(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】グラフェン薄膜製造方法及びグラフェン薄膜基板
(51)【国際特許分類】
C01B 32/194 20170101AFI20240813BHJP
B82Y 30/00 20110101ALI20240813BHJP
B82Y 40/00 20110101ALI20240813BHJP
H01L 29/16 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
C01B32/194 ZNM
B82Y30/00
B82Y40/00
H01L29/16
(21)【出願番号】P 2022147271
(22)【出願日】2022-09-15
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100163876
【氏名又は名称】上藤 哲嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100187045
【氏名又は名称】梅澤 奈菜
(72)【発明者】
【氏名】松井 朋裕
(72)【発明者】
【氏名】原 正大
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-143085(JP,A)
【文献】特開2011-168473(JP,A)
【文献】特開2018-127370(JP,A)
【文献】SHI Zhiwen, et al.,Patterning Graphene with Zigzag Edges by Self-Aligned Anisotropic Etching,ADVANCED MATERIALS,米国,2011年05月19日,Volume 23, Issue 27,pp. 3061-3065
【文献】YANG Rong, et al.,An Anisotropic Etching Effect in the Graphene Basal Plane,ADVANCED MATERIALS,米国,2010年09月22日,Volume 22, Issue 36,pp. 4014-4019
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/00-32/991
B82Y 30/00
B82Y 40/00
H01L 29/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフェン薄膜製造方法であって、
表面に酸化膜(11)が形成された導電性基板(12)の上にグラフェン薄膜(13)を形成すること、
所望位置に所望形状の孔(14)を有するレジストマスク(15)を前記グラフェン薄膜の上に形成すること、
前記レジストマスクの前記孔を介し、深さ方向にCHF
3プラズマエッチングを行って前記グラフェン薄膜に薄膜孔を形成すること、
前記レジストマスクを剥離すること、及び
前記グラフェン薄膜を前記CHF
3プラズマエッチングによって形成された前記薄膜孔を核として前記導電性基板の面方向にエッチングすること
を特徴とする、グラフェン薄膜製造方法。
【請求項2】
前記面方向にエッチングすることは水素プラズマエッチングで行うことを特徴とする請求項1に記載のグラフェン薄膜製造方法。
【請求項3】
前記面方向にエッチングすることの後に、前記グラフェン薄膜を前記導電性基板の前記酸化膜から剥離することを特徴とする請求項1または2に記載のグラフェン薄膜製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表面に酸化膜が形成された導電性基板の上にグラフェン薄膜を形成するグラフェン薄膜製造方法及びそのグラフェン薄膜に関する。
【背景技術】
【0002】
グラフェンは、将来の電子デバイスの材料として期待されている。
図1はグラフェンのエッジ構造を説明する図である。グラフェンのエッジ構造は、ジグザグ型(
図1(A))、アームチェア型(
図1(B))、又はこれらが規則的あるいはランダムに混在した構造である。そして、グラフェンの特性は、このエッジ構造に影響される。特にナノリボンのようにエッジ構造が全体に占める割合が大きくなった場合にこの影響が顕著になる。
【0003】
このため、グラフェンのエッジの構造を制御できる製造方法が重要となる。例えば、非特許文献1や2は、グラフェン薄膜に対して酸素プラズマエッチングを行った後に水素プラズマで異方性エッチングを行い、グラフェンナノリボンを製造することを開示している。つまり、非特許文献1や2は、酸素プラズマでつくった欠陥を起点とし、異方性エッチングで六角形ナノピットに成長させる手法を開示している。
【0004】
また、非特許文献1が開示する製造方法は時間がかかるため、高速で異方性エッチングする手法を特許文献1が開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Rong Yang, Lianchang Zhang, Yi Wang, Zhiwen Shi, Dongxia Shi, Hongjun Guo, Enge Wang, and Guangyu Zhang, “An Anisotropic Etching Effect in the Graphene Basal Plane”, Advanced Materials 22, 4014 (2010).
【文献】Zhiwen Shi, Rong Yang, Lianchang Zhang, Yi Wang, Donghua Liu, Dongxia Shi, Enge Wang, and Guangyu Zhang, “Patterning Graphene with Zigzag Edges by Self-Aligned Anisotropic Etching”, Advanced Materials 23, 3061 (2011).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、発明者らの検証では、非特許文献1及び2で開示される酸素プラズマエッチングでグラフェン薄膜に欠陥を形成する手法は、水素プラズマにおいて異方性エッチングの起点となったが、当該欠陥を大きくするだけであり、グラフェンのエッジ構造を制御できる六角形ナノピットの形成については再現性を確認することができなかった。つまり、非特許文献1及び2で開示される手法は、グラフェンのエッジ構造を制御できる六角形ナノピットを再現良く形成することが困難という課題がある。
【0008】
また、特許文献1が開示する手法も、エッジ構造がジグザグ型、アームチェア型、またはこれらが任意に混合された任意型のいずれかをとりながら、いずれの場合もほぼ正六角形の形状で平面状にエッチングできるが、エッジ構造を制御することまでは至っていない。
【0009】
つまり、従来技術には、グラフェンのエッジの構造を制御できる六角形ナノピットを再現性良く形成することが困難という課題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、グラフェンのエッジの構造を制御できる六角形ナノピットを再現性良く形成できるグラフェン薄膜製造方法及びグラフェン薄膜基板を提供することを目的とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るグラフェン薄膜製造方法は、グラフェン薄膜を貫通して酸化膜に至る下穴を開け、その後の異方性エッチングによってグラフェン薄膜に開いた下穴を六角形の孔に整形することとした。
【0011】
具体的には、本発明の請求項1に記載されたグラフェン薄膜製造方法は、
表面に酸化膜(11)が形成された導電性基板(12)の上にグラフェン薄膜(13)を形成すること、
所望位置に所望形状の孔(14)を有するレジストマスク(15)を前記グラフェン薄膜の上に形成すること、
前記レジストマスクの前記孔を介し、前記グラフェン薄膜から前記酸化膜までを深さ方向にエッチングすること、
前記レジストマスクを剥離すること、及び
前記グラフェン薄膜を前記導電性基板の面方向にエッチングすること
を特徴とする。
【0012】
本グラフェン薄膜製造方法は、酸素プラズマエッチングでグラフェン薄膜に欠陥を形成するのではなく、グラフェン薄膜を貫通して酸化膜に至る下穴を開け、グラフェン薄膜に開いた下穴を異方性エッチングによって六角形ナノピットに整形する。この方法によりグラフェン薄膜にエッジの構造を制御できる六角形ナノピットを再現性良く形成できるようになった。
【0013】
従って、本発明は、グラフェンのエッジの構造を制御できる六角形のナノピットを再現性良く形成できるグラフェン薄膜製造方法を提供することができる。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載されたグラフェン薄膜製造方法は、前記深さ方向にエッチングすることをCHF3プラズマエッチングで行う。
【0015】
本発明の請求項3に記載されたグラフェン薄膜製造方法は、前記面方向にエッチングすることを水素プラズマエッチングで行う。
【0016】
本発明の請求項4に記載されたグラフェン薄膜製造方法は、前記面方向にエッチングすることの後に、前記グラフェン薄膜を前記導電性基板の前記酸化膜から剥離することを特徴とする。
【0017】
本グラフェン薄膜製造方法は、作成されたGNR(グラフェンナノリボン)のみを取り出すことができる。
【0018】
本発明の請求項5に記載されたグラフェン薄膜基板は、表面に酸化膜(11)が形成された導電性基板(12)の上にグラフェン薄膜(13)が形成されたグラフェン薄膜基板(20)であって、所望位置且つ所望形状の、前記グラフェン薄膜から前記酸化膜までの深さ方向に孔(16)を有することを特徴とする。
【0019】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、グラフェンのエッジの構造を制御できる六角形のナノピットを再現性良く形成できるグラフェン薄膜製造方法及びグラフェン薄膜基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】グラフェンのエッジ構造を説明する図である。
【
図2】本発明に係るグラフェン薄膜製造方法を説明する図である。
【
図3】グラフェン薄膜のエッジの状態を説明する図である。
【
図4】本発明に係るグラフェン薄膜製造方法を説明する図である。
【
図5】本発明に係るグラフェン薄膜からGNRを製造する方法を説明する図である。
【
図6】本発明に係るグラフェン薄膜からGNRを製造する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0023】
(実施形態1)
図2は、本実施形態のグラフェン薄膜製造方法を説明する図である。本グラフェン薄膜製造方法は、
表面に酸化膜11が形成された導電性基板12の上にグラフェン薄膜13を形成すること(ステップ(i))、
所望位置に所望形状の孔14を有するレジストマスク15をグラフェン薄膜13の上に形成すること(ステップ(ii)及び(iii))、
レジストマスク15の孔14を介し、グラフェン薄膜13から酸化膜11までを深さ方向にエッチングすること(ステップ(iv))、
レジストマスク15を剥離すること(ステップ(v))、及び
グラフェン薄膜13を導電性基板12の面方向にエッチングすること(ステップ(vi))
を特徴とする。
【0024】
それぞれの工程について説明する。
[ステップ(i)]
導電性基板12は、シリコンやゲルマニウム等の半導体、あるいは金属である。酸化膜11は、当該半導体や当該金属の酸化膜である。当該酸化膜上に任意の厚みのグラフェン薄膜13を配置する。グラフェン薄膜13は、例えば、へき開グラフェンを利用することができる。
[ステップ(ii)]
グラフェン薄膜13を含む酸化膜11上にレジスト膜15aを塗布する。
[ステップ(iii)]
導電性基板12の、レジスト膜15aが塗布された側の任意の場所に光又は電子ビームを照射してレジスト膜15aを感光させ、孔14を形成する。孔14が形成されたレジスト膜15aがレジストマスク15となる。
[ステップ(iv)]
レジストマスク15の孔14を介してグラフェン薄膜13とともに酸化膜11を深さ方向にエッチングする。このエッチングはCHF
3プラズマエッチングで行う。エッチング後、酸化膜11に深さ方向に孔16が形成される。孔16の深さは任意である。
図2では、孔16の深さは、酸化膜11の厚みの中ほどの深さであるが、導電性基板12に達する深さでもよい。
[ステップ(v)]
レジストマスク15を剥離する。本ステップ後、
表面に酸化膜11が形成された導電性基板12の上にグラフェン薄膜13が形成されたグラフェン薄膜基板であって、所望位置且つ所望形状の、グラフェン薄膜13から酸化膜11までの深さ方向に孔16を有することを特徴とするグラフェン薄膜基板20が製造される。
[ステップ(vi)]
孔16を核としてグラフェン薄膜13を導電性基板12の面方向にエッチング(異方性エッチング)する。このエッチングは水素プラズマエッチングで行う。本エッチングにより、グラフェン薄膜13が孔16を核として六角形状にエッチングされていく。符号17は、グラフェン薄膜13がエッチングされ、下地の酸化膜11が現れている領域である。
エッチングされた六角形間にあるグラフェン薄膜13がGNRとなるので、当該六角形の間隔が所望の幅となったところでエッチングを終了する。
【0025】
図3は、エッチング後のグラフェン薄膜13のエッジを評価した結果である。以下の評価結果のように、本グラフェン薄膜製造方法で形成したグラフェン薄膜は、ジグザグ型のエッジ構造とすることができる。
【0026】
図3(a)、(c)、(e)、(g)及び(i):
本実施例であり、
図2のステップ(vi)終了後のグラフェン薄膜13の状態を説明している。
図3(b)、(d)、(f)、(h)及び(j):
比較例であり、
図2のステップ(v)のグラフェン薄膜13の状態を説明している。
【0027】
図3(a)及び(b):
グラフェン薄膜13の原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)の画像である。本画像において、黒い円形は酸化膜11に形成された孔16である。ステップ(v)の状態では、グラフェン薄膜13は六角形にエッチングされていないが、ステップ(vi)を終了すると六角形にエッチングされた領域17が現れてくる。
【0028】
図3(c)及び(d):
図3(a)及び(b)に示した矢印に沿ったラインプロファイルである。縦軸は酸化膜11の表面からの高さ(nm)、横軸はエッチングされているグラフェン薄膜の端を原点とした基板12の面方向の距離(μm)である。
図3(d)のグラフェン薄膜13は、エッジの高さが高くなっている。具体的には、ステップ(v)のグラフェン薄膜13のエッジは、幅0.1μmで、約10nm隆起している。酸化膜11ではこのような特徴は見られないので、酸化膜11ではなくグラフェン薄膜13が隆起していると言える。
一方、
図3(c)のグラフェン薄膜13は、グラフェン薄膜13のエッジまで平坦である。ステップ(vi)終了後において、グラフェン薄膜13のエッジの隆起はなく、グラフェン薄膜13と酸化膜11との境界が明瞭である。
【0029】
図3(e)~(h):
ラマン分光画像であり、
図3(e)と(f)は、それぞれ
図3(a)及び(b)の同じ領域で得られたGバンド強度(I
G)の空間変化、
図3(g)と(h)は、それぞれ
図3(a)及び(b)の同じ領域で得られたDバンド強度(I
D)の空間変化である。
どのサンプルもI
Gはパターン化された構造に沿っている。しかし、I
Dについては、ステップ(v)とステップ(vi)で違いがみられる。具体的には、ステップ(v)のグラフェン薄膜13は、内部のI
DよりエッジのI
Dが強くなっている。一方、ステップ(vi)を終了したグラフェン薄膜13は、I
DとI
Gがほぼ同じ空間分布である。
【0030】
図3(i)及び(j):
図(e)~(h)のようなラマン分光測定結果をラマンスペクトルで表現したグラフである。細線はグラフェン薄膜13の内部におけるスペクトル、太線はグラフェン薄膜のエッジ部分のスペクトルである。スペクトルはI
Gで規格化されている。なお、エッジ部分とは、グラフェン薄膜13の端から200nmを意味し、その領域に含まれるスペクトルが平均化されたものである。グラフェン薄膜13の端はラマンスペクトルと同時に得られた光学像とAFM像から決定している。
ステップ(v)のグラフェン薄膜13はエッジ部のI
Dが内部のI
Dより強くなっている。一方、ステップ(vi)後のグラフェン薄膜13はエッジ部と内部のスペクトルは同じである。I
Dが谷間散乱に由来することを考慮すると、これらの結果はステップ(v)のグラフェン薄膜13のエッジ部には欠陥が多いといえる。一方、ジグザグ型のエッジは谷間散乱を起こさないため、ステップ(vi)後のグラフェン薄膜13のエッジが主にジグザグ型であるといえる。
【0031】
なお、グラフェン薄膜13は、ステップ(iv)まではレジストマスク15でエッチングから保護されるが、水素プラズマエッチング時には水素プラズマに曝されるため、グラフェン内部もエッチングされる。ステップ(vi)のグラフェン薄膜13は、ラマン分光法(空間分解能500nm程度)で調べられる大きさの六方晶ナノピットを作るために長時間エッチングしている。このため、有限の欠陥も生じ、
図3(i)のラマンスペクトルに見られるように内部でもI
Dが現れている。しかし、グラフェン薄膜13においてエッジと内部とで欠陥密度と結晶構造が均一であることが重要である。ナノスケールデバイスの場合、エッチング時間が短くなるので内部及びエッジのI
Dをより小さくすることが可能である。
【0032】
(実施形態2)
図2のステップ(vi)の後に、グラフェン薄膜13を導電性基板12の酸化膜11から剥離ステップ(vii)を行ってもよい。
図4は、ステップ(vii)を説明する図である。酸化膜11がSiO
2である場合、次の作業を行うことでグラフェン薄膜13を導電性基板12から剥離することができる。
(作業1)
図2(vi)の状態(酸化膜11の上にナノピットが形成されたグラフェン薄膜13が載っている状態)において、グラフェン薄膜13を含む酸化膜11の上に保護膜(例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂、Polymethyl methacrylate)を塗布あるいは貼り付ける。
(作業2)フッ酸で酸化膜11を除去する。これにより基板12からグラフェン薄膜13が開放される。
(作業3)保護膜に付着しているグラフェン薄膜13を保護膜ごと取り出す(
図4では保護膜の記載を省略している。)。
なお、取り出したグラフェン薄膜13は、保護膜とともに保管や移動がなされる。また、別の基板(SiO
2や金属板など)に当該グラフェン薄膜13を置載する場合、保護膜を上にして当該基板に貼り付けた後に保護膜を剥離することで作業が完了する。
【0033】
(グラフェン薄膜の利用法1)
図5は、本発明のグラフェン薄膜製造方法で作成したグラフェン薄膜13の利用方法を説明する図である。
図2のステップ(vi)で得たグラフェン薄膜13を、任意部分100のGNRだけ残して全てエッチングで除去する(
図5(A))。その後、GNRの両端に電極51を形成する(
図5(B))。電極51をソース及びドレイン、並びに基板12をゲートとするトランジスタ150を形成することができる。
【0034】
(グラフェン薄膜の利用法2)
図6は、本発明のグラフェン薄膜製造方法で作成したグラフェン薄膜13の利用方法を説明する図である。
図4のステップ(vii)で得た保護膜付きグラフェン薄膜13を、例えば、SiO
2膜61が形成されたSi基板62に貼り付け、保護膜を除去した後に所望のGNR(
図6(A))だけ残し、他を除去する。その後、当該GNRの両端に電極51を形成する(
図6(B))。電極51をソース及びドレイン、並びに基板62をゲートとするトランジスタ150を形成することができる。
【符号の説明】
【0035】
11:酸化膜
12:導電性基板
13:グラフェン薄膜
14:レジストに形成した孔
15、15a:レジストマスク
16:グラフェン薄膜とともに酸化膜に形成した孔
17:エッチングで六角形に除去された部分(ナノピット)
51:電極
61:SiO2膜
62:Si基板
100:部分
150:トランジスタ