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特許7536278振動防止器具、及びその振動防止装置、並びに補助把持装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】振動防止器具、及びその振動防止装置、並びに補助把持装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/00 20060101AFI20240813BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A47G21/00 V
F16F15/02 A
F16F15/02 C
【請求項の数】 35
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020057579
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2020163145
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】108111430
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520108316
【氏名又は名称】愛能科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】iCanInnoTechCo.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.138,Bo’aiRd.,ZhongzhengDist.,TaipeiCity100011,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100230156
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 心
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 迪傑
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205267733(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209161(US,A1)
【文献】特開2017-023752(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0020704(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106361479(CN,A)
【文献】特開平03-096823(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103462447(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109288356(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104490211(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 21/00
F16F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの開口を有する担持部と、
該担持部内に設置され、その両端または外端が該担持部と接続されている少なくとも一つの支持部と、
を含む振動防止装置と、
その片端が該担持部の該少なくとも一つの開口を貫通するツールと、
を含み、
該ツールのグリップ部の延伸ゾーンが該支持部を貫通する、または該支持部に接続しており、該担持部が使用者に掴まれる際に、該ツールと該支持部の接続部分は担持部の中間にある、
振動防止器具。
【請求項2】
該ツールは該少なくとも一つの支持部の中段に接続され、または該少なくとも一つの支持部は少なくとも一つの弾性体であり、該少なくとも一つの弾性体は単一素子であり、または該少なくとも一つの弾性体の両端または外周が該担持部に接続されている、請求項1に記載の振動防止器具。
【請求項3】
該振動防止装置の該少なくとも一つの支持部は複数の弾性体を含み、該弾性体は互いに平行に配列され、または夾角を有して配列されており、または該弾性体のそれぞれの両端または外周は該担持部に接続されており、
そのうち、該ツールが各該弾性体の中段に接続されている、請求項2に記載の振動防止器具。
【請求項4】
該振動防止装置の該少なくとも一つの支持部は、
該担持部に設置され、該担持部に対して回転可能であり、または該ツールが接続されている少なくとも一つのフレームと、
該少なくとも一つのフレームと該担持部との間に設置された少なくとも一つの弾性体または少なくとも一つの軸部材と、
を含む、請求項1に記載の振動防止器具。
【請求項5】
該振動防止装置の該少なくとも一つの支持部は、
該担持部内に設置され、または該担持部に対して回転可能な第1フレームと、
その寸法が該第1フレームより小さく、または該第1フレーム内に設置され、該第1フレームに対して回転可能であり、または該ツールが接続されている第2フレームと、
該第1フレームと該担持部との間に設置された少なくとも一つの第1弾性体と、
該第1フレームと該第2フレームとの間に設置された少なくとも一つの第2弾性体と、
を含む、請求項1に記載の振動防止器具。
【請求項6】
該振動防止装置はさらに、該ツールが接続されている、該少なくとも一つのフレーム内部に設置され、またはその両端が該少なくとも一つのフレームに接続されている少なくとも一つの弾性体を含み、該ツールが接続されている該少なくとも一つの弾性体の中段に該ツールが接続されている、請求項4に記載の振動防止器具。
【請求項7】
該振動防止装置はさらに、該ツールが接続されている、該第2フレーム内部に設置され、またはその両端が該第2フレームに接続されている少なくとも一つの弾性体を含み、該ツールが接続された該少なくとも一つの弾性体の中段に該ツールが接続されている、請求項5に記載の振動防止器具。
【請求項8】
該少なくとも一つの支持部が、
その片端が該担持部に接続されている少なくとも一つの弾性体と、
該少なくとも一つの弾性体の他端に接続され、該担持部に対して摺動または移動が可能であるカウンターウエイトであって、そのうち、該ツールが該カウンターウエイトまたは、
該少なくとも一つの弾性体上に設置されているカウンターウエイトと、
を含む、請求項1に記載の振動防止器具。
【請求項9】
該ツールは該支持部に設置され、または該担持部に対して回転可能であり、
そのうち、該振動防止器具はさらにロック部材とカウンターウエイトを有しており、
そのうち、該ロック部材と該カウンターウエイトの一方は該ツールに設置され、または該ロック部材と該カウンターウエイトの他方は該支持部または該担持部に設置されており、
そのうち、該カウンターウエイトは該担持部に対して回転または移動が可能であり、
そのうち、該担持部が該ツールの動作端部に向かって傾斜すると、該カウンターウエイトが回転または移動し、該カウンターウエイトが該ロック部材に接触すると、該ツールの回転または移動を制限する、請求項1に記載の振動防止器具。
【請求項10】
該ツールと該支持部の接続または結合エリアは少なくとも一つのツール組立構造を有しており、該ツール組立構造が、少なくとも一つの磁性部材、弾性部材、ジグ、ホール、軸受、ほぞ、凹凸構造、ネジ構造、柱状構造、鋸歯構造または上記の組み合わせを有する、請求項1、2、3、4、5または8に記載の振動防止器具。
【請求項11】
該ツールはさらに、結合部を通して該少なくとも一つの支持部と接続されており、
そのうち、該結合部が、少なくとも一つの磁性部材、弾性部材、ジグ、ホール、軸受、ほぞ、凹凸構造、ネジ構造、柱状構造、鋸歯構造または上記の組み合わせを有する、請求項1、2、3、4、5または8に記載の振動防止器具。
【請求項12】
該ツールの前端は動作端部であり、または該ツールの後端はグリップ部であり、該グリップ部は延伸ゾーン及び末端ゾーンを有し、該延伸ゾーンは該動作端部と該末端ゾーンの間に形成され、または該末端ゾーンは、下向きに湾曲した、大きさを増した、厚みを増した、重さを増した、一体成型の、または該ツールに沿って移動可能なカウンターウエイト設計を有する、請求項1~11のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項13】
該ツールの重心領域が該支持部を貫通する、または該支持部に接続している、請求項1~12のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項14】
該振動防止装置はさらに、
該担持部の少なくとも一つの開口に設置された少なくとも一つの弾性フィルムまたは少なくとも一つの防水防塵フィルムを含む、請求項1~13のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項15】
該ツール上には少なくとも一つのバッフルが設けられ、または該少なくとも一つのバッフルと該少なくとも一つの開口は該少なくとも一つの支持部の同じ側に位置しており、または該少なくとも一つのバッフルと該少なくとも一つの開口が間隙を保っている、請求項1~14のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項16】
該担持部の表面が補助使用構造または熱可塑性材質を有する、請求項1~15のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項17】
該担持部と接続され、または該担持部に対して移動、回転可能で、または該担持部に着脱可能に接続されている補助把持部をさら含む、請求項1~16のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項18】
該担持部は少なくとも一つの第2開口を有しており、
そのうち、該ツールが該少なくとも一つの開口と該第2開口を貫通している、
請求項1~17のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項19】
該ツールが、上に曲がった、下に曲がった、湾曲した、水平ではない、または長さが調節可能なものである、請求項1~18のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項20】
該担持部内に設置された少なくとも一つの検出回路モジュールをさらに含み、
そのうち、該少なくとも一つの検出回路モジュールは、電池モジュール、検出ユニット、加速度検出ユニット、重力検出ユニット、処理ユニット、制御ユニット、出力ユニット、記憶素子、信号伝送素子、表示素子またはタッチ素子を有しており、
そのうち、該少なくとも一つの検出回路モジュールが、フーリエ変換式による演算、または異なる軸方向の振動に対する記録、分析、または多角図の作成または上記の組み合わせに供される、請求項1~19のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項21】
該補助把持部内に設置された少なくとも一つの検出回路モジュールをさらに含み、
そのうち、該少なくとも一つの検出回路モジュールは、電池モジュール、検出ユニット、加速度検出ユニット、重力検出ユニット、処理ユニット、制御ユニット、出力ユニット、記憶素子、信号伝送素子、表示素子またはタッチ素子を有しており、
そのうち、該少なくとも一つの検出回路モジュールが、フーリエ変換式による演算、または異なる軸方向の振動に対する記録、分析、または多角図の作成または上記の組み合わせに供される、請求項17に記載の振動防止器具。
【請求項22】
該担持部の表面または外側がさらに、装飾、ジグ、磁性体、熱可塑性材質、滑り止め材質、補助使用構造または付加可能な物体の接続構造を有する、請求項1~20のいずれかに記載の振動防止器具。
【請求項23】
該補助把持部の表面または外側がさらに、装飾、ジグ、磁性体、熱可塑性材質、滑り止め材質、補助使用構造または付加可能な物体の接続構造を有する、請求項17に記載の振動防止器具。
【請求項24】
担持部と、結合部とを含む振動防止装置であって、
該担持部は、
閉じられていない少なくとも一つの開口と、
該担持部内に設置され、その両端または外端が該担持部と接続されている少なくとも一つの支持部と、
を含み、
該結合部は、
該少なくとも一つの支持部と接続され、少なくとも一つの磁性部材、弾性部材、ジグ、ホール、軸受、ほぞ、チューブ、凹凸構造、ネジ構造、柱状構造、鋸歯構造または上記の組み合わせを有し、
そのうち、該結合部にツールが接続される、
振動防止装置。
【請求項25】
該結合部は該少なくとも一つの支持部の中段に接続され、または該少なくとも一つの支持部は少なくとも一つの弾性体であり、該少なくとも一つの弾性体は単一素子であり、または該少なくとも一つの弾性体の両端または外端が該担持部に接続されている、請求項24に記載の振動防止装置。
【請求項26】
ツールまたは補助把持部を接続するための少なくとも一つのツール組立構造を表面に有する担持部を含み、
そのうち、該担持部内には振動防止モジュールがある、
振動防止装置。
【請求項27】
少なくとも2つの開口を有する担持部と、
該担持部内に設置され少なくとも一つの振動防止部品と、
該振動防止部品と接続され、該担持部の該少なくとも2つの開口を貫通することによって該担持部と連動しないツールと、を含み、
かつ該担持部が該ツールのグリップ部の延伸ゾーンに設置されている、
振動防止器具。
【請求項28】
担持部と、
該担持部内に設置されている振動防止モジュールと、
該担持部に接続され、または該担持部に対して移動、回転可能で、または該担持部に着脱可能に接続されている補助把持部と、
を含む、振動防止装置。
【請求項29】
該担持部または該補助把持部に設置された少なくとも一つの検出回路モジュールをさらに含み、
そのうち、該少なくとも一つの検出回路モジュールが、フーリエ変換式による演算、または異なる軸方向の振動に対する記録、分析、または多角図の作成または上記の組み合わせに供される、請求項28に記載の振動防止装置。
【請求項30】
ツールと、
振動防止装置であって、
該ツールのツール組立構造に着脱可能に設けられて該ツールと接続される担持部と、
該担持部内に設置されている振動防止モジュールであって、
カウンターウエイトと、
該カウンターウエイトと接続され、該カウンターウエイトを回転させるモータと、
該モータと電気接続されている電源と、
該電源と該モータの電気的連通状態のオンまたはオフに用いられる電源切換スイッチと、
を含む振動防止モジュールと、
を含む振動防止装置と、
を含む、振動防止器具。
【請求項31】
該モータは、該カウンターウエイト、または該カウンターウエイト及び該電源を該担持部に対して回転させることができ、
そのうち、該振動防止モジュールは回路モジュールをさらに含み、または該回路モジュールは検出ユニット、処理ユニット及び制御ユニットを含み、該処理ユニットは該検出ユニット、該制御ユニット、該電源及び該モータと連結されており、該検出ユニット及び処理ユニットは、振動を検出すると起動し、検出しなければ該モータに供給する電流を止め、振動が強くなったことを検出した場合は、制御ユニットによって該モータを加速させ、または該モータに提供する電流を増加させる、請求項30に記載の振動防止器具。
【請求項32】
該担持部は、
第1担持部と、
該第1担持部に着脱可能に接続された第2担持部と、を含み、
そのうち、該カウンターウエイトは該第1担持部内に設置され、該モータ及び該電源のいずれかまたは両方が該第2担持部内に設置されている、請求項30に記載の振動防止器具。
【請求項33】
ツールと、
振動防止装置であって、
該ツールが設けられ、またはツール組立構造を有し、該ツールを着脱可能に接続させるための担持部と、
該担持部内に設置されている振動防止モジュールであって、
カウンターウエイトと、
該カウンターウエイトと接続されているモータと、
該モータと電気接続されている電源と、
該電源と該モータの電気的連通状態のオンまたはオフに用いられ、そのうち、該モータは、該カウンターウエイト、または該カウンターウエイト及び該電源を該担持部に対して回転させることができる電源切換スイッチと、
を含む振動防止モジュールと、
を含む振動防止装置と、
を含む、振動防止器具。
【請求項34】
担持部と、
該担持部内に設置されている振動防止モジュールであって、そのうち、該担持部の表面または外側がさらに、ジグ、磁性体、熱可塑性材質、補助使用構造または付加可能な物体の接続構造を有する振動防止モジュールと、
を含む、振動防止装置。
【請求項35】
人の手指に対応する相応の凹凸溝、人体工学構造、ゴム、シリカゲル、面ファスナーまたは長さ調節可能なテープを有する補助把持部と、
該補助把持部内に設置された少なくとも一つの検出回路モジュールであって、
そのうち、該少なくとも一つの検出回路モジュールが、フーリエ変換式による演算、または異なる軸方向の振動に対する記録、分析、または多角図の作成または上記の組み合わせに供される検出回路モジュールと、
該補助把持部に設置され、振動防止装置または振動防止器具の接続に供される組立構造と、
を含む、補助把持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動防止器具、特に振動防止装置を含む振動防止器具に係わる。
【背景技術】
【0002】
振戦は、医学的には疾病であり、安静時振戦と企図振戦を含み、抑制困難な手の震えがよく見られる。
【0003】
四肢の振戦はパーキンソン病患者の症状の一つであり、深刻な振戦によって食器を安定して持てない患者もおり、患者は自分で食事を摂ることが難しく、生活に重大な影響を及ぼす。
【0004】
手が震える患者に自分で食事をさせるために、手が震える患者専用の振動防止機能を有する食器が徐々に開発されている。一般的な振動防止食器は、グリップを大きくし、重さを追加することで、患者がより安定的に持てるようになっているが、上記の振動防止効果には限界がある。既存の振動防止食器は、その前端の食べ物を掬う部分が可動式になっており、患者の手が震えても、食器の前端は手と同じようには震えない。しかし、食べ物を全くこぼさないということはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題に鑑み、手の震える患者との実際のテスト過程において、本発明の研究を進めたところ、患者が握る担持部、器具または食器を接続する支持部、振動防止モジュール、器具の接続方式、器具自体の設計が、いずれも振動防止効果に影響を与えていた。よって、我々がテストした振動防止効果を高める発明技術について、本発明では、器具の振動を軽減することを助け、手の震える患者が自分で食事を摂ることができないという問題を解決する振動防止装置を開示している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例で開示している振動防止装置は、大部分が剛性の材質である担持部を含む。
【0007】
本発明の一実施例で開示している振動防止装置は、使用者が把持しやすい、例えば最大外径が2~15cm(これに限らない)で、使用時に変形しないプラスチックなど(これに限らない)からなる担持部を含み、該担持部は、ツールを通すことのできる少なくとも一つの開口と、該担持部内に設置され、その両端または外端が該担持部と接続され、担持部の強度を増すことができ、または必要なツールを設置することができる少なくとも一つの支持部と、該少なくとも一つの支持部と接続され、これを介して必要なツールを接続することにより、把持の安定性を高めることができる結合部と、を含む。
【0008】
本発明の一実施例のツール(工具件)は、グリップ部に着脱可能に設置された動作端と、グリップ部とを含む。
【0009】
本発明の一実施例で開示している振動防止装置は、担持部と、担持部内で回転可能なフレームとを含み、フレームと筐体の間、またはフレーム回転軸エリアには少なくとも一つの弾性体または軸部材が設けられており、弾性体の片端はフレームに固定され、他端は筐体に固定され、フレームの下方にはカウンターウエイトが配置されており、ツールは、直接、または弾性体を通してフレームに接続することができる。
【0010】
本発明の一実施例で開示している振動防止装置は、開口と、接続部材と、結合部と、凹溝またはジグとを有する担持部を含み、担持部にはツールを設置し、またはその把持部またはグリップ部を接続し、接続部分には磁性体を設けることができる。ツールには、食器、容器、ペン、ブラシ、鍵、ひげ剃りその他の生活用品が含まれている。
【0011】
本発明の一実施例によると、担持部内には少なくとも一つの弾性体が接続されており、棒状弾性体の両端またはフィルム状弾性体の外周は担持部に固定されており、様々な角度の接続方式が含まれている。弾性体の中段、即ち棒状弾性体の両端の間、またはフィルム状弾性体の外端以外の位置には、直接、または接続部材、延伸ロッドを有する結合部を通して、ツールや物体を設置することができる。弾性体は、フレームを通して間接的に担持部内に固定することもできる。
【0012】
本発明の一実施例によると、担持部内にはさらに複数の弾性体が固定されており、複数の弾性体は互いに平行で、または夾角を有して配列されており(接触または非接触の交差を含む)、弾性体の外周または両端は固定され、その中段とツールの重心エリアは凸起構造、化学的または機械的な力によって接続されており、ツールの重心エリアには、正常に食べ物を載せた状況での重心エリアも含まれているので、重心エリアは一つの範囲となる。
【0013】
本発明の一実施例では、ツールはツール組立構造によって支持部、担持部または結合部に接続することができ、ツール組立構造は、少なくとも一つの磁性部材、弾性部材、ジグ、ホール、軸受、ほぞ、凸起、凹溝、チューブ、凹凸構造、ネジ構造、柱状構造、鋸歯構造または上記の組み合わせを有する。
【0014】
本発明の一実施例では、該担持部には少なくとも一つの検出回路モジュールが設けられており、該検出回路モジュールは、電池モジュール、検出ユニット、加速度検出ユニット、重力検出ユニット、処理ユニット、制御ユニット、出力ユニット、記憶素子、信号伝送素子、表示素子またはタッチ素子を有しており、または該検出回路モジュールは、フーリエ変換を演算し、または異なる軸方向の振動(例えば6つの成分)に対して測定、記録、分析を行い、または多角図を作成する。例えば、XYZ軸移動及びXYZ軸回転という6つの成分の六角図や、上記の組み合わせである。
【0015】
本発明の一実施例では、電子式振動防止装置の振動防止モジュールは、充電しやすいよう、さらに充電素子を含むことができる。
【0016】
本発明の一実施例で開示している振動防止器具は、担持部または補助把持部を含み、その装飾には、パターン、模様、ガラス、メレダイヤ、アーガイル柄、皮革、アクリルを含むことができる。補助使用構造は、少なくとも一つの凹凸構造、環状物、開口、結合部、凹溝、ジグ、人の手指に対応する相応の凹溝、凸溝、人体工学構造、凸起構造、滑り止め材質、ゴム、シリカゲル、熱可塑性材質、面ファスナー、長さ調整可能なテープを含むことができる。該補助把持部は該担持部に対して動くことができ、または該補助把持部の表面も、該担持部のような外観デザインであってよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明で開示している新しい電子式振動防止モジュールは手の震えを軽減させ、機械式振動防止モジュールはツールの振動を軽減させることができ、いずれも振戦のある患者に自分で食事を摂らせることができる。本発明で開示している振動防止装置は、既存の振動防止装置に較べて、より高い振動防止効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A図1Aは、本発明の第1実施例に基づく振動防止器具の立体概略図である。
図1B図1Bは、図1Aの振動防止器具の分解概略図である。
図1C図1Cは、図1Aの振動防止器具の側面断面概略図である。
図1D図1Dは、図1Aの振動防止器具の制御モジュールのブロック図である。
図1E図1Eは、使用者が図1Aの振動防止器具を把持している立体概略図である。
図2図2は、本発明の第2実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図3図3は、本発明の第3実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図4A図4Aは、本発明の第4実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図4B図4Bは、図4Aの振動防止器具の内部視角による側面断面概略図である。
図5図5は、本発明の第5実施例に基づく振動防止器具内部の側面断面概略図である。
図6図6は、本発明の第6実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図7A図7Aは、本発明の第7実施例に基づく振動防止器具の立体概略図である。
図7B図7Bは、本発明の第7実施例に基づく振動防止器具の立体概略図である。
図8図8は、本発明の第8実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図9A図9Aは、本発明の第9実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図9B図9Bは、本発明の第9実施例に基づく振動防止器具の立体概略図である。
図10図10は、本発明の第10実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図11図11は、本発明の第11実施例に基づく振動防止器具の側面概略図である。
図12図12は、本発明の第12実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図13図13は、本発明の第13実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図14図14は、本発明の第14実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
図15図15は、本発明の第15実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
第1実施例の振動防止器具の図面説明:図1Aは立体概略図、図1Bは分解概略図、図1Cは側面断面概略図である。本実施例の振動防止器具1は、ツール10及び振動防止装置11を含む。
【0020】
本実施例では、ツール10はスープスプーンであり、その動作端部100は食べ物を担持することができる。ツール10は、互いに連結された動作端部100とグリップ部101を含む。振動防止装置11は、担持部110及び振動防止モジュール111を含む。担持部110はツール10のグリップ部101に設置されている。詳しく言うと、担持部110の対向する両側が、それぞれ1つの開口1100を有し、ツール10のグリップ部101が2つの開口1100に貫設されているのである。また、本好適な実施例では、該開口1100は溝であってもよい。
【0021】
振動防止モジュール111は担持部110内に設置されている。振動防止モジュール111は、カウンターウエイト1110と、モータ1111と、制御モジュール1112と、電源1113を含む。カウンターウエイト1110は例えば金属ディスク(これに限らない)であり、モータ1111と連結された回転軸に設置されて、振動防止モジュール111の慣性質量を調整する。
【0022】
モータ1111と連結された回転軸は、ツール10のグリップ部101の穿孔1011を貫通している。図1Dは、図1Aの振動防止器具の制御モジュールのブロック図である。制御モジュール1112は、検出ユニット1112aと、処理ユニット1112bと、制御ユニット1112cを含む。制御モジュールの各ユニットは、いずれも担持部110内に設置されている。検出ユニット1112aは振動検出ユニットなどである。処理ユニット1112bは演算ロジック機能を有し、検出ユニット1112aと連結されている。制御ユニット1112cは処理ユニット1112b及びモータ1111と連結されている。検出ユニット1112a、処理ユニット1112b及び制御ユニット1112cの機能については後述する。
【0023】
電源1113はモータ1111及び制御モジュール1112と電気接続されており、モータ1111に電力を供給し、カウンターウエイト1110をモータ1111とともに担持部110に対して回転させることができる。
【0024】
図1Eは、使用者が図1Aの振動防止器具を把持している立体概略図である。使用者は担持部110を掴んで振動防止器具1を把持することができる。また、担持部110の外表面に滑り止め構造または材質1101を設けることもでき、使用者が手で担持部110を握ると、手が滑り止め構造または材質1101に接触することができる。使用者の手が震えて担持部110が振動すると、振動防止モジュール111の検出ユニット1112aが振動を検出して検出信号を生成する。検出信号は検出ユニット1112aから処理ユニット1112bに伝送され、処理ユニット1112bが受信した検出信号に基づいてモータ1111の回転速度を変更するフィードバック信号を生成する。詳しく言うと、処理ユニット1112bは、検出信号を分析して担持部110の振動の度合い(変移量、加速度またはその変化)を確認できる演算機能を備えており、検出信号に基づいてフィードバック信号を生成する。フィードバック信号は処理ユニット1112bから制御ユニット1112cに伝送され、受信される。制御ユニット1112cは、受信したフィードバック信号に基づいて制御信号を生成し、または制御信号をモータ1111に伝送して回転速度を変更する。
【0025】
検出ユニット1112a及び処理ユニット1112bは、検出した担持部110の振動の強さに基づき、それに伴って制御ユニット1112cにモータ1111の加速、減速を行わせ、またはモータ1111に供給する電流を増加、減少させる。モータ1111の回転速度が変化すると、カウンターウエイト1110の回転速度も同時に変化し、カウンターウエイト1110の慣性質量を回転速度と同期して増減させる。比較的大きい慣性質量は、担持部110及びツール10の振動幅を減少させ、振動防止効果を達成することができるので、手が震える患者は、振動防止器具1を使うことで一人で食事を摂ることができるのである。
【0026】
本実施例では、使用者が振動防止器具1を持ち上げると、検出ユニットが、担持部が静止から移動に変わったことを検出し、処理ユニットがモータの電流をオンにする。これが自動誘導スイッチである。
【0027】
その他の実施例では、振動防止モジュール111はさらに、外部の電子デバイス、例えば携帯電話やコンピュータと接続するための無線伝送ユニットや、ディスプレイ112を含むことができ、または制御モジュール1112はさらに記憶ユニット1112dを含むことができる。記憶ユニット1112dは処理ユニット1112bと連結されており、検出ユニット1112aが担持部110の振動データを測定し、処理ユニット1112bがそのデータを携帯電話やコンピュータまたはディスプレイ112に伝送して表示し、生理情報を提供することができる。
【0028】
また、その他の実施例では、担持部110にはさらに、ツールを着脱可能に接続するためのツール組立構造が設けられている。
【0029】
図2は、本発明の第2実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。本実施例は第1実施例と類似しているので、以下では異なる部分についてのみ説明する。本実施例では、振動防止器具2の振動防止装置21の担持部210は、主体210aと、主体210aに着脱可能に設置された副体210bを含む。主体210aと副体210bは緊密に組み合わされており、または弾性材質によって主体210aと副体210bの間の隙間を埋めている。振動防止モジュール111のカウンターウエイト1110は主体210a内に設置され、またはモータ1111及び電源1113は副体210b内に設置されている。それにより、振動防止器具2の洗浄が必要な場合、副体210bを取り外すことで、モータ1111や電源1113が濡れることを防止することができる。カウンターウエイトは主体内に設置され、モータまたは電池またはその両方は副体内に設置されている。
【0030】
図3は、本発明の第3実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。第1実施例と類似しているので、異なる部分のみ説明する。
【0031】
本実施例では、振動防止器具3の振動防止装置31には制御モジュールはなく、カウンターウエイト1110と、モータ1111と、電源1113と、電源切換スイッチ1114を含む。電源1113はモータ1111と電気接続され、または電源切換スイッチ1114は電源1113とモータ1111の電気接続状態のオンまたはオフに用いられる。使用者は、電源スイッチ1114によって振動防止器具の振動防止機能のオン、オフを行うことができる。
【0032】
第1実施例の電子式振動防止装置のほかに、本発明ではさらに機械式の振動防止装置も開示している。図4A及び図4Bを参照していただきたい。図4Aは、本発明の第4実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。図4Bは、図4Aの振動防止器具の内部視角による側面断面概略図である。本実施例では、振動防止器具4は、ツール40及び振動防止装置41を含み、または振動防止装置41は担持部410及び振動防止モジュール411を含む。ツール40は一体成型可能な動作端及びグリップ部を含み、もう一つの状況として、ツールの動作端をグリップ部に着脱可能に設置することもできる。ツールはナイフ、フォークその他の用品でもよい。担持部410は、使用時に変形しない把持可能部分を含む。担持部410はツールを通すことのできる少なくとも一つの開口を有し、担持部410内には振動防止モジュールまたは少なくとも一つの支持部が設置されており、該支持部の両端または外端に担持部410が接続されている。
【0033】
振動防止モジュール411は担持部410内に設置され、フレーム部4110及び弾性体4111を含み、またはフレーム部4110は担持部410に移動可能に設置することができる。詳しく言うと、フレーム部4110は大きさの異なる第1フレーム4110aと第2フレーム4110bを含む。寸法の大きい第1フレーム4110aは担持部410に枢設されている。寸法の小さい第2フレーム4110bは第1フレーム4110aに枢設され、または第1フレーム4110aが第2フレーム4110bを囲繞している。弾性体4111はフレーム部4110の第2フレーム4110bに設置されている。第2フレーム4110bや弾性体4111の間にはツール接続構造が形成され、ツール40がツール接続構造に設置されている。弾性体4111の数は、本発明を限定するために用いられるわけではない。また、該弾性体4111は軸部材と組み合わせたり、差し替えたりすることもでき、または該軸部材は該フレーム部4110と該担持部410の間に設置される。
【0034】
本実施例では、異なる方向に弾性部材を配置することにより、既存の振動防止装置が多軸方向の振動を軽減できないという欠点を解決している。また、既存の振動防止器具の多くは、振動防止装置をツール末端に設置してトルクを生じさせるので、振動防止効果にロスが生じる。よって、本実施例では、担持部410と振動防止モジュール411をツール40の中間部分に設置している。詳しく言うと、ツール40のグリップ部401が、互いに接続された延伸ゾーン4012及び末端ゾーン4013を含んでおり、延伸ゾーン4012は動作端部400と末端ゾーン4013の間にある。担持部410及び振動防止モジュール411はいずれも延伸ゾーン4012に設置されている。さらに言うと、動作端部400の長さD1、延伸ゾーン4012の長さD2及び末端ゾーン4013の長さD3の総和はツール40の全長Lに等しく、または延伸ゾーン4012の長さD2は全長Lの半分以下である。このようにすると、使用者が振動防止装置41の担持部410を握ったときに、振動防止モジュール411の弾性体4111がツール40の重量によって変形し、振動防止効果に影響することを防ぐことができる。また、該ツール40は該動作端部400のみを有するものであってもよい。
【0035】
また、本実施例のフレーム4110はさらに複数の弾性体4112を含み、これらの弾性体4112は、第1フレーム4110aと担持部410の枢設部分及び2つの隣り合うフレームの間、例えば第1フレーム4110aと第2フレーム4110bの枢設部分にそれぞれ設置されており、振動防止モジュール411にさらに高い振動防止効果を持たせることができる。
【0036】
本実施例では、フレーム部4110は2つのフレームを有しているが、本発明ではこれに限定しているわけではない。その他の実施例では、フレーム部は単一のフレームであり、またはフレーム部が大きさの異なる3つ以上のフレームを含み、または弾性体は最も小さいフレーム上に設置されている。また、本実施例の第1フレーム4110aは担持部410に枢設されており、または第2フレーム4110bは第1フレーム4110aに枢設されているが、この接続方式は本発明を限定するためのものではない。その他の実施例では、第1フレームと担持部が互いにバネやねじりバネによって接続されており、第1フレームと第2フレームも互いにバネやねじりバネによって接続されている。
【0037】
図4図15は、いずれも機械式振動防止設計なので、図5図15の各実施例中のツールと担持部の詳細な記述については、第4実施例中のツールと担持部を参照することとし、以下では繰り返し述べない。
【0038】
図5は、本発明の第5実施例に基づく振動防止器具内部の側面断面概略図である。本例は第4実施例と類似しているので、以下では異なる部分を説明する。
【0039】
本実施例では、振動防止器具5はツール50及び振動防止装置モジュール51を含み、または振動防止装置モジュール51は担持部510及び振動防止モジュール511を含み、該担持部510はフレームであり、さらに補助把持部を接続し、またはその中に設置することもできる。
【0040】
振動防止モジュール511は担持部510内に設置されており、フレーム5110と、1つの第1弾性体5111と、2つの第2弾性体5112を含む。第1弾性体5111はフレーム5110の対向する左側縁及び右側縁に設置されている。フレーム5110中の第1弾性体5111の間にはツール接続構造が形成され、またはツール50がツール接続構造上に設置されている。2つの第2弾性体5112はそれぞれフレーム5110の対向する上側縁及び下側縁に設置されており、フレーム5110が2つの第2弾性体5112を通して担持部510に設置され、または第2弾性体5112の変形方向は実質的に第1弾性体5111の変形方向と直交している。第1弾性体5111と第2弾性体5112の数は、本発明を限定するために用いられるわけではない。
【0041】
本実施例の第2弾性体5112と第1弾性体5111の間には、互いに交差する、または垂直な変形方向があるが、本発明がこれによって限定されるわけではない。その他の実施例では、第2弾性体5112の変形方向は第1弾性体5111の変形方向と交差しており、例えば双方の変形方向の延伸線は鋭角をなし、または垂直である。
【0042】
図6は、本発明の第6実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。本実施例では、振動防止器具6はツール60及び振動防止装置61を含み、または振動防止装置61は担持部610及びカウンターウエイト611を含む。
【0043】
担持部610の内表面には凸起構造6101aがある。カウンターウエイト611は担持部610内に設置され、または凸起構造6101aと接触している。凸起構造6101aは接触物間の摩擦力を減少させることができ、カウンターウエイト611を支持するだけでなく、それを担持部610に対して移動させることもできる。カウンターウエイト611と担持部610の間には弾性体612が連結されている。カウンターウエイト611または弾性体612上には、ツール60を設置可能なツール接続構造があり、弾性体612の緩衝とカウンターウエイト611の移動性により、ツール60が受ける振動を軽減することができる。
【0044】
カウンターウエイト611は、荷重部6110と、荷重部6110の片側に位置する担持部6111を含む。ツール60は担持部6111に設置されている。荷重部6110は担持部6111よりツール60からさらに離れている。本実施例のカウンターウエイト611は、重量分布が不均等な荷重物であり、ツールの水平を保つ。その他の実施例では、カウンターウエイト611の重量分布は均等である。重量分布の調整方法としては、例えばカウンターウエイトを余分に増やしたり、カウンターウエイト611の形状を対称または非対称にしたりするなどがある。
【0045】
図7Aは、本発明の第7実施例に基づく振動防止器具の立体概略図である。振動防止器具7aは、担持部710a及びツール70aを含み、担持部710aはツール70aのグリップ部の延伸ゾーンに設置され、またはツール70aの前端及び末端はそれぞれ担持部710aの対向する両側の2つの開口7100aから突き出ており、担持部710aの外表面には補助使用構造7101aが設けられている。補助使用構造7101aの形状は使用者が担持部710aを握るときの手指の位置と整合しており、これにより、使用者に楽に安定して握らせるとともに、緊張や握る姿勢の悪さが振動防止効果に影響することを防いでいる。
【0046】
図7Bは、本発明の第7実施例に基づく振動防止器具のもう1つの立体概略図である。振動防止器具7bはさらに補助把持部720bを含み、その表面には補助使用構造7201bがあり、または補助把持部720bは少なくとも一つの組立構造7202bを有しており、例えばそれは凹溝であるがそれに限らず、組立構造7202bは振動防止装置の担持部710bをその中に挿入することができ、または補助把持部720bは振動防止装置の担持部710bに着脱可能に接続されており、使用者が必要に応じて随時補助把持部720bを付けたり外したりできるようにしている。また、該補助把持部には検出回路モジュールを設置することもできる。
【0047】
図8は、本発明の第8実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。本実施例では、振動防止器具8は、ツール80及び振動防止装置81を含み、振動防止装置81は担持部810及び振動防止モジュール811を含む。振動防止モジュール811は担持部810内に設置された弾性体8111を含み、その両端は担持部810に接続され、弾性体8111またはツール80はツール組立構造8112を有する。ツール80はツール組立構造8112を通して振動防止モジュール811に設置されている。ツール組立構造8112は、例えばほぞ機構や凹凸構造であるがこれらに限らず、図中には示していない。
【0048】
また、ツール80が弾性体8111に設置されている位置が、弾性体8111のどちらかの端に偏ることで、設置後のツール10dを、負荷後の弾性体1111dの中間または中間より上方の位置に置くことができる。
【0049】
図9Aは、本発明の第9実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。第8実施例の振動防止器具8と類似しているが、そのツール80aは弾性体8111aの中段に直接設置されており、ツール組立構造はない。振動防止器具8aは、さらにバッフル812aを含む。バッフル812aはツール80aのグリップ部801a上に設置されており、担持部810aの開口8100aに近接している。バッフル812aと開口8100aは間隔を保っており、連結されておらず、しかもバッフル812aは開口8100aより大きい。バッフル812aは、平面または曲面形状であってよい。
【0050】
図9Bは、本発明の第9実施例に基づく振動防止器具の立体概略図である。第9実施例の振動防止器具8aを例として説明すると、振動防止器具8aはさらに防水防塵フィルム813aを含む。防水防塵フィルム813aは振動防止装置81aを持つための担持部810aの開口8100aに設置されている。バッフル813a及び防水防塵フィルム813aは異物が開口8100aから担持部810a内に飛び込むことを防ぎ、耐久性を増すために役立つ。図9A及び図9Bは、担持部810aの片側の開口8100a付近にバッフル812または防水防塵フィルム813aが設けられていることを示している。その他の実施例では、担持部810aの対向する2つの開口8100a付近には、いずれも防水防塵フィルム813aまたはバッフル812aが設けられている。バッフル812aは担持部810a内に位置してもよい。また、該防水防塵フィルム813aは弾性フィルムと置き換えることもできる。
【0051】
図10は、本発明の第10実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。本実施例では、振動防止器具1aは、ツール10a及び振動防止装置11aを含み、または振動防止装置11aは担持部110a及び支持部111aを含む。支持部111aの両端は担持部110aに接続されており、支持部111aは剛性のロッドまたは弾性体であってよい。ツール10aは支持部111aに貫設されており、または凸起111の両端間にツール組立構造を形成しており、例えばそれはホールや軸受であるが、これらに限らない。また、ツール10aはツール組立構造を貫通して支持部111aに設置されている。また、該ツール10aは、該ツール組立構造を介して該振動防止モジュール11aに着脱可能に接続することができる。
【0052】
図11は、本発明の第11実施例に基づく振動防止器具の側面概略図である。本実施例では、振動防止器具1bはツール10b及び振動防止装置(図示せず)を含み、または振動防止装置は担持部110bを含む。担持部110bの外表面にはツール組立構造111bがあり、またはツール10bがツール組立構造111bを貫通して担持部110bに設置されている。
【0053】
図12は、本発明の第12実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。本実施例では、振動防止器具1cはツール10c及び振動防止装置11cを含み、または振動防止装置11cは担持部110c及び振動防止モジュール111cを含む。振動防止モジュール111cは弾性体1111c及び結合部1114cを含む。弾性体1111cの対向する両端または外周は、それぞれ担持部110cの頂部1100c及び底部1101cに設置され、または結合部1114cは弾性体1111cに設置されている。結合部1114cはツール組立構造1113cを有しており、またはツール10cがツール組立構造1113cを貫通して支持部111cに設置されている。ツール組立構造1113cは、例えばほぞ機構や凹凸構造であるがこれらに限らない。本好適な実施例では、弾性体1111cの中段に、直接、または前記結合部1114cを通して該ツール10cを接続することができ、該弾性体1111cの中段とは、その対向する両端の間の領域である。
【0054】
また、結合部1114cは弾性体1111cの中間または中間より上方に設置することもでき、ツール10cを搭載した後、重力の影響を受けて下がり過ぎることを防ぐことができる。
【0055】
その他の実施例では、結合部1114cの長さが担持部110cを超えており、結合部1114cが担持部110c内にあると限定されているわけではない。結合部1114c及びツール10cには対応する接続構造が設けられており、例えばそれは磁性部材や柱状構造であるが、これらに限らず、結合部1114cをツール10cと接続させることができる。ここで言うツールは、ツール10cの動作端部であってもよい。
【0056】
図13は、本発明の第13実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。本実施例では、振動防止器具1dはツール10d及び振動防止装置11dを含み、または振動防止装置11dは担持部110d及び振動防止モジュール111dを含む。振動防止モジュール111dは、複数の弾性体1111dを含む。弾性体1111dは互いに交差し、または夾角を有して配列されている。これらの弾性体1111dの重なり部分はツール組立構造1113dを形成し、または結合部(図示せず)を設けており、またはツール10dはツール組立構造1113dまたは結合部を通して振動防止モジュール111dに設置されている。ツール10d及び結合部の大きさは、図13中の円内に限定されているわけではない。
【0057】
図14は、本発明の第14実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。本実施例では、振動防止器具1eはツール10e及び振動防止装置11eを含み、または振動防止装置11eは担持部110e及び振動防止モジュール111eを含む。
【0058】
振動防止モジュール111eは、支持部1111eと、軸受1112eと、カウンターウエイト1113eを含む。支持部1111eは剛性のロッドや弾性体であり、担持部110eに設置されている。軸受1112eは支持部1111eに設置され、または軸受1112eはツール組立構造1114eを有している。詳しく言うと、軸受1112eは内側ホール端及び外側端を有しており、そのうち、外側端は支持部1111eに設置されており、内側ホール端のホールが、即ちツール組立構造1114eである。ツール10eはツール組立構造1114eを貫通して振動防止モジュール111eに設置されている。カウンターウエイト1113eはツール10eに設置されており、それによってツール10eに水平状態のバランスを保たせるので、載せた物がこぼれることが減少する。
【0059】
図15は、本発明の第15実施例に基づく振動防止器具の側面断面概略図である。実施例14と類似しているので、以下では異なる部分のみ説明する。本実施例では、振動防止器具1fはツール10f及び振動防止装置11fを含み、または振動防止装置11fは担持部110f及び振動防止モジュール111fを含む。
【0060】
本実施例では、振動防止装置1fはさらに、支持部1111fに設置されたロック部材1115fを含み、または該カウンターウエイト1113fは該ツール10fにピン接続されている。該ロック部材1115f及び該カウンターウエイト1113fは対応するロック設計を有しており、該担持部110fがツール10fの動作端に向かって傾斜した時、カウンターウエイト1113fが重力の作用で回転し、該ロック部材1115fと接触することで、該ツール10fの回転を規制する。この時、ツールは固定されており、使用者が動作端の操作をしやすい。例えば、食べ物を掬い取るなどであるが、これに限らない。本例中のロック部材は、凹凸構造や滑り止め材質、高摩擦係数材質などであるが、これらに限らない。本例中の軸受はホールであってもよい。また、ツール10fは担持部110fに枢設される別の枢設構造であってもよい(図示せず)。枢設または接続構造の多くによって、ツールの安定性を高めることもできる。
【0061】
振動防止装置の担持部またはツールのグリップ部は、その他の機能の装置、例えば光源、表示スクリーン、タッチコントローラ、キー、ブルートゥース(登録商標)、メディアプレーヤーなどを別途設置することができる。
【0062】
上記の各実施例では、振動防止装置の担持部は、需要に応じて球形、柱状、円柱、角柱体または人体工学に合った形状とすることができ、担持部の外形が本発明を限定するために用いられることはない。
【0063】
上記の本発明の振動防止器具及び振動防止装置中の各技術特徴は、いずれも組み合わせて配置することができる。以上のように、本発明で開示している振動防止器具及び振動防止装置は、新しい電子式振動防止モジュールや機械式振動防止モジュールを採用して担持部の振動を軽減または消滅させ、それによってツールに生じる振動を防止し、手が震える患者の自立生活の実現をサポートする。本発明で開示している新しい振動防止装置は、既存の振動防止装置に較べて、より高い振動防止効果を有している。
【符号の説明】
【0064】
1、2、3、4、5、6 振動防止器具
10、40、50、60 ツール
11、21、31、41、61 振動防止装置
110、210、310、410、610 担持部
111、211、311、411、611 振動防止モジュール
51 振動防止装置モジュール
510 筐体
511 振動防止モジュール部材
112 ディスプレイ
100、400 動作端部
101、401、601 グリップ部
1011、6011 穿孔
4012 延伸ゾーン
4013 末端ゾーン
1100、4100 開口
1101 滑り止め構造
1102 補助把持部
1102a 補助使用構造
1102b 組立構造
1110、6113、7113、8112 カウンターウエイト
1111 モータ
1112 制御モジュール
1112a 検出ユニット
1112b 処理ユニット
1112c 制御ユニット
1112d 記憶ユニット
1113 電源
1114 電源切換スイッチ
210a 主体
210b 副体
410 担持部
4110 フレーム部
5110、6110、7110 フレーム
4110a 第1フレーム
4110b 第2フレーム
4111、4112 弾性体
412 バッフル
413 防水防塵フィルム
5111 第1弾性体
5112 第2弾性体
6101a 凸起構造
611 カウンターウエイト
612 弾性体
6110 荷重部
6111 担持部
710a、710b 担持部
70a、70b ツール
7100a、8100a 開口
720b 補助把持部
7101a 7201b 補助使用構造
7202b 組立構造
8、8a 振動防止器具
81、81a 振動防止装置
80、80a ツール
801a ツールグリップ部
810、810a 担持部
811 振動防止モジュール
8111、8111a 弾性体
8112 ツール組立構造
812a バッフル
813a 防水防塵フィルム
1a、1b、1c、1d、1e、1f 振動防止器具
10a、10b、10c、10d、10f ツール
11a、11c、11d、11e、11f 振動防止装置
110a、110b、110d、110e、110f 担持部
111a、111c、111d、111e、111f 振動防止モジュール
1100c 頂部
1101c 底部
1111a 凸起
111b ツール組立構造
1111c、1111d 弾性体
1114c 結合部
1113c、1113d ツール組立構造
1111e、1111f 支持部
1112e、1112f 軸受
1113e、1113f カウンターウエイト
1114e ツール組立構造
1115f ロック部材
A 中心軸
L、D1、D2、D3 長さ
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15