(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】可逆光コネクタ、並びに関連するデバイス、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/40 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
G02B6/40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020027644
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2023-02-01
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520061561
【氏名又は名称】サンワ エレクトロニクス ユーエスエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】石川 明人
(72)【発明者】
【氏名】加賀 知晃
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴司
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0220961(US,A1)
【文献】特開2009-276493(JP,A)
【文献】国際公開第2018/111617(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0267256(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106383383(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ケーブルのためのコネクタであって、
キャビティを含むハウジングと、
前記通信ケーブルが挿入される前記ハウジングの近位端とは反対の前記ハウジングの遠位部分に連結される、第1のプラグ及び第2のプラグと、
前記ハウジングに連結されるラッチアクチュエータと
、を含み、
前記第1のプラグは、第1の長手軸を定め、前記第2のプラグは、第2の長手軸を定め、前記第1及び第2のプラグは、各々、
前記ラッチアクチュエータが前記ハウジングから切り離された状態で、前記ハウジングに対してそれぞれ前記第1及び第2の長手軸について独立して回転可能であり、前記第1のプラグは、第1のラッチを含み、前記第2のプラグは、第2のラッチを含み、
前記ラッチアクチュエータは、前記第1及び第2のラッチ
に対して近位に並進して、前記第1及び第2のラッチをアウトレットから係合解除させるように構成される、少なくとも1つのカム面を含む、
コネクタ。
【請求項2】
前記第1及び第2のプラグは、前記ハウジングの前記遠位部分でそれぞれの円筒形キャビティ内に位置付けられる円筒形フランジを含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1及び第2のプラグは、前記ハウジングの前記キャビティ内に配置されるそれぞれの導管を含み、該それぞれの導管は、それぞれの通信線を運ぶように構成される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記通信線は、光ファイバを含み、前記第1及び第2のプラグの前記導管は、それぞれ、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバを収容するように構成される、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記ラッチアクチュエータは、前記ハウジングに取り外し可能に連結され、前記ハウジング及び前記ラッチアクチュエータは、前記ラッチアクチュエータを前記ハウジングの頂側又は前記ハウジングの底側に連結することができるように構成される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ハウジングは、少なくとも1つの隆起部を含み、前記ラッチアクチュエータは、前記ハウジングの前記少なくとも1つの隆起部と解放可能に係合するように構成される少なくとも1つの爪コネクタを含む、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記ラッチアクチュエータは、
前記ハウジングに接続される底プレートと、
前記底プレートに連結され、
前記第1及び第2のラッチを作動させるよう前記底プレートに対して長手方向にスライドするように構成される、
頂プレートとを含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記ラッチアクチュエータの前記頂プレートに連結され、前記ラッチアクチュエータの前記頂プレート
から前記通信ケーブルに向かって近位に延びる、プルタブを更に含む、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第1及び第2のラッチは、前記第1及び第2のプラグから離れる方向に付勢され、前記ラッチアクチュエータは、前記頂プレートを前記底プレートに対して長手方向にスライドさせることによって、前記少なくとも1つのカム面を介して、前記第1及び第2のラッチを押し下げるように構成される、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第1及び第2のラッチは、前記第1及び第2のラッチの中間部分に位置付けられるそれぞれの係止表面を含み、該係止表面は、アダプタにある対応する表面と係合するように構成される、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記第1及び第2のプラグは、前記ハウジングの前記遠位部分から平行に遠位に延びる、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項12】
通信線のためのコネクタであって、
コネクタハウジングと、
前記通信線が挿入される前記コネクタハウジング
の近位端とは反対に前記コネクタハウジングから遠位に延びる第1のプラグ本体であって、第1の長手軸を定める、第1のプラグ本体と、
前記第1のプラグ本体の側に連結される第1のラッチと、
前記コネクタハウジングから遠位に延びる第2のプラグ本体であって、第2の長手軸を定める、第2のプラグ本体と、
前記第2のプラグ本体の側に連結される第2のラッチと、
前記コネクタハウジングにスライド可能に連結され、前記第1及び第2のラッチ
に対して近位に同時に
並進するように構成される、カム部材と
、を含み、
前記第1のプラグ本体及び前記第2のプラグ本体の各々は、
前記カム部材が前記コネクタハウジングから切り離された状態で、前記コネクタハウジングに対してそれぞれ前記第1及び第2の長手軸について独立して少なくとも180度回転するようにそれぞれ構成される、
コネクタ。
【請求項13】
前記カム部材は、
前記コネクタハウジングに接続される第1
のプレートと、前記第1のプレートに連結され、前記第1及び第2のラッチを同時に作動させるよう前記第1のプレートに対して長手方向にスライドするように構成される、第2のプレート
と、を含み、
前記カム部材は、前記第1及び第2のプレートの並進の平面に対して直交して延びる第1及び第2の取付けアームを含み、
前記コネクタハウジングは、第1の側にある第1の突起と、第2の側にある第2の突起とを含み、
前記第1の取付けアームは、前記第1の突起と係合する第1の棘を含み、前記第2の取付けアームは、前記第2の突起と係合する第2の棘を含む、
請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記第1の棘は、前記第2の突起と係合するように構成される角度付き表面を含む、請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記コネクタハウジングは、中心軸について対称的である、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項16】
コネクタのプラグ構成を切り替える方法であって、
前記コネクタのハウジングの第1の側からラッチアクチュエータを切り離すステップと、
第1のプラグが前記ハウジングに接続される間に前記第1のプラグを前記ハウジングに対して180度回転させるステップであって、前記第1のプラグは、第1のラッチを含む、ステップと、
第2のプラグが前記ハウジングに接続される間に前記第2のプラグを前記ハウジングに対して180度回転させるステップであって、前記第2のプラグは、第2のラッチを含む、ステップと、
前記ラッチアクチュエータ
の少なくとも1つのカム面が前記第1及び第2のラッチ
に対して近位に同時に
並進して、前記第1及び第2のラッチをアウトレットから係合解除させるように構成されるように、前記ラッチアクチュエータを前記ハウジングの第2の側に接続するステップと
、を含む、
方法。
【請求項17】
前記ラッチアクチュエータを前記ハウジングの第2の側に接続するステップは、前記ラッチアクチュエータの棘を、前記ハウジングの外面に配置される隆起部と係合させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1及び第2のラッチを対応するコネクタから係合解除するために、前記ラッチアクチュエータ
のタググリップに連結されるタブを引っ張るステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記タブを引っ張るステップは、前記ラッチアクチュエータの頂プレートを前記ラッチアクチュエータの底プレートに対してスライドさせて、前記ラッチアクチュエータのカム面を前記第1及び第2のラッチの上で移動させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
コネクタを組み立てる方法であって、
第1のハウジング本体を提供するステップと、
第1のプラグが前記第1のハウジング本体に対して第1の長手軸について回転するように構成されるように、前記第1のプラグを前記第1のハウジング本体に連結するステップと、
前記第1のプラグが前記第1のハウジング本体に対して第2の長手軸について回転するように構成されるように、第2のプラグを前記第1のハウジング本体に連結するステップと、
前記第1のハウジング本体及び第2のハウジング本体が密閉されたハウジングを形成するように、並びに前記第1及び第2のプラグが、各々、前記ハウジングに対して独立して回転するように構成されるように、対向する第2のハウジング本体を前記第1のハウジング本体に連結するステップと、
ラッチアクチュエータの少なくとも1つのカム面が前記第1のプラグに接続される第1のラッチ及び前記第2のプラグに接続される第2のラッチに対して近位に並進して、前記第1及び第2のラッチをアウトレットから係合解除させるように構成されるように、前記ラッチアクチュエータを前記ハウジングの側に連結するステップと
、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、光コネクタ(optical connectors)に関し、より具体的には、可逆プラグ(reversible plugs)を含む光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ用の幾つかの従来的なコネクタ機構は、ユーザが、典型的には親指又は指を用いて押して、対応するアダプタとのラッチ接続をキャンセルする(取り消す)、ラッチを含む。従って、コネクタをアダプタ又はアウトレットから切り離すために、2つの別個の動き、すなわち、下方押付け(downward press)及び近位引張り(proximal pull)が使用される。これらの動きは、コネクタの基部付近の周りにユーザの両手を位置決めすることを含む。近年、高密度実装構成(high density mounting configurations)が、例えば、データセンタ及びネットワークサーバにおいてより一般的になってきている。高密度実装構成では、多くのコネクタが、サーバ、バス、ハブ、ローカル終端キャビネット、又はスイッチに、互いに近接近して接続される。従って、ユーザがアダプタ付近でコネクタの周りに両手を位置決めすることは、便利でないことがあり、実用的でないことがあり、あるいは可能でないことがある。何故ならば、スペースは、制約されているからである。
【0003】
更に、多くのコネクタは、通信のマルチチャネルを容易にするために並列に位置付けられる複数のプラグを含む。時には、単一のコネクタ上でプラグの配置を切り替えることが望ましい。コネクタを対応する光ファイバから切り離し或いは分離し、配置を切り替え、且つコネクタを光ファイバに再接続することなくこれを行うことは、可能でないか或いは実用的でないことがある。それに関して、従来的な光コネクタは、分解及び再組立てに適さないことがある。従って、現在のコネクタは、特定の用途に適合するように変更される柔軟性を欠き、高密度実装状況に十分に適さない。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、可逆的な光学的接続をもたらすデバイス、システム、及び方法を提供する。幾つかの実施形態では、コネクタが、2つ又はそれよりも多くのプラグを含み、プラグは、プラグがハウジングに対して回転できるように、ハウジングに回転可能に連結される。プラグを180度回転させ、コネクタを反転させることによって、2つのプラグの相対的な配置又は位置を切り替えるか或いは逆転させることができる。幾つかの実施形態では、コネクタを完全に分解することなく、プラグを回転させるか或いは逆転させることができる。更に、幾つかの実施形態において、コネクタは、ハウジングに取り外し可能に又は除去可能に接続されるラッチアクチュエータを含むことができる。ラッチアクチュエータは、プラグのそれぞれのラッチを作動させて、下向きの押付けを用いることなく、長手方向又は近位方向の動きのみを使用して、アダプタへの接続をキャンセルすることを可能にする。幾つかの実施形態では、ユーザの両手がコネクタとアダプタとの間の接合部から離れて位置付けられることがあるように、プルタブを使用してラッチアクチュエータを引っ張り、接続をキャンセルすることができる。従って、本開示の実施形態は、高密度設定において通信ネットワークを頻繁に修正するユーザ又は操作者のためのワークフローを改良することができる。
【0005】
幾つかの実施形態では、通信ケーブルのためのコネクタが、キャビティを含むハウジングと、ハウジングの遠位部分に連結される、第1のプラグ及び第2のプラグとを含む。第1のプラグは、第1の長手軸を定め、第2のプラグは、第2の長手軸を定める。第1及び第2のプラグは、各々、ハウジングに対してそれぞれ第1及び第2の長手軸について独立して回転可能である。第1のプラグは、第1のラッチを含み、第2のプラグは、第2のラッチを含む。コネクタは、ハウジングに連結されるラッチアクチュエータを更に含み、ラッチアクチュエータは、第1及び第2のラッチを作動させて、第1及び第2のラッチをアウトレットから係合解除させるように構成される、少なくとも1つのカム面を含む。
【0006】
幾つかの実施態様において、第1のプラグ及び第2のプラグは、互いに独立して回転するように構成される。幾つかの実施形態において、第1及び第2のプラグは、ハウジングの遠位部分でそれぞれの円筒形キャビティ内に位置付けられる円筒形フランジを含む。幾つかの実施形態において、第1及び第2のプラグは、ハウジングのキャビティ内に配置されるそれぞれの導管を含み、それぞれの導管は、それぞれの通信線(通信ライン)を運ぶように構成される。幾つかの態様によれば、通信線は、光ファイバを含み、第1及び第2のプラグの導管は、それぞれ、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバを収容するように構成される。
【0007】
幾つかの実施形態において、ラッチアクチュエータは、ハウジングに取り外し可能に連結され、ハウジング及びラッチアクチュエータは、ラッチアクチュエータをハウジングの頂側又はハウジングの底側に連結することができるように構成される。幾つかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも1つの隆起部を含み、ラッチアクチュエータは、ハウジングの少なくとも1つの隆起部と解放可能に係合するように構成される少なくとも1つの爪コネクタを含む。幾つかの実施形態において、ラッチアクチュエータは、頂プレートと、頂プレートに連結され、頂プレートに対して長手方向にスライドするように構成される、底プレートとを含む。1つの態様によれば、コネクタは、ラッチアクチュエータの頂プレートに連結され、ラッチアクチュエータの頂プレートの近位に延びる、プルタブを更に含んでよい。別の態様において、第1及び第2のラッチは、第1及び第2のプラグから離れる方向に付勢され、ラッチアクチュエータは、頂プレートを底プレートに対して長手方向にスライドさせることによって、少なくとも1つのカム面を介して、第1及び第2のラッチを押し下げるように構成される。幾つかの実施形態において、第1及び第2のラッチは、第1及び第2のラッチの中間部分に位置付けられるそれぞれの係止表面を含み、係止表面は、アダプタにある対応する表面と係合するように構成される。幾つかの実施態様において、第1及び第2のプラグは、ハウジングの遠位部分から平行に遠位に延びる。
【0008】
幾つかの実施形態によれば、通信線のためのコネクタが、コネクタハウジングと、コネクタハウジングから遠位に延びる第1のプラグ本体であって、第1の長手軸を定める第1のプラグ本体と、第1のプラグ本体の側に連結される第1のラッチと、コネクタハウジングから遠位に延びる第2のプラグ本体であって、第2の長手軸を定める第2のプラグ本体と、第2のプラグ本体の側に連結される第2のラッチと、コネクタハウジングにスライド可能に連結され、第1及び第2のラッチを同時に作動させるように構成される、カム部材とを含む。1つの態様において、第1のプラグ本体及び第2のプラグ本体の各々は、コネクタハウジングに対して少なくとも180度回転するようにそれぞれ構成される。
【0009】
幾つかの実施形態において、カム部材は、互いにスライド可能に連結される第1及び第2のプレートを含む。カム部材は、第1及び第2のプレートの並進の平面に対して直交して延びる第1及び第2の取付けアームを含んでよい。コネクタハウジングは、第1の側にある第1の突起と、第2の側にある第2の突起とを含んでよい。第1の取付けアームは、第1の突起と係合する第1の棘を含むことができ、第2の取付けアームは、第2の突起と係合する第2の棘を含むことができる。幾つかの実施形態において、第1の棘は、第2の突起と係合するように構成される角度付き表面を含む。幾つかの実施形態において、コネクタハウジングは、中心軸について対称的である。
【0010】
本開示の他の実施形態によれば、コネクタのプラグ構成を切り替える方法が、コネクタのハウジングの第1の側からラッチアクチュエータを切り離すステップと、第1のプラグがハウジングに接続される間に第1のプラグをハウジングに対して180度回転させるステップであって、第1のプラグは、第1のラッチを含む、ステップと、第2のプラグがハウジングに接続される間に第2のプラグをハウジングに対して180度回転させるステップであって、第2のプラグは、第2のラッチを含む、ステップと、ラッチアクチュエータが第1及び第2のラッチを同時に作動させるように構成されるように、ラッチアクチュエータをハウジングの第2の側に接続するステップとを含む。
【0011】
幾つかの実施形態において、ラッチアクチュエータをハウジングの第2の側に接続するステップは、ラッチアクチュエータの棘を、ハウジングの外面に配置される隆起部と係合させることを含む。幾つかの実施形態において、方法は、第1及び第2のラッチを対応するコネクタから係合解除するために、ラッチアクチュエータに連結されるタブを引っ張るステップを更に含む。幾つかの実施形態において、タブを引っ張るステップは、ラッチアクチュエータの頂プレートをラッチアクチュエータの底プレートに対してスライドさせて、ラッチアクチュエータのカム面を第1及び第2のラッチの上で移動させる。
【0012】
本開示の別の実施形態によれば、コネクタを組み立てる方法が、第1のハウジング本体を提供するステップと、第1のプラグが第1のハウジング本体に対して第1の長手軸について回転するように構成されるように、第1のプラグを第1のハウジング本体に連結するステップと、第1のプラグが第1のハウジング本体に対して回転するように構成されるように、第2のプラグを第1のハウジング本体に連結するステップと、第1のハウジング本体及び第2のハウジング本体が密閉された(enclosed)ハウジングを形成するように、並びに第1及び第2のプラグが、ハウジングに対して回転するように構成されるように、対向する第2のハウジング本体を第1のハウジング本体に連結するステップと、ラッチアクチュエータをハウジングの側に連結するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの頂側の立面図である。
【
図2A】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの遠位端の正面の平面図である。
【
図2B】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの側面図である。
【
図2C】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの近位端の背面の平面図である。
【
図3】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの底側の立面図である。
【
図4】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの斜視図である。
【
図5】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの分解図である。
【
図6】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタのハウジングの組立図である。
【
図7】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタのラッチアクチュエータの組立図である。
【
図8】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの光学プラグの分解図である。
【
図9】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った光コネクタプラグ構成を逆転させる方法を示しフロー図である。
【
図10A】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った
図9に示す方法の様々な段階での可逆光コネクタの斜視図である。
【
図10B】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った
図9に示す方法の様々な段階での可逆光コネクタの斜視図である。
【
図10C】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った
図9に示す方法の様々な段階での可逆光コネクタの斜視図である。
【
図10D】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った
図9に示す方法の様々な段階での可逆光コネクタの斜視図である。
【
図10E】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った
図9に示す方法の様々な段階での可逆光コネクタの斜視図である。
【
図11】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った可逆光コネクタの部分的に透明な立面図である。
【
図12A】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った、回転ストップを含む
図11の可逆光コネクタの断面図である。
【
図12B】本開示の1つ又はそれよりも多くの実施形態に従った、回転ストップを含む
図11の可逆光コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、ここで、図面に例示される実施形態を参照し、特定の用語を用いて実施形態を記述する。それにも拘わらず、本開示の範囲に対する制限が意図されていないことが理解されよう。記載するデバイス、システム、及び方法に対するあらゆる変更及び更なる修正、並びに本開示の原理のあらゆる更なる適用は、本開示が関係する当業者の心に通常思い浮かぶように、完全に想定され、本開示に含まれる。特に、1つの実施形態に関して記載する構成、構成要素、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して記載する構成、構成要素、及び/又はステップと組み合わせられてよいことが十分に想定される。しかしながら、簡潔性のために、これらの組み合わせの数多くの繰返しは、別個に記載されない。
【0015】
本開示は、可逆的なプラグ構成(reversible plug configurations)と、有利な接続解放機構(connection release mechanisms)とを提供する、コネクタを記載する。本開示は、光ファイバ通信のような光通信における使用のためのコネクタを記載するが、本開示は、決して光通信に限定されないことが理解されるであろう。それに関して、本開示の実施形態は、有線電気コネクタ及び他のコネクタを含む、他のタイプのコネクタのために使用されることができる。
【0016】
幾つかの実施形態では、光コネクタ(optical connector)が、ハウジング又は本体と、ハウジングに連結され、ハウジングから延びる、2以上(2つ又はそれよりも多く)のプラグとを含む。プラグは、プラグがハウジングに対して回転し得るように、ハウジングに連結される。各プラグをハウジングに対して180度回転させ、コネクタを反転させることによって、互いに対するプラグの位置付けが切り替えられるか、或いは逆にされる。幾つかの実施形態において、プラグの相対的な位置付けは、ツールを使用せずに手動で切り替えられることができ、或いは逆にされることができる。
【0017】
更に、幾つかの実施形態では、コネクタが、ラッチアクチュエータを含み、ラッチアクチュエータは、長手方向の引張力を1以上(1つ又はそれよりも多く)のラッチに対する下向きの力に変換して、対応するアダプタとのラッチの接続をキャンセルするか(cancel)或いはラッチ解除する(unlatch)。例えば、ラッチアクチュエータは、コネクタハウジングにスライド可能に連結されることができ、ラッチに対してスライド又はシフトするように構成されることができる。スライド式ラッチアクチュエータは、ラッチアクチュエータが長手方向に移動するときにラッチを押し下げるように構成されるカム又はカム面を含むことができる。ラッチアクチュエータを取り外してプラグ構成を反転させ、プラグ構成が成功裡に反転された後にラッチアクチュエータを再び取り付けることができるように、ラッチアクチュエータをハウジングに取り外し可能に連結することができる。
【0018】
図1~
図3を参照すると、光コネクタ100が、ハウジング又は本体110と、ハウジング110に連結され、ハウジング110の遠位に延びる、第1及び第2のプラグ120a、120bと、ハウジング110の第1の側
(side)又は頂側(top side)に連結されたラッチアクチュエータ130とを含む。コネクタ100は、ハウジング110の近位端に連結され、ハウジング110と光ケーブル150との間に剛性の移行部を提供するように構成された、ひずみ歪み解放部140(strain release)も含む。
図1を参照すると、コネクタ100は、ハウジング110に連結され、ハウジング110から遠位に延びる、第1のプラグ120a及び第2のプラグ120bを含む。プラグ120a、120bは、幾つかの実施形態において、LCタイプのプラグであってよい。第1及び第2のプラグ120a、120bは、並列に延びており、ケーブル150によって運ばれる信号をアダプタ又はアウトレット(outlet)を介してコンピューティングシステム、スイッチ、ハブ、バス、サーバ、又は任意の他の適切な電気部品に通信するための接続を作るよう、対応するアダプタ又はアウトレットに挿入されるように構成される。幾つかの実施形態において、アダプタ(図示せず)は、光ケーブル150によって運ばれる光信号を電気信号に変換するように構成される。
【0019】
図2A~
図2Cを参照すると、各プラグ120a、120bは、それぞれのプラグ120a、120bの本体122a、122bの、ここでは頂側(top side)として示される横側(lateral side)に連結された、対応するラッチ124a、124b又は係止片(locking piece)を含む。幾つかの実施態様において、ラッチ124a、124b及びプラグ本体122a、122bは、射出成形によるように、一体的に形成される。他の実施形態において、プラグ本体122a、122b及びラッチ124a、124bは、アセンブリプロセスの間に別々に形成され、取り付けられる。図示の実施形態において、ラッチ124a、124bは、遠位端のような一端で本体122a、122bに接続されており、ラッチ124a、124bをプラグ本体122a、122bの表面から離れる方向に付勢して、プラグ本体122a、122bに対して斜角を形成するよう、本体に対して弾力的に屈曲又は枢動することがある。ラッチ124a、124bは、それらがプラグ本体122a、122bに向かって押し下げられることができるように、フレキシブル(可撓)である。以下に更に説明するように、幾つかの実施形態において、ラッチ124a、124bを押し下げることは、ラッチ124a、124bとアダプタの対応する捕捉面(catching surface)との係合解除のために、コネクタ100とアダプタとの間の対応する接続をキャンセルし或いはラッチ解除する。
【0020】
ラッチアクチュエータ130は、ラッチアクチュエータ130の1以上の構成要素(コンポーネント)又は構成がハウジング110及びラッチ124a、124bに対してスライド又は平行移動できるように、ハウジング110の頂側のような側に連結される。以下に更に説明するように、図示の実施では対応するラッチ124a、124bの近位部分にある各ラッチ124a、124bの端が、ラッチアクチュエータ130に連結され、ラッチ124a、124bに対して近位にラッチアクチュエータ130を移動させることは、ラッチを変位させ、コネクタ100とアダプタとの間の接続をキャンセル又はラッチ解除するのに十分な、各ラッチ124a、124bに対する下向きの力を誘発する。図示の実施において、ラッチアクチュエータ130は、同時に2つのラッチを(例えば、押し下げることによって)変位させることがある一方で、他の実施形態において、ラッチアクチュエータは、単一のラッチ又はより多数のラッチを変位させることがある。幾つかの実施において、ラッチアクチュエータは、2~24個のラッチの間を同時に変位してよいが、他の数も想定される。
【0021】
図3は、コネクタ100の底面(bottom surface)を示している。ハウジング110の底面は、露出して示されている。何故ならば、ラッチアクチュエータ130は、ハウジング110の反対の頂面(top surface)に取り付けられるからである。同様に、ラッチ124a、124bは見えない。何故ならば、それらは、プラグ本体122a、122bの反対に位置付けられるからである。幾つかの実施態様において、ハウジング110は、ハウジング110の頂面がハウジング110の底面と実質的に類似又は同一であるように、ハウジング110の中心平面について対称的である。ハウジング110の底面は、コネクタ100の底側が上向きに面していることを示す「X」マークを含む。以下に更に示すように、どの側が上又は下に面しているかをユーザが決定するのを可能にするよう、ハウジング110は、ハウジング110の反対側に「V」のような異なるマークを含むことができる。Xマーク及びVマークが
図3の例示的なコネクタ100に示されているが、2つの側が異なることをユーザに伝えるために、それらが頂側及び底側で異なる限り、任意のシンボル又はしるし(indicia)が使用されることができる。
【0022】
図4は、コネクタ100の近位部分のクローズアップ斜視図を示している。コネクタ100のラッチアクチュエータ130は、爪フィンガ(pawl fingers)と呼ぶこともある接続アーム138を介してハウジング110に連結され、ラッチアクチュエータ130の各側に位置付けられている。接続アーム138は、ラッチアクチュエータ130から下向きに延び、(
図6に示し且つ後述する)ハウジング110の対応する表面又は隆起部118(リッジ)と係合する。ラッチ124a、124bの近位部分139a、139bは、ラッチアクチュエータ130のカム部分132内に位置付けられる。カム部分132は、ラッチアクチュエータ130がラッチ124a、124b及びハウジング110に対して近位側に移動されるときに、ラッチ124a、124bに対して下向きの変位又はキャンセル力を生じさせるように構成された(
図11に示し且つ後述する)カム面136を含む。ラッチアクチュエータ130は、タブグリップ134を含み、タブグリップ134は、ラッチアクチュエータ130の便利な作動、結果的に、ラッチ接続のキャンセル又は下向き変位を容易にするために、タブのフックのような遠位端に係合するように構成される。
【0023】
図5は、幾つかの実施形態に従った、コネクタ100の個々の構成要素を示す分解図である。図示のように、ハウジング110は、第1のハウジング本体112a及び第2のハウジング本体112bで形成され、それらを互いに接続してハウジング本体110を形成することができる。上述のように、ハウジング110の本体又は部分112a、112bは、本体112a、112bが接続されるときに、ハウジング110が中心平面について対称的であるように、成形又は構成されることができる。従って、ラッチアクチュエータ130は、ハウジング110の両側に接続又は連結されることができる。第1及び第2のプラグ120a、120bは、ハウジング110に対するプラグ120a、120bの回転可能な接続を提供するよう、ハウジング110の対応するスロット、キャビティ、又はウェル内に位置付けられるように構成された、それぞれの近位フランジ128a、128bを含む。例えば、コネクタ組立てプロセスは、近位フランジ128a、128bを第2の本体部分112bの対応するスロット内に位置付けることを含むことができる。次に、プラグ120a、120bがハウジング110に対して回転できるように、第1のハウジング部分112aを第2のハウジング部分112bに連結することができる。それに関して、プラグ120a、120bの各々は、他方のプラグ120bを回転させることなく一方のプラグ120aの回転を達成し得るように、ハウジング110に対して独立して回転可能である。図示の実施において、フランジ128a、128b及びキャビティは、円筒形である。しかしながら、プラグ120a、120bは、ハウジング110を分解することなくプラグ120a、120bをハウジング110から分離することができるよう、他の構成を用いて、例えば、ハウジング110の対応する円筒形のキャビティとの取り外し可能な干渉嵌めを形成する円筒形の本体によって、ハウジング110に連結されてよい。幾つかの実施態様において、ハウジング110は、プラグ120a、120bの対応するキャビティ又はチャネル内に適合するフランジを含む。これらの実施は限定的なものでなく、プラグ及びハウジングのための他の連結構成も本開示によって想定されることが理解されるであろう。
【0024】
ひずみ解放部140の構成要素は、コネクタ100の近位端又は部分に位置付けられる。特に、コーキングホルダ142(かしめホルダ)が、ハウジング110の近位端に連結され、ハウジング110の近位に延びる。第1のハウジング本体112a及び第2のハウジング本体112bが接続されるときに、コーキングホルダ142の遠位フランジをハウジング110にある対応するスロット内に位置付けて、頑強(ロバスト)な接続を提供することができる。コーキングリング144(かしめリング)及びヒートシンクチューブ146をコーキングホルダ142の近位部分の上又は周りに位置付けることができる。更に、ブーツ148がハウジング110の近位端に当接するように、ブーツ148又はブッシュが、ヒートシンクチューブ146、コーキングリング144、及びコーキングホルダ142の上に位置付けられるように構成される。コーキングホルダ142、コーキングリング144、ヒートシンクチューブ146、及びブーツ148は、共に、剛性ハウジング110からフレキシブルケーブル150への移行を提供するひずみ解放部140を形成する。
【0025】
ハウジング本体112a、112bのクローズアップ図を
図6に示している。第1のハウジング本体112aの外面は、この例では、ハウジング110の第1の側を示す「V」である、マーキング又はしるしを含む。更に、第1のハウジング本体112aは、第2のハウジング本体112bの対応する係止表面114b、116bと係合するように構成される、第1及び第2の係止タブ114a、116aを含む。図示の例において、第1及び第2の係止表面114b、116bは、第2のハウジング本体112bの側面に形成された溝又は凹部である。溝又は凹部は、陥凹及び突起並びに係止タブ114a、116aと係合し且つ接続する他の機械的に干渉する構造として形成された、接続要素を含んでよい。第1及び第2のハウジング本体112a,112bは、ファイバが通過して他の構成要素を互いに対して所定の場所に維持する働きをするキャビティを形成するよう協働する。
【0026】
第1のハウジング本体112aは、プラグ120a、120bの近位フランジ128a、128bを受け入れる第1及び第2の開口を形成するように底開口部分113a、113bと整列する、頂開口部分115a、115bを含む。この例において、第1及び第2の開口は、プラグ120a、120bの近位部分が位置する丸いスロット又はウェルを含む。このようにして、プラグ120a、120bの近位フランジ128a、128bを第1及び第2のハウジング本体112a、112b内に閉じ込めることによって、プラグ120a、120bは、ハウジング110に取り付けられ、ハウジング110に対して回転するように構成される。第2のハウジング本体112bは、ラッチアクチュエータ130の接続アーム138の棘(barb)又は爪139(
図7)と係合するように構成される隆起部118(リッジ)を更に含む。幾つかの実施において、第1及び第2のハウジング本体112a,112bは、干渉嵌め、ドエル、接着剤、又は任意の他の適切な連結構成を使用することのような、他のアプローチ又は構成を使用して、互いに連結される。ハウジング110は、近位開口117を含み、近位開口を通じて、光ファイバ又は電気ワイヤを位置付け、プラグ120a、120bに接続することができる。例えば、コーキングホルダ142のフランジを開口117付近のハウジング110のスロット内に位置付けて、プラグ120a,120bとハウジング110との間の接続に類似する接続を形成することができる。
【0027】
図7は、ラッチアクチュエータ130の分解図を示している。ラッチアクチュエータ130は、頂プレート131aと、底プレート131bと、接続プレート131cとを含む。頂プレート131aは、カム部分132を含み、第1及び第2のカム面136a、136bが、カム部分132のそれぞれの開口内に位置付けられる。カム係合部分160(
図5)を含むラッチ124a,124bの近位端を、カム部分132の開口内に位置付けることができ、カム面136a,136bと接触又は係合するように位置付けることができる。カム面136a,136bは、頂プレート131aが近位に移動させられるときに、カム係合部分160に対して下向きの力を加えるように構成される。これはカム係合部分160及びラッチ124a、124bを変位させる。頂プレート131aは、底プレート131bの対応するキースロット137b内にスライド可能に位置付けられるように構成される、頂プレート131aの下面にあるキー付き突起137aを更に含む。頂プレート131aは、プルタブ(引張りタブ)(pull tab)を把持又は捕捉するように構成されるタブグリップ134a,134bも含む。それに関して、タブを引っ張ることがラッチアクチュエータ130の頂プレート131aも引くように、プルタブのフックをタブグリップ134a,134b内に位置付けることができる。
【0028】
底プレート131bは、スロット135を含み、スロットを通じて、頂プレート131aの接続ドエルを位置付けることができ、接続プレート131cの穴を介して接続プレート131cに接続することができる。頂プレート131aの接続タブがスロット135を通じて位置付けられ、接続プレート131cの穴に接続されるときに、スライド連結が、頂プレート131aと底プレート131bとの間に形成され、底プレート131bは、頂プレート131aと接続プレート131cとの間に挟装される。頂プレート131a及び底プレート131bは、調節された範囲内でスライドするように連結される。頂プレート131aの接続タブ間の間隔に対するスロット135の幅によって調節された範囲を規定することができる。底プレート131bは、底プレート131bの平面又は頂面に対して直交する底プレート131bから下向きに延びる接続アーム138も含む。図示の例において、接続アーム138は、棘又は爪139を含む。棘又は爪139は、ハウジング110の隆起部118と係合するように構成されたアーム138から内向きに延びる突起を含む。棘139は、棘139が隆起部118と係合するときに、角度付き表面が隆起部118の底面に対して斜めであるように、角度付き表面を含むことができる。棘139の角度付き表面は、ラッチアクチュエータ130とハウジング110との間の解放可能な又は取り外し可能な接続を可能にすることができる。それに関して、幾つかの実施形態において、ラッチアクチュエータ130は、ラッチアクチュエータ130をハウジング110から持ち上げることによって、手でハウジング110から取り外され、ハウジング110に再び取り付けられる、ように構成される。この例において、接続アームは、弾力的に偏向して、ハウジング110への取外し又は再取付けを可能にする。他の実施は、ラッチアクチュエータ130をハウジング110に取り外し可能に取り付けるために、棘又は爪139の代わりに、スナップ嵌め又は他のコネクタを利用する。
【0029】
プラグ120の分解図を
図8に示す。この例において、プラグ120はプラグ本体122を含み、ラッチ124は、プラグ本体122の側面に連結されている。ラッチ124は、ラッチ124の中間部分に、係止ショルダ(係止肩)又は係止表面126a、126bを含む。係止ショルダ126a、126bは、アダプタ内の対応する表面又は突起と係合してラッチ接続を形成するように構成される。ラッチ接続は、ラッチ124の近位部分をプラグ本体122に向かって押し付けることによって、ラッチ解除され、キャンセルされ、あるいは解放され、それはショルダ126a、126bをアダプタの対応する係止表面から係合解除する。ラッチ124は、ラッチ124がラッチ124の近位部分でプラグ本体122から離れる方向に延びるように付勢される。
【0030】
フェルール121(ferrule)及びフェルールチューブ123が、プラグ本体122内に位置付けられるように構成され、バネ125がプラグ本体122内でフェルール121及びフェルールチューブ123の周りに位置付けられる。近位端にフランジ128を含む延長キャップ127(extender cap)が、部分的にプラグ本体122内に位置付けられて、プラグ本体122との係止接続を形成し、プラグ本体122内でフェルール121及びフェルールチューブ123を保持する。拡張キャップ127は、以下に更に記載する、拡張キャップ127の横面(lateral surface)から延びるストップ隆起部129(停止隆起部)(stop ridge)を含む。プラグ120の構成要素は、プラグ120とアダプタとの間の信号通信を容易にするために光ファイバを収容しあるいは位置付けることができる、導管又は管腔を形成する。
【0031】
上述のように、幾つかの例では、コネクタのプラグ構成を切り替えるかあるいは逆転させることが望ましい。従来的なコネクタは、プラグ構成を変更するためにコネクタの分解を必要とすることがあり、それは不便で実用的でないことがある。本開示に記載する実施形態は、可逆プラグ構成を備えるコネクタを提供する。従って、技術者は、コネクタを著しく分解することなく、プラグ構成を逆転させることができる。これに関して、
図9は、本開示の態様に従った、可逆光コネクタのプラグ構成を逆転させるあるいは切り替える方法200を例示するフロー図である。
図10A~
図10Eは、方法200の様々なステップでのコネクタの実施形態を例示している。例えば、上述し且つ
図1~
図8に示すコネクタ100を用いて方法200を実施することができる。
【0032】
ステップ210において、コネクタは、プラグラッチに対して近位にラッチアクチュエータをスライドさせることによって、アダプタから切り離される。ラッチアクチュエータは、ラッチアクチュエータが近位に移動するときにラッチを押し付けるカム面を含む。
【0033】
ステップ220において、ラッチアクチュエータ130は、ハウジング110から離れる方向にラッチアクチュエータ130に持ち上げ力を加えることによって、コネクタ100のハウジング110から切断され、除去される。持ち上げ力は、幾つかの実施形態において、本明細書では棘又は爪として示す接続構成をハウジングから係合解除させることができる。すなわち、棘又は爪は、隆起部又は他の保持機構から係合解除されることがある。幾つかの例において、棘又は爪は、ハウジングにある。
【0034】
図10Aは、ラッチアクチュエータ130がハウジングから切り離されて取り外された状態のコネクタ100を示している。図示の実施において、ラッチアクチュエータ130は、矢印170によって示すように、ラッチアクチュエータ130をハウジング110から持ち上げることによって取り外される。しかしながら、例えば、捩ること、スライドさせること、押し下げること、及び/又は任意の他の適切な構成によってハウジング110から取り外されるラッチアクチュエータのような、取り外し可能なラッチアクチュエータ130の他の構成が想定される。
図10Bを参照すると、プラグ120a,120bの各々は、それぞれ、軸172及び軸174について回転可能であってよい。ステップ230において、プラグの一方120bは、ラッチ124bが他のラッチ124aに対してコネクタ100の反対側に位置付けられるように、矢印176によって示すように、ハウジングに対して軸174について180度回転させられる。
図10Cを参照すると、ステップ240において、他のプラグ124aは、ラッチ124a,124bが、今やコネクタ100の同じ側に位置付けられるように、矢印178によって示されるように、ハウジング110に対して軸172について180度回転させられる。シンボル「V」は、ハウジング110の上に面する表面に示されている。
図10Dを参照すると、ステップ250において、コネクタ100は、ハウジングの反対側が上を向くように、矢印180によって示すように、反転される。それに関して、「V」シンボルに対するハウジングの反対面にあるシンボル「X」は、
図10Dにおいて今や上を向いている。加えて、プラグ120a,120bの相対的な位置は、
図10Cに示す位置と比較するときに切り換えられる。
図10D及び
図10Eを参照すると、ラッチアクチュエータ130は、矢印182によって示すように、ステップ260において交換されあるいはハウジング110に再び取り付けられる。上述のように、ラッチアクチュエータ130は、接続アーム138の棘139をハウジング110の横側にある隆起部と係合させることによって、ハウジング110に接続する。ハウジング110は、ラッチアクチュエータ130の接続アーム138をハウジング110の両側に取り付け得るよう、ハウジング110の両方の横側に類似の又は同一の隆起部を含んでよいことが理解されるであろう。更に、接続アーム138が係合する隆起部118は、長手方向平面について対称的であり得る。換言すると、隆起部118は、いずれかのコネクタ構成においてラッチアクチュエータ接続アーム138の係合を可能にするよう、隆起部118の頂部及び底部に類似の又は同一の棚(shelves)を含んでよい。
【0035】
図11は、コネクタ100の部分的に透明な側面図を示しており、ラッチ124は係合位置にある。図示のように、ラッチアクチュエータ130は、ラッチ124の遠位部分に接触するカム面136を含む。ラッチ124は、カム面136の最も高い部分にある。ラッチアクチュエータ130が近位にシフトされると、角度付きカム面136は、ラッチ124を下向きに偏向させて、ラッチ124を係合解除する。従って、ラッチ124がラッチアクチュエータ130内に位置付けられた状態で、ラッチアクチュエータは、頂プレート131aが、調整された接続が可能にする限り、底プレート131bに対して遠位に遠くに位置付けられる、弛緩位置(relaxed position)に付勢される。
【0036】
図12A及び
図12Bは、
図11に示すコネクタ100の線A-Aでの断面図である。
図12Aにおいて、プラグ120a、120bは、それらのそれぞれのラッチ124a、124bがコネクタ100の頂側にあるように構成されている。対照的に、
図12Bにおいて、プラグ120a、120bは、それらのそれぞれのラッチ124a、124bがコネクタ100の底側にあるように、
図12Aにおける向きに対して180度回転させられている。ハウジングの開口部分113a、113bは、ハウジング180に対するプラグ120a、120bの回転の量を制限するように構成された回転子キャッチ119a、119b、119c、119d(rotator catches)を含む。プラグ120a、120bは、180度の円弧内で回転するように制限される。各プラグ120a、120bは、回転子キャッチ119a、119b、119c、119dを捕捉又はそれらと接触することによってそれぞれのプラグ120a、120bの回転を制限する、ストップ隆起部129a、129bを含む。プラグ120a、120bが180度回転させられた状態で、ラッチアクチュエータ130は、コネクタ100の反対側(すなわち、底側)で交換されることができる。
【0037】
上述の特定の実施形態は例示的であり、この開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更又は修正を行うことができることが理解されるであろう。例えば、幾つかの実施形態では、コネクタは、3個、4個、5個、又は任意の適切な数のプラグを含む、2個よりも多くのプラグを含むことができる。幾つかの実施形態において、コネクタは、電気接続を容易にするために使用される。幾つかの実施形態では、ラッチアクチュエータが、ハウジングにスライド可能に連結される単一のプレートを含んでよい。更に他の実施形態において、ラッチアクチュエータは、ラッチを持ち上げることによることを含む、上述の実施形態とは異なる方法でラッチ接続をキャンセルすることができる。幾つかの実施態様において、プラグは、ハウジングに対して360度回転するように構成される。
【0038】
当業者であれば、上述のデバイス、システム、及び方法を、更に他の方法で修正し得ることを理解するであろう。従って、当業者は、本開示によって包含される実施形態が、上述の特定の例示的な実施形態に限定されないことを理解するであろう。それに関して、例示的な実施形態を示し且つ記載したが、広範囲の修正、変更、及び置換が、前述の開示において想定される。そのような変更は、本開示の範囲から逸脱することなく、上述のものに行われることがあることが理解されよう。従って、添付の特許請求の範囲は、広義に、本開示と一致する方法で解釈されることが適切である。