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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】エンコーダ装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
G01D5/245 110X
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021033991
(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公開番号】P2022134689
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】藤本 高志
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-056722(JP,U)
【文献】特開2011-122901(JP,A)
【文献】特開2019-106810(JP,A)
【文献】特開2017-025936(JP,A)
【文献】特開2020-025057(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218112(JP,U)
【文献】特開2003-119809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00- 5/62
G01D 11/00-13/28
G12B 1/00-17/08
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開放型の有底筒状体であり、上部に開口を有するセンサ部(140)を収容するエンコーダハウジング(110)と、
前記エンコーダハウジング(110)の前記開口を塞ぐように接着されるエンコーダカバー(120)と、からなり、
前記エンコーダカバー(120)の端部に、シーリング材が充填された作業用孔(125)を備え、
前記エンコーダハウジング(110)の開口の存在する方向を上方向、前記上方向の逆方向を下方向とした場合、
前記作業用孔(125)に棒状工具(300)の軸部が差し込まれた場合、前記作業用孔(125)に接する前記エンコーダハウジング(110)の筒状部分の上部内側角部(110x)は、支点として前記棒状工具(300)の前記軸部の中間領域に接触し、
前記棒状工具(300)の柄部に力点として前記下方向の力が加えられると、前記棒状工具(300)の前記軸部の先端領域部位は、作用点として、前記エンコーダカバー(120)に設けられた前記作業用孔(125)の下角部を前記上方向に押し上げることにより、前記棒状工具(300)の梃子作用により、前記エンコーダカバー(120)と前記エンコーダハウジング(110)とを分離する構成としたことを特徴とするエンコーダ装置。
【請求項2】
前記エンコーダカバー(120)の内面に、前記棒状工具(300)の差し込み位置を規制するストッパ(129)を備えることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ装置。
【請求項3】
前記ストッパ(129)は、断面においてL字型に構成され、前記L字型の部分により前記棒状工具(300)の前記先端を受け止める、ことを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ装置。
【請求項4】
前記作業用孔(125)は、前記棒状工具(300)の前記先端が前記ストッパ(129)に向かうように、前記軸部の差し込み方向に合わせて斜め方向に形成され、前記棒状工具(300)の差し込み方向を規制するように設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエンコーダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダ装置に関し、特に、エンコーダ装置の内部を点検する際の作業性の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
歯車等の被検出体の回転を磁気抵抗素子により検出し、パルス列として出力するエンコーダ装置が存在している。この種のエンコーダ装置は、気密性を有するハウジングの内部に、磁気抵抗素子、または、磁気抵抗素子及び信号処理回路を収容している。このようなエンコーダ装置は、以下の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-65845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンコーダ装置内部の磁気抵抗素子または信号処理回路を点検する際、エンコーダ装置を分解して内部にアクセスする必要が生じる。しかし、上記特許文献1に示すように、気密性を有する状態に構成されエンコーダ装置については、分解することについての配慮がなされていなかった。
【0005】
気密性を有するエンコーダ装置を分解する場合、接着された部分を切り開く必要があり、分解作業を容易に進めることができない問題があった。また、分解作業中に、ハウジングを破損したり、内部の磁気抵抗素子、信号処理回路、または信号配線を傷つける恐れがあった。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、容易に分解することが可能なエンコーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエンコーダ装置は、上部開放型の有底筒状体であり、上部に開口を有するセンサ部を収容するエンコーダハウジングと、エンコーダハウジングの開口を塞ぐように接着されるエンコーダカバーと、からなり、エンコーダカバーの端部に、シーリング材が充填された作業用孔を備え、エンコーダハウジングの開口の存在する方向を上方向、上方向の逆方向を下方向とした場合、作業用孔に棒状工具の軸部が差し込まれた場合、作業用孔に接するエンコーダハウジングの筒状部分の上部内側角部は、支点として棒状工具の軸部の中間領域に接触し、棒状工具の柄部に力点として下方向の力が加えられると、棒状工具の軸部の先端領域部位は、作用点として、エンコーダカバーに設けられた作業用孔の下角部を上方向に押し上げることにより、棒状工具の梃子作用により、エンコーダカバーとエンコーダハウジングとを分離する構成としたことを特徴とする。更に、エンコーダカバーの内面に、棒状工具の差し込み位置を規制するストッパを備えることを特徴とする。このストッパは、断面においてL字型に構成され、L字型の部分により棒状工具の先端を受け止めることを特徴とする。そして、作業用孔は、棒状工具の先端がストッパに向かうように、軸部の差し込み方向に合わせて斜め方向に形成され、棒状工具の差し込み方向を規制するように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るエンコーダ装置は、上部開放型の有底筒状体であり、上部に開口を有するセンサ部を収容するエンコーダハウジングと、エンコーダハウジングの開口を塞ぐように接着されるエンコーダカバーとからなり、エンコーダカバーの端部にシーリング材が充填された作業用孔が設けられ、作業用孔に棒状工具の軸部が差し込まれた場合、作業用孔に接するエンコーダハウジングの筒状部分の上部内側角部は、支点として棒状工具の軸部の中間領域に接触し、棒状工具の柄部に力点として下方向の力が加えられると、棒状工具の軸部の先端領域部位は、作用点として、エンコーダカバーに設けられた作業用孔の下角部を上方向に押し上げることにより、棒状工具の梃子作用により、エンコーダカバーとエンコーダハウジングとを分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るエンコーダ装置の構成を示す断面図である。
図2】実施の形態1に係るエンコーダ装置の平面図である。
図3】実施の形態1に係るエンコーダ装置に棒状工具を挿入する様子を示す説明図である。
図4】実施の形態1に係るエンコーダ装置に棒状工具を挿入して分解する様子を示す説明図である。
図5図4の一部を拡大して示す説明図である。
図6】実施の形態1に係るエンコーダ装置の他の構成において棒状工具を挿入する様子を示す説明図である。
図7】実施の形態1に係るエンコーダ装置の他の構成において棒状工具を挿入して分解する様子を示す説明図である。
図8】実施の形態1に係るエンコーダ装置の更に他の構成において棒状工具を挿入する様子を示す説明図である。
図9】実施の形態1に係るエンコーダ装置の更に他の構成において棒状工具を挿入して分解する様子を示す説明図である。
図10】実施の形態1に係るエンコーダ装置の作業用孔の他の構成において棒状工具を挿入する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のエンコーダ装置の実施の形態につき、図面を用いて説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付している。
【0011】
実施の形態1.
はじめに、実施の形態1におけるエンコーダ装置100について、図1図2を参照して説明する。図1は実施の形態1に係るエンコーダ装置100の構成を示す断面図であり、図2は実施の形態1に係るエンコーダ装置100の平面図である。
【0012】
[エンコーダ装置100の構成(1)]
エンコーダ装置100は、図1に示されるように、主に、エンコーダハウジング110と、エンコーダカバー120と、基板130と、センサ部140と、を備え、被検出体200の動きを検出するように構成されている。
【0013】
エンコーダハウジング110は、上部開放型の有底筒状体であり、上部に開口を有する。エンコーダカバー120は、エンコーダハウジング110の開口に接着され、エンコーダハウジング110の開口を塞ぐ。これにより、エンコーダハウジング110とエンコーダカバー120とが互いに一体化した状態になる。
なお、エンコーダハウジング110とエンコーダカバー120との接着は、接着剤を用いた接着のほか、溶剤を用いた溶剤接着(溶着)、熱を用いた熱溶着、または超音波を用いた超音波溶着のいずれであってもよい。
【0014】
エンコーダカバー120には、接続線160を外部に延出するための配線孔123と、点検作業時に棒状工具が差し込まれる作業用孔125とが設けられている。配線孔123には、接続線160を保持するためのケーブルグランド150が挿入されている。作業用孔125には、シーリング材が充填されて、シーリング部127が形成されている。なお、シーリング材として、エンコーダハウジング110とエンコーダカバー120との接着に用いた接着剤を使用することが可能である。
【0015】
基板130は、図示されない支柱などを介してエンコーダハウジング110に取り付けられており、センサ部140を搭載している。基板130には、接続線160のコネクタ160Cを接続するためのコネクタ130Cが設けられている。
【0016】
センサ部140は、磁気抵抗素子等の磁気センサを有しており、無電源タイプまたは有電源タイプのいずれであってもよい。磁気センサが有電源タイプである場合、センサ部140には、磁気センサの他に信号処理回路が設けられている。磁気センサは、被検出体200の山と谷の距離に応じた磁気抵抗の変化により、被検出体200の動きに応じた検出信号を生成する。センサ部140で生成された検出信号は、基板130に設けられたコネクタ130Cを介して、コネクタ160Cが設けられた接続線160に供給される。
【0017】
接続線160は、ケーブルグランド150を介してエンコーダカバー120の配線孔123を貫通し、末端部のコネクタ160Cにより、基板130側のコネクタ130Cに接続されている。接続線160は、センサ部140で生成された検出信号を、図示されない制御装置に伝達する。
【0018】
以上の構成において、エンコーダハウジング110とエンコーダカバー120との接着、作業用孔125におけるシーリング材の充填によるシーリング部127の形成、及び、配線孔123における接続線160を覆うケーブルグランド150の配置により、エンコーダ装置100は気密性が保たれ、防塵・防水機能を有している。
【0019】
[エンコーダ装置100の分解手順]
以下、センサ部140の点検または調整のため、実施の形態1のエンコーダ装置100を分解する手順を、図3及び図4を参照して具体的に説明する。図3は、実施の形態1に係るエンコーダ装置100に棒状工具300を挿入する様子を示す説明図である。図4は、実施の形態1に係るエンコーダ装置100に棒状工具300を挿入して分解する様子を示す説明図である。
【0020】
まず、図3に示すように、ドライバ等の棒状の軸部を少なくとも有する棒状工具300の軸部310を作業用孔125からエンコーダ装置100の内部に向かって差し込みつつ、シーリング部127を除去する。
なお、シーリング部127の除去は、軸部310の差し込みと同時に行ってもよいし、別途行うようにしてもよい。また、シーリング部127のシーリング材を全て除去する必要はなく、作業用孔125からエンコーダ装置100の内部に向かうa方向に棒状工具300を差し込めればよい。
【0021】
次に、図4に示すように、棒状工具300の軸部310の中間領域をエンコーダハウジング110の垂直部分の上部内側角部110xに接触させると共に、軸部310の先端領域をエンコーダカバー120に設けられた作業用孔125の下角部125xに接触させる。この状態において、作業者が柄部320に下向きb方向の力を加える。
なお、軸部310の中間領域と先端領域は相対的な領域であり、中間領域は先端領域よりも柄部320に近い領域であり、先端領域は中間領域よりも柄部320から遠い領域である。
【0022】
これにより、軸部310の先端領域における上向きc方向の動きに応じて、エンコーダカバー120は上向きc方向に動くため、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110の間の接着が剥がれる。
【0023】
ここで、図5を参照して、棒状工具300を挿入してエンコーダ装置100を分解する様子を詳しく説明する。図5は、図4の一部を拡大して示す説明図である。
【0024】
柄部320の中心320xは力点であり、作業者により下向きb方向の力が加えられる。エンコーダハウジング110の垂直部分の上部内側角部110xは、支点として、棒状工具300の軸部310の中間領域に接触している。軸部310の先端領域部位310xは、作用点として、エンコーダカバー120に設けられた作業用孔125の下角部125xを上向きc方向に押し上げる。
これにより、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110の間の接着面が剥がれる。すなわち、作業用孔125に差し込まれた棒状工具300の梃子作用により、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110とを容易に分解することできる。
【0025】
[エンコーダ装置100の構成(2)]
図6及び図7を参照して、エンコーダ装置100の他の構成について説明する。図6は、実施の形態1に係るエンコーダ装置100の他の構成において棒状工具300を挿入する様子を示す説明図である。図7は、実施の形態1に係るエンコーダ装置100の他の構成において棒状工具300を挿入して分解する様子を示す説明図である。以下、図6及び図7において、図1図5と異なる部分を中心に説明する。
【0026】
図6において、エンコーダカバー120の内面には、棒状工具300の差し込み位置を規制するストッパ129が設けられている。ストッパ129は、棒状工具300の先端を受け止めるため、L字形状に構成されている。これにより、棒状工具300の先端がストッパ129より奥に入ることがなく、棒状工具300による基板130やセンサ部140の損傷を防止することができる。
【0027】
図7に示すように、柄部320の中心320xは力点であり、作業者により下向きb方向の力が加えられる。エンコーダハウジング110の垂直部分の上部内側角部110xは、支点として、棒状工具300の軸部310の中間領域に接触している。軸部310の先端領域部位310xは、作用点として、エンコーダカバー120に設けられた作業用孔125の下角部125xを上向きc方向に押し上げる。
これにより、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110の間の接着面が剥がれる。すなわち、作業用孔125に差し込まれた棒状工具300の梃子作用により、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110とを容易に分解することできる。
【0028】
[エンコーダ装置100の構成(3)]
図8及び図9を参照して、エンコーダ装置100の他の構成について説明する。図8は、実施の形態1に係るエンコーダ装置100の更に他の構成において棒状工具300を挿入する様子を示す説明図である。図9は、実施の形態1に係るエンコーダ装置100の更に他の構成において棒状工具300を挿入して分解する様子を示す説明図である。以下、図8及び図9において、図6及び図7と異なる部分を中心に説明する。
【0029】
図8において、エンコーダカバー120の内面には、棒状工具300の差し込み位置を規制するストッパ129が設けられている。ストッパ129は、棒状工具300の先端を受け止めるため、上顎部と下顎部の中間に凹部を有する「コ」字状に構成されている。これにより、作業用孔125への棒状工具300の差し込みは、棒状工具300の先端がストッパ129の凹部に接触すると停止する。
【0030】
図9に示すように、柄部320の中心320xは力点であり、作業者により下向きb方向の力が加えられる。エンコーダハウジング110の垂直部分の上部内側角部110xは、支点として、棒状工具300の軸部310の中間領域に接触している。軸部310の先端領域部位310xは、作用点として、エンコーダカバー120の内面に設けられたストッパ129の上顎下角部129xを上向きc方向に押し上げる。
これにより、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110の間の接着面が剥がれる。すなわち、作業用孔125に差し込まれた棒状工具300の梃子作用により、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110とを容易に分解することできる。
【0031】
また、ストッパ129の上顎下角部129xが作用点として機能しているため、エンコーダカバー120の内面における棒状工具300との接触による傷や歪みの発生を抑えることができる。
【0032】
[エンコーダ装置100の構成(4)]
図10を参照して、エンコーダ装置100の他の構成について説明する。図10は、実施の形態1に係るエンコーダ装置100の作業用孔125の他の構成において棒状工具300を挿入する様子を示す説明図である。以下、図10において、図3図9と異なる部分を中心に説明する。
【0033】
図10において、エンコーダカバー120に設けられた作業用孔125は、棒状工具300の差し込み方向を規制するため、棒状工具300の先端がストッパ129に向かうように、斜め方向に設けられている。これにより、作業用孔125へ棒状工具300が差し込まれると、棒状工具300の先端がストッパ129に確実に接触して停止する。なお、棒状工具300の先端をストッパ129以外の方向に向けて作業用孔125に差し込むことはできない。そして、既に説明した図7などと同様にして、作業用孔125に差し込まれた棒状工具300の梃子作用により、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110とを容易に分解することできる。
これにより、棒状工具300による基板130やセンサ部140の損傷を防止することができる。なお、ストッパ129の形状は、図6図7の形であってもよいし、図8図9の形であってもよい。
【0034】
また、エンコーダカバー120にストッパ129を設けていない場合であっても、棒状工具300の先端がセンサ部140や接続線160などが存在しない方向に向かうように、棒状工具300の差し込み方向を規制することが望ましい。これにより、棒状工具300による基板130やセンサ部140の損傷を防止することができる。
【0035】
[実施の形態により得られる効果]
以上説明したように、本発明の実施の形態1のエンコーダ装置によると、以下のような効果を得ることができる。
この発明に係るエンコーダ装置は、センサ部140を収容するエンコーダハウジング110と、エンコーダハウジング110の開口に接着されるエンコーダカバー120と、からなり、エンコーダカバー120の端部に、シーリング材が充填された作業用孔125を備えており、作業用孔125に差し込まれる棒状工具300の梃子作用により、エンコーダカバー120とエンコーダハウジング110とを容易に分離することができる。
【0036】
エンコーダカバー120の内面に、棒状工具300の差し込み位置を規制するストッパ129を備えることにより、棒状工具300の先端がストッパ129より奥に入ることがなく、棒状工具300による基板130やセンサ部140の損傷を防止することができる。
【0037】
ストッパ129は、断面においてL字型に構成されており、棒状工具300の先端を確実に受け止めることができ、棒状工具300による基板130やセンサ部140の損傷を防止することができる。
作業用孔125は、棒状工具300の差し込み方向を規制するように構成されており、棒状工具300による基板130やセンサ部140の損傷を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のエンコーダ装置によると、気密性を有する状態に構成されたエンコーダ装置100の内部を点検する際に、棒状工具300の梃子作用により、エンコーダ装置100を破損せずに容易に分解することができる。
従って、熟練作業者であるか非熟練作業者であるかにかかわらず、気密性を有するエンコーダ装置100を破損することなく、容易に分解することが可能になり、従来よりも作業効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0039】
100 エンコーダ装置、110 エンコーダハウジング、110x エンコーダハウジングの垂直部分の上部内側角部、120 エンコーダカバー、123 配線孔、125 作業用孔、127 シーリング部、129 ストッパ、130 基板、130C コネクタ、140 センサ部、150 ケーブルグランド、160 接続線、160C コネクタ、200 被検出体、300 棒状工具、310 軸部、310x 軸部の先端領域部位、320 柄部、320x 柄部における中心、a 棒状工具の差し込み方向、b 棒状工具の柄部に力が加わる方向、c 棒状工具の先端領域部位の作用点に力が作用する方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10