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特許7536363ケーブル牽引型輸送装置の可動ケーブルの等電位化
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  • 特許-ケーブル牽引型輸送装置の可動ケーブルの等電位化 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ケーブル牽引型輸送装置の可動ケーブルの等電位化
(51)【国際特許分類】
   H05F 3/02 20060101AFI20240813BHJP
   B61B 12/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H05F3/02 U
B61B12/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023519580
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2021079563
(87)【国際公開番号】W WO2022090166
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】A50927/2020
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】000228523
【氏名又は名称】日本ケーブル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】ローター・シュミット
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ビショフバーガー
(72)【発明者】
【氏名】アントニー・イルン
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-85080(JP,U)
【文献】国際公開第2017/109901(WO,A1)
【文献】特開平9-93705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05F 3/02
B61B 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル牽引型輸送装置の可動ケーブル(10)を、ケーブル牽引型輸送装置の所定の基準電位と等電位化するための装置であって、
等電位化ユニット(1)が、少なくとも1つのブラシ本体(2)と、前記ブラシ本体(2)に配置された少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛(3)とを備えることが企図されており、前記等電位化ユニット(1)が、前記少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛(3)と前記可動ケーブル(10)との等電位化を可能にするように前記可動ケーブル(10)に対して配置されており、
前記少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛(3)が、前記基準電位を有する少なくとも1つの電位点(14)に導電接続されており、
前記少なくとも1本の接触ブラシ毛(3)が弾性的に設計されており、前記少なくとも1本の弾性および導電性接触ブラシ毛(3)が前記可動ケーブル(10)に電気的に接触する、装置において、
前記導電性接触ブラシ毛(3)が、導電性プラスチックで作製され
前記少なくとも1つのブラシ本体(2)が導電性に設計されており、前記少なくとも1本の接触ブラシ毛(3)が、前記少なくとも1つのブラシ本体(2)と導電接続されており、
前記少なくとも1つのブラシ本体(2)がホルダ(5)に配置され、該ホルダ(5)が前記ケーブル牽引型輸送装置内で固定され、
前記可動ケーブル(10)に対して前記少なくとも1本の接触ブラシ毛(3)を位置合わせするために、前記ホルダ(5)に対して前記少なくとも1つのブラシ本体(2)が前後左右方向に調整可能に配置され、
前記少なくとも1つのブラシ本体(2)が、紐状に延びる少なくとも1つの導電体(4)の一端部と導電接続され、該導電体(4)の他端部が前記ケーブル牽引型輸送装置の少なくとも1つの電位点(14)と導電接続されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記接触ブラシ毛(3)が、前記接触ブラシ毛(3)自体の弾性のみにより前記ケーブル(10)を押圧することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ホルダ(5)が、前記ケーブル牽引型輸送装置の固定または可動構成要素に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛(3)と前記電位点(14)との間に電気抵抗(R)が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記等電位化ユニット(1)に加熱装置が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル牽引型輸送装置の可動ケーブルを、ケーブル牽引型輸送装置の所定の基準電位と等電位化するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばケーブルカーやエレベータなどのケーブル牽引型輸送装置は、通常は鋼、または鋼とプラスチックとの組合せで作られたケーブルを使用して、ケーブルカー車両などの輸送ユニットを、通常は2つ以上のケーブルカー駅の間で輸送する。基本的には、純プラスチック製のケーブルも使用可能である。ケーブル牽引型輸送装置のケーブルは、支持ケーブルとして設計されていてもよく、2点間、例えば2つのケーブルカー駅間に張り伸ばされていてもよい。しかし、ケーブル牽引型輸送装置のケーブルは、輸送ケーブルとして設計されていてもよく、往復式にまたは循環式に移動させることができる。輸送ケーブルの形態でのケーブルを用いる場合、輸送ユニットがケーブルに固定してクランプされるもしくは解放可能にクランプされることによって、または輸送ユニットがケーブルによって引っ張られることによって、例えばケーブルカー車両またはエレベータキャビンが移動される。安全上の理由から、静電気の帯電、落雷、電界による電流の結合などによって生じ得るケーブルの電荷を安全に放散するために、ケーブルを電気的に接地しなければならない。基本的には、ケーブル自体が導電性に設計されていないときでも、ケーブルの帯電が生じ得る。張り伸ばされたケーブルでは、例えば接触クランプによってケーブルに確実に接触することができるので、接地など所定の基準電位へのそのような等電位化を容易に実現することができる。一方、可動ケーブルでは、等電位化のために可動ケーブルが確実に永続的に電気接触されなければならないので、等電位化は困難である。
【0003】
従来、可動ケーブルを接地するために、ケーブルカー駅での循環ケーブルの偏向シーブなどのケーブルシーブ、またはプーリアセンブリなどのケーブルプーリが導電性で設計されていた。例えば、金属プレートやピンなどの導電性接触要素が、ケーブルシーブまたはケーブルプーリの走行面に使用され、または、走行面がそれ自体、例えばケーブルシーブライニングまたはプーリゴムの形態で、例えば導電性プラスチックの形態で導電性に設計されていた。走行面の導電性要素の電気接触は、ケーブルシーブまたはケーブルプーリのベアリングを介して行われていた。電気接触を確立するために、ケーブルがケーブルシーブまたはケーブルプーリの導電性要素と導電接触することが企図されている。この解決策の欠点は、そのような電気接触要素が走行面で急速に摩耗し、ケーブルとの接触を維持するためにしばしば再調整しなければならないという点であり得る。導電性のプーリゴムまたはケーブルシーブライニングは、老化と共に導電性を失い、したがってこれも頻繁に交換しなければならない。
【0004】
可動ケーブルと接触し、ケーブルと共に動く、回転可能に支持された接地プーリも、同様に知られている。接地プーリの電気接触は、接地プーリのベアリングを介して行われる。接地プーリの周囲に銅ブラシを備えたブラシプーリ、または導電性の走行面を備えたソリッドプーリとしての設計が知られている。ソリッドプーリは、走行ノイズが大きい。ブラシプーリは、摩耗が非常に早い。さらに、特に鋼またはプラスチックで作られたケーブルの場合、ブラシプーリのブラシによってケーブルの表面が損傷されるおそれがある。しかし、そのような接地プーリのより重大な欠点は、接地プーリのベアリングが、ベアリング潤滑により、特定のケーブル速度から電気的に絶縁され始めることがあり、したがって接地機能を保証することができないことにある。
【0005】
また、可動ケーブルに押圧される、導電性材料で作られた固定された平らな摺動接点も知られている。例えば、国際公開第2018/150149号は、銅と炭素との混合物で作られたそのような摺動接点を示す。そのような摺動接点でも、摺動要素の摩耗という欠点があり得る。それとは別に、十分であり確実な電気接触を実現するために、摺動要素はケーブルに押圧されなければならず、これには、可動構成要素を備えた追加の押圧装置が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の欠点を解消することができる可動ロープの等電位化を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、等電位化ユニットが、少なくとも1つのブラシ本体と、ブラシ本体に配置された、導電性プラスチックで作られた少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛とを備えることが企図されており、等電位化ユニットが、少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛と可動ケーブルとの等電位化を可能にするように可動ケーブルに対して配置されており、少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛が、基準電位を有する少なくとも1つの電位点と導電接続されていることによって達成される。
【0008】
この等電位化は、構造の面でも使用の面でも非常に簡単である。等電位化ユニットは、単に、等電位化が可能にされるように配置することができる。接触ブラシ毛は、等電位化を確立するために、ケーブル牽引型輸送装置の電位点と接続される。これは、接触ブラシ毛によって直接行うことも、ブラシ本体を介して行うこともできる。このために導電体を使用することもでき、これにより電位点への接続を単純化することができる。
【0009】
有利には、少なくとも1本の接触ブラシ毛は弾性的に設計されており、等電位化ユニットは、少なくとも1本の弾性および導電性接触ブラシ毛が可動ケーブルに電気的に接触するように可動ケーブルに対して配置されている。弾性の導電性接触ブラシにより、等電位化ユニットをケーブルに積極的に押圧されなくてもよい。これにより、等電位化ユニット、およびまたケーブルの機械的応力が低減される。それとは別に、押圧機構は必要ない。しかし、等電位化ユニットは、少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛がケーブルから離して配置されているように可動ケーブルに対して配置されてもよい。ここで、等電位化ユニットは、有利には、少なくとも1本の接触ブラシ毛の先端またはブラシ束全体がケーブルに面するように配置される。この場合、電位差が十分に大きくなるとすぐに、ケーブルと接触ブラシ毛との間の電気的フラッシュオーバによって等電位化が行われる。すなわち、この場合には、ケーブルの特定の電位が許容され、この電位を超えたときに初めて等電位化が行われる。
【0010】
等電位化ユニットを容易にケーブルに対して位置合わせできるようにするために、有利には、等電位化ユニットがホルダに配置されていることが企図されており、ホルダにより、等電位化ユニットはケーブル牽引型輸送装置内で固定されており、等電位化ユニットはホルダに対して調整可能であり、等電位化ユニットをケーブルに対して調整できるようにする。
【0011】
以下、図1図4を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの図は、例示的、概略的、および非限定的に本発明の有利な形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ホルダにある本発明による等電位化ユニットを示す図である。
図2】ケーブル牽引型輸送装置での等電位化ユニットの配置を示す図である。
図3】ケーブルに対する等電位化ユニットの取り得る配置を示す図である。
図4】プラスチックで作られたインサートを備えるケーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示されるような、ケーブル牽引型輸送装置の可動ケーブル用の本発明による等電位化ユニット1は、本質的に、少なくとも1つのブラシ本体2を備えたブラシと、例えば導電性ポリアミドなどの導電性プラスチックで作られた少なくとも1本の弾性接触ブラシ毛3とからなる。一般に、導電性プラスチックで作られた、並べて配置された多数の弾性接触ブラシ毛3からなるブラシ束が設けられている。少なくとも1本の接触ブラシ毛3がブラシ本体2に配置されている。複数の接触ブラシ毛3があるときには、ブラシ本体2が複数設けられていてもよい。ブラシ本体2は、特にブラシ束の場合、好ましくは可動ケーブルの方向へ長手方向に延びて設計されている。ここで、「長手方向に延びて」とは、可動ケーブルの移動方向へのブラシ本体2の広がりが、可動ケーブルの移動方向に対して横方向への広がりよりも大きいことを意味する。少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛3は、電気的に接触され得る。例えば、ブラシ本体2に導電体4が配置されており、例えば図1のようにねじ留めされ、導電体4は、少なくとも1本の接触ブラシ毛3に導電接続されている。例えば、少なくとも1本の接触ブラシ毛3が配置されているブラシ本体2は、例えば金属または導電性プラスチックなどの導電性材料で作製されていてもよい。これにより、少なくとも1本の接触ブラシ毛3は、ブラシ本体2を介して電気的に接触され得る。この実施形態でも、ブラシ本体2を介して接触ブラシ毛3に接触するための導電体4をブラシ本体2に配置することができる。当然、複数の導電体4が設けられていてもよい。
【0014】
等電位化ユニット1はホルダ5に配置されていてもよく、好ましくは交換可能であり、ホルダ5によって、等電位化ユニット1をケーブル牽引型輸送装置の構成要素に固定することができる。このために、例えば、少なくとも1つのブラシ本体2をホルダ5に配置することができる。ホルダ5によって、等電位化ユニット1による等電位化が可能にされるように等電位化ユニット1を可動ケーブル10の領域に配置することができる。このために、図2に示されるように、少なくとも1本の接触ブラシ毛3は、ケーブル10と電気的に接触することができる。
【0015】
等電位化ユニット1が配置されているケーブル牽引型輸送装置の構成要素は、固定構成要素、例えばケーブル牽引型輸送装置の固定構造(例えばケーブルカー駅)の一部であってよい。しかし、構成要素は、例えばケーブルカー車両やエレベータキャビンなど、ケーブル牽引型輸送装置の可動構成要素でもよい。この場合、ケーブル10と等電位化ユニット1との相対運動が設けられていても、設けられていなくてもよい。可動構成要素の場合、可動構成要素およびそこにある等電位化ユニット1と、ケーブル牽引型輸送装置の電位点14との電気接続が、例えば摺動接点によって設けられている。
【0016】
ケーブル牽引型輸送装置がケーブルカーであるとき、ケーブルカー車両がケーブルカー駅でケーブル10からクランプ解除されることがよくある。この場合、ケーブルカー駅の外でケーブルカー車両に配置されている等電位化ユニット1が、ケーブルカー駅でケーブルカー車両から分離され、ケーブル10に残ることが企図されていることがある。ここで、ケーブル10と等電位化ユニット1との相対運動が設けられていてもよい。
【0017】
等電位化ユニット1はまた、使用時にケーブル10に対して等電位化ユニット1を位置合わせできるようにするために、(図2の両方向矢印によって示されるように)ホルダ5に対して調整可能に配置されていてもよい。空間内で、直線でも回転でも任意の調整可能性が設けられていてもよい。しかし、等電位化ユニット1は、ホルダ5に固定して(しかし好ましくは交換可能に)配置されていてもよい。
【0018】
等電位化ユニット1、したがってまた、少なくとも1本の接触ブラシ毛3を備えた少なくとも1つのブラシ本体2は、可動ケーブル10に対して固定して配置することもできる。しかし、等電位化ユニット1は、ケーブル牽引型輸送装置内で可動に配置されていてもよく、例えばケーブル牽引型輸送装置の可動構成要素に配置されていてもよい。
【0019】
少なくとも1本の接触ブラシ毛3は、ケーブル10に面して配置されている。少なくとも1つのブラシ本体2または少なくとも1本の接触ブラシ毛3とケーブル10との距離は、良好な電気接触を確立するために、少なくとも1本の弾性接触ブラシ毛3がケーブル10に掠るように選択されていてもよい。接触ブラシ毛3が、接触ブラシ毛3自体の弾性のみによりケーブル10に押圧され、接触ブラシ毛3の摩耗は非常に少なく、ケーブル10の機械的応力は小さい。それとは別に、接触束の場合、十分な接触ブラシ毛3が常にケーブル10と電気的に接触しているので、接触ブラシ毛3のいくつかがより強く摩耗しても問題にならない。この場合、常に全ての接触ブラシ毛3がケーブル10と電気的に接触する必要もない。
【0020】
しかし、基準電位に対する等電位化を確立するために、少なくとも1本の接触ブラシ毛3がケーブル10に接触することは必須ではない。ブラシ本体2とケーブル10との距離は、少なくとも1本の接触ブラシ毛3またはブラシ毛束とケーブル10との接触がないように選択されてもよい。この場合、少なくとも1本の弾性接触ブラシ毛3が弾性である必要もない。この場合、基準電位を有する電位点とケーブル10との電位差が非常に大きくなり、ケーブル10と少なくとも1本の接触ブラシ毛3との間で電気的フラッシュオーバが生じるときに、等電位化が行われる。
【0021】
弾性接触ブラシ毛3により、等電位化ユニット1を、例えばばねや他の押圧機構によってケーブル10に押圧される必要もない。したがって、等電位化ユニット1は、好ましくは可動構成要素を含まず、したがって非常に単純に構成されていてもよい。
【0022】
したがって、接地ブラシ1は、特に、例えば図4に示されているように鋼およびプラスチックからなる、またはプラスチックのみからなるケーブル10と共に使用されてもよい。図示されるケーブル10は、(鋼および/またはプラスチックで作られた)ケーブルコア13、いくつかのワイヤからなる複数のストランド11、およびプラスチックで作られたインサート12を備え、それらがねじられてケーブル10を形成している。プラスチックで作られたインサート12は、本発明による等電位化ユニット1によって表面を損傷されない。
【0023】
導電体4は、少なくとも1本の導電性接触ブラシ毛3を、例えばブラシ本体2を介して、所定の基準電位を有する電位点14と接続することができ、基準電位は、接地電位または任意の他の電位でよい。当然、基準電位を有するそのような電位点14を、ケーブル牽引型輸送装置に複数設けることもできる。しかし、電気接続は、必ずしもそのような導体4によって行われる必要はない。例えば、電位点14は、例えばケーブルカー駅にある基準電位の(例えば接地された)の任意のケーブル牽引型輸送装置構成要素でよい。少なくとも1本の接触ブラシ毛3が少なくとも1つのブラシ本体2に導電接続されているとき、基準電位にあるケーブル牽引型輸送装置の構成要素にブラシ本体2を直接配置することもできる。
【0024】
図2に示されているように、電位点14と少なくとも1本の接触ブラシ毛3との間に抵抗Rを設けることも企図されていることがある。したがって、等電位化にもかかわらず、ケーブル10の所望の電位を設定することができる。
【0025】
基本的に、等電位化ユニット1は、ケーブル10の領域内の任意の位置に配置されていてもよい。しかし、好ましくは、等電位化ユニット1は、少なくとも1本の接触ブラシ毛3が上から下に揃えられており、好ましくはケーブル10に触れるように配置される。これにより、特にブラシ束の場合、接触ブラシ毛3の間に汚れが容易に蓄積できないようにすることができる。図3に、ケーブル10の領域内での等電位化ユニット1の取り得る有利な位置が示されている。
【0026】
試験では、そのような等電位化ユニット1を使用すると、ケーブルカーにおいて通常的な0~7m/sなどの広範囲のケーブル速度にわたって、可動ケーブル10の安全で信頼性の高い等電位化を達成することができ、ケーブル10で電荷が放電されることが示された。
【0027】
等電位化ユニット1、特に少なくとも1本の接触ブラシ毛3の着氷を防止するために、等電位化ユニット1に加熱装置(図示せず)を設けることもできる。これは、例えばケーブルカーなど、外部環境条件にさらされるケーブル牽引型輸送装置で特に有利である。加熱装置は、例えば電気的に設計されていてもよい。
図1
図2
図3
図4