(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 326Z
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2021151533
(22)【出願日】2021-09-16
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】服部 構大
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 悟
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 臣
(72)【発明者】
【氏名】小澤 航
(72)【発明者】
【氏名】藪下 大志
(72)【発明者】
【氏名】川北 雄大
(72)【発明者】
【氏名】切替 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】草間 悠平
【審査官】小泉 早苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-029307(JP,A)
【文献】特開2021-097812(JP,A)
【文献】特許第6912130(JP,B1)
【文献】特開2021-053203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞を契機として始動入賞情報を取得し、取得した始動入賞情報に基づいて抽せんを行う第1制御部と、前記第1制御部からの制御信号に基づいて演出制御を実行する第2制御部と、を備え、前記第2制御部が前記始動入賞情報に関する情報表示を演出表示手段に表示するよう制御する遊技機において、
前記第2制御部は、変動開始条件の成立により変動を開始した情報表示を、変動停止条件の成立により停止するよう制御し、
前記情報表示には、第1情報表示、第2情報表示および第3情報表示があり、
前記情報表示の変動開始から停止までの特定期間において各情報表示が示す情報量は、前記第3情報表示より前記第2情報表示の方が多く、前記第2情報表示より前記第1情報表示の方が多くなるよう設定され、
前記特定期間において、少なくとも前記第1情報表示が認識不能となる特殊演出の実行中に電源断が発生し、その後に復電した場合に、前記第2制御部は、復電後に表示内容が復帰してから残りの変動時間が経過するまでの前記情報表示の表示時間について、前記第1情報表示および前記第2情報表示の表示内容が復帰する前に表示内容が復帰する前記第3情報表示の表示時間が他の情報表示の表示時間より長く、前記第2情報表示の表示時間が、該第2情報表示の表示内容が復帰した以後に表示内容が復帰する前記第1情報表示の表示時間以上となるよう制御し得ると共に、電源断時の情報表示における前記第1制御部の抽せん結果に係る情報の種類に応じて、前記演出表示手段の表示を平常時の制御に基づく表示内容に復帰させるタイミングを異ならせるよう構成され、
前記演出表示手段に表示される前記始動入賞情報の保留数に関する共通の保留情報を示す第1保留表示、第2保留表示および第3保留表示があり、電源断が発生し、その後に復電した場合に、前記第1保留表示および前記第2保留表示の表示内容が復帰する前に、前記第3保留表示の表示内容を復帰させると共に、
複数種類の異常状態を報知可能に構成されて、
前記異常状態の内で高順位異常状態より報知優先度が低い
低順位異常状態を報知する低順位異常報知の実行によっても、前記第2情報表示は報知状態を維持するようにし、
複数種類の演出モードのうち、何れかの演出モードに制御可能であり、
前記第1情報表示の表示態様は、演出モードの種類によって異なり、前記第2情報表示の表示態様は、演出モードの種類によらず共通である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出を実行可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の代表例の一つとしてのパチンコ機は、遊技者が操作ハンドルを操作することに応じてパチンコ球を発射し、該パチンコ球を複数の遊技釘等が設けられた遊技領域に導くようにして遊技を行うものである。発射されたパチンコ球が遊技領域内で始動入賞口に入賞(始動入賞)した場合には、その入賞球が始動入賞検出センサにより検出されて検出信号が制御手段に入力され、この検出信号の入力を契機に制御手段が記憶手段に始動入賞情報を記憶する。そして、始動入賞情報に基づいて制御手段が大当り抽せん(当り判定)を実行し、始動入賞に対する特典として遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるか否かを決定する。パチンコ機では、始動入賞情報に関する情報を、液晶表示装置等の表示画面に表示される演出用の図柄(装飾図柄)によって示すよう構成されている。また、装飾図柄とは別に、表示画面等に補助図柄を表示し、該補助図柄の態様によって始動入賞情報に関する情報を示すことも行われている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記始動入賞情報に関する情報を、装飾図柄や補助図柄等の複数の図柄で示す構成では、夫々の図柄によって遊技者が把握可能な情報量の適正化が図られていないと、停電等の不測の事態によって電源断後に復電した際に、電源断前と後とで表示画面に表示された図柄による情報を適正に把握できず、遊技者が混乱したり違和感を感じてしまう問題があった。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、始動入賞情報に関する情報を適正に示すことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
始動入賞を契機として始動入賞情報を取得し、取得した始動入賞情報に基づいて抽せんを行う第1制御部(60a)と、前記第1制御部(60a)からの制御信号に基づいて演出制御を実行する第2制御部(65a)と、を備え、前記第2制御部(65a)が前記始動入賞情報に関する情報表示を演出表示手段(17,35)に表示するよう制御する遊技機において、
前記第2制御部(65a)は、変動開始条件の成立により変動を開始した情報表示を、変動停止条件の成立により停止するよう制御し、
前記情報表示には、第1情報表示、第2情報表示および第3情報表示があり、
前記情報表示の変動開始から停止までの特定期間において各情報表示が示す情報量は、前記第3情報表示より前記第2情報表示の方が多く、前記第2情報表示より前記第1情報表示の方が多くなるよう設定され、
前記特定期間において、少なくとも前記第1情報表示が認識不能となる特殊演出の実行中に電源断が発生し、その後に復電した場合に、前記第2制御部(65a)は、復電後に表示内容が復帰してから残りの変動時間が経過するまでの前記情報表示の表示時間について、前記第1情報表示および前記第2情報表示の表示内容が復帰する前に表示内容が復帰する前記第3情報表示の表示時間が他の情報表示の表示時間より長く、前記第2情報表示の表示時間が、該第2情報表示の表示内容が復帰した以後に表示内容が復帰する前記第1情報表示の表示時間以上となるよう制御し得ると共に、電源断時の情報表示における前記第1制御部(60a)の抽せん結果に係る情報の種類に応じて、前記演出表示手段(17,35)の表示を平常時の制御に基づく表示内容に復帰させるタイミングを異ならせるよう構成され、
前記演出表示手段(17,35)に表示される前記始動入賞情報の保留数に関する共通の保留情報を示す第1保留表示、第2保留表示および第3保留表示があり、電源断が発生し、その後に復電した場合に、前記第1保留表示および前記第2保留表示の表示内容が復帰する前に、前記第3保留表示の表示内容を復帰させると共に、
複数種類の異常状態を報知可能に構成されて、前記異常状態の内で高順位異常状態より報知優先度が低い低順位異常状態を報知する低順位異常報知の実行によっても、前記第2情報表示は報知状態を維持するようにし、
複数種類の演出モードのうち、何れかの演出モードに制御可能であり、
前記第1情報表示の表示態様は、演出モードの種類によって異なり、前記第2情報表示の表示態様は、演出モードの種類によらず共通であることを要旨とする。
このように、複数の情報表示が示す情報量を適正に設定し、停電等の不測の事態が発生した場合に、復電時には情報量が最も少ない第3情報表示の表示時間を最も長く設定したので、復電時に遊技者が混乱することなく復電前の始動入賞情報に関する情報を適正に把握することができる。
また、第1情報表示の表示態様を、演出モードの種類によって異なるようにしたので、該第1情報表示の表示態様によって演出モードの種類を把握することができる。また、第2情報表示の表示態様を、演出モードの種類によらず共通としたので、制御データ量を抑えることができる。
【0007】
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記第2制御部(65a)は、電断復帰後の前記第2情報表示の表示タイミングを、電源断時が情報表示の停止中であった場合と、変動表示中であった場合とで異ならせるように前記第2情報表示を表示制御するよう構成したことを要旨とする。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記第1情報表示と前記第2情報表示とが変動中に重なるタイミングにおいて、前記第1情報表示の表示態様が第1種となる場合と第2種となる場合とがあり、前記第2制御部(65a)は、何れの場合にも前記第2情報表示により変動状態か停止状態かを認識可能に前記第1情報表示および前記第2情報表示を表示制御するよう構成したことを要旨とする。
このように、第1情報表示と第2情報表示とが重なる場合に、第2情報表示によって変動状態か停止状態かを認識可能にしたので、両情報表示が重なっていても状態を適正に把握することができる。
【0008】
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記第2制御部(65a)は、電源断時が情報表示の変動表示中であった場合、復電後に停止表示する前記第2情報表示について、抽せん結果に応じて異なる表示態様となるよう前記第2情報表示を表示制御するよう構成したことを要旨とする。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記第1情報表示、前記第2情報表示および前記第3情報表示の停止時に、全ての情報表示が重なることなく認識可能な表示状態となる場合があることを要旨とする。
このように、停止時に全ての情報表示が重ならないようにしたので、各情報表示によって始動入賞情報に関する情報を適正に把握することができる。
【0009】
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記第1制御部(60a)の抽せん結果が当りでない特定の有利度を付与する結果となり、前記第2制御部(65a)が前記第1情報表示を、特定の有利度が付与されることを示す表示態様で停止する場合に、前記第2制御部(65a)は前記第2情報表示を、はずれを示す態様とは異なる表示態様で停止可能に構成されることを要旨とする。
このように、特定の有利度を付与する場合に、第1情報表示を特定の有利度が付与されることを示す表示態様で停止する一方で、第2情報表示をはずれを示す態様とは異なる表示態様で停止可能にしたので、遊技者は、付与される特定の有利度が当りでない有利度であることを適正に把握することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る遊技機によれば、不測の事態が発生した場合においても、遊技者が始動入賞情報に関する情報を適正に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】主な制御基板等の接続関係を示す回路図である。
【
図4】遊技盤面のうち表示画面周辺の正面図である。図中の表示画面は、低確低ベース状態で発生した第1始動入賞口への入賞に基づく飾図変動表示の終了時に、飾図による大当り表示を停止表示した場合の表示内容を示している。なお、補助点灯表示領域について、LEDの点灯を有色で示している。
【
図5】補助点灯表示領域における表示部の配置を示している。
【
図6】主制御CPUのメイン処理を示すフローチャートである。
【
図7】主制御CPUの通常処理を示すフローチャートである。
【
図8】主制御CPUのタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【
図9】(a)は、第1始動入賞口への入賞に基づく飾図変動表示が終了する際の補助画像表示領域の表示態様の一例であり、(b)は、第2始動入賞口への入賞に基づく飾図変動表示が終了する際の補助画像表示領域の表示態様の一例である。
【
図10】各種図柄の停止時の表示態様の種類を示す説明図である。
【
図11】飾図および各補助図柄から把握可能な情報の種類を示している。
【
図12】(a)は、飾図表示領域、第1・第2保留表示領域、補助画像表示領域および補助点灯表示領域について、発展リーチA演出パターンに基づく飾図変動表示中の状態を示すタイムチャートであり、(b)は、同表示領域について、発展リーチB演出パターンに基づく飾図変動表示の状態を示すタイムチャートであり、(c)は、同表示領域について、発展リーチC演出パターンに基づく飾図変動表示の状態を示すタイムチャートである。
【
図13】(a)は、飾図変動表示中の発展リーチA演出期間における遊技盤面(表示画面周辺)の態様の一例であり、可動体の動作位置および動作途中位置を二点鎖線で示している。(b)は、(a)に示す表示画面での補助画像表示領域の表示内容を拡大して示している。(c)は、(a)に示す補助点灯表示領域の表示内容を拡大して示している。なお、補助点灯表示領域について、LEDの点灯を有色、点滅を網目模様で示している。
【
図14】(a)は、表示画面での発展リーチB演出期間における表示内容の一例であり、(b)は、表示画面での発展リーチC演出期間における表示態様の一例である。
【
図15】表示画面において飾図表示領域と補助画像表示領域とが重なった表示内容の一例であって、(a)は飾図の表示態様が第1種となっている場合を示し、(b)は飾図の表示態様が第2種となっている場合を示している。
【
図16】表示画面における飾図表示領域、第1・第2保留表示領域、補助画像表示領域、低順位異常報知領域、高順位異常報知領域の位置および範囲を示している。
【
図17】図柄表示装置および補助点灯表示領域に関し、電源復旧した場合における表示内容の変化の流れおよび表示内容の復帰契機を示している。
【
図18】(a)は、表示画面での復旧初期表示の表示内容を示しており、(b)は、表示画面での変動復帰前表示の表示内容を示しており、(c)は、表示画面での当り復帰前表示の表示内容を示しており、(d)は、表示画面での復電表示の表示内容を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、方向や位置関係等を説明する際には、特に断りのない限り、パチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態での上、下、左、右を基準とする。
【実施例】
【0013】
(パチンコ機10の概略構成について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように矩形状をなし、遊技店に縦置き姿勢で設置される。パチンコ機10は、遊技店に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20(
図2参照)を着脱可能に保持する中枠(遊技機本体)12が扉状に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられ、この中枠12の前面側には、装飾が施された前枠(装飾枠)13が扉状に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられている。
【0014】
前枠13には、前記遊技盤20の前面側に形成される遊技領域20a(
図2参照)を機前側から視認するための窓口13aが前後に貫通形成され、この窓口13aを覆うように、透明なガラスや合成樹脂からなる透視保護板13bが配設されている(
図1参照)。また、前枠13の前面下部には、前方に突出して上面が凹んだ形状の上球受け皿14が一体的に組み付けられている。ここで、パチンコ機10は、図示しない球払出装置を駆動することでパチンコ球を上球受け皿14へと払い出すよう構成される。上球受け皿14は、球払出装置によって払い出されたパチンコ球を貯留すると共に、貯留したパチンコ球を打出し位置へと1個ずつ送り出すように設けられている。そして、遊技盤20の下方位置(中枠12の前面下部)に配設された球発射装置(図示せず)により、打出し位置に送り出されたパチンコ球を遊技領域20aに打ち出すように構成されている。上球受け皿14がパチンコ球で満杯になると、新たに払い出されたパチンコ球は、上球受け皿14の下側に設けられた下球受け皿15に導かれて貯留される。
【0015】
図1に示すように、前枠13の右下方位置には、球発射装置を作動する際の操作対象となる操作ハンドル16が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置が作動し、打出し位置から前記遊技領域20aに向けてパチンコ球が1球ずつ発射される。そして、打ち出されたパチンコ球が遊技領域20aの後述する始動入賞口31a,32aに入賞(始動入賞)して判定条件が成立した場合に特図当り判定(当否判定、抽せん)が実行され、この特図当り判定の判定結果に応じて遊技者に対する特典(大当り遊技状態や小当り遊技状態や特定有利度遊技状態)を付与するか否かが決定されるようになっている。
【0016】
パチンコ機10の後面側には、パチンコ遊技に関する統括的な制御を行う主制御CPU60a(第1制御部)を備えた主制御基板60(
図3参照)が配設されている。また、パチンコ機10の後面側には、演出に関する制御を行う演出制御CPU65a(第2制御部)を備えた演出制御基板65(
図3参照)と、この演出制御基板65(演出制御CPU65a)で決定した演出内容に応じて図柄表示装置17での画像表示を制御する表示制御CPU66a(第2制御部)を備えた表示制御基板66(
図3参照)とが配設されている。更に、パチンコ機10の後面側には、外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧(例えば、DC30V)を生成して各制御基板60,65,66や他の電気部品に供給する電源回路(図示せず)を備えた電源基板59(
図3参照)が配設されている。これらの制御基板59,60,65,66のより具体的な構成等に関しては後述する。
【0017】
中枠12に配設される遊技盤20は、演出(表示演出)を実行可能な演出実行部(演出表示手段)としての図柄表示装置17を備えている(
図2および
図3参照)。パチンコ機10は、前述した制御構成により、始動入賞口31a,32aへのパチンコ球の入賞を契機として、演出用の図柄である装飾図柄(以下、飾図という)を変動表示させる飾図変動表示(図柄変動演出)等の表示演出を図柄表示装置17の表示画面17aで行い、最終的に停止表示(確定停止表示)する飾図によって特図当り判定(大当り判定、小当り判定、特定有利度判定)の結果を報知するよう構成されている。なお、詳しくは後述するが、表示画面17aでは、飾図(第1情報表示)に関する補助図柄等の補助的な情報(第1補助情報表示、第2情報表示)も表示される。
【0018】
図柄表示装置17の表示画面17aで行われる飾図変動表示の結果、演出用の図柄としての飾図(演出情報表示、第1情報表示)が、大当り表示となる組み合わせで図柄表示装置17に停止表示されることで、大当り遊技状態が付与されることが報知され、小当り表示となる組み合わせで停止表示されることで、小当り遊技状態が付与されることが報知され、特定有利度表示となる組み合わせで停止表示されることで、特定有利度遊技状態が付与されることが報知され、はずれ表示となる組み合わせで停止表示されることで、大当り遊技状態や小当り遊技状態や特定有利度遊技状態が付与されないことが報知される。
【0019】
前枠13は、図柄表示装置17での表示演出に合わせた発光演出や音演出を実行可能な演出実行部18,19を備えている。
図1に示すように、前枠13の上部および下部には、音声や効果音を出力可能な演出実行部としてのスピーカ(音出力手段)18が配設されている。また、前枠13における上球受け皿14よりも上側の部位は、窓口13aを除いた略全体に装飾が施されており、LED等の光によって前面の色彩を変化させる演出実行部としての枠ランプ(発光手段)19を構成している。
【0020】
(遊技盤20について)
次に、
図2を参照し、前記遊技盤20の構成について説明する。遊技盤20は、光透過性を有するアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材によって所定板厚に形成された略矩形状の平板(遊技領域形成部材)により構成されている。遊技盤20の前面(盤面)の前側には、パチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域20aが略円形状の案内レール22により画成されている。この案内レール22は、円弧状の発射球通路22aを遊技領域20aの左側に形成している。そして、球発射装置により発射されたパチンコ球が案内レール22に沿って発射球通路22aを通過し、遊技領域20a内に導入されるようになっている。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
【0021】
遊技領域20a(盤面)には、パチンコ球が入賞(入球)可能な入賞口31a,32a,33aが形成された第1始動入賞部31、第2始動入賞部32および特別入賞部33が設けられていると共に、多数の遊技釘が設けられている。従って、遊技領域20aに到達したパチンコ球は、遊技釘との接触により流下方向が不規則に変化することとなり、その一部が入賞口31a,32a,33aへと入賞(入球)する。また、遊技盤20の下端部を前後に貫通するようアウト口23が形成され、遊技領域20aの最下部まで流下したパチンコ球がアウト口23から遊技領域20a外へと排出されるようになっている。
【0022】
(枠状装飾体25)
更に、遊技領域20a(盤面)には、前後に開口する開口部25aが形成された枠状装飾体25が取り付けられている。枠状装飾体25は、遊技盤20の前面より前方に突出して内周側(すなわち開口部25a)へのパチンコ球の進入を防ぐ庇状部25bと、該庇状部25bの後端から外周方向に延出する薄板状の台板部25cとを備えている。そして、枠状装飾体25の開口部25aを介して、遊技盤20の後面側に配設された図柄表示装置17(表示画面17a)や、動作演出を行う演出用の可動体80が、遊技盤20の前面側に臨んでいる。また、枠状装飾体25の右側部に位置する台板部25cの前面には、パチンコ球が下方に向けて通過可能なゲート25dが設けられている。このゲート25dには、内部を通過する(入球した)パチンコ球を検出するゲートセンサSEa(
図3参照)が設けられている。ゲート25dをパチンコ球が通過した場合、ゲートセンサSEaによるパチンコ球の検出を契機として、後述する始動用開閉部材32bを開放するか否かの判定(普図当り判定)が行われる。なお、ゲート25dや普図当り判定について詳しい説明は省略する。
【0023】
遊技領域20aの略中央に枠状装飾体25が存在することによって遊技領域20aは左右に分岐しており、庇状部25bの左側方を流下するパチンコ球の経路(移動領域)である第1球流下経路21aと、庇状部25bの右側方を流下するパチンコ球の経路(移動領域)である第2球流下経路21bとが形成されている。そして、パチンコ球を第1球流下経路21aへと流下させる場合(左打ちした場合)には、第2球流下経路21bを流下させる場合よりも第1始動入賞部31への入賞可能性が高くなり、パチンコ球を第2球流下経路21bへと流下させる場合(右打ちした場合)には、第1球流下経路21aを流下させる場合よりも第2始動入賞部32や特別入賞部33への入賞可能性(およびゲート25dへの入球可能性)が高くなるように構成されている。
【0024】
(始動入賞部31,32)
第1始動入賞部31は、第1始動入賞口31aが常にパチンコ球を受け入れ可能に開口している。一方、第2始動入賞部32は、始動用開閉部材32bの開閉により、第2始動入賞口32aへのパチンコ球の入賞(入球)が可能な開状態および入賞(入球)が不可能な閉状態に変化する。すなわち、第2始動入賞部32は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って第2始動入賞口32aを開閉する開閉型の入賞部(可変入賞部)とされている。また、第2始動入賞部32は、始動用開閉部材32bを開閉作動(駆動)する駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1(
図3参照)を備えている。
【0025】
第1および第2始動入賞部31,32には、第1および第2始動入賞口31a,32aに入賞(入球)したパチンコ球を検出する始動入賞検出センサSE1,SE2(
図3参照)が設けられている。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2によってパチンコ球が検出されると(始動入賞口31a,32aへの入賞が検出されると)、球払出装置が規定賞球数(例えば4個)のパチンコ球(賞球)を払い出すようになっている。また、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(判定条件の成立)を契機として始動入賞情報(後述する各種乱数の値)が取得され、この取得された始動入賞情報に基づいて特図当り判定(大当り判定、小当り判定、特定有利度判定等)が行われる。
【0026】
(特別入賞部33)
特別入賞部33は、特別入賞口(入球口、可変入球口)33aと、特別用開閉部材33bとを備え、所定の開放条件および閉鎖条件に従って特別入賞口33aを特別用開閉部材33bにより開閉する開閉型の入賞部(可変入賞部)とされている。特別入賞部33は、駆動手段としての特別入賞ソレノイドSL2(
図3参照)を備え、この特別入賞ソレノイドSL2の駆動に応じて特別用開閉部材33bを開放することで、特別入賞口33aをパチンコ球が入賞不可能な閉状態から入賞可能な開状態へと変化させる。また、特別入賞部33には、特別入賞口33aに入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出センサSE3(特別入賞検出手段、
図3参照)が設けられている。この特別入賞検出センサSE3によってパチンコ球が検出されると、前記球払出装置によって規定賞球数(例えば9個)のパチンコ球(賞球)が払い出される。なお、特別入賞口33aは、大当り遊技状態や小当り遊技状態で開放されるようになっている。
【0027】
ここで、大当り遊技状態は、特別用開閉部材33bが開放される規定回数(例えば、3回、6回または9回)のラウンド遊技を含み、1回のラウンド遊技が、特別入賞口33aに規定入賞数(規定個数、例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(予め定めた特電開放時間)が経過することに応じて終了するように設定されている。この大当り遊技状態中、各ラウンド遊技の間には、特別用開閉部材33bが所定時間(ラウンド間インターバル時間)だけ閉鎖状態に維持されるラウンド間インターバルが設定される。この大当り遊技状態では、1回目のラウンド遊技の開始前にオープニング演出が所定時間(オープニング時間)に亘って行われ、最終回のラウンド遊技の終了後にはエンディング演出が所定時間(エンディング時間)に亘って行われる。なお、小当り遊技状態では、オープニング演出とエンディング演出との間に特別入賞口33aの短時間開放が複数回(例えば3回)発生するようになっている。また、特定有利度遊技状態は、後述するが、当り遊技を経ることなく入賞率向上機能が作動する高ベース状態(変短(時短)状態)であって、規定回数(例えば、100回または200回)の変短が付与される。
【0028】
次に、遊技盤20に設けられた図柄表示用の表示手段(遊技情報表示器M、図柄表示装置17および補助点灯表示領域35)について説明する。
【0029】
(遊技情報表示器Mについて)
図2に示すように、遊技盤20には、前記始動入賞情報に関する各種の遊技情報(特別情報表示)を表示するための遊技情報表示器M(遊技情報表示手段)が配設されている。遊技情報表示器Mは、複数の表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Md,Meを備えると共に、主制御基板60の主制御CPU60aと電気的に接続され(
図3参照)、主制御CPU60aによって表示内容(発光態様)が制御されるようになっている。各表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Md,Meは、点灯状態および消灯状態に変化可能な1個または複数個の点灯部(LED)を有しており、点灯部の点灯数、点灯色および点灯位置のうち少なくとも何れかの違いに応じて異なる情報を表示可能に構成される。
【0030】
(特図表示部Ma,Mb)
遊技情報表示器Mには、前記第1および第2始動入賞口31a,32aへの入賞を契機として行われる特図当り判定(大当り判定、小当り判定、特定有利度判定)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を表示する特図表示部(図柄表示部)Ma,Mbが設けられている。第1特図表示部Maは、第1始動入賞口31aへの入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の特図の内の1つを停止表示する表示部であり、複数個のLED(実施例では8個)から構成されている。また、第2特図表示部Mbは、第2始動入賞口32aへの入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の特図の内の1つを停止表示する表示部であり、複数個のLED(実施例では8個)から構成されている。なお、以下の記載では、第1特図表示部Maで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部Maに停止表示される特図を特
図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部Mbで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部Mbに停止表示される特図を特
図2と称する場合がある。
【0031】
第1および第2特図表示部Ma,Mbは夫々、LEDの全点灯・全消灯を除く256種類の点灯態様で特図の種類を示すように制御される。ここで、第1特図表示部Maにおける特
図1を示す点灯態様には、大当り遊技状態が付与されることを示す250種類の点灯態様(大当り図柄)と、小当り遊技状態が付与されることを示す3種類の点灯態様(小当り図柄)と、特定有利度遊技状態が付与されることを示す2種類の点灯態様(特定有利度図柄)と、大当り遊技状態、小当り遊技状態および特定有利度遊技状態の何れも付与されないこと(はずれであること)を示す1種類の点灯態様(はずれ図柄)とがある(
図10参照)。また、第2特図表示部Mbにおける特
図2を示す点灯態様も同様に、大当り遊技状態が付与されることを示す250種類の点灯態様(大当り図柄)と、小当り遊技状態が付与されることを示す3種類の点灯態様(小当り図柄)と、特定有利度遊技状態が付与されることを示す2種類の点灯態様(特定有利度図柄)と、はずれであることを示す1種類の点灯態様とがある。なお、大当り図柄について、対応する大当りの価値の違い(大当り遊技状態中のラウンド遊技の回数やその後の遊技状態の違い)により、特
図1の点灯態様を5種類(図柄A,B,C,D,E)に分類すると共に、特
図2の点灯態様を5種類(図柄a,b,c,d,e)に分類できる。図柄A,B,C,D,E,a,b,c,d,eは夫々、50種類の点灯態様で表示され得る。また、特定有利度図柄について、対応する特定有利度の価値の違い(変短回数の違い)により、特
図1の点灯態様を2種類(図柄F,G)に分類すると共に、特
図2の点灯態様を2種類(図柄f,g)に分類できる。図柄F,G,f,gは夫々、1種類の点灯態様で表示され得る。
【0032】
特図表示部Ma,Mbで行われる特図変動表示について、変動時間(特図変動時間)と、停止表示する特図の種類(点灯態様)とは、主制御CPU60aが第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出タイミングに合わせて取得する始動入賞情報(各種乱数の値)に基づいて決定される。具体的に、主制御CPU60aは、始動入賞情報を構成する乱数値として、大当り遊技状態や小当り遊技状態や特定有利度遊技状態を付与するか否かの決定(特図当り判定)に用いる特図当り判定用乱数の値と、停止表示する特図(大当り図柄、小当り図柄、特定有利度図柄)の種類の決定に用いる特図決定用乱数の値と、特図変動パターンの決定に用いる特図変動パターン振分用乱数の値とを取得し、主制御基板60に備えられる記憶手段としての主制御RAM60cに記憶する。なお、特図変動パターンとは、特図変動表示の変動時間や飾図変動表示や関連演出の内容を特定するパターンのことである。そして、主制御RAM60cに記憶した特図当り判定用乱数の値に応じて特図当り判定(大当り判定)を行い、この特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、特図決定用乱数の値に応じて大当り図柄の点灯態様を決定する。また、特図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、小当り判定および特定有利度判定を行い、特図決定用乱数の値に応じて小当り図柄か特定有利度図柄かまたははずれ図柄かの点灯態様を決定する。
【0033】
大当り図柄(特図)が決定されることに伴い、大当り遊技状態を構成するラウンド遊技の回数と、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態とが決定される。すなわち、特図表示部Ma,Mbで停止表示される大当り図柄の種類によって、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態が報知されるようになっている。ここで、主制御CPU60aは、特図当り判定が当りの判定結果となる確率を向上させる確率変動機能と、第2始動入賞口32aへのパチンコ球の入賞し易さ(入賞確率)を向上させる入賞率向上機能とを有しており、確率変動機能が作動する高確状態(確率変動状態、確変状態)および作動しない低確状態の何れかと、入賞率向上機能が作動する高ベース状態(入賞率向上状態、入賞容易状態、変短(時短)状態)および作動しない低ベース状態の何れかとの組み合わせにより、複数種類の遊技状態を発生させ得る。この発生させ得る遊技状態としては、確率変動機能および入賞率向上機能の何れも作動させない低確低ベース状態と、確率変動機能および入賞率向上機能を作動させる高確高ベース状態と、確率変動機能を作動させ、入賞率向上機能を作動させない高確低ベース状態と、確率変動機能を作動させず、入賞率向上機能を作動させる低確高ベース状態とがある。なお、高ベース状態(入賞率向上状態)は、低ベース状態(非入賞率向上状態)よりも普図当り判定の当り確率を高めたり、或いは始動用開閉部材32bの開放時間を長くしたりすることで発生させることができる。
【0034】
大当り遊技状態のラウンド遊技の回数(規定回数)は、図柄A,aに対応する大当り遊技状態(第1大当り)および図柄B,bに対応する大当り遊技状態(第2大当り)では、3回、図柄C,cに対応する大当り遊技状態(第3大当り)および図柄D,dに対応する大当り遊技状態(第4大当り)では、6回、図柄E,eに対応する大当り遊技状態(第5大当り)では、9回となっている。ここで、前述した高確高ベース状態、高確低ベース状態および低確高ベース状態は、大当り遊技状態の終了を契機として開始される遊技状態であり、低確低ベース状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利な有利遊技状態(特典状態)である。具体的に、「第1大当り」の終了後の遊技状態は、低確低ベース状態、「第2大当り」の終了後の遊技状態は、50回の飾図変動表示が終了するまでを最長期間(上限)とする高確低ベース状態、「第3大当り」の終了後の遊技状態は、50回の飾図変動表示が終了するまでを最長期間(上限)とする低確高ベース状態、「第4大当り」および「第5大当り」の終了後の遊技状態は、50回の飾図変動表示が終了するまでを最長期間(上限)とする高確高ベース状態、と定められている(但し、途中で大当り遊技状態が生起される場合は、最長期間(上限回数)に達しない)。
【0035】
ここで、前記特定有利度遊技状態は、大当り判定および小当り判定で当せんすることなく、特定有利度判定で当せんする(第1制御部の抽せん結果が当りでない有利度を付与する結果となる)ことで付与される有利度遊技状態であって、当り遊技を経ることなく前記入賞率向上機能が作動する高ベース状態(変短(時短)状態)である。特定有利度判定とは、大当り判定および小当り判定ではずれた場合に、特定有利度を付与するか否かの判定である。また、実施例では、特定有利度遊技状態を付与する期間が異なる2種類の特定有利度が設定されており、特定有利度の変短回数(飾図変動表示の回数)は、図柄F,fに対応する特定有利度(第1特定有利度)では、上限が100回、図柄G,gに対応する特定有利度(第2特定有利度)では、上限が200回に設定されている。但し、途中で大当り遊技状態が生起される場合は、上限回数(100回または200回)に達することなく特定有利度遊技状態は終了する。また、特定有利度における変短回数の前記上限回数は、一例であって適宜に設定できる。なお、特定有利度について、以後、特定変短と指称する場合がある。例えば、特定有利度遊技状態を特定変短遊技状態と称し、特定有利度判定を特定変短判定と称する場合がある。
【0036】
(特図保留表示部Mc,Md)
遊技情報表示器Mの特図保留表示部Mc,Mdは、特図変動表示の未実行数(保留数)を示す保留表示を表示する表示部である。なお、主制御CPU60aは、第1または第2始動入賞口31a,32aへの始動入賞が発生した際に取得した始動入賞情報(乱数の値)を、特図変動表示を開始するまで(特図当り判定で用いるまで)、主制御RAM60cの予め定められた記憶エリアに記憶する。すなわち、特図変動表示の未実行数は、始動入賞情報の保留数であり、特図当り判定の待機(保留)数のことである。ここで、特図保留表示部Mc,Mdは、第1始動入賞口31aへの始動入賞時に取得される始動入賞情報(以下「第1始動入賞情報」という)の保留数を示す保留表示を表示する第1特図保留表示部Mcと、第2始動入賞口32aへの始動入賞時に取得される始動入賞情報(以下「第2始動入賞情報」という)の保留数を示す保留表示を表示する第2特図保留表示部Mdとからなり、各特図保留表示部Mc,Mdの何れも複数個(実施例では各2個)のLED(点灯部)により構成されている。
【0037】
ここで、第1特図保留表示部Mcに表示される保留表示が示す保留数は、第1始動入賞口31aへの始動入賞に応じて1加算されると共に、第1特図変動表示が行われる毎に1減算される。同様に、第2特図保留表示部Mdに表示される保留表示が示す保留数は、第2始動入賞口32aへの始動入賞に応じて1加算されると共に、第2特図変動表示が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2始動入賞情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れも「4」)が設定されている。
【0038】
(状態表示部Me)
遊技情報表示器Mの状態表示部Meは、複数種類の遊技状態のうち予め定めた種類の遊技状態であるか否かを特定可能に表示する表示部であり、1個のLED(点灯部)により構成されている。実施例では、状態表示部Meの点灯により、大当り遊技状態および高ベース状態(変短状態(特定変短遊技状態))の何れかであることが報知されるようになっている。すなわち、状態表示部Meは、大当り遊技状態や高ベース状態では点灯状態となり、低ベース状態(非変短状態)では消灯状態となる。
【0039】
(補助点灯表示領域35について)
図4および
図5に示すように、枠状装飾体25の右上部には、遊技情報表示器Mでの表示内容に対応する補助的な情報(第2補助情報表示、第3情報表示)を表示するための領域(第2補助情報表示領域)として、補助点灯表示領域(演出表示手段)35が設けられている。この補助点灯表示領域35は、複数の補助表示部35a,35b,35c,35d,35eを備えており(
図5参照)、演出制御基板65の演出制御CPU65aと電気的に接続されて(
図3参照)、該演出制御CPU65aによって表示内容(点灯態様)が制御される。具体的に、補助点灯表示領域35には、特1補助図柄表示部35a、特2補助図柄表示部35b、特1補助保留表示部35c、特2補助保留表示部35d、遊技形態点灯表示部35eが設けられている。各補助表示部35a,35b,35c,35d,35eは、点灯状態および消灯状態に変化可能な1個または複数個の点灯部(LED)を有しており、点灯部の点灯数、点灯色および点灯位置のうち少なくとも何れかの違いに応じて異なる情報を表示可能に構成される。
【0040】
(特1補助図柄表示部35aおよび特2補助図柄表示部35b)
補助点灯表示領域35には、特1補助図柄(第2補助情報表示、第3情報表示)によって特図当り判定(大当り判定、小当り判定、特定変短判定)の結果を表示する特1補助図柄表示部35aと、特2補助図柄(第2補助情報表示、第3情報表示)によって特図当り判定(大当り判定、小当り判定、特定変短判定)の結果を表示する特2補助図柄表示部35bとが設けられている。特1補助図柄表示部35aは、複数個のLED(実施例では2個)から構成され、第1始動入賞口31aへの入賞を契機とする第1特図変動表示の実行期間に点滅状態を維持し、最終的に特1補助図柄を停止態様で表示する。すなわち、特1補助図柄の変動表示(点滅)は、第1特図表示部Ma(遊技情報表示器M)における第1特図変動表示の開始(変動開始条件の成立)・終了(変動開始条件の成立)タイミングと同時に開始・終了する。特2補助図柄表示部35bは、複数個のLED(実施例では2個)から構成され、第2始動入賞口32aへの入賞を契機とする第2特図変動表示の実行期間に点滅状態を維持し、最終的に特2補助図柄を停止態様で表示する。すなわち、特2補助図柄の変動表示(点滅)は、第2特図表示部Mb(遊技情報表示器M)における第2特図変動表示の開始(変動開始条件の成立)・終了(変動開始条件の成立)タイミングと同時に開始・終了する。なお、特1補助図柄および特2補助図柄の変動表示の開始・終了は、図柄表示装置17の表示画面17aで実行される飾図変動表示とも同じになっている。すなわち、特1補助図柄表示部35aおよび特2補助図柄表示部35bは、表示画面17a(後述する飾図表示領域50)での表示内容に対応する補助的な表示を行う補助表示部としても機能している。
【0041】
図10に示すように、特1補助図柄表示部35aでは、特
図1が大当り図柄を示す点灯態様で表示される場合に、両LEDを点灯状態とすることによる特1補助図柄(大当り表示)が表示され、特
図1が小当り図柄を示す点灯態様で表示される場合に、予め定められた一方のLEDを点灯状態とし、他方のLEDを消灯状態とすることによる特1補助図柄(小当り表示)が表示され、特
図1が特定変短図柄を示す点灯態様で表示される場合に、小当り表示とは逆に他方のLEDを点灯状態とし、一方のLEDを消灯状態とすることによる特1補助図柄(特定変短表示)が表示され、特
図1がはずれ図柄を示す点灯態様で表示される場合に、両LEDを消灯状態とすることによる特1補助図柄(はずれ表示)が表示される。また、特2補助図柄表示部35bにおいても同様に、特
図2の点灯態様(大当り図柄、小当り図柄、特定変短図柄およびはずれ図柄)に対応して、両LEDを点灯状態とすることによる特2補助図柄(大当り表示)と、片方のLEDのみを点灯状態とすることによる特2補助図柄(小当り表示または特定変短表示)と、両LEDを消灯状態とすることによる特2補助図柄(はずれ表示)とが表示される。なお、特1補助図柄表示部35aおよび特2補助図柄表示部35bは、電源断に関する場合以外では、変動表示が終了してから次に変動表示が開始されるまでの間、同じ停止態様を維持する(非表示とならない)ようになっている。
【0042】
(特1補助保留表示部35cおよび特2補助保留表示部35d)
補助点灯表示領域35の特1補助保留表示部35cおよび特2補助保留表示部35dは、始動入賞コマンド(後述)によって主制御CPU60aから演出制御CPU65aに伝達される特図変動表示(飾図変動表示)の保留数(特図当り判定の待機(保留)数、始動入賞情報の保留数)を示す補助保留表示(第2補助情報表示)を表示する補助表示部であり、実施例では何れも複数個(2個)のLEDから構成されている。特1補助保留表示部35cでは、2つのLEDによる点灯・消灯の組み合わせにより、第1特図保留表示部Mc(遊技情報表示器M)で示される保留数(第1特図変動表示・飾図変動表示の保留数)と同じ保留数を示す補助保留表示が表示され、特2補助保留表示部35dでは、2つのLEDによる点灯・消灯の組み合わせにより、第2特図保留表示部Md(遊技情報表示器M)で示される保留数(第2特図変動表示・飾図変動表示の保留数)と同じ保留数を示す補助保留表示が表示される。なお、特1補助保留表示部35cおよび特2補助保留表示部35dに表示される補助保留表示が示す保留数は、表示画面17a(後述する保留表示領域51,52)で表示される保留表示が示す保留数とも一致するようになっている。
【0043】
(遊技形態点灯表示部35e)
補助点灯表示領域35の遊技形態点灯表示部35eは、発射位置指定コマンド(後述)によって主制御CPU60aから演出制御CPU65aに伝達される情報(発射位置情報)を表示する補助表示部であり、実施例では1個のLEDから構成されている。具体的に、遊技形態点灯表示部35eは、遊技領域20aの第1球流下経路21aにパチンコ球を導く左打ちの遊技形態(第1の遊技形態)で遊技を行うことが遊技者にとって有利となる場合に、消灯状態に維持され、遊技領域20aの第2球流下経路21bにパチンコ球を導く右打ちの遊技形態(第2の遊技形態)で遊技を行うことが遊技者にとって有利となる場合に、点灯状態となるよう制御される。すなわち、遊技形態点灯表示部35eは、第1・第2球流下経路21a,21bのどちらにパチンコ球を導くように遊技すれば遊技者にとって有利であるかを把握可能に表示するものであり、当該遊技形態点灯表示部35eの点灯状態(後述する補助報知)により、大当り遊技状態および高ベース状態(変短状態)の何れかであることが報知されるようになっている。
【0044】
(図柄表示装置17について)
図柄表示装置17は、後述する表示制御基板66と電気的に接続され(
図3参照)、演出制御基板65の演出制御CPU65aから出力される制御信号に基づく表示制御基板66の制御によって表示内容が更新されるようになっている。図柄表示装置17の表示画面17aには、背景画像よりも手前側に位置するように特定の対象画像を表示するための表示領域が複数設定されている。このような表示領域としては例えば、
図4に示すように、飾図(演出情報表示、第1情報表示)を表示対象とする飾図表示領域50や、始動入賞情報の保留数を示す保留表示(演出情報表示)を表示対象とする保留表示領域51,52や、補助図柄(第2情報表示)等を表示対象とする補助画像表示領域53や、異常状態の発生を報知する異常報知領域55a,55b等がある。以下、飾図表示領域50および保留表示領域51,52について説明する。
【0045】
(飾図表示領域50)
図4に示すように、表示画面17aの中央側に、飾図表示領域50が比較的大きな範囲に設定されている。この飾図表示領域50は、左右方向に3つ並んだ飾図エリア50a,50b,50cにより構成されている。各飾図エリア50a,50b,50cでは、図柄群の飾図を配列順に切り替える変動表示が行われ、そのうちの1つの飾図が最終的に停止表示される。なお、飾図エリア50a,50b,50cに表示される各図柄群で飾図の配列は共通であり、
図10に示すように、「1」~「7」の数字を表す各飾図を数字順に並べ、これらの数字を表す各飾図の間に星形状のブランク図柄(特殊な飾図)を挿入したものとなっている。飾図の変動表示は、主制御CPU60aが決定した特図変動パターンにより特定される変動時間に亘って行われ、該変動時間の終了タイミングで全ての飾図エリア50a,50b,50cに飾図が停止表示された状態となり終了する。そして、予め定められた停止時間(変動インターバル時間)の経過後に、次の飾図変動表示を開始することが可能となる。なお、飾図表示領域50は、飾図の変動中や大当り遊技中等において実行される演出の種類によって、表示位置や大きさが変更されるように制御される。
【0046】
飾図表示領域50では、停止表示された飾図の組み合わせにより、特図当り判定(大当り判定、小当り判定または特定変短判定)の結果が報知されるようになっている。具体的には、3つの飾図エリア50a,50b,50cに同じ飾図が停止表示される大当り表示(
図4および
図10参照)により、特図当り判定が当りの判定結果となった(大当り遊技状態が生起される)ことが報知される。また、左右の飾図エリア50a,50cに同じ数字を表す飾図、中央の飾図エリア50bにブランク図柄が停止表示される小当り表示(
図10参照)により、小当り判定が当りの判定結果となった(小当り遊技状態が生起される)ことが報知される。また、大当り判定および小当り判定が当りでない場合において、3つの飾図エリア50a,50b,50cに、予め決められた異なる数字の組み合わせ(例えば、「1」・「2」・「3」または「4」・「5」・「6」)からなる飾図が停止表示される特定変短表示(
図10参照)により、特定変短判定が当りの判定結果となった(特定変短遊技状態が生起される)ことが報知される。一方、3つの飾図エリア50a,50b,50cに大当り表示、小当り表示および特定変短表示とは異なる組み合わせで飾図が停止表示されるはずれ表示(
図10参照)により、特図当り判定がはずれの判定結果となったことが報知される。
【0047】
なお、大当り表示となる飾図の組み合わせの種類を決定する際の抽せん確率について、主制御CPU60aにより決定された大当り図柄(特図)が図柄C,D,E,c,d,eの何れかである場合の方が、図柄A,B,a,bの何れかである場合よりも高い確率で、奇数を表す飾図の3つ揃いとなる組み合わせ(例えば「1」・「1」・「1」等)が決定されるように設定されている。また、奇数を表す飾図の組み合わせのうち「7」・「7」・「7」の組み合わせは、主制御CPU60aにより決定された大当り図柄(特図)が図柄D,E,d,eの何れかである場合に限って決定され得るように設定されている。
【0048】
飾図変動表示中、飾図表示領域50の左右の飾図エリア50a,50cに同じ飾図(リーチ図柄)を表示した状態で変動表示を継続する、所謂リーチ状態となることがある。このリーチ状態の表示によって、大当り遊技状態や小当り遊技状態が生起されることへの期待感が高められる。
【0049】
ここで、第1特図表示部Maと図柄表示装置17(飾図表示領域50)とでは、第1特図変動表示と、該第1特図変動表示に対応する飾図変動表示とが同時に(変動開始条件の成立により)開始され、特
図1と飾図とが同時に(変動停止条件の成立により)停止表示される。同様に、第2特図表示部Mbと図柄表示装置17(飾図表示領域50)とでは、第2特図変動表示と、該第2特図変動表示に対応する飾図変動表示とが同時に(変動開始条件の成立により)開始され、特
図2と飾図とが同時に(変動停止条件の成立により)停止表示される。すなわち、飾図表示領域50では、第1および第2特図変動表示の両実行期間に対応する飾図変動表示が行われる(共用表示領域として用いられる)。
【0050】
(保留表示領域51,52)
また、
図4に示すように、図柄表示装置17の表示画面17aの下縁部には、始動入賞コマンドによって主制御CPU60aから演出制御CPU65aに伝達される保留数(特図当り判定の待機(保留)数であって、飾図変動表示の保留数)を示す保留表示を表示する第1保留表示領域51および第2保留表示領域52が設定されている。第1保留表示領域51には、第1特図保留表示部Mcや特1補助保留表示部35cで示される保留数が、保留表示における保留画像の数によって示される(例えば
図4の第1保留表示領域51は、2つの丸型の保留画像からなる保留表示によって保留数が「2」であることを報知している)。また、第2保留表示領域52は、第2特図保留表示部Mdや特2補助保留表示部35dで示される保留数が、保留表示における保留画像の数によって示される(例えば
図4の第2保留表示領域52は、保留画像を表示しない保留表示によって保留数が「0」であることを報知している)。
【0051】
なお、表示画面17aには、前述した表示領域50,51,52の他、補助図柄や異常報知についての領域53が設定されている。これらについては後段で説明する。
【0052】
(パチンコ機10に備えられる各種基板59,60,65,66等について)
次に、
図3を参照し、パチンコ機10が備える前述した各制御基板59,60,65,66についての具体的な基板構成や制御内容を、電源基板59、主制御基板60、演出制御基板65、表示制御基板66の順に説明する。
【0053】
(電源基板59について)
電源基板59には、電源のON-OFFを切り替えるための電源スイッチPWSが設けられていると共に、電源回路(図示せず)に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という)の電圧値が閾値電圧に降下したかを監視する電源断監視回路(図示せず)が設けられている。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば電源スイッチPWSのOFF操作や停電によって機外部からの電力供給が遮断された場合(電源断時)である。
【0054】
電源基板59には、前記電源断監視回路に接続するリセット信号回路(図示せず)が設けられている。ここで、電源断監視回路は、監視電源電圧が閾値電圧以下となった場合に、リセット信号回路、主制御基板60(主制御CPU60a)および演出制御基板65(演出制御CPU65a)に対して電源断信号(監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す信号)を出力する。また、リセット信号回路は、機外部からの電力供給の開始時(電源投入時や復電時)および電源断信号の入力時に、主制御基板60(主制御CPU60a)および演出制御基板65(演出制御CPU65a)に対してリセット信号を出力し、主制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの動作を規制する。また、電源基板59には、コンデンサ等のバックアップ電源(図示せず)が設けられている。そして、パチンコ機10への電力供給が停止した場合(電源断信号が出力された場合)には、前記バックアップ電源から主制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給されるようになっている。
【0055】
(主制御基板60について)
主制御基板60は、特図当り判定等の制御処理を実行する主制御CPU60a、該主制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶する主制御ROM60b、当該主制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な主制御RAM60c、後述する特図当り判定および普図当り判定に用いるハードウエア乱数を発生させる乱数発生回路60d等を備えている。
【0056】
主制御ROM60bには、主制御CPU60aにより実行される特図当り判定がはずれの判定結果である場合に主制御CPU60aが決定可能な複数種類の特図変動パターン(はずれ特図変動パターン)と、主制御CPU60aにより実行される特図当り判定が当りの判定結果である場合に主制御CPU60aが決定可能な複数種類の特図変動パターン(当り特図変動パターン)と、主制御CPU60aにより実行される特図当り判定(大当り判定、小当り判定)がはずれの判定結果で、かつ特定変短判定が当りの判定結果である場合に主制御CPU60aが決定可能な複数種類の特図変動パターン(特定変短特図変動パターン)とが記憶されている。具体的に、主制御ROM60bには、はずれ特図変動パターンとして、特図変動表示の実行期間(変動時間)が8000msであること等を特定する特図変動パターン1と、変動時間が15000msであること等を特定する特図変動パターン2と、変動時間が25000msであること等を特定する特図変動パターン3と、変動表示が35000msであること等を特定する特図変動パターン4とが記憶されている。また、主制御ROM60bには、当り特図変動パターンとして、変動時間が15000msであること等を特定する特図変動パターン5と、変動時間が25000msであること等を特定する特図変動パターン6と、変動時間が35000msであること等を特定する特図変動パターン7とが記憶されている。また、主制御ROM60bには、特定変短特図変動パターンとして、特図変動表示の実行期間(変動時間)が15000msであること等を特定する特図変動パターン8と、変動時間が25000msであること等を特定する特図変動パターン9と、変動時間が35000msであること等を特定する特図変動パターン10とが記憶されている。そして、主制御CPU60aは、決定した特図変動パターンの種類を示す特図変動パターン指定コマンドを演出制御CPU65aに出力可能に構成されている。なお、特
図1および特
図2の両変動表示の特図変動パターンは共通(前述の各特図変動パターン1~10)とするが、相違させてもよい。
【0057】
前記乱数発生回路60dは、図示しないクロック発信器および特図当り判定用乱数カウンタを備えたもので、前記特図当り判定用乱数カウンタが、「0」から「65535」までの特図当り判定用乱数の値を前記クロック発信器からのクロック信号の入力に応じたタイミングでカウント(更新)する。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2による検出を示す信号が主制御CPU60aから乱数発生回路60dに対して入力された場合に、当該入力時点で前記特図当り判定用乱数カウンタがカウントする特図当り判定用乱数の値が乱数確認信号として主制御CPU60aに入力されて、主制御RAM60cに始動入賞情報として記憶されるようになっている。なお、主制御基板60は、乱数発生回路60dにおいてハードウエア乱数としての特図当り判定用乱数を更新する一方で、主制御CPU60aの制御によってソフトウエア乱数としての特図決定用乱数および特図変動パターン振分用乱数の各値を更新するようになっている。
【0058】
主制御CPU60aは、第1始動入賞検出センサSE1、第2始動入賞検出センサSE2、特別入賞検出センサSE3等の各種の検出センサと電気的に接続され、各検出センサからの検出信号を夫々入力すると共に、該検出信号の入力の有無を夫々判定するよう構成されている。また、主制御CPU60aは、始動入賞ソレノイドSL1や特別入賞ソレノイドSL2等の各種の駆動手段と電気的に接続され、各駆動手段を夫々駆動制御するよう構成されている。更に、主制御CPU60aは、遊技に関する各種の情報を表示する遊技情報表示器Mと電気的に接続され、当該遊技情報表示器Mに備えられる各表示部Ma,Mb,Mc,Md,Meの表示内容(発光態様)を夫々制御するよう構成されている。
【0059】
主制御基板60には、主制御RAM60cを初期化(バックアップした記憶情報を消去)するためのクリアスイッチCLSが設けられていると共に、クリアスイッチCLSに接続するクリア回路(図示せず)が設けられている。実施例では、クリアスイッチCLSをON操作した状態で電源基板59の電源スイッチPWSをON操作(電源投入)した場合に、クリア回路から主制御基板60の主制御CPU60aにクリア信号が出力されて当該主制御CPU60aが記憶手段としての主制御RAM60cを初期化する処理を行うようになっている。なお、以下の記載では、主制御RAM60cを初期化するための操作(クリアスイッチCLSのON操作と電源スイッチPWSのON操作とを同時に行うこと)を、「クリア操作」と称する場合がある。
【0060】
主制御基板60に備えられる主制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に各種情報を一時的に記憶する常用記憶エリア(作業領域)の他に、バックアップエリアが設けられている。そして、バックアップ電源からの電力供給に応じて、主制御RAM60cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報の一部または全部がバックアップエリアに記憶(書き込み)され、バックアップエリアに記憶された情報は、機外部からパチンコ機10への電力供給が停止された後の一定期間に亘って保持されるようになっている。主制御CPU60aによるバックアップエリアへの各種情報の記憶(書き込み)は、電源断時(電源断信号の入力時)の電源断処理(
図7参照)において実行され、該バックアップエリアに記憶された各種情報の常用記憶エリアへの設定(読み出し)は、パチンコ機10への電力供給開始時におけるデータ復旧処理(
図6参照)で実行される。なお、電源断時にバックアップエリアに記憶される情報としては、例えば、遊技状態を特定可能な情報(後述する確変フラグ、変短フラグ(特定変短フラグ)、大当りフラグ、小当りフラグ等の各値)や、遊技の進行状況を特定可能な情報(後述する遊技時間の計測値や、大当り遊技状態中のラウンド遊技の実行済み回数等)や、始動入賞口31a,32aへの入賞に応じて取得された始動入賞情報(各種乱数の値)や、コマンドの未出力情報等がある。また、エラーを特定可能な情報(エラーフラグの値)についてもバックアップエリアに記憶される。
【0061】
(メイン処理)
主制御CPU60aが行うメイン処理について、
図6を参照しながら詳細に説明する。
【0062】
先ず、主制御CPU60aは、電源基板59の電源スイッチPWSがOFFからONに切り替えられてパチンコ機10の電源が投入された場合や、停電状態から通電が再開された場合に、主制御CPU60aを正常動作させるために必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。この場合に、主制御CPU60aは、後述するタイマ割込処理(
図8参照)を定期的に発生させるための設定等を行う。具体的には、割込の発生間隔を計測するためのインターバルタイマ(例えば4ms)を、主制御基板60に備えられるタイマ回路(図示せず)のレジスタに設定すると共に、タイマ割込処理の発生を許可する。そして、初期設定処理を終了すると、主制御CPU60aは、主制御RAM60cをアクセス許可状態に設定する(ステップS102)。
【0063】
次に、主制御CPU60aは、前記電源スイッチPWSがONに切り替えられるタイミングでクリアスイッチCLSがONされたかを判定する(ステップS103)。このステップS103の判定処理において、主制御CPU60aは、前記クリアスイッチ回路からのクリア信号の入力があるか否かを判定し、クリア信号を入力していると判定した場合(肯定判定の場合)には、ステップS104の処理に移行する(後述)。また主制御CPU60aは、ステップS103の判定処理においてクリア信号を入力していないと判定した場合(否定判定の場合)には、ステップS106の処理に移行して、主制御RAM60cのバックアップエリアに保存されているバックアップデータが正常か否かのデータチェックを行う。具体的には、RAM判定値(チェックサム値)を算出すると共に、算出したRAM判定値を後述する電源断処理(ステップS202、
図7参照)で保存されたRAM判定値と比較して、正常値か否かを判定する。そして、このステップS106においてバックアップデータが正常ではないと判定した場合(否定判定の場合)は、ステップS110に移行する。一方、バックアップデータを正常と判定した場合(肯定判定の場合)には、ステップS107の処理に移行する。
【0064】
主制御CPU60aは、ステップS104の処理において、主制御RAM60c(遊技情報記憶領域)の記憶内容をクリア(消去)する。すなわち、前述したステップS103において肯定判定した場合(クリア信号の入力時)に、主制御CPU60aは、電源断時(電源スイッチPWSのOFF操作時または停電時)に行われた電源断処理(後述するステップS202)で記憶保持したバックアップデータをクリアし、主制御RAM60cに初期値を設定する。すなわち、主制御CPU60aは、当該ステップS104の処理において主制御RAM60cを初期化した上で、パチンコ機10を起動させる。
【0065】
主制御CPU60aは、ステップS104の処理を終了すると、主制御RAM60cの記憶内容をクリアしたことを示すRAMクリア指定コマンドを設定する(ステップS105)。このRAMクリア指定コマンドが出力され演出制御CPU65aに入力されることにより、クリア操作に応じた報知(RAMクリア報知)が演出制御CPU65aの制御に基づいて実行される。
【0066】
ステップS106のデータチェックにおいてバックアップデータの異常を判定した場合に、主制御CPU60aは、電源断時(電源スイッチPWSのOFF操作時または停電時)に行われた電源断処理(後述するステップS202)で記憶保持したバックアップデータをクリアし、主制御RAM60cに初期値を設定する(ステップS110)。そして、主制御CPU60aは、以降においてパチンコ機10の電源が遮断されるまで、遊技停止状態を維持し(ステップS111)、後述する通常処理(
図7参照)に移行しない。
【0067】
前述したステップS106において肯定判定した場合(バックアップデータの正常時)、主制御CPU60aは、電源断フラグの値を「0」に設定する(ステップS107)。なお、電源断フラグは、主制御RAM60cにおいて常には「0」の値に設定され、機外部からの電力供給が遮断された場合に、主制御CPU60aの処理(ノンマスカブル割込処理)において「1」に変更される。すなわち、電源断フラグの値が「1」に設定されるのは、電源OFFや停電の発生に応じて電源基板59からの電源断信号が主制御基板60に入力された場合である。このステップS108の処理が終了すると、主制御CPU60aは、ステップS108の処理に移行する。なお、電源断フラグの値は、前述したステップS104およびステップS110においても「0」に設定されるようになっている。
【0068】
次に、ステップS108において、主制御CPU60aは、主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶されている情報に基づいてデータ復旧処理を実行する。このデータ復旧処理において、主制御CPU60aは、電源断時にバックアップした内容を主制御RAM60cの常用記憶エリア(作業領域)に設定して、パチンコ機10を電源断前の状態に復帰させる。
【0069】
主制御CPU60aは、ステップS108の処理を終了すると、電源が復旧したことを示す復旧コマンドを設定する(ステップS109)。この復旧コマンドが出力され演出制御CPU65aに入力されることにより、電源復旧(復電)に応じた報知(復電報知)が演出制御CPU65aの制御に基づいて実行される。この他、復旧コマンドの設定後には、電源断時の遊技状態を示すコマンド(遊技状態指定コマンド)や、電源断時の停止図柄(特
図1および特
図2)を示すコマンドや、電源断時に実行中であった特図変動表示についての停止図柄(特
図1および特
図2)を示すコマンド(特図指定コマンド)や、電源断時が第1特図変動中、第2特図変動中、特図の非変動中(停止中)の何れであったか等を示すコマンド(図柄状態指定コマンド)や、大当り遊技状態中の電源断の発生タイミングを示すコマンド等が順次設定される。以下の説明においては、これらのコマンドを合わせて「電源復旧に関する一連のコマンド」と称することがある。なお、実施例では、後述する発射位置指定コマンドを「電源復旧に関する一連のコマンド」よりも後のタイミング(
図8のステップS306)で設定しているが、当該ステップS109で「電源復旧に関する一連のコマンド」の一つとして設定してもよい。
【0070】
ステップS105またはステップS109の処理の終了後、主制御CPU60aは、デバイス設定等の処理を実行する(ステップS112)。このステップS112において、主制御CPU60aは、電源投入から無効であった検出センサ(入球検出手段)SE1,SE2,SE3を検出可能な状態に設定する。これにより、パチンコ機10(主制御CPU60a)は、主制御CPU60aによるステップS112の処理の終了後、後述する通常処理(
図7参照)を前記電源断信号の入力がされない限り繰り返す、遊技に関する制御処理を実行可能な制御状態に移行する(遊技停止状態から遊技可能状態へと変化する)。
【0071】
(通常処理)
次に、主制御CPU60aが行う通常処理について、
図7を参照しながら詳細に説明する。
【0072】
主制御CPU60aは、通常処理において先ず、主制御RAM60cに設定されている電源断フラグの値が「1」であるかを判定する(ステップS201)。ここで、主制御基板60は、電源基板59からの前記電源断信号を入力する場合(電源断時)に、主制御CPU60aの制御状態に関わらずノンマスカブル割込処理を主制御CPU60aの処理に強制的に割り込ませ、主制御RAM60cに記憶される電源断フラグの値を「0」から「1」に変更するよう構成されている。そして、このステップS201の判定処理において電源断フラグの値を「1」と判定した場合(肯定判定の場合)に、主制御CPU60aは、電源断処理(ステップS202)を実行するようになっている。一方、電源断フラグの値を「0」と判定した場合(否定判定の場合)には、主制御CPU60aは、後述するステップS203の処理に移行する。
【0073】
電源断処理(ステップS202)において、主制御CPU60aは、タイマ割込処理を禁止に設定する。そして、主制御CPU60aは、復電時に遊技状態等を復旧するために必要な遊技情報を、主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶する。そして、主制御CPU60aは、この電源断処理において、機外部からの電力供給の開始時に参照されるRAM判定値(チェックサム値)を算出すると共に、算出したRAM判定値を主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶する。
【0074】
また、主制御CPU60aは、前記電源断処理(ステップS202)において、電源断コマンドを設定すると共に、演出制御CPU65a、表示制御CPU66aへ向けて電源断コマンドを出力する。そして、主制御CPU60aは、当該電源断処理において、主制御RAM60cをアクセス禁止状態に設定する。主制御CPU60aは、前述した一連の電源断処理を終了すると、電圧値が完全に低下しきるまで、処理を行わないループ状態(待機状態)となる。
【0075】
一方、前述したステップS201の判定処理において電源断フラグの値を「0」と判定した場合(否定判定の場合)に、主制御CPU60aは、後述するタイマ割込処理(
図8参照)が、前回のステップS201(または
図6のステップS112)の終了後からの期間に発生したか否かを判定する(ステップS203)。そして、主制御CPU60aは、タイマ割込処理が発生したと判定した場合(肯定判定の場合)には、前述したステップS201の処理に移行する。なお、ステップS203の処理においてタイマ割込処理が発生していないと判定すると(否定判定となると)、主制御CPU60aは、タイマ割込処理が発生するまで当該ステップS203の判定処理を繰り返し実行する。
【0076】
(タイマ割込処理)
次に、主制御CPU60aが行うタイマ割込処理について、
図8を参照しながら詳細に説明する。
【0077】
主制御CPU60aは、タイマ割込処理において先ず、コマンド入出力処理を実行する(ステップS301)。コマンド入出力処理では、他のCPUへの出力用に設定されたコマンドの出力や、入力したコマンドに応じた情報の特定等を実行する。
【0078】
ステップS302において、主制御CPU60aは、エラー判定処理を実行する。このエラー判定処理において、主制御CPU60aは、パチンコ機10の異常状態(エラー)が発生したか否かを判定し、異常状態が発生したと判定した場合に、その発生した異常状態の種類に対応するエラー判定フラグの値を「1」に設定する。そして、何れかのエラー判定フラグの値が「1」である場合に、主制御CPU60aは、値が「1」になっているエラー判定フラグを特定し、特定したエラー判定フラグに対応するエラー指定コマンドを、演出制御CPU65aへの出力用に設定する。
【0079】
ステップS303において、主制御CPU60aは、遊技の進行に関する遊技時間(変動時間等)を計測する計時処理を実行する。具体的には、特図変動表示(飾図変動表示)に関する時間として、特図変動パターンによって特定される特図変動時間、特図変動表示の終了後または開始前の停止時間である変動インターバル時間、この変動インターバル時間の計測終了時点で始動入賞情報の保留数が「0」となってからデモ演出を開始するまでの待機時間であるデモ待機時間等が計測される。また、大当り遊技状態や小当り遊技状態においてオープニング演出が行われる時間であるオープニング時間、大当り遊技状態や小当り遊技状態においてエンディング演出が行われる時間であるエンディング時間、大当り遊技状態における各ラウンド遊技の最大継続時間である特電開放時間、ラウンド間インターバルの時間であるラウンドインターバル時間、小当り遊技状態における開放間の時間(小当り開放インターバル時間)等を計測可能に構成されている。
【0080】
実施例では、変動インターバル時間が1000msに設定されており、デモ待機時間が15000msに設定されている。また、大当り遊技状態および小当り遊技状態について、オープニング時間が8000ms、エンディング時間が5000ms、ラウンドインターバル時間および小当り開放インターバル時間が1000ms、に夫々設定されている。なお、特電開放時間は、6回または9回のラウンド遊技を含む大当り遊技状態では、25000ms、3回のラウンド遊技を含む大当り遊技状態では、500msに設定されている。また、小当り遊技状態での3回の開放時間は、500msに設定されている。この他にもステップS303では、前述したエラー判定処理(ステップS302)での各エラー判定の際に必要な時間の計測等が行われる。
【0081】
ステップS304において、主制御CPU60aは、当該主制御CPU60aと電気的に接続されている検出センサ(第1始動入賞検出センサSE1、第2始動入賞検出センサSE2、特別入賞検出センサSE3、ゲートセンサSEa等)からの検出信号が入力されているか否かを判定するための検出判定処理を実行する。この検出判定処理において、主制御CPU60aは、各種の入球検出手段SE1,SE2,SE3,SEa等からの検出信号の入力の有無に応じて、入球検出手段毎に検出状態であるか否かを判定するようになっている。ここで、主制御CPU60aは、複数の入賞検出センサSE1,SE2,SE3のうち何れかの検出状態(検出信号が入力されていること)を判定した場合に、検出状態に対応する入賞検出センサSE1,SE2,SE3の種類に応じた賞球の払い出しを決定する。
【0082】
ステップS305において、主制御CPU60aは、特図の大当り図柄を決定するために用いられるソフトウエア乱数としての特図決定用乱数の値と、特図変動パターンを決定するために用いられるソフトウエア乱数としての特図変動パターン振分用乱数の値とを更新する(ソフトウエア乱数更新処理を実行する)。このソフトウエア乱数更新処理では、特図決定用乱数としての「0」~「100」の全101通りの整数値と、特図変動パターン振分用乱数としての「0」~「250」の全251通りの整数値とを、1回の更新処理につき夫々「1」更新する。すなわち、実施例では、タイマ割込み処理が1回発生する毎に(4ms毎に)、特図決定用乱数、特図変動パターン振分用乱数の各乱数の値が「1」ずつ更新される(なお、更新前の値が最大値の場合は、ランダムな値に決定される初期値へと更新する)ようになっている。なお、特図当り判定用乱数の値を更新するハードウエア乱数更新処理は、乱数発生回路60dに備えられる前記特図当り判定用乱数カウンタにより実行されている。
【0083】
ステップS306において、主制御CPU60aは、遊技状態を設定・変更するための遊技状態切替処理を実行する。この遊技状態切替処理では、遊技結果に応じて遊技状態を切り替える際に、或いは、電源復旧に伴って遊技状態を復帰させる際に、遊技状態の種類を示す各種フラグの値を変更する処理が行われる。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技状態を開始するタイミング(オープニング演出の開始タイミング)では、主制御RAM60cに記憶される大当りフラグの値を「0」から「1」に変更し、大当り遊技状態を終了するタイミング(エンディング演出の終了タイミング)では、大当りフラグの値を「1」から「0」に変更する。なお、大当り開始コマンドは、開始される大当り遊技状態の種類(その大当り遊技状態後の遊技状態の種類)を特定可能な情報を含んでいる。また、主制御CPU60aは、小当り遊技状態を開始するタイミング(オープニング演出の開始タイミング)では、主制御RAM60cに記憶される小当りフラグの値を「0」から「1」に変更し、小当り遊技状態を終了するタイミング(エンディング演出の終了タイミング)では、小当りフラグの値を「1」から「0」に変更する。また、大当り遊技状態の終了に伴って確変状態(高確状態)を開始する場合、主制御RAM60cに記憶される確変フラグの値を「0」から「1」に変更する。また、確変状態を終了する場合には、確変フラグの値を「1」から「0」に変更する。また、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了または特定変短判定の当りに伴って高ベース状態(変短状態や特定変短遊技状態)を開始する場合、主制御RAM60cに記憶される変短フラグの値を「0」から「1」に変更する。また、高ベース状態を終了する場合には、変短フラグの値を「1」から「0」に変更する。
【0084】
また、主制御CPU60aは、このステップS306において、大当りフラグの値の変更に合わせて大当り開始コマンドまたは大当り終了コマンドを、小当りフラグの値の変更に合わせて小当り開始コマンドまたは小当り終了コマンドを、演出制御CPU65aへの出力用に設定すると共に、確変フラグの値の変更に合わせて確変開始コマンドまたは確変終了コマンドを、変短フラグの値の変更に合わせて変短開始コマンドまたは変短終了コマンドを、演出制御CPU65aへの出力用に設定する。なお、実施例の大当り開始コマンドおよび小当り開始コマンドは、オープニング演出の開始時点を示すコマンドとして機能しているが、このオープニング演出の開始時点では大当り開始コマンドや小当り開始コマンドとは別のコマンドをオープニングコマンドとして出力可能に構成することもできる。更に、主制御CPU60aは、小当りフラグや変短フラグの値の値の変更に伴い、発射位置指定コマンドを演出制御CPU65aへの出力用に設定する。この場合に、小当りフラグや変短フラグの値を「0」から「1」に変更すること(高ベース状態の開始)に伴って、右打ちの遊技形態への変化を示す発射位置指定コマンドを設定し、小当りフラグや変短フラグの値を「1」から「0」に変更すること(低ベース状態の開始)に伴って、左打ちの遊技形態への変化を示す発射位置指定コマンドを設定する。
【0085】
ステップS307において、主制御CPU60aは、特図に関する特図入力処理を実行する。この特図入力処理において、主制御CPU60aは、前述した検出判定処理(ステップS304)において始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号の入力があったと判定された場合(すなわち、始動入賞口31a,32aへの始動入賞が発生した場合)に、始動入賞情報(各種乱数値からなる情報)を取得すると共に主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶する。なお、主制御RAM60cの始動記憶領域は、第1始動入賞情報を記憶する記憶エリア(始動記憶領域)と、第2始動入賞情報を記憶する記憶エリア(始動記憶領域)とが個別にあり、各記憶エリアが、予め定めた上限数(実施例では、4個)までの始動入賞情報を、時系列に従って、対応する特図変動表示が開始されるまで始動入賞情報として記憶(保留)可能となっている。このため、主制御CPU60aは、第1または第2始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号の入力があったと判定された場合には、対応する第1または第2始動入賞情報の記憶数(保留数)が上限に達しているかを確認し、上限に達していない場合に限り、新たな第1または第2始動入賞情報を記憶すると共に、現在の第1または第2始動入賞情報の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(加算)する。また、特図入力処理(ステップS307)では、第1または第2始動入賞情報の記憶数(保留数)等が変化するタイミングで、変化後の記憶数(保留数)等を特定するための始動入賞コマンドを、演出制御CPU65aへの出力用に設定する。なお、始動入賞コマンドとしては、第1始動入賞検出センサSE1による検出に応じて出力される場合と、第2始動入賞検出センサSE2による検出に応じて出力される場合とで異なるコマンドが設定される。
【0086】
ステップS308において、主制御CPU60aは、主制御RAM60cに記憶した始動入賞情報に基づいて(各種乱数の値に基づいて)遊技内容を決定して特図変動表示を開始させる特図開始処理を実行する。また、主制御CPU60aは、主制御RAM60cにおける第1・第2始動入賞情報の記憶数(保留数)が「0」の状態では、デモ演出に関するデモ判定処理を実行する。
【0087】
特図開始処理(ステップS308)では、特図当り判定(大当り判定、小当り判定、特定変短判定等の抽せん)や、特図表示部Ma,Mbに停止表示させる特図の決定や、特図変動パターンの決定(特図変動時間決定処理)等が主制御CPU60aにより実行される。具体的に、特図開始処理において、主制御CPU60aは、特図変動表示の変動開始条件が成立したかを判定し、この変動開始条件が成立したと判定した場合に、主制御RAM60cに記憶されている始動入賞情報(複数ある場合は、最も早く記憶された始動入賞情報)を読み出す。そして、主制御CPU60aは、読み出した始動入賞情報が記憶された始動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(減算)する。次に、主制御CPU60aは、主制御ROM60bに記憶されている当否判定テーブルを参照し、読み出した始動入賞情報のうち特図当り判定用乱数の値がその当否判定テーブルの特図当り判定値と一致するか否かを判定する(特図当り判定)。すなわち、主制御CPU60aは、当否判定テーブルにより定められている大当り確率(通常時確率・確変時確率)で特図当り判定を実行する。そして、特図当り判定(大当り判定)がはずれの判定結果となった場合には、特図変動表示の結果として特図表示部Ma,Mbに停止表示する特図として、小当り図柄、特定変短図柄またははずれ図柄を決定する。一方、特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、特図変動表示の結果として特図表示部Ma,Mbに停止表示する大当り図柄を複数種類のうちから決定する。また、主制御CPU60aは、変動パターンテーブルを参照し、特図当り判定の判定結果等に応じて異なる選択肢のうちから特図変動パターンを決定する(特図変動時間決定処理)。そして、主制御CPU60aは、特図変動パターンを示す特図変動パターン指定コマンドと、特図(点灯態様)を示す特図指定コマンドとを、演出制御CPU65aへの出力用に設定する。
【0088】
デモ判定処理(ステップS308)では、前記デモ待機時間の計測を開始・終了するタイミングであるかを判定する。ここで、デモ待機時間の計測開始タイミングは、第1・第2始動入賞情報の保留数が何れも「0」の状態で、変動インターバル時間の計測を終了した時点となっている。そして、デモ待機時間の計測を開始するタイミングであれば、デモ待機時間を設定し、その計測を開始する。また、デモ待機時間の計測終了タイミングであれば、当該計測を終了すると共に、演出制御CPU65aにデモ演出の開始を指示する制御信号としてのデモコマンドを、演出制御CPU65aへの出力用に設定する。
【0089】
ステップS309において、主制御CPU60aは、遊技情報表示器Mの表示内容を制御する表示制御処理を実行する。例えば、前記特図変動時間を計測している期間に対応して、特図変動表示中であることを示す発光態様で特図表示部Ma,Mbを点灯および消灯制御(切替制御)する。また、前記特図変動時間の計測終了時点では、特図変動表示の終了タイミング(飾図変動表示の停止表示のタイミング)であることを示す停止コマンドを、演出制御CPU65aへの出力用に設定し、前述の特図開始処理(ステップS308)で決定された特図の発光態様で特図表示部Ma,Mbを点灯制御する。一方、特図変動時間を計測していない期間(大当り遊技状態中を含む)には、各表示部Ma,Mbの各々において、最も新しい特図変動表示の結果として停止表示した特図を示す態様での点灯制御を維持する。また、主制御CPU60aは、主制御RAM60cの対応する始動記憶領域に記憶された始動入賞情報の記憶数(保留数)が増減するタイミングで、特図保留表示部Mc,Mdでの保留表示(発光態様)を変更制御すると共に、変更した保留表示(発光態様)を次に記憶数が増減するまで維持させる。この他、主制御CPU60aは、主制御RAM60cに記憶される大当りフラグおよび変短フラグの何れかが「1」となっている状態に対応して、状態表示部Meを点灯状態とするように制御する。
【0090】
ステップS310において主制御CPU60aは、第2始動入賞口32aの開放制御を実行する。具体的に、主制御CPU60aは、普図当り判定の判定結果が当りとなったことに基づき、始動入賞ソレノイドSL1を駆動して始動用開閉部材32bを開放する(普図当り遊技を付与する)。
【0091】
ステップS311において、主制御CPU60aは、大当り遊技状態に関する制御を実行する。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技状態を付与する期間(大当りフラグの値が「1」とされる期間)において、ラウンド遊技の開始タイミング(オープニング演出の終了時点やラウンドインターバル時間の経過時点)である場合に、特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態から励磁状態に切り替える(特別用開閉部材33bを開放する)と共に開放コマンドを設定する。また、特別入賞検出センサSE3による規定入賞数のパチンコ球の検出または特電開放時間の経過を契機としてラウンド遊技の終了を決定し、特別入賞ソレノイドSL2を励磁状態から消磁状態に切り替える(特別用開閉部材33bを閉鎖する)と共に閉鎖コマンドを設定する。なお、特別入賞ソレノイドSL2の消磁状態・励磁状態を切り替えるタイミングがラウンド遊技の開始・終了タイミングと一致しているので、大当り遊技状態での開放コマンドは、ラウンド開始指定コマンドとして機能し、大当り遊技状態での閉鎖コマンドは、ラウンド終了指定コマンドとして機能する。なお、開放コマンドや閉鎖コマンドは、前述したコマンド入出力処理(ステップS301)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。
【0092】
ステップS312において、主制御CPU60aは、小当り遊技状態に関する制御を実行する。主制御CPU60aは、小当り遊技状態を付与する期間(小当りフラグの値が「1」とされる期間)において、特別入賞ソレノイドSL2の500msにわたる励磁状態を、1000msの小当り開放インターバル時間を挟んで3回発生させるよう制御する。この場合に主制御CPU60aは、大当り遊技状態と同様、特別入賞ソレノイドSL2の消磁状態・励磁状態を切り替えるタイミングで開放コマンド・閉鎖コマンドを設定する。そして、主制御CPU60aは、ステップS312の処理の終了後、タイマ割込処理を終了する。
【0093】
(演出制御基板65について)
次に、演出制御基板65について説明する。演出制御基板65には、
図3に示すように、制御処理を実行する演出制御CPU65a、該演出制御CPU65aが実行する制御プログラムを記憶する演出制御ROM65b、当該演出制御CPU65aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な演出制御RAM65c等が備えられている。演出制御CPU65aは、演出実行部としての図柄表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および可動体80等により実行される演出を統括的にコントロールするように構成されている。すなわち、演出制御CPU65aは、主制御CPU60a(遊技制御手段)からの制御信号に基づいて演出に関する制御処理を実行する演出制御手段として機能する。この演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cに記憶される各種乱数の値を演出制御CPU65aが所定の周期毎に更新して、更新後の値を演出制御RAM65cに記憶(設定)するようになっている。
【0094】
演出制御ROM65bには、飾図変動表示に関連する具体的な演出内容(演出パターン)が記憶されている。そして、演出制御CPU65aは、主制御基板60により出力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、飾図変動表示に関する演出内容(演出パターン)を複数種類のうちから決定する。演出制御CPU65aは、決定した演出パターンに応じた飾図変動表示・関連演出を図柄表示装置17に実行させるよう表示制御基板66へ制御信号(コマンド)を出力すると共に、スピーカ18の音声出力や、枠ランプ19等の発光や、可動体80の動作等をその決定した演出パターンに応じて制御する。
【0095】
ここで、演出制御ROM65bには、飾図変動表示の演出パターンとして、主制御CPU60aによる特図当り判定(大当り判定、小当り判定、特定変短判定)がはずれの判定結果となった場合の特図変動パターン指定コマンドに基づいて演出制御CPU65aが決定可能な複数種類のはずれ演出パターンと、特図当り判定(大当り判定、小当り判定)が当りの判定結果となった場合の特図変動パターン指定コマンドに基づいて演出制御CPU65aが決定可能な複数種類の当り演出パターンと、主制御CPU60aによる特図当り判定(大当り判定、小当り判定)がはずれの判定結果で、かつ特定変短判定が当りの判定結果となった場合の特図変動パターン指定コマンドに基づいて演出制御CPU65aが決定可能な複数種類の特定変短演出パターンとが記憶されている。具体的に、演出制御ROM65bには、はずれ演出パターンとして、特図変動パターン1に対応する通常はずれ演出パターン、特図変動パターン2に対応するはずれノーマルリーチ演出パターン、特図変動パターン3に対応するはずれ発展リーチA演出パターンおよびはずれ発展リーチB演出パターン、特図変動パターン4に対応するはずれ発展リーチC演出パターンが記憶されている。また、演出制御ROM65bには、当り演出パターンとして、特図変動パターン5に対応する当りノーマルリーチ演出パターン、特図変動パターン6に対応する当り発展リーチA演出パターンおよび当り発展リーチB演出パターン、特図変動パターン7に対応する当り発展リーチC演出パターンが記憶されている。また、演出制御ROM65bには、特定変短演出パターンとして、特図変動パターン8に対応する特定変短ノーマルリーチ演出パターン、特図変動パターン9に対応する特定変短発展リーチA演出パターンおよび特定変短発展リーチB演出パターン、特図変動パターン10に対応する特定変短発展リーチC演出パターンが記憶されている。これらのうち、通常はずれ演出パターンは、飾図によるリーチ図柄を形成しない飾図変動表示を行うもの(非リーチ演出パターン)であり、それ以外の演出パターンは、リーチ図柄を形成する飾図変動表示を特定するもの(リーチ演出パターン)である。リーチ演出パターンのうち当り・特定変短・はずれの各ノーマルリーチ演出パターンは、ノーマルリーチ演出に対応し、当り・特定変短・はずれの各発展リーチA演出パターンは、発展リーチA演出に対応し、当り・特定変短・はずれの各発展リーチB演出パターンは、発展リーチB演出に対応し、当り・特定変短・はずれの各発展リーチC演出パターンは、発展リーチC演出に対応する。なお、演出制御CPU65aによる当り・はずれの各演出パターンは、特図変動パターン1~7の決定確率に応じて、通常はずれ、ノーマルリーチ、発展リーチA,B、発展リーチCの順に演出への期待感(大当り表示となる確率)が高くなるように設定されている。また、演出制御CPU65aによる特定変短の各演出パターンは、特図変動パターン8~10の決定確率に応じて、ノーマルリーチ、発展リーチA,B、発展リーチCの順に演出への期待感(特定変短表示となる確率)が高くなるように設定されている。
【0096】
また、演出制御ROM65bには、大当り遊技状態中の演出(大当り演出)の具体的な演出内容(演出パターン)が記憶されている。そして、演出制御CPU65aは、主制御基板60により出力された大当り開始コマンドや小当り開始コマンド、開放コマンドや閉鎖コマンド等の制御信号(コマンド)に基づいて、大当り演出の演出内容(演出パターン)を複数種類のうちから決定する。演出制御CPU65aは、決定した演出パターンに応じた大当り演出(オープニング演出、ラウンド演出、インターバル演出、エンディング演出)を図柄表示装置17に実行させるよう表示制御基板66へ制御信号(コマンド)を出力すると共に、スピーカ18の音声出力や、枠ランプ19等の発光や、可動体80の動作等をその決定した演出パターンに応じて制御する。なお、大当り演出は通常、大当り遊技状態の種類(第1大当り~第5大当り)に応じて異なる種類が決定されるようになっているが、特定の種類の大当り遊技状態中に発生した電源断からの復電時においては例外的に、汎用演出が実行される場合がある(後述する)。
【0097】
(演出モード)
また、演出制御CPU65aは、複数種類の演出モードを生起可能であり、演出モード毎に、飾図変動表示中の演出の内容(飾図の表示態様や背景画像の態様等)や決定頻度等を異ならせるように構成されている(演出モード毎に演出傾向を変更可能である)。このため、遊技者は、図柄表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および可動体80等の演出態様により、どの演出モードであるかを把握することができる。具体的に、実施例では、演出制御CPU65aが設定可能な演出モードとして、「通常モード」、「変短モード」、「確変モード」および「秘匿モード」がある。そして、演出制御CPU65aは、第3大当り(図柄C,c)の後の低確高ベース状態および特定変短遊技状態を「変短モード」とし、第4大当り(図柄D,d)および第5大当り(図柄E,e)の後の高確高ベース状態を「確変モード」とすると共に、第1大当り(図柄A,a)および第2大当り(図柄B,b)の後における50回の飾図変動表示が終了するまでの低ベース状態(低確低ベース状態か高確低ベース状態)を「秘匿モード」として、これらの各モードの終了後に「通常モード」に移行するよう制御する。すなわち、通常モード以外の演出モード(変短モード、確変モード、秘匿モード)は、遊技者の期待感を高めるためのチャンスモードである。
【0098】
なお、「秘匿モード」として複数種類(秘匿1~3の3種類)があり、低確低ベース状態および高確低ベース状態の何れであるかに応じて異なる確率で決定されるようになっている。具体的に、低確低ベース状態への移行に応じた演出モードの決定確率は「秘匿1」が最も高くなっており、高確低ベース状態への移行に応じた演出モードの決定確率は「秘匿3」が最も高くなっている。すなわち、「秘匿モード」の場合に遊技状態が高確低ベース状態であることへの期待度は、「秘匿3」が最も高く、「秘匿2」、「秘匿1」の順に低くなる。
【0099】
演出制御RAM65cでは、各演出モード(変短モード、確変モードおよび3種類の秘匿モード)と1対1で対応する複数種類の演出モードフラグの状態(「0」か「1」)が記憶され、値が「1」に設定されている演出モードフラグに対応した演出モードに応じた演出制御を演出制御CPU65aが実行するようになっている。具体的には、第1大当りおよび第2大当りの何れかの終了タイミング(大当り終了コマンドの入力時)には、「秘匿モード」を3種類(秘匿1~3)から抽せんにより決定し、決定した種類の「秘匿モード」に対応する秘匿モードフラグの値を「0」から「1」に変更する。また、第3大当りの終了タイミング(大当り終了コマンドの入力時)および特定変短判定が当りとなった当りタイミング(特定変短当りコマンドの入力時)には、「変短モード」に対応する変短モードフラグの値を「0」から「1」に変更する。更に、第4大当りおよび第5大当りの何れかの終了タイミング(大当り終了コマンドの入力時)には、「確変モード」に対応する確変モードフラグの値を「0」から「1」に変更する。
【0100】
また、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後における主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンドの入力回数に応じて、その大当り遊技状態の終了後の演出モードでの飾図変動表示(特図変動表示)の合計変動回数を計数し、その合計変動回数に対応する計数値を演出制御RAM65cに記憶させる。そして、上限回数目(実施例では50回目)の特図変動パターン指定コマンドに対応する飾図変動表示の終了に応じて、値が「1」になっている演出モードフラグを「0」に変更し、対応の演出モードを終了させるように制御を行う。また、演出制御CPU65aは、特定変短当りコマンドの入力後における主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンドの入力回数に応じて、変短モードでの飾図変動表示(特図変動表示)の合計変動回数を計数し、その合計変動回数に対応する計数値を演出制御RAM65cに記憶させる。そして、上限回数目(実施例では100回目または200回目)の特図変動パターン指定コマンドに対応する飾図変動表示の終了に応じて、値が「1」になっている変短モードフラグを「0」に変更し、変短モードを終了させるように制御を行う。
【0101】
(表示制御基板66について)
次に、表示制御基板66について説明する。表示制御基板66には、
図3に示すように、制御処理を実行する表示制御CPU66a、該表示制御CPU66aが実行する制御プログラムを記憶する表示制御ROM66b、当該表示制御CPU66aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な表示制御RAM66c等が備えられている。表示制御CPU66aには、図柄表示装置17が接続されている。そして、表示制御ROM66bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。この表示制御ROM66bには、各種の演出に関する各種の画像データ(図柄、背景画像、文字やキャラクタなどの画像データ)が記憶されていると共に、エラー報知に関する各種の画像データが記憶されている。また、表示制御RAM66cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)される。
【0102】
(補助画像表示領域53について)
次に、表示画面17aに設定される補助画像表示領域53について、
図4、
図9~
図11等を参照しながら説明する。
【0103】
図4に示すように、表示画面17aの右縁部には、飾図表示領域50や第1・第2保留表示領域51,52での表示内容に対応する補助的な情報(第1補助情報表示)を表示する領域(第1補助情報表示領域)として、補助画像表示領域53が設定されている。この補助画像表示領域53には、
図9(a)および
図9(b)に示すように、複数の補助表示部(具体的には、飾図補助図柄表示部53a(第2情報表示部)、第1・第2補助図柄表示部53b,53c(第2情報表示部)、第1・第2補助保留表示部53d,53eが設けられている。
【0104】
(飾図補助図柄表示部53a)
補助画像表示領域53の飾図補助図柄表示部53aは、表示する飾図補助図柄(第1補助情報表示、第2情報表示)により、前述した飾図表示領域50(飾図エリア50a,50b,50c)に表示される飾図と共通の情報(大当り判定、小当り判定、特定変短判定の結果)を示す表示部である。この飾図補助図柄表示部53aでは、左右方向に並ぶ3つの分割領域で、飾図補助図柄を配列順に切り替える変動表示が行われ、各領域には最終的に飾図補助図柄が1つずつ停止表示される。なお、
図10に示すように、飾図補助図柄は、前述した飾図エリア50a,50b,50cに表示される飾図と同様、「1」~「7」の数字を表す各飾図補助図柄を数字順に並べ、この数字を表す各飾図補助図柄の間にブランク図柄(星形状)が位置する配列で図柄群を構成している。
【0105】
飾図補助図柄表示部53aでの飾図補助図柄の変動表示は、前述した飾図表示領域50における飾図の変動表示の開始(変動開始条件の成立)・終了(変動開始条件の成立)タイミングと同時に開始・終了する。そして、飾図補助図柄表示部53aには、飾図表示領域50に停止表示される飾図の組み合わせに対応する飾図補助図柄の組み合わせが停止表示されるようになっている。例えば、飾図表示領域50に大当り表示である「5」・「5」・「5」の組み合わせが表示される場合には、対応的に大当り表示である「5」・「5」・「5」の組み合わせが飾図補助図柄表示部53aにも表示される。また例えば、飾図表示領域50に小当り表示である「3」・「(星)」・「3」の組み合わせが表示される場合には、対応的に小当り表示である「3」・「(星)」・「3」の組み合わせが飾図補助図柄表示部53aにも表示される。また、飾図表示領域50に特定変短表示である「1」・「2」・「3」の組み合わせが表示される場合には、対応的に特定変短表示である「1」・「2」・「3」の組み合わせが飾図補助図柄表示部53aにも表示される。はずれ表示の場合も同様に、例えば飾図表示領域50に「2」・「4」・「6」の組み合わせが表示される場合には、飾図補助図柄表示部53aにも「2」・「4」・「6」の組み合わせが表示される。そして、停止表示された飾図補助図柄の組み合わせにより、特図当り判定(大当り判定や小当り判定や特定変短判定)の結果が報知される。なお、飾図補助図柄表示部53aに表示されるはずれ表示は、大当り表示、小当り表示および特定変短表示における数字やブランク図柄(星)の組み合わせとは異なる組み合わせとなるよう構成される。すなわち、特定変短判定で当りとなることで付与される特定変短は、大当り判定や小当り判定でははずれの結果であるものの、飾図表示領域50に停止表示されるはずれ表示の表示態様とは異なるよう構成されている。
【0106】
(第1・第2補助図柄表示部53b,53c)
補助画像表示領域53の第1および第2補助図柄表示部53b,53cは、表示する第1および第2補助図柄(第1補助情報表示、第2情報表示)により、前述した飾図表示領域50(飾図エリア50a,50b,50c)に表示される飾図と共通の情報(大当り判定や小当り判定および特定変短判定の結果)を示す表示部である。
図9(a)および
図9(b)に示すように、第1および第2補助図柄表示部53b,53cは夫々、「0」~「9」の数字を表す各補助図柄を数字順に配列した図柄群を変動表示および停止表示する1つの領域からなり、補助図柄の図柄群を配列順に切り替える変動表示が行われ、そのうちの1つの補助図柄が最終的に停止表示されるようになっている。第1補助図柄表示部53bでは、第1始動入賞口31aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示の実行期間(第1特図変動表示の実行期間)に対応して第1補助図柄の変動表示が行われる。また、第2補助図柄表示部53cでは、第2始動入賞口32aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示の実行期間(第2特図変動表示の実行期間)に対応して第2補助図柄の変動表示が行われる。第1および第2補助図柄表示部53b,53cでの第1および第2補助図柄の変動表示は、前述した飾図表示領域50における飾図の変動表示の開始(変動開始条件の成立)・終了(変動開始条件の成立)タイミングと同時に開始・終了する。
【0107】
ここで、飾図表示領域50に大当り表示である飾図の組み合わせが表示される場合、その飾図の組み合わせに対応する第1または第2補助図柄が第1または第2補助図柄表示部53b,53cに停止表示されるようになっている。
図10に示すように、例えば、第1始動入賞口31aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示の結果として、飾図表示領域50に「1」・「1」・「1」の飾図の組み合わせからなる大当り表示が表示される場合には、対応的に「1」の第1補助図柄が大当り表示として第1補助図柄表示部53bに表示される。また例えば、第2始動入賞口32aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示の結果として、飾図表示領域50に「5」・「5」・「5」の飾図の組み合わせからなる大当り表示が表示される場合には、対応的に「5」の第2補助図柄が大当り表示として第2補助図柄表示部53cに表示される。
【0108】
但し、第1および第2補助図柄表示部53b,53cに表示される小当り表示、特定変短表示およびはずれ表示は夫々1種類のみとなっている(
図10参照)。具体的には、第1および第2補助図柄表示部53b,53cに表示される小当り表示として「8」が設定されると共に、特定変短表示として「9」が設定され、はずれ表示として「0」が設定されている。このため、例えば、第1または第2始動入賞口31a,32aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示の結果として、飾図表示領域50に飾図がどのような飾図の組み合わせの小当り表示として表示されても、対応する第1または第2補助図柄表示部53b,53cには小当り表示として「8」の第1または第2補助図柄が表示される。同様に、第1または第2始動入賞口31a,32aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示の結果として、飾図表示領域50に飾図がどのような飾図の組み合わせの特定変短表示として表示されても、対応する第1または第2補助図柄表示部53b,53cには特定変短表示として「9」の第1または第2補助図柄が表示される。また、はずれ表示の場合も同様に、飾図表示領域50に飾図がどのような飾図の組み合わせのはずれ表示として表示されても、対応する第1または第2補助図柄は「0」のはずれ表示で表示される。すなわち、第1・第2補助図柄表示部53b,53cに表示されるはずれ表示は、大当り表示、小当り表示および特定変短表示で用いられる数字とは異なる(表示態様が異なる)数字が用いられる。
【0109】
(第1・第2補助保留表示部53d,53e)
補助画像表示領域53の第1および第2補助保留表示部53d,53eには、始動入賞コマンドによって主制御CPU60aから演出制御CPU65aに伝達される保留数(特図当り判定の待機(保留)数、始動入賞情報の保留数)を示す補助保留表示(第1補助情報表示)が表示される。すなわち、第1補助保留表示部53dでは、第1保留表示領域51や特1補助保留表示部35cで示される保留数(第1始動入賞口31aへの始動入賞に基づく飾図変動表示の保留数)と同じ保留数を示す補助保留表示が表示され、第2補助保留表示部53eでは、第2保留表示領域52や特2補助保留表示部35dで示される保留数(第2始動入賞口32aへの始動入賞に基づく飾図変動表示の保留数)と同じ保留数を示す補助保留表示が表示される。但し、第1および第2補助保留表示部53d,53eは、
図9に示すように、補助保留表示において保留数を「0」から「4」までの数値により表示する点が、前述した第1および第2保留表示領域51,52や特1補助保留表示部35cおよび特2補助保留表示部35dとは異なっている。
【0110】
ここで、飾図補助図柄表示部53aで変動表示される飾図補助図柄(第2情報表示)の変動態様(表示態様)は、前記飾図表示領域50で変動表示される飾図(第1情報表示)の変動態様(表示態様)とは異なるよう構成されている。例えば、飾図補助図柄では、数字の切り替え速度を、飾図の切り替え速度より高速としたり、飾図補助図柄では、一定速で数字の切り替えを行うのに対し、飾図は切り替え速度を変化させる等により、両者の変動態様を異ならせている。これに対し、大当り判定、小当り判定または特定変短判定で当りの場合(第1制御部の抽せんの結果が当りの場合)に、飾図補助図柄表示部53aに停止表示された飾図補助図柄(第2情報表示)の表示態様と、飾図表示領域50に停止表示された飾図(第1情報表示)の表示態様とは、
図10に示す如く、同じ有利度(大当りの種類や特定変短の種類等)を示す表示態様となるよう構成されている。また、補助画像表示領域53の飾図補助図柄表示部53aに表示される飾図補助図柄、第1および第2補助図柄表示部53b,53cに表示される第1および第2補助図柄、 第1および第2補助保留表示部53d,53eに表示される補助保留表示の各表示態様(サイズ、形状、色等)は、前記演出モードの種類によらず共通となるよう構成されている。
【0111】
また、飾図表示領域50では、飾図の変動中は、当該飾図が変動中であることを、図柄列を切り替えることで示す表示態様としているのに対し、飾図補助図柄表示部53aでは、飾図補助図柄の変動中は、当該飾図補助図柄が変動中であることを、図柄列を飾図より高速で切り替える等して異なる表示態様としており、飾図および飾図補助図柄が変動中であることを示す表示態様は異なる。また、前記特1補助図柄表示部35aおよび特2補助図柄表示部35bでは、第1補助図柄および第2補助図柄の変動中は、当該第1補助図柄および第2補助図柄が変動中であることを、LEDを点滅することで示す表示態様としており、第1・第2補助図柄が変動中であることを示す表示態様は、飾図および飾図補助図柄が変動中であることを示す表示態様とは異なっている。すなわち、飾図(第1情報表示)、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第3情報表示)は、変動中であることを示す表示態様が夫々異なるよう構成されている。
【0112】
(遊技形態画像表示部53f)
補助画像表示領域53の遊技形態画像表示部53fは、前述した遊技形態点灯表示部35eと同様、発射位置指定コマンドによって主制御CPU60aから演出制御CPU65aに伝達される情報(発射位置情報)を表示する補助表示部である。具体的に、遊技形態画像表示部53fは、遊技領域20aの第2球流下経路21bにパチンコ球を導く遊技形態(右打ち形態)で遊技を行うことが遊技者にとって有利となる場合に、
図9(b)に示すように「右打」と表記された矢印画像(後述する補助報知)が表示され、遊技領域20aの第1球流下経路21aにパチンコ球を導く遊技形態(左打ち形態)で遊技を行うことが遊技者にとって有利となる場合には、前記矢印画像が非表示となる(
図9(a)参照)よう制御される。すなわち、遊技形態画像表示部53fは、第1・第2球流下経路21a,21bのどちらにパチンコ球を導くように遊技すれば遊技者にとって有利であるかを把握可能に表示するものであり、当該遊技形態画像表示部53fに表示される前記矢印画像により、大当り遊技状態および高ベース状態(変短状態)の何れかであることが報知されるようになっている。
【0113】
(飾図および各補助図柄により把握可能な情報について)
演出制御CPU65a(表示制御CPU66a)は、主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンド等の制御信号に基づき、飾図表示領域50での飾図に関する表示制御と、補助画像表示領域53および補助点灯表示領域35での複数種類の補助図柄に関する表示制御とを実行する。各補助図柄は、飾図(演出情報表示、第1情報表示)に対する補助的な表示(補助情報表示)であり、特図当り判定の結果を報知する点で飾図と共通である一方、飾図よりも遊技者に示す情報数(情報量)が少ない(飾図よりも簡略な)表示態様で表示される。以下、
図11を参照し、遊技者が飾図から把握可能な情報と、遊技者が補助図柄(飾図補助図柄、第1補助図柄および第2補助図柄、特1補助図柄および特2補助図柄)から把握可能な情報との共通点および相違点について説明する。
【0114】
前述のように、飾図による大当り表示、小当り表示、特定変短表示およびはずれ表示は夫々、複数種類の飾図(数字)によって構成され得る。そして、遊技者は、その大当り表示の種類に応じて(3つ揃いの各飾図が奇数を表す飾図か否か等により)、その直後に付与される大当り遊技状態の種類(ラウンド遊技の回数)やその大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を推測することができる。また、遊技者は、特定変短表示の種類に応じて(飾図の組み合わせが「1」・「2」・「3」か「4」・「5」・「6」かにより)、その直後に付与される特定変短遊技状態での変短回数を推測することができる。実施例では、第1特定変短が付与される場合に、飾図の組み合わせが「1」・「2」・「3」となり、第2特定変短が付与される場合に、飾図の組み合わせが「4」・「5」・「6」となる場合を挙げている。この他、飾図は、飾図変動表示中、リーチ図柄を示す態様で表示されることがあり、リーチ図柄が表示されるタイミングでリーチ演出が開始されるようになっている。すなわち、遊技者は、リーチ状態であるか否かを飾図変動表示中の飾図から把握することができる。
【0115】
飾図補助図柄表示部53aには、3つの飾図補助図柄の組み合わせが、前記飾図表示領域50での3つの飾図と同じ数字(またはブランク図柄)の組み合わせで停止表示される。すなわち、遊技者は、飾図によって示される、大当りか否か、小当りか否か、大当り表示の種類、小当り表示の種類、特定変短判定が当りか否か、特定変短表示の種類およびはずれ表示の種類といった図柄情報を、当該飾図と同じタイミングで停止表示される飾図補助図柄からも把握可能である。但し、飾図補助図柄は、リーチ状態を示す態様で表示されることがなく(飾図変動表示の開始から終了まで変動状態を維持する)、飾図補助図柄の表示態様からリーチ状態であるか否かを把握し得ない。
【0116】
第1補助図柄表示部53bには、大当り表示として、前記飾図表示領域50での3つの飾図(同じ数字を表す)と同じ数字(「1」~「7」の何れか)を表す1つの第1補助図柄が停止表示され、小当り表示として、飾図表示領域50では表示しない「8」の数字を表す1つの第1補助図柄が停止表示され、特定変短表示として、飾図表示領域50では表示しない「9」の数字を表す1つの第1補助図柄が停止表示され、はずれ表示として、飾図表示領域50では表示しない「0」の数字を表す1つの第1補助図柄が停止表示される。すなわち、遊技者は、飾図によって示される、大当りか否か、小当りか否か、大当り表示の種類、特定変短判定で当ったか否かおよび特定変短表示の種類といった図柄情報を、当該飾図と同じタイミングで停止表示される第1補助図柄からも把握可能である。一方で、第1補助図柄の小当り表示、特定変短表示およびはずれ表示は夫々1種類のみが設定されており、飾図によって示される小当り表示の種類、特定変短表示の種類およびはずれ表示の種類については、第1補助図柄による小当り表示、特定変短表示やはずれ表示から把握し得ないようになっている。また、第1補助図柄は、飾図変動表示の開始から終了まで変動状態を維持するように表示され、飾図変動表示中に当該第1補助図柄の表示態様からリーチ状態であるか否かを把握し得ないようになっている。なお、第2補助図柄表示部53cにおける第2補助図柄の表示は第1補助図柄と同様であり、遊技者は、停止表示される第2補助図柄から、飾図によって示される、大当りか否か、小当りか否か、大当り表示の種類、特定変短判定で当ったか否かおよび特定変短表示の種類といった図柄情報を得ることができる。第1補助図柄は、第1および第2始動入賞口31a,32aのうち第1始動入賞口31aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示(第1特図変動表示)に対応して変動表示および停止表示される。第2補助図柄は、第2始動入賞口32aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示(第2特図変動表示)に対応して変動表示および停止表示される。すなわち、第1・第2補助図柄のどちらが変動表示されているかにより、遊技者は飾図変動表示が第1・第2始動入賞口31a,32aのどちらへの始動入賞を契機とするものであるかを把握し得る。
【0117】
特1補助図柄表示部35aには、2つのLEDの点灯状態によって大当り表示の特1補助図柄が表示され、一方のLEDが点灯し他方のLEDが消灯する状態によって小当り表示の特1補助図柄が表示され、他方のLEDが点灯し一方のLEDが消灯する状態によって特定変短表示の特1補助図柄が表示され、2つのLEDの消灯状態によってはずれ表示の特1補助図柄が表示される。すなわち、遊技者は、飾図によって示される、大当りか否か、小当りか否かおよび特定変短判定で当ったか否かといった図柄情報を、当該飾図と同じタイミングで停止表示される特1補助図柄からも把握可能である。一方で、特1補助図柄は、大当り表示、小当り表示、特定変短表示およびはずれ表示が夫々1種類のみ設定されており、飾図によって示される大当り表示の種類や小当り表示の種類や特定変短表示の種類やはずれ表示の種類については特1補助図柄から把握し得ないようになっている。また、第1補助図柄は、飾図変動表示の開始から終了まで変動状態(点滅状態)が維持され、飾図変動表示中に当該第1補助図柄の表示態様からリーチ状態であるか否かを把握し得ないようになっている。なお、特2補助図柄表示部35bにおける特2補助図柄の表示は特1補助図柄と同様であり、遊技者は、停止表示される特2補助図柄から、飾図によって示される、大当りか否か、小当りか否か、特定変短判定で当ったか否かといった図柄情報を得ることができるが、大当り表示の種類や特定変短表示の種類などやリーチ状態であるか否かを把握し得ない。特1補助図柄は、第1および第2始動入賞口31a,32aのうち第1始動入賞口31aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示(第1特図変動表示)に対応して変動表示および停止表示される。特2補助図柄は、第2始動入賞口32aへの始動入賞を契機とする飾図変動表示(第2特図変動表示)に対応して変動表示および停止表示される。すなわち、特1・特2補助図柄のどちらが変動表示されているかにより、遊技者は飾図変動表示が第1・第2始動入賞口31a,32aのどちらへの始動入賞を契機とするものであるかを把握し得る。
【0118】
実施例では、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口32aへの始動入賞を契機として変動表示および停止表示される第1情報表示としての飾図により把握可能な情報は、大当りか否か、小当りか否かおよび特定変短判定で当ったか否かといった当否情報と、大当り表示の種類、小当り表示の種類、特定変短表示の種類およびはずれ表示の種類といった種類情報と、リーチ状態か否かといったリーチ情報である。これに対し、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口32aへの始動入賞を契機として変動表示および停止表示される第2情報表示としての飾図補助図柄および第1・第2補助図柄により把握可能な情報は、大当りか否か、小当りか否かおよび特定変短判定で当ったか否かといった当否情報と、大当り表示の種類、小当り表示の種類、特定変短表示の種類およびはずれ表示の種類といった種類情報であり、リーチ状態か否かといったリーチ情報は把握できない。また、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口32aへの始動入賞を契機として変動表示および停止表示される第3情報表示としての特1・特2補助図柄により把握可能な情報は、大当りか否か、小当りか否かおよび特定変短判定で当ったか否かといった当否情報であり、大当り表示の種類、小当り表示の種類、特定変短表示の種類およびはずれ表示の種類といった種類情報およびリーチ状態か否かといったリーチ情報は把握できない。すなわち、飾図(第1情報表示)と、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)と、特1・特2補助図柄(第3情報表示)との変動開始から停止までの特定期間において各情報表示が示す情報量は、特1・特2補助図柄(第3情報表示)より飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)の方が多く、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)より飾図(第1情報表示)の方が多くなるよう設定されている。
【0119】
ここで、飾図の変動中には、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)と、特1・特2補助図柄(第3情報表示)とは、何れも補助図柄の図柄群を切り替える変動表示によって、飾図変動中である共通する図柄情報を示す。これに対し、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)が停止表示された時に示す情報は、大当りか否か、小当りか否かおよび特定変短判定で当ったか否かといった当否情報と、大当り表示の種類、小当り表示の種類、特定変短表示の種類およびはずれ表示の種類といった種類情報であり、特1・特2補助図柄(第3情報表示)が停止表示された時に示す情報は、大当りか否か、小当りか否かおよび特定変短判定で当ったか否かといった当否情報のみである。すなわち、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)が停止表示された時に示す情報と、特1・特2補助図柄(第3情報表示)が停止表示された時に示す情報とは異なるよう構成されている。
【0120】
(保留表示および各補助保留表示により把握可能な情報について)
演出制御CPU65a(表示制御CPU66a)は、主制御CPU60aからの始動入賞コマンド等の制御信号に基づき、第1・第2保留表示領域51,52での保留表示に関する表示制御と、補助画像表示領域53および補助点灯表示領域35での複数種類の補助保留表示に関する表示制御とを実行する。そして、遊技者は、保留表示および各補助保留表示から共通の情報として、飾図変動表示の保留数に関する保留情報を得ることができる。但し、第1・第2保留表示領域51,52で表示される保留表示が保留画像の表示数により保留数を報知するものであるのに対し、補助画像表示領域53で表示される補助保留表示は、数値の表示により保留数を報知し、補助点灯表示領域35は、保留数の上限数よりも少ないLEDの点灯・消灯の組み合わせにより保留数を報知する。
なお、第1・第2保留表示領域51,52に表示される保留表示、補助画像表示領域53に表示される補助保留表示および補助点灯表示領域35に表示される補助保留表示から把握される情報は共通であり、第1・第2保留表示領域51,52に表示される保留表示を第1情報表示に含め、補助画像表示領域53に表示される補助保留表示を第2情報表示に含め、補助点灯表示領域35に表示される補助保留表示を第3情報表示に含めたとしても、その情報量は、第1情報表示>第2情報表示>第3情報表示となっている。
【0121】
(飾図、保留表示、補助図柄および補助保留表示の表示・非表示等について)
飾図表示領域50は、表示画面17aでの所定の表示演出の実行に伴って飾図変動表示が非表示の状態(非報知状態)となったり、表示画面17a前方での可動体80の動作に伴って飾図変動表示が視認し難い状態(報知制限状態、視認制限状態)となったりする場合がある。また、第1・第2保留表示領域51,52も同様であり、表示画面17aでの所定の表示演出の実行に伴って保留表示が非表示の状態(非報知状態)となったり、表示画面17a前方での可動体80の動作に伴って保留表示が視認し難い状態(報知制限状態、視認制限状態)となったりする場合がある。これらの場合、遊技者は、飾図表示領域50の表示から飾図変動表示中であるか否か等の情報(図柄情報)を把握し得なくなり、第1・第2保留表示領域51,52の表示から飾図変動表示の保留数等の情報(保留情報)を把握し得なくなる。そこで、飾図表示領域50の飾図が非報知状態または報知制限状態となる期間には、別の表示領域で、飾図表示領域50で表示される飾図と共通の情報(図柄情報)を示す補助図柄が、明確に視認できる状態(報知状態)に維持されるようにしている。また、第1・第2保留表示領域51,52の保留表示が非報知状態または報知制限状態となる期間には、別の表示領域で、第1・第2保留表示領域51,52に表示される保留表示と共通の情報(保留情報)を示す補助的な保留表示(補助保留表示)が、明確に視認できる状態(報知状態)に維持されるようにしている。
【0122】
飾図表示領域50での飾図変動表示と、第1・第2保留表示領域51,52での保留表示とが非報知状態または報知制限状態となる場合としては、発展リーチ演出を含む飾図変動表示に対応するリーチ演出パターン(発展リーチA演出パターン、発展リーチB演出パターンおよび発展リーチC演出パターン)が決定された場合がある。すなわち、飾図表示領域50での飾図変動表示や第1・第2保留表示領域51,52での保留表示は、発展リーチA演出、発展リーチB演出および発展リーチC演出の実行期間中に、非報知状態または報知制限状態となる。そこで、発展リーチ演出を含む飾図変動表示の実行期間における飾図、補助図柄および保留表示の状態について、
図12、
図13および
図14を参照して以下に説明する。なお、ノーマルリーチ演出パターンに対応する飾図変動表示では、ノーマルリーチ演出(第1演出)の実行期間(第1期間)にも飾図表示領域50での飾図変動表示および第1・第2保留表示領域51,52での保留表示の報知状態が夫々維持され、非報知状態や報知制限状態となることはない。
【0123】
図12(a)に示すように、発展リーチA演出パターンに基づいて実行される飾図変動表示は、飾図表示領域50の左右の飾図エリア50a,50cに飾図が停留表示(仮停止表示)されるまでの非リーチ期間と、リーチ状態が開始されてから飾図が停止表示(確定停止表示)されるまでのリーチ期間とを有する。リーチ期間は、非リーチ期間と同じ背景画像を維持して演出(共通演出)を行う共通演出期間と、飾図の背後の背景画像を特有の背景画像としたもとで発展リーチA演出(第2演出)を行う発展リーチA演出期間(第2期間)とを有する。ここで、
図13(a)は、発展リーチA演出期間における表示画面17aの表示内容等を示したものである。表示画面17aの飾図表示領域50では、左右の飾図エリア50a,50cに「5」のリーチ図柄が停留表示され、中央の飾図エリア50bの飾図の図柄群は変動している。また、第1保留表示領域51には、第1始動入賞口31aへの始動入賞に基づく飾図変動表示の保留数が「2」であることを示す保留表示(2つの保留画像)が表示され、第2保留表示領域52には、第2始動入賞口32aへの始動入賞に基づく飾図変動表示の保留数が「0」であることを示す保留表示(保留画像なし)が表示されている。なお、飾図変動表示は第2特図変動表示に対応しており、第1特図変動表示は実行されていない。
【0124】
ここで、発展リーチA演出では、可動体80が待機位置80Aと動作位置80Bとの間を往復移動する動作演出が実行される。この動作演出は、可動体80が飾図表示領域50の前方の動作途中位置80Cを通過するものであり、飾図表示領域50に表示される飾図の視認性が、可動体80との重なりによって低下する。また、可動体80が動作位置80Bに到達した際には、第1・第2保留表示領域51,52に表示される保留表示の視認性が、可動体80との重なりによって低下する。すなわち、発展リーチA演出期間には、飾図表示領域50の飾図変動表示および第1・第2保留表示領域51,52の保留表示が報知制限状態となる。これに対し、補助画像表示領域53および補助点灯表示領域35については、発展リーチA演出期間中に表示制御が継続され、可動体80の背後に重なることもない。すなわち、
図12(a)、
図13(b)および
図13(c)に示すように、発展リーチA演出期間において、飾図補助図柄、第1補助図柄、第2補助図柄、特1補助図柄および特2補助図柄の変動表示が報知状態に維持され、飾図変動表示中であることが報知される。また、第1補助保留表示部53d、第2補助保留表示部53e、特1補助保留表示部35cおよび特2補助保留表示部35dでの補助保留表示が報知状態に維持され、飾図変動表示の保留数が報知される。
【0125】
図12(b)に示すように、発展リーチB演出パターンに基づいて実行される飾図変動表示は、非リーチ期間およびリーチ期間を有し、リーチ期間は、非リーチ期間と同じ背景画像を維持して演出(共通演出)を行う共通演出期間と、発展リーチB演出(第2演出)を行う発展リーチB演出期間(第2期間)とを有する。ここで、
図14(a)は、発展リーチB演出期間における表示画面17aの表示内容等を示したものである。発展リーチB演出は、可動体80の動作演出を含まないが、表示画面17aの表示領域の略全体を用いた表示演出を行うものとなっている。具体的には、表示画面17aにおける飾図表示領域50(飾図エリア50a,50b,50c)および第1・第2保留表示領域51,52を含む表示領域に、発展リーチB演出として2人の人物が格闘を行うアニメーションが表示される。すなわち、発展リーチB演出期間には、飾図エリア50a,50b,50cでの飾図変動表示が非報知状態となると共に、第1・第2保留表示領域51,52での保留表示が非報知状態となる。これに対し、補助画像表示領域53および補助点灯表示領域35については、発展リーチB演出期間中に表示制御が継続される。すなわち、発展リーチB演出期間には、
図12(b)に示すように、飾図補助図柄、第1補助図柄、第2補助図柄、特1補助図柄および特2補助図柄の変動表示が報知状態に維持され、飾図変動表示中であることが報知されると共に、第1補助保留表示部53d、第2補助保留表示部53e、特1補助保留表示部35cおよび特2補助保留表示部35dでの補助保留表示が報知状態に維持され、飾図変動表示の保留数が報知される(
図13(b)および
図13(c)の表示内容となる)。
【0126】
図12(c)に示すように、発展リーチC演出パターンに基づいて実行される飾図変動表示は、非リーチ期間およびリーチ期間を有し、リーチ期間は、非リーチ期間と同じ背景画像を維持して演出(共通演出)を行う共通演出期間と、発展リーチC演出(第3演出)を行う発展リーチC演出期間(第3期間)とを有する。ここで、
図14(b)は、発展リーチC演出期間における表示画面17aの表示内容等を示したものである。発展リーチC演出は、可動体80の動作演出を行い、その後に、表示画面17aの表示領域全体を非表示化(ブラックアウト)する表示演出を行うものとなっている。従って、発展リーチC演出期間の前半期間(可動体80の動作演出中)には、飾図エリア50a,50b,50cでの飾図変動表示が報知制限状態となると共に、第1・第2保留表示領域51,52での保留表示が報知制限状態となる。そして、発展リーチC演出期間の後半期間(ブラックアウト中)には、飾図エリア50a,50b,50cでの飾図変動表示が非報知状態となると共に、第1・第2保留表示領域51,52での保留表示が非報知状態となる。また、発展リーチB演出によるブラックアウトは補助画像表示領域53を含む表示画面17a全体で行われるため、発展リーチC演出期間の後半期間には、
図12(c)および
図14(b)に示すように、補助画像表示領域53で表示可能な飾図補助図柄、第1補助図柄、第2補助図柄および補助保留表示も非報知状態となる。しかしながら、補助点灯表示領域35については、発展リーチC演出期間中に表示制御が継続される。すなわち、発展リーチC演出期間には、
図12(c)に示すように、特1補助図柄および特2補助図柄の変動表示が報知状態に維持され、飾図変動表示中であることが報知される。また、特1補助保留表示部35cおよび特2補助保留表示部35dでの補助保留表示が報知状態に維持され、飾図変動表示の保留数が報知される。
【0127】
この他、大当り演出(第3演出)が行われる大当り遊技状態(第3期間)中や、小当り演出(第3期間)が行われる小当り遊技状態(第3期間)中や、後述する高順位異常報知中や、後述する復電時の変動復帰前表示(
図18(b)参照)中にも、発展リーチC演出期間と同様、飾図表示領域50での飾図、第1・第2保留表示領域51,52での保留表示、補助画像表示領域53での補助図柄や補助保留表示等が夫々非報知状態となる一方、補助点灯表示領域35での補助図柄や補助保留表示等については報知状態が維持される。なお、発展リーチA演出、発展リーチB演出および発展リーチC演出の終了時点では、飾図表示領域50に停止表示される第1情報表示である飾図、補助画像表示領域53に停止表示される第2情報表示である飾図補助図柄および第1・第2補助図柄、補助点灯表示領域35に停止表示される第3情報表示である特1・特2補助図柄は、相互に重なることなく何れも認識可能な報知状態となっている。
【0128】
ここで、大当り表示が表示される可能性を示唆する演出として、図柄表示装置17に飾図変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われる前記リーチ演出や、1回の飾図組合せ演出において各飾図エリア50a,50b,50cの飾図を複数回連続的に仮停止させる擬似連続予告演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)等が設けられている。そして、リーチ演出や擬似連続予告演出等のように、飾図エリア50a,50b,50cに表示される少なくとも一部の飾図(表示)を仮停止する仮停止期間が設けられている演出において、該仮停止期間では、第1情報表示である飾図の一部が仮停止しているのに対し、第2情報表示である飾図補助図柄や第1・第2補助図柄は、変動表示が報知状態に維持されており、該飾図補助図柄や第1・第2補助図柄によって飾図変動表示中であることの情報(図柄情報)を把握し得る。すなわち、前記可動体80の動作演出や特定の表示演出(格闘を行うアニメーションやブラックアウト等)が実行される場合のように、飾図エリア50a,50b,50cでの飾図変動表示が報知制限状態となったり、非報知状態となったりする場合と異なり、飾図からは変動中であることを認識することが困難または認識不能となる仮停止期間が設けられている演出が実行されている場合においても、飾図補助図柄や第1・第2補助図柄からは変動中であることを明確に認識することができるように構成されている。言い換えると、飾図補助図柄および第1・第2補助図柄と、飾図とでは仮停止期間中において認識可能な情報が異なっている。
【0129】
ここで、前記図柄表示装置17の表示画面17aで実行される演出には、当該パチンコ機10のモチーフとなるキャラクター等の特定画像を表示して遊技者の興趣を向上させることが行われており、このような演出が実行される場合には、変動中の飾図が特定画像の邪魔とならないように縮小したり画面中央から外れた位置で表示するよう演出制御CPU65aが表示を制御する。このような演出では、変動中において、例えば
図15に示すように、飾図表示領域50と補助画像表示領域53とが前後に重なり、飾図表示領域50に変動表示される飾図の一部または全部が、補助画像表示領域53に表示される補助図柄(飾図補助図柄や第1・第2補助図柄等)で隠れる場合があり、このように飾図と補助図柄とが重なるタイミングにおいて、飾図の表示態様を第1種から第2種に変化する場合がある。表示態様の変化としては、飾図の形状を変化させたり、飾図の色を変化させる演出等があり、
図15では、飾図の色を変化させた場合を示している。例えば、第1種である白色(
図15(a))から第2種である赤色(
図15(b))に変化させる等である。そして、飾図と補助図柄とが重なる状態において、飾図が第1種で表示されている場合および第2種で表示されている場合の何れにおいても、補助画像表示領域53に表示される補助図柄(飾図補助図柄や第1・第2補助図柄等)によって、変動状態か停止状態かを認識可能に飾図や補助図柄の表示制御を演出制御CPU65aが行うよう構成されている。
【0130】
パチンコ機10は、主制御CPU60aの制御により、左打ちの遊技形態(第1の遊技形態)で遊技を行うことが遊技者にとって有利な低ベース状態(第1の状態)と、右打ちの遊技形態(第2の遊技形態)で遊技を行うことが遊技者にとって有利な大当り遊技状態(第2の状態)および高ベース状態(第2の状態)とを生起させる。そして、演出制御CPU65a(表示制御CPU66a)の制御により、低ベース状態の終了から復帰までの期間(移行期間)内において、右打ちの遊技形態に関する報知である右打ち報知演出を、表示画面17aの図示しない報知領域に表示するよう構成されている。なお、移行期間は、低ベース状態での飾図変動表示の大当り表示による終了時点(低ベース状態の終了時点)から、以後の低ベース状態での最初の飾図変動表示が開始される時点(低ベース状態への復帰時点)まで、または特定変短判定に当って特定変短遊技状態が開始されてから、以後の低ベース状態での最初の飾図変動表示が開始される時点(低ベース状態への復帰時点)までのことを指すものとする。また、パチンコ機10は、移行期間中の状況の変化(表示演出等の変化)に応じて、表示画面17aにおける右打ち報知演出の表示位置や表示内容を変化させるように構成されている。
【0131】
(異常表示領域55a,55bについて)
次に、表示画面17aに関し、パチンコ機10に異常状態が発生したことを報知する異常報知領域55a,55bと、他の表示領域50,51,52,53との位置関係等について、
図16を参照しながら説明する。
【0132】
パチンコ機10は、複数種類の異常状態(エラー)を検出・報知可能に構成されている。前述したように、異常状態を検出する異常検出手段としての複数の異常検出センサ(図示せず)が主制御CPU60aと電気的に接続されており、各異常検出センサからの検出信号に基づいて主制御CPU60aが複数種類の異常状態の何れかであるか否かを判定する。そして、異常状態が発生したと主制御CPU60aが判定した場合、その発生した異常状態の種類に対応するエラー指定コマンドが主制御CPU60aから演出制御CPU65aに向けて出力され、このエラー指定コマンドを受けた演出制御CPU65aが異常状態の種類に応じた異常報知を図柄表示装置17(表示画面17a)等に実行させるようになっている。ここで、主制御CPU60aは、第1エラー、第2エラー、第3エラー、第4エラーおよび第5エラーの5種類の異常状態の発生を夫々判定可能に構成されている。これらの異常状態には、異常報知に関する優先度が定められている。実施例では、第1エラーの報知優先度が最も高く、第2エラー、第3エラー、第4エラー、第5エラーの順に報知優先度が低くなるように設定されている。
【0133】
図16に示すように、表示画面17aには、報知優先度の低い第3~第5エラー(低順位エラー)に関する低順位異常報知(第1異常報知)を実行(表示)する領域として、帯状に左右に延在する低順位異常報知領域55aが複数設定されており、報知優先度の高い第1および第2エラー(高順位エラー)に関する高順位異常報知(第2異常報知)を実行(表示)する領域として、低順位異常報知領域55aよりも大きな高順位異常報知領域55bが設定されている。
【0134】
低順位異常報知領域55aは、表示画面17aにおける飾図表示領域50、第1・第2保留表示領域51,52および補助画像表示領域53の夫々に対して、重ならない位置に設定されている。すなわち、低順位異常報知は、実行する際の表示画面17aの表示態様の変化が高順位異常報知と比較して小さく、異常状態の発生を報知する効果は比較的低いものの、飾図表示領域50での飾図変動表示や、第1・第2保留表示領域51,52での保留画像による保留表示や、補助画像表示領域53での補助図柄および補助保留表示といった表示画像を報知状態に維持したままの状態で実行可能である。
【0135】
これに対し、高順位異常報知領域55bは、表示画面17aにおける表示領域の略全体であり、飾図表示領域50、第1・第2保留表示領域51,52、補助画像表示領域53の夫々を含む大きな範囲を占めるように設定されている。すなわち、高順位異常報知が実行される際には、飾図表示領域50での飾図変動表示や、第1・第2保留表示領域51,52での保留画像による保留表示や、補助画像表示領域53での補助図柄および補助保留表示が非報知状態に変化する。このため、異常状態の発生を報知する効果が高く、高順位エラーの発生を確実に遊技者に伝えることができる。
【0136】
ここで、前述した補助点灯表示領域35は、表示画面17aとは別に(枠状装飾体25の右上部に)設けられており、表示画面17aでの異常報知等による表示態様の変化に伴って非報知状態(非表示の状態)とする必要がない。このため、演出制御CPU65aは、補助点灯表示領域35での補助図柄および補助保留表示の報知状態を、表示画面17aでの低順位異常報知や高順位異常報知の実行開始後も維持するよう制御可能に構成されている。
【0137】
すなわち、低順位異常報知を、飾図表示領域50で飾図変動表示を行う飾図変動表示中に、補助画像表示領域53での補助図柄(例えば飾図補助図柄)や補助保留表示の報知状態での低順位エラーの発生に応じて実行する場合、飾図補助図柄や補助保留表示の報知状態は維持される。一方で、高順位異常報知を、補助画像表示領域53での補助図柄(例えば飾図補助図柄)の報知状態での高順位エラーの発生に応じて実行する場合、飾図補助図柄や補助保留表示の報知状態は維持されず非報知状態となる。但し、低順位異常報知および高順位異常報知の何れが実行される間も、補助点灯表示領域35での補助図柄(特1補助図柄や特2補助図柄)や補助保留表示の報知状態が維持されるので、遊技者は始動入賞情報に関する情報(大当りか否か等)を得ることができる。
【0138】
(復電時における各種図柄の表示領域50,53,35の表示内容について)
次に、電源復旧に伴って図柄表示装置17(飾図表示領域50、補助画像表示領域53)および補助点灯表示領域35での表示内容が復帰するまでの流れについて、
図17および
図18を参照しながら説明する。
【0139】
図17に示すように、演出制御CPU65aは、電源がオフの状態からオンの状態へ変化すること(電源復旧)に伴い、電源が復旧したことを示す復旧初期表示を図柄表示装置17の表示画面17aに表示させる。復旧初期表示では例えば、
図18(a)に示すように、単色の背景の前側に「しばらくお待ちください」という文字画像と、演出制御CPU65aによる制御プログラムの設定に関するバージョン情報を示す文字画像とが表示される。なお、補助点灯表示領域35についてはこの時点で非報知状態(消灯状態)を維持する。
【0140】
電源復旧後、演出制御CPU65aは、前述した電源復旧に関する一連のコマンドの入力に基づいて、図柄表示装置17や補助点灯表示領域35の表示内容を復帰させるための各種情報を取得し、演出制御RAM65cに記憶する。この場合に演出制御CPU65aが取得する情報としては、電源断時に停止表示されていた特図の種類(点灯態様)や、電源断時の特図変動表示の結果として停止表示される特図の種類(点灯態様)や、電源断時の遊技状態(右打ちの遊技形態での遊技が有利な遊技状態であったか否か)や、電源断時の高確状態または高ベース状態での特図変動表示の回数や、その他の電源断時の状況の種別等がある。ここで、演出制御CPU65aは、電源断時の状況の種別として、特図停止中(飾図停止表示中)、特図変動中(飾図変動表示中)、小当り遊技状態中、大当り遊技状態中、特定変短遊技状態中、の何れかを特定可能に構成されている。
【0141】
演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの電源復旧に関する一連のコマンドを入力したタイミングで、消灯状態であった補助点灯表示領域35を制御し、補助点灯表示領域35の各表示部35a,35b,35c,35d,35eでの表示について、復電時に特有の態様から平常時の態様(平常時の制御に基づく表示内容)に復帰させる。この時、電源断時が第1特図変動表示中であった場合は、特1補助図柄表示部35aの特1補助図柄を変動中の表示(点滅状態)とし、特2補助図柄表示部35bには電源断前の特2補助図柄を停止表示する。また、電源断時が第2特図変動表示中であった場合は、特2補助図柄表示部35bの特2補助図柄を変動中の表示(点滅状態)とし、特1補助図柄表示部35aには電源断前の特1補助図柄を停止表示する。更に、電源断時が特
図1・特
図2の非変動表示中であった場合は、特1補助図柄表示部35aに電源断前の特1補助図柄を停止表示し、特2補助図柄表示部35bに電源断前の特2補助図柄を停止表示する。
【0142】
これに対し、図柄表示装置17に表示される、飾図変動表示、保留表示、補助図柄、補助保留表示については、電源断時の状況の種別に応じて異なる過程を経て、平常時の制御に基づく表示内容に復帰させるようにする。すなわち、表示画面17aにおける飾図や保留表示や補助図柄や補助保留表示が報知状態に復帰するタイミング以前に、補助点灯表示領域35における補助図柄や補助保留表示が非報知状態(消灯状態)から報知状態に変化する。
【0143】
演出制御CPU65aは、電源断時が特図停止中(飾図停止表示中)であった場合、電源復旧に関する一連のコマンドを入力したことに基づいて図柄表示装置17の表示内容を制御し、表示画面17aに復電表示を表示させる。この復電表示は、少なくとも飾図を、予め定められた復電図柄の組み合わせで表示するものである。実施例では、
図18(d)に示すように、飾図表示領域50の飾図を復電図柄(例えば「3」・「2」・「1」の組み合わせ)で表示する他、補助画像表示領域53の飾図補助図柄を復電図柄(例えば「3」・「2」・「1」の組み合わせ)で表示し、かつ第1・第2補助図柄を復電図柄(例えば「0」)で表示するようにしている。この他、復電表示は、演出モードに応じた背景画像(「秘匿モード」の場合は、最も期待度の低い「秘匿1」の背景画像)を表示するようになっている(
図18(d)では背景画像を省略してある)。
【0144】
ここで、電源断時が特図停止中(飾図停止表示中)であった場合、電源復旧に関する一連のコマンドの後に入力され得る主制御CPU60aからのコマンドは、特図変動パターン指定コマンド、デモコマンド、大当り開始コマンド、小当り開始コマンドおよび特定変短開始コマンドの何れかである。なお、大当り開始コマンドおよび小当り開始コマンドについては、変動インターバル時間中に電源断が発生した場合に限り、入力され得る。そして、演出制御CPU65aは、電源断時の状況の種別として特図停止中(飾図停止表示中)を特定した場合に、電源復旧に関する一連のコマンドの後に入力され得るコマンド(特図変動パターン指定コマンド、デモコマンド、大当り開始コマンド、小当り開始コマンドおよび特定変短開始コマンドの何れか)の入力を契機として、表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容へと復帰させる。
【0145】
電源断時が特図変動中(飾図変動表示中)であった場合、演出制御CPU65aは、電源復旧に関する一連のコマンドを入力したことに基づいて図柄表示装置17の表示内容を制御し、表示画面17aに変動復帰前表示を表示させる。変動復帰前表示は例えば、
図18(b)に示すように、単色の背景の前側に「復旧中」の文字画像を表示するものである。そして、主制御CPU60aからは、電源復旧に関する一連のコマンドの入力後、停止コマンドが入力され得る。演出制御CPU65aは、この停止コマンドの入力を契機として、表示画面17aに復電表示(
図18(d)参照)を表示させる。
【0146】
ここで、電源断時が特図変動中(飾図変動表示中)であった場合、特図変動中(飾図変動表示中)の変動時間が経過して復電表示が表示された後に、特定変短遊技状態や小当り遊技状態や大当り遊技状態が開始され得る。この特定変短遊技状態や小当り遊技状態や大当り遊技状態の開始時に表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容に復帰させると、当該復帰後の表示演出がそれ以前の演出内容に対応しないこと等により、違和感や不都合が生じ得る。これに対し、実施例では、電源断時の特図変動表示(飾図変動表示)の種類が、結果的にはずれ図柄(はずれ表示)を表示するはずれ変動であったか、結果的に特定変短図柄(特定変短表示)を表示する特定変短変動であったか、結果的に小当り図柄(小当り表示)を表示する小当り変動であったか、結果的に大当り図柄(大当り表示)を表示する大当り変動であったかに応じて、演出制御CPU65aが表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容に復帰させるタイミングを異ならせている。
【0147】
電源断時がはずれ変動中であった場合は、停止コマンドの入力後(復電表示後)、主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンドおよびデモコマンドの何れかが入力され得る。この場合は特定変短遊技状態や小当り遊技状態や大当り遊技状態が発生しないため、演出制御CPU65aは、停止コマンドの後に入力され得るコマンド(特図変動パターン指定コマンドおよびデモコマンドの何れか)の入力を契機として、表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容へと復帰させる。
【0148】
電源断時が特定変短変動中であった場合は、停止コマンドの入力後(復電表示後)、主制御CPU60aからの特定変短開始コマンドが入力され、主制御CPU60aの制御により特定変短遊技状態が開始される。しかしながら、特定変短遊技状態中の演出内容に関して違和感や不都合が生じるのを防止する必要がある。このため、演出制御CPU65aは、特定変短開始コマンドの入力を契機として、演出制御RAM65cに汎用演出として記憶されている特定変短演出を表示画面17aに表示させる。そして、主制御CPU60aからの特定変短終了コマンドの入力を契機として、表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容へと復帰させる。
【0149】
電源断時が小当り変動中であった場合は、停止コマンドの入力後(復電表示後)、主制御CPU60aからの小当り開始コマンドが入力され、主制御CPU60aの制御により小当り遊技状態が開始される。しかしながら、小当り遊技状態中の演出内容に関して違和感や不都合が生じるのを防止する必要がある。また、小当り遊技状態はそもそも、遊技者が多数の賞球の獲得を期待できず、小当り遊技状態を報知することが遊技者の利益に繋がることもない。このため、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの小当り遊技状態に関するコマンド(小当り開始コマンド、開放コマンド、閉鎖コマンド、小当り終了コマンド(エンディングコマンド))の入力時には表示画面17aの表示内容を変更せずに復電表示を維持し、その後、主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンドおよびデモコマンドの何れかの入力を契機として、表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容へと復帰させる。
【0150】
電源断時が大当り変動中であった場合は、停止コマンドの入力後(復電表示後)、主制御CPU60aからの大当り開始コマンドが入力され、主制御CPU60aの制御により大当り遊技状態が開始される。しかしながら、大当り遊技状態中の演出内容に関して違和感や不都合が生じるのを防止する必要がある。そこで、演出制御CPU65aは、大当り開始コマンド、開放コマンド、閉鎖コマンドの入力を契機として、演出制御RAM65cに汎用演出として記憶されている大当り演出を表示画面17aに表示させる。そして、主制御CPU60aからの大当り終了コマンド(エンディングコマンド)の入力を契機として、表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容へと復帰させる。
【0151】
特定変短遊技状態が電源断により中断し、電源復旧により再開される場合、再開後の特定変短遊技中に表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容に復帰させると、当該復帰後の表示演出がそれ以前の演出内容に対応しないこと等により、違和感や不都合が生じ得る。このため、演出制御CPU65aは、電源復旧に関する一連のコマンドを入力したことに基づいて図柄表示装置17の表示内容を制御し、表示画面17aに特定変短復帰前表示を表示させる。この特定変短復帰前表示は例えば、単色の背景の前側に「特定変短中」の文字画像を表示するものである。また、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの特定変短再開コマンドの入力を契機として、演出制御RAM65cに汎用演出として記憶されている特定変短演出を表示画面17aに表示させる。そして、主制御CPU60aからの特定変短終了コマンドの入力を契機として、表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容へと復帰させる。
【0152】
小当り遊技状態が電源断により中断し、電源復旧により再開される場合、再開後の小当り遊技状態中に表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容に復帰させると、当該復帰後の表示演出がそれ以前の演出内容に対応しないこと等により、違和感や不都合が生じ得る。また、小当り遊技状態はそもそも多数の賞球の獲得を期待し得ず、報知しても遊技者の利益に繋がらない。このため、演出制御CPU65aは、電源断時が小当り遊技状態中であった場合、電源復旧に関する一連のコマンドを入力したことに基づいて図柄表示装置17の表示内容を制御し、表示画面17aに復電表示を表示させる。そして、主制御CPU60aからの小当り遊技状態の開放コマンド、閉鎖コマンド、小当り終了コマンド(エンディングコマンド)の入力時に、表示画面17aの表示内容を変更せずに復電表示を維持し、その後、主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンドおよびデモコマンドの何れかの入力を契機として、表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容へと復帰させる。
【0153】
第1~第5大当りが電源断により中断し、電源復旧により再開される場合、再開後の第1~第5大当り中に表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容に復帰させると、当該復帰後の表示演出がそれ以前の演出内容に対応しないこと等により、違和感や不都合が生じ得る。このため、演出制御CPU65aは、電源復旧に関する一連のコマンドを入力したことに基づいて図柄表示装置17の表示内容を制御し、表示画面17aに当り復帰前表示を表示させる。この当り復帰前表示は例えば、
図18(c)に示すように、単色の背景の前側に「大当り中」の文字画像を表示するものである。また、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの第1~第5大当りの開放コマンド、閉鎖コマンドの入力を契機として、演出制御RAM65cに汎用演出として記憶されている大当り演出を表示画面17aに表示させる。そして、主制御CPU60aからの大当り終了コマンド(エンディングコマンド)の入力を契機として、表示画面17aを平常時の制御に基づく表示内容へと復帰させる。
【0154】
このように、演出制御CPU65aは、図柄表示装置17(表示画面17a)による表示内容の復帰タイミング以前に、補助点灯表示領域35の表示内容を復帰させるように構成されている。すなわち、演出制御CPU65aによる図柄表示の制御に関しては、電源断からの電源復旧に伴い、先ず補助点灯表示領域35の特1・特2補助図柄表示部35a,35bで表示される特1補助図柄および特2補助図柄の表示内容が復帰し、以後に、表示画面17aの飾図表示領域50で表示される飾図の表示内容や、表示画面17aの補助画像表示領域53で表示される飾図補助図柄、第1・第2補助図柄の表示内容が復帰する。
【0155】
ここで、実施例のパチンコ機10では、電源断時が特図変動中(飾図変動表示中)であった場合、電源断により中断していた特図変動(飾図や補助図柄の変動)を、復電により再開し得るよう構成されており、復電表示が表示された後に、残りの変動時間に亘って特図変動(飾図や補助図柄の変動)を行い得る。電源断時が特図変動中(飾図変動表示中、特定期間中)である場合には、発展リーチA演出(特殊演出)の可動体80の動作演出、発展リーチB演出(特殊演出)の格闘するアニメーション演出、発展リーチC演出(特殊演出)のブラックアウト演出によって、少なくとも飾図(第1情報表示)の変動表示が非報知状態(認識不能)となっている時(特殊演出の実行中)に電源断が発生する場合が含まれる。このように、飾図の変動表示が非報知状態となっている時に電源断が発生し、その後に復電した場合においても、演出制御CPU65aは、補助点灯表示領域35で表示される特1・特2補助図柄(第3情報表示)の表示内容を復帰し、以後に、表示画面17aの飾図表示領域50で表示される飾図(第1情報表示)の表示内容や、表示画面17aの補助画像表示領域53で表示される飾図補助図柄、第1・第2補助図柄(第2情報表示)の表示内容を復帰する制御を行う。すなわち、演出制御CPU65aは、復電した場合に、特1・特2補助図柄(第3情報表示)の表示時間が他の情報表示の表示時間より長くなるように制御する。なお、実施例では、飾図補助図柄、第1・第2補助図柄(第2情報表示)および飾図(第1情報表示)の表示内容を同時に復帰するようにしているが、図柄(飾図や補助図柄)が示す情報量の多さの違いに対応して、情報量が少ない飾図補助図柄、第1・第2補助図柄(第2情報表示)の表示内容を復帰した後に、飾図(第1情報表示)の表示内容を復帰するようにしてもよい。また、前記表示時間とは、復電した場合において、表示内容が復帰してから残りの変動時間が経過するまで(終了タイミングとなるまで)の時間であって、復電後に早く表示内容が復帰した情報表示程、表示時間が長くなる。
また、実施例のパチンコ機10では、(A)電源断時が特図停止中(飾図停止表示中)であった場合と、(B)電源断時が特図変動中(飾図変動表示中)であった場合とで、復電により飾図補助図柄を表示するタイミングが異なるようになっている。但し、前記(A)および(B)の何れの場合も、飾図および飾図補助図柄が表示されるタイミングは同一となるよう構成されている。また、パチンコ機10では、復電した際には、飾図表示領域50および補助画像表示領域53に、前記復電図柄を表示するようになっており、前記(A)および(B)の何れの場合も、復電により表示される飾図と飾図補助図柄の種類は一致するようになっている。なお、復電図柄を、大当り図柄、小当り図柄、特定変短図柄およびはずれ図柄の何れとも異なる種類に設定することで、復電により表示される飾図と飾図補助図柄の種類を一致させたもとで、電源断時に表示されていた種類とは異なるようにすることができる。また、復電図柄をはずれ図柄と共用するようにしたもとで、電源断時に表示していたはずれ図柄と、復電した際に表示される復電図柄としてのはずれ図柄の種類を異なるようにして、復電したことを認識させるようにすることができる。
ここで、飾図がリーチ状態を表示中に電源断が発生した場合に、復電により飾図および飾図補助図柄が表示される態様は、電源断時が特図変動中(飾図変動表示中)の場合と同じであって、何れの図柄も非リーチ状態で表示される。なお、復電する際には、図柄表示装置17(飾図表示領域50および補助画像表示領域53)の全体に復旧初期表示や変動復帰前表示を表示して飾図および飾図補助図柄は非報知状態(非表示)となるよう構成されており、飾図がリーチ状態を表示中に電源断が発生した場合に、復電した際の表示は、飾図および飾図補助図柄の非表示や復電図柄の表示を含めて、非リーチ状態となるよう構成されている。
【0156】
(実施例の作用)
次に、前述した実施例に係る作用・効果につき説明する。
【0157】
(飾図および補助図柄に関する作用・効果)
実施例のパチンコ機10は、主制御CPU60a(第1制御部)が、始動入賞口31a,32aへの始動入賞(判定条件の成立)を契機として始動入賞情報(各種乱数の値)を取得し、取得した始動入賞情報に基づいて特図当り判定(当否判定)を実行する。この主制御CPU60aは、遊技情報表示器Mの特図表示部Ma,Mb(図柄表示部)に、始動入賞情報に関する特別情報表示として、特
図1、特
図2、保留表示、を表示するよう制御する。また、主制御CPU60aからのコマンド(制御信号)に基づいて演出制御を実行する演出制御CPU65a(第2制御部)が、始動入賞情報に関する演出情報表示(第1情報表示)としての飾図を表示画面17a(演出表示手段)の飾図表示領域50(演出情報表示領域)に表示すると共に、演出情報表示としての保留表示を表示画面17a(演出表示手段)の第1・第2保留表示領域51,52(演出情報表示領域)に表示するよう制御する。
【0158】
画像による飾図補助図柄(第1補助情報表示、第2情報表示)を表示する補助画像表示領域53(第1補助情報表示領域)と、LEDの点灯による特1・特2補助図柄(第2補助情報表示、第3情報表示)を表示する補助点灯表示領域35(第2補助情報表示領域)とでは、飾図と共通の情報として特図当り判定の判定結果等の図柄情報を示す補助図柄(補助情報表示)を表示する。なお、補助画像表示領域53は、保留表示と共通の情報として飾図変動表示の保留数(保留情報)を示す補助保留表示(第1補助情報表示)を画像表示するものでもあり、補助点灯表示領域35は、保留表示と共通の情報として飾図変動表示の保留数(保留情報)を示す補助保留表示(第2補助情報表示)をLEDの点灯により(第1補助情報表示とは異なる態様により)表示するものでもある。
【0159】
すなわち、演出制御CPU65aは、飾図表示領域50に表示する飾図と、補助画像表示領域53に表示する飾図補助図柄と、補助点灯表示領域35に表示する特1・特2補助図柄とを利用して、特図当り判定の結果等の図柄情報を報知することができる。また、演出制御CPU65aは、第1・第2保留表示領域51,52に表示する保留表示と、補助画像表示領域53に表示する補助保留表示と、補助点灯表示領域35に表示する補助保留表示とを利用して、特図当り判定の待機数(保留情報)を報知することができる。
【0160】
電源復旧時の制御に関し、パチンコ機10の演出制御CPU65aは、表示画面17a(飾図表示領域50)での飾図の変動中において、特殊演出によって少なくとも飾図の変動表示が認識不能となっている時に電源断が発生し、その後に復電した場合に、その飾図の表示内容が平常時の制御に基づく表示内容に復帰するタイミング以前に、補助点灯表示領域35での特1・特2補助図柄の表示内容が平常時の制御に基づく表示内容に復帰するように制御を行う。すなわち、飾図が認識不能な非報知状態の時に電源断が発生しても、その後に復電した場合に、特1・特2補助図柄が先ず報知状態に変化し、該特1・特2補助図柄の表示時間が、その後に表示内容が復帰する飾図や飾図補助図柄の表示時間より長くなるので、復電時に始動入賞情報に関する情報を得るために確認すべき対象が遊技者にとって把握し易い。そして、変動表示中における飾図(第1情報表示)と、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)と、特1・特2補助図柄(第3情報表示)とが示す情報量を、特1・特2補助図柄(第3情報表示)<飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)<飾図(第1情報表示)となる関係に設定し、停電等の不測の事態が発生した場合に、復電時には情報量が最も少ない特1・特2補助図柄(第3情報表示)の表示時間を最も長く設定したので、復電時に遊技者が混乱することなく復電前の始動入賞情報に関する情報を適正に把握することができる。
【0161】
また、飾図変動中において、飾図表示領域50と補助画像表示領域53とが前後に重なると共に、飾図の表示態様が第1種と第2種とに変化する場合であって、飾図表示領域50に変動表示される飾図の一部が、補助画像表示領域53に表示される補助図柄(飾図補助図柄や第1・第2補助図柄等)で隠れる場合であっても、演出制御CPU65aは、補助画像表示領域53に表示される補助図柄(飾図補助図柄や第1・第2補助図柄等)によって、変動状態か停止状態かを認識可能に飾図や補助図柄の表示制御を行う。すなわち、表示画面17aにおいて特定画像を実行する等して興趣を高めつつ、遊技者に必要な情報(状態)を補助図柄(飾図補助図柄や第1・第2補助図柄等)によって適正に把握させることができる。また、飾図(第1情報表示)、飾図補助図柄(第2情報表示)や第1・第2補助図柄(第2情報表示)および特1・特2補助図柄(第3情報表示)の停止時に、飾図や補助図柄が重ならないようにすることで、飾図や各補助図柄によって始動入賞情報に関する情報を適正に把握することができる。
【0162】
実施例のパチンコ機10では、大当り判定や小当り判定で当りの結果とならない場合において、当り遊技を経ることなく付与可能な有利度である特定変短を付与可能に構成し、該特定変短を付与する場合に、飾図を特定変短が付与されることを示す表示態様で停止する一方で、飾図補助図柄(第2情報表示)や第1・第2補助図柄(第2情報表示)をはずれを示す態様とは異なる表示態様で停止可能にしたので、遊技者は、付与される特定変短が当りでない有利度であることを適正に把握することができる。
【0163】
演出制御CPU65aは、飾図エリア50a,50b,50cに表示される少なくとも一部の飾図(表示)を仮停止する仮停止期間が設けられている演出において、該仮停止期間では、飾図の一部が仮停止しているのに対し、飾図補助図柄や第1・第2補助図柄は、変動表示が報知状態に維持されるよう表示制御する。すなわち、飾図からは変動中であることを認識することが困難または認識不能となる仮停止期間が設けられている演出が実行されている場合においても、飾図の仮停止によって認識できなくなった情報(変動中か否かの情報)を、飾図補助図柄や第1・第2補助図柄から明確に把握可能となる
【0164】
実施例のパチンコ機10では、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)が停止表示された時に示す情報と、特1・特2補助図柄(第3情報表示)が停止表示された時に示す情報とが異なるよう構成しているが、演出制御CPU65aは、飾図の変動中には、飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)と、特1・特2補助図柄(第3情報表示)とが、何れも補助図柄の図柄群を切り替える変動表示によって、飾図変動中である共通する図柄情報を示すように表示制御する。すなわち、飾図の変動中は、当該飾図以外に、変動中であることを示す共通の情報を飾図補助図柄(第2情報表示)および第1・第2補助図柄(第2情報表示)と、特1・特2補助図柄(第3情報表示)とでも示すので、変動中の情報を把握し易くなる。
【0165】
実施例のパチンコ機10では、飾図補助図柄表示部53aで変動表示される飾図補助図柄(第2情報表示)の変動態様と、飾図表示領域50で変動表示される飾図(第1情報表示)の変動態様とを異なるよう構成したので、両者を区別し易い。また、大当り判定、小当り判定または特定変短判定で当りの場合に、飾図補助図柄表示部53aに停止表示された飾図補助図柄(第2情報表示)の表示態様と、飾図表示領域50に停止表示された飾図(第1情報表示)の表示態様とは、同じ有利度(大当りの種類や特定変短の種類等)を示す表示態様となるよう構成したので、付与される有利度を遊技者が把握し易い。
【0166】
実施例のパチンコ機10では、飾図の表示態様を、演出モードの種類によって異なるようにしたので、該飾図の表示態様によって各演出モード毎に特色を付与し得ると共に、該飾図の表示態様によって演出モードの種類を好適に把握することができる。一方、補助画像表示領域53の飾図補助図柄表示部53aに表示される飾図補助図柄、第1・第2補助図柄表示部53b,53cに表示される第1・第2補助図柄、 第1・第2補助保留表示部53d,53eに表示される補助保留表示の各表示態様は、演出モードの種類によらず共通となるよう構成したので、制御データ量を抑えることができる。
【0167】
実施例のパチンコ機10では、飾図表示領域50、飾図補助図柄表示部53a、特1補助図柄表示部35aおよび特2補助図柄表示部35bの夫々において、飾図や補助図柄が変動中であることを示す表示態様を異なるよう構成したので、変動中における飾図や各補助図柄(飾図補助図柄や特1・特2補助図柄等)を容易に識別できる。
【0168】
演出制御CPU65aは、ノーマルリーチ演出パターンに基づくノーマルリーチ演出(第1演出)の実行期間(第1期間)には、飾図表示領域50における飾図変動表示を報知状態とするように制御する。また、演出制御CPU65aは、発展リーチA演出パターンや発展リーチB演出パターンに基づく発展リーチA,B演出(第2演出)が実行される発展リーチA,B演出期間(第2期間)には、飾図表示領域50における飾図変動表示を報知制限状態または非報知状態とする一方、補助画像表示領域53における飾図補助図柄を報知状態とし、かつ、補助点灯表示領域35における特1・特2補助図柄を報知状態とするように制御する。
【0169】
ここで、演出制御CPU65aは、発展リーチC演出パターンに基づく発展リーチC演出(第3演出)が実行される発展リーチC演出期間(第3期間)には、飾図表示領域50における飾図を非報知状態とすると共に、補助画像表示領域53における飾図補助図柄を非報知状態とするように制御するが、補助点灯表示領域35における特1・特2補助図柄については、報知状態とするように制御する。この他、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態中(大当り演出の実行期間)や小当り遊技状態中(小当り演出の実行期間)にも、飾図表示領域50における飾図変動表示および補助画像表示領域53における飾図補助図柄を非報知状態とし、補助点灯表示領域35における特1・特2補助図柄を報知状態とするように制御する。
【0170】
すなわち、実施例のパチンコ機10は、ノーマルリーチ演出の実行期間(第1期間)では、飾図を報知状態としつつノーマルリーチ演出を実行することで、ノーマルリーチ演出により遊技の興趣を高めつつ、飾図の表示内容から始動入賞情報に関する情報を把握することができる。一方、発展リーチA,B演出期間(第2期間)では、可動体80の動作により飾図が報知制限状態となるか、または飾図を非報知状態とするものの、飾図補助図柄や特1・特2補助図柄を報知状態とすることで、始動入賞情報に関する情報(共通の情報)を把握することができる。飾図補助図柄(画像)と特1・特2補助図柄(LEDの点灯)とは互いに異なる態様で表示されるので、飾図が報知制限状態または非報知状態とされる第2期間において、補助図柄を1種類のみ表示する場合と比較して始動入賞情報に関する情報を把握し易い。また、発展リーチC演出期間(第3期間)において、飾図補助図柄および特1・特2補助図柄のうち一方(実施例では飾図補助図柄)が報知制限状態または非報知状態となっても他方(実施例では特1・特2補助図柄)は報知状態とされるので、始動入賞情報に関する情報を補助図柄から把握可能な状態を維持可能となる。
【0171】
演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからのエラー指定コマンドの入力に応じて、そのエラー指定コマンドに対応する種類の異常状態(第1~第5エラーの何れか)の発生を報知する。ここで、演出制御CPU65aは、報知優先度の低い第3~第5エラー(第1の異常)に関する低順位異常報知(第1異常報知)を、表示画面17aにおける飾図表示領域50、第1・第2保留表示領域51,52および補助画像表示領域53と重ならない低順位異常報知領域55aで実行し、報知優先度の高い第1・第2エラー(第2の異常)に関する高順位異常報知(第2異常報知)を、表示画面17aにおける飾図表示領域50、第1・第2保留表示領域51,52および補助画像表示領域53と重なる高順位異常報知領域55bで実行する。すなわち、演出制御CPU65aは、第3~第5エラーの何れかの発生に応じて、飾図補助図柄や画像による補助保留表示の表示態様を維持し得る態様で、低順位異常報知を実行制御する。一方、第1・第2エラーの何れかの発生に応じて、飾図補助図柄や画像による補助保留表示の表示態様を維持し得ない態様で、高順位異常報知を実行制御する。但し、演出制御CPU65aは、低順位異常報知および高順位異常報知の夫々が実行される間、補助点灯表示領域35での特1・特2補助図柄やLEDの点灯による補助保留表示を維持するように制御を行う。
【0172】
すなわち、実施例のパチンコ機10は、低順位異常報知の実行中には、補助画像表示領域53における飾図補助図柄や画像による補助保留表示についての報知状態と、補助点灯表示領域35における特1・特2補助図柄やLEDの点灯による補助保留表示についての報知状態とが夫々維持されるので、第3~第5エラーの発生を報知しつつ、始動入賞情報に関する情報を把握容易に報知することができる。高順位異常報知の実行中には、補助画像表示領域53における飾図補助図柄や画像による補助保留表示についての報知状態を維持しないので、高順位異常報知の報知態様の自由度が高く、第1・第2エラーの発生を報知する効果を高め得る。なお、補助点灯表示領域35における特1・特2補助図柄やLEDの点灯による補助保留表示は、高順位異常報知の実行中も報知状態とされるので、高順位異常報知が実行されていても、始動入賞情報に関する情報を遊技者が得ることが可能な状態を維持することができる。
【0173】
(変更例)
本発明は、前述の実施例に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1) 実施例では、飾図表示領域・保留表示領域で表示する飾図・保留表示についての報知制限状態が、表示画面の前側での可動体の動作に応じて生じるようにしたが、飾図または保留表示の報知制限状態が、表示画面上において手前側に重なるように表示される他の表示画像の存在によって、生じるようにしてもよい。
(2) 実施例では、補助画像表示領域に、補助図柄として、飾図補助図柄、第1補助図柄および第2補助図柄を表示するようにしたが、飾図補助図柄を表示しないようにしてもよいし、第1補助図柄および第2補助図柄を表示しないようにしてもよい。
(3) 実施例では、補助画像表示領域に、補助図柄(飾図補助図柄、第1・第2補助図柄)と、補助保留表示とを表示するようにしたが、補助図柄および補助保留表示の一方を表示し、他方を表示しないようにしてもよい。また、実施例では、補助点灯表示領域に、補助図柄(特1・特2補助図柄)と、補助保留表示とを表示するようにしたが、補助図柄および補助保留表示の一方を表示し、他方を表示しないようにしてもよい。
(4) 実施例では、発展リーチA演出期間や発展リーチC演出期間に、飾図表示領域や保留表示領域で表示される飾図変動表示や保留表示が報知制限状態となるようにしたが、可動体の動作中、飾図変動表示や保留表示を非表示(非報知状態)としてもよい。
(5) 実施例では、飾図等を表示する図柄表示装置の表示画面の一ヶ所に、画像により補助図柄(第2情報表示)を表示する補助画像表示領域(第1補助情報表示領域)を設けたが、複数ヶ所に補助画像表示領域(第1補助情報表示領域)を設け、一の補助画像表示領域(第1補助情報表示領域)では可動体の動作演出や表示画面で実行される演出によって補助図柄(第2情報表示)が非報知状態や報知制限状態となる場合には、別の補助画像表示領域(第1補助情報表示領域)に補助図柄(第2情報表示)を表示する構成を採用することができる。
(6) 実施例では、飾図等を表示する図柄表示装置の表示画面の一部を、画像による補助表示(補助図柄の表示)を行う補助画像表示領域(第1補助情報表示領域)として設定したが、当該補助画像表示領域は、図柄表示装置とは別に設けられる小型の液晶表示器の表示画面に設けてもよいし、実施例で説明した補助点灯表示領域とは別の補助点灯表示領域(第1補助情報表示領域)として、LED表示器や7セグメント表示器やドットマトリックス表示器に設けることもできる。
(7) 実施例では、飾図等を表示する図柄表示装置の表示画面とは別に、LEDの点灯による補助表示を行う補助点灯表示領域を設けたが、図柄表示装置の表示画面に、実施例で説明した補助画像表示領域とは別の補助画像表示領域として設定してもよい。また、図柄表示装置とは別に設けられる7セグメント表示器やドットマトリックス表示器、小型の液晶表示器、その他の表示手段を補助点灯表示領域とすることもできる。
(8) 実施例では、遊技情報表示器の各表示部を、個別に点灯制御可能な所定数のLEDにより構成したが、7セグメント表示器やドットマトリックス表示器、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(9) 実施例では、飾図変動表示の実行期間において補助点灯表示領域が常に報知状態とされ、非報知状態や報知制限状態に変化しないようにしたが、例えば発展リーチ演出や、大当り演出や小当り演出等の所定の演出の実行期間に対応して、例えば可動体によって補助点灯表示領域が非報知状態または報知制限状態となるものであってもよい。
(10) 実施例では、大当り遊技状態中や小当り遊技状態中に、飾図表示領域での飾図や、補助画像表示領域での補助図柄(飾図補助図柄、第1・第2補助図柄)が非報知状態となるようにしたが、報知状態を維持してもよい。例えば、小当り遊技状態中や第1・第2大当り中において、飾図表示領域での飾図、補助画像表示領域での補助図柄(飾図補助図柄、第1・第2補助図柄)、補助点灯表示領域での補助図柄(特1・特2補助図柄)、の少なくとも何れかが報知状態を維持するようにしてもよい。
(11) 実施例では、特定期間を、飾図の変動開始から確定停止までの期間としたが、当該変動が当り変動の場合は、飾図の変動開始から当り遊技終了までの期間とすることができる。
(12) 実施例では、特定変短表示として、はずれ表示と異なるよう構成したが、はずれ表示と共通とすることができる。また、特定変短判定の当りを契機として、付与される特定変短遊技中において選択可能な特図変動パターン群を、当り前に選択可能な特図変動パターン群から変更することができる。また、特定変短の種類が複数設定されている場合は、種類毎に選択可能な特図変動パターン群を異なるようにすることができる。また、複数の特定変短毎に、変動停止時の停止時間を異ならせることもできる。
(13)特定変短の種類や数は、 特1と特2とで異なるようにすることができる。
(14)特1・特2補助図柄は、当該特1・特2補助図柄が変動中であるか否かを認識できるものであればよく、停止表示される小当り表示(小当り図柄)や特定変短表示(特定変短図柄)については、大当り表示(大当り図柄)またははずれ表示(はずれ図柄)と同じ点灯態様(表示態様)とすることができる。
(15)実施例では、電源断時が特図変動中(飾図変動表示中)であった場合、復電した際には、飾図補助図柄について、復電図柄の組み合わせで表示するようにしたが、該復電図柄の組み合わせとは異なる組み合わせで表示することができる。また、飾図補助図柄を表示する際に、復電図柄で表示するか、復電図柄とは異なる図柄で表示するかを抽せんによって決定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0174】
17 図柄表示装置(演出表示手段)
35 補助点灯表示領域(演出表示手段)
60a 主制御CPU(第1制御部)
65a 演出制御CPU(第2制御部)