(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】重要事項説明支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2023026898
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2022180066の分割
【原出願日】2020-10-15
【審査請求日】2023-02-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519342965
【氏名又は名称】株式会社ホリケン
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】堀 峰也
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】緑川 隆
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-008508(JP,A)
【文献】特開2022-065490(JP,A)
【文献】特開2003-323482(JP,A)
【文献】特許第7240061(JP,B2)
【文献】野間 敬和,第124回 法令ニュース,月刊プロパティマネジメント,日本,綜合ユニコム,2017年07月01日,第18巻 第7号,第54-55頁
【文献】徳本 友一郎,超入門 不動産の教科書,日本,株式会社新星出版社 富永 靖弘,2016年04月05日,第206~208頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重要事項説明情報のサービスを行うシステムサーバと、
宅地建築取引業者と取引申込者とがそれぞれ有する端末機器と、
を有してなり、
インターネット回線により前記システムサーバと前記端末機器が接続された重要事項説明情報支援システムであって、
前記宅地建築取引業者の前記端末機器は、
前記重要事項説明情報と、前記宅地建築取引業者の
顔写真とを、前記システムサーバにアップロードするアップロード手段、
を備え、
前記システムサーバは、
前記アップロードされた前記重要事項説明情報と前記
顔写真とを、前記取引申込者の前記端末機器に送信する送信手段、
を備え、
前記取引申込者の前記端末機器は、
前記重要事項説明情報と前記
顔写真とを、前記システムサーバから受信する受信手段と、
前記重要事項説明情報と前記
顔写真とを、表示する表示手段と、
前記取引申込者が前記重要事項説明情報を確認したことの証明としての所定の操作を受け付ける手段と、
を備え、
前記所定の操作を受け付ける手段は、前記取引申込者が前記重要事項説明情報を確認したことの証明としての指定番号の入力を受け付ける、
ことを特徴とする重要事項説明情報支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産取引における重要事項説明書の支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産取引においては、宅地建物取引業法で、不動産業者は不動産購入および賃貸申込者に対し、重要事項説明という設備・条件・制限事項などの契約内容に関する重要な事柄を説明する義務がある。また、この説明は宅地建物取引士が宅地建物取引士証を提示した上で直接対面で実施し、そしてその内容を書面にして取引申込者へ交付しなければならない。
【0003】
宅地建物の取引において、宅地建物取引業者が宅地建物取引士をして取引当事者に対して契約上重要な事項を説明することをいう。また、その際に、説明の内容を記載して当事者に交付する書面を、重要事項説明書という。宅地建物取引業法第35条に規定されている。
不動産取引における重要事項説明とは、概して「契約前」に行われる重要事項の説明であり、当該契約を締結するか否かを判断する為のものである。また、契約をめぐる紛争の殆どは「そんなことは聞いてない」という事から発生する。この「聞いてない」の殆どが重要事項の説明に関係する事であり、本当に「聞いてない」という場合もあれば「聞いたけど忘れた」、「聞いたかもしれないけど良く理解できなかった」など理由はさまざまである。このような「聞いてなかった」という事を原因とする紛争を防止する為に「重要事項説明書」を説明し、且つ「確かに重要事項の説明を聞いた」という意味で取引申込者は重要事項説明書に記名押印をする。
【0004】
重要事項説明を必要とするのは、宅地建物取引業者が自ら売主として取引する場合、および不動産取引を代理・媒介する場合であり、その説明は、売買契約や賃貸借契約が成立するよりも前に行なわなければならない。また、宅建業者は、宅地建物取引士をして説明に当たらせなければならず、説明する重要事項をすべて書面に記載し、宅地建物取引士よりその書面(重要事項説明書)を交付する必要がある。代理・媒介などで複数の宅建業者が関与する取引の場合は、それぞれの宅建業者が、それぞれの立場から重要事項の説明をする義務を負う
【0005】
しかしながら、この重要事項説明は、宅地建物取引業者と取引申込者が直接面談し説明する義務があり、面談に際し長時間となる可能性が高い。多忙で重要事項説明を受ける余裕がない場合は、代理人を立てて説明を受けさせることや最近ではネット回線を通してオンラインで重要事項説明を受けられるようになったが、いずれにしろ対面で実施することとなり、面談の長時間化を解決する合理的な方法は開発されていない。
【0006】
上記技術分野において、特許文献1には、不動産取引を効率的に管理する技術が開示されている。特許文献2には、重要事項説明書データを自動的に生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-086857号公報
【文献】特開2015-022652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
宅地建物取引業法第35条に規定されているように、重要事項説明は対面による面談にて行わなければならない。しかしながら、対面による面談は長時間を必要とするだけでなく、重要事項説明の誤認識や内容の未確認等のトラブルを防ぐ方法が乏しい。
不動産取引において、宅地建物取引業者と取引申込者は物件検討や契約書検討のため必ず一度は面会することとなる。
この面会時に、宅地建物取引業者は宅地建物取引業法第35条に規定されている宅地建物取引資格証を提示し、その後の書類説明や書類郵送はオンラインシステムにより、宅地建物取引業者と取引申込者双方の時間短縮や内容理解度の向上を実現することが求められている。
【0009】
本発明の目的は、上述の課題を解決するWEBサーバー、クラウドサーバー、各種端末によって登録認証、重要事項説明についての共有認知、確認などの統合システムの技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
重要事項説明に関する情報はWEBサーバー、クラウドサーバー、各種端末を統合システムによって運用する。
各種端末は携帯される情報端末であって、宅地建物取引業者と取引申込者が操作する。重要事項説明書等の機密情報はクラウドサーバーのみに保存し運用され、重要事項説明書への押印および書類郵送、書類受取後はクラウドサーバーより当該データは削除される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、不動産取引に関する重要事項説明情報を基に、取引申込者と宅地建物取引業者との間で取引を効率的に成立させることができる重要事項説明支援システムおよびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る重要事項説明情報支援システムについて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る重要事項説明情報支援システムの全体構成図である。
図1に示すように、重要事項説明情報支援システムは、例えば、取引申込者端末10、宅地建物取引業者端末20、WEBサーバー30およびクラウドサーバーDB40を有する。
取引申込者端末10は、不動産の購入を検討している買主が利用する端末である。
宅地建物取引業者端末20は、宅地建物取引業者が利用する端末である。
【0014】
取引申込者端末10および宅地建物取引業者端末20は、スマートフォン等であってもよい。
WEBサーバーおよびクラウドサーバーDB40は、重要事項説明情報支援システムの運営者が運用するサーバーによって実現される。
【0015】
WEBサーバー30は、取引申込者端末10および宅地建物取引業者端末20からネットワークを介してアクセスされる。
【0016】
WEBサーバー30は、クラウドサーバーDB40にアクセスを行い、取引申込者端末10および宅地建物取引業者端末20からの表示要求に応じた情報をクラウドサーバーDB40から取得する。
【0017】
クラウドサーバーDB40への重要事項説明情報の書き込みは、宅地建物取引業者が行う。
【0018】
本発明は、不動産取引の重要事項説明で実施される。重要事項説明に関わる伝達と受理は厳正であることが求められる。
【0019】
以下は一般化された用語例にもとづいて説明する。
端末は携帯端末であることが望ましく、スマートフォン・PC他任意である。端末は当該重要事項説明情報(以下各種データを含む。)を送受信する手段(機能)を備える。例として端末を操作する者(宅地建物取引業者と取引申込者)の人的認証、重要事項説明書などの確認すべき事項を相互に送受信してチェックする。
【0020】
具体的な例として、宅地建物取引業者と取引申込者のチェックに適用され、宅地建物取引業者の属性(顔、氏名、年齢、宅地建物取資格証など)が認証される。重要事項説明情報は宅地建物取引業者によってサーバー(以下クラウドなどを含む。)に送信され保存される。宅地建物取引業者によって生成されたIDは、取引申込者と共通で使用する。PWは、それぞれが登録し、システムへのアクセスのログイン情報として使用する。
【0021】
機密性、資格などをID、暗証番号などを組み合わせて所定の操作、機能によって当該設備がチェックする。
【0022】
ひとつの例として、WEBサーバー(クラウドを含む。)と端末が送受信してチェックすることもできる。
【0023】
取引申込者が重要事項説明事項を了解し、確認した意思を示したことの証明として所定の操作を求めることがよい。携帯端末のディスプレイ上でのタップや指定番号の入力など、所定の入力や操作などによることもできる。
【0024】
動画視聴前(重要事項説明)に宅地建物取引業者の顔写真を表示ことによりウェブ上でのサインインだけではなく、取引申込者は宅地建物取引業者を把握確認できる。
【0025】
動画閲覧中にランダムに表示される3つの数字のキーワードを、閲覧後の入力画面に入力することにより、動画をしっかりと見せることができる。表示される数字のキーワードを間違って入力すると、教育を完了することができない。
【0026】
重要事項説明を携帯電話(スマートフォン)等のモバイル端末で事前に行うことによって時間を短縮でき、効率よく重要事項説明を理解することができる。
【0027】
宅地建物取引業者は重要事項説明情報などをPDF(Portable Document Format)に変換し、そのPDFデータをアップロードすることにより、取引申込者に重要事項説明情報を確認させることができる。取引申込者はその重要事項説明情報を確認しないと終了できない。
【0028】
スマートフォン(携帯端末)等で重要事項説明動画を事前に確認する事が出来ることにより重要事項説明書の理解・確認に掛かる時間を短縮出来る。
【0029】
重要事項説明書類アップロード機能により、その書類をスマートフォン等の入力機器で閲覧することによって、重要事項説明書類のネットワーク上での入力、記入、またその確認が利用者間で可能になる。複合機器、コピー機、プリンター等印刷機器と当システムを連動することによって、アップロードされた書類(PDF)を出力することができる。
【0030】
取引申込者が端末等で重要事項説明動画確認済み画面を表示する事により宅地建物取引業者は取引申込者の重要事項説明完了を素早く確認する事が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0031】
不動産等の取引において、ネットワークを利用することによって、重要情報への自由なアクセスや時間の節約、重要情報の誤解によるトラブルの予防などの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0032】
10 宅地建物取引業者端末
20 取引申込者端末
30 WEBサーバー
40 クラウドサーバーDB