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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】忘れ物防止用掛止装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20240813BHJP
   F16B 45/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A47G29/00 L
F16B45/00 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020135426
(22)【出願日】2020-08-08
(65)【公開番号】P2022031584
(43)【公開日】2022-02-21
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000148070
【氏名又は名称】株式会社川口技研
(72)【発明者】
【氏名】石崎 武博
(72)【発明者】
【氏名】亀井 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】石塚 涼
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】実公昭07-009595(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/00-25/92
A47G 29/00-29/30
F16B 45/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面や台座等の被取付体に取り付けられる基体に動フックと常フックを設けてあり、動フックは、常フックの上部に取り付けられると共に、常フックの先端部上方をほぼ塞ぐ位置と開放する位置に、左右方向に摺動可能又は回動可能であることを特徴とする忘れ物防止用掛止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、翌日の外出時、持っていく物を忘れないようにするための忘れ物防止用掛止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2003-104503号公報(特許文献1)には、上下2か所にフックを設けた吊り下げ具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-104503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
毎日持っていくものは忘れることはあまりないが、たまに持っていかなければならないものは忘れがちであり、本発明は、たまに持っていかなければならない、この忘れがちなものを、極力忘れないようにすることができることを課題とするものである。
従来本発明のような、忘れ物を防止するための掛止装置は、提案されておらず、上記特許文献1に記載された発明のように、上下2か所にフックを設けた吊り下げ具は提案されているが、これは、ゴミ収納用の袋を体裁良く簡単に吊り下げ保持できるようにするためのものであり、忘れ物を防止することを目的とするものではなく、また上部のフックが移動できるようにもなっていないものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、壁面や台座等の被取付体に取り付けられる基体に動フックと常フックを設けてあり、動フックは、常フックの上部に取り付けられると共に、常フックの先端部上方をほぼ塞ぐ位置と開放する位置に、左右方向に摺動可能又は回動可能であることを特徴とする忘れ物防止用掛止装置である。
【発明の効果】
【0006】
以上のように本発明によれば、例えば常フックに、いつも持っていくかばん等を掛けておき、動フックを常フックの先端部上方を塞ぐ位置に移動して、そこに忘れたくない物を掛けておけば、いつものかばん等を取ろうとした際に、その忘れたくない物を取り外さなければならず、忘れ物を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施例であって、動フックを両方とも上方に回動させた状態を示す全体斜視図である。
図2】本発明の第1実施例であって、動フックを両方とも下方に回動させた状態を示す全体斜視図である。
図3】本発明の第1実施例であって、常フックと動フックに物を掛けた状態を示す全体斜視図である。
図4】本発明の第1実施例であって、常フックだけに物を掛けた状態を示す全体斜視図である。
図5】本発明の第1実施例であって、動フック部分の分解斜視図である。
図6】本発明の第2実施例であって、3つの動フックを上方に回動させ、1つの動フックを下方に回動させた状態を示す全体斜視図である。
図7】本発明の第2実施例であって、基体を台座から外した状態を示す分解斜視図である。
図8】本発明の第3実施例であって、使用状態を示す全体斜視図である。
図9】本発明の第3実施例であって、基体から常フックと動フックを外した状態を示す分解斜視図である。
図10】本発明の第3実施例であって、図8のX-X線要部拡大断面図である。
図11】本発明の第4実施例であって、常フックが基体と平行に倒れている状態で、動フックが直行方向に突出する状態の全体斜視図である。
図12】本発明の第4実施例であって、常フックと動フックが共に基体と平行に倒れている状態の全体斜視図である。
図13】本発明の第4実施例であって、常フックと動フックが共に直行方向に突出する状態の全体斜視図である。
図14】本発明の第4実施例であって、基体から常フックと動フックを外した状態を示す分解斜視図である。
図15】本発明の第4実施例であって、図13のY-Y線要部拡大断面図である。
【実施例1】
【0008】
図1図5
実施例1の忘れ物防止用掛止装置は、壁面や台座等の被取付体に取り付けられる横長の基体1の両側端部に、それぞれ下部に常フック2・2、その上部に動フック3・3を取り付けてあり、常フック2は、略倒く字状で固定され、動フック3は、略倒く字状部の基部に直線部を有する形状で上下に回動可能に取り付けられ、後述するばね4で上方へ付勢されている。
【0009】
図5に示すように、動フック3は、基部に一対の軸支部7・7が設けられ、基体1に設けられた軸受部6に、両者の貫通孔に軸5を貫通させて回動自在に取り付けられ、軸5にはばね4が取り付けられて、動フック3を常に上方へ回動するよう付勢している。
【0010】
動フック3は、何も掛かっていない通常状態では、ばね4で付勢されて上方へ回動してその先端が基体1の上部に当接し、物が掛けられるとその重さで下方に回動して常フック2の先端に当接するようになっている。
【0011】
なお、動フック3は、上方に回動するように付勢しないで、常フック2の先端部上方をほぼ塞ぐ位置と開放する位置に回動可能で、それぞれの位置で保持されるようになっていてもよい。もちろん、常フック2と動フック3の数は、それぞれ2つに限定されるものではなく、1つでもよいし、3つ以上あってもよい。
【0012】
また基体1の両側部にはねじ孔8・8を設けてあり、図示しないねじによって、壁面等に固定して使用するものである。
【0013】
使用するには、いつも持っていくバッグAを常フック2に掛け、動フック3を下方に回動して、バッグAに重ねるように忘れたくない手提げBをそこに掛けておく。そうすると、翌日いつも持っていくバッグAを常フック2から外して持っていこうとした時に、手提げBを外さなければバッグAを持ち出せないので手提げBを忘れることがなくなる。
【0014】
もちろん、常フック2と動フック3の形状や大きさは種々のものが考えられるものであり、常フック2に掛ける物は、バッグに限ることはなく、ここに掛けることができていつも持っていく物であればなんでもいいし、動フック3に掛ける物も、手提げに限ることはなく、ここに掛けることができて忘れたくない物であればなんでもよい。
【0015】
なお、動フック3を下方に回動した状態では、常フック2の先端部に接触していてもいいし、少し離れていてもよく、動フック3は常フック2の先端部上方をほぼ塞ぐ位置にあればよい。
【実施例2】
【0016】
図6図7
実施例2の忘れ物防止用掛止装置は、常フック22と動フック23を取り付けた基体21を台座24の2条の溝状の軌道部27・27に横方向移動可能に取り付けたものである。基体21は、表面側上部に、動フック23が上方に回動した時に当接する当受部26を設け、裏面側上下部に、軌道部27・27に係合して摺動する一対の鉤状の走行部25・25を設けてある。なお、常フック22と動フック23の構成は、実施例1と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0017】
図6の実施例では、4つの基体21が軌道部27・27に取り付けられており、右端の基体21に取り付けられた動フック23だけ下方に回動した状態を示している。
また台座24には、両端部を塞ぐ端部キャップ28・28を取り付けてあり、両側部にねじ孔29・29を設けてあり、図示しないねじによって、壁面等に固定して使用するものである。
【0018】
この実施例においては、基体21・・・21をそれぞれ自由に横方向に移動することができるので、使用者の家族構成等によって便利な配置に変更したり、掛ける物の大きさや数に対応して変更したりすることができ、利便性が向上している。
【実施例3】
【0019】
図8図10
実施例3の忘れ物防止用掛止装置は、基体41に横方向に伸びる2条の溝状の軌道部46・47を上下に設け、常フック42は基部に矩形板状の走行部44設け、動フック43は基部に矩形板状の走行部45設け、下方の軌道部46には、常フック42の走行部44を横方向移動可能に取り付け、上方の軌道部47には、動フック43の走行部45を横方向移動可能に取り付けてある。
【0020】
下方の軌道部46は断面垂直矩形状の溝で、上方の軌道部47はほぼ断面垂直矩形状の溝だが、上方が奥に傾斜している形状の溝になっていて、動フック43が横方向に移動するだけでなく、少し上方へ回動して傾くことができるようになっている。
【0021】
常フック42の先端上面には略半球凸状の係合部50を設けると共に、動フック43の先端下面には略半球凹状の係止部51を設けてあり、動フック43が常フック42に重なる時に、少し上方へ回動して傾き重力で下方に戻って係止部51が係合部50に係止されるようになっており、この状態では、動フック43が常フック42に対して横方向に移動しにくくなる。
【0022】
また基体41には、両端部を塞ぐ端部キャップ48・48を取り付けてあり、両側部にねじ孔49・49を設けてあり、図示しないねじによって、壁面等に固定して使用するものである。
【0023】
使用するには、いつも持っていくバッグAを常フック42に掛け、動フック43を常フック42に重なるように横方向に移動して、バッグAに重ねるように忘れたくない手提げBをそこに掛けておく。そうすると、翌日いつも持っていくバッグAを常フック42から外して持っていこうとした時に、手提げBを外して動フック43を移動しなければバッグAを持ち出せないので手提げBを忘れることがなくなる。
【0024】
またこの使用状態では、前述のように、係止部51が係合部50に係止されているので、例えば動フック43に人が当たったとしても、動フック43が横方向に動きにくく、常フック42に重なった状態を維持することができるようになっている。
【0025】
この実施例では、下方の軌道部46に4つの常フック42・・・42を、上方の軌道部47に4つの動フック43・・・43を、それぞれ横方向移動可能に取り付けてあるので、それぞれのフックを横方向に移動していろいろな使い方が可能である。図8に示すように、いつも持っていくバッグAを動フック43に掛けて使用してもよい。
【実施例4】
【0026】
図11図15
実施例4の忘れ物防止用掛止装置は、基体61の表面右寄りに縦に三分割された軸受部65・・・65を設け、その下部隙間に常フック62の軸支部66を装入すると共に、上部隙間に動フック63の軸支部67を装入し、軸64を軸受部65・・・65及び軸支部67・66を貫通するように挿入して、常フック62と動フック63を左右方向に回動可能に取り付けてあり、図示しないが、常フック62も動フック63も、共に基体61に対して直行方向に突出する状態と、基体61に平行に倒れている状態にそれぞれ維持されるように構成されている。また、動フック63の軸支部67は、軸受部65・65間の間隔より小さくなっており、動フック63は、少し上方へ移動できるようになっている。
【0027】
常フック62の先端上面には略半球凸状の係合部69を設けると共に、動フック63の先端下面には略半球凹状の係止部70を設けてあり、動フック63が常フック62に重なる時に、少し上方へ移動して重力で下方に戻って係止部70が係合部69に係止されるようになっており、この状態では、動フック63が常フック62に対して回動しにくくなる。
【0028】
また基体61には、右側上下部にねじ孔68・68を設けてあり、図示しないねじによって、壁面等に固定して使用するものである。
【0029】
使用するには、実施例1~3と同様に、いつも持っていくバッグ(図示せず)を常フック62に掛け、動フック63を常フック62に重なるように横方向に回動して、バッグに重ねるように忘れたくない手提げ(図示せず)をそこに掛けておく。そうすると、翌日いつも持っていくバッグを常フック62から外して持っていこうとした時に、手提げを外して動フック63を回動しなければバッグを持ち出せないので手提げを忘れることがなくなる。
【符号の説明】
【0030】
1 基体
2 常フック
3 動フック
21 基体
22 常フック
23 動フック
41 基体
42 常フック
43 動フック
61 基体
62 常フック
63 動フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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