(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】ポリアミドポリマーを調製するための誘導加熱要素を備える装置
(51)【国際特許分類】
C08G 69/28 20060101AFI20240809BHJP
B01J 19/24 20060101ALI20240809BHJP
B01J 19/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
C08G69/28
B01J19/24 Z
B01J19/00 301A
B01J19/00 301B
(21)【出願番号】P 2023528624
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 IB2021060570
(87)【国際公開番号】W WO2022101881
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-07-13
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317013603
【氏名又は名称】インヴィスタ テキスタイルズ(ユー.ケー.)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】グレルム,サロモン コーネリアス
(72)【発明者】
【氏名】カウシバ,ブライアン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】クヌルスト,ヤルモ
【審査官】菅原 愛
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-123950(JP,A)
【文献】国際公開第2018/015286(WO,A1)
【文献】特表2005-519832(JP,A)
【文献】特表平10-509760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 69/28
B01J 19/24
B01J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミドポリマーを調製するための装置であって、
2つ以上の加熱要素を収容するチャンバを備える容器であって、前記加熱要素がそれぞれ、任意選択的に電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備える、容器と、
液体ポリアミド前駆体を前記容器に添加するための入口と、
前記容器から水蒸気を除去するための出口と、
前記容器から前記ポリアミドポリマーを除去するための出口と、を備え、
前記加熱要素が、前記2つ以上の加熱要素の間に、液体が流れることができる1つ以上のチャネルを提供するアレイに位置付けられ、
前記1つ以上のチャネルが、前記チャンバの軸を中心として円周方向である少なくとも1つのチャネルと、前記チャンバの前記軸に平行である少なくとも1つのチャネルと、を備え、前記チャンバの前記軸が、垂直軸、又は前記容器を通る液体流の主方向に対応する軸である、装置。
【請求項2】
前記アレイが、軸方向に分配された2つ以上の加熱要素のスタックを備え、前記スタック内の隣接する加熱要素間に円周方向の半径方向チャネルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アレイが、同心リング内に半径方向に分配された前記加熱要素の同心配置を備え、隣接する同心リング間に1つ以上の円周方向及び軸方向チャネルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記アレイが、隣接する加熱要素間に1つ以上の半径方向チャネルを提供するように、前記チャンバの前記軸を中心として円周方向に分配された加熱要素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記誘導コイルが、絶縁ケーブル、冷却流体用の導管、又はその両方を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記誘導コイルが、冷却流体用の導管として機能する伝導性チューブを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記誘導コイルが、導電性チューブ又はケーブルの螺旋巻線を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記加熱要素が、ロッド、板、螺旋形状、開放内径を有する円錐台、開放円筒、又はバタフライ配置のチューブの形状にある、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記加熱要素が、再循環器の熱交換器、多ステージ連続反応容器のステージングチャンバ、又はバッチ反応器容器のオートクレーブチャンバ内に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ポリアミドポリマーが、ナイロン-6,6である、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2020年11月16日に出願された米国出願第63/114,220号に対する優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、ポリアミドの製造に関する。本開示はまた、ポリアミド製造のステップ及びプロセス内での誘導加熱の展開に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリアミドは、繊維、ペレット、及びフィルムに容易に処理される多用途ポリマーであり、実質的に全ての産業にわたって有用である。
工業的に重要なポリアミドとしては、二酸とジアミンとの縮合から調製されたポリアミド(例えば、ナイロン-6,6)、ラクタムから調製されたポリアミド(例えば、ナイロン-6)が挙げられる。ポリアミドの工業規模の生産は、大量の熱伝達を伴い、これは製造システムの生産性を制限し得る。
【0004】
蒸気及び液体であり得る熱伝達流体は、容器に熱を伝達する1つの手法である。しかしながら、熱伝達流体は、様々な問題を提示し得る。例えば、流体は、容器内の貴重な空間を占め、それによって容器自体の生産性を低下させる、良好な流れ及び熱分配を可能にするようにサイズ決めされた大きな配管システムを伴う可能性がある。熱伝達流体は、分配システムを通って流れるときに温度を下げる可能性があり、これは熱伝達率を低下させる。蒸気熱伝達システムは、ピーク熱流束時に配管システムを圧倒し有効熱伝達面積を減少させる、凝縮液を発生する可能性がある。熱伝達流体はまた、危険であり得る高温流体を伴い得る。更に、そのような熱伝達流体及びシステムを管理することは、頻繁な検査、停止、及び最終的には高い運転及び保守費用を必要とする可能性がある。蒸気システムは、爆発状態を回避するための封じ込めの必要性に関して特定の危険をもたらす。化学物質自体及びそれらの分解生成物は、環境問題を提示し得る。熱伝達流体は高価である可能性があり、それらの工業規模での使用は、大量かつ高価な分配システムを必要とする可能性がある。これらの要素は、ナイロン製造設備の建設費及び運転費のかなりの部分を占める可能性がある。
【0005】
電気ヒーターはまた、化学処理に使用することができる。しかしながら、電気ヒーターは、表面温度の制御が不十分であり、その結果、敏感な反応混合物又は粘性材料との適合性が不十分であるという一般的な問題を有していた。このようなヒーターを用いて高い生産性を達成することは、熱の均一性及び一貫性を維持することの困難さによって制限される。ポリマー分解は、温度が所望の設定点よりも驚くほど小さい量だけ逸脱する容器の領域において観察され得る。したがって、電気ヒーターは、貴重な容器空間を占める複雑な配管システムを回避することができるが、電気ヒーターは、粘性液体又は敏感な混合物を伴う反応混合物のための工業規模では望ましくない。加熱方法の1つのタイプである誘導加熱は、電気エネルギー源を使用して、電磁放射を介してサセプタを加熱することを可能にし、したがって新しい加熱システムの開発を可能にする。しかしながら、誘導加熱は、全ての用途において効果的であるわけではない。大規模化学処理のために誘導加熱が成功した用途は比較的少ない。ほとんどの例は、気相プロセス及びマイクロリアクタに限定されており、これらは大規模液相反応の課題に対処していない。
【0006】
電力間誘導は、大型化学反応器の外部のための誘導加熱システムを商業的に提供する。これらのシステムは、それ自体が誘導加熱要素である容器の外部に電磁場を印加する。容器壁が加熱されると、容器壁から反応器内容物に熱を伝導する。全熱流束は、反応器壁から反応器内容物への伝導性熱伝達の速度によって制限されたままである。
【0007】
ポリアミドの調製は、敏感かつ粘性のある反応物質を伴い得る。より高い効率、より低いエネルギーコスト、及び低減された環境影響を有するポリアミドを製造するための方法、容器、及びシステムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本明細書の開示は、ポリアミドを調製するのに有用な容器、熱交換器、方法、及びシステムを提供する。例えば、本開示は、内部空洞及び外壁を有するチャンバと、チャンバの内部空洞内の複数の誘導加熱要素と、を提供する。誘導加熱要素はそれぞれ、電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備えることができる。加熱要素は、チャンバの軸を中心として円周方向に2つ以上の加熱要素の間にチャネルを提供するアレイに位置付けられることができる。加熱要素はまた、加熱要素のうちの2つ以上の間に軸方向チャネルを提供することができる。
【0009】
本開示はまた、ポリアミドポリマーを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、1つ、2つ、又はそれ以上の誘導加熱要素、例えば、複数の加熱要素を収容する容器中でポリアミド前駆体の溶液を混合することと、電磁誘導を介してポリアミド前駆体を加熱して、ポリアミドポリマーを提供することと、を含む。誘導加熱要素はそれぞれ、電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備えることができる。加熱要素は、チャンバの軸を中心として円周方向に加熱要素の間にチャネルを提供するアレイに位置付けられることができる。加熱要素はまた、加熱要素のうちの2つ以上の間に軸方向チャネルを提供することができる。プロセスはまた、ポリアミド前駆体の未反応部分をプレポリマーと混合し、混合物を加熱して、ポリアミドポリマー生成物を提供することと、ポリアミド前駆体の未反応部分を容器を通して循環させて、水蒸気を除去することと、ポリアミド前駆体の未反応部分をプレポリマーと混合することと、混合物を加熱して、ポリアミドポリマー生成物を提供することと、を伴うことができる。
【0010】
本開示は、ポリアミドポリマーを調製するためのシステムを更に提供する。システムは、液体ポリアミド前駆体を添加するための少なくとも1つの添加入口と、複数の誘導加熱要素を収容する1つ以上のチャンバを備える化学容器と、容器の1つ以上のチャンバを通して反応成分を循環させるように構成された、撹拌器、再循環器、又はその両方と、水蒸気を除去するための少なくとも1つの出口と、ポリアミドポリマーを除去するための少なくとも1つの出口と、を含むことができる。誘導加熱要素はそれぞれ、電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備えることができる。加熱要素は、チャンバの軸を中心として円周方向に2つ以上の加熱要素の間にチャネルを提供するアレイに位置付けられることができる。加熱要素はまた、加熱要素のうちの2つ以上の間に軸方向チャネルを提供することができる。
【0011】
本開示はまた、一般に、ポリアミドを調製するための、内部誘導加熱、外部誘導加熱、又はその両方の使用を提供する。そのような使用は、例えば、本明細書に記載される容器、熱交換器、方法、及びシステムの使用を含むことができる。
【0012】
利点は、そのうちのいくつかは予想外であるが、本開示の様々な態様によって達成される。例えば、本開示は、液体反応混合物のより高い生産性及びより速く、より効率的な加熱を提供する内部誘導加熱要素を有する化学容器を提供する。ポリアミド製造は、低粘度成分及び高粘度成分の両方を含むことができ、これらは経時的に変化し、反応の過程にわたって数桁増加する反応混合物の粘度をもたらす。その上、ポリアミド製造は、液体有機相及び水相、蒸気相、塩前駆体、並びに有機生成物及び副生成物の混合物を伴い得る。追加的に、ポリマー生成物は、容器温度が所望の温度設定点から逸脱する場合、分解を被る可能性がある。容器内部の加熱要素の存在は、混合、材料流、熱分配、及び生成物除去に複雑な形で悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、不十分な混合、材料流動、又は熱分配は、生成物収率の低下、ポリマー分解、及びより長い処理時間をもたらし得る。別の例として、内部加熱要素は、生成物除去を妨げる可能性がある。その上、加熱要素の加熱速度は、それ自体が必ずしも全体的なプロセス生産性を予測するものではない。例えば、所与の加熱要素の表面熱、加熱速度、又は電気効率は、材料流、熱分配、及び製品保持の相互作用に起因して、必ずしも生産性利得を付与しない。これらの様々な要因のために、そのような複雑な混合物に対する様々な内部要素の効果は、容易に予測することができない。様々な態様では、本開示は、驚くべきことに、かつ有利に、不十分な混合、不十分な熱分配、又は生成物保持に関連する生産性の問題を被ることなく、改善された生産性を達成する様式で配向された内部加熱要素を有する容器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
必ずしも一定の縮尺で描かれていない図面において、同様の数字は、異なる図における同様の構成要素を説明し得る。異なる末尾を持つ数字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、一般に、限定ではなく例として、本明細書で議論される様々な態様を示す。
【0014】
【
図1A】ポリアミドを調製するための化学容器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図1Aは、板タイプ誘導加熱要素がチャンバ内に位置しスタックアレイに配置されている、化学容器を示す。
【
図1B】ポリアミドを調製するための化学容器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図1Bは、アレイの断面図を示し、板はそれぞれ、円錐台を表し、錐台の開放中心がより低く、かつ錐台の外側縁がより高くなるように角度を付けられ、板は、半径方向及び円周方向フローチャネルを提供するように離間される。
【
図1C】ポリアミドを調製するための化学容器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図1Cは、サセプタである金属板内に溶接又は封止された複数の導電性チューブを有する単一の誘導加熱要素の断面図を示す。チューブは、サセプタ板から電気的に絶縁する。チューブは、離間しており、互いに絶縁することができる。好適なプロセス条件及びシステム負荷要求の下では、絶縁ケーブルを配管の代わりに使用することができる。配管又はケーブルは、誘導コイルを提供する。
【
図1D】ポリアミドを調製するための化学容器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図1Dは、アレイの上面図を示し、中心は、軸方向チャネルを提供する。撹拌器は、軸方向チャネルを利用することによって、又は板アレイの間若しくは周りの空間にそれを配置することによって、任意選択的に容器に含めることができる。
【
図2A】ポリアミドを調製するための化学容器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図2Aは、円形マウントにわたって分配され同心円状に配置されている、内部ロッドタイプ誘導加熱要素を有する化学容器を図示する。
【
図2B】ポリアミドを調製するための化学容器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図2Bは、アレイの正面図を示し、ロッドは、フローチャネルを提供するように離間されている。
【
図2C】ポリアミドを調製するための化学容器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図2Cは、支持リングに溶接された複数のチューブを示す断面上面図を提供し、チューブは、絶縁誘導コイルを収容する。コイルは、各チューブ内の螺旋巻によって形成することができる。誘導コイルは、伝導性配管又はケーブルのいずれであってもよい。軸方向チャネルは、最も内側のリングのロッド間のアレイの中心に存在し、追加の軸方向及び円周方向チャネルは、同心支持リング間に存在し、半径方向フローチャネルは、ロッド間に存在する。加熱要素の間又は周囲の適切な寸法の空間のいずれかを利用することによって、撹拌器を容器内に任意選択的に含めることができる。
【
図3A】ポリアミドを調製するための熱交換器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図3Aは、流れの方向に配置されたロッドタイプ誘導加熱要素のアレイを収容する水平熱交換器の断面側面図を示す。
【
図3B】ポリアミドを調製するための熱交換器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図3Bは、チューブ配置を示す断面端面図を示す。加熱要素は、流れの方向に軸方向に配向されるが、必ずしも対称パターンで配列されるわけではなく、必ずしも容器の軸上に入らないチャネルを提供する。加熱要素の誘導コイルは、加熱要素チューブ内の導電性チューブ又はケーブルの螺旋巻線から形成されてもよいか、又は誘導コイルは、熱交換器シェルの外部にあってもよいか、又はその両方であってもよい。
【
図4A】ポリアミドを調製するための熱交換器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。熱交換器は、同心円状に配置された内部円筒形誘導加熱要素を有する。
図4Aは、同心開放円筒の形態の加熱要素のアレイを収容する熱交換器の断面側面図を示す。
【
図4B】ポリアミドを調製するための熱交換器において有用な誘導加熱要素の配置を図示する。熱交換器は、同心円状に配置された内部円筒形誘導加熱要素を有する。
図4Bは、熱交換器の断面上面図を示し、容器が同心円筒を収容し、それぞれが加熱要素として機能し、円筒壁の間に液体媒体が流れることができる軸方向の円周方向チャネルを提供することを示す。各円筒形シェルは、そのシェル用の誘導コイルを形成する導電性配管又はケーブルの巻線を含むことができる。
【
図5A】ポリアミドを調製するための容器ステージにおいて有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図5Aは、トレイ、下降管、及び誘導加熱要素のアレイを有するステージの断面図を示す。
【
図5B】ポリアミドを調製するための容器ステージにおいて有用な誘導加熱要素の配置を図示する。
図5Bは、ステージの断面上面図を示しており、中央の下降管と、バタフライ配置で配置された加熱要素と、を示す。各要素は、内部誘導コイルから処理液を密封するように形成されたサセプタである外部シェルを有することができる。誘導コイルは、導電性チューブ又は絶縁ケーブルの1つ以上の巻線から作製することができる。
【
図6A】前駆体混合容器及び蒸留-重合塔における内部誘導加熱アレイの使用を図示する。
図6Aは、容器システムを示す。
【
図6B】前駆体混合容器及び蒸留-重合塔における内部誘導加熱アレイの使用を図示する。
図6Bは、ステージトレイ及び下降管の上面図を示す。
【
図7】カランドリア再循環器の熱交換器における内部誘導加熱アレイの使用を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、開示される主題の特定の態様を詳細に参照する。開示される主題は、列挙された請求項と併せて記載されるが、例示された主題が請求項を開示される主題に限定するように意図するものではないことは、理解されるだろう。
【0016】
本開示は、とりわけ、ポリアミドを調製するのに有用な容器、熱交換器、方法、及びシステムを記載する。ポリアミド製造は、大量の熱の入力を必要とする可能性があり、製造速度は、システムの達成可能な最大熱流束によって制限される可能性がある。しかしながら、ポリアミド製造は、低粘度及び高粘度の両方、並びに液相要素、気相要素、及び固相要素の両方の混合物を伴い得る。例えば、バッチ反応器などのナイロン製造のためのいくつかのプロセス容器は、重合の特性に起因する課題を提示する。容器への供給物は、前駆体塩、他の添加剤又は共反応物、及び一般に大部分の水を含む、低分子量反応物を含有することができる。その結果、溶液の粘度が低くなる。溶液の低粘度は、より高粘度の溶液であり得る生成物よりもシステムを通してポンプ輸送することを容易にすることができる。より高い熱伝達率は、ヒーターの表面積を増大させることによって達成することができる。しかしながら、反応が進行するにつれて、粘度は、生成物を高表面積ヒーターから除去することが問題となり得る点まで数桁増加する。したがって、表面は、材料の蓄積及び分解を回避するために良好に排水するように設計される。追加的に、ポリアミド縮合中に水蒸気が発生し、これを反応環境から除去して、反応を促進させることができ、前駆体分解によって与えられるものなどの他の蒸気相成分も同様に存在することができる。
【0017】
別の例では、ナイロン塩は、バッチ反応器又は多ステージ連続プロセスのいずれか一方でナイロンポリマーに変換される。これらの場合、生産性は、バルク混合物への熱伝達率によって部分的に定義される。一般に、バルク流体への対流熱伝達速度は、金属容器壁を通る伝導性熱伝達速度よりも遅い。容器内容物への熱伝達は、全体的な生産性に対する制限因子であり得るが、容器内部の熱伝達の増加は、混合の悪化若しくはバルク流体中の対流熱伝達を犠牲にして、又は問題のある生成物保持を犠牲にして、行うことはできない。
【0018】
更に、ポリアミドを大規模に製造することは、更なる課題を提示する。多くのポリアミドは、250℃以上の処理温度を必要とし、これは、高圧及び工業規模と組み合わされた場合、容器本体構成のためのポリマー材料の使用を妨げる。追加的に、規模において、容器壁により近い加熱媒体は、内部材料に対する遮蔽効果を提供する。本明細書に記載の容器、熱交換器、方法、及びシステムは、ポリアミドの大規模な工業製造に有用であり得る。例えば、様々な態様は、少なくとも若しくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10メートルの直径を有する容器又はチャンバを伴うことができる。例えば、様々な態様は、少なくとも若しくは約1、100、1000、2000、3000、4000、又は少なくとも若しくは約5000kgのバッチでのポリアミドの製造を伴うことができる。本明細書に記載された設計原理を適用することによって、加熱要素の好適な配置を用いて、広範囲の容器比率又はバッチサイズに対応することができる。本明細書の様々な態様では、本開示は、改善された全体的な生産性を提供するために、改善された熱伝達、ポリアミドポリマープロセスの好適な大規模及び工業規模の製造を提供し、対流熱伝達、混合、及び生成物保持に対する悪影響を伴わない、誘導加熱要素の様々なアレイの使用を説明する。様々な例では、容器は、約1m2~約500m2、約5m2~約100m2、約5m2~約50m2、約5m2~約30m2、約10m2~約500m2、約10m2~約100m2、約10m2~約50m2、又は約10m2~約30m2の総熱伝達面積を有することができる。伝熱面積と液体体積との比は、約0.5m2/m3~約100m2/m3,約1m2/m3~約100m2/m3、約1m2/m3~約50m2/m3、約1m2/m3~約25m2/m3、約5m2/m3~約100m2/m3、約5m2/m3~約50m2/m3、約5m2/m3~約30m2/m3、約10m2/m3~約100m2/m3、約10m2/m3~約50m2/m3、又は約10m2/m3~約30m2/m3であり得る。
【0019】
本開示は、大規模なポリアミドの調製に有用な内部誘導加熱を使用する化学容器を提供する。容器は、容器のチャンバ内に複数の誘導加熱要素のアレイを収容することができる。誘導加熱要素は、サセプタ及び誘導加熱コイルを含む。本明細書で使用される場合、「複数」は、2つ以上を意味する。例えば、複数は、少なくとも若しくは約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、27、30、35、40、45、又は少なくとも若しくは約50を含み得る。他の例では、複数は、約5~約15、約5~約50、約10~約30、約20~約40、又は約2~約10を含むことができる。
【0020】
加熱要素の形状は、典型的には、サセプタの形状に対応しており、湾曲した板又はフィンのように比較的平坦であってもよいか、又はロッド若しくはチューブのように長いアスペクト比の形状であってもよい。サセプタは、ロッド状、板状、円筒状、又はそれらの変形であってもよい。例えば、板状サセプタは、実質的に平坦な円、湾曲した板、錐台形状、又はボウル形状であってもよい。サセプタは、プロセス流体と接触する側の界面面積を増加させるために、滑らかな外面を有することができるか、又は任意選択的にリッジ若しくはフィンを含むことができる。サセプタは、中実であってもよく、又は中空若しくは内部配管などの内部チャンバを含んでいてもよい。例えば、サセプタは、中空円筒ロッド、中空矩形ロッド、円筒の中空シェル、錐台の中空シェルであってもよい。例えば、サセプタは、ロッド、板、円筒、角柱、直方体、フィン、錐台、円錐、又はそれらの湾曲した変形及び断片であり得る。サセプタは、任意の好適な材料で構成することができる。例えば、サセプタは、ステンレス鋼合金、又は外側ステンレス鋼クラッディングを有する鋼内層、又は特定の役割に適切な他の適切な冶金から構成することができる。ステンレス鋼構造は、様々なポリアミド処理に必要とされる温度範囲に十分であり得る。磁性合金のコア内側層又はパイプを利用することにより、定常状態におけるヒーターの全体的な効率を改善することができる。例えば、二重層サセプタは、磁性鋼の内側層を、ステンレス鋼又は他の冶金などの耐食性の外側層に接合することによって製作することができる。各層の厚さは、全体的な加熱速度を最適化するために別々に指定することができる。様々な態様では、加熱要素は、所望の形状に屈曲及び湾曲される金属配管であり、それは、誘導コイルが配管を通して螺入され、結果として生じる供給及び戻り接続が一緒に位置することを可能にする、高表面積形状又はバタフライ配置であることができる。
【0021】
誘導加熱コイルは、電源に接続された電気ケーブルを含む。様々な態様では、誘導加熱コイルは、遮蔽層、絶縁層、及び液体冷却のためのチャネルのうちの1つ以上を更に含むことができる。内部誘導コイルは、任意の適切な伝導性材料から構成することができる。例えば、誘導コイルは、銅配線であってもよい。配線は、様々な態様において加熱効率を改善することができるマルチツイスト配線であってもよい。長いアスペクト比の加熱要素などのために配管が利用される場合、銅配管で十分であり得るが、他の伝導性材料も利用され得る。ポリアミド処理に伴い得る様々なより低い温度では、水冷は必要とされないが、様々な高エネルギー束の使用に対して、水冷は全体的な効率及び性能を改善することができる。様々な例では、水流を改善するのに十分な直径の配管を有することが有利である。様々な更なる態様では、正方形配管は、円形配管よりも良好な全体的温度均一性及び効率を提供することが見出されている。様々な例の温度均一性、システム効率、及び全体的な性能は、Fluxtrol Inc.(Auburn Hills,MI)からのFLUXTROL50などの磁束集中器を組み込むことによって改善することができる。
【0022】
図に図示されるように、サセプタの形状及びサイズと、容器の比率と、プロセス流体への熱伝達に影響を及ぼすプロセスユニットの流体力学との間には相互作用が存在するが、これらの要因は、誘導コイル加熱の効率にも影響を及ぼし得る。サセプタを加熱する誘導コイルは、プロセス流体との全体的な界面表面積を増加させながらサセプタの効率的な加熱を達成するために、多くの好適な形状及び形態を取ることができる。誘導加熱コイルは、単一巻き又は複数巻きであり得る。コイルは、左巻き、右巻き、又はアセンブリを横切るように交互にすることができる。コイルは、ロッド又は耳形状などの形態を取ることができ、ヘアピン又は平行配置とすることができる。サセプタの形状及び誘導コイルの形態は、プロセスユニット動作の要求に適応し、全体的な所望のプロセス特徴及び良好な熱伝達を達成するように、これらの形態のうちの任意の1つ以上を任意の組み合わせで含むことができる。例えば、誘導加熱コイルは、螺旋を形成することができる。いくつかの螺旋誘導コイルは、例えば、電子コピーがワールドワイドウェブ上のsg-induction.com/wp-content/uploads/2021/03/Coil-Design-Induttore.pdfで入手可能である、Ambrell(登録商標)Induction Heating Solutionsによる「Complete Guide to Induction Coil Design」によって提供されるような市販の螺旋コイルに対応することができる。好適な螺旋形状は、例えば、特定の反応器内のサセプタの熱伝達及び流れ特徴を調整するのに好適なように、直線区分又は他の修正で修正することができる。例えば、誘導コイルは、フィンなどの拡張された表面積を含むサセプタを収容することができる。
【0023】
誘導コイルの良好な動作可能温度を維持することは、サセプタを介して周囲のプロセス流体に熱を伝達することによって達成することができるか、代替的に、コイルは、内部冷却流体の使用を可能にするために配管で製作することができる。更なる例として、螺旋誘導加熱コイルは、コイルの幾何学的形状を横切って流体が横断流を行うためのターンの間に空間を有して巻かれた1つ以上の螺旋ターン、又はターン間に空間がなく、壁を形成するように密に巻かれた1つ以上のターンを備えることができる。別の変形形態は、容器内の流動様式に応じて交互の区分に配置された2つの組み合わせを用いて実現可能である。
【0024】
コイルの電気部品は、望ましくは、できるだけ低温に維持することができる。例えば、鋼合金サセプタは、300℃を超える温度で好適に動作することができ、一方、誘導コイルは、20~30℃に維持することができる。熱遮断部又は断熱材の使用は、その熱本体を通る伝導伝熱流及び構成要素の過熱の影響を低減又は最小化することができる。そのような断熱材は、アルミノシリケート繊維若しくはムライト多結晶繊維を含むセラミック繊維若しくはガラス繊維若しくは鉱物繊維、又はケイ酸カルシウムなどの非繊維状材料に基づくことができる。例えば、Promat製のMicrotherm(登録商標)パネルは、剛性微孔質絶縁板であり、配管の周りに挟持することを可能にする好適に薄い外形のカスタム形状に適合するように制作され得る。熱遮断の他の形態及び例を好適に利用することができ、当業者は、追加のそのような絶縁材料及び技法を確認することができる。
【0025】
誘導は、例えば、サセプタを、約50Hz~約30MHzの範囲の周波数で誘導コイルによって提供される交番磁界にさらすことによって行うことができる。周波数及びサセプタは、例えば、前駆体溶解又はポリアミド縮合重合のために要求される目標温度を提供するように選択することができる。本開示は、任意の特定の誘導周波数又はパルスパターンに限定されることを意図しない。例えば、周波数は、50Hz~約5kHz、50Hz~約50kHz、50Hz~約100kHz、約1kHz~約80kHz、約1kHz~約60kHz、約1kHz~約50kHz、約1kHz~約40kHz、約1kHz~約30kHz、約10kHz~約100kHz、約10kHz~約80kHz、約100kHz~約1MHz、約100kHz~約500kHz、約500kHz~約30MHz、約1MHz~約30MHz、約50Hz~約30MHz、約50Hz~約300kHz、又は約50Hz~約3kHzであってもよい。好適な周波数は、当業者によって確認され得る。適切な誘導コイル周波数は、当業者によって確認され得る。
【0026】
様々な態様では、標的反応温度は、約50℃~約500℃、約50℃~約400℃、約50℃~約380℃、約50℃~約360℃、約50℃~約350℃、約50℃~約340℃、約50℃~約320℃、約50℃~約300℃、約50℃~約280℃、約50℃~約260℃、約50℃~約250℃;約100℃~約500℃、約100℃~約400℃、約100℃~約380℃、約100℃~約360℃、約100℃~約350℃、約100℃~約340℃、約100℃~約320℃、約100℃~約300℃、約100℃~約280℃、約100℃~約260℃、約100℃~約250℃;約150℃~約500℃、約150℃~約400℃、約150℃~約380℃、約150℃~約360℃、約150℃~約350℃、約150℃~約340℃、約150℃~約320℃、約150℃~約300℃、約150℃~約280℃、約150℃~約260℃、約150℃~約250℃であり得る。例えば、いくつかのポリアミドは、250℃以上の温度での処理を必要とし、目標反応温度は250℃以上であり得る。
【0027】
誘導加熱コイルは、サセプタ内に位置することができる。例えば、誘導加熱コイルをサセプタの中空部内に配置することができるか、又はサセプタを誘導加熱コイルの周りに形成することができる。例えば、2つの金属片を一緒に溶接して、誘導コイル及び関連する構成要素を含む層状構造を形成して、誘導加熱コイルを収容する封止された内部空間を有する所望のサセプタ形状を提供することができる。別の例では、金属は、誘導加熱コイルの周りに鋳造又は成形することができる。
【0028】
誘導加熱要素は、任意の適切な様式で製作することができる。例えば、誘導コイルは、絶縁ケーブル又は絶縁マルチストランドケーブルで作製することができる。それは、コイルの過熱を回避するために十分な冷却水の流れを可能にするように適切にサイズ決めされた配管で作製することができる。コイルと加熱表面との間の絶縁層を含めることができる。全体的なヒーター効率を改善するために、遮蔽を含めることもできる。加熱要素はまた、効率を改善し、加熱される部分においてより均一な熱分配を提供するために磁束集中器を含むことができる。これらの要素は、周知の方法論を使用して、必要とされる電力及び周波数を送達するように設計された電源に接続され得る。
【0029】
様々な態様では、誘導加熱要素は、容器の軸と平行に軸方向に配向される。
【0030】
種々の側面では、誘導加熱要素は、ロッド形状であり、チャンバの垂直作業長さの少なくとも一部分、大部分、又は実質的に全体に縦方向に延在する。様々な態様では、誘導加熱要素は、板状であり、チャンバの半径方向作業幅の少なくとも一部分、大部分、又は実質的に全体に延在する。様々な態様では、誘導加熱要素は、円形であり、チャンバの作業垂直長さの少なくとも一部分、大部分、又は実質的に全体に軸方向に積み重ねられる。様々な態様では、誘導加熱要素は、円形であり、チャンバの作業垂直長さの少なくとも一部分、大部分、又は実質的に全体に延在するアレイ内に同心円状に配置される。例えば、直径1メートルのチャンバの場合、加熱要素は、少なくとも若しくは約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.95、0.96、0.97、0.98、又は約若しくは少なくとも0.99メートルの幅である外径を有する円錐の錐台の形状であり得る。様々な更なる実施例では、加熱要素は、約若しくは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、又は約若しくは少なくとも0.05メートルの幅であり得る、内径に開口部を有する円錐の錐台の形状であり得る。内径は、接続ケーブルのための1つ以上の空間を提供することができるか、又は軸方向の流れを可能にする作業空間を提供することができる。様々な例では、容器は、撹拌器を有しない。様々な他の例では、撹拌器は、内径空間、板と外部容器壁との間の空間、又は板間に形成された空間などに任意選択的に含めることができる。撹拌器は、任意選択であり得る。このような撹拌器は、機械的であってもよい。
【0031】
様々な態様では、誘導加熱要素は、反応媒体が流れることができるようにサイズ決めされたチャネルを加熱要素の間に提供するようにアレイに配置される。例えば、チャネルは、隣接する加熱要素間に、約1cm~約300cm、約1cm~約100cm、約1cm~約50cm、約1cm~約25cm、約1cm~約20cm、5cm~約300cm、約5cm~約100cm、約5cm~約50cm、約5cm~約25cm、約5cm~約20cm、10cm~約300cm、約10cm~約100cm、約10cm~約50cm、約10cm~約25cm、約10cm~約20cm、20cm~約300cm、約20cm~約100cm、又は約20cm~約50cmの距離を提供することができる。例えば、チャネルは、少なくとも若しくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、又は20cmであり得る。
【0032】
例えば、加熱要素のアレイは、チャンバの軸を中心として円周方向に、2つ以上の加熱要素の間に1つ以上のチャネルを提供することができる。加熱要素は、加熱要素のうちの2つ以上の間に1つ以上の軸方向チャネルを提供することができる。例えば、アレイは、軸方向、半径方向、円周方向、又はこれらの組み合わせであり得る、少なくとも若しくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、50、又は100のチャネルを提供することができる。加熱要素のアレイは、スタック内の隣接する加熱要素間に円周方向及び半径方向のチャネルを提供するように軸方向に分配された2つ以上の加熱要素のスタックを含むことができる。円周方向の半径方向チャネルは、平面状又は螺旋状であり得る。加熱要素のアレイは、隣接する同心リング間に1つ以上の円周方向及び軸方向チャネルを提供するように同心リング内に半径方向に分配された加熱要素を備えることができる。加熱要素は、隣接する加熱要素間に1つ以上の半径方向チャネルを提供するように、円周方向に分配され得る。いくつかの例は、単一の加熱要素を有することができ、加熱要素は、加熱要素の間及び加熱要素を通る1つ以上のチャネルを提供するように成形される。容器又はチャンバは、垂直軸、又は容器又はチャンバ内の流れの主方向に対応する軸を有することができる。例えば、容器又はチャンバ内の流れは、主に垂直又は水平であり得る。流れは、装置内を流れることができ、例えば、連続的若しくは半連続的な動作の場合のように、又はバッチ動作の場合の再循環流れであることができる。流れは、機械駆動によるものであるか、又は沸騰作用に由来し得るかにかかわらず、このことについては問われない。本明細書で使用される場合、「円周方向」空間は、基準軸を取り囲む空間を指す。様々な例では、円周方向は、完全に円周方向であってもよいし、又は部分的に円周方向であってもよい。
【0033】
様々な態様では、誘導加熱要素は、垂直軸又は優勢な生成物流れの軸に対して平行に、又は非垂直角度でアレイに位置付けられる。例えば、バッチ反応器容器では、加熱要素は、生成物の下方への流れを可能にするのに十分なピッチで角度が付けられるか、又は連続反応器容器では、加熱要素は、生成物除去の方向への生成物の流れを可能にするのに十分なピッチで角度が付けられる。例えば、誘導加熱要素は、チャンバの軸に平行な主軸を有するように配向されるか、又はチャンバの軸に対して垂直以外の角度である板の形態であり得る。加熱要素は、開放内径を有する円錐台の形状であってもよく、約1°~約80°の傾斜角を有する。例えば、傾斜角は、少なくとも若しくは約1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、11°、12°、13°、14°、15°、16°、17°、18°、19°、20°、30°、40°、45°、50°、60°、70°、又は少なくとも若しくは約80°であり得る。加熱要素は、軸に垂直な主表面を提供しないように成形又は配向され得る。様々な例では、加熱要素は、容器の軸に平行に、又は軸に対して90°以外の角度で配向された主面を有することができる。
【0034】
容器は、バッチ反応容器、連続反応器容器、又は半連続反応器容器であってよい。例えば、容器は、オートクレーブであってもよい。容器は、複数のステージを含むことができ、ステージの各々は、チャンバを表すことができる。例えば、容器は、蒸留-重合塔であってよい。容器は、ステージングトレイ及び下降管を有する複数のステージを有することができる。容器は、伝導性材料であってもよい。様々な態様では、容器は、軟鋼、クラッド軟鋼、中実ステンレス鋼、又は他の非鉄金属容器であってもよいか、又は異なる材料の層から製作されてもよい。容器は、少なくとも若しくは約0.5cm、1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、又は少なくとも若しくは約10cmの壁厚を有することができる。様々な例では、容器は、撹拌器を有しない。様々な他の例では、撹拌器は、内径空間、板と外部容器壁との間の空間、又は板間に形成された空間などに任意選択的に含めることができる。撹拌器は、任意選択であり得る。このような撹拌器は、機械的であってもよい。撹拌器は、シャフト駆動されるか、又はジェットエダクターを介して製造されてもよい。様々な例では、容器は、スパージング又はバブリングを含まない。様々な他の例では、容器は、スパージング又はバブリングを含む。
【0035】
本明細書に記載される様々な容器、熱交換器、プロセス、及びシステムは、ポリアミド前駆体、ポリアミドプレポリマー、又はポリアミド前駆体、ポリアミドポリマー、若しくはポリアミド生成物のうちの1つ以上を含有する混合物を加熱するために加熱要素を使用することを伴うことができる。
【0036】
「ポリアミド」は、アミド結合によって連結された繰り返し単位を有するポリマーを指すことができる。ポリアミドは、脂肪族、半芳香族、又は芳香族基を含むモノマーから生じ得る。ポリアミドは、ナイロン、例えばナイロン-6,6又はナイロン-6を含み、単一のモノマー、2つの異なるモノマー、又は3つ以上の異なるモノマーから生じるポリアミドを指すことができる。したがって、ポリアミドという用語は、ジモノマーポリアミドを含む。ポリアミドは、モノマー単位として、ジカルボン酸モノマー単位及びジアミンモノマー単位を有するナイロンであり得る。例えば、ジカルボン酸モノマー単位がアジピン酸であり、ジアミンがヘキサメチレンジアミンである場合、得られるポリアミドはナイロン-6,6であり得る。ナイロン6は、カプロラクタムモノマーを有するポリアミドである。ポリアミドは、2つを超えるモノマーを含有する水溶液、又は水溶液のブレンドから調製され得るコポリマーであり得る。様々な態様では、ポリアミドは、ジカルボン酸モノマー及びジアミンモノマーの重合によって製造され得る。場合によっては、アミノカルボン酸、アミノニトリル、又はラクタムの重合を介してポリアミドを生産することもできる。好適なポリアミドは、本明細書に記載されるモノマー単位から重合されたものを含むが、これらに限定されない。「ポリアミド」という用語は、ナイロン-4,6、ナイロン-4,10、ナイロン-5,6、ナイロン-5,6/5T、ナイロン-5I/5T、ナイロン-5,10、ナイロン-5,12、ナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-12、ナイロン-6,10、ナイロン-6,12、ナイロン-6T/DT、ナイロン-6I/6T、及びナイロン-66/6Tを含む。様々な態様では、ポリアミドは、ナイロン-6,6である。ポリアミドプレポリマーは、目標ポリアミドポリマー生成物の中間体である二量体又はオリゴマーポリマーを指すことができる。
【0037】
ポリアミド「前駆体」は、単独で、又は他の前駆体と一緒に、縮合又は重合してポリアミドを形成する試薬を含有する混合物を指すことができる。例えば、前駆体は、二酸、ジアミン、又はその両方を含むことができる。二酸は、二酸塩であってよい。ジアミンは、ジアミン塩であってよい。例えば、二酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、ヘキサン-1,6-二酸(アジピン酸)、オクタン-1,8-二酸(スベリン酸)、アゼライン酸、デカン-1,10-二酸(セバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン-1,12-二酸、マレイン酸、グルタコン酸、トラウマチン酸、ムコン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-又は1,3-フェニレン二酢酸、1,2-又は1,3-シクロヘキサン二酢酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン-1,3-ジカルボン酸(イソフタル酸)、ベンゼン-1,4-ジカルボン酸(テレフタル酸)、4,4’-オキシビス(安息香酸)、4,4-ベンゾフェノンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、p-t-ブチルイソフタル酸、及び2,5-フランジカルボン酸、並びにこれらの混合物であり得る。ジカルボン酸モノマー単位は、アジピン酸であり得る。ジアミンは、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン(プトレシン)、ペンタメチレンジアミン(カダベリン)、ヘキサメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2-メチルヘキサメチレンジアミン、3メチルヘキサメチレンジアミン、2,2-ジメチルペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2,2,4-及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、5-メチルノナンジアミン、イソホロンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,7,7-テトラメチルオクタメチレンジアミン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、任意選択的に1つ以上のC1~C4アルキル基で置換されたC2~C16脂肪族ジアミン、脂肪族ポリエーテルジアミン、並びに2,5-ビス(アミノメチル)フランなどのフランジアミン、キシリレンジアミン、並びにこれらの混合物であり得る。ジアミンは、ヘキサメチレンジアミンであってよい。前駆体は、二塩又は一塩であり得る。前駆体は、水性塩混合物であってもよい。別の例として、前駆体は、ラクタム、例えば、カプロラクタムを含むことができる。
【0038】
図1A~
図1Dを参照すると、容器100の一態様が、内部に位置した誘導加熱要素110の積層アレイを使用して図示されている。容器は、チャンバ壁102によって画定されるチャンバ内部空洞101を有する。容器は、ナイロン-6,6の製造などのポリアミドオートクレーブとしての使用に好適であり得る。容器は、様々なサイズ、例えば、直径1メートルのオートクレーブであってよい。チャンバ壁102は、伝導性材料、又は1つ以上の伝導性層を含む多層構造とすることができる。様々な例では、チャンバ壁102は、任意選択的に、外部誘導コイル103によって囲まれ得るか、あるいは、熱油若しくは蒸気ジャケットを代替的に使用することができるか、又は両方の組み合わせを使用することができる。内部空洞101は、任意選択的に、撹拌器シャフト104及び撹拌器支柱105を有する撹拌器を含むことができる。垂直方向の流れを増加させるために、撹拌器の周りにシュラウドバッフルを含めることができる。容器は、生成物除去のための出口ドレイン106を有することができ、容器の上部フランジは、前駆体材料を添加するための1つ以上の入口107と、蒸気を除去するか又は圧力を解放するための1つ以上の出口108と、を有する。この例では、撹拌器シャフト104、撹拌器支柱105、出口ドレイン106、及び加熱要素110のアレイは、容器及びチャンバの垂直軸に沿って中心に位置するものとして説明することができる。内部に位置した誘導加熱要素110の積層アレイは、容器の軸に沿って分配しており、反応材料が流れることができる半径方向の円周方向フローチャネル111を提供する。垂直に配置された加熱要素110の各々の中央開口部は、撹拌器シャフト104及び撹拌器支柱105のための作業空間でもある、軸方向フローチャネル112を提供する。撹拌器は、任意選択的に、加熱要素110と容器壁102との間の環状空間内で動作する混合要素を含むこともできる。軸方向フローチャネル及び半径方向フローチャネルは、互いに流体連通している。様々な例では、チャンバの周辺部において、加熱要素は、半径方向の円周方向フローチャネル及び中心軸方向フローチャネルと流体連通する軸方向の円周方向フローチャネル113を提供するように、チャンバ壁の前で終端する。
【0039】
加熱要素110は、熱伝達表面積を最大にしながら、ポリアミド容器内に都合よく展開されるようにサイズ決めかつ成形される。各加熱要素110は、別個の誘導加熱要素を表し、円錐の錐台として成形される。円錐の錐台は、スタックサイズに組み立てられ、容器の底部フランジに垂直に取り付けられる。錐台の内径は、撹拌器シャフト104及び支柱105のための作業空間を可能にするようにサイズ決めされる。スタック内の各加熱要素110は、電気的に絶縁された金属配管を含む誘導コイル115を封入する、一緒に溶接又は封止された2つの板114を備える。電気的に絶縁されたマルチツイストケーブルを配管の代わりに使用することができる。誘導コイルの電気的に絶縁された金属配管又はケーブルは、各々から離間したいくらかの空間を有するように配置され、絶縁することができる。外部板114は、この内部コイル設計のサセプタである。明確にするために示されていない供給及び戻り配管又はケーブルは、ベースマウントを通って各加熱要素から垂直パイプを下って延びる。供給及び戻り配管又はケーブルは、相互接続されるか、又は一緒に支持されるか、又は単一の供給及び戻りパイプを通して束ねられ得る。水再循環ループを配管に接続することができ、コイルを40℃未満の温度に保つことができる。これは、冷却負荷を低減することができ、任意選択的に、コイルとサセプタ板との間に熱遮断を提供するように構成することができる。薄い断熱材をコイルとサセプタ板との間に挟持することもできる。板の角度は、加熱中の流体循環及びバッチサイクルの終わりの生成物排出を可能にすることができる。
図1Aは、部分的に切断された加熱要素110の例示的な積層アレイを使用するバッチ反応器容器を示す。
図1Bは、加熱要素110の例示的な積層アレイの断面図を示す。
図1Cは、例示的な個々の加熱要素110の断面図を示す。
図1Dは、例示的なアレイの上面図を示し、ここでは、実質的に円形の形状を有する加熱要素110によって囲まれた中心軸方向フローチャネル112が見える。
【0040】
図2A~
図2Cを参照すると、容器100の一態様が、内部に位置した誘導加熱要素120の同心アレイを使用して図示されている。容器は、チャンバ壁102によって包囲されたチャンバ内部空洞101を有する。容器は、ナイロン-6,6の製造などのポリアミドオートクレーブとしての使用に好適であり得る。容器は、様々なサイズ、例えば、直径1メートルのオートクレーブであってよい。チャンバ壁は、伝導性材料又は1つ以上の伝導性層を含む多層構成とすることができ、任意選択的に外部誘導コイル103によって囲むことができるか、あるいは熱油又は蒸気ジャケットを代替的に使用することができるか、あるいは両方のタイプの加熱の組み合わせを使用することができる。チャンバの内部空洞は、任意選択的に、撹拌器シャフト104及び撹拌器支柱105を有する撹拌器を含むことができる。垂直方向の流れを増加させるために、撹拌器の周りにシュラウドバッフルを含めることができる。容器は、生成物除去のための出口ドレイン106を有することができ、容器の上部フランジは、前駆体材料を添加するための1つ以上の入口107と、蒸気を除去するか又は圧力を解放するための1つ以上の出口108と、を有する。この例では、撹拌器シャフト104、撹拌器支柱105、出口ドレイン106、及び加熱要素120のアレイは、容器及びチャンバの垂直軸に沿って中心に位置するものとして説明することができる。同心アレイは、内部に位置した誘導加熱要素120を含み、これらはロッド形状であり、容器の軸から半径方向及び同心円状に分配される。ロッドは、各同心円において円形支持リング121に取り付けられる。同心リングの間に、アレイは、反応材料が流れることができる円周方向の軸方向フローチャネル122を提供する。各支持リング上の隣接するロッド間には、半径方向フローチャネル123が設けられている。軸方向フローチャネル及び円周方向の軸方向フローチャネルは、ロッド間の半径方向フローチャネルを介して流体連通している。アレイはまた、撹拌器シャフト104及び撹拌器支柱105のための作業空間でもある、中心軸方向フローチャネル124を提供する。様々な例では、チャンバ壁と加熱要素の最も外側のリングとの間のチャンバの周囲には、軸方向の円周方向フローチャネル125がある。撹拌器は、任意選択的に、環状フローチャネル125内で動作する混合要素を含むこともできる。
【0041】
加熱要素120は、垂直に配向されたロッド形状の誘導加熱要素であり、容器の上部フランジ又は底部フランジを通して設置することができる。
【0042】
アレイ内の各加熱要素120は、別個の誘導加熱要素を表す。これらの要素の各々は、内部に金属配管のコイルが収容されているパイプを備え、任意選択的に絶縁層及び磁束集中器を含む。コイルは、絶縁されたマルチツイストケーブルから任意選択的に作製され得る。コイルは、各チューブ内の螺旋巻によって形成することができる。誘導コイルは、伝導性配管又はケーブルのいずれであってもよい。パイプの内部は、溶接及び適切なプロセスパイプ継手の使用を介してプロセス流体から封止され得る。サセプタを表し加熱ユニットのロッド形状を提供するパイプは、アレイを固定する役割を果たす平坦な金属支持リング121に上部及び底部で接続される。接続部は、支持体に溶接、ろう付け、又は他の方法で固定することができる。支持体は、ステンレス鋼などの好適な金属からなり、これらの支持リングは、容器の上部又は底部に垂直に取り付けられる。説明のために示されていないが、誘導コイルの電源及び液冷用の供給並びに戻りラインは、各加熱要素から垂直パイプ又はチューブを通じて容器の上部又は底部を通って延びる。配管コイルとサセプタパイプとの間の熱遮断の使用は、液体冷却に対する熱負荷を低減することができる。供給ライン及び戻りラインは、一緒に連結され得るか、又は単一の供給パイプ及び戻りパイプを通して束ねられ得る。供給及び戻りが結合されるとき、それは、アレイの複数のレッグにわたる適切な分配を確実にするようなサイズ決めされる。ロッドは、垂直に位置付けられ、加熱中の流体循環及びバッチサイクルの終わりの生成物排出を可能にする。
図2Aは、加熱要素110の例示的な同心アレイを使用するバッチ反応器容器を示す。
図2Bは、加熱要素120の例示的な同心アレイの断面図を示す。
図2Cは、加熱要素120の例示的な同心アレイの上面図を示す。
【0043】
図3A~
図3Bを参照すると、フロースルー熱交換器200の一態様が、内部に位置した誘導加熱要素220のアレイを使用して図示されている。熱交換器は、反応前駆体及び反応混合物を加熱するのに好適である。熱交換器は、チャンバ壁202によって包囲された内部空洞201を有するチャンバとみなすことができるチャンバを有する。熱交換器は、容器の周りの再循環ループ内に配置される場合を含む、二酸溶解ステップ中及び塩調製中に前駆体材料を加熱するためなどのポリアミド化プロセスに好適である。熱交換器は、様々な直径及び長さであり得る。チャンバ壁は、伝導性材料とすることができ、任意選択的に外部誘導コイル203によって囲むことができ、熱交換器のいくつかの構成では、外部コイルは、いずれの内部コイルがなくても使用できる。様々な例では、加熱要素の誘導コイルは、加熱要素チューブ内の導電性チューブ又はケーブルの螺旋巻線から形成されてもよいか、又は誘導コイルは、熱交換器シェルの外部にあってもよいか、又はその両方であってもよい。チャンバの内部空洞は、バッフル204を含むことができ、これは、両方が加熱表面として機能しフローチャネルを撹拌するように、誘導加熱されたフィン、バッフル、板若しくはチューブ、又は任意のそのような組み合わせの形態を取ることができる。熱交換器は、エンドキャップ205を有することができ、これは、加熱要素を取り付ける役割を果たすことができ、電気及び冷却流体供給接続部及びラインのための空間を提供することができる。容器は、入口206及び出口207を有することができる。様々な例では、入口は、二酸若しくはジアミンなどのポリアミド前駆体、又はポリアミドプロセスからの反応媒体の添加を受ける。
【0044】
加熱要素220は、ロッド形状であり、熱交換器内の主な流れの軸に対して軸方向に配向される。しかしながら、図示から明らかなように、アレイは、対称軸を有する必要はなく、熱交換器の流れの軸の周りの中心に位置する必要もない。加熱要素は、加熱要素間にフローチャネルを提供するように離間され、半径方向、軸方向、及び円周方向の流れを可能にする。バッフル204は、ユニットを通る乱流及び半径方向の流れを増加させることができる。バッフル204は、加熱されても加熱されなくてもよい。様々な態様では、バッフルは、流れの軸から半径方向に、例えば、流れの軸に対して垂直に配向されるか、又は流れの軸から半径方向であるが垂直ではない角度で傾斜し得る。ロッドは、エンドキャップ205に取り付けられている。熱交換器は、再循環器の一部であってもよい。
【0045】
誘導コイルは、加熱要素220内に展開され、コイルへの接続は、エンドキャップ205内のプロセス流体の外側で行われ、これによって、ロッドの内部をプロセス流体から密封した状態に保つことができる。誘導コイルの電力及び液体冷却のための供給並びに戻りラインは、一方又は両方のエンドキャップ205を通過することができる。コイルは、絶縁されたマルチツイストケーブルから任意選択的に作製され得る。加熱要素は、位置付けられ、加熱中の流体循環並びに生成物排出及び流れを可能にする。
図3Aは、熱交換器200の断面図を示す。
図3Bは、誘導加熱要素の配置を図示する熱交換器の端面図を示す。
【0046】
図4A~
図4Bを参照すると、フロースルー熱交換器200の一態様が、同心円状に配置された誘導加熱要素230のアレイを使用して図示されている。熱交換器は、反応前駆体及び反応混合物を加熱するのに好適である。熱交換器は、チャンバ壁202によって包囲された内部空洞201を有するチャンバとみなすことができるチャンバを有する。熱交換器は、撹拌容器の周りの再循環ループ内に配置される場合を含む、二酸溶解ステップ中及び塩調製中に前駆体材料を加熱するためなどのポリアミド化プロセスに好適である。例えば、熱交換器は、高流量を提供することができ、熱サイフォンリボイラの熱交換器としての使用に好適であり得る。熱交換器は、様々な直径及び長さであり得る。チャンバ壁は、伝導性材料とすることができ、任意選択的に外部誘導コイルによって取り囲むことができる。例えば、最も外側の円筒は、チャンバ壁202であってもよいし、又は加熱要素230であってもよい。加熱要素230は、複数の同心フローチャネル231を提供する。熱交換器は、複数の入口206を有することができるか、又は後に複数のフローチャネルに分割される単一の入口206を有することができる。熱交換器は、複数の出口207を有することができるか、又は複数のフローチャネルから合計された単一の出口207を有することができる。様々な例では、入口は、二酸若しくはジアミンなどのポリアミド前駆体、又はポリアミドプロセスからの反応媒体の添加を受ける。熱交換器は、再循環器の一部であってもよい。例えば、本明細書に組み込まれる米国特許第3900450号は、垂直流れ及び高エネルギー流束が重要である熱サイフォンリボイラを記載している。前述の態様の変形は、熱サイフォンリボイラを含むリボイラの熱交換器又は再循環器として使用するのに好適であり得るが、
図4に図示される例は、リボイラ及び垂直配向熱交換器に特に好適である。
【0047】
加熱要素230は、熱交換器内の主流の軸に対して軸方向に配向された同心円筒である。フローチャネルは、軸に沿った流れ及び軸の周りの円周方向の流れを可能にする。各加熱要素は、ともに封止されて誘導コイルを封入する内壁及び外壁を有する。コイルは、絶縁されたマルチツイストケーブル、又は冷却液回路に接続された電気的に絶縁された伝導性配管から製作することができる。コイルとサセプタとの間に熱遮断を設けることにより、冷却回路に対する熱負荷を低減することができる。円筒状加熱要素の壁は、サセプタとして機能する。各対の最も内側の壁は、典型的には、より高い磁束を受けるので、一次加熱表面である。チャネルは、各加熱要素230間の垂直流体流れのために可能にされる。直径1メートルのリボイラでは、27個の円筒形加熱要素230を同心円状に配列することができる。供給接続は、各円筒形加熱要素230の一端又は両端に対して行うことができる。内部誘導コイルは、各それぞれの加熱要素230内に渦巻き状に配置することができる。戻り接続は、アレイの反対側の端部に対して行うことができる。コイルへの接続は、例えば、加熱要素230が取り付けられたエンドキャップを使用することによって、流体流れの経路の外側で行うことができる。加熱要素は、軸方向に位置付けられ、高い垂直方向の流れ及び高いエネルギー束を可能にする。
図4Aは、熱交換器200の断面図を示す。
図4Bは、加熱要素及びフローチャネルの同心配置を図示する熱交換器の端面図を示す。
【0048】
図5A~
図5Bを参照すると、誘導加熱要素310のアレイを使用する誘導加熱チャンバ300の一態様が図示されている。描写されたチャンバは、多ステージ連続蒸留-重合塔などの多ステージ容器内のいくつかのステージのうちの1つを表す。多ステージポリアミド化反応容器の例は、米国特許第3,900,450号及び同第5,674,974号に記載されており、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。多ステージ容器は、各ステージングで優れた温度制御を必要とし、生成物の分解を回避するためにヒーターの表面温度を十分に制御された限界内に維持することを必要とする。垂直蒸留-重合塔では、容器内で上昇する蒸気が優勢な垂直流を生成するが、垂直シーケンスの各ステージで物質移動及び半径方向混合が存在することが有利であり得る。本明細書に記載される様々な例は、反応ステージにおけるチャネリングを提供し、これは、ステージングを通る垂直流及び全体として高いエネルギー流束を可能にするが、ステージレベルでの不均一な加熱、生成物損失、又は不十分な混合に関連する問題を被ることはない。
【0049】
チャンバ300は、ステージングチャンバに対応することができ、かつチャンバ壁302によって少なくとも部分的に包囲された、内部空洞301を含む。容器は、ナイロン-6,6の製造などのポリアミド反応器容器としての使用に好適であり得る。チャンバは、様々なサイズであり得る。チャンバは、蒸留トレイとすることができるステージ板303と、下降管304と、を含む。ステージ板には、複数の開口部305を穿孔して、気相反応材料がより低いステージからより高いステージへ通過できるようにすることができる。下降管は、上ステージから下ステージへの液体反応材料の流れを可能にすることができる。
図5は、液体反応材料がステージングチャンバ内にどのように蓄積するかを示すためのステージ液体レベル306を描写する。チャンバ300は、誘導加熱要素310を更に含む。様々な例では、加熱要素は、板タイプ、ロッドタイプ、又は円筒形であり得る。
図5は、バタフライ配置に曲げられた配管から成形され、したがって、円筒形及び板タイプの加熱要素の両方の態様を有する加熱要素を描写する。例えば、バタフライ加熱要素は、円筒形又はドーナツ形状の一部分に対応することができ、配管の供給及び戻り部分は、取り付け支持体に取設される場所でピンチオフされる。コイルは、絶縁されたマルチツイストケーブル、又は冷却液回路に接続された電気的に絶縁された伝導性配管から構成することができる。コイルとサセプタとの間に熱遮断を設けることにより、冷却回路に対する加熱負荷を低減する。チャンバ壁は、伝導性材料とすることができ、任意選択的に、1つ以上のステージにおいて、外部誘導コイル307によって囲むことができるか、あるいは任意選択的に又は代替的に、別のタイプの外部加熱システムの使用を含むことができる。
【0050】
様々な例では、誘導加熱要素310は、ステージのための液体蓄積の領域において下降管の下に位置する。例えば、加熱要素310は、下降流と接触するように液体下降流の位置で下降管の真下に置くことができるか、又は加熱要素310は、下降管の下であるが液体下降流の領域を取り囲むように置くことができる。
【0051】
加熱要素は、垂直スタックに配置することができる。この例では、下降管は、チャンバの垂直軸に沿って中心に位置するものとして説明することができる。内部に位置した誘導加熱要素310の積層アレイは、チャンバの軸に沿って分配され、垂直スタック間に半径方向の円周方向フローチャネル311を提供する。
図5Aに明確に図示されるように、垂直に配置された各々の中の中央開口部。加熱要素310は、軸方向フローチャネル312を提供し、それはまた空間下降管を提供する。軸方向フローチャネル及び半径方向フローチャネルは、流体連通している。様々な例では、チャンバの周辺部において、加熱要素は、半径方向の円周方向フローチャネル及び中心軸方向フローチャネルと流体連通する軸方向の円周方向フローチャネル313を提供するように、チャンバ壁の前で終端する。
【0052】
加熱要素はまた、
図5Bにより明確に図示されるように、同心円状に配置され得る。同心リングの間に、アレイは、反応材料が加熱要素の間を流れることができる追加の円周方向の軸方向フローチャネル314を提供する。各リング内の隣接するバタフライ加熱要素の間には、同心円周方向フローチャネル314と他のフローチャネルとの間の流体連通を可能にする部分半径方向フローチャネル315が設けられる。同心配置アレイはまた、中心軸フローチャネル312を可能にする。
【0053】
図6A~
図6Bを参照すると、誘導加熱容器600の一態様は、加熱前駆体混合容器100と、蒸留-重合塔である多ステージ連続反応器容器601と、を有する。加熱前駆体混合容器100は、内部に位置した誘導加熱要素110の積層アレイを使用して図示されている。容器は、アジピン酸塩及びヘキサメチレンジアミン塩などのポリアミド前駆体塩の溶解を達成するために使用することができる。容器は、チャンバ壁102によって包囲されたチャンバ内部空洞101を有する。チャンバ壁は、伝導性材料とすることができる。様々な例では、チャンバ壁は、任意選択的に、外部誘導コイル103によって囲まれ得る。チャンバの内部空洞は、撹拌器シャフト104及び撹拌器支柱105を有する撹拌器を含むことができる。容器は、溶解した前駆体を除去して多ステージ連続反応器容器601に搬送するための出口ドレイン106を有することができ、容器の上部フランジは、前駆体材料を添加するための1つ以上の入口107と、蒸気を除去するか又は圧力を解放するための1つ以上の出口108と、を有する。内部に位置した誘導加熱要素110の積層アレイは、加熱された前駆体混合容器の軸に沿って分配しており、反応材料が流れることができる半径方向の円周方向フローチャネル111を提供する。垂直に配置された加熱要素110の各々の中央開口部は、撹拌器シャフト104及び撹拌器支柱105のための作業空間でもある、軸方向フローチャネル112を提供する。軸方向フローチャネル及び半径方向フローチャネルは、流体連通している。様々な例では、チャンバの周辺部において、加熱要素は、半径方向の円周方向フローチャネル及び中心軸方向フローチャネルと流体連通する軸方向の円周方向フローチャネル113を提供するように、チャンバ壁の前で終端する。錐台110の内径は、撹拌器シャフト104及び支柱105のための作業空間を可能にするようにサイズ決めされた軸方向フローチャネル112を画定することができる。
【0054】
多ステージ連続反応器容器601は、ステージングチャンバに対応することができ、かつチャンバ壁612によって少なくとも部分的に包囲された、内部空洞611を含む。容器は、ステージ板613及び下降管614を含む。容器は、様々なステージングに誘導加熱要素620を更に含む。様々な例では、加熱要素は、板タイプ、ロッドタイプ、又は円筒形であり得る。
図6は、バタフライ配置に曲げられた配管から成形され、したがって、円筒形及び板タイプの加熱要素の両方の態様を有する加熱要素を描写する。多ステージ連続反応器容器601は、溶解した前駆体塩のための入口618を含む。例えば、蒸気形態の前駆体材料のために、追加の入口619を含めることができる。容器はまた、ガス副生成物除去のための出口617と、ポリアミドポリマー生成物の除去又は更なる処理のためのプレポリマー生成物の除去のための出口616と、を含む。容器は、撹拌器630も収容することができ、そのために下部加熱要素は、作業空間を提供する。
【0055】
図7を参照すると、蒸留-重合塔及び誘導加熱された高垂直フロースルー熱交換器を有する誘導加熱された熱サイフォンリボイラ700の一態様である。容器は、チャンバ壁712によって少なくとも部分的に包囲された内部空洞711を有することができる。容器は、複数の蒸留ステージを含むことができ、蒸留ステージは、蒸留トレイ713及び下降管714を有することができる。容器は、ガス副生成物除去のための出口717と、ポリアミドポリマー生成物の除去又は更なる処理のためのプレポリマー生成物の除去のための出口716と、を有する。容器はまた、前駆体及び反応材料が供給される入口718を有する。出口719は、液体反応媒体の再循環のために提供され、これは、内部空洞711から除去され、熱サイフォンを介して高垂直フロースルー熱交換器200に移送される。フロースルー熱交換器200は、チャンバ壁202によって包囲された、同心円状に配置された誘導加熱要素230のアレイを収容する内部空洞201できる。チャンバ壁は、伝導性材料とすることができ、任意選択的に外部誘導コイルによって取り囲むことができる。加熱要素230は、複数の同心の軸方向に整列したフローチャネル231を提供する。熱交換器は、入口206を有することができ、これは、後に複数のフローチャネルに分割され、次いで、移送ライン及び入口718を通して蒸留-重合塔の内部空洞711に送られる出口207に結合される。熱交換器は、塔内部空洞711と熱交換器200との間のポンプを省略することができるように、熱サイフォンを生成することができる。
【0056】
加熱要素は、様々な様式で配置することができる。例えば、チューブに嵌め込まれた内部コイルは、バタフライ配置など、流体体積全体にわたってヒーターを配置するための多くの選択肢を提供する。更に、他の態様では、ステージングチャンバは、板タイプ及びロッドタイプの加熱要素を好適に利用することができる。例えば、2つの板の内側に密封されたコイルを有する比較的大きな水平パンケーキタイプ加熱要素を利用し、下降管の直下に板ヒーターを位置付けることが可能である。この配置は、液体分配を促進し、ステージ機能を妨げないことが見出されている。より小さいフィン又は板は、パンケーキ設計に基づいて製作され、混合を妨害することなく、2つ以上の加熱要素又は加熱要素のアレイをステージに適合させることを可能にすることができる。バタフライタイプ加熱要素は、最も少ない数の接続部でより大きな表面積を得る能力を提供することができる。例えば、
図5に描写された配置は、隣接する加熱要素間の支持、取り付け、及び接続ケーブルを共有することができる。
【0057】
コイルへの接続は、作動液レベルの下又は上から外部容器壁を通して直接行うことができるか、又は液体の下又は上から加熱要素の取り付け部に製作されたチャネルを通して行うことができる。例えば、取り付け及びコイル接続部は、下降管に沿って、又はステージトレイに沿って延びることができる。本発明の使用から逸脱することなく、多くの他の変形が可能である。
【0058】
これらの例のそれぞれにおいて、本発明の使用から逸脱することなく、間隔の変動及び配向からの逸脱、例えば、垂直性からの逸脱を使用することができる。例えば、様々な態様では、容器及び熱交換器は、単一の同心アレイを含む必要はないが、任意の数の別個の加熱要素を含むことができ、加熱要素は、同心である必要はないか、又は容器内で中心に置かれる必要さえない。誘導的に加熱されたフィン又は板を任意選択的に展開することができる。容器及び熱交換器は、長方形の断面で製作することができる。垂直壁は、乱流を促進するためにディンプル加工又はテクスチャ加工することができる。特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くのそのような変形を利用することができる。
【0059】
この文書を通して、範囲形式で表される値は、範囲の限度として明示的に列挙される数値を含むだけではなく、あたかも各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も含むように、柔軟な方法で解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、単に約0.1%~約5%だけでなく、示された範囲内で、個々の値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)並びに部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)を含むと解釈されるべきである。「約X~Y」の記述は、別途示されない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」の記述は、別途示されない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0060】
本文書において、「a」、「an」、又は「the」という用語は、文脈が別途明確に指示しない限り、1つ以上を含むために使用される。「又は」という用語は、特に指示がない限り、非排他的な「又は」を指すために使用される。「A及びBのうちの少なくとも1つ」又は「A又はBのうちの少なくとも1つ」という記述は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を有する。加えて、本明細書で使用され、かつ他に定義されていない用語又は術語は、説明のみを目的としており、限定するものではないことを理解されたい。セクション見出しのいかなる使用も、文書の読み取りを助けることを意図しており、限定するものとして解釈されるべきではない。セクション見出しに関連する情報は、その特定のセクション内又はその外側に発生し得る。
【0061】
「システム」という用語は、装置を説明するために使用され得る。「装置」という用語は、単一の機器、又は個々の機器の相互接続されたアセンブリを指すことができる。
【0062】
本明細書に記載の方法では、時間的な又は動作の順序が明示的に列挙されている場合を除き、本発明の原理から逸脱することなく、任意の順序で行為を実行することができる。更に、明示的な請求項の文言で個別に実行することが明記されていない限り、指定された行為を同時に実行することができる。例えば、Xを行う請求項に記載の行為とYを行う請求項に記載の行為とが単一の動作で同時に実行され得、結果として生じるプロセスは、請求項に記載のプロセスの字義通りの範囲内に含まれる。
【0063】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、例えば、記載された値又は記載された範囲の限界の10%以内、5%以内、又は1%以内の変動度を可能にすることができ、正確な記載値又は範囲を含む。
【0064】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、又は少なくとも約99.999%以上、又は100%のような大部分又はほとんどを指す。本明細書で使用される「実質的に含まない」という用語は、存在する材料の量が材料を含む組成物の材料特性に影響を及ぼさないような、何も持たない、又はわずかな量を持つことを意味し得、組成物が材料の約0重量%~約5重量%、又は約0重量%~約1重量%、又は約5重量%以下、又は約4.5重量%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、又は約0.001重量%以下、又はそれに等しいか、それ以上であることを意味し得る。「実質的に含まない」という用語は、極めて少量しか含まれていないことを意味し、組成物が材料の約0重量%~約5重量%、又は約0重量%~約1重量%、又は約5重量%以下、又は約4.5重量%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、又は約0.001重量%以下、又は約0重量%であるか、それ以下、それに等しいか、それ以上であることを意味し得る。
【0065】
本明細書で言及される非特許文献(例えば、科学雑誌論文)、特許出願公開公報及び特許を含む全ての刊行物は、それぞれが参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により組み込まれる。
【0066】
この説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の態様を示す。そのような例は、図示又は説明されたものに加えて、要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示又は説明された要素のみが提供される例も企図する。その上、本発明者らはまた、特定の態様に関して、又は本明細書で示されるか若しくは説明される他の例に関して、示されるか若しくは説明される要素の任意の組み合わせ又は置換を使用する実施例及び態様を企図する。
【実施例】
【0067】
比較例1
ナイロンオートクレーブ反応器容器は、外部加熱流体ジャケット、内部加熱流体コイル、及び内部コイル内で機能するように構成されていた撹拌器を備える。Dow Chemical(Midland,MI)製の加熱されたDowtherm A熱伝達流体が、容器の周りの外部ジャケットを通して、及び内部コイルを通して分配される。全伝熱面積は、11.84m2である。伝熱面積と液体体積との比は、12.38m2/m3である。325℃の入力熱伝達流体温度では、275℃に達するのに8.1分を要することが見出されている。
【0068】
この最初のナイロンバッチ製造に続く次のバッチにおいて、前のバッチから残された残留ポリマーは、断熱材として機能し、初期バッチサイクルにおける熱伝達を制限する。Dowtherm A加熱に対するこの得られた断熱抵抗は、重合プロセスの初期ステージにおけるバッチサイクル時間を更に増加させる。
【0069】
比較例2
ナイロンオートクレーブ反応器容器に、外部誘導加熱コイル及び撹拌器を備える。撹拌器は、比較例1と同じ回転速度で使用される。この配置の総熱伝達面積は、6.16m2である。伝熱面積と液体体積との比は、6.44m2/m3である。誘導ヒーターは、全領域にわたって追加の25℃だけ表面温度を上昇させることを可能にする。より高い表面温度にもかかわらず、275℃に達するのに29.0分を要することが見出される。
【0070】
比較例3
比較例1に記載したナイロンオートクレーブ反応器容器において、容器壁は、内部3~4mmのSS316クラッディングを有する約23mmの炭素鋼である。Dowtherm A加熱は、外側厚壁温度を約325~330℃に上昇させる。約275℃までの所望の温度に維持しようとする間、容器壁にわたって強い温度勾配が存在する。重合ステップが完了したら、加熱を止める。しかしながら、Dowtherm A加熱システムは、加熱が停止された後であっても、熱慣性を有する。この現象は、容器内容物を所望の設定値よりも約10℃高い温度まで加熱し続ける。容器システムは圧力逃がしデバイスを備えており、この過熱が圧力事象につながらないように注意を払わなければならない。加えて、Dowtherm Aシステムによって引き起こされるこのような緩慢な熱効果は、ポリマー製造におけるゲル化効果の増大をもたらす。
【0071】
比較例4
比較例3に記載されるナイロンオートクレーブ反応器容器において、ナイロン66/6Tのバッチ製造は、完了時に良好な品質の溶融ポリマーレースを得ることができるように、約330~335℃の内部表面温度(反応性プロセス流体に面する金属の温度)を必要とする。Dowtherm A加熱システムは、その動作温度上限のために非効率的になる。Dowtherm Aは、高温でのその安定性のために、産業において標準的に使用されている熱伝達流体であるが、システムをそれらの上限温度近くで動作させることは、高い分解速度を被る。バッチは、Dowtherm A温度に対するこの制限、並びに加熱に利用可能な非常に小さい温度駆動力のために、長いサイクル時間を要する。
【0072】
実施例1
ナイロンオートクレーブ反応器容器は、外部誘導加熱コイル、撹拌器、及び誘導加熱コイルを利用する高表面積内部ヒーターを備える。撹拌器は、先の実施例と同じ回転速度で使用される。全伝熱面積は、25.3m2である。伝熱面積と液体体積との比は、26.4m2/m3である。比較例2と同じより高い表面温度を採用すると、2.6分で終点温度に達することが見出されている。
【0073】
この最初のナイロンバッチに続く次のバッチにおいて、前のバッチからの残留ポリマーが断熱材として機能する。しかしながら、比較例1とは異なり、誘導加熱は、加熱に対するこの追加された熱抵抗によって多かれ少なかれ影響を受けないままである。
【0074】
実施例2
実施例1の記載されたナイロンオートクレーブ反応器容器において、ここで誘導加熱を適用して、容器内容物を加熱する。また、誘導加熱を停止しても、熱慣性による内容物の過加熱は観察されない。Dowtherm A加熱システムを誘導加熱に置き換えた場合、ゲル化が低減されることも観察される。
【0075】
実施例3
比較例4に記載されたナイロン66/6Tバッチ製造のために、誘導加熱がDowtherm A加熱システムに取って代わる。加熱は、Dowtherm Aシステムに存在するものよりも高い温度駆動力のために効率的になる。全体のバッチサイクル時間が改善する。良好な品質の溶融ポリマーレースが、製造の最後に製造される。
【0076】
実施例4
内部撹拌を外部循環ループで置き換えることを除いて、上記実施例1に記載したようなナイロンオートクレーブ反応器容器を使用する。循環された流体流は、ノズルを介して容器内に戻されて導入される。外部循環ループは、任意選択的に、追加の加熱のため、及び/又は周囲への熱損失を補うために、熱交換デバイスと一体化することができる。実施例1におけるような25.3m2の熱伝達面積に対して、ヒートアップサイクル時間に対して同様の性能が達成される。
【0077】
例示的な態様
以下の例示的な態様が提供されるが、その付番は、重要度を指定するものとして解釈されるべきではない。
【0078】
態様1は、化学容器であって、
外壁及び内部空洞を備えるチャンバと、
チャンバの内部空洞内の1つ、2つ、又はそれ以上の加熱要素であって、加熱要素がそれぞれ、任意選択的に電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備える、加熱要素と、を備え、
加熱要素が、垂直軸又は容器を通る流れの主方向に対応する軸であるチャンバの軸を中心として、加熱要素のうちの1つ、2つ、又はそれ以上の間に円周方向チャネル及び軸方向チャネルを備えるアレイとして位置付けられる、化学容器を提供する。
【0079】
態様2は、アレイが、軸方向に分配された2つ以上の加熱要素のスタックを備え、スタック内の隣接する加熱要素間に円周方向の半径方向チャネルを備える、態様1の化学容器を提供する。
【0080】
態様3は、アレイが、隣接する同心リング間に1つ以上の円周方向及び軸方向チャネルを提供するように同心リング内に半径方向に分配された加熱要素を収容する、態様1又は2のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0081】
態様4は、アレイが、同心リング内に半径方向に分配された加熱要素の同心配置を備え、隣接する同心リング間に1つ以上の円周方向及び軸方向チャネルを備える、態様1~3のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0082】
態様5は、アレイが、円周方向に分配された加熱要素を備え、隣接する加熱要素間に1つ以上の半径方向チャネルを備える、態様1~4のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0083】
態様6は、誘導コイルが、絶縁ケーブル、冷却流体用の導管、又はその両方を備える、態様1~5のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0084】
態様7は、誘導コイルが、絶縁ケーブルを備える、態様1~6のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0085】
態様8は、誘導コイルが、冷却流体用の導管として機能する伝導性チューブを備える、態様1~7のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0086】
態様9は、誘導コイルが、導電性チューブ又はケーブルの螺旋巻線を備える、態様1~8のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0087】
態様10は、加熱要素が、任意選択的に電源に接続された磁束集中器を更に備える、態様1~9のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0088】
態様11は、サセプタは、ともに溶接されて誘導コイルを封入する上部板及び底部板である、態様1~10のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0089】
態様12は、加熱要素が、ロッド、湾曲板、開放円筒、開放円錐台、又はそれらの組み合わせを備える、態様1~11のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0090】
態様13は、加熱要素が、ロッド、板、螺旋形状、開放内径を有する円錐台、開放円筒、又はバタフライ配置のチューブの形状にある、態様1~12のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0091】
態様14は、加熱要素が、ロッドである、態様1~13のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0092】
態様15は、加熱要素が、板である、態様1~14のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0093】
態様16は、板が、チャンバの軸に平行な主軸を有するように配向されるか、又はチャンバの軸に垂直以外の角度である、態様1~15のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0094】
態様17は、加熱要素が、開放内径を有する円錐台の形状にある、態様1~16のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0095】
態様18は、加熱要素の開放内径が、撹拌器のための作業空間を提供するようにサイズ決めされる、態様1~17のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0096】
態様19は、加熱要素が、約1°~約80°の傾斜角を有する円錐台の形状にある、態様1~18のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0097】
態様20は、加熱要素が、開放円筒である、態様1~19のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0098】
態様21は、加熱要素が、軸に垂直な主表面を提供しないように成形又は配向される、態様1~20のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0099】
態様22は、加熱要素が、容器の軸に平行に、又は軸に対して90°以外の角度で配向された主面を有する、態様1~21のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0100】
態様23は、チャンバが、チャンバの軸に平行に位置付けられた、ステージングトレイ及び下降管を備える、態様1~22のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0101】
態様24は、チャンバが、チャンバの軸に沿って位置付けられた支柱及びシャフトを備える機械的撹拌器、ノズル若しくはジェットインダクタを備える機械的撹拌器、スパージング入口若しくはバブリング入口、又はそれらの任意の組み合わせを備える、態様1~23のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0102】
態様25は、チャンバが、チャンバの軸に沿って位置付けられた支柱及びシャフトを備える機械的撹拌器を備える、態様1~24のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0103】
態様26は、チャンバが、機械的撹拌器を含まず、スパージング入口又はバブリング入口を含まない、態様1~25のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0104】
態様27は、チャンバの内部空洞が、円形又は環形状の空洞を含む、態様1~26のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0105】
態様28は、容器の外壁に沿って外部誘導コイルを更に備え、容器壁が、サセプタである、態様1~27のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0106】
態様29は、容器の外壁が、液体又は蒸気熱伝達流体で加熱される、態様1~28のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0107】
態様30は、容器が、外部循環ループを備える、態様1~29のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0108】
態様31は、外部循環ループが、誘導加熱、熱流体加熱、電気抵抗加熱、ガス燃焼加熱、相変化媒体加熱、ヒートパイプ、蒸気加熱、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される外部熱交換器を備える、態様30に記載の化学容器を提供する。
【0109】
態様32は、外部循環ループが、外部ジャケットを通って流れるように適合された熱伝達流体による加熱、内部コイルによる加熱、サセプタとして機能する外部循環ループの外壁に沿った外部誘導コイルによる加熱、又はこれらの組み合わせのために構成されており、外部循環ループが、任意選択的に内部誘導加熱要素を含む、態様30又は31のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0110】
態様33は、外部循環ループが、熱伝達面積を増加させるように、内部空洞、内壁、又はその両方に沿って幾何学的要素を備える、態様30~32のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0111】
態様34は、外部循環ループが、内部誘導加熱要素を含まない、態様30~33のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0112】
態様35は、電源が容器の外部にあり、容器の上部又は底部を通る軸方向に配向された配管を介して誘導コイルに接続される、態様1~34のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0113】
態様36は、チャンバの内部空洞が、1メートル以上の半径方向直径を有する、態様1~35のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0114】
態様37は、チャンバ壁の外側に沿って外部誘導コイルを更に備え、チャンバ壁が、伝導性である、態様1~36のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0115】
態様38は、態様1~37のいずれか1つに記載の化学容器中でポリアミド前駆体の溶液を混合することを含む、ポリアミドポリマーを調製するためのプロセスを提供する。
【0116】
態様39は、ポリアミドポリマーを調製するためのプロセスであって、
ポリアミド前駆体の溶液を、1つ、2つ、又はそれ以上を備える容器内で混合することであって、それぞれが、任意選択的に電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備える、混合することと、
ポリアミド前駆体を電磁誘導を介して加熱して、ポリアミド生成物を提供することと、を含む、プロセスを提供する。
【0117】
態様40は、加熱要素が、加熱要素の間に、混合物が流れることができる1つ以上のチャネルを提供するようにアレイに位置付けられる、態様39のプロセスを提供する。
【0118】
態様41は、チャネルが、容器の軸を中心として円周方向である少なくとも1つのチャネルと、容器の軸に平行である少なくとも1つのチャネルと、を備え、容器の軸が、垂直軸、又は容器を通る液体流の主方向に対応する軸である、装置を提供する、態様39又は40のいずれか1つのプロセスを提供する。
【0119】
態様42は、態様39~41のいずれか1つに記載のプロセスであって、
ポリアミド前駆体を加熱して、ポリアミド前駆体の一部分からプレポリマー及び水蒸気を提供することと、
ポリアミド前駆体の未反応部分を容器を通して循環させることと、
水蒸気を除去することと、
ポリアミド前駆体の未反応部分をプレポリマーと混合することと、
ポリアミド生成物を提供するために加熱することと、を更に含む、プロセスを提供する。
【0120】
態様43は、ポリアミドポリマーを調製するためのプロセスであって、
ポリアミド前駆体の溶液を容器のチャンバ内で混合することであって、チャンバが、複数の誘導加熱要素を収容し、各誘導加熱要素が、任意選択的に外部電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備える、混合することと、
ポリアミド前駆体を加熱して、ポリアミド前駆体の一部分からプレポリマーを提供することと、
ポリアミド前駆体の未反応部分をチャンバを通して循環させ、チャンバから水蒸気を除去することと、
ポリアミド前駆体の未反応部分をプレポリマーと混合し、混合物を加熱して、ポリアミドポリマー生成物を提供することと、を含み、
加熱要素が、加熱要素の間に、混合物が流れることができる1つ以上のチャネルを提供するアレイに位置付けられ、
1つ以上のチャネルが、チャンバの軸を中心として円周方向である少なくとも1つのチャネルと、チャンバの軸に平行である少なくとも1つのチャネルと、を備え、
チャンバの軸が、垂直軸、又は連続流反応器容器内の液体流の主方向に対応する軸である、プロセスを提供する。
【0121】
態様44は、ポリアミド前駆体が、二酸、ジアミン、又はその両方を含む、態様39~43のいずれか1つに記載のプロセスを提供する。
【0122】
態様45は、ポリアミド前駆体が、二酸塩、ジアミン塩、又はその両方を含む、態様39~44のいずれか1つに記載のプロセスを提供する。
【0123】
態様46は、ポリアミド前駆体を溶解温度まで加熱する、態様39~45のいずれか1つに記載のプロセスを提供する。
【0124】
態様47は、ポリアミド前駆体が、アミド縮合を誘導する温度まで加熱される、態様39~46のいずれか1つのプロセスを提供する。
【0125】
態様48は、ポリアミド前駆体が、二酸及びジアミンを含む、態様39~47のいずれか1つに記載のプロセスを提供する。
【0126】
態様49は、ポリアミド生成物が、ナイロン-6,6である、態様37~48のいずれか1つに記載のプロセスを提供する。
【0127】
態様50は、ポリアミドポリマーを調製するための装置であって、
液体ポリアミド前駆体を添加するための少なくとも1つの入口と、
複数の加熱要素を収容する1つ以上のチャンバを備える容器であって、各加熱要素が、任意選択的に電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備える、容器と、
容器の1つ以上のチャンバを通して反応成分を循環させるように構成された、撹拌器、再循環器、又はその両方と、
水蒸気を除去するための出口と、
ポリアミドポリマーを除去するための出口と、を備え、
加熱要素が、加熱要素の間に、液体が流れることができる1つ以上のチャネルを提供するアレイに位置付けられ、
1つ以上のチャネルが、容器の軸を中心として円周方向である少なくとも1つのチャネルと、容器の軸に平行である少なくとも1つのチャネルと、を備え、容器の軸が、垂直軸、又は容器を通る液体流の主方向に対応する軸である、装置を提供する。
【0128】
態様51は、ポリアミドポリマーを調製するための装置であって、
1つ、2つ、又はそれ以上の加熱要素を収容するチャンバを備える容器であって、加熱要素がそれぞれ、任意選択的に電源に接続された、サセプタ及び誘導コイルを備える、容器と、
液体ポリアミド前駆体を容器に添加するための入口と、
容器から水蒸気を除去するための出口と、
容器からポリアミドポリマーを除去するための出口と、を備え、
加熱要素が、1つ、2つ、又はそれ以上の加熱要素の間に、液体が流れることができる1つ以上のチャネルを提供するアレイに位置付けられ、
1つ以上のチャネルが、チャンバの軸を中心として円周方向である少なくとも1つのチャネルと、チャンバの軸に平行である少なくとも1つのチャネルと、を備え、チャンバの軸が、垂直軸、又は容器を通る液体流の主方向に対応する軸である、装置を提供する。
【0129】
態様52は、アレイが、軸方向に分配された2つ以上の加熱要素のスタックを備え、スタック内の隣接する加熱要素間に円周方向の半径方向チャネルを備える、態様50又は51の装置を提供する。
【0130】
態様53は、アレイが、同心リング内に半径方向に分配された加熱要素の同心配置を備え、隣接する同心リング間に1つ以上の円周方向及び軸方向チャネルを備える、態様50~52のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0131】
態様54は、アレイが、隣接する加熱要素間に1つ以上の半径方向チャネルを提供するように、チャンバの軸を中心として円周方向に分配された加熱要素を備える、態様50~53のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0132】
態様55は、誘導コイルが、絶縁ケーブル、冷却流体用の導管、又はその両方を備える、態様50~54のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0133】
態様56は、誘導コイルが、冷却流体用の導管として機能する伝導性チューブを備える、態様50~55のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0134】
態様57は、誘導コイルが、導電性チューブ又はケーブルの螺旋巻線を備える、態様50~56のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0135】
態様58は、加熱要素が、ロッド、板、螺旋形状、開放内径を有する円錐台、開放円筒、又はバタフライ配置のチューブの形状にある、態様50~57のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0136】
態様59は、チャンバが、チャンバの軸に平行に位置付けられた、ステージングトレイ及び下降管を備える、態様50~58のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0137】
態様60は、チャンバが、チャンバの軸に沿って位置付けられた支柱及びシャフトを備える機械的撹拌器、ノズル若しくはジェットインダクタを備える機械的撹拌器、スパージング入口若しくはバブリング入口、又はそれらの任意の組み合わせを備える、態様50~59いずれか1つに記載の装置を提供する。
【0138】
態様61は、チャンバが、機械的撹拌器を収容しない、態様50~60のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0139】
態様62は、チャンバが、スパージング入口又はバブリング入口を含まない、態様50~61のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0140】
態様63は、チャンバの内部空洞が、円形又は環形状の空洞を含む、態様50~62のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0141】
態様64は、容器の外壁に沿って外部誘導コイルを更に備え、容器壁が、サセプタである、態様50~63のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0142】
態様65は、容器の外壁が、液体又は蒸気熱伝達流体で加熱される、態様50~64のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0143】
態様66は、容器が、外部循環ループを備える、態様50~65のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0144】
態様67は、外部循環ループが、誘導加熱、熱流体加熱、電気抵抗加熱、ガス燃焼加熱、相変化媒体加熱、ヒートパイプ、蒸気加熱、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される外部熱交換器を備える、態様66に記載の装置を提供する。
【0145】
態様68は、外部循環ループが、外部ジャケットを通って流れるように適合された熱伝達流体による加熱、内部コイルによる加熱、サセプタとして機能する外部循環ループの外壁に沿った外部誘導コイルによる加熱、又はこれらの組み合わせのために構成されており、外部循環ループが、任意選択的に内部誘導加熱要素を含む、態様66又は67のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0146】
態様69は、外部循環ループが、熱伝達面積を増加させるように、内部空洞、内壁、又はその両方に沿って幾何学的要素を備える、態様66~68のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0147】
態様70は、外部循環ループが、内部誘導加熱要素を含まない、態様66~69のいずれか1つに記載の化学容器を提供する。
【0148】
態様71は、加熱要素が、再循環器の熱交換器、多ステージ連続反応容器のステージングチャンバ、又はバッチ反応器容器のオートクレーブチャンバ内に位置する、態様50~70のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0149】
態様72は、容器が、蒸留-重合塔内の連続ステージとして配向された複数のチャンバを備える、態様50~71のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0150】
態様73は、チャンバが、熱サイフォンリボイラの再循環器内の熱交換器である、態様50~72のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0151】
態様74は、容器が、バッチ反応器容器である、態様35~73のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0152】
態様75は、容器が、連続反応器容器である、態様35~74のいずれか1つに記載の装置を提供する。
【0153】
態様76は、態様1~38のいずれか1つに記載の化学容器であって、いずれか1つに記載のプロセスである。
【0154】
態様39~49は、あるいは態様50~75のいずれか1つに記載の装置であり、ポリアミドが、ナイロン-6,6である。
【0155】
態様77は、任意選択的に図面に従って構成された、態様1~76のいずれか1つ又は任意の組み合わせの化学容器、プロセス、又は装置を提供する。
【0156】
態様78は、任意選択的に記載された各要素又は選択肢が使用又は選択に利用可能であるように構成された、態様1~77のいずれか1つ又は任意の組み合わせの化学容器、プロセス、又は装置を提供する。