(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20240813BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240813BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240813BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G06Q10/02
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022024337
(22)【出願日】2022-02-18
【審査請求日】2023-01-23
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-075393(JP,A)
【文献】特開2000-146613(JP,A)
【文献】特開2013-191016(JP,A)
【文献】特開2003-057057(JP,A)
【文献】特開2010-009246(JP,A)
【文献】特開2019-168927(JP,A)
【文献】特開2012-112828(JP,A)
【文献】特開2017-096636(JP,A)
【文献】特開2019-144176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G06Q 10/02
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが出発地から車両を利用して目的地まで移動する経路を検索するプログラムであって、
コンピュータを、
前記ユーザの端末装置から、前記出発地と前記目的地を含む移動条件を取得する取得手段、
前記取得された移動条件に応じて、前記出発地から前記目的地まで前記車両を利用する通常経路を検索する第一検索手段、
前記取得された移動条件に応じて、前記車両と、当該車両を駐車する駐車場と、当該駐車場の近傍から前記目的地の近傍までを結ぶ公共交通機関と、を利用する特別経路を検索する第二検索手段、
前記通常経路と前記特別経路を前記ユーザの端末装置に表示させる制御手段、
として機能させ
、
前記第二検索手段は、前記通常経路における渋滞度、前記通常経路における平均速度、及び前記通常経路における移動距離の少なくとも何れか一つに応じて、前記特別経路を検索する、
プログラム。
【請求項2】
前記第二検索手段は、前記通常経路における渋滞度が所定値以上である場合、前記通常経路における平均速度が所定値未満である場合、及び前記通常経路における移動距離が所定値以上である場合の少なくとも何れか一つの場合に、前記特別経路を検索する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ユーザの端末装置からの予約要求に応じて、前記特別経路に含まれる駐車場を予約対象として予約処理を実行する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記予約対象は、前記公共交通機関の往路と復路とを含む、
請求項
3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第一検索手段は、前記通常経路の所要時間を検索し、
前記第二検索手段は、前記特別経路の所要時間を検索し、
前記制御手段は、前記通常経路の所要時間と前記特別経路の所要時間を比較可能に表示させる、
請求項1乃至
4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第一検索手段は、前記通常経路の温室効果ガスの排出量を検索し、
前記第二検索手段は、前記特別経路の温室効果ガスの排出量を検索し、
前記制御手段は、前記通常経路の前記排出量と前記特別経路の前記排出量を比較可能に表示させる、
請求項1乃至
5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第一検索手段は、前記通常経路の利用料金を検索し、
前記第二検索手段は、前記特別経路の利用料金を検索し、
前記制御手段は、前記通常経路の利用料金と前記特別経路の利用料金を比較可能に表示させる、
請求項1乃至
6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記車両は、電気自動車であって、
前記特別経路は、前記電気自動車の充電スタンドを備える駐車場を含む、
請求項1乃至7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記移動条件は、前記電気自動車の走行可能距離を含み、
前記第二検索手段は、前記走行可能距離に基づいて前記駐車場を検索する、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
ユーザが出発地から車両を利用して目的地まで移動する経路を検索する情報処理装置であって、
前記ユーザの端末装置から、前記出発地と前記目的地を含む移動条件を取得する取得手段と、
前記取得された移動条件に応じて、前記出発地から前記目的地まで前記車両を利用する通常経路を検索する第一検索手段と、
前記取得された移動条件に応じて、前記車両と、当該車両を駐車する駐車場と、当該駐車場の近傍から前記目的地の近傍までを結ぶ公共交通機関と、を利用する特別経路を検索する第二検索手段と、
前記通常経路と前記特別経路を前記ユーザの端末装置に表示させる制御手段と、
を備え
、
前記第二検索手段は、前記通常経路における渋滞度、前記通常経路における平均速度、及び前記通常経路における移動距離の少なくとも何れか一つに応じて、前記特別経路を検索する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、目的地近傍の駐車場を予約することができる駐車予約システムが知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、目的地として設定された施設において駐車可能な駐車場を検索し、検索した空き駐車場の駐車予約をする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、目的地として設定された施設において駐車可能な駐車場を検索及び予約するだけであり、目的地までに車両と公共交通機関を併用するメリットが高い場合でも、ユーザに車両と公共交通機関の併用を促すことができないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザに車両と公共交通機関の併用を促すことができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、ユーザが出発地から車両を利用して目的地まで移動する経路を検索するプログラムであって、コンピュータを、前記ユーザの端末装置から、前記出発地と前記目的地を含む移動条件を取得する取得手段、前記取得された移動条件に応じて、前記出発地から前記目的地まで前記車両を利用する通常経路を検索する第一検索手段、前記取得された移動条件に応じて、前記車両と、当該車両を駐車する駐車場と、当該駐車場の近傍から前記目的地の近傍までを結ぶ公共交通機関と、を利用する特別経路を検索する第二検索手段、前記通常経路と前記特別経路を前記ユーザの端末装置に表示させる制御手段、として機能させる。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記制御手段は、前記ユーザの端末装置からの予約要求に応じて、前記特別経路に含まれる駐車場を予約対象として予約処理を実行する。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記予約対象は、前記公共交通機関の往路と復路とを含む。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記第一検索手段は、前記通常経路の所要時間を検索し、前記第二検索手段は、前記特別経路の所要時間を検索し、前記制御手段は、前記通常経路の所要時間と前記特別経路の所要時間を比較可能に表示させる。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記第一検索手段は、前記通常経路の温室効果ガスの排出量を検索し、前記第二検索手段は、前記特別経路の温室効果ガスの排出量を検索し、前記制御手段は、前記通常経路の前記排出量と前記特別経路の前記排出量を比較可能に表示させる。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記第一検索手段は、前記通常経路の利用料金を検索し、前記第二検索手段は、前記特別経路の利用料金を検索し、前記制御手段は、前記通常経路の利用料金と前記特別経路の利用料金を比較可能に表示させる。
【0013】
また、本発明の第七態様では、前記移動条件は、移動日時を含み、前記第一検索手段は、前記移動日時における前記通常経路の所要時間を検索し、前記第二検索手段は、前記通常経路の所要時間に応じて、前記特別経路を検索する。
【0014】
また、本発明の第八態様では、前記車両は、電気自動車であって、前記特別経路は、前記電気自動車の充電スタンドを備える駐車場を含む。
【0015】
また、本発明の第九態様では、前記移動条件は、前記電気自動車の走行可能距離を含み、前記第二検索手段は、前記走行可能距離に基づいて前記駐車場を検索する。
【0016】
また、本発明の第十態様に係る情報処理装置は、ユーザが出発地から車両を利用して目的地まで移動する経路を検索する情報処理装置であって、前記ユーザの端末装置から、前記出発地と前記目的地を含む移動条件を取得する取得手段と、前記取得された移動条件に応じて、前記出発地から前記目的地まで前記車両を利用する通常経路を検索する第一検索手段と、前記取得された移動条件に応じて、前記車両と、当該車両を駐車する駐車場と、当該駐車場の近傍から前記目的地の近傍までを結ぶ公共交通機関と、を利用する特別経路を検索する第二検索手段と、前記通常経路と前記特別経路を前記ユーザの端末装置に表示させる制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザに車両と公共交通機関の併用を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の本実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すサーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムにおいて、
図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係る車両経路検索画面の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る検索結果画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る予約完了画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<全体構成>
図1は、本発明の本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、情報処理システム1は、サーバ装置10と、複数の端末装置12と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線網等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に構成されている。
【0022】
サーバ装置10は、各種制御を行う情報処理装置(コンピュータ)である。このサーバ装置10は、例えば、経路検索サービスを提供する事業者によって管理/運営されている。本実施形態では、サーバ装置10は、ユーザが出発地から車両を利用して目的地まで移動する経路を検索する。
【0023】
端末装置12は、ユーザや担当者が操作する情報処理装置である。端末装置12は、例えば、第一端末装置12Aと、第二端末装置12Bと、を含む。端末装置12としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0024】
第一端末装置12Aは、例えば、各ユーザが操作する装置である。ユーザは、第一端末装置12Aを用いて、経路検索や駐車場等の予約を行うことができる。
【0025】
第二端末装置12Bは、例えば、各駐車場の運営会社に所属する担当者が操作する装置である。この担当者は、第二端末装置12Bを用いて、サーバ装置10から送信された駐車場の予約情報を確認することができる。
【0026】
第二端末装置12Cは、例えば、各公共交通機関の運行会社に所属する担当者が操作する装置である。この担当者は、第二端末装置12Cを用いて、サーバ装置10から送信された公共交通機関の予約情報を確認することができる。
なお、第二端末装置12B及び第二端末装置12Cは、サーバ装置であってもよい。
【0027】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0029】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0030】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0031】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0032】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置等を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0033】
<機能的構成>
図3は、
図1に示すサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、取得手段52と、第一検索手段54と、第二検索手段56と、制御手段58と、を備える。
【0035】
記憶手段50は、例えば、施設情報50Aと、経路情報50Bと、駐車場情報50Cと、公共交通機関情報50Dと、ユーザ情報50Eと、を記憶する機能手段である。
【0036】
施設情報50Aは、出発地や目的地となり得る施設(地点)の名称や位置情報を含む。この位置情報としては、例えば、緯度経度や住所等が挙げられる。この施設としては、例えば、企業やショッピングモール、野球場、サッカースタジアム、観光スポット等が挙げられる。なお、施設には、駅やバス停(停留所)、駐車場を含んでもよい。
【0037】
経路情報50Bは、各ノード(例えば、駅やバス停、交差点)同士を接続するリンク毎のリンクIDに対応付けて、リンク情報を含む。リンク情報は、リンク名(例えば路線名や道路名)や、向き(出発ノードと到着ノード)、リンク長(例えば距離)、公共交通機関ID、位置情報(例えば各ノードの緯度経度)、最小所要時間、温室効果ガス、料金、混雑予想等の情報を含む。最小所要時間は、リンクを車両(例えば自家用車)や公共交通機関で移動する場合に要する最小の時間である。温室効果ガスは、リンクを車両や公共交通機関で移動する場合に排出される温室効果ガス(例えば炭素)の排出量である。料金は、リンクを車両や公共交通機関で移動する場合に要する料金(例えば有料道路料金や運賃)である。これらの最小所要時間や温室効果ガス、料金は、例えば車両や公共交通機関の種別毎に異なる値が各種テーブルに格納されていてもよい。また、料金は、公共交通機関の座席(例えば普通席やグリーン席)毎に、異なる値をテーブルに格納していてもよい。混雑予想は、例えば、各曜日(平日と休日)の各時間帯に対応付けて、道路の渋滞度や、公共交通機関の乗車率を含む。渋滞度は、例えば、最低所要時間や温室効果ガス等に乗算される係数(1以上の数値)を含む。また、乗車率は、例えば、0%~200%までの値を含む。
【0038】
駐車場情報50Cは、駐車場毎の駐車場IDに対応付けて、駐車場名や、運営会社ID、位置情報(例えば緯度経度)、区画数、予約状況、駐車料金、予約アクセス情報等を含む。区画数は、駐車可能な車両の最大数を含む。予約状況は、例えば、3ヶ月後までの各時間帯(例えば1時間毎)において予約されている区画を示す情報を含む。この予約状況は、例えば、取得手段52によって、所定時間(例えば1分)毎に運営会社の端末装置12(第二端末装置12B)から取得される。駐車料金は、例えば、曜日や時間帯に応じて設定されている単位時間(例えば1時間)毎の料金を含む。予約アクセス情報は、例えば、運営会社の端末装置12に対して、予約状況の取得や、駐車場の予約処理を行うためのアクセス情報(例えばURLやメールアドレス等)を含む。
【0039】
公共交通機関情報50Dは、公共交通機関毎の公共交通機関IDに対応付けて、公共交通機関名や、運行会社ID、予約状況、予約アクセス情報等を含む。予約状況は、例えば、3ヶ月後までの各移動手段(例えば、特急列車や高速バス、タクシー等)の座席が予約可能であるか否かを示す情報を含む。この予約状況は、例えば、取得手段52によって、所定時間(例えば1分)毎に運行会社の端末装置12(第三端末装置12C)から取得される。予約アクセス情報は、例えば、運行会社の端末装置12に対して、予約状況の取得や、座席の予約処理を行うためのアクセス情報(例えばURLやメールアドレス等)を含む。
【0040】
ユーザ情報50Eは、ユーザ毎のユーザIDに対応付けて、ユーザそれぞれのログインIDや、パスワード、名前、住所、連絡先、登録地点、決済情報、登録車種情報等を含む。登録地点は、ユーザによって予め登録された一又は複数の地点である。登録地点は、例えば、出発地や目的地となり得る地点である。この地点としては、例えば、自宅や勤務先等が挙げられる。連絡先としては、電話番号やメールアドレス等が挙げられる。決済情報は、ユーザが駐車場や公共交通機関の予約時に利用料金や運賃を決済するための情報を含む。この決済情報は、例えば、ユーザのクレジットカード情報や銀行口座情報等を含む。登録車種情報は、例えば、ユーザによって予め登録された車両(例えば自家用車)の種別(例えば軽自動車や普通車、大型車、電気自動車、ディーゼル車等)や、当該車両の燃費、当該車両の走行可能距離等を含む。この走行可能距離は、例えば、車両に対する1回の給油や充電によって走行することが可能な距離を含む。
【0041】
取得手段52は、端末装置12から各種情報を取得する機能手段である。本実施形態では、取得手段52は、ユーザの端末装置12から、ユーザが出発地から車両を利用して目的地まで移動する経路を検索するための移動条件を取得する。例えば、取得手段52は、車両経路検索画面においてユーザが入力した移動条件を取得する。この移動条件としては、例えば、出発地や目的地、移動日時、滞在時間、車両種別、移動人数等が挙げられる。
【0042】
また、取得手段52は、駐車場情報50Cや公共交通機関情報50Dを参照して、移動日時における駐車場や公共交通機関の予約状況を取得する。
【0043】
第一検索手段54は、車両を利用する通常経路を検索する機能手段である。本実施形態では、第一検索手段54は、取得手段52によって取得された移動条件に応じて、出発地から目的地まで利用する車両を利用する通常経路を検索する。この通常経路は、例えば、道路の各リンクと、駐車場IDを含む。
【0044】
例えば、第一検索手段54は、施設情報50Aと経路情報50Bを参照して、移動日時における出発地から目的地までの往復の車両経路(道路のリンク)を検索する。続いて、第一検索手段54は、駐車場情報50Cを参照して、目的地の近傍(例えば300m以内)にある駐車場であって、移動日時に基づく駐車期間に予約が可能な駐車場を検索する。すなわち、第一検索手段54は、移動日時に基づく駐車期間において、予約されていない区画がある駐車場を検索する。続いて、第一検索手段54は、滞在時間に応じて、往路と同様の復路を検索する。続いて、第一検索手段54は、異なる通常経路の検索を所定回数(例えば10回)に渡って繰り返す。
なお、第一検索手段54は、駐車場を検索する際、滞在時間において、取得手段52によって取得された予約状況に空きがある駐車場のみを検索してもよい。また、第一検索手段54は、目的地が駐車場である場合には、駐車場を検索しなくてもよい。
【0045】
また、第一検索手段54は、例えば、移動日時における通常経路の距離や所要時間、温室効果ガスの排出量、利用料金等を検索する。距離は、例えば、通常経路に含まれる各リンクのリンク長を合計した値である。所要時間は、例えば、通常経路に含まれる各リンクの最低所要時間に渋滞度を乗算した時間を合計した値である。温室効果ガスの排出量は、例えば、通常経路に含まれる各リンクの温室効果ガスに渋滞度を乗算した値を合計した値である。利用料金は、例えば、通常経路に含まれる各リンクの料金を合計した値である。
【0046】
第二検索手段56は、車両と公共交通機関を利用する特別経路を検索する機能手段である。本実施形態では、第二検索手段56は、取得手段52によって取得された移動条件に応じて、車両と、当該車両を駐車する駐車場と、当該駐車場の近傍から目的地の近傍までを結ぶ公共交通機関と、を利用する特別経路を検索する。特別経路は、例えば、出発地から車両を利用し、当該車両を駐車場に駐車して、当該駐車場の最寄りの公共交通機関を利用して目的地まで到達する経路である。具体的には、第二検索手段56は、往復の車両経路(道路のリンク)と、公共交通機関の往路の出発ノード(復路の到着ノード)近傍の駐車場と、往復の公共交通機関による経路(鉄道やバス等のリンク)と、を含む特別経路を検索する。この特別経路は、例えば、道路の各リンクと、駐車場IDと、公共交通機関の各リンクを含む。
【0047】
まず、第二検索手段56は、出発地から目的地までの往路の特別経路を検索する。 例えば、第二検索手段56は、施設情報50Aと経路情報50Bを参照して、目的地の緯度経度の近傍(例えば500m以内)にある公共交通機関の到着ノード(例えば駅)を検索する。続いて、第二検索手段56は、経路情報50Bを参照して、移動日時において、検索した公共交通機関の到着ノードまで運行する各リンクの出発ノード(例えば複数の駅)のうち、出発地から渋滞度が少ないリンク(道路のリンク)を利用して到達できる一の出発ノード(例えば駅)を検索する。続いて、第二検索手段56は、駐車場情報50Cを参照して、検索した一の出発ノードの近傍(例えば250m以内)にある駐車場であって、移動日時に基づく駐車期間に予約が可能な駐車場を検索する。すなわち、第二検索手段56は、移動日時に基づく駐車期間において、予約されていない区画がある駐車場を検索する。続いて、第二検索手段56は、出発地から検索された駐車場までのリンク(道路のリンク)を検索する。続いて、第二検索手段56は、滞在時間に応じて、往路と同様の復路を検索する。続いて、第二検索手段56は、異なる特別経路の検索を所定回数(例えば10回)に渡って繰り返す。
なお、第二検索手段56は、駐車場や公共交通機関を検索する際、滞在時間と公共交通機関の利用時間において、取得手段52によって取得された予約状況に空きがある駐車場や公共交通機関のみを検索してもよい。また、第二検索手段56は、異なる公共交通機関への乗り換えを含むように検索をしてもよい。
【0048】
また、第二検索手段56は、例えば、特別経路の距離や所要時間、温室効果ガスの排出量、利用料金等を検索する。
【0049】
また、第二検索手段56は、移動日時における通常経路の所要時間に応じて、特別経路を検索する。例えば、第二検索手段56は、第一検索手段54によって検索された通常経路のリンク(道路のリンク)のうち、所要時間に所定値(例えば3)以上の渋滞度(係数)が乗算されている場合に、特別経路を検索する。また、例えば、第二検索手段56は、通常経路の所要時間と移動距離に基づく平均時速が所定値(例えば20km/h)未満である場合に、特別経路を検索する。また、例えば、第二検索手段56は、通常経路の移動距離が所定値(例えば200km)以上である場合に、特別経路を検索する。また、例えば、第二検索手段56は、通常経路の所要時間が所定時間(例えば5時間)以上である場合に、特別経路を検索する。
【0050】
また、第二検索手段56は、車両(車両の種別)が電気自動車である場合、電気自動車の充電スタンドを備える駐車場を含む特別経路を検索する。すなわち、特別経路は、電気自動車の充電スタンドを備える駐車場を含む。
【0051】
また、第二検索手段56は、車両(例えば、ガソリン車や電気自動車等)の走行可能距離に基づいて駐車場を検索する。例えば、第二検索手段56は、出発地からユーザが利用する電気自動車の走行可能距離以内にある駐車場を検索する。具体的には、第二検索手段56は、ユーザ情報50Eの走行可能距離を参照して、出発地から当該走行可能距離以内にある駐車場を検索する。なお、第二検索手段56は、出発地から当該走行可能距離以内にある公共交通機関の出発ノード(例えば駅やバス停)を検索してもよい。この出発ノードは、目的地の近傍にある公共交通機関の到着ノードまで運行する各リンクの出発ノードである。
【0052】
制御手段58は、情報処理システム全体を制御する機能手段である。本実施形態では、制御手段58は、第一検索手段54によって検索された通常経路と、第二検索手段56によって検索された特別経路を含む検索結果画面をユーザの端末装置12(第一端末装置12A)に表示させる。例えば、検索結果画面には、一又は複数の通常経路と、一又は複数の特別経路が含まれる。例えば、検索結果画面には、検索された通常経路のうち最も所要時間が短い経路と、検索された特別経路のうち最も所要時間が短い経路が表示される。
【0053】
また、制御手段58は、ユーザの端末装置12からの予約要求に応じて、特別経路に含まれる駐車場を予約対象として予約処理を実行する。例えば、制御手段58は、ユーザから検索結果画面において一の特別経路を予約対象として予約する予約要求を受け付けた場合、駐車場情報50Cの予約アクセス情報とユーザ情報50Eを参照して、一の特別経路に含まれる駐車場を運営する運営会社の端末装置12(第二端末装置12B)に、予約要求情報を送信する。この予約要求情報は、例えば、ユーザの名前や連絡先、予約日時等を含む。この予約日時は、例えばユーザの車両が当該駐車場に到着してから、当該車両が出発するまでの駐車期間である。続いて、制御手段58は、運営会社の端末装置12から予約完了通知を受信した場合、駐車場情報50Cの駐車料金とユーザ情報50Eの決済情報を参照して、駐車料金を決済する。一方、制御手段58は、運営会社の端末装置12から予約エラー通知を受信した場合、駐車料金は決済しない。この予約エラー通知は、例えば、駐車場の区画がすでに予約で埋まっていた場合に通知される。
【0054】
また、予約対象は、公共交通機関の往路と復路とを含む。例えば、制御手段58は、ユーザの端末装置12からの予約要求に応じて、特別経路に含まれる公共交通機関の往路と復路の座席を予約対象として予約処理を実行する。例えば、制御手段58は、ユーザから検索結果画面において一の特別経路を予約対象として予約する予約要求を受け付けた場合、公共交通機関情報50Dの予約アクセス情報とユーザ情報50Eを参照して、一の特別経路に含まれる公共交通機関を運行する運行会社の端末装置12(第三端末装置12C)に、予約要求情報を送信する。この予約要求情報は、例えば、ユーザの名前や連絡先、人数、予約日時、移動情報等を含む。この移動情報は、列車や便を特定する情報や、出発ノード(例えば出発駅)及び到着ノード(例えば到着駅)を特定する情報を含む。続いて、制御手段58は、運行会社の端末装置12から予約完了通知を受信した場合、経路情報50Bのリンク情報における料金を参照して、往復の人数分の座席料金を決済する。一方、制御手段58は、運行会社の端末装置12から予約エラー通知を受信した場合、座席料金は決済しない。この予約エラー通知は、例えば、座席がすでに予約で埋まっていた場合に通知される。
【0055】
また、制御手段58は、通常経路と特別経路を比較可能に表示させる。例えば、制御手段58は、検索結果画面において、通常経路と特別経路とを左右または上下に並べて比較可能に表示させる。また、制御手段58は、通常経路の所要時間と特別経路の所要時間とを比較可能に表示させる。例えば、制御手段58は、検索結果画面において、所要時間が短い順に通常経路と特別経路とを左右または上下に表示させる。
【0056】
また、制御手段58は、通常経路の温室効果ガスの排出量と特別経路の温室効果ガスの排出量を比較可能に表示させる。例えば、制御手段58は、検索結果画面において、温室効果ガスの排出量が少ない順に通常経路と特別経路とを左右または上下に表示させる。
【0057】
また、制御手段58は、通常経路の利用料金と特別経路の利用料金を比較可能に表示させる。例えば、制御手段58は、検索結果画面において、利用料金(合計料金)が少ない順に通常経路と特別経路とを左右または上下に表示させる。
【0058】
<処理の流れ>
図4は、本実施形態に係る情報処理システムにおいて、
図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、ユーザが端末装置12(第一端末装置12A)によって情報処理システムにログインした後、車両経路検索メニューを選択したタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0059】
(ステップSP10)
制御手段58は、通信ネットワークNTを介して車両経路検索画面をユーザの端末装置12(第一端末装置12A)の画面に表示させる。
【0060】
図5は、本実施形態に係る車両経路検索画面100の一例を示す図である。
【0061】
図5に示すように、車両経路検索画面100は、移動条件入力領域102と、検索ボタン104と、が設けられている。移動条件入力領域102には、出発地や目的地、移動日時、滞在時間、車両種別、移動人数を入力する入力欄が表されている。この入力欄には、ユーザからの直接入力やプルダウン選択によって、文字や数字を入力することができる。例えば、ユーザは、出発地や目的地の入力欄において、ユーザ情報50Eの登録地点(例えば自宅や勤務先等)をプルダウン選択することができる。また、例えば、ユーザは、日時の入力欄において、移動日時(移動予定の日時)をプルダウン選択することができる。また、例えば、ユーザは、滞在時間の入力欄において、目的地に滞在する時間(例えば1~72時間)をプルダウン選択することができる。また、例えば、ユーザは、車両種別の入力欄において、ユーザ情報50Eの登録車種(例えば普通車)をプルダウン選択することができる。また、例えば、ユーザは、移動人数の入力欄において、移動する人数(例えば1~7人)をプルダウン選択することができる。検索ボタン104は、検索要求をサーバ装置10に送信するためのボタンである。
【0062】
図4に戻って、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0063】
(ステップSP12)
取得手段52は、ユーザからの検索要求(検索ボタンの押下)に応じて、車両経路検索画面で入力された移動条件を取得する。具体的には、取得手段52は、出発地や目的地、移動日時、滞在時間、車両種別、移動人数等をユーザの端末装置12から取得する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP14)
第一検索手段54は、ステップSP12において取得された移動条件に応じて、出発地から目的地まで車両を利用する通常経路を検索する。例えば、第一検索手段54は、往復の車両経路(道路のリンク)と、目的地の近傍の駐車場と、を含む通常経路を検索する。具体的には、第一検索手段54は、施設情報50Aと経路情報50Bを参照して、出発地として入力された施設から、目的地として入力された施設までの経路(道路のリンク)や、当該経路の移動日時における渋滞度を係数として乗算した所要時間を検索する。続いて、第一検索手段54は、駐車場情報50Cを参照して、目的地の近傍にある駐車場を検索する。続いて、第一検索手段54は、滞在時間に応じて、同様の復路を検索する。続いて、第一検索手段54は、異なる通常経路(往復)の検索を所定回数(例えば10回)に渡って繰り返す。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP16)
制御手段58は、ステップSP14において検索された所要時間に乗算された道路の渋滞度が、所定値(例えば3)以上であるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP18の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP18)
第二検索手段56は、ステップSP12において取得された移動条件とステップSP14において検索された通常経路に応じて、車両と公共交通機関を利用する特別経路を検索する。例えば、第二検索手段56は、往復の車両経路(道路のリンク)と、往復の鉄道経路(鉄道のリンク)と、鉄道の乗車駅(出発ノード)近傍の駐車場と、を含む特別経路を検索する。具体的には、第二検索手段56は、施設情報50Aと経路情報50Bを参照して、目的地の近傍にある駅(到着駅)を検索し、移動日時に当該駅まで運行する列車に乗車可能な駅のうち、出発地から渋滞度が少ないリンク(道路のリンク)を利用して到達できる乗車駅を検索する。続いて、第二検索手段56は、駐車場情報50Cを参照して、当該乗車駅の近傍にある駐車場を検索する。続いて、第二検索手段56は、出発地から当該駐車場までの車両経路を検索する。続いて、第二検索手段56は、滞在時間に応じて、同様の復路を検索する。続いて、第二検索手段56は、異なる特別経路(往復)の検索を所定回数(例えば10回)に渡って繰り返す。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP20)
制御手段58は、通信ネットワークNTを介して検索結果画面をユーザの端末装置12(第一端末装置12A)の画面に表示させる。
【0068】
図6は、本実施形態に係る検索結果画面110の一例を示す図である。
【0069】
図6に示すように、検索結果画面110は、検索結果情報領域112と、予約ボタン114と、詳細ボタン116と、終了ボタン118と、が設けられている。検索結果情報領域112の上部には、検索された特別経路や、片道の所要時間、各種料金(例えば、往復の高速料金と、駐車料金と、往復の列車料金)表されている。検索結果情報領域112の下部には、検索された通常経路や、片道の所要時間、合計料金(例えば、往復の高速料金と、駐車場料金)が表されている。ここで、検索結果情報領域112では、片道の所要時間が短い経路から順に、上から表されている。予約ボタン114は、経路に含まれる駐車場や公共交通機関(例えば特急列車)の座席を予約するためのボタンである。詳細ボタン116は、経路に含まれる地点毎の通過予定時間や、料金(例えば高速料金や列車料金)、混雑予想等を示す画面に遷移するためのボタンである。終了ボタン118は、経路検索を終了させ、車両経路検索メニューに戻るためのボタンである。
【0070】
図4に戻って、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0071】
(ステップSP22)
制御手段58は、ユーザからの予約要求(予約ボタンの押下)があったか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP24の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合、すなわち終了ボタンの押下があった場合には、処理は、
図4に示す一連の処理を終了する。
【0072】
(ステップSP24)
制御手段58は、予約要求が行われた経路(例えば特別経路)に含まれる駐車場や公共交通機関の座席を予約対象として予約処理を実行する。具体的には、制御手段58は、当該経路に含まれる駐車場を運営する運営会社の端末装置12(第二端末装置12B)や公共交通機関を運行する運行会社の端末装置12(第三端末装置12C)に、予約要求情報を送信する。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP26)
制御手段58は、運営会社の端末装置12(第二端末装置12B)や運行会社の端末装置12(第三端末装置12C)から予約完了通知が送信されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP28の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP10の処理に移行する。なお、当該判定が否定判定された場合、制御手段58は、ユーザの端末装置12に予約エラー画面を表示させてもよい。
【0074】
(ステップSP28)
制御手段58は、駐車場情報50Cの駐車料金とユーザ情報50Eの決済情報を参照して、駐車料金を決済する。続いて、制御手段58は、通信ネットワークNTを介して予約完了画面をユーザの端末装置12(第一端末装置12A)の画面に表示させる。
【0075】
図7は、本実施形態に係る予約完了画面120の一例を示す図である。
【0076】
図7に示すように、予約完了画面120は、予約完了情報領域122と、確認ボタン124と、が設けられている。予約完了情報領域122には、駐車場や特急列車の予約が完了したことや、予約番号、決済額、駐車場や特急列車の詳細情報が表されている。確認ボタン124は、車両経路検索メニューに戻るためのボタンである。
【0077】
【0078】
<効果>
以上、本実施形態では、ユーザが出発地から車両を利用して目的地まで移動する経路を検索するプログラムであって、コンピュータを、ユーザの端末装置12から、出発地と目的地を含む移動条件を取得する取得手段52、取得された移動条件に応じて、出発地から目的地まで車両を利用する通常経路を検索する第一検索手段54、取得された移動条件に応じて、車両と、当該車両を駐車する駐車場と、当該駐車場の近傍から目的地の近傍までを結ぶ公共交通機関と、を利用する特別経路を検索する第二検索手段56、通常経路と特別経路をユーザの端末装置12に表示させる制御手段58、として機能させる。
【0079】
この構成によれば、出発地から目的地まで車両を利用する通常経路に加えて、車両と、当該車両を駐車する駐車場と、当該駐車場の近傍から目的地の近傍までを結ぶ公共交通機関と、を利用する特別経路をユーザの端末装置12に表示させることができる。これにより、ユーザに車両と公共交通機関の併用を促すことができる。
【0080】
また、本実施形態では、制御手段58は、ユーザの端末装置12からの予約要求に応じて、特別経路に含まれる駐車場を予約対象として予約処理を実行する。
【0081】
この構成によれば、特別経路に含まれる駐車場を予約することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0082】
また、本実施形態では、予約対象は、公共交通機関の往路と復路とを含む。
【0083】
この構成によれば、特別経路に含まれる公共交通機関の往路と復路を予約することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態では、第一検索手段54は、通常経路の所要時間を検索し、第二検索手段56は、特別経路の所要時間を検索し、制御手段58は、通常経路の所要時間と特別経路の所要時間を比較可能に表示させる。
【0085】
この構成によれば、通常経路の所要時間と特別経路の所要時間を比較可能に表示させるため、ユーザに特別経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0086】
また、本実施形態では、第一検索手段54は、通常経路の温室効果ガスの排出量を検索し、第二検索手段56は、特別経路の温室効果ガスの排出量を検索し、制御手段58は、通常経路の排出量と特別経路の排出量を比較可能に表示させる。
【0087】
この構成によれば、通常経路の温室効果ガスの排出量と特別経路の温室効果ガスの排出量を比較可能に表示させるため、ユーザに特別経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0088】
また、本実施形態では、第一検索手段54は、通常経路の利用料金を検索し、第二検索手段56は、特別経路の利用料金を検索し、制御手段58は、通常経路の利用料金と特別経路の利用料金を比較可能に表示させる。
【0089】
この構成によれば、通常経路の利用料金と特別経路の利用料金を比較可能に表示させるため、ユーザに特別経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0090】
また、本実施形態では、移動条件は、移動日時を含み、第一検索手段54は、移動日時における通常経路の所要時間を検索し、第二検索手段56は、通常経路の所要時間に応じて、特別経路を検索する。
【0091】
この構成によれば、通常経路の所要時間に応じて特別経路が検索されるため、ユーザにとってメリットの高い特別経路のみ提供することができる。このため、ユーザに特別経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0092】
また、本実施形態では、車両は、電気自動車であって、特別経路は、電気自動車の充電スタンドを備える駐車場を含む。
【0093】
この構成によれば、電気自動車の充電スタンドを備える駐車場を表示することができるため、ユーザに駐車時間を効率的に利用することを促すことができる。
【0094】
また、本実施形態では、移動条件は、電気自動車の走行可能距離を含み、第二検索手段56は、走行可能距離に基づいて駐車場を検索する。
【0095】
この構成によれば、電気自動車の走行可能距離に基づいた駐車場が表示されるため、ユーザに駐車時間を効率的に利用することを促すことができる。
【0096】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0097】
例えば、本実施形態では、第一検索手段54は、必ず通常経路を検索する場合を説明したが、第二検索手段56によって検索された特別経路の距離や所要時間、温室効果ガスの排出量、利用料金等に応じて、通常経路を検索することとしてもよい。例えば、第一検索手段54は、特別経路の所要時間が所定時間(例えば5時間)以上である場合に、通常経路を検索することとしてもよい。
【0098】
また、本実施形態では、サーバ装置10は、第一検索手段54を備える場合を説明したが、第一検索手段54を備えなくてもよい。例えば、サーバ装置10は、第二検索手段56によって、特別経路のみを検索することとしてもよい。この場合、ユーザは、通常経路と特別経路の所要時間や料金等を比較することができなくなるものの、特別経路のみを検索結果画面に表示させるため、視認性を向上させることができる。
【0099】
また、本実施形態では、第二検索手段56は、移動条件に応じて特別経路を検索する場合を説明したが、国や自治体等によって車両(例えばガソリン車)の乗り入れの制限が要求されている区域(例えばカーボンオフを推奨している地域)に応じて、公共交通機関の出発ノードや到着ノードを検索してもよい。例えば、第二検索手段56は、目的地が当該区域内にある場合や車両経路が当該区域内を通過する場合、当該区域の手前(区域外)にある駐車場と公共交通機関の出発ノードを検索する。また、例えば、特別経路の利用料金は、通常料金よりも割引された料金(例えばセット料金)としてもよい。
【0100】
また、本実施形態では、第二検索手段56は、往復の特別経路を検索する場合を説明したが、往路のみ検索することとしてもよい。
【0101】
また、本実施形態では、第二検索手段56は、電気自動車の充電スタンドを備える駐車場を含む特別経路を検索する場合を説明したが、車両の洗車やメンテナンス、タイヤ交換が可能な施設を含む特別経路を検索することとしてもよい。
【0102】
また、本実施形態では、第二検索手段56は、公共交通機関を利用する特別経路を検索する場合を説明したが、公共交通機関以外の移動手段を検索することとしてもよい。この移動手段としては、例えば、自転車や、スケートボード、キックボード、オートバイ等が挙げられる。例えば、この移動手段は、ライドシェア事業会社によって提供されるシェア型の移動手段であって、各拠点(ポート)においてレンタルが可能である。この場合、記憶手段50は、例えば、公共交通機関情報50Dと同様のライドシェア情報を記憶する。このライドシェア情報には、各拠点の位置情報を含む。例えば、第二検索手段56は、ライドシェア情報を参照して、出発地から車両を利用し、当該車両を駐車場に駐車して、当該駐車場の最寄りの拠点(ポート)を利用して目的地まで到達する経路である特別経路を検索する。なお、第二検索手段56は、例えば、滞在時間が長い場合(例えば1時間以上である場合)には、目的地周辺の拠点に移動手段を返却する経路を検索し、滞在時間が短い場合(例えば1時間未満である場合)には、目的地周辺で移動手段の返却を行わずに移動手段をレンタルした拠点に返却する経路を検索してもよい。
【0103】
また、本実施形態では、制御手段58は、駐車場や公共交通機関の座席を予約する場合を説明したが、移動日時において偶発的な渋滞や列車遅延が起きた場合には、予約された駐車場や公共交通機関の座席の変更を促す通知をユーザの端末装置12に送信してもよい。なお、制御手段58は、このような偶発的な渋滞や列車遅延に備えて(保険として)、同一の運営会社や提携している運営会社の駐車場であれば、どの駐車場でも駐車可能な予約処理(一括予約処理)を行ってもよい。
また、制御手段58は、ユーザから予約した駐車場を別の駐車場に変更する要求や、予約日時を変更する要求、駐車場時間を変更する要求等に応じて、予約を変更する予約変更処理を行ってもよい。
【0104】
また、本実施形態では、制御手段58は、検索結果画面において、通常経路と特別経路を表示する場合を説明したが、所要時間が少ない順や、料金が少ない順、公共交通機関の乗り換えが少ない順で、複数の通常経路や特別経路を表示させてもよい。
また、制御手段58は、検索結果画面において、各経路の距離や温室効果ガスの排出量を表示させてもよく、当該距離が少ない順や、当該排出量が少ない順で、複数の通常経路や特別経路を表示させてもよい。
【0105】
また、制御手段58は、検索結果画面において、特別経路のみ表示させて、通常経路を表示させなくてもよい。言い換えれば、制御手段58は、通常経路の駐車場の予約処理を行わず、特別経路の駐車場や公共交通機関の座席の予約処理のみを行うこととしてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、車両は主に自家用車である場合を説明したが、例えば高速バスや観光バス、タクシー等であってもよい。この場合、第一検索手段54や第二検索手段56は、駐車場を含まない経路を検索してもよい。
【0107】
また、本実施形態では、通常経路と特別経路を検索する場合を説明したが、第一経路と第二経路に読み替えてもよい。
【符号の説明】
【0108】
10…サーバ装置(コンピュータ)、12…端末装置、50…記憶手段、52…取得手段、54…第一検索手段、56…第二検索手段、58…制御手段