(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】触媒用コーティング組成物を含む触媒反応装置およびコーティング方法
(51)【国際特許分類】
B01J 23/30 20060101AFI20240813BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20240813BHJP
B01D 53/86 20060101ALI20240813BHJP
B01J 35/57 20240101ALI20240813BHJP
【FI】
B01J23/30 A
A61L9/00 C ZAB
B01D53/86 222
B01J35/57 301A
(21)【出願番号】P 2022503473
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 KR2020009379
(87)【国際公開番号】W WO2021010768
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0085796
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0134993
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0032768
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0053880
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522022683
【氏名又は名称】株式会社 ククイルイントート
【氏名又は名称原語表記】KUK IL INNTOT CO. , LTD.
【住所又は居所原語表記】17, Tapgeol-gil, Ungchon-myeon Ulju-gun Ulsan 44965 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョンチョル
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1095229(KR,B1)
【文献】特開平01-168341(JP,A)
【文献】特開2004-290754(JP,A)
【文献】実開平04-057243(JP,U)
【文献】実開平01-108321(JP,U)
【文献】実開平02-083322(JP,U)
【文献】特開平02-245224(JP,A)
【文献】特開2004-181293(JP,A)
【文献】特開平08-029088(JP,A)
【文献】特開2002-221023(JP,A)
【文献】特開2003-126703(JP,A)
【文献】特開平07-171418(JP,A)
【文献】特開2004-237367(JP,A)
【文献】実開昭63-150015(JP,U)
【文献】実開平06-064721(JP,U)
【文献】特開平08-112534(JP,A)
【文献】特開平02-293043(JP,A)
【文献】米国特許第05346675(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
A61L 9/00
B01D 53/73
B01D 53/86 - 53/90
B01D 53/94
B01D 53/96
F01N 3/00 - 3/38
F01N 9/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タングステン1~15重量部、バナジウム1~15重量部、チタン35~55重量部および酸素30~45重量部を含むコーティング組成物が塗布される触媒部(20)を含み、
前記コーティング組成物は、炭素、ケイ素、鉄、アルミニウムおよびニオブのうち少なくとも一つ以上を含み、
前記触媒部(20)は、
第1方向(d1)に沿って谷形状を有する凹凸パターン(210)が形成され、前記第1方向(d1)に垂直な第2方向(d2)に沿って波形断面形状を有する第1触媒部(21)と、
板状に設けられ、第1触媒部(21)と接する第2触媒部(22)とを含み、
前記第1触媒部(21)は、前記凹凸パターン(210)によって前記第1方向(d1)に沿って前記波形断面形状を有し、
前記触媒部(20)は、1つ以上設けられ、順次に積層されて積み重ねられることを特徴とする触媒反応装置。
【請求項2】
前記凹凸パターン(210)は、前記第1触媒部(21)の山(U)に沿って形成された第1凹凸パターン部(211)であることを特徴とする請求項1に記載の触媒反応装置。
【請求項3】
前記凹凸パターン(210)は、前記第1触媒部(21)の谷(D)に沿って形成された第2凹凸パターン部(212)であることを特徴とする請求項1に記載の触媒反応装置。
【請求項4】
前記凹凸パターン(210)は、断面が波形形状を有することを特徴とする請求項1に記載の触媒反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒用コーティング組成物を含む触媒反応装置およびコーティング方法に関する。より詳細には、低温および高温環境で高い触媒反応効率を有するコーティング組成物が塗布された触媒反応装置および前記コーティング組成物のコーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、室内空気中のダスト、細菌、その他汚染物質などの除去のための目的または産業現場で発生する窒素酸化物などの発生を最小化するための目的でフィルター用触媒を使用している。上記のような触媒は、空気中に含まれた水、酸素などを活性化させて、吸着した汚染物質を分解、除去することによって空気を浄化して、環境汚染を防止する。特に、バナジウム/チタン触媒の場合、窒素酸化物が還元剤であるアンモニアと選択的に反応して、窒素および水に分解されることから、多く使用されている。しかしながら、上記のような触媒は、低温環境で活性化しにくいため、触媒変換効率が低下する問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国特許登録第10-1095229号公報(2011.12.09.登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、より高い効率の触媒反応を誘導することにある。
【0005】
また、本発明は、高温環境だけでなく、低温環境でも容易な活性化をもたらして、容易な触媒反応を実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本発明は、触媒用コーティング組成物を含む触媒反応装置および前記コーティング組成物のコーティング方法であって、タングステン1~15重量部、バナジウム1~15重量部、チタン35~55重量部および酸素30~45重量部を含むコーティング組成物が塗布される触媒部を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特定の温度環境で触媒反応効率が低下することを防止できるので、汎用性を最大化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る触媒反応装置を全体的に示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る胴体部を示す斜視図である。
【
図3】本発明のさらに他の実施形態に係る胴体部を示す斜視図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施形態に係る胴体部を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る第1触媒部および第2触媒部を示す図である。
【
図8】
図7による第1触媒部および第2触媒部の断面図である。
【
図9】
図7による第1触媒部および第2触媒部が分離されたことを示す図である。
【
図10】本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部および第2触媒部の断面図である。
【
図11】本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部および第2触媒部を示す図である。
【
図12】
図11による第1触媒部および第2触媒部が分離されたことを示す図である。
【
図13】
図11による第1触媒部および第2触媒部の拡大図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部および第2触媒部を示す図である。
【
図15】
図14による第1触媒部および第2触媒部が分離されたことを示す図である。
【
図16】
図14による第1触媒部および第2触媒部の拡大図である。
【
図17】本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部および第2触媒部を示す図である。
【
図18】
図17による第1触媒部および第2触媒部が分離されたことを示す図である。
【
図19】
図17による第1触媒部および第2触媒部の拡大図である。
【
図20】本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部および第2触媒部を示す図である。
【
図21】
図20による第1触媒部および第2触媒部が分離されたことを示す図である。
【
図22】
図20による第1触媒部および第2触媒部の拡大図である。
【
図23】本発明の第2実施形態に係る触媒反応装置を示す図である。
【
図24】本発明の第2実施形態に係る触媒反応装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図25】本発明の第2実施形態に係るベンディング段階(S1)を示す図である。
【
図26】本発明の第2-1実施形態に係るガイド部形成段階を示す図である。
【
図27】本発明の第2-1実施形態に係る側壁およびガイド部を示す図である。
【
図28】本発明の第2-1実施形態に係る本体を示す図である。
【
図29】本発明の第2実施形態に係る第1触媒部および第2触媒部を示す図である。
【
図30】本発明の第2実施形態に係る触媒部を示す図である。
【
図31】本発明の第2-1実施形態に係る触媒部および第1溝を示す図である。
【
図32】本発明の第2実施形態に係る積層段階(S5)および蓋体結合段階を示す図である。
【
図33】本発明の第2実施形態に係る触媒反応装置を示す図である。
【
図34】本発明の第2-2実施形態に係るガイド部形成段階を示す図である。
【
図35】本発明の第2-2実施形態に係る積層段階(S5)および蓋体結合段階を示す図である。
【
図36】本発明の第2-2実施形態に係る触媒反応装置を示す図である。
【
図37】本発明の他の実施形態に係る第2基板を示す図である。
【
図38】本発明の他の実施形態に係る触媒部形成段階を示す図である。
【
図39】本発明の他の実施形態に係る触媒反応装置を示す図である。
【
図40】本発明のさらに他の実施形態に係る触媒反応装置を示す図である。
【
図41】本発明の一実施形態に係る触媒用コーティング組成物および触媒部を示す断面拡大図である。
【
図42】本発明の第3実施形態に係る触媒反応装置を全体的に示す斜視図である。
【
図43】本発明の第3実施形態に係る第1触媒部を示す斜視図である。
【
図44】本発明の第3実施形態に係る第1凹凸パターン部111および第2凹凸パターン部112を示す断面拡大図である。
【
図45】本発明の第3実施形態に係る第1凹凸パターン部111および第2凹凸パターン部112の各構成を示す図である。
【
図46】本発明の第3実施形態に係る第2触媒部を示す図である。
【
図47】本発明の第3実施形態に係る第2触媒部の断面図である。
【
図48】本発明の第3実施形態に係る複数個の触媒部が上下方向に積層されることを示す図である。
【
図49】本発明の第3実施形態に係る第1触媒部と上側方向に位置するさらに他の第2触媒部とが互いに結着されることを示す図である。
【
図50】本発明の第3実施形態に係る第1触媒部と第2触媒部とが互いに結着されることを示す図である。
【
図51】本発明の一実施形態に係る触媒部および従来の触媒に対する窒素酸化物転換率を比較する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
タングステン1~15重量部、バナジウム1~15重量部、チタン35~55重量部および酸素30~45重量部を含むコーティング組成物が塗布される触媒部を含む触媒反応装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で具現され得、以下で開示される実施形態に限定されない。また、図面において本発明を明確に開示するために、本発明と関係ない部分を省略し、図面において同一または同様の符号は、同じまたは同様の構成要素を示す。
【0011】
本発明の目的および効果は、下記の説明によって自然に理解されたり、より明確になり得、下記の記載だけで本発明の目的および効果が限定されるわけではない。
【0012】
本発明の目的、特徴および長所は、以下の詳細な説明を通じてより明確になるだろう。
また、本発明を説明するに際して、本発明に関連した公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を不明にすることができると判断される場合には、その詳細な説明を省略することとする。
【0013】
本発明を詳細に説明するに先立って、「上側方向」は、図面において上側方向を意味し、「下側方向」は、図面において下側方向を意味する。側面方向は、図面の左側方向または右側方向を意味する。「第1方向d1」は、胴体部10の開口された面の方向から胴体部10の内部に向かう方向であって、胴体部10の前方から後方に向かう方向を意味する。また、「第2方向d2」は、「第1方向d1」と直交し、かつ、胴体部10の一側面から他側面を見る方向を指し、かつ、
図1の右上側方向を意味する。また、「流体」は、本発明による触媒反応装置の内部に投入されて、後述する第1触媒部21および第2触媒部22により触媒反応して、窒素酸化物などの不純物成分および汚染物質が除去および還元される主体を意味する。しかも、「外側方向」は、胴体部10を基準として外部に向かう方向を意味し、「内側方向」は、胴体部10の外部から内部に向かう方向であって、「外側方向」の反対方向を意味する。
【0014】
以下、添付の図面を参照して本発明による実施形態を詳細に説明することとする。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る触媒反応装置を全体的に示す図である。
【0016】
本発明の第1実施形態に係る触媒反応装置は、第1方向d1への面が開口して、流体に対する触媒反応を起こすための空間を提供する胴体部10と、前記胴体部10の内部に位置し、流体と触媒反応を起こす触媒部20と、を含み、前記触媒部20は、第1触媒部21と、前記第1触媒部21の下側方向に位置する第2触媒部22と、を含む。
【0017】
触媒部20は、流体との触媒反応を起こすための構成であって、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)およびパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種以上の金属を含んでもよい。
【0018】
より詳細には、前記触媒部20の成分比(元素比)は、パラジウム(Pd)0.1~0.5:モリブデン(Mo)0.3~1:ニオブ(Nb)2~5:ジルコニウム(Zr)0.5~3:ビスマス(Bi)0.3~2:タングステン(W)0.3~1.5:バナジウム(V)3~8:チタン(Ti)80~90でありうる。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態に係る触媒部20の成分比(元素比)は、タングステン(W)0.2~1.7:鉄(Fe)30~86:クロム(Cr)5~19:バナジウム(V)3~8:およびチタン(Ti)25~90でありうる。
【0020】
一方、後述するが触媒部20は、第1触媒部21および第2触媒部22を含み、前記第1触媒部21および第2触媒部22は、スポット溶接またはろう付け(Brazing)を通して互いに当接するように備えられ、胴体部10の内部に位置し得る。これは、第1触媒部21および第2触媒部22の破損を最小化しつつ、より堅固な胴体部内保持を可能にする効果を有する。すなわち、スポット溶接またはろう付けを通した第1触媒部21および第2触媒部22の接合過程で、第1触媒部21および第2触媒部22の強度を維持しながらも、熱応力による反り、熱変形および損傷などを防止できる。
【0021】
図2は、本発明の第1実施形態に係る胴体部10を示す斜視図である。
【0022】
胴体部10は、流体の触媒反応のための空間を提供する構成である。このために、胴体部10は、第1方向d1への面が開口する筐体形態からなる。詳細には、胴体部10は、上面が開口して、後述する第1触媒部21および第2触媒部22が挿入される。胴体部10が備えられることによって、内部に位置する流体が第1触媒部21および第2触媒部22と当接する時間をさらに増加させて触媒性能を最大化できる。また、胴体部10は、
図2に示されたように、第1触媒部21および第2触媒部22を固定するために、表面がなめらかな方形フレーム形態を有し、表面が平たく備えられた板形状に形成されたり、胴体部10の表面が特定形態にパターン化されて備えられることもできる(
図3~
図6参照)。
【0023】
図3は、本発明のさらに他の実施形態に係る胴体部10'を示す斜視図であり、
図4は、
図3による胴体部10'の断面図であり、
図5は、本発明のさらに他の実施形態に係る胴体部10''を示す斜視図であり、
図6は、
図5による胴体部10''の断面図である。
図3~
図6は、胴体部の様々な実施形態を全部説明するために表現する図であって、本発明の一実施形態に係る胴体部10と本発明のさらに他の実施形態に係る二つのタイプの胴体部10'、10''を順次に説明する。
【0024】
前述したように、胴体部10'、10''は、表面が特定形態にパターン化されて備えられる。詳細には、
図3および
図4を参照すると、胴体部10'の表面は、第2方向d2を基準として見たとき、ウェーブ状の断面を有するように形成されてもよい。詳細には、第1方向d1に向かう胴体部10'の断面は、所定の第1曲率を有するようにラウンディング処理された形状に形成されてもよい。これを通じて、胴体部10'の内部に位置する第1触媒部21の上端と点接触することができるので、より堅固な第1触媒部21と胴体部10'間の構造を樹立できる。また、胴体部10'と第1触媒部21とが互いに面接触する場合、流体が胴体部10'の内部で触媒反応を起こすことにあたって、胴体部10'の内部での滞留期間を増加させることができるので、触媒性能を最大化する効果を有する。
【0025】
図5および
図6を参照すると、胴体部10''の表面は、第2方向d2を基準として見るとき、凹凸形状、方形などを有するように形成されてもよい。詳細には、胴体部10''の表面には、胴体部10の前面から第1方向d1に沿って凹凸形状または方形などに形成されるパターン部101が胴体部10''の表面から外側方向および内側方向に突出形成されて備えられる。すなわち、胴体部10''の表面には、胴体部10''の表面を基準として外側方向に突出するパターン部101および内側方向に突出するパターン部101が繰り返されるようにパターン化されて、第1方向d1に向かって形成されることによって、第2方向d2での断面は、板形状からなる。ここで、胴体部10''の表面から内側方向に向かって反復配列されて備えられるパターン部101の場合、胴体部10''の表面の下側方向に位置する第1触媒部21の上端と当接したり、離隔するように備えられる。胴体部10''と第1触媒部21の上端が当接する場合、触媒反応過程で第1触媒部21と胴体部10間のより堅固な固定が可能であり、胴体部10''と第1触媒部21の上端とが互いに離隔する場合、第1触媒部21と胴体部10''の間で流体が循環しながら、触媒反応するための経路を獲得することができるので、触媒性能を顕著に高める効果を有する。
【0026】
上記のような胴体部10'、10''の表面構成を通じてより堅固な第1触媒部21および第2触媒部22の固定および触媒性能を顕著に高める効果を有する。また、上記のような胴体部10'、10''は、厚さを減らすことができるので、軽量化が可能になる効果を有し得る。また、本発明の一実施形態に係る胴体部10と比較したとき、本発明のさらに他の実施形態に係る胴体部10'、10''は、第1方向に向かって加えられる外力に対してさらに大きい耐久性を有する。したがって、胴体部の厚さを減らしながらも、引張強度などの減少を防止することができるので、胴体部の生産に必要なコストを減らすことができ、生産性を最大化することができる。一方、上記のように表面が平たく備えられるか、ウェーブ状の断面または四角の断面形状を有する胴体部10'、10''は、後述する本発明の一実施形態およびさらに他の実施形態に全部適用可能である。
【0027】
図7は、本発明の第1実施形態に係る第1触媒部21aおよび第2触媒部22aを示す図であり、
図8は、
図7による第1触媒部21aおよび第2触媒部22aの断面図であり、
図9は、
図7による第1触媒部21aおよび第2触媒部22aが分離されたことを示す図である。ここで、後述する第1触媒部21aの下側方向には、水平方向に形成される板形状の第2触媒部22aが位置し得る。
【0028】
触媒部20は、流体と当接することによって触媒反応を起こして、流体内含有された窒素酸化物などの不純物質および有害物質を除去および還元する構成である。このために、触媒部20は、胴体部10の内部に位置し、第1触媒部21aおよび第2触媒部22aに区分される。また、第1触媒部21aおよび第2触媒部22aは、一つのグループを成し、前記グループは、上下方向に複数個配列されて、胴体部10の内部に位置する。
【0029】
第1触媒部21aは、第1方向d1を基準としてウェーブ状の断面を有するように備えられる。詳細には、第1触媒部21aは、胴体部10の前面から後面に向かう第1方向d1から見るとき、波形の断面形状を有する。すなわち、第1触媒部21aは、第1方向d1を基準として所定の第2曲率を有し、ラウンディング処理されることによって、頂部および谷部の高さが均一な波形の断面形状を有し、上記のような断面を有する第1触媒部21aは、第1方向d1に沿って延びて形成される。
【0030】
第2触媒部22aは、前述した第1触媒部21aを支持すると同時に、より高い触媒性能を誘導するために構成される。このために、第2触媒部22aは、第1触媒部21aの下側方向に位置し、板形状に形成され、上面および下面が上側方向に位置する第1触媒部21aの下端および下側方向に配置されたさらに他の第1触媒部21aの上端とそれぞれ当接するように備えられる。詳細には、第2触媒部22aの上面は、上側方向に位置する第1触媒部21aの下端である谷部と当接し、第2触媒部22aの下面は、下側方向に位置するさらに他の第1触媒部21aの上端である頂部と当接する。ここで、第1触媒部21aおよび第2触媒部22aは、互いに当接するように位置し、かつ、点接触を成すか、または面接触を成すように配置されてもよい。詳細には、第1触媒部21aと第2触媒部22aとが互いに点接触を成す場合、前記第1触媒部21aと第2触媒部22aの間に位置する流体に容易な触媒反応を起こすことができる。また、第1触媒部21aと第2触媒部22aとが互いに面接触を成す場合、より堅固な第1触媒部21aと第2触媒部22a間の固定が可能である。
【0031】
図10は、本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部21a'および第2触媒部22a'の断面図である。
【0032】
図10による第1触媒部21a'の場合、前述した実施形態と比較したとき、断面形状が変形されて備えられる。詳細には、本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部21a'は、第1方向d1を基準として凹凸、台形または方形の断面を有する。詳細には、第1方向d1から見るとき、第1触媒部21a'の断面は、上側方向に向かって凸状となる凹凸、台形または方形を有することによって、第1触媒部21a'は、第1方向d1を基準として見るとき、段差付き形状を有し、このような断面形状を有する第1触媒部21a'は、第1方向d1に沿って伸張形成される。これを通じて、第1触媒部21a'が流体と当接する面積が増加して、触媒性能を増加させることができる。また、上記のような第1触媒部21a'と板形状の第2触媒部22a'とが互いに当接することによって、より堅固な固定状態を維持すると同時に、流体との接触面積を広げることができるので、触媒反応効率を最大化できる。
【0033】
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部21a''および第2触媒部22a''を示す図であり、
図12は、
図11による第1触媒部21a''および第2触媒部22a''が分離されたことを示す図であり、
図13は、
図11による第1触媒部21a''および第2触媒部22a''の拡大図である。
【0034】
図11~
図13による第1触媒部21a''および第2触媒部22a''の場合、
図7~
図9による第1触媒部21a''および第2触媒部22a''と比較したとき、第2方向d2への断面形状が異なるように形成される。詳細には、第1触媒部21a''は、第2方向d2を基準としてウェーブ状の断面を有し得る。詳細には、第1触媒部21a''は、第1方向d1から見るとき、ウェーブ状の断面を有すると同時に、第1方向d1と直交する第2方向d2から見る断面も、波形形状を有するように形成されてもよい。これによって、第1触媒部21a''が第1方向d1または第2方向d2から見たとき、一般的な平板状からなるものと比較して、流体とさらに多くの接触を成すことができるので、触媒反応に対する効率を最大化でき、平板状の第1触媒部21a''と比較したとき、厚さを減らしても、より堅固な形態を維持できるので、軽量化が可能である。一方、
図11~
図13による第1触媒部21a''の下側方向には、第2触媒部22a''が備えられ、前記第2触媒部22a''の場合、板形状からなるか、または、第2方向d2を基準として波形の断面形状を有するように備えられる。第2触媒部22a''が板形状からなる場合、より堅固な第1触媒部21a''と第2触媒部22a''間の固定が可能である。
【0035】
また、第2触媒部22a''が第2方向d2を基準として見るとき、ウェーブ状の断面形状を有する場合(
図12および
図13参照)、第1触媒部21a''と第2触媒部22a''間の接触面積が減少する。これに対応して、第1触媒部21a''および第2触媒部22a''が流体と当接することができる面積が増加する。したがって、流体が触媒反応するための面積および接触する時間を増加させることができるので、究極的な触媒性能増加を誘導できる。
【0036】
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部21bおよび第2触媒部22bを示す図であり、
図15は、
図14による第1触媒部21bおよび第2触媒部22bが分離されたことを示す図であり、
図16は、
図14による第1触媒部21bおよび第2触媒部22bの拡大図である。
図14~
図16において後述する凸輪部201の構成は、第1触媒部21bに限定されず、第2触媒部22bの表面にも備えられて、同一に採択可能である。しかも、後述する凸輪部201、陽刻部202、凸部203および凹部204の構成は、
図7~
図10による第1触媒部21aおよび第2触媒部22aの表面に備えられる。すなわち、凸輪部201、陽刻部202、凸部203および凹部204は、第1方向d1を基準として見るとき、ウェーブ、波形、四角、台形などの断面形状を有する第1触媒部21bおよび板形状の第2触媒部22bに備えられる。ただし、上記のような第1触媒部21bおよび第2触媒部22bの第2方向d2を基準として見るときの断面は、
図7~
図10のように板形状からなるか、または、
図11~
図13のように波形形状を有するように備えられてもよい。
【0037】
図14~
図16による第1触媒部21bおよび第2触媒部22bは、
図7および
図8と関連して前述した第1触媒部21aおよび第2触媒部22aと、
図10による第1触媒部21a'および第2触媒部22a'と同様に、第1方向d1への断面を維持した状態で第1方向d1に伸張形成され、かつ、表面に凸輪部201がさらに備えられる。
【0038】
凸輪部201は、流体とのより容易な接触のために備えられる構成である。このために、凸輪部201は、第1触媒部21bまたは第2触媒部22bの上面または下面に備えられる。また、凸輪部201は、第1触媒部21bまたは第2触媒部22bの表面から半球形状に陰刻または陽刻形成される。ここで、凸輪部201の形状は、半球形状に限定されず、四角錐が陰刻された形状、三角錐が陰刻または陽刻された形状などに多様に形成されてもよい。また、凸輪部201が第1触媒部21bの上面または下面に全部備えられる場合、第1触媒部21bの上端である頂部および下端である谷部には、第1触媒部21bが位置しなくてもよい。これは、第1触媒部21bの過度な厚さ減少による破損をあらかじめ防止するためである。一方、上記のような凸輪部201の配置は、
図17と関連して後述する陽刻部202にも同一に採択可能である。
【0039】
また、凸輪部201は、複数個からなり、かつ、第1触媒部21bまたは第2触媒部22bの表面から規則的な配列を有するように形成されてもよい。この場合、胴体部10内部の流体にとってさらに多くの面接触を成すことができ、胴体部10の内部に位置する流体を対象に均一な触媒反応を起こすことができるので、窒素酸化物などの有害物質の一括除去および還元が可能である。上記のような凸輪部201の配置は、
図17と関連して後述する陽刻部202にも同一に採択可能である。
【0040】
しかも、凸輪部201は、複数個からなり、かつ、第1触媒部21bおよび第2触媒部22bの表面上で不規則的なパターンで形成されてもよい。これによって、胴体部10の内部に位置する流体が第1触媒部21bおよび第2触媒部22bと当接して触媒反応を有する時間がさらに長くなるので、より確実な流体の触媒反応を通した有害物質除去および還元が可能である。一方、上記のような凸輪部201の配置は、
図17において後述する陽刻部202にも同一に採択可能である。
【0041】
図17は、本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部21cおよび第2触媒部22cを示す図であり、
図18は、
図17による第1触媒部21cおよび第2触媒部22cが分離されたことを示す図であり、
図19は、
図17による第1触媒部21cおよび第2触媒部22cの拡大図である。
【0042】
陽刻部202は、前述した凸輪部201と同様に、触媒反応を最大化するための構成である。このために、陽刻部202は、第1触媒部21cまたは第2触媒部22cの上面または下面に複数個からなる。また、陽刻部202は、パンチなどの開口手段を用いて第1触媒部21cおよび第2触媒部22cを反復開口(tanged)させた形状に形成されることもできる。詳細には、前記開口手段が第1触媒部21cまたは第2触媒部22cの上側方向から下側方向に向かって力を加えて反復開口を実施する場合、陽刻部202は、第1触媒部21cまたは第2触媒部22cの下面から下側方向に突出した形状を有する。その一方で、前記開口手段が第1触媒部21cまたは第2触媒部22cの下側方向から上側方向に向かって加圧および開口を行う場合、陽刻部202は、第1触媒部21cまたは第2触媒部22cの上面から上側方向に突出して形成される。また、陽刻部202が第1触媒部21cおよび第2触媒部22cの上面および下面に全部備えられる場合、第1触媒部21cの頂部の上側方向および谷部の下側方向には、陽刻部202が備えられなくてもよい。これは、第1触媒部21cおよび第2触媒部22cが前記陽刻部202によって点接触または面接触しないことをあらかじめ防止するためである。
【0043】
より好ましい実施形態において、陽刻部202は、複数個からなり、かつ、第1触媒部21cまたは第2触媒部22cの表面上で規則的な配列を有するように形成されてもよい。これは、胴体部10の内部に位置する流体を対象としてより均一な触媒反応を誘導する効果を有する。
【0044】
より好ましいさらに他の実施形態において、複数個からなる陽刻部202は、第1触媒部21cまたは第2触媒部22cの表面上で不規則な配列を有し得る。これは、胴体部10の内部に位置する流体が第1触媒部21cまたは第2触媒部22cと当接する時間をさらに増加させて触媒性能を高める効果を導き出す。
【0045】
図20は、本発明のさらに他の実施形態に係る第1触媒部21dおよび第2触媒部22dを示す図であり、
図21は、
図20による第1触媒部21dおよび第2触媒部22dが分離されたことを示す図であり、
図22は、
図20による第1触媒部21dおよび第2触媒部22dの拡大図である。凸部203および凹部204の構成は、第1触媒部21dの表面だけでなく、下側方向に位置する第2触媒部22dの表面にも備えられる。凸部203および凹部204は、
図14~
図19と関連して前述した凸輪部201および陽刻部202と同じ目的で備えられる。詳細には、凸部203および凹部204は、胴体部10内部の流体に対する触媒性能を高めるために備えられる。このために、凸部203および凹部204は、第1触媒部21dまたは第2触媒部22dの表面上に備えられる。ここで、凸部203は、第1触媒部21dまたは第2触媒部22dの上面および下面から上側方向および下側方向に突出形成され、凹部204は、第1触媒部21dまたは第2触媒部22dの上面および下面に陰刻形成される。しかも、凸部203および凹部204は、複数個からなり、かつ、交互に反復配列されて備えられ、前記凸部203および凹部204は、凹凸形状、台形形状などに多様な断面形状を有し得る。これによって、第1触媒部21dまたは第2触媒部22dの表面は、凸部203の高さおよび凹部204の高さの合計に相当する段差が形成されて、碁盤配列の表面を有する。これを通じて、胴体部10の内部で第1触媒部21dまたは第2触媒部22dと当接する流体の係留時間を高めて、触媒反応をさらに容易に導き出すことができる。
【0046】
本発明の一連の構成を通じて、第1触媒部21と第2触媒部22間の点接触または面接触を通じてより堅固な支持が可能であり、特定の断面形態の第1触媒部21および第2触媒部22が備えられることによって、流体の移動間の第1触媒部21および第2触媒部22の破損を防止することができる。また、本発明による胴体部10を通じて、従来技術と比べて、フレームの厚さを薄く製作することができ、触媒性能を増加させて効率を上げることができる。
【0047】
[第2実施形態]
図23は、本発明の第2実施形態に係る触媒反応装置を示す図である。
【0048】
本発明による触媒反応装置は、胴体部10および触媒部20を含む。
【0049】
胴体部10は、触媒部20が結合されて、触媒部20を固定させる構成である。このような胴体部10は、板材が円形、楕円形または多角形のフレーム形状になるようにベンディングされて備えられる。本発明の属する分野における通常の知識を有する者は、胴体部10の形態を触媒反応装置の実施環境によって容易に変更できることは当然である[奥野1]。以下、本説明では、方形の胴体部10を含む触媒反応装置であることを基準として説明する。詳細には、本発明による胴体部10は、本体11および蓋体12を含んでもよい。
【0050】
本体11は、触媒部20が積層されるための空間を提供する構成である。詳細には、本体11は、板材がベンディングされて両端に側壁111を形成することによって「⊂」形状からなる。これによって、本体11内部の底面から両側壁111に沿って触媒部20が積層され得る。
【0051】
蓋体12は、本体11の上端に結合されることによって、触媒部20を固定させるための構成である。詳細には、蓋体12は、板形状からなり、両側端が前記側壁111の上端にそれぞれ結合されることによって、本体11内部の空間を制限する。すなわち、本体11および蓋体12で形成された方形構造の胴体部10の内部に触媒部20が積層されて固定される。
【0052】
触媒部20は、前記胴体部10の内部に形成されて流体と当接触する構成である。詳細には、触媒部20は、胴体部10の内部に積層され、断面がメッシュ形状からなり、流体が通過する。好ましくは、触媒部20は、幅が胴体部10の内部幅と同一に備えられ、胴体部10内部の底面から蓋体12の位置まで積層されることによって、胴体部10内部の空間を残すことなく、満たすように備えられる。
【0053】
胴体部10および触媒部20は、流体と反応するための触媒が含まれた材質からなるか、表面に触媒がコーティングされていてもよい。触媒部20の断面がメッシュ形状からなるので、流体と接触面積が最大化されて反応率が向上する。
【0054】
また、触媒部20の積層をガイドするためにガイド部112を含んでもよい。詳細には、胴体部10の内部に触媒部20の積層方向に沿って少なくとも一つ以上のガイド部112が形成されて、触媒部20の積層をガイドする。
【0055】
本発明の第2-1実施形態によれば、ガイド部112は、本体11内部の前記側壁111に形成され、かつ、触媒部20の積層方向に沿って前記側壁111の内側方向に所定の高さの分だけ突出して備えられる第1ガイド112aでありうる。
【0056】
このようなガイド部112が備えられて、触媒部20の積層をガイドすることによって、触媒反応装置の製造が容易であり、それだけでなく、完成された触媒反応装置から触媒部20が離脱することを防止する効果がある。
【0057】
好ましくは、触媒部20には、ガイド部112に対応する溝部201が備えられる。前記第2-1実施形態によれば、ガイド部112は、胴体部10の内部側壁111から所定の高さの分だけ突出しているので、溝部201は、少なくともガイド部112が突出した前記所定の高さの分だけ陰刻されて備えられることが好ましい。
【0058】
このような触媒反応装置を製造するための方法は、ベンディング段階(S1)、ガイド部形成段階(S2)、触媒部形成段階(S3)、溝部形成段階(S4)、積層段階(S5)および蓋体結合段階(S6)を含む(
図24参照)。
【0059】
ベンディング段階(S1)は、板材をベンディングして触媒部20が積層されるための空間を具備する本体11を形成する段階である。このために、ベンディング段階(S1)で、板材が3分割されて、両側方向が中央部分と直交するようにベンディングされて側壁111が形成されることによって、本体11は、「⊂」字形状に形成される(
図25参照)。
【0060】
ガイド部形成段階(S2)は、ベンディング段階(S1)後に実施される段階であって、触媒部20の積層をガイドし、固定させるためのガイド部112を形成するために備えられる。このために、本体11に形成された側壁111が別途の加工手段を通じて加工されることによってガイド部112が形成される。
【0061】
図26は、本発明の第2-1実施形態に係るガイド部形成段階(S2)を示す図である。
図26は、本体11の一側壁111を上側から見たことを基準として図示された。本発明の一実施形態によれば、ガイド部112は、側壁111がプレス加工されることによって形成されてもよい。詳細には、側壁111の内側面には、ガイド部112が突出する高さの分だけ陰刻された第1プレスp1が接触して側壁111を支持し、側壁111の外側面には、一面が前記第1プレスp1が陰刻された形態および側壁111の厚さに対応するように突出した第2プレスp2が側壁111を加圧する。すなわち、側壁111の一部が内側方向に突出するようにプレス加工されることによって、ガイド部112が形成される(
図27および
図28参照)。
【0062】
触媒部形成段階(S3)は、前記胴体部10の内部に積層される触媒部20を形成する段階である。
図29を参照すると、断面がメッシュ形状の触媒部20を製造するために、触媒部20は、第1触媒部21aおよび第2触媒部22aが結合されて備えられる。
【0063】
詳細には、触媒部形成段階(S3)は、断面がウェーブまたはジグザグ(zig-zag)形状である第1触媒部21aおよび板形状である第2触媒部22aを接合して触媒部20を形成する触媒部接合段階(S311)と、前記触媒部20を前記胴体部10内部のサイズに合うように切断する段階(S312)と、を含んでもよい。
【0064】
第1触媒部21aは、触媒部20の断面がメッシュ形状からなるようにするための構成である。本発明の一実施形態によれば、第1触媒部21aは、断面がウェーブまたはジグザグ(zig-zag)形状である所定厚さの板からなる。このような第1触媒部21aは、プレス加工を通じて製造できる。
【0065】
第2触媒部22aは、第1触媒部21aを支持するための構成である。詳細には、第2触媒部22aは、平たい板状からなり、第1触媒部21aと結合される。詳細には、第1触媒部21aのウェーブまたはジグザグ形状の各端部が第2触媒部22aの一面に接合される(S311段階)。
【0066】
第1触媒部21aおよび第2触媒部22aが接合された後、胴体部10の内部のサイズに合うように切断されることによって触媒部20が製造される(S312段階、
図30参照)。
【0067】
好ましい実施形態において、前記触媒部接合段階は、前記第1触媒部21aと前記第2触媒部22aとが互いに当接する面のうちあらかじめ指定された所定の位置にSpot-Welding技法で接合(w1)することができる。本発明による触媒反応装置は、同じ形状の触媒部20が胴体部10の内部に積層される方式であるから、切断前の触媒部20は、長さの制限がないベルト形態で製造されることによって、各触媒部20が所定の長さに切断されるように製造できる(
図29および
図30参照)。したがって、切断前の触媒部20は、コンベヤーなどの手段を通じて持続的に生産でき、Spot-Welding技法および切断によって迅速に多量の触媒部20を生産することが可能になる。すなわち、触媒反応装置の大量生産が容易になり、生産コストが節約される効果がある。
【0068】
溝部形成段階(S4)は、触媒部20の製造段階後に実施される段階であって、前述したガイド部形成段階(S2)を通じて形成されたガイド部112に対応する溝部201を形成する段階である。上記した本発明の第2-1実施形態に係る第1ガイド112aは、本体11内部の側壁111に形成されるので、溝部201は、これに対応するように触媒部20の両側端が穿孔されることによって形成される第1溝201aでありうる。
図31は、本発明の第2-1実施形態に係る触媒部20を上側から見たことを基準として図示した。
図31に示されたように、本発明の第2-1実施形態に係る第1溝201aは、触媒部20の両側端が第1ガイド112aが突出した形態に対応する陰刻された形態で形成される。
【0069】
図32は、本発明の第2-1実施形態に係る積層段階(S5)および蓋体結合段階(S6)を示す図である。
【0070】
積層段階(S5)は、胴体部10の内側方向に触媒部20を配置する段階であって、詳細には、「⊂」字状に形成された本体11に形成されたガイド部112と触媒部20に形成された溝部201とが互いに当接するように挿入されることによって、触媒部20が胴体部10の内部に順次に挿入して積層される。
【0071】
蓋体結合段階(S6)は、積層段階(S5)後に実施される段階であって、胴体部10の内側方向に複数個の触媒部20が挿入された後、別に備えられて、「一」字状または「⊂」字状の断面形状を有する蓋体12を側壁111の各上端に接合(w2)させる(
図33参照)。
【0072】
図34は、本発明の第2-2実施形態に係るガイド部形成段階を示す図である。
【0073】
本発明の第2-2実施形態において、ガイド部112は、前記本体11の底面から前記触媒部20の積層方向に沿って前記蓋体12まで連結される柱形状の第2ガイド112bでありうる。同様に、溝部201は、これに対応するように穿孔されることによって形成される第2溝201bでありうる。本説明では、第2ガイド112bは、断面が円形の柱形状であることを基準として図示した。
【0074】
一方、好ましくは、第2ガイド112bが本体11の底面に形成されうるように、本体11の底面には第1穿孔部113が備えられる。詳細には、本体11の底面には、第2ガイド112bの断面形状と一致する形状に第1穿孔部113が備えられ、第2ガイド112bが第1穿孔部113に挿入および接合される。第1穿孔部113が備えられることによって、第2ガイド112bが本体11に接合される位置を精密に調節可能であるから、第2ガイド112bの位置の誤差による触媒部20の積層に発生する問題を防止することができる。また、第1穿孔部113が備えられることによって、本体11の外側から第2ガイド112bを本体11と接合させることができるので、接合作業のツールまたは作業者に対する側壁111による干渉が防止される。
【0075】
図35は、本発明の第2-2実施形態に係る積層段階(S5)および蓋体結合段階(S6)を示す図である。
【0076】
図35に示されたように、本発明の第2-2実施形態によれば、触媒部20の側端に形成される第1溝201aとは異なって、第2溝201bは、触媒部20を上下に貫通することが分かる。
【0077】
また、蓋体12には、第2穿孔部123が備えられる。詳細には、蓋体12には、第2ガイド112bの断面形状と一致する形状に第2穿孔部123が備えられ、蓋体12が側壁111に結合されると同時に、第2ガイド112bが第2穿孔部123に挿入される。第2穿孔部123が備えられることによって、第2ガイド112bが本体11に接合される位置を精密に調節可能なので、第2ガイド112bの位置の誤差による触媒部20の積層に発生する問題を防止できる。また、第2穿孔部123が備えられることによって、本体11の外側から第2ガイド112bを蓋体12と接合させることができるので、接合作業のツールまたは作業者に対する触媒部20および側壁111による干渉が防止される(
図36参照)。
【0078】
前記第2-1実施形態および第2-2実施形態に係るガイド部112は、断面が円形、半円、楕円形、半楕円、多角形、半多角形のうちいずれか一つからなり、これは、本発明について通常の知識を有する当業者なら容易に変更可能である。
【0079】
本発明の他の実施形態において、触媒部は、第1触媒部21eおよび第2触媒部22eを含む触媒部20eでありうる。
図37を参照すると、第1触媒部21eは、断面がウェーブ状またはジグザグ(zig-zag)形状を有する第1区間sec1および断面が一字形状を有する第2区間sec2が反復配列され、反復される各前記第2区間sec2がベンディングされてジグザグ形状に形成されることによって、前記第1区間sec1が同一線上に位置するように備えられる。
図38を参照すると、第2触媒部22eは、それぞれ前記第1触媒部21eの互いに当接する第1区間sec1の間に挿入される。
図39は、本発明の第1触媒部21eおよび第2触媒部22eを含む実施形態を示す図である。
【0080】
このために、前記触媒部形成段階(S3)は、断面がウェーブ状またはジグザグ(zig-zag)形状を有する第1区間sec1および断面が一字形状を有する第2区間sec2が反復配列される第1触媒部21eを形成する段階と、前記第1触媒部21eの前記第2区間sec2をベンディングしてジグザグ(zig-zag)形状に形成する段階と、板形状の第2触媒部22eをそれぞれ前記第1触媒部21eの互いに当接する第1区間sec1の間に挿入する段階と、を含んでもよい。
【0081】
本発明のさらに他の実施形態において、複数の触媒部を積層する代わりに、単一触媒部20fが巻き取られて胴体部10の中に挿入される巻き取り段階を含んでもよい。
【0082】
巻き取り段階は、前述した触媒部を前記フレーム内部のサイズに合うように切断する段階(S312)の代わりに行われ得る段階であって、前記ベルト形態の切断前に触媒部を胴体部10内部空間の形態に合うように巻き取る(
図40参照)。本説明では、方形の胴体部10の形態に合わせて巻き取られたことを基準として図示したが、本発明の属する分野における通常の知識を有する当業者が、胴体部10の他の実施形態に対応するように巻き取る形態を容易に変更可能である。
【0083】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を詳細に説明するに先立って、「第1触媒部の上端」は、波形の断面形状を有する第1触媒部の山部を意味し、「第1触媒部の下端」は、前記第1触媒部の谷部を意味する。
【0084】
また、本発明において記述される「山部」は、本発明による構成が開示されるとき、表面から外部に向かって突出する部分を意味し、「谷部」は、前記「山部」と比較したとき、表面から陰刻されて見られるように形成されることによって、内側方向に向かって凹状に形成される部分を意味する。すなわち、後述するが、第1触媒部21は、第2方向d2に沿って山Uおよび谷Dが形成される波動形態を有するように備えられることによって、第1方向d1から見たとき、波形形状の断面を有する。
【0085】
また、「支持体」は、流体の触媒反応が実施される空間を提供する構成であって、複数個の触媒部が上下方向に積層された状態で収納され得、このために、支持体は、第1方向への一面が開口するように備えられる。しかしながら、前記支持体の形態は、これに限定されず、上面が開口するなど多様な形態および触媒部の多様な収納方式を使用できるように備えられる。
【0086】
図41は、本発明の一実施形態に係る触媒用コーティング組成物を示す断面拡大図である。本発明による触媒用コーティング組成物は、後述する第1触媒部21および第2触媒部の表面にコーティングされる(
図41の参照符号「c」参照)。詳細には、触媒用コーティング組成物は、鉄、クロムからなる第1触媒部21および第2触媒部22に塗布され、チタンを含み、タングステンおよびバナジウムの中から選ばれる1種以上をさらに含む。これによって、前記触媒用コーティング組成物を含む第1触媒部21および第2触媒部22は、鉄、クロム、タングステン、バナジウムおよびチタンから構成される。詳細には、バナジウムは、300℃未満の低い温度環境で窒素酸化物をより容易に除去し、タングステンは、300℃以上の高い温度環境でより容易な窒素酸化物の除去が可能である。また、本発明による第1触媒部および第2触媒部は、鉄およびクロムからなることによって、従来の触媒と比べて耐久性を最大化する効果を有する。第1触媒部21および第2触媒部22を構成するチタンの場合、窒素酸化物との反応のための表面積を増加させると同時に、バナジウムおよびタングステンを含むコーティング組成物が意図せずに除去されることを防止する役割を行う。しかも、鉄およびクロムは、熱反応速度が大きいため、高温の流体の供給を受ける場合、より迅速に窒素酸化物を除去できるので、同じ時間と比べて窒素酸化物の除去効率が最大化される効果を有する。上記のような触媒用コーティング組成物が塗布されることによって、本発明による第1触媒部21および第2触媒部22は、低温および高温に制限されずに、迅速な触媒反応および堅固な支持を達成でき、従来の触媒と比べて顕著な触媒反応効果および安全性を有し得る。
【0087】
実施形態
本発明による第1触媒部21および第2触媒部22は、複数個の組成物で表面がコーティングされて形成されてもよい。詳細には、第1触媒部21および第2触媒部の表面は、タングステン、バナジウムおよびチタンなどの混合体でコーティングされるように備えられ、このようなコーティング組成物に関するより詳細な重量部は、下記表1に示された通りである。
【0088】
【0089】
第1触媒部21および第2触媒部22にコーティングされるコーティング組成物は、タングステン1~15重量部、バナジウム1~15重量部、チタン35~55重量部および酸素30~45重量部からなる。また、上記のようなコーティング組成物が塗布された第1触媒部21および第2触媒部22は、鉄およびクロムなどの金属材質からなり、従来の触媒と比べてより堅固な支持体への積層および保持が可能である。ここで、タングステン、バナジウムおよびチタンは、流体と当接して触媒反応を起こす材質であるところ、流体の活性化エネルギーを低減するので、より容易な触媒反応を誘導できる。また、コーティング組成物には、前述したチタン、タングステンおよびバナジウムが酸化物形態からなることによって、酸素が多量含まれる。また、上記のようなコーティング組成物、鉄およびクロムから構成される第1触媒部21および第2触媒部22は、流体との触媒反応過程で変色せず、酸素が含まれていて、腐食に強いため、前記第1触媒部21および第2触媒部22の交換周期が増加することによって、究極的な触媒反応効率を最大化できる。より好ましい実施形態において、コーティング組成物は、炭素(c)、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)およびニオブ(Nb)のうち少なくとも二つ以上を含んでもよい。
【0090】
上記のような実施形態を通じて、300℃未満で使用される第1触媒部21および第2触媒部22がより活発な触媒反応を起こすことを誘導できる。詳細には、300℃未満の触媒反応環境では、バナジウムの触媒反応活性度が高いため、タングステンの重量部よりバナジウムの重量部がさらに大きい。このように本発明の第1触媒部21および第2触媒部22は、触媒反応を実施する温度に対応してさらに高い反応性を有する組成物が比較的大きい組成比を有するため、一般的な触媒と比較したとき、さらに大きい触媒変換効率を有し得る。
【0091】
本発明のより好ましい実施形態において、本発明によるコーティング組成物が塗布された第1触媒部21および第2触媒部22にはコバルトをさらに含んでもよい。詳細には、コーティング組成物は、コバルト0.1~5重量部をさらに含んでもよい。これは、第1触媒部21および第2触媒部22の耐腐食性および強度を最大化することによって、前記第1触媒部21および第2触媒部22の交換周期が長くなるようにして、究極的な触媒反応効率の最大化を誘導できる。
【0092】
しかも、本発明によるコーティング方法は、前述したコーティング組成物で第1触媒部21および第2触媒部22をコーティングすることであって、前記コーティング組成物は、タングステンおよびバナジウムの中から選ばれる1種以上を含み、タングステンは、1~15重量部、バナジウムは、1~15重量部で含まれる。
【0093】
実験1
実験1は、触媒反応環境が変わるにつれて発生する触媒反応効率の変化を測定するための実験である。このために、200℃~450℃以上の高温環境で実験を実施し、これに対する転換率を測定した結果は、下記表2に示された通りである。
【0094】
【0095】
実験1を通じて、350℃未満では、温度が増加するほど転換率が増加するが、350℃以上の環境では、温度が増加するほど次第に触媒効率が低下することが分かった。すなわち、350℃での転換率が最も大きいことを確認できる。
【0096】
しかも、本発明によるコーティング組成物による触媒変換効率は、同じ組成のコーティング組成物が塗布された第1触媒部21および第2触媒部22を通過する流体(排気ガス)の温度によって変更可能である。詳細には、
図51を参照すると、本発明による触媒は、メタルタイプ(Metal Type)であって、従来のセラミックタイプ(Ceramic)と比較したとき、低温および高温区間での触媒変換効率において顕著な差異を有する。詳細には、本発明による触媒は、350℃未満での低温環境および350℃以上での高温環境で窒素酸化物が窒素などに転換される転換率が急減しない。その一方で、従来のセラミックタイプ触媒の場合、300℃未満での転換率が低温であるほど低下し、350℃以上の環境で転換率がさらに急減することを確認できる。これを通じて、本発明によるメタルタイプの触媒は、従来のセラミックタイプ触媒と比べて異なる温度環境で比較的均一な転換率を有することが分かる。
【0097】
図42は、本発明の第3実施形態に係る触媒反応装置を全体的に示す斜視図である。本発明による触媒反応装置は、支持体に収容されて、流体と触媒反応を実施する触媒部20を含み、触媒部20は、第1触媒部21および第2触媒部22から構成される。
図42は、第1触媒部21および第2触媒部22が一体に備えられる触媒部20を示す図であって、第2方向d2を基準としてウェーブ、波形などの断面形状を有する第1触媒部21と、前記第1触媒部21の下側方向に位置する板状の第2触媒部22とを含む。また、前述した支持体には、一つ以上の触媒部20が上下方向に積載された状態で流体の供給を受けることによって、前記触媒部20は、支持体の内部で流体と当接して触媒反応を実施する。
【0098】
図43は、本発明の第3実施形態に係る第1触媒部21を示す斜視図である。
【0099】
第1触媒部21は、流体との触媒反応を最大化するための構成である。第1触媒部21は、第1方向d1から見るとき、ウェーブ状の断面形状を有するように備えられる。より詳細には、第1触媒部21は、第2方向d2に沿ってウェーブとなるように形成される。また、第1触媒部21は、上記のような断面形状を有するために、ローラー、プレスなどの別途の加圧手段を用いて加工されて形成される。このような第1触媒部21が備えられることによって、平板状からなる従来の触媒と比較したとき、流体との接触面積を顕著に増加させることができるので、触媒反応効率を最大化できる。
【0100】
一方、第1触媒部21には、凹凸パターン210が配列されることによって、後述する第2触媒部22との締結力を増加させて、支持体の内部での堅固性を最大化できる。
【0101】
図44は、本発明の第3実施形態に係る第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212を示す断面拡大図(
図3のA-A'切断に基づく切断面)であって、第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212をそれぞれ拡大して示し、第2方向d2を基準として見るときの断面図として図示して説明する。
【0102】
第1触媒部21の表面には、凹凸パターン210が配列される。詳細には、凹凸パターン210は、第2方向d2と水平方向に、かつ、垂直に備えられる第1方向d1に沿って第1触媒部21に配列されて備えられる。より詳細には、凹凸パターン210は、第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212を含む。
【0103】
【0104】
ここで、第1凹凸パターン部211は、第1触媒部21の上側方向から下側方向に別途のプレスなどの加圧手段を用いて加圧する製造方法によって形成される。これによって、第1凹凸パターン部211の上面には、加圧形成された第1凸部2111および第1凹部2112が備えられ、下面には、前記第1凸部2111および第1凹部2112と対応する第2凹部2114および第2凸部2113が備えられる。これに関するより詳細な説明は、
図45と関連して後述する。
【0105】
第2凹凸パターン部212は、第1凹凸パターン部211と同じ目的で備えられる。このために、第2凹凸パターン部212は、第1凹凸パターン部211と同じ形状を有し、第1触媒部21の谷Dに位置して前記谷Dに沿って形成される。詳細には、第2凹凸パターン部212は、前述した別途の加圧手段が第1触媒部21の谷Dの下側方向から上側方向に加圧する工程によって製造される。この過程で第3凸部2121、第3凹部2122が形成され、これに関するより詳しい説明は、
図45と関連して後述する。
【0106】
上記のような第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212は、前述した第1触媒部21の波形の断面形状への加工後、別途のプレスなどの加圧手段を用いて圧着して小さな谷を作る製造方法によって形成されてもよい。一方、第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212を含む第1触媒部21は、
図8で後述する第2触媒部22との接触を通じて相互作用して締結性および触媒変換効率を顕著に増加させることができる。
【0107】
図45は、本発明の第3実施形態に係る第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212の各構成を示す図であって、
図45aは、
図43のA-A'断面を基盤とし、
図45bは、
図43のB-B'断面を基盤として説明する。
【0108】
前述したように、第1凹凸パターン部211が形成されることによって、山Uの上面には、第1凸部および第1凹部が形成される(
図5a参照)。また、加圧形成時に作用する外力によって、第1凸部2111および第1凹部2112に対応する山Uの下面には、第2凹部2114および第2凸部2113が形成される。すなわち、第1凸部2111および第2凹部2114が互いに対応し、第1凹部2112および第2凸部2113が互いに対応するように備えられる。
【0109】
第2凹凸パターン部212が形成されることによって、谷Dの下面には、第3凸部2121および第3凹部2122が形成される(
図5b参照)。また、第3凸部2121および第3凹部2122に対応して谷Dの上面には、第4凹部2124および第4凸部2123が形成される。すなわち、第3凸部2121および第4凹部2124が互いに対応し、第3凹部2122および第4凸部2123が互いに対応するように第1触媒部21の谷Dが下側から上側に加圧される。
【0110】
上記のような第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212が備えられることによって、第1触媒部21と第2触媒部22の間を通過する流体が第1触媒部21と当接する面積および係留時間を増加させることができて、究極的な触媒反応効率を最大化できる。
【0111】
図46は、本発明の第3実施形態に係る第2触媒部を示す図である。
【0112】
第2触媒部22は、第1触媒部21と同様に、流体との触媒反応を実施するための構成である。このために、第2触媒部22は、板状からなり、第1触媒部21の下側方向に位置する。また、第2触媒部22は、前述した第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212との相互作用を通じて支持体内部での離脱を防止する第1パンチングパターンおよび第2パンチングパターンを含み、前記第1パンチングパターンおよび第2パンチングパターンは、第2触媒部を別途のパンチング手段を用いて上下方向に加圧する製造方法によって製造される。
【0113】
図47は、本発明の第3実施形態に係る第2触媒部の断面図である。
【0114】
第2触媒部22の上面には第1パンチングパターン221が形成され、下面には第2パンチングパターン222が形成され、前記第1パンチングパターン221は、第1陽刻部2211および第1陰刻部2212を含み、第2パンチングパターンは、第2陽刻部2221および第2陰刻部2222を含む。
【0115】
第1陽刻部2211および第2陽刻部2221は、第2触媒部22の上面および下面からそれぞれ突出形成され、複数個からなり、あらかじめ指定された格子配列を有する。ここで、第1陽刻部2211および第2陽刻部2221の形状は、四角柱形状であるか、突出した部分がラウンドとなるように加工処理することができ、形態は、これに限定されない。
【0116】
第1陰刻部2212および第2陰刻部2222は、第2触媒部22の上面および下面から陰刻形成され、複数個からなり、格子配列を有する。詳細には、第1陰刻部2212は、複数の第1陽刻部2211の間に位置し、第2陰刻部2222は、複数の第2陽刻部2221の間に備えられる。
【0117】
第2触媒部22を上側方向から下側方向に加圧したり、下側方向から上側方向に加圧する製造方法によって、第2触媒部の上面には第1陽刻部2211および第1陰刻部2212が形成され、下面にはこれに対応する第2陰刻部2222および第2陽刻部2221が形成される。すなわち、
図47の断面図を基準として第1陽刻部2211の下側方向には第2陰刻部2222が備えられ、第1陰刻部2212の下側方向には第2陽刻部2221が備えられる。
【0118】
上記のような第1パンチングパターンおよび第2パンチングパターンは、第2触媒部22の上側方向に位置する第1触媒部21または下側方向に位置するさらに他の触媒部20'の第1触媒部21'と当接することができ、これは、第1触媒部21と第2触媒部22間の決着力を高める効果を有する。
【0119】
一方、第2触媒部22は、平板状からパンチング加圧工程を経て製造され、小さな谷の形成が完了した第1触媒部21と当接した状態でシーム溶接(Seam Welding)を通じて一体に備えられて、触媒部20が一体に製造される。
【0120】
図48は、本発明の第3実施形態に係る複数個の触媒部20が上下方向に積層されることを示す図である。
図48~
図50と関連して記述される「さらに他の触媒部20'」は、
図42~
図47と関連して記述した「触媒部20」との混同を避けるために、参照符号を異ならせて説明する。前述したように、触媒部20は、第1触媒部21および第2触媒部22が一体に備えられた状態で上下方向にさらに他の触媒部20'が順次に積層されて積み重ねられるように支持体に収納されてもよい。このような触媒部20およびさらに他の触媒部20'の接触過程で第1凹凸パターン部211および第2凹凸パターン部212は、第1パンチングパターンおよび第2パンチングパターンと当接することによって摩擦力が増加することになって、究極的な決着力の上昇を誘導できる。
【0121】
図49は、本発明の第3実施形態に係る第1触媒部21と上側方向に位置するさらに他の第2触媒部22'とが互いに結着されることを示す図であって、触媒部20および上側方向に位置するさらに他の触媒部20'の接触を示し、
図9および
図10は、
図8のC-C'断面を基準として説明する。
【0122】
第1凹凸パターン部211が備えられることによって、第1凸部2111および第1凹部2112が形成される第1触媒部21の上側方向には、さらに他の第2触媒部22'が位置する。この過程で第1凹凸パターン部211は、さらに他の第2触媒部22'の下面に形成されたさらに他の第2パンチングパターン222'と当接する。詳細には、第1凸部2111は、さらに他の第2陰刻部2222'と当接すると同時に、第1凹部2112は、さらに他の第2陽刻部2221'と当接する。
【0123】
すなわち、第1凹凸パターン部211が上側方向に位置するさらに他の第2パンチングパターン222'と当接することによって、第1凸部2111、第1凹部2112、さらに他の第2陰刻部2222'およびさらに他の第2陽刻部2221'は、互いに係合したり、線接触または点接触するように配置される。この過程で第1触媒部21と上側方向に位置するさらに他の第2触媒部22'間の摩擦力が顕著に増加し、これは、外力による第1触媒部21およびさらに他の第2触媒部22'の分離を防止する効果を有する。
【0124】
しかも、第1凸部2111、第1凹部2112、さらに他の第2陰刻部2222'およびさらに他の第2陽刻部2221'が互いに完ぺきに当接しないので、第1空間部e1が形成される。これは、上下方向への外力により発生しうる衝撃を吸収する。これと同時に、複数の触媒部20の間で流出する流体が特定の位置で溜まることを防止する。したがって、第1触媒部21およびさらに他の第2触媒部22'の表面に形成されるコーティング層がさらに早く剥がれてしまうことをあらかじめ防止して、交換周期の短縮を防ぐことによって、究極的な触媒変換効率を最大化できる。
【0125】
図50は、本発明の第3実施形態に係る第1触媒部21と第2触媒部22とが互いに結着されることを示す図であって、第1触媒部21と第2触媒部22の接触による決着力の増加を示す図である。
【0126】
第2凹凸パターン部212と第2パンチングパターン222とが互いに当接することによって、一つの触媒部20を成す第1触媒部21と第2触媒部22の摩擦力が増大する。詳細には、第1触媒部21の下端に位置して下側方向に向かう第3凸部2121は、第1パンチングパターン221が備えられることによって、上側方向に突出する第1陰刻部2212と当接する。また、第3凹部2122は、第1陽刻部2211と当接する。すなわち、第3凸部2121と第1陰刻部2212とが互いにかみ合い、第3凹部2122と第1陽刻部2211とが互いにかみ合うように配置されることによって、第1触媒部21と第2触媒部22間の摩擦力が増加する効果を導き出すことができる。
【0127】
しかも、第3凸部2121と第1陰刻部2212との間および第3凹部2122と第1陽刻部2211との間には、完全な面接触を成しないため、それらの間には、第2空間部e2が形成される。このような第2空間部e2が形成されることによって、上下方向または第1方向d1への外力を緩衝することができるので、第1触媒部21および第2触媒部22の過度な変位変動および破損をあらかじめ防止できる。
【0128】
上記した本発明は、好ましい実施形態を参考として説明されたが、これは、実施形態に過ぎず、本技術分野における通常の知識を有する者は、これから多様な変形および均等な他の実施形態も可能になり得る。したがって、本発明の権利範囲は、上記した実施形態および添付の図面によって限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明によれば、特定の温度環境で触媒反応効率が低下することを防止できるので、汎用性を最大化できる。