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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】予定管理機器
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023193388
(22)【出願日】2023-11-14
【審査請求日】2023-11-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519412659
【氏名又は名称】株式会社デンセツ工業
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳元 貴久
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 春吉
(72)【発明者】
【氏名】久木田 信哉
(72)【発明者】
【氏名】藏薗 昭二
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-312513(JP,A)
【文献】特開2008-217678(JP,A)
【文献】特開2018-112945(JP,A)
【文献】特開2010-258925(JP,A)
【文献】特開2012-058953(JP,A)
【文献】特開2009-246924(JP,A)
【文献】特開2006-201871(JP,A)
【文献】特開2003-216802(JP,A)
【文献】特開平08-079863(JP,A)
【文献】特開2014-086801(JP,A)
【文献】特開2006-344178(JP,A)
【文献】特開2002-183384(JP,A)
【文献】特開2009-151679(JP,A)
【文献】特開2020-035382(JP,A)
【文献】特開2021-131619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織に所属する者同士で各々の行動予定を連絡し、該組織に所属する者への訪問者に、所属する者各自の行動予定を知らせる際に用いる、登録された複数の登録者に関するステータス情報を管理する予定管理機器において、
登録者の予め定められた複数種類の状態であって、該登録者の予定に関するステータス情報を、「社員用」および「訪問者用」の表示にて該登録者ごとに表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段の制御に応じて、前記ステータス情報の「社員用」および「訪問者用」の画面を、表示する表示装置と、
前記組織の建物内に人が来たときに、赤外線によって人の接近を感知する人感センサと、
前記表示制御手段と前記人感センサを収め、前記組織の建物内の任意の場所に設置することができる程度の持ち運び可能な大きさの筐体と、
を備え、
前記ステータス情報の一つとして外出ステータスを有し、該外出ステータスの入力画面に、酒気帯びの有無を入力するアルコールチェック欄を備え、
前記表示制御手段は、前記ステータス情報が入力されると、該ステータス情報を表示させ、
前記表示制御手段が、前記表示装置を「社員用」として機能させるときは、前記ステータス情報が入力されると、前記表示装置の「社員用」画面に該ステータスを表示し、
前記表示制御手段が、前記表示装置を「訪問者用」として機能させるときは、前記ステータス情報が入力されると、前記表示装置の「訪問者用」画面に該ステータスを表示し、
前記人感センサによっての接近を感知したときに通知を発する、ように構成した、
予定管理機器。
【請求項2】
前記表示制御手段は、訪問者を検知した際に受付端末として置かれた前記表示装置の画面を「訪問者用」に切り替え、訪問者を検知していない時には任意の映像を流す、
請求項1に記載の予定管理機器。
【請求項3】
前記アルコールチェック欄の入力画面に、パスワードの入力欄を備える、
請求項1に記載の予定管理機器。
【請求項4】
映像を表示できるカメラを、前記筐体に、さらに備え、
前記表示制御手段は、前記通知を発するときに前記カメラの映像を表示する
請求項1に記載の予定管理機器。
【請求項5】
予め登録された登録者の顔を認証する顔認識手段をさらに備え、
前記登録者の顔を前記カメラによって捉え、前記顔認識手段によって認識した際に、該登録者の前記ステータス情報を入力する、
請求項4に記載の予定管理機器。
【請求項6】
登録者は、IDを入力することなくパスワードのみを入力することによってログインする、
請求項1に記載の予定管理機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子的に行動予定情報の共有を行うことができる予定管理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
会社や役所、学校などの組織では、ホワイトボードや黒板などを用いた行動予定表が従来用いられている。各人が外出や来客などの行動予定を記入し、情報を共有する訳である。しかし、外出時には行動予定を記入することができず、社内に居る者に電話などで連絡し、書き換えてもらう必要がある。また、予定が変更されているにも関わらず、そうした書き換えを忘れ、もしくは書き換えを依頼することなく、行動予定表の情報が古いままとなる事もある。つまり、社内にある行動予定表に実態が反映されないことがある。
【0003】
社内に居る者は、取引先などから電話で社員の予定を尋ねられることがある。行動予定表が適切に更新されていないと、社内に居る者は、そうした際に答えられず困る。また、社用車の帰社時刻が分からなく別の予定を立てられなかったりして困ることもある。
【0004】
受付において、訪問者が来た際に訪問先相手の在席状況が分からないと、対応した者は確認に時間と手間を要し、訪問者も待たせてしまう。また、受付に内線番号表を置いていても、在席かどうか分からないと、訪問者が内線を掛け、出なければ他の者に掛けなおすなどの手間が発生する。
【0005】
そこで、電子的な予定管理システムが提案されている。
特許文献1には、GPS内蔵携帯情報端末の位置を把握するGPSシステムに接続され、GPS内蔵携帯情報端末を携帯して外出する者からそれぞれの行動予定情報を受け付けて、行動予定情報を編集してなる行動予定表を他の端末に提供する行動予定管理サーバであって、GPSシステムから提供されるGPS内蔵携帯情報端末の現在位置が、GPS内蔵携帯情報端末を携帯する者の行動予定情報に示された出発地の位置にある場合には、GPS内蔵携帯情報端末を携帯する者が出発地に所在する旨を、行動予定表に書き込み、GPSシステムから提供されるGPS内蔵携帯情報端末の現在位置が、GPS内蔵携帯情報端末を携帯する者の行動予定情報に示された目的地の位置にある場合には、GPS内蔵携帯情報端末を携帯する者が目的地に所在する旨を、行動予定表に書き込み、GPSシステムから提供されるGPS内蔵携帯情報端末の現在位置が、GPS内蔵携帯情報端末を携帯する者の出発地および目的地いずれの位置とも、異なる場合には、GPS内蔵携帯情報端末を携帯する者は移動中である旨を、行動予定表に書き込む、行動予定管理サーバ、が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、各人の行動予定を示す行動予定表を管理するサーバ装置であって、各人が所有する各携帯型電話機の動作モードの種類を示す動作モード情報を所定時間毎に取得する情報取得手段と、情報取得手段により取得される動作モード情報に示される動作モードの種類に応じて対応する行動予定内容を決定し、その内容を行動予定表上の該当する欄に反映させる行動予定表更新手段とを具備するサーバ装置、が記載されている。
【0007】
従来の予定管理システムにおいては、予定を登録する者毎にアカウントを設けるのが通例であり、アカウント数が課金単位になっている場合も多い。導入企業にとっては、人が増えたら新たにアカウント数を購入したり、逆に人が減ったら出費を抑える為にアカウント数を削減したりする必要があり、その管理が煩雑であった。さらには、アカウントが複数あるとアカウント毎にIDが必要になり、それに応じて個別のパスワードも必要になる。システム管理者はそれらの管理も必要になるわけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2003-296522号公報
【文献】特開2004-152128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の行動予定管理方法では、専用端末装置や各人のアカウントを用意する必要があり、利用したくても導入へのハードルが高いという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、専用端末や複数アカウントを用意することなく導入できる予定管理機器を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、組織に所属する者同士で各々の行動予定を連絡し、該組織に所属する者への訪問者に、所属する者各自の行動予定を知らせる際に用いる、登録された複数の登録者に関するステータス情報を管理する予定管理機器において、
登録者の予め定められた複数種類の状態であって、該登録者の予定に関するステータス情報を、「社員用」および「訪問者用」の表示にて該登録者ごとに表示させる表示制御手段と、
表示制御手段の制御に応じて、ステータス情報の「社員用」および「訪問者用」の画面を、表示する表示装置と、
組織の建物内に人が来たときに、赤外線によって人の接近を感知する人感センサと、
表示制御手段と人感センサを収め、組織の建物内の任意の場所に設置することができる程度の持ち運び可能な大きさの筐体と、
を備え、
ステータス情報の一つとして外出ステータスを有し、該外出ステータスの入力画面に、酒気帯びの有無を入力するアルコールチェック欄を備え、
表示制御手段は、ステータス情報が入力されると、該ステータス情報を表示させ、
表示制御手段が、表示装置を「社員用」として機能させるときは、ステータス情報が入力されると、表示装置の「社員用」画面に該ステータスを表示し、
表示制御手段が、表示装置を「訪問者用」として機能させるときは、ステータス情報が入力されると、表示装置の「訪問者用」画面に該ステータスを表示し、
人感センサによっての接近を感知したときに通知を発する、ように構成した、
予定管理機器である。
【0011】
表示制御手段は、訪問者を検知した際に受付端末として置かれた表示装置の画面を「訪問者用」に切り替え、訪問者を検知していない時には任意の映像を流す、ものとすることもできる。
【0012】
ステータス情報の一つとして外出ステータスを有し、該外出ステータスの入力画面に、酒気帯びの有無を入力するアルコールチェック欄を備える、ものとすることもできる。
【0013】
アルコールチェック欄の入力画面に、パスワードの入力欄を備える、ものとすることが好ましい。
【0014】
表示制御手段によって映像を「社員用」画面に表示できるカメラをさらに備えた、ものとすることもできる
【0015】
映像を表示できるカメラを、筐体に、さらに備え、表示制御手段は、通知を発するときにカメラの映像を表示する、ものとすることもできる。
【0016】
予め登録された登録者の顔を認証する顔認識手段をさらに備え、前記登録者の前記カメラによって捉え、前記顔認識手段によって認識した際に、該登録者の前記ステータス情報を入力する、ものとすることもできる。
【0017】
登録者は、IDを入力することなくパスワードのみを入力することによってログインする、ものとすることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の予定管理機器によれば、特別な端末や在籍者分のアカウントを用意する必要が
なく、従来技術より容易に行動予定を共有することができる。演算処理部および記憶部は、一つの筐体に納められる。この筐体は持ち運び可能な大きさであり、受付などの社内の任意の場所に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】行動予定表のログイン画面。
図2】社員用リスト表示。
図3】予定入力画面。
図4】部署選択画面。
図5】施設リスト表示。
図6】施設使用開始画面。
図7】スマートフォン表示。
図8】社内用パネル表示。
図9】受付用パネル表示。
図10】予定管理システム全体を表す全体構成図。
図11】予定管理システムの詳細構成図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の予定管理機器およびシステムの実施の一例について図を用いて説明する。便宜上、一般の会社で本発明を導入した場合を想定して以降の説明をするが、学校や官公庁などの種々の組織においても同様に実施しうる。
【0021】
図1は、予定管理機器にアクセスした際に最初に表示されるログイン画面である。
予定管理機器に予め設定されたインターネットアドレス(URL)にウェブブラウザ等でアクセスすると、パスワード入力欄とログインボタンが表示される。パスワード入力欄に予め定めたパスワードを入力し、ログインボタンを押すと、予定管理機器にログインできる。つまり、アドレスとパスワードを配布するだけで、全社員が簡単にシステムにアクセスおよびログインできる。なお、プライベートウェブページとし、パスワードを設けないこともできる。
【0022】
予定管理機器には、導入先ごとに独自のURLを設定する。なお、本システムを導入しようとする企業が独自のURLを用意し、それを設定することもできる。
【0023】
図2は、PCやタブレットなどの画面の横幅の大きい端末でアクセスした際に表示される社員用の行動予定表の画面である。
予定管理システムにログインすると、全社員の予定が連なった予定管理表が表示される。この予定管理表は社員用であり、各社員が互いに予定を確認しあうために用いる。1行に1人の予定を表し、縦にスクロールしていくことで全社員の予定を見ることができる。もちろん、各人を列で表示し、横にスクロールしていく形式とすることもできる。また、各人は部署ごとにまとまって並んでいるとよい。
【0024】
各行には、左から「予定」「部署」「名前」「内線」「訪問先」「帰社予定」「体温」および「備考」の項目が並んでいる。さらにその右に、予定切替ボタンが4つ並んでいる。なお、項目はこれらのものに限らず、並び順も図示した例でなくてもよいし、予定切替ボタンは3つ以下としてもよいし、5つ以上としてもよい。
【0025】
以降、左から順に各項目を説明していく。
「予定」項目は、現在の予定であり、直前に押された予定切替ボタンに対応する予定ステータスがアイコンで表示される。この項目を見ることで、一目でその行の人の今の予定が分かるわけである。予定ステータスのアイコン画像は、凡例としてページ上部などに表示しておくとよい。
【0026】
「部署」「名前」「内線」は各登録者の個人情報であり、社員を登録する際に入力したものが表示される項目である。
「部署」項目は、所属部署であり、その行の人が所属する部署を表す。この部署名によって部署ごとにまとまって各人を表示する。確認したい個人を探す際に役に立つ。また、画面右上には、「部署選択」ボタンがある。部署選択ボタンを押すと、各部署名がプルダウン表示される。表示された特定の部署名をさらに押すと、その部署の先頭(一番上)の人のところまでリストがスクロールする。つまり、目的の部署の行群までとべるわけである。
【0027】
「名前」項目は、登録された者の個人名である。社員を登録する際に氏名を登録すれば氏名が表示されるし、苗字のみを登録すれば苗字のみが表示されることとなる。また、姓と名を区別して登録できるものとすることもできる。
「内線」項目は、各人に割り当てられている内線電話の番号である。予定を確認し、在席であれば電話をかけるといった使い方をする際に好適である。また、各人に携帯電話が支給されている場合には、その携帯電話の番号とすることもできる。
【0028】
「訪問先」項目は、外出した際に訪問する訪ね先や現場のことである。後述する外出予定の入力の際に情報を記入することで、この欄に訪問先が表示される。つまり、「予定」アイコンが「外出」になっている際には、この「訪問先」欄を確認することで、どこに出かけているのかを一目で知ることができる。なお、訪問先を複数記入できる形式とすることもできる。
「帰社予定」項目は、帰社予定の時刻である。前述の訪問先と同様に、「外出」時に帰社予定の時刻を記入することで、記入した時刻が表示される。帰社しない場合は、「直帰」と表示することもできる。つまり、この欄を見ることで、いつ帰社する予定なのか(または帰社しないのか)を知ることができる。
【0029】
「体温」項目は、各人の体温である。定期的に(例えば、毎朝)計測した体温を記入するための欄である。社員の健康状態をチェックするのに利用できる。カーソルを合わせ(マウスオーバーし)た際に、吹き出し(ツールチップ)が表示され、記入日時が分かる様にすると、いつの情報なのか確認でき好適である。また、後述のサーマルカメラによって測定された数値を、測定される度に記録することもできる。毎日定刻(例えば、午前5時)に消去される設定とすると、24時間以上前の古い情報が表示されることがなく、その日の体温のみを的確に共有することができる。
【0030】
「備考」項目は、備考欄である。適宜必要な事項を自由に記入できる。例えば、外出の摘要や出社せずに訪問先に直行する旨、数時間後に外出する予定である旨などを書いて情報の共有を図ることができる。
【0031】
各人の予定ステータスを切り替える予定切替ボタンについて説明する。択一的に選べるプッシュボタンであり、最後に押したボタンに対応するアイコンが「予定」項目の欄に表示される。実施例ではテキストボタンとしているが、これに限らずその横や下などに丸い選択アイコンを有するラジオボタンとしてもよい。
【0032】
「在席」ボタンを押すと、予定欄に在席アイコン(例えば机に座っている図)が表示される。社内に居ることを示すときに用いる。出社時や外出から帰社した時などに押すとよい。
「外出」ボタンを押すと、予定欄に外出アイコン(例えば、歩いている図)が表示される。外出中であり、今は社内に居ないことを示すときに用いる。一度出社しその後に外出する時や、家などから現場などに直行するときに押すとよい。外出中に訪問先や帰社予定を変更した場合は、もう一度「外出」ボタンを押すことで、後述するポップアップウィンドウが開き、予定を変更することができる。
【0033】
「帰宅」ボタンを押すと、予定欄に帰宅アイコン(例えば、家の図)が表示される。既に退勤していて社内に居ないことを示すときに用いる。終業して退社する時や訪問先から直帰するときなどに押すとよい。
「休み」ボタンを押すと、予定欄に休みアイコン(例えば、寝ている図)が表示される。出勤しておらず、その日は不在であることを示すときに用いる。
【0034】
さらに、「離席中」など導入先に応じて適宜必要な予定切替ボタンおよび対応するアイコンを設けることができる。
【0035】
「在席」「帰宅」「休み」の3つのボタンは、連続で押せないものとすることもできる。つまり、一度押した後は他のボタンを押すまで該ボタンの押下操作を無効とする。直前に押したボタンは色を薄くするなどして押せないことを表すことで、ボタン欄でも現在の予定が分かるし、押せるボタンが明確になることで操作性を向上できる。なお、「外出」ボタンは訪問先や帰社予定の変更をすることがあるので、連続で押せる仕様としておいた方がよい。
【0036】
「居留守」の項目およびチェックボックスを設けることもできる。予定欄の横にチェックボックスを設け、ここを押してチェックを入れると、後述する訪問者用の画面において、チェックを入れた行の者を在席と表示しないものとすることができる。多忙であり訪問者が来ても対応できない場合などに利用することができる。
【0037】
図3は、外出予定の入力画面である。
「外出」ボタンを押すと詳細な予定を入力するためのポップアップウィンドウが開く。ウィンドウ内上部には入力される対象を特定する個人名などが表示され、その下に記入欄として「訪問先」「帰社予定」「体温」および「備考」などの項目がある。各項目を適宜入力して「決定」ボタンを押すと「外出」予定を入力できる。つまり、外出する際に訪問先や帰社予定時刻などを記入して情報共有することができる。「訪問先」を入力する際には、以前に入力したものが履歴として表示され、選択してワンクリックで記入できるものとしてもよい。何度も訪れる訪問先がある場合に好適である。
【0038】
「帰社予定」の欄に「直帰」ボタンを設けることもできる。帰社しない場合に、該ボタンを押すだけで「直帰」を入力でき操作が簡単となる。同様に、「備考」欄に「直行」ボタンを設けることもできる。もちろん、各項目を入力せずに「外出」予定だけを入力することもできる。例えば、帰社予定の時刻が分からない場合は、「帰社予定」を空欄とし、その旨を「備考」欄に記入するとよい。
【0039】
「アルコールチェック」の欄は、社用車を使用する際に記入が必要となる項目である。「乗務前」「乗務後」の切り替えボタンが上部にあり、タブ切り替えの要領でそれぞれの際の入力欄が表示される。
その下には、「点呼方法」「アルコール検知器の使用の有無」「酒気帯びの有無」「疾病・疲労等の状況」「日常点検の状況」「その他」および「点呼執行者」の項目が並んでいる。
【0040】
「点呼方法」は、使用者と直接対面して行う対面点呼と、スマートフォンなどを用いてビデオ通話等で行う非対面点呼があり、その別を記入する。プルダウンメニューで選択できるものとしてもよい。
「アルコール検知器の使用の有無」は、アルコールチェッカーを用いて点検を行ったかを○×等で示す。
「酒気帯びの有無」は、使用者の酒気帯びの有無を○×等で示す。
「疾病・疲労等の状況」は、使用者の疾病や疲労などその日の体調点検の結果を記入する。
「日常点検の状況」は、出発前の自動車の日常点検の結果を記入する。この欄は「乗車前」の入力画面のみで表示される。
「その他」は、備考欄である。適宜必要な事項を自由に記入できる。
「点検執行者」は、アルコールチェックを行った点検者の個人名を記入する。もちろん、プルダウンメニューで選択できるものとしてもよい。
【0041】
パスワードの入力欄を設けることもできる。ここに点検執行者のみが知るパスワードを入力しなければ、車両を「使用開始」できないものとすることで、確実にアルコールチェックを行うようにすることができる。また、入力されたアルコールチェックの結果は、1年以上保存するものとすることで、道路交通法で定められるアルコールチェックの義務に対応するものとすることもできる。
【0042】
ここまでに説明した操作を各人が行うことで、各々の予定が入力・更新され、行動予定の情報を共有できる。予定を変更する操作は、前述した様に所定のアドレス(URL)にアクセスさえできれば行えるため、どこに居てもインターネットに繋がった端末(スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど)さえあれば行える。つまり、自席に居なかったり社外に居たりしても、適宜予定を書き替えられる為、実態を反映しやすい。
【0043】
ウェブブラウジングができる端末を所持していなかったり、所持していてもインターネットに繋げなかったりする状況でも、電話などで他の社員に予定の書き替えを依頼することができる。例えば、外出している者から変更予定を伝えられた者は、外出している者の行の「外出」ボタンを押し、「訪問先」および「帰社予定」を書き替えて「決定」を押せば変更後の予定が表示されるわけである。
【0044】
図4は、部署選択のプルダウンメニューを表示した画面である。
前述した様に、部署名を押すと当該部署に所属する者の行まで予定表をスクロールさせることができる。また、各部署の下にさらに「施設」の項目を設けることもできる。「施設」を押すと、会議室や社用車などの社員共用の施設が行ごとに表示された表に遷移する。
【0045】
図5は、施設リストを表示した画面である。
施設リストの各行には、左から「予定」「名前」「内線」「使用者」「終了予定」および「備考」の項目が並んでいる。さらにその右に、予定切替ボタンが2つ並んでいる。なお、項目はこれらのものに限らない。
【0046】
「予定」項目は、現在使用中かどうかを表す。「使用開始」ボタンが押されていれば「使用中」と表示し、「終了」が押されると「空き」と表示される。もちろん、アイコンで表示するものとしてもよい。
【0047】
「名前」は、その施設の名前である。部屋や自動車ごとに判別できる名前を付けるとよい。
「内線」は、その施設に割り当てられている内線電話の番号である。会議室などの電話が設置されている部屋の内線番号を記載しておくとよい。
【0048】
「使用者」は、その施設を使用している者の名前が表示される。個人名に限らず、部署やチームなどで使用する場合は、その名前としてもよい。
「終了予定」は、終了予定の時刻である。「使用開始」時に終了予定の時刻を記入することで、記入した時刻が表示される。つまり、この欄を見ることで、いつ終了する予定なのかを知ることができる。
【0049】
図6は、施設を使用開始する際に表示される入力画面である。
「使用開始」ボタンを押すと詳細な予定を入力するためのポップアップウィンドウが開く。記入欄として「使用者」「終了予定」および「備考」などの項目がある。
「使用者」の欄には、使用する者の個人名などを記入し、「終了予定」の欄には終了予定の時刻を記入する。
【0050】
以上の各項目を記入して「決定」ボタンを押すことで、各施設を「使用開始」できる。使用中にもう一度「使用開始」ボタンを押すと再度ポップアップウィンドウが開き、予定を変更することができる。使用中に「終了」ボタンを押すと、「使用者」「終了予定」および「備考」の各項目の記入内容が消え、「予定」が「空き」に戻る。なお、施設利用の記録は一定期間(例えば、一ヶ月)記録を残すものとするとよい。
【0051】
図7は、スマートフォンなどの画面の横幅の小さい端末で「社員用」のリストを表示した場合の画面である。スマートフォンなどのモニタの小さい端末で表示した際の視認性を考慮し、行表示でなく、1カラム表示を行える。端末の幅が予め設定した閾値以下である際に、自動的に切り替わるものとするとよい。
【0052】
行動予定表の下部には、後述する各表示画面を切り替える為の「社員用」「社員一覧」「訪問者用」「管理者用」および「カメラ」の画面切替ボタンがある。図2~7に示すリスト表示が「社員用」である。もちろん、画面切替ボタンの配置はこれに限らず、上部など他の場所に配置してもよいし、プルダウンメニューなどとしてもよい。
【0053】
図8は、社内用のパネル表示である。「社員一覧」の画面切替ボタンを押すと、全社員もしくは部署の全部員などを一覧表示する画面を表示する。「社員一覧」画面は、予定の確認を行うための画面であり、社内の各人から見えやすい場所に大型のモニタを設置してこの画面を表示することで、各人の端末で予定管理システムにアクセスしなくても、在席かどうかなどを確認できる。また、予定ステータスと連動して各人のパネルの色が変わるものとしてもよい。
【0054】
図9は、「訪問者用」のパネル表示である。「訪問者用」の画面切替ボタンを押すと、全社員もしくは部署の全部員などを一覧表示する画面を表示する。各社員の名前が内線番号とともにパネル表示されている。在席の者のパネルは濃く表示され、不在の者のパネルは薄く表示されている。この画面を表示した受付端末(モニタ)を受付などに設置することで、訪問者に社員の在席状況を伝えることができる。
【0055】
また、外出中である場合には、帰社予定の時刻や直帰の旨などを表示することもできる。休みである場合もその旨を表示するとよい。さらに、「社員用」画面において「居留守」にチェックを入れた場合には、在席であっても「訪問者用」の画面では不在と同じ様に表示される。
【0056】
図10は、予定管理システム全体を表す全体構成図である。
本発明は、予約管理機器1と接続されたパーソナルコンピュータなどの社内端末やスマートフォンなどの携帯端末を用いて閲覧および記入を行う電子予定管理システムである。さらにモニタなどの表示端末や受付端末から閲覧を行うことができる。パーソナルコンピュータやスマートフォンなどは、入力装置および表示装置として機能する。社内端末、携帯端末および表示端末はインターネット経由で接続され、受付端末はケーブルなどで予定管理機器に直接接続される。もちろん、受付端末もインターネット経由で接続することもできる。
【0057】
図11は、予定管理システムの詳細構成図である。
予定管理機器1は、予定管理演算処理部11および予定管理記憶部12を備える。予定管理演算処理部11は各演算処理を行い、在籍者登録手段111、予定入力手段112および表示制御手段113から成る。予定管理記憶部12は各情報を記憶し、在籍者記憶部121、予定記憶部122、写真記憶部123および体温記憶部124から成る。
【0058】
在籍者登録手段111によって社員を、在籍者記憶部121に登録する。前述した部署名や名前、内線番号などこれにあたる。予定入力手段112によって予定のステータス情報を、予定記憶部122に入力する。「在席」「外出」「帰宅」「休み」などの予定切替ボタンがこれにあたる。表示制御手段113によってステータス情報を表示機器に表示する。
【0059】
予定管理演算処理部11および予定管理記憶部12は、一つの筐体に収められる。この筐体は持ち運び可能な大きさであり、受付などの社内の任意の場所に設置することができる。
【0060】
入力装置2および表示装置3は、各人のパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの入力および表示ができる端末である。これらによって予定管理システムにアクセスし、予定の切り替え操作や閲覧を行う。受付端末には「訪問者用」画面を表示し閲覧が行える。
【0061】
さらに、カメラ4や人感センサ5、サーマルカメラ6、カードリーダ7などを予定管理機器1に接続することができる。
カメラ4を接続すると、予定切替ボタンによって「カメラ」に切り替えることで、該カメラの映像を表示することができる。
人感センサ5は、赤外線センサである。受付などの人が通るところに人感センサ5を設置することで、訪問者などが来たことを通知できる。通知の方法としては、メールやメッセージアプリで知らせたり、ランプを点灯させたりするなどの方法が可能である。また、カメラ4と人感センサ5が両方あると、映像(画像)付きで通知を発することもできる。
【0062】
人感センサ5によって訪問者などを検知した際に、文字や音声でメッセージを発することもできる。例えば、「いらっしゃいませ。」や「受話器を取り、御用の担当者の内線番号を押してください。」などである。さらに、訪問者などを検知した際に受付端末の画面を「訪問者用」に切り替え、検知していないその他の時には任意の映像などを流しておくこともできる。
【0063】
カメラ4および人感センサ5は、筐体に備えることもできる。つまり、カメラ4および人感センサ5を備えた予定管理機器1を受付などに置くことで、手軽に訪問者に対応することができる。
【0064】
さらにカメラ4によって撮影した映像から顔認識することもできる。在籍者登録手段111によって社員の顔を登録することで、登録された社員が出社してカメラ4に写ることで、自動的にステータス情報を「在席」に切り替えることもできる。
【0065】
サーマルカメラ6は、遠赤外線センサを搭載し表面温度の測定ができるカメラである。顔認識による「在席」入力と同時に測定した温度を「体温」欄に自動的に入力することもできる。カメラ4およびサーマルカメラ6は一台の機器で兼ねることもできる。
【0066】
カードリーダ7は、ICチップや二次元コードなどを搭載したカードを読み取れる機器である。ICチップなどの載った社員証などを読み込むことで、顔認識の場合と同様に自動的に「在席」ステータスを入力できる。
【0067】
画面上のボタンの配置(左右の別)等は、図示例に限らず、設計事項として適宜変更することができる。情報の入力方式も自由記述や選択式など適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の予定管理機器によれば、来客や外出の多い組織において好適であり、比較的簡単に行動予定表を電子化でき、産業上利用できる発明である。
【符号の説明】
【0069】
1 予定管理機器
11 予定管理演算処理部
111 在籍者登録手段
112 予定入力手段
113 表示制御手段
12 予定管理記憶部
121 在籍者記憶部
122 予定記憶部
123 写真記憶部
124 体温記憶部
2 入力装置
3 表示装置
4 カメラ
5 人感センサ
6 サーマルカメラ
7 カードリーダ
【要約】
【課題】
専用端末や複数アカウントを用意することなく簡単に導入でき、訪問者が受付にて社員の在席状況を確認できる、予定管理機器を提供する。
【解決手段】
登録された複数の登録者に関するステータス情報を管理する機器において、登録者のステータス情報を該登録者ごとに表示させる表示制御手段と、表示制御手段が格納され持ち運び可能な筐体と、表示制御手段の制御に応じてステータス情報を表示する表示装置と、を備え、ステータス情報は、予め定められた複数種類の状態であって、登録者の予定に関する情報であり、表示制御手段は、ステータス情報が入力されると、該ステータス情報を表示させる、予定管理機器。
【選択図】図2
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