(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
A47L15/42 G
(21)【出願番号】P 2020034042
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2019159878
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【氏名又は名称】和田 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】武田 博充
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-010160(JP,A)
【文献】特開昭58-104610(JP,A)
【文献】特開2011-235250(JP,A)
【文献】特開2008-006430(JP,A)
【文献】特開2003-339612(JP,A)
【文献】特開平08-024891(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103845027(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄機であって、
前記洗浄室に供給された水を貯留する洗浄水タンクと、
前記洗浄室と前記洗浄水タンクとの間の空間を区切っているセパレータと、
前記洗浄室の前記被洗浄物に向けてノズルから噴射されて前記被洗浄物を洗浄した後の水を通過させると共に、当該水に含まれる固形物を分離する分離部と、
前記分離部によって分離された前記固形物を収容する収容部と、を備え、
前記分離部は、
一方向に沿って延在するウェッジワイヤーを複数有し、複数の前記ウェッジワイヤーが互いに所定の間隔をあけて平行に配置されて構成されていると共に前記ウェッジワイヤーの延在方向に沿ってスリットが形成されているウェッジワイヤースクリーンであり、
前記収容部に向かって下方に傾斜して配置されており、
前記セパレータには、前記被洗浄物を洗浄した後の水及び前記固形物を前記分離部に流出させる開口部と、前記開口部に流れ込む当該水及び前記固形物の入口を当該開口部の一辺に集中させる部材と、が設けられて
おり、
前記ウェッジワイヤースクリーンは、前記開口部の下方に位置している、洗浄機。
【請求項2】
前記分離部は、前記ウェッジワイヤーの前記延在方向が当該分離部の傾斜方向に交差するように配置されている、請求項1に記載の洗浄機。
【請求項3】
前記分離部は、前記ウェッジワイヤーの前記延在方向が当該分離部の傾斜方向に沿うように配置されている、請求項1に記載の洗浄機。
【請求項4】
前記所定の間隔は、1.0mm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄機。
【請求項5】
前記所定の間隔は、0.3mm~0.75mmである、請求項4に記載の洗浄機。
【請求項6】
前記ウェッジワイヤースクリーンは、水平面に対して10°~30°の角度を成すように傾斜して配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗浄機として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の洗浄機は、洗浄槽の上部に形成され、落下する洗浄液、すすぎ液並びに残菜を受ける傾斜板手段と、傾斜板手段の表面部に形成されたストレーナ手段と、傾斜板手段下方端部において洗浄槽内に形成された残菜受け用濾器手段と、を備えている。特許文献1に記載の洗浄機では、ストレーナ手段は、網板又はパンチ板で形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の洗浄機のように、ストレーナ手段(分離部)が網板又はパンチ板で形成されている構成では、洗浄槽に残菜が流入しないように網目を小さくすると、目詰まりが発生し易くなる。目詰まりが発生すると、ストレーナ手段を水が通過できなくなるため、ストレーナ手段が機能しなくなるおそれがある。一方で、ストレーナ手段の網目を大きくすると、洗浄槽に残菜が流入し易くなるため、ろ過能力が低下する。
【0005】
本発明は、分離部における目詰まりの発生を抑制しつつ、ろ過能力の低下を抑制できる洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄機は、洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄機であって、洗浄室に供給された水を貯留する洗浄水タンクと、洗浄室の被洗浄物に向けてノズルから噴射されて被洗浄物を洗浄した後の水を通過させると共に、当該水に含まれる固形物を分離する分離部と、分離部によって分離された固形物を収容する収容部と、を備え、分離部は、一方向に沿って延在するウェッジワイヤーを複数有し、複数のウェッジワイヤーが互いに所定の間隔をあけて平行に配置されて構成されていると共にウェッジワイヤーの延在方向に沿ってスリットが形成されているウェッジワイヤースクリーンであり、収容部に向かって下方に傾斜して配置されている。
【0007】
洗浄機では、分離部は、ウェッジワイヤースクリーンである。ウェッジワイヤースクリーンを構成する複数のウェッジワイヤーは、互いに所定の間隔をあけて配置されている。これにより、ウェッジワイヤースクリーンには、ウェッジワイヤーの延在方向に沿ってスリットが複数形成されている。このように、ウェッジワイヤースクリーンでは、複数のスリットのそれぞれがウェッジワイヤーの延在方向に沿って設けられているため、各スリットの幅を小さくした場合であっても、目詰まりを抑制できると共に水を通過させることができる。したがって、洗浄機では、分離部のろ過能力の低下を抑制できる。また、分離部は、収容部に向かって下方に傾斜して配置されている。これにより、洗浄機では、分離部によって分離された固形物を水と共に収容部に排出できる。したがって、洗浄機では、分離部に固形物が残留することを抑制できる。そのため、洗浄機では、分離部において水が通過しない不具合を回避できる。その結果、洗浄機では、分離部における目詰まりの発生を抑制しつつ、ろ過能力の低下を抑制できる。
【0008】
本発明に係る洗浄機では、分離部は、ウェッジワイヤーの延在方向が当該分離部の傾斜方向に交差するように配置されていてもよい。この構成では、ウェッジワイヤースクリーンのスリット方向が水の流れる方向に交差する。これにより、洗浄機では、分離部を水や固形物が流れるときに、スリットに沿って流れないため、スリットに固形物が挟まることを抑制できる。したがって、洗浄機では、分離部において目詰まりが発生することをより一層抑制できる。
【0009】
本発明に係る洗浄機では、分離部は、ウェッジワイヤーの延在方向が当該分離部の傾斜方向に沿うように配置されていてもよい。この構成では、水及び固形物がウェッジワイヤーの延在方向に沿って流れるため、水及び固形物を収容部に排出できる。
【0010】
本発明に係る洗浄機では、上記所定の間隔は、1.0mm以下であってもよい。この構成では、固形物が分離部を通過し難くなるため、洗浄水タンクに固形物が流入することを抑制できる。
【0011】
本発明に係る洗浄機では、上記所定の間隔は、0.3mm~0.75mmであってもよい。この構成では、分離部において水を通過させつつ、固形物を分離させることができる。
【0012】
本発明に係る洗浄機では、ウェッジワイヤースクリーンは、水平面に対して10°~30°の角度を成すように傾斜して配置されていてもよい。この構成では、ウェッジワイヤースクリーンによって分離された固形物を、収容部に向かって滑走させることができる。したがって、洗浄機では、固形物を収容部に排出できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、分離部における目詰まりの発生を抑制しつつ、ろ過能力の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る食器洗浄機の斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、セパレータ及びウェッジワイヤースクリーンの斜視図である。
【
図5】
図5は、セパレータ及びウェッジワイヤースクリーンの斜視図である。
【
図6】
図6は、ウェッジワイヤースクリーンの斜視図である。
【
図7】
図7(a)は、ウェッジワイヤースクリーンの側面図であり、
図7(b)は、ウェッジワイヤースクリーンの正面図である。
【
図8】
図8は、他の実施形態に係る食器洗浄機のセパレータ及びウェッジワイヤースクリーンの斜視図である。
【
図9】
図9は、変形例に係る食器洗浄機及び本洗浄機の洗浄水の流れを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、
図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向(幅方向))を説明に用いる。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、食器洗浄機1は、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体2を有している。洗浄機本体2は、洗浄室3が形成された上側部分2Aと、機械室4が形成された下側部分2Bとに仕切られている。洗浄機本体2の背面側におけるコーナ部には、上側部分2Aと下側部分2Bとに渡って上下方向に延びる支柱6が配置され、支柱6,6間には背面パネル5が配置されている。
【0017】
洗浄機本体2の上側部分2Aには、洗浄室3の開閉を行うための箱型のドア7が設けられている。このドア7は、ステンレス製の一対の支柱6,6により上下動自在に案内されると共に、前方において水平方向に延在するハンドル8Aによって上下動する。
【0018】
ハンドル8Aの両端には左右一対の回動アーム8B,8Bの先端が固定され、回動アーム8B,8Bはドア7の側面7Aに沿って斜めに配置されている。回動アーム8B,8Bには、ドア7の側面7Aに沿って配置されたリンク部8Cの一端が回動自在に連結され、リンク部8Cの他端は、軸ピン8Dを介してドア7に連結されており、ハンドル8Aの回動運動に対してドア7が上下運動可能となっている。洗浄機本体2の底面の四隅には脚部9が取り付けられている。
【0019】
図2に示されるように、洗浄室3内には、ラックレール11が着脱自在に配置されており、このラックレール11上に、飲食後の皿や茶碗などの食器(被洗浄物)が並べられた格子状の食器ラックが載置される。洗浄室3の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル12Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル13Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室3の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル12Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル13Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックに並べられた食器は、上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bによって上下から洗浄水が噴射され、すすぎノズル13A,13Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0020】
洗浄水タンク15の前壁には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ23が接続されている。洗浄ポンプ23の吐出口には洗浄水吐出管21が接続されている。洗浄水吐出管21は、第1洗浄水吐出管21Aと第2洗浄水吐出管21Bとに分岐して、第1洗浄水吐出管21Aは上側洗浄ノズル12Aに接続され、第2洗浄水吐出管21Bは下側洗浄ノズル12Bに接続されている。
【0021】
機械室4内には、外部から給水管25Aを介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク25が配置されている。すすぎ水タンク25には、すすぎ水吸込管29を介してすすぎポンプ27が接続されている。すすぎポンプ27の吐出口にはすすぎ水吐出管31が接続されている。すすぎ水吐出管31は、第1すすぎ水吐出管31Aと第2すすぎ水吐出管31Bとに分岐して、第1すすぎ水吐出管31Aは上側すすぎノズル13Aに接続され、第2すすぎ水吐出管31Bは下側すすぎノズル13Bに接続されている。第1すすぎ水吐出管31Aは、第1洗浄水吐出管21A内に配置されている。すなわち、第1洗浄水吐出管21A及び第1すすぎ水吐出管31Aは、二重管構造を成している。
【0022】
機械室4内には、食器洗浄機1の動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)などが収容されている。
【0023】
洗浄室3と洗浄水タンク15との間には、セパレータ18及びウェッジワイヤースクリーン(分離部)40が設けられている。ここで、洗浄室3と洗浄水タンク15と間とは、厳密に洗浄室3と洗浄水タンク15との境界部分を意味するものではない。セパレータ18及びウェッジワイヤースクリーン40のそれぞれは、洗浄室3内に配置されていてよいし、洗浄水タンク15内に配置されていてもよい。
【0024】
セパレータ18は、洗浄室3と洗浄水タンク15との間の空間を区切っている。セパレータ18は、洗浄水タンク15の上方の領域を覆うように配置されている。
図3及び
図4に示されるように、セパレータ18には、開口部18Hが設けられている。開口部18Hは、セパレータ18上の水などを流出させる。
図4に示されるように、開口部18Hは、例えば、セパレータ18において、洗浄機本体2の前側で且つ左側に配置されている。開口部18Hは、例えば、矩形状(長方形状)を呈している。開口部18Hは、前後方向において互いに対向する一対の辺18Ha,18Hbと、左右方向において互いに対向する一対の辺18Hc,18Hdと、を含んでいる。セパレータ18は、開口部18Hが最も低い位置となるように、開口部18Hに向かって傾斜していてもよい。
【0025】
図3及び
図4に示されるように、セパレータ18には、壁部19が設けられている。壁部19は、開口部18Hに流れ込む水の入口を辺18Haに集中させる。壁部19は、セパレータ18の洗浄室3側の面上に配置されている。
図4に示されるように、壁部19は、開口部18Hの3つの辺18Hb,18Hc,18Hdを囲うように配置されている。壁部19は、上方から見て、コの字状を呈している。
【0026】
壁部19は、第1壁部材19Aと、第2壁部材19Bと、第3壁部材19Cと、から構成されている。第1壁部材19A、第2壁部材19B及び第3壁部材19Cは、セパレータ18に立設されている。第1壁部材19Aは、開口部18Hの辺18Hbに沿って配置されている。第2壁部材19Bは、第1壁部材19Aの長手方向の一端部(右端部)に接続されており、開口部18Hの辺18Hcに沿って配置されている。第3壁部材19Cは、第1壁部材19Aの長手方向の他端部(左端部)に接続されており、開口部18Hの辺18Hdに沿って配置されている。
【0027】
ウェッジワイヤースクリーン40は、水と固形物(残菜など)とを分離する。ウェッジワイヤースクリーン40は、洗浄室3の被洗浄物に向けて上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12B、及び、上側すすぎノズル13A及び下側すすぎノズル13Bから噴射されて被洗浄物を洗浄した後の水を通過させると共に、水に含まれる固形物を分離する。被洗浄物を洗浄した後の水には、実際には被洗浄物に触れていない洗浄水及びすすぎ水も含まれ得る。
【0028】
図5及び
図6に示されるように、ウェッジワイヤースクリーン40は、複数のウェッジワイヤー41を有している。複数のウェッジワイヤー41は、図示しない固定部材などによって固定されている。
図7(a)に示されるように、ウェッジワイヤー41は、例えば、断面が三角形状を呈している。ウェッジワイヤー41は、第1面41Aと、第2面41Bと、第3面41Cと、を有している。
【0029】
複数のウェッジワイヤー41のそれぞれは、X方向において互いに所定の間隔Dをあけて平行に配置されている。一対のウェッジワイヤー41の間隔Dは、例えば、1.0mm以下であり、好ましくは、0.3mm~0.75mmである。一対のウェッジワイヤー41が間隔Dをあけて配置されることによって、ウェッジワイヤースクリーン40にスリット42が形成されている。スリット幅は、上記間隔Dに相当する。
図7(b)に示されるように、ウェッジワイヤー41は、Y方向(一方向)に沿って延在している。複数のウェッジワイヤー41のそれぞれは、互いに平行を成している。スリット42は、ウェッジワイヤー41の延在方向(Y方向)に沿って延在している。
【0030】
図6に示されるように、ウェッジワイヤースクリーン40は、第1面40Aと、第2面40Bと、を有している。第1面40Aは、ウェッジワイヤー41の第1面41Aによって構成されている。第1面40Aは、全体として、平坦を成している。第2面40Bは、ウェッジワイヤー41の第2面41B及び第3面41Cによって構成されている。第2面40Bは、全体として、凹凸を成している。
【0031】
ウェッジワイヤースクリーン40は、第1面40Aが洗浄室3側を向くように(第2面40Bが洗浄水タンク15側を向くように)配置されている。ウェッジワイヤースクリーン40は、セパレータ18の開口部18Hを臨む位置に配置されている。すなわち、ウェッジワイヤースクリーン40は、上から見て、開口部18Hと重なる位置に配置されている。ウェッジワイヤースクリーン40の一端部(上端部)は、開口部18Hの辺18Haの下方に位置しており、ウェッジワイヤースクリーン40の他端部(下端部)は、収容部50(後述)の近傍に位置している。ウェッジワイヤースクリーン40は、水平方向に対して、傾斜して配置されている。具体的には、
図2に示されるように、ウェッジワイヤースクリーン40は、収容部50(後述)に向かって下方に傾斜して配置されている。すなわち、ウェッジワイヤースクリーン40の一端部の高さ位置は、ウェッジワイヤースクリーン40の他端部の高さ位置よりも高い。ウェッジワイヤースクリーン40は、水平面に対して10°~30°の角度を成すように傾斜して配置されている。本実施形態では、ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜角度は、例えば、15°である。ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜角度は、適宜設定されればよい。
【0032】
図5に示されるように、ウェッジワイヤースクリーン40は、ウェッジワイヤー41の延在方向が傾斜方向に交差するように配置されている。すなわち、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット方向(目方向)が、傾斜方向に交差するように配置されている。傾斜方向とは、ウェッジワイヤースクリーン40が水平方向に対して傾斜する方向である。つまり、傾斜方向は、水平方向に対して傾斜したウェッジワイヤースクリーン40の第1面40Aに沿った方向である。本実施形態では、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット方向は、傾斜方向に略直交している。ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜方向は、水が主として流れる方向である。これにより、水は、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット方向に交差する方向に沿って流れる(
図5の矢印)。ウェッジワイヤースクリーン40を通過した水は、水受部61を介して洗浄水タンク15に流入する。水受部61は、ウェッジワイヤースクリーン40の下方に配置されている。水受部61は、水平方向に対して傾斜して配置されている。水受部61は、ウェッジワイヤースクリーン40を通過した水を洗浄水タンク15に導く。
【0033】
洗浄室3から流出した水及び固形物は、セパレータ18によって受け止められ、セパレータ18の開口部18Hに向かって流れる。水及び固形物は、壁部19によって開口部18Hの辺18Haに集中し、辺18Haから流出する。開口部18Hから流出した水及び固形物は、ウェッジワイヤースクリーン40に流れ込む。ウェッジワイヤースクリーン40に流れ込んだ水の大部分は、スリット42を通過して洗浄水タンク15に流入する。ウェッジワイヤースクリーン40に流れ込んだ水の一部は、固形物と共にウェッジワイヤースクリーン40上を流れて、収容部50に流入する。
【0034】
洗浄機本体2には、収容部50が設けられている。収容部50は、洗浄機本体2の下側部分2Bにおいて、下側部分2Bの前面に配置されている。収容部50は、ウェッジワイヤースクリーン40によって分離された固形物及び水を収容する。収容部50は、本体51と、カバー52と、収容容器53と、接続管54と、を有している。本体51は、洗浄機本体2に固定されている。本体51は、箱状を呈しており、収容容器53を収容する空間を形成している。カバー52は、洗浄機本体2において、揺動又は着脱可能に設けられている。カバー52は、本体51の上部の開口部を開閉する。
【0035】
収容容器53は、残菜などの固形物を貯留する。収容容器53は、本体51に対して着脱可能に設けられている。収容容器53の少なくとも一部は、メッシュ部材(排水性を有する部材)で形成されている。接続管54は、本体51と洗浄水タンク15とを接続している。接続管54は、本体51内の水を洗浄水タンク15に流入させる。接続管54の一端部は、本体51の底部に接続されており、接続管54の他端部は、洗浄水タンク15の底部に接続されている。
【0036】
続いて、食器洗浄機1の動作について説明する。最初に、食器洗浄機1は、電源スイッチがONされると、すすぎ水タンク25内の温水をすすぎポンプ27によって洗浄室3へ噴射することにより、すすぎ水タンク25内へ温水が供給される。洗浄水タンク15内の温水の温度は、例えば、80℃前後に設定されている。これにより初期給湯が行われる。そして、初期給湯量に合った量の洗剤が洗浄水タンク15内へ供給されて、洗浄水タンク15内の洗浄水の洗剤濃度が所定濃度となる。
【0037】
初期給湯後、ユーザが食器をラッキングして、ドア7を閉めると、ドアスイッチ(図示せず)により、ドアが閉められたことが検知されると共に、運転開始信号がコントローラ35へ入力される。運転開始信号がコントローラ35へ入力されると、食器の洗浄が開始される。食器の洗浄は、洗浄水タンク15内の洗浄水を洗浄室3内の食器に向けて噴射することにより行われる。洗浄水タンク15内の洗浄水の温度は、例えば、60℃~70℃となるように設定されている。
【0038】
洗浄ポンプ23が始動することにより、洗浄水タンク15内に貯留された洗浄水は、洗浄水吐出管21などを介して上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bに圧送されて、上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bから洗浄室3内の食器に向けて噴射される。このとき、上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bは噴射力の反力によって回転し続けるため、洗浄水が食器に満遍なく当てられて、食器の汚れが効率良く洗い落とされる。
【0039】
この洗浄室3内に噴射された洗浄水の一部は、ウェッジワイヤースクリーン40に降りかかる。洗浄室3内に噴射された洗浄水の大部分は、セパレータ18で受け止められ、セパレータ18の開口部18Hに向かって流れる。水及び固形物は、壁部19によって開口部18Hの辺18Haに集中し、辺18Haから流出する。開口部18Hの辺18Ha側から流出した水及び固形物は、ウェッジワイヤースクリーン40の上端部に流れ込む。このように、ウェッジワイヤースクリーン40の上端部から水が流入するため、ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜に沿った流れが形成される。ウェッジワイヤースクリーン40に流れ込んだ水の大部分は、スリット42を通過して洗浄水タンク15に流入して、洗浄水タンク15内に回収される。ウェッジワイヤースクリーン40に流れ込んだ固形物において、スリット幅よりも大きいものは、ウェッジワイヤースクリーン40上に残留する。この固形物は、ウェッジワイヤースクリーン40に流れ込んだ水の一部と共にウェッジワイヤースクリーン40上を流れて、収容部50の収容容器53に排出される。収容部50に溜まった残菜は、収容容器53を本体51から取り外すことにより廃棄できる。収容部50に溜まった水は、接続管54を介して洗浄水タンク15に流入する。
【0040】
洗浄水タンク15内に回収された洗浄水は、洗浄ポンプ23により再び洗浄室3内に循環供給される。洗浄水による食器の洗浄が所定時間行われると、洗浄ポンプ23の作動を停止する。これにより、食器洗浄機1の動作が一時的に休止する。
【0041】
次に、すすぎポンプ27が始動することにより、すすぎ水タンク25内に貯留されたすすぎ水は、すすぎ水吐出管31などを介して上側及び下側すすぎノズル13A,13Bに圧送されて、各すすぎノズル13A,13Bから食器に向けて噴射される。洗浄水タンク15から圧送されるすすぎ水の温度は、例えば、80℃前後に設定されている。このとき、各すすぎノズル13A,13Bもまた、噴射力の反力によって回転し続けるため、すすぎ水が食器に満遍なく当てられて、食器のすすぎが効率良く行われる。
【0042】
この食器に噴射されたすすぎ水は、ウェッジワイヤースクリーン40を介して洗浄水タンク15内に回収されて洗浄水と混ざり合い、次回の洗浄工程における洗浄水として使用される。洗浄室3内にすすぎ水が噴射されて洗浄水タンク15内に回収されると、一定水位を超える余剰な洗浄水は、オーバーフロー管(図示省略)から外部に排出される。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る食器洗浄機1では、分離部として、ウェッジワイヤースクリーン40を使用している。ウェッジワイヤースクリーン40を構成する複数のウェッジワイヤー41は、互いに所定の間隔をあけて配置されている。これにより、ウェッジワイヤースクリーン40には、ウェッジワイヤー41の延在方向に沿ってスリット42が複数形成されている。このように、ウェッジワイヤースクリーン40では、複数のスリット42のそれぞれがウェッジワイヤー41の延在方向に沿って設けられているため、各スリット42の幅を小さくした場合であっても、目詰まりを抑制できると共に水を通過させることができる。したがって、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40のろ過能力の低下を抑制できる。また、ウェッジワイヤースクリーン40は、収容部50に向かって下方に傾斜して配置されている。これにより、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40によって分離された固形物を水と共に収容部50に排出できる。したがって、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40に固形物が残留することを抑制できる。そのため、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40において水が通過しない不具合を回避できる。その結果、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40における目詰まりの発生を抑制しつつ、ろ過能力の低下を抑制できる。
【0044】
また、ウェッジワイヤースクリーン40では、スリット42が一方向に沿って延在している。この構成では、網板又はパンチ板に比べて、繊維状の固形物(大根おろしなど)や柵状の固形物(キャベツの千切りなど)が目詰まりし難い。また、
図7(a)に示されるように、ウェッジワイヤースクリーン40の第2面40B側のスリット幅は、第1面40Aに比べて広い。そのため、第1面40A側からスリット42に入り込んだ固形物が、第2面40B側において詰まることを回避できる。したがって、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40における目詰まりの発生を抑制できる。
【0045】
また、ウェッジワイヤースクリーン40は、目詰まりが発生し難いため、全体のサイズを小さくした場合であっても、ろ過手段として十分に機能する。そのため、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40のサイズを小さくできるため、ウェッジワイヤースクリーン40の洗浄、交換等の作業を容易に行うことができる。
【0046】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40は、ウェッジワイヤー41の延在方向がウェッジワイヤースクリーン40の傾斜方向に交差するように配置されている。この構成では、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット方向が水の流れる方向に交差する。これにより、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40を水や固形物が流れるときに、スリット42に沿って流れないため、スリット42に固形物が挟まることを抑制できる。したがって、食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40において目詰まりが発生することをより一層抑制できる。
【0047】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット幅は、1.0mm以下である。この構成では、固形物がウェッジワイヤースクリーン40を通過し難くなるため、洗浄水タンク15に固形物が流入することを抑制できる。特に、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット幅は、0.3mm~0.75mmであることが好ましい。この構成では、ウェッジワイヤースクリーン40において水を通過させつつ、固形物を分離させることができる。
【0048】
ウェッジワイヤースクリーン40のスリット幅が0.3mm、0.5mm、0.75mmである場合について、ウェッジワイヤースクリーン40における固形物の回収率について実験を行った。固形物としては、繊維質の食材を使用した。ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜角度は、15°とした。回収率は、ウェッジワイヤースクリーン40を通過する前の固形物の量と、ウェッジワイヤースクリーン40を通過した後の固形物の量とから算出した。具体的には、セパレータ18上に所定量(200g)の固形物を配置すると共に上側洗浄ノズル12Aから洗浄水を噴射し、ウェッジワイヤースクリーン40を介して収容部50に排出された固形物の量を測定した。実験は、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット方向が横(
図5参照)及び縦(
図8参照)の場合について行った。表1に、実験結果を示す。
【表1】
【0049】
表1に示されるように、スリット幅が0.3mm、0.5mm、0.75mmのウェッジワイヤースクリーン40では、固形物を80%以上回収できることが確認された。特に、スリット幅が0.5mmで且つスリット方向が横の場合、及び、スリット幅が0.75mmで且つスリット方向が縦である場合に、固形物の回収率が高いことが確認された。したがって、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット幅を0.3mm~0.75mmにすることによって、ウェッジワイヤースクリーン40において水を通過させつつ、固形物を分離させることができる。
【0050】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40は、水平面に対して10°~30°の角度を成すように傾斜して配置されていている。この構成では、ウェッジワイヤースクリーン40によって分離された固形物を、収容部50に向かって滑走させることができる。したがって、食器洗浄機1では、固形物を収容部50に排出できる。
【0051】
ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜角度を10°よりも小さくすると、ウェッジワイヤースクリーン40上を固形物が滑走し難いため、ウェッジワイヤースクリーン40上に固形物が残留するおそれがある。一方で、ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜角度を30°よりも大きくすると、ウェッジワイヤースクリーン40を通過して洗浄水タンク15へと流れる水の割合が減少して、収容部50に排出される水の割合が増える。これにより、洗浄水タンク15と上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bとの間において循環する循環水量が減少し、洗浄力が低下する可能性がある。また、ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜角度を30°よりも大きくすると、ウェッジワイヤースクリーン40が水平面に対して起きるため、ウェッジワイヤースクリーン40を配置するために、上下方向(高さ方向)のスペースを確保する必要がある。そのため、食器洗浄機1の大型化を招来する。食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40の傾斜角度を10°~30°にしているため、ウェッジワイヤースクリーン40上に固形物が残留することを抑制しつつ水を通過させることができると共に、ウェッジワイヤースクリーン40の上下方向の高さを低くできるため、食器洗浄機1の大型化を回避できる。
【0052】
従来のように、分離部が網板又はパンチ板で形成されている構成では、穴径を小さくすることにより、小さな固形物が洗浄水タンク15に流入することを抑制できる。しかしながら、穴径を小さくすると、表面張力による抵抗が大きくなるため、分離部における水の透過性が低下し、洗浄水タンク15への水の戻りが悪くなる。その結果、洗浄水タンク15の水位が低下し、洗浄ポンプ23においてエア噛みが発生し得る。これに対して、本実施形態に係る食器洗浄機1では、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット42のスリット幅を狭くした場合であっても、水の透過性が低下し難い。したがって、食器洗浄機1では、洗浄水タンク15に固形物が流入することを抑制しつつ、洗浄水タンク15の水位の低下を抑制できる。
【0053】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、収容部50は、洗浄機本体2の下側部分2Bにおいて、下側部分2Bの前面に配置されている。すなわち、収容部50は、洗浄機本体2の外部に配置されている。この構成では、収容部50の収容容器53に残菜などが溜まった場合、カバー52を開けることで、収容容器53を容易に取り外すことができる。そのため、食器洗浄機1では、残菜などの廃棄を容易に行うことができると共に、収容部50の清掃作業などを容易に行うことができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0055】
上記実施形態では、セパレータ18が設けられている形態を一例に説明した。しかし、食器洗浄機1は、セパレータ18が設けられていなくてもよい。この構成では、洗浄水タンク15の上方の領域に、ウェッジワイヤースクリーン40が配置されていればよい。
【0056】
上記実施形態では、セパレータ18の開口部18Hが矩形状を呈している形態を一例に説明した。しかし、開口部18Hの形状はこれに限定されない。また、壁部19は、開口部18Hの形状に応じた形状を呈していればよい。
【0057】
上記実施形態では、セパレータ18に壁部19が設けられている形態を一例に説明した。しかし、壁部19は設けられていなくてもよい。すなわち、セパレータ18には、開口部18Hのみが設けられていればよい。
【0058】
上記実施形態では、ウェッジワイヤー41の断面が三角形状を呈する形態を一例に説明した。しかし、ウェッジワイヤー41の断面は、先細り形状を呈していればよい。例えば、ウェッジワイヤー41の断面は、台形状などを呈していてもよい。
【0059】
上記実施形態では、ウェッジワイヤースクリーン40が、ウェッジワイヤー41の延在方向が傾斜方向に交差するように配置されている形態を一例に説明した。すなわち、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット方向が水の流れ方向に交差するように、ウェッジワイヤースクリーン40を配置する形態を一例に説明した。しかし、
図8に示されるように、ウェッジワイヤースクリーン40は、ウェッジワイヤー41の延在方向が傾斜方向に沿うように配置されていてもよい。この構成では、水及び固形物がウェッジワイヤー41の延在方向に沿って流れるため、水及び固形物を収容部50に排出できる。
【0060】
上記実施形態では、収容部50が、洗浄機本体2の下側部分2Bにおいて、下側部分2Bの前面に配置されている形態を一例に説明した。しかし、収容部50は、下側部分2Bの他の面に配置されていてもよい。この場合、収容部50の位置に応じて、ウェッジワイヤースクリーン40及び開口部18Hの位置も適宜変更可能である。
【0061】
上記実施形態では、収容部50の本体51と洗浄水タンク15とが接続管54によって接続されている形態を一例に説明した。しかし。収容部50は、接続管54を有していなくてもよい。この場合、本体51は、水を排出する排出口を有していればよい。
【0062】
上記実施形態では、セパレータ18が板部材である形態を一例に説明した。しかし、セパレータ18は、ウェッジワイヤースクリーンで構成されていてもよい。この場合、セパレータは、開口部に洗浄水が誘導される形状であることが好ましい。例えば、セパレータは、開口部が最も低い位置となるように、開口部に向かって傾斜する。この構成では、セパレータにおいて洗浄水をろ過することができ、食器洗浄機に設けられるウェッジワイヤースクリーンの面積が大きくなる。そのため、上記実施形態のように、ウェッジワイヤースクリーン40の一箇所において固形物をひとまとまりにして排出する必要がないため、ウェッジワイヤースクリーン上において固形物を滑走させるための水の流量を少なくすることができる。これにより、循環水量を少なくすることができため、洗浄水タンク15の容量を小さくすることができる。その結果、食器洗浄機の小型化を図ることができる。また、ウェッジワイヤースクリーンの面積が大きくなるため、ウェッジワイヤーの間隔を小さくしたとしても、ウェッジワイヤースクリーン全体で目詰まりが発生することはない。そのため、ウェッジワイヤースクリーンのウェッジワイヤーの間隔を小さくすることができる。したがって、固形物がウェッジワイヤースクリーンを通過し難くなるため、洗浄水タンク15に固形物が流入することをより一層抑制できる。
【0063】
上記実施形態に加えて、ウェッジワイヤースクリーン40に対して水を供給する構成を更に備えていてもよい。例えば、ウェッジワイヤースクリーン40の第1面40Aに洗浄水を供給する構成を備えていてもよい。この構成では、洗浄水タンク15の洗浄水をくみ上げるポンプを備え、ウェッジワイヤースクリーン40の一端部(上端部)から洗浄水を供給する。洗浄水をウェッジワイヤースクリーン40に供給するタイミングは、洗浄中であってもよいし、メンテナンスのときであってもよいし、一定の間隔に設定されていてもよい。これにより、ウェッジワイヤースクリーン40の第1面40Aに固形物が残留することを抑制できる。
【0064】
また、例えば、ウェッジワイヤースクリーン40の第2面40Bに洗浄水を供給する構成を備えていてもよい。この構成では、洗浄水タンク15の洗浄水をくみ上げるポンプを備え、ウェッジワイヤースクリーン40の第2面40Bに向けて洗浄水を噴射する。洗浄水をウェッジワイヤースクリーン40に噴射するタイミングは、洗浄中であってもよいし、メンテナンスのときであってもよいし、一定の間隔に設定されていてもよい。これにより、ウェッジワイヤースクリーン40の第1面40Aに固形物が残留することを抑制できる。また、第2面40Bから洗浄水を噴射することによって、ウェッジワイヤースクリーン40のスリット42に付着している(挟まっている)固形物を効果的に除去することができるため、目詰まりを防止できる。
【0065】
また、例えば、食器洗浄機1の外部から水が供給される構成であってもよい。例えば、他の食器洗浄機から水が供給されてもよい。
図9に示されるように、食器洗浄機101から排出された水が食器洗浄機1に供給されてもよい。食器洗浄機101は、食器洗浄機1において予備洗浄された食器を洗浄する本洗浄機である。食器洗浄機1と食器洗浄機101とは、隣接して配置されている。
【0066】
食器洗浄機101は、洗浄水タンク115を有している。洗浄水タンク115の底部には、排出口115Aが設けられている。排出口115Aには、オーバーフロー管120が接続されている。オーバーフロー管120の端部は、食器洗浄機1のウェッジワイヤースクリーン40の一端部(上端部)に位置している。この構成では、食器洗浄機101の洗浄水タンク115において水位が上昇したときに、食器洗浄機101からオーバーフロー管120を介して洗浄水が供給される。これにより、ウェッジワイヤースクリーン40の第1面40Aに固形物が残留することを抑制できる。なお、食器洗浄機101の洗浄水タンク115にポンプを接続し、ポンプによって洗浄水タンク115の洗浄水を食器洗浄機1のウェッジワイヤースクリーン40に供給してもよい。
【0067】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態及び上記変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…食器洗浄機、3…洗浄室、40…ウェッジワイヤースクリーン(分離部)、41…ウェッジワイヤー、42…スリット、50…収容部。