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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】シェニールカーペット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 27/02 20060101AFI20240809BHJP
   D02G 3/42 20060101ALI20240809BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
A47G27/02 D
D02G3/42
B32B5/26
A47G27/02 102
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023532786
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2021131299
(87)【国際公開番号】W WO2022193701
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】202110833327.7
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517071380
【氏名又は名称】昆山怡家居紡織有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】曹順林
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3210369(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第108086009(CN,A)
【文献】中国実用新案第207313915(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第102433705(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0272262(US,A1)
【文献】中国実用新案第212477042(CN,U)
【文献】特開平05-125633(JP,A)
【文献】特開2001-336037(JP,A)
【文献】特開昭46-007644(JP,A)
【文献】特開平01-097229(JP,A)
【文献】中国実用新案第206799959(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第112831935(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 27/00 - 27/02
D02G 3/42
B32B 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1、シェニール糸を用いて基布層においてタフティング加工を行った後に、基布層の一側にカーペット面層を形成し、ブランクカーペットを製造するステップと、
S2、前記ブランクカーペットを処理して前記カーペット面層のループパイルを粒子状に形成させるステップとを含み、
前記ブランクカーペットを処理して前記カーペット面層のループパイルを粒子状に形成させるステップは、
前記ブランクカーペットをロール機内に入れて加熱転動し、反転し、軟化処理し、冷却降温し、前記カーペット面層のループパイルを粒子状に形成させることを含み、
前記ロール機に転動筐体が内蔵され、転動筐体の筐体壁に複数の放熱用の放熱孔が分布され、前記ロール機の内蔵転動筐体には正転、逆転を設定でき、回転数を定速又は周波数変換調速を設定することができ、転動速度の可変範囲は10r/min~30r/minであり、正転時間又は逆転時間は5min~120minであり、正転、逆転方向は切り替えることができ、
前記ブランクカーペットは前記転動筐体においてほぐれた状態にあり、前記ブランクカーペットが前記転動筐体に伴って回動する過程において、前記ブランクカーペットは筐体内壁の一定の高さに達した後に自由落下して次の回動を開始するように、循環して繰り返し、
前記ロール機の加熱転動過程における温度設定範囲は70℃~200℃であり、軟化処理時間は5s~600sであり、冷却降温過程で加熱プログラムがオフされ、送風機は内循環によりブランクカーペットの温度を自然に低下させ、降温過程においてロール機の内蔵筐体は降温プログラムが終了するまで、回転方向を自動的に均一に循環して切り替えるように運転し、
乾燥機の前半部分はS字に湾曲したダクトユニットであり、後半部分はメッシュベルト式の搬送ユニットであり、
前記カーペット面層のループパイルを粒子状に形成させるように、前記ブランクカーペットを乾燥機に入れ、前記乾燥機の送風機により吹掛け、さらに風力によりブランクカーペットを乾燥機内部のS字に湾曲したダクトユニットに進出させ、ブランクカーペットに加熱乾燥を行い、カーペットとに湾曲したダクトユニットとの摩擦を行うことを含み、
前記ブランクカーペットを乾燥機に入れ、前記乾燥機でブランクカーペットを加熱転動し、乾燥させ、前記カーペット面層のループパイルを粒子状に形成させることを含み、
前記乾燥機にドラムが内蔵され、ドラム壁に複数の放熱孔が分布され、前記乾燥機の収納可能なブランクカーペットの重量は15KG~250KGであり、前記乾燥機に内蔵されるドラムの回転速度は29r/min~35r/minであり、加熱温度は70℃~180℃であり、
前記ブランクカーペットをロール機の内蔵ドラムに入れ、高温摩擦、形成ロール処理を行い、前記カーペット面層のループパイルを粒子状に形成させることを含むことを特徴するシェニールカーペットの製造方法。
【請求項2】
前記乾燥機の温度制御範囲は100℃~200℃であり、運転速度は0.5m/min~10m/minであることを特徴する請求項1に記載のシェニールカーペットの製造方法。
【請求項3】
ステップS2における全ての動作は手動又は自動プログラムにより連続操作を実現することであることを特徴する請求項1に記載のシェニールカーペットの製造方法。
【請求項4】
ステップS2の終了後、前記カーペット面に柔軟剤作動液を吹付けることをさらに含み、前記柔軟剤作動液における柔軟剤の含有量は5g/L~40g/Lであり、柔軟剤作動液の使用量は50g/m2-200g/m2であることを特徴する請求項1に記載のシェニールカーペットの製造方法。
【請求項5】
ステップS2で得られたカーペットに底部被覆加工を行い、即ちカーペットの底部にホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、発泡接着剤を使用したり或いは他の単独の裏羽目材又は滑り止め処理付きの裏羽目材を複合し、及び/又は、
得られたシェニールカーペットに捺染する二次加工を行うことをさらに含むことを特徴する請求項1に記載のシェニールカーペットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紡績分野に関し、具体的にはシェニールカーペット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シェニール糸は2本の撚り線を芯糸とし、撚ることにより花糸を中間に挟んで織製されてなる。シェニール糸は羽毛が膨らみ、手触りが柔軟であり、織物が厚くて且つ軽量であるという特徴を有し、ホームテキスタイル分野に幅広く利用され、シェニール糸はタフティングや編プロセスと結合して各種類のカーペットが作成され、人々のホーム体験を豊かにする。
【0003】
現在市販されているシェニールカーペットの一般的な製造プロセス経路は、紡績-タフティング又はニット丸編機の製織-落水染色処理-脱水-乾燥定型-裏面の接着剤塗布(複合)-裁断-縫製であり、該プロセスは紡績で得られた糸を第一層としてタフティング方式により第二層の基布と結合してブランクカーペットを製造し、続いてこのブランクカーペットをラピッド染色機又はジッガー染色機などの染色装置において必要な色の濃淡に基づいて100分間程度染色していろんな色を有するブランクカーペットを製造し、さらにブランクカーペットを脱水機に入れて20分間程度脱水してから、リラックスドライヤにより乾燥定型を行い、最後に裁断、縫製してカーペットを製造する。中国特許CN101139788Aは光沢のあるシェニールカーペット生地及び製造プロセスを開示し、シェニール糸の製造-シェニール糸をシェニールカーペット生地に製織すること-染色処理-仕上げ-脱水-乾燥定型とのステップを含み、この特許の生産プロセス経路が長く、コスト及びエネルギー消費が高い。
【0004】
従来汎用のシェニールカーペットの製造プロセスにおいて、染色工程では大量の水を染料の担体として使用して糸繊維分子と結合したり又は繊維分子の隙間に進入させることで様々な色を製造する必要があり、ラピッド染色機でシェニールカーペットを染色することを例とし、使用浴比が1:10であり、即ち200KGのシェニールカーペットを染色するために2000KGの水で染色液を製造する必要があり、染色工場内に水資源の浄化、リサイクルを行うことができるが、大量の水分損失は巨大な浪費になるに決まり、且つ汚水処理には化学物質が大量使用されるとともに大量の化学物質が残留されて環境汚染をもたらす。染色過程では染着過程の円滑な進行を保証するために、巨大な熱エネルギーを必要とし、一般的な染色プロセスでは常温水が2℃/minの加熱速度で70℃~80℃まで昇温し、続いて1℃/minの加熱速度で100℃~130℃まで昇温し、続いて保温操作が20min~30min行われ、最後に降温処理が行われ、染色後のブランクカーペットはさらに脱水乾燥を行なわれなければならなず、全工程には時間が長くかかり、エネルギー消費が大きく、水使用量が巨大である。先染糸で製造されるシェニールもあり、落水処理を経るものであり、染料を使用しない以外、他の工程が上記と同様であり、大量の汚水及び化学物質の残留も発生する。現在市販のシェニールカーペットの製造プロセスにおいて、0.8g/Lのレベラー、対応する配合比の染料及び1%~3%の柔軟剤及び還元洗浄剤が添加され、得られた製品は手触りが柔軟であるが、化学助剤の添加により環境にある程度の破壊をもたらす。例えば、中国特許CN108301244Aは、超高吸水性の短毛本色のシェニールマットの製造方法を開示し、マット素地を染色するステップを含み、染色前に前処理の浸漬を行い、使用前にポリエステルマット原染体を添加し、まず予め軟水に浸漬し、前浸漬処理を行い、予熱水蒸気室において60℃の水蒸気室が常温で2℃/min毎に90℃まで昇温し、温度が90℃前後に安定した後に引き続き水蒸気で10分間蒸し、-1℃/minで110℃まで昇温し、水蒸気で10分間蒸し、3℃/minで60℃まで降温し、続いて取り出し、セルフに設置し、染色の準備を行う。染料インクの成分には、分散染料、レベラー、軟化剤、潤滑剤、処理剤などが含まれる。このような染色プロセスは時間が長くかかり、エネルギー消費が大きく、水使用量が多く、化学助剤が環境を破壊する。
【0005】
また、現在市販されているシェニールカーペットはパイル収縮度が高く、パイル繊維の配列が緊密であり、繊維がストレート状態を呈し、パイルの嵩高性及び膨らみが不十分であり、吸水力がよくなく、発明者の先行特許CN104783632Aにおいて、インドの人工シェニールマットを模倣する加工方法が開示され、シェニール糸の染色→シェニール基布の処理→タフティング→滑り止め整理→ロック処理との加工ステップが順次含まれ、この特許で製造されたシェニールカーペットはループパイル状であり、嵩高性、膨らみ及び吸水力はいずれも好ましくない。
【0006】
従って、時間がかかり、エネルギー消費が高く、水使用量が多く、環境を汚染し、嵩高性などがよくないという上記従来技術に存在する課題を克服するために、現在ではシェニールカーペットの製造方法が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記技術的課題を解決するために、本発明はシェニールカーペット及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は以下の技術態様により実現される。
【0009】
カーペット面層、基布層及び底裏層で構成され、前記基布層が化繊ニット又は布帛生地基布層、化繊ニット又は布帛生地及び/若しくはニードルパンチ化繊不織布で形成された複合基布層又はスパンボンド不織布基布層であり、前記カーペット面層がシェニール糸を用いて基布層においてタフティング加工を行った後に基布層の一側に形成されたループパイルタフティング層を含み、前記底裏層がホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、発泡ラテックス又は他の滑り止め機能付きの生地及び材料を複合する滑り止め処理層を含み、成形ロール機で加熱転動し、水蒸気軟化処理を行い、冷却降温してタフティング層のループパイルを粒子状パイルに形成させるシェニールカーペット。
なお、好ましくは、タフティング層のループパイルの高さが3.5mm~45mmである。
【0010】
好ましくは、前記基布層の種類は以下を含み、
前記複合基布層はニードルパンチ化繊不織布であり、その重量が50~500g/mであり、前記複合基布層は化繊ニット又は布帛生地であり、その重量は70~350g/mであり、
前記ニット又は布帛基布層の重量は50~350g/mであり、
前記スパンボンド不織布基布層の重量は50~350g/mである。
【0011】
好ましくは、前記基布層の原材料は化学繊維、天然繊維及び混紡繊維のうちの一種又は複数種であってもよい。
【0012】
好ましくは、前記カーペット面層のシェニール糸は新規の意匠糸であり、それは異なる繊度の短繊維又はフィラメントで織製された2本の撚り線を芯糸とし、異なる撚度で撚ることにより異なる繊度の花糸を異なる幅に切断して2本の芯糸の中間に挟んで織製されてなる。
【0013】
好ましくは、前記カーペット面層のシェニール糸の材質はポリエステル、ナイロン、綿、又は混紡繊維などの繊維のうちの一種又は複数種であり、
好ましくは、前記カーペット面層のシェニール糸の番手は2.6Nm~0.2Nmであり、
好ましくは、前記カーペット面層のシェニール糸の撚度は280T/M~800T/Mであり、
好ましくは、前記カーペット面層のスノーヤーンの花糸の番手は30D~600Dであり、
好ましくは、前記カーペット面層のシェニール糸の花糸の幅は2mm~15mmである。
【0014】
本発明は、
S1、シェニール糸を用いて基布層においてタフティング加工を行った後に、基布層の一側にカーペット面層を形成し、ブランクカーペットを得るステップと
S2、ステップS1におけるブランクカーペットを形成ロール機内に入れて加熱転動し、反転し、水蒸気軟化処理を行い、自然放冷により降温するステップと、
S3、ステップS2で得られたカーペットに対して底部被覆加工を行い、即ちカーペットの底部にホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、発泡接着剤を用いたり又は他の単独の裏羽目材又は滑り止め処理付きの裏羽目材を複合するステップとを含む前記シェニールカーペットの製造方法をさらに提供する。
【0015】
なお、好ましくは、ステップS2における形成ロール機の機種は水蒸気型形成ロール機、電気加熱・熱伝導オイル型形成ロール機、又は天然ガス加熱油型形成ロール機を含み、
好ましくは、ステップS2において形成ロール機に転動筐体が内蔵され、家庭用ドラム洗濯機の構造に類似し、ステップS2の過程において熱量の効果的な伝播及び均一な拡散のために、転動筐体の筐体に複数の放熱孔が分布され、
好ましくは、ステップS2における形成ロール機の内蔵転動筐体には正逆転を設定することができ、回転数は必要に応じて定速又は周波数変換調速を設定することができ、転動速度の可変範囲は10r/min~30r/minであり、正逆転時間は必要に応じて設定することができ、回動時間は5min~120minであり、正逆転方向は自動的に均一に循環して切り替えることができ、
好ましくは、ステップS2においてブランクカーペットは形成ロール機の筐体において自然にほぐれた状態にあり、ブランクカーペットが形成ロール機の内蔵筐体に伴って回動する過程において、ブランクカーペットは筐体内壁の一定の高さに達した後に自由落下して次の回動を開始するように、循環して繰り返し、
好ましくは、ステップS2において形成ロール機の加熱転動過程における温度設定範囲は70℃~200℃であり、
好ましくは、ステップS2において水蒸気軟化処理の時間は5s~600sであり、
好ましくは、ステップS2において、自然放冷による降温過程で、加熱プログラムがオフされ、送風機は内循環によりブランクカーペットの温度を自然に低下させ、降温過程において形成ロール機の内蔵筐体は降温プログラムが終了するまで、依然として回転方向を自動的に均一に循環して切り替えるように運転し、
好ましくは、ステップS2における全ての動作は手動又は自動プログラムにより連続操作を実現することができる。
【0016】
代替可能には、本発明のシェニールカーペットの製造方法のステップS2は、
S2、ステップS1のブランクカーペットをシェーカー乾燥定型機に入れ、定型機の送風機により吹掛け、さらに風力によりブランクカーペットを定型機内部のS型風路に進出させ、乾燥機によりカーペットにシェイクと加熱乾燥を行い、またカーペットのシェイク中にブランクカーペットとS型風路との高周波摩擦を行うステップであってもよい。
【0017】
なお、好ましくは、ステップS2におけるシェーカー乾燥定型機の種類は水蒸気型シェーカー乾燥定型機、電気加熱・熱伝導オイル型シェーカー乾燥定型機、天然ガス加熱油型シェーカー乾燥定型機を含み、
好ましくは、ステップS2においてシェーカー乾燥定型機は2台以上の強力送風機を有し、送風機のモータ電力は20KW~40KWであり、送風機の回転数は100r/min~1500r/minであり、
好ましくは、ステップS2においてシェーカー乾燥定型機において、送風機が吹きかけて風力を形成することで、さらにブランクカーペットを定型機に進出させ、送風機は定型機が搬送する動力源であり、
好ましくは、ステップS2におけるシェーカー乾燥定型機の前半部分はS型湾曲式風力ダクトユニットであり、後半部分はメッシュベルト式搬送ユニットであり、前半部分は動力源の役割を果たし、後半部分は搬送、ガイドの役割を果たし、シェーカー乾燥定型機は風力によりカーペットを搬送するとともに、強風とダクトのS型湾曲構造によりS1におけるカーペット素地はシェイク状態を形成し、且つS型ダクト構造はブランクカーペットとの間で摩擦状態を形成し、
好ましくは、ステップS2におけるシェーカー乾燥定型機の温度制御範囲は100℃~200℃であり、
好ましくは、ステップS2におけるシェーカー乾燥定型機の運転速度は0.5m/min~10m/minである。
【0018】
代替可能には、本発明のシェニールカーペットの製造方法のステップS2は、
S2、ステップS1のブランクカーペットを水蒸気式乾燥機に入れ、ブランクカーペットを加熱転動して、乾燥するステップであってもよい。
なお、好ましくは、ステップS2における水蒸気式乾燥機の外形及び内部構造は大型工業洗濯機と類似し、ドラムが内蔵され、ドラム壁に複数の放熱孔が分布され、
好ましくは、ステップS2において水蒸気式乾燥機が収容可能なブランクカーペットのパイルウェイトは15KG~250KGであり、
好ましくは、ステップS2における水蒸気式乾燥機のドラムの回転速度は29r/min~35r/minであり、
好ましくは、ステップS2における水蒸気式乾燥機の加熱温度は70℃~180℃である。
【0019】
代替可能には、本発明のシェニールカーペットの製造方法のステップS2は、
S2、ステップS1のブランクカーペットをGQ-3500Z水蒸気式形成ロール機の内蔵ドラムに入れて高温摩擦、形成ロール処理を行うステップであってもよい。
【0020】
また、ステップS2の終了後に使用ニーズに応じてカーペット面に柔軟剤を吹付ける処理を行うことができ、柔軟剤作動液における柔軟剤の含有量は5g/L~40g/Lであり、柔軟剤作動液の使用量は50g/m2-200g/mである。
【0021】
また、本発明で得られたシェニールカーペットは捺染などの二次加工に用いられて新製品を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明のカーペットは製造過程において大量の水資源を消費する必要がなく、製造過程において染色槽を使用せず、生産過程において一般的なシェニールカーペットの場合染色処理時に用いられる還元洗浄剤、レベラー、染料、平滑剤などの化学助剤を使用せず環境汚染を回避し、カーペットの製造過程はプロセス経路が短く、大量のエネルギーを消費する必要がなく、前記カーペットのブランクカーペットを形成ロール機内に入れることで、ブランクカーペットは形成ロール機の内蔵ドラムに伴って回動し、高温摩擦し、シェニールの花糸繊維が収縮し、膨化して変形し、芯糸は高温摩擦収縮を経て、ブランクカーペットパイルをループパイル状から収縮させるとともに粒子状に自己加撚し、芯糸は高温摩擦収縮後に自然捲縮状態を呈し、カーペットのカーペット面層の嵩高性及び膨らみをより高くする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明のシェニールカーペットの構成概略図である。
図2】汎用プロセス技術で製造されたシェニールカーペットの構成概略図である。
図3】本発明者による先行発明のシェニールカーペットの構成概略図である。1:カーペット面層、2:基布層、3:底裏層。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施例を参照しながら本発明を詳述する。以下の実施例は当業者が本発明をさらに理解することに役立つものであるが、本発明を何ら限定するものではない。なお、当業者であれば、本発明の思想から逸脱することなく、いくつかの調整及び改進を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
本発明はシェニールカーペット及びその製造方法を提供する。
【0026】
前記シェニールカーペットはカーペット面層、基布層及び底裏層を含み、前記基布層は化繊ニット又は布帛生地基布層、化繊ニット又は布帛生地及び/若しくはニードルパンチ化繊不織布で形成された複合基布層又はスパンボンド不織布基布層であり、前記カーペット面層はシェニール糸を用いて基布層においてタフティング加工を行った後に、基布層の一側に形成されたループパイルタフティング層を含み、さらに加工により粒子状を有するカーペット面層が形成され、具体的には一定の温度で振動、シェイク、摩擦を経て形成された粒子状パイルを有するカーペット面層であってもよい。前記底裏層はホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、発泡ラテックス又は他の滑り止め機能付きの生地及び材料を複合する滑り止め処理層を含み、成形ロール機で加熱転動し、水蒸気軟化処理を行い、冷却降温してタフティング層のループパイルを粒子状パイルに形成させる。なお、降温方式は自然放冷による降温、強冷降温又は他の実現可能な降温方式であってもよい。
【0027】
前記シェニールカーペットの製造方法は以下のステップを含む。
【0028】
A、製糸について、先染糸又は綿糸を取って花糸とし、普通のポリエステル短繊維又は綿糸を芯糸としてシェニール糸を製造し、ワインダでパッケージを製造し、
B、基布層の作成について、基布を選定し、基布層を作成し、基布は布帛基布、スパンボンド不織布基布、ポリエステル短繊維とポリプロピレン布帛布複合基布などのうちの一種又は複数種を含み、
C、製織について、ステップAで得られたシェニール糸をタフティングマシンのクリールに掛け、ステップBにおける基布層を用いて、各種類のピッチのタフティングマシン/丸編機で製織してループパイル状のブランクカーペットを得て、
D、形成ロール処理について、ステップCで得られたブランクカーペットを形成ロール機に入れて処理し、乾燥-水蒸気軟化処理-残熱冷却降温処理の流れで行い、又は定型機の処理により、ブランクカーペットを処理してカーペット面層のループパイルを粒子状パイルに形成させ、
E、裏面の接着剤塗布、底部被覆について、織りあがったループパイルシェニールブランクカーペットに対して底部被覆加工を行い、即ちカーペットの底部にはホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、発泡接着剤を用ちいたり又は他の単独裏羽目材又は滑り止め処理機能付きの裏羽目材を複合し、
F、裁断処理について、ステップEで得られたカーペットをサイズ要求に応じて裁断処理を行い、
G、縫製処理について、ステップFで裁断されたカーペットを縁取り機で縁取り又は縁かがり縫い処理を行う。
【0029】
具体的な適用例は以下の各実施例を参照する。
【0030】
実施例1
【0031】
本実施例はシェニールカーペット及びその製造方法を提供し、その製造ステップは以下のとおりである。
S1、制糸について、芯糸がポリエステル16S/2であり、花糸が150D/144FDTYであり、撚度が530T/Mであり、花糸の幅が11mmである先染シェニール糸を選定し、シェニール糸の番手は0.45Nmであり、
S2、基布層の製造について、ポリエステルフィラメント布帛基布を選定し、基布の坪量は270g/mであり、打ち込み本数は23.2×15.3/cmであり、番手は300D/96FX3であり、
S3、製織について、ピッチが3/8であるループパイルのタフティングマシンを選定し、パイルの高さを15mmとし、ブランクカーペットのパイルウェイトを850g/mとし、ステップS2における270g/mの基布層を用いてタフティングを行い、
S4、形成ロール処理について、ステップS3で得られたタフティングブランクカーペットを50KG取り、GQ-3500Z水蒸気型形成ロール機の内蔵ドラムに入れ、形成ロール機の内蔵ドラムの回転数を18r/minとし、形成ロール機の加熱温度を100℃とし、加熱転動時間を7分間とし、正逆転時間をそれぞれ3.5分間とし、水蒸気軟化処理を行い、水蒸気の温度を100℃とし、水蒸気放出時間を20sとし、水蒸気と加熱モジュールをオフし、自然放冷により70℃まで降温し、冷却時間が5minであり、全過程でブランクカーペットが形成ロール機の内蔵ドラム内で自然にほぐれた状態にあり、外力の制約を受けず、続いて形成ロール処理後のブランクカーペットを取り出し、
S5、裏面の接着剤塗布、底部被覆について、ステップS4の終了後のカーペットに対して底裏面の滑り止め処理を行い、品番が1135-BであるSEBSホットメルト接着剤を用いてカーペットの底裏面にタンブラーコーティングし、接着剤量は40g/mであり、
S6、裁断処理について、裏面の接着剤塗布後のカーペットを必要なサイズに応じて裁断し、
S7、縫製処理について、裁断処理されたカーペットに対して縁取り機で縁取り処理を行い、縁取り布はポリエステル起毛布であり、重量は120g/mであり、縁取り布の幅は48mmである。
【0032】
実施例2
【0033】
本実施例はシェニールカーペット及びその製造方法を提供し、その製造ステップは以下のとおりである。
S1、製糸について、芯糸はポリエステル15S/2であり、花糸は150D/288FDTYであり、撚度は540T/Mであり、花糸の幅は8mmであり、シェニール糸の番手は0.7Nmであり、
S2、基布層の製造について、ポリエステルフィラメント布帛基布を選定し、基布の坪量は130g/mであり、打ち込み本数は42×27/インチであり、番手は300D/96Fであり、
S3、製織について、ピッチが3/8であるループパイルのタフティングマシンを選定し、パイルの高さを30mmとし、カーペットのパイルウェイトを1350g/mとし、ステップS2における130g/mの基布層を用いてタフティングを行い、
S4、形成ロール処理について、ステップS3で得られたタフティングブランクカーペッを50KG取り、GQ-3500Z水蒸気型形成ロール機の内蔵ドラムに入れ、形成ロール機の内蔵ドラムの回転数を18r/minとし、形成ロール機の加熱温度を100℃とし、加熱転動時間を15分間とし、正逆転時間をそれぞれ7.5分間とし、水蒸気軟化処理を行い、水蒸気の温度を105℃とし、水蒸気放出時間は30sであり、水蒸気と加熱モジュールをオフし、自然放冷により70℃まで降温し、冷却時間は8minであり、全過程でブランクカーペットは形成ロール機の内蔵ドラム内で自然にほぐれた状態にあり、外力の制約を受けず、続いて形成ロール処理後のブランクカーペットを取り出し、
S5、裏面の接着剤塗布、底部被覆について、ステップS4の終了後のカーペットに対して底裏面の滑り止め処理を行い、品番が1135-BであるSEBSホットメルト接着剤を用いてカーペットの底裏面にタンブラーコーティングし、接着剤量は40g/m2であり、
S6、裁断処理について、裏面の接着剤塗布後のカーペットを必要なサイズに応じて裁断し、
S7、縫製処理について、裁断処理されたカーペットに対して縁取り機で縁取り処理を行い、縁取り布はポリエステル起毛布であり、重量は120g/mであり、縁取り布の幅は48mmである。
【0034】
実施例3
【0035】
本実施例はシェニールカーペット及びその製造方法を提供し、その製造ステップは以下のとおりである。
S1、製糸について、花糸は150D/192FDTYであり、撚度は550T/Mであり、花糸の幅は7mmであり、芯糸はポリエステル20S/2であり、シェニール糸の番手は1.5Nmであり、
S2、基布層の製造について、ポリエステルフィラメント布帛基布を選定し、基布の坪量は180g/mであり、打ち込み本数は86.5×41/inchであり、番手は300D/96Fであり、
S3、製織について、ピッチが1/8であるループパイルのタフティングマシンを選定し、パイルの高さを20mmとし、カーペットのパイルウェイトを700g/mとし、ステップS2における180g/mの基布層を用いてタフティングを行い、
S4、形成ロール処理について、ステップS3で得られたタフティングブランクカーペッを50KG取り、GQ-3500Z水蒸気型形成ロール機の内蔵ドラムに入れ、形成ロール機の内蔵ドラムの回転数を20r/minとし、形成ロール機の加熱温度を105℃とし、加熱転動時間を10分間とし、正逆転時間をそれぞれ5分間とし、水蒸気軟化処理を行い、水蒸気の温度を103℃とし、水蒸気放出時間は15sであり、水蒸気と加熱モジュールをオフし、自然放冷により70℃まで降温し、冷却時間は7minであり、全過程でブランクカーペットは形成ロール機の内蔵ドラム内で自然にほぐれた状態にあり、外力の制約を受けず、続いて形成ロール処理後のブランクカーペットを取り出し、
S5、裏面の接着剤塗布、底部被覆についてステップS4の終了後のカーペットに対して底裏面の滑り止め処理を行い、発泡天然ラテックスで滑り止め処理を行い、発泡天然ラテックスの坪量は600g/mであり、
S6、裁断処理について、裏面の接着剤塗布後のカーペットを必要なサイズに応じて裁断し、
S7、縫製処理について、裁断処理されたカーペットに対して縁取り機で縁取り処理を行い、縁取り布はポリエステル起毛布であり、重量は120g/mであり、縁取り布の幅は48mmである。
【0036】
実際の応用では、本実施例に係るシェニールカーペットは基布層、カーペット面層のみを含み、カーペット面層と基布層の材料及び製造方法は上記記載のように、カーペット面層と基布層で形成されたシェニールカーペットは他の滑り止めマットと重ねて使用される。実施例4及び実施例5は、基布層とカーペット面層からなるシェニールカーペットの実施形態を記載している。
【0037】
実施例4
【0038】
本実施例はシェニールカーペット及びその製造方法を提供し、その製造ステップは以下のとおりである。
S1、製糸について、芯糸はポリエステル15S/2であり、花糸は150D/288FDTYであり、撚度は400T/Mであり、花糸の幅は15mmであり、
S2、基布層の製造について、スパンボンド不織布基布を選定し、基布の坪量は180g/mであり、
S3、製織について、ピッチが3/8であるループパイルのタフティングマシンを選定し、パイルの高さを15mmとし、カーペットのパイルウェイトを850g/mとし、ステップS2における180g/mの基布層を用いてタフティングを行い、
S4、形成ロール処理について、ステップS3で得られたタフティングブランクカーペットを100m取り、シェーカー乾燥定型機に入れ、シェーカー乾燥定型機の前半部分はS型湾曲式風力ダクトユニットであり、後半部分はメッシュベルト式搬送ユニットであり、前半部分は動力源の役割を果たし、後半部分は搬送、ガイドの役割を果たし、シェーカー乾燥定型機は風力によりブランクカーペットを搬送するとともに、強風とダクトのS型湾曲構造によりS1におけるカーペット素地はシェイク状態を形成し、且つS型ダクト構造はカーペットとの間で摩擦状態を形成し、前記カーペット面層のループパイルを粒子状パイルに形成させ、なお、温度制御範囲は100℃であり、運転速度は0.5m/minであり、
S5、裁断処理について、S4で製造されたカーペットを必要なサイズに応じて裁断し、
S6、縫製処理について、裁断処理されたカーペットに対して縁取り機で縁取り処理を行い、縁取り布はポリエステル起毛布であり、重量は120g/mであり、縁取り布の幅は48mmである。
【0039】
実施例5
【0040】
本実施例はシェニールカーペット及びその製造方法を提供し、その製造ステップは以下のとおりである。
S1、製糸について、芯糸はポリエステル15S/2であり、花糸は150D/288FDTYであり、撚度は400T/Mであり、花糸の幅は15mmであり、
S2、基布層の製造について、布帛生地で形成された複合基布層を選定し、基布層の坪量は250g/mであり、
S3、製織について、ピッチが3/8であるループパイルのタフティングマシンを選定し、パイルの高さを20mmとし、カーペットのパイルウェイトを1050g/mとし、ステップS2における250g/mの基布層を用いてタフティングを行い、
S4、形成ロール処理について、ステップS3で得られたタフティングブランクカーペッを100KGで取り、GQ-3500D電気加熱・熱伝導オイル型形成ロール機の内蔵ドラムに入れ、形成ロール機の内蔵ドラムの回転数を20r/minとし、形成ロール機の加熱温度を190℃とし、加熱転動時間を5分間とし、水蒸気軟化処理を行い、水蒸気の温度を103℃とし、水蒸気放出時間が300sであり、水蒸気と加熱モジュールをオフし、自然放冷により70℃まで降温し、冷却時間が7minであり、全過程でブランクカーペットは形成ロール機の内蔵ドラム内で自然にほぐれた状態にあり、外力の制約を受けず、続いて形成ロール処理後のブランクカーペットを取り出し、
S5、裁断処理について、S4で製造されたカーペットを必要なサイズに応じて裁断し、
S6、縫製処理について、裁断処理されたカーペットに対して縁取り機で縁取り処理を行い、縁取り布はポリエステル起毛布であり、重量は120g/mであり、縁取り布の幅は48mmである。
【0041】
性能試験
【0042】
A、吸水性滴下法の比較試験
【0043】
滴下拡散時間は主に水分に対する織物の吸収速度を反映し、吸水性の良し悪しを検証し、試料表面に一定の高さから水滴を滴下し、試料に水滴が接触してから試料における反射光が消えるまでの時間を記録する。実施例2のシェニールカーペットと比較するために、同じく30gであり縫い目が同じく11針/10mmである汎用プロセスで作成されたシェニールカーペットを用いて、同じく20mmの高さで20mLのメートル・グラスで滴下試験を行った。
【0044】
試験結果は従来汎用プロセスで製造されたシェニール生地の反射光の消失時間が1秒であり、本発明のシェニールカーペットの反射光の消失時間が0.7秒であり、このことから分かるように、本発明のシェニールカーペットの吸水性は従来汎用プロセスで製造されたシェニールカーペットの吸水性より高い。
【0045】
B、嵩高性の比較試験
【0046】
嵩高性の比較試験の前提について、同種類のシェニール糸、同種類のタフティングプロセスで製織して同種類のブランクカーペットを得ることである。
【0047】
嵩高性の比較試験の要求項目について、
1、同じサイズ範囲内で、従来汎用プロセスで製造されたシェニールカーペットと本発明のシェニールカーペットのカーペット面のパイル数
2、同じサイズ範囲内で、従来汎用プロセスで製造されたシェニールカーペット及び本発明のシェニールカーペットのパイルサイズは、長さ、幅、高さを含み、
試料の製織プロセスは実施例1と一致し、0.45Nmのシェニール糸を選定し、タフティングのピッチは3/8であり、タフティングのパイル高さは15mmであり、タフティングの縫い目は9針/10cmであり、同じく270g/mのポリエステルフィラメント布帛基布であり、
本発明の実施例1のシェニールカーペット及び従来汎用プロセスで製造されたシェニールカーペットを取り、サイズはいずれも15cm×15cmであり、2種類のプロセスで製造されたカーペットからそれぞれ3つの試料を取り、比較試験を行い、
試験データは以下のとおりである。
従来汎用プロセスで製造されたシェニールカーペットのカーペット面のパイル数は、試料1が360個、試料2が360個、試料3が345個であり、
本発明のシェニールカーペットのカーペット面のパイル数について、試料1が270個、試料2が255個、試料3が270個である。
【0048】
上記の試験データを纏めてわかるように、本発明のシェニールカーペットのカーペット面のパイル数は従来汎用プロセスで製造されたシェニールカーペットのパイル数より少なく、これは、本発明の製造プロセスにおいて、カーペットの収縮が汎用プロセスのシェニールカーペットの収縮度より小さく、本発明のシェニールカーペットの嵩高性が汎用プロセスで製造されたカーペットの嵩高性より優れることを示している。
本発明の実施例1のシェニールカーペット及び従来汎用プロセスで得られたシェニールカーペットを取り、サイズはいずれも20cm×20cmであり、2種類のプロセスで製造されたカーペットからそれぞれ3つの試料を取り、比較試験を行う。
【0049】
試験データは以下のとおりである。
従来汎用プロセスで製造されたシェニールカーペットのカーペット面のパイルサイズは以下のとおりである。
サンプリングされたパイル1のサイズについて、長さが7mm、幅が7mm、高さが12mmであり、
サンプリングされたパイル2のサイズについて、長さが7mm、幅が6.5mm、高さが12.5mmであり、
サンプリングされたパイル3のサイズについて、長が6.5mm、幅が6.5mm、高さが12.5mmである。
【0050】
本発明の製造過程において水及び染色処理助剤を使用しないシェニールカーペットのカーペット面のパイルサイズは以下のとおりである。
サンプリングされたパイル1のサイズについて、長さが9mm、幅が8.5mm、高さが14mmであり、
サンプリングされたパイル2のサイズについて、長さが8.5mm、幅が8.5mm、高さが13.5mmであり、
サンプリングされたパイル3のサイズについて、長さが9mm、幅が9mm、高さが14mmである。
【0051】
上記の試験データを纏めてわかるように、本発明で得られたシェニールカーペットのカーペット面のパイルサイズは従来汎用プロセスにより製造されたシェニールカーペットのパイルサイズより大きく、これは、本発明の製造プロセスにおいて、カーペットの収縮が汎用プロセスのシェニールカーペットの収縮度より小さく、本発明で製造されたシェニールカーペットの嵩高性が汎用プロセスにより製造されたカーペットの嵩高性より優れることを示している。
【0052】
上記2種類の試験項目を総合してわかるように、本発明で製造されたシェニールカーペットの嵩高性は汎用プロセスにより製造されたカーペットの嵩高性より優れる。
【0053】
C、プロセスの水使用量の比較試験
【0054】
汎用プロセス技術を使用して先染シェニールを製造する。
花糸は150D/144FDTYであり、芯糸はポリエステル16s/2であり、シェニールの仕上がり番手は0.45Nmであり、また番手が300D/96FX3、坪量が270g/mであるポリエステルフィラメント布帛基布を使用し、ピッチが3/8であるタフティングマシンを用いてタフティングを行い、毛丈は15mmであり、ブランクカーペットのパイルウェイトは850g/mであり、
シェニールブランクカーペットを100KGを取り、染色槽に入れて水洗処理を行い、水洗温度は100℃であり、使用必要な水の重量は800KGである。
【0055】
本発明の製造プロセスを使用して先染シェニールを製造する。
【0056】
実施例1の記載と同様に、花糸は150D/144FDTYであり、芯糸はポリエステル16s/2であり、シェニールの仕上がり番手は0.45Nmであり、番手が300D/96FX3、坪量が270g/mであるポリエステルフィラメント布帛基布を使用し、ピッチが3/8であるタフティングマシンを用いてタフティングを行い、毛丈は15mmであり、ブランクカーペットのパイルウェイトは850g/mであり、
同様にシェニールブランクカーペットを100KG取り、GQ-3500Z水蒸気型形成ロール機の内蔵ドラムに入れて、高温摩擦、形成ロール処理を行い、形成ロール工程において20sの水蒸気軟化処理を行う必要があり、水蒸気の温度が100℃であり、水蒸気の流量が0.13m/sであり、使用される水蒸気は2.6mであり、水使用量に換算して約1.55KG(温度が100℃であり、1標準大気圧であり、水蒸気の密度が0.59764KG/mである。)である。
【0057】
以上の比較試験により、本発明の製造プロセスの水使用量は汎用プロセス技術の水使用量より少ない。
【0058】
D、カーペット面のパイルの支持力の比較試験
【0059】
汎用プロセス技術を使用し、芯糸はポリエステル15S/2であり、花糸は150D/288FDTYであり、花糸の幅は8mmであり、紡績機によりシェニール糸を製造し、仕上がり番手は0.7Nmであり、坪量が130g/mであるポリエステルフィラメント布帛基布、ピッチが3/8であるループパイルのタフティングマシンを用いてタフティング製織を行い、タフティングの毛丈は30mmであり、ブランクカーペットのパイルウェイトは1350g/mであり、染色槽内で105℃で水洗し、シェニールカーペットを得た。
【0060】
本発明の製造プロセスを使用し、実施例2の記載と同様に、芯糸はポリエステル15S/2であり、花糸は150D/288FDTYであり、花糸の幅は8mmであり、紡績機によりシェニール糸を作成し、仕上がり番手は0.7Nmであり、坪量が130g/mのポリエステルフィラメント布帛基布、ピッチが3/8であるループパイルのタフティングマシンを用いてタフティング製織を行い、タフティングの毛丈は30mmであり、ブランクカーペットのパイルウェイトは1350g/mであり、タフティング後のブランクカーペットをGQ-3500Z水蒸気型形成ロール機の内蔵ドラム内で入れて15分間加熱して転動摩擦を行い、30sの水蒸気軟化処理を行い、自然降温してシェニールカーペットを得た。
【0061】
比較試験方法
1、2種類のプロセスで製造されたシェニールカーペットをそれぞれ一枚取り、サイズが50cm×50cmであり、水平作業台に置き、
2、50cm×50cmの大きさの押え板と2KGの重りをサンプリングされたカーペットに押さえ、
3、押え板の底端から作業台までの高さを測り、数値が大きいほど支持力が強いことを示す。
【0062】
試験データについて、汎用プロセス技術で製造されたシェニールカーペットの試料塊は、押え板の底端から水平作業台までの高さが19mmであり、本発明の製造プロセスで製造されたシェニールカーペットの試料塊は、押え板の底端から水平作業台までの高さが22mmである。
【0063】
以上をまとめると、本発明により製造されたシェニールカーペットのカーペット面のパイルの支持力がより強い。
【0064】
E、染色処理の化学助剤の使用量の比較試験
【0065】
汎用プロセス技術で先染の駱駝色のシェニールカーペットを製造するとともに本発明の製造プロセスで先染の駱駝色のシェニールカーペットを製造する。
【0066】
汎用プロセス技術は水洗処理により先染シェニールカーペットを製造する。
【0067】
シェニール花糸は150D/144FDTYであり、芯糸はポリエステル16s/2であり、シェニールの仕上がり番手は0.45Nmであり、番手が300D/96FX3、坪量が270g/mのポリエステルフィラメント布帛基布を使用し、ピッチが3/8であるタフティングマシンを用いてタフティングを行い、毛丈は15mmであり、ブランクカーペットのパイルウェイトは850g/mであり、続いてブランクカーペットを50KG取り、染色槽に入れ、浴比が1:10であり、ラピッド染色機に水を500KG加え、100℃まで昇温して水洗処理を行い、5KGの柔軟剤を加えて柔軟化処理を行い、続いて脱水、乾燥、仕上げをしてシェニールカーペットを得た。
【0068】
本発明の製造プロセスは形成ロール処理により先染シェニールカーペットを製造する。
【0069】
実施例1と同様に、シェニール花糸は150D/144FDTYであり、芯糸はポリエステル16s/2であり、シェニールの仕上がり番手は0.45Nmであり、番手が300D/96FX3、坪量が270g/mのポリエステルフィラメント布帛基布を使用し、ピッチが3/8であるタフティングマシンを用いてタフティングを行い、毛丈は15mmであり、ブランクカーペットのパイルウェイトは850g/mであり、続いてカーペットを50KG取り、GQ-3500Z水蒸気型形成ロール機の内蔵ドラムに入れ、形成ロール機の内蔵ドラムの回転数を18r/minとし、形成ロール機の加熱温度を100℃とし、加熱転動時間を7分間とし、正逆転時間をそれぞれ3.5分間とし、水蒸気軟化処理を行い、水蒸気の温度を100℃とし、水蒸気放出時間は20sであり、水蒸気と加熱モジュールをオフし、自然放冷により70℃まで降温し、冷却時間は5minであり、続いて仕上げを行い、シェニールカーペットを得た。
【0070】
汎用プロセス技術と本発明の製造プロセスにより得られたシェニールカーペットを比較することで分かるように、本発明で得られたシェニールカーペットは柔軟剤などの染色処理の助剤がない。
【0071】
以上、本発明の好適な実施形態について詳述した。当業者であれば理解されるように、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、上記実施例及び明細書に記載されたのは本発明の原理を説明するために過ぎず、本発明の宗旨及び範囲から逸脱しない前提で、本発明はさらに様々な変更や改進があり、これらの変更や改進はいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。本発明の請求保護範囲は添付の請求項に準じる。
図1
図2
図3