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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】冷却庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240813BHJP
   F25D 21/14 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
F25D23/00 302C
F25D21/14 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020033364
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021135022
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 隆史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 洋平
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-175111(JP,A)
【文献】特開2006-284147(JP,A)
【文献】特開2019-049397(JP,A)
【文献】特開2008-134054(JP,A)
【文献】特開2005-226964(JP,A)
【文献】特開平03-067936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する箱状の冷却庫本体と、
前記冷却庫本体を冷却するための冷却装置と、
前記冷却装置により生じた冷気を前記冷却庫本体内に循環供給する庫内ファンと、
外部と前記冷却庫本体との通気経路上に設けられる電気的駆動弁と、
前記開口を覆うように設けられ開閉可能な扉と、
前記扉の開閉を検知するための扉開閉センサと、
前記冷却装置、前記庫内ファン、及び前記電気的駆動弁の運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記冷却庫本体内を冷却する冷却運転時に、外部からの空気が前記冷却庫本体内に流入するように前記電気的駆動弁を開き、前記扉開閉センサの検出結果に基づき前記電気的駆動弁の開度を調整するものとされ、
前記制御部は、
開かれている前記扉が閉じられたことが前記扉開閉センサにより検出されると、前記電気的駆動弁の開度を第1設定値から第2設定値まで時間に対して単調増大させる増大処理と、前記増大処理後に前記開度を前記第2設定値から前記第1設定値まで時間に対して単調減少させる減少処理と、を実行するとともに、
前記減少処理において前記開度を前記第2設定値から前記第1設定値まで減少する間に、開かれている前記扉が閉じられたことが前記扉開閉センサにより検出されると、前記開度を再び前記第2設定値まで時間に対して単調増大させる第2の増大処理を実行し、前記第2の増大処理後に前記開度を前記第2設定値から前記第1設定値まで時間に対して単調減少させる前記減少処理を再び実行し、
前記第2の増大処理後、前記減少処理を再び実行する前に、前記開度を所定の時間だけ前記第2設定値のまま維持する維持処理を実行する冷却庫。
【請求項2】
開口を有する箱状の冷却庫本体と、
前記冷却庫本体を冷却するための冷却装置と、
前記冷却装置により生じた冷気を前記冷却庫本体内に循環供給する庫内ファンと、
外部と前記冷却庫本体との通気経路上に設けられる電気的駆動弁と、
前記開口を覆うように設けられ開閉可能な扉と、
前記扉の開閉を検知するための扉開閉センサと、
前記冷却装置、前記庫内ファン、及び前記電気的駆動弁の運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記冷却庫本体内を冷却する冷却運転時に、外部からの空気が前記冷却庫本体内に流入するように前記電気的駆動弁を開き、前記扉開閉センサの検出結果に基づき前記電気的駆動弁の開度を調整するものとされ、
前記制御部は、
閉じられている前記扉が開かれたことが前記扉開閉センサにより検出されると、前記電気的駆動弁の開度を第1設定値から第2設定値まで時間に対して単調増大させる増大処理と、前記増大処理後に前記開度を前記第2設定値から前記第1設定値まで時間に対して単調減少させる減少処理と、を実行するとともに、
閉じられている前記扉が開かれた後、開かれている前記扉が閉じられたことが前記扉開閉センサにより検出された場合に、前記増大処理後、前記減少処理を実行する前に、前記開度を所定の時間だけ前記第2設定値のまま維持する維持処理を実行する冷却庫。
【請求項3】
前記冷却庫本体内の温度を検出する庫内温度センサを備え、
前記制御部は、前記庫内温度センサによって検出された前記冷却庫本体内の温度が所定の閾値以下の場合に、前記扉開閉センサの検出結果に基づき前記電気的駆動弁の開度を調整する一方、前記庫内温度センサによって検出された前記冷却庫本体内の温度が所定の閾値を超える場合には、前記扉開閉センサの検出結果に基づいて前記電気的駆動弁の開度を調整しないものとされる請求項1又は請求項2に記載の冷却庫。
【請求項4】
前記電気的駆動弁の開閉を人為的に操作するための操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部が操作された場合に、前記電気的駆動弁の開度を調整する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却庫。
【請求項5】
前記通気経路は、前記冷却庫本体の上部から前記冷却庫本体を構成する壁を貫通して外部に延出する通気パイプであり、
前記電気的駆動弁は、前記通気パイプ上に設けられる第1モーターバルブである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却庫。
【請求項6】
前記制御部は、前記冷却庫本体内を乾燥する乾燥運転時に、前記冷却庫本体内の水蒸気を外部に排出するように前記電気的駆動弁を開くものとされる請求項5に記載の冷却庫。
【請求項7】
前記冷却庫本体の下部には、洗浄水を外部に排水し、かつ外気を前記冷却庫本体に流入可能な排水口が設けられており、
前記排水口には、前記冷却庫本体からの前記洗浄水の排水を規制し、かつ外部から前記冷却庫本体への空気の流入を許容する逆止弁を有する排水口キャップが着脱可能に設けられている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の冷却庫。
【請求項8】
前記冷却庫本体の下部には、洗浄水を外部に排水し、かつ外気を前記冷却庫本体に流入可能な排水口が設けられており、
前記電気的駆動弁は、前記排水口に設けられる第2モーターバルブである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却貯蔵庫の一つとして、高温の食品を短時間で急速に冷却する急速冷却庫(いわゆるブラストチラー)が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の冷却貯蔵庫は、前面が開口された断熱箱体からなる本体と、本体の開口を開閉する断熱扉(扉)と、本体の下方に配される機械室と、を備え、調理後の高温の食品を+3℃程度まで急速に冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-49397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような急速冷却庫において、本体内(庫内)が冷却された状態で扉が開かれると、庫外からの温かい空気と庫内の冷えた空気が入れ替わる。そして、再び扉が閉じられると、庫外から取り込まれた空気は熱収縮し、庫内の気圧は減圧されて負圧となる。扉の開閉等により庫内が負圧状態になると、次に扉を開く際に多大な力が必要とされ、扉を開けにくくなってしまうことがある。
【0005】
本願明細書に記載の技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、冷却運転時における庫内の負圧状態を緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願明細書に記載の技術に関わる冷却庫は、開口を有する箱状の冷却庫本体と、前記冷却庫本体を冷却するための冷却装置と、前記冷却装置により生じた冷気を前記冷却庫本体内に循環供給する庫内ファンと、外部と前記冷却庫本体との通気経路上に設けられる電気的駆動弁と、前記冷却装置、前記庫内ファン、及び前記電気的駆動弁の運転を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記冷却庫本体内を冷却する冷却運転時に、外部からの空気が前記冷却庫本体内に流入するように前記電気的駆動弁を開くものとされる。
【0007】
上記構成の冷却庫によれば、冷却運転時に電気的駆動弁を開き、外部からの温かい空気を冷却庫本体内に流入させることができる。これにより、冷却運転時における冷却庫本体内の負圧状態を緩和することができる。
【0008】
また、前記冷却庫は、前記開口を覆うように設けられ開閉可能な扉と、前記扉の開閉を検知するための扉開閉センサと、を備え、前記制御部は、前記扉開閉センサの検出結果に基づき前記電気的駆動弁の開度を調整する。冷却運転時においては、扉が開閉されると、冷却庫本体内が負圧状態になりやすくなる。このため、扉開閉センサにより扉の開閉を検出し、これにより電気的駆動弁の開度を調整することで、負圧状態を効果的に緩和することができる。
【0009】
また、前記冷却庫は、前記冷却庫本体内の温度を検出する庫内温度センサを備え、前記制御部は、前記庫内温度センサによって検出された前記冷却庫本体内の温度が所定の閾値以下の場合に、前記扉開閉センサの検出結果に基づき前記電気的駆動弁の開度を調整する一方、前記庫内温度センサによって検出された前記冷却庫本体内の温度が所定の閾値を超える場合には、前記扉開閉センサの検出結果に基づいて前記電気的駆動弁の開度を調整しないものとされる。一般に、冷却庫本体内の温度が低いほど、冷却庫本体内が負圧状態になりやすくなり、また負圧の度合いも大きくなる。このため、冷却庫本体内の温度が所定の閾値以下の場合に、電気的駆動弁の開度を調整することで、負圧状態を効果的に緩和することができる。一方で、冷却庫本体内の温度が所定の閾値を超え、負圧の度合いが小さい場合には、電気的駆動弁の開度を調整しないことで、電気的駆動弁の開閉頻度を低減し、外気の流入に起因する庫内の霜付量を低減させることができる。
【0010】
また、前記冷却庫は、開かれている前記扉が閉じられたことが前記扉開閉センサにより検出されると、前記制御部が、前記電気的駆動弁の開度を第1設定値(例えば閉状態)から第2設定値(例えば全開状態)まで増大させ、その後前記第2設定値から前記第1設定値まで減少させる。このようなタイミングで電気的駆動弁の開度を第1設定値から第2設定値に増大する(電気的駆動弁を開く)ことで、負圧状態を効果的に緩和することができる。
【0011】
また、前記冷却庫は、前記制御部が、前記開度を前記第2設定値から前記第1設定値まで減少する間に、開かれている前記扉が閉じられたことが前記扉開閉センサにより検出されると、前記開度を再び前記第2設定値まで増大させ、その後前記第2設定値から前記第1設定値まで減少させる。このようにすれば、電気的駆動弁の開度を減少している間(電気的駆動弁を閉じる途中)に、再度扉が開閉された場合であっても、電気的駆動弁の開度を再び増大させることで、再度の扉の開閉による負圧状態の緩和効果を高めることができる。
【0012】
また、前記冷却庫は、閉じられている前記扉が開かれたことが前記扉開閉センサにより検出されると、前記電気的駆動弁の開度を第1設定値から第2設定値まで増大させ、その後前記第2設定値から前記第1設定値まで減少させる。このようなタイミングで電気的駆動弁の開度を増大開始することで、負圧状態が緩和するまでの時間を短縮することができる。
【0013】
また、前記冷却庫は、前記電気的駆動弁の開閉を人為的に操作するための操作部を備え、前記制御部は、前記操作部が操作された場合に、前記電気的駆動弁の開度を調整する。このようにすれば、使用者が操作部を操作して強制的に電気的駆動弁を開くことで、外部からの温かい空気を冷却庫本体内に流入させることができるため、冷却運転時における冷却庫本体内の負圧状態を任意のタイミングで緩和することができる。
【0014】
また、前記冷却庫は、前記通気経路が、前記冷却庫本体の上部から前記冷却庫本体を構成する壁を貫通して外部に延出する通気パイプであり、前記電気的駆動弁は、前記通気パイプ上に設けられる第1モーターバルブである。このようにすれば、好適に電気的駆動弁を設けることができる。
【0015】
また、前記冷却庫は、前記制御部は、前記冷却庫本体内を乾燥する乾燥運転時に、前記冷却庫本体内の水蒸気を外部に排出するように前記電気的駆動弁を開くものとされる。このようにすれば、乾燥運転時には、通気パイプ及び第1モーターバルブを庫内の水蒸気を排出するために用いることができるようになる。
【0016】
また、前記冷却庫は、前記冷却庫本体の下部には、洗浄水を外部に排水し、かつ外気を前記冷却庫本体に流入可能な排水口が設けられており、前記排水口には、前記冷却庫本体からの前記洗浄水の排水を規制し、かつ外部から前記冷却庫本体への空気の流入を許容する逆止弁を有する排水口キャップが着脱可能に設けられている。このようにすれば、外部からの温かい空気を排水口からも冷却庫本体内に流入させることができるようになり、冷却運転時における冷却庫本体内の負圧状態をより緩和しやすくなる。
【0017】
また、前記冷却庫は、前記冷却庫本体の下部には、洗浄水を外部に排水し、かつ外気を前記冷却庫本体に流入可能な排水口が設けられており、前記電気的駆動弁は、前記排水口に設けられる第2モーターバルブである。このようにすれば、外部からの温かい空気を排水口から冷却庫本体内に流入させることができるようになり、冷却運転時における冷却庫本体内の負圧状態を緩和できるようになる。また、第2モーターバルブにより、洗浄水の排出制御もできるようになるため、仮に、排水口に排水口キャップを設けた場合に比べて、排水口キャップの着脱を失念する事態を防止できるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本願明細書に記載の技術によれば、冷却運転時における庫内の負圧状態を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る冷却庫の正面図
図2】扉を開いた状態における冷却庫の上面図
図3図2のA-A線断面図
図4図3の排水口付近を拡大して示す部分断面図
図5】冷却庫の背面図
図6図5のB-B線断面図
図7図6の通気パイプ付近を拡大して示す部分断面図
図8】制御系統を示すブロック図
図9】モーターバルブの開度の変化を示すタイミングチャート
図10】第2実施形態におけるモーターバルブの開度の変化を示すタイミングチャート
図11】第3実施形態におけるモーターバルブの開度の変化を示すタイミングチャート
図12】第6実施形態に係る排水口キャップ付近を拡大して示す部分断面図
図13】排水口キャップの斜視図
図14図13のC-C線断面図
図15】第7実施形態に係る冷却庫の制御系統を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る冷却庫10について、図1から図9を参照して説明する。図1から図7の各図面の一部には、X軸、Y軸、及びZ軸を示しており、各軸方向が各図で共通した方向となるように描かれている。また、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向とする。
【0021】
冷却庫10は、図1から図3に示すように、全体として縦長の直方体状をなしており、高温の食品を低温(例えば+3℃程度)に短時間で冷却する急速冷却庫(いわゆるブラストチラー)である。また冷却庫10は、後述するように洗浄水により洗浄した本体11内(庫内)を乾燥する乾燥機能を有する。冷却庫10は、本体11(冷却庫本体の一例)と、断熱性の扉12と、機械室13と、脚部14と、を備える。
【0022】
本体11は、前面が開口された箱状をなし、図3に示すように、発泡ウレタン等の断熱材を充填した壁によって構成されている。扉12は、図1及び図2に示すように、本体11の前面開口を覆うように設けられており、正面から見て右側には取っ手12Aが設けられている。扉12は、揺動開閉可能となるようにヒンジによって本体11に対して連結されている。扉12は、裏面の周縁にマグネットパッキンが装着されており、扉12を閉じるとマグネットパッキンが本体11の開口縁部に吸着される。また、本体11の開口縁部のうち上部には、扉12の開閉を検知する扉開閉センサ16(扉検知スイッチ、具体的には近接センサ)が設けられている。機械室13は、本体11の下方に配されており、その内部には機械類が収容されている。脚部14は、機械室13の下面に設けられ、冷却庫10を下側から支持している。
【0023】
機械室13の正面における上部位置には、図1に示すように、操作パネル53が設けられている。操作パネル53には、各種の操作ボタンを有する操作部51と、各種の情報を表示する表示部52と、が設けられているものとされる(図8)。操作パネル53は、例えばタッチパネル機能(入力位置検出機能)を備えており、表示部52と操作部51とが一体的に設けられている構成であっても構わない。ユーザは操作ボタンを操作することによって冷却庫10の運転モード(冷却運転、乾燥運転等)の選択、運転開始の指示、庫内温度の設定等を行うことができる。さらには、操作部51には、後述する第1モーターバルブ58の開閉(開度の変更)を人為的に操作するための操作ボタンが含まれている。表示部52には現在の運転モードや庫内温度、各種のメッセージなどが表示される。
【0024】
本体11内には、図3に示すように、多段のトレイ受け27と、庫内を冷却するための冷却ユニット20と、が収容されている。トレイ受け27には、食品を載置するためのトレイが前方から出し入れされる。冷却ユニット20は、庫内においてトレイ受け27の左側に配されており、庫内の上下方向及び前後方向のほぼ中央において、庫内の左側の壁、後側の壁、及び扉12との間に所定の間隔を空けて配されている。冷却ユニット20は、蒸発器ケース21と、ファンケース22と、を備える。蒸発器ケース21は、左右両側が開放されており、その内側には蒸発器(冷却器)23が収容されている。蒸発器23は、並行する複数のフィンと、それらを貫通するように多重に折り返される冷媒管と、を有している。
【0025】
また、蒸発器23には、図3に示すように、ヒーター24が取り付けられている。ヒーター24は、棒状の電熱線を多重に折り返すことによって形成されている。ヒーター24は、蒸発器23に付着した霜を加熱して溶かしたり、庫内が洗浄された場合に庫内を乾燥させたりするために用いられる。庫内温度センサ25(具体的にはサーミスタ、図8)は、庫内の温度を検知するためのものであり、蒸発器ケース21の内側に配されている。
【0026】
ファンケース22は、図3に示すように、蒸発器ケース21の右側に連結されている。ファンケース22は、左右両側が開放されており、右側が金網によって覆われている。ファンケース22内には、蒸発器23によって冷却された空気を庫内に循環させるための2つの庫内ファン28が上下に並んで配されている。これらの庫内ファン28は庫内を冷却する時(冷却運転時)及び庫内を乾燥させる時(乾燥運転時)に蒸発器23に向かって風を送り出す方向に回転(正回転)する。
【0027】
また、庫内には、芯温センサ30(図8)も収容されている。芯温センサ30は、冷却運転時に食品に差し込まれて食品の温度を検知するためのものであり、リード線を介して本体11に接続されている。
【0028】
機械室13には、図3及び図8に示すように、冷却装置31の一部、排水パイプ32、ドレンホース50、冷却庫10の各部に電力を供給する電源等が収容されている。冷却装置31は主に、圧縮機66、凝縮器、凝縮器ファン67、減圧器(例えばキャピラリチューブ)、蒸発器23で構成されている。圧縮機66、凝縮器、凝縮器ファン67及び減圧器は機械室13に収容されており、蒸発器23は既述したように蒸発器ケース21に収容されている。圧縮機66、凝縮器、蒸発器23は、冷媒が循環するように配管(冷媒管65、図6)によって連結されており、蒸発器23内の冷媒と庫内の空気との間で熱交換が行われることによって庫内が冷却される。なお、冷媒管65は、図6に示すように、本体11の後側の壁の下部に形成された配管口11Aを通って庫外に延出し、下方に折り曲がって、機械室13内へと挿入されている。配管口11Aの口径は冷媒管65の外径より大きく形成されており、配管口11Aにおける隙間は、断熱材及びパテ70により埋められている。
【0029】
本体11の下部の概ね中央には、図3に示すように、庫内を洗浄した洗浄水を排水するための排水口17が設けられている。本体11の下部の上面(底面)は、排水口17に向かって傾斜するテーパ面となっている。排水口17には、樹脂製の排水口キャップ18が庫内側から着脱可能に取り付けられている。排水口キャップ18は、冷却運転時に使用者によって取り付けられ、庫内を洗浄する時及び乾燥運転時に使用者によって取り外される。
【0030】
排水パイプ32は、図3及び図4に示すように、排水口17に下側から接続されている。排水パイプ32は、複数の樹脂パイプを継ぎ手によって折り曲げながら接続することによって形成されている。排水パイプ32の下端には、図3に示すように、排水を外部の排水溝等に排水するためのドレンホース50が接続されている。排水口キャップ18が取り外されると、庫内の洗浄水は排水口17を通過し、排水パイプ32、ドレンホース50を順に通って外部に排水される。
【0031】
排水パイプ32の一部からは、図3及び図5に示すように、吸気パイプ39(通気経路の一例)が分岐している。吸気パイプ39は、庫内に外気を吸い込むためのものである。吸気パイプ39は、排水パイプ32との接続部から機械室13に形成されたパイプ用穴に通されて、機械室13の外部上方に向かって伸びている。排水口17は、吸気パイプ39の庫内側の開口を兼ねており、外部から吸気パイプ39に吸い込まれた空気は、排水口17から庫内に流入可能となっている。
【0032】
本体11の上部には、図6及び図7に示すように、後側の壁を貫通するように通気パイプ57(通気経路の別の一例)が設けられている。通気パイプ57は、乾燥運転時に庫内の水蒸気を排気すると共に、冷却運転時に外部から庫内へ空気を流入させるために用いられる。通気パイプ57は、L字状をなし、水平方向に延在し本体11の後側の壁を貫通する貫通部57Aと、貫通部57Aから上方に向かって立ち上がる立ち上がり部57Bと、を有する。貫通部57Aの庫内側の端部57A1は、蒸発器ケース21内に挿入されている。立ち上がり部57Bには、第1モーターバルブ58(電気的駆動弁の一例)が設けられている。第1モーターバルブ58の開度を調整することで、通気パイプ57を通る水蒸気及び空気の流通の有無、単位時間当たりの流通量が調整される。第1モーターバルブ58は、モーターの回転によって徐々に開度が変化する構成とされる。
【0033】
次に、冷却庫10の電気的構成について説明する。冷却庫10は、CPUを主体に構成される制御部33を備えている。制御部33には、図8に示すように、扉開閉センサ16、ヒーター24、庫内温度センサ25、庫内ファン28、芯温センサ30、操作部51、表示部52、計時部54、記憶部55、第1モーターバルブ58、圧縮機66、及び凝縮器ファン67がそれぞれ電気的に接続されている。計時部54は、時間を計測する。記憶部55は、ROMやRAM等からなり、制御部33と一体的に設けられていても構わない。制御部33は、記憶部55に記録された制御プログラムを実行することで、使用者による操作、及び各センサの検出結果に基づいて、冷却庫10の各部を制御する。
【0034】
続いて、冷却庫10の運転モードについて説明する。冷却庫10の運転モードには大きく冷却運転(急速冷却運転)、除霜運転、及び乾燥運転がある。以下、各運転モードについて説明する。
【0035】
冷却運転は、調理された高温の食品を急速に冷却する運転モードである。冷却運転は食品を収容したトレイを使用者が多段のトレイ受け27に保持させた後に操作パネル53の操作部51を操作して冷却運転の開始を指示すると開始される。ここで、冷却運転の開始を指示するとき、使用者は排水口17に排水口キャップ18を取り付けた後に開始を指示するものとする。
【0036】
冷却運転では、制御部33は、冷却装置31(圧縮機66、凝縮器ファン67)、及び庫内ファン28を駆動する一方、ヒーター24は通電しない。冷却運転では、庫内ファン28が回転することによって庫内の空気が冷却ユニット20内に吸引され、蒸発器23によって冷却されて冷却ユニット20の左側(図3において)から吹き出される。吹き出された空気は本体11の左側の壁に当たって前側と後側とに分かれて右側に回り込んだ後、トレイの間などを通って冷却ユニット20に吸引される。これにより庫内を冷気が循環し、食品が急速に冷却される。なお、庫内ファン28のみを回転させて送風運転を行うことも可能である。
【0037】
制御部33は、冷却運転を開始すると芯温センサ30によって食品の温度を監視し、食品が所定温度まで冷却されると冷却運転を終了する。なお、冷却運転を終了する条件はこれに限られるものではない。例えば計時部54によって冷却運転を開始してから一定時間が経過したことを検出すると、冷却運転を終了してもよい。また、冷却運転を終了した後に保冷運転に移行してもよい。
【0038】
ところで、冷却運転中に扉12が開かれると、庫外からの温かい空気と庫内の冷えた空気が入れ替わる。そして、開かれた扉12が閉じられると、庫外から取り込まれた空気は熱収縮し、庫内の気圧は減圧されて負圧となる。庫内が負圧状態になると、次に扉12を開く際に多大な力が必要とされ、扉12が開きにくくなることがある。そこで、本実施形態では、制御部33は、冷却運転において第1モーターバルブ58を開いて外気を庫内に流入させる。詳しくは、制御部33は、扉開閉センサ16の検出結果に基づいて、第1モーターバルブ58の開度を調整する。
【0039】
制御部33は、図9に示すように、開かれている扉12が閉じられたことが扉開閉センサ16により検出されると、閉じている第1モーターバルブ58を開いて、その開度を第1設定値(閉状態)から第2設定値(全開状態)まで増大させる。そして、第2設定値に達した後、制御部33は、開度を第2設定値から第1設定値まで減少させて、第1モーターバルブ58を閉じる。図9においては、第1設定値から第2設定値に増大するまでの時間が符号T1、第2設定値から第1設定値に減少するまでの時間が符号T2で示されている。このようにして、冷却運転時に第1モーターバルブ58を扉12の開閉に合わせて一時的に開くことで、外気が通気パイプ57を通って庫内に流入するようになり、庫内の負圧状態を緩和することができる。
【0040】
また、制御部33は、操作パネル53の操作部51において、第1モーターバルブ58の開閉を人為的に操作するための操作ボタンが使用者によって操作されると、その操作に基づいて第1モーターバルブ58を開閉する(開度を調整する)。このようにすることで、使用者は扉12が開きにくいと感じた場合等に、第1モーターバルブ58を一時的に開くことができるようになる。その結果、使用者が庫内の負圧状態を任意のタイミングで強制的に緩和することができるようになる。
【0041】
なお、既述したように、本体11には配管口11Aが形成されており(図6)、配管口11Aに充填されるパテ70を調整することで、配管口11Aから庫内に外気を流入するための隙間を形成することも可能である。しかしながら、仮にこのようにして外気を庫内に流入する構成とすると、作業者の作業方法のバラつき等により当該隙間の大きさが異なり、外気の流入量にバラつきが生じやすくなる。その結果、庫内の負圧状態の緩和の程度が不安定になってしまう。これに対して、本実施形態によれば、安定的に庫内の負圧状態を緩和可能となる。
【0042】
除霜運転は、蒸発器23を除霜する運転モードである。除霜運転は冷却庫10の運転停止中(言い換えると待機中)に使用者が操作部51を操作して除霜運転の開始を指示すると開始される。除霜運転では、制御部33は、冷却装置31(圧縮機66、凝縮器ファン67)を停止させ、庫内ファン28を駆動する。また、制御部33は、ヒーター24を通電し、第1モーターバルブ58を閉じたままとする。
【0043】
除霜運転では、冷却装置31を停止させてヒーター24に通電するので庫内温度が上昇する。制御部33は除霜運転を開始すると庫内温度センサ25によって庫内温度を監視し、庫内温度が所定の除霜終了温度まで上昇すると除霜運転を終了する。なお、除霜運転を終了する条件はこれに限られるものではなく、適宜に決定できる。
【0044】
乾燥運転は、庫内が洗浄された場合に庫内を乾燥させる運転モードである。乾燥運転は使用者が庫内を洗浄した後に操作部51を操作して乾燥運転の開始を指示すると開始される。ここで、使用者は庫内を洗浄する時、洗浄した水を排水するために排水口キャップ18を取り外すものとし、その後庫内を乾燥させる時も換気のために排水口キャップ18を取り外したままにしておくものとする。また、使用者は乾燥運転の開始を指示するとき、扉12を閉めてから開始を指示するものとする。
【0045】
乾燥運転では、制御部33は、冷却装置31(圧縮機66、凝縮器ファン67)を駆動せずに、庫内ファン28を駆動する。また、制御部33は、ヒーター24を通電させ、第1モーターバルブ58を開く。
【0046】
ヒーター24に通電して庫内ファン28を正回転させると庫内に温風が送り出されることによって庫内温度が上昇し、庫内の水分が徐々に水蒸気に変化する。水分が水蒸気に変化すると体積が膨張するので、扉12が閉められている状態で乾燥運転を行うと庫内の圧力が上がり、第1モーターバルブ58が開かれているため通気パイプ57から水蒸気が排気されるとともに、吸気パイプ39から庫内に外気が吸い込まれる。これにより扉12を閉めたままで庫内を乾燥させることができる。
【0047】
<第2実施形態>
第2実施形態における第1モーターバルブ58の開度調整について図10を参照して説明する。第2実施形態では、扉開閉センサ16の検出結果に基づいて、第1モーターバルブ58の開度を調整する際のタイミングが第1実施形態と異なる。それ以外の構成については、第1実施形態と同様であり、同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。
【0048】
制御部33は、図10に示すように、閉じられている扉12が開いたことが扉開閉センサ16により検出されると、閉じている第1モーターバルブ58を開いて、その開度を第1設定値(閉状態)から第2設定値(全開状態)まで増大させる。制御部33は、第1モーターバルブ58の開度が第2設定値に達すると所定の時間だけ第2設定値のまま維持し、その後、開度を第2設定値から第1設定値まで減少させて、第1モーターバルブ58を閉じる。図10においては、扉12が閉じられてから第1モーターバルブ58の開度が第2設定値にある時間が符号T3、第2設定値から第1設定値に減少するまでの時間が符号T4で示されている。第1モーターバルブ58の開度を扉12が開かれたタイミングで増大し始めることで、負圧状態が緩和するまでの時間を短縮することができる。
【0049】
<第3実施形態>
第3実施形態における第1モーターバルブ58の開度調整について図11を参照して説明する。第3実施形態では、第1モーターバルブ58の開度を減少している間(第1モーターバルブ58を閉じる途中)に、再度扉12が開閉された場合に、開度を減少から増大に転じるように調整する点が第1実施形態と異なる。それ以外の構成については、第1実施形態と同様であり、同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。
【0050】
制御部33は、図11に示すように、第1モーターバルブ58の開度を第2設定値から第1設定値まで減少する間に、開かれている扉12が開いたことが扉開閉センサ16により検出されると、第1モーターバルブ58の開度を再び第2設定値まで増大させる。制御部33は、第1モーターバルブ58の開度が第2設定値に達すると所定の時間だけ第2設定値のまま維持し、その後、開度を第2設定値から第1設定値まで減少させて、第1モーターバルブ58を閉じる。図11においては、第1モーターバルブ58の開度が第1設定値から第2設定値に増大する時間が符号T5、再び扉12が閉じられてから開度が第2設定値にある時間が符号T6、時間T6の後に開度を第2設定値から第1設定値まで減少する時間が符号T7で示されている。このようにすることで、第1モーターバルブ58の開度を減少している間に、再度扉12が開閉された場合であっても、第1モーターバルブ58の開度を再び増大させることで、再度の扉12の開閉による負圧状態を緩和することができる。
【0051】
<第4実施形態>
第4実施形態における第1モーターバルブ58の開度調整について説明する。第4実施形態では、制御部33は、扉開閉センサ16及び庫内温度センサ25の検出結果に基づいて、第1モーターバルブ58の開度を調整する点が、第1実施形態から第3実施形態と異なる。それ以外の構成については、第1実施形態から第3実施形態と同様であり、同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。
【0052】
制御部33は、庫内温度センサ25によって検出された庫内温度が所定の閾値以下の場合に、扉開閉センサ16の検出結果に基づき第1モーターバルブ58の開度を調整する一方、庫内温度センサ25によって検出された庫内温度が所定の閾値を超える場合には、扉開閉センサ16の検出結果に基づいて第1モーターバルブ58の開度を調整しない。
【0053】
冷却運転において、庫内温度が低いほど、扉12の開閉に伴い庫内が負圧状態になりやすくなり、また負圧の度合いも大きくなる。このため庫内温度が所定の閾値以下の場合に、第1モーターバルブ58の開度を調整することで、負圧状態を効果的に緩和することができる。一方、庫内温度が所定の閾値を超えており、負圧の度合いが小さい場合には、第1モーターバルブ58の開度を調整しないため、第1モーターバルブ58の開閉頻度を低減し、外気の流入に起因する庫内の霜付量を低減させることができる。
【0054】
<第5実施形態>
第5実施形態における第1モーターバルブ58の開度調整について説明する。第5実施形態では、制御部33は、冷却運転において第1モーターバルブ58を常時開くようにする点が、第1実施形態から第4実施形態と異なる。それ以外の構成については、第1実施形態から第4実施形態と同様であり、同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。
【0055】
制御部33は、冷却運転が開始されると、第1モーターバルブ58を開き、開度を第1設定値から第2設定値まで増大させ、第2設定値のまま維持する。制御部33は、冷却運転が終了すると、第1モーターバルブ58の開度を第2設定値から第1設定値まで減少させて、閉じる。このようにすれば、冷却運転中、庫内の負圧状態を確実に緩和できるようになる。
【0056】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る冷却庫110について図12から図14を参照して説明する。冷却庫110は、排水口キャップ118の構造が第1実施形態から第5実施形態と異なる。それ以外の構成については、第1実施形態から第5実施形態と同様であり、同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。
【0057】
排水口キャップ118は、図12から図14に示すように、円形の深皿状をなすキャップ上部118Aと、キャップ上部118Aの下側に一体形成された台座部118Bと、を有する。キャップ上部118Aは、深皿状の内部空間を2分割するように、前後方向に延在する仕切壁118A1を有し、仕切壁118A1の中央には切欠部118A2が形成されている。台座部118Bには、切欠部118A2と上下方向に重なるように貫通孔118B1が形成されている。また、排水口キャップ118には、貫通孔118B1の上部を覆うように逆止弁19が設けられている。逆止弁19は、庫内からの洗浄水の排水を規制し、かつ庫内への空気の流入(図14において矢線Wで示す)を許容する。
【0058】
このようにすれば、排水口17は、逆止弁19によって止水されつつ、外気を庫内に取り込めるようになる。外気は、吸気パイプ39、排水パイプ32、逆止弁19を順に通って、庫内に流入される。冷却運転時には、排水口17には排水口キャップ118が取り付けられているため、当該経路からの外気流入により、庫内の負圧状態を緩和することができる。また、このようにして庫内の負圧の度合いが小さくなっている状態で、扉12が開閉され、それに合わせて第1モーターバルブ58が一時的に開閉されると、扉12の開閉に伴う負圧状態をより緩和しやすくなる。
【0059】
<第7実施形態>
第7実施形態に係る冷却庫210について図15を参照して説明する。冷却庫110は、排水口17に第2モーターバルブ59(電気的駆動弁の別の一例)が設けられ、排水口キャップ18,118は取り付けられない点が第1実施形態から第6実施形態と異なる。それ以外の構成については、第1実施形態から第6実施形態と同様であり、同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。
【0060】
本実施形態では、制御部33は、第2モーターバルブ59の開度を調整することで、排水口17を通る洗浄水及び空気の流通の有無、単位時間当たりの流通量が調整される。第2モーターバルブ59の構成は、第1モーターバルブ58の構成と同様であり、第1実施形態から第5実施形態と同様に開度が調整可能とされる。このようにすれば、吸気パイプ39を通じて排水口17から庫内に流入される空気の量を扉12の開閉や庫内温度に基づいて調整できるようになる。また、排水口キャップ18,118を設ける場合に比べて、排水口キャップ18,118の着脱を失念する事態を防止できるようになる。
【0061】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
【0062】
(1)扉開閉センサ16は、本体11の開口縁部の上部以外に設けられていても構わない。また、扉開閉センサ16は、扉12の開閉を感知可能であればその種類は限定されない。
【0063】
(2)庫内温度センサ25は、庫内温度を適切に検知できる位置であれば、蒸発器ケース21の内側以外に配されていても構わない。また、庫内温度センサ25は、熱電対等、サーミスタ以外の温度センサであっても構わない。
【0064】
(3)制御部33は、CPUに替えて、あるいはCPUに加えてFPGA、ASIC等を備えていても構わない。
【0065】
(4)第1設定値及び第2設定値は、第2設定値が第1設定値より大きければ、第1設定値が閉状態以外、第2設定値が全開状態以外であっても構わない。
【0066】
(5)第1実施形態において、制御部33は、第1モーターバルブ58の開度が第2設定値に達した後、所定の時間の間、当該開度を第2設定値に維持し、その後第1設定値に減少するように調整しても構わない。
【0067】
(6)第2実施形態において、制御部33は、第1モーターバルブ58の開度が増大して第2設定値に達した直後に、第1設定値に減少するように調整しても構わない。
【0068】
(7)第6実施形態及び第7実施形態において、第1モーターバルブ58は、冷却運転時の外気流入には用いられなくても構わない。
【0069】
(8)第1モーターバルブ58、及び第2モーターバルブ59は、別の種類の電気的駆動弁(電磁弁等)であっても構わない。また、2つのモーターバルブ58,59は、異なる構成の電気的駆動弁であっても構わない。
【符号の説明】
【0070】
10,110,210:冷却庫、11:本体(冷却庫本体)、12:扉、16:扉開閉センサ、17:排出口、18,118:排水口キャップ、19:逆止弁、25:庫内温度センサ、28:庫内ファン、31:冷却装置、33:制御部、39:吸気パイプ(通気経路)、51:操作部、57:通気パイプ(通気経路)、58:第1モーターバルブ(電気的駆動弁)、59:第2モーターバルブ(電気的駆動弁)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15