(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20240813BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20240813BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240813BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240813BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240813BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
G06F3/02 520
G06F3/02 460
G06F1/16 312U
H04N1/00 519
H04N1/00 127Z
B41J29/00 C
B41J29/00 T
G03G21/16 152
G03G21/16 119
G03G21/00 376
(21)【出願番号】P 2020015974
(22)【出願日】2020-02-03
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2019018768
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福士 研司
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207096936(CN,U)
【文献】特開2011-118584(JP,A)
【文献】登録実用新案第3071557(JP,U)
【文献】登録実用新案第3079756(JP,U)
【文献】特開2007-018030(JP,A)
【文献】特開2007-296781(JP,A)
【文献】登録実用新案第3078021(JP,U)
【文献】特開2007-098850(JP,A)
【文献】特開平11-288352(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105786196(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02-3/027
G06F 1/16
H04N 1/00
B41J 29/00
G03G 21/16
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部の読取結果に基づいて記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置であって、
ソフトウェアキーとして前記画像読取部による画像の読み取りの開始を指示するソフトウェア実行キーを表示する表示画面を有する操作部と、
0~9の数値に関する情報を入力可能なハードウェアキーとしての複数の数値キーであって、それぞれ対応する0~9の数字が記載された数値キーが配列された数値キー部
を有する入力装置であって、
前記画像形成装置と前記入力装置とをUSB接続する接続部であって、押下された前記数値キーに応じた信号を通信する接続部と、
前記数値キーに記載された数字の上下方向において、前記入力装置の筐体における、前記数値キーより下側の側面に設けられたUSBポートであって、前記画像形成装置とは異なる外部機器を前記入力装置に対してUSB接続可能なUSBポートと、
前記数値キー部と前記USBポートと前記接続部とに電気的に接続されたUSBハブと、
を有する入力装置と、
を備
え、
前記数値キーは、電話型の配列で配列され、
前記操作部は、前記画像形成装置の前後方向において前側に設けられ、
前記入力装置は、前記筐体が前記画像形成装置に装着された状態において、前記画像形成装置の前記前後方向と鉛直方向とに直交する方向において、前記操作部よりも右側に配置される、
ことを特徴とする
画像形成装置。
【請求項2】
押下された前記数値キーに応じた信号は、前記USBハブを介して前記接続部に出力される、
ことを特徴とする請求項1に記載の
画像形成装置。
【請求項3】
前記入力装置は、画像形成の開始を指示するスタートキーを有し、
前記スタートキーは、前記上下方向において前記数値キー部の下側に位置する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の
画像形成装置。
【請求項4】
前記スタートキーは、前記数値キーに記載された数字の左右方向において前記数値キーとオーバーラップする、
ことを特徴とする請求項3に記載の
画像形成装置。
【請求項5】
前記入力装置は、画像形成の中止を指示するストップキーを有し、
前記ストップキーは、前記上下方向において前記数値キー部の下側に位置する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
画像形成装置。
【請求項6】
前記ストップキーは、前記数値キーに記載された数字の左右方向において前記数値キー部とオーバーラップする、
ことを特徴とする請求項5に記載の
画像形成装置。
【請求項7】
前記USBポートは第1のUSBポートであって、
前記入力装置は、前記筐体に設けられ且つ前記画像形成装置とは異なる外部機器をUSB接続可能な第2のUSBポートを備え、
前記第2のUSBポートは、前記数値キーに記載された数字の左右方向において、前記数値キー部より右側の側面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
画像形成装置。
【請求項8】
前記入力装置は、前記画像形成装置からの信号により発光可能な発光部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
画像形成装置。
【請求項9】
前記入力装置は、前記USBハブと、前記USBポートと、前記数値キーへの入力を検知するマイコンと、を有する基板を備え、
前記数値キーに記載された数字の左右方向において、前記USBポートは前記USBハブと前記マイコンと、の間に位置する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードウェアキーを有し画像形成装置に外付けする入力装置と、この入力装置を外付けした画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電子写真方式の画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複数の機能を有する複合機等として広く応用されている。このような画像形成装置において、ユーザが画像形成枚数やファクシミリ番号などの数値の入力、あるいは画像形成処理の開始や停止などの処理の入力を行うために、例えば、装置本体の前側上部に情報を表示及び入力可能な操作部(表示部)が設けられている。このような操作部としては、例えば、表示画面に入力キー(ソフトウェアキー)が表示されるタッチパネルと、テンキーやスタートやストップなどのハードウェアキーとを備えるものが普及している。ハードウェアキーは、例えばタッチパネルに隣接して配置されている。
【0003】
近年では、例えばタッチパネルにソフトウェアキーからなるテンキー部を表示する等の理由でタッチパネルの大型化が進んでおり、操作部の小型化が望まれていた。そこで、ハードウェアキーからなるテンキー部やスタートキーを設けずに、タッチパネルのソフトウェアキーのみを使用して全ての情報入力を実現可能とした入力装置が開発されている(特許文献1参照)。この入力装置では、通常はタッチパネルのみで情報を入力可能であるが、ユーザの希望に合わせてオプションとしてハードウェアキーからなる数値キー部を有する外付けの入力装置(例えば、テンキーユニット)を接続可能としている。
【0004】
このような外付けの入力装置は、ユーザの操作性を考慮して、画像形成装置のタッチパネルに対して真横に配置することが望まれる。即ち、外付けの入力装置をタッチパネルから離れたところに配置してしまうと、タッチパネルを見ながら外付けの入力装置を操作することが難しく、著しく操作性が悪化してしまうためである。その一方、タッチパネルの真横の空間は、ユーザにとってアクセス性の高い位置であり、USBメモリやICカードリーダのUSBケーブルを接続するためのUSBポートが設けられている。このため、入力装置をタッチパネルの真横に配置すると、USBポートへのアクセス性が損なわれ、入力装置がUSBポートに接続される場合はUSBポートを塞いでしまう。また、入力装置を装着する場所を確保した上で、USBポートへのアクセス性を確保しようとすると、画像形成装置が大型化してしまう。これを解決するために、外付けの入力装置にUSBポートを設けることが考えられる(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-118584号公報
【文献】特開2002-244795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の画像形成装置に特許文献2に記載の入力装置を適用しても、入力装置が装置本体に装着された状態においてはUSBポートが入力装置の奥側に配置されてしまう。このため、入力装置に設けられたUSBポートにUSBメモリやICカードリーダのUSBケーブルを接続する際に、アクセス性が悪い。例えば、画像形成装置の装置本体の上部には画像読取部が配置されている場合が多く、この場合は画像読取部によりUSBポートが塞がれてしまう可能性がある。これにより、USBメモリやICカードリーダのUSBケーブルが画像読取部と干渉してしまい、接続することができなくなってしまう虞がある。
【0007】
本発明は、ハードウェアキーからなる数値キー部を有する外付け用の入力装置を装着しながらも、USBメモリ等を装着するためのUSBポートへのアクセス性の低下を抑制できる入力装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部の読取結果に基づいて記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置であって、ソフトウェアキーとして前記画像読取部による画像の読み取りの開始を指示するソフトウェア実行キーを表示する表示画面を有する操作部と、0~9の数値に関する情報を入力可能なハードウェアキーとしての複数の数値キーであって、それぞれ対応する0~9の数字が記載された数値キーが配列された数値キー部を有する入力装置であって、前記画像形成装置と前記入力装置とをUSB接続する接続部であって、押下された前記数値キーに応じた信号を通信する接続部と、前記数値キーに記載された数字の上下方向において、前記入力装置の筐体における、前記数値キーより下側の側面に設けられたUSBポートであって、前記画像形成装置とは異なる外部機器を前記入力装置に対してUSB接続可能なUSBポートと、前記数値キー部と前記USBポートと前記接続部とに電気的に接続されたUSBハブと、を有する入力装置と、を備え、前記数値キーは、電話型の配列で配列され、前記操作部は、前記画像形成装置の前後方向において前側に設けられ、前記入力装置は、前記筐体が前記画像形成装置に装着された状態において、前記画像形成装置の前記前後方向と鉛直方向とに直交する方向において、前記操作部よりも右側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハードウェアキーからなる数値キー部を有する外付け用の入力装置を装着しながらも、USBメモリ等を装着するためのUSBポートへのアクセス性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の制御ブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットを示す斜視図である。
【
図4】第1の実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットの制御ブロック図である。
【
図5】第1の実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットの基板の平面図である。
【
図6】第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図7】第2の実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットを示す斜視図である。
【
図8】第3の実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットを示す斜視図である。
【
図9】第3の実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットの制御ブロック図である。
【
図10】第4の実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットを示す斜視図である。
【
図11】第4の実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットの制御ブロック図である。
【
図12】本実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を、
図1~
図5を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態では、各図に示すように、画像形成装置1に向かって手前側を前側F、奥側(背側)を後側B、左側をL、右側をR、上側をU、下側をDとして表している。また、画像形成装置1は、ユーザは前側Fから後側Bを向いて位置して各種の操作を行う構成になっている。
図1に示すように、本実施形態においては、後述する操作部50が設けられる側が、画像形成装置1の前側Fである。
【0014】
本実施形態では、画像形成装置1の一例として、タンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置1に搭載されることには限られず、他の方式の画像形成装置に搭載されるものであってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。あるいは、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施することができる。
【0015】
<画像形成装置>
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、画像形成装置本体(以下、装置本体という)10を備えている。装置本体10は、画像読取部20と、シート給送部21と、画像形成部22(
図2参照)と、シート排出部23と、制御部30(
図2参照)と、操作部50と、を備えている。尚、記録材(記録媒体)であるシートは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。
【0016】
画像読取部20は、例えば、フラットベットスキャナ装置であり、装置本体10の上部に設けられている。画像読取部20は、原稿載置台としての不図示のプラテンガラスと、プラテンガラスに載置された原稿に光を照射する不図示の光源と、反射光をデジタル信号に変換する不図示のイメージセンサ等を備えており、原稿の画像を読み取る。シート給送部21は、装置本体10の下部に配置されており、記録紙等のシートを積載して収容するシートカセット21a,21bを備え、シートを画像形成部22(
図2参照)に給送する。
【0017】
画像形成部22は、装置本体10の内部に設けられ、いずれも不図示の現像装置及び像担持体としての感光ドラムを有する画像形成ユニット、トナーボトル、中間転写ユニット、二次転写部、定着装置等を有している。画像形成部22は、シート給送部21から給送されたシート上(記録媒体上)に、制御部30からの画像情報に基づいて画像を形成可能である。即ち、画像形成部22は、画像読取部20の読取結果に基づいて記録媒体に対して画像を形成可能である。シート排出部23は、シートを装置本体10に形成された不図示の排出口の下流側に配置された排出トレイ24を備えている。排出トレイ24は、フェイスダウントレイになっており、排出口から排出されたシートを積載する。また、画像読取部20と排出トレイ24との間の空間は、胴内空間部11を構成している。
【0018】
<制御部>
図2に示すように、制御部30はコンピュータにより構成され、例えばCPU31と、データを一時的に記憶するRAM32と、各部を制御するプログラムを記憶するROM33及びHDD34とを備えている。本実施形態では、制御部30は、システムバス30aと画像バス30bとを有し、CPU31、RAM32、ROM33、HDD34はいずれもシステムバス30aに接続されている。CPU31は、画像形成装置1の全体を統括的に制御するプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPU31は、例えば、画像形成される画像データの画像処理や、ネットワーク制御を行う他、画像形成部22に画像形成の指示を出力することによって画像形成処理を制御する。
【0019】
RAM32は、CPU31が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもあり、CPU31の主メモリやワークエリア等として機能する。RAM32には、画像形成装置1内の設定情報や各処理を行った時のジョブログや操作ログなどが格納される。ROM33には、シートに画像を形成するための画像形成制御シーケンス等が記憶される。本実施形態では、ROM33は、例えばブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD34は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェア、アプリケーション、画像データなどを格納する。
【0020】
制御部30は、いずれもシステムバス30aに接続される操作部入出力回路(I/F)35と、ネットワーク入出力回路(I/F)36と、モデム37と、SRAM38と、RTC39と、外部入出力回路(I/F)40と、を有している。操作部入出力回路35は、後述する操作部50への画像データの送信や、操作部50からの各種通信を行うと共に、操作部50からユーザが入力した情報をCPU31に入力する。
【0021】
ネットワーク入出力回路36は、ネットワーク90に接続し、情報の入出力を行う。また、モデム37は公衆回線91に接続し、ファクシミリを送受信可能なファクシミリ通信部として機能し、情報の入出力を行う。これにより、制御部30は、CPU31の指示の下、ネットワーク入出力回路36によりネットワーク90を介して、あるいはモデム37により公衆回線91を介して、接続された他のPCやサーバと通信可能である。即ち、画像形成装置1は、ネットワーク90や公衆回線91と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う。
【0022】
SRAM38は、高速動作可能な不揮発性の記憶媒体である。RTC39は、リアルタイムクロックであり、制御部30に電源が入っていない状態でも現在の時刻をカウントし続ける処理を行う。外部入出力回路40は、Universal Serial Bus(以下、USBと称す)等の汎用入出力回路であり、汎用のPCや、メモリデバイス、後述するテンキーユニット70を、USBポート40aを介して接続する。尚、USBポート40aは、本実施形態では、装置本体10にテンキーユニット70を設置するための後述する設置面12(
図1参照)の後側Bに位置する前側Fの側面10F(
図3参照)に設けられている。
【0023】
制御部30は、画像バス入出力回路(I/F)41を有している。画像バス入出力回路41は、システムバス30aと画像データを高速で転送する画像バス30bとを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス30bは、例えば、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
【0024】
制御部30は、いずれも画像バス30bに接続されるデバイス入出力回路(I/F)42と、RIP部43と、スキャナ画像処理部44と、プリンタ画像処理部45と、暗号処理部46と、復号処理部47とを有している。デバイス入出力回路42は、画像読取部20や画像形成部22を制御部30に接続し、画像データの同期系及び非同期系の変換を行う。RIP部43は、ラスターイメージプロセッサであり、PDLデータをビットマップイメージに展開する。スキャナ画像処理部44は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部45は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。暗号処理部46は、画像データを含む入力データの暗号化処理を行う。復号処理部47は、暗号化データの復号化処理を行う。
【0025】
<操作部>
次に、操作部50の各ソフトウェアを制御するハードウェア構成の一例について説明する。操作部50は、マイコン51と、タッチパネルモジュール52と、データコンバータ(Conv)53と、液晶モジュール54とを有している。操作部50は、制御部30に対して、CPU31と通信を行うためのシリアルバス60と、液晶モジュール54に表示するためのデータを転送するバス61とにより接続されている。
【0026】
マイコン51は、操作部50の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。マイコン51内には、マイコン51が動作するためのプログラムが格納されているROMが搭載されている。タッチパネルモジュール52は、液晶モジュール54の表面に配置され、ユーザが触れることで、触れた箇所の位置情報をマイコン51にタッチパネル通信バス62を介して通知する。操作部50は、液晶モジュール54にソフトウェアキーを表示可能であり、タッチパネルモジュール52への接触により情報を入力可能である。タッチパネルモジュール52は、タッチパネルデバイスとタッチパネルデバイスコントローラとで構成されている。タッチパネルデバイスとしては、抵抗膜式、静電容量方式、赤外線等の光学式のいずれを適用してもよい。
【0027】
データコンバータ53は、制御部30の操作部入出力回路35からバス61を介して画像データを受け取り、液晶モジュール54が受信可能なデータフォーマットに変換するモジュールである。例えば、制御部30からは、DisplayPortやHDMI(登録商標)といった規格のデータを受信し、液晶モジュール54が受信可能なLVDSやCMOSレベルの信号フォーマットに変換を行い、バス63を介して液晶モジュール54に入力する。また、データコンバータ53は、マイコン51とバス64で接続されており、制御部30から送られてきた画像データに対して、マイコン51で生成された画像データを所定の位置に上書きする機能も有する。
【0028】
液晶モジュール54は、LCD及びバックライトモジュールとで構成されたモジュールであり、データコンバータ53からのデータをバス63を介して受け取り、予め決められたタイミングで画像データをLCDに転送する。この時、バックライトモジュールが発光することで、LCDに転送された画像データが、可視画像として表示される。バックライトの明るさの調整は、操作部50に付随する明るさ調整専用のスイッチ55,56の操作によって行われる。
【0029】
スイッチ55がユーザによって一回押し下げられると、マイコン51は、液晶モジュール54内のバックライトモジュールに対して、1段階明るくする設定のコマンドを、バス65を介して送信する。マイコン51からバックライトの明るさを1段階明るくするコマンドを受け取ったバックライトモジュールは、バックライト内のLEDデバイスに対して、予め決められた分の電流値を増加させて供給する。
【0030】
スイッチ56がユーザによって一回押し下げられると、マイコン51は、液晶モジュール54内のバックライトモジュールに対して、1段階暗くする設定のコマンドを、バス65を介して送信する。マイコン51からバックライトの明るさを1段階暗くするコマンドを受け取ったバックライトモジュールは、バックライト内のLEDデバイスに対して、現在供給している電流値から予め決められた分の電流値を減少させて供給する。
【0031】
図1に示すように、操作部50は、画像形成装置1の前後方向における中央部よりも前側Fに設けられ、装置本体10の外装カバーの一部である前カバー10aよりも上方に設けられている。操作部50は、例えば四角形の平板状に形成されており、タッチパネルモジュール52が液晶モジュール54(
図2参照)の上に積層されて構成されるパネル面(表示画面)57を上側Uに向けて、装置本体10に固定して設けられている。パネル面57に表示されたソフトウェアキーは、各表示部分がタッチ操作されることでキーの入力を検知する入力キーになっている。パネル面57は、ソフトウェアキーとして画像読取部20に対して画像読取の開始を指示するためのソフトウェア実行キーを表示可能である。尚、操作部50の形状は四角形の平板状には限られず、他の形状であってもよい。また、タッチパネルモジュール52及び液晶モジュール54の向きは上側Uには限られず、他の方向であってもよい。例えば、装置本体10に対して上下方向にチルト可能であって、タッチパネルモジュール52及び液晶モジュール54の向きを変更可能となるように設けられていてもよい。
【0032】
操作部50の右側Rには、操作部50に隣接した装置本体10の前側Fの右側Rで上側Uを向いた設置面12が設けられている。設置面12にはテンキーユニット70を設置可能であり、設置により、テンキーユニット70は、筐体70a(
図3参照)が装置本体10に装着された状態において、手前側から視て操作部50の右側Rに隣接して配置される。即ち、テンキーユニット70は、筐体70aが画像形成装置1に装着された状態において、画像形成装置1の前後方向と鉛直方向とに直交する方向において、テンキーユニット70よりも右側Rに配置されている。設置面12の後側Bに位置する装置本体10の外装の前側Fの側面10Fには、USBポート40aが設けられており、ユーザはUSBメモリ等のUSB端子を持つ外部機器を装着してUSB接続可能になっている。
【0033】
<テンキーユニット>
次に、画像形成装置1に接続される入力装置であるテンキーユニット70のハードウェア構成及び動作について説明する。
図3に示すように、操作部50の右横に隣接するようにテンキーユニット70が設置されている。このテンキーユニット70は、情報を入力可能な操作部50を有する画像形成装置1に装着可能であり、操作部50とは別に画像形成装置1に情報を入力可能である。操作部50とテンキーユニット70との情報入力の使い分けの一例としては、操作部50からは画像形成に関する濃度やサイズ等の設定を入力し、テンキーユニット70からは画像形成の部数やファクシミリの宛先番号等の数値を入力する。尚、本明細書でテンキーとは、0~9までの10個の数値キーを示す場合、数値キーに「*」,「#」を加えた12個のキーを示す場合、数値キーに四則演算子や「NumLock」等を含む20個前後のキーを示す場合のいずれも含む概念としている。
【0034】
テンキーユニット70は、筐体70aと、筐体70aの上面に設けられた操作キー(数値キー部)100及びLED窓102,103と、接続ケーブル(接続部)75と、外部USBポート(USBポート)72と、を有している。筐体70aは、画像形成装置1の設置面12(
図1参照)に対して、例えばねじ止めや粘着テープ等の固定部材、あるいは接着などにより固定されている。これにより、ユーザは操作部50を見ながら、右手を利用して容易にテンキーユニット70を使用することができる。
【0035】
外部USBポート72は、筐体70aが装置本体10の設置面12に装着された状態において、操作キー100より前側Fの側面70Fに配置されている。外部USBポート72は、画像形成装置1と異なる外部機器をテンキーユニット70に対してUSB接続可能であり、かつ、USB接続された外部機器が接続ケーブル75を介して装置本体10にUSB接続されている。外部USBポート72の設置位置については、後述する。接続ケーブル75は、筐体70aから外部に設けられたUSBケーブルであり、その先端にはUSBコネクタ76が設けられている。USBコネクタ76は、USBポート40aに接続されている。即ち、接続ケーブル75は、画像形成装置1に対してUSB接続され、画像形成装置1の制御部30とテンキーユニット70とは接続ケーブル75を介して電気的に接続される。つまり、外部USBポート72に接続された外部機器は、接続ケーブル75を介して画像形成装置1の制御部30へ各種信号を出力可能に構成されている。
【0036】
操作キー100は、ハードウェアキーのキートップであり、本実施形態では4列4行の16個の配置となっている。操作キー100は、例えば、電話型のキー配列や、電卓型のキー配列となっている。電話型のキー配列は、例えば、上述した0~9の数値キーや、「*」,「#」のキーを有するキー配列であり、詳細は後述する。電卓型のキー配列は、例えば、上述した0~9の数値キー、四則演算子キーや「NumLock」キーを有するキー配列であり、詳細は後述する。本実施形態では、操作キー100は、少なくとも0~9の数値に関する情報を入力可能な複数の数値キーがハードウェアキーとして配列されている。LED窓102,103は、例えば、操作キー100の後側Bに配置され、それぞれの内部に配置されたLED(発光部)77,78(
図4参照)の点灯状態を視認可能に設けられている。尚、本実施形態では操作キー100のハードウェアキーは16個、LED77,78は2個であるが、これには限られない。また、操作キー100及びLED77,78の配置も、本実施形態には限られない。
【0037】
図4及び
図5に示すように、テンキーユニット70は基板71を有しており、基板71には、ハードウェアキーユニット80と、マイコン73と、LED77,78と、USBハブ74と、基板コネクタ79と、外部USBポート72とが設けられている。LED77,78は、装置本体10の制御部30からの信号、即ち画像形成装置からの信号により発光可能である。
【0038】
ハードウェアキーユニット80は、押下されることで情報を入力可能な複数のハードウェアキーを有している。本実施形態では、ユーザに操作キー100(
図3参照)の操作感(例えばクリック感)を与えるべく、ハードウェアキーの一例としてタクタイルスイッチ81~96を適用している。タクタイルスイッチ81~96は、例えばマトリクス状にそれぞれの操作キー100の筐体70a内側に対向する位置に1個ずつ配置され、マイコン73に接続されている。各タクタイルスイッチ81~96は、例えば、保護カバーと、操作キー100により押されるプランジャと、クリック感を生み出すと共に可動接点として機能する反転ばねと、2つの接点を有するベース部と、により構成されている。尚、タクタイルスイッチ81~96としては、既存の又は新規の適宜な構成を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0039】
マイコン(制御手段)73は、例えば、ハードウェアキーユニット80からの入力検知と、複数のLED77,78の点灯制御と、を実行可能である。USBコネクタ76は、装置本体10の外部入出力回路40のUSBコネクタであるUSBポート40a(
図2参照)に接続されている。これにより、マイコン73と制御部30とは、接続ケーブル75を介してUSB接続されており、USBのHIDプロトコルで通信可能となっている。即ち、接続ケーブル75は、筐体70aから装置本体10にUSB接続され、マイコン73は、例えば、USBハブ74を介してUSBコネクタ76に繋がり、外部入出力回路40を介して画像形成装置1のCPU31とUSB通信を実行可能である。つまり、マイコン73は、接続ケーブル75を介して、操作キー100等が操作されたことに応じて画像形成装置1の制御部30へ各種信号を出力可能に構成されている。
【0040】
マイコン73は、ユーザによってタクタイルスイッチ81~96が押し下げられた場合に、押し下げられたタクタイルスイッチ81~96を特定し、予め決められたコードを生成する。マイコン73は、生成したキーコードを、接続ケーブル75を介して、画像形成装置1のCPU31に送信する。CPU31は、入力されたキーに応じて処理を行う。
【0041】
各LED77,78は、マイコン73により点灯制御される。本実施形態では、LED77,78は、例えば、電源供給状態を示すLEDとテンキーユニット70の不良もしくは装置本体10との通信不良を示すLEDとしている。但し、LED77,78の用途としては、これらには限られず、例えば、画像形成処理可能な状態を示すLEDや、例えば音声入力モードなどのモードの状態を示すLEDとしてもよい。USBハブ74は、マイコン73及び外部USBポート72に接続されると共に、基板コネクタ79を介して接続ケーブル75に接続されている。基板コネクタ79は、テンキーユニット70の基板71に配置され、接続ケーブル75の基端側が接続されている。ここで、接続ケーブル75、USBコネクタ76及び基板コネクタ79は、USB通信部の一例であり、接続部の一例である。即ち、接続ケーブル75、USBコネクタ76及び基板コネクタ79は、画像形成装置1とテンキーユニット70とを電気的に接続可能であり、USB規格を用いて通信し、操作キー100が操作されたことに応じて画像形成装置1へ信号を出力可能である。また、接続ケーブル75、USBコネクタ76及び基板コネクタ79と、外部USBポート72とは、筐体70aの内部で電気的に接続される。外部USBポート72に接続される外部機器は、接続ケーブル75、USBコネクタ76及び基板コネクタ79を介して画像形成装置1と通信される。
【0042】
尚、本実施形態では、接続ケーブル75は、基板コネクタ79に接続されてテンキーユニット70から取り外せない構成になっている。但し、接続ケーブル75のテンキーユニット70への取付構造は、これには限られず、例えば、テンキーユニット70にUSBハブ74に接続されたUSBポートを設け、このUSBポートに対してUSBケーブルを着脱可能に接続するようにしてもよい。あるいは、画像形成装置1側からUSBケーブルを設け、このUSBケーブルの端子をテンキーユニット70のUSBハブ74に接続されたUSBポートに着脱可能に接続するようにしてもよい。
【0043】
図5に示すように、基板71において、テンキーユニット70が装置本体10に装着された状態において、ハードウェアキーユニット80より前側Fには、マイコン73及びUSBハブ74が配置されている。また、左右方向に関してマイコン73及びUSBハブ74の間には、外部USBポート72が前側Fに開口する向きで配置されている。外部USBポート72は基板71上の占有領域が大きいため、マイコン73とUSBハブ74との間に並べて配置することで、テンキーユニット70の小型化を図ることができる。但し、本実施形態ではマイコン73とUSBハブ74との間に外部USBポート72が配置されている場合について説明したが、配置はこれに限定しない。
【0044】
ここで、外部USBポート72がテンキーユニット70の後側Bの側面に配置されてしまうと、この外部USBポート72にUSBメモリやICカードリーダのUSBケーブルを接続する際にアクセス性が悪くなってしまう。特に、本実施形態では、装置本体10の上部に画像読取部20が配置されているので、画像読取部20により外部USBポート72が塞がれてしまう可能性がある。これでは、外部USBポート72に挿そうとするUSBメモリやICカードリーダのUSBケーブルが画像読取部20と干渉してしまい、接続することができなくなってしまう虞がある。
【0045】
これに対し、本実施形態では、テンキーユニット70の操作キー100を正面視した場合に、外部USBポート72がテンキーユニット70の前側Fの側面70Fに設けられている。このため、画像読取部20などの他の構成部材などに干渉することなく、外部USBポート72にUSBメモリやICカードリーダのUSBケーブルを接続することができる。ここで、操作キー100の正面視とは、テンキーユニット70のハードウェアキーに設けられている数値が上下方向において正しく見える位置であって、操作キー100の押圧方向と平行な方向からテンキーユニット70を見たときの位置である。
【0046】
上述したように、本実施形態の画像形成装置1によれば、外部USBポート72はテンキーユニット70の前側Fの側面70Fに配置されており、外部USBポート72は装置本体10の手前側からアクセス可能なように設けられている。このため、ハードウェアキーからなる操作キー100を有する外付け用のテンキーユニット70を装着しながらも、USBメモリ等を装着するための外部USBポート72へのアクセス性の低下を抑制できる。
【0047】
尚、上述した実施形態では、外部USBポート72がテンキーユニット70において操作キー100より前側Fの側面70Fに設けられている場合について説明したが、これには限られない。例えば、
図3に想像線で示すように、操作キー100を正面視した場合に外部USBポート172が操作キー100より右側Rの側面70Rに設けられるようにしてもよい。即ち、USBポート172は、筐体70aが装置本体10に装着された状態において、手前側から視て操作キー100より右側Rの側面70Rに設けられる。この場合も、ハードウェアキーからなるテンキーの操作キー100を有する外付け用のテンキーユニット70を装着しながらも、USBメモリ等を装着するための外部USBポート172へのアクセス性を確保することができる。また、この場合、テンキーユニット70の右側RにUSB接続することができるので、例えば、テンキーユニット70の右側RにICカードリーダを設ける場合に、ICカードリーダのUSBコネクタを容易に接続できる。また、テンキーユニット70の右側RにUSBメモリや汎用フルキーボードを接続する場合も、テンキーユニット70の操作性を損ねることなく接続できる。尚、例えば、画像形成装置1の右側Rに壁がある場合など、テンキーユニット70の右側RにUSB接続することが困難である場合は、手前側にUSB接続することがよい。
【0048】
また、外部USBポート72は、テンキーユニット70において前側Fの側面70F又は右側Rの側面70Rのいずれかに配置されていることには限られず、両側面70F,70Rに配置されていてもよい。この場合、テンキーユニット70は、接続ケーブル75を介して装置本体10にUSB接続される外部USBポート72及び他の外部USBポート(他のUSBポート)172を有する。他のUSBポート172は、筐体70aが装置本体10に装着された状態において、手前側から視て操作キー100より右側Rの側面70Rに配置される。各外部USBポート72,172は、
図4に示すように、いずれもUSBハブ74に接続される。
【0049】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を、
図6及び
図7を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、装置本体10側のUSBポート50aが、テンキーユニット70の左側Lに隣接して配置される操作部50の右側Rの側面50Rに設けられている点で、装置本体10の設置面12の後側Bに設けられている第1の実施形態と構成を異にする。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0050】
本実施形態では、装置本体10側のUSBポート50aは、操作部50の右側Rの側面50Rに設けられていると共に、操作部50の不図示のCPUに接続されている。このため、テンキーユニット70のマイコン73(
図4参照)は、操作部50のCPUに接続され、操作部50のCPUを介して装置本体10の制御部30に接続される。
【0051】
本実施形態によっても、外部USBポート72はテンキーユニット70の前側Fの側面70Fに配置されており、外部USBポート72は装置本体10の手前側からアクセス可能なように設けられている。つまり、外部USBポート72は、操作キー100を正面視した場合に操作キー100よりも前側Fに配置されている。このため、ハードウェアキーからなる操作キー100を有する外付け用のテンキーユニット70を装着しながらも、USBメモリ等を装着するための外部USBポート72へのアクセス性の低下を抑制できる。
【0052】
尚、上述した実施形態では、外部USBポート72がテンキーユニット70において操作キー100より前側Fの側面70Fに配置されている場合について説明したが、これには限られない。例えば、
図7に想像線で示すように、外部USBポート172が操作キー100より右側Rの側面70Rに配置されるようにしてもよい。つまり、外部USBポート72は、操作キー100を正面視した場合に操作キー100よりも右側Rに配置される構成であってもよい。この場合も、ハードウェアキーからなるテンキーの操作キー100を有する外付け用のテンキーユニット70を装着しながらも、USBメモリ等を装着するための外部USBポート172へのアクセス性を確保することができる。
【0053】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を、
図8及び
図9を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、テンキーユニット70のマイコン73は、USB規格とは異なる通信規格の通信により制御部30に接続される点で、USB規格により制御部30に接続される第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0054】
本実施形態では、テンキーユニット70の基板71には、マイコン73と、第1の基板コネクタ79と、外部USBポート72と、第2の基板コネクタ179とが設けられている。第1の基板コネクタ79には接続ケーブル75の基端側が接続され、接続ケーブル75の先端にはUSBコネクタ76が設けられている。本実施形態では、接続ケーブル75と外部USBポート72とは、筐体70aの内部で直接接続されており、USB規格による通信を実行可能である。そして、第1の実施形態で説明したように、USBコネクタ76が画像形成装置1の制御部30と電気的に接続されているため、外部USBポート72に接続された外部機器は、接続ケーブル75を介して制御部30と通信可能に接続されている。
【0055】
第2の基板コネクタ179は、マイコン73に接続されている。また、第2の基板コネクタ179には通信ケーブル(他の通信部)175の基端側が接続され、通信ケーブル175の先端にはコネクタ176が設けられている。このコネクタ176は、USB規格のコネクタとは異なるコネクタ形状であり、マイコン73から画像形成装置1の制御部30へは伝達速度の遅いシリアルバス通信を使用している。本実施形態では、例えば、マイコン73と制御部30とを接続するUSB規格とは異なる通信規格の通信として、UARTやSPIを使用している。コネクタ176は、制御部30の外部入出力回路40(
図2参照)の不図示のポートに接続される。これにより、マイコン73は、通信ケーブル175を介して制御部30に接続される。ここで、通信ケーブル175、コネクタ176及び第2の基板コネクタ179は、他の通信部の一例であり、接続部の一例である。また、本実施形態では、接続部は、画像形成装置1とUSB規格を用いて通信するUSB通信部と、USB規格とは異なる通信規格の通信により画像形成装置1と通信する他の通信部と、を備えている。ここでのUSB通信部の一例は、接続ケーブル75、USBコネクタ76及び基板コネクタ79であり、他の通信部の一例は、通信ケーブル175、コネクタ176及び第2の基板コネクタ179である。操作キー100からの入力は、通信ケーブル175、コネクタ176及び第2の基板コネクタ179を介して画像形成装置1と通信される。
【0056】
図8に示すように、設置面12の後側Bに設けられたUSBポート40aにテンキーユニット70のUSBコネクタ76を挿し込んでいる。また、コネクタ176は、装置本体10の内部を通って不図示の制御基板もしくは制御基板から出ている不図示のコネクタへ接続される。本実施形態では、テンキーユニット70の外部USBポート72は、テンキーユニット70の手前側の側面70Fに配置されているが、右側Rの側面70Rに配置されてもよい。つまり、外部USBポート72は、操作キー100を正面視した場合に操作キー100よりも前側Fに配置されていてもよく、操作キー100より右側Rに配置されていてもよい。
【0057】
本実施形態によっても、外部USBポート72はテンキーユニット70の前側Fの側面70Fに配置されており、外部USBポート72は装置本体10の手前側からアクセス可能なように設けられている。このため、ハードウェアキーからなる操作キー100を有する外付け用のテンキーユニット70を装着しながらも、USBメモリ等を装着するための外部USBポート72へのアクセス性の低下を抑制できる。
【0058】
尚、上述した本実施形態では、第1の基板コネクタ79から外部USBポート72までの回路と、第2の基板コネクタ179からマイコン73及びハードウェアキーユニット80を含む回路とが同じ基板71に設けられている場合について説明した。但し、これには限られず、例えば、上記の両回路が別個の基板に設けられるようにしてもよい。
【0059】
また、上述した本実施形態では、外部USBポート72は第1の基板コネクタ79に直接接続されている場合について説明したが、これには限られず、例えば、USBハブ74を介して接続されていてもよい。即ち、USBハブ74は、接続ケーブル75と外部USBポート72とにそれぞれ接続される。この場合、USBハブ74に他の外部USBポート172を設けてもよい。他の外部USBポート172は、例えば、
図8に想像線で示すように、操作キー100より右側Rの側面70Rに配置されるようにしてもよい。
【0060】
また、上述した本実施形態では、マイコン73は、設置面12の後側Bに設けられたUSBポート40aを介して制御部30に接続される場合について説明したが、これには限られない。例えば、マイコン73は、操作部50の右側Rの側面50Rに設けられたUSBポート50a(
図7参照)及び操作部50のCPUを介して制御部30に接続されるようにしてもよい。
【0061】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態を、
図10及び
図11を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、ハードウェアキーユニット80がマイコン73を介さずに制御部30に接続される点で、第3の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第3の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0062】
本実施形態では、ハードウェアキーユニット80と、LED77,78とは、マイコンを介さずに、内部コネクタ173に集約され、第2の基板コネクタ179、接続ケーブル275、コネクタ276を介して操作部50の制御基板(不図示)に接続される。つまり、ハードウェアキーユニット80及びLED77,78の制御は操作部50内のマイコン51又は画像形成装置1の制御部30にて行われる。外部USBポート72は第1の基板コネクタ79に接続され、USBポート50aを介して操作部50内のCPUと通信可能である。接続ケーブル275は、ハードウェアキーユニット80のオンオフ状態を装置本体10の制御部30に直接入力可能であり、ハードウェアキーユニット80は、接続ケーブル275を介して装置本体10に接続される。ここで、本実施形態においては、第2の基板コネクタ179、接続ケーブル275及びコネクタ276が他の通信部の一例であり、接続部の一例である。また、本実施形態では、接続部は、画像形成装置1とUSB規格を用いて通信するUSB通信部と、USB規格とは異なる通信規格の通信により画像形成装置1と通信する他の通信部と、を備えている。ここでのUSB通信部の一例は、接続ケーブル75、USBコネクタ76及び基板コネクタ79であり、他の通信部の一例は、第2の基板コネクタ179、接続ケーブル275及びコネクタ276である。操作キー100からの入力は、第2の基板コネクタ179、接続ケーブル275及びコネクタ276を介して画像形成装置1と通信される。
【0063】
図10に示すように、操作部50の右側Rの側面50R(
図7参照)に設けられたUSBポート50aにテンキーユニット70のUSBコネクタ76を挿し込んでいる。また、コネクタ276は、操作部50の内部を通って不図示の制御基板もしくは制御基板から出ている不図示のコネクタへ接続される。本実施形態では、テンキーユニット70の外部USBポート72は、テンキーユニット70の手前側の側面70Fに配置されているが、右側Rの側面70Rに配置されてもよい。つまり、外部USBポート72は、操作キー100を正面視した場合に操作キー100よりも前側Fに配置されていてもよく、操作キー100より右側Rに配置されていてもよい。
【0064】
本実施形態によっても、外部USBポート72はテンキーユニット70の前側Fの側面70Fに配置されており、外部USBポート72は装置本体10の手前側からアクセス可能なように設けられている。このため、ハードウェアキーからなる操作キー100を有する外付け用のテンキーユニット70を装着しながらも、USBメモリ等を装着するための外部USBポート72へのアクセス性の低下を抑制できる。
【0065】
尚、本実施形態では、接続ケーブル275のコネクタ276は、操作部50の制御基板に接続される場合について説明したが、これには限られない。例えば、接続ケーブル275のコネクタ276は、第3の実施形態のコネクタ176(
図8参照)のように制御部30の外部入出力回路40(
図2参照)の不図示のポートに接続されるようにしてもよい。
【0066】
<他の実施形態>
上述した各実施形態では、操作キー100の配置が4列4行の16個であるテンキーユニット70について説明したが、これには限られない。例えば、
図12に示すように、操作キー200が、テンキー部210と、動作キー部230と、設定キー部240と、を有するテンキーユニット170としてもよい。
【0067】
ここで、
図12は、テンキーユニット170を正面視したものであり、各ハードウェアキーの押し下げ方向と平行な方向から視た図である。尚、ここでの正面視とは、テンキーユニット170のハードウェアキーに設けられている数値が上下方向において正しく見える位置である。
【0068】
テンキー部210は、少なくとも数値に関する情報を入力可能な複数のハードウェアキーを有する。動作キー部230は、例えば、所定の処理を開始する情報を入力可能なハードウェアキーからなるスタートキー231を有する。ここでの所定の処理とは、例えば、画像形成装置1のコピー処理、ファクシミリの送信処理、又は、画像読取部20の画像読取処理などであり、スタートキー231の押し下げによりこれらの処理の実行開始を指示することができる。スタートキー231は、筐体70aが画像形成装置1に装着された状態において、テンキー部210より手前側に配置されている。また、動作キー部230は、スタートキー231の他に、ストップキー(Stop)、リセットキー(Reset)、クリアキー(CLR)などを有している。ここで、ストップキーは、スタートキー231が押下されたことに応じて開始された所定の処理を停止する指示を入力可能なハードウェアキーである。そしてリセットキーは、画像形成装置1に入力した設定をリセットする情報を入力可能なハードウェアキーであり、クリアキーはテンキー部210を介して入力された数値データをクリアする情報を入力可能なハードウェアキーである。
【0069】
また、第1のLED77は、例えば、画像形成部22(
図2参照)が画像形成可能な状態になった場合に発光され、画像形成部22が画像形成可能な状態でない場合に消灯されるものにすることができる。また、第2のLED78は、画像形成装置1のモードが所定のモード、例えば、音声によって画像形成装置1の入力操作を促す音声入力モードに設定された場合に発光され、画像形成装置1のモードが所定のモードでない場合に消灯されるものにできる。
【0070】
ここで、本実施形態のテンキーユニット170は、画像形成装置1のオプション装置の一つとして装着可能に設計される画像形成装置1の専用のテンキーユニット170である。この専用のテンキーユニット170の用途は、例えば、ファクシミリ送信する際の宛先番号(FAX番号)入力が主になる。専用のテンキーユニット170は、ファクシミリ送信の宛先番号入力を主目的として設計されるため、テンキー部210の配列は電話機と同様である。つまり、テンキーユニット170のテンキー部210の配列は、ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)Recommendation E.161に示される標準配列と同様である。即ち、
図12に示すように、テンキー部210において、1から9の数値キーは、最も後側Bが1から3、その前側Fが4から6、その前側Fが7から9となるように隣接配置されている。また、8の数値キーの前側Fに0の数値キーが配置され、その左右に*のキーと#のキーとが配置されている。つまり、1~9の数値キーは、テンキーユニット170を正面視した場合に3×3のマトリクス状に整列配置されている。1~9の数値キーは、列方向において上段から1乃至3の数値キー、4乃至6の数値キー、7乃至9の数値キーが順に配置され、0の数値キーが7乃至9の数値キーの行よりもさらに下段に配置されている。
【0071】
換言すると、0から9の10個のハードウェアキーに関して、1,2,3のハードウェアキーの行が最も奥に配置され、1,2,3の行よりも手前側に4,5,6のハードウェアキーの行が配置される。さらに、4,5,6のハードウェアキーの行よりも手前側に、7,8,9のハードウェアキーの行が配置される。そして、0のハードウェアキーは、7,8,9のハードウェアキーの行よりも手前側に配置される。また、これらの0から9のハードウェアキーを列で見ると、左から1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8,0のハードウェアキーの列、3,6,9のハードウェアキーの列の順に配列されている。尚、0のハードウェアキーは、1,4,7のハードウェアキーの列、あるいは3,6,9のハードウェアキーの列に配置し、*のキーと#のキーの配置を適宜変更してもよい。更に、このテンキーユニット170では、電卓入力は主目的とされていないため、+や-などの四則演算子キーは設けられていない。このように、このテンキーユニット170は、PCに接続する目的で設計されていないため、不特定のPC等に接続可能な汎用のテンキーユニットとはキー配列が異なっている。
【0072】
ここで、汎用のテンキーユニットのキー配列とは、主に電卓と同じキー配列となっている。つまり、汎用テンキーユニットにおいて、ハードウェアキーの配列は、ISO(国際標準化機構)に規定されるものと同様である。即ち、0から9の10個のハードウェアキーに関して、7,8,9のハードウェアキーの行が最も奥に配置され、7,8,9の行よりも手前側に4,5,6のハードウェアキーの行が配置される。さらに、4,5,6のハードウェアキーの行よりも手前側に、1,2,3のハードウェアキーの行が配置される。そして、0や00のハードウェアキーは、1,2,3のハードウェアキーの行よりも手前側に配置される。また、これらの1から9のハードウェアキーを列で見ると、左から1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8のハードウェアキーの列、3,6,9のハードウェアキーの列の順に配列されている。0や00のハードウェアキーは、1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8のハードウェアキーの列に跨って配置されたり、1,4,7と同じ列に配置されている。更に、数値キーの右側及び後側に、四則演算子キーや機能キー部等が配置されている。このように、テンキーユニット70と汎用のテンキーユニットとは、数値キーの配列や、設けられる機能キー等が異なっている。
【0073】
本実施形態によっても、外部USBポート72はテンキーユニット170の前側Fの側面170Fに配置されており、外部USBポート72は装置本体10の手前側からアクセス可能なように設けられている。このため、ハードウェアキーからなる操作キー200を有する外付け用のテンキーユニット170を装着しながらも、USBメモリ等を装着するための外部USBポート72へのアクセス性の低下を抑制できる。
【符号の説明】
【0074】
1…画像形成装置、20…画像読取部、22…画像形成部、50…操作部、57…パネル面(表示画面)、70…テンキーユニット(入力装置)、70a…筐体、70F…手前側の側面、70R…右側の側面、72…外部USBポート(USBポート)、74…USBハブ、75…接続ケーブル(接続部、USB通信部)、76…USBコネクタ(接続部、USB通信部)、77…第1のLED(発光部)、78…第2のLED(発光部)、79…基板コネクタ(接続部、USB通信部)、100…操作キー(数値キー部)、170…テンキーユニット(入力装置)、170F…手前側の側面、172…他の外部USBポート(他のUSBポート)、175…通信ケーブル(接続部、他の通信部)、176…コネクタ(接続部、他の通信部)、179…第2の基板コネクタ(接続部、他の通信部)、200…操作キー(数値キー部)、275…接続ケーブル(接続部、他の通信部)、276…コネクタ(接続部、他の通信部)。