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特許7536461フレキシブルプリント配線板及びバッテリモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】フレキシブルプリント配線板及びバッテリモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/284 20210101AFI20240813BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240813BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240813BHJP
   H01M 50/55 20210101ALN20240813BHJP
   H01M 50/209 20210101ALN20240813BHJP
【FI】
H01M50/284
H01M50/569
H01M50/507
H01M50/55 101
H01M50/209
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020019076
(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公開番号】P2021125402
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】メクテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨田 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】金山 知樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 周三
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-013655(JP,A)
【文献】特開2012-226969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/50-50/598
H01M50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルが配列されることで構成されるバッテリに取り付けられるフレキシブルプリント配線板であって、
幹部と、
前記幹部から2つに枝分かれして、いずれも前記バッテリ上に配される一対の枝部と、を備え、
前記一対の枝部には、いずれも前記幹部から遠ざかるにしたがって他方の枝部から離れる一対の平行な折り曲げ線により折り曲げ加工が施されており、かつ、前記一対の平行な折り曲げ線のうちの一方の折り曲げ線の折り曲げ方向と他方の折り曲げ方向が逆方向となるように折り曲げられていることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
複数のセルが配列されることで構成されるバッテリに取り付けられるフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に備えられる複数の配線にそれぞれ電気的に接続され、かつ、前記複数のセルに設けられた各電極にそれぞれ電気的に接続される複数のバスバと、
前記フレキシブルプリント配線板の端部に固定されるコネクタと、
を備えるバッテリモジュールであって、
前記フレキシブルプリント配線板は、
幹部と、
前記幹部から2つに枝分かれして、いずれも前記バッテリ上に配される一対の枝部と、を備え、
前記一対の枝部には、いずれも前記幹部から遠ざかるにしたがって他方の枝部から離れる一対の平行な折り曲げ線により折り曲げ加工が施されており、かつ、前記一対の平行な折り曲げ線のうちの一方の折り曲げ線の折り曲げ方向と他方の折り曲げ方向が逆方向となるように折り曲げられていることを特徴とするバッテリモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリに取り付けられるフレキシブルプリント配線板及びバッテリモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車などに搭載されるバッテリには、例えば、バッテリの電圧を監視するために電圧監視装置が設けられている。この電圧監視装置は、フレキシブルプリント配線板(以下、FPCと称する)を有するバッテリモジュールを備えている。図8及び図9を参照して、従来例に係る電圧監視装置について説明する。図8は従来例に係るバッテリモジュールをバッテリに取り付けた状態を示す平面図である。図9は従来例に係るFPCの平面図である。
【0003】
図8に示すように、バッテリ200の上部に、電圧を監視するためのバッテリモジュール500が取り付けられる。このバッテリモジュール500は、FPC510と、FPC510の端部に固定され、かつ不図示の電圧監視装置本体に接続されるコネクタ530と、バッテリ200の電極に電気的に接続される複数のバスバ540とを備えている。
【0004】
そして、FPC510は、コネクタ530に固定される側の幹部510Xと、この幹部510Xから2つに枝分かれして、いずれもバッテリ200上に配される一対の枝部510Y,510Zとを備えている。なお、一対の枝部510Y,510Zに、それぞれ複数のバスバ540が設けられる。ここで、幹部510Xの幅Cは、コネクタ530の幅により定められ、一対の枝部510Y,510Zの最大幅Bは、バッテリ200の幅により定められる。従って、コネクタ530の幅が狭かったとしても、従来構成においては、上記の最大幅Bを広くせざるを得ないことがあった。
【0005】
一般的に、FPCの製造工程においては、ベースフィルムに最終的に回路となる銅箔が設けられている母材に対して切断加工を施すことで、所望の形状のFPCとする工程が含まれる。そのため、図9に示すような形状のFPC510を製造する場合、幹部510Xの幅Cに対して、最大幅Bが広ければ広いほど、母材からFPC510となる部分を切断した後に廃棄する材料が多くなってしまう。言い換えれば、一つの母材から得られるFPC510の数が少なくなってしまう。
【0006】
なお、FPC510の長手方向の長さLについては、バッテリ200と電圧監視装置本体との配置に依存する。理想的には、バッテリ200にFPC510を取り付け、かつ、電圧監視装置本体にコネクタ530を接続した状態で、バッテリ200と電圧監視装置本体との間の空間部において、FPC510が弛まないようにするのが望ましい。しかしながら、取付作業性を考慮すると、上記の長さLには余長を設けるのが一般的である。従って、FPC510には弛みが生じてしまうため、外部からの振動などによって、FPC510が上下に振動してしまい、各部に悪影響が生じてしまう恐れもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-56035号公報
【文献】特開2014-86246号公報
【文献】特開2016-85930号公報
【文献】特開2017-199804号公報
【文献】特開2018-142505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、廃棄材料を少なくすることができるフレキシブルプリント配線板及びバッテリモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0010】
すなわち、本発明のフレキシブルプリント配線板は、
複数のセルが配列されることで構成されるバッテリに取り付けられるフレキシブルプリント配線板であって、
幹部と、
前記幹部から2つに枝分かれして、いずれも前記バッテリ上に配される一対の枝部と、を備え、
前記一対の枝部には、いずれも前記幹部から遠ざかるにしたがって他方の枝部から離れる一対の平行な折り曲げ線により折り曲げ加工が施されており、かつ、前記一対の平行な折り曲げ線のうちの一方の折り曲げ線の折り曲げ方向と他方の折り曲げ方向が逆方向となるように折り曲げられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のバッテリモジュールは、
複数のセルが配列されることで構成されるバッテリに取り付けられるフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に備えられる複数の配線にそれぞれ電気的に接続され、かつ、前記複数のセルに設けられた各電極にそれぞれ電気的に接続される複数のバスバと、
前記フレキシブルプリント配線板の端部に固定されるコネクタと、
を備えるバッテリモジュールであって、
前記フレキシブルプリント配線板は、
幹部と、
前記幹部から2つに枝分かれして、いずれも前記バッテリ上に配される一対の枝部と、を備え、
前記一対の枝部には、いずれも前記幹部から遠ざかるにしたがって他方の枝部から離れる一対の平行な折り曲げ線により折り曲げ加工が施されており、かつ、前記一対の平行な折り曲げ線のうちの一方の折り曲げ線の折り曲げ方向と他方の折り曲げ方向が逆方向となるように折り曲げられていることを特徴とする。
【0012】
これらの発明によれば、フレキシブルプリント配線板において、一対の枝部に折り曲げ加工が設けられることで、一対の枝部の最大幅が、折り曲げ加工前に比べて折り曲げ加工後の方が広くなる。従って、折り曲げ加工後の一対の枝部の最大幅を所望の幅とするために、折り曲げ加工前の一対の枝部の最大幅は、所望の幅よりも狭くすることができる。これにより、廃棄材料を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、廃棄材料を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1はバッテリの平面図である。
図2図2はバッテリの側面図である。
図3図3はバッテリに本実施例に係るバッテリモジュールを取り付けた状態を示す側面図である。
図4図4はバッテリに本実施例に係るバッテリモジュールを取り付けた状態を示す平面図である。
図5図5は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の平面図である。
図6図6は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の輸送時の形態の一例を示す概略図である。
図7図7は本発明の変形例に係るフレキシブルプリント配線板の平面図である。
図8図8は従来例に係るバッテリモジュールをバッテリに取り付けた状態を示す平面図である。
図9図9は従来例に係るフレキシブルプリント配線板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
(実施例)
図1図6を参照して、本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板及びバッテリモジュールについて説明する。図1はバッテリの平面図であり、図2はバッテリの側面図である。図3はバッテリに本実施例に係るバッテリモジュールを取り付けた状態を示す側面図であり、図4はバッテリに本実施例に係るバッテリモジュールを取り付けた状態を示す平面図である。図5は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の平面図であり、同図(a)は折り曲げ加工前の状態を示し、同図(b)は折り曲げ加工後の状態を示している。図6は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の輸送時の形態の一例を示す概略図である。
【0017】
<バッテリ>
図1及び図2を参照して、本実施例に係るフレキシブルプリント配線板及びバッテリモジュールが取り付けられるバッテリ200について説明する。バッテリ200は、複数のセル210により構成される。セル210にはそれぞれ電極(正極211と負極212)が設けられている。そして、これら複数のセル210は、正極211と負極212が隣り合うように配列されている。また、これら複数のセル210は、隣り合う正極211と負極212が、バッテリモジュールに設けられたバスバによって電気的に接続されることで直列に接続されるように構成される。図1中、点線で囲まれたPはバスバが接続される部位を示している。なお、図示の例では、説明の便宜上、6個のセル210からなるバッテリ200を示している。しかしながら、電気自動車などに搭載されるバッテリの場合、より多くのセルにより構成されるのが一般的である。
【0018】
<バッテリモジュール>
特に、図3及び図4を参照して、本実施例に係るバッテリモジュール100の全体構成について説明する。バッテリモジュール100は、フレキシブルプリント配線板(以下、「FPC110」と称する)と、FPC110を支持する支持部材120と、支持部材120に支持される複数のバスバ141,142と、FPC110の端部に固定されるコネクタ130とを備えている。バスバ141は、直列接続されるセル210における両端となる正極211と負極212にそれぞれ接続される。また、バスバ142は、隣り合う正極211と負極212を電気的に接続するために用いられる。コネクタ130は、例えば、図3に示すように、電圧監視装置本体300に接続される。
【0019】
<フレキシブルプリント配線板(FPC)>
図4及び図5を参照して、本実施例に係るFPC110について、より詳細に説明する。一般的に、FPCは、ベースフィルムと、回路となる銅箔と、カバーフィルムなどにより構成されるが、これらの構造等については、公知技術であるので、その説明は省略する。図4においては、銅箔がエッチングされることにより形成された配線(回路)118について、点線にて示しているが、図5では配線118については省略している。
【0020】
本実施例に係るFPC110は、幹部110Xと、この幹部110Xから2つに枝分かれした一対の枝部(以下、便宜上、第1枝部110Y,第2枝部110Zと称する)とを備えている。幹部110Xの端部に、上記のコネクタ130が固定される。また、第1枝部110Y及び第2枝部110Zは、いずれもバッテリ200上に配される。更に、第1枝部110Yには複数の小枝部110Y1,110Y2,110Y3,110Y4が設けられており、第2枝部110Zにも複数の小枝部110Z1,110Z2,110Z3が設けられている。
【0021】
本実施例においては、7本の配線118が設けられており、幹部110Xにおいては、全ての配線118が配されている。そして、7本の配線118のうち4本の配線118が第1枝部110Yに配されて、残りの3本の配線118が第2枝部110Zに配されている。また、第1枝部110Yに配された4本の配線118の端部は、それぞれ小枝部110Y1,110Y2,110Y3,110Y4に配されている。そして、各々の小枝部110Y1,110Y2,110Y3,110Y4にそれぞれ設けられるバスバ141またはバスバ142に対して、各配線118の端部が電気的に接続されている。同様に、第2枝部110Zに配された3本の配線118の端部は、それぞれ小枝部110Z1,110Z2,110Z3に配されている。そして、各々の小枝部110Z1,110Z2,110Z3にそれぞれ設けられるバスバ142に対して、各配線118の端部が電気的に接続されている。
【0022】
そして、第1枝部110Yには、幹部110Xから遠ざかるにしたがって第2枝部110Zから離れる一対の平行な折り曲げ線111a,111b(図5(a)参照)により折り曲げ加工が施されている。これら折り曲げ線111a,111bにより折り曲げ加工が施される部位を第1折り曲げ部111と称する。この第1折り曲げ部111においては、一対の平行な折り曲げ線111a,111bのうちの一方の折り曲げ線111aの折り曲げ方向と他方の折り曲げ線111bの折り曲げ方向が逆方向となるように折り曲げられている。図示の例では、折り曲げ線111aにおいては、第1枝部110Yの先端側が図5の紙面手前から奥方向に約180°折り曲げられて、折り曲げ線111bにおいては、第1枝部110Yの先端側が図5の紙面奥側から手前方向に約180°折り曲げられている(図5(b)参照)。なお、折り曲げ線111aにおいて、第1枝部110Yの先端側が図5の紙面奥側から手前方向に約180°折り曲げられ、折り曲げ線111bにおいて、第1枝部110Yの先端側が図5の紙面手前から奥方向に約180°折り曲げられる構成を採用してもよい。
【0023】
同様に、第2枝部110Zには、幹部110Xから遠ざかるにしたがって第1枝部110Yから離れる一対の平行な折り曲げ線112a,112b(図5(a)参照)により折り曲げ加工が施されている。これら折り曲げ線112a,112bにより折り曲げ加工が施される部位を第2折り曲げ部112と称する。この第2折り曲げ部112においては、一対の平行な折り曲げ線112a,112bのうちの一方の折り曲げ線112aの折り曲げ方向と他方の折り曲げ線112bの折り曲げ方向が逆方向となるように折り曲げられている。図示の例では、折り曲げ線112aにおいては、第2枝部110Zの先端側が図5の紙面手前から奥方向に約180°折り曲げられて、折り曲げ線112bにおいては、第2枝部110Zの先端側が図5の紙面奥側から手前方向に約180°折り曲げられている。なお、折り曲げ線112aにおいて、第2枝部110Zの先端側が図5の紙面奥側から
手前方向に約180°折り曲げられ、折り曲げ線112bにおいて、第2枝部110Zの先端側が図5の紙面手前から奥方向に約180°折り曲げられる構成を採用してもよい。
【0024】
ここで、コネクタ130の幅により定められる幹部110Xの幅Cについては、折り曲げ加工前と加工後で変化しないことは言うまでもない。これに対して、一対の枝部(第1枝部110Yと第2枝部110Z)の最大幅については、折り曲げ加工前の最大幅をB1、折り曲げ加工後の最大幅をBとすると、B>B1を満たす。なお、バッテリ200の幅によって、折り曲げ加工後の最大幅Bが定められる。
【0025】
また、FPC110の長手方向の長さについて、折り曲げ加工前の長さをL、折り曲げ加工後の長さをL1とすると、L1<Lを満たす。なお、折り曲げ加工後の長さL1は、FPC110がバッテリ200に取り付けられ、かつコネクタ130が電圧監視装置本体300に接続された状態において、FPC110に弛みが生じないように設定されるのが望ましい。そして、折り曲げ加工前の長さLは、取付作業性を考慮した余長分を含んだ長さに設定されるのが望ましい。
【0026】
<本実施例に係るFPC及びバッテリモジュールの優れた点>
本実施例に係るFPC110及びバッテリモジュール100によれば、FPC110において、第1枝部110Yと第2枝部110Zには、それぞれ第1折り曲げ部111,第2折り曲げ部112が設けられている。これにより、一対の枝部(第1枝部110Yと第2枝部110Z)の最大幅が、折り曲げ加工前に比べて折り曲げ加工後の方が広くなる。つまり、上記の通り、B>B1を満たす。従って、折り曲げ加工後の一対の枝部の最大幅Bを所望の幅とするために、折り曲げ加工前の一対の枝部の最大幅B1は、所望の幅よりも狭くすることができる。これにより、廃棄材料を少なくすることができる。言い換えれば、一つの母材から得られるFPC110の数を多くすることができる。
【0027】
また、本実施例においては、折り曲げ加工後のFPC110の長手方向の長さL1を、FPC110をバッテリ200に取り付けた際に弛みが生じないように設定しても、第1折り曲げ部111及び第2折り曲げ部112でFPC110を伸縮させることができる(図3中、矢印S参照)。これにより、取付作業性に支障が出ることはない。つまり、折り曲げ加工前の長さLを、取付作業性を考慮した余長分が含まれるように設定することで、取付作業性を向上させることができる。そして、長さL1を上記のように設定することで、FPC110が上下に振動してしまうことを抑制することができ、他の部品等との干渉を避けることができる。また、上下の振動によるFPC110の損傷等も抑制することができる。また、第1折り曲げ部111及び第2折り曲げ部112により振動を吸収する効果も発揮されるため、共振が発生してしまうことも抑制することができる。更に、バッテリモジュール100を輸送等する際に、図6に示すように、第1折り曲げ部111及び第2折り曲げ部112によりFPC110を折り返す状態とすることで、バッテリモジュール100全体をコンパクトにすることもできる。従って、輸送などの際におけるバッテリモジュール100の形態の自由度が高くなり、バッテリモジュール100の取り扱い性を高めることができる。
【0028】
(その他)
上記実施例においては、一対の枝部のうち両方の枝部(第1枝部110Yと第2枝部110Z)に、それぞれ折り曲げ部(第1折り曲げ部111,第2折り曲げ部112)を設ける場合の構成について示した。
【0029】
しかしながら、本発明はこのような構成に限定されることはなく、一方の枝部にのみ折り曲げ部を設ける構成も含まれる。例えば、図7(a)に示す変形例1に係るFPC110Aのように、第1枝部110Yにのみ折り曲げ部(第1折り曲げ部111)を設け、第
2枝部110Zには折り曲げ加工を施さない構成を採用することもできる。この場合でも、一対の枝部(第1枝部110Yと第2枝部110Z)の最大幅が、折り曲げ加工前に比べて折り曲げ加工後の方が広くなる。従って、折り曲げ加工後の一対の枝部の最大幅B2を所望の幅とするために、折り曲げ加工前の一対の枝部の最大幅は、所望の幅よりも狭くすることができる。これにより、廃棄材料を少なくすることができる。
【0030】
また、上記実施例においては、第1枝部110Yと第2枝部110Zに、それぞれ折り曲げ部(第1折り曲げ部111,第2折り曲げ部112)を1か所ずつ設ける場合の構成について示した。
【0031】
しかしながら、本発明はこのような構成に限定されることはなく、各枝部に一対の平行な折り曲げ線からなる折り曲げ部を複数個所に設ける構成も含まれる。例えば、図7(b)に示す変形例2に係るFPC110Bのように、第1枝部110Yに、2か所の折り曲げ部(第1折り曲げ部111と第3折り曲げ部113)を設け、第2枝部110Zに、2か所の折り曲げ部(第2折り曲げ部112と第4折り曲げ部114)を設ける構成を採用することもできる。なお、第3折り曲げ部113及び第4折り曲げ部114の構成や折り曲げ方については、第1折り曲げ部111及び第2折り曲げ部112の構成や折り曲げ方と同様であるので、その説明は省略する。この変形例2に係るFPC110Bについても、上記実施例に係るFPC110と同様の効果が得られることは言うまでもない。この変形例2の場合には、折り曲げ加工後の一対の枝部の最大幅B3を、折り曲げ加工前の一対の枝部の最大幅に対して、上記実施例の構成よりも広くし易い利点がある。
【0032】
なお、折り曲げ部は一つの枝部に対して3か所以上に設けることができる。また、第1枝部110Yと第2枝部110Zに設ける折り曲げ部の数は異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0033】
100 バッテリモジュール
110X 幹部
110Y 第1枝部
110Y1,110Y2,110Y3,110Y4 小枝部
110Z 第2枝部
110Z1,110Z2,110Z3 小枝部
111 第1折り曲げ部
111a,111b 折り曲げ線
112 第2折り曲げ部
112a,112b 折り曲げ線
113 第3折り曲げ部
114 第4折り曲げ部
118 配線
120 支持部材
130 コネクタ
141,142 バスバ
200 バッテリ
210 セル
211 正極
212 負極
300 電圧監視装置本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9