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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/66 20060101AFI20240813BHJP
   B65D 5/43 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
B65D5/66 301D
B65D5/43
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020090247
(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公開番号】P2021185088
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲平
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3083935(JP,U)
【文献】米国特許第04344533(US,A)
【文献】米国特許第09856048(US,B1)
【文献】特開2003-192029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/66
B65D 5/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する正面部および背面部と、それら正面部と背面部との幅方向の両側を接続する一対の側面部とを有して商品の収容を可能とし、前記正面部、前記背面部、前記一対の側面部の上端により開口部が形成される容器本体を備える包装容器であって
前記一対の側面部の少なくとも上部は、前記正面部と前記背面部に対して山折りされると共に第1谷折り用折れ線で互いに谷折りされる一対の第1側面部を含んで構成され、
前記背面部に封止用スリットが設けられ、
前記正面部に前記封止用スリットに差し込まれて係止し前記開口部を封止する係止片が切り取り可能に設けられ、
前記正面部と、前記正面部に対して山折りされた前記第1側面部との間に挿入され前記正面部の上端を前記背面部の上端に引き寄せ前記開口部を閉塞する閉塞用挿入片が前記背面部に設けられ、
前記包装容器は、前記容器本体に加え吊り下げ片を含んで構成され、
前記吊り下げ片は、前記正面部の上端に接続された正面用吊り下げ片と、前記正面用吊り下げ片の上縁に対して山折りされた背面用吊り下げ片とを含んで構成され、
前記係止片は、前記背面用吊り下げ片の下縁に設けられ、
前記係止片は、前記正面用吊り下げ片と前記背面用吊り下げ片を介して前記正面部に設けられ、
前記係止片には、前記係止片が前記封止用スリットに差し込まれて係止した状態で前記容器本体の外部に露出する摘まみ片が接続され、
前記背面用吊り下げ片に山折り用折れ線を介して接続片が接続され、
前記摘まみ片は前記接続片に対して切り取り可能に設けられ、
前記係止片は、前記接続片、前記摘まみ片を介して前記背面用吊り下げ片の下縁に設けられ、
前記係止片が切り取られた開封後の前記開口部の閉塞時、前記接続片は、前記正面部と前記閉塞用挿入片との間に挿入可能である、
ことを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記背面用吊り下げ片の下縁に、前記正面部と前記閉塞用挿入片との間に挿入され前記正面用吊り下げ片と前記背面用吊り下げ片の起立状態を保持する起立用挿入片が山折り線を介して接続されている、
ことを特徴とする請求項記載の包装容器。
【請求項3】
互いに対向する正面部および背面部と、それら正面部と背面部との幅方向の両側を接続する一対の側面部とを有して商品の収容を可能とし、前記正面部、前記背面部、前記一対の側面部の上端により開口部が形成される容器本体を備え、
前記一対の側面部の少なくとも上部は、前記正面部と前記背面部に対して山折りされると共に第1谷折り用折れ線で互いに谷折りされる一対の第1側面部を含んで構成され、
前記背面部に封止用スリットが設けられ、
前記正面部に前記封止用スリットに差し込まれて係止し前記開口部を封止する係止片が切り取り可能に設けられ、
前記正面部と、前記正面部に対して山折りされた前記第1側面部との間に挿入され前記正面部の上端を前記背面部の上端に引き寄せ前記開口部を閉塞する閉塞用挿入片が前記背面部に設けられ、
前記係止片には、前記係止片が前記封止用スリットに差し込まれて係止した状態で前記容器本体の外部に露出する摘まみ片が接続され、
前記正面部に山折り用折れ線を介して接続片が接続され、
前記摘まみ片は前記接続片に対して切り取り可能に設けられ、
前記係止片は、前記接続片、前記摘まみ片を介して前記正面部に設けられ、
前記係止片が切り取られた開封後の前記開口部の閉塞時、前記接続片は、前記正面部と前記閉塞用挿入片との間に挿入可能である、
ことを特徴とする包装容器。
【請求項4】
前記正面部に、前記正面部と前記閉塞用挿入片との間に挿入される補助片が山折り用折れ線を介して接続されている、
ことを特徴とする請求項記載の包装容器。
【請求項5】
前記一対の第1側面部の上端は、前記正面部、前記背面部で山折りされる箇所から前記第1谷折り用折れ線に近づくにつれて高さが次第に低くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1または3記載の包装容器。
【請求項6】
前記閉塞用挿入片は前記背面部の上縁の山折り用折れ線を介して前記背面部に接続され、
前記閉塞用挿入片の先端縁は前記山折り用折れ線に平行しており、
前記閉塞用挿入片の先端縁の延在方向の両端に円弧部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1または記載の包装容器。
【請求項7】
前記第1側面部は上下に縦長の四角形状を呈し、
前記一対の側面部は、前記第1側面部の底辺に対して第2谷折り用折れ線で谷折りされると共に前記第1谷折り用折れ線の延長上に位置する第3谷折り用折れ線で互いに谷折りされる三角形を呈する一対の第2側面部と、前記一対の第2側面部のうち前記正面部側に位置する前記第2側面部に対して山折りされると共に前記正面部に対して山折りされた三角形を呈する第3側面部と、前記一対の第2側面部のうち前記背面部側に位置する前記第2側面部に対して山折りされると共に前記背面部に対して山折りされ前記第3側面部と同一形状の三角形を呈する第4側面部とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1~の何れか1項記載の包装容器。
【請求項8】
前記正面部は、その上半部の幅方向の両側が前記第1側面部に対して山折りされ、その下半部が前記第3側面部に対して山折りされた正面部本体と、正面部本体の下端に接続された矩形の正面部下部とを含んで構成され、
前記背面部は、その上半部の幅方向の両側が前記第1側面部に対して山折りされ、その下半部が前記第4側面部に対して山折りされた背面部本体と、背面部本体の下端に接続された矩形の背面部下部とを含んで構成され、
前記一対の側面部は、前記正面部下部の幅方向の両側に対して山折りされると共に前記第3側面部に対して山折りされた矩形の第5側面部と、前記背面部下部の幅方向の両側に対して山折りされると共に前記第4側面部に対して山折りされ前記第3谷折り用折れ線の延長上で前記第5側面部に対して山折りされた矩形の第6側面部とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項記載の包装容器。
【請求項9】
前記包装容器は、この包装容器の起立状態を保持する底面を有し、
前記底面は、前記正面部下部、前記背面部下部、前記第5側面部、第6側面部からそれぞれ山折りされた底片が重ね合わされて構成されている、
ことを特徴とする請求項記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正開封防止が図れ、同時に、包装容器の上部が平面視偏平形状を呈する場合、購入者が商品を使用する際に開口部を閉塞できる包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不正開封防止を図った包装容器として、包装容器を封止するため封止用スリットに差し込み可能でかつ切り取り可能に設けられた第1の係止片と、開封後の開口部の閉塞するため閉塞用スリットに差し込み可能な第2の係止片とを備えたものが提供されている(特許文献1)。
このような包装容器では、店頭に陳列された状態で、第1の係止片が切り取られることで不正に開封したことが識別できることから、不正開封の防止が図られている。
また、商品の購入後、購入者が包装容器の開口部から商品を取り出す場合、閉塞用スリットに第2の係止片を差し込むことで開口部の閉塞状態を維持できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5474575号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の包装容器は、その上部が平面視矩形となっており、平面視した場合、互いに対向する2組の辺のうちの一方の組の辺に包装容器を封止するための第1の係止片が設けられ、互いに対向する2組の辺のうちの他方の組の辺に開封後の開口部の閉塞状態を維持する第2の係止片が設けられている。
したがって、包装容器の上部が、平面視偏平形状を呈する場合には、平面視した場合、互いに対向する2組の辺のうちの一方の組の辺に第1の係止片を作ることができるものの、他方の組の辺には第2の係止片を作れなくなり、開封後の開口部の閉塞状態を作ることができなくなる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、包装容器の上部が、平面視偏平形状を呈する場合、不正開封防止が図れ、同時に、開封後の開口部を閉塞できる包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明は、互いに対向する正面部および背面部と、それら正面部と背面部との幅方向の両側を接続する一対の側面部とを有して商品の収容を可能とし、前記正面部、前記背面部、前記一対の側面部の上端により開口部が形成される容器本体を備え、前記一対の側面部の少なくとも上部は、前記正面部と前記背面部に対して山折りされると共に第1谷折り用折れ線で互いに谷折りされる一対の第1側面部を含んで構成され、前記背面部に封止用スリットが設けられ、前記正面部に前記封止用スリットに差し込まれて係止し前記開口部を封止する係止片が切り取り可能に設けられ、前記正面部と、前記正面部に対して山折りされた前記第1側面部との間に挿入され前記正面部の上端を前記背面部の上端に引き寄せ前記開口部を閉塞する閉塞用挿入片が前記背面部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記一対の第1側面部の上端は、前記正面部、前記背面部で山折りされる箇所から前記第1谷折り用折れ線に近づくにつれて高さが次第に低くなるように形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記閉塞用挿入片は前記背面部の上縁の山折り用折れ線を介して前記背面部に接続され、前記閉塞用挿入片の先端縁は前記山折り用折れ線に平行しており、前記閉塞用挿入片の先端縁の延在方向の両端に円弧部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記包装容器は、前記容器本体に加え吊り下げ片を含んで構成され、前記吊り下げ片は、前記正面部の上端に接続された正面用吊り下げ片と、前記正面用吊り下げ片の上縁に対して山折りされた背面用吊り下げ片とを含んで構成され、前記係止片は、前記背面用吊り下げ片の下縁に設けられ、前記係止片は、前記正面用吊り下げ片と前記背面用吊り下げ片を介して前記正面部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記係止片には、前記係止片が前記封止用スリットに差し込まれて係止した状態で前記容器本体の外部に露出する摘まみ片が接続され、前記背面用吊り下げ片に山折り用折れ線を介して接続片が接続され、前記摘まみ片は前記接続片に対して切り取り可能に設けられ、前記係止片は、前記接続片、前記摘まみ片を介して前記背面用吊り下げ片の下縁に設けられ、前記係止片が切り取られた開封後の前記開口部の閉塞時、前記接続片は、前記正面部と前記閉塞用挿入片との間に挿入可能であることを特徴とする。
また、本発明は、前記背面用吊り下げ片の下縁に、前記正面部と前記閉塞用挿入片との間に挿入され前記正面用吊り下げ片と前記背面用吊り下げ片の起立状態を保持する起立用挿入片が山折り線を介して接続されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記係止片には、前記係止片が前記封止用スリットに差し込まれて係止した状態で前記容器本体の外部に露出する摘まみ片が接続され、前記正面部に山折り用折れ線を介して接続片が接続され、前記摘まみ片は前記接続片に対して切り取り可能に設けられ、前記係止片は、前記接続片、前記摘まみ片を介して前記正面部に設けられ、前記係止片が切り取られた開封後の前記開口部の閉塞時、前記接続片は、前記正面部と前記閉塞用挿入片との間に挿入可能であることを特徴とする。
また、本発明は、前記正面部に、前記正面部と前記閉塞用挿入片との間に挿入される補助片が山折り用折れ線を介して接続されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1側面部は上下に縦長の四角形状を呈し、前記一対の側面部は、前記第1側面部の底辺に対して第2谷折り用折れ線で谷折りされると共に前記第1谷折り用折れ線の延長上に位置する第3谷折り用折れ線で互いに谷折りされる三角形を呈する一対の第2側面部と、前記一対の第2側面部のうち前記正面部側に位置する前記第2側面部に対して山折りされると共に前記正面部に対して山折りされた三角形を呈する第3側面部と、前記一対の第2側面部のうち前記背面部側に位置する前記第2側面部に対して山折りされると共に前記背面部に対して山折りされ前記第3側面部と同一形状の三角形を呈する第4側面部とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記正面部は、その上半部の幅方向の両側が前記第1側面部に対して山折りされ、その下半部が前記第3側面部に対して山折りされた正面部本体と、正面部本体の下端に接続された矩形の正面部下部とを含んで構成され、前記背面部は、その上半部の幅方向の両側が前記第1側面部に対して山折りされ、その下半部が前記第4側面部に対して山折りされた背面部本体と、背面部本体の下端に接続された矩形の背面部下部とを含んで構成され、前記一対の側面部は、前記正面部下部の幅方向の両側に対して山折りされると共に前記第3側面部に対して山折りされた矩形の第5側面部と、前記背面部下部の幅方向の両側に対して山折りされると共に前記第4側面部に対して山折りされ前記第3谷折り用折れ線の延長上で前記第5側面部に対して山折りされた矩形の第6側面部とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記包装容器は、この包装容器の起立状態を保持する底面を有し、前記底面は、前記正面部下部、前記背面部下部、前記第5側面部、第6側面部からそれぞれ山折りされた底片が重ね合わされて構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、係止片が切り取られているか否かを見ることで不正に開封されたか否かを瞬時に判断でき、店頭における包装容器の不正開封の防止を図る上で有利となる。
また、商品の購入後、購入者が包装容器から商品を取り出す場合、商品の取り出し後、閉塞用挿入片を、正面部と、正面部の両側の第1側面部との間に挿入することで、閉塞用挿入片により正面部の上端が背面部の上端に引き寄せられ、開口部が閉塞された状態に保持される。
したがって、包装容器の上部が、平面視偏平形状を呈する場合でも、簡単な構成により開封後の開口部を確実に閉塞することができ、商品価値を高める上で有利となる。
また、本発明によれば、一対の第1側面部の上端は、山折りされる箇所から第1谷折り用折れ線Vに近づくにつれて高さが次第に低くなるように形成されているので、開封後に開口部を閉塞する際に、正面部と、正面部の両側の第1側面部との間への閉塞用挿入片の挿入を円滑に行なう上で有利となり、開封後に簡単な操作で開口部の閉塞状態を確実に形成する上で有利となる。
また、本発明によれば、閉塞用挿入片の先端縁の延在方向の両端に円弧部が形成されているので、開封後に開口部を閉塞する際に、正面部と、正面部の両側の第1側面部との間への閉塞用挿入片の挿入を円滑に行なう上で有利となり、開封後に簡単な操作で開口部の閉塞状態を確実に形成する上で有利となる。
また、本発明によれば、正面用吊り下げ片と背面用吊り下げ片とを設けると、フックに吊り下げて陳列する販売形態を採ることが可能となり、店舗で扱う商品の売り上げの増大を図る上で有利となる。
また、本発明によれば、背面用吊り下げ片の下縁に起立用挿入片を設けると、正面用吊り下げ片と背面用吊り下げ片の起立状態を保持することができ、開封後の包装容器の閉塞状態の見栄えを向上する上で有利となり、商品価値を高める上で有利となる。
また、本発明によれば、摘まみ片を設けると、開封後に商品を取り出す際、摘まみ片を引くという簡単な操作により、正面部の上端と背面部の上端とを引き離し開口部の面積を拡大でき、商品を簡単に取り出す上で有利となる。
また、開封後の開口部の閉塞時に、接続片を閉塞用挿入片と正面部との間に挿入すると、不要となった箇所、部材が容器本体の上部に何ら残らずに開口部の閉塞状態が保持され、開封後の包装容器の閉塞状態の見栄えを向上する上で有利となり、商品価値を高める上で有利となる。
また、本発明によれば、正面部の両側と背面部の両側との間に、互いに谷折りされる一対の第2側面部と、第3側面部と、第4側面部とを設けると、確実に谷折りされる一対の第1側面部を簡単に確実に形成する上で有利となり、閉塞用挿入片により開口部が閉塞された状態を確実に保持する上で有利となる。
また、本発明によれば、容器本体の下部に正面部下部、背面部下部、2つの第5側面部、2つの第6側面部を並べて設けると、正面部本体、背面部本体、2つの第3側面部、2つの第4側面部と、容器本体の下部との接続を簡単に行なう上で有利となり、また、包装容器の外観性を向上する上で有利となる。
また、本発明によれば、容器本体の下部に正面部下部、背面部下部、2つの第5側面部、2つの第6側面部を設け、それら正面部下部、背面部下部、2つの第5側面部、2つの第6側面部にそれぞれ底片を設けると、容器本体の底面を簡単に形成する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態の包装容器の説明図で、(A)は正面図、(B)は背面図である。
図2】第1の実施の形態の包装容器の正面の斜視図である。
図3】第1の実施の形態の包装容器の背面の斜視図である。
図4】第1の実施の形態の包装容器の側面図である。
図5】(A)は第1の実施の形態の包装容器の平面図、(B)は底面図である。
図6】第1の実施の形態の包装容器の説明図で、正面部と背面部とを離間させ、正面用吊り下げ片と閉塞用挿入片とを開き、開口部を開放した状態の包装容器を斜め上方から見た図である。
図7】第1の実施の形態の包装容器の説明図で、図6の状態から閉塞用挿入片を、正面部と、正面部に対して山折りされた第1側面部との間に挿入した状態の包装容器を斜め上方から見た図である。
図8】(A)は閉塞用挿入片を、正面部本体と、正面部本体に対して山折りされた第1側面部との間に挿入した状態の包装容器の上部の断面平面図、(B)は起立用挿入片を、正面部本体と閉塞用挿入片との間に挿入した容器本体の上部の断面平面図、(C)は一対の接続片を、正面部本体と閉塞用挿入片との間に挿入した容器本体の上部の断面平面図である。
図9】第1の実施の形態の包装容器を構成する厚紙の展開図である。
図10図9の厚紙の第1糊付け片が背面用片の欠部の周囲の箇所に糊付けされ、第2糊付け片が第4側面部と第6側面部とに糊付けされた状態の図である。
図11】第1の実施の形態の包装容器を開封した後に開口部を閉塞した状態の背面図である。
図12】第2の実施の形態の包装容器の説明図で、(A)は正面図、(B)は背面図である。
図13】第2の実施の形態の包装容器の正面の斜視図である。
図14】第2の実施の形態の包装容器の背面の斜視図である。
図15】第2の実施の形態の包装容器の側面図である。
図16】第2の実施の形態の包装容器を構成する厚紙の展開図である。
図17】(A)は閉塞用挿入片を、正面部本体と、正面部本体に対して山折りされた第1側面部との間に挿入した状態の包装容器の上部の断面平面図、(B)は補助片を、正面部本体と閉塞用挿入片との間に挿入した容器本体の上部の断面平面図、(C)は一対の接続片を、正面部本体と閉塞用挿入片との間に挿入した容器本体の上部の断面平面図である。
図18】第2の実施の形態の包装容器を開封した後に開口部を閉塞した状態の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態から説明する。
図1図4に示すように、第1の実施の形態の包装容器10Aは、商品を収容する容器本体12と、一対の吊り下げ片14とを含んで構成されている。
本実施の形態では、容器本体12に収容される商品は、洗濯機の洗濯槽の洗浄剤であり、粒状を呈し、一回分の使用量毎に袋に封入されており、このような袋の複数個が容器本体12に収容されている。
なお、包装容器10Aに収容される商品は化粧品や食品などであってもよく、洗浄剤のような薬剤に限定されない。
包装容器10Aは、図9に示す一枚の厚紙16Aから形成されている。
ここで、本発明において厚紙16Aとは、コピー用紙などの薄紙に比べて形状を保持し得る厚さを有したもので、材料として、紙や、従来公知の様々な合成樹脂、あるいは、紙と合成樹脂との混合形態のものなど従来公知の様々な材料が使用可能である。
【0009】
一枚の厚紙16Aには、正面部本体20と、正面部下部22と、背面用片24と、背面部下部26と、係止片28と、閉塞用挿入片30と、一対の吊り下げ片14などが設けられている。
背面用片24は、後述する第1糊付け片32、第2糊付け片38が糊付けされることで図1(B)に示す背面部本体40となる。
正面部本体20は、下端が互いに近づく傾斜でほぼ上下方向に延在する一対の第1山折り用折れ線ML1と、一対の第1山折り用折れ線ML1の下端に接続され前記傾斜よりも大きな傾斜で互いに下端が近づく方向に延在する一対の第2山折り用折れ線ML2と、水平方向に延在し一対の第2山折り用折れ線ML2の下端を接続する第3山折り用折れ線ML3と、水平方向に延在し一対の第1山折り用折れ線ML1の上端を接続する第31谷折り用折れ線VL31とにより区画されている。ここで山折り用折れ線とは山折りされる箇所であり、山折りされることで折り目となる。また、谷折り用折れ線とは谷折りされる箇所であり、谷折りされることで折り目となる。
一対の第1山折り用折れ線ML1で挟まれた箇所が、正面部本体20の上半部となり、一対の第2山折り用折れ線ML2で挟まれた箇所が、正面部本体20の下半部となる。
【0010】
正面部下部22は、第3山折り用折れ線ML3を介して正面部本体20に接続されている。
正面部下部22は、幅方向の両側に上下方向に延在する第21山折り用折れ線ML21が位置し、下部に第3山折り用折れ線ML3に平行する第22山折り用折れ線ML22が位置している。
【0011】
正面部本体20の上半部の幅方向の両側の一対の第1山折り用折れ線ML1に、それぞれ一対の第1側面部SW1が接続され、一対の第2山折り用折れ線ML2の両側に、それぞれ第3側面部SW3と、一対の第2側面部SW2と、第4側面部SW4とが接続されている。
各第1側面部SW1は上下に縦長の四角形状を呈している。
正面部本体20の幅方向の両側の一対の第1側面部SW1は、第1山折り用折れ線ML1に接続された第1側面部SW1―Aと、正面部本体20と離れた第1側面部SW1―Bである。
正面部本体20の幅方向の両側のうちの一方において、正面部本体20と離れた第1側面部SW1―Bは、第5山折り用折れ線ML5を介して背面用片24に接続され、また、正面部本体20の幅方向の両側のうちの他方において、正面部本体20と離れた第1側面部SW1―Bは、第5山折り用折れ線ML5を介して第1糊付け片32に接続されている。
一対の第1側面部SW1は、上下方向に延在する第1谷折り用折れ線VL1で接続されている。
一対の第1側面部SW1の上縁SW1-Cは、第1山折り用折れ線ML1、第5山折り用折れ線ML5で山折りされる箇所から第1谷折り用折れ線VL1に近づくにつれて高さが次第に低くなるように形成されている。
【0012】
一対の第2側面部SW2は、第1側面部SW1の底辺を一辺とする上下に縦長の三角形を呈している。
第1側面部SW1の底辺には、第1谷折り用折れ線VL1の下端から下方に至るにつれて次第に離れる方向に延在する一対の第2谷折り用折れ線VL2が設けられ、一対の第2谷折り用折れ線VL2の一方の下端は、第1山折り用折れ線ML1と第2山折り用折れ線ML2の交点に交差し、他方の下端は、第1山折り用折れ線ML5と第6山折り用折れ線ML6の交点に交差している。
一対の第2側面部SW2の間には、第1谷折り用折れ線VL1の延長上に位置する第3谷折り用折れ線VL3が設けられている。
一対の第2側面部SW2のうちの一方の第2側面部SW2は、第1山折り用折れ線ML1と第2山折り用折れ線ML2の交点から下方に延在して第3谷折り用折れ線VL3に交差する第9山折り用折れ線ML9と、第2谷折り用折れ線VL2と、第3谷折り用折れ線VL3とで形成されている。
一対の第2側面部SW2のうちの他方の第2側面部SW2は、第5山折り用折れ線ML5と第6山折り用折れ線ML6の交点から下方に延在して第3谷折り用折れ線VL3および第9山折り用折れ線ML9に交差する第10山折り用折れ線ML10と、第2谷折り用折れ線VL2と、第3谷折り用折れ線VL3とで形成されている。
【0013】
第3側面部SW3は、正面部本体20の下半部の幅方向の両側に対して第2山折り用折れ線ML2で接続されると共に、第2側面部SW2に対して第9山折り用折れ線ML9で接続されている。
第3側面部SW3は上下に縦長の三角形状を呈し、第3側面部SW3の底辺には、第3山折り用折れ線ML3に連続する第11山折り用折れ線ML11が位置している。
【0014】
第3側面部SW3の下方に、第11山折り用折れ線ML11を介して第5側面部SW5が接続されている。
第5側面部SW5の幅方向両側に第21山折り用折れ線ML21と、第3谷折り用折れ線VL3の延長上に位置する第23山折り用折れ線ML23が位置し、下方に第22山折り用折れ線ML22に連続する第24山折り用折れ線ML24が位置している。
【0015】
第4側面部SW4は、背面用片24、第1糊付け片32に対して第6山折り用折れ線ML6で接続されると共に、第2側面部SW2に対して第10山折り用折れ線ML10で接続されている。
第4側面部SW4は、第3側面部SW3と同一の三角形状を呈し、第4側面部SW4の底辺には、第11山折り用折れ線ML11に連続する第12山折り用折れ線ML12が位置している。
【0016】
第4側面部SW4の下方に、第12山折り用折れ線ML12を介して第6側面部SW6が接続され、第6側面部SW6の下縁には、第24山折り用折れ線ML24に連続する第26山折り用折れ線ML26が位置している。
2つの第6側面部SW6のうち一方の第6側面部SW6の幅方向両側に第23山折り用折れ線ML23と第25山折り用折れ線ML25が位置し、この一方の第6側面部SW6は第25山折り用折れ線ML25を介して背面部下部26に接続されている。
また、2つの第6側面部SW6のうち他方の第6側面部SW6の幅方向両側に第23山折り用折れ線ML23と第1縦縁SW6-Cとが位置している。
【0017】
背面用片24と切り離された一対の第1側面部SW1うち正面部本体20と離れた第1側面部SW1と、その下方に位置する第4側面部SW4とに、それぞれ第5山折り用折れ線ML5、第6山折り用折れ線ML6を介して第1糊付け片32が接続されている。
第1糊付け片32の第5山折り用折れ線ML5、第6山折り用折れ線ML6と離れた箇所は、第6側面部SW6の第1縦縁SW6-Cと連続する第2縦縁32-Cとして形成されている。
【0018】
背面用片24は、第5山折り用折れ線ML5と、一対の第6山折り用折れ線ML6と、下縁をなす第7山折り用折れ線ML7と、上縁をなす第31山折り用折れ線ML31と、第5山折り用折れ線ML5に対向する背面用片24の箇所に設けられた欠部24Aとにより区画されている。
欠部24Aが設けられることで、一対の第6山折り用折れ線ML6のうちの一方の第6山折り用折れ線ML6は他方の第6山折り用折れ線ML6に比べて短く形成されている。
背面部片24の第31山折り用折れ線ML31寄りの箇所に、封止用スリット34が横長の長方形状に形成されている。
封止用スリット34の延在方向の両端には、後述する係止片28が挿入されやすいようにそれぞれ第1切れ目36が設けられている。
【0019】
また、背面用片24の上縁をなす第31山折り用折れ線ML31に閉塞用挿入片30が接続されている。
閉塞用挿入片30の先端縁30A(番号有 )は第1山折り用折れ線ML1に平行して延在し、閉塞用挿入片30の先端縁30Aの延在方向の両端に円弧部30Bが形成されている。
【0020】
背面部下部26は、第7山折り用折れ線ML7により背面用片24に接続されている。
背面部下部26は、正面部下部22と同一形状の矩形状を呈し、幅方向の両側に第25山折り用折れ線ML25と第27山折り用折れ線ML27が位置し、下部に第26山折り用折れ線ML26に連続する第28山折り用折れ線ML28が位置している。
背面部下部26の下半部の幅方向の両側に位置する一対の第6山折り用折れ線ML6のうちの短い方の第6山折り用折れ線ML6と第27山折り用折れ線ML27とにわたり第2糊付け片38が接続されている。
第2糊付け片38には、第7山折り用折れ線ML7に連続する第29山折り用折れ線ML29が設けられている。
正面部下部22、背面部下部26、第5側面部SW5、第6側面部SW6は、それぞれ水平方向に横長の矩形状を呈している。
【0021】
そして、図9図10に示すように、第1糊付け片32が、第6山折り用折れ線ML6を背面用片24の短い方の第6山折り用折れ線ML6に合致させ、また、第6側面部SW6の第1縦縁SW6-Cを第27山折り用折れ線ML27に合致させて、また、第6側面部SW6の第12山折り用折れ線ML12を第29山折り用折れ線ML29に合致させて背面用片24の欠部24Aの周囲の箇所に糊付けされ、第2糊付け片38が第4側面部SW4の裏面と第6側面部SW6の裏面とに糊付けされる。
これにより、背面用片24は、正面部本体20と同一形状の背面部本体40に形成される。
そして、一対の第5山折り用折れ線ML5で挟まれた箇所が、背面部本体40の上半部となり、一対の第6山折り用折れ線ML6で挟まれた箇所が、背面部本体40の下半部となる。
【0022】
また、図9に示すように、正面部下部22と背面部下部26とに、それぞれ第22山折り用折れ線ML22、第28山折り用折れ線ML28を介してそれぞれ第1底片BP1が接続されている。
2つの第5側面部SW5のうち背面部下部26から遠い方の第5側面部SW5と、2つの第6側面部SW6のうち背面部下部26に隣接する第6側面部SW6とに、それぞれ第24山折り用折れ線ML24、第26山折り用折れ線ML26を介して第2底片BP2が接続され、第2底片BP2には折れ線L36を介して突出片BP2-Aが設けられている。
2つの第6側面部SW6のうち背面部下部26から遠い方の第6側面部SW6と、2つの第5側面部SW5のうち背面部下部26に近い方の第5側面部Sとに、それぞれ第26山折り用折れ線ML26、第24山折り用折れ線ML24を介して第3底片BP3が接続されている。
第22、第24,第26、第28山折り用折れ線ML22、ML24、ML26、ML28は連続状に設けられ、第1~第3底片BP1~BP3がそれら第22、第24,第26、第28山折り用折れ線ML22、ML24、ML26、ML28で山折りされる。
【0023】
一対の吊り下げ片14は、正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44とを含んで構成されている。
正面用吊り下げ片42は、正面部本体20の上縁をなす第31谷折り用折れ線VL31を介して正面部本体20に接続され、背面用吊り下げ片44は、正面用吊り下げ片42の上縁をなす第32山折り用折れ線ML32を介して正面用吊り下げ片42に接続されている。
第32山折り用折れ線ML32寄りの正面用吊り下げ片42の箇所と、第32山折り用折れ線ML32寄りの背面用吊り下げ片44の箇所には吊り下げ用孔46が形成されている。
【0024】
また、背面用吊り下げ片44の下縁の幅方向の中央の両側に第33山折り用折れ線ML33を介して一対の接続片48が設けられている。
そして、一対の接続片48の間に切り取り線50を介して摘まみ片52が設けられ、この摘まみ片52は背面用吊り下げ片44に対して第2切れ目54を介して切り離されている。
摘まみ片52の先部には細幅部52Aを介して係止片28が設けられている。
係止片28は、封止用スリット34に挿入されて封止用スリット34に係止する。
摘まみ片52と細幅部52Aの境の箇所には、係止片28を封止用スリット34に挿入し易いように折れ線L38が設けられている。
したがって、本実施の形態では、係止片28は、正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44を介して正面部本体20に設けられている。
さらに、背面用吊り下げ片44の下縁の幅方向の両側に、それぞれ第34山折り用折れ線ML34を介して起立用挿入片56が接続されている。
【0025】
一枚の厚紙16Aは、それぞれ第1~第3山折り用折れ線ML1~ML3、第5~第7山折り用折れ線ML5~ML7、第9~第12山折り用折れ線ML9~ML12、第21~第29山折り用折れ線ML21~ML29で山折りされ、第1~第3谷折り用折れ線VL1~VL3で谷折りされ、第1糊付け片32が背面用片24の欠部24Aの周囲の箇所に糊付けされ、第2糊付け片38が第4側面部SW4と第6側面部SW6に糊付けされ、第1~第6底片BP1~BP6が順次重ねられ底面が形成されて容器本体12が構成される。
容器本体12の底面は、図5に示すように、第2底片BP2の突出片BP2-Aの上に第3底片BP3が重ねられ、第3底片BP3の上に第1底片BP1が重ねられ、第1底片BP1の上に第2底片BP2が重ねられることで構成され、底面は六角形を呈している。
【0026】
また、容器本体12の開口部58は、図6に示すように、互いに対向する正面部本体20の上端と背面部本体40の上端と、互いに対向する一対の第1側面部SW1の上端により形成される。
なお、図1に示すように、一対の第3側面部SW3と一対の第5側面部SW5とは容器本体12の正面に対して斜めを向いているため、それら一対の第3側面部SW3と一対の第5側面部SW5は容器本体12の正面のみならず側面も構成している。
また、一対の第4側面部SW4と一対の第6側面部SW6とは容器本体12の背面に対して斜めを向いているため、それら一対の第4側面部SW4と一対の第6側面部SW6は容器本体12の背面のみならず側面も構成している。
【0027】
このように容器本体12が形成されたならば、開口部58から商品が容器本体12の内部に商品が収容される。
商品が収容されたならば、正面部本体20の両側の一対の第1側面部SW1を第1谷折り用折れ線VL1で谷折りし、一対の第2側面部SW2を第3谷折り用折れ線VL3で谷折りし、一対の第1側面部SW1と一対の第2側面部SW2どうしを第2谷折り用折れ線VL2で谷折りする。
また、第3側面部SW3を第2山折り用折れ線ML2、第9山折り用折れ線ML9で山折りし、第4側面部SW4を第6山折り用折れ線ML6、第10山折り用折れ線ML10で山折りする。
なお、各部の寸法割合によっては、一対の第2側面部SW2が第3谷折り用折れ線VL3で谷折りされずほぼひし形をなす単一の平面となる場合もある。
【0028】
次に、第31山折り用折れ線ML31から閉塞用挿入片30が背面部本体40に対して山折りされ、図7図8(A)に示すように、正面部本体20に対して第1山折り用折れ線ML1から山折りされた正面部本体20の両側の第1側面部SW1-Aと、正面部本体20との間に閉塞用挿入片30が挿入される。
この閉塞用挿入片30の正面部本体20の両側の第1側面部SW1-Aと、正面部本体20との間への挿入により、正面部本体20の上端が背面部本体40の上端に引き寄せられ、開口部58が閉塞された状態に保持される。
【0029】
次に、正面用吊り下げ片42に対して背面用吊り下げ片44が山折りされ、背面用吊り下げ片44の下端の両側の起立用挿入片56が、図8(B)に示すように、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入され、正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44の起立状態が保持される。
そして、図1(B)、図3に示すように、封止用スリット34に係止片28が差し込まれ、図4に示すように、正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44とが近接して対向する状態が保持され、また、同時に開口部58が閉塞された状態に保持され、包装容器10Aは図1図5に示す形状となる。
図1(A)、(B)に示すように、包装容器10Aの正面および背面から見た場合、包装容器10Aの幅はほぼ一定で上下に縦長のほぼ長方形を呈している。
すなわち、図1(A)に示すように、容器本体12の正面は、正面部本体20、正面部下部22、一対の第3側面部SW3、一対の第5側面部SW5で構成されている。
また、図1(B)に示すように、容器本体12の背面は、背面部本体40、背面部下部26、一対の第4側面部SW4、一対の第6側面部SW6で構成されている。
また、図4に示すように、容器本体12を側面から見た場合、下方に至るにつれて次第に正面と背面間の寸法が大きくなるほぼ二等辺三角形を呈している。
すなわち、図4に示すように、容器本体12の側面は、一対の第1側面部SW1、一対の第2側面部SW2、第3側面部SW3、第4側面部SW4、第5側面部SW5、第6側面部SW6で構成されている。
【0030】
このように商品が収容された包装容器10Aが店頭において、正面用吊り下げ片42および背面用吊り下げ片44の吊り下げ用孔46に挿通されたフックにより吊り下げられた状態で陳列され、あるいは、底面が棚に載置された起立状態で陳列される。
商品を購入した購入者が商品を使用する場合には、摘まみ片52を掴み、摘まみ片52を切り取り線50を介して一対の接続片48から切り離す。
この場合、第2切れ目54は、図9に示すように両側の第33山折り用折れ線ML33よりも背面用吊り下げ片44側に若干偏位し、この第2切れ目54の両端に切り取り線50の一部が連通しているので、第2切れ目54に面する摘まみ片52の先端は、第2切れ目54に面する背面用吊り下げ片44の箇所よりも僅かに浮き上がっており、摘まみ片52を掴み易くなっている。したがって、一対の接続片48からの摘まみ片52の切り離しを円滑に行なう上で有利となっている。
一対の接続片48から摘まみ片52を切り離したならば、正面部本体20の上端と背面部本体40の上端とを引き離なした後、図6に示すように、閉塞用挿入片30と、正面部本体20を開いて開口部58を全開とし、開口部58から商品を取り出す。
【0031】
開口部58から商品を取り出したならば、図7図8(A)に示すように、正面部本体20の両側の第1側面部SW1-Aと、正面部本体20との間に閉塞用挿入片30を挿入する。
これにより正面部本体20の上端が背面部本体40の上端に引き寄せられ、開口部58が閉塞された状態に保持され、開封後の容器本体12の見栄えを向上する上で有利となる。
そして、図8(B)に示すように、背面用吊り下げ片44の下端の両側の起立用挿入片56を、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入すると、正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44の起立状態が保持され、開封後の容器本体12の見栄えを向上する上で有利となる。
また、一対の接続片48は、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入可能であり、図8(C)に示すように、一対の接続片48を、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間を挿入して一対の接続片48を隠すと、開封後の容器本体12の見栄えを向上する上で有利となる。
以後、商品を取り出す際には、図11に示すように、摘まみ片52を引くことにより正面部本体20の上端と背面部本体40の上端とを引き離し、あるいは、正面部本体20の上端と背面部本体40の上端とを直接引き離し、閉塞用挿入片30と、正面用吊り下げ片42および背面用吊り下げ片44を開いて開口部58から商品を取り出し、商品取り出し後、図8(A)に示すように、正面部本体20の両側の第1側面部SW1-Aと、正面部本体20との間に閉塞用挿入片30を挿入し、正面部本体20の上端を背面部本体40の上端に引き寄せ、開口部58を閉塞した状態に保持し、また、図8(B)、(C)に示すように、背面用吊り下げ片44の下端の両側の起立用挿入片56と一対の接続片48を、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入し、正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44の起立状態を保持する。
このように開封後に開口部58が閉塞された状態の包装容器10Aの背面図を図11に示す。なお、開封後に開口部58が閉塞された状態の包装容器10Aの正面図は図1(A)と同様である。
【0032】
本実施の形態によれば、開封する場合には係止片28が切り取り線50及び第2切れ目54を介して背面用吊り下げ片44から切り取られるため、係止片28が切り取られているか否かを見ることで不正に開封されたか否かを瞬時に判断でき、店頭における包装容器10Aの不正開封の防止を図る上で有利となる。
また、包装容器10Aは吊り下げ用孔46が設けられた正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44を有し、また、起立可能な底面を有するので、フックに吊り下げて陳列する販売形態と、棚に起立させて並べる販売形態の双方を採ることが可能となる。
したがって、店舗内の高さや広さ、レイアウトなどの事情に応じて販売形態を選択することが可能となり、店舗で扱う商品の売り上げの増大を図る上で有利となる。
【0033】
また、商品の購入後、購入者が包装容器10Aから商品を複数回取り出す場合、商品の取り出し後、閉塞用挿入片30を正面部本体20の両側の第1側面部SW1-Aと、正面部本体20との間に挿入することで、閉塞用挿入片30により正面部本体20の上端が背面部本体40の上端に引き寄せられ、開口部58が閉塞された状態に保持される。
すなわち、包装容器10Aの上部が、平面視偏平形状を呈する場合でも、簡単な構成により開封後の開口部58を確実に閉塞することができる。
【0034】
また、一対の第1側面部SW1の上縁SW1-Cは、第1山折り用折れ線ML1、第5山折り用折れ線ML5で山折りされる箇所から第1谷折り用折れ線VL1に近づくにつれて底面からの高さが次第に低くなるように形成されているので、開封後に開口部58を閉塞する際に、正面部本体20の両側の第1側面部SW1-Aと、正面部本体20との間への閉塞用挿入片30の挿入を円滑に行なう上で有利となり、開封後に簡単な操作で開口部58の閉塞状態を確実に形成する上で有利となる。
また、閉塞用挿入片30の先端縁30Aの延在方向の両端に円弧部30Bが形成されているので、開封後に開口部58を閉塞する際に、正面部本体20の両側の第1側面部SW1と、正面部本体20との間への閉塞用挿入片30の挿入を円滑に行なう上で有利となり、開封後に簡単な操作で開口部58の閉塞状態を確実に形成する上で有利となる。
また、背面用吊り下げ片44の下縁の幅方向の両側に、それぞれ第34山折り用折れ線ML34を介して一対の起立用挿入片56を設けたので、この一対の起立用挿入片56を、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入すると、正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44の起立状態を保持することができる。
したがって、開封後の包装容器10Aの閉塞状態の見栄えを向上する上で有利となり、商品価値を高める上で有利となる。
また、一対の接続片48を介して摘まみ片52と係止片28とを切り取り可能に設け、開封後の開口部58の閉塞時に一対の接続片48を、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入できるので、従来の包装容器のように不要となった箇所、部材が容器本体12の上部に何ら残らずに開口部58の閉塞状態が保持され、開封後の包装容器10Aの閉塞状態の見栄えを向上する上で有利となり、商品価値を高める上で有利となる。
また、係止片28に摘まみ片52を接続して設けたので、包装容器10Aの開封後に商品を取り出す際、摘まみ片52を引くという簡単な操作により、正面部本体20の上端と背面部本体40の上端とを引き離し開口部58の面積を拡大でき、商品を簡単に取り出す上で有利となる。
【0035】
また、正面部本体20の両側と背面部本体40の両側との間に、互いに谷折りされる一対の第2側面部SW2と、第3側面部SW3と、第4側面部SW4とを設けたので、谷折りされる一対の第1側面部SW1を簡単に確実に形成する上で有利となり、閉塞用挿入片30により開口部58が閉塞された状態を確実に保持する上で有利となる。
また、一対の第1側面部SW1を第1谷折り用折れ線VL1でしっかりと谷折りでき、包装容器10Aの側面の外観性を向上する上で有利となる。
さらに、容器本体12の下部に正面部下部22、背面部下部26、2つの第5側面部SW5、2つの第6側面部SW6を並べて設けたので、正面部本体20、背面部本体40、2つの第3側面部SW3、2つの第4側面部SW4と容器本体12の下部との接続を簡単に行なう上で有利となり、また、包装容器10Aの外観性を向上する上で有利となる。
さらに、容器本体12の下部に正面部下部22、背面部下部26、2つの第5側面部SW5、2つの第6側面部SW6を設けたため、それら正面部下部22、背面部下部26、2つの第5側面部SW5、2つの第6側面部SW6にそれぞれ第1~第3底片BP1~BP3を設けることで、容器本体12の底面を簡単に形成する上で有利となる。
【0036】
次に、第2の実施の形態について図12図18を参照して説明する。
第2の実施の形態の包装容器10Bでは、第1の実施の形態の包装容器10Aから正面用吊り下げ片42と背面用吊り下げ片44を省いたものであり、第2の実施の形態の包装容器10Bは、店頭において底面が棚に載置された起立状態で陳列される。
第2の実施の形態の容器本体12の構成は第1の実施の形態と同様である。
以下、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付してその説明を省略し、異なった箇所を重点的に説明する。
包装容器10Bは、図16に示す一枚の厚紙16Bから形成され、正面部本体20の上端の幅方向の中央に、第41山折り用折れ線ML41を介して一対の接続片48が設けられている。
正面部本体20の上端の幅方向の両側に、第42山折り用折れ線ML42を介して一対の補助片60が設けられている。
そして、一対の接続片48の間に切り取り線50を介して摘まみ片52が設けられ、この摘まみ片52は正面部本体20に対して第3切れ目62を介して切り離されている。
摘まみ片52の先部には細幅部52Aを有する係止片28が設けられている。
係止片28は、封止用スリット34に挿入されて封止用スリット34に係止する。
背面用片24には、第1の実施の形態と同様に、第31山折り用折れ線ML31を介して閉塞用挿入片30が接続されている。
【0037】
第1の実施の形態と同様に、厚紙16Bが、それぞれ第1~第3山折り用折れ線ML1~ML3、第5~第7山折り用折れ線ML5~ML7、第9~第12山折り用折れ線ML9~ML12、第21~第29山折り用折れ線ML21~ML29で山折りされ、第1~第3谷折り用折れ線VL1~VL3で谷折りされ、第1糊付け片32が背面用片24の欠部24Aの周囲の箇所に糊付けされ、第2糊付け片38が第4側面部SW4と第6側面部SW6に糊付けされ、第1~第3底片BP1~BP3が順次重ねられ底面が形成されて容器本体12が構成される。
容器本体12が構成されたならば、開口部58から商品が容器本体12の内部に商品が収容される。
そして、正面部本体20の両側の一対の第1側面部SW1が第1谷折り用折れ線VL1で谷折りされ、一対の第2側面部SW2が第3谷折り用折れ線VL3で谷折りされ、一対の第1側面部SW1と一対の第2側面部SW2どうしが第2谷折り用折れ線VL2で谷折りされる。
また、第3側面部SW3が第2山折り用折れ線ML2、第9山折り用折れ線ML9で山折りされ、第4側面部SW4が第6山折り用折れ線ML6、第10山折り用折れ線ML10で山折りされる。
【0038】
次に、第31山折り用折れ線ML31から閉塞用挿入片30が背面部本体40に対して山折りされ、図17(A)に示すように、正面部本体20に対して第1山折り用折れ線ML1から山折りされた正面部本体20の両側の第1側面部SW1-Aと、正面部本体20との間に閉塞用挿入片30が挿入される。
この閉塞用挿入片30の正面部本体20の両側の第1側面部SW1-Aと、正面部本体20との間への挿入により、正面部本体20の上端が背面部本体40の上端に引き寄せられ、開口部58が閉塞された状態に保持される。
また、一対の補助片60が第42山折り線から山折りされ、図17(B)に示すように、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入され、開口部58が閉塞された状態がより確実に保持される。
そして、封止用スリット34に係止片28が差し込まれ、開口部58が閉塞されて封止され、包装容器10Bは図12図15に示す形状となる。
【0039】
このように商品が収容された包装容器10Bが店頭において、底面が棚に載置された起立状態で陳列される。
商品を購入した購入者が商品を使用する場合には、摘まみ片52を掴み、摘まみ片52を切り取り線50を介して一対の接続片48から切り離す。
この場合、第3切れ目62は、図16に示すように両側の第42山折り用折れ線ML42よりも正面部本体20側に若干偏位し、この第3切れ目62の両端に切り取り線50の一部が連通しているので、第3切れ目62に面する摘まみ片52の先端は、第3切れ目62に面する正面部本体20の箇所よりも僅かに浮き上がっており、摘まみ片52を掴み易くなっている。したがって、一対の接続片48からの摘まみ片52の切り離しを円滑に行なう上で有利となっている。
一対の接続片48から摘まみ片52を切り離したならば、正面部本体20の上端と背面部本体40の上端とを引き離なした後、閉塞用挿入片30と、正面部本体20を開いて開口部58を全開とし、開口部58から商品を取り出す。
開口部58から商品を取り出したならば、図17(A)に示すように、正面部本体20の両側の第1側面部SW1―Aと、正面部本体20との間に閉塞用挿入片30を挿入すると、正面部本体20の上端が背面部本体40の上端に引き寄せられ、開口部58が閉塞された状態に保持される。
そして、図17(B)、(C)に示すように、一対の補助片60と、一対の接続片48とが、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入される。
このように開封後に開口部58が閉塞された状態の包装容器10Bの背面図を図18に示す。なお、開封後に開口部58が閉塞された状態の包装容器10Bの正面図は図12(A)と同様である。
【0040】
次に第2の実施の形態の効果について説明する。
第2の実施の形態では、一対の吊り下げ片14を有さないためフックに吊り下げて陳列する販売形態をとることができない点を除いて、第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
以下、第2の実施の形態で奏される第1の実施の形態と同様な効果については省略し、第1の実施の形態と異なる第2の実施の形態の効果のみについて説明する。
商品の購入後、購入者が包装容器10Bから商品を複数回取り出す場合、正面部本体20の両側の第1側面部SW1―Aと、正面部本体20との間に閉塞用挿入片30を挿入すると、正面部本体20の上端が背面部本体40の上端に引き寄せられ、開口部58が閉塞された状態に保持される。
すなわち、包装容器10Bの上部が、平面視偏平形状を呈する場合でも、簡単な構成により開封後の開口部58を確実に閉塞することができ、開封後の包装容器10Bの閉塞状態の見栄えを向上する上で有利となる。
【0041】
また、一対の補助片60が、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入されるので、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間の隙間が閉塞され、開封後の開口部58の閉塞した状態の包装容器10Bの見栄えを向上する上で有利となる。
また、一対の接続片48は、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入可能であり、一対の接続片48を、正面部本体20と閉塞用挿入片30との間に挿入すると、従来の包装容器のように不要となった箇所、部材が容器本体12の上部に何ら残らずに開口部58の閉塞状態が保持され、開封後の包装容器10Bの閉塞状態の見栄えを向上する上で有利となり、商品価値を高める上で有利となる。
また、係止片28に摘まみ片52を接続して設けたので、包装容器10Bの開封後に商品を取り出す際、摘まみ片52を引くという簡単な操作により、正面部本体20の上端と背面部本体40の上端とを引き離し開口部58の面積を拡大でき、商品を簡単に取り出す上で有利となる。
【符号の説明】
【0042】
10A、10B 包装容器
12 容器本体
14 一対の吊り下げ片
16A、16B 厚紙
20 正面部本体
22 正面部下部
24 背面用片
24A 背面用片の欠部
26 背面部下部
28 係止片
30 閉塞用挿入片
30A 閉塞用挿入片の先端縁
30B 円弧部
32 第1糊付け片
32-C 第1糊付け片の第2縦縁
34 封止用スリット
36 第1切れ目
38 第2糊付け片
40 背面部本体
42 正面用吊り下げ片
44 背面用吊り下げ片
46 吊り下げ用孔
48 接続片
50 切り取り線
52 摘まみ片
52A 細幅部
54 第1切れ目
56 起立用挿入片
58 開口部
60 補助片
62 第3切れ目
SW1,2、3、4、5、6 第1~第6側面部
SW1―A、SW1―B 第1側面部
SW1-C 第1側面部の上縁
SW6-C 第6側面部の第1縦縁
ML1~3、5~7、9~12、21~29、31~34、41、42 第1~3、5~7、9~12、21~29、31~34、41、42山折り用折れ線
VL1~VL3、31 第1~3、31谷折り用折れ線
BP1~BP6 第1~第6底片
BP2-A、BP5-A 突出片
図1
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図18