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特許7536327ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム
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  • 特許-ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム 図1A
  • 特許-ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム 図1B
  • 特許-ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム 図1C
  • 特許-ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム 図2
  • 特許-ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム 図3A
  • 特許-ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム 図3B
  • 特許-ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム 図4
  • 特許-ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022129652
(22)【出願日】2022-08-16
(65)【公開番号】P2024026994
(43)【公開日】2024-02-29
【審査請求日】2024-02-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520452736
【氏名又は名称】株式会社ブロードエッジ・ウェアリンク
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 栄之
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-170977(JP,A)
【文献】特開2017-134744(JP,A)
【文献】特開2016-009211(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0012794(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0339348(US,A1)
【文献】高橋学,Z世代が殺到するワイン店の秘密 診断&試飲で「体験」を詰め込む,日経トレンディ,日経BP,2022年06月04日,第493号,pp. 114-115
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのワインの好みを提示するためのシステムであって、前記システムは、
前記ユーザからの入力を受信する手段と、
前記ユーザからの入力に基づいて、複数のワインの味わいタイプの評価点を算出する手段と、
前記複数のワインの味わいタイプの評価点に基づいて、前記複数のワインの各々の配点を算出する手段と、
前記複数のワインの各々の配点に基づいて、前記ユーザのワインの好みを特定する手段と、
前記ユーザのワインの好みを前記ユーザに通知する手段と
前記ユーザが飲んだワインの評価点を示す情報を受信する手段と、
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段と
を備え
前記複数の属性は、前記複数のワインの味わいタイプを含む、システム。
【請求項2】
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段は、
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の評価点を更新する手段と、
前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の更新された評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段と
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の評価点を更新する手段は、
前記ユーザが飲んだワインの味わいタイプの評価点を更新する手段
を含み、
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段は、
前記ユーザが飲んだワインの味わいタイプの更新された評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの味わいタイプと同じ味わいタイプを有する1本以上のワインの配点を更新する手段
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の属性は、産地および品種をさらに含み、
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の評価点を更新する手段は、
前記ユーザが飲んだワインの産地の評価点を更新する手段と、
前記ユーザが飲んだワインの品種の評価点を更新する手段と
をさらに含み、
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段は、
前記ユーザが飲んだワインの産地の更新された評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの産地と同じ産地の1本以上のワインの配点を更新する手段と、
前記ユーザが飲んだワインの品種の更新された評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの品種と同じ品種の1本以上のワインの配点を更新する手段と
をさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記ユーザが過去に評価したワインの累積本数が閾値未満であるかどうかを判定する手段をさらに備え、
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段は、
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の評価点を更新する手段と、
前記ユーザが過去に評価したワインの累積本数が前記閾値未満である場合に、前記複数の属性の各々の前記更新された評価点を変数として含む所定の第1の式を用いて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段と、
前記ユーザが過去に評価したワインの累積本数が前記閾値以上である場合に、前記複数の属性の各々の前記更新された評価点として含む所定の第2の式を用いて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段であって、前記所定の第2の式は、前記所定の第1の式と異なる、手段と
を含む、請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
ユーザのワインの好みを提示するためのシステムにおいて実行されるプログラムであって、
前記システムは、プロセッサ部を備え、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記ユーザからの入力を受信することと、
前記ユーザからの入力に基づいて、複数のワインの味わいタイプの評価点を算出することと、
前記複数のワインの味わいタイプの評価点に基づいて、前記複数のワインの各々の配点を算出することと、
前記複数のワインの各々の配点に基づいて、前記ユーザのワインの好みを特定することと、
前記ユーザのワインの好みを提示することと
前記ユーザが飲んだワインの評価点を示す情報を受信することと、
前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせ
前記複数の属性は、前記複数のワインの味わいタイプを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワインの専門家であるソムリエが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】株式会社デジサーチアンドアドバタイジング、“ソムリエになるには?試験内容から合格までの道のりを徹底解説”、[online]、[令和4年6月15日検索]、インターネット<URL:https://rest-reverence.jp/media/sommelier/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、美味しいワインをソムリエに注文したとしても、ソムリエから提供されたワインが、自身の好みのワインとは限らない。
【0005】
本発明は、ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のシステムは、ユーザのワインの好みを提示するためのシステムであり、前記システムは、前記ユーザからの入力を受信する手段と、前記ユーザからの入力に基づいて、複数のワインの味わいタイプの評価点を算出する手段と、前記複数のワインの味わいタイプの評価点に基づいて、前記複数のワインの各々の配点を算出する手段と、前記複数のワインの各々の配点に基づいて、前記ユーザのワインの好みを特定する手段と、前記ユーザのワインの好みを前記ユーザに通知する手段とを備える。
【0007】
本発明の1つの実施形態では、前記システムは、前記ユーザが飲んだワインの評価点を示す情報を受信する手段と、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段とをさらに備え、前記複数の属性は、前記複数のワインの味わいタイプを含んでいてもよい。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段は、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の評価点を更新する手段と、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の更新された評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段とを含んでいてもよい。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の評価点を更新する手段は、前記ユーザが飲んだワインの味わいタイプの評価点を更新する手段を含み、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段は、前記ユーザが飲んだワインの味わいタイプの更新された評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの味わいタイプと同じ味わいタイプを有する1本以上のワインの配点を更新する手段を含んでいてもよい。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記複数の属性は、産地および品種をさらに含み、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の評価点を更新する手段は、前記ユーザが飲んだワインの産地の評価点を更新する手段と、前記ユーザが飲んだワインの品種の評価点を更新する手段とをさらに含み、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段は、前記ユーザが飲んだワインの産地の更新された評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの産地と同じ産地の1本以上のワインの配点を更新する手段と、前記ユーザが飲んだワインの品種の更新された評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの品種と同じ品種の1本以上のワインの配点を更新する手段とをさらに含んでいてもよい。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記システムは、前記ユーザが過去に評価したワインの累積本数が閾値未満であるかどうかを判定する手段をさらに備え、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段は、前記ユーザが飲んだワインの評価点に基づいて、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性の各々の評価点を更新する手段と、前記ユーザが過去に評価したワインの累積本数が前記閾値未満である場合に、前記複数の属性の各々の前記更新された評価点を変数として含む所定の第1の式を用いて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段と、前記ユーザが過去に評価したワインの累積本数が前記閾値以上である場合に、前記複数の属性の各々の前記更新された評価点として含む所定の第2の式を用いて、前記複数のワインのうち、前記ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインの配点を更新する手段であって、前記所定の第2の式は、前記所定の第1の式と異なる、手段とを含んでいてもよい。
【0012】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、ユーザのワインの好みを提示するためのシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記システムは、プロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、前記ユーザからの入力を受信することと、前記ユーザからの入力に基づいて、複数のワインの味わいタイプの評価点を算出することと、前記複数のワインの味わいタイプの評価点に基づいて、前記複数のワインの各々の配点を算出することと、前記複数のワインの各々の配点に基づいて、前記ユーザのワインの好みを特定することと、前記ユーザのワインの好みを提示することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】ユーザ装置に表示される画面100を示す図。
図1B】ユーザ装置に表示される画面110を示す図。
図1C】ユーザ装置に表示される画面120を示す図。
図2】ユーザのワインの好みを提示するサービスを実現するためのシステム200の構成の一例を示す図。
図3A】ワインデータベース部241に格納されている情報の構成の一例を示す図。
図3B】ユーザデータベース部242に格納されている情報の構成の一例を示す図。
図4】コンピュータシステム210において実行される処理のフローの一例を示す図。
図5】コンピュータシステム210において実行される処理のフローの他の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.ユーザのワインの好みを提示するサービス
出願人は、ユーザのワインの好みを提示するサービスを提案する。このサービスでは、ユーザ装置上でユーザがいくつかの設問に対して回答するだけで、ユーザのワインの好みが特定されるため、ユーザは簡単に自身のワインの好みを知ることができる。また、ユーザは、ワインを飲むたびに、飲んだワインを評価することによって、飲んだワインの評価が更新され、飲んだワインに類似する属性を有する他のワインの評価もまた更新される。これにより、ワインの好みを自動的に更新することが可能である。
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1Aは、ユーザ装置に表示される画面100を示す。ユーザ装置とは、ユーザによって使用される任意の装置をいう。ユーザ装置の一例は、タブレット端末やスマートフォンであるがこれらに限定されない。
【0018】
画面100は、ユーザのワインの好みを提示するためにユーザが回答すべき設問が表示された画面の一例である。図1Aに示される実施形態では、画面100は、ユーザが選択すべき選択肢を表示する選択肢領域101と、次の設問に遷移するための「次へ」ボタン102と、前の設問に戻るための「戻る」ボタン103とを含む。選択肢領域101に表示される各選択肢は、選択可能なように構成されている。「次へ」ボタン102および「戻る」ボタン103は、選択可能なように構成されている。
【0019】
図1Aに示される実施形態では、選択肢領域101には、3つの選択肢「カルボナーラ」、「ペペロンチーノ」、「どちらも好みではない」が表示されている。なお、図1Aに示される実施形態では、選択肢領域101に表示される選択肢の数が3つである例を説明したが、本発明はこれに限定されない。選択肢領域101に表示される選択肢の数は2つ以上の任意の数であり得る。例えば、別の設問では、4つ以上の選択肢が選択肢領域101に表示され得る。また、例えば、複数の選択肢を選択することが可能な態様で、選択肢領域101に複数の選択肢が表示されてもよい。
【0020】
ユーザは、選択肢領域101に表示される複数の選択肢のうちの1つが選択された状態で、「次へ」ボタン102を選択することによって、画面100は、次の設問を表示した画面(図示せず)に遷移することが可能である。このように、ユーザは、次々と表示される設問に対して回答し、複数の回答を選択および入力する。これにより、ユーザのワインの好みを特定するための基礎情報を収集することが可能である。なお、次々と表示される一連の設問の数は、任意である。例えば、次々と表示される一連の設問の数は、5であってもよいし、10であってもよいし、15であってもよいし、30であってもよいし、50であってもよい。
【0021】
また、ユーザが設問に対して回答し始める前に、ワインの知識を持っている上級者ユーザ向けの上級者モードと、ワインの知識を持っていない初心者ユーザ向けの初心者モードとを選択するための画面が、ユーザ装置に表示されてもよい。上級者モードで表示される各設問は、初心者モードで表示される各設問と異なり得る。例えば、初心者モードで表示される各設問は、簡素で比較的悩むことなく選択することができる設問であり得、上級者モードで表示される各設問は、複雑でワインの詳細な情報を入力して回答することができる設問であり得る。これにより、ワインの知識が少ない初心者ユーザに対しては、ワインの知識がなくても容易に回答することができる設問を提示し、初心者ユーザから回答を受信することによって、ユーザのワインの好みに関する情報を初心者ユーザから最大限に引き出すことが可能であり、ワインの知識を多く持っている上級者ユーザに対しては、より高度で専門性の高い設問を提示し、上級者ユーザから回答を受信することによって、ユーザのワインの好みに関する情報を上級者ユーザから最大限に引き出すことが可能である。
【0022】
図1Bは、ユーザ装置に表示される画面110を示す。画面110は、ユーザのワインの好みを提示する画面の一例である。画面110は、図1Aに示されるような複数の設問に対して回答し終えると、ユーザ装置に表示される。
【0023】
図1Bに示される実施形態では、ユーザの氏名が「Taro」であり、ユーザのワインの好みが、「さわやかフルーティ系」という味わいタイプに分類されるワインである。また、「さわやかフルーティ系」に分類されるワインの中からおすすめのワインとして、ソーヴィニヨン・ブラン(ニュージーランド産)が示されている。
【0024】
また、複数の設問に対するユーザからの回答(すなわち、ユーザからの入力)に基づいて、複数のワインの各々に対して、ユーザのワインの好み度(マッチ度)が算出され、割り当てられる。ユーザは、複数のワインを一覧表示した画面において、各ワインの好み度を確認することが可能である。図1Bに示される実施形態では、画面110には、ソーヴィニヨン・ブラン(ニュージーランド産)のマッチ度「80%」が示されている。
【0025】
図1Cは、ユーザ装置に表示される画面120を示す。画面120は、ユーザが飲んだワインの評価点を入力するための画面の一例である。
【0026】
図1Cに示される実施形態では、画面120は、ユーザが飲んだワインに関する情報が表示されるワイン情報領域121と、ユーザが飲んだワインの評価点を入力することが可能な評価点入力領域122と、ユーザが飲んだワインに関するコメントを入力することが可能なコメント入力領域123と、入力した情報を登録するための登録ボタン124とを備える。
【0027】
図1Cに示される実施形態では、ワイン情報領域121には、ユーザが飲んだワインの銘柄「ヴィラ・マリア プライベート・ビン・ソーヴィニヨン・ブラン2019」、産地「ニュージーランド」、品種「ソーヴィニヨン・ブラン」、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」が表示されている。また、図1Cに示される実施形態では、評価点入力領域122は、評価点をプルダウン方式で選択して入力することが可能なように構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、評価点入力領域122は、数字を評価点として直接入力することが可能なように構成されていてもよい。
【0028】
このように、ユーザは、画面120上で入力することによって、飲んだワインの記録を残すことが可能であり、飲んだワインの評価点を付けることも可能である。入力された評価点は、ユーザが評価したワインの評価(すなわち、マッチ度)に影響を及ぼすだけでなく、ユーザが評価したワインの複数の属性(例えば、味わいタイプ、産地、品種)と少なくとも部分的に一致する属性を有する他のワインの評価(すなわち、マッチ度)に影響を及ぼす。
【0029】
例えば、図1Cに示される実施形態では、ユーザによって評価されたワイン「ヴィラ・マリア プライベート・ビン・ソーヴィニヨン・ブラン2019」の評価点は、ユーザによって評価されたワイン「ヴィラ・マリア プライベート・ビン・ソーヴィニヨン・ブラン2019」と同じ味わいタイプ「さわやかフルーティ系」に属する他のワイン、同じ産地である他のワイン、同じ品種である他のワインに影響を及ぼす。ユーザによって評価されたワインの評価点が比較的高い場合には、ワインの評価点は、ユーザが評価したワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する他のワインに好影響を及ぼし(すなわち、それらの他のワインの評価を上げるように作用し)、ユーザによって評価されたワインの評価点が比較的低い場合には、ワインの評価点は、ユーザが評価したワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する他のワインに悪影響を及ぼす(すなわち、それらの他のワインの評価を下げるように作用する)。
【0030】
2.ユーザのワインの好みを提示するサービスを実現するためのシステムの構成
図2は、ユーザのワインの好みを提示するサービスを実現するためのシステム200の構成の一例を示す。
【0031】
図2に示される実施形態では、システム200は、ユーザのワインの好みを提示するサービスを提供する企業が管理するコンピュータシステム210と、ユーザ装置220~220とを備える。コンピュータシステム210は、インターネット230を介して、ユーザ装置220~220のそれぞれと通信することが可能なように構成されている。ここで、Nは、1以上の整数である。
【0032】
コンピュータシステム210は、ユーザのワインの好みを提示するサービスを提供する企業のための処理を実行する情報処理システムである。図2に示される実施形態では、コンピュータシステム210は、インターフェース部211と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部212と、メモリ部213とを含む。コンピュータシステム210は、表示部、入力部などをさらに備えていてもよい。コンピュータシステム210のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0033】
インターフェース部211は、ユーザ装置220~220のそれぞれとの通信を制御する。
【0034】
メモリ部213には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部213に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部213にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット230などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部213にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部213にインストールされるようにしてもよい。
【0035】
プロセッサ部212は、コンピュータシステム210全体の動作を制御する。プロセッサ部212は、メモリ部213に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム210は、所望のステップを実行する装置として機能することが可能であり、コンピュータシステム210のプロセッサ部212は、所望の機能を達成する手段として動作することが可能である。
【0036】
図2に示される実施形態では、コンピュータシステム210は、データベース部240に接続されている。データベース部240は、ワインデータベース部241と、ユーザデータベース部242とを含む。
【0037】
ユーザ装置220~220のそれぞれは、インターネット230を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。ユーザ装置220~220のそれぞれは、インターフェース部、プロセッサ部、メモリ部、表示部、および入力部を備え得る。例えば、ユーザ装置220~220のそれぞれは、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の携帯無線端末であってもよいし、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0038】
なお、図2に示される実施形態では、ユーザ装置220~220のそれぞれがインターネット230を介してコンピュータシステム210と通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット230の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
【0039】
また、図2に示される実施形態では、データベース部240は、コンピュータシステム210の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部240をコンピュータシステム210の内部に設けることも可能である。データベース部240の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部240は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部240は、コンピュータシステム210の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0040】
図3Aは、ワインデータベース部241に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0041】
ワインデータベース部241には、ワインに関する情報が格納されている。ワインに関する情報は、ワインを識別するための情報(ワインID)によって識別されることが可能である。ワインに関する情報は、ワインの銘柄、収穫年、味わいタイプ、産地、品種などを含むが、これらに限定されない。
【0042】
ワインの味わいタイプは、ワインの味わいの中でも特に好みに大きな影響を及ぼす要素(例えば、果実味、酸味、甘味など)を軸にして複数のワインを予め分類したグループの名称である。従って、ワインデータベース部241に格納されているワインに関する情報は、味わいタイプごとにグループ化されることが可能である。ワインの味わいタイプは、例えば、「さわやかフルーティ系」、「果実系ピュア系」、「甘美なデザート系」などであるが、これらに限定されない。
【0043】
また、ワインの産地は、例えば「European Union wine growing zones」を軸にして複数のワインを予め分類したグループの名称である。ワインデータベース部241に格納されているワインに関する情報は、ワインの産地に基づいて産地ごとにグループ化されることが可能である。
【0044】
また、ワインの品種は、ワインのフレーバーなどを軸にして複数のワインを予め分類したグループの名称である。ワインデータベース部241に格納されているワインに関する情報は、ワインの品種に基づいて品種ごとにグループ化されることが可能である。ワインの品種に基づくグループ化の一例は、「ピノ・ノワール」、「カベルネ・ソーヴィニョン」などであるが、これらに限定されない。
【0045】
図3Bは、ユーザデータベース部242に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0046】
ユーザデータベース部242には、ユーザに関する情報が格納されている。ユーザに関する情報は、ユーザを識別するための情報(ユーザID)によって識別されることが可能である。ユーザに関する情報は、ユーザの氏名、性別、生年月日、電話番号、Eメールアドレス、過去に評価したワインの累積本数を示す情報、味わいタイプの評価点、産地の評価点、品種の評価点、各ワインの配点、過去に評価したワインに関する情報などを含むが、これらに限定されない。過去に評価したワインに関する情報は、ワインを識別するための情報(ワインID)によって識別されることが可能である。過去に評価したワインに関する情報は、ユーザによって入力されたワインの評価点(すなわち、ユーザが飲んだワインの評価点)などを含むが、これらに限定されない。
【0047】
3.コンピュータシステムにおいて実行される処理
図4は、コンピュータシステム210において実行される処理のフローの一例を示す。以下に示す各ステップは、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部212)によって実行される。以下、図4に示される各ステップを詳しく説明する。
【0048】
ステップS401:ユーザからの入力が受信される。ユーザからの入力は、例えば、ユーザ装置220から受信される。ユーザからの入力は、例えば、複数の設問に対してユーザによって入力された回答を含む。より具体的には、ユーザからの入力は、例えば、ユーザの飲食に関する情報を含む。ユーザからの入力は、例えば、ユーザのワインに対する関心を特定することが可能な情報を含む。この処理は、図1Aを参照して説明されたユーザ操作に対応する。
【0049】
ステップS402:複数のワインの味わいタイプの評価点が算出される。各味わいタイプの評価点は、例えば、複数の設問の各々に対して選択された選択肢と各味わいタイプの得点との間の対応関係を示す対応表に基づいて、算出される。複数の設問の各々に対して選択された選択肢と各味わいタイプの得点との対応表の一例は、下記の表1である。このような対応表は、例えば、データベース部240に格納されている。各味わいタイプの評価点は、例えば、各味わいタイプの得点を加算した結果として得られる点数であり得る。あるいは、各味わいタイプの評価点は、例えば、各味わいタイプの得点をすべて加算した点数と各味わいタイプの評価点との間の対応関係を示す対応表に基づいて、算出および/または決定されてもよい。
【表1】

表1において、「(1)+2」は、1番目の選択肢を選択した場合に+2点であることを示す。また、「W01」、「W02」、「R01」、「R02」、「S01」は、味わいタイプの名称および/または識別子の一例である。従って、例えば、設問1においてユーザによって1番目が選択された場合には、味わいタイプ「W01」の評価点として+2点が加算され、かつ、味わいタイプ「W02」の評価点として+1点が加算される。また、例えば、設問1においてユーザによって2番目が選択された場合には、味わいタイプ「R01」の評価点として+1点が加算され、かつ、味わいタイプ「R02」の評価点として+2点が加算される。また、例えば、設問1においてユーザによって3番目が選択された場合には、味わいタイプ「S01」の評価点として+1点が加算される。さらに、設問2においてユーザによって1番目が選択された場合に示されるように、各味わいタイプの評価点として加算される点数が、負の数であってもよい。さらに、設問3においてユーザによって1番目または2番目が選択された場合に示されるように、各味わいタイプの評価点として加算される点数が、選択された選択肢に応じて異なるようになっていてもよい。
【0050】
なお、上記の実施形態では、各味わいタイプの評価点が対応表に基づいて算出される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各ワインの各味わいタイプの評価点は、各設問に対して選択された選択肢に対応する値を変数とする所定の式に基づいて算出されるようにしてもよい。
【0051】
また、上記の実施形態では、各味わいタイプの評価点の計算が加算方式を採用しているが、本発明はこれに限定されない。各味わいタイプの評価点は、減算方式または乗法方式で計算されてもよい。また、各味わいタイプの評価点は、特定の設問に対して選択された選択肢に対応する重み付けにさらに基づいて、計算されてもよい。
【0052】
ステップS403:複数のワインの各々の配点が算出される。各ワインの配点は、例えば、ステップS402において算出された各味わいタイプの評価点に基づいて算出される。各ワインの配点は、例えば、各ワインの味わいタイプの評価点を変数として含む所定の式に基づいて、算出され得る。各ワインの味わいタイプの評価点を変数として含む所定の式は、A+Pで表され得、Aは、定数であり、Pは、ワインの味わいタイプの評価点である。例えば、ワインXの配点は、定数と、ステップS402において算出されたワインXが属する味わいタイプの評価点との和で算出され得る。あるいは、各ワインの味わいタイプの評価点を変数として含む所定の式は、A×Pで表されてもよい(すなわち、各ワインの配点は、各ワインの味わいタイプの評価点の定数倍であってもよい)。
【0053】
ステップS404:ユーザのワインの好みが特定される。ユーザのワインの好みが、例えば、複数のワインの各々の配点に基づいて、特定される。例えば、コンピュータシステム210のプロセッサ部212は、閾値以上の配点を有するワインを、ユーザが好むワインとして特定してもよい。
【0054】
ステップS401において受信されたユーザ入力には、ユーザの嗜好が反映されており、各ワインの配点は、上述されたように、ひいてはステップS401において受信されたユーザ入力に基づいて算出されるため、閾値以上の配点を有するワインは、ユーザの趣向に合ったワイン(すなわち、ユーザが好みワイン)として特定されることが可能である。
【0055】
ステップS405:ユーザのワインの好みがユーザに通知される。これは、例えば、ユーザのワインの好みを示す情報をユーザ装置220に送信することによって、達成され得る。この処理は、図1Bを参照して説明された画面表示に対応する。
【0056】
図5は、コンピュータシステム210において実行される処理のフローの他の一例を示す。以下に示す各ステップは、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部212)によって実行される。以下、図5に示される各ステップを詳しく説明する。
【0057】
ステップS501:ユーザが飲んだワインXの評価点を示す情報が受信される。ユーザが飲んだワインXの評価点を示す情報は、ワインXを識別するための情報(ワインID)を含んでいてもよい。この処理は、図1Cを参照して説明されたユーザ操作に対応する。
【0058】
ステップS502:ユーザが飲んだワインXの複数の属性の各々の評価点が更新される。この処理は、ステップS501において受信されたワインXの評価点に基づいて、実行される。この処理は、例えば、ステップS501において受信されたワインXの評価点と、ユーザが過去に評価した1本以上のワインの評価点とに基づいて、実行される。特に、ワインXが属する味わいタイプの評価点を更新する処理は、例えば、ステップS501において受信されたワインXの評価点と、図4のステップS402において算出された複数のワインの味わいタイプの評価点とに基づいて、更新される。あるいは、ワインXが属する味わいタイプの評価点を更新する処理は、例えば、ステップS501において受信されたワインXの評価点と、図4のステップS402において算出された複数のワインの味わいタイプの評価点と、ユーザが過去に評価した1本以上のワインの評価点とに基づいて、実行される。味わいタイプの更新された評価点、産地の更新された評価点、および、品種の更新された評価点は、例えば、ユーザデータベース部242に格納される。
【0059】
例えば、ワインXの複数の属性が、「W01」で識別される味わいタイプ「さわやかフルーティ系」、産地「ニュージーランド産」、および品種「カベルネ・ソーヴィニョン」から成る場合、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点、産地「ニュージーランド産」の評価点、および品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の評価点が更新される。
【0060】
例えば、ユーザが過去にワインの評価を行ったことが無い場合には、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点は、図4のステップS402において算出された味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点の定数倍(例えば、2倍、3倍)と、ステップS501において受信されたワインXの評価点との平均値をとることによって更新され、その平均値を味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の更新された評価点とする。味わいタイプの評価点の算出の一例として、図4のステップS402において算出された味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点が3.5点であり、ステップS501において受信されたワインXの評価点が3.0点である場合には、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の更新された評価点は、(3.5×2+3.0)÷(2+1)=3.33点である。
【0061】
ユーザが過去にワインの評価を行ったことがある場合には、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点は、図4のステップS402において算出された味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点の定数倍(例えば、2倍、3倍)と、ステップS501において受信されたワインXの評価点と、ユーザが過去に評価した味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の1本以上のワインの評価点との平均値をとることによって更新され、その平均値を味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の更新された評価点とする。味わいタイプの評価点の算出の一例として、図4のステップS402において算出された味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点が3.5点であり、ステップS501において受信された味わいタイプ「さわやかフルーティ系」のワインXの評価点が3.0点であり、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」に属するワインY~Yをユーザが過去にそれぞれ4.0点、4.5点、4.0点、4.0点と評価していた場合には、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の更新された評価点は、(3.5×2+3.0+4.0+4.5+4.0+4.0)÷(2+1+4)=3.79点である。
【0062】
このように味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点を更新することによって、ワインを過去に評価した累積本数が少ないときには、図4のステップS402において算出された味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点が味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点としてより大きく反映され、評価したワインが増えれば増えるほど、ユーザが飲んだ味わいタイプ「さわやかフルーティ系」のワインの評価点が味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点としてより大きく反映される。
【0063】
また、例えば、産地「ニュージーランド産」の評価点は、ステップS501において受信されたワインXの評価点と、ユーザが過去に評価した産地「ニュージーランド産」の1本以上のワインの評価点との平均値をとることによって更新され、その平均値を産地「ニュージーランド産」の更新された評価点とする。産地の評価点の算出の一例として、ステップS501において受信された産地「ニュージーランド産」のワインXの評価点が3.0点であり、産地「ニュージーランド産」のワインZ~Zをユーザが過去にそれぞれ2.5点、2.0点、3.5点と評価していた場合には、産地「ニュージーランド産」の更新された評価点は、(3.0+2.5+2.0+3.5)÷(1+3)=2.75点である。
【0064】
また、例えば、品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の評価点は、ステップS501において受信されたワインXの評価点と、ユーザが過去に評価した品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の1本以上のワインの評価点との平均値をとることによって更新され、その平均値を品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の更新された評価点とする。産地の評価点の算出の一例として、ステップS501において受信された品種「カベルネ・ソーヴィニョン」のワインXの評価点が3.0点であり、品種「カベルネ・ソーヴィニョン」のワインW~Wをユーザが過去にそれぞれ4.0点、4.0点、3.5点、5.0点、4.5点と評価していた場合には、品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の更新された評価点は、(3.0+4.0+4.0+3.5+5.0+4.5)÷(1+5)=4.0点である。
【0065】
上記の実施形態では、各属性の評価点について平均値をとることによって更新される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各属性の評価点は、加点方式で更新されてもよいし、減点方式で更新されてもよいし、加点方式および減点方式の組み合わせで更新されてもよいし、重み付けを利用して更新されてもよい。
【0066】
ステップS502の後、ステップS505およびS506より前に任意のタイミングで、産地の更新された評価点に対応する係数Qが、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部212)によって、産地に関連付けられた係数として特定され得る。すなわち、産地の評価点が更新されることによって、産地に関連付けられた係数Qも更新される。
【0067】
産地に関連付けられた係数Qは、産地の更新された評価点を変数として含む所定の式を利用して算出され得る(例えば、産地「ニュージーランド産」に関連付けられた係数Qは、例えば、産地「ニュージーランド産」の更新された評価点を変数として含む所定の式を利用して算出され得る)。あるいは、産地に関連付けられた係数Qは、産地の更新された評価点と産地に関連付けられた係数との間の対応関係を示す対応表に基づいて決定されるものであってもよい。そのような対応表の一例は、以下の表2である。
【表2】
【0068】
ステップS502の後、ステップS505およびS506より前に任意のタイミングで、品種の更新された評価点に対応する係数Rが、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部212)によって、品種に関連付けられた係数として特定され得る。すなわち、品種の評価点が更新されることによって、品種に関連付けられた係数Rも更新される。
【0069】
品種に関連付けられた係数Rは、品種の更新された評価点を変数として含む所定の式を利用して算出され得る(例えば、品種「カベルネ・ソーヴィニョン」に関連付けられた係数Rは、例えば、品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の更新された評価点を変数として含む所定の式を利用して算出され得る)。あるいは、品種に関連付けられた係数Rは、品種の更新された評価点と品種に関連付けられた係数との間の対応関係を示す対応表に基づいて決定されるものであってもよい。そのような対応表の一例は、以下の表3である。
【表3】
【0070】
ステップS503:ユーザが飲んだワインの複数の属性と少なくとも部分的に一致する属性を有する1本以上のワインが特定される。この処理は、例えば、ワインデータベース部241を参照して実行される。
【0071】
例えば、ユーザが飲んだワインXの複数の属性が、「W01」で識別される味わいタイプ「さわやかフルーティ系」、産地「ニュージーランド産」、および品種「カベルネ・ソーヴィニョン」から成る場合、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」に属する1本以上のワイン、産地「ニュージーランド産」の1本以上のワイン、および品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の1本以上のワインが特定される。
【0072】
ステップS504:ユーザが飲んだワインの累積本数が閾値未満であるか否かが判定される。この処理は、例えば、ユーザデータベース部242を参照して、ユーザが飲んだワインの累積本数を示す情報に基づいて、実行される。閾値は、例えば、5本、10本、または20本などを含むが、これらに限定されない。判定結果が「Yes」の場合には、処理はステップS505に進み、判定結果が「No」の場合には、処理はステップS506に進む。
【0073】
ステップS505:所定の第1の式を用いて、ステップS503において特定されたワインの配点が更新される。所定の第1の式は、複数のワインの複数の属性の各々の更新された評価点を変数として含む。所定の第1の式は、例えば、A+P×Q×Rで表され得、Aは、定数であり、Pは、味わいタイプの評価点であり、Qは、産地に関連付けられた係数であり、Rは、品種に関連付けられた係数である。ただし、P、Q、Rのうちの少なくとも1つは、ステップS502において更新された評価点である。
【0074】
例えば、ステップS502において味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点、産地「ニュージーランド産」の評価点、および品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の評価点が更新された場合において、ワインU(味わいタイプ「さわやかフルーティ系」、産地「ニュージーランド産」の評価点、品種「ピノ・ノワール」)の配点は、味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の更新された評価点Pと、産地「ニュージーランド産」の更新された評価点に対応する係数Qと、品種「ピノ・ノワール」の評価点に対応する係数Rとに基づいて、所定の第1の式を利用して算出される。
【0075】
ステップS506:所定の第2の式を用いて、ステップS503において特定されたワインの配点が更新される。所定の第2の式は、複数のワインの複数の属性の各々の更新された評価点を変数として含む。所定の第2の式は、所定の第1の式と異なる。所定の第2の式は、例えば、B+(P×Q×R-S)×標準偏差×Cで表され得、BおよびCは、定数であり、Pは、味わいタイプの評価点であり、Qは、産地に関連付けられた係数であり、Rは、品種に関連付けられた係数であり、Sは、変数である。ただし、P、Q、Rのうちの少なくとも1つは、ステップS502において更新された評価点である。変数Sは、例えば、ステップS501において受信されたワインXの評価点とユーザが過去に評価したすべてのワインの評価点との平均値であってもよい。あるいは、変数Sは、例えば、ステップS501において受信されたワインXの評価点とユーザが過去に評価したすべてのワインの評価点との平均値に対して、すべての産地に関連付けられた係数およびすべての品種に関連付けられた係数を乗じた値であってもよい。
【0076】
例えば、ステップS502において味わいタイプ「さわやかフルーティ系」の評価点、産地「ニュージーランド産」の評価点、および品種「カベルネ・ソーヴィニョン」の評価点が更新された場合において、ワインV(味わいタイプ「果実系ピュア系」、産地「ニュージーランド産」の評価点、品種「ピノ・ノワール」)の配点は、味わいタイプ「果実系ピュア系」の評価点Pと、産地「ニュージーランド産」の更新された評価点に対応する係数Qと、品種「ピノ・ノワール」の評価点に対応する係数Rとに基づいて、所定の第2の式を利用して算出される。
【0077】
このように、ユーザが飲んだワインの累積本数に応じてワインの配点の更新手法を変更してもよい。これにより、ワインを過去に評価した累積本数が少ないときには、所定の第1の式を用いてより簡単にワインの配点を更新し、評価したワインが閾値以上に増えれば増えるほど、所定の第2の式を用いてより複雑にワインの配点を更新することが可能である。
【0078】
ステップS507:ユーザのワインの更新された好みが特定される。ユーザのワインの好みが、例えば、複数のワインの更新された配点と更新されなかった配点とに基づいて、特定される。例えば、コンピュータシステム210のプロセッサ部212は、複数のワインの更新された配点と更新されなかった配点のうち、閾値以上の配点を有するワインを、ユーザが好むワインとして特定してもよい。
【0079】
ステップS501において受信されたユーザが飲んだワインの評価点には、ユーザの嗜好が反映されており、各ワインの配点は、上述されたように、ひいてはステップS501において受信されたユーザが飲んだワインの評価点に基づいて更新されるため、閾値以上の配点を有するワインは、ユーザの趣向に合ったワイン(すなわち、ユーザが好みワイン)として特定されることが可能である。
【0080】
ステップS508:ユーザのワインの更新された好みがユーザに通知される。これは、例えば、ユーザのワインの更新された好みを示す情報をユーザ装置220に送信することによって、達成され得る。
【0081】
なお、図5に示される実施形態では、ユーザが飲んだワインの累積本数に応じてワインの配点の更新手法を変更する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。ワインの配点の更新は、例えば、所定の単一の式を用いて算出されてもよい。
【0082】
なお、図4図5に示される実施形態では、メモリ部に格納されたプログラムをプロセッサ部が実行することによって、図4図5に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図4図5に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0083】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、ユーザのワインの好みを提示するためのシステム、およびそのシステムにおいて実行されるプログラム等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0085】
200 システム
210 コンピュータシステム
220~220 ユーザ装置
230 インターネット
240 データベース部
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5