(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1339 20060101AFI20240813BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
G02F1/1339 500
G02F1/1335 510
(21)【出願番号】P 2020006490
(22)【出願日】2020-01-20
【審査請求日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】201910105114.5
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510134581
【氏名又は名称】群創光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Innolux Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曾 宇志
(72)【発明者】
【氏名】▲らい▼ ▲ちゅう▼宏
(72)【発明者】
【氏名】蔡 國順
(72)【発明者】
【氏名】謝 宸碩
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0261029(US,A1)
【文献】特開2018-165778(JP,A)
【文献】特開2018-205342(JP,A)
【文献】特開2018-205358(JP,A)
【文献】特開2016-061994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1339
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フレキシブル基板と、
前記第1フレキシブル基板上に配置される複数の第1スペーサと、
前記第1フレキシブル基板に対向して配置される第2フレキシブル基板と、
前記第2フレキシブル基板上に配置される複数の第2スペーサと、
前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板との間に配置される液晶層と、
を備え、
前記複数の第1スペーサまたは前記複数の第2スペーサの少なくとも1つが、角を有し、前記角の内側の湾曲の半径が、前記角の外側の湾曲の半径よりも大き
く、
前記複数の第1スペーサの前記の少なくとも1つが、L字形状である液晶表示装置。
【請求項2】
前記複数の第2スペーサの1つが、前記複数の第1スペーサの1つに重なり合う請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記複数の第1スペーサの1つが、前記複数の第2スペーサの1つを取り囲む請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記複数の第1スペーサの少なくとも3つが、前記複数の第2スペーサの1つを取り囲む請求項
1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
第1方向において、前記複数の第1スペーサの
隣接する2つ
の間に距離
があり、前記距離が
前記第1方向において前記複数の第2スペーサの1つの幅よりも小さい請求項
1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1方向とは異なる第2方向において、前記複数の第1スペーサの前記の隣接する2つのうちの1つに隣接して配置された前記複数の第1スペーサの別の1つがあり、前記複数の第1スペーサの前記の別の1つと前記複数の第1スペーサの前記の隣接する2つのうちの前記の1つとの間に別の距離があり、前記第2方向において、前記
別の距
離が前記複数の第2スペーサの
前記の1つの別
の幅よりも大きい請求項
5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記複数の第1スペー
サが、スペーサおよびもう1つのスペーサを備え、前記複数の第2スペーサの1つが、前記スペーサと前記もう1つのスペーサとの間に配置される請求項
1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記複数の第1スペーサまたは前記複数の第2スペーサの少なくとも1つが、Z字形状である請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記複数の第1スペーサの1つ、および、前記複数の第2スペーサの1つが、第1方向に沿って交互に並べられ、前記複数の第2スペーサの別なもう1つ、および、前記複数の第1スペーサの別のもう1つが、前記第1方向に沿って交互に並べられる請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
互いに隣接する前記複数の第1スペーサの2つが第1方向に沿って配置され、互いに隣接する前記複数の第1スペーサの他の2つが前記第1方向とは異なる第2方向に沿って配置され、前記複数の第2スペーサの1つが前記複数の第1スペーサの前記の2つの間に配置され、前記複数の第2スペーサの別の1つが前記複数の第1スペーサの前記の他の2つの間に配置される請求項
1に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
対称の軸が
前記複数の第1スペーサの前記の2つと前記複数の第1スペーサの前記の他の2つとの間にあり、前記複数の第1スペーサの前記の2つのうちの1つと前記対称の軸との間の距離が、
前記複数の第1スペーサの前記の他の2つのうちの1つと前記対称の軸との間の距離と等しい請求項
10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記複数の第1スペーサの前記の2つのうちの1つと前記対称の軸との間の距離が、
前記複数の第1スペーサの前記の2つのうちの別の1つと前記対称の軸との間の距離と異なる請求項
11に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記複数の第2スペーサの1つの底部の外縁、および、対応する、前記複数の第1スペーサの1つの底部の内側の外縁が、距離を有する請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板との間に配置される複数の支持スペーサをさらに備える請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
第1偏光板と第2偏光板とをさらに備え、前記第1偏光板は、前記第1フレキシブル基板の前記複数の第1スペーサから離れた側に取り付けられ、前記第2偏光板は、前記第2フレキシブル基板の前記複数の第2スペーサから離れた側に取り付けられる請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記複数の第1スペーサの1つおよび前記複数の第2スペーサの1つが、第1方向に交互に並べられ、前記複数の第2スペーサの1つの前記第1方向と前記液晶表示装置の上面視方向を含む平面に平行な平面上への投影が、前記複数の第1スペーサの1つの前記平面上への投影に重なり合う請求項1に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年2月1日に出願された中国特許出願第201910105114.5号の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は液晶表示装置に関し、より具体的には、フレキシブル基板を備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の進歩に伴い、明るさおよび薄さのトレンドに向けて、表示装置が次第に開発されている。液晶表示装置において、全体の重量と全体の厚さを減少させるために、ガラス基板を、プラスチック材料で形成されたフレキシブル基板に置き換えることができ、当該液晶表示装置が、プラスチック液晶ディスプレイ(PLCD)と呼ばれる場合がある。しかしながら、このPLCDは、改善する必要があるいくつかの欠点を未だに有している。例えば、フレキシブル基板は曲げられるので、フレキシブル基板に偏光板が取り付けられた後に、偏光板からフレキシブル基板に発生される応力がフレキシブル基板をたわませ、液晶表示装置のカラーフィルタ基板と薄膜トランジスタ基板との間の転位が起こり、これは薄膜トランジスタ基板の画素電極と対応するカラーフィルタとの間の相対位置がシフトされることであり、すなわち、画素電極またはカラーフィルタのゆがみが起こる。このようにして、液晶表示装置で光混合効果が発生する。薄膜トランジスタ基板に一体化されたカラーフィルタ(color filter on array, COA)の設計では、カラーフィルタと画素電極との間で転位が生じないように、カラーフィルタが薄膜トランジスタ基板上に直接製造されるが、ブラックマトリックスの穴は未だに対応する画素電極またはカラーフィルタと共に転位することがあり、開口率の大きな損失が起こる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2015/0116621号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0170251号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施形態は、第1フレキシブル基板と、複数の第1スペーサと、第2フレキシブル基板と、複数の第2スペーサと、液晶層と、を含む液晶表示装置を提供する。前記第1スペーサは前記第1フレキシブル基板上に配置され、前記第2フレキシブル基板は前記第1フレキシブル基板に対向して配置され、前記第2スペーサは前記第2フレキシブル基板上に配置され、前記液晶層は前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板との間に配置される。
【0006】
本開示のこれらの目的および他の目的は、様々な図および図面に示される実施形態の以下の詳細な説明を理解した後で、当業者にも明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る電子装置の上面図を示す概略図である。
【
図2】
図1の断面線A-A’に沿った断面図を示す概略図である。
【
図3】本開示の第2実施形態に係る電子装置の異なる部分の上面図を示す概略図である。
【
図4】
図3の断面線B-B’に沿った断面図を示す概略図である。
【
図5】本開示の第3実施形態に係る電子装置の上面図を示す概略図である。
【
図6】
図5の断面線C-C’に沿った断面図を示す概略図である。
【
図7】本開示の第4実施形態に係る電子装置の上面図を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に記載されるように、図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、本開示を理解できる。なお、説明の明確化のため、および読者に容易に理解されるようにするため、本開示の様々な図面は電子装置の一部を示しており、様々な図面の特定の構成要素が縮尺通りに描かれていない場合がある。加えて、これらの図面に示されるそれぞれの構成要素の数および寸法は一例にすぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0009】
特定の構成要素を参照するために、明細書およびこれに続く特許請求の範囲の全体に亘って一定の用語が使用される。当業者が理解するように、電子機器メーカーらが、ある構成要素を異なる名称で呼ぶ場合がある。本出願書類は、名称が異なるが機能が異ならない構成要素同士を区別することを意図していない。以下の詳細な説明および特許請求の範囲において、用語“含む(include)”、“備える(comprise)”および“有している(have)”は開放形式で使用され、したがって、これらの用語が「...を含むが、これに限定されない」を意味していると解釈されるべきである。構成要素がもう一つの構成要素(またはその変形)に“接続される(connected to)”といわれるとき、それはもう1つの部品に直接接続されるか、または1つ以上の介在部品を介してもう1つの部品に接続され得ると理解される。
【0010】
例えば“第1”、“第2”などの用語が詳細な説明や以下の特許請求の範囲で使用されて、特許請求の範囲の様々な構成要素を記載する場合があるが、これらの用語は、請求された構成要素に順序があることを意味せず、または表さず、ある請求された構成要素および他のある請求された構成要素の順序、または製造方法の順番を表していない。これらの用語は、ある種類を備える請求された構成要素を、同一の種類を備える他のある請求された構成要素から区別するために使用される。
【0011】
なお、以下の説明に記載される異なる実施形態の技術的特徴は、本開示の趣旨から逸脱することなく、別の実施形態を構成するために、お互いに交換、再結合または混合できることに留意されたい。
【0012】
電子装置10は、第1フレキシブル基板102と、複数の第1スペーサ104と、第2フレキシブル基板106と、複数の第2スペーサ108と、を含む。第1フレキシブル基板102および第2フレキシブル基板106は、互いに対向して配置され、電子装置内の駆動部品、アレイ部品、またはその他の必要なフィルム層を支えるために使用され、第1フレキシブル基板102および第2フレキシブル基板106は、曲げることのできる性質を有し、例えば、ガラス基板、ポリマー基板、またはその他の適切な基板を含むことができる。例えば、第1フレキシブル基板102の材料および第2フレキシブル基板106の材料は、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、その他の適切な材料、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。第1スペーサ104は第1フレキシブル基板102上に配置され、第2スペーサ108は第2フレキシブル基板106上に配置されることができる。
【0013】
図1は本開示の第1実施形態に係る電子装置の上面図を示す概略図であり、
図2は
図1の断面線A-A’に沿った断面図を示す概略図である。本開示の電子装置を明確に示すために、
図1は、電子装置10の1つのサブピクセルを示し、これらに限られないが第2フレキシブル基板、カラーフィルタ層、液晶層、および絶縁層を無視している。具体的には、
図2に示すように、第1スペーサ104が第1フレキシブル基板102上に配置されて第2フレキシブル基板106に近接し、第2スペーサ108が第2フレキシブル基板106上に配置されて第1フレキシブル基板102に近接し、そして第1スペーサ104と第2スペーサ108とが対応して配置されるようにして第1フレキシブル基板102および第2フレキシブル基板106が互いに接続され、第1スペーサ104の1つと、対応する第2スペーサ108とは重なり合っても重なり合わなくてもよい。
図1に示すように、本実施形態において、上方視点方向TDで、第1スペーサ104の1つは第2スペーサ108の1つに重なり合うことができる。また、第2スペーサ108の投影部の全体が第1スペーサ104の投影部に重なり合ってもよいが、第1スペーサ104の投影部が第2スペーサ108の投影部に完全に重なり合わなくてもよく、本開示はこれらに限定されない。用語“上方視点方向TD”は、電子装置10と垂直な方向を参照することができる。1つの第1スペーサ104の表面104aは、対応する第2スペーサ108の表面108aに接触してもよいし、他のフィルム層を介して対応する第2スペーサ108aに間接的に接触してもよく、第1スペーサ104と第2スペーサ108との間の摩擦力が増加するようにすることで、第1フレキシブル基板102と第2フレキシブル基板106との水平方向の相対移動を減少できることが留意される。用語“水平方向”は、電子装置10に平行な方向を参照することができ、例えば第1方向D1または第2方向D2であるが、これらに限定されない。第1スペーサ104の材料、および、第2スペーサ108の材料は、例えば、それぞれフォトレジスト材料、カラーフィルタ材料、またはその他の適切な絶縁材料を含むことができる。一例として、第1スペーサ104はフォトリソグラフィープロセスにより第1フレキシブル基板102上に形成されることができ、または、さらにエッチングプロセスと組み合わせてもよく、第2スペーサ108はフォトリソグラフィープロセスにより第2フレキシブル基板106上に形成されることができ、または、さらにエッチングプロセスと組み合わせてもよい。いくつかの実施形態において、第1スペーサ104および第2スペーサ108は、それぞれ単層または複層構造とすることができる。
【0014】
さらに、本実施形態において、上方視点方向TDで、第1スペーサ104の1つは、対応する第2スペーサ108を覆ってもよい。言い換えると、第1スペーサ104の投影部が、対応する第2スペーサ108の投影部よりも大きくてもよく、こうすることで、第1フレキシブル基板102が第2フレキシブル基板106に取り付けられるときに、第1スペーサ104を、対応する第2スペーサ108に一直線にすることが容易になる。もう一つの方法として、第1スペーサ104の1つ、および対応する第2スペーサ108が、第1スペーサ104の別の1つ、および対応する第2スペーサ108に完全に重なり合わされるようにしてもよく、こうすることで、第1スペーサ104と、対応する第2スペーサ108との間の部分的な重なりにより引き起こされる、第1スペーサ一104、および対応する第2スペーサ108上の一様でない応力を減らすようにすることができる。例えば、対応する第2スペーサ108の領域が、第1スペーサ104の領域よりも大きく、または小さくすることができる。上方視点方向TDから見ると、第2スペーサ108の外縁108Eと対応する第1スペーサ104Eとの間の距離G1は、5ミクロン(μm)よりも小さくすることができ、例えば2μm~3μmの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、第1スペーサ104、および対応する第2スペーサ108は互いに置き換えられる。本開示では、上方視点方向TDから見たスペーサの外縁104Eまたは108Eは、表面104aまたは108aの最外縁である。
【0015】
本実施形態において、
図2の断面図に示すように、互いに対応する、第1スペーサ104の表面104a、および、第2スペーサ108の表面108aは、曲線を描いてもよい。例として第1スペーサ104の表面104aについて述べると、第1スペーサ104の表面104aは、任意に、平面部104a1および曲線部104a2を有してもよく、曲線部104a2は
図1の上方視点方向TDで幅104EWを有することができる(例えば、上方視点方向TDで、曲線部104a2の最外縁である104Eの外縁から、曲線部104a2の最高地点まで)。この場合、距離G1を測定する必要があれば、最外縁である外縁104Eが計算地点として機能する。さらに、第1スペーサ104の下に配置された低層(例えば
図2の絶縁層I3)の1つの表面を見つけ、これが断面図で水平面として機能する。第1スペーサ104の表面104aが水平面に接触する開始位置は、最外縁、すなわち外縁104Eである。さらに、断面図での第1スペーサ104の左右両側の外縁104Eの間の距離は、断面図での第1スペーサ104の最大幅である。同じ方法が、第2スペーサ108の外縁108Eを見つけ、断面図での第2スペーサ108の最大幅を得るために使用されることができ、第1スペーサ104の最大幅と、第2スペーサ108の最大幅との間の差を10μmより小さくすることができ、例えば4μm~6μmの範囲とすることができる。上記2つの最大幅は、同じ断面図から算出されてもよいし、異なる断面図から別々に得られてもよいことが留意される。
【0016】
本実施形態において、第1フレキシブル基板102に面する第2スペーサ108の表面108aはまた、平面部108a1および曲線部108a2を有してもよいが、これに限定されない。平面部104a1の方面の法線方向NDは、第1フレキシブル基板102の法線方向(例えば上方視点方向TD)に平行であり、すなわち、平面部104a1は第1フレキシブル基板102に実質的に平行とすることができる。平面部104a1以外の表面104aは曲線部104a2であり、曲線部104a2の接線方向TSと、第1フレキシブル基板102との間の鋭角は、0°よりも大きく90°よりも小さく、この鋭角は連続して変化してもよい。いくつかの実施形態において、第1スペーサ104の表面104a、および/または、第2スペーサ108の表面108aは、平面部を有さなくてもよく、すなわち、第1スペーサ104の表面104aの全体、および/または、第2スペーサ108の表面108aの全体が、曲線を描いてもよい。いくつかの実施形態において、第1スペーサ104の表面104a、および/または、第2スペーサ108の表面108aは、平面部および曲線部に加え、第1フレキシブル基板102に垂直な側壁部を有してもよい(
図6に示すスペーサのように、スペーサの側壁部の接線方向TSが第1フレキシブル基板102の法線方向に実質的に平行である)。いくつかの実施形態において、第1スペーサ104の表面104a、および/または、第2スペーサ108の表面108aは、曲線部および側壁部を有するが、平面部を有さないようにしてもよい。さらに、異なるスペーサの曲線部が異なってもよく、例えば、曲面の傾斜または曲面の弧度が異なってもよく、そのため、設計によって曲線部の幅が異なったり変化したりしてもよい。
【0017】
本実施形態において、電子装置10は、例えば液晶表示装置100とすることができ、第1フレキシブル基板102と第2フレキシブル基板106との間に配置される液晶層110を含むことができるが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態において、電子装置10はまた、液晶レンズ、検出装置、またはアンテナとすることもできるが、本開示はこれらに限定されない。本実施形態において、液晶層110は、液晶表示装置100の表示グレースケールを調整するための複数の液晶分子LCを含むことができる。加えて、液晶表示装置100は、液晶表示装置100の各サブピクセルのサイズを規定するための、複数の開口112aを有する遮蔽パターン112をさらに含むことができる。
図1に示すように、開口112aは、一例としてアレイ構造に並べられてもよいが、これに限定されない。開口112aの横列方向および縦列方向はそれぞれ、例えば第1方向D1および第2方向D2とすることができるが、これに限定されない。第1スペーサ104および第2スペーサ108がサブピクセルの開口率に影響を与えることを避けるために、遮蔽パターン112が、上方視点方向TDにおいて第1スペーサ104および第2スペーサ108を覆い、第1スペーサ104および第2スペーサ108を遮蔽するようにしてもよい。本実施形態において、遮蔽パターン112は、第2フレキシブル基板106と液晶層110との間に配置されることができる。他の実施形態では、遮蔽パターン112は、第1フレキシブル基板102と液晶層110との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、第1方向D1は、例えば第2方向D2に垂直とすることができる。
【0018】
液晶表示装置100は、遮蔽パターン112の開口112aを覆うカラーフィルタ層114をさらに含むことができる。本実施形態において、カラーフィルタ層114の一部は、遮蔽パターン112と液晶層110との間に配置されることができる。いくつかの実施形態において、カラーフィルタ層114は、遮蔽パターン112と第2フレキシブル基板106との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、カラーフィルタ層114はまた、第1フレキシブル基板102と液晶層110との間に配置されてもよい。具体的には、カラーフィルタ層114は、複数の第1カラーフィルタブロック(図示せず)と、複数の第2カラーフィルタブロック(図示せず)と、複数の第3カラーフィルタブロック(図示せず)を含むことができ、これらは、それぞれ対応する開口112aを覆い、それぞれ第1カラー、第2カラーおよび第3カラーを有し、第1カラー、第2カラーおよび第3カラーは混ぜ合わされて白色になることができる。例えば、開口112aの同じ横列に対応する各第1カラーフィルタブロック、各第2カラーフィルタブロック、および各第3カラーフィルタブロックは、開口112aの横列方向に沿って交互に並べられることができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、液晶表示装置100は、任意に、その種類によって、カラーフィルタ層114と液晶層110との間に配置された配向層(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2スペーサ108の1つは、配向層上に直接配置されてもよいが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、第2スペーサ108はカラーフィルタ層114の一部としてもよい。いくつかの実施形態において、第2スペーサ108はカラーフィルタ層上に直接配置されてもよく、配向層は第2スペーサ108上に配置される。このような状況で、配向層の一部は、第2スペーサ108の1つと、対応する第1スペーサ104との間に配置されてもよいが、これに限定されない。
【0020】
本実施形態において、液晶表示装置100は、液晶層110と第1フレキシブル基板102との間に配置される薄膜トランジスタ層116をさらに含むことができる。例えば、
図2に描かれるように、薄膜トランジスタ層116は、第1金属パターン層M1と、絶縁層I1と、半導体層SEMと、第2金属パターン層M2と、絶縁層I2と、平坦化層PLと、第1透明電極(図示せず)と、絶縁層I3と、第2透明電極(図示せず)と、を含むことができ、これらは第1フレキシブル基板102上に順に積層される。上記薄膜トランジスタ層116の積層構造は、一例にすぎず、積層関係は設計要件にしたがって調整されることもできる。
図1に示すように、第1金属パターン層M1は、例えば複数のゲート電極GEと、複数のゲート線GLと、を含むことができる。絶縁層I1はゲート絶縁層として機能することができる。半導体層SEMは複数の半導体アイランドSEMIを含むことができる。第2金属パターン層M2は複数のソース電極SEと、複数のドレイン電極DEと、複数のデータ線DLと、を含むことができる。第1透明電極および第2透明電極の1つは画素電極PEとして機能し、第1透明電極および第2透明電極のもう1つは共通電極(図示せず)として機能することができ、第1透明電極および第2透明電極は絶縁層I3により互いに電気的に絶縁される。第1透明電極の材料および第2透明電極の材料はそれぞれ、例えば、ITO、IZOまたはその他の適切な材料等の透明伝導性酸化物(TCO)を含むことができる。ゲート線GLは第1方向D1に延び、データ線DLは第2方向D2に延びる。ゲート電極GE、ゲート絶縁層、半導体アイランドSEMI、ソース電極SEおよびドレイン電極DEは、薄膜トランジスタTFTを形成することができ、本実施形態の薄膜トランジスタTFTはボトムゲート型とすることができる。いくつかの実施形態において、薄膜トランジスタTFTは、トップゲート型、デュアルゲート型、またはその他の型とすることができるが、これらに限定されない。本実施形態の液晶表示装置100は、例えばin-plane switching(IPS)型からなることができる。いくつかの実施形態において、薄膜トランジスタ層116は液晶表示装置100の型によって異なる設計を有するようにしてもよく、例えば、液晶表示装置100はvertical alignment(VA)型からなるようにしてもよいが、これに限定されない。
【0021】
いくつかの実施形態において、液晶表示装置100は、任意に、その種類にしたがって絶縁層I3と液晶層110との間に配置される別の配向層(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1スペーサ104の1つは、当該別の配向層上に直接配置されてもよいが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、第1スペーサ104は絶縁層I3の一部としてもよい。、いくつかの実施形態において、第1スペーサ104は絶縁層I3上に直接配置されてもよく、配向層は第1スペーサ104上に配置される。この場合、配向層の一部は、第1スペーサ104の1つと、対応する第2スペーサ108との間に配置されてもよいが、これに限定されない。
【0022】
図1に示すように、遮蔽パターン112の各開口112aは画素電極PEに対応し、各画素電極PEは、開口112aの1つに対応する液晶表示層110の液晶分子LCの回転状態を制御することができ、これにより、対応するサブピクセルのグレースケール値を制御することができる。
図1は上方視点方向TDにおいて遮蔽パターン112に重なり合う画素電極PEの一部を示していないが、画素電極PEは対応するコンタクトホール118を介して対応するドレイン電極DEに電気的に接続されるドレイン電極DEに重なり合うように延びる、少なくとも一部を有してもよいことが留意されるべきである。例えば、画素電極PEは
図2に示す平坦化層PLと絶縁層I3との間に配置されることができ、コンタクトホール118は平坦化層PLと絶縁層I2との間に配置されることができるが、これらに限定されない。他の実施形態では、画素電極PEは
図2に示す絶縁層I3と警鐘層110との間に配置されてもよく、コンタクトホール118は平坦化層PL、絶縁層I2および絶縁層I3内に配置されてもよい。コンタクトホール118の配置のために、コンタクトホール118に対応する絶縁層I3の上面は平坦でなくてもよく、よって上方視点方向TDにおける第1スペーサ104の位置はコンタクトホール118の位置からできるだけ離れ得ることが留意されるべきである。
図1に示すように、本実施形態の第1スペーサ104の1つは、例えば対応する薄膜トランジスタTFTの上に直接配置されることができるが、これに限定されない。
【0023】
本実施形態において、
図2に示すように、液晶表示装置100は、第1偏光板120と、第2偏光板122と、をさらに含むことができる。第1偏光板120は第1フレキシブル基板102の第1スペーサ104から離れた側に取り付けられ、第2偏光板122は第2フレキシブル基板106の第2スペーサ108から離れた側に取り付けられる。いくつかの実施形態において、液晶表示装置100は、任意に、第1バッファ層124と、第2バッファ層と、をさらに含んでもよく、第1バッファ層124は薄膜トランジスタ層116と第1フレキシブル基板102との間に配置され、第2バッファ層126は遮蔽パターン112と第2フレキシブル基板106との間に配置される。第1バッファ層124および第1偏光板120はそれぞれ、第1フレキシブル基板102の両反対側に配置されるので、第1バッファ層124は第1フレキシブル基板102上で第1偏光板120により発生される外側への曲げ応力を調和させるために使用されることができ、第1偏光板120の応力により引き起こされる第1フレキシブル基板102のたわみを減らすことができる。同様に、第2フレキシブル基板106の第2偏光板122とは反対側に配置される第2バッファ層126は、第2フレキシブル基板106上で偏光板122により発生される外側への曲げ応力を調和させるために使用されることができ、第2偏光板122の応力により引き起こされる第2フレキシブル基板106のたわみを減らすことができる。第1バッファ層124の材料および第2バッファ層126の材料はそれぞれ、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはその他の適切な材料を含むことができる。
【0024】
従来の液晶表示装置では、偏光板がフレキシブル基板に取り付けられるとき、フレキシブル基板が偏光板により応力を加えられ、薄膜トランジスタ基板の画素電極PEと、対応するカラーフィルタブロックとの間の相対位置が移動し、液晶表示装置内で異常な光混合現象が引き起こされることがある、ことが留意される。本実施形態では、互いに重なり合う、第1スペーサ104の1つの表面104a、および、対応する第2スペーサ108の表面108aが、互いに接触するか、または他のフィルム層を介して互いに接触することができるので、第1スペーサ104と第2スペーサ108との間の摩擦力が増加し、第1スペーサ104と、対応する第2スペーサ108との間の水平方向の相対移動が減少し、第1フレキシブル基板102と第2フレキシブル基板106との間の水平方向の相対移動を減少させることができ、さらに画素電極PEと、対応するカラーフィルタブロックまたは対応する開口112aとの上方視点方向TDにおけるオフセットを減少させることができる。このようにして、液晶表示装置100の表示品質を改善することができる。
【0025】
本開示の電子装置は、上述した実施形態に限定されず、異なる種々の実施形態またはその他の実施形態を有してもよい。記載を簡略化するために、他の実施形態において同じ構成要素は第1実施形態と同じ符号を付ける。便宜上、第1実施形態と他の実施形態との間の相違を比較するために、以下の記載は第1実施形態と他の実施形態との間の相違を詳しく述べて、同一の特徴は重複して記載しないものとする。
【0026】
図3は本開示の第2実施形態に係る電子装置の異なる部分の上面図を示す概略図であり、
図4は
図3の断面線B-B’に沿った断面図を示す概略図である。本開示の電子装置は、一例として液晶表示装置200を挙げるが、これに限定されない。明確にするために、
図3に示す液晶表示装置200は、第2フレキシブル基板と、カラーフィルタ層と、液晶層と、絶縁層と、を割愛しているが、これに限定されない。
図3はスペーサの底部の外縁の形状を示す。第1スペーサ204Aの1つは第2スペーサ208Aに隣接して配置され得ることが留意される。
図4に示すように、局所的相対位置を制限する機能を達成するために、第1スペーサ204A、および対応する第2スペーサ208Aは、水平方向(例えば第2方向D2)で部分的に重なり合うことができ、第1スペーサ204Aは上方視点方向TDでは第2スペーサ208Aに重なり合わない。言い換えると、第1スペーサ204Aおよび第2スペーサ208Aは、例えばほぞ穴およびほぞとして機能することができ、第1フレキシブル基板102と、第2フレキシブル基板106との間の水平方向の相対移動を減らすことができる。この設計により、第1フレキシブル基板102と、第2フレキシブル基板106との間の水平方向の相対移動を減少させることができ、これにより画素電極と、対応するカラーフィルタブロックまたは対応する開口112aとの間の上方視点方向TDでの相対移動のオフセットを軽減することができる。液晶表示装置200の表示品質も改善することができる
【0027】
図3の部分Aに示すように、本開示で提供される液晶表示装置200の第1スペーサ204Aの1つは、第2スペーサ208Aの1つを取り囲むことができる。例えば、第1スペーサ204Aの上方視点の形状は閉じたリング形状とすることができ、第2スペーサ208Aを取り囲む第1スペーサ204Aにより、第2スペーサ208Aの位置は第1スペーサ204Aのリング形状内に制限され、これにより局所的相対位置を制限する機能を達成することができる。本実施形態において、リング形状は、実質的に長方形であり、スペーサの角を曲線状に設計することで製造の困難性を低減するが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態において、リング形状は円形であってもよい。上方視点方向TDから見ると、第2スペーサ208Aの底部の外縁208AE、および、対応する第1スペーサ204Aの底部の内側の外縁204AEは、第1フレキシブル基板102と第2フレキシブル基板106との間の水平方向のオフセット量に影響を与える最小距離G2を有する。例えば、距離G2は5μmよりも小さくすることができ、例えば2μm~3μmの範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、第1スペーサ204Aは、対応する第2スペーサ208Aに重なり合わないようにすることができるので、第1スペーサ204A、および対応する第2スペーサ208Aは、コンタクトホール118の位置で平坦でない表面によって影響を受けることがなく、第2スペーサ208Aは、上方視点方向TDにおいてコンタクトホール118と重なり合ってもよい。いくつかの実施形態において、A部分における異なる基板上の第1スペーサ204Aおよび第2スペーサ208Aの位置は、互いに置き換えることができる。いくつかの実施形態において、第1スペーサ204Aの角204ARの曲線状の設計は、製造の困難性を低減することができる。いくつかの実施形態において、第1スペーサ204Aの角204ARの内側の湾曲の半径を角204ARの外側の湾曲の半径よりも大きくすると、内側の位置制限機能を強めることができる。
【0028】
図3の部分Bに示すように、第1スペーサ204Bの1つは第2スペーサ208Bを取り囲むことができ、第1スペーサ204Bは第1部分P1Bを含むことができ、第1部分P1Bは、第2スペーサ208Bの移動を制限するために互いに分離された複数のスペーサSPBを含む。本開示において、第2スペーサ208Bに隣接した第1部分P1Bの配置を第1配置構造と呼ぶ。部分Bにおいて、各スペーサSPBは、任意に、少なくとも1つの小片部228(例えば2つの小片部228)を含むことができる。小片部228は、異なる方向(例えば第1方向D1または第2方向D2)に沿って延びて、1つの湾曲構造を形成するために接続されることができ、小片部228の間の角度が含まれる。例えば、この含み角度は約90°とすることができ、各スペーサSPBがL字形状であり得るが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのスペーサSPBをL字形状としてもよい。第2スペーサ208Bが第1配置構造の範囲を越えて移動するのを防ぐために、2つの隣接するスペーサSPBの間のある方向の距離G4を、同じ方向の第2スペーサ208Bの幅208BWよりも小さくしてもよく、ここで幅208BWは同方向の最大幅である。本実施形態において、第1部分P1BのスペーサSPBの数は4つとすることができ、スペーサSPBは実質的に長方形の範囲を取り囲むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、各スペーサSPBの含み角度は必要な角度に調整することもでき、スペーサSPBは必要な角度を取り囲むようにしてもよい。いくつかの実施形態において、第1部分P1BのスペーサSPBの数は2つとしてもよく、第2スペーサ208Bは2つのスペーサSPBの間に配置され、各スペーサSPBの小片部228は延伸方向(例えば矢印の方向)に沿って延ばされ、異なる方向に延びる2つの隣接する小片部228の距離G4は第2スペーサ208Bの幅208BWよりも小さくすることができる。いくつかの実施形態において、B部分における異なる基板上に配置された第1スペーサ204Bおよび第2スペーサ208Bの位置は、互いに置き換えることができる。いくつかの実施形態において、第1スペーサ204Bの角204BRの曲線状の設計は、製造の困難性を低減することができる。いくつかの実施形態において、第1スペーサ204Bの角204BRの内側の湾曲の半径を角204BRの外側の湾曲の半径よりも大きくすると、内側の位置制限機能を強めることができる。
【0029】
図3のC部分に示すように、第1スペーサ204Cは別の第1部分P1Cをさらに含むことができ、第1部分P1Cは、互いに分離され、別の第1配置構造として配置された複数のスペーサSPCを含み、第2スペーサ208Cは、第2スペーサ208Cの移動を制限するために別の第1配置構造内に配置される。部分Bと異なり、部分Cでは、スペーサSPCはブロックとすることができ、スペーサSPCの中心点は互いにつなげて領域Rとすることができる。ここで使用されるように、“第2スペーサ208Cは配置構造内に配置される”とは、第2スペーサ208Cの少なくとも一部が、上方視点方向TDにおいて領域R内に配置されることを意味する。本実施形態において、第1スペーサ204Cの第1部分P1Cは、少なくとも3つのスペーサSPCを含むことができ、任意の2つの隣接するスペーサSPCがある方向に距離を有し、少なくとも1つの距離が同じ方向の第2スペーサ208Cの幅よりも小さくすることができる。いくつかの実施形態において、同じ方向(例えば第1方向D1)で、これらの距離の別の距離G3が第2スペーサ208Cの幅208CWよりも大きくなるようにしてもよい。このような状況で、延伸線L1が、第2スペーサ208Cに隣接する開口112aの縁に見つけられ、データ線DLの延伸方向(例えば第2方向D2)と同じ方向の、第2スペーサ208Cの中心点から延伸線L1までの最短距離はW1である。第2スペーサ208Cの中心点から隣接する別の開口112aまでの最短距離が同じ方法で見つけられ、距離G3の間隔は別の開口112aに向かい合っており、距離W2は距離W1よりも大きい必要があり、第2スペーサ208Cが曲げにより開口112aに移動する状況を減らすようにする。
【0030】
図3のD部分に示すように、第1スペーサ204Dは別の第1部分P1Dをさらに含み、第1スペーサ204Dの第1部分P1Dは互いに分離されたスペーサSPD1および別のスペーサSPD2を含む。スペーサSPD1および別のスペーサSPD2は別の第1配置構造として配置され、第2スペーサ208Dは、第2スペーサ208Dの移動を制限するために、2つのスペーサSPD1とSPD2との間に配置される。
図3はスペーサの底部の外縁の形状を示す。本実施形態において、第1方向D1に平行な平面上への第2スペーサ208Dの投影幅が、2つのスペーサSPD1,SPD2の間の投影距離よりも大きくすることができ、および/または、第2方向D2に平行な平面上への第2スペーサ208Dの投影幅が、2つのスペーサSPD1,SPD2の間の投影距離よりも大きくすることができ、これにより第1方向D1および/または第2方向D2での第2スペーサ208Dの移動を制限することができる。D部分において、スペーサSPD1およびSPD2はブロックとすることもでき、C部分とは異なり、スペーサSPD1およびSPD2は一方向に配置されることができ、例えば、この方向は第1方向D1および第2方向と異なる。スペーサSPD1,SPD2の中心点は、互いにつなげられて接続線CLを形成することができる。ここで述べるように、“第2スペーサ208Dが2つのスペーサSPD1およびSPD2の間に配置される”とは、第2スペーサ208Dの少なくとも一部が上方視点方向TDにおいて接続線CLと交差することを意味する。さらに、上述したブロックは、長方形、正方形、三角形等とすることができるが、これらに限定されない。
【0031】
いくつかの実施形態において、液晶表示装置200の第1スペーサ、および対応する第2スペーサのいずれか1つが、A部分、B部分、C部分、およびD部分のうち少なくとも1つの第1スペーサ、および対応する第2スペーサを使用することができる。いくつかの実施形態において、液晶表示装置200の第1スペーサ、および対応する第2スペーサのいずれか1つが、第1実施形態の第1スペーサ104および第2スペーサ108を使用するようにしてもよい。いくつかの実施形態において、液晶表示装置200の第1スペーサおよび第2スペーサは、A部分、B部分、C部分、およびD部分のうち少なくとも1つの第1スペーサ、および対応する第2スペーサと、第1実施形態の第1スペーサ104および第2スペーサ108と、を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
図5は本開示の第2実施形態に係る電子装置の上面図を示す概略図であり、
図6は
図5の断面線C-C’に沿った断面図を示す概略図である。本実施形態の電子装置は、一例として液晶表示装置300を挙げているが、これに限定されない。液晶表示装置300を明確に示すために、
図5に示す液晶表示装置は、第2フレキシブル基板と、カラーフィルタ層と、液晶層と、絶縁層と、を割愛しているが、これらに限定されない。本実施形態の液晶表示装置300において、第1スペーサ304は第1部分P1Dおよび第2部分P2を含み、第1部分P1Dは第1配置構造として配置され、第2部分P2は第2配置構造として配置され、第1配置構造は第2配置構造と対称をなす。
【0033】
本実施形態において、第1部分P1Dは、例えば
図3に示すD部分の第1部分P1Dと同じように配置してよいが、これに限定されない。第1部分P1Dおよび第2部分P2はそれぞれ、スペーサSPD1および別のスペーサSPD2を含み、第2スペーサ208Dは第1部分P1Dの2つのスペーサSPD1,SPD2の間に配置され、別の第2スペーサ308は第2部分P2の2つのスペーサSPD1,SPD2の間に配置される。第1部分P1Dおよび第2部分P2は、それらの間に対称の軸を有し、第1部分P1Dおよび第2部分P2は対称の軸330に対して互いに対象である。言い換えると、距離G51は第1部分P1DのスペーサSPD1と対称の軸330との間の距離であり、距離G52は第2部分P2のスペーサSPD1と対称の軸330との間の距離であり、距離G51は距離G52と実質的に等しくすることができる。G61は第1部分P1DのスペーサSPD2と対称の軸330との間の距離であり、G62は第2部分P2の別のスペーサSPD2と対称の軸330との間の距離であり、距離G61は距離G62と実質的に等しくすることができる。いくつかの実施形態において、距離G51は距離G61と異なってもよい。例えば、第1部分P1Dは第1配置構造として配置され、第2部分P2は第2配置構造として配置され、第1配置構造は第2配置構造と異なり、第1部分P1Dおよび第2部分P2は、第2スペーサ208D,308のある方向(例えば第1方向D1または第2方向D2)への移動を制限することができる。本実施形態において、誤差範囲0~3μmが、用語“実質的に等しい”の範囲に入る。
【0034】
さらに、第1方向D1に平行な平面上への第2部分P2の投影幅を、第2部分P2の2つのスペーサSPD1,SPD2の間の投影距離よりも大きくすることができ、および/または、第2方向D2に平行な平面上への第2部分P2の第2スペーサ308の投影幅を、第2部分P2の2つのスペーサSPD1,SPD2の間の投影距離よりも大きくすることができ、これにより第2スペーサ308の第1方向D1および/または第2方向D2への移動を制限することができる。
【0035】
言い換えると、第1スペーサ304、および対応する第2スペーサ208D,308の第1部分P1Dおよび第2部分P2は、位置制限結合体を構成することができ、位置制限結合体において、第1部分P1DのスペーサSPD1,SPD2および第2部分P2のスペーサSPD1,SPD2を異なる方向に配置することで、対応する第2スペーサ208D,308の局所的相対位置を制限する機能が達成され、これにより第1フレキシブル基板102と第2フレキシブル基板106との間の水平方向への相対移動を減少させ、液晶表示装置300の表示品質を改善することができる。いくつかの実施形態において、液晶表示装置300は複数の位置制限結合体を含んでもよいし、1つの位置制限結合体における距離G51,G52,G61,G62はそれぞれ、別な1つの位置制限結合体における距離G51,G52,G61,G62と等しくしてもよい。
【0036】
図5および
図6に示すように、いくつかの実施形態において、液晶表示装置300は、第1フレキシブル基板102と第2フレキシブル基板106との間に配置される、複数の支持スペーサ(例えば
図5の支持スペーサ332等のような)をさらに含んでもよい。具体的には、支持スペーサは液晶層110の間隔を一定に維持するために使用され、このため支持スペーサは配向層に接触してもよいが、本開示ではこれに限定されない。いくつかの実施形態において、支持スペーサはまた、液晶層110に接触するフィルム層に接触してもよい。例えば、フィルム層は絶縁層、カラーフィルタ層、または遮蔽パターンとすることができる。いくつかの実施形態において、液晶表示装置100は、複数の補助スペーサ(
図5に示す補助スペーサ334として)をさらに備えてもよい。断面図において、各補助スペーサ334の高さは、支持スペーサ332の高さよりも低くすることができる。本実施形態において、支持スペーサは円形で、補助スペーサは三角形であるが、これらに限定されない。本開示において、上述した第1スペーサ、第2スペーサ、支持スペーサ、および補助スペーサの表面は、曲線状にすることができ、スペーサが強く押されたときに、上面が応力を消散させて、スペーサが損傷されるのを防ぐことが留意されるが、本開示はこれに限定されない。例えば、第1スペーサ304、および/または、支持スペーサ332、および/または、補助スペーサ334が第1フレキシブル基板102上に形成されるとき、第2フレキシブル基板106に向かい合う第1スペーサ304、および/または、支持スペーサ332、および/または、補助スペーサ334は、曲線状である。ここで述べる湾曲表面は、第1実施形態の第1スペーサ104の湾曲表面104aおよび第2スペーサ108の湾曲表面108aと似ている、または同じであってよい。第2スペーサ308は第2フレキシブル基板106上に形成され、第1フレキシブル基板102に向かい合う第2スペーサ308の表面は曲線状である。別な方法として、他の実施形態では、第1スペーサ304、および/または、支持スペーサ332、および/または、補助スペーサ334が第2フレキシブル基板106に形成されるとき、第1スペーサ304、および/または、支持スペーサ332、および/または、補助スペーサ334の表面は曲線状とすることができ、第2スペーサ308が第1フレキシブル基板102上に形成されるとき、第2フレキシブル基板106に向かい合う第2スペーサ308の表面は曲線状とすることができる。
【0037】
図7は本開示の第4実施形態に係る電子装置の上面図を示す概略図である。位置制限結合体を明確に示すために、
図7は、支持スペーサおよび補助スペーサを割愛しているが、これに限定されない。
図7のE部分に示すように、位置制限結合体は、少なくとも2つの第1スペーサ354E1,354E2と、少なくとも2つの第2スペーサ358E1,358E2と、を含むことができ、第1スペーサ354E1,354E2および第2スペーサ358E1,358E2は、少なくとも横2列、またはそれ以上に交互に配置される。本実施形態において、第1スペーサ354E1および第2スペーサ358E1は第1方向D1に連続して配置され、第2スペーサ358E2および第1スペーサ354E2は第1方向D1に連続して配置されることができる。いくつかの実施形態において、第1スペーサ354E1,354E2および第2スペーサ358E2,358E1は第2方向D2に並べられることができる。このような状況で、スペーサは開口率への影響を避けることを目的として開口112aを覆うことができない。上述した交互に並ぶ配置を通して、第1スペーサ354E1,354E2および第2スペーサ358E1,358E2は局所的相対位置を制限する機能を達成し、これにより第1フレキシブル基板と第2フレキシブル基板の水平方向への相対移動を減らすことができ、液晶表示装置350の表示品質を改善できるようになる。いくつかの実施得形態において、第1スペーサ354E1と第2スペーサ358E1との間の距離G7は、5μmよりも小さくすることができ、例えば2μm~3μmの範囲とすることができる。別な方法として、第1スペーサ354E1と第2スペーサ358E2との間の距離G8は、5μmよりも小さくすることができ、例えば2μm~3μmの範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、例えば、第1方向D1は第2方向D2に垂直とすることができる。いくつかの実施形態において、第スペーサ354E1または第2スペーサ358E2は、上方視点方向TDにおいてコンタクトホール118に重なり合うことができるが、これに限定されない。第1スペーサ354E1,354E2および第2スペーサ358E2,358E1は同じ方向に沿って延びる細長い一片、異なる方向に沿って延びる細長い一片、または円形等とすることができるが、これらに限定されない。
【0038】
図7のF部分に示すように、位置制限結合体は、少なくとも2つの第1スペーサ354Fと、少なくとも1つの第2スペーサ358Fと、を含むことができ、第2スペーサ358Fは2つの第1スペーサ354Fの間に配置されることができる。E部分と異なり、F部分では、第2スペーサ358Fおよび第1スペーサ354Fは同じ横列に配置される。本実施形態において、第1スペーサ354Fおよび第2スペーサ358Fのそれぞれは、二重曲げ構造とし、第1小片部336と、第2小片部338と、第3小片部340と、を含むことができる。第1小片部336の一端は第2小片部338の一端に接続され、第2小片部338の他端は第3小片部340の一端に接続され、第1小片部336の延伸方向(例えば矢印)および第3小片部340の延伸方向(例えば矢印)は、第2小片部338(例えば矢印)の延伸方向と異なり、二重曲げ構造を形成するようにすることができる。本実施形態において、二重曲げ構造は、例えばジグザグ形状(Z字形状)とすることができるが、これに限定されない。
図7に示すように、第1スペーサ354Fおよび第2スペーサ358Fは第1方向D1に並べられてもよく、第1小片部336および第3小片部340の延伸方向は、例えば第1方向D1とし、第2小片部338の延伸方向は、例えば第2方向D2としてもよい。
【0039】
第1方向D1に平行な平面上への第2スペーサ358Fの第1小片部336の投影は、隣接する第1スペーサ354Fの第3小片部340の投影に重なり合ってもよく、同じ第2スペーサ358Fの第3小片部340の投影は、別の隣接する第1スペーサ354Fの第1小片部336の投影に重なり合ってもよい。第2方向D2に平行な平面上への第2スペーサ358Fの第2小片部338の投影は、隣接する第1スペーサ354Fの第2小片部338の投影に重なり合ってもよく、同じ第2スペーサ358Fの第2小片部338の投影は、別の隣接する第1スペーサ354Fの第2小片部338の投影に重なり合ってもよく、このようにして、第2スペーサ358Fの第1方向D1および第2方向D2への移動を、第1スペーサ354Fにより制限することができる。したがって、第1フレキシブル基板と第2フレキシブル基板との間の水平方向の相対移動が減少され、液晶表示装置350の表示品質を改善することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、1つの第1スペーサ354Fの第1小片部336と、第2スペーサ358Fの第1小片部336との間の距離G9、第1スペーサ354Fの第3小片部340と、第2スペーサ358Fの第3小片部340との間の距離G10、および、第2スペーサ358Fの第3小片部340と、別の1つの第1スペーサ354Fの第1小片部336との間の距離G11を有することができる。距離G9,G10,G11はそれぞれ、5μmよりも小さくすることができ、例えば2μm~3μmの範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、互いに隣接する第2スペーサ358Fおよび第1スペーサ354Fの1つは第1小片部を含まないようにしてもよいし、または、互いに隣接する第2スペーサ358Fおよび第1スペーサ354Fの1つは第3小片部を含まないようにしてもよい。いくつかの実施形態において、第1スペーサ354Fまたは第2スペーサ358Fの少なくとも1つはジグザグ形状(Z字形状)とすることができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、液晶表示装置の第1スペーサおよび第2スペーサが、
図1に記載の第1スペーサ104および第2スペーサ108と、
図3のA部分、B部分、C部分およびB部分のうちの少なくとも1つに記載の第1スペーサおよび第2スペーサと、
図5に記載の位置制限結合体と、
図7のE部分およびF部分のうちの少なくとも1つに記載の位置制限結合体と、から選択される少なくとも2つの組み合わせを使用してもよい。
【0042】
上述したように、本開示の電子装置は、第1スペーサと第2スペーサとを重ね合わせることにより、または、1つの第2スペーサを、第1スペーサの配置構造内に、あるいは第1スペーサの間に配置することにより、または、第1スペーサおよび第2スペーサの位置制限結合体により、第1フレキシブル基板と第2フレキシブル基板との間の水平方向への相対移動を減らすことができ、これにより、画素電極と、対応するカラーフィルタブロックまたは対応する開口との上方視点方向におけるオフセットを軽減し、表示品質を改善することができる。
【0043】
当業者は、開示された教示内容を保持しながら、装置および方法の多数の改良および変更を行えると、容易に気づくだろう。したがって、上記開示は、添付の請求項の境界および範囲によってのみ限定されるとみなされるべきである。
【符号の説明】
【0044】
10 電子装置
100,200,300,350 液晶表示装置
102 第1フレキシブル基板
106 第2フレキシブル基板
104,204A,204B,204C,204D,304,354E1,354E2,354F 第1スペーサ
108,208A,208B,208C,208D,308,358E1,358E2,358F 第2スペーサ
104E,204AE 第1スペーサの外縁
108E,208AE 第2スペーサの外縁
104EW 第1スペーサの幅
208BW,208CW 第2スペーサの幅
110 液晶層
112 遮蔽パターン
112a 開口
118 コンタクトホール
120 第1偏光板
122 第2偏光板
204AR,204BR 角
330 対称の軸
332 支持スペーサ
334 補助スペーサ
SPB,SPC,SPD1,SPD2 スペーサ
TD 上方視点方向
D1 第1方向
D2 第2方向
G1,G2,G3,G4,G51,G52,G61,G62 距離
P1B,P1C,P1D 第1部分
P2 第2部分