(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】床改修方法
(51)【国際特許分類】
E04G 23/02 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
E04G23/02 C
(21)【出願番号】P 2020172322
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500460690
【氏名又は名称】銘建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】古市 理
(72)【発明者】
【氏名】石川 真吾
(72)【発明者】
【氏名】穴田 志穂
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 英一
(72)【発明者】
【氏名】調 浩朗
(72)【発明者】
【氏名】豊島 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】相馬 智明
(72)【発明者】
【氏名】梅森 浩
(72)【発明者】
【氏名】中本 博幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 拓之
(72)【発明者】
【氏名】宮竹 靖
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-014160(JP,A)
【文献】特開2020-117949(JP,A)
【文献】特開平10-088828(JP,A)
【文献】特開2019-190102(JP,A)
【文献】特開2017-218816(JP,A)
【文献】特開2022-059666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/02
E04B 5/02
E04B 5/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁の近傍において既存スラブに貫通孔を形成する削孔工程と、
前記既存スラブの直下に隙間をあけてCLT床版を配設する仮置き工程と、
前記既存スラブを解体する解体工程と、
前記既存スラブが撤去された空間に前記CLT床版を配設する配設工程と、
前記CLT床版を前記梁に接合する接合工程と、を備える床改修方法であって、
前記仮置き工程では、前記貫通孔に挿通した吊材を利用して、前記CLT床版を吊り上げるとともに、前記CLT床版の下に支持部材を配設し、
前記解体工程では、前記既存スラブの解体により生じたコンクリート片を前記CLT床版上で受け止め、
前記接合工程では、前記CLT床版と前記梁との間に固化材を充填することを特徴とする、床改修方法。
【請求項2】
前記仮置き工程の前に、前記梁に固定治具を埋め込む治具取付工程を備えており、
前記配設工程では、前記固定治具を利用して、前記CLT床版の下面端部を載置する受材を前記梁に固定し、
前記接合工程では、前記CLT床版と前記梁との隙間の下面を前記受材により遮蔽した状態で前記固化材を充填することを特徴とする、請求項1に記載の床改修方法。
【請求項3】
前記仮置き工程において、前記吊材を挿通した前記貫通孔と前記梁を挟んで対向する位置に形成された貫通孔に反力材を係止することにより、前記CLT床版を吊り上げる際の反力を確保することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の床改修方法。
【請求項4】
前記解体工程では、前記梁に定着された前記既存スラブの主筋の少なくとも一部を残置させておき、
前記配設工程では、前記CLT床版の前記梁側端面にアンカーを突設し、
前記接合工程では、前記主筋および前記アンカーを巻き込んだ状態で、前記固化材を充填することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の床改修方法。
【請求項5】
前記配設工程では、前記梁の上面に揚重手段を載置するとともに、前記主筋に前記揚重手段の転倒防止材を係止し、前記揚重手段を利用して前記CLT床版を所定の高さまで吊り上げることを特徴とする、請求項4に記載の床改修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存建物の床改修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設構造物について、既存床を解体して、新設床を新たに構築する場合がある(例えば、特許文献1参照)。既存の鉄筋コンクリート造の建物において、鉄筋コンクリート製の既存床を軽量な床材に置き換えれば、建物全体の軽量化により耐震性の向上を図ることができる。木製部材であるCLT(Cross Laminated Timber)材は、鉄筋コンクリート部材に比べて、比重が小さく軽いため、建物全体の軽量化を図ることができる。また、CLT材は、取り扱いやすく、建物の壁や床を構成する部材として多く使用されている(例えば、特許文献2参照)。
鉄筋コンクリート製の既存床の改修工事では、既存スラブを解体撤去してから、新設床材を設置する必要がある。既存スラブを解体する際には、既存スラブをブレーカー等により破砕し、下の階にコンクリート塊等を落下させるのが一般的である。しかしながら、建物を供用しつつ、建物の一部を改修する場合において、下の階にコンクリート塊を落下させると、振動や騒音が発生する。また、下階の床スラブに落下したコンクリート塊が思わぬ方向に撥ねる危険もある。そのため、解体する既存床の下にコンクリート塊を受け止めるための仮設部材(例えば、網や板等)を設置する場合があるが、仮設部材の設置と撤去に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-185382号公報
【文献】特開2020-26660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、仮設部材の設置及び撤去を最小限に抑え、簡易かつ安価に鉄筋コンクリート製の既存床をCLT床に改修する床改修方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明は、梁の近傍において既存スラブに貫通孔を形成する削孔工程と、前記既存スラブの直下に隙間をあけてCLT床版を配設する仮置き工程と、前記既存スラブを解体する解体工程と、前記既存スラブが撤去された空間に前記CLT床版を配設する配設工程と、前記CLT床版を前記梁に接合する接合工程と、を備える床改修方法である。前記仮置き工程では、前記貫通孔に挿通させた吊材を利用して前記CLT床版を吊り上げるとともに前記CLT床版の下に支持部材を配設する。また、前記解体工程では、前記既存スラブの解体により生じたコンクリート片を前記CLT床版上で受け止める。さらに、前記接合工程では、前記CLT床版と前記梁との間に固化材を充填する。
かかる床改修方法によれば、既存スラブの解体に伴って発生するコンクリート片の受材としてCLT床版を使用するため、別途仮設の受材を配設および撤去するための手間と費用を省略できる。また、既存の梁を有効に利用することで、足場等の仮設設備の利用を最小限に抑えることができる。
【0006】
前記床改修方法は、前記仮置き工程の前に前記梁に固定治具を埋め込む治具取付工程を備えているのが望ましい。この場合には、前記配設工程において、前記CLT床版の下面端部を載置する受材を前記固定治具を利用して前記梁に固定する。また、前記接合工程では、前記CLT床版と前記梁との隙間の下面を遮蔽する型枠として前記受材を使用する。受材を型枠としても利用することで、専用の型枠を設置する場合に要する組立や脱枠の手間を省略できる。
また、前記仮置き工程において、前記吊材を挿通した前記貫通孔と前記梁を挟んで対向する位置に形成された貫通孔に反力材を係止することにより、前記CLT床版を吊り上げる際の反力を確保すれば、揚重手段を固定(転倒防止)するための部材(例えば、アンカー等)を新たに設置する必要がない。
【0007】
前記解体工程では前記梁に定着された前記既存スラブの主筋の少なくとも一部を残置させておき、前記配設工程では前記CLT床版の前記梁側端面にアンカーを突設し、前記接合工程では前記主筋および前記アンカーを巻き込んだ状態で前記固化材を充填するのが望ましい。既存の主筋を利用することで、躯体にアンカーを打ち込むことなく、既存躯体とCLT床版とを接合することができる。そのため、躯体の加工を最小限に抑え、建物の強度を維持することができる。また、躯体に対してアンカーなどを新設する手間と費用を削減できる。また、既存躯体を残置させることで、既存躯体を足場として利用することもでき、新たに足場を設置する手間と費用を削減できる。
また、前記配設工程では、前記梁の上面に揚重手段を載置するとともに、前記主筋に前記揚重手段の転倒防止材を係止し、前記揚重手段を利用して前記CLT床版を所定の高さまで吊り上げるのが望ましい。これにより、揚重手段を固定するための部材(例えば、アンカー等)を新たに設置する手間と費用を削減できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の床改修方法によれば、仮設部材の設置及び撤去を最小限に抑え、簡易かつ安価に鉄筋コンクリート製の既存床をCLT床に改修することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る床構造を示す断面図である。
【
図2】本実施形態の床改修方法を示すフローチャートである。
【
図5】(a)~(c)は仮置き工程の各施工段階を示す断面図である。
【
図8】CLT床版の吊り上げ状況を示す斜視図である。
【
図9】反力部材を示す図であって、(a)は貫通孔を挿通している状態7(b)貫通孔に係止した状態を示す。
【
図13】他の形態に係る揚重手段を示す図であって(a)は正面図、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態では、既存の建物のコンクリートスラブを撤去して、CLT(Cross Laminated Timber)床版に置き換える床版改修方法について説明する。
図1に、改修後のCLT床版2と既存梁1との接合部を示す。
既存梁1とCLT床版2とは、グラウト(固化材3)を介して接合する。既存梁1の側面からは、既存スラブ12の主筋11が突設されている。一方、CLT床版2の端面には、アンカー21が突設されている。主筋11およびアンカー21は、固化材3に埋め込まれている。CLT床版2と既存梁1は、固化材3に埋め込まれたアンカー21と主筋11を介して応力の伝達が可能となっている。なお、CLT床版2の端部は、既存梁1の側面に固定された受材4に載置されている。また、受材4は、吹付け材45により覆われている。
【0011】
以下、本実施形態の床版改修方法について説明する。
図2に本実施形態の床版改修方法のフローチャートを示す。
図2に示すように、床版改修方法は、削孔工程S1、治具取付工程S2、仮置き工程S3、解体工程S4、配設工程S5および接合工程S6を備えている。
図3は、削孔工程S1を示す断面図である。削孔工程S1は、
図3に示すように、既存梁1の近傍において既存スラブ12に貫通孔13を形成する工程である。貫通孔13は、既存梁1を挟んで対向する位置にそれぞれ形成する。本実施形態の削孔工程S1では、既存スラブ12の上面から下面に至る貫通孔13を形成するだけでなく、既存梁1の一方の側面から他方の側面に至る第二貫通孔14を形成する。第二貫通孔14は、固定治具41を挿入するための孔であって、既存梁1の軸方向と直交するように形成する。貫通孔13および第二貫通孔14は、既存梁1の軸方向に所定の間隔をあけて複数形成する。
【0012】
治具取付工程S2は、既存梁1に固定治具41を埋め込む工程である。固定治具41は、
図1に示すように、受材4を固定するための部材である。
図4は、治具取付工程S2を示す断面図である。
図4に示すように、治具取付工程S2では、固定治具41を第二貫通孔14に挿入するとともに、第二貫通孔14内に固化材(グラウト等)44を充填する。本実施形態では、固定治具41として、両端に高ナット42,42が螺着された寸切りボルト(ネジ棒)43を使用する。固定治具41は、高ナット42が既存梁1の側面において開口するように配設する。固化材44は、固定治具41を挿入する前に第二貫通孔14に注入してもよいし、固定治具41を挿入してから第二貫通孔14に注入してもよい。
【0013】
仮置き工程S3は、既存スラブ12の直下に隙間をあけてCLT床版2を配設する工程である。
図5(a)~(c)に仮置き工程S3の断面図を示す。
図5(a)に示すように、まず、既存スラブ12の下の階にCLT床版2を配設する。CLT床版2は、隣り合う既存梁1の間において、下階の既存スラブ12上に載置する。
次に、
図5(b)に示すように、揚重手段5を利用してCLT床版2を所定の高さまで持ち上げる。揚重手段5は、撤去対象の既存スラブ12を支持する既存梁1の上に設置する。
図6に揚重手段5を示す。揚重手段5は、
図6に示すように、鋼材を組み合わせることにより形成された柱部51と、柱部51の上端に設置された横材52とを備えている。柱部51は、既存梁1を挟んで対向する一対の貫通孔13,13の間において、既存梁1の上面に立設されている。横材52は、既存梁1を挟んで形成された貫通孔13の中心同士の間隔よりも大きな長さを有した鋼材からなる。
横材52の一方の端部には取付部材56が吊持されている。取付部材56は、CLT床版2の端部に取り付け可能であり、電動チェーンブロック等の牽引手段55を介して横材52に吊り下げられている。牽引手段55(電動チェーンブロック)と取付部材56との間には、吊材53が介設されている。吊材53は、ワイヤーやチェーン等からなる。また、吊材53は、貫通孔13に挿通されている。
横材52の他方の端部には、チェーンブロック等の牽引手段55を介して反力材54が吊り下げられている。牽引手段55と反力材54との間には、吊材53が介設されている。
【0014】
図7に取付部材56を示す。また、
図8にCLT床版2の吊り上げ状況を示す。取付部材56は、
図7に示すように、断面コ字状を呈している。取付部材56は、CLT床版2の端部に嵌め込んだ状態(取付部材56の上板と下板の間に端部を挿入した状態)で、ボルト58により固定する。本実施形態では、
図8に示すように、CLT床版2の四カ所に取付部材56を取り付け、CLT床版2を水平に維持したまま吊り上げる。このとき、反力材54を利用して、CLT床版2を吊り上げた際の反力を確保する(
図6参照)。反力材54は、L形鋼等の鋼材からなり、ナイロンスリングやワイヤー等の吊材53を介して吊下されている。反力材54は、
図6に示すように、吊材53を挿通した貫通孔13と既存梁1を挟んで対向する位置に形成された貫通孔13の下側(既存スラブ12の下面)に係止する。
図9に反力材54の設置方法を示す。反力材54は、
図9(a)に示すように、1点において吊持されており、立てた状態で貫通孔13に上方から挿入する。そして、反力材54が貫通孔13を通り抜けたら、反力材54を横向きにした状態で引き上げ、貫通孔13の下端に係止させる。反力材54が取り付けられた吊材53は、チェーンブロック等の牽引手段55を操作することにより張力を調整する(
図6参照)。
CLT床版2を所定の高さに吊り上げたら、
図5(c)に示すように、CLT床版2の下に支持部材22を配設する。CLT床版2は、既存スラブ12の下面から所定の隙間を確保した高さにおいて支持する。本実施形態では、CLT床版2の下面が既存梁1の下面と同等以上の高さに位置するように、CLT床版2を配設する。支持部材22には、CLT床版2を所定の高さ位置に支持可能な部材を使用すればよい。支持部材22としては、例えばパイプサポートを使用すればよい。
【0015】
解体工程S4は、既存スラブ12を解体する工程である。
図10に解体工程S4の断面図を示す。既存スラブ12は、ブレーカーなどを利用して破砕することにより解体する。
図10に示すように、既存スラブ12の解体により生じたコンクリート片15は、CLT床版2上で受け止める。このとき、CLT床版2の上面は、落下したコンクリート片15により傷つくことを防止するために、緩衝材としての板材(例えばべニア板)23により覆う。また、CLT床版2と既存梁1との隙間の開口部も板材24により覆う。さらに、CLT床版2と既存梁1との隙間には、ズレ止め部材25を挟み込んでおく。
既存スラブ12を解体する際には、既存梁1に定着された既存スラブ12の主筋11の一部を残置させておく(既存梁1の側面から突出させておく)。
【0016】
配設工程S5は、既存スラブ12が撤去された空間にCLT床版2を配設する工程である。
図11に配設工程S5の断面図を示す。
図11に示すように、配設工程S5では、CLT床版2を揚重手段5により所定の高さまで引き上げる。このとき、揚重手段5の転倒防止材57を主筋11に係止しておく。転倒防止材57には、例えば、ナイロンスリングやチェーン等を使用できる。
CLT床版2を所定の高さまで持ち上げたら、固定治具41を利用して、既存梁1に受材4を固定する。受材4の固定は、受材4を挿通させたボルト46を固定治具41の高ナット42に螺合することにより行う。受材4を固定したら、CLT床版2の下面端部を受材4に載置する。
【0017】
接合工程S6は、CLT床版2を既存梁1に接合する工程である。
図12に接合工程S6の断面図を示す。
図12に示すように、接合工程S6では、CLT床版2と既存梁1との間に固化材3を充填する。CLT床版2と既存梁1との隙間の下側は、固化材3の充填を開始する前に受材4により遮蔽しておく。なお、CLT床版2の既存梁1側の端面には、アンカー21を突設しておく。固化材3は、主筋11およびアンカー21を巻き込んだ状態で打設する。
【0018】
本実施形態の床改修方法によれば、既存スラブ12の解体に伴って発生するコンクリート片15を受け止める部材としてCLT床版2を使用するため、コンクリート片15を受け止める仮設の部材(網や板材等)を配設および撤去するための手間と費用を省略できる。
また、既存梁1を利用することで、足場等の仮設設備の使用を最小限に抑えることができる。そのため、仮設設備の設置や撤去に移用する手間や費用を削減できる。
また、CLT床版2の受材4を固化材3の型枠として使用するため、専用の型枠を設置するための手間および費用を削減できる。
また、仮置き工程S3においては、貫通孔13に反力材54を係止した状態で、CLT床版2を吊り上げるため、大掛かりな固定手段を要することなく、揚重手段5の転倒を防止できる。
また、既存スラブ12の主筋11を残置しておくことで、既存梁1とCLT床版2との間で応力伝達性を確保できる。そのため、既存梁1に対して新たにアンカー等の応力伝達手段を設置する必要がなく、応力伝達手段の設置に要する手間や費用を削減できるとともに、既存梁1への加工を最小限に抑えられる。また、主筋11を揚重手段5の転倒防止材57を係止するための部材として使用できる。
【0019】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限らず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
固定治具41の構成は、受材4の固定が可能であれば、両端に高ボルトが取り付けられたねじ棒に限定されるものではなく、例えば、第二貫通孔14から両端が突出する長さを有したねじ棒であってもよい。
第二貫通孔14は必要に応じて形成すればよい。例えば、固定治具41の構成によっては、有底の孔であってもよい。
前記実施形態では、揚重手段5を転倒防止材57または反力材54等を利用して既存梁1に固定する場合について説明したが、揚重手段5の固定方法(転倒防止方法)は限定されるものではなく、例えば、
図13(a)および(b)に示すように、隣り合う揚重手段5同士を連結部材59により連結してもよい。このとき、揚重手段5同士を連結する連結部材59は、例えば、鋼材をトラス状に組み合わせることにより形成されたものを採用すればよい。
アンカー21は、予めCLT床版2に設けて置いてもよいし、CLT床版2を所定の位置に配設してから設けてもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 既存梁
11 主筋
12 既存スラブ
13 貫通孔
14 第二貫通孔
2 CLT床版
21 アンカー
22 支持部材
3 固化材
4 受材
41 固定治具
5 揚重手段
53 吊材
S1 削孔工程
S2 治具取付工程
S3 仮置き工程
S4 解体工程
S5 配設工程
S6 接合工程