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特許7536433情報処理装置の初期設定方法、情報処理装置、サインイン方法、端末装置および設定情報提供方法
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  • 特許-情報処理装置の初期設定方法、情報処理装置、サインイン方法、端末装置および設定情報提供方法 図1
  • 特許-情報処理装置の初期設定方法、情報処理装置、サインイン方法、端末装置および設定情報提供方法 図2
  • 特許-情報処理装置の初期設定方法、情報処理装置、サインイン方法、端末装置および設定情報提供方法 図3
  • 特許-情報処理装置の初期設定方法、情報処理装置、サインイン方法、端末装置および設定情報提供方法 図4
  • 特許-情報処理装置の初期設定方法、情報処理装置、サインイン方法、端末装置および設定情報提供方法 図5
  • 特許-情報処理装置の初期設定方法、情報処理装置、サインイン方法、端末装置および設定情報提供方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】情報処理装置の初期設定方法、情報処理装置、サインイン方法、端末装置および設定情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240813BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20240813BHJP
   A63F 13/73 20140101ALI20240813BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240813BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20240813BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240813BHJP
【FI】
H04W76/10 130
A63F13/30
A63F13/73
A63F13/79
G06F21/31
H04W84/12
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019183131
(22)【出願日】2019-10-03
(65)【公開番号】P2021061479
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-01-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】柳井 紳
(72)【発明者】
【氏名】松田 哲
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓哉
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】本郷 彰
【審判官】廣川 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-93781(JP,A)
【文献】特開2017-175447(JP,A)
【文献】特開2009-182564(JP,A)
【文献】特開2008-244945(JP,A)
【文献】特開2015-52976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置を利用して、無線通信のアクセスポイント機能を有する情報処理装置の初期設定を行う方法であって、
前記端末装置は、前記情報処理装置からアクセスポイント機能のSSIDを取得し、
前記情報処理装置は、パスコードを生成して、ディスプレイに前記パスコードに関する情報を表示し、
前記端末装置は、前記ディスプレイに表示された画像から前記パスコードを取得し、
前記端末装置は、取得した前記SSIDおよび前記パスコードを用いて、前記情報処理装置と無線接続し、
前記端末装置は、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を、前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記外部アクセスポイントと無線接続するための前記設定情報を登録し、
前記情報処理装置は、前記設定情報を用いて、前記外部アクセスポイントと無線接続し、
前記情報処理装置は、ユーザがサインインするためのアカウント情報をサーバに要求して、前記サーバからアカウント情報を取得する、
ことを特徴とする情報処理装置の初期設定方法。
【請求項2】
端末装置を利用して、無線通信のアクセスポイント機能を有する情報処理装置の初期設定を行う方法であって、
前記端末装置は、前記情報処理装置からアクセスポイント機能のSSIDを取得し、
前記情報処理装置は、パスコードを生成して、ディスプレイに前記パスコードに関する情報を表示し、
前記端末装置は、前記ディスプレイに表示された画像から前記パスコードを取得し、
前記端末装置は、取得した前記SSIDおよび前記パスコードを用いて、前記情報処理装置と無線接続し、
前記端末装置は、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を、サーバから取得し、
前記端末装置は、前記外部アクセスポイントと無線接続するための前記設定情報を、前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記外部アクセスポイントと無線接続するための前記設定情報を登録する、
ことを特徴とする情報処理装置の初期設定方法。
【請求項3】
前記端末装置は、前記ディスプレイに表示された画像を解析することで前記パスコードを取得する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置の初期設定方法。
【請求項4】
前記端末装置は、前記ディスプレイに表示された画像を解析することで、アクセスポイント機能の前記SSIDを取得する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置の初期設定方法。
【請求項5】
前記情報処理装置は、アクセスポイント機能の前記SSIDを無線で送信し、
前記端末装置は、前記情報処理装置から前記SSIDを受信する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置の初期設定方法。
【請求項6】
前記情報処理装置は、サインインするユーザを特定する情報を前記ディスプレイに表示し、前記端末装置からサインインに同意することを示す操作情報を受信すると、当該ユーザをサインインさせる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置の初期設定方法。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記端末装置からサインインに同意しないことを示す操作情報を受信すると、当該ユーザのアカウント情報を削除する、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置の初期設定方法。
【請求項8】
情報処理装置であって、
初期設定用のSSIDおよびパスコードを設定するアクセスポイント機能と、
前記パスコードに関する情報をディスプレイに表示する初期設定管理部と、
前記SSIDおよび前記パスコードを用いてアクセスポイント機能に接続した端末装置から、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を受け取り、記憶領域に登録する登録部と、
登録された前記設定情報を用いて無線通信モジュールのパラメータを設定して、前記外部アクセスポイントと無線接続する無線設定部と、
ユーザがサインインするためのアカウント情報をサーバに要求して、前記サーバからアカウント情報を取得するサインイン処理部と、を備え、
前記サインイン処理部は、取得したアカウント情報によりユーザをサインインさせる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置からユーザをサインインさせる方法であって、
初期設定用のSSIDおよびパスコードを設定するステップと、
前記パスコードに関する情報をディスプレイに表示するステップと、
前記SSIDおよび前記パスコードを用いて前記情報処理装置に接続した端末装置から、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を受け取るステップと、
受け取った前記設定情報を記憶領域に登録するステップと、
登録した前記設定情報を用いて無線通信モジュールのパラメータを設定して、前記外部アクセスポイントと無線接続するステップと、
ユーザがサインインするためのアカウント情報をサーバに要求するステップと、
前記サーバからアカウント情報を取得するステップと、
取得したアカウント情報によりユーザをサインインさせるステップと、
を有するサインイン方法。
【請求項10】
端末装置であって、
ディスプレイに表示された情報の画像を解析して、SSIDのパスコードを取得するパスコード取得部と、
情報処理装置のアクセスポイント機能の前記SSIDおよび前記パスコードを用いて、前記情報処理装置のアクセスポイント機能と無線接続する無線通信モジュールと、
前記端末装置と前記情報処理装置の間で無線接続が行われた後、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を、サーバから取得する設定情報取得部と、
前記サーバから取得した前記設定情報を、前記情報処理装置に送信する設定情報提供部と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項11】
端末装置において、情報処理装置と外部アクセスポイントとが無線接続するための設定情報を前記情報処理装置に提供する方法であって、
ディスプレイに表示された情報の画像を解析して、SSIDのパスコードを取得するステップと、
前記情報処理装置のアクセスポイント機能の前記SSIDおよび前記パスコードを用いて、前記情報処理装置のアクセスポイント機能と無線接続するステップと、
前記端末装置と前記情報処理装置の間で無線接続が行われた後、前記情報処理装置と前記外部アクセスポイントとが無線接続するための前記設定情報を、サーバから取得するステップと、
前記サーバから取得した前記設定情報を、前記情報処理装置に送信するステップと、
を備えることを特徴とする設定情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の初期設定に関係する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ゲーム装置である情報処理装置がインターネットを介してサーバに接続する情報処理システムを開示する。ユーザはゲーム装置にネットワークアカウントを登録し、サーバにサインインすることで、サーバが提供するネットワークサービスを利用できるようになる。サーバは、ユーザのネットワークアカウントを構成するサインインIDに紐付けて、ユーザアイコンやオンラインIDなどの各種データを管理する。
【0003】
ネットワークアカウントを既に保有しているユーザが、据置型のゲーム装置を購入すると、ゲーム装置をディスプレイに接続した後、使用言語の選択、無線(WiFi(登録商標))接続の設定、日付時刻の設定等の初期設定を行う。初期設定が終了すると、ユーザは、所定の登録手順にしたがって自身のネットワークアカウントをゲーム装置に登録し、サーバにサインインする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-5226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線接続の設定では、ゲーム装置が、周辺に存在する複数のアクセスポイントからSSIDを取得してディスプレイに表示し、ユーザがSSIDリストの中から自宅のアクセスポイントのSSIDを選択して、SSIDのパスコードを入力する。しかしながらユーザがSSIDやパスコードを忘れていると、自宅のSSIDを選択できず、またパスコードを入力できない。そこで無線接続の設定情報を簡易に登録できる仕組みを構築することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報処理装置の初期設定方法は、端末装置を利用して、無線通信のアクセスポイント機能を有する情報処理装置の初期設定を行う方法であって、端末装置は、情報処理装置からアクセスポイント機能のSSIDを取得し、情報処理装置は、パスコードを生成して、ディスプレイにパスコードに関する情報を表示し、端末装置は、ディスプレイに表示された画像からパスコードを取得し、端末装置は、取得したSSIDおよびパスコードを用いて、情報処理装置と無線接続し、端末装置は、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を、情報処理装置に送信し、情報処理装置は、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を登録する。
【0007】
本発明の別の態様の情報処理装置は、初期設定用のSSIDおよびパスコードを設定するアクセスポイント機能と、パスコードに関する情報をディスプレイに表示する初期設定管理部と、アクセスポイント機能に接続した端末装置から、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を受け取り、記憶領域に登録する登録部と、登録された設定情報を用いて無線通信モジュールのパラメータを設定する無線設定部とを備える。
【0008】
本発明のさらに別の態様の端末装置は、情報処理装置のアクセスポイント機能のSSIDおよびパスコードを用いて、情報処理装置のアクセスポイント機能と無線接続する無線通信モジュールと、外部アクセスポイントと無線接続するための設定情報を、情報処理装置に送信する設定情報提供部とを備える。端末装置は、ディスプレイに表示された情報の画像を解析して、SSIDのパスコードを取得するパスコード取得部をさらに備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例にかかる情報処理システムを示す図である。
図2】ゲーム装置の初期設定に使用する機能ブロックを示す図である。
図3】端末装置の機能ブロックを示す図である。
図4】無線接続の設定情報の登録手順を示すシーケンス図である。
図5】出力装置に表示されるパスコードに関する情報の例を示す図である。
図6】自動サインインする手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、端末装置6と、据置型のゲーム装置10と、サーバ5とを備える。サーバ5は、複数のサーバにより実現されてよい。ユーザの自宅に設置される外部アクセスポイント(以下、「AP」とよぶ)8は、無線アクセスポイントおよびルータの機能を有し、インターネットであるネットワーク3に接続する。図1では、ユーザが新しく購入したゲーム装置10をテレビなどの出力装置4に接続して、ゲーム装置10の初期設定を行う状況を示している。なおゲーム装置10は情報処理装置の一例であり、据置型であっても携帯型であってもよい。
【0012】
サーバ5は、ネットワークサービスをユーザに提供する。サーバ5はユーザを識別するためのアカウント情報を管理し、ユーザはアカウント情報を用いてサーバ5にサインインし、ネットワークサービスを利用する。実施例においてアカウント情報は、サインインID(Eメールアドレス)とサインイン用のパスワードで構成され、ユーザは、サインインIDおよびパスワードをサーバ5に登録することで、ネットワークサービスを利用する権利であるネットワークアカウントを所有する。なおアカウント情報は、ユーザを識別するための他の情報によって構成されてもよい。実施例で、ゲーム装置10を購入した当該ユーザは、アカウント情報をサーバ5に登録済みである。
【0013】
ユーザは様々な理由でゲーム装置10を買い換える。典型的には、新しいバージョンのゲーム装置が発売開始になったことが、ゲーム装置10を買い換えるきっかけとなる。ゲーム装置10でゲームをプレイできるようにするために、ユーザはゲーム装置10をテレビに繋ぎ、使用言語の選択、無線接続の設定、日付時刻の設定、省電力設定などの初期設定を完了した後、アカウント情報を登録する。これによりユーザはゲーム装置10でゲームをプレイでき、またネットワークサービスを利用できるようになる。
【0014】
実施例では、ユーザが端末装置6を利用して、外部アクセスポイントであるAP8と無線接続するための設定情報をゲーム装置10に登録する方法について説明する。端末装置6は、ユーザが保有するスマートフォンやタブレット装置であり、無線通信機能を有する携帯型の電子機器であってよい。ゲーム装置10に登録する設定情報は、それまで使用していたゲーム装置、たとえば旧バージョンのゲーム装置における無線接続の設定情報を引き継ぐ。そのためユーザは、新バージョンのゲーム装置10を購入する前に、旧バージョンのゲーム装置から、無線接続の設定情報をサーバ5にアップロードしておく。
【0015】
設定情報のアップロードの手法は様々考えられるが、旧バージョンのゲーム装置のメニュー画面に、無線接続の設定情報をアップロードする項目が設けられ、ユーザが当該項目を選択することで、無線接続の設定情報をサーバ5にアップロードできてよい。また旧バージョンのゲーム装置への次回ログイン時に、無線接続の設定情報をサーバ5にアップロードすることを、外部の機器等から指示できるようにしてもよい。いずれにしてもユーザは、旧バージョンのゲーム装置がAP8に接続しているうちに、新しいバージョンのゲーム装置10に無線接続の設定情報を引き継ぐことを目的として、無線接続の設定情報をサーバ5にアップロードし、サーバ5は、ユーザのサインインIDに紐付けて、無線接続の設定情報を記憶しておく。ゲーム装置10の初期設定時、ユーザは、設定情報をサーバ5から端末装置6に読み込み、端末装置6からゲーム装置10に送り込むようにする。なお旧バージョンのゲーム装置が、無線接続の設定情報を直接端末装置6に送信する機能を有していれば、端末装置6は、旧バージョンのゲーム装置から、無線接続の設定情報を取得してよい。
【0016】
図2は、ゲーム装置10の初期設定に使用する機能ブロックを示す。ゲーム装置10は、初期設定管理部100、アクセスポイント機能102、登録部104、無線設定部106、接続処理部108、無線通信モジュール110、サインイン処理部112およびアカウント保持部114を備える。
【0017】
図2において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0018】
図3は、端末装置6の機能ブロックを示す。端末装置6は、入力部200、受付部202、カメラ204、パスコード取得部206、無線通信モジュール208、通信制御部210、設定情報取得部212、設定情報提供部214および転送部216を備える。
【0019】
図3において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。実施例において、図3に示す機能ブロックの少なくとも一部は、初期設定用のアプリケーションを実行することで実現されてよい。
【0020】
以下、端末装置6を用いて、ゲーム装置10に無線接続の設定情報を登録する手順を説明する。端末装置6は、アカウント情報を登録しており、AP8を介してサーバ5に接続することで、ユーザは、サーバ5にサインインしている。サーバ5には、ゲーム装置10に引き継ぐべき無線接続の設定情報が保持されている。
【0021】
図4は、無線接続の設定情報の登録手順を示すシーケンス図である。初期設定管理部100は、ゲーム装置10のアクセスポイント機能102をオンすることで(S10)、無線接続の設定情報の登録処理を開始する。アクセスポイント機能102は、初期設定用のSSIDおよびパスコードを設定する。たとえばSSIDは、Initial_SetUpを先頭に必ず含む文字列であってよく、アクセスポイント機能102は、設定したSSIDで外部の端末装置6からのアクセスを待機する。アクセスポイント機能102は、一時的なパスコードを生成する。パスコードはランダムに生成されてよい。アクセスポイント機能102は、SSIDを無線で送信し、具体的にはSSIDを含むビーコンパケットを送信する。初期設定管理部100は、アクセスポイント機能102から一時的なパスコードを受け取り、パスコードに関する情報を出力装置4に表示する(S12)。
【0022】
図5は、出力装置4に表示されるパスコードに関する情報の例を示す。この例では、出力装置4に、パスコードを埋め込んだQRコード(登録商標)が表示される。初期設定管理部100が、パスコードを埋め込んだQRコードを出力装置4に表示することで、出力装置4の周辺にいるユーザのみが、パスコードに関する情報を取得できるようになる。またアクセスポイント機能102が、ランダムに一時的なパスコードを動的に生成することで、パスコードを固定とする場合と比べて、初期設定のセキュリティを高めることが可能となる。
【0023】
ユーザは端末装置6で、初期設定用のアプリケーションを起動する(S14)。無線通信モジュール208は、周辺に存在するアクセスポイントから送信されるビーコンパケットを受信し、通信制御部210は、ビーコンパケットに含まれるSSIDを取得する(S16)。通信制御部210は、取得したSSIDのうち、Initial_SetUpを先頭に含むSSIDを特定する。通信制御部210は、Initial_SetUpを先頭に含むSSIDを特定すると、端末装置6のディスプレイに、「テレビに表示されているQRコードを読み取ってください」と表示するとともに、カメラ204を起動する。
【0024】
ユーザは、端末装置6のカメラ204を出力装置4に向けて、出力装置4のディスプレイに表示された情報(QRコード)の画像を取得する(S18)。パスコード取得部206は、QRコードを含む画像を解析することで、ネットワーク(SSID)のパスコードを取得する(S20)。なおS16において、通信制御部210は、ビーコンパケットに含まれるSSIDを取得したが、SSIDはビーコンパケットにより公開されるのではなく、ディスプレイに表示されるQRコードに埋め込まれてもよい。このときS20において、パスコード取得部206は、QRコードを含む画像を解析することで、パスコードとともにSSIDを取得する。通信制御部210は、取得したSSIDおよびパスコードを無線通信モジュール208に通知し、無線通信モジュール208は、SSIDおよびパスコードを用いてゲーム装置10のアクセスポイント機能102にアクセスし、アクセスポイント機能102と無線接続する(S22)。
【0025】
端末装置6とゲーム装置10の間の無線接続が確立すると、設定情報取得部212は、無線接続の設定情報の取得要求を、無線通信モジュール208からAP8経由でサーバ5に送信する(S24)。サーバ5は、ユーザのサインインIDに紐付けられた無線接続の設定情報を抽出して、端末装置6に送信し(S26)、設定情報取得部212は、無線接続の設定情報を取得する。なお設定情報取得部212は、初期設定用アプリが起動された直後に、サーバ5から無線接続の設定情報を取得してもよい。設定情報提供部214は、無線接続の設定情報をゲーム装置10に送信する(S28)。
【0026】
ゲーム装置10において、登録部104が、無線接続の設定情報を受け取り、設定情報を格納する記憶領域(図示せず)に登録する(S30)。これにより初期設定における無線接続の登録処理が終了する。無線設定部106は、登録された設定情報を用いて無線通信モジュール110のパラメータ、具体的には無線通信モジュール110のSSIDおよびパスコードを設定し、AP8と無線接続させる。接続処理部108は、サーバ5との接続確認を行い(S32)、接続確認が終了すると、ゲーム装置10とサーバ5とが接続した状態となる。
【0027】
なお、この時点で、ユーザのアカウント情報は、まだゲーム装置10に登録されていない。そこでサインイン処理部112は、サーバ5に登録されているユーザのアカウント情報を、自動的に取得する処理を実施する。
【0028】
図6は、自動サインインする手順を示すシーケンス図である。サインイン処理部112は、ゲーム装置10のシステムソフトウェアが最新のものであるかサーバ5に確認する(S40)。ここでシステムソフトウェアが最新でなければ、サインイン処理部112は、システムアップデートが必要であることを判定し(S40のY)、サーバ5から最新のシステムソフトウェアをダウンロードする(S42)。初期設定管理部100は、最新のシステムソフトウェアをインストールしてから、再起動する(S44)。
【0029】
システム再起動後、またはS40において最新のシステムソフトウェアがインストール済みの場合(S40のN)、サインイン処理部112は、ユーザがサインインするためのアカウント情報をサーバ5に要求する。具体的にサインイン処理部112は、ユーザがゲーム装置10からサーバ5にサインインするための認証用コード(サインイン用コード)を要求し(S46)、サーバ5は、ランダムに生成したサインイン用コードを発行する(S48)。サインイン処理部112は、サインイン用コードを端末装置6に転送し(S50)、端末装置6において転送部216は、受け取ったサインイン用コードを、ユーザのサインインIDとともにサーバ5に転送する(S52)。サーバ5は、発行したサインイン用コードと、端末装置6から送信されたサインイン用コードが一致していることを確認すると、ユーザが正規のユーザであることを判定する。
【0030】
なおS50において、サインイン処理部112はサインイン用コードを端末装置6に転送したが、サインイン用コードに関する情報を出力装置4に表示してもよい。アクセスポイント機能102のパスコードに関して既に説明したように、サインイン処理部112は、サインイン用コードを埋め込んだQRコードを出力装置4に表示してよい。このときユーザは、端末装置6のカメラ204を出力装置4に向け、カメラ204は、出力装置4のディスプレイに表示された情報(QRコード)の画像を取得する。端末装置6は、QRコードを含む画像を解析することで、サインイン用コードを取得し、転送部216が、サインイン用コードを、ユーザのサインインIDとともにサーバ5に転送してよい。
【0031】
サーバ5がユーザ認証に成功したことをゲーム装置10に通知した後、サインイン処理部112は、ユーザのアカウント情報をサーバ5に要求し(S54)、サーバ5は、ユーザのアカウント情報を送信する(S56)。サインイン処理部112は、ユーザのアカウント情報を取得し(S58)、アカウント保持部114に保持させる。これによりユーザのアカウント情報がアカウント保持部114に記憶されることとなり、サインイン処理部112は、ユーザをサインインさせる(S60)。
【0032】
なおサインイン処理部112は、ユーザをサインインさせる前に、サインインするユーザを特定する情報を出力装置4に表示してもよい。多くの場合、ユーザは自動的にサインインすることを望むと考えられるが、初期設定だけ行って、その時点でのサインインを望まないユーザがいるかもしれない。そこで出力装置4には、ユーザのアイコンとともに「いまサインインしますか」と表示し、ユーザが端末装置6の入力部200からサインインに同意することを示す操作情報または同意しないことを示す操作情報を入力できるようにする。入力された操作情報は受付部202により受け付けられ、無線通信モジュール208からゲーム装置10に送信される。
【0033】
サインイン処理部112は、端末装置6からサインインに同意することを示す操作情報を受信すると、当該ユーザをサインインさせてよい。一方でサインイン処理部112は、端末装置6からサインインに同意しないことを示す操作情報を受信すると、当該ユーザをサインインさせることなく、アカウント保持部114から当該ユーザのアカウント情報を削除する。なおユーザが後日、サインインを希望する場合には、所定の手順にしたがってアカウント情報をアカウント保持部114に登録すればよい。
【0034】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0035】
実施例で、ゲーム装置10は情報処理装置の一例であり、情報処理装置は初期設定を必要とする電子機器、たとえばパーソナルコンピュータ、タブレットなどであってよい。
【符号の説明】
【0036】
1・・・情報処理システム、3・・・ネットワーク、4・・・出力装置、5・・・サーバ、6・・・端末装置、8・・・AP、10・・・ゲーム装置、100・・・初期設定管理部、102・・・アクセスポイント機能、104・・・登録部、106・・・無線設定部、108・・・接続処理部、110・・・無線通信モジュール、112・・・サインイン処理部、114・・・アカウント保持部、200・・・入力部、202・・・受付部、204・・・カメラ、206・・・パスコード取得部、208・・・無線通信モジュール、210・・・通信制御部、212・・・設定情報取得部、214・・・設定情報提供部、216・・・転送部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6