IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特許7536425通信装置、情報処理装置、制御方法、およびプログラム
<>
  • 特許-通信装置、情報処理装置、制御方法、およびプログラム 図1
  • 特許-通信装置、情報処理装置、制御方法、およびプログラム 図2
  • 特許-通信装置、情報処理装置、制御方法、およびプログラム 図3
  • 特許-通信装置、情報処理装置、制御方法、およびプログラム 図4
  • 特許-通信装置、情報処理装置、制御方法、およびプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】通信装置、情報処理装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20240813BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20240813BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240813BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04W72/0453
H04W84/12
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2019036703
(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公開番号】P2020141327
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】湯川 光彬
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0045461(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0041509(US,A1)
【文献】PARK,Eunsung et al.,Overview of PHY Features for EHT [online],IEEE 802.11-18/1967r1,Internet:<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/18/11-18-1967-01-0eht-overview-of-phy-featuresfor-eht.pptx>,2019年01月14日,slides 3-22
【文献】STACEY,Robert,Specification Framework for TGax [online],IEEE 802.11-15/0132r15,Internet: <URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/15/11-15-0132-17-00ax-spec-framework.docx>,2016年01月28日,section 3.2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、前記EHT-STFの後のEHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を送信する送信手段を有し、
前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当てを表すフィールドが含まれており、前記通信装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記EHT MU PPDUの送信に用いられるアンテナを含むことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記通信装置がOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)通信とMU-MIMO(Multi User Multiple-Input and Multiple-Output)通信との少なくとも一つを実行する場合に、前記EHT MU PPDUを送信することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記EHT MU PPDUと異なるPPDUを送信する場合、前記フィールドを含まないPPDUを送信することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記送信手段は、IEEE802.11EHT規格に準拠した前記EHT MU PPDUを送信することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置が帯域幅として160MHzの帯域幅を2つ使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置が帯域幅として20MHzの帯域幅、あるいは40MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数で構成されることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置が帯域幅として80MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、2を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置が帯域幅として160MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、4を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記フィールドは、前記所定のビット数毎に、低い周波数から奇数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示すことを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記フィールドは、前記所定のビット数毎に、低い周波数から奇数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示しており、前記送信手段は、前記EHT MU PPDUを送信する場合に、前記フィールドを前記EHT MU PPDUを送信する帯域のうちの第1の帯域を用いて送信するとともに、記所定のビット数毎に、低い周波数から偶数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示す第2フィールドであって、前記フィールドと同ビット数の第2フィールドを前記EHT MU PPDUを送信する前記帯域のうちの前記第1の帯域とは異なる第2の帯域を用いて送信することを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記L-STF、前記L-LTF、および前記L-SIGは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ax規格以前のIEEE802.11シリーズ規格に対応した通信装置が復号することができるフィールドであることを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記所定のビット数は8であることを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項14】
通信装置であって、
他の通信装置から、L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、EHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を受信する受信手段を有し、
前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当て表すフィールドが含まれており、前記他の通信装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されていることを特徴とする通信装置。
【請求項15】
前記受信手段は、前記EHT MU PPDUの受信に用いられるアンテナを含むことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記受信手段は、前記他の通信装置がOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)通信とMU-MIMO(Multi User Multiple-Input and Multiple-Output)通信との少なくとも一つを実行する場合に、前記EHT MU PPDUを受信することを特徴とする請求項14または15に記載の通信装置。
【請求項17】
前記受信手段は、前記EHT MU PPDUと異なるPPDUを受信する場合、前記フィールドを含まないPPDUを受信することを特徴とする請求項14から16の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項18】
前記受信手段は、IEEE802.11EHT規格に準拠した前記EHT MU PPDUを受信することを特徴とする請求項14から17の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項19】
前記他の通信装置が帯域幅として160MHzの帯域幅を2つ使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項14から18の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項20】
前記他の通信装置が帯域幅として20MHzの帯域幅、あるいは40MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数で構成されることを特徴とする請求項14から19の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項21】
前記他の通信装置が帯域幅として80MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、2を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項14から20の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項22】
前記他の通信装置が帯域幅として160MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、4を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項14から21の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項23】
前記フィールドは、前記所定のビット数毎に、低い周波数から奇数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示すことを特徴とする請求項14から22の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項24】
前記フィールドは、前記所定のビット数毎に、低い周波数から奇数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示しており、前記受信手段は、前記EHT MU PPDUを受信する場合に、前記フィールドを前記EHT MU PPDUを受信する帯域のうちの第1の帯域を用いて受信するとともに、と前記所定のビット数毎に、低い周波数から偶数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示す第2フィールドであって、前記フィールドと同ビット数の第2フィールドを前記EHT MU PPDUを受信する前記帯域のうちの前記第1の帯域とは異なる第2の帯域を用いて受信することを特徴とする請求項23に記載の通信装置。
【請求項25】
前記L-STF、前記L-LTF、および前記L-SIGは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ax規格以前のIEEE802.11シリーズ規格に対応した通信装置が復号することができるフィールドであることを特徴とする請求項14から24の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項26】
前記所定のビット数は8であることを特徴とする請求項14から25の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項27】
情報処理装置であって、
L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、EHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を生成する生成手段を有し、
前記生成手段が生成する前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当てを表すフィールドが含まれており、前記情報処理装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されることを特徴とする情報処理装置。
【請求項28】
前記生成手段は、前記情報処理装置がOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)通信とMU-MIMO(Multi User Multiple-Input and Multiple-Output)通信との少なくとも一つを実行する場合に、前記EHT MU PPDUを生成することを特徴とする請求項27に記載の情報処理装置。
【請求項29】
前記生成手段は、前記EHT MU PPDUと異なるPPDUを生成する場合、前記フィールドを含まないPPDUを生成することを特徴とする請求項27または28に記載の情報処理装置。
【請求項30】
前記生成手段は、IEEE802.11EHT規格に準拠した前記EHT MU PPDUを生成することを特徴とする請求項27から29の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項31】
前記情報処理装置が帯域幅として160MHzの帯域幅を2つ使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項27から30の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項32】
前記情報処理装置が帯域幅として20MHzの帯域幅、あるいは40MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数で構成されることを特徴とする請求項27から31の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項33】
前記情報処理装置が帯域幅として80MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、2を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項27から32の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項34】
前記情報処理装置が帯域幅として160MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、4を乗算したビット数で構成されることを特徴とする請求項27から33の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項35】
前記フィールドは、前記所定のビット数毎に、低い周波数から奇数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示すことを特徴とする請求項27から34の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項36】
前記フィールドは、前記所定のビット数毎に、低い周波数から奇数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示しており、前記情報処理装置は前記生成手段が生成したPPDUを送信する送信手段を更に有し、前記送信手段は、前記EHT MU PPDUを送信する場合に、前記フィールドを前記EHT MU PPDUを送信する帯域のうちの第1の帯域を用いて送信するとともに、前記所定のビット数毎に、低い周波数から偶数番目の20MHz分のサブバンドのRUの割り当てを示す第2フィールドであって、前記フィールドと同ビット数の第2フィールドを前記EHT MU PPDUを送信する前記帯域のうちの前記第1の帯域とは異なる第2の帯域を用いてことを特徴とする請求項27から35の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項37】
前記L-STF、前記L-LTF、および前記L-SIGは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ax規格以前のIEEE802.11シリーズ規格に対応した情報処理装置が復号することができるフィールドであることを特徴とする請求項27から36の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項38】
前記生成手段によって生成された前記EHT MU PPDUの送信に用いられるアンテナを更に有することを特徴とする請求項27から37の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項39】
前記所定のビット数は8であることを特徴とする請求項27から38の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項40】
通信装置の制御方法であって、
L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、EHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を含むHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を送信する送信工程を有し、
前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当てを表すフィールドが含まれており、前記通信装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されることを特徴とする制御方法。
【請求項41】
通信装置の制御方法であって、
他の装置から、L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、EHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を受信する受信工程を有し、
前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当て表すフィールドが含まれており、前記他の装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されていることを特徴とする制御方法。
【請求項42】
情報処理装置の制御方法であって、
L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、EHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を含むEHT MU PPDUを生成する生成工程を有し、
前記生成工程によって生成される前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当てを表すフィールドが含まれており、前記情報処理装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数で構成されることを特徴とする制御方法。
【請求項43】
コンピュータを請求項1から13の何れか一項に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項44】
コンピュータを請求項14から26の何れか一項に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項45】
コンピュータを請求項27から39の何れか一項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信によってデータを通信する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)が策定している、WLAN通信規格としてIEEE802.11シリーズ規格が知られている。なお、WLANとはWireless Local Area Networkの略である。IEEE802.11シリーズ規格としては、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax規格などの規格がある。
【0003】
特許文献1には、IEEE802.11ax規格では、OFDMA(Orthogonal frequency-division multiple access)による無線通信を実行することが開示されている。IEEE802.11ax規格では、OFDMAによる無線通信を実行することで、高いピークスループットを実現している。また、IEEE802.11ax規格では、OFDMAによる無線通信を実行することで、複数の相手装置と並行して通信するマルチユーザ通信を実現している。
【0004】
IEEEでは、次世代のWLAN通信規格として、IEEE802.11ax規格の後継規格である、IEEE802.11EHT(Extremely High Throughput)規格が検討されている。IEEE802.11EHT規格では、スループット向上を実現するために、電波の帯域幅を拡張することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-50133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マルチユーザ通信を実行する場合、相手装置に対して、使用する周波数帯域の一部(RU、Resource Unit)を割り当てる必要がある。しかし、IEEE802.11ax規格までは、使用できる電波の帯域幅は最大160MHzまでとされていたため、320MHzの帯域幅を使用して通信する場合に、RUの割り当てに関する情報を通信することができる適切なフレーム構成が存在しなかった。
【0007】
本発明は、320MHzの帯域幅を使用して通信することができる通信装置が、適切なフレーム構成によってRUの割り当てに関する情報を通信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面としての通信装置は、L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、前記EHT-STFの後のEHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を送信する送信手段を有し、 前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当てを表すフィールドが含まれており、前記通信装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数構成されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の側面としての通信装置は、他の通信装置から、L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、EHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を受信する受信手段を有し、前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当て表すフィールドが含まれており、前記他の通信装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の側面としての情報処理装置は、L-STF(Legacy-Short Training Field)と、L-LTF(Legacy-Long Training Field)と、L-SIG(Legacy-Signal)と、EHT-STF(Extremely High Throughput-Short Training Field)と、EHT-LTF(Extremely High Throughput-Long Training Field)と、を含むEHT MU(Multi User) PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)を生成する生成手段を有し、前記生成手段が生成する前記EHT MU PPDUにおいて、前記EHT-STFは前記L-SIGよりも後ろに配置されており、更に前記L-SIGと前記EHT-STFの間には、RU(Resource Unit)の割り当てを表すフィールドが含まれており、前記情報処理装置が帯域幅として320MHzの帯域幅を使用する場合、前記フィールドは、20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを表す所定のビット数に、8を乗算したビット数構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、320MHzの帯域幅を使用して通信することができる通信装置が、適切なフレーム構成によってRUの割り当てに関する情報を通信できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】通信装置202が参加するネットワークの構成を示す図である。
図2】通信装置202のハードウェア構成を示す図である。
図3】通信装置202が通信するEHT MU PPDUのPHYフレームの構成の一例を示す図である。
図4】20MHzの帯域幅におけるRUの割り当てパターンとRU Allocationサブフィールドの対応の一例を示す図である。
図5】320MHzの帯域幅を使用して通信する場合の、EHT-SIG-Bフィールドの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0014】
図1に、本実施形態に係る通信装置202が参加するネットワークの構成を示す。通信装置202は、ネットワーク201を構築する役割を有するアクセスポイント(AP、Access Point)である。また、通信装置203、204、205は、夫々ネットワーク201に参加する役割を有するステーション(STA、Station)である。各通信装置はIEEE802.11EHT規格に対応しており、ネットワーク201を介してIEEE802.11EHT規格に準拠した無線通信を実行することができる。なお、IEEEとは、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略である。また、EHTは、Extremely High Throughputの略である。なお、EHTは、Extreme High Throughputの略であると解釈してもよい。各通信装置は、2.4GHz帯、5GHz帯、および6GHz帯の周波数帯域において通信することができる。また、各通信装置は、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、および320MHzの帯域幅を使用して通信することができる。
【0015】
通信装置202~205は、IEEE802.11EHT規格に準拠したOFDMA通信を実行することで、複数のユーザの信号を多重する、マルチユーザ(MU、Multi User)通信を実現することができる。OFDMA通信とは、Orthogonal Frequency Division Multiple Access(直交周波数分割多元接続)の略である。OFDMA通信では、分割された周波数帯域の一部(RU、Resource Unit)が各STAに夫々重ならないように割り当てられ、各STAの搬送波が直交する。そのため、APは複数のSTAと並行して通信することができる。
【0016】
また、通信装置202~205はMU MIMO(Multi User Multiple-Input and Multiple-Output)通信によるMU通信を実現することができる。この場合、通信装置202は複数のアンテナを有し、1以上のアンテナを通信装置203~205の夫々に割り当てることで、複数のSTAとの同時通信を実現することができる。通信装置202は、通信装置203~205の夫々に対して送信する電波が干渉しないように調整することで、複数のSTAに対して同時に電波を送信することができる。
【0017】
通信装置202は、OFDMA通信とMU MIMO通信を組み合わせてMU通信を実現してもよい。即ち、APは複数のSTAとMU通信を実行する際に、ある閾値以上のRUにおいて、MU MIMO通信を実行してもよい。例えば、複数のSTAにRUを割り当てる場合に、サブキャリア数が106より小さいRUにおいては一台のSTAと通信し、サブキャリア数が106以上のRUにおいて、複数のSTAによるMU MIMO通信を実行するようにしてもよい。
【0018】
このように、MU通信を実行する場合、通信装置203~205は、各STAに対するRUの割り当てに関する情報を取得する必要がある。そのため、通信装置202は、通信装置203~205に、データ通信で用いるRUの各STAに対する割り当てについて、PHYフレームを用いて通知する。
【0019】
なお、通信装置202~205は、IEEE802.11EHT規格に対応するとしたが、これに加えて、IEEE802.11EHT規格より前の規格であるレガシー規格の少なくとも何れか一つに対応していてもよい。レガシー規格とは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax規格のことである。また、IEEE802.11シリーズ規格に加えて、Bluetooth(登録商標)、NFC、UWB、ZigBee、MBOAなどの他の通信規格に対応していてもよい。なお、UWBはUltra Wide Bandの略であり、MBOAはMulti Band OFDM Allianceの略である。なお、OFDMはOrthogonal Frequency Division Multiplexingの略である。また、NFCはNear Field Communicationの略である。UWBには、ワイヤレスUSB、ワイヤレス1394、WiNETなどが含まれる。また、有線LANなどの有線通信の通信規格に対応していてもよい。
【0020】
通信装置202の具体例としては、無線LANルーターやPCなどが挙げられるが、これらに限定されない。通信装置202は、他の通信装置とMU通信を実行することができる通信装置であれば何でもよい。また、通信装置202は、IEEE802.11EHT規格に準拠した無線通信を実行することができる無線チップなどの情報処理装置であってもよい。また、通信装置203~205の具体的な例としては、カメラ、タブレット、スマートフォン、PC、携帯電話、ビデオカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。通信装置203~205は、他の通信装置とMU通信を実行することができる通信装置であればよい。また、通信装置203~205は、IEEE802.11EHT規格に準拠した無線通信を実行することができる無線チップなどの情報処理装置であってもよい。また、図1のネットワークは1台のAPと3台のSTAによって構成されるネットワークであるが、APおよびSTAの台数はこれに限定されない。なお、無線チップなどの情報処理装置は、生成した信号を送信するためのアンテナを有する。
【0021】
図2に、本実施形態における通信装置202のハードウェア構成を示す。通信装置202は、記憶部301、制御部302、機能部303、入力部304、出力部305、通信部306、およびアンテナ307を備える。
【0022】
記憶部301はROMやRAM等のメモリにより構成され、後述する各種動作を行うためのコンピュータプログラムや、無線通信のための通信パラメータ等の各種情報を記憶する。ROMはRead Only Memoryの、RAMはRandom Access Memoryの夫々略である。なお、記憶部301として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。また、記憶部301が複数のメモリ等を備えていてもよい。
【0023】
制御部302は、例えばCPUやMPU等の1以上のプロセッサにより構成され、記憶部301に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、通信装置202全体を制御する。なお、制御部302は、記憶部301に記憶されたコンピュータプログラムとOS(Operating System)との協働により、通信装置202全体を制御するようにしてもよい。また、制御部302は、他の通信装置との通信において送信するデータや信号を生成する。なお、CPUはCentral Processing Unitの、MPUは、Micro Processing Unitの略である。また、制御部302がマルチコア等の複数のプロセッサを備え、複数のプロセッサにより通信装置202全体を制御するようにしてもよい。
【0024】
また、制御部302は、機能部303を制御して、無線通信や、撮像、印刷、投影等の所定の処理を実行する。機能部303は、通信装置202が所定の処理を実行するためのハードウェアである。
【0025】
入力部304は、ユーザからの各種操作の受付を行う。出力部305は、モニタ画面やスピーカーを介して、ユーザに対して各種出力を行う。ここで、出力部305による出力とは、モニタ画面上への表示や、スピーカーによる音声出力、振動出力などであってもよい。なお、タッチパネルのように入力部304と出力部305の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。また、入力部304および出力部305は、夫々通信装置202と一体であってもよいし、別体であってもよい。
【0026】
通信部306は、IEEE802.11EHT規格に準拠した無線通信の制御を行う。また、通信部306は、IEEE802.11EHT規格に加えて、他のIEEE802.11シリーズ規格に準拠した無線通信の制御や、有線LAN等の有線通信の制御を行ってもよい。通信部306は、アンテナ307を制御して、制御部302によって生成された無線通信のための信号の送受信を行う。なお、通信装置202が、IEEE802.11EHT規格に加えて、NFC規格やBluetooth規格等に対応している場合、これらの通信規格に準拠した無線通信の制御を行ってもよい。また、通信装置202が複数の通信規格に準拠した無線通信を実行できる場合、夫々の通信規格に対応した通信部306とアンテナ307を個別に有する構成であってもよい。通信装置202は通信部306を介して、画像データや文書データ、映像データ等のデータを通信装置203~205と通信する。なお、アンテナ307は、通信部306と別体として構成されていてもよいし、通信部306と合わせて一つのモジュールとして構成されていてもよい。
【0027】
図3には、本実施形態において、通信装置202が通信するEHT MU PPDUのPHYフレームの構成の一例を示す。なお、PPDUはPhysical Layer(PHY) Protocol Data Unitの略である。
【0028】
EHT MU PPDUとは、IEEE802.11EHT規格に準拠した通信装置が、MU通信を実行する際に用いるPPDUである。本フレームは、先頭部からL-STF401、L-LTF402、L-SIG403、RL-SIG404、EHT-SIG-A405、EHT-SIG-B406、EHT-STF407、およびEHT-LTF408によって構成される。また、EHT-LTF408の後に、データ409、およびPacket Extention410が続くように構成される。なお、EHT MU PPDUの各フィールドの並び順は、これに限らない。STFはShort Training Field、LTFはLong Training Field、およびSIGはSignalの略である。また、L-はLegacyの略であり、例えばL-STFはLegacy Short Training Fieldの略である。同様にEHT-はExtremely High Throughputの略であり、例えばEHT-STFはExtremely High Throughput Short Training Fieldの略である。また、RL-SIGは、Repeated Legacy Signalの略である。
【0029】
L-STF401、L-LTF402、およびL-SIG403は、夫々IEEE802.11EHT規格より前に策定されたレガシー規格である、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax規格に対して後方互換性がある。即ち、L-STF401、L-LTF402、およびL-SIG403は、IEEE802.11ax以前のIEEE802.11シリーズ規格に対応する通信装置が復号することが可能なレガシーフィールドである。
【0030】
L-STF401は、無線パケット信号の検出、自動利得制御(AGC、Automatic Gain Control)やタイミング検出などに用いられる。L-LTF402は高精度周波数・時刻同期化や伝搬チャンネル情報(CSI、Channnel State Information)取得などに用いられる。L-SIG403は、データ送信率やパケット長の情報を含んだ制御情報を送信するために用いられる。なお、RL-SIG404は省略してもよい。
【0031】
EHT-SIG-A405、EHT-SIG-B406、EHT-STF407、およびEHT-LTF408は、IEEE802.11EHT規格に対応した通信装置が復号することが可能なフィールドである。
【0032】
なお、L-STF401、L-LTF402、L-SIG403、RL-SIG404、EHT-SIG-A405、EHT-SIG-B406、EHT-STF407およびEHT-LTF408をまとめてPHYプリアンブルとする。
【0033】
EHT-SIG-B406は、コモンフィールド(common field)とユーザーフィールド(user field)の2つのフィールドから構成される。
【0034】
コモンフィールドは、以下の表1に示したサブフィールドから構成される。
【0035】
【表1】
【0036】
RU Allocationサブフィールドは、N×8ビットから成るフィールドであり、RUの割り当てに関する情報を示すフィールドである。例えば、帯域幅として20MHzの帯域幅を使用する際のRUの割り当てを示す場合、RU Allocationサブフィールドは8ビット(N=1)で構成され、20MHzの帯域幅におけるRUの割り当てを示す。IEEE802.11EHt規格では、帯域幅として最大320MHzまで使用することができるため、RU Allocationサブフィールドでは、最大で320MHzの帯域幅を使用する際のRUの割り当てを示すことになる。なお、Nは使用する帯域幅によって定まる値であり、データ通信に用いる帯域幅に応じて、N=1、2、4、8の何れかの値が入ることになる。Nと各帯域幅(20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、および320MHz)との対応は、表1に示した通りである。なお、80+80MHzの場合とは、80MHzの帯域幅を2つ使用する場合のことである。また、160+160MHzの場合とは、160MHzの帯域幅を2つ使用する場合のことである。
【0037】
図4には、20MHzの帯域幅におけるRUの割り当てパターンとRU Allocationサブフィールドの対応の一例を示す。RUを構成するサブキャリアの最小数は26であり、20MHzの帯域幅においては、例えば9つの26サブキャリアからなるRUに分割できる。図4に示したように、RU Allocationのビット列が00000000の場合、20MHzの帯域幅を1RUあたり26サブキャリアとなる9つのRUに分割して割り当てることを示す。また、RU Allocationのビット列が00000001の場合、20MHzの帯域幅を1RUあたり26サブキャリアとなる7つのRUと、1RUあたり52サブキャリアとなる1つのRUに分割して割り当てることを示す。
【0038】
なお、サブキャリアが106以上となるRUはMU MIMO通信に対応している。そのため、サブキャリアが106以上となるRUを含む割り当てについては、RU Allocationのビット列によって、サブキャリアが106以上となるRUで多重化されているSTAの数を示す。例えばy2y1y0と記載がある場合について、y0、y1、y2はそれぞれ0もしくは1であり、2^2×y2+2^1×y1+y0+1台のSTAが、サブキャリアが106以上となるRUにおいて多重化されていることを示す。
【0039】
図2のネットワーク201において、20MHzの帯域幅を使用している場合、通信装置203~205は通信装置202から受信したEHT MU PPDUに含まれるEHT-SIG-B406内のコモンフィールドを復号する。この場合に、使用している帯域幅が20MHzなので、コモンフィールド内のRU Allocationサブフィールドはビット数8ビットで構成される。通信装置203~205は、RU Allocationサブフィールドによって示されたRUの割り当てに従って、通信装置202と通信する。
【0040】
図5に、320MHzの帯域幅を使用して通信する場合のEHT-SIG-Bフィールドの構成の一例を示す。RU allocationサブフィールドは、8ビット当たりサブキャリア数が242のRUの割り当てを示す。また、20MHzサブバンドは、サブキャリア数が242のRUに相当する。つまり、RU Allocationサブフィールドは、8ビットあたり20MHz分のサブバンドにおけるRUの割り当てを示す。
【0041】
320MHzの帯域幅を使用して通信する場合、通信装置202は、帯域を20MHzサブバンド毎に分割し、サブバンド毎にRUの割り当てを行う。なお、320MHzの帯域幅は、16個の20MHzサブバンドに分割できるが、EHT-SIG-Bフィールドに全てのサブバンドのRU Allocationを含めるわけではない。図5に示したように、通信装置202は、低い周波数から順に、奇数番目のサブバンドのRUの割り当ての情報を持つEHT-SIG-Bフィールドと、偶数番目のサブバンドのRUの割り当ての情報を持つEHT-SIG-Bフィールドを夫々生成し、送信する。つまり、通信装置202は、8ビット毎に、1番目、3番目、5番目、7番目、9番目、11番目、13番目、および15番目の20MHzサブバンドのRUの割り当てを示すEHT-SIG-Bフィールドを通信することになる。また、奇数番目の20MHzサブバンドのRUの割り当てを示すEHT-SIG-Bフィールドとは別に、偶数番目の20MHzサブバンドのRUの割り当てを示すEHT-SIG-Bフィールドを通信する。この場合、RU allocationサブフィールドは、1つのサブバンドあたり8ビットによってRUの割り当てを示すことから、8つのサブバンドのRUの割り当てを示すには、64ビットが必要になる。このように、通信装置202は、320MHzの帯域幅を使用して通信する場合、32ビットのRU allocationサブフィールドを含むEHT-SIG-Bフィールドを、通信装置203~205と通信する。
【0042】
同様に、N=2以上となる帯域幅を使用する場合、奇数番目のサブバンドのRUの割り当ての情報を持つEHT-SIG-Bフィールドと、偶数番目のサブバンドのRUの割り当ての情報を持つEHT-SIG-Bフィールドを夫々生成し、送信する。なお、N=2以上となる帯域幅とは、80MHzの帯域幅、160MHzの帯域幅、および2つの160MHzの帯域幅の何れかである。
【0043】
このように通信装置202は、RU Allocationサブフィールドを含むEHT MU PPDUを生成し、送信することで、通信装置203~205にRUの割り当てに関する情報を通知することができる。
【0044】
また、通信装置203~205は、RU allocationサブフィールドを含むEHT MU PPDUを受信することで、RUの割り当てに関する情報を取得することができる。
【0045】
なお、EHT-SIG-Bは、EHT MU PPDUに含まれるフィールドであって、それ以外のPPDUには含まれない。具体的には、EHT-SIG-Bは、シングルユーザ通信(APと単一のSTA間での通信)を実行する際に通信されるEHT SU(Single User) PPDUには含まれない。また、EHT-SIG-Bは、通信距離を拡張したシングルユーザ通信を実行する際に通信されるEHT ER(Extended Range) SU PPDUにも含まれない。また、EHT-SIG-Bは、APからトリガーフレームを受信したSTAが応答として送信するEHT TB(Trigger-Based) PPDUにも含まれない。
【0046】
なお、本実施形態で示したRU Allocationサブフィールドのビット列が示すRUの割り当て方は一例にすぎない。RU Allocationサブフィールドのビット列が示すRUの割り当て方は本実施形態と異なるものであっても良い。
【0047】
また、本実施形態において、通信装置202はネットワーク内のAPであるとしたが、STAとして動作する装置であってもよい。また、通信装置202は、EHT MU PPDUを送信する装置であるとしたが、受信する装置であってもよい。この場合に、通信装置202は、受信したEHT MU PPDUのEHT-SIG-Bに含まれるRU allocationサブフィールドが示すRUでフレーム送信元の装置とデータ通信を実行する。
【0048】
本実施形態において、EHT MU PPDUのPHYフレームは、IEEE802.11ax規格以前のIEEE802.11シリーズ規格に対応する通信装置が復号することができるレガシーフィールドを含むとしたが、これに限らない。具体的には、EHT MU PPDUのPHYフレームは、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIGを含まないように構成されてもよい。この場合、EHT TB PPDUのPHYフレームは、先頭部から、EHT-STF,EHT-LTF,EHT-SIG-A, EHT-SIG-B、EHT-LTF、データフィールド、およびPacket Extentionによって構成されてもよい。なお、EHT-SIG-Bフィールドに続くEHT-LTFは省略してもよい。例えば6GHz帯で通信する場合、IEEE802.11ax規格以前の規格のみに対応する通信装置は信号を受信しないため、レガシーフィールドを含まないEHT MU PPDUを用いて通信してもよい。
【0049】
また、本実施形態で用いた各フィールドの名前や、ビットの位置、ビット数は本実施形態で記載したものに限らず、同様の情報が、異なるフィールド名や異なる位置、ビット数でPHYフレームに格納されても良い。
【0050】
以上、実施形態を詳述したが、本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)などとしての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、撮像装置、webアプリケーションなど)から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0051】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0052】
301 記憶部
302 制御部
303 機能部
304 入力部
305 出力部
306 通信部
307 アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5