷ないし識別表示の管理のため、密度試験装置)などを、このような検査装置に統合することも考えられる。
【0041】
電磁放射による検査をする装置の、特にX線装置の、および計量装置の、電流供給並びに信号伝送は周知の方式で行われる。当然ながら、製品のX線撮影と計量についての相応の評価ユニットが放射線防護ハウジングの外部にあってよく、このような評価ユニットへの信号伝送は、ケーブルを介して(電気式、光学式)、或いはワイヤレス式に、行うことができる。
【0042】
本発明のその他の好ましい実施形態は、従属請求項から明らかとなる。
【0043】
次に、図面に示されている実施例を参照しながら本発明について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図面には次のものが示されている:
【
図1】本発明による検査装置の第1の実施形態を示す模式図である。
【
図3】エジェクタを有する、本発明による検査装置の第2の実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1に示す検査装置1は、-理解をいっそう容易にする理由から-放射線防護ハウジング3の前壁が取り外された模式的な側面図である。ただし、実際には放射線防護ハウジング3は、入口領域39および出口領域41のための開口部を例外として閉鎖される。入口領域39および出口領域41のために放射線防護ハウジング3にある開口部は、製品の高さと幅に依存して可能な限り小さく抑えるのが好ましく、それにより最善の放射線防護が、同時に製品33を搬送しながら可能となる。
【0046】
入口領域39を介して、詳しくは図示しない方式で、製品33が検査装置1の中へと搬送され、出口領域41を介して再び検査装置1から出ていく。
【0047】
入口領域39と出口領域41は、
図1および
図3に示すように、z方向で同じ高さにある。入口領域39では製品33が、斜め上へと通じている入口斜面29を介して、周回するエンドレスベルト19により水平な平面へと搬送される。
【0048】
この水平な平面では、ベルトおよびその上にある製品がその幅(y方向に延びる)で、y方向とx方向に延びるベルト案内部材35,37によってX線装置の前と後でサポートされる。
【0049】
X線装置5は、ベルト19の上側車間部の上方にはX線源7を含んでおり、および、上側車間部の下方にはX線源7の垂直方向下側にX線検出器9を含んでおり、それにより、ベルト19の上にある製品33が透過照射される。X線放射がこの個所で製品33とベルト19を貫通し、ベルト案内部材35,37の間の間隙を通って、好ましくはラインカメラとして構成されるX線検出器9に当たる。
【0050】
当然ながら、X線源7とX線検出器9を逆の配置で設けることも可能である。
【0051】
入口領域39から出口領域41への経路で、製品33は台形状の経路を通過する。X線装置を通過した後、製品33は案内部材37でサポートされながら、好ましくは加重受容をする計量プラットフォーム13を有する計量セル15として構成される計量装置11へと搬送される。
【0052】
たとえば薄板曲げ部品である計量プラットフォーム13はベルト下面に当接しており、それにより製品33の重量ないし重量の力が、ベルト19の上側車間部のこの領域で計量装置11によって検出される。
【0053】
計量セル15は、
図1および
図3から明らかなように、それ自体としてさらに本体に配置されている。
【0054】
X線装置5および計量装置11の電流供給と信号伝送は、図面には示さない周知の方式で行われる。当然ながら、製品33のX線撮影と計量のために相応の評価ユニットが放射線防護ハウジング3の外部にあってよく、この評価ユニットへの信号伝送はケーブルを介して(電気式、光学式)、或いはワイヤレス式に、行うことができる。
【0055】
計量の後、製品33は傾斜領域17を介して、台形の高いほうの水平側から出口領域41へと再び下方に向かって搬送され、出口領域41を介して検査装置1から出ていく。
【0056】
入口領域39への製品の搬入および出口領域41からの搬出は、
図1および
図3では入口領域39と出口領域41に続く生産ラインのベルトコンベヤの相応の端部によって、生産ラインについての例示として模式的に示されている。しかし当然ながら、検査装置をそれ自体で独立した装置として作動させることも考えられ、この場合、入口領域39と出口領域41は上記以外の方式で操作され、ないしは製品33が供給されて取り出される。
【0057】
図1から明らかなように、上側車間部で台形状に構成されたベルト19は、下側車間部で駆動ローラ21によって、特に引張ローラまたは牽引ローラによって、駆動される。駆動ローラ21はベルト経路全体に関して、図示しているように中央に、またはそれ以外の場所に、配置されていてよい。ベルト進行方向で、計量装置11から駆動ローラ21までのベルト区間(出口側)は、駆動ローラ21から計量装置11までのベルト区間よりも短いのが好ましい(ベルトジオメトリー)。
【0058】
このようにして、計量プラットフォーム13と傾斜領域17とを介しての、局部的に観察した製品33の引張が追加的にサポートされ、それにより、計量プラットフォーム13と傾斜領域17でのベルト張力が、駆動ローラ21の後の領域に比べて追加的に引き上げられる。
【0059】
上に説明したベルトジオメトリーによって場合により追加的に強化される駆動ローラの引張により、傾斜領域を介して下方に向かって引っ張られるベルト19が方向転換個所25(
図2参照)に当接し、それにより、ベルト19の浮き上がりやベルト振動、さらには隆起形成なども回避される。
【0060】
計量装置は、特にその計量プラットフォーム13は、
図1、
図2、および
図3から明らかなとおり、ベルト進行方向で、傾斜領域17およびこれに伴ってその方向転換個所25のすぐ近傍に配置されており、計量装置の荷重受容部が、特に計量プラットフォーム13と方向転換個所25が、互いに一直線上に並ぶようになっている。
【0061】
それに伴い、上に説明した問題の発生(ベルトの浮き上がり、ベルト振動、隆起形成など)が計量プラットフォーム13においても排除され、それにより、この点に関して引き起こされる計量時の誤結果を回避することができる。
【0062】
ベルトが計量装置11の領域だけでなく、好ましくはX線装置5の領域でも引っ張られるようにベルト19の進行が構成されることによって、X線撮影のときに記録される画像の同時性、特に時間と長さ単位あたりのラインに望ましくない影響を及ぼす、ベルト進行方向での隆起形成、伸長などをX線装置で回避することができるという利点がある。この経路で、画像品質に対するネガティブな影響を防止することができる。
【0063】
図2から明らかなとおり、ベルト進行方向で見て、傾斜領域17の一部がセグメント23として、好ましくは端を折り曲げた薄板として、構成される。それに伴ってセグメント23は方向転換個所25を含んでおり、これは当然ながら角張ってではなく丸められて構成されていてもよい。方向転換個所25の手前のベルト進行側に、セグメント23は、方向転換個所25と同じく計量プラットフォーム13と一直線上に並ぶ水平領域を有するのが好ましい。
【0064】
セグメント23は、計量セル15の本体側の領域に(
図2では下面に)直接的に固定されており、好ましくは、モジュールとして挿入可能かつ交換可能に構成される計量装置11に統合されている。この場合、方向転換個所25(ないしy方向に延びる方向転換エッジ)および場合によりこれに続く水平領域が計量プラットフォーム13と一直線上に並ぶようにするためのセグメント23の厳密な調節は、工場側で製造時に行うことができ、検査装置にモジュールを挿入するときに(製造、保守整備、清掃、交換など)、このような種類の微調整を行わなくてすむ。
【0065】
ベルト進行方向で計量プラットフォーム13の前に、
図2に示すように、同じく計量プラットフォーム13と一直線上に並ぶ水平領域27’を有するベルトアライメントユニット27が設けられていてよい。この水平領域27’の前に、ベルト19を上方に向かって案内する斜面としての役目を果たす傾斜領域が前置されていてよい。
【0066】
ベルトアライメントユニット27は、セグメント23と同じく、計量セル15の本体側の領域に(
図2では下面に)直接的に固定することができ、好ましくは、モジュールとして挿入可能かつ交換可能に構成される計量装置11に統合されていてよい。この場合、水平領域27’が計量プラットフォーム13と一直線上に並ぶようにするためのベルトアライメントユニット27の厳密な調節は、工場側で製造時に行うことができ、検査装置にモジュールを挿入するときに(製造、保守整備、清掃、交換など)、このような種類の微調整を行わなくてすむ。
【0067】
図3に示す第2の実施形態は、以下に説明する相違点を除いて
図1に示す第1の実施形態と同一なので、該当する記述がここでも当てはまる。
【0068】
第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態はエジェクタ31(またはソータ)を有している。(
図1に示す)傾斜領域17は、本例ではセグメント23で終わっている。これに加えて、出口領域41の方向へのその延長部が、出口41の領域で紙面に対して垂直に(y軸)位置する旋回軸を有する旋回可能な領域として、たとえばプレートの形態で、部分的に構成される。
【0069】
検査結果がネガティブである場合(X線撮影および/または計量のとき)、
図3に示すように、領域31を上方に向かって旋回させることができ、それにより、不良と判定された製品(33’)がその下にある受容容器43の中に落下する。
【0070】
それに対して検査に合格した製品33は、領域31が一直線上に並ぶようにセグメント23に続く(このとき接合隙間または間隙がこれらの間にあってよい)、閉じた、ないしは上方に向かって旋回していない、位置にある領域31を介して、出口領域へと搬送される。
【0071】
このとき領域31は独自のベルトコンベヤとして、或いは単純なシュートとして、構成されていてよい。
図3に示す本例では、領域31はベルト19によって周回されておらず、それにより、ベルト19の進行がエジェクタ31によって影響を受けることがない。
【0072】
これら両方の実施形態では、電磁放射による検査をする装置の形態としてのX線装置について説明してきたが、これらの実施形態は、電磁放射による検査をするそれ以外の装置(可視光、赤外線、紫外線、テラヘルツなどを用いる)にも容易に適用可能である。反射のケースでは、当然ながら、放射源と検出器が製品の向かい合う側(図示するように上方と下方、或いは側方)に配置されることは必要なく、たとえば製品の同じ側に配置される。
【符号の説明】
【0073】
1 検査装置
3 放射線防護ハウジング
5 X線装置
7 X線源
9 X線検出器
11 計量装置
13 計量プラットフォーム(ないし計量プラットフォームの形態の荷重受容部)
15 計量セル
17 傾斜領域
19 エンドレスベルト
21 駆動ローラ 引張ローラ/牽引ローラ
23 傾斜領域のセグメント
25 傾斜領域の方向転換個所
27 ベルトアライメントユニット
27’ ベルトアライメントユニットの水平領域
29 入口斜面
31 エジェクタ/ソータ
33 製品
33’ 欠陥のある製品
35 ベルト案内部材
37 ベルト案内部材
39 入口領域
41 出口領域
43 受容容器
x 搬送方向
y 紙面に対して垂直の方向(幅方向)
z 高さ方向