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特許7536502キャップを有する高周波音響ダンパ用のシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】キャップを有する高周波音響ダンパ用のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/42 20060101AFI20240813BHJP
   F02C 7/18 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
F23R3/42 Z
F02C7/18 C
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020088856
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2020190408
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】16/418,450
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド・ビアゴロリ
(72)【発明者】
【氏名】ラヤール・ハーキム ドアノー
(72)【発明者】
【氏名】ダリユシュ・オルワイズ・ペリス
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-123825(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0198854(US,A1)
【文献】特表2017-533375(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0156460(US,A1)
【文献】特表2016-525207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/18
F23R 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械(10)用の音響ダンパ(100)であって、当該音響ダンパ(100)が、
燃焼チャンバフロントパネル(90)の背面(96)から延びる少なくとも1つの壁(104)であって、それにより減衰チャンバ(106)を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁(104)と、
前記フロントパネル(90)の前記背面(96)内に画定された少なくとも1つの冷却空気入口(120及び122)であって、冷却空気(124)の流れを前記減衰チャンバ(106)内に送るように配向される少なくとも1つの冷却空気入口(120及び122)と、
前記フロントパネル(90)の前記背面(96)内に画定された少なくとも1つの出口(102)であって、前記冷却空気(124)の流れを前記減衰チャンバ(106)の外に送るように配向される少なくとも1つの出口(102)と、
前記少なくとも1つの冷却空気入口(120及び122)の上に少なくとも部分的に延び、前記減衰チャンバ(106)内の前記冷却空気(124)の流れの速度を低減するように配向される少なくとも1つのキャップ(128及び130)と
を備えており、前記少なくとも1つのキャップ(128及び130)が、少なくとも1つの半球形シェル(132)を備える、音響ダンパ(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの冷却空気入口(120及び122)、第1の冷却空気入口(120)と、第2の冷却空気入口(122)とを備える、請求項1に記載の音響ダンパ(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのキャップ(128及び130)、前記第1の冷却空気入口(120)の上に部分的に位置決めされた第1のキャップ(128)と、前記第2の冷却空気入口(122)の上に部分的に位置決めされた第2のキャップ(130)とを備える、請求項2に記載の音響ダンパ(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのキャップ(128及び130)、前記冷却空気(124)の流れを前記減衰チャンバ(106)内に送るように構成されたキャップ開口部(134)を画定する、請求項1に記載の音響ダンパ(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのキャップ(128及び130)、前記キャップ開口部(134)が前記少なくとも1つの出口(102)とは反対側を向くように、前記少なくとも1つの冷却空気入口(120及び122)の上に位置決めされる、請求項4に記載の音響ダンパ(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの半球形シェル(132)、約4ミリメートル~約10ミリメートルのキャップ直径(136)を画定する、請求項に記載の音響ダンパ(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのキャップ(128及び130)、前記冷却空気(124)の流れを前記減衰チャンバ(106)内に送るように構成された少なくとも1つのキャップ穴(702)を画定する、請求項1に記載の音響ダンパ(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのキャップ穴(702)、複数のキャップ穴(702)を備える、請求項に記載の音響ダンパ(100)。
【請求項9】
前面及び反対側の背面(96)を有するフロントパネル(90)を備える少なくとも1つのバーナ(24)と、
前記フロントパネル(90)の前記背面(96)に位置決めされた少なくとも1つの音響ダンパ(100)であって、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の音響ダンパ(100)を含む、少なくとも1つの音響ダンパ(100)と
を備える、回転機械(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、一般に、ガスタービンエンジンに関し、より詳細には、ガスタービンエンジン内で使用される高周波ダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、典型的には、直列流れ構成で配置された少なくとも1つの圧縮機、少なくとも1つのバーナ、および少なくとも1つのタービンを含む。典型的には、圧縮機は、圧縮空気をバーナに送り、そこで圧縮空気は燃料の流れと混合されて燃焼し、タービンに送られる高温燃焼ガスの流れを作り出す。しかし、バーナ内の燃焼ダイナミックスが安定しないことがあることから、少なくともいくつかのバーナ内の燃焼が不安定な場合がある。具体的には、燃焼中に放出された熱は、燃焼によって引き起こされた圧力の増加と相まって、バーナ内で音圧振動を発生させる可能性がある。
【0003】
既知のバーナ内では、音圧振動は、典型的には、通常の動作条件中に発生し、バーナ内の燃料/空気の化学量論、バーナ内の総質量流量、および/または他の動作条件に依存し得る。経時的に、音圧振動は、機器の損傷または他の動作上の問題を引き起こす可能性がある。音圧振動の影響の低減を促進するために、少なくともいくつかのバーナは、音圧振動を吸収し、圧力振動の振幅を低減する少なくとも1つの音響ダンパを含む。音響ダンパへの損傷を防ぎ、音響ダンパを清潔に保つために、圧縮冷却空気の流れが音響ダンパ内に送られる。しかし、圧縮冷却空気の流れが高速で音響ダンパに入る場合、音響ダンパ内の圧力が減少し、高温燃焼ガスが音響ダンパ内に流れ込む場合がある。対照的に、冷却空気の流れが低速である場合、冷却が音響ダンパ内では効果的でない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、回転機械用の音響ダンパが提供される。回転機械は、前面および反対側の背面を有するフロントパネルを含む少なくとも1つのバーナを含む。音響ダンパは、少なくとも1つの壁と、少なくとも1つの冷却空気入口と、少なくとも1つの出口と、少なくとも1つのキャップとを含む。少なくとも1つの壁は、フロントパネルの背面から延び、減衰チャンバを画定する。少なくとも1つの冷却空気入口は、フロントパネルの背面内に画定され、冷却空気の流れを減衰チャンバ内に送るように構成される。少なくとも1つの出口は、フロントパネルの背面内に画定され、冷却空気の流れを減衰チャンバの外に送るように構成される。少なくとも1つのキャップは、少なくとも1つの冷却空気入口の上に少なくとも部分的に位置決めされ、減衰チャンバ内の冷却空気の流れの速度を低減するように構成される。
【0005】
別の態様では、音響ダンパをバーナのフロントパネルに製造する方法が提供される。方法は、フロントパネルを通る出口を画定することを含む。出口は、フロントパネルの前面からフロントパネルの背面に延びる。方法はまた、フロントパネルの背面内に少なくとも1つの冷却空気入口を画定することを含む。方法は、少なくとも1つの壁をフロントパネルの背面に形成することをさらに含む。フロントパネルの少なくとも1つの壁および背面は、減衰チャンバを画定する。方法はまた、少なくとも1つの冷却空気入口の上に少なくとも部分的に位置決めされた少なくとも1つのキャップを形成することを含む。少なくとも1つのキャップは、減衰チャンバ内の冷却空気の流れの速度を低減するように構成される。
【0006】
別の態様では、回転機械が提供される。回転機械は、少なくとも1つのバーナと、少なくとも1つの音響ダンパとを含む。少なくとも1つのバーナは、前面および反対側の背面を有するフロントパネルを含む。少なくとも1つの音響ダンパは、フロントパネルの背面に位置決めされ、少なくとも1つの壁と、少なくとも1つの冷却空気入口と、少なくとも1つの出口と、少なくとも1つのキャップとを含む。少なくとも1つの壁は、フロントパネルの背面から延び、減衰チャンバを画定する。少なくとも1つの冷却空気入口は、フロントパネルの背面内に画定され、冷却空気の流れを減衰チャンバ内に送るように構成される。少なくとも1つの出口は、フロントパネルの背面内に画定され、冷却空気の流れを減衰チャンバの外に送るように構成される。少なくとも1つのキャップは、少なくとも1つの冷却空気入口の上に少なくとも部分的に位置決めされ、減衰チャンバ内の冷却空気の流れの速度を低減するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な回転機械の概略図である。
図2図1に示す回転機械の燃焼器セクションと共に位置決めされた例示的なバーナの斜視図である。
図3図2に示すバーナ内に位置決めされ得る例示的なフロントパネルの背面図である。
図4図3に示すフロントパネルの背面に位置決めされ得る例示的な音響ダンパの斜視図である。
図5図4に示す音響ダンパと共に使用される例示的なキャップの斜視図である。
図6図4に示すキャップの切り欠き上面図である。
図7図4に示す音響ダンパと共に使用され得る代替のキャップの斜視図である。
図8図4に示す音響ダンパと共に使用され得る別の代替のキャップの斜視図である。
図9図4に示す音響ダンパなどの音響ダンパを製造する例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載の例示的な音響ダンパおよび方法は、音響ダンパ内の冷却流の速度の低減、バーナ内の音響振動の低減、および音響ダンパ内への高温ガスの吸引の低減を促進する。本明細書に記載の例示的な音響ダンパは、バーナのフロントパネルの背面から延びる少なくとも1つの壁を含む。フロントパネルの壁および背面は、減衰チャンバを画定する。フロントパネルの背面はまた、少なくとも1つの冷却空気入口および少なくとも1つの出口を画定する。冷却空気入口は、冷却空気の流れを減衰チャンバ内に送るように配向され、出口は、冷却空気の流れを減衰チャンバから送るように配向される。ダンパは、冷却空気の流路内にあり、フロントパネルの背面から冷却空気入口の上に延びる少なくとも1つのキャップをさらに含む。
【0009】
動作中、音響ダンパの出口は音響ダンパ内への音響振動の通過を可能にし、したがって音圧振動を減衰させ、バーナへの損傷を低減する。減衰チャンバ内への冷却空気の流れは、音響ダンパを冷却し、音響ダンパへの損傷の低減を促進する。減衰チャンバ内の冷却空気の流れの速度は、減衰チャンバ内の圧力を低下させる。圧力の低下により、高温燃焼ガスが減衰チャンバ内に吸引または送られるようになり得、音響ダンパに損傷を与える可能性がある。キャップは、冷却空気の流れの速度の低減、および燃焼ガスの吸引によって引き起こされる音響ダンパへの潜在的な損傷の低減を促進する。
【0010】
別途指定のない限り、本明細書で使用される「一般に」、「実質的に」、および「およそ」などの近似を表す文言は、そのように修飾された用語が、絶対的または完全な程度ではなく、当業者によって認識されるようなおおよその程度にのみ適用され得ることを示している。近似を表す文言は、それが関連する基本的機能の変更をもたらすことなく許容範囲で変化することができる定量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、範囲の限界が特定されてもよい。このような範囲は、組み合わせおよび/または置き換えが可能であり、文脈または文言が特に指示しない限り、本明細書に含まれるすべての部分範囲を含む。
【0011】
加えて、別途指定のない限り、「第1の」、「第2の」、などの用語は、本明細書において単に標識として使用されているにすぎず、これらの用語が言及する項目について順序、位置、または階層上の要件を加えることを意図するものではない。さらに、例えば、「第2の」項目への言及は、例えば、「第1の」もしくはより小さい番号の項目、または「第3の」もしくはより大きい番号の項目の存在を要求するものではなく、または排除するものでもない。
【0012】
図1は、本開示の実施形態が使用され得る例示的な回転機械10の概略図である。この例示的な実施形態では、回転機械10は、吸気セクション12、吸気セクション12の下流に結合された圧縮機セクション14、圧縮機セクション14の下流に結合された燃焼器セクション16、燃焼器セクション16の下流に結合されたタービンセクション18、およびタービンセクション18の下流に結合された排気セクション20を含むガスタービンである。ほぼ管状のケーシング36は、吸気セクション12、圧縮機セクション14、燃焼器セクション16、タービンセクション18、および排気セクション20の1つまたは複数を少なくとも部分的に取り囲む。代替の実施形態では、回転機械10は、本開示の実施形態が本明細書に記載のように機能することを可能にされるロータブレードを有する任意の機械である。例示的な実施形態では、タービンセクション18は、ロータシャフト22を介して圧縮機セクション14に結合される。本明細書で使用される場合、「結合する」という用語は、構成要素間の直接的な機械的、電気的、および/または通信接続に限定されず、複数の構成要素間の間接的な機械的、電気的、および/または通信接続も含むことができることに留意されたい。
【0013】
ガスタービン10の動作中、吸気セクション12は、空気を圧縮機セクション14に向けて送る。圧縮機セクション14は、空気を圧縮してより高い圧力および温度にする。より具体的には、ロータシャフト22は、圧縮機セクション14内のロータシャフト22に結合された圧縮機ブレード40の少なくとも1つの円周方向列に回転エネルギーを与える。例示的な実施形態では、圧縮機ブレード40の各列に先行して、ケーシング36から半径方向内側に延びる圧縮機ステータベーン42の円周方向列が設けられ、空気流を圧縮機ブレード40内に案内する。圧縮機ブレード40の回転エネルギーは、空気の圧力および温度を上昇させる。圧縮機セクション14は、圧縮空気を燃焼器セクション16に向けて排出する。
【0014】
燃焼器セクション16では、圧縮空気が燃料と混合されて点火され、タービンセクション18に向けて送られる燃焼ガスを生成する。より具体的には、燃焼器セクション16は、少なくとも1つのバーナ24を含み、そこでは燃料、例えば、天然ガスおよび/または燃料オイルが空気流内に噴射され、燃料/空気混合物が点火され、タービンセクション18に向けて送られる高温燃焼ガスを生成する。
【0015】
タービンセクション18は、燃焼ガス流からの熱エネルギーを機械的回転エネルギーに変換する。より具体的には、燃焼ガスは、タービンセクション18内のロータシャフト22に結合されたロータブレード70の少なくとも1つの円周方向列に回転エネルギーを与える。例示的な実施形態では、ロータブレード70の各列に先行して、ケーシング36から半径方向内側に延びるタービンステータベーン72の円周方向列が設けられ、燃焼ガスをロータブレード70内に案内する。ロータシャフト22は、限定はしないが、発電機および/または機械的駆動用途などの負荷(図示せず)に結合することができる。排気された燃焼ガスは、タービンセクション18から下流に流れ、排気セクション20に入る。
【0016】
図2は、燃焼器セクション16と共に位置決めされ、例示的なフロントパネル90を含むバーナ24の斜視図である。図3は、バーナ24内に位置決めされたフロントパネル90の背面図である。バーナ24は、バーナチャンバ82、バーナ入口84、およびバーナ出口86を画定する少なくとも1つのバーナ壁80を含む。フロントパネル90は、バーナ入口84に結合され、フロントパネル入口92を画定する。フロントパネル90は、前面94と、前面94の反対側である背面96とを有する。フロントパネル90は、背面96がバーナ24に結合され、前面94がバーナ24とは反対側に配向されるようにバーナ24に位置決めされる。図3に示すように、複数の音響ダンパ100がフロントパネル90の背面96にわたって延びる。例示的な実施形態では、約30~約40の音響ダンパ100がフロントパネル90の背面96に位置決めされる。しかし、バーナ24が本明細書に記載のように動作することを可能にする任意の数の音響ダンパ100が、フロントパネル90の背面96に位置決めされてもよい。フロントパネル90は、フロントパネル90を通って前面94から背面96に延びる複数の出口102を画定する。
【0017】
動作中、圧縮機セクション14からの圧縮空気の流れは、フロントパネル入口92およびバーナ入口84を通ってバーナ24内に送られる。燃料の流れが圧縮空気の流れ内に噴射され、圧縮空気と燃料の混合物が点火される。バーナ24内の燃焼ダイナミックスが安定しないことがあることから、バーナ24内の燃焼が不安定な場合がある。具体的には、燃焼中に放出された熱は、燃焼によって引き起こされた圧力の増加と相まって、バーナ24内に音圧振動を引き起こす可能性がある。音圧振動は、一般に、通常の動作条件中に発生し、バーナ24内の燃料/空気の化学量論、バーナ24内の総質量流量、および/または他の動作条件に依存し得る。音圧振動は、機器の損傷または他の動作上の問題を引き起こす可能性がある。しかし、音響ダンパ100は、音圧振動の吸収および/または圧力振動の振幅の低減を促進する。具体的には、出口102は、音圧振動が音響ダンパ100に入るのを可能にし、そこで音圧振動は減衰される。
【0018】
図4は、音響ダンパ100の斜視図である。音響ダンパ100は、フロントパネル90の背面96と協働して減衰チャンバ106を画定する少なくとも1つの壁104を含む。例示的な実施形態では、音響ダンパ100はまた、上面108を含む。フロントパネル90の壁104、上面108、および背面96は、協働して減衰チャンバ106を画定する。壁104、上面108、および背面96は、図4では透明に示されている。
【0019】
図示の実施形態では、壁104は、概して楕円形であり、背面96から実質的に垂直に延びる。具体的には、図示の実施形態では、壁104は、背面96から実質的に垂直に延びる2つの半円弧110および2つの直線部分112を含む。直線部分112は、半円弧110から連続的に延びる。上面108は、半円弧110上の2つの半円錐114と、直線部分112上の2つの傾斜部分116とを含む。傾斜部分116は、傾斜部分116が半円錐114の間に画定された細長頂点118を形成するように、半円錐114に結合される。図示の実施形態では、半円弧110、直線部分112、半円錐114、傾斜部分116、細長頂点118、およびフロントパネル90の背面96は、協働して減衰チャンバ106を画定する。あるいは、音響ダンパ100および減衰チャンバ106は、音響ダンパ100が本明細書に記載のように機能することを可能にする任意の他の形状を有してもよい。具体的には、音響ダンパ100および減衰チャンバ106の形状は、計算流体力学(CFD)分析によって決定されてもよく、バーナ24内の燃料/空気の化学量論、バーナ24内の総質量流量、および/または任意の他の動作条件に基づいて選択され得る。
【0020】
図4に示すように、少なくとも1つの出口102は、フロントパネル90を通って前面94から背面96に延びる。出口102は、音圧振動が減衰チャンバ106に入るのを可能にし、そこで音圧振動は減衰される。例示的な実施形態では、出口102は、フロントパネル90を通って延びる円形導管である。あるいは、出口102は、音響ダンパ100が本明細書に記載のように機能することを可能にする任意の他の形状を有してもよい。具体的には、出口102の形状は、CFD分析によって決定されてもよく、バーナ24内の燃料/空気の化学量論、バーナ24内の総質量流量、および/または任意の他の動作条件に基づいて選択され得る。加えて、例示的な実施形態は各音響ダンパ100に対して単一の出口102のみを含むが、音響ダンパ100は、限定はしないが、2つ、3つ、またはそれ以上の出口102を含む、音響ダンパ100が本明細書に記載のように動作することを可能にする任意の数の出口102を含んでもよい。具体的には、各音響ダンパ100に含まれる出口102の数は、CFD分析によって決定されてもよく、バーナ24内の燃料/空気の化学量論、バーナ24内の総質量流量、および/または任意の他の動作条件に基づいて選択され得る。
【0021】
フロントパネル90の背面96は、少なくとも1つの冷却空気入口120および/または122を画定する。具体的には、例示的な実施形態では、フロントパネル90の背面96は、第1の冷却空気入口120および第2の冷却空気入口122を画定する。冷却空気入口120および122は、矢印124および126によって示されるように、冷却空気の流れを減衰チャンバ106内に送るように配向される。具体的には、第1の冷却空気入口120は、矢印124によって示されるように、第1の冷却空気の流れを送るように配向され、第2の冷却空気入口122は、矢印126によって示されるように、第2の冷却空気の流れを送るように配向される。しかし、音響ダンパ100は、限定はしないが、1つ、3つ、またはそれ以上の冷却空気入口120および122を含む、音響ダンパ100が本明細書に記載のように機能することを可能にする任意の他の数の冷却空気入口120および122を含んでもよい。具体的には、各音響ダンパ100に含まれる冷却空気入口120および122の数は、CFD分析によって決定されてもよく、バーナ24内の燃料/空気の化学量論、バーナ24内の総質量流量、および/または任意の他の動作条件に基づいて選択され得る。例示的な実施形態では、冷却空気124および126の流れの供給源は、圧縮機セクション14であり、冷却空気124および126の流れは、典型的には、燃焼ガスよりも高い圧力を有し、それにより冷却空気124および126の流れは、出口102を通って音響ダンパ100の外に送られる。したがって、冷却空気入口120および122は、冷却空気124および126の流れを減衰チャンバ106内に送るように配向され、出口102は、冷却空気124および126の流れを減衰チャンバ106から送るように配向される。
【0022】
動作中、バーナ24は、燃料/空気混合物に点火し、タービンセクション18に向けて送られる高温燃焼ガスを生成する。燃焼中に放出された熱は、燃焼によって引き起こされた圧力の増加と相まって、バーナ24内で音圧振動を発生させる可能性がある。音圧振動は、出口102を通って音響ダンパ100に入り、減衰チャンバ106内で減衰される。燃焼中に放出された熱は、音響ダンパ100に損傷を与える可能性があり、冷却空気入口120および122は、冷却空気124および126を音響ダンパ100内に送って音響ダンパ100の温度を低下させ、燃焼中に放出された熱によって引き起こされる損傷の低減を促進する。しかし、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の高速の流れは、減衰チャンバ106内の圧力を低下させ、したがって高温燃焼ガスが減衰チャンバ106内に引き込まれることを可能にし得る。高温ガスは、音響ダンパ100への損傷を引き起こす場合がある。
【0023】
減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減するために、少なくとも1つのキャップ128および/または130が冷却空気入口120および122の上に部分的に減衰チャンバ106内に位置決めされる。図示の実施形態では、複数のキャップ128および130は、キャップ128および130が冷却空気入口120および122に少なくとも部分的にわたって延びるように、減衰チャンバ106内に位置決めされる。具体的には、第1のキャップ128は、第1の冷却空気入口120を部分的に覆い、第2のキャップ130は、第2の冷却空気入口122を部分的に覆う。各キャップ128および130は、冷却空気124および126の流れの経路内に位置決めされ、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れを中断し、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減する。したがって、キャップ128および130は、減衰チャンバ106内への減衰ガスの吸引の低減を促進し、燃焼ガスの吸引によって引き起こされる音響ダンパ100への損傷を低減する。
【0024】
図5は、音響ダンパ100内の第1のキャップ128の斜視図である。壁104、上面108、および背面96は、図5では透明に示されている。図6は、第1のキャップ128の切り欠き上面図である。図示の実施形態では、キャップ128および130は、背面96から延び、冷却空気入口120および122を実質的に覆う中空の半球形カバーまたはカップである。具体的には、各キャップ128および130は、キャップ開口部134を画定する半球形シェル132を有する。シェル132は、冷却空気124および126の流れの経路内に位置決めされ、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れを中断し、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度の低減を促進する。具体的には、シェル132は、キャップ開口部134が出口102とは反対側を向くように、冷却空気入口120および122の上に位置決めされる。
【0025】
キャップ開口部134は、冷却空気124および126の流れを減衰チャンバ106内に送るように配向される。加えて、冷却空気入口120および122は、冷却空気124および126の流れをシェル132の後部に送るように配向され、それにより冷却空気124および126の流れは、キャップ開口部134を出るために向きを変える必要がある。加えて、キャップ開口部134が出口102とは反対側に配向されるので、冷却空気124および126は、出口102を通って音響ダンパ100を出るために再び向きを変える必要がある。したがって、キャップ128および130は、冷却空気入口120および122の上に位置決めされ、冷却空気124および126の流れを減衰チャンバ106内の曲がりくねった経路に追従させる。よって、キャップ128および130は、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れを中断し、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減する。したがって、キャップ128および130は、減衰チャンバ106内への減衰ガスの吸引の低減を促進し、燃焼ガスの吸引によって引き起こされる音響ダンパ100への損傷の低減を促進する。
【0026】
図示の実施形態では、シェル132は、半球形の形状を有する。しかし、シェル132は、限定はしないが、円筒形および/または平行六面体の形状を含む、音響ダンパ100が本明細書に記載のように機能することを可能にする任意の他の形状を有してもよい。具体的には、各シェル132の形状は、CFD分析によって決定されてもよく、バーナ24内の燃料/空気の化学量論、バーナ24内の総質量流量、および/または任意の他の動作条件に基づいて変更することができる。加えて、キャップ128および130は各々、同じ形状を有してもよく、またはキャップ128および130は各々、異なる形状を有してもよい。
【0027】
図6に示すように、各キャップ128および130は、キャップ直径136と、キャップ直径136からキャップ開口部134に実質的に垂直に延びる切断距離138とを有する。切断距離138は、キャップ開口部134のサイズを決定する。切断距離138が増加すると、キャップ開口部134がキャップ128および130の中心140とは反対側に移動し、キャップ開口部134のサイズが減少する。逆に、切断距離138が減少すると、キャップ開口部134がキャップ128および130の中心140に向かって移動し、キャップ開口部134のサイズが増加する。例示的な実施形態では、キャップ直径136は、約4ミリメートル(mm)~約10mmである。より具体的には、例示的な実施形態では、キャップ直径136は、約6mmである。例示的な実施形態では、切断距離138は、約0.5mm~約5mmである。より具体的には、例示的な実施形態では、切断距離138は、約1.2mmである。
【0028】
キャップ直径136および切断距離138は、キャップ128および130が減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れを中断し、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減するように、CFD分析によって決定される。しかし、キャップ128および130は、音響ダンパ100が本明細書に記載のように動作することを可能にする任意のキャップ直径136および/または切断距離138を有してもよい。加えて、キャップ128および130は各々、同じキャップ直径136および/または切断距離138を有してもよく、またはキャップ128および130は各々、異なるキャップ直径136および切断距離138を有してもよい。
【0029】
例示的な実施形態では、音響ダンパ100は、2つのキャップ128および130を含み、これは各冷却空気入口120および122に対して1つずつである。しかし、音響ダンパ100は、限定はしないが、1つ、3つ、またはそれ以上のキャップ128および130を含む、音響ダンパ100が本明細書に記載のように動作することを可能にする任意の数のキャップ128および130を含んでもよい。具体的には、第1のキャップ128は、第1の冷却空気入口120の上に位置決めされ得るが、第2の冷却空気入口122は、第2のキャップ130によって覆われなくてもよい。キャップ128および130の数は、CFD分析によって決定され得、音響ダンパ100内への高温燃焼ガスの吸引の低減を促進するために必要なキャップ128および130の数を決定する。加えて、各キャップ128および130は、壁104に対して音響ダンパ100内に位置を有する。具体的には、各キャップ128および130は、壁104からキャップ距離142に位置決めされる。キャップ距離142は、キャップ開口部134の中心144から壁104までの距離である。キャップ距離142は、キャップ128および130と壁104との間の空間の量を決定し、冷却空気124および126の流れが出口102に向かって向きを変える必要がある空間の量を決定する。
【0030】
キャップ距離142が増加すると、冷却空気124および126が出口102に向かって向きを変える必要がある空間の量が増加し、冷却空気124および126の流れに対する抵抗が減少し、冷却空気124および126の流れの速度が増加する。逆に、キャップ距離142が減少すると、冷却空気124および126が出口102に向かって向きを変える必要がある空間の量が減少し、冷却空気124および126の流れに対する抵抗が増加し、冷却空気124および126の流れの速度が減少する。例示的な実施形態では、キャップ距離142は、約0.5mm~約10mmである。より具体的には、例示的な実施形態では、キャップ距離142は、約1mmである。CFD分析は、キャップ距離142を調整することによって各キャップ128および130の位置を決定して減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れを中断し、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減する。加えて、CFD分析はまた、各キャップ128および130のキャップ直径136および切断距離138を同時に調整して減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れを中断し、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減する。さらに、代替の実施形態では、シェル132は、冷却空気入口120および122の上に位置決めされてもよく、それによりキャップ開口部134は、キャップ128および130が本明細書に記載のように動作することを可能にするように出口102に対して任意の配向で位置決めされる。
【0031】
キャップ直径136、切断距離138、およびキャップ距離142は、各キャップ128および130に対して調整されて減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れを中断し、減衰チャンバ106内への高温燃焼ガスの吸引を低減し、かつ音響ダンパ100への損傷を低減するために減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減する。具体的には、CFD分析は、高温燃焼ガスの吸引が低減されるように、キャップ直径136、切断距離138、およびキャップ距離142を調整する。したがって、キャップ128および130は、音響ダンパ100内への高温燃焼ガスの吸引の低減を促進し、音響ダンパ100への損傷を低減し、バーナ24および回転機械10の信頼性を改善する。
【0032】
図7は、キャップ700の斜視図である。図8は、キャップ800の斜視図である。キャップ700および800は、キャップ128および130の代替の実施形態である。キャップ700のキャップ開口部134は、上述のキャップ開口部134ではなく複数のキャップ穴702を含み、キャップ800のキャップ開口部134は、上述のキャップ開口部134ではなく複数のキャップ穴802を含む。キャップ穴702は、シェル132から減衰チャンバ106内へと冷却空気124および126の流れを送るように構成される。図示の実施形態では、キャップ穴702は、シェル132を通って延びる円形の穴である。しかし、キャップ穴702は、キャップ700が本明細書に記載のように動作することを可能にする任意の形状を有してもよい。図示の実施形態では、キャップ700は、直線状に配置された3つのキャップ穴702を含む。しかし、キャップ700は、キャップ700が本明細書に記載のように動作することを可能にする任意の配置の任意の数のキャップ穴702を含んでもよい。キャップ穴702は、キャップ開口部134と比較して冷却空気124および126の流れがシェル132から流出する必要がある面積を減少させ、冷却空気124および126の流れに対する抵抗を増加させ、冷却空気124および126の流れの速度を減少させる。したがって、キャップ700は、キャップ128および130と比較して冷却空気124および126の流れの速度をさらに減少させる。
【0033】
キャップ800は、キャップ800が2列に直線状に配置されたより多くのキャップ穴802を含むことを除いて、キャップ700と同様である。キャップ穴802はまた、キャップ穴702よりも大きい。したがって、キャップ穴802は、キャップ開口部134と比較して冷却空気124および126の流れがシェル132から流出する必要がある面積を減少させるが、キャップ穴802は、キャップ穴702と比較して冷却空気124および126の流れがシェル132から流出する必要がある面積を増加させる。したがって、キャップ800は、キャップ128および130と比較して冷却空気124および126の流れの速度を減少させ、キャップ700と比較して冷却空気124および126の流れの速度を増加させる。冷却空気124および126の流れの速度は、キャップ128および130、700、および800のキャップ開口部134を調整することによって調節することができる。具体的には、第1のキャップ128のキャップ開口部134は、キャップ穴702を含むことができ、第2のキャップ130のキャップ開口部134は、上述のキャップ開口部134を含むことができる。したがって、キャップ128および130、700、および800のキャップ開口部134は、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れを中断し、減衰チャンバ106内への高温燃焼ガスの吸引を低減し、かつ音響ダンパ100への損傷を低減するために減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減するように調整され得る。
【0034】
図9は、音響ダンパ100を製造する例示的な方法900のフロー図である。方法900は、フロントパネル90を通って延びるように少なくとも1つの出口102を画定すること902を含む。出口102は、フロントパネル90の前面94からフロントパネル90の背面96に延びる。方法900はまた、フロントパネル90の背面96内に少なくとも1つの冷却空気入口120および122を画定すること904を含む。方法900は、少なくとも1つの壁104をフロントパネル90の背面96に形成すること906をさらに含む。フロントパネル90の壁104および背面96は、減衰チャンバ106を画定する。方法900はまた、少なくとも1つのキャップ128をフロントパネル90の背面96に形成すること908を含む。キャップ128は、減衰チャンバ106内の冷却空気124および126の流れの速度を低減するように配向される。
【0035】
本明細書に記載の音響ダンパ100は、音響ダンパ100が本明細書に記載のように動作することを可能にする任意の製造技術を使用して製造されてもよい。例示的な実施形態では、各音響ダンパ100は、音響ダンパ100およびフロントパネル90を付加製造することによって製造される。具体的には、フロントパネル90は、フロントパネル90内に出口102ならびに冷却空気入口120および122を画定するように付加製造される。次に、音響ダンパ100およびキャップ128がフロントパネル90の背面96に付加製造される。付加製造により、キャップ128を音響ダンパ100内に形成するためのコストおよび時間が削減される。したがって、音響ダンパ100の付加製造により、バーナ24および回転機械10の信頼性を高める一方、キャップ128を有する音響ダンパ100を生産するためのコストおよび製造時間を削減することが容易になる。
【0036】
本明細書に記載の例示的な音響ダンパおよび方法は、音響ダンパ内の冷却流の速度の低減、バーナ内の音響振動の低減、および音響ダンパ内への高温ガスの吸引の低減を促進する。本明細書に記載の例示的な音響ダンパは、バーナのフロントパネルの背面から延びる少なくとも1つの壁を含む。フロントパネルの壁および背面は、減衰チャンバを画定する。フロントパネルの背面はまた、少なくとも1つの冷却空気入口および少なくとも1つの出口を画定する。冷却空気入口は、冷却空気の流れを減衰チャンバ内に送るように配向され、出口は、冷却空気の流れを減衰チャンバから送るように配向される。ダンパは、冷却空気の流路内にあり、フロントパネルの背面から冷却空気入口の上に延びる少なくとも1つのキャップをさらに含む。
【0037】
動作中、音響ダンパの出口は音響ダンパ内への音響振動の通過を可能にし、したがって音圧振動を減衰させ、バーナへの損傷を低減する。減衰チャンバ内への冷却空気の流れは、音響ダンパを冷却し、音響ダンパへの損傷の低減を促進する。減衰チャンバ内の冷却空気の流れの速度は、減衰チャンバ内の圧力を低下させる。圧力の低下により、高温燃焼ガスが減衰チャンバ内に吸引または送られるようになり得、音響ダンパに損傷を与える可能性がある。キャップは、冷却空気の流れの速度の低減、および燃焼ガスの吸引によって引き起こされる音響ダンパへの潜在的な損傷の低減を促進する。
【0038】
本明細書に記載の方法、装置、およびシステムは、本明細書に記載の具体的な実施形態に限定されない。例えば、各装置またはシステムの構成要素および/または各方法のステップは、本明細書に記載の他の構成要素および/またはステップから独立してかつ別個に使用および/または実施することができる。加えて、各構成要素および/またはステップはまた、他のアセンブリおよび方法で使用および/または実施することができる。
【0039】
本開示について様々な具体的な実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、本開示が特許請求の範囲の趣旨および範囲内で変更形態を使用して実施することができることを認識するであろう。本開示の様々な実施形態の具体的な特徴は、一部の図面に示され、他の図面には示されていないかもしれないが、これは単に便宜上にすぎない。さらに、上記の説明における「一実施形態」への言及は、記載した特徴も組み込んだ付加的な実施形態の存在を除外するものと解釈されることを意図しない。本開示の原理によれば、図面の任意の特徴は、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または特許請求することができる。
【符号の説明】
【0040】
10 回転機械/ガスタービン
12 吸気セクション
14 圧縮機セクション
16 燃焼器セクション
18 タービンセクション
20 排気セクション
22 ロータシャフト
24 バーナ
36 ケーシング
40 圧縮機ブレード
42 圧縮機ステータベーン
70 ロータブレード
72 タービンステータベーン
80 バーナ壁
82 バーナチャンバ
84 バーナ入口
86 バーナ出口
90 フロントパネル
92 フロントパネル入口
94 前面
96 背面
100 音響ダンパ
102 出口
104 壁
106 減衰チャンバ
108 上面
110 半円弧
112 直線部分
114 半円錐
116 傾斜部分
118 細長頂点
120 第1の冷却空気入口
122 第2の冷却空気入口
124 冷却空気
126 冷却空気
128 第1のキャップ
130 第2のキャップ
132 半球形シェル
134 キャップ開口部
136 キャップ直径
138 切断距離
140 キャップの中心
142 キャップ距離
144 キャップ開口部の中心
700 キャップ
702 キャップ穴
800 キャップ
802 キャップ穴
900 方法
902 フロー
904 フロー
906 フロー
908 フロー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9