(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】農作業機用コネクタ接続システム
(51)【国際特許分類】
A01B 76/00 20060101AFI20240813BHJP
A01B 71/02 20060101ALI20240813BHJP
A01B 73/06 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A01B76/00
A01B71/02 Z
A01B73/06
(21)【出願番号】P 2020132345
(22)【出願日】2020-08-04
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池内 善活
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-208874(JP,A)
【文献】特開平01-090835(JP,A)
【文献】特開2015-043763(JP,A)
【文献】特開2002-329881(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0088787(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 76/00
A01B 71/02
A01B 73/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに装着して農作業を行う農作業機に用いる農作業機用コネクタ接続システムにおいて、
前記農作業機に設けられる制御機器と、前記制御機器と配線を介して接続される第1コネクタと、前記制御機器と配線を介して接続される第2コネクタと
、入力機器と、前記入力機器と配線を介して接続される第1のコネクタと、前記入力機器と配線を介して接続される第2のコネクタと、センサとを備え、
前記第1のコネクタと前記第1コネクタとは着脱可能であり、前記第2のコネクタと前記第2コネクタとは着脱可能であり、
前記センサは配線を介して前記第2のコネクタに接続され、
前記制御機器は、前記センサのONとOFFを検知可能な入力回路と、当該入力回路から前記センサの方向のみへ電流が流れることが可能なように設定されている保護手段とを有することを特徴とする農作業機用コネクタ接続システム。
【請求項2】
トラクタに装着して農作業を行う農作業機に用いる農作業機用コネクタ接続システムにおいて、
前記農作業機に設けられる制御機器と、前記制御機器と配線を介して接続される第1コネクタと、前記制御機器と配線を介して接続される第2コネクタと、入力機器と、前記入力機器と配線を介して接続される第1のコネクタと、前記入力機器と配線を介して接続される第2のコネクタと、可変抵抗器とを備え、
前記第1のコネクタと前記第1コネクタとは着脱可能であり、前記第2のコネクタと前記第2コネクタとは着脱可能であり、
前記可変抵抗器は配線を介して前記第2のコネクタに接続され、
前記制御機器は、前記可変抵抗器の電圧を検知可能な入力回路と、当該入力回路に所定以上の電圧がかからないようにする過電圧保護回路とを有することを特徴とする農作業機用コネクタ接続システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の農作業機用コネクタ接続システムにおいて、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとは着脱可能であり、
前記制御機器は、前記配線が接続される接続部と、前記接続部と接続される入力回路と、前記接続部と前記入力回路との間に備えられ保護手段とを備え、
前記保護手段は、前記入力回路から前記接続部の方向のみへ電流が流れることが可能なように設定されていることを特徴とする農作業機用コネクタ接続システム。
【請求項4】
請求項
1から請求項3のいずれか一項に記載の農作業機用コネクタ接続システムにおいて、
前記保護手段は、ダイオードを用いて構成されていることを特徴とする農作業機用コネクタ接続システム。
【請求項5】
請求項
1から請求項4のいずれか一項に記載の農作業機用コネクタ接続システムにおいて、
前記入力機器は、スイッチを有し、
前記第1のコネクタと前記第1コネクタを接続し、前記第2のコネクタと前記第2コネクタを接続した状態で、前記入力回路は接続される前記スイッチのONとOFFを検知することを特徴とする農作業機用コネクタ接続システム。
【請求項6】
請求項
1から請求項5のいずれか一項に記載の農作業機用コネクタ接続システムにおいて、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとは着脱可能であることを特徴とする農作業機用コネクタ接続システム。
【請求項7】
請求項
1から請求項6のいずれか一項に記載の農作業機用コネクタ接続システムにおいて、
前記農作業機にアクチュエータを備え、
前記制御機器は制御部を備え、
前記制御部は、前記入力回路からの情報に基づき前記アクチュエータを制御することを特徴とする農作業機用コネクタ接続システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機用コネクタ接続システムに関し、特に、トラクタに装着する農作業機に用いる農作業機用コネクタ接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタに装着する農作業機は、装着する農作業機の種類によって異なる農作業が可能なため、トラクタから農作業機を取り外したり、トラクタに農作業機を装着したりすることは頻繁に行われる。一方で、トラクタと農作業機の間には、農作業機に設けられた機器を稼働させるためや、情報伝達のためのハーネスが接続されている場合も多い。そして、トラクタから農作業機を取り外す場合は、ハーネスの途中に設けられたコネクタを取り外すことが可能となっている構成が多く存在する。
【0003】
しかし、取り外したコネクタは接点がむき出しになるため、腐食等が生じやすく、放置しておくと、接続不良やショート等の問題が生じる。このため、非接続時は別体のカバーをコネクタに装着する方法が考えられる。
【0004】
一方、特許文献1には複数の種類のコネクタに対応したハーネスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コネクタの非接続時に別体のカバーを接続する場合は、接続時はこのカバーを使用しないため紛失のおそれが生じる。このカバーは、一度紛失すると、この部品の取り寄せに時間を要し、さらにカバーをつけ忘れたままとなる可能性が生じる。これにより、接続不良やショート等の問題が生じる蓋然性が高くなる。
【0007】
また、特許文献1では、トラクタ側の端部接続部材を使用することですべてのコネクタをカバーすることが可能となっている。しかし、ここでは、トラクタ側の端部接続部材を使用することが前提となっており、別体部品のため脱着時等に落として紛失するなどのリスクも存在する。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みて、トラクタに装着する農作業機に用いる配線のコネクタにおいて、別体のカバーを用いることなく適切にコネクタのカバーが可能な農作業機用コネクタ接続システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、代表的な本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一つは、トラクタに装着して農作業を行う農作業機に用いる農作業機用コネクタ接続システムにおいて、前記農作業機に設けられる制御機器と、前記制御機器と配線を介して接続される第1コネクタと、前記制御機器と配線を介して接続される第2コネクタと、入力機器と、前記入力機器と配線を介して接続される第1のコネクタと、前記入力機器と配線を介して接続される第2のコネクタと、センサとを備え、前記第1のコネクタと前記第1コネクタとは着脱可能であり、前記第2のコネクタと前記第2コネクタとは着脱可能であり、前記センサは配線を介して前記第2のコネクタに接続され、前記制御機器は、前記センサのONとOFFを検知可能な入力回路と、当該入力回路から前記センサの方向のみへ電流が流れることが可能なように設定されている保護手段とを有することを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一つは、トラクタに装着して農作業を行う農作業機に用いる農作業機用コネクタ接続システムにおいて、前記農作業機に設けられる制御機器と、前記制御機器と配線を介して接続される第1コネクタと、前記制御機器と配線を介して接続される第2コネクタと、入力機器と、前記入力機器と配線を介して接続される第1のコネクタと、前記入力機器と配線を介して接続される第2のコネクタと、可変抵抗器とを備え、前記第1のコネクタと前記第1コネクタとは着脱可能であり、前記第2のコネクタと前記第2コネクタとは着脱可能であり、前記可変抵抗器は配線を介して前記第2のコネクタに接続され、前記制御機器は、前記可変抵抗器の電圧を検知可能な入力回路と、当該入力回路に所定以上の電圧がかからないようにする過電圧保護回路とを有することを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一つは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとは着脱可能であり、前記制御機器は、前記配線が接続される接続部と、前記接続部と接続される入力回路と、前記接続部と前記入力回路との間に備えられ保護手段とを備え、前記保護手段は、前記入力回路から前記接続部の方向のみへ電流が流れることが可能なように設定されていることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一つは、前記保護手段は、ダイオードを用いて構成されていることを特徴とする。
【0010】
さらに本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一つは、前記入力機器は、スイッチを有し、前記第1のコネクタと前記第1コネクタを接続し、前記第2のコネクタと前記第2コネクタを接続した状態で、前記入力回路は接続される前記スイッチのONとOFFを検知することを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一つは、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとは着脱可能であることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一つは、前記農作業機にアクチュエータを備え、前記制御機器は制御部を備え、前記制御部は、前記入力回路からの情報に基づき前記アクチュエータを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、農作業機用コネクタ接続システムにおいて、トラクタに装着する農作業機に用いる配線のコネクタにおいて、別体のカバーを用いることなく適切にコネクタのカバーができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一実施形態を示す平面概略図である。
【
図3】本発明の農作業機用コネクタ接続システムのコネクタ部分の一例を示す斜視図である。
【
図4】本発明の農作業機用コネクタ接続システムに適用可能な農作業機の例を示す背面図である。
【
図5】本発明の実施例1における接続時の配線状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施例1における非接続時の配線状態を示す図である。
【
図7】本発明の実施例2における接続時の配線状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
(全体構成)
図1は、本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一実施形態を示すブロック図である。
【0016】
図1において、農作業機用コネクタ接続システムは、制御機器10、ハーネス15、第1コネクタ16、第2コネクタ17、入力機器20、ハーネス22、第1のコネクタ26、第2のコネクタ27、センサ31、アクチュエータ32を備えている。
【0017】
制御機器10は、入力機器20からの電気信号(情報)に基づきアクチュエータ32の制御を行う。ここで、センサ31を備える場合は、センサ31からの情報を制御に反映してもよい。また、必要に応じて入力機器20側へ電気信号(情報)を送信してもよい。制御機器10は、農作業機2側に設置可能である。
【0018】
入力機器20は、スイッチを備えており、スイッチ操作に応じて電気信号が制御機器10に送られる。スイッチは、押しボタンスイッチやトグルスイッチ等の各種のスイッチを適用できる。スイッチの数は必要に応じた数とすることができ、複数個や、4以上、さらには8以上として、数を増やすことが可能である。また、必要に応じて、入力機器20側に情報表示部等を備えていてもよい。情報表示部は、発光(例えば、LEDランプ等)による表示等があげられる。入力機器20は、トラクタ1側に運転者が操作しやすい位置に設置することが可能であり、遠隔で操作することができる。
【0019】
ハーネス15は、配線により構成され、第1ハーネス部15A、第2ハーネス部15B、第3ハーネス部15Cを備えている。第1ハーネス部15Aの一端が制御機器10に接続され、他端は分岐点となり第2ハーネス部15Bと第3ハーネス部15Cの一端が接続される。第2ハーネス部15Bと第3ハーネス部15Cの他端はそれぞれ、第1コネクタ16と第2コネクタ17が接続される。
【0020】
ハーネス22は、配線により構成され、第1ハーネス部22A、第2ハーネス部22B、第3ハーネス部22Cを備えている。第1ハーネス部22Aの一端が入力機器20に接続され、他端は分岐点となり第2ハーネス部22Bと第3ハーネス部22Cの一端が接続される。第2ハーネス部22Bと第3ハーネス部22Cの他端はそれぞれ、第1のコネクタ26と第2のコネクタ27が接続される。
【0021】
第1コネクタ16と第1のコネクタ26は着脱可能であり、第2コネクタ17と第2のコネクタ27は着脱可能である。さらに、第1コネクタ16と第2コネクタ17は着脱可能であり、第1のコネクタ26と第2のコネクタ27は着脱可能である。
図1においては、第1コネクタ16と第1のコネクタ26、第2コネクタ17と第2のコネクタ27が接続された状態を示しており、制御機器10と入力機器20の間で電気や情報のやり取りが可能な状態である。
【0022】
センサ31は、農作業機2側に設置されるセンサであり、農作業機2の必要に応じて様々な種類のセンサが設けられる。センサ31は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサ、回転センサ、ポテンショメータ、リミットスイッチ等である。これにより、農作業機2の状態(例えば、傾きや作業深さ等)やアクチュエータ32による農作業機2の状態等を検知することができる。
【0023】
アクチュエータ32は、農作業機2側に設置される。アクチュエータ32は、例えば、農作業機2の一部を必要に応じて可動させるためのアクチュエータである。アクチュエータ32としては、例えば、油圧シリンダや電動油圧シリンダ等のシリンダや、モータ等を適用できる。特に、農作業機2の作業部の位置を移動させるアクチュエータを用いることで、これを制御して農作業の作業性を高めることができる。
【0024】
図2は、本発明の農作業機用コネクタ接続システムの一実施形態を示す平面概略図である。
図2の左右方向が横方向であり、
図2の上方向が前方向である。トラクタ1の後部に農作業機2が装着されており、農作業機2で農作業を行う。
【0025】
トラクタ1側には入力機器20が配置され、農作業機2側には制御機器10が設置されている。これらの間はハーネス15とハーネス22で接続されている。
図2も
図1と同様に第1コネクタ16と第1のコネクタ26、第2コネクタ17と第2のコネクタ27が接続されている。また、センサ31、アクチュエータ32は農作業機2側に設置されている。これにより、入力機器20を操作してアクチュエータ32を遠隔で操作することが可能となる。
【0026】
入力機器20と制御機器10の接続を分離する場合は、第1コネクタ16と第1のコネクタ26の接続を取り外して、第2コネクタ17と第2のコネクタ27の接続を取り外す。さらに、第1コネクタ16と第2コネクタ17を接続して、第1のコネクタ26と第2のコネクタ27を接続する。このことで、接続端子が外へむき出しになることを防止できる。
【0027】
なお、制御機器10の電源はトラクタ1側に設置されるバッテリ5を利用することができる。バッテリ5と制御機器10は電源ハーネス6で接続され途中にスイッチ6aを介している。スイッチ6aはトラクタ1のエンジン始動のスイッチと共有できる。
【0028】
(コネクタの例)
図3は、本発明の農作業機用コネクタ接続システムのコネクタ部分の一例を示す斜視図である。
図3では、オスコネクタ100とメスコネクタ200は端子側同士が対向している図を示している。以下、オスコネクタ100とメスコネクタ200はともに端子側(接続側)を正面(前側)として説明する。
【0029】
オスコネクタ100は、前側に本体部101を備えている。本体部101は、正面から見て全体として横長の矩形形状であり、角は丸めてある。本体部101の上下左右の周囲は平面状の外周部101aとなっている。そして、外周部101aの上面にはツメ係合部102を備え、外周部101aの左右側面及び下面には突出部105をそれぞれ備えている。突出部105は、左右側面の上下中央付近及び下面の左右中央付近に、前後方向に沿って平行に設けられている。また、本体部101の前側は開口しており、本体部101の内側には前側に向かって延びる端子が所定の数(
図3では図示が省略されているが8個の例を示している。)だけ並んで設けられている。各端子はオスコネクタ100に接続される複数の配線300にそれぞれ接続されている。
【0030】
メスコネクタ200は、前側に本体部201を備えている。本体部201は、正面側から後ろ側に向けて形成された凹部201aを備えている。凹部201aは、オスコネクタ100の本体部101が嵌合できる形状となっている。すなわち、正面から見て全体として横長の矩形形状であり、角は丸めてある。また、凹部201aの上部には、ツメ202を備えている。凹部201a内の左右側面と下面には溝部205をそれぞれ備えている。溝部205は、左右側面の上下中央付近及び下面の左右中央付近に、前後方向に沿って平行に設けられている。また、凹部201a内には、奥側から前側に向けて端子接続部210を備えており、ここには端子が所定の数だけ並んで設けられている。
図3では上下に4個ずつ左右に並んだ計8個の端子が設けられる例を示している。各端子はメスコネクタ200に接続される複数の配線400にそれぞれ接続されている。
【0031】
図3に示す位置から、オスコネクタ100とメスコネクタ200を近づけると、オスコネクタ100の本体部101は、メスコネクタ200の本体部201の凹部201a内に挿入されて嵌合する。このとき、メスコネクタ200の3つの溝部205に、オスコネクタ100の3つの突出部105が挿入されることによって位置決めされる。すなわち、上下や左右を間違えて挿入することを防止できる。さらに、メスコネクタ200のツメ202は、オスコネクタ100のツメ係合部102に係合する。このことで、オスコネクタ100とメスコネクタ200の抜けを防止できる。この接続の際、オスコネクタ100とメスコネクタ200に有する端子は、対応する端子同士がそれぞれ接続される。
【0032】
例えば、
図3のオスコネクタ100は、
図1、2の第1コネクタ16、第2のコネクタ27に適用し、
図3のメスコネクタ200は、
図1、2の第2コネクタ17、第1のコネクタ26に適用できる。
【0033】
(農作業機の例)
図4は、本発明の農作業機用コネクタ接続システムに適用可能な農作業機の例を示す背面図である。
図4は農作業機2の具体例として、折り畳み機構を備えた代掻き作業機50を示す。
図4の左右方向が横方向であり、
図4の上下方向が代掻き作業機50の上下方向である。
【0034】
中央作業部55の両側に設置されたサイド作業部55’は、中央作業部55に対して折り畳み可能となっている。中央作業部55には、装着部51であるマスト51aと左右のヒッチ51bが設けられ、これらを介して代掻き作業機50がトラクタ1の後方に装着される。トラクタ1からの動力は、前側に設けられる入力軸を介して入力され、カバー52やその後方の第1の整地体53の内側で代掻き爪を備える耕耘部が回転して土を細かくする。そして、第1の整地体53とその後方に備えられる第2の整地体54により土の表面を平らにする。このようにして代掻き作業を行う。
【0035】
制御ボックス58は、マスト51aの側面に設けられており、これが、
図1、2における制御機器10に相当する。なお、例えば、傾きを検知できるセンサ等を制御ボックス58内に設置することもできる。このセンサは
図1、2におけるセンサ31に相当する。なお、制御ボックス58は、カバー52上やその他のフレーム上の振動の少ない場所に設置してもよい。
【0036】
左右の電動油圧シリンダ56は、シリンダが伸び縮みすることにより、回動機構57を作用させ中央作業部55に対して両側のサイド作業部55’をそれぞれ内側に折りたたむことができ、代掻き作業機50の全幅を短くすることができる。左右の延長整地体駆動装置60は、内部のモータが回転することにより、アーム62やワイヤ63を介して左右の延長整地体61をそれぞれ回動軸61aを中心に回動させることができる。このことで、第2の整地体54の両側端部に設けられた延長整地体61を外側に延長するか内側に折り畳むかを選択することができる。第2の整地体駆動装置66は、内部のモータが回転することにより、第2の整地体リンク手段67を介して第2の整地体54を回動させ下側で固定した土引き状態とするか回動が固定されていない通常の代掻き状態とするかを選択することができる。なお、第2の整地体駆動装置66は、制御ボックス58内か制御ボックス58に隣接して設けることができる。
【0037】
これら、電動油圧シリンダ56や、延長整地体駆動装置60(のモータ)、第2の整地体駆動装置66(のモータ)をアクチュエータ32として適用できる。
【0038】
<実施例1>
図5は、本発明の実施例1における接続時の配線状態を示す図である。
図6は、本発明の実施例1における非接続時の配線状態を示す図である。実施例1では、
図1、2の実施形態の具体例を説明する。
【0039】
(実施例1の構成)
制御機器10は、制御部11、11個の入力回路12a~12k、アース125、出力回路126、11個のダイオード13a~13k、抵抗135、16個の接続部14a~14pを備えている。
【0040】
入力機器20は、11個のスイッチ21a~21k、発光ダイオード215を備えている。スイッチ21a~21kは、配線を接続するON(入)と、配線を切断するOFF(切)の切り替えが可能なスイッチである。発光ダイオード(LED)215は電流が流れることで発光するランプである。
【0041】
8本の配線15a~15hは、複数の配線で構成される
図1の第2ハーネス部15Bに相当し、一端は第1コネクタ16に接続され、他端は制御機器10の接続部14a~14hにそれぞれ接続される。制御機器10内では、接続部14b~14gは、それぞれ、ダイオード13a~13fを介して入力回路12a~12fに接続されている。接続部14aは制御機器10内のどことも接続されていない空の接続部である。接続部14hはアース125に接続されている。
【0042】
8本の配線15i~15pは、複数の配線で構成される
図1の第3ハーネス部15Cに相当し、一端は第2コネクタ17に接続され、他端は制御機器10の接続部14i~14pにそれぞれ接続される。制御機器10内では、接続部14j~14nは、それぞれ、ダイオード13g~13kを介して入力回路12g~12kに接続されている。接続部14i、14oは制御機器10内のどことも接続されていない空の接続部である。接続部14pは抵抗135を介して出力回路126に接続されている。
【0043】
8本の配線22a~22hは、複数の配線で構成される
図1の第2ハーネス部22Bに相当し、一端は第1のコネクタ26に接続され、他端は入力機器20に接続される。このうち6本の配線22b~22gは、6個のスイッチ21a~21fの一端にそれぞれ接続される。
【0044】
8本の配線22i~22pは、複数の配線で構成される
図1の第3ハーネス部22Cに相当し、一端は第2のコネクタ27に接続され、他端は入力機器20に接続される。このうち5本の配線22j~22nの他端は、5個のスイッチ21g~21kの一端にそれぞれ接続される。また、配線22pの他端は発光ダイオード215と接続される。
【0045】
配線22a、22h、22i、22oの他端は、入力機器20内で互いに接続されている。スイッチ21a~21kの他端側はこれらの配線と接続されている。
【0046】
入力回路12a~12kは、スイッチ21a~21kのON、OFFを検知する回路である。入力回路12a~12kは、所定の電圧を出力している。この所定の電圧を検出している間は、対応するスイッチ21a~21kがOFFであることを検知する。また、この電圧が0V付近となったことを検出する場合は対応するスイッチ21a~21kがONであることを検知する。すなわち、入力回路12a~12kは、このような電圧の変化を検知することで対応するスイッチ21a~21kがONかOFFを判定することができる。入力回路12a~12kは、出力する所定の電圧付近と、0V付近を検知するデジタル入力回路を採用できる。
【0047】
入力回路12a~12kは、例えば、トランジスタやリレー、必要な処理を行うCPU等、入力回路の機能を発揮するための構成を有している。リレーであれば、所定の電圧が生じている場合はOFFとして、電圧がなくなるとONとするコイルで構成可能である。
【0048】
ダイオード13a~13kは、入力回路12a~12kから、接続部14b~14g、14j~14nへの電流を流すことができるように設定する。さらに、接続部14b~14g、14j~14nから入力回路12a~12kへは電流が流れないように設定する。これにより、保護回路を形成している。
【0049】
スイッチ21a~21kは、OFF(切)の場合は、回線が切断された状態となり電気的に接続されていない。一方、ON(入)の場合は回線がつながれ電気的に接続された状態となる。スイッチ21a~21kは、有接点スイッチ、無接点スイッチのいずれも適用可能である。有接点スイッチの場合は物理的に接点を接続するスイッチであり、無接点スイッチはトランジスタ等を用いたスイッチを適用できる。
【0050】
(実施例1の接続時)
図5では、第1コネクタ16と第1のコネクタ26を接続し、第2コネクタ17と第2のコネクタ27を接続している。これにより、配線15a~15pのそれぞれは、配線22a~22pのそれぞれと接続した状態となり、制御機器10と入力機器20の配線は接続されている。
【0051】
図5の状態で、例えば、スイッチ21aがOFF(切)で配線22bの回線が途切れている場合は、入力回路12aの出力する電圧のままとなる。入力回路12aではこの電圧を検出してスイッチ21aがOFFであることを検知できる。一方、スイッチ21aをONとして配線22bの回線をつなぐと、入力回路12aは、配線15b、22b、22h、15hを介して、アース125とつながる。このことで電流はアース125へ流れ入力回路12aの電圧は0Vとなる。入力回路12aがこの0Vを検出してスイッチ21aがONとなることを検知できる。スイッチ21aに関するこれらの情報は制御部11へ送られ制御に使用することができる。なお、ダイオード13aは、このときの入力回路12aからアース125側への電流の流れは許容している。
【0052】
これ以外のスイッチ21b~21kも同様に入力回路12b~12kで、スイッチのON、OFFをそれぞれ検知できる。そして制御部11ではそれぞれのスイッチ21b~21kの状態に応じてアクチュエータ32(
図1、2参照)等の制御が可能となる。
【0053】
発光ダイオード215は、制御部11の制御により、出力回路126から電気を出力することで、発光させることが可能となる。
【0054】
接続部14a、14oは使用されていないため、必要に応じて入力回路を増設して、スイッチの数を増やすことも可能である。
【0055】
(実施例1の非接続時)
図6では、第1コネクタ16と第2コネクタ17を接続し、第1のコネクタ26と第2のコネクタ27を接続している。これにより、配線15aと15p、配線15bと15o、配線15cと15n、配線15dと15m、配線15eと15l、配線15fと15k、配線15gと15j、配線15hと15iが接続される。さらに、配線22aと22p、配線22bと22o、配線22cと22n、配線22dと22m、配線22eと22l、配線22fと22k、配線22gと22j、配線22hと22iが接続される。
【0056】
この接続により、制御機器10では、空の接続部14aと出力回路126、入力回路12aと空の接続部14o、入力回路12bと入力回路12k、入力回路12cと入力回路12j、入力回路12dと入力回路12i、入力回路12eと入力回路12h、入力回路12fと入力回路12g、空の接続部14iとアース125が電気的に接続される。
【0057】
ここで、例えば、入力回路12bと入力回路12kは接続された状態になるが、入力回路12bから出力される電圧と、入力回路12kから出力される電圧が異なる場合は、電流は電圧の大きい方から小さい方に流れる。例えば、入力回路12bの電圧が12Vで、入力回路12kの電圧が5Vである場合、電流は(配線15c、15nを介して)入力回路12kの方に流れようとする。しかし、入力回路12kよりも配線15n側にダイオード13kを設けているため、入力回路12k側へは電流は流れることができない。これにより入力回路12kに過電流が流れる等して破損することを防止できる。
【0058】
また、この他、例えば、入力回路12cと入力回路12jの出力する電圧が同じであった場合、実際の電圧値は、定格の値よりもずれやゆらぎがある。このため、どちらかの電圧が小さくなる可能性があり、電圧が小さい方に電流が流れようとする。この場合であっても、入力回路12c、12jのいずれにも、配線15d、15m側にダイオード13c、13jを設けているため、入力回路12c、12jのいずれにも電流は流れ込むことができない。
【0059】
これらのことは、他の接続された入力回路同士でも同様であり、ダイオードにより入力回路への電流の流れ込みを防止している。また、入力回路12aは空の接続部14oと接続されており、出力回路126は空の接続部14aと接続されているため、電圧差によりこれらの回路が破損するなどの問題は生じない。
【0060】
入力機器20では、上記接続により、スイッチ21bと21k、スイッチ21cと21j、スイッチ21dと21i、スイッチ21eと21h、スイッチ21fと21gが接続状態となる。しかし、これらは、電気を出力しないため、電圧差による問題は生じない。
【0061】
(実施例1の効果)
このように、実施例1では、ハーネス15とハーネス22を接続して遠隔で入力機器20のスイッチ21a~21kを操作して、それぞれのスイッチ操作に対応してアクチュエータ32を作動させることができる。そして、ハーネス15に対してハーネス22を取り外し可能とすることで、トラクタ1と農作業機2を接続する配線を分離することが可能である。このとき、ハーネス15について、ハーネス22を取り外した際、第1コネクタ16と第2コネクタ17同士を接続することができる。また、ハーネス22においても、ハーネス15を取り外した際に、第1のコネクタ26と第2のコネクタ27同士を接続することができる。これにより、端子がむき出しのままになることを防止でき、端子の劣化や腐食、泥の侵入等を防止できる。
【0062】
このとき、ハーネス15の配線同士が接続されるが、入力回路12a~12kよりも配線側に設けられたダイオード13a~13kにより、電圧差が生じても配線側から入力回路12a~12kに電流が流れ込むことを防止できる。このことで、ダイオード13a~13kは、保護手段として機能し、入力回路12a~12kを保護できる。これにより、コネクタにおいて、空の接続部に接続される端子を増やす必要がなく、第1コネクタ16と第2コネクタ17の端子の数を減らし、シンプルで小型のコネクタ構造とすることができる。
【0063】
<実施例2>
図7は、本発明の実施例2における接続時の配線状態を示す図である。実施例2では、実施例1と異なる点について主に説明し、同一の箇所には同一の符号を付してあり、特に説明がない部分は同じ説明を省略している。
【0064】
(実施例2の構成)
制御機器10’は、(実施例1の)制御機器10に対して、入力回路12jの代りに入力回路12xを、入力回路12kの代りに電源回路12yを備えている。さらに入力回路12zを追加で備えている。また、接続部14m~14oの代りに接続部14m’~14o’となっている。
【0065】
入力機器20’は、(実施例1の)入力機器20に対して、スイッチ21j、21kを備えていない。また、入力機器20’とは別に、可変抵抗器250とセンサ260を備えている。
【0066】
配線15m’~15o’は、(実施例1の)配線15m~15oの代りに備えられている。配線15m’~15o’は、一端は第2コネクタ17に接続され、他端は制御機器10’の接続部14m’~14o’にそれぞれ接続される。制御機器10’内では、接続部14m’は過電圧保護回路13xを介して入力回路12xに接続される。また、接続部14n’はダイオード13yを介して電源回路12yに接続される。また、接続部14o’はダイオード13zを介して入力回路12zに接続される。
【0067】
配線22m’~22o’は、(実施例1の)配線22m~22oの代りに備えられている。配線22m’~22o’は、一端は第2のコネクタ27に接続される。配線22m’の他端は、可変抵抗器250の可変部250bに接続される。配線22n’の他端は、可変抵抗器250の抵抗250aの一端側へ接続される。また、途中で分岐しセンサ260とも接続されている。22o’の他端は、センサ260の一端側に接続されている。
【0068】
配線22a、22h、22iの他端は、入力機器20’内で互いに接続されている。スイッチ21a~21iの他端側、可変抵抗器250の抵抗250aの他端側、センサ260の他端側はこれらの配線と接続されている。
【0069】
可変抵抗器250は、抵抗250aと可変部250bとを備えている。可変部250bは、抵抗250aに対して接点の位置を変えて移動させることが可能な部分である。可変部250bの位置を変えることで抵抗が変化するため、検出する電圧が変更され、可変抵抗器250に接続された要素の位置を検出することが可能となる。可変抵抗器250は、例えば、回転可能な操作つまみや、ポテンショメータ等に適用可能である。可変抵抗器250は、入力機器20’とは別に農作業機2側に設置することが可能であるが、入力機器20’に設置することも可能である。
【0070】
センサ260は、ON、OFFを検出するセンサを適用できる。例えば近接スイッチ等を適用できる。ONを検出した場合は配線が接続され、OFFを検出した場合は配線が切断された状態となる。例えば、内部にトランジスタを備えて構成できる。センサ260は、
図1、2のセンサ31に相当する。
【0071】
入力回路12xは、可変抵抗器250の可変部250bの電圧を入力する回路である。入力回路12xは、所定範囲の電圧を連続的に検出可能な入力回路である。入力回路12xは、例えば、アナログの入力回路として、入力した電圧をデジタル変換して、その情報を出力できるように構成することができる。このことで、可変抵抗器250からの所定範囲の電圧を検出することが可能となる。
【0072】
電源回路12yは、所定電圧による電源となり、可変抵抗器250及びセンサ260に電力を供給する。
【0073】
入力回路12zは、センサ260からの情報を入力するが、センサ260のON、OFFの検出方法は、スイッチ21a~21iのON、OFFの検出の場合と同様である。このため、入力回路12zは、入力回路12a~12iと同様の構成の入力回路とすることができる。
【0074】
過電圧保護回路13xは、所定以上の電圧が入力回路12xにかからないための回路である。例えば、ツェナダイオードを備える回路等により構成することができる。これによりショート等による入力回路12xの故障を防止する。なお、過電圧保護回路13xの所定以上の電圧は、入力回路12xが設計上耐えられる電圧以下に設定する。また、過電圧保護回路13xには、可変抵抗器250の可変部250bでの抵抗が0になってショートしないように内部に抵抗を備えることができる。
【0075】
ダイオード13yは、電源回路12yから、接続部14n’への電流を流すことができるように設定し、接続部14n’から電源回路12yへは電流が流れないように設定する。ダイオード13zは、入力回路12zから、接続部14o’への電流を流すことができるように設定し、接続部14o’から入力回路12zへは電流が流れないように設定する。これにより、保護回路を形成している。
【0076】
(実施例2の接続時)
実施例2の接続時の状態は、第1コネクタ16と第1のコネクタ26を接続し、第2コネクタ17と第2のコネクタ27を接続している
図7の状態である。
【0077】
図7の状態で、可変抵抗器250の可変部250bによる電圧は入力回路12xに入力される。入力された電圧による情報は入力回路12xでアナログ信号をデジタル信号に変換して制御部11へ送られ、制御部11の制御に使用することができる。
【0078】
また、
図7の状態で、センサ260がOFFを検出して配線22o’の回線が途切れている場合は、入力回路12zの出力する電圧のままとなる。一方、ONを検出した場合は配線22o’の回線がつながり、入力回路12zは、配線15o’、22o’、22h、15hを介して、アース125とつながる。このことで電流はアース125へ流れ入力回路12zは0Vとなる。これにより、OFFを検出している場合との電圧差が生じるため、入力回路12zはセンサ260がONを検出したことを検知できる。この情報は制御部11へ送られ制御に使用することができる。なお、ダイオード13zは、このときの入力回路12zからアース125への電流の流れは許容する。
【0079】
(実施例2の非接続時)
実施例2の非接続時の状態は、
図7から、第1コネクタ16と第1のコネクタ26を分離し、第2コネクタ17と第2のコネクタ27を分離し、第1コネクタ16と第2コネクタ17を接続し、第1のコネクタ26と第2のコネクタ27を接続した状態である。
【0080】
非接続時の状態において、配線15bと15o’、配線15cと15n’、配線15dと15m’、配線22bと22o’、配線22cと22n’、配線22dと22m’が接続される。その他の配線の接続は実施例1と同様である。
【0081】
この接続により、制御機器10’では、入力回路12aと入力回路12z、入力回路12bと電源回路12y、入力回路12cと入力回路12xが電気的に接続される。その他の電気的な接続は実施例1と同様である。
【0082】
ここで、入力回路12aと入力回路12zは接続された状態になるが、入力回路12aへはダイオード13aにより、入力回路12zへはダイオード13zにより電流が流れ込むことができない。
【0083】
また、入力回路12bと電源回路12yは接続された状態になるが、入力回路12bへはダイオード13bにより、電源回路12yへはダイオード13yにより電流が流れ込むことができない。
【0084】
また、入力回路12cと入力回路12xは接続された状態になるが、入力回路12cへはダイオード13cにより電流が流れ込むことができない。さらに、入力回路12xへは、入力回路12cから電流が流れ込むことは可能であるが、過電圧保護回路13xにより、所定以上の電圧が入力回路12xにかからないための入力回路12xを保護することが可能である。また、入力回路12xは、所定範囲内の電圧も検出可能なアナログ回路を適用することで、所定範囲内の電圧であれば、電圧が変化しても故障することはない。
【0085】
入力機器20’では、上記接続により、スイッチ21aとセンサ260、スイッチ21bと抵抗250a、スイッチ21cと可変部250bが接続状態となる。しかし、これらは、電気を出力しないため、電圧差による問題は生じない。またこれ以外については実施例1と同様である。
【0086】
(実施例2の効果)
このように、実施例2では、実施例1の効果に加えて、可変抵抗器250やセンサ260を用いた構成にも適用できる効果を備える。可変抵抗器250の場合は、入力回路12xが所定範囲内の電圧も検出可能であるため、過電圧保護回路13xを用いることで、第1コネクタ16と第2コネクタ17を接続した場合でも、入力回路12xの故障を防止できる。
【0087】
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述した以外の様々な変形例も含まれる。例えば、上記した実施例に設けられた全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を削除したり、他の構成に置き換えたりすることも可能である。
【0088】
例えば、
図3において、オスコネクタ100とメスコネクタ200の接続の際にシールにより防水性、防塵性を高める構成を用いてもよい。
【0089】
また、農作業機2の例として代掻き作業機を示したが、これ以外にロータリー作業機、畦塗り機、施肥播種機などトラクタに装着する作業機に広く適用することができる。
【0090】
また、コネクタの接続する端子数は8個の端子を有する構成を示したが、例えば、2個、4個、6個、8個以上と、数は必要に応じて決定していくことができる。この場合、同じ数の端子接続部を備えるコネクタ同士の接続の構成とすれば本発明を適用できる。
【0091】
また、
図5、6について、ダイオード13a~13kは、すべての入力回路12a~12kに対してそれぞれ設けることで、入力回路の破損を確実に防止できる。しかし、第1コネクタ16と第2コネクタ17を接続した場合において、接続される入力回路間の電圧差があらかじめ分かっている場合は、電圧の低い方の入力回路側のみに設けることも可能である。
【0092】
また、
図5~7において、アース125は、第1コネクタ16側の配線15hに接続される構成を示したが、第2コネクタ17側の配線に接続する構成としても適用可能である。
【0093】
また、
図5~7において、発光ダイオード215の代りに、他のランプや液晶、7セグ等による情報表示部としてもよい。
【0094】
また、
図7において、デジタルの入力回路12cとアナログの入力回路12xを接続する構成を説明したが、アナログの入力回路12xは、空の接続部と接続されるように構成してもよい。
【0095】
また、
図7において、入力回路12xに過電圧保護回路13xを設けたが、これに代わり、ダイオードを設けてもよい。これは、ダイオード13a等と同様の構成を適用できる。
【符号の説明】
【0096】
1 トラクタ
2 農作業機
5 バッテリ
6 電源ハーネス
10、10’ 制御機器
11 制御部
15、22 ハーネス
16 第1コネクタ
17 第2コネクタ
20、20’ 入力機器
26 第1のコネクタ
27 第2のコネクタ
31 センサ
32 アクチュエータ
12a~12k、12x、12z 入力回路
13a~13k、13y、13z ダイオード
14a~14p 接続部
15a~15p、22a~22p、15m’~15o’、22m’~22o’ 配線
21a~21k スイッチ
100 オスコネクタ
125 アース
126 出力回路
135 抵抗
12y 電源回路
13x 過電圧保護回路
200 メスコネクタ
210 端子接続部
215 発光ダイオード
250 可変抵抗器
250a 抵抗
250b 可変部
260 センサ