(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】既設橋脚の基礎フーチング補強方法
(51)【国際特許分類】
E02D 27/48 20060101AFI20240813BHJP
E02D 27/32 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
E02D27/48
E02D27/32 Z
(21)【出願番号】P 2020108551
(22)【出願日】2020-06-24
【審査請求日】2023-02-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】井出 雄介
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-059925(JP,A)
【文献】特開平09-324408(JP,A)
【文献】特開平10-331437(JP,A)
【文献】特開2011-246981(JP,A)
【文献】特開2013-096176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0097179(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/48
E02D 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設橋脚における基礎フーチングの補強方法であって、
前記既設橋脚の周囲の地盤を前記基礎フーチングの上面が露出するまで掘削する掘削工程と、
前記掘削により露出させた橋脚側面及び基礎フーチング上面にそれぞれアンカー筋を設置するアンカー筋設置工程と、
前記橋脚側面と前記基礎フーチング上面とのなす角部に、前記橋脚側面に接合する第1の接合面と前記基礎フーチング上面に接合する第2の接合面とを含む補強構造体を設置して、前記アンカー筋により一体化させる補強構造体設置工程と、
前記補強構造体を覆うように前記掘削した箇所を埋戻す埋戻し工程と、
を含み、
前記補強構造体設置工程は、前記補強構造体として、前記橋脚側面に押し当てて接合する垂直板部と、前記基礎フーチング上面に押し当てて接合する水平板部とを含む、鋼製補強構造体を用い、
前記橋脚側面と前記基礎フーチング上面とのなす角部に、前記鋼製補強構造体を配置して、前記アンカー筋により固定する鋼製補強構造体設置工程であり、
前記垂直板部と前記水平板部とには、それぞれ、前記アンカー筋を貫通させる取付孔が形成されており、
前記垂直板部の取付孔は、前記水平板部を前記基礎フーチング上面に押し当てる方向に長い長孔であり、
前記水平板部の取付孔は、前記垂直板部を前記橋脚側面に押し当てる方向に長い長孔である、既設橋脚の基礎フーチング補強方法。
【請求項2】
前記鋼製補強構造体は、前記垂直板部と前記水平板部との間に配置されて、これらをリブ状につなぐ複数の補強板部を更に含む、
請求項1に記載の既設橋脚の基礎フーチング補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設橋脚における基礎フーチングの補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
橋脚の基礎は、地盤の支持力を増すため、水平方向に拡張されて、基礎フーチングをなし、基礎フーチングは、適切な支持層まで延びる複数の基礎杭の頭部と一体化している。
【0003】
既設橋脚の耐震補強のための補強方法としては、特許文献1に記載の方法が知られている。これは、既設橋脚の基礎フーチングの周囲に杭を増設し、増設杭の頭部に打設した増設コンクリートと基礎フーチングとをPC鋼材で結合、あるいは、増設杭の頭部どうしを基礎フーチングの上面にわたした連結材で緊結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のような増し杭工法は、大掛かりなものとなり、工期及び工費の増大を招く他、施工ヤードが広くなる。
【0006】
また、既設橋脚の耐震補強において、施工しやすさという観点から、橋脚耐力向上(増厚等)が一般的に行われているが、橋脚の耐力を向上させると、設定想定荷重より大きな地震を受けた場合に、橋脚から基礎に伝達される地震力も大きくなり、基礎が先に損傷する恐れがある。
【0007】
そこで、基礎フーチングの耐震補強が検討された。具体的には、フーチングの降伏は、主に、橋脚頭部に水平方向に地震力が作用した場合に、橋脚に曲げモーメントを生じ、基礎フーチング内の下側鉄筋に過大な引張力が作用することによる、下側鉄筋の降伏であることから、次の(1)~(4)のような補強案が検討された。しかし、それぞれ問題点がある。
【0008】
(1)フーチング側面から下側鉄筋を後施工で追加
フーチング側面の掘削が必要な上、フーチングの側面から全長にわたってアンカーを打つことになり、アンカーの設置も大変である。
(2)フーチング上面の増厚
下側鉄筋の有効高が増加するが、鉄筋量は増やせないので、必要増厚が過大となる。
(3)フーチング下面の増厚
フーチング下面を掘削する必要があり、大掛かりとなる。
(4)PC鋼材によるプレストレス導入
杭に拘束されるため、圧縮力がかからない恐れがあり、効果が不明確である。
【0009】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたもので、比較的簡単な工事で、既設橋脚の基礎フーチングを必要十分に補強することができる、基礎フーチング補強方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る既設橋脚の基礎フーチング補強方法は、
既設橋脚の周囲の地盤を基礎フーチングの上面が露出するまで掘削する掘削工程と、
前記掘削により露出させた橋脚側面及び基礎フーチング上面にそれぞれアンカー筋を設置するアンカー筋設置工程と、
前記橋脚側面と前記基礎フーチング上面とのなす角部に、前記橋脚側面に接合する第1の接合面と前記基礎フーチング上面に接合する第2の接合面とを含む補強構造体を設置して、前記アンカー筋により一体化させる補強構造体設置工程と、
前記補強構造体を覆うように前記掘削した箇所を埋戻す埋戻し工程と、
を含むことを特徴とする。
【0012】
ここにおいて、前記補強構造体として、鋼製補強構造体を用いることができる。
この場合、前記補強構造体設置工程は、前記補強構造体として、前記橋脚側面に押し当てて接合する垂直板部と、前記基礎フーチング上面に押し当てて接合する水平板部とを含む、鋼製補強構造体を用い、前記橋脚側面と前記基礎フーチング上面とのなす角部に、前記鋼製補強構造体を配置して、前記アンカー筋により固定する鋼製補強構造体設置工程となる。前記垂直板部と前記水平板部とには、それぞれ、前記アンカー筋を貫通させる取付孔が形成されており、前記垂直板部の取付孔は、前記水平板部を前記基礎フーチング上面に押し当てる方向に長い長孔であり、前記水平板部の取付孔は、前記垂直板部を前記橋脚側面に押し当てる方向に長い長孔である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、橋脚側面と基礎フーチング上面とのなす角部に補強構造体を設置して一体化させることにより、剛域が拡大し、片持スパン低減により曲げモーメントが減少し、地震力によって基礎フーチング内の下側鉄筋に作用する引張力が減少することから、十分な耐震補強を実現することができる。
また、掘削は基礎フーチング上面まで行えばよく、工費及び工期の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態として示す基礎フーチング補強方法の工程図
【
図4】本発明の第2実施形態として示す基礎フーチング補強方法の工程図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態として示す基礎フーチング補強方法の工程図である。
【0016】
図1(a)を参照し、橋脚1は、RC(鉄筋コンクリート)製で、供用中の既設の橋梁の一部をなし、図外の頭部(支承部)を介して橋梁の橋桁を支持している。
【0017】
橋脚1の基礎は、地盤の支持力を増すために、水平方向に延在して、所定厚の基礎フーチング2をなしている。
橋脚1の基礎はまた、複数の基礎杭3を備え、これらの基礎杭3は、その頭部で基礎フーチング2と一体化されて、基礎フーチング2の底面から適切な支持層まで延びている。
【0018】
かかる橋脚(既設橋脚)1における基礎フーチング2の補強方法を
図1(a)~(c)の工程図により説明する。
【0019】
図1(a)は掘削工程及び表面はつり工程を示している。
掘削工程では、橋脚1の周囲の地盤Gを基礎フーチング2の上面2aが露出するまで掘削する。掘削深さは基礎フーチング2の設置深さにより異なるが、概ね1~5m程度である。掘削深さによっては掘削部を囲むように山留壁を構築してから、その内部を掘削する。周囲に十分な余裕がある場合は、緩傾斜の法面を設けることで、山留壁は不要となる。
【0020】
掘削工程後は、表面はつり工程に移行する。
表面はつり工程では、掘削により露出させた橋脚側面1a及び基礎フーチング上面2a(厳密には、これらのうち後述するハンチコンクリートの打設範囲;図示H)を、チッピングによる打撃あるいはウォータジェットなどにより、はつる(斫る)。これは、後述するハンチコンクリートとの打継ぎ部の密着性を向上させるために、表面に1mm程度の凹凸をつける、表面荒し処理(目荒し)である。
【0021】
図1(b)はアンカー筋設置工程を示している。
アンカー筋設置工程では、掘削により露出させた橋脚側面1a及び基礎フーチング上面2a(厳密には、これらのうち後述するハンチコンクリートの打設範囲)に、それぞれ、複数のアンカー筋(定着用の継手)4を設置する。
【0022】
アンカー筋4の設置に際しては、先ず、橋脚側面1a及び基礎フーチング上面2aのアンカー筋設置予定位置を削孔する。すなわち、橋脚側面1aには横方向に(あるいは斜め下向きの傾斜をつけて)削孔し、基礎フーチング上面2aには鉛直方向に削孔する。
【0023】
削孔後、削孔内にセメントミルクを注入し、セメントミルクが注入された削孔内にアンカー筋4の一端部を挿入して、一体化させる。これにより、橋脚側面1a及び基礎フーチング上面2aからアンカー筋4の他端部を突出させる。
【0024】
図1(c)はハンチコンクリート打設工程及び埋戻し工程を示している。
ハンチコンクリート打設工程では、橋脚側面1aと基礎フーチング上面2aとのなす角部に、橋脚側面1a及び基礎フーチング上面2aから突出するアンカー筋4を巻込んで、少なくともハンチ状にコンクリートを場所打ちする。
【0025】
「少なくともハンチ状」というのは、基本的には、角部にハンチ状、すなわち、側方から見て略三角形状にコンクリートを打設すればよいが、三角形状を包含していれば、余分とはなるが、四角形状などでもよいことを意味している。
【0026】
なお、コンクリート打設に先立って、打設領域に配筋(ハンチ筋の設置)を行うようにしてもよい。
【0027】
このようにして、橋脚側面1aと基礎フーチング上面2aとのなす角部に、橋脚側面1aに接合する第1の接合面と基礎フーチング上面2aに接合する第2の接合面とを含む補強構造体として、ハンチコンクリート5が構築される。
【0028】
図2は
図1(c)の平面図である。ハンチコンクリート5は、4つの橋脚側面1aを囲むように、
截頭四角錐形状をなしている。
【0029】
なお、ハンチコンクリート打設工程は、コンクリート打設前になされる型枠設置工程と、コンクリート打設後に型枠を除去する脱型工程とを含む。
【0030】
ハンチコンクリート打設工程後は、埋戻し工程に移行する。
埋戻し工程では、補強構造体としてのハンチコンクリート5を覆うように、前記掘削工程で掘削した箇所を元の地盤Gのラインまで埋戻す。
【0031】
図3はハンチコンクリート追加の効果を示す図であり、橋脚1の頭部に図示矢印Fの方向の水平な地震力が作用した場合に、基礎フーチング2に生じるひび割れ(ずれ)の解析結果を示している。
【0032】
橋脚1の頭部に図示矢印Fの方向に地震力が作用した場合、橋脚1に曲げモーメントを生じ、基礎フーチング2の図で右側の下側鉄筋位置に大きな引張力を生じるが、
図3(a)のハンチ無しの場合に比べ、
図3(b)のハンチ有りの場合は、ひび割れ(ずれ)の範囲を大幅に低減することができる。
【0033】
このように、橋脚側面1aと基礎フーチング上面2aとのなす角部に補強構造体(ハンチコンクリート5)を設置して一体化させることにより、剛域が拡大し、片持スパン低減により曲げモーメントが減少し、地震力によって基礎フーチング2内の下側鉄筋に作用する引張力が減少することから、十分な耐震補強を実現することができる。
【0034】
言い換えれば、剛域設定で照査断面位置が杭に近くなり、片持ちスパン低減により曲げモーメントの減少を図ることができる。また、照査断面位置での部材厚増加により下側鉄筋に対する引張応力を減少させることができる。更に、せん断照査位置が杭に近くなることにより、せん断スパン比の影響で、せん断耐力を増加させることができる。
【0035】
図4は本発明の第2実施形態として示す基礎フーチング補強方法の工程図である。
図4(a)は掘削工程を示している。
掘削工程では、
図1(a)と同様に、橋脚1の周囲の地盤Gを基礎フーチング2の上面2aが露出するまで掘削する。
掘削工程後は、表面はつり処理を行うことなく、アンカー筋設置工程に移行する。
【0036】
図4(b)はアンカー筋設置工程を示している。アンカー筋設置工程では、
図1(b)と同様に、掘削により露出させた橋脚側面1a及び基礎フーチング上面2a(厳密には、これらのうち後述する鋼製補強構造体の設置範囲)に、それぞれ、複数のアンカー筋(アンカーボルト)4を設置する。
【0037】
図4(c)は鋼製補強構造体設置工程及び埋戻し工程を示している。
鋼製補強構造体設置工程では、橋脚側面1aと基礎フーチング上面2aとのなす角部に、鋼製補強構造体6を配置して、アンカー筋4により固定する。
【0038】
鋼製補強構造体6は、
図4(c)の他、
図5(
図4(c)の平面図)及び
図6(鋼製補強構造体6の斜視図)に示されるように、板金製で、橋脚側面1aに接合する垂直板部6aと、基礎フーチング上面2aに接合する水平板部6bと、垂直板部6aと水平板部6bとの間に配置されて、これらをリブ状につなぐ複数の三角形状の補強板部6cと、を含んで構成される。
【0039】
鋼製補強構造体6はまた、垂直板部6a及び水平板部6bに、橋脚側面1a及び基礎フーチング上面2aから突出するアンカー筋4を貫通させる取付孔7を有している。
【0040】
従って、鋼製補強構造体設置工程では、鋼製補強構造体6の垂直板部(第1の接合面)6aを橋脚側面1aに押し当てて、橋脚側面1aから突出するアンカー筋4を垂直板部6aの取付孔7に挿入し、当該アンカー筋4の端部にロックナット8を螺合して締付け固定する。
【0041】
同時に、鋼製補強構造体6の水平板部(第2の接合面)6bを基礎フーチング上面2aに押し当てて、基礎フーチング上面2aから突出するアンカー筋4を水平板部6bの取付孔7に挿入し、当該アンカー筋4の端部にロックナット8を螺合して締付け固定する。
【0042】
このときの取付けを容易にするため、垂直板部6aの取付孔7又は水平板部6bの取付孔7の少なくとも一方について、長孔としておくとよい。この場合、垂直板部6aの取付孔7については上下方向(水平板部6bを押し当てる方向)に長い長孔とし、水平板部6bの取付孔7については左右方向(垂直板部6aを押し当てる方向)に長い長孔とする。
【0043】
このようにして、橋脚側面1aと基礎フーチング上面2aとのなす角部に、橋脚側面1aに接合する第1の接合面(垂直板部6a)と基礎フーチング上面2aに接合する第2の接合面(水平板部6b)とを含む補強構造体として、鋼製補強構造体6が設置される。
【0044】
なお、鋼製補強構造体6は、
図5からわかるように、橋脚1の4つの側面1aのそれぞれに設置され、4個用いられる。
【0045】
鋼製補強構造体設置工程後は、埋戻し工程に移行する。
埋戻し工程では、補強構造体としての鋼製補強構造体6を覆うように、前記掘削工程で掘削した箇所を元の地盤Gのラインまで埋戻す。
【0046】
このようなハンチ状の鋼製補強構造体6を用いても、ハンチコンクリート5と同様な効果を得ることができる。
【0047】
補強構造体としては、この他、場所打ちコンクリートに代えて、プレキャストコンクリート製の補強構造体を用いることもできる。
【0048】
図示の実施形態はあくまで本発明を概略的に例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
なお、出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
既設橋脚における基礎フーチングの補強方法であって、
前記既設橋脚の周囲の地盤を前記基礎フーチングの上面が露出するまで掘削する掘削工程と、
前記掘削により露出させた橋脚側面及び基礎フーチング上面にそれぞれアンカー筋を設置するアンカー筋設置工程と、
前記橋脚側面と前記基礎フーチング上面とのなす角部に、前記橋脚側面に接合する第1の接合面と前記基礎フーチング上面に接合する第2の接合面とを含む補強構造体を設置して、前記アンカー筋により一体化させる補強構造体設置工程と、
前記補強構造体を覆うように前記掘削した箇所を埋戻す埋戻し工程と、
を含む、既設橋脚の基礎フーチング補強方法。
[請求項2]
前記補強構造体設置工程は、前記橋脚側面及び前記基礎フーチング上面に前記アンカー筋を巻込んで、少なくともハンチ状にコンクリートを場所打ちし、場所打ちコンクリートによって前記補強構造体を構築するコンクリート打設工程であることを特徴とする、請求項1記載の既設橋脚の基礎フーチング補強方法。
[請求項3]
前記掘削工程後、前記コンクリート打設工程前に、前記掘削により露出させた橋脚側面及び基礎フーチング上面のコンクリート表面をはつる、表面はつり工程を更に含むことを特徴とする、請求項2記載の既設橋脚の基礎フーチング補強方法。
[請求項4]
前記補強構造体設置工程は、前記補強構造体として、前記橋脚側面に接合する垂直板部と、前記基礎フーチング上面に接合する水平板部とを含む、鋼製補強構造体を用い、
前記橋脚側面と前記基礎フーチング上面とのなす角部に、前記鋼製補強構造体を配置して、前記アンカー筋により固定する鋼製補強構造体設置工程であることを特徴とする、請求項1記載の既設橋脚の基礎フーチング補強方法。
[請求項5]
前記鋼製補強構造体は、前記垂直板部と前記水平板部との間に配置されて、これらをリブ状につなぐ複数の補強板部を更に含むことを特徴とする、請求項4記載の既設橋脚の基礎フーチング補強方法。
【符号の説明】
【0049】
1 橋脚(既設橋脚)
1a 橋脚側面
2 基礎フーチング
2a 基礎フーチング上面
3 基礎杭
4 アンカー筋
5 ハンチコンクリート(補強構造体)
6 鋼製補強構造体
6a 垂直板部
6b 水平板部
6c 補強板部
7 取付孔
8 ロックナット