IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-部品実装機 図1
  • 特許-部品実装機 図2
  • 特許-部品実装機 図3
  • 特許-部品実装機 図4
  • 特許-部品実装機 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】部品実装機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240809BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023207296
(22)【出願日】2023-12-07
(62)【分割の表示】P 2022011327の分割
【原出願日】2013-02-04
(65)【公開番号】P2024015288
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】水野 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】川合 英俊
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓太
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-052192(JP,U)
【文献】特開平07-242284(JP,A)
【文献】特開2005-235803(JP,A)
【文献】実開平03-107135(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に部品を実装する部品実装機であって、
前記部品実装機の部品吸着位置に前記部品を供給する複数のフィーダを基板搬送方向に並べてセットする吸着作業エリアと、
前記吸着作業エリアの使用済みのフィーダと入れ替える次のフィーダを収納すると共に前記使用済みのフィーダを回収するフィーダストックエリアと、
前記吸着作業エリアの使用済みのフィーダと前記フィーダストックエリアに収納されたフィーダを入れ替える入替ロボットと、
を備え、
前記フィーダストックエリアは1つであり、前記吸着作業エリアの真下に配置され、
前記入替ロボットは、フィーダをクランプするクランプ機構を備え、
前記入替ロボットは、前記クランプ機構により前記吸着作業エリアの使用済みのフィーダをクランプして前記クランプ機構を下降させることで、該フィーダを前記フィーダストックエリアに移動させ、前記クランプ機構により前記フィーダストックエリアに収納されたフィーダをクランプして前記クランプ機構を上昇させることで、該フィーダを前記吸着作業エリアに移動させる、部品実装機。
【請求項2】
前記入替ロボットは、前記クランプ機構を前記吸着作業エリアと前記フィーダストックエリアとの間で昇降させる昇降機構と、前記クランプ機構を前記吸着作業エリアのフィーダの配列方向に沿って移動させる水平移動機構とを備え、
前記入替ロボットは、生産中に前記吸着作業エリアの使用済みのフィーダを取り外す場合は、前記クランプ機構を前記昇降機構によって前記吸着作業エリアの位置まで上昇させた後、前記クランプ機構を前記水平移動機構によって前記吸着作業エリアのフィーダの配列方向に沿って移動させて、前記クランプ機構の位置を前記使用済みのフィーダの位置に合わせて、前記使用済みのフィーダをクランプして前記吸着作業エリアから取り外す、請求項1に記載の部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装機の稼働中(生産中)のフィーダ交換作業の自動化を可能とする部品実装機に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の部品実装機は、特許文献1(特開2009-266990号公報)に示すように、キャスタ付きの一括交換台車に多数のテープフィーダを搭載し、この一括交換台車によって部品実装機へのテープフィーダの着脱を一括して行うようにしたり、或は、特許文献2(特開2012-169685号公報)に示すように、部品実装機に設けたフィーダセット台に多数のテープフィーダを着脱可能にセットするようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-266990号公報
【文献】特開2012-169685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の部品実装機では、部品実装機の稼働中(生産中)に部品切れになったテープフィーダへの部品の補給や生産基板の変更等によるテープフィーダの交換は、作業者が手作業で行っていたため、人為的な作業ミスにより間違ったテープフィーダをセットして生産を停止させてしまう可能性があった。しかも、手作業によるテープフィーダの交換は、手間がかかるだけでなく、テープフィーダの交換時期が重なってしまった場合(ラッシュ時)には、人手が足りず、部品実装機を停止させてしまうことがあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、部品実装機の稼働中のフィーダ交換作業の自動化を可能とする部品実装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、回路基板に部品を実装する部品実装機であって、前記部品実装機の部品吸着位置に前記部品を供給する複数のフィーダを基板搬送方向に並べてセットする吸着作業エリアと、前記吸着作業エリアの使用済みのフィーダと入れ替える次のフィーダを収納すると共に前記使用済みのフィーダを回収するフィーダストックエリアと、前記吸着作業エリアの使用済みのフィーダと前記フィーダストックエリアに収納されたフィーダを入れ替える入替ロボットとを備え、前記フィーダストックエリアは1つであり、前記吸着作業エリアの真下に配置され、前記入替ロボットは、フィーダをクランプするクランプ機構を備え、前記入替ロボットは、前記クランプ機構により前記吸着作業エリアの使用済みのフィーダをクランプして前記クランプ機構を下降させることで、該フィーダを前記フィーダストックエリアに移動させ、前記クランプ機構により前記フィーダストックエリアに収納されたフィーダをクランプして前記クランプ機構を上昇させることで、該フィーダを前記吸着作業エリアに移動させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は本発明の実施例1の部品実装機のカセット式フィーダ入替システムを示す斜視図である。
図2図2はカセット式フィーダを示す斜視図である。
図3図3は本発明の実施例2の部品実装機のカセット式フィーダ入替システムを示す斜視図である。
図4図4は本発明の実施例3の部品実装機のカセット式フィーダ入替システムを示す斜視図である。
図5図5は本発明に関連する参考例としての実施例4の部品実装機のカセット式フィーダ入替システムを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態を4つの実施例1~4を用いて説明する。
【実施例1】
【0009】
本発明の実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。
まず、図2に基づいてカセット式フィーダ11の構成を説明する。
カセット式フィーダ11のカセットケース12は、透明又は不透明のプラスチック板又は金属板等により形成され、その側面部(カバー)が開閉可能となっている。カセットケース12内には、部品供給テープ13が巻回されたテープリール14を着脱可能(交換可能)に装填するテープ装填部15が設けられている。テープ装填部15の中心には、テープリール14を回転可能に保持するリール保持軸16が設けられている。
【0010】
カセットケース12内には、テープリール14から引き出した部品供給テープ13を部品吸着位置へ送るテープ送り機構18と、部品吸着位置の手前で部品供給テープ13からトップフィルム20を剥離して該部品供給テープ13内の部品を露出させるトップフィルム剥離機構19とが設けられている。部品吸着位置は、カセットケース12の上面のテープ送り方向側の端部付近に位置している。カセットケース12内には、テープリール14から引き出した部品供給テープ13を部品吸着位置へ案内するテープガイド21が設けられている。
【0011】
テープ送り機構18は、部品吸着位置の下方付近に設けられたスプロケット22と、このスプロケット22を回転駆動するモータ23等から構成され、部品供給テープ13の片方の側縁に所定ピッチで形成されたテープ送り穴にスプロケット22の歯を噛み合わせて該スプロケット22を回転させることで、部品供給テープ13を部品吸着位置へピッチ送りするようになっている。
【0012】
トップフィルム剥離機構19は、部品吸着位置の手前で部品供給テープ13を押さえて該部品供給テープ13の上面からトップフィルム20を剥離するためのテープ押え25と、該テープ押え25で剥離したトップフィルム20をテープ送り方向とは逆方向に引っ張ってカセットケース12の上部に設けられたトップフィルム回収部26内へ送り込むトップフィルム送りギア機構27と、該トップフィルム送りギア機構27を駆動するモータ28等から構成されている。
【0013】
カセットケース12のうちのテープ送り方向側の端縁部には、部品吸着位置を通過して部品が取り出された廃棄テープ13a(本実施例1ではトップフィルム20が剥離されたキャリアテープのみ)を下方に案内して排出する廃棄テープ排出通路30が下方に延びるように設けられ、該廃棄テープ排出通路30の出口30aがカセットケース12のテープ送り方向側の端面の中央より下側の位置に設けられている。廃棄テープ排出通路30の上部には、エアー導入口(図示せず)がカセットケース12のうちのテープ送り方向側の端面に開口するように設けられ、該エアー導入口から該廃棄テープ排出通路30内にエアーを導入して該廃棄テープ排出通路30内に下向きのエアーの流れを生じさせるようになっている。
【0014】
カセットケース12内には、テープ送り機構18のモータ23やトップフィルム剥離機構19のモータ28を制御する制御装置32が設けられている。その他、図示はしないが、カセットケース12には、後述するカセット式フィーダ入替システム34側の通信・電源用のコネクタと接続される通信・電源用のコネクタが設けられている。
【0015】
また、カセットケース12の所定位置には、フィーダ識別情報(以下「フィーダID」と表記する)を記録又は記憶した識別情報記録部(図示せず)が設けられている。この識別情報記録部としては、例えばフィーダIDをバーコード、二次元コード等で記録したコードラベルを用いても良いし、フィーダIDのデータを記憶した電子タグ(RFタグ、ICタグ、電波タグ、無線タグとも呼ばれる)を用いても良い。
【0016】
次に、上記構成のカセット式フィーダ11を用いたカセット式フィーダ入替システム34(マルチフィーダユニット)の構成を図1に基づいて説明する。部品実装機35は、ベース台36上に搭載されている。部品実装機35には、回路基板を搬送する2本のコンベア37と、カセット式フィーダ11から供給される部品を吸着して回路基板に実装する吸着ノズル(図示せず)を保持する装着ヘッド38と、装着ヘッド38をXY方向(左右前後方向)に移動させるXY移動機構39と、吸着ノズルに吸着した部品を撮像する撮像装置(図示せず)等が設けられている。
【0017】
カセット式フィーダ入替システム34は、部品実装機35の前方(コンベア37の搬送方向と直交する方向)に着脱可能に設置されている。カセット式フィーダ入替システム34には、吸着作業エリア41と入替エリア42とフィーダストックエリア43が上下3段に設けられている。最上段に位置する吸着作業エリア41は、部品実装機35の部品吸着位置に部品を供給する複数のカセット式フィーダ11を並べてセットするエリアである。この吸着作業エリア41には、カセット式フィーダ11を位置決めする位置決めピン等の位置決め機構(図示せず)と、ばね機構等によりカセット式フィーダ11を保持する保持機構(図示せず)が設けられている。更に、吸着作業エリア41には、カセット式フィーダ11側の通信・電源用のコネクタ(図示せず)と接続される通信・電源用のコネクタ(図示せず)が設けられ、双方のコネクタの接続によりカセットケース12内の制御装置32と部品実装機35の制御装置との間で制御信号等を送受信すると共に、カセットケース12内の制御装置32等に通電されるようになっている。
【0018】
最下段に位置するフィーダストックエリア43は、吸着作業エリア41の使用済みのカセット式フィーダ11と入れ替える次のカセット式フィーダ11を収納すると共に使用済みのカセット式フィーダ11を回収するエリアである。このフィーダストックエリア43には、カセット式フィーダ11を1個ずつセットするスロットが該フィーダストックエリア43に収容可能なフィーダ数分だけ形成されていると共に、各スロットにセットしたカセット式フィーダ11の識別情報記録部からフィーダIDを読み取る識別情報読取り部(図示せず)が設けられ、該識別情報読取り部で読み取ったフィーダIDをカセット式フィーダ入替システム34の制御装置(制御手段)に送信して、各スロットにセットしたカセット式フィーダ11の部品種等を自動認識するようになっている。
【0019】
中段に位置する入替エリア42は、吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間でカセット式フィーダ11を入れ替える際に吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43の空きスロット(空きスペース)に合わせてカセット式フィーダ11を左右方向(X方向)に移動させるためのエリアである。
【0020】
カセット式フィーダ入替システム34の前方には、入替ロボット45が設けられている。この入替ロボット45は、カセット式フィーダ11をクランプするクランプ機構46と、該クランプ機構46を吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間で昇降させる昇降機構47と、該クランプ機構46を入替エリア42でカセット式フィーダ11の配列方向に移動させる水平移動機構48とから構成されている。図1には、入替ロボット45が1台しか記載されていないが、2台の入替ロボット45を設けた構成としても良い。以下の説明では、2台の入替ロボット45で運用する例を説明する。
【0021】
次に、上記構成のカセット式フィーダ入替システム34の動作を説明する。
生産中(部品実装機35の稼働中)は、カセット式フィーダ入替システム34の最上段の吸着作業エリア41に生産に必要な数のカセット式フィーダ11がセットされ、且つ、最下段のフィーダストックエリア43に吸着作業エリア41の部品切れ(使用済み)のカセット式フィーダ11と入れ替える次のカセット式フィーダ11が収納されている。
【0022】
生産中に吸着作業エリア41のいずれかのカセット式フィーダ11が部品切れになると、一方の入替ロボット45のクランプ機構46を昇降機構47によって吸着作業エリア41の位置まで上昇させた後、該クランプ機構46を水平移動機構48によってX方向(カセット式フィーダ11の配列方向)に移動させて、該クランプ機構46の位置を部品切れのカセット式フィーダ11の位置に合わせて、該部品切れのカセット式フィーダ11をクランプして吸着作業エリア41の保持機構から取り外す。この後、該クランプ機構46を中段の入替エリア42まで下降させることで、該クランプ機構46にクランプした該部品切れのカセット式フィーダ11を中段の入替エリア42まで下降させた後、該クランプ機構46を水平移動機構48によってX方向に移動させて、該部品切れのカセット式フィーダ11のX方向の位置を最下段のフィーダストックエリア43の空きスロットの位置に合わせた後、該部品切れのカセット式フィーダ11を下降させてフィーダストックエリア43の空きスロットに回収する。尚、フィーダストックエリア43に空きスロットが無い場合は、該部品切れのカセット式フィーダ11を入替エリア42で待機させる。そして、フィーダストックエリア43内の部品切れのカセット式フィーダ11が手動又は自動で排出されることにより、待機が解除される。
【0023】
以上のようにして最上段の吸着作業エリア41から部品切れのカセット式フィーダ11を取り出して最下段のフィーダストックエリア43に回収する動作と同時に又は相前後して、他方の入替ロボット45のクランプ機構46を昇降機構47によって最下段のフィーダストックエリア43の位置まで下降させた後、該クランプ機構46を水平移動機構48によってX方向に移動させて、該クランプ機構46を部品切れのカセット式フィーダ11と入れ替える次のカセット式フィーダ11の位置に合わせて、該次のカセット式フィーダ11をクランプする。この後、該クランプ機構46を中段の入替エリア42まで上昇させることで、該クランプ機構46にクランプした次のカセット式フィーダ11を中段の入替エリア42まで上昇させた後、該クランプ機構46を水平移動機構48によってX方向に移動させて、該次のカセット式フィーダ11のX方向の位置を最上段の吸着作業エリア41の部品切れのカセット式フィーダ11が取り出されたスロットの位置に合わせた後、該次のカセット式フィーダ11を上昇させて吸着作業エリア41のスロットにセットする。このセット時に、該次のカセット式フィーダ11が位置決め機構により位置決めされて、保持機構により保持される。
【0024】
尚、生産開始前に吸着作業エリア41にカセット式フィーダ11をセットする作業は、作業者が手作業で行っても良いし、入替ロボット45によってフィーダストックエリア43から吸着作業エリア41にカセット式フィーダ11を載せ替えるようにしても良い。
【0025】
以上説明した本実施例1では、生産中に吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間で入替ロボット45によってカセット式フィーダ11を自由に入れ替えることができ、カセット式フィーダ11の交換作業を自動化することができる。
【0026】
更に、吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間に入替エリア42を設けて、吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間でカセット式フィーダ11を入れ替える際に吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43の空きスロットに合わせてカセット式フィーダ11をX方向に移動させたり、カセット式フィーダ11を入れる方のエリアに空きスロットが無い場合には、当該空きスロットが出来るまで当該カセット式フィーダ11を入替エリア42で待機させるようにしたので、吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間のカセット式フィーダ11の入れ替えをスムーズに行うことができる。
【0027】
また、本実施例1では、カセット式フィーダ11に、フィーダIDを記録又は記憶した識別情報記録部を設けると共に、フィーダストックエリア43に、該フィーダストックエリア43に収納したカセット式フィーダ11の識別情報記録部からフィーダIDを読み取る識別情報読取り部を設け、カセット式フィーダ入替システム34の制御装置は、フィーダストックエリア43の識別情報読取り部から送信されてくるフィーダIDに基づいてカセット式フィーダ11を識別するようにしたので、フィーダストックエリア43にカセット式フィーダ11を収納する場合に、任意の空きスロットに自由に収納することが可能となり、フィーダストックエリア43へのカセット式フィーダ11の収納を容易に行うことができる。
【0028】
尚、本発明は、1台の入替ロボット45のみで吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間のカセット式フィーダ11の入れ替えを行うようにしても良く、この場合は、吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間でカセット式フィーダ11を入れ替える際に、入れる方のエリアに空きスロットを設けるように運用すれば良い。
【0029】
また、本発明は、図1に示すように、ベース台36上に部品実装機35を1台のみ搭載する構成に限定されず、ベース台36上に複数台の部品実装機35を並べて搭載するようにしても良い。複数台の部品実装機35に対してカセット式フィーダ入替システム34を設ける場合は、各部品実装機35にそれぞれカセット式フィーダ入替システム34を1台ずつ設けても良いし、2台以上の部品実装機35に対して1台のカセット式フィーダ入替システム34でカセット式フィーダ11の入れ替えを行うようにしても良い。
【実施例2】
【0030】
次に、図3を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、上記実施例1と実質的に同一の部分については同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として上記実施例1と異なる部分について説明する。
【0031】
本実施例2では、フィーダストックエリア43へのカセット式フィーダ11の補給を自動化した構成としている。具体的には、ベース台36の内部に、フィーダストックエリア43に補給するカセット式フィーダ11の搬入及び使用済み(部品切れ)のカセット式フィーダ11の搬出を行うフィーダ搬送用のコンベア51を設けると共に、フィーダ搬送用のコンベア51とフィーダストックエリア43との間でカセット式フィーダ11を載せ替える載替ロボット52を設けたところに特徴がある。
【0032】
フィーダ搬送用のコンベア51は、回路基板搬送用のコンベア37の搬送方向と同じ方向(X方向)にカセット式フィーダ11を横倒し状態で搬送するように設けられている。このフィーダ搬送用のコンベア51には、搬入したカセット式フィーダ11をフィーダストックエリア43の後方位置で停止させるためのストッパ53が昇降可能に設けられている。
【0033】
載替ロボット52は、カセット式フィーダ11をクランプするクランプ機構54と、該クランプ機構54を水平軸の回りを回転させる回転機構55と、該クランプ機構54を上下方向及びXY方向(水平方向)に移動させる移動機構56とから構成されている。
【0034】
以上のように構成した本実施例2では、フィーダ搬送用のコンベア51と載替ロボット52を使用して、フィーダ搬送用のコンベア51とフィーダストックエリア43との間でカセット式フィーダ11を次のようにして載せ替える。
【0035】
フィーダストックエリア43に補給するカセット式フィーダ11をコンベア51に載せて搬入する場合は、ストッパ53を上方に突出させて該カセット式フィーダ11をフィーダストックエリア43の後方位置で停止させる。この後、載替ロボット52を動作させて、クランプ機構54でフィーダ搬送用のコンベア51上の横倒し状態のカセット式フィーダ11をクランプして、移動機構56によりクランプ機構54を上昇させて該カセット式フィーダ11をフィーダ搬送用のコンベア51から持ち上げて該カセット式フィーダ11の回転スペースを確保する。この後、回転機構55によりクランプ機構54を90°回転させて該カセット式フィーダ11を90°回転させて立てた状態にした後、移動機構56によりクランプ機構54をフィーダ搬送用のコンベア51と平行な方向(X方向)に移動させて、該カセット式フィーダ11をフィーダストックエリア43の空きスロットの位置に合わせて、該カセット式フィーダ11をフィーダストックエリア43の空きスロットに収納する。
【0036】
一方、フィーダストックエリア43から使用済み(部品切れ)のカセット式フィーダ11を取り出して搬出する場合は、ストッパ53を下方に引っ込めた状態にすると共に、フィーダストックエリア43の使用済みのカセット式フィーダ11をクランプ機構54でクランプして引き出して、回転機構55によりクランプ機構54を90°回転させて該カセット式フィーダ11を立てた状態から横倒し状態にしてフィーダ搬送用のコンベア51上に載せて搬出する。
【0037】
以上説明した本実施例2では、フィーダストックエリア43に補給するカセット式フィーダ11の搬入及び使用済みのカセット式フィーダ11の搬出を行うフィーダ搬送用のコンベア51を設けると共に、フィーダ搬送用のコンベア51とフィーダストックエリア43との間でカセット式フィーダ11を載せ替える載替ロボット52を設けた構成としたので、フィーダストックエリア43へのカセット式フィーダ11の補給も自動化することができる。
【0038】
尚、本実施例2では、1本のフィーダ搬送用のコンベア51で、フィーダストックエリア43に補給するカセット式フィーダ11の搬入及び使用済みのカセット式フィーダ11の搬出を行うようにしたが、カセット式フィーダ11の搬入専用のコンベアと、使用済みのカセット式フィーダ11の搬出専用のコンベアとを別々に設けるようにしても良い。
【実施例3】
【0039】
次に、図4を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一の部分については同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
【0040】
本実施例3では、フィーダストックエリア43へのカセット式フィーダ11の補給を作業者が行う構成としている。具体的には、カセット式フィーダ入替システム34には、フィーダストックエリア43を開放するための正面扉61が開閉可能に設けられ、この正面扉61の内側に入替ロボット45が設けられている。尚、図4では、正面扉61は、吸着作業エリア41、入替エリア42及びフィーダストックエリア43の3つのエリアを一括して開閉する大型扉となっているが、フィーダストックエリア43のみを開閉する小型扉としても良い。この場合、大型扉は吸着作業エリア41のカセット式フィーダ11の自動交換も可能だが、部品実装機35の動作を止めて作業者の安全を確保する必要がある。一方、小型扉はその開閉時において、入替ロボット45、クランプ機構46、昇降機構47、水平移動機構48の動作を止めるのみであることが望ましい。
【0041】
本実施例3では、フィーダストックエリア43に、カセット式フィーダ11をセットするフィーダセット台62を手前側に傾動可能に設け、正面扉61の開放時にフィーダセット台62を手前側に傾動することで、該フィーダセット台62へのカセット式フィーダ11の補給作業を手作業で容易に行うことができるようになっている。フィーダセット台62へのカセット式フィーダ11の補給完了後は、該フィーダセット台62を元の直立状態に戻して正面扉61を閉じれば、カセット式フィーダ入替システム34が動作可能な状態となる。
【0042】
以上説明した本実施例3では、フィーダストックエリア43へのカセット式フィーダ11の補給を作業者が行う構成となっているが、生産中に吸着作業エリア41とフィーダストックエリア43との間で入替ロボット45によってカセット式フィーダ11を自由に入れ替えることができるので、カセット式フィーダ11の交換作業を自動化することができる。
【0043】
しかも、部品供給テープ13の補給のタイミングが部品実装機35の都合ではなく、作業者の都合で行うことができるため、複数の部品実装機35を備えた生産ラインでは、複数の部品実装機35について、順番にフィーダストックエリア43へのカセット式フィーダ11の補給を行うことが可能となり、生産を継続するために部品実装機35の前で作業者が張り付く必要がなくなり、生産管理に必要な作業者の人数を減らすことができる。
【実施例4】
【0044】
次に、図5を用いて本発明に関連する参考例としての実施例4を説明する。
本実施例4のカセット式フィーダ入替システム71は、部品実装機35の部品吸着位置に部品を供給する複数のカセット式フィーダ11を並べてセットする吸着作業エリア72と、吸着作業エリア72から使用済み(部品切れ)のカセット式フィーダ11を取り出して回収する使用済みフィーダ回収エリア73と、吸着作業エリア72の使用済みのカセット式フィーダ11と入れ替える次のカセット式フィーダ11を収納するフィーダストックエリア74と、吸着作業エリア72から使用済みのカセット式フィーダ11を取り出して前記使用済みフィーダ回収エリア73に回収する回収ロボット(図示せず)と、フィーダストックエリア74から次のカセット式フィーダ11を取り出して吸着作業エリア72に補給する補給ロボット(図示せず)とを備えた構成としている。この場合、吸着作業エリア72の正面側にフィーダストックエリア74を配置し、該フィーダストックエリア74の下側に使用済みフィーダ回収エリア73を配置している。
【0045】
本実施例4では、予め作業者は必要なカセット式フィーダ11をフィーダストックエリア74にセットしておく。生産中に吸着作業エリア72のいずれかのカセット式フィーダ11が使用済み(部品切れ)になると、回収ロボットにより吸着作業エリア72から使用済みのカセット式フィーダ11を取り出して使用済みフィーダ回収エリア73に回収すると共に、補給ロボットにより、フィーダストックエリア74から次のカセット式フィーダ11を取り出して吸着作業エリア72に補給する。使用済みフィーダ回収エリア73は、部品実装機35の個々に配置しても良いし、複数の部品実装機35にて導線を共有し、一箇所に集めても良い。
【0046】
以上説明した本実施例4でも、部品実装機35の稼働中のカセット式フィーダ11の交換作業を自動化できる。
【0047】
尚、本発明のカセット式フィーダ入替システムに使用するカセット式フィーダは、図2の構成に限定されず、例えば、カセットケース内に、部品供給テープを巻き取る巻取部を設け、外部からカセットケース内に導入された部品供給テープを該巻取部に巻き取ることで該テープ装填部にカセットケース内に装填するようにしても良い。
【0048】
その他、本発明は、上記各実施例に限定されず、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0049】
11…カセット式フィーダ、12…カセットケース、13…部品供給テープ、13a…廃棄テープ、14…テープリール、15…テープ装填部、16…リール保持軸、18…テープ送り機構、19…トップフィルム剥離機構、21…テープガイド、22…スプロケット、25…テープ押え、26…トップフィルム回収部、27…トップフィルム送りギア機構、28…モータ、30…廃棄テープ排出通路、32…制御装置、34…カセット式フィーダ入替システム、35…部品実装機、36…ベース台、37…コンベア、38…装着ヘッド、39…XY移動機構、41…吸着作業エリア、42…入替エリア、43…フィーダストックエリア、45…入替ロボット、46…クランプ機構、47…昇降機構、48…水平移動機構、51…フィーダ搬送用のコンベア、52…載替ロボット、53…ストッパ、54…クランプ機構、55…回転機構、56…移動機構、61…正面扉、62…フィーダセット台、71…カセット式フィーダ入替システム、72…吸着作業エリア、73…使用済みフィーダ回収エリア、74…フィーダストックエリア
図1
図2
図3
図4
図5