(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】アクチュエータ、及びロボット
(51)【国際特許分類】
F16H 25/22 20060101AFI20240813BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20240813BHJP
H02G 11/00 20060101ALI20240813BHJP
H02K 7/06 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
F16H25/22 Z
B25J19/00 E
H02G11/00
H02K7/06 A
(21)【出願番号】P 2020218431
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】杉山 隆
(72)【発明者】
【氏名】小山 敏司
(72)【発明者】
【氏名】岩梨 健人
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-101721(JP,A)
【文献】特開平8-229875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/22
B25J 19/00
H02G 11/00
H02K 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライダと、
前記スライダを直線運動可能に支持するベースを有し、前記ボールねじ及び前記スライダの少なくとも一部を覆うアクチュエータハウジングと、
前記スライダに直接的又は間接的に支持され、前記スライダと共に移動する移動対象に、電力、信号、又は、エアを供給すると共に、少なくとも一部が前記ベースの内部に配置されている供給ケーブル群と、
を備え、
前記供給ケーブル群は、
前記ベースから引き出されて、直線運動方向における一方の方向に延設されてから折り返されて、前記スライダに接続される第1屈曲部分と、
前記ベースから引き出されて、前記直線運動方向の一方とは反対側の他方の方向に延設されてから折り返されて、前記スライダに接続される第2屈曲部分と、
を有する、アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1屈曲部分及び前記第2屈曲部分は、前記ボールねじ軸の一方の側方において折り返され、
前記供給ケーブル群は、
前記ベースから引き出されて、前記一方の方向に延設されてから、前記ボールねじ軸の他方の側方において折り返され、前記スライダに接続される第3屈曲部分と、
前記ベースから引き出されて、前記他方の方向に延設されてから、前記ボールねじ軸の前記他方の側方において折り返され、前記スライダに接続される第4屈曲部分と、
を有する、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記供給ケーブル群は、前記ベースにおいて、前記直線運動方向の中央から引き出されている、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記ベースには、前記供給ケーブル群が挿通される開口部が形成され、
前記開口部は、前記ベースにおいて、前記直線運動方向の中央に設けられている、請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアクチュエータを複数備える、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ、及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータの回転軸の回転に伴ってボールナットが回転し、そのボールナットの回転に伴って、ネジ軸に螺合されたボールナットが、スライドテーブル、モータ、及びロータリエンコーダと共に進退移動するアクチュエータが開示されている。ボールナットは、スライドテーブル、モータ、及びロータリエンコーダと共に一体に移動する移動体として構成されている。モータに電力を供給する給電ケーブルは、アクチュエータケーシングの一方の端部に設けられた基体の基部から引き出され、アクチュエータケーシングの底面に這わせられつつ、スライドテーブルの進退移動方向に沿って延設されている。そして、給電ケーブルは、スライドテーブルよりも、アクチュエータハウジングの他方の側にまで延びてから、円弧状に折り返されて、モータに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のアクチュエータにおいては、給電ケーブルの敷設長さが長くなり、給電ケーブルがアクチュエータケーシングの内面から浮きやすくなる。この結果、給電ケーブルが移動体に接触するおそれがある。例えば、特許文献1に記載のもののように、一軸のアクチュエータの場合は、アクチュエータケーシング内にケーブルを設置してもケーブル敷設空間の確保が比較的簡単であるが、複数軸のアクチュエータを組み合わせたロボットでは、次軸以降のアクチュエータの駆動部への動力等を供給するためのケーブル類が必要となりケーブルの本数も増加する。そのため、アクチュエータを大型化させることなくアクチュエータケーシング内にケーブル類を内装させようとするとケーブル敷設空間の確保が困難となる。したがって、このようなアクチュエータにおいては、アクチュエータケーシング内へケーブル類を効率的に内装できることが望まれる。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、アクチュエータハウジング内へケーブル類を効率的に内装させることができるアクチュエータ、及びロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るアクチュエータは、
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライダと、
前記スライダを直線運動可能に支持するベースを有し、前記ボールねじ及び前記スライダの少なくとも一部を覆うアクチュエータハウジングと、
前記スライダに直接的又は間接的に支持され、前記スライダと共に移動する移動対象に、電力、信号、又は、エアを供給すると共に、少なくとも一部が前記ベースの内部に配置されている供給ケーブル群と、
を備え、
前記供給ケーブル群は、
前記ベースから引き出されて、直線運動方向における一方の方向に延設されてから折り返されて、前記スライダに接続される第1屈曲部分と、
前記ベースから引き出されて、前記直線運動方向の一方とは反対側の他方の方向に延設されてから折り返されて、前記スライダに接続される第2屈曲部分と、
を有する。
【0007】
前記第1屈曲部分及び前記第2屈曲部分は、前記ボールねじ軸の一方の側方において折り返され、
前記供給ケーブル群は、
前記ベースから引き出されて、前記一方の方向に延設されてから、前記ボールねじ軸の他方の側方において折り返され、前記スライダに接続される第3屈曲部分と、
前記ベースから引き出されて、前記他方の方向に延設されてから、前記ボールねじ軸の前記他方の側方において折り返され、前記スライダに接続される第4屈曲部分と、
を有していてもよい。
【0008】
前記供給ケーブル群は、前記ベースにおいて、前記直線運動方向の中央から引き出されていてもよい。
【0009】
前記ベースには、前記供給ケーブル群が挿通される開口部が形成され、
前記開口部は、前記ベースにおいて、前記直線運動方向の中央に設けられていてもよい。
【0010】
本発明の第2の観点に係るロボットは、
第1の観点に係るアクチュエータを複数備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るアクチュエータにおいて、供給ケーブル群は、スライダに一方の方向から接続される第1屈曲部分と、スライダに他方の方向から接続される第2屈曲部分とを有する。このため、本発明に係るアクチュエータにおいては、供給ケーブル群を構成するケーブル又はチューブの本数が増えても、ケーブル又はチューブ同士の接触を少なくし、アクチュエータハウジング内でケーブル又はチューブを屈曲し易くすることができる。これにより、アクチュエータハウジング内へ供給ケーブル群(ケーブル類)を効率的に内装させることができるアクチュエータ、及びロボットを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係るロボットの斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る第1のアクチュエータの分解斜視図である。
【
図6】(A)は、第1のアクチュエータのスライダの斜視図(その1)である。(B)は、第1のアクチュエータにおいて、シート案内部材を取り外したスライダと、供給ケーブル群との斜視図(その1)である。
【
図7】(A)は、第1のアクチュエータのスライダの斜視図(その2)である。(B)は、第1のアクチュエータにおいて、シート案内部材を取り外したスライダと、供給ケーブル群との斜視図(その2)である。
【
図8】第1のアクチュエータにおけるスライダのエア流路を説明するための一部を断面とした斜視図である。
【
図9】第1のアクチュエータにおけるスライダ及びベースと、スライダカバーとの分解斜視図である。
【
図10】第1のアクチュエータの一部を簡略して示した断面図である。
【
図11】第1のアクチュエータのベースの一部を拡大して示した斜視図である。
【
図12】第1のアクチュエータのスライダカバー近傍を拡大して示した斜視図である。
【
図13】第1のアクチュエータにおけるスライダ、供給ケーブル群、及びベースの斜視図である。
【
図14】実施の形態に係る第2のアクチュエータの断面図である。
【
図15】第2のアクチュエータの一部を簡略して示した断面図である。
【
図16】第2のアクチュエータにおいて、ベースに形成されている開口部の位置を説明するための断面図である。
【
図17】(A)は、ブラケットの斜視図(その1)である。(B)は、ブラケットの斜視図(その2)である。
【
図18】第2のアクチュエータの分解斜視図である。
【
図19】第2のアクチュエータのベースの一部を拡大して示した斜視図である。
【
図20】第2のアクチュエータにおけるスライダ、供給ケーブル群、及びベースの斜視図である。
【
図21】実施の形態に係るロボットの側面図である。
【
図23】第3のアクチュエータの一部を簡略して示した断面図である。
【
図24】第3のアクチュエータの分解斜視図(その1)である。
【
図25】第3のアクチュエータの分解斜視図(その2)である。
【
図26】第3のアクチュエータにおけるスライダ、供給ケーブル群、及びベースの斜視図である。
【
図27】第3のアクチュエータのベースの一部を拡大して示した斜視図である。
【
図28】第3のアクチュエータのスライダ、ロッド、及び補助ロッドの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係るアクチュエータ100、200、300及びそれらを備えるロボット1について説明する。なお、図中のXYZ座標を適宜参照して説明する。
【0014】
ロボット1は、
図1に示すように、複数軸のアクチュエータ100、200、300を組み合わせたアクチュエータシステムである。このロボット1は、スライダテーブルT1を有する第1のアクチュエータ100と、ブラケットB1と、スライダテーブルT2を有する第2のアクチュエータ200と、ブラケットB2と、Z軸方向に往復運動するロッドを有する第3のアクチュエータ300と、アクチュエータ100、200、300の動作に基づいて移動する移動対象400、500と、を備える。
【0015】
移動対象400は、本実施の形態においては、移動対象500を、回転方向R、回転方向B、及び回転方向Tに回転させる手首ユニットである。この移動対象400は、移動対象500を回転方向R、回転方向B、及び回転方向Tの各回転方向に回転させるための3つのモータを有する。移動対象500は、移動対象400に取り付けられると共に、一対の爪部501が挟圧方向Gに移動することで、ワークを挟んだり、互いに離間したりするグリッパーである。この移動対象500は、エアが供給されることにより、一対の爪部501を挟圧方向Gに移動させるエア駆動タイプのものである。しかしながら、これに限られない。移動対象400は、電力が供給されることにより、一対の爪部501を挟圧方向Gに移動させるモータを一つ有する電動タイプのものであってもよい。また、本実施の形態においては、移動対象400は手首ユニットであり、移動対象500はグリッパーであるが、これに限られない。移動対象400、500は手首ユニット、グリッパー以外の別のツールや電子デバイスであってもよい。
【0016】
本実施の形態に係るロボット1においては、アクチュエータ100のスライダテーブルT1がX軸方向に平行な直線運動方向D1に、アクチュエータ200のスライダテーブルT2がY軸方向に平行な直線運動方向D2に往復運動することにより、アクチュエータ300は、移動対象400、500と共にX軸方向に往復運動する。アクチュエータ300のロッドがZ軸方向に平行な直線運動方向D3に往復運動することにより、移動対象400、500がZ軸方向に往復運動する。この結果、移動対象500は、ワークを挟むことが可能な位置まで移動する。また、アクチュエータ100から引き入られる供給ケーブル群50は、アクチュエータ100、200、300の内部に配線されている。
【0017】
アクチュエータ100は、
図2及び
図3に示すように、直線運動方向D1に往復運動するスライダテーブルT1を備えるテーブルタイプのアクチュエータである。アクチュエータ100は、スライダテーブルT1に加え、モータユニット10と、ボールねじ20と、アクチュエータハウジング30と、スライダ40と、エアチューブ51、電力ケーブル52、及び信号ケーブル53とを含んで構成される供給ケーブル群50と、を備える。また、本実施の形態においては、スライダテーブルT1は、スライダ40と、スライダカバー41dとから構成されている。
【0018】
アクチュエータ100のモータユニット10を駆動制御するX軸駆動用コントローラ(図示なし)とロボット1全体を制御する統括コントローラ(図示なし)は、ロボット1の外部に設置され、ロボット1と供給ケーブル群50で接続されている。X軸駆動用コントローラは、例えば、
図1に示すロボット1全体を制御する統括コントローラからの入力に基づいて、アクチュエータ100を制御する。X軸駆動用コントローラは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、主記憶部、補助記憶部等を含んで構成されている。このX軸駆動用コントローラには、供給ケーブル群50の複数本の電力ケーブル52のうちのいくつかの電力ケーブル52が接続されている。また、このX軸駆動用コントローラからは、信号ケーブル53及びモータ・エンコーダケーブルが引き出されている。なお、X軸駆動用コントローラをロボット1の外部に設置したが、後述するY軸駆動用コントローラ、Z軸駆動用コントローラのようにアクチュエータ100に設置されていてもよい。
【0019】
スライダカバー41dは、
図2及び
図3に示すように、スライダ40に固定されることで、スライダ40と共に直線運動方向D1に往復運動をする。スライダカバー41dは、シート部材33とスライダ40に設置される物や装置とが接触するのを回避するために用いられる。スライダカバー41dには、Z軸方向に貫通する孔41d1が形成されている。孔41d1は、X軸方向を長手方向とする略長方形の開口を有する孔である。
【0020】
モータユニット10は、
図2及び
図4に示すように、例えば、モータ本体11、出力軸12(回転軸)、ロータ、ステータ、エンコーダ等を有している。このモータ本体11には、供給ケーブル群50から電力が供給される。モータ本体11に電力が供給されることによって、ロータが回転し、この結果、ロータの回転運動は、出力軸12に出力される。この出力軸12には、カップリング13が取り付けられている。
【0021】
ボールねじ20は、モータユニット10の出力軸12の回転運動を直線運動に変換することで、スライダ40を直線運動させるために用いられる。ボールねじ20は、ボールねじ軸21と、ボールねじナット22と、先端支持部23と、基端支持部24と、カップリング25とを有する。
【0022】
ボールねじ軸21は、外周面が螺旋状のボールねじ面として構成されているボールねじ軸本体と、ボールねじ軸本体よりも小径に形成されているボールねじ軸21の-X側の先端部分21aと、+X側の基端部分21bとを有する。
【0023】
先端部分21aは、ボールねじ軸本体から-X方向に突出するように形成されている。先端部分21aは、ボールねじ軸本体とは異なり、外周面にボールねじ面が形成されていない部分である。先端部分21aは、ボールねじ軸本体に一体に形成されていてもよいし、先端部分21aは、ボールねじ軸本体に別体に形成されて、ボールねじ軸本体に固定されていてもよい。
【0024】
基端部分21bは、ボールねじ軸本体から+X方向に突出するように形成されている。基端部分21bは、ボールねじ軸本体とは異なり、外周面にボールねじ面が形成されていない部分である。基端部分21bは、ボールねじ軸本体に一体に形成されていてもよいし、基端部分21bは、ボールねじ軸本体に別体に形成されて、ボールねじ軸本体に固定されてもよい。この基端部分21bには、カップリング25が取り付けられている。基端部分21bに取り付けられているカップリング25が、モータユニット10の出力軸12に取り付けられているカップリング13に接続されることで、ボールねじ軸21は、出力軸12と共に回転する。これにより、出力軸12の回転運動がボールねじ軸21に伝達される。
【0025】
ボールねじナット22は、ボールねじ軸21のボールねじ軸本体の外周面に螺合されて配置されている。ボールねじナット22は、ボールねじ軸21に剛性の球体を介して嵌め込まれる。ボールねじナット22は、ボールねじ軸21の回転運動に基づいて、直線運動する。
【0026】
先端支持部23は、ベアリングを有する。先端支持部23が有するベアリングは、例えば、ボールベアリングである。このボールベアリングによって、先端支持部23は、ボールねじ軸21の先端部分21aを回転可能に支持する。先端支持部23が有するベアリングは、ボールベアリングに限られない。当該ベアリングは、滑り軸受けであってもよい。
【0027】
基端支持部24は、ベアリングを有する。基端支持部24には、ボールねじ軸21を挿入するための貫通孔が形成されており、この貫通孔の孔内に、ベアリングやモータユニット10の出力軸12、カップリング13、25が配置されている。基端支持部24が有するベアリングは、例えば、ボールベアリングである。このボールベアリングによって、基端支持部24は、ボールねじ軸21の基端部分21bを回転可能に支持する。基端支持部24が有するベアリングは、ボールベアリングに限られない。当該ベアリングは、滑り軸受けであってもよい。
【0028】
アクチュエータハウジング30は、モータユニット10、ボールねじ20、及びスライダ40を収容することで、アクチュエータ100の内部の各構成部品を覆う。なお、本実施の形態においては、アクチュエータハウジング30は、ボールねじ20及びスライダ40の全体を覆う。しかしながら、これに限られない。アクチュエータハウジング30は、ボールねじ20及びスライダ40の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。このアクチュエータハウジング30は、
図2及び
図3に示すように、ベース31と、一対のサイドカバー32R、32Lと、シート部材33と、フロントブラケット34と、リアブラケット35とを有する。
【0029】
ベース31は、
図5に示すように、アクチュエータハウジング30の底部分と、両側の側壁部分の一部と、を構成する。ベース31は、複数のリニアガイド用転動体を介して、スライダ40を+X方向及び-X方向の双方向にスライド移動可能に支持するレール構造を有する部材である。ベース31は、例えば、アルミニウム等の金属を押出成形することによって形成されている。また、ベース31は、その断面(YZ断面)が略U字状となるように形成されている。ベース31の略U字状の一対の側壁部分の互いに対向する内面には、X軸方向に延びる一対の転動体用溝が形成されている。この転動体用溝を、リニアガイド用転動体が転動することにより、スライダ40は、円滑に往復運動をする。
【0030】
ベース31の略U字状の底部分には、X軸方向に平行な孔31aが形成されている。孔31aは、例えば、X軸方向に貫通して形成されている。孔31aは、主に、ベース31の軽量化を図るために形成されている。ベース31の孔31aは、供給ケーブル群50が挿通される孔としても利用される。
【0031】
リニアガイド用転動体は、剛性の高い素材からなり、具体的には、鋼材からなる。リニアガイド用転動体は、球形状に形成されている。リニアガイド用転動体は、ベース31とスライダ40との間に複数配置されることで、ベース31に対して、スライダ40をX軸方向に円滑に移動させるために用いられる。
【0032】
サイドカバー32R、32Lは、アクチュエータハウジング30の両側の側壁部分の一部と、天井壁部分の一部とを構成する。サイドカバー32R、32Lは、ベース31と共に、アクチュエータ100の内部の各構成部品を保護する。
【0033】
シート部材33は、サイドカバー32Rとサイドカバー32Lとの間の上方開口を塞ぐステンレスシートである。シート部材33は、
図2に示すように、X軸方向を長手方向とする略矩形のシートである。
図5に示すように、シート部材33がサイドカバー32Rとサイドカバー32Lとの間の上方開口を塞ぐことにより、シート部材33は、アクチュエータハウジング30の天井壁部分の一部を構成する。
図2に示すように、シート部材33の-X側の端部は、フロントブラケット34に固定される。同様に、シート部材33の+X側の端部は、リアブラケット35に固定される。
【0034】
フロントブラケット34は、アクチュエータハウジング30の-X側の先端部分を構成し、ベース31の-X側に固定されている。フロントブラケット34は、ベース31やサイドカバー32R、32Lと共に、アクチュエータ100の内部の各構成部品を保護する。フロントブラケット34は、衝撃吸収と軽量化の観点から、本実施の形態においては、樹脂からなる。しかしながら、これに限られない。フロントブラケット34は、樹脂以外の素材、例えば、金属からなっていてもよい。また、フロントブラケット34からは、エアチューブ51、電力ケーブル52、及び信号ケーブル53がアクチュエータ100の内部に取り入れられている。
【0035】
リアブラケット35は、ベース31の+X側に固定されている。アクチュエータハウジング30の+X側の基端部分を構成し、ベース31の+X側に固定されている。リアブラケット35は、ベース31やサイドカバー32R、32L、フロントブラケット34と共に、アクチュエータ100の内部の各構成部品を保護する。リアブラケット35は、衝撃吸収と軽量化の観点から、本実施の形態においては、樹脂からなる。しかしながら、これに限られない。リアブラケット35は、樹脂以外の素材、例えば、金属からなっていてもよい。
【0036】
スライダ40は、リニアガイド用転動体を介して、ベース31にX軸方向に直線運動可能に支持されている。スライダ40は、
図6及び
図7に示すように、本体部41と、リターン部材42a、42bと、シート案内部材43a、43bと、エア継手44と、配線配管受けローラ45と、供給ケーブル群50の信号ケーブル53を固定するためのケーブル固定金具46と、マニホールド47とを有する。
【0037】
本体部41は、剛性の高い素材からなり、例えば、金属からなる。本体部41の内部には、
図8に示すように、エアを流すためのエア流路41aが形成されている。本実施の形態において、本体部41には、2つのエア流路41aが形成されている。エア流路41aには、供給ケーブル群50のエアチューブ51から供給されたエアが通過する。また、本体部41には、
図6及び
図7に示すように、一対のワーク取付部41R、41Lと、シート部材配置面41bとが形成されている。
【0038】
ワーク取付部41R、41Lは、シート部材配置面41bから上方(+Z方向)に突出して形成されている。ワーク取付部41R、41Lの上面(+Z側の面)には、ねじ穴が形成されている。
図2に示すように、スライダカバー41dは、ねじなどの留め具(図示なし)によって、ワーク取付部41R、41Lに固定される。
【0039】
シート部材配置面41bは、ワーク取付部41Rとワーク取付部41Lとの間に形成されている。シート部材配置面41bは、XY平面に平行な平面に形成されている。シート部材配置面41bには、シート部材33が配置される。
【0040】
リターン部材42aは、
図6及び
図7に示すように、本体部41の-X側の前端面に留め具等で固定されている。リターン部材42aには、その内部に、リニアガイド用転動体を通過させる転動体循環路が形成されている。
【0041】
リターン部材42bは、本体部41の+X側の後端面に留め具等で固定されている。リターン部材42bには、リターン部材42aと同様に、その内部に、リニアガイド用転動体を通過させる転動体循環路が形成されている。
【0042】
シート案内部材43a、43bには、XY平面に対して傾斜する傾斜面が形成されている。シート案内部材43a、43bの傾斜面には、
図9に示すように、シート部材33が配置される。
【0043】
エア継手44は、
図8に示すように、本体部41のエア流路41aの排出口を構成する。エア継手44には、アクチュエータ200の供給ケーブル群50のエアチューブ51が接続される。このエア継手44からは、供給ケーブル群50のエアチューブ51から供給されたエアが、アクチュエータ200の供給ケーブル群50のエアチューブ51に送出される。本実施の形態において、エア継手44は、2つ設けられている。
【0044】
配線配管受けローラ45は、
図5~
図7に示すように、本体部41の-X側の前端面及び+X側の後端面に2つずつ取り付けられている。この配線配管受けローラ45は、本体部41に対して、Y軸回りに回転可能に支持されている。配線配管受けローラ45は、スライダ40の移動に伴って、供給ケーブル群50をベース31の底面上に押し付け可能に設置させることで、供給ケーブル群50がスライダ40の移動に巻き込まれることを防止するために形成されている。
【0045】
マニホールド47は、
図8に示すように、本体部41のエア流路41aの吸気口を構成する。マニホールド47には、その内部にエア流路が形成されている。マニホールド47は、本体部41の-X側の前端面に取り付けられている。このマニホールド47には、供給ケーブル群50のエアチューブ51が接続されている。これにより、マニホールド47には、エアチューブ51からエアが供給される。そして、マニホールド47は、エアチューブ51からのエアを、本体部41のエア流路41aに供給する。なお、マニホールド47に接続される3本一組のエアチューブ51の流量と本体部41に形成されているエア流路41aの流量は同じとなっている。
【0046】
供給ケーブル群50は、
図4及び
図10に示すように、フロントブラケット34からアクチュエータ100の内部に引き入られている。アクチュエータ100の内部に配線されている供給ケーブル群50は、3本のエアチューブ51と、2本の電力ケーブル52と、3本の信号ケーブル53と、任意の本数のモータ・エンコーダケーブル(図示なし)とを有する。供給ケーブル群50は、それらチューブ及びケーブルが、部分的に束ねられて構成されている。なお、本実施の形態では、供給ケーブル群50は、3本を一組とする二組のエアチューブ51と、2本を一組とする二組の電力ケーブル52と、3本を一組とする二組の信号ケーブル53とを有する。しかしながら、これに限られず、エアチューブ51、電力ケーブル52、信号ケーブル53の本数は任意である。本実施の形態で示した本数以外の本数であってもよい。
【0047】
エアチューブ51は、
図1に示すように、ロボット1が備える移動対象400、500がエアの必要な装置である場合には、当該装置にエアを供給するために用いられる。
【0048】
電力ケーブル52は、アクチュエータ100、200、300が備えるモータユニット10に電力を供給したり、移動対象400、500に電力を供給したりするために用いられる。
【0049】
信号ケーブル53は、アクチュエータ100、200、300が備えるモータユニット10に、その回転軸の回転を制御するための信号を供給したり、移動対象400、500に、その動作を制御するための信号を供給したりするために用いられる。
【0050】
モータ・エンコーダケーブルは、エアチューブ51、電力ケーブル52、信号ケーブル53と共に、供給ケーブル群50として、フロントブラケット34から引き入れられている。そして、モータ・エンコーダケーブルは、
図10を参照するとわかるように、ベース31の孔31aの内部と、リアブラケット35の内部の順に配線されてから、リアブラケット35の内部において、アクチュエータ100が備えるモータユニット10に接続されている。このモータ・エンコーダケーブルは、モータユニット10のモータ本体11を制御するための信号を供給する。
【0051】
図10に示すように、フロントブラケット34から引き入れられた供給ケーブル群50は、フロントブラケット34の内部と、ベース31の孔31aの内部との順に配置されている。そして、
図11に示すように、供給ケーブル群50のうちのエアチューブ51は、ベース31の底部分に形成されているチューブ用開口部31bから引き出されている。具体的には、ベース31の底部分には、内部にエア流路が形成されているマニホールド61が取り付けられている。そして、このマニホールド61を経由して、エアチューブ51は、チューブ用開口部31bから引き出されている。チューブ用開口部31bから引き出されたエアチューブ51は、-X方向(直線運動方向D1における一方の方向)に延設されている。そして、-X方向に延設されているエアチューブ51は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。また、本実施の形態においては、チューブ用開口部31bは、2つ設けられている。そして、2つのチューブ用開口部31bの各々から、エアチューブ51が3本ずつ引き出されている。なお、孔31aの内部には2本のエアチューブ51が設置されているが、マニホールド61を経由することで、エアチューブ51は、2つのチューブ用開口部31bから引き出されるときに3本一組となった一対のエアチューブ51に変換されている。この2本のエアチューブ51のエア流量と3本一組となった一対のエアチューブ51のエア流量は同じとなっている。
【0052】
また、供給ケーブル群50のうちの電力ケーブル52は、ベース31の底部分に形成されているケーブル用開口部31cから引き出されている。そして、ケーブル用開口部31cから引き出された電力ケーブル52は、-X方向(直線運動方向D1における一方の方向)に延設されている。そして、-X方向に延設されている電力ケーブル52は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。なお、本実施の形態においては、ケーブル用開口部31cから引き出された電力ケーブル52は、固定金具等でベース31には固定されていない。しかしながら、これに限らず、ケーブル用開口部31cから引き出された電力ケーブル52は、固定金具等でベース31に固定されていてもよい。また、本実施の形態においては、ケーブル用開口部31cは、2つ設けられている。そして、2つのケーブル用開口部31cの各々から、電力ケーブル52が2本ずつ引き出されている。なお、孔31aの内部に配置されている電力ケーブル52は、バラ線状態で敷設されているが、2つのケーブル用開口部31cから引き出されるときに2本一組となった一対の電力ケーブル52に成型されている。
【0053】
また、供給ケーブル群50のうちの信号ケーブル53は、ベース31の底部分に形成されているケーブル用開口部31dから引き出されている。そして、ケーブル用開口部31dから引き出された信号ケーブル53は、結束バンド63によってベース31の底面に取り付けられている固定金具62を介して、ベース31の底面に固定されている。また、信号ケーブル53は、+X方向(直線運動方向D1の一方とは反対側の他方の方向)に延設されている。そして、+X方向に延設されている信号ケーブル53は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。また、本実施の形態においては、ケーブル用開口部31dは、2つ設けられている。そして、2つのケーブル用開口部31dの各々から、信号ケーブル53が3本ずつ引き出されている。なお、孔31aの内部に配置されている信号ケーブル53は、バラ線状態で敷設されているが、2つのケーブル用開口部31dから引き出されるときに3本一組となった一対のフラットケーブルに成型されている。
【0054】
図6、
図7及び
図10に示すように、ベース31から引き出されているエアチューブ51及び電力ケーブル52は、-X方向に延設されてから、+X方向に折り返されている。そして、エアチューブ51及び電力ケーブル52は、スライダ40に接続されている。
【0055】
具体的には、+X方向に折り返されたエアチューブ51は、
図8に示すように、スライダ40のマニホールド47に接続されている。これにより、エアチューブ51から供給されるエアは、マニホールド47内部のエア流路、エア流路41a、及びエア継手44を経由して、アクチュエータ200内に配置される供給ケーブル群50のエアチューブ51に供給される。
【0056】
また、+X方向に折り返された電力ケーブル52は、
図6及び7に示すように、スライダ40の-X側の前端面近傍において、図示しない結束バンドによって、エアチューブ51に固定されている。そして、電力ケーブル52は、スライダ40の-Y側の側面上に配線されてから、スライダ40の上方(+Z方向)に折り曲げられている。そして、
図12に示すように、電力ケーブル52は、スライダカバー41dに形成されている孔41d1から、上方(+Z方向)に引き出されている。
【0057】
また、
図6、
図7及び
図10に示すように、ベース31から引き出されている信号ケーブル53は、+X方向に延設されてから、-X方向に折り返されている。そして、信号ケーブル53は、スライダ40に接続されている。
【0058】
具体的には、-X方向に折り返された信号ケーブル53は、
図6及び7に示すように、スライダ40の+X側の後端面近傍において、ケーブル固定金具46によって、スライダ40に固定されている。そして、信号ケーブル53は、スライダ40の-Y側の側面上に配線されてから、スライダ40の上方(+Z方向)に折り曲げられている。そして、
図12に示すように、信号ケーブル53は、電力ケーブル52と共に、スライダカバー41dに形成されている孔41d1から、上方(+Z方向)に引き出されている。スライダカバー41dの孔41d1から引き出されている信号ケーブル53は、例えば、移動対象400、500の動作を制御するための信号を供給するユーザ用の信号ケーブル53と、X軸駆動用コントローラから引き出されている信号ケーブル53とを含んでいる。
【0059】
上述のように構成された供給ケーブル群50は、
図13に示すように、折り返された屈曲形状を含んで構成される第1~第4屈曲部分50-1~50-4を有した状態で、アクチュエータ100の内部で配線されている。
【0060】
第1屈曲部分50-1は、ベース31から引き出されて、-X方向(直線運動方向D1における一方の方向)に延設されてから+X方向(直線運動方向D1における一方とは反対側の他方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第1屈曲部分50-1は、+X方向に視て、ボールねじ軸21の右側(-Y側の側方、一方の側方)において折り返されている。
【0061】
第2屈曲部分50-2は、ベース31から引き出されて、+X方向(直線運動方向D1における他方の方向)に延設されてから-X方向(直線運動方向D1における一方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第2屈曲部分50-2は、+X方向に視て、ボールねじ軸21の右側(-Y側の側方、一方の側方)において折り返されている。
【0062】
第3屈曲部分50-3は、ベース31から引き出されて、-X方向(直線運動方向D1における一方の方向)に延設されてから+X方向(直線運動方向D1における一方とは反対側の他方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第3屈曲部分50-3は、+X方向に視て、ボールねじ軸21の左側(+Y側の側方、他方の側方)において折り返されている。したがって、第3屈曲部分50-3及び第1屈曲部分50-1は、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されている。
【0063】
第4屈曲部分50-4は、ベース31から引き出されて、+X方向(直線運動方向D1における他方の方向)に延設されてから-X方向(直線運動方向D1における一方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第4屈曲部分50-4は、+X方向に視て、ボールねじ軸21の左側(+Y側の側方、他方の側方)において折り返されている。したがって、第4屈曲部分50-4及び第2屈曲部分50-2は、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されている。
【0064】
図10及び
図11に示すように、供給ケーブル群50が引き出されている開口部(チューブ用開口部31b、ケーブル用開口部31c、31d)は、ベース31の直線運動方向D1の中央近傍に形成されている。すなわち、当該開口部は、ベース31の直線運動方向D1における全長L1に対して、概ね、ベース31の-X側の端部からL1×1/2の位置に形成されている。詳しくは、アクチュエータ100においては、チューブ用開口部31bは、ベース31の直線運動方向D1の中央に形成されている。ケーブル用開口部31cは、直線運動方向D1において、チューブ用開口部31bよりもやや-X寄りに形成されている。ケーブル用開口部31dは、直線運動方向D1において、チューブ用開口部31bよりもやや+X寄りに形成されている。
【0065】
以上、アクチュエータ100においては、
図13に示すように、供給ケーブル群50は、ベース31から引き出されて、直線運動方向D1における一方の方向に延設されてから折り返されて、スライダ40に接続される第1、第3屈曲部分50-1、50-3と、ベース31から引き出されて、直線運動方向D1の他方の方向に延設されてから折り返されて、スライダ40に接続される第2、第4屈曲部分50-2、50-4と、を有する。このため、アクチュエータ100においては、供給ケーブル群50を構成するエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53をアクチュエータハウジング30内の各屈曲部分50-1~50-4に分散させて設置しているので、エアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の本数が増えても、接触するおそれのあるエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の各屈曲部分50-1~50-4での本数を少なくできる。さらに、各屈曲部分50-1~50-4に設置されるエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の本数を少なくできるので、アクチュエータハウジング30内でエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53を屈曲し易くすることができる。結果として、アクチュエータ100においては、アクチュエータハウジング30内へ供給ケーブル群50を効率的に内装させることができる。
【0066】
また、アクチュエータ100においては、供給ケーブル群50の第1屈曲部分50-1及び第3屈曲部分50-3は、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されて、スライダ40に接続されている。また、供給ケーブル群50の第2屈曲部分50-2及び第4屈曲部分50-4も、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されて、スライダ40に接続されている。これにより、アクチュエータ100においては、供給ケーブル群50を構成するエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の本数が増えても、アクチュエータハウジング30内へ供給ケーブル群50を効率的に内装させることができる。
【0067】
なお、アクチュエータ100においては、
図6、
図7及び
図10に示すように、ベース31から引き出されているエアチューブ51及び電力ケーブル52は、-X方向に延設されてから、+X方向に折り返されている。また、ベース31から引き出されている信号ケーブル53は、+X方向に延設されてから、-X方向に折り返されている。しかしながら、これに限られない。エアチューブ51、電力ケーブル52、及び、信号ケーブル53の折り返す方向や延設される方向は、アクチュエータ100の使用状況に応じて、適宜、変更される。
【0068】
ブラケットB1は、
図14~
図17に示すように、アクチュエータ100が移動させる移動対象としてのアクチュエータ200をスライダテーブルT1に固定するためのものである。アクチュエータ200は、ブラケットB1介して、スライダテーブルT1に固定されることにより、スライダテーブルT1と共に、直線運動方向D1に沿って往復運動する。ブラケットB1には、溝部B1aがY軸方向に沿って形成されている。溝部B1aには、供給ケーブル群50が配置され、ブラケットカバーB1bによって覆われている。
【0069】
アクチュエータ200は、
図14~
図16に示すように、アクチュエータ100と同様に、直線運動方向D2に往復運動するスライダテーブルT2を備えるテーブルタイプのアクチュエータである。アクチュエータ200は、スライダテーブルT2に加え、モータユニット10と、ボールねじ20と、アクチュエータハウジング30と、スライダ40と、エアチューブ51、電力ケーブル52、及び信号ケーブル53とを含んで構成される供給ケーブル群50と、コントローラC2と、を備える。また、本実施の形態においては、スライダテーブルT2は、スライダ40と、スライダカバー41dとから構成されている。なお、アクチュエータ200において、アクチュエータ100と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0070】
コントローラC2は、Y軸駆動用コントローラであり、ベース31の-Z側の外面に固定されている。コントローラC2は、例えば、
図1に示すロボット1全体を制御する統括コントローラからの入力に基づいて、アクチュエータ200を制御する。コントローラC2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、主記憶部、補助記憶部等を含んで構成されている。このコントローラC2には、供給ケーブル群50の複数本の電力ケーブル52のうちのいくつかの電力ケーブル52が接続されている。また、コントローラC2には、複数本の信号ケーブル53のうちのいくつかの信号ケーブル53(X軸コントローラから引き出された信号ケーブル)が接続されている。また、コントローラC2から、信号ケーブル53及びモータ・エンコーダケーブル(図示なし)が引き出されている。
【0071】
コントローラC2から引き出されているモータ・エンコーダケーブルは、
図15を参照するとわかるように、ベース31に形成されている孔から、ベース31の内部に配線され、リアブラケット35の内部に引き入れられている。そして、モータ・エンコーダケーブルは、リアブラケット35の内部において、アクチュエータ200が備えるモータユニット10に接続されている。モータ・エンコーダケーブルは、アクチュエータ200が備えるモータユニット10のモータ本体11を制御するための信号を供給する。
【0072】
スライダカバー41dは、スライダ40に固定されることで、スライダ40と共に直線運動方向D2に往復運動をする。
図18に示すように、スライダカバー41dには、Z軸方向に貫通する孔41d1が形成されている。
【0073】
モータユニット10及びボールねじ20は、アクチュエータ100のものと同等のものである。
【0074】
アクチュエータハウジング30は、モータユニット10、ボールねじ20、及びスライダ40を収容することで、アクチュエータ200の内部の各構成部品を覆う。アクチュエータハウジング30は、ベース31と、一対のサイドカバー32R、32L(
図5参照)と、シート部材33と、フロントブラケット34と、リアブラケット35とに加えて、エッジカバー36とを更に有する。
【0075】
エッジカバー36は、
図15、
図16及び
図18に示すように、ベース31の-Z側の外面を覆うように、ベース31に取り付けられている。エッジカバー36の内部には、供給ケーブル群50が配線されている。また、エッジカバー36は、ベース31の-Z側の外面に固定されているコントローラC2を覆って保護している。
【0076】
スライダ40は、アクチュエータ100のものと同等のものである。
【0077】
供給ケーブル群50は、エッジカバー36から、アクチュエータ200の内部に引き入られている。具体的には、ベース31の下面には、ベース31の下面側の空間と孔31aの内部とをZ軸方向に連通する連通孔(図示なし)が形成されている。供給ケーブル群50は、この連通孔を経由して、エッジカバー36の内部(ベース31の下面)から孔31aの内部に引き入られている。そして、孔31aの内部に引き入られた供給ケーブル群50は、孔31aの内部とアクチュエータ200の内部とを連通する複数の開口部(チューブ用開口部31b、ケーブル用開口部31c、31d)から+X方向及び-X方向に引き出されて、アクチュエータ200の内部に引き入られている。アクチュエータ200の内部に配線される供給ケーブル群50は、複数本のエアチューブ51と、複数本の電力ケーブル52と、複数本の信号ケーブル53と、を有する。なお、アクチュエータ200では、供給ケーブル群50をエッジカバー36内でY軸方向へ敷設させているが、供給ケーブル群50は、ベース31の+Y軸方向側の端部近傍にエッジカバー36の内部と孔31aとを連通する孔を設けて挿通させ、アクチュエータ100と同様に孔31a内にY軸方向へ敷設されていてもよい。
【0078】
図19に示すように、供給ケーブル群50のうちのエアチューブ51は、マニホールド61を経由して、チューブ用開口部31bから引き出されている。チューブ用開口部31bから引き出されたエアチューブ51は、-Y方向(直線運動方向D2における一方の方向)に延設されている。そして、-Y方向に延設されているエアチューブ51は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。また、本実施の形態においては、チューブ用開口部31bは、2つ設けられている。そして、2つのチューブ用開口部31bの各々から、エアチューブ51が3本ずつ引き出されている。なお、エッジカバー36の内部には2本のエアチューブ51が設置されているが、マニホールド61を経由することで、エアチューブ51は2つのチューブ用開口部31bから引き出されるときに3本一組となった一対のエアチューブ51に変換されている。この2本のエアチューブ51のエア流量と3本一組となった一対のエアチューブ51のエア流量は同じとなっている。
【0079】
また、供給ケーブル群50のうちの電力ケーブル52は、ケーブル用開口部31cから引き出されている。そして、ケーブル用開口部31cから引き出された電力ケーブル52は、-Y方向(直線運動方向D2における一方の方向)に延設されている。そして、-Y方向に延設されている電力ケーブル52は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。なお、本実施の形態においては、ケーブル用開口部31cから引き出された電力ケーブル52は、固定金具等でベース31に固定されていない。しかしながら、これに限らず、ケーブル用開口部31cから引き出された電力ケーブル52は、固定金具等でベース31に固定されていてもよい。また、本実施の形態においては、ケーブル用開口部31cは、2つ設けられている。そして、2つのケーブル用開口部31cの各々から、電力ケーブル52が2本ずつ引き出されている。
【0080】
また、供給ケーブル群50のうちの信号ケーブル53は、ケーブル用開口部31dから引き出されている。そして、ケーブル用開口部31dから引き出された信号ケーブル53は、結束バンド63によってベース31の底面に取り付けられている固定金具62を介して、ベース31の底面に固定されている。また、信号ケーブル53は、+Y方向(直線運動方向D2の一方とは反対側の他方の方向)に延設されている。そして、+Y方向に延設されている信号ケーブル53は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。また、本実施の形態においては、ケーブル用開口部31dは、2つ設けられている。そして、2つのケーブル用開口部31dの各々から、信号ケーブル53が3本ずつ引き出されている。
【0081】
図15及び
図16に示すように、ベース31から引き出されているエアチューブ51及び電力ケーブル52は、-Y方向に延設されてから、+Y方向に折り返されている。そして、エアチューブ51及び電力ケーブル52は、スライダ40に接続されている。
【0082】
具体的には、+Y方向に折り返されたエアチューブ51は、
図20に示すように、スライダ40のマニホールド47に接続されている。これにより、エアチューブ51から供給されるエアは、エア流路41a(
図15参照)を経由して、アクチュエータ300の供給ケーブル群50のエアチューブ51に供給される。
【0083】
また、+Y方向に折り返された電力ケーブル52は、
図20に示すように、スライダ40の-Y側の前端面近傍において、図示しない結束バンドによって、エアチューブ51に固定されている。そして、電力ケーブル52は、スライダ40の+X側の側面上に配線されてから、スライダ40の上方(+Z方向)に折り曲げられている。そして、
図18に示すように、電力ケーブル52は、スライダカバー41dに形成されている孔41d1から、上方(+Z方向)に引き出されている。
【0084】
また、
図20に示すように、ベース31から引き出されている信号ケーブル53は、+Y方向に延設されてから、-Y方向に折り返されている。そして、信号ケーブル53は、スライダ40に接続されている。
【0085】
具体的には、-Y方向に折り返された信号ケーブル53は、スライダ40の+Y側の後端面近傍において、ケーブル固定金具46によって、スライダ40に固定されている。そして、信号ケーブル53は、スライダ40の+X側の側面上に配線されてから、スライダ40の上方(+Z方向)に折り曲げられている。そして、
図18に示すように、信号ケーブル53は、電力ケーブル52と共に、スライダカバー41dに形成されている孔41d1から、上方(+Z方向)に引き出されている。スライダカバー41dの孔41d1から引き出されている信号ケーブル53は、例えば、移動対象400、500の動作を制御するためのユーザ用の信号ケーブル53と、Y軸駆動用コントローラから引き出されている信号ケーブル53とを含んでいる。
【0086】
上述のように構成された供給ケーブル群50は、
図20に示すように、折り返された屈曲形状を含んで構成される第1~第4屈曲部分50-1~50-4を有した状態で、アクチュエータ200の内部で配線されている。
【0087】
第1屈曲部分50-1は、ベース31から引き出されて、-Y方向(直線運動方向D2における一方の方向)に延設されてから+Y方向(直線運動方向D2における一方とは反対側の他方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第1屈曲部分50-1は、+Y方向に視て、ボールねじ軸21の右側(+X側の側方、一方の側方)において折り返されている。
【0088】
第2屈曲部分50-2は、ベース31から引き出されて、+Y方向(直線運動方向D2における他方の方向)に延設されてから-Y方向(直線運動方向D2における一方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第2屈曲部分50-2は、+Y方向に視て、ボールねじ軸21の右側(+X側の側方、一方の側方)において折り返されている。
【0089】
第3屈曲部分50-3は、ベース31から引き出されて、-Y方向(直線運動方向D2における一方の方向)に延設されてから+Y方向(直線運動方向D2における他方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第3屈曲部分50-3は、+Y方向に視て、ボールねじ軸21の左側(-X側の側方、他方の側方)において折り返されている。したがって、第3屈曲部分50-3及び第1屈曲部分50-1は、ボールねじ軸21の左右の両側において折り返されている。
【0090】
第4屈曲部分50-4は、ベース31から引き出されて、+Y方向(直線運動方向D2における他方の方向)に延設されてから-Y方向(直線運動方向D2における一方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第4屈曲部分50-4は、+Y方向に視て、ボールねじ軸21の左側(-X側の側方、他方の側方)において折り返されている。したがって、第4屈曲部分50-4及び第2屈曲部分50-2は、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されている。
【0091】
図16及び
図19に示すように、供給ケーブル群50が引き出されている開口部(チューブ用開口部31b、ケーブル用開口部31c、31d)は、ベース31の直線運動方向D2の中央近傍に形成されている。すなわち、当該開口部は、ベース31の直線運動方向D2における全長L2に対して、概ね、ベース31の-Y側の端部からL2×1/2の位置に形成されている。詳しくは、アクチュエータ200においては、チューブ用開口部31bは、ベース31の直線運動方向D2の中央に形成されている。ケーブル用開口部31cは、直線運動方向D2において、チューブ用開口部31bよりもやや-Y寄りに形成されている。ケーブル用開口部31dは、直線運動方向D2において、チューブ用開口部31bよりもやや+Y寄りに形成されている。
【0092】
以上、アクチュエータ200においては、
図20に示すように、供給ケーブル群50は、ベース31から引き出されて、直線運動方向D2における一方の方向に延設されてから折り返されて、スライダ40に接続される第1、第3屈曲部分50-1、50-3と、ベース31から引き出されて、直線運動方向D2の他方の方向に延設されてから折り返されて、スライダ40に接続される第2、第4屈曲部分50-2、50-4と、を有する。このため、アクチュエータ200においては、供給ケーブル群50を構成するエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53をアクチュエータハウジング30内の各屈曲部分50-1~50-4に分散させて設置しているので、エアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の本数が増えても、接触するおそれのあるエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の各屈曲部分50-1~50-4での本数を少なくできる。さらに、各屈曲部分50-1~50-4に設置されるエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の本数を少なくできるので、アクチュエータハウジング30内でエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53を屈曲し易くすることができる。結果として、アクチュエータ100においては、アクチュエータハウジング30内へ供給ケーブル群50を効率的に内装させることができる。
【0093】
また、アクチュエータ200においては、供給ケーブル群50の第1屈曲部分50-1及び第3屈曲部分50-3は、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されて、スライダ40に接続されている。また、供給ケーブル群50の第2屈曲部分50-2及び第4屈曲部分50-4も、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されて、スライダ40に接続されている。これにより、アクチュエータ200においては、供給ケーブル群50を構成するエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の本数が増えても、アクチュエータハウジング30内へ供給ケーブル群50を効率的に内装させることができる。
【0094】
なお、アクチュエータ200においては、
図15及び
図16に示すように、ベース31から引き出されているエアチューブ51及び電力ケーブル52は、-Y方向に延設されてから、+Y方向に折り返されている。また、ベース31から引き出されている信号ケーブル53は、+Y方向に延設されてから、-Y方向に折り返されている。しかしながら、これに限られない。エアチューブ51、電力ケーブル52、及び、信号ケーブル53の折り返す方向や延設される方向は、アクチュエータ200の使用状況に応じて、適宜、変更される。
【0095】
ブラケットB2は、
図1に示すように、アクチュエータ200が移動させる移動対象としてのアクチュエータ300をスライダテーブルT2に固定するためのものである。アクチュエータ300は、ブラケットB2を介して、スライダテーブルT2に固定されることにより、スライダテーブルT2と共に、直線運動方向D2に沿って往復運動する。
【0096】
アクチュエータ300は、
図21に示すように、アクチュエータ100、200とは異なり、直線運動方向D3に往復運動するロッドR1を備えるロッドタイプのアクチュエータである。アクチュエータ300は、
図22及び
図23に示すように、ロッドR1に加え、補助ロッドR2、R3と、コントローラC3と、ベルト70と、振れ止め部材80と、モータユニット10と、ボールねじ20と、アクチュエータハウジング30と、スライダ40と、エアチューブ51、信号ケーブル53、及びモータ・エンコーダケーブル54とを含んで構成される供給ケーブル群50と、を備える。なお、アクチュエータ300において、アクチュエータ100、200と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0097】
ロッドR1は、Z軸方向を長手方向とする円筒形状の部材である。ロッドR1は、スライダ40の本体部41に固定されることで、+Z方向及び-Z方向の双方向に往復運動する。ロッドR1は、例えば、アルミニウムからなる。ただし、ロッドR1の素材は、任意であり、アルミニウム以外のものであってもよい。例えば、ステンレス鋼であってもよい。ロッドR1には、Z軸方向に沿って、ボールねじ軸21の先端部分21aが挿入される孔が形成されている。先端部分21aには、振れ止め部材80が取り付けられている。
【0098】
補助ロッドR2、R3は、
図22、
図24、及び
図25に示すように、スライダ40の本体部41に固定されているロッドブラケット90に支持されている。これにより、補助ロッドR2、R3は、その円筒軸方向が、ロッドR1の円筒軸方向に平行となるように配置される。補助ロッドR2、R3は、貫通孔を有するパイプ状に形成されている。補助ロッドR2、R3は、ロッドR1を支持して剛性を高めたり、ロッドR1の先端の振れを抑制したりするために設けられている。また、補助ロッドR2、R3は、その貫通孔に供給ケーブル群50が挿通、配線される。これらの補助ロッドR2、R3の-Z側の先端は、ロッドR1の-Z側の先端に対して、ロッド用連結部材91によって連結されている。なお、本実施の形態では、補助ロッドR2、R3は、2本設けられている。しかしながら、これに限られない。補助ロッドR2、R3は、1本のみ設けられていてもよいし、3本以上設けられていてもよい。
【0099】
ベルト70は、モータユニット10の出力軸12と、ボールねじ20の基端部分21bとに、張力がかかった状態に取り付けられる。これにより、出力軸12の回転運動は、ボールねじ20の基端部分21bに伝達される。ベルト70は例えば、出力軸12及び基端部分21bに取り付けられたプーリに形成された歯に係合する複数の歯が形成されたタイミングベルトである。
【0100】
振れ止め部材80は、ボールねじ軸21の先端部分21aの振れ回りを抑制するための部材である。振れ止め部材80は、ボールねじ軸21の先端部分21aに回転可能嵌め込まれている。振れ止め部材80は、例えば、円環状の本体部と、本体部に嵌め来られたOリングとから構成される。なお、本実施の形態では、振れ止め部材80は、本体部とOリングとから構成されている。しかしながら、これに限られない。ボールねじ軸21の先端部分21aの振れ回りを抑制可能な構造、形状であればよい。例えば、振れ止め部材80は、樹脂などの弾性の素材からなる単一の部材から構成されていてもよい。
【0101】
コントローラC3は、アクチュエータ300を制御するZ軸駆動用コントローラと、移動対象400、500を制御するための手首ユニット及びグリッパー用の制御コントローラを含んで構成されている。コントローラC3は、例えば、
図1に示すロボット1全体を制御する統括コントローラからの入力に基づいて、アクチュエータ300、及び移動対象400、500を制御する。コントローラC3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、主記憶部、補助記憶部等を含んで構成されている。このコントローラC3には、供給ケーブル群50の複数本の電力ケーブル52が接続されている。また、コントローラC3のうちのZ軸駆動用コントローラには、複数本の信号ケーブル53のうちのいくつかの信号ケーブル53(Y軸駆動用コントローラ(コントローラC2)から引き出された信号ケーブル)が接続される。また、Z軸駆動用コントローラからは、信号ケーブル(図示なし)が引き出されて、制御コントローラに接続されている。このコントローラC3においては、例えば、Z軸駆動用コントローラは、ベース31の-X側の外面に固定されて、エッジカバー36の内部に配置されている。また、手首ユニット及びグリッパー用の制御コントローラは、ブラケットB2の内部に配置されている。なお、ブラケットB2の内部に配置されている制御コントローラは、その数が、移動対象400、500が有するモータの合計数に対応して設けられている。例えば、移動対象400、500が有するモータの数が合計3つである場合は、ブラケットB2の内部に配置されている制御コントローラは、3つ設けられる。このコントローラC3には、供給ケーブル群50の電力ケーブル52が接続されている。また、コントローラC3には、複数本の信号ケーブル53のうちのいくつかの信号ケーブル53が接続されている。また、コントローラC3のうちの制御用コントローラからは、モータ・エンコーダケーブル54が引き出されている。また、コントローラC3のうちのZ軸駆動用コントローラからは、モータ・エンコーダケーブル54とは異なるモータ・エンコーダケーブル(図示なし)が引き出されて、モータユニット10に接続されている。
【0102】
モータユニット10及びボールねじ20は、アクチュエータ100のものと同等のものである。
【0103】
アクチュエータハウジング30は、モータユニット10、ボールねじ20、及びスライダ40を収容することで、アクチュエータ100の内部の各構成部品を覆う。アクチュエータハウジング30は、ベース31と、フロントブラケット34と、リアブラケット35とに加えて、エッジカバー36と、メインカバー37と、バランサー(付勢部、図示なし)とを更に有する。なお、このアクチュエータ300のアクチュエータハウジング30は、アクチュエータ100、200のものとは異なり、サイドカバー32R、32Lと、シート部材33とを有さない。
【0104】
エッジカバー36は、ベース31の下側(-X側)の外面を覆うように、ベース31に取り付けられている。エッジカバー36の内部には、供給ケーブル群50が配線されている。
【0105】
メインカバー37は、スライダ40の上方を覆う部材であり、ベース31に取り付けられる。メインカバー37は例えば、アルミニウムを押出成形することによって形成される。
【0106】
バランサーは、ボールねじ20のボールねじ軸21を所定の回転方向に付勢する。このバランサーは、リアブラケット35の内部に配置されている。バランサーは、ぜんまい機構と、増速部とを有する。
【0107】
ぜんまい機構は、モータユニット10の出力軸12が、ボールねじ軸21を所定の回転方向とは反対の回転方向に回転することでエネルギーを蓄積し、ボールねじ軸21を所定の回転方向に回転することで蓄積したエネルギーが解放する。これにより、スライダ40を上方に移動させてロッドR1、補助ロッドR2、R3を持ち上げる際に、モータユニット10は、スライダ40を上方に移動させようとするぜんまい機構の付勢力を受ける。この結果、スライダ40を上方に移動させる際のモータユニット10の出力を抑えることができる。また、ぜんまい機構にエネルギーを蓄積する場合は、スライダ40を重力作用方向である下方に移動させればよいため、作用する重力を利用しながらスライダ40を移動させることができる。
【0108】
増速部は、ボールねじ軸21の基端部分21bと、バランサーのぜんまい機構とを接続する。増速部は、ボールねじ軸21を介して出力軸12の回転運動を補助する。
【0109】
スライダ40は、リニアガイド用転動体を介して、ベース31にZ軸方向に直線運動可能に支持されている。スライダ40は、
図25及び
図26に示すように、本体部41と、リターン部材42a、42bと、配線配管受けローラ45と、供給ケーブル群50のエアチューブ51及び信号ケーブル53を固定するためのケーブル固定金具48と、モータ・エンコーダケーブル54を固定するためのケーブル固定金具49と、ロッドブラケット90とを有する。
【0110】
本体部41は、剛性の高い素材からなり、例えば、金属からなる。本体部41には、Z軸方向に貫通する貫通孔41cが形成されている。この貫通孔41cには、-Z側からロッドR1が取り付けられる。貫通孔41cには、例えば、雌ねじ部が形成され、ロッドR1の+Z側の端部には当該雌ねじ部が螺合する雄ねじ部が形成されている。ロッドR1は、雌ねじ部と雄ねじ部との螺合により、貫通孔41cに取り付けて固定される。
【0111】
ロッドブラケット90は、本体部41に固定されている。このロッドブラケット90には、Z軸方向に貫通する貫通孔90a、90bが形成されている。この貫通孔90a、90bには、補助ロッドR2、R3が取り付けられる。貫通孔90a、90bには、例えば、雌ねじ部が形成され、補助ロッドR2、R3の+Z側の端部には当該雌ねじ部が螺合する雄ねじ部が形成されている。補助ロッドR2、R3は、雌ねじ部と雄ねじ部との螺合により、貫通孔90a、90bに取り付けて固定される。
【0112】
供給ケーブル群50は、
図23に示すように、エッジカバー36から、アクチュエータ300の内部に引き入られている。アクチュエータ300の内部に配置される供給ケーブル群50は、エアチューブ51と、信号ケーブル53と、モータ・エンコーダケーブル54とを有する。なお、信号ケーブル53には、ロボット1のユーザが移動対象400、500で使用する信号線も含まれる。この信号線は、例えば、グリッパーである移動対象500が挟圧するワークの有無を検知するセンサに信号を供給するために用いられる。
なお、アクチュエータ300では、供給ケーブル群50をエッジカバー36内でZ軸方向へ敷設させているが、供給ケーブル群50は、ベース31の-Z軸方向側の端部近傍にエッジカバー36の内部とベース31の孔31aとを連通する孔を設けて挿通させ、アクチュエータ100と同様に孔31a内にZ軸方向へ敷設させ、孔31aとアクチュエータ300の内部とを連通する孔からなる開口部(チューブ用開口部31b、ケーブル用開口部31d、31e)からアクチュエータ300の内部に引き出されていてもよい。
また、アクチュエータ200のように、供給ケーブル群50は、ベース31の下面側の空間と孔31aの内部とをX軸方向に連通する連通孔を経由して、エッジカバー36から孔31aの内部に引き入られ、孔31aの内部とアクチュエータ300の内部とを連通する複数の開口部(例えば、チューブ用開口部31b、ケーブル用開口部31d、31e)から+Y方向及び-Y方向に引き出されて、アクチュエータ300の内部に引き入られていてもよい。
【0113】
モータ・エンコーダケーブル54は、移動対象400、500が備えるモータを制御するための信号を供給するケーブルである。
【0114】
図27に示すように、供給ケーブル群50のうちのエアチューブ51は、エア継手65を経由して、チューブ用開口部31bから引き出されている。チューブ用開口部31bから引き出されたエアチューブ51は、-Z方向(直線運動方向D3における一方の方向)に延設されている。そして、-Z方向に延設されているエアチューブ51は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。
【0115】
また、供給ケーブル群50のうちの信号ケーブル53は、ケーブル用開口部31dから引き出されている。そして、ケーブル用開口部31dから引き出された信号ケーブル53は、ベース31の底面に取り付けられている固定金具62によって、ベース31の底面に固定されている。また、信号ケーブル53は、-Z方向に延設されている。そして、-Z方向に延設されている信号ケーブル53は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。
【0116】
また、供給ケーブル群50のうちのモータ・エンコーダケーブル54は、ケーブル用開口部31eから引き出されている。そして、ケーブル用開口部31eから引き出された信号ケーブル53は、ベース31の底面に取り付けられている固定金具64によって、ベース31の底面に固定されている。また、モータ・エンコーダケーブル54は、+Z方向(直線運動方向D3の一方とは反対側の他方の方向)に延設されている。そして、-Z方向に延設されているモータ・エンコーダケーブル54は、ベース31の底面に這わせられつつ延設されている。
【0117】
図26に示すように、ベース31から引き出されているエアチューブ51及び信号ケーブル53は、-Z方向に延設されてから、+Z方向に折り返されている。そして、エアチューブ51及び信号ケーブル53は、スライダ40に接続されている。
【0118】
具体的には、+Z方向に折り返されたエアチューブ51及び信号ケーブル53は、ケーブル固定金具48によって、スライダ40に固定されている。そして、エアチューブ51及び信号ケーブル53は、スライダ40の本体部41の上方に配線されつつ、ロッドブラケット90の貫通孔90aに挿通されている。
【0119】
また、ベース31から引き出されているモータ・エンコーダケーブル54は、+Z方向に延設されてから、-Z方向に折り返されている。そして、モータ・エンコーダケーブル54は、スライダ40に接続されている。
【0120】
具体的には、-Z方向に折り返されたモータ・エンコーダケーブル54は、ケーブル固定金具49によって、スライダ40に固定されている。そして、モータ・エンコーダケーブル54は、スライダ40の本体部41の上方に配線されつつ、ロッドブラケット90の貫通孔90bに挿通されている。
【0121】
図23及び
図28に示すように、ロッドブラケット90の貫通孔90aに挿通されているエアチューブ51、信号ケーブル53は、補助ロッドR2に挿通され、貫通孔90bに挿通されているモータ・エンコーダケーブル54は、補助ロッドR3に挿通されている。そして、エアチューブ51、信号ケーブル53、及びモータ・エンコーダケーブル54は、補助ロッドR2、R3の-Z側の開口から引き出されている。なお、
図23においては、補助ロッドR2には、エアチューブ51、信号ケーブル53が挿通され、補助ロッドR3には、モータ・エンコーダケーブル54が挿通されている。しかしながら、これは例示であり、補助ロッドR2、R3に挿通されるケーブル、チューブは適宜変更して使用される。また、これらエアチューブ51、信号ケーブル53、及びモータ・エンコーダケーブル54は、必ずしも全てを補助ロッドR2、R3に挿通されていなくてもよい。例えば、これらケーブル、チューブの一部は、補助ロッドR2、R3に挿通されずに、アクチュエータハウジング30から引き出されていてもよい。
【0122】
上述のように構成された供給ケーブル群50は、
図26に示すように、折り返された屈曲形状を含んで構成される第1~第4屈曲部分50-1~50-4を有した状態で、アクチュエータ300の内部で配線されている。
【0123】
第1屈曲部分50-1は、ベース31から引き出されて、-Z方向(直線運動方向D3における一方の方向)に延設されてから+Z方向(直線運動方向D3における一方とは反対側の他方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第1屈曲部分50-1は、+Z方向に視て、ボールねじ軸21の左側(-Y側の側方、一方の側方)において折り返されている。
【0124】
第2屈曲部分50-2は、ベース31から引き出されて、+Z方向(直線運動方向D3における他方の方向)に延設されてから-Z方向(直線運動方向D3における一方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第2屈曲部分50-2は、+Z方向に視て、ボールねじ軸21の左側(-Y側の側方、一方の側方)において折り返されている。
【0125】
第3屈曲部分50-3は、ベース31から引き出されて、-Z方向(直線運動方向D3における一方の方向)に延設されてから+Z方向(直線運動方向D3における他方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第3屈曲部分50-3は、+Z方向に視て、ボールねじ軸21の右側(+Y側の側方、他方の側方)において折り返されている。したがって、第3屈曲部分50-3及び第1屈曲部分50-1は、ボールねじ軸21の左右の両側において折り返されている。
【0126】
第4屈曲部分50-4は、ベース31から引き出されて、+Z方向(直線運動方向D3における他方の方向)に延設されてから-Z方向(直線運動方向D3における一方の方向)に折り返されて、スライダ40に接続されている。また、第4屈曲部分50-4は、+Z方向に視て、ボールねじ軸21の右側(+Y側の側方、他方の側方)において折り返されている。したがって、第4屈曲部分50-4及び第2屈曲部分50-2は、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されている。
【0127】
図23に示すように、供給ケーブル群50が引き出されている開口部(チューブ用開口部31b、ケーブル用開口部31c、31e)は、ベース31の直線運動方向D3の中央近傍に形成されている。具体的には、当該開口部は、ベース31の直線運動方向D3における全長L3に対して、ベース31の+Z側の端部からL3×1/2の位置に形成されている。
【0128】
以上、アクチュエータ300においては、
図24及び
図25に示すように、供給ケーブル群50は、ベース31から引き出されて、直線運動方向D3における一方の方向に延設されてから折り返されて、スライダ40に接続される第1、第3屈曲部分50-1、50-3と、ベース31から引き出されて、直線運動方向D3の他方の方向に延設されてから折り返されて、スライダ40に接続される第2、第4屈曲部分50-2、50-4と、を有する。このため、アクチュエータ300においては、供給ケーブル群50を構成するエアチューブ51、信号ケーブル53、又はモータ・エンコーダケーブル54をアクチュエータハウジング30内の各屈曲部分50-1~50-4に分散させて設置しているので、エアチューブ51、信号ケーブル53、又はモータ・エンコーダケーブル54の本数が増えても、接触するおそれのあるエアチューブ51、信号ケーブル53、又はモータ・エンコーダケーブル54の各屈曲部分50-1~50-4での本数を少なくできる。さらに、各屈曲部分50-1~50-4に設置されるエアチューブ51、信号ケーブル53、又はモータ・エンコーダケーブル54の本数を少なくできるので、アクチュエータハウジング30内でエアチューブ51、信号ケーブル53、又はモータ・エンコーダケーブル54を屈曲し易くすることができる。結果として、アクチュエータ100においては、アクチュエータハウジング30内へ供給ケーブル群50を効率的に内装させることができる。
【0129】
また、アクチュエータ300においては、供給ケーブル群50の第1屈曲部分50-1及び第3屈曲部分50-3は、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されて、スライダ40に接続されている。また、供給ケーブル群50の第2屈曲部分50-2及び第4屈曲部分50-4も、ボールねじ軸21の左右の両側で折り返されて、スライダ40に接続されている。アクチュエータ300においては、供給ケーブル群50を構成するエアチューブ51、電力ケーブル52、又は信号ケーブル53の本数が増えても、アクチュエータハウジング30内へ供給ケーブル群50を効率的に内装させることができる。
【0130】
なお、アクチュエータ300においては、
図23に示すように、ベース31から引き出されているエアチューブ51及び信号ケーブル53は、+Z方向に延設されてから、-Z方向に折り返されている。また、ベース31から引き出されているモータ・エンコーダケーブル54は、-Z方向に延設されてから、+Z方向に折り返されている。しかしながら、これに限られない。エアチューブ51、電力ケーブル52、及び、信号ケーブル53の折り返す方向や延設される方向は、アクチュエータ300の使用状況に応じて、適宜、変更される。
【0131】
また、本実施の形態に係るロボット1は、供給ケーブル群50が、アクチュエータ100と、アクチュエータ200と、アクチュエータ300との順に配線されている三軸タイプのものである。そして、各アクチュエータ100、200、300の供給ケーブル群50は、ベース31から引き出されて、直線運動方向D1、D2、D3における一方の方向に延設されてから折り返されて、スライダ40に接続される第1、第3屈曲部分50-1、50-3と、ベース31から引き出されて、直線運動方向D1、D2、D3の他方の方向に延設されてから折り返されて、スライダ40に接続される第2、第4屈曲部分50-2、50-4と、を有する。このため、本実施の形態に係るロボット1は、三軸タイプのものでありながら、供給ケーブル群50を構成するケーブル又はチューブの本数が増えても、ロボット1全体を大型化させることなく、アクチュエータ100、200、300のそれぞれのアクチュエータハウジング30内へ供給ケーブル群50を効率的に内装させることができる。
【0132】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態等によって限定されるものではない。
【0133】
例えば、本発明の実施の形態では、ロボット1は、3つのアクチュエータ100、200、300を備える。しかしながら、これに限られない。ロボット1は、2つ、又は、4つ以上のアクチュエータ100、200、300を備えていてもよい。
【0134】
また、アクチュエータ100、200、300は、アクチュエータハウジング30の内部にモータユニット10が取り付けられている。しかしながら、これに限られない。アクチュエータ100、200、300に、モータを着脱可能な構成を採用してもよい。この場合、ユーザは、取り付けたモータの出力軸とボールねじとを公知の伝動手段を用いて接続すればよい。
【0135】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0136】
1:ロボット
10:モータユニット
11:モータ本体
12:出力軸
13:カップリング
20:ボールねじ
21:ボールねじ軸
21a:先端部分
21b:基端部分
22:ボールねじナット
23:先端支持部
24:基端支持部
25:カップリング
30:アクチュエータハウジング
31:ベース
31a:孔
31b:チューブ用開口部
31c:ケーブル用開口部
31d:ケーブル用開口部
31e:ケーブル用開口部
32R,32L:サイドカバー
33:シート部材
34:フロントブラケット
35:リアブラケット
36:エッジカバー
40:スライダ
41:本体部
41a:エア流路
41b:シート部材配置面
41c:貫通孔
41d:スライダカバー
41d1:孔
41R,41L:ワーク取付部
42a,42b:リターン部材
43a,43b:シート案内部材
44:エア継手
45:配線配管受けローラ
46,48,49:ケーブル固定金具
47:マニホールド
50:供給ケーブル群
50-1:第1屈曲部分
50-2:第2屈曲部分
50-3:第3屈曲部分
50-4:第4屈曲部分
51:エアチューブ
52:電力ケーブル
53:信号ケーブル
61:マニホールド
62、64:固定金具
63:結束バンド
65:エア継手
70:ベルト
80:振れ止め部材
90:ロッドブラケット
90a,90b:貫通孔
91:ロッド用連結部材
100,200,300:アクチュエータ
400,500:移動対象
501:爪部
B1,B2:ブラケット
D1,D2、D3:直線運動方向
T1,T2:スライダテーブル
R1:ロッド
R2,R3:補助ロッド
L1,L2,L3:(ベースの)全長
回転方向:R,B,T
挟圧方向:G