IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナブテスコ株式会社の特許一覧 ▶ 旭光電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-センサ 図1
  • 特許-センサ 図2
  • 特許-センサ 図3
  • 特許-センサ 図4
  • 特許-センサ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】センサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/06 20060101AFI20240813BHJP
   G01N 27/04 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
G01N27/06 A
G01N27/04 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019200714
(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公開番号】P2021076386
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 和彦
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-163133(JP,A)
【文献】特開2012-202417(JP,A)
【文献】特開2017-057961(JP,A)
【文献】特開2011-252458(JP,A)
【文献】特開2017-032112(JP,A)
【文献】特開2017-190813(JP,A)
【文献】特開2002-310967(JP,A)
【文献】特開2005-274486(JP,A)
【文献】特開2019-128311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-27/24
G01N 27/72-27/9093
G01N 15/00-15/1492
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出領域内の導体摩耗粉の量を検知するセンサ本体部と、
前記センサ本体部と接することなく、離間した位置に配置される別吸着部である感度調整手段と、
を備え、
前記センサ本体部は、
第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されて前記検出領域内の前記導体摩耗粉のうち、第1導体摩耗粉を吸着することにより前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気抵抗を変化させる吸着部と、
前記第1導体摩耗粉が所定量吸着されたことを検知する検知部と、
を備え、
前記感度調整手段は、
前記別吸着部が別磁石であり、前記別磁石が前記検出領域内の前記導体摩耗粉のうち前記第1導体摩耗粉とは別第2導体摩耗粉として吸着して前記第1導体摩耗粉の量を減少させるともに、
前記別磁石における磁力の強弱を調整するあるいは前記別磁石の表面積を増減することで前記別磁石における吸着能として前記第2導体摩耗粉の吸着可能量を調節して、前記センサ本体部における前記第1導体摩耗粉の吸着状態を調整して検知感度を変更可能である、
ことを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記感度調整手段は、前記第2導体摩耗粉を吸着する吸着能の異なる前記別磁石の群から選択して前記検出領域内に配置可能である、
請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記別磁石は、前記検出領域内における前記センサ本体部から最も離間した位置に配置される、
請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記別磁石は、初期摩耗によって発生する前記第2導体摩耗粉を吸着して、前記センサ本体部の検知感度を設定可能である、
請求項1に記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
減速機等の機械装置は、歯車等の機械部品の損傷を抑制するために、潤滑油が貯められたハウジング内に収容される。このような機械装置の運転時に機械部品が摩耗すると、摩耗粉(例えば、鉄粉などの導体物質)が潤滑油内に混入する。この摩耗粉は、例えば、鉄粉等の導体物質である。機械部品の摩耗が進んで故障率曲線(バスタブ曲線)における摩耗故障期に入ると、潤滑油内に混入した摩耗粉の量が増加する。このため、潤滑油内の摩耗粉の量を検知するセンサにより、機械部品の予防保全を的確に行うことができる。
【0003】
このようなセンサとして、例えば特許文献1には、自動車のトランスミッション等に装着され、オイル容器内のオイルの劣化や、オイルで潤滑される機械部品の摩耗程度等をチェックするオイルチェックセンサが開示されている。このセンサは、一対の電極と、オイル中に含まれる鉄粉等(導体物質)を吸着する磁石とを備えており、吸着された導体物質によって変化する一対の電極間の抵抗値に基づいて、オイル中の導体物質の量を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-286697号公報
【文献】特開2005-331324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、減速機等において検出する摩耗粉は、初期摩耗によって増加し、その後、ほぼ一定の通常運転を経た後、故障発生前に急激に増加する。本発明のセンサとしては、この故障前の摩耗粉量の増大を検知するが、減速機のサイズが大きい場合など、初期摩耗によって発生する摩耗粉量が多い場合、センサが誤動作して、本来検知すべき故障前の摩耗粉量の増大を検知できない場合がある。
また、センサの誤動作を防止して、故障前における検知により、減速機等を確実に停止・交換したいという要求がある。
【0006】
さらに、減速機等の機械装置の製造時には、切削加工等によって発生した大粒子径の異物(例えば、切粉等)が当該機械装置の構成部材に付着し、潤滑油内に混入する可能性がある。このような大粒子径の異物がセンサに付着すると、摩耗粉がほとんど発生してなくとも一対の電極間が短絡する。このように、摩耗粉の量を検知するセンサにおいては、摩耗粉の量が少なくても、予期せずにセンサが作動する場合がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、異物の混入や、摩耗粉の発生量と動作設定量との違いによる予期しない作動を抑制することが可能なセンサを提供することであるという目的を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一態様に係るセンサは、
検出領域内の導体摩耗粉の量を検知するセンサ本体部と、
前記センサ本体部と接することなく、離間した位置に配置される別吸着部である感度調整手段と、
を備え、
前記センサ本体部は、
第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されて前記検出領域内の前記導体摩耗粉のうち、第1導体摩耗粉を吸着することにより前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気抵抗を変化させる吸着部と、
前記第1導体摩耗粉が所定量吸着されたことを検知する検知部と、
を備え、
前記感度調整手段は、
前記別吸着部が別磁石であり、前記別磁石が前記検出領域内の前記導体摩耗粉のうち前記第1導体摩耗粉とは別第2導体摩耗粉として吸着して前記第1導体摩耗粉の量を減少させるともに、
前記別磁石における磁力の強弱を調整するあるいは前記別磁石の表面積を増減することで前記別磁石における吸着能として前記第2導体摩耗粉の吸着可能量を調節して、前記センサ本体部における前記第1導体摩耗粉の吸着状態を調整して検知感度を変更可能である。
本発明のセンサは、
前記感度調整手段は、前記第2導体摩耗粉を吸着する吸着能の異なる前記別磁石の群から選択して前記検出領域内に配置可能である、
ことができる。
本発明のセンサは、
前記別磁石は、前記検出領域内における前記センサ本体部から最も離間した位置に配置される、
ことができる。
本発明のセンサは、
前記別磁石は、初期摩耗によって発生する前記第2導体摩耗粉を吸着して、前記センサ本体部の検知感度を設定可能である、
ことができる。
【0009】
本発明の第一態様に係るセンサは、第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されて検出領域内の導体摩耗粉を吸着することにより前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気抵抗を変化させる吸着部と、 前記導体摩耗粉が所定量吸着されたことを検知する検知部と、
少なくとも前記吸着部以外に前記導体摩耗粉を吸着する別吸着部と、
を備える。
このセンサは、第1の電極と第2の電極との間に吸着された導体摩耗粉により第1の電極と第2の電極との短絡または電気抵抗変化により、検出領域の導体摩耗粉の量を検知部により検知可能とするとともに、別吸着部によって、検出領域の導体摩耗粉の吸着状態を調整して検知感度を変更する感度調整手段を備えている。これにより、検出領域内における導体摩耗粉の量に対する第1の電極と第2の電極との短絡または電気抵抗変化が調整されるので、予期しないセンサの作動を抑制することが可能である。
【0010】
本発明のセンサは、前記別吸着部が、前記第1の電極と前記第2の電極と前記吸着部とは離間した位置に配置される、ことができる。
【0011】
本発明のセンサは、前記別吸着部が、前記検出領域内に配置される、ことができる。
【0012】
本発明のセンサは、前記導体摩耗粉の吸着状態を調整して検知感度を変更する感度調整手段が、前記導体摩耗粉を吸着する吸着能の異なる前記別吸着部の群である、ことができる。
【0013】
本発明のセンサは、
有底筒状の外電極と、
前記外電極に有底内筒として配置される絶縁体と、
前記絶縁体の内部に配置される磁石と、
前記絶縁体の内部に配置されるとともに前記磁石よりも軸方向で前記外電極の開口側に位置する内電極と、
前記磁石により前記外電極および前記内電極を短絡するように導体摩耗粉が所定量吸着されたことを検知する検知部と、
少なくとも前記磁石以外に前記導体摩耗粉を吸着する別磁石と、
を有する。
【0014】
本発明のセンサによれば、感度調整手段である別磁石によって導体摩耗粉の吸着状態を調整する。これにより、摩耗粉の吸着量が多かった場合でも、導体摩耗粉の吸着に応じてセンサの検知感度を調整して、確実な検知をおこなうことが可能となる。特に、センサの設置される減速機等のサイズが大きく、初期摩耗粉の発生量が多かった場合に、初期摩耗粉の吸着を制限する、あるいは、吸着量が多い場合の検出状態を変化するように設定して、確実な検知をおこなうことが可能となる。
【0015】
これにより、想定される導体摩耗粉の発生量が多い場合に対応して、吸着能の高い別吸着部を選択して、電極間で摩耗粉が吸着される量を減少させ、センサの検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。また、想定される導体摩耗粉の発生量が少ない場合に対応して、吸着能が低い別吸着部を選択して、電極間で摩耗粉が吸着される量を増大させ、センサの検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。
さらに、前記感度調整手段が、前記外電極の外部に設けられた別磁石(別吸着部)を有する、ことができる。
この場合でも、複数の吸着量を有する別磁石の群から選択すること、あるいは、別磁石を設けないことができる。また、複数の吸着能を有する別吸着部から選択して、想定される導体摩耗粉の発生量に対応して、センサの検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。
これにより、想定される導体摩耗粉の発生量に対応して、別磁石により摩耗粉を吸着することで、電極間で摩耗粉が吸着される量を減らし、センサの検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。
具体的には、想定される導体摩耗粉の発生量が多い場合に対応して、強磁力または大きな別磁石を選択して、電極間で吸着される摩耗粉の量を削減し、センサの検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。また、想定される導体摩耗粉の発生量が少ない場合に対応して、磁力の弱いまたは小さな別磁石を選択するか、別磁石を設けないことで、電極間で吸着される摩耗粉が所定量となるように設定して、センサの検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。
つまり、センサでは、前記別磁石が検出領域内で離間して配置される、ことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、予期しない作動を抑制して、動作確実性を向上可能なセンサを提供することができるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係るセンサを備える機械装置の一例を示す断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るセンサの上面図および断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係るセンサを説明するための図である。
図4】本発明の第3実施形態に係るセンサを備える機械装置の一例を示す断面図である。
図5】本発明の第3実施形態に係るセンサを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るセンサの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサ5を備える機構1の一例を示す断面図である。機構1は、例えばロボットアーム等の可動部等であり、減速機2と、入力側に設けられたフランジ3と、サーボモータ4と、出力側の装置A1と、を備えている。
【0020】
減速機2は、フランジ3に取り付けられたケース21と、サーボモータ4の出力軸22に接続された入力軸23と、出力側の装置A1に接続された出力軸24とを備えている。入力軸23および出力軸24は、ケース21に対して軸AXを中心として回転可能に支持されている。サーボモータ4の出力は、入力軸23を介して減速機2に入力され、減速機2によって減速された後、出力軸24を介して出力側の装置A1に伝達される。これにより、出力側の装置A1とフランジ3とは相対回転可能となっている。
【0021】
フランジ3は筒状の部材であり、減速機2の少なくとも一部を収容する。また、フランジ3には、サーボモータ4が取り付けられる。軸AXに沿った方向におけるフランジ3の一端の開口部は減速機2によって塞がれ、他端の開口部はサーボモータ4によって塞がれている。これにより、フランジ3には、密閉された中空部(空間S)が形成されている。空間S内には潤滑油が収容されており、フランジ3はオイルバスとしても機能する。
【0022】
減速機2のケース21内には、例えば歯車機構が収容されている。ケース21内の空間は、フランジ3内の空間Sと連続している。減速機2が作動すると、ケース21内の歯車機構の回転に伴い、ケース21内の空間とフランジ3内の空間Sとの間で潤滑油の循環が生じる。この潤滑油の循環により、減速機2の内部で発生した摩耗粉(導体摩耗粉)等の導体物質がフランジ3内の空間Sに排出される。
【0023】
空間S内には、潤滑油内に含まれる導体物質の量を検知するためのセンサ5が取り付けられている。センサ5は、例えば支持部材25を介してフランジ3に固定される。センサ5は、磁石によって潤滑油内に含まれる導体物質を一対の電極間に集積させ、一対の電極間の電気抵抗の変化に基づいて潤滑油内の導体物質の量を検知する。センサ5が配置される位置は、例えばケース21内でもよく、潤滑油が収容された空間内であれば機構1内の任意の場所に配置することができる。なお、潤滑油の循環する範囲がセンサ5の検出領域とされる。
【0024】
次に、図2を参照して、センサ5の構造について詳細に説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係るセンサの構成を概略的に示す図である。図2は、センサ5の上面図、および当該上面図のA-A線に沿った断面を示している。
【0025】
図2に示されるように、センサ5は略円柱状の外形を有しており、第1の電極6と、磁石7と、第2の電極8と、締結部材9と、吸着部10と、別磁石(別吸着部)64Bと、を備えている。図2に示されるように、センサ5の上面から見て第1の電極6は円形状であり、センサ5の中心部に配置されている。第2の電極8は有底円筒状の部材であり、第1の電極6と略平行に延びる底部8aと、底部8aに連続し、当該底部8aに対して略垂直に延びる壁部(筒部)8bとを含む。
【0026】
磁石7は、略円柱状を呈しており、第1の電極6と第2の電極8の底部8aとの間に配置されている。第1の電極6、磁石7、および第2の電極8の底部8aのそれぞれには、締結部材9(図示の実施形態ではボルト)が挿通される貫通孔がそれぞれ設けられている。この貫通孔に締結部材9が挿通されることにより、第1の電極6、磁石7、および第2の電極8は互いに固定されている。第1の電極6と第2の電極8とは互いに離間した状態で固定される。第1の電極6および第2の電極8は、例えば、鉄やフェライトコア、ケイ素鋼等の導電性を有する磁性材料によって構成される。磁石7は、例えば永久磁石であるが、永久磁石を用いずに、第1の電極6が磁石と電極とを兼ねる構成としてもよい。
【0027】
吸着部10は、第1の電極6と第2の電極8との間の空間を埋めるように設けられており、第1の電極6と第2の電極8との間に介在している。第1の電極6と第2の電極8の壁部8bとの間の間隔X1は、潤滑油内に含まれる導体物質の寸法よりも大きくなっている。一例として、導体物質の寸法は1.0μm~100μm程度であり、間隔X1は初期摩耗鉄粉で短絡しない程度の距離にすることが好ましい。図示の実施形態では、磁石7は第1の電極6に接触し、吸着部10によって囲まれている。吸着部10は、例えば、樹脂等の絶縁性を有する非磁性材料によって構成されている。磁石7により、第1の電極6と第2の電極8との間には磁束線が形成される。これにより、潤滑油内に含まれる導体物質は吸着部10の周辺に集積される。
【0028】
センサ5は、第2の電極8に対して別体である別磁石(別吸着部)64Bを有する。
【0029】
センサ5が配置される位置は、例えばケース21内でもよく、潤滑油が収容された空間内であれば機構1内の任意の場所に配置することができる。
別磁石64Bが配置される位置は、空間S内におけるセンサ5から最も離間した位置とされる。したがって、別磁石64Bが配置される位置は、センサ5の配置に対応して、例えばケース21内でもよく、潤滑油が収容された空間内であれば機構1内の任意の場所に配置することができる。
【0030】
別磁石64Bは、空間S(図1参照)内に磁束線を形成する。これにより、潤滑油内に含まれる導体摩耗粉は別磁石64Bに吸着される。
別磁石64Bは、空間S内に露出しているため、潤滑油内に含まれる導体摩耗粉は別磁石64Bと、磁石7によって吸着部(絶縁体)10と、のそれぞれに吸着される。つまり、別磁石64Bがない場合に比べて、吸着部(絶縁体)10に吸着される導体摩耗粉の量は減少する。
【0031】
別磁石64Bは、減速機2の運転等による潤滑油の流れに逆らって、一度吸着した導体摩耗粉を再放出しない程度の吸着力を有する。また、別磁石64Bは、磁石7によって吸着部(絶縁体)10が吸着する導体摩耗粉の量を所定量減少させるように、磁力強度、あるいは、その表面積が設定される。
別磁石(別吸着部)64Bは、導体摩耗粉の吸着能を有していれば、磁石でない構成とすることも可能である。
【0032】
図2に示される実施形態において、吸着部10には、凸部10aが設けられ、吸着部10と一体に構成されている。すなわち、凸部10aと吸着部10とはワンピース構造を有している。このため、凸部10aは、吸着部10と同様に、例えば樹脂等の絶縁性を有する非磁性材料によって構成される。なお、吸着部10と凸部10aとは別体であってもよい。図2の断面図において、凸部10aの幅は、第1の電極6と第2の電極8の壁部8bとの間の間隔X1と略同一である。センサ5の上面から見て、凸部10aは環状を呈しており、第1の電極6の全周を囲むように形成されている。
【0033】
第1の電極6および第2の電極8には、それぞれ出力ライン(不図示)が接続されており、当該出力ラインを介して第1の電極6および第2の電極8は検知部50(図1参照)と電気的に接続されている。
【0034】
検知部50は、第1の電極6と第2の電極8との間の電気抵抗の変化を検知する。検知部50は、例えば、吸着部10の周辺への導体物質の集積による電気抵抗の変化に基づき、機構1の部品の故障予知を行うセンサ駆動回路を含む。検出領域の潤滑油内に含まれる導体物質が吸着部10の周辺に集積されると、電圧が印加された第1の電極6と第2の電極8との間の電気抵抗が低下(または短絡)し、出力ラインの出力レベルが変化する。検知部50は、この電気抵抗の変化を検出することで、機構1の部品の故障予知を行う。
【0035】
なお、電気抵抗の低下には、非通電と通電によるオン、オフ信号も含まれ、非通電と通電との2つの状態を検知(以下、「デジタル検知」という)してもよい。検知部50は、有線又は無線により、マニピュレータ等の上位制御装置(不図示)に接続されていてもよい。上位制御装置は、検知部50からの信号を受信すると、所定の報知手段(例えば、表示装置や音声出力装置等)により、減速機2等のメンテナンスを促す警告を発するように構成することができる。
【0036】
本実施形態のセンサ5は、別磁石64Bの磁力を強くする、あるいは、別磁石64Bの表面積を増やすことで、別磁石64Bの導体摩耗粉の吸着可能量を増やした場合、センサ5において、第1の電極6と第2の電極8との間での沿面距離を長くして、吸着部(絶縁体)10によって吸着される導体摩耗粉の量を少なくした場合と同じ効果を奏する。
【0037】
つまり、別磁石64Bの磁力を強くする、あるいは、別磁石64Bの表面積を増やすことで、吸着部(絶縁体)10において、第1の電極6と第2の電極8との間の抵抗値が閾値まで低減するか短絡する状態まで吸着する導体摩耗粉の量が大きくなる。
【0038】
また、別磁石64Bの磁力を弱くする、あるいは、別磁石64Bの表面積を減らすことで、別磁石64Bの導体摩耗粉の吸着可能量を減らした場合、第1の電極6と第2の電極8との間の沿面距離を短くして、吸着部(絶縁体)10によって吸着される導体摩耗粉の量を多くした場合と同じ効果を奏する。
なお、この場合、別磁石の磁力を弱くする際の吸着能の選択として、別磁石64Bを設けないこともできる。
つまり、別磁石64Bの磁力を弱くする、あるいは、別磁石64Bの表面積を減らすことで、吸着部(絶縁体)10において、第1の電極6と第2の電極8との間の抵抗値が閾値まで低減するか短絡する状態まで吸着する導体摩耗粉の量が小さくなる。
【0039】
これにより、減速機2のサイズがより一層大きい場合でも、減速機2における初期摩耗粉量の増大に影響されることなく、減速機2の故障検知を確実におこなうことができる。
このように、磁力または形状の異なる別磁石64Bの群から適宜選択することで、センサ5を変更することなく、また、他の構成部品に影響を及ぼすことなく、異なる感度のセンサ5として、減速機2の故障検知を確実におこなうことができる。
【0040】
本実施形態においては、想定される導体摩耗粉の発生量に対応して、検出領域で吸着部(絶縁体)10に対して離間位置にある別磁石64Bにより摩耗粉を吸着することで、第1の電極6と第2の電極8との間で摩耗粉が吸着される量を減らし、センサ5の検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。
【0041】
本実施形態において、別磁石(別吸着部)64Bは、導体摩耗粉の吸着部10への吸着状態を調整してセンサ5の検知感度を変更する感度調整手段とされる。
本実施形態の感度調整手段は、第1の電極6と第2の電極8との間において、吸着部(絶縁体)10によって吸着される導体摩耗粉の量を調節することが可能である。
具体的には、別磁石(別吸着部)64Bが、導体摩耗粉の吸着能、つまり、別磁石64Bにおける磁力の強弱を調整する、あるいは、別磁石64Bの表面積を増減する、さらに、別磁石64Bの表面に積層する非磁性体層の厚さを増減することで、別磁石64Bの導体摩耗粉の吸着可能量を調節する。
さらに、感度調整手段は、導体摩耗粉の吸着能が変化した別磁石(別吸着部)64Bの群を有する。
【0042】
本実施形態のセンサ5は、このような異なる吸着能の値に設定された別磁石(別吸着部)64Bの群を有し、この中から選択して空間S内に配置することができる。
つまり、吸着能の異なる複数の別磁石(別吸着部)64Bの群は、感度調整手段を構成する。
【0043】
本実施形態においては、別磁石64Bを初期摩耗鉄粉収集用として設けることによって、余計な初期耗鉄粉を収集することができる。これにより、センサ5の吸着部10に付着する初期摩耗鉄粉が減少するため、初期摩耗鉄粉による誤動作を防止することができる。従って、センサ5における第1の電極6と第2の電極8とのギャップ長さを広げる必要がない。
一方で、減速機2の故障時に発生する摩耗粉は初期耗鉄粉とは比較にならない大量に発生するため、センサ5における故障予知性能には影響ない。このため、確実な故障予知をおこなうことが可能となる。
【0044】
以下、本発明に係るセンサの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態におけるセンサを説明する図である。
本実施形態に係るセンサ30は、上述した第1実施形態におけるセンサ5と同様に、潤滑油内に含まれる導体物質の量を検知するためのセンサである。
【0045】
センサ30は略円柱状の外形を有しており、複数の検知ユニットと、当該検知ユニットにおいて電気抵抗が変化した場合に信号を出力する検知部50と、を備えている。
より具体的に、センサ30は、中心電極31と、複数の外側電極32と、中心電極31と外側電極32との間に配置された吸着部33と、磁石34と、別磁石64B(図1参照)と、を有している。複数の外側電極32は、互いに絶縁されており、中心電極31および1つの外側電極32から成る一対の電極と、当該一対の電極の間に配置された吸着部33とによって1つの検知ユニットが構成されている。
【0046】
図示の実施形態では、センサ30は4つの外側電極32A,32B,32C,32Dを有しており、4つの検知ユニットが構成されている。外側電極32の数、および検知ユニットの数は特に限定されない。センサ30の磁石34は、一対の電極の間に磁束線を形成するので、潤滑油内に含まれる導体物質は吸着部33に吸着される。このように、吸着部33の付近に導体物質が集積されると、検知ユニットにおける電気抵抗が変化する。導体粒子が吸着されていない状態において、複数の検知ユニットのそれぞれにおける電気抵抗は同一である。
【0047】
中心電極31および複数の外側電極32のそれぞれには出力ラインが接続されており、当該出力ラインを介して複数の検知ユニットのそれぞれは検知部50と電気的に接続されている。
本実施形態では、複数の検知ユニットは互いに並列に接続されており、中心電極31と各外側電極32との間には、同一の電圧源からの電圧が印加されている。検知部50は、設定された任意の数の検知ユニットにおいて電気抵抗が変化した場合に信号を出力する。例えば、検知部50は、2つ以上の検知ユニットにおいて電気抵抗が低下した場合にマニピュレータ等の上位制御装置に信号を出力するように設定されてもよいし、全ての検知ユニットにおいて電気抵抗が低下した場合に信号を出力するように設定されてもよい。
【0048】
以上説明したように、センサ30は複数の検知ユニットを備えており、検知部50は、設定された任意の数の検知ユニットにおいて電気抵抗が低下した場合に信号を出力する。これにより、たとえ大径導体片によって1つの検知ユニットにおいて電気抵抗が変化しても信号を出力しないように検知部50を設定することができる。したがって、大径導体片による予期しないセンサの作動を抑制することが可能である。また、センサ30によれば、検知部50が信号を出力する条件を設定することができるので、1つのセンサ30において信号が出力されるタイミングを、ユーザごとに要望が異なる最適な故障予知のタイミングに合わせることができる。
【0049】
また、導体粒子が吸着されていない状態において、複数の検知ユニットのそれぞれにおける電気抵抗は同一である。これにより、センサ30に印加する電圧を低くすることができる。
【0050】
また、複数の検知ユニットは、互いに並列に接続されている。これにより、それぞれの検知ユニットの一対の電極間に印加する電圧を低くすることができる。
【0051】
本実施形態においては、別磁石64Bを初期摩耗鉄粉収集用として設けることによって、余計な初期耗鉄粉を収集することができる。これにより、センサ30の吸着部33に付着する初期摩耗鉄粉が減少するため、初期摩耗鉄粉による誤動作を防止することができる。従って、センサ30における第1の電極(内電極)31と第2の電極(外電極)32とのギャップ長さを広げる必要がない。
一方で、減速機2の故障時に発生する摩耗粉は初期耗鉄粉とは比較にならない大量に発生するため、センサ30における故障予知性能には影響ない。このため、確実な故障予知をおこなうことが可能となる。
【0052】
以下、本発明に係るセンサの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係るセンサ5を備える機構1の一例を示す断面図である。 図5は、本実施形態におけるセンサを説明する図である。
【0053】
本実施形態におけるセンサ60は、図5に示すように、略円柱状の外形を有しており、第1の電極(内電極)61と、磁石64と、第2の電極(外電極)62と、締結部材(締結部)69と、吸着部(絶縁体)63と、ケース65を備えている。
センサ60の上面から見て第1の電極(内電極)61は円形状であり、センサ60の中心部に配置されている。第2の電極(外電極)62は有底円筒形の部材であり、第1の電極(内電極)61と略平行に延びる底部62aと、底部62aに連続して、当該底部62aに対して略垂直に延びる壁部(筒部)62bとを有する。第1の電極(内電極)61は、第2の電極(外電極)62の開口に位置する。
【0054】
磁石64は、略円柱状(略円盤状)を呈しており、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62の底部62aとの間に配置されている。第1の電極(内電極)61、磁石64、および第2の電極(外電極)62の底部62aのそれぞれには、締結部材(締結部)69(図示の実施形態ではボルト)が挿通される貫通孔がそれぞれ設けられている。この貫通孔に締結部材(締結部)69が挿通されることにより、第1の電極(内電極)61、磁石64、および第2の電極(外電極)62が互いに固定されている。
磁石64の外径は、第2の電極(外電極)62の外径よりも小さく形成されている。
【0055】
第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62とは互いに離間した状態で固定される。第1の電極(内電極)61および第2の電極(外電極)62は、例えば、鉄やフェライトコア、ケイ素鋼等の導電性を有する磁性材料によって構成される。磁石64は、例えば永久磁石であるが、永久磁石を用いずに、第1の電極(内電極)61が磁石と電極とを兼ねる構成としてもよい。
【0056】
吸着部(絶縁体)63は、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間の空間を埋めるように設けられており、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間に介在している。
吸着部(絶縁体)63は、第2の電極(外電極)62の底部62aに沿った底部63aと、第2の電極(外電極)62の壁部(筒部)62bに沿った筒部63bと、を有する。
底部63aと筒部63bとは別体とされる。底部63aは、シート状とされる。
【0057】
吸着部(絶縁体)63の底部63aは、例えば、絶縁紙として、その厚さを0.05~1mmとすることができる。吸着部(絶縁体)63の底部63aは、筒部63bの内径と略同一の外径である円形紙とすることができる。
さらに、底部63aは、筒部63bの内径よりも大きい外径である円形紙とすることができる。このとき、底部63aは、筒部63bの外径よりも小さい外径である円形紙とすることができる。さらに、底部63aは、筒部63bの外径と同じ外径である円形紙とすることができる。
【0058】
吸着部(絶縁体)63の筒部63bには、その内面に、段差63cが形成される。吸着部(絶縁体)63の筒部63bは、段差63cよりも第1の電極(内電極)61側は、第1の電極(内電極)61の外径と等しい内径寸法を有する。吸着部(絶縁体)63の筒部63bは、段差63cよりも磁石64側は、磁石64の外径と等しい内径寸法を有する。
【0059】
吸着部(絶縁体)63の筒部63bにおける端部の厚さ、つまり、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62の壁部62bとの間は、潤滑油内に含まれる導体物質の寸法よりも大きくなっている。一例として、導体物質の寸法は1.0μm~100μm程度であり、吸着部(絶縁体)63の筒部63bにおける端部の厚さは初期摩耗鉄粉で短絡しない程度の距離にすることが好ましい。図示の実施形態では、磁石64は第1の電極(内電極)61に接触し、吸着部(絶縁体)63によって囲まれている。
【0060】
吸着部(絶縁体)63は、例えば、樹脂等の絶縁性を有する非磁性材料によって構成されている。磁石64により、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間には磁束線が形成される。これにより、潤滑油内に含まれる導体物質は吸着部(絶縁体)63の周辺に集積される。
【0061】
本実施形態のセンサ60は、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62の端部を結ぶ平面が、検知面60aとされる。すなわち、検知面60aにおいて、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間に、磁束線に対応して導体摩耗粉が吸着されて、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間を電気的に接続することで、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間の抵抗値が変化することを検知するためである。
【0062】
第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間の沿面距離が長くなることによって、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間の抵抗値が閾値まで低減するか短絡する状態まで吸着する導体摩耗粉の量が大きくなる。
また、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間の沿面距離が短くなることによって、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間の抵抗値が閾値まで低減するか短絡する状態まで吸着する導体摩耗粉の量が小さくなる。
【0063】
本実施形態のセンサ60は、導体摩耗粉の吸着状態を調整して検知感度を変更する感度調整手段を有する。
本実施形態において、感度調整手段は、別吸着部(別磁石)64B(図4参照)とされる。さらに、本実施形態において、感度調整手段は、異なる吸着能を有する複数の別吸着部(別磁石)64Bの群から選択可能とされる。
【0064】
本実施形態の別吸着部(別磁石)64Bは、吸着能を選択することで、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間で吸着する導体摩耗粉の量を調節することが可能である。
これにより、感度調整手段として別吸着部(別磁石)64Bを選択することで、第1の電極(内電極)61と第2の電極(外電極)62との間に吸着する導体摩耗粉の量を複数の値から選択することができる。
【0065】
ここで、図4に示す機構1は、図1に示す第1実施形態と同等の構成とされる。
図4において、検出領域内でセンサ60が配置される位置は、例えばケース21内でもよく、潤滑油が収容された空間内であれば機構1内の任意の場所に配置することができる。
別磁石64Bが配置される位置は、空間S内におけるセンサ60から離間した位置とされていればよく。本実施形態において、別磁石64Bが配置される位置は、センサ60に対して、図1の機構1に比べて多少近接する位置となっている。
【0066】
本実施形態におけるセンサ60の組み立ては、次のようにおこなうことができる。
【0067】
まず、ケース65の内部に外側電極(外電極)62をセットする。次いで、外側電極(外電極)62の底部62aに吸着部(絶縁体)63の底部63aを配置する。次いで、外側電極(外電極)62に、選択した高さ寸法を有する吸着部(絶縁体)63の筒部63bを挿入する。次いで、筒部63bに、磁石64を挿入し、さらに、中心電極(内電極)61を挿入する。この状態で、締結部材(締結部)69を貫通して締結・固定することで、センサ60を組み立てる。
【0068】
本実施形態におけるセンサ60は、感度調整手段を有することで、検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。
具体的には、想定される導体摩耗粉の発生量が多い場合に対応して、感度調整手段を選択して、電極61,62間で摩耗粉が吸着される沿面距離を増大し、センサ60の検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。また、想定される導体摩耗粉の発生量が少ない場合に対応して、感度調整手段を選択して、電極61,62間で摩耗粉が吸着される長さを減らし、センサ60の検知感度を所定の状態に設定することが可能となる。
これにより、減速機2における初期摩耗粉量の増大に影響されることなく、減速機2の故障検知を確実におこなうことができる。
【0069】
減速機の型式(大きさ)の違いによって、初期摩耗で発生する鉄粉(摩耗粉)量には差があり、大型減速機の場合は初期摩耗鉄粉の量が多く、初期摩耗鉄粉によって、電極61,62間のセンサ電気ギャップが埋まって反応してしまい、誤動作する可能性がある。そのため、減速機型式に応じたセンサの電気ギャップ設計を行う必要があるが、センサの直径方向の大型化を招くという問題がある。
これに対し、本実施形態におけるセンサ60は、吸着能の異なる別吸着部(別磁石)64Bからなる感度調整手段を有することで、センサ60が大型化することがない。別吸着部64Bは、磁石以外にフィルター等でも良い。
【0070】
なお、本発明においては、上記の各実施形態における個々の構成を適宜組み合わせて対応することも可能である。
【符号の説明】
【0071】
2…減速機
5,30,60…センサ(センサ本体部)
6,61…第1の電極(内電極)
8,62…第2の電極(外電極)
9,69…締結部材(締結部)
10,63…吸着部(絶縁体)
7,34,64…磁石
10a,…凸部
31…中心電極
32(32A,32B,32C)…外側電極
50…検知部
60a…検知面
64B…別磁石(別吸着部)
図1
図2
図3
図4
図5