(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】試料の蛍光を検出するための試料検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
(21)【出願番号】P 2023517955
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 KR2021010449
(87)【国際公開番号】W WO2022059915
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0120426
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519427848
【氏名又は名称】アラインド・ジェネティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIGNED GENETICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダン・チン・ユー、アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ニョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】チョ、クンチャン
【審査官】谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-115151(JP,A)
【文献】特表平03-503453(JP,A)
【文献】特開2002-098899(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0295268(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 ー G01N 21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相異なる波長領域の光を透過するように構成される複数の光学フィルタを備えるフィルタ部;
前記複数の光学フィルタのいずれかに光を照射する光源部;
試料が安着され得るステージ;
前記複数の光学フィルタのいずれかを透過した光を前記ステージに反射させ、前記ステージの前記試料から放出された光を複数の光学フィルタのうち他方
の光学フィルタに反射させるように配向されたリフレクタ;
前記複数の光学フィルタのうち前記他方を透過した光を介して前記ステージの前記試料から放出された光を検出する感知ユニット;
前記フィルタ部を移動させるアクチュエータ;及び
前記感知ユニットが、前記複数の光学フィルタのうち前記他方
の光学フィルタを透過した光を受信する場合、前記フィルタ部が移動するように前記アクチュエータを制御する制御部を含み、
前記複数の光学フィルタのいずれかを透過した光の波長領域と前記他方を透過した光の波長領域は互いに異なるように形成され、
前記光源部、前記リフレクタ、前記フィルタ部及び前記感知ユニットは、
前記光源部の光が前記複数の光学フィルタのうちいずれかの光学フィルタに照射される方向が、前記フィルタ部の一面に垂直な方向である基準軸に対して第1傾斜角度で傾斜し、前記リフレクタで反射された光が前記複数の光学フィルタのうち前記他方の光学フィルタに進行する方向が、前記フィルタ部の前記基準軸に対して第2傾斜角度で傾斜するように配置され、
前記第1傾斜角度と前記第2傾斜角度とは同じように形成される、
試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項2】
前記光源部、前記リフレクタ、前記フィルタ部及び前記感知ユニットは、
前記光源部から照射される光が進行する方向
が、前記リフレクタから前記試料に向けて反射される光が進行する方向に対して第1傾斜角度で傾斜され、前記試料から放出される光が進行する方向
が、前記リフレクタから前記複数の光学フィルタのうち前記他方
の光学フィルタに向けて反射される光が進行する方向に対して第2傾斜角度で傾斜するように配置され、
前記第1傾斜角度と第2傾斜角度とは互いに異なるように形成され
ていることを特徴とする、請求項1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項3】
前記第1傾斜角度は90度未満に形成され、前記第2傾斜角度は90度に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項4】
前記フィルタ部は、前記アクチュエータによって直線方向に移動され、
前記複数の光学フィルタは、前記直線方向に沿って互いに離隔して配置され
ていることを特徴とする、請求項1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項5】
前記フィルタ部は回転軸を中心に回転可能に構成され、前記複数の光学フィルタは前記回転軸を中心に配列され、
前記フィルタ部は前記アクチュエータによって回転移動されることを特徴とする、請求項1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項6】
前記基準軸を基準に前記第1傾斜角度の形成方向と前記第2傾斜角度の形成方向とは、反対方向に形成されることを特徴とする、請求項
1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項7】
前記複数の光学フィルタは、第1光学フィルタ、第2光学フィルタ、及び第3光学フィルタを含み、
前記第1光学フィルタは、前記第2光学フィルタ及び前記第3光学フィルタとの間に配置され、前記光源部から照射される光のうち第1波長領域の光を透過させ、
前記ステージの前記試料は前記第1波長領域の光を吸収し
て第2波長領域の光を放出し、
前記第2光学フィルタは前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された前記第2波長領域の光を透過させ、
前記第2波長領域の光が前記感知ユニットに感知されると、前記フィルタ部は
、前記第3光学フィルタに前記光源部から照射された光が照射され、前記第1光学フィルタに前記試料から放射されて前記リフレクタで反射された光が照射されるように移動されることを特徴とする、請求項1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項8】
前記フィルタ部が移動されたとき、前記第1光学フィルタは、前記試料から放射されて前記リフレクタで反射した光のうち、前記第1波長領域と少なくとも一部が重なる波長領域の光を透過させ、前記第3光学フィルタは、前記光源部から照射される光のうち第3波長領域の光を透過させることを特徴とする、請求項
7に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項9】
前記複数の光学フィルタのうちいずれか一つ
の光学フィルタと前記他方
の光学フィルタは、互いに隣接して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項10】
前記複数の光学フィルタのうちいずれか一つ
の光学フィルタが入射領域に位置するときに前記光源部から照射された光は前記複数の光学フィルタのうち
のいずれか一つ
の光学フィルタに照射され、
前記複数の光学フィルタのうち前記他方
の光学フィルタが放出領域に位置するときに前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された光は、前記複数の光学フィルタのうち前記他方
の光学フィルタに照射され、
前記入射領域は、前記光源部から照射された光と前記フィルタ部とが交差する仮想の領域であり、
前記放出領域は、前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された光と前記フィルタ部とが交差する仮想の領域であることを特徴とする、請求項1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項11】
外部の光にさらされないように、前記フィルタ部の少なくとも一部及び前記リフレクタを収容するハウジングをさらに含むことを特徴とする、請求項1
0に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項12】
前記入射領域および前記放出領域は、前記ハウジングの内部に設けられることを特徴とする、請求項1
1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【請求項13】
前記感知ユニットは、検出された前記光を介して前記試料の画像を取得し、
前記フィルタ部の最高回転速度は、前記感知ユニットのフレームレートが光学フィルタ当たり100Hzで形成できるように設定されることを特徴とする、請求項1に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の蛍光を検出するための試料検査装置に関する発明である。
【0002】
本発明は国家研究開発事業の支援を受けて行われたものであり、本発明を支援した国家研究開発事業情報は以下の通りである。
【0003】
(課題固有番号)1415168666
(課題番号)20009860
(省庁名)産業通商資源部
(課題管理(専門)機関名)韓国産業技術評価管理院
(研究事業名)バイオ産業核心技術開発(R&D)
(研究課題名)残存血液がん細胞検査用の機械学習画像解析に基づく血球分析システムの開発
(貢献率)1/1
(課題実施機関名)(株)アラインドジェネティクス
(研究期間)2020.04.01~2024.12.31
【背景技術】
【0004】
一般に、蛍光検出装置は、バクテリアやタンパク質などの試料自体が特定の波長の光を吸収すると蛍光を発する原理を利用する。例えば、蛍光検出装置は蛍光顕微鏡(Fluorescent Microscope)を含むことができる。
【0005】
このような試料に蛍光物質(蛍光色素)を処理した後、試料に蛍光物質の吸収波長の光を照射して試料から発散する光を通じて試料を観察することができる。このような蛍光検出装置は、一般的な光学顕微鏡に比べて鮮明な画像を得ることができるため、バイオチップなどの試料を観察する場合に広く利用されている。
【0006】
例えば、従来の蛍光検出装置は、
図1および
図2に示すように形成され得る。
【0007】
図1の従来の第1蛍光検出装置10は、光源12から発生した光が励起フィルタ13を透過し、偏光板14で試料が備えられたステージ15方向に反射され得る。また、試料から放出された光は、偏光板14及び放出フィルタ16を透過した後、カメラ17に入射することにより試料画像を形成することができる。
【0008】
図2の従来の第2蛍光検出装置20は、光源22から発生した光が第1フィルタ部23に含まれる励起フィルタを透過し、偏光板24で試料が備えられたステージ25に反射され得る。また、試料で反射された光は、偏光板24及び第2フィルタ部26に含まれる放出フィルタを透過した後、カメラ27に感知されることにより試料画像が形成され得る。
【0009】
ただし、上記の蛍光検出装置10、20には、励起フィルタと放出フィルタが別々に形成されるにつれてサイズが大きく形成され、蛍光検出装置の価格が高くなるという欠点がある。また、第2蛍光検出装置20の場合、複数のフィルタ部23、26によって振動が激しく発生する可能性があるため、試料の画像が効率的に形成されない可能性があるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施例は、上記のような背景に着目して発明されたものであり、装置の大きさを小さくし、振動を低減することで試料画像を効率的に得ることができる試料の蛍光を検出するための試料検査装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例による試料の蛍光を検出するための試料検査装置は、相異なる波長領域の光を透過するように構成される複数の光学フィルタを備えるフィルタ部、前記複数の光学フィルタのいずれかに光を照射する光源部、試料が安着され得るステージ、前記複数の光学フィルタの前記いずれかを透過した光を前記ステージに反射させ、前記ステージの前記試料から放出された光を複数の光学フィルタのうち前記他方に反射させるように配向されたリフレクタ、前記複数の光学フィルタのうち前記他方を透過した光を介して前記ステージの前記試料から放出された光を検出する感知ユニット、前記フィルタ部を移動させるアクチュエータ、及び前記感知ユニットが、前記複数の光学フィルタのうち前記他方を透過した前記光を受信する場合、前記フィルタ部が移動するように前記アクチュエータを制御する制御部を含み、前記複数の光学フィルタの前記いずれかを透過した光の波長領域と他方を透過した光の波長領域は互いに異なるように形成され得る。
【0012】
前記光源部、前記リフレクタ、前記フィルタ部及び前記感知ユニットは、前記光源部から照射される光が進行する方向は前記リフレクタから前記試料に向けて反射される光が進行する方向に対して第1傾斜角度で傾斜され、前記試料から放出される光が進行する方向は前記リフレクタから前記複数の光学フィルタのうち前記他方に向けて反射される光が進行する方向に対して第2傾斜角度で傾斜するように配置され、前記第1傾斜角度と第2傾斜角度とは互いに異なるように形成され得る。
【0013】
前記第1傾斜角度は90度未満に形成され、前記第2傾斜角度は90度に形成されてもよい。
【0014】
前記フィルタ部は、前記アクチュエータによって直線方向に移動され、前記複数の光学フィルタは、前記直線方向に沿って互いに離隔して配置されることができる。
【0015】
前記フィルタ部は回転軸を中心に回転可能に構成され、前記複数の光学フィルタは前記回転軸を中心に配列され、前記フィルタ部は前記アクチュエータによって回転移動され得る。
【0016】
前記光源部、前記リフレクタ、前記フィルタ部及び前記感知ユニットは、前記光源部の光が前記複数の光学フィルタのうち前記いずれかに照射される方向は、前記フィルタ部の一面に垂直な方向である基準軸に対して第1傾斜角度で傾斜し、前記リフレクタで反射された光が前記複数の光学フィルタのうち前記他方に進行する方向は、前記フィルタ部の前記基準軸に対して第2傾斜角度で傾斜するように配置され、前記第1傾斜角度と前記第2傾斜角度とは同じように形成され得る。
【0017】
前記基準軸を基準に前記第1傾斜角度の形成方向と前記第2傾斜角度の形成方向とは、反対方向に形成され得る。
【0018】
前記複数の光学フィルタは、第1光学フィルタ、第2光学フィルタ、及び第3光学フィルタを含み、前記第1光学フィルタは、前記第2光学フィルタ及び前記第3光学フィルタとの間に配置され、前記光源部から照射される光のうち第1波長領域の光を透過させ、前記ステージの前記試料は前記第1波長領域の光を吸収して前記第2波長領域の光を放出し、前記第2光学フィルタは前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された前記第2波長領域の光を透過させ、前記第2波長領域の光が前記感知ユニットに感知されると、前記フィルタ部は前記第3光学フィルタに前記光源部から照射された光が照射され、前記第1光学フィルタに前記試料から放射されて前記リフレクタで反射された光が照射されるように移動され得る。
【0019】
前記フィルタ部が移動されたとき、前記第1光学フィルタは、前記試料から放出されて前記リフレクタで反射した光のうち、前記第1波長領域と少なくとも一部が重なる波長領域の光を透過させ、前記第3光学フィルタは、前記光源部から照射される光のうち第3波長領域の光を透過させることができる。
【0020】
前記複数の光学フィルタのうち前記いずれか一つと前記他方は互いに隣接して配置されてもよい。
【0021】
前記複数の光学フィルタのうち前記いずれか一つが入射領域に配置するときに前記光源部から照射された光は前記複数の光学フィルタのうち前記いずれか一つに照射され、前記複数の光学フィルタのうち前記他方が放出領域に位置するときに前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された光は、前記複数の光学フィルタのうち前記他方に照射され、前記入射領域は、前記光源部から照射された光と前記フィルタ部とが交差する仮想の領域であり、前記放出領域は、前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された光と前記フィルタ部とが交差する仮想の領域であってもよい。
【0022】
外部の光にさらされないように、前記フィルタ部の少なくとも一部及び前記リフレクタを収容するハウジングをさらに含むことができる。
【0023】
前記入射領域および前記放出領域は、前記ハウジングの内部に設けられてもよい。
【0024】
前記感知ユニットは、検出された前記光を介して前記試料の画像を取得し、前記フィルタ部の最高回転速度は、前記感知ユニットのフレームレートが光学フィルタ当たり100Hzで形成できるように設定され得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例によれば、複数の光学フィルタが配置された1つのフィルタ部を介して励起フィルタと放出フィルタの両方を配置して試料の画像を取得することにより、従来の装置と比較して装置の全体的なサイズを縮小することができ、振動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、従来の第1蛍光顕微鏡を示す図である。
【
図2】
図2は、従来の第2蛍光顕微鏡を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係る試料の蛍光を検出するための試料検査装置のブロック図を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係る試料の蛍光を検出するための試料検査装置の断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例に係る試料の蛍光を検出するための試料検査装置の全面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例に係る試料の蛍光を検出するための試料検査装置の光源部で発生した光の波長領域を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例に係る試料の蛍光を検出するための試料検査装置の感知ユニットが感知した光の波長領域を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施例に係る試料の蛍光を検出するための試料検査装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下においては、本発明の技術的思想を具現するための具体的な実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
なお、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨をぼかす可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0029】
また、ある構成要素が他の構成要素に「受容」されると言及されている場合は、その他の構成要素に直接受容されることもできるが、間にまた他の構成要素が存在してもよいことを理解すべきである。
【0030】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0031】
さらに、第1、第2などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができるが、該当構成要素はそのような用語によって限定されない。これらの用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0032】
本明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、定数、ステップ、動作、要素および/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、定数、ステップ、動作、要素、成分および/またはグループの存在や付加を除外するものではない。
【0033】
以下、
図3~
図7を参照して、本発明の実施例に係る試料の蛍光を検出するための試料検査装置100について説明する。
【0034】
図3~
図5を参照すると、本発明の実施例による試料の蛍光を検出するための試料検査装置100は、光源部110から発生した光を用いて試料の画像を得ることができる。このような、試料の蛍光を検出するための試料検査装置100は、光源部110、ステージ120、リフレクタ130、フィルタ部140、感知ユニット150、アクチュエータ160、制御部170およびハウジング180を含むことができる。
【0035】
光源部110は光を発生させる役割を果たす。例えば、光源部110は、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、ハロゲンランプ、水銀ランプ、キセノンランプなどを含むことができる。光源部110から放出される光は、
図6に示すように、300nm以上800nm以下の波長領域を有することができる。このような光源部110から発生した光は、フィルタ部140に向けて照射され得る。
【0036】
ステージ120は試料が安着されることができる。試料は、試料検査装置100によって観察される対象体であってもよい。このような試料は、特定の範囲の波長領域を有する光を吸収することができ、吸収した光を再度放出することができる。試料は蛍光染料で染色されることができる。試料は生体組織などの観察ターゲットであってもよい。このような蛍光染料が染色された試料に紫外線と短波長の可視光線を照射すると、試料の染料分子は発光することができる。このように、蛍光物質に所定範囲の波長領域を有する光を照射すると、試料の染料分子が発光する際に放出される可視光または近赤外線範囲の蛍光が放出され得る。このような試料は、異方性(anisotropy)の光学特性を有してもよく、入射する光を複屈折させて、
図7に示すように、所定範囲の波長領域を有する光を放出させることができる。
【0037】
図4を参照すると、リフレクタ130は、フィルタ部140に含まれる複数の光学フィルタ141、142、143のいずれか(例えば、後述する第1光学フィルタ141)で透過した光を試料に反射させ、試料から放出された光を複数の光学フィルタ141、142、143のうち他方(例えば、後述する第2光学フィルタ142)に反射させることができる。
【0038】
リフレクタ130は、光を効率的に反射させるために配向され得る。
【0039】
このようなリフレクタ130により、光源部110、リフレクタ130、フィルタ部140及び感知ユニット150は、光源部110部から照射される光が進行する方向がリフレクタ130から試料に向けて反射される光が進行する方向に対して第1傾斜角度a1で傾斜するように配置され得る。また、光源部110、リフレクタ130、フィルタ部140及び感知ユニット150は、試料から放出される光が進行する方向がリフレクタ130から複数の光学フィルタのうちの他方に向けて反射される光が進行する方向に対して第2傾斜角度a2で傾斜するように配置され得る。
【0040】
第1傾斜角度a1と第2傾斜角度a2とは互いに異なって形成されてもよい。例えば、第1傾斜角度a1は90度未満に形成されてもよく、第2傾斜角度a2は90度に形成されてもよい。
【0041】
フィルタ部140は、相異する波長領域透過特性を有する複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146が挿入されるように形成されてもよく、アクチュエータ160によって移動されてもよい。フィルタ部140は様々な方法で移動することができる。例えば、フィルタ部140は、
図5に示すように、円板で形成され、アクチュエータ160によって回転軸Bxを中心に回転するように構成されてもよい。この場合、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146は、回転軸Bxを中心に所定の円周角だけ互いに離隔してフィルタ部140に配列されてもよい。別の例として、フィルタ部140はアクチュエータ160によって直線移動するように構成されてもよく、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146は直線移動方向に沿って互いに離隔して配置されてもいい。以下、例えば、
図4に示す軸C1x、C2xのように、フィルタ部140の一面に垂直な方向に延びる軸を基準軸と定義することができる。また、フィルタ部140が回転軸Bxを基準に回転する場合、基準軸は回転軸Bxの延長方向と平行であってもよい。
【0042】
フィルタ部140によって光源部110で発生した光は、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146のいずれか1つを透過し、リフレクタ130で試料に反射され得る。その後、試料から放出された光はリフレクタ130によって反射され、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146のうちの他方を透過することができる。複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146のうちの一方と他方は互いに隣接して配置されてもよい。
【0043】
複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146により、光源部120の光が複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146のいずれかに照射される方向は、フィルタ部140の基準軸が延びる方向に対して第1傾斜角度b1で傾斜するように形成されてもよい。また、リフレクタ130で反射された光が複数の光学フィルタのうち他方に進行する方向は、基準軸に対して第2傾斜角度b2で傾斜するように形成されてもよい。このような、第1傾斜角度b1と第2傾斜角度b2とは等しく形成され得る。
【0044】
また、第1傾斜角度b1の形成方向と第2傾斜角度b2の形成方向とは、基準軸を基準として互いに反対方向に形成されてもよい。
【0045】
このような、第1傾斜角度b1及び第2傾斜角度b2によって試料から放出された光が進行する方向は、リフレクタ130から試料に向けて反射される光が進行する方向に対して第3傾斜角度b3に傾斜するように形成され得る。例えば、第3傾斜角度b3は、第1傾斜角度b1の2倍に形成されてもよいが、これに限定されない。また、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146のいずれかを透過した光と他方を透過した光とは、相異なる波長領域を有してもよい。例えば、
図6および
図7に示すように、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146のうちの他方を透過する光の波長領域は、複数の光学フィルタ141、 142、143、144、145、146のいずれかを透過した光の波長領域をシフトした値で形成することができる。
【0046】
複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146は、それぞれの波長特性に合わせて所定の範囲の波長領域を有する光を通過させ、他の範囲の波長領域を有する光を遮断することができる。
【0047】
また、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146のいずれかが入射領域に位置するときに光源部110から照射された光は、複数の光学フィルタのいずれかに照射されてもよい。複数の光学フィルタのうちの他方が放出領域に位置するときに試料から放出されてリフレクタ130で反射された光は、複数の光学フィルタのうちの他方に照射されてもよい。
【0048】
このような入射領域は、光源部110から照射された光とフィルタ部140とが交差する仮想の領域であってもよく、放出領域は試料から放射され、リフレクタ130で反射された光とフィルタ部140とが交差する仮想の領域であり得る。
【0049】
例えば、複数の光学フィルタは、
図5に示すように、第1光学フィルタ141、第2光学フィルタ142、第3光学フィルタ143、第4光学フィルタ144、第5光学フィルタ145および第6光学フィルタ146を含むことができるが、これに限定されず、複数の光学フィルタは、6個以上または6個以下に形成されてもよい。
【0050】
第1光学フィルタ141は、第1波長領域W1の光を透過させ、第2光学フィルタ142は第2波長領域W2の光を透過させることができる。また、第3光学フィルタ143は第3波長領域W3の光を透過させることができ、第4光学フィルタ144は第4波長領域W4の光を透過させることができ、第5光学フィルタ145は第5波長領域W5の光を透過させることができ、第6光学フィルタ146は第6波長領域W6を透過させることができる。
【0051】
また、第1波長領域W1は670nm~690nmで形成され、第2波長領域W2は700nm~730nmで形成され、第3波長領域W3は600nm~650nmで形成され、第4波長領域W4は550nm~590nmで形成され、第5波長領域W5は510nm~540nmで形成され、第6波長領域W6は450nm~490nmで形成されることができるが、これに限定されない。
【0052】
このような、第1光学フィルタ141は、第2光学フィルタ142と第3光学フィルタ143との間に位置し、第4光学フィルタ144、第5光学フィルタ145、及び第6光学フィルタ146は順次並べることができる。例えば、フィルタ部140が直線移動するように形成される場合、直線方向に沿って第2光学フィルタ142、第1光学フィルタ141、第3光学フィルタ143、第4光学フィルタ144)、第5光学フィルタ145、および第6光学フィルタ146の順に、互いに所定の長さだけ互いに離隔して並べることができる。
【0053】
複数の光学フィルタが回転軸Bxを基準に配置される場合、第1光学フィルタ141は、回転軸Bxに対して第2光学フィルタ142及び第3光学フィルタ143と所定の円周角で離隔して配置され得る。また、第3光学フィルタ143は、第1光学フィルタ141と第4光学フィルタ144との間で回転軸Bxに対して第1光学フィルタ141と第4光学フィルタ144と所定の円周角で離隔して配置され得る。また、第4光学フィルタ144は、第3光学フィルタ143と第5光学フィルタ145との間で回転軸Bxに対して第3光学フィルタ143と第5光学フィルタ145と所定の円周角で離隔して配置され得る。また、第5光学フィルタ145は、第4光学フィルタ144と第6光学フィルタ146との間で回転軸Bxに対して第4光学フィルタ144と第6光学フィルタ146と所定の円周角で離隔して配置され得る。
【0054】
第1光学フィルタ141は、光源部120の光が透過可能な入射領域に位置することができ、第1光学フィルタ141は、光源部110から照射される第1波長領域W1の光を透過させることができる。ステージ120の試料は、第1波長領域W1の光を吸収して第2波長領域W2の光を放出することができる。放出された第2波長領域W2の光は、第1波長領域W1の光からシフトされた値であり得る。
【0055】
また、第2光学フィルタ142は試料から放出されてリフレクタ130で反射された第2波長領域W2の光を透過させることができる。
【0056】
第2波長領域W2の光が感知ユニット150に感知されると、フィルタ部140は、第3光学フィルタ143が光源部110から照射された光を照射され、第1光学フィルタ141が試料から放出されてリフレクタ130で反射された光を照射されるように移動され得る。例えば、フィルタ部140は、所定の円周角だけ回転してもよく、直線方向に所定の長さだけ移動してもよい。フィルタ部140が移動すると、第1光学フィルタ141は放出領域に移動することができる。
【0057】
第3光学フィルタ143は、フィルタ部140の移動に応じて入射領域位置に移動し、光源部110の光のうち第3波長領域W3の光を透過させることができる。このような第3波長領域W3の光によって試料から放出されてリフレクタ130で反射された第7波長領域W7の光は、第1光学フィルタ141を透過することができる。第7波長領域W7の光は675nm~690nmで形成することができ、第1光学フィルタ141を透過することができる。言い換えれば、試料から放出された光の波長領域は、試料方向に伝達される光の波長領域がシフトされた値で形成され得るため、
図6及び
図7に示すように第7波長領域W7の光と第1波長領域W1の光は、少なくとも一部が重なり合うことができる。
【0058】
その後、感知ユニット150が第1光学フィルタ141を透過した光を感知する場合、フィルタ部140が移動するにつれて第3光学フィルタ143が放出領域に位置し、第4光学フィルタ144は入射領域に配置することができる。また、感知ユニット150が第3光学フィルタ143を透過した光を感知する場合、第4光学フィルタ144は放出領域に位置し、第5光学フィルタ145は入射領域に位置することができる。その後、感知ユニット150が第4光学フィルタ144を透過した光を感知する場合、第5光学フィルタ145が放出領域に位置し、第6光学フィルタ146は入射領域に位置することができる。
【0059】
したがって、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146は、従来の光学フィルタとは異なり、領域(入射領域、放出領域)に応じて励起フィルタ(excitation filter)および放出フィルタ(emission filter)機能をすべて実行できる。また、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146は、1つのフィルタ部140に設けられているため、従来より試料検査装置100の大きさが小さくなり、振動が減少できる。
【0060】
感知ユニット150は、試料から放出された光を検出し、検出された光を介して試料の画像を取得することができる。このような感知ユニット150は、複数の光学フィルタ141、142、143のうちの他方を透過した光を介して試料の画像を取得することができる。例えば、第2波長領域W2の光または第7波長領域W7の光を感知ユニット150が検出すると、感知ユニット150が試料の画像を取得することができる。このような感知ユニット150は、効率的に画像を形成するためにレンズおよびカメラを含むことができるが、これらに限定されない。
【0061】
また、感知ユニット150が光を検出した場合、感知信号を制御部170に送信することができる。
【0062】
アクチュエータ160はフィルタ部140を移動させることができる。アクチュエータ160は、フィルタ部140に駆動力を伝達するモータを含むことができる。
【0063】
例えば、アクチュエータ160は、フィルタ部140を回転軸を基準に回転させるか、直線方向に移動させることができる。
【0064】
アクチュエータ160がフィルタ部140を回転させる場合、フィルタ部140の最高回転速度は、感知ユニット150のフレームレートが光学フィルタ当たり100Hzで形成できるように設定され得る。フィルタ部140は連続的に回転することが観察される。
【0065】
言い換えれば、感知ユニット150の画像取得周期は、最大1/100秒で形成することができ、アクチュエータ160は、1/100秒間所定の長さまたは所定の円周角だけフィルタ部140を回転させることができる。
【0066】
制御部170は、アクチュエータ160及び光源部110を制御することができる。このような制御部170は、感知ユニット150が光を受信すると、フィルタ部140が回転するようにアクチュエータ160を駆動することができる。
【0067】
例えば、第2光学フィルタ142を透過した第2波長領域W2を感知ユニット150が感知した場合、感知ユニット150は感知信号を制御部170に送信し、制御部170は、感知信号によってアクチュエータ160を駆動することができる。
【0068】
また、制御部170は、フィルタ部140が最高回転速度で回転するようにアクチュエータ160を制御することができる。また、制御部170は、アクチュエータ160の回転速度を制御することによって感知ユニット150の画像取得周期を制御することができる。
【0069】
ハウジング180は、外側の光にさらされないように、フィルタ部140の少なくとも一部およびリフレクタ130を収容することができ、入射領域および放出領域はハウジング180に収容され得る。このようなハウジング180によって、フィルタ部140の少なくとも一部はハウジング180の内部で回転することができ、複数の光学フィルタ141、142、143、144、145、146のいずれかと他方はハウジング180に収容され得る。
【0070】
また、ハウジング180にはアクチュエータ160および制御部170も収容されてもよいが、これに限定されない。ステージ120はハウジング180の外側に位置することができる。ハウジング180の前面は、光源部110と感知ユニット150が貫通することができる。
【0071】
以下、
図8を参照して、本発明のさらに他の実施例による試料の蛍光を検出するための試料検査装置100について説明する。
【0072】
本発明の他の実施例に係る試料の蛍光を検出するための試料検査装置100のフィルタ部140の一面のうち入射領域に位置する部分と、光源部110から照射される光の進行方向とがなす入射角度c1は90度に形成することができる。また、フィルタ部140の一面のうち放出領域に位置する部分と試料から放出されてリフレクタ130で反射された光の進行方向とがなす放出角度c2は90度に形成することができる。
【0073】
例えば、フィルタ部140は、
図8に示すように、フィルタ部140の回転軸Bxが設けられた中心部が周面よりも突出するように形成されることにより、入射角度c1と放出角度c2は90度に形成され得る。
【0074】
このような、フィルタ部140の形状により、光源部110から照射される光は、入射領域に位置する第1光源フィルタ141に対して垂直な方向に透過することができる。また、試料から放射されてリフレクタ130で反射された光は、放出領域に位置する第2光学フィルタ142に対して垂直な方向に透過することができる。
【0075】
以下では、上述のような構成を有する試料の蛍光を検出するための試料検査装置100の作用および効果について説明する。
【0076】
光源部110から照射されて試料に入射する光は「励起光」と名付けられ、試料から放出されて感知ユニット150に到達する光は「放出光」と名付けられ得る。
【0077】
リフレクタ130は、複数の光学フィルタのうちのいずれか1つを透過した励起光を試料へ反射させ、試料から放出された放出光を複数の光学フィルタのうちの他方に反射させることができる。
【0078】
また、フィルタ部140は、複数の光学フィルタを備えており、感知ユニット150が放出光を感知する場合、アクチュエータ160によって回転するように形成されてもよい。複数の光学フィルタは、それぞれの波長特性に合わせて所定の範囲の波長領域を有する光を通過させ、他の範囲の波長領域を有する光を遮断することができる。
【0079】
複数の光学フィルタのいずれか1つは入射領域に位置するとき、励起光を透過させることができ、複数の光学フィルタのうちの他方は放出領域に位置するときに放出光を透過させることができる。
【0080】
このような複数の光学フィルタは、従来の光学フィルタとは異なり、位置に応じて励起フィルタ(excitation filter)と放出フィルタ(emission filter)機能の両方を実行することができる。
【0081】
また、複数の光学フィルタによって、光源部120の光が複数の光学フィルタのいずれかに照射される方向は、フィルタ部140の回転軸Bxが延びる方向に対して第1傾斜角度b1で傾斜するように形成され得る。また、リフレクタ130で反射された光が複数の光学フィルタの他方に進行する方向は、フィルタ部140の回転軸が延びる方向に対して第2傾斜角度b2で傾斜するように形成されてもよい。このように、第1傾斜角度b1と第2傾斜角度b2は等しく形成され、試料の画像を取得する際のノイズを低減することができる。
【0082】
また、複数の光学フィルタは1つのフィルタ部140に設けられることにより、従来より試料検査装置100の大きさを小さくすることができ、振動を低減することができる。
【0083】
以上、本発明の実施例を具体的な実施形態として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、本明細書に開示された技術的思想に従う最良の範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は、開示された実施形態を組合せ/置換して摘示されていない形状のパターンを実施することができるが、これも本発明の範囲から逸脱しないものである。さらに当業者は、本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更または変形することができ、そのような変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
また、明細書の最後に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しました。
[1] 相異なる波長領域の光を透過するように構成される複数の光学フィルタを備えるフィルタ部;
前記複数の光学フィルタのいずれかに光を照射する光源部;
試料が安着され得るステージ;
前記複数の光学フィルタの前記いずれかを透過した光を前記ステージに反射させ、前記ステージの前記試料から放出された光を複数の光学フィルタのうち他方に反射させるように配向されたリフレクタ;
前記複数の光学フィルタのうち前記他方を透過した光を介して前記ステージの前記試料から放出された光を検出する感知ユニット;
前記フィルタ部を移動させるアクチュエータ;及び
前記感知ユニットが、前記複数の光学フィルタのうち前記他方を透過した前記光を受信する場合、前記フィルタ部が移動するように前記アクチュエータを制御する制御部を含み、
前記複数の光学フィルタの前記いずれかを透過した光の波長領域と前記他方を透過した光の波長領域は互いに異なるように形成される、
試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[2] 前記光源部、前記リフレクタ、前記フィルタ部及び前記感知ユニットは、
前記光源部から照射される光が進行する方向は前記リフレクタから前記試料に向けて反射される光が進行する方向に対して第1傾斜角度で傾斜され、前記試料から放出される光が進行する方向は前記リフレクタから前記複数の光学フィルタのうち前記他方に向けて反射される光が進行する方向に対して第2傾斜角度で傾斜するように配置され、
前記第1傾斜角度と第2傾斜角度とは互いに異なるように形成されることを特徴とする[1]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[3] 前記第1傾斜角度は90度未満に形成され、前記第2傾斜角度は90度に形成されることを特徴とする[2]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[4] 前記フィルタ部は、前記アクチュエータによって直線方向に移動され、
前記複数の光学フィルタは、前記直線方向に沿って互いに離隔して配置されることを特徴とする[1]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[5] 前記フィルタ部は回転軸を中心に回転可能に構成され、前記複数の光学フィルタは前記回転軸を中心に配列され、
前記フィルタ部は前記アクチュエータによって回転移動されることを特徴とする[1]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[6] 前記光源部、前記リフレクタ、前記フィルタ部及び前記感知ユニットは、
前記光源部の光が前記複数の光学フィルタのうち前記いずれかに照射される方向は、前記フィルタ部の一面に垂直な方向である基準軸に対して第1傾斜角度で傾斜し、前記リフレクタで反射された光が前記複数の光学フィルタのうち前記他方に進行する方向は、前記フィルタ部の前記基準軸に対して第2傾斜角度で傾斜するように配置され、
前記第1傾斜角度と前記第2傾斜角度とは同じように形成されることを特徴とする[1]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[7] 前記基準軸を基準に前記第1傾斜角度の形成方向と前記第2傾斜角度の形成方向とは、反対方向に形成されることを特徴とする[6]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[8] 前記複数の光学フィルタは、第1光学フィルタ、第2光学フィルタ、及び第3光学フィルタを含み、
前記第1光学フィルタは、前記第2光学フィルタ及び前記第3光学フィルタとの間に配置され、前記光源部から照射される光のうち第1波長領域の光を透過させ、
前記ステージの前記試料は前記第1波長領域の光を吸収して前記第2波長領域の光を放出し、
前記第2光学フィルタは前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された前記第2波長領域の光を透過させ、
前記第2波長領域の光が前記感知ユニットに感知されると、前記フィルタ部は前記第3光学フィルタに前記光源部から照射された光が照射され、前記第1光学フィルタに前記試料から放射されて前記リフレクタで反射された光が照射されるように移動されることを特徴とする[1]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[9] 前記フィルタ部が移動されたとき、前記第1光学フィルタは、前記試料から放射されて前記リフレクタで反射した光のうち、前記第1波長領域と少なくとも一部が重なる波長領域の光を透過させ、前記第3光学フィルタは、前記光源部から照射される光のうち第3波長領域の光を透過させることを特徴とする[8]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[10] 前記複数の光学フィルタのうち前記いずれか一つと前記他方は互いに隣接して配置されることを特徴とする[1]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[11] 前記複数の光学フィルタのうち前記いずれか一つが入射領域に位置するときに前記光源部から照射された光は前記複数の光学フィルタのうち前記いずれか一つに照射され、
前記複数の光学フィルタのうち前記他方が放出領域に位置するときに前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された光は、前記複数の光学フィルタのうち前記他方に照射され、
前記入射領域は、前記光源部から照射された光と前記フィルタ部とが交差する仮想の領域であり、
前記放出領域は、前記試料から放出されて前記リフレクタで反射された光と前記フィルタ部とが交差する仮想の領域であることを特徴とする[1]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[12] 外部の光にさらされないように、前記フィルタ部の少なくとも一部及び前記リフレクタを収容するハウジングをさらに含むことを特徴とする[11]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[13] 前記入射領域および前記放出領域は、前記ハウジングの内部に設けられることを特徴とする[12]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。
[14] 前記感知ユニットは、検出された前記光を介して前記試料の画像を取得し、
前記フィルタ部の最高回転速度は、前記感知ユニットのフレームレートが光学フィルタ当たり100Hzで形成できるように設定されることを特徴とする[1]に記載の試料の蛍光を検出するための試料検査装置。