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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】医療装置用の検出システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20240813BHJP
   A61B 5/1459 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
G01N21/64 F
A61B5/1459
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021528859
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 US2019061609
(87)【国際公開番号】W WO2020106555
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】62/770,676
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521217884
【氏名又は名称】エイシーズ メディカル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】シップル、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ノーリン、ブライアン エル.
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-517299(JP,A)
【文献】特開2011-097986(JP,A)
【文献】特表2016-523576(JP,A)
【文献】特開2016-027866(JP,A)
【文献】特開平11-155812(JP,A)
【文献】特開2004-000377(JP,A)
【文献】米国特許第08694069(US,B1)
【文献】特表2003-515383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/83
G01N 33/48 - G01N 33/98
A61B 5/145 - A61B 5/157
A61B 1/00 - A61B 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニードルと、流体コネクタと、液体送達装置と、さらに、光学系と、を具備するバイオマーカー検出システムであって、
前記ニードルは、前記流体コネクタに接続されることにより、液体を前記液体送達装置から前記ニードルの管腔を通って前記ニードルの先端へ送達することができ、
少なくとも一つの流体チャネルが、前記流体コネクタのコネクタ側液体チャネルと前記ニードルの前記先端との間を流体的に連通するように構造化・構成され、
前記ニードルは、該ニードルの先端が標的生体物質に接触するまで進むことができ、
前記光学系は、光受信器と光検出器と光源と光ファイバーと、を含み、
前記光受信器は、その少なくとも一部分まで、光が前記ニードルまたは前記流体コネクタ内で戻ってくることができ、
前記光検出器は、前記光受信器と結合し、
前記光源は、前記ニードルまたは前記流体コネクタの外部に位置し、該光源からの光は前記ニードルの前記管腔の下方まで送達され、
前記光ファイバーは、前記管腔または前記流体チャネル内に配置される
バイオマーカー検出システム。
【請求項2】
臨床医に、前記標的生体物質が、検出されたことを知らせる、通知システムをさらに含む、請求項1に記載のバイオマーカー検出システム。
【請求項3】
前記光ファイバーは、前記ニードルの前記管腔内に配置され、薬用流体が、前記流体チャネルを通過して、生物学的システムに流れるように収縮可能である、請求項1に記載のバイオマーカー検出システム。
【請求項4】
前記光学系は、レンズをさらに含む、請求項1に記載のバイオマーカー検出システム。
【請求項5】
前記光検出器は、1つ以上の無線インターフェースを含む回路基板をさらに具備する、請求項1に記載のバイオマーカー検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月21日出願の米国仮特許出願第62/770,676号(発明の名称「DETECTION SYSTEMS AND METHODS FOR MEDICAL DEVICES(医療装置用の検出システム及び方法)」)及び上記の出願から派生する他の任意の米国国際又は国内段階の特許出願の利点を主張する。上記の出願は、完全な形で本明細書に引用することで組み込まれ、本明細書の明白な開示に反する発明の対象が組み込まれないように限定される。
【0002】
本開示は、生物学的物質を検出し、身体媒体を区別するためのシステム及び方法に関する。本開示は、より詳しくは、患者体内に進められる医療装置と連携して、生物学的物質を検出し、身体媒体を区別するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特に脊髄手術に関する、外科的結果及び費用構造の改善に尽力した結果、低侵襲外科手法の活用が増加した。これらの手法では、X線透視、CT、神経刺激装置、より最近では、ドップラー超音波等の画像誘導治療が頻繁に使用されている。低侵襲脊髄手法、疼痛管理手法、神経ブロック、超音波ガイド下介入、生検、及び経皮配置又は開放術中配置は、手術よりも低リスクを伴うことが多い一方、感染症、脳卒中、麻痺、及び器官、軟組織、血管構造体、さらに最悪のケースとして、脊髄等の神経組織を含むが、これらに限定されない、様々な構造体の穿通による死亡等の効果がない結果と医原性損傷のリスクを抱え続ける。損傷は、開業医の経験に関わらず生じ得るが、これは、手術器具が、数層の身体組織と流体を通過して、脊柱管内の所望の空間に達せざるをえないためである。
【0004】
例示目的で、多くの薬剤を投与する、脊椎領域の髄腔内(又はくも膜下)腔は、神経根と髄液(CSF:cerebrospinal fluid)を収容し、中枢神経系を覆う3つの膜のうち2つの間に存在する。
【0005】
中枢神経系の最外膜は、硬膜で、2番目に外側の膜は、くも膜、さらに3番目に外側の膜で最内膜は、軟膜である。髄腔内腔は、くも膜と軟膜との間に存在する。手術器具がこの領域に到達するには、皮膚層、脂肪層、棘間靱帯、黄色靱帯、硬膜外腔、硬膜、硬膜下腔、及び髄腔内腔を最初に通過する必要があり得る。さらに、薬剤投与に使用するニードルの場合、ニードルの開口部全体は、くも膜下腔内になければならない。
【0006】
手術器具を髄腔内腔に挿入するのに要する複雑度のために、脊髄と神経組織の穿通は、低侵襲脊髄手法と脊髄手術の公知の複雑な組み合わせである。さらに、いくつかの手法には、より大型の手術器具を使うことが要求される。例えば、小さいリード線が、脊髄硬膜外腔に挿入可能な、低侵襲脊髄手法の形態としての脊髄の刺激は、14ゲージのニードルを硬膜外腔に導入して、刺激物質のリード線に糸を通す必要があり得る。このゲージのニードルは、制御するのが技術的により困難であり得、疾病率のリスクを高める。合併症には、硬膜破砕、脳脊髄液の漏出、硬膜外静脈の破裂とその後の血種、及び脊髄又は神経の直接穿通とそれによって起こる麻痺が含まれ得る。これら及び脊髄介入と高周波アブレーション等の他の高リスク状況は、開業医が、重大な解剖学的構造体におけるニードル又は手術機器の先端の配置を検出不能である場合に生じ得る。
【0007】
現在、このような構造体の検出は、オペレータ依存で、オペレータは、手触り、造影剤、解剖学的ランドマーク触診及び画像誘導治療による明視化を利用する。患者の安全は、手触りと心像の解釈における開業医の訓練や経験に依存し得る。追加の訓練や経験が、開業医の手助けになることはあっても、医原性損傷は、自然に、又は瘢痕組織の形態で反復手法により発生し得る、解剖学的な変動性を理由として、開業医の経験やスキルに関係なく生じ得る。高周波アブレーション等のいくつかの手法における共同訓練は、能力を保証するほど十分厳格とはいえず、たとえ訓練を受けたとしても、手法による結果は、大幅に変わり得る。硬膜外注射や脊髄手術の場合、黄色靱帯の厚さ、硬膜外腔の幅、硬膜拡張、硬膜外脂肪腫症、硬膜中隔、及び瘢痕組織の変化はすべて、高度な経験を持つオペレータにとっても、従来の検証方法への課題となり得る。さらに、神経が再生する場合に実行される反復高周波手法は、多くは1年後以降には効果がなくなり、より困難な場合が多いが、これは、再生後の神経の分布により、追加の解剖学的な変動性が生じるためである。
【発明の概要】
【0008】
これらの検討事項を考慮すると、リアルタイムのフィードバックを提供して、手術器具を患者の組織に正確に配置する一助とするシステム及び方法を提供することは、所望であろう。
【0009】
1つの態様において、バイオマーカー検出システムは、生物学的システム内の標的バイオマーカーを検出することが開示されている。開示されたバイオマーカー検出システムは、流体分注システムを具備し、流体分注システムは、遠位端を有する送達装置を含む。流体分注システムは、標的バイオマーカーに接し、管腔と流体チャネルとを具備する。バイオマーカー発光材料は、送達装置の遠位端に接する。開示されたバイオマーカー検出システムはまた、バイオマーカー発光材料と光通信する光学系を含み、光学系は、光受信器と、光検出器と、を具備する。いくつかの実施形態において、光学系は、光ファイバー、光結合器、又はその両方を具備し得る。
【0010】
別の態様において、バイオマーカー検出システムは物学的システム内の標的バイオマーカーを検出し、流体分注システムを含むことが開示される。流体分注システムは、送達装置を具備し、送達装置は、遠位端を有する。流体分注システムは、標的バイオマーカーに接し、送達装置は、管腔と流体チャネルとを具備する。開示されたバイオマーカー検出システムは、標的バイオマーカーと通信する。検出システムは、電気伝導度、屈折率、又は音の特性に依存する方法を使用して、標的バイオマーカーの存在を検出する。
【0011】
さらに別の態様において、薬用流体を患者に送達する方法は、患者内に標的バイオマーカーの存在を発見するためのバイオマーカー検出システムを使用することを含むように開示される。バイオマーカー検出システムは、送達装置を具備する流体分注システムを含み、送達装置は、遠位端を有する。流体分注システムは、標的バイオマーカーに接し、送達装置は、管腔と、流体チャネルと、送達装置の遠位端に接するバイオマーカー発光材料と、を具備する。バイオマーカー検出システムはまた、バイオマーカー発光材料と光通信する光学系を含む。光学系は、光受信器と光検出器とを具備する。該方法は、薬用流体を患者に送達すること、及び臨床医に、標的バイオマーカーが、検出されたことを通知することをさらに含む。
【0012】
本開示において、以下の用語について記載する。
「光受信器」は、生物発光装置から光検出器までの光路に沿って、戻る光を検出するように構造化・構成された光検出装置を指す。
「光検出器」は、その光路内の光の量を感知し、且つ測定可能な装置を指す。
「光結合器」は、流体チャネルと少なくとも1つの光ファイバーとの間で光を結合するように構造化・構成された装置を指す。
「光学フィルタ」は、光を受信して、波長、両極性、強度等の具体的な特性、又は他の選択特性を備えた光のみに、それを通過させる装置を指す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の説明は、図面を参照して理解されたい。図面は、必ずしも決まった縮尺表示ではないが、実施例を示し、本開示の範囲を限定する意図を有さない。本開示は、添付図面に関連して、様々な実施例に関して、以下の説明を考慮してより完全に理解可能である。
【0014】
図1図1は、本開示に係る、バイオマーカー検出システムの部分の例示的な実施例の概略準断面図である。
図2図2は、本開示に係る、バイオマーカー検出システムの部分の別の例示的な実施例の概略準断面図である。
図3A図3Aは、本開示に係る、バイオマーカー検出システムの部分の構成要素のさらに別の例示的な実施例の概略断面図である。
図3B図3Bは、図3Aのシステムの構成要素のいくつかの詳細を示す拡大図を提供する概略断面図である。
図4図4は、本開示に係る、バイオマーカー検出システムの部分の構成要素のさらに別の例示的な実施例の概略断面図である。
図5A図5Aは、本開示に係る、バイオマーカー検出システムの部分のさらに別の例示的な実施例の概略断面図である。
図5B図5Bは、図5Aのシステムの構成要素のいくつかの詳細を示す拡大図を提供する概略断面図である。
図6A図6Aは、本開示に係る、検出構成において描写される、バイオマーカー検出システムの部分のさらに別の例示的な実施例の概略断面図である。
図6B図6Bは、検出後の流体送達構成において、図6Aのシステムの概略断面図である。
図7A図7Aは、本開示に係る、バイオマーカー検出ニードルのある実施形態の概略断面図である。
図7B図7Bは、図7Aに示したニードルの左側から見た、7Aのニードルの概略平面図である。
図8A図8Aは、光ファイバーとその長さに沿った管腔を提供する本開示に係る、ニードルの孔の下方からの概略断面図である。
図8B図8Bは、光ファイバーとその長さに沿った管腔を提供する本開示に係る、ニードルの孔の下方からの概略断面図である。
図8C図8Cは、光ファイバーとその長さに沿った管腔を提供する本開示に係る、ニードルの孔の下方からの概略断面図である。
図8D図8Dは、光ファイバーとその長さに沿った管腔を提供する本開示に係る、ニードルの孔の下方からの概略断面図である。
図9図9は、提供された開示で有用な空気と液体とを区別するための光ファイバーセンサの実施形態の概略断面図である。
図10図10は、開示された光ファイバー空気センサを組み込み可能なニードルシステムの例示的な実施例の孔の下方からの概略断面図である。
図11図11は、音波空気センサを組み込み可能なニードルシステムの実施形態の概略断面図である。
図12A図12Aは、電気式空気センサを組み込み可能なニードルシステムのある実施形態の例示的な実施例の概略断面図である。
図12B図12Bは、図12Aのニードルシステムの概略側方断面図である。
図12C図12Cは、図12Aのニードルシステムの孔の下方からの概略断面図である。
図13A図13Aは、電気式空気センサを組み込み可能なニードルシステムの別の実施形態の例示的な実施例の概略側方断面図である。
図13B図13Bは、図13Aのニードルシステムの1つの構成の孔の下方からの概略断面図である。
図13C図13Cは、図13Aのニードルシステムの別の構成の孔の下方からの概略断面図である。
【0015】
開示されたバイオマーカー検出システムは、現在の技術の不具合のいくつかを改善可能である。それを使用することで、特に、脊髄や他の低侵襲脊髄手法により、外科的結果や費用構造の改善が可能である。開示されたバイオマーカー検出装置は、手触り、造影剤、解剖学的ランドマーク触診及び画像誘導治療による明視化に依存する代わりに、標的バイオマーカー材料を見出すことで、オペレータへの依存から脱却可能で、それによって、バイオマーカー識別を要する手法の安全性や効力を改善する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、血液を含む、体液や組織等の生物学的物質を検出するために使用され、液体や空気等の身体媒体間を区別するためのシステム及び方法に関する。システム及び方法の様々な実施形態は、図面に準拠して詳細に記載され、同一の参照番号は、いくつかの図にわたって、同一の部品と組立品を表し得る。様々な実施形態に言及しても、本明細書で開示されたシステム及び方法の範囲を限定するものではない。さらに、本明細書記載のいかなる実施例は、限定を意図するものではなく、システム及び方法用の多くの可能な実施形態のいくつかを説明するのみである。状況次第で提案又は適切にさせ得るように、均等物の様々な省略や置換が検討されているが、これらは、本開示の意図や範囲から逸脱することなく、用途又は実施形態を網羅すると意図されることを理解されたい。さらに、本明細書で使用する言い回しや専門用語は、説明目的であって、限定とみなすべきではないことを理解されたい。
【0017】
本開示は、1つ以上の検出材料とバイオマーカーの相互作用により、1つ以上のバイオマーカーを検出するように構造化され、構成され、及び/又は機能化されたシステム及び方法と、該相互作用の光検出を提供する。いくつかの実施例において、検出材料を備えたバイオマーカーの相互作用は、感知可能な光のルミネセンス発光を生じ得、ルミネセンス光の該感知が、相互作用の確証、したがって、バイオマーカーの存在を提供する。これらの実施例のいくつかにおいて、発光は、バイオマーカーと検出材料との間の相互作用の固有の化学発光生成物であり得る。これらの実施例の他のいくつかにおいて、検出材料の外部光源による照射により、バイオマーカーが存在する場合、結果として、蛍光性又はリン光性発光が感知可能となり得る。本開示は、化学発光、蛍光発光、及び/又はリン光発光の感知により、バイオマーカーの検出を提供可能なシステム及び方法を提供する。
【0018】
本開示で例示・記載されたバイオマーカー検出システムの複数の実施例が、ニードルと流体送達システムを含む又はそれとともに使用可能である一方、開示されたバイオマーカー検出システム及び方法の適用は、流体送達用途に限定されない。本開示において、薬用流体は、開示された流体送達システムを通過して送達可能である。本開示の検出技術を組み込む流体送達システムは、ワイヤ/リード線、ナノ粒子、再生薬剤と化学療法薬を含む、任意の適切な薬剤又はそれ以外では治療薬を送達するために使用可能である。
【0019】
図1は、本開示のバイオマーカー検出システム100の例示的な実施例を概略的に示す。システム100は、シリンジ104から流体を送達可能な管腔103を有するニードル102、又は流体チャネル108(該流体チャネルは、管腔103を具備する)経由でニードルの先端106までの他の適切な流体分注システムを具備可能である。バイオマーカー発光材料110は、被覆プロセスによる等、先端106に、又はニードル102の先端106の内部でそれに隣接して配置可能である。
【0020】
システム100は、流体チャネル108と光ファイバー114との間で光を結合するように構造化・構成可能な光結合器112を具備可能である。本開示の光結合器112と他の任意の光結合器は、例えば、検出器に到達する光のスペクトルをフィルタリングすることにより、信号対ノイズ比を改善可能な波長分割マルチプレクサとして実行するように構造化・構成可能である。光ファイバー114は、流体チャネル108内の流体の屈折率に略近似又は本質的に等しい屈折率を有するコア材料で選択可能で、そのため、光が、光の不一致から生じ得る反射損失や他の光学的問題を最小限にする間、該2つの間で容易に結合可能である。その代わりとして、又は追加的に、チャネル108内の流体の屈折率は、例えば、グルコース、アルコール、サッカリド塩、及び/又は他の任意の生体適合性流体等の流体の様々な構成要素の濃度を選択することで、光ファイバー114のコアの屈折率に実質的に又は本質的に正確に適合するように調整可能である。流体チャネル108は、存在する流体により、光導波路として機能できるように構造化・構成可能である。
【0021】
ダイオードレーザー等の光源116又は他の適切な光源は、光源からの光が、光ファイバーと流体チャネル108により提供される光導波路経由でニードル102の先端106まで、より詳しくは、該先端でのバイオマーカー発光材料110まで送達可能なように、光ファイバー114に光学的に結合可能である。バイオマーカー発光材料110から放射される、又はそれ以外では散乱する光は、流体チャネル108と光ファイバー114により、ニードル102の先端106から光路に沿って戻る光を検出するように構造化・構成された光検出器又は他の任意の適切な光検出装置であり得る、光受信器118まで提供される光路により戻ることができる。光結合器112は、光源116の1つ以上の放射周波数とバイオマーカー発光材料110のルミネセンスの周波数を含む、任意の関連する光周波数に対して、流体チャネル108と光ファイバー114との間で光を効果的に結合可能であるように構造化、構成、及び調整可能である。
【0022】
様々な機構により、光源116からの光は、組織と他の後方散乱手段からの後方反射等により、光受信器118に好ましくなく到達可能であり得、バイオマーカー発光材料110からのルミネセンス発光の信号を測定する際に、受信器118が表示するノイズを増加させる。この測定ノイズ源は、様々な方法で、無効化できる。上述の通り、光結合器112は、バイオマーカー発光材料110から放射される周波数まで、光受信器118に入射する光の周波数を選択的にフィルタリング可能な、波長分割マルチプレクサとして実行するように構造化・構成可能である。その代わりとして、又は追加的に、光受信器118は、光源116からの照射光や周囲の室内照明等の環境に存在し得る他の光等のバイオマーカー発光材料110の周波数以外の周波数が、光受信器に到達するのを選択的に防ぐためのフィルタを具備可能である。信号対ノイズ特性を改善するために、光受信器118の感度の周波数で放射を弱めるための室内照明をフィルタリングする等の他の測定を実施可能である。このような波長と周波数ろ過/感度の検討は、本開示の任意の関連するシステムに適用可能である。
【0023】
バイオマーカー発光材料110から放射される光の光受信器118で、検出用の信号対ノイズ特性を改善するために使用可能な別の手法は、時分割多重化である。光源116によるバイオマーカー発光材料110の照射と、材料からのルミネセンス発光の検出を一時的に分離することで、このノイズ源は、回避可能である。ある例示的な実施例において、光源116は、完全オン、完全オフの矩形波で駆動可能である。十分に迅速に(すなわち、バイオマーカー発光材料110からのルミネセンス発光に対する減衰時定数と比較して、速く)オフに切り替え可能な光源116により、光受信器118からのデータ収集は、光受信器118で記録される光源116由来の後方反射/散乱された光がないように、光源116がオフの場合のみ、実行されるようにゲート制御可能である。潜在的に、光受信器118に好ましくなく到着し得る(例えば、手術着に使用され得るような)他の光源は、光源116と同じ波形で駆動可能で、それらの検出を防止する。十分に高い周波数により、このような脈動は、人間の目にはほとんど知覚不能であり得る。これらの時分割多重化方法は、本開示の任意の互換性のあるシステム及び方法と有利に使用可能である。
【0024】
システム100を使用する典型的な方法において、ニードル102は、臨床医により患者体内に進められ、光源116を起動して、バイオマーカー発光材料110を照射する。光学的に適切な屈折率を有する流体は、流体チャネル108(管腔103を含む)内に存在し得る。ニードル102は、ニードルの先端106が、標的生体物質(例えば、他の標的生体物質も可能であるが、血液)に遭遇するまで、進められ、該材料に遭遇すると同時に、的生体物質(例:血液)のバイオマーカー発光材料110との相互作用により、光源116からの照射光と組み合わせて、光受信器118により検出可能である、バイオマーカー発光材料から発光が生じ得る。光受器118に操作可能に結合された通知システム(図示せず)は、臨床医に、標的生体物質が検出されたことを知らせることが可能である。その後、臨床医は、標的生体物質の検出と患者の組織の認識にしたがって、ニードル102の先端106を位置決め可能である(例えば、さらに前進、前進の停止、又はニードルの後退)。適切に配置されたニードル102の先端106により、流体送達システムから流体チャネル108を通過する治療液の送達は、実行可能である。
【0025】
図2は、本開示の別のバイオマーカー検出システム200の別の例示的な実施例を概略的に示す。システム200は、シリンジ204、又は他の適切な流体分注システムから、流体チャネル208経由でニードルの先端206まで流体を送達可能なニードル202を具備可能である。ニードル202とシリンジ204は、LUER繋止付属品等の(しかし、これに限定されない)任意の適切なコネクタであり得る、1つ以上の流体コネクタ209により、流体的に結合可能である。流体チャネル208は、ニードル202の管腔210を具備可能である。図2に示すシステム200の構成において、ニードル202の管腔210は、光ファイバー212により少なくとも部分的に占有可能である。光ファイバー212は、被覆プロセス等により、その遠位端に付加されたバイオマーカー発光材料214を具備可能である。図2に示す通り、その遠位端に付加されたバイオマーカー発光材料214を有する光ファイバー212は、バイオマーカー発光材料が、ニードル202の先端206に又はその近傍に配置されるように、ニードル202の管腔210内に位置決め可能である。
【0026】
このような構成のいくつかの実施形態において、光ファイバー212は、流体の通路までニードル202の管腔210を略閉塞可能である。いくつかの他の実施形態において、管腔210内に存在する光ファイバーは、少なくとも部分的な流体の通過を許容可能である。システム200において、光ファイバー212は、ファイバーの遠位端が、位置216等の位置に又はその近傍に配置可能で、シリンジ204から管腔210経由でニードル202の先端206までの流体の流れを略遮断しない場合があるように、管腔210内に選択的に後退可能である。
【0027】
システム200は、光源からの光が、光ファイバーの遠位端、より詳しくは、該先端でのバイオマーカー発光材料214まで送達可能であるように、光ファイバー212に光学的に結合可能なダイオードレーザー又は他の適切な光源等の光源218を具備可能である。バイオマーカー発光材料214から放射される又はそれ以外で散乱する光は、光ファイバー212により、ファイバーの遠位端から光ファイバー212により戻られる光を検出するように構造化・構成された光検出器又は他の任意の適切な光検出装置であり得る、光受信器220に戻ることができる。
【0028】
システム200は、光ファイバー212の遠位端で光源218からバイオマーカー発光材料214まで光を通過し、バイオマーカー発光材料214から光受信器220まで放射される光を送信するように構造化・構成可能な光結合器222を具備可能である。光結合器222は、例えば、波長分割マルチプレクサとして調整可能で、バイオマーカー発光材料214から光受信器220まで放射される光の送信を選択的に最大化し、光源218に再度向かうそのような放射光の送信を最小化する。第2の光受信器224は、光検出器又は他の任意の適切な光検出装置であり得、光ファイバースプリッタ222によりシステム200の光学系に結合可能である。第2の光受信器224は、光受信器220で信号を解釈する場合、光源218の強度の変動(例えば、温度変動によるドリフト)を補償する目的で、差動信号を作成するために使用可能である、光源218からの発光の駆動信号レベルを感知するために使用可能である。この配列はまた、いくつかの場合において、バイオマーカー発光材料214から光受信器220で受信された信号の位相敏感検出を実施するように使用され得る。
【0029】
システム200は、システム100用に記載される通り、多くの態様において、同様に使用可能である。システム200のニードル202は、操作中、ファイバーの遠位端でのバイオマーカー発光材料214が、ニードル202の先端206に又はその近傍に配設されるように管腔210内に位置決めされた光ファイバー212により、患者体内に進められる。バイオマーカー発光材料214が一度、標的生体物質(例:血液)に接すると、そのような接触により生じる光は、ファイバー上方へ光受信器220まで送信可能で、検出は、システムのユーザに示される。ニードルが一度、適切に(例:血流中に)位置決めされると、光ファイバー212は、後退可能で(例えば、216まで)、シリンジ204からニードル202の先端206での送達までの流体の流れのために管腔210を開ける。
【0030】
図3Aは、本開示の別のバイオマーカー検出システム300の構成要素の別の例示的な実施例を概略的に示し、図3Bは、図3Aに示す構成要素のいくつかの詳細を示す拡大図を提供する。システム300は、バイオマーカー検出と治療的送達用のシステム100用に記載される多くの態様で同様に使用可能である。図3A及び図3Bのシステムは、流体ライン306の流体チャネル304経由で、流体送達システム(全部は図示せず)から流体を送達可能なニードル302を具備可能である。図3A及び図3Bのシステム300は、ニードル302を流体送達システムと光学系(全部は図示せず)に結合可能な結合器308を具備可能である。図3A及び図3Bのシステム300は、結合器308を含め、LUER繋止付属品等の(しかし、これに限定されない)、任意の適切な流体コネクタ(必ずしも図示せず)を使用可能である。光学系は、光ファイバー310と、光学取付具314により光学的アラインメントで保持されるレンズを具備する、結合レンズ312と、を具備可能である。光学取付具314は、支持ウェブ318により結合器ハウジング316に対する位置関係で保持可能である。光学取付具314、結合器ハウジング316、及び支持ウェブ318の及びそれらの間の図示された物理的配列は、単なる実施例であって、限定的と考慮すべきではない。
【0031】
結合レンズ312は、光ファイバー310に対して適切に位置決めされ、アラインされる場合、光ファイバーから放射する照射光を結合又はニードル302の管腔320に焦点を合わせことができる。ニードル302の管腔320を囲う内壁322は、そのように結合された照射光用の導波路として機能できるように、電気化学又は他の適切なプロセス等により、研磨又はそれ以外では平滑化可能である。いくつかの実施例において、ニードル302の管腔320を囲う内壁322は、光ファイバーと類似の全内部反射導波路が、「コア」として機能する管腔内の高屈折率の流体と、「クラッディング」として機能する管腔の壁を被覆する低屈折率の薄い誘電層とともに生じるように、管腔内の流体の屈折率よりも低い屈折率を有するガラス又は高分子等の薄い層の誘電材料で被覆又は並べられることができる。(この導波路構成は、光が、システム100、400、500、及び600のニードル102、402、502、及び602をそれぞれ含む、流体チャネルを通過して伝播する、本開示の任意のシステムで潜在的に使用可能である)。
【0032】
照射光は、ダイオードレーザー等の任意の適切な光源(図示せず)により提供され、ニードル302の管腔320の下方からその先端324までの伝播により送達可能で、バイオマーカー発光材料326は、被覆プロセス等により、配置可能である。バイオマーカー発光材料326から放射される又はそれ以外では散乱する光は、逆光路により(ニードル管腔320の導波路、その後、レンズ312により光ファイバー310に結合される)、ニードル302の先端324から光ファイバー310により戻る光を検出するように構造化・構成された光検出器又は他の任意の適切な光検出装置であり得る、光受信器(図示せず)まで戻ることが可能である。
【0033】
結合器308は、流体ライン306の流体チャネル304とニードル302の管腔320との間を流体的に連通可能な1つ以上の流体チャネル328を具備可能である。光学取付具314は、流体送達システムの流体通路(304、328、320)から流体的に封止可能な空隙330を画成又は提供可能で、該取付具において、光結合への屈折率の変動の影響が、低減又は消去可能であるように、安定的な屈折率の真空又はガス雰囲気は維持可能である。同じ理由で、レンズ312の流体に面する側面は、平面であり得る。
【0034】
図4は、本開示の別のバイオマーカー検出システム400の構成要素の別の例示的な実施例を概略的に示す。図4のシステム400は、流体送達システム(図示せず)から管腔404を通過して、ニードル402先端406まで流体を送達可能なニードル402を具備可能である。図4のシステム400は、ニードル402を、LUER繋止付属品等の(しかし、それに限定されない)任意の適切な流体コネクタであり得る、流体コネクタ410により流体送達システムに結合可能な流体結合器408を具備可能である。結合器408及び/又はニードル402は、コネクタ-側の流体チャネル413とニードル402の管腔404との間を流体的に連通可能な1つ以上の流体チャネル411を具備又は画成可能である。
【0035】
バイオマーカー発光材料412は、被覆プロセス等により、ニードル402の先端406で配設可能である。ニードル402の管腔404を囲う内壁は、バイオマーカー発光材料412から、バイオマーカー発光材料から放射される光を検出するように構造化・構成された光検出器又は他の任意の適切な光検出装置であり得る、光受信器414まで放射される光を効率的に送信するための導波路を形成可能なように、電気化学又は他の適切なプロセス等により、研磨又はそれ以外では平滑化可能である。バイオマーカー発光材料412により放射される光の1つ以上の波長に対し調整される波長識別光学フィルタ416は、迷光を拒絶し、信号対ノイズを改善する一助となり得る。光受信器414は、連結部418により、検出用電子機器に電気的に接続可能である。
【0036】
図4のシステム400は、外部光源による照射なしに、標的生体物質(例:血液)に接すると、光を生成可能なバイオマーカー発光材料412での使用に適する。照射光源の省略は、比較的簡便なバイオマーカー検出装置及びシステムに有用となり得る。図4のシステムで使用可能な、外部照射を必ずしも要さないバイオマーカー発光材料の1つの実施例は、ルミノールである。
【0037】
外部光源によるバイオマーカー発光材料412の照射の省略を除いて、システム400は、バイオマーカー検出と治療的送達用のシステム100用に記載される多くの態様において、同様に使用可能である。
【0038】
図5Aは、本開示の「内臓型」バイオマーカー検出ニードルシステム500の例示的な実施例を概略的に示し、図5Bは、システム500の構成要素のいくつかの詳細を示す拡大図を提供する。システム500は、管腔504と先端506とを有するニードル502を具備可能で、そこでは、バイオマーカー発光材料508は、被覆プロセス等により、配置可能である。システム500は、取付具510を具備可能で、それに対し、ニードル502は、LUER繋止付属品等の(しかし、それに限定されない)任意の適切な流体コネクタであり得る、流体コネクタ512により流体送達システム(図示せず)に取付・接続可能である。
【0039】
取付具510は、レンズと電子機器を収容可能で、バイオマーカー発光材料508により生物学的検出が可能である。取付具510では、システム500は、ダイオードレーザー又は他の適切な光源等の光源514と、光検出器又は他の任意の適切な光検出装置であり得る、光受信器516と、を具備可能である。取付具510の光学系は、ビームスプリッタ518とミラー520とを具備可能である。このような光学的配置により、光源514からの照射光は、図5Bの破線矢印で表され、ニードル502の管腔504の下方にニードルの先端506に向けて向けられることができ、バイオマーカー発光材料508を照射可能である。バイオマーカー発光材料508から放射される又はそれ以外では散乱する光は、光受信器516まで、実線矢印で表される通り、逆光路により戻ることができる。ニードル502の管腔504を囲う内壁522は、ニードル502内に伝播する光のための導波路として機能できるように、電気化学又は他の適切なプロセス等により、研磨又はそれ以外では平滑化可能である。取付具510の光学系はまた、ニードル502の管腔504内の流体が、取付具510の光学/電子空間526に入らない障壁を提供可能な光学窓524を具備可能である。光学窓524は、波長を選択的にフィルタリングするために作製可能である(例:所望でない波長を閉塞する間、光源514からの照射光とバイオマーカー発光材料508から放射される光を選択的に通過させる)。選択的フィルタリングはまた、ビームスプリッタ518の1つ以上の表面で実行可能である。
【0040】
取付具510及び/又はニードル502は、コネクタ側の流体チャネル530とニードル502の管腔504との間を流体的に連通可能な1つ以上の流体チャネル528を具備又は画成可能で、ミラー520の周りに流体バイパスを提供する。
【0041】
光源514と光受信器516は、電力と制御信号を該装置に提供し、信号又は装置からの他の情報を受信・処理可能である、回路基板532に電気的に結合可能である。図5Bにおいて、光源514と光受信器516の両方は、ワイヤボンディングにより回路基板532に電気的に接続されるように図示されるが、これは、限定的ではなく、装置と回路基板との間に任意の適切な機能的結合具(表面取付技術等)を使用可能である。システム500の要素532に関して使用する用語「回路基板」は、総称的に使用され、限定的に考慮されるべきではない。回路基板532は、複数の個別の構成要素を備えたプリント基板、単一チッププロセッサ又は「システムオンチップ」、複数のサブボード、ハイブリッドシステム、又は電源供給し、システム500の要素を備えたバイオマーカー検出システムの機能を実行可能な他の任意の適切な配列を具備し得る。取付具510は、ボタン、発光ダイオード等の可視的表示器、及びオーディオ信号表示機器/スピーカを具備可能である(しかし、これらに限定されない)任意の適切なユーザインターフェース要素534を提供又は支持可能である。回路基板532は、検出信号、セルフテスト、電池状態等の操作に必要又は望ましい任意のBLUETOOTH機能を組み込み可能である、BLUETOOTHインターフェース等の1つ以上の無線インターフェースを具備可能である。取付具510は、光源514、光受信器516、回路基板532及び取付具510により提供される他の適切な構成要素用の操作用電源を提供可能である、電池又は他の任意の適切な装置であり得る、エネルギー蓄積装置536を収容可能である。システム500は、バイオマーカー検出と治療的送達用のシステム100のために記載される多くの態様において、同様に使用可能である。
【0042】
図6A及び図6Bは、本開示の別のバイオマーカー検出システム600の構成要素の別の例示的な実施例を概略的に示す。図6Aは、システム600の検出構成を一般的に示し、図6Bは、検出後の流体送達構成を一般的に示す。システム600は、管腔604を有するニードル602を具備可能である。図6Aの構成において、ニードル602の先端608に又はその近傍に配設される半透過性障壁606は、管腔604内に存在するバイオマーカー発光材料の流体が、その先端でのニードルに入り、患者の体に潜在的に入るのを防止可能である。システム600内で半透過性障壁606を使用することで、ニードル602の管腔604内にバイオマーカー発光材料の流体の大きいリザーバを提供し、このようなリザーバがない他の装置と比較すると、照射が増加し、感度の持続時間の延長が可能になる。
【0043】
半透過性障壁606は、標的生体適合材料生体物質が、管腔604内に存在するバイオマーカー発光材料の流体に接する又はそれと反応可能であるように、標的生体物質610に少なくとも半透過性であり得る。いくつかの実施例において、半透過性障壁606は、例えば、血液の構成要素として見られるように、鉄イオン又は鉄を含む化合物の通過を選択的に可能にするように構造化・構成可能である。管腔604内に存在するバイオマーカー発光材料の流体は、このような鉄イオン又は鉄を含む化合物と反応性がある材料であり得る。いくつかの実施形態において、血液は、無制限に活性があるままである。血液中に存在するいかなる形態の鉄分が一度、バイオマーカー発光材料に接し、放射線を放射すると、鉄分は、典型的に、この反応では消費されない。
【0044】
いくつかの実施形態において、標的生体物質とバイオマーカー発光材料の流体は、光子612が該反応で生成されるように、反応可能である。図示の通り、このような光子612は、標的生体物質が、障壁606を通過して管腔の容量まで穿通することに依存して、管腔604内の様々な位置で生成可能である。いくつかの実施形態において、半透過性障壁606は、半透明又は少なくとも部分的に透明であり得、障壁内の反応により生成された光子612が、検出のために障壁を出ることができる。
【0045】
的生体物質610とバイオマーカー発光材料の流体との間の接触の結果生成される光子612は、光検出器、又はこのような光を検出するように構造化・構成された他の任意の適切な光検出装置であり得る、光受信器614までニードル602の管腔604内へ伝播可能である。ニードル602の管腔604を囲う内壁616は、ニードル内を伝播する光のための導波路として機能可能なように、電気化学又は他の適切なプロセス等により、研磨又はそれ以外では平滑化可能である。
【0046】
図6Aにおいて、バイオマーカー検出システム600が、検出構成において示される一方、図6Bでは、システムは、流体送達構成で示される。システム600は、標的生体物質の検出成功後、図6Aの検出構成から図6Bの流体送達構成まで再構成可能であるが、これは限定的ではなく、このような再構成は、成功した生体物質の検出に必ずしも依存しない。
【0047】
図6Bを参照すると、再構成は、抽出孔620経由で、ニードルの管腔と流体連通な流体抽出ポート618経由で、ニードル602の管腔604からバイオマーカー発光材料の流体を引き抜くことで、成立させることができる。抽出孔620は、任意の適切なプロセス(従来の機械加工、レーザー穴開け、エッチング等)により形成可能である。バイオマーカー発光材料の流体の引き抜きは、引き抜き中のバイオマーカー発光材料の流体の流れの方向を示す、矢印622により示される。半透過性障壁606は、ニードル602の管腔604内で摺動可能に構成可能である。バイオマーカー発光材料の流体が、管腔604から引き抜かれる際に、摺動可能な半透過性障壁606は、その前の遠位位置から(ニードル602の先端608で)近位方向に(図6A及び図6Bの右側に向かって)引かれることができる。バイオマーカー発光材料の流体を管腔から略完全に引き抜いた後、腔604の近位端での半透過性障壁606を示す。いくつかの代替の実施例において、半透過性障壁606は、非摺動可能なバースト障壁の形態をとり得る。このようなバースト障壁が、バースト時に微粒子を生成しないことは、一般的に所望である場合がある。
【0048】
バイオマーカー発光材料の流体をニードル602の管腔604から引き抜くことで、システム600は、送達孔626経由で、ニードルの管腔と流体連通可能である、流体入力ポート624経由で、流体送達システム(図示せず)からの流体の送達に使用可能である。送達孔626は、任意の適切なプロセス(従来の機械加工、レーザー穴開け、エッチング等)により形成可能である。流体送達システムからの流体の送達は、矢印628により示される。
【0049】
図6A及び図6Bの断面図中の空間630は、例えば、ニードル602を囲う環状空間経由で、流体入力ポート624と流体連通可能であることに注記願う。同様に、空間632は、流体抽出ポート618と流体連通可能である。
【0050】
他のニードル構成も、バイオマーカー発光材料と標的生体物質との間の接触の結果として作成される感知ルミネセンス発光により、バイオマーカー検出が可能である。図7Aは、バイオマーカー検出ニードル700の概略断面図であり、図7Bは、図7A中のニードルの左側から見たニードル700の概略平面図である。ニードル700は、その先端702で、バイオマーカー発光材料704を含み得る。ニードル700は、1つ以上の光ファイバー706、708を具備可能である。光ファイバー706、708の1つは、ダイオードレーザー又は他の適切な光源等の光源(図示せず)からバイオマーカー発光材料704まで、照射光を送達するために使用可能で、2つの光ファイバーのうちもう1つは、バイオマーカー発光材料から、光検出器又は他の任意の適切な光検出装置であり得る光受信器(図示せず)まで放射される光を送信するために使用可能である。ニードル700は、シリンジ又は他の適切な流体分注システム(図示せず)からの流体送達に適した管腔710を具備可能である。
【0051】
ニードル700の構成は、照射光及びバイオマーカー発光材料により放射される光の高効率送信用の非後退式光ファイバー706、708を使用し、ニードルの先端702への流体送達用に常時開である管腔を同時に提供する。比較すると、図2のシステム200において、先端206から位置216までの光ファイバー212の後退は、流体送達用に管腔210を開けるために必要となり得る。図1のシステム100等の本開示のいくつかの他の実施形態において、ニードルの開いた管腔は、該ニードルの遠位端まで延伸する光ファイバーがなくても、光送信用の光導波路を提供するために使用可能である。多くの事例において、光ファイバーは、ニードルの管腔よりも高効率な光送信を提供可能である。
【0052】
図8A、8B、8C、及び8Dは、図7A及び図7Bのニードル700に類似する、ニードルの先端までの長さに沿って、光ファイバーと管腔を提供するニードルの孔下方からの概略断面図である。図8Aのニードル802は、5つの光ファイバーを具備可能で、外部ファイバー804は、光源からバイオマーカー発光材料まで照射光を送達する照射ファイバーで、内部ファイバー806は、バイオマーカー発光材料から光受信器まで放射される光を送信するために使用される感知又は検出ファイバーである。4つの外部照射ファイバーと1つの内部検出ファイバーのこの配列は、ある実施例にすぎず、限定的と考慮されるべきではない。他のファイバー配列も検討される。ニードル802は、流体送達用に適切な1つ以上の管腔808を具備可能である。いくつかの実施例において、複数の管腔は、共通の流体リザーバからの流体送達用のより高い流体透過性を提供するために使用可能である。いくつかの他の実施例において、複数の管腔は、異なる流体に対し独立した送達経路を提供するために使用可能である。
【0053】
図8Bのニードル810は、流体送達に適した3つの光ファイバー812と3つの管腔814を具備可能である。図8Cのニードル816は、2つの光ファイバー818と2つの管腔820を具備可能である。図8Dのニードル822は、単一の光ファイバー824と単一の管腔826を具備可能である。これらは、実施例にすぎず、他の数量の光ファイバーと管腔は、本開示で検討されるバイオマーカー検出ニードルで提供・使用可能である。単一の光ファイバーを有するニードル内の光ファイバーは、例えば、単一のファイバーによる照射光と検出光の結合を処理するための光ファイバースプリッタ(図2のシステム200のスプリッタ222に類似)を使用することで、照射と検出の両方に使用可能である。その代わりとして、単一の光ファイバーを有するニードル内の光ファイバーは、照射光を必要としない検出装置内でバイオマーカー発光材料から光受信器まで検出光を送信するためにのみ使用可能である。
【0054】
本開示で検討されるいくつかの実施例において、図7A、7B、8A、8B、及び8Cで示すニードルに類似(しかし、これらに限定されない)する、複数の光ファイバーを備えた器具は、複数のバイオマーカー及び/又は他の検出可能な物質の検出用に構成された装置用に使用可能である。複数のファイバーの各々は、独立した検出及び/又は照射チャネル用に使用可能である。例えば、異なるバイオマーカー発光材料は、異なる発光検出信号が、独立して感知可能なように、ニードルの先端で異なる検出ファイバーの端部で被覆可能である。異なるバイオマーカー発光材料は、複数の照射ファイバーにより提供可能な異なる照射要件を有し得る。本明細書中で検討される通り、別個のファイバーは、空気/ガス検出用に使用可能である。
【0055】
本開示のシステム及び方法内でバイオマーカー検出に使用されるバイオマーカー発光材料は、様々な異なる発光現象を利用可能である。いくつかのバイオマーカー発光材料は、化学発光に依存し得、バイオマーカー発光材料と標的バイオマーカーとの間の接触時に生じ得る化学反応は、追加のエネルギー入力なしに、バイオマーカーの検出の信号として感知可能な発光を生じ得る。システム400と600は、光源を必ずしも具備しないが、光源を含むシステムよりも(少なくとも光学的な複雑さにおいて)、複雑ではない場合があることを考慮すると、化学発光のバイオマーカー発光材料での使用に特に適し得る。しかしながら、潜在的に任意のシステム100、200、300、400、500、及び600、及び任意のニードル700、802、810、816、及び822は、該システムのいくつかに光源を含めることが、化学発光により生成された光の検出に関連がない場合があるものの、化学発光検出とともに使用され得る。
【0056】
いくつかの他のバイオマーカー発光材料は、バイオマーカー発光材料と標的生体物質との間の接触により起動される光ルミネセンス(例:蛍光発光及び/又はリン光発光)を使用可能である。光ルミネセンス用の照射光は、例示的に典型的なシステム100、200、300、及び500の光源により提供可能で、システム100、200、300、500、及びニードル700、802、810、816、及び822の少なくともいくつかの光ファイバー(及び/又はいくつかの場合において、他の導波路)により送信可能である。
【0057】
いくつかのバイオマーカー発光材料は、標的バイオマーカーがない状態で光ルミネセンスを表示可能で、標的バイオマーカーへの曝露時に、光ルミネセンスは、停止又は低減可能である。
【0058】
バイオマーカー発光材料の被覆の物理的特性は、競合要因間のバランスを反映し得る。薄いコーティングは、照射光が中に浸透して、放射物が検出用に逃避するのに十分に半透明であり得る一方、厚いコーティングは、より大きいバイオマーカー検出材料と強いエミッション信号を提供可能である。コーティングは、架橋親水性コーティングを具備可能である。架橋親水性コーティングは、コーティングの部分として、バイオマーカー発光材料を具備可能で、又はそれを送達装置に封入又は封止可能である。バイオマーカー発光材料の多孔性は、バイオマーカーと該材料との間の相互作用を容易にするのに所望である場合がある。
【0059】
本開示は、患者の組織内のガス(「空気」と称し得る)と液体とを区別するためのリアルタイムのシステム及び方法をさらに検討し、手術器具をその中に正確に配置する一助とする。このようなシステムは、光学、音波、及び/又は電気式検出を含み得、光学、音波、及び/又は電気インピーダンスの差に基づき得る。
【0060】
図9は、(本明細書で「光ファイバー空気センサ」と称し得る)空気と液体を区別するための光ファイバーセンサ900の概略断面図である。センサ900は、クラッディング904により囲まれ得、次にバッファ906により囲まれ得る、光ファイバーコア902を具備可能である。バッファ906は、一次バッファ層と二次バッファ層等の1つ以上のバッファ層を具備可能である。光ファイバー空気センサ900は、力、保護等のための他の任意の適切な層(図示せず)を具備可能である。
【0061】
光ファイバー空気センサ900は、検出端(すなわち、図9の左から右へ)に向かうファイバー内で伝播する光源(図示せず)からの光が、検出端でファイバーコア902の面909上の入射時に全内部反射を経験するかどうかに基づいて、検出端908で液体と空気とを区別するように構造化・構成可能である。典型的な光線の束は、検出端908に向かって(910で)コア902内で伝播し、その後、面909で反射後に、検出端から(912で)離れて伝播するように図示される。
【0062】
全内部反射の場合、全内部反射用の臨界角よりも浅い入射角で面909に入射する光線は、本質的に完全に反射される。光線が臨界角よりも急な角度で入射すれば、一般的に、光線914用に概略的に示す通り、コア902内で部分的に反射され(912でのように)、ファイバー外部に部分的に反射可能である。
【0063】
面909は、検出端908に向かってコア902内で伝播する逆反射光線に構造化可能である。該面は、例えば、コア902の縦軸に対して45度で配向可能である。いくつかの実施形態において、該面は、立方体の角の構成で配列可能である。コア902の(本質的に光伝播軸である)縦軸に対して45度で配向された面は、空気と液体との識別用に適切に配向可能である。溶融石英ファイバーに対し、空気の外部媒体に対する全内部反射用の臨界角は、約43度で、水の外部媒体に対する全内部反射用の臨界角は、約67度である。したがって、コア902の縦軸に沿って伝播し、縦軸に対して45度で配向される面909に入射する光は、空気への臨界角より浅く、水の臨界角より急に該面に入射可能である。
【0064】
検出構成は、操作中、検出端908から逆反射した光源からの光を検出するように適切に構成可能な光受信器(図示せず)を具備可能である。この逆反射信号は、一般的に、検出端908の面909が、空気の外部媒体に曝露される場合、より明るくなり得、面が液体に曝露される場合(したがって、全内部反射を生じない)と異なるように、全内部反射を生じる。面909は、検出の有用性を高めるために、コーティングを具備可能である。コア内の光が入射する面の部分を含む、面909の内部916は、疎水性コーティングを有し得、検出端908が空気中にある場合、面上の残りの液体をはじく。面909の外部918は、親水性コーティングを具備可能で、内部916から液体を離す。
【0065】
図10は、光ファイバー空気センサ1002を組み込み可能なニードルシステム1000の例示的な実施例の孔の下方からの概略断面図である。センサ1002は、図9の光ファイバー空気センサ900に類似して、型1008内の皮下注入ニードル1004内に配設可能である。皮下注入ニードル1004は、薬用流体の送達用の流体チャネル1006を囲うことができるが、これは限定的ではなく、他の実施形態において、ニードルは、他の治療的ペイロード及び/又は装置を送達又は収容可能である。光ファイバー空気センサは、本明細書に記載のバイオマーカー検出システムとの組み合わせを含め、医療装置の他の構成に組み込み可能であることを考慮されたい。
【0066】
図11は、(本明細書で「音波空気センサ」と称し得る)空気と液体を区別するための音波プローブを組み込み可能なニードルシステム1100の概略断面図である。感知ロッド1102は、1つ以上のエラストマー取付具1106により、皮下注入ニードル1104内に取り付け可能である。感知ロッド1102は、適切な周波数で反応質量1110に対する圧電アクチュエータ1108により、(それに重ね合わされる矢印により表示されるように)縦方向に駆動可能である。ニードルシステム1100の遠位端での感知ロッド1102の先端1112は、その位置で存在し得る媒体が、組織、液体、又はガスによらずいずれと機械的接触状態であり得る。これらの媒体の各々は、感知ロッド1102の動作に対する異なる機械インピーダンスを提示可能で、インピーダンスは、一般的に、(組織>液体>ガス)の順に減少する。音波/機械インピーダンスは、(a)一定の駆動力を加え、振幅を測定する、(b)一定の振幅に駆動し、駆動力を測定する、及び/又は(c)駆動力と動作との間の位相シフトを測定することを含むが、これらに限定されない、様々な方法で測定可能である。ニードルシステム1100は、薬用流体の送達用の流体チャネル1114を囲うことができるが、これは限定的ではなく、他の実施形態において、ニードルは、他の治療的ペイロード及び/又は装置を送達又は収容可能である。音波空気センサは、本明細書に記載のバイオマーカー検出システムとの組み合わせを含め、医療装置の他の構成に組み込み可能であることを考慮されたい。
【0067】
図12A、12B、及び12Cは、それぞれ、概略平面図、概略側方断面図、及び(本明細書で「電気式空気センサ」と称し得る)空気と液体を区別するための電気式センサを組み込み可能なニードルシステム1200の例示的実施例の孔下方から見た概略断面図である。導体1204a、1204bは、皮下注入ニードル1202内に存在する絶縁体1206内に成型可能である。皮下注入ニードル1202は、接地可能で、導体1204a、1204bは、電気駆動できる感知機器(図示せず)に接続可能である。導体1204a、1204bの端部は、その面1208a、1208bが、ニードルの先端で遭遇するいかなる媒体と導電接触できるように、ニードル1202の遠位端で研磨可能である。一般的に、導体1204a、1204bの面1208aと1208bとの間の電気伝導度は、該媒体に依存し得る。例えば、ヒトの血漿(13.5×10-3)の伝導率[(Ωcm)-1で測定]は、胃液(24×10)及び尿(40×10-3)のものと大幅に異なる。空気の伝導率は、一般的に非常に低いであろう。疎水性コーティングは、ニードルの端部に設置可能で、空気の間隙に遭遇する際に、導体1204a、1204bの面1208aと1208bからの液体を拒絶する一助となる。導体1204a、1204bの面1208aと1208bとの間の伝導率を監視することで、ニードルシステム1200の先端に存在する媒体の差は、検出、またいくつかの場合では、識別可能である。ニードルシステム1200は、薬用流体の送達用の流体チャネル1210を囲うことができるが、これは限定的ではなく、他の実施形態において、ニードルは、他の治療的ペイロード及び/又は装置を送達又は収容可能である。電気式空気センサは、本明細書に記載のバイオマーカー検出システムとの組み合わせを含め、医療装置の他の構成に組み込み可能であることを考慮されたい。
【0068】
図12A、12B、及び12Cのシステム1200に類似するニードルシステムは、図13A、13B、及び13Cに示され、それぞれ、電気式空気センサを組み込み可能なニードルシステム1300の例示的な実施例の概略側方断面図と、ニードルシステム1300の2つの代替構成の孔の下方からの概略断面図である。図13A、13B、及び13Cの構成において、ワイヤは、ニードルシステム1200と比較した通り、皮下注入ニードル1302の管腔内に接合可能で、導体1204a、1204bは、ニードル1202の管腔内の絶縁体1206に成型される。図13A、13B、及び13Cの構成のワイヤは、各々、導体1304a、1304b、又は1304cを具備し、各導体は、絶縁体1312により囲われている。ワイヤは、接着剤1314にてニードルの管腔内に接合可能である。
【0069】
図13Bの構成において、導体1304aを備えた単一ワイヤは、ニードル1302内に接合可能である。この構成において、導体1304aは、1つの導体として機能し、ニードル1302は、電気式空気感知用のもう1つの導体として機能する。図13Cの構成において、導体1304b、1304cを備えた2つのワイヤは、ニードル1302内に接合可能で、空気感知回路を完成させるのに要する2つの導体として機能する。疎水性コーティングは、ニードルの端部に設置可能で、空気の間隙に遭遇する際に、導体1304a、1304b、1304cの面1308a、1308b、1308c、及びニードル1302の端部1316からの液体を拒絶する一助となる。ニードルシステム1300は、薬用流体の送達用の流体チャネル1310を囲うことができるが、これは限定的ではなく、他の実施形態において、ニードルは、他の治療的ペイロード及び/又は装置を送達又は収容可能である。
【0070】
システム1000、1100、1200、又は1300の1つ等の、光学、音波、又は電気式空気検出システムを有するニードルシステムを使用する典型的な方法において、ニードルは、臨床医により患者体内に進められ、空気検出システムは、起動されて、臨床医にフィードバックを提供する。ニードルの先端が対象の媒体に進む際に、空気検出システムに操作可能に結合される通知システム(図示せず)は、臨床医に、標的媒体が検出されたことを通知可能である。臨床医は、その後、標的媒体の検出と患者の組織の認識にしたがって、ニードルの先端を位置決め可能である(例えば、さらにニードルを前進、前進を停止、又は後退)。ニードルの先端を適切に配置すると、流体送達システム(又は他の治療的操作)からの治療的流体の送達は、実行可能である。
【0071】
本開示の当業者とその発明の対象は、実施形態が、実施例により記載又はそれ以外では本明細書で検討された任意の個々の実施形態に示すものよりも少ない特徴を含み得ることを認識されるであろう。本明細書に記載の実施形態は、様々な特徴を組み合わせ及び/又は配列可能である方法の包括的な提示を意図するものではない。したがって、実施形態は、特徴の相互排他的な組み合わせではなく、むしろ、実施形態は、当該分野の当業者が理解する通り、異なる個々の実施形態から選択された異なる個々の特徴の組み合わせを含み得る。さらに、1つの実施形態に関して記載される要素は、他の実施形態において、特段の記載がない限り、このような実施形態で記載のない場合でさえ実装可能である。従属請求項が、請求の範囲において、1つ以上の他の請求項との特定の組み合わせを指し得るものの、他の実施形態はまた、従属請求項と互いの従属請求項の発明の対象との組み合わせ又は1つ以上の特徴と他の従属又は独立請求項との組み合わせを含み得る。このような組み合わせは、特定の組み合わせを意図しないとの記載がなければ、本明細書で提案される。さらに、請求項の特徴を、本請求項が独立請求項に直接従属されていなくても、他の任意の従属請求項に含めることも意図される。
【0072】
上記の文献の引用による任意の組み込みは、本明細書中の明白な開示に反する発明の対象を組み込まないように、限定される。上記の文献の引用による任意の組み込みは、文献に含まれる請求項が、本明細書で引用により組み込まれないように、さらに限定される。上記の文献の引用による任意の組み込みは、文献に記載される任意の定義が、本明細書に明示的に含まれない限り、本明細書で引用により組み込まれないように、さらに限定される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C