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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】シート給送装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/18 20060101AFI20240813BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
B65H1/18 310
B65H7/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020093036
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021187595
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】横山 尚己
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-085230(JP,A)
【文献】特開2020-066511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/18
B65H 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを積載して昇降自在な積載トレイと、
前記積載トレイを給紙位置と下限位置との間で昇降させる駆動手段と、
前記給紙位置にある前記積載トレイ上の最上位のシートを給送する給紙手段と、
前記下限位置に下降した前記積載トレイを検出する下限検出手段と、
前記給紙位置と前記下限位置との間で、かつ前記給紙位置からの距離よりも前記下限位置からの距離の方が長い中間位置に設けられ、下降する前記積載トレイを検出する中間検出手段と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記積載トレイが下降を開始した時点から、前記下限位置と前記中間位置間の距離に基づいて予め設定された所定時間内に、前記下限検出手段及び前記中間検出手段のいずれもが前記積載トレイを検出しない場合に、前記積載トレイを停止させるように前記駆動手段を制御する、ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
シートを積載して昇降自在な積載トレイと、
前記積載トレイを上限位置と下限位置との間で昇降させる駆動手段と、
前記積載トレイ上から最上位のシートを給送する給紙手段と、
前記積載トレイ上の最上位のシートが前記上限位置に上昇したことを検出する上限検出手段と、
前記下限位置に下降した前記積載トレイを検出する下限検出手段と、
前記上限位置と前記下限位置との間で、かつ前記上限位置からの距離よりも前記下限位置からの距離の方が長い中間位置に設けられ、下降する前記積載トレイを検出する中間検出手段と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記積載トレイが下降を開始した時点から、前記下限位置と前記中間位置間の距離に基づいて予め設定された所定時間内に、前記下限検出手段及び前記中間検出手段のいずれもが前記積載トレイを検出しない場合に、前記積載トレイを停止させるように前記駆動手段を制御する、ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項3】
最上位のシートを前記給紙位置に移動させるために前記積載トレイ上の最上位のシートを検出するシート検出手段を備え、
前記駆動手段は、正転して前記積載トレイを上昇させ、逆転して前記積載トレイを下降させる駆動モーターを有し、
前記制御手段は、前記駆動モーターの逆転中に、前記シート検出手段が前記積載トレイ上の最上位のシートを検出した場合、前記駆動モーターが停止して前記積載トレイを停止させるように前記駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、正転して前記積載トレイを上昇させ、逆転して前記積載トレイを下降させる駆動モーターを有し、
前記制御手段は、前記駆動モーターの逆転中に、前記上限検出手段が前記積載トレイ上の最上位のシートを検出した場合、前記駆動モーターが停止して前記積載トレイを停止させるように前記駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項2に記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記所定時間は、前記積載トレイが前記中間位置と前記下限位置間の距離を上昇するの
に要する時間に、所定の加算時間を加えた時間である、ことを特徴とする請求項1乃至4
のいずれかに記載のシート給送装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記中間検出手段が前記所定時間内に、下降する前記積載トレイを検出した場合、前記積載トレイの下降を継続させ、その後に前記中間検出手段が、下降する前記積載トレイ上の最上面のシートの上面を検出すると、前記積載トレイを上昇又は停止させるように前記駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシート給送装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記下限検出手段が前記所定時間内に前記積載トレイを検出した場合に、前記積載トレイを上昇させるように前記駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシート給送装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記中間検出手段が下降する前記積載トレイを検出した時点から前記所定時間内に、前記下限検出手段が前記積載トレイを検出しない場合に、前記積載トレイを停止させるように前記駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシート給送装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のシート給装装置と、
前記シート給装装置から給送されるシートに画像を形成する画像形成装置と、を備える画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを給紙するシート給送装置に関し、より詳細には、シートを積載して昇降可能な積載トレイを備えたシート給送装置に関するものである。更に本発明は、かかるシート給送装置を備えた画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンター等の画像形成装置には、画像形成部にシートを給送するシート給送装置が内蔵され又は外付けで装備されている。一般にシート給送装置は、例えば数千枚に及ぶ大容量のシートを収納可能な収納庫と、収納庫内でシートを積載する積載トレイと、積載トレイ上の最上位シートを給送する給紙機構を備えている。また、積載トレイを収納庫内で昇降させる昇降機構を更に備えたシート給送装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1記載の給紙装置は、給紙トレイにシートが収容されていると、トレイ昇降手段がモーターを回転させ、シートを給送することができる給紙位置まで給紙トレイを上昇させる。給紙トレイが下限の位置に配置されたことを検知するトレイ下限センサー、及び上限の位置に配置されたことを検知するトレイ上限センサーが設けられ、給紙トレイが上昇を開始してから所定時間内に上限位置に達したことを検知していない場合に、給紙トレイが異常であると判定して表示する。特許文献1記載の給紙装置では、トレイ昇降手段により給紙トレイを下限位置から上限位置まで上昇させるのに必要な最大所定時間を、例えば10秒と比較的長く設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭62-88727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のシート給送装置のように、積載トレイが上限位置と下限位置との間を昇降するのに要する時間を異常検出時間として、それに基づいて積載トレイの昇降動作の異常を検出する場合、次のような不都合を生じる虞がある。例えば、下限センサーが故障や紙粉の付着・堆積等のために積載トレイを検出不能である場合、積載トレイが下限位置に到達又はそれを通過しても、前記異常検出時間に達するまで、積載トレイの下降動作は継続される。また、収納庫の底面に異物が存在し、積載トレイが下限位置に到達できないために下限センサーで検出できない場合も、前記異常検出時間が経過するまで、積載トレイの下降動作は継続される。
【0006】
多くの昇降機構は、例えば特許文献1に記載されるように、積載トレイをワイヤーによって吊り下げ、該ワイヤーを巻回した巻取りプーリーを昇降モーターで正逆両方向に回転させて、ワイヤーを巻き取り又は巻き出すことにより昇降させる。そのため、積載トレイが既に下限位置に到達若しくは通過した状態で、又は異物によって下降停止した状態で、前記異常検出時間の経過までワイヤーが巻き出されると、ワイヤーに弛みが生じたり、ワイヤーが全部巻き出されて逆方向に巻き戻され、場合によっては積載トレイを上昇させる虞がある。その結果、積載トレイを昇降動作不能にしたり、昇降機構、積載トレイ、及び/又は関連する部品を損傷する虞が生じる。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、より短い時間で確実に積載トレイの昇降動作の異常や下限センサーの異常を検出することができ、仮に下限センサーが積載トレイを検出できない状態であっても、それにより生じ得る昇降機構、積載トレイ及び/又は関連する部品の損傷を防止又は低減することができるシート給送装置を提供することにある。
【0008】
更に本発明は、かかるシート給送装置を備えた画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のシート給送装置は、
シートを積載して昇降自在な積載トレイと、
前記積載トレイを給紙位置と下限位置との間で昇降させる駆動手段と、
前記給紙位置にある前記積載トレイ上の最上位のシートを給送する給紙手段と、
前記下限位置に下降した前記積載トレイを検出する下限検出手段と、
前記給紙位置と前記下限位置との間で、かつ前記給紙位置からの距離よりも前記下限位置からの距離の方が長い中間位置に設けられ、下降する前記積載トレイを検出する中間検出手段と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記積載トレイが下降を開始した時点から、前記下限位置と前記中間位置間の距離に基づいて予め設定された所定時間内に、前記下限検出手段及び前記中間検出手段のいずれもが前記積載トレイを検出しない場合に、前記積載トレイを停止させるように前記駆動手段を制御する、
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の別の側面によれば、上述した本発明のシート給装装置と、前記シート給装装置から給送されるシートに画像を形成する画像形成装置と、を備える画像形成システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシート給送装置によれば、より短い時間で確実に積載トレイの昇降動作の異常や下限センサー(下限検出手段)の異常を検出することができ、それらの異常により生じ得る各部及び各部品の損傷を防止又は低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の好適な実施形態にかかるシート給紙装置を備えた画像形成システムの全体構成図である。
図2】(a)図は、シート給紙装置が画像形成装置から離間した状態を、(b)図はシート給紙装置からシート収納部を引き出した状態をそれぞれ示す概略図である。
図3】シート給紙装置の内部構成を正面側(図1の手前側)から見た概略図である。
図4】シート収納部の昇降機構を示す説明図である。
図5】異常検出手段のセンサー位置を示す説明図である。
図6】シート給紙装置の制御構成を示すブロック図である。
図7】シート給紙装置の異常検出動作を示すフロー図である。
図8】(a)~(c)図は、異常検出動作における積載トレイ及びシートの下降動作を示す説明図である。
図9】(a),(b)図は、異常検出動作における積載トレイ及びシートの下降動作を示す説明図である。
図10】(a),(b)図は、異常検出動作における積載トレイ及びシートの下降動作を示す説明図である。
図11】(a),(b)図は、異常検出動作における積載トレイ及びシートの下降動作を示す説明図である。
図12】(a),(b)図は、積載トレイ上昇動作のパターン1を示す説明図である。
図13】(a)~(c)図は、積載トレイ上昇動作のパターン2を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の画像形成システム100の全体構成を示している。画像形成システム100は、画像形成装置1と、シート給紙装置2とを備える。シート給送装置2は、画像形成装置1の一方(図1中、右側)の側面1aに連結されている。画像形成装置1には、原稿読取装置3と原稿給送装置4とシート集積装置5とが一体に装着されている。
【0015】
(画像形成装置)
画像形成装置1は、所定枚数(例えば、100枚程度)のシートを収納可能な給紙カセット6(図示する実施形態では、2つの給紙カセット6a,6b)を内部に備えている。シート給紙装置2は、給紙カセット6a,6bよりも多数枚のシートの積載に対応可能に比較的大容量に構成されている。
【0016】
画像形成装置1は、原稿読取装置3によって原稿シートから読み取られた画像データに基づいて、給紙カセット6a,6b又はシート給紙装置2から供給されたシート上に画像形成を行い、画像形成されたシートをシート集積装置5に集積、収納する。原稿読取装置3には、原稿給送装置4によって原稿シートを自動で給送することもできる。ここで、画像形成システム100において扱われるシートには、A6,B5、A4等の小サイズやB4、A3等の大サイズの普通紙の他、規格サイズ以外の長尺シート、OHPシート、トレーシングペーパー、コート紙などの特殊シートを含むものとする。
【0017】
画像形成装置2は、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ等であり、シートに画像を形成し得るものであれば、公知の様々な画像形成機構を採用することができ、例えば床面に設置される。図示される実施形態の画像形成装置2は、画像形成機構として静電式画像形成機構を採用しているが、これに限定されるものではなく、インクジェット式画像形成機構、オフセット式画像形成機構等を採用することも可能である。
【0018】
図1に示す画像形成装置2は、投光器(レーザーヘッド等)7と、感光ドラム8と、現像器9と、転写チャージャー10と、定着ローラー11とを備えている。各給紙カセット6a,6bに収納されているシートは、その最上面に接触している送出ローラー12によって送り出され、分離ローラー対13によって1枚ずつに分離され、搬送ローラー対14によって搬送路15を転写チャージャー10へと送られる。シート給紙装置2から搬入されたシートは、同様に搬送ローラー対14によって搬送路15を転写チャージャー10へと送られる。
【0019】
給紙カセット6a,6b又はシート給紙装置2から供給されたシートには、感光ドラム8の表面に投光器7で形成した静電潜像(静止画像)に現像器9で付着させたトナーが、転写チャージャー10によって転写される。トナーが転写されたシートは、下流側に配置される定着ローラー11に送られて、シート上のトナーを加熱定着させた後、排紙ローラー対16によってシート集積装置5へ排出される。
【0020】
原稿読取装置3の上部には、透明なガラスで形成された第1のプラテン17と第2のプラテン18とが水平方向に並設されている。第1のプラテン17は、手置きでセットされる原稿の読み取りに用いられ、対応可能な最大サイズの原稿を載置できるようなサイズに形成されている。第2のプラテン18は、原稿給送装置4から給送されて所定速度で移動する原稿の読み取りに用いられる。
【0021】
原稿読取装置3の内部には、第1の読取キャリッジ19及び第2の読取キャリッジ20と、集光レンズ21及び光電変換素子22を有する光電変換手段が設けられている。第1の読取キャリッジ19及び第2の読取キャリッジ20は、図示されないキャリッジモーターによって駆動されて、第1のプラテン17の下方を副走査方向に往復移動する。第1のプラテン17上に載置された原稿の読み取りを行うとき、第1の読取キャリッジ19及び第2の読取キャリッジ20を移動させながら、第1の読取キャリッジ19のランプから光を第1のプラテン17上の原稿の画像へ照射し、原稿からの反射光を、第1の読取キャリッジ19及び第2の読取キャリッジ20のミラーから集光レンズ21を介して光電変換素子22に案内し、電気信号に変換することによって画像データを生成させる。
【0022】
原稿給送装置4は、給紙トレイ23と、シート搬送機構24と、排紙トレイ25とを備える。給紙トレイ23上に載置された原稿は、シート搬送機構24によって1枚ずつ搬送され、第2のプラテン18上を通過し、排紙トレイ25に排出される。原稿給送装置4から給送されて第2のプラテン18上を通過する原稿を読み取るとき、第1の読取キャリッジ19及び第2の読取キャリッジ20は、第2のプラテン18の下方で予め停止させておき、第2のプラテン18上を通過する原稿から画像データを生成させる。
【0023】
(シート給送装置)
次に、図1乃至図3を参照して、シート給送装置2の構造を詳細に説明する。
【0024】
シート給送装置2は、装置全体を収容する筐体31内に、画像形成装置1に供給するシートを収納する収納庫32と、収納庫32内のシートを1枚ずつに分離して画像形成装置1に向けて供給する分離給紙機構33と、昇降機構34とを備える。図2(a)に示すように、筐体31は、例えばシート給送装置2から画像形成装置1に供給されるシートのジャムを処理するために、その下部に収納されている着脱レール35に沿って、画像形成装置1の側面1aから離間させることができる。
【0025】
収納庫32は、例えばシートを補給するために、筐体31内に設けられた引き出し機構36によって、図2(b)に示すように、シート給送装置2から画像形成装置1へシートを供給する給紙方向と直交する正面方向(図1中、手前側)に引き出し可能に支持されている。引き出し機構36は、例えば収納庫32の左右両外側面に取り付けられたスライドレール36aと、該スライドレールを摺動可能に支持するように、それぞれに隣接する筐体31内の左右側面に取り付けられたガイドレール36bとから構成される。
【0026】
シート給送装置2は、筐体31上面の正面側辺縁付近に開閉スイッチ37が設けられている。ユーザーが開閉スイッチ37を押すと、収納庫32が付勢部材(図示せず)によって開かれて、手前側に引き出し可能位置に押し出される。これにより、ユーザーは、収納庫32をガイドレール36bに沿って手で容易に、シートを補給可能な位置まで引き出すことができる。
【0027】
収納庫32は、上部に開口部を設けた概略箱型形状を有し、その内側には、積載トレイ38が、昇降機構34により上下方向に昇降可能に設けられている。積載トレイ38は、板状のプレート部材からなり、その実質的に平坦な上面に所定サイズのシートの全体を積載できるようになっている。収納庫32が上述したように筐体31から引き出された状態のとき、前記上部の開口部を通して積載トレイ38上にシートを装填、積載することができる。
【0028】
収納庫32内部の積載トレイ38を収容する空間(以下、「積載トレイ収容空間」と称する)には、積載トレイ38上のシートを幅方向(給紙方向に直交する方向)に両側から挟んで位置する左右の側端規制部材41,42と、積載トレイ38上のシートの後端(給紙方向に画像形成装置1から遠い側の端部)側に位置する後端規制部材43とが設けられている。積載トレイ38上のシートSは、幅方向の両側端の位置が側端規制部材41,42によって規制され、給紙方向の後端の位置が後端規制部材43によって規制されるようになっている。
【0029】
本実施形態では、側端規制部材41,42は、例えばラックとピニオンとによって互いに連動してシートの幅方向にスライド可能に収納庫32の底部に立設されている。後端規制部材43は、給紙方向にスライド可能に収納庫32の底部に立設されている。側端規制部材41,42及び後端規制部材43のいずれも、積載トレイ38と干渉しないように、該積載トレイに設けられた窓部(図示せず)を貫通して延びている。このような構成により、積載トレイ38上で積載されるシートのサイズに応じて、側端規制部材41,42及び/又は後端規制部材43を収納庫32の底部上で移動させて、その側端位置及び/又は後端位置を規制することができる。
【0030】
積載トレイ38は、昇降機構34によって収納庫32内で上下方向に昇降可能に支持されている。図4に示すように、積載トレイ38は、それぞれ幅方向の両側辺の角部近傍の位置から幅方向外向きに突設された4つの支持部45を有する。昇降機構34は、積載トレイ38の各支持部46にそれぞれ一端を固定された吊下げ部材としての4本のワイヤー46と、対応する各ワイヤー46を巻き取る4つの巻取プーリー47と、各巻取プーリー47と対応する支持部45との間に延びるワイヤー46をそれぞれ巻き掛ける複数の中間プーリー48と、巻取プーリー47を回転駆動させる昇降モーターM1とによって構成されている。
【0031】
各巻取プーリー47は、収納庫32の給紙方向後端側の外側面に沿って延びる1本の駆動シャフト49上に固定されている。駆動シャフト49は、図示しない回転伝達機構を介して昇降モーターM1の駆動軸に回転駆動可能に連結されている。例えば、昇降モーターM1を正転駆動すると、駆動シャフト49を介して4つの巻取プーリー47が同時に回転してそれぞれワイヤー46を巻き取ることによって、積載トレイ38は、4つの支持部45が同時に引き上げられ、略水平状態を維持したまま上昇する。昇降モーターM1を逆転駆動すれば、4つの巻取プーリー47が上昇時とは反対方向に回転駆動されて、各ワイヤー46が繰り出されることによって、積載トレイ38は、自重によって略水平状態を維持したまま下降する。昇降機構34は、このように積載トレイ38を略水平状態を保ったまま昇降できるものであればよく、本実施形態のものに限定されない。
【0032】
分離給紙機構33は、積載トレイ38上に積載されたシートの最上面に接触してシートを送り出す繰出ローラー51と、送り出されたシートを一枚ずつに分離して画像形成装置1へ搬送する分離搬送手段とを含んでいる。前記分離搬送手段は、給紙ローラー52と、該給紙ローラーに圧接して2枚目以降のシートの供給を阻止する分離ローラー53とによって構成される。前記分離搬送手段の下流側には、シートを画像形成装置1の搬送路15内に送り出すための搬送ローラー対54が設けられている。
【0033】
繰出ローラー51は、給紙モーターM2によって回転駆動される。繰出ローラー51は、シートの上面に接触する作動位置とシートの上面から離れた待機位置との間で移動可能に構成されている。給紙ローラー52は、同様に給紙モーターM2によって、図示されていない複数のギアやタイミングベルトを介して駆動されて回転し、繰出ローラー51によって積載トレイ38上から送り出されたシートを画像形成装置1へ供給する。
【0034】
給紙ローラー52のシャフト周りにブラケット(図示せず)を回動自在に支持し、該ブラケットの先端に繰出ローラー51を回転可能に支持して、給紙モーターM2による給紙ローラー52のシャフトの回転が、複数のギアを介して伝達されて繰出ローラー51を回転駆動するように構成することができる。この場合、例えばソレノイドによって前記ブラケットを給紙ローラー52のシャフト周りに回動させて、繰出ローラー51を作動位置と待機位置との間で移動させることができる。
【0035】
分離ローラー53は、その回転軸にトルクリミッター(図示せず)が取り付けられている。これにより、給紙ローラー52と分離ローラー53との圧接部でシートが2枚以上重なってニップされたとき、分離ローラー53が停止して上から2枚目以降のシートの供給を阻止するようになっている。例えば複数のシートが重なって給紙ローラー52と分離ローラー53とのニップ部に進入すると、給紙ローラー52の駆動力が最上位のシートに伝達される一方、分離ローラー53の回転が停止されるので、最上位のシートとそれより下のシートとの間で滑りが生じ、最上位のシートだけがそれより下のシートから分離して送り出される。当然ながら、分離ローラー53に代えて分離パッドなど他の部材を用いてもよい。
【0036】
(異常検出手段)
シート給送装置2は、積載トレイ38の不具合を検出する異常検出手段を備えている。前記異常検出手段は、積載トレイ38及びシートの昇降方向の位置を検出するために、下限センサー61と、上限センサー62と、中間センサー63とを有する。更に前記異常検出手段は、積載トレイ38の異常を検出するための異常検出タイマーを有する。ここで、積載トレイ38の不具合とは、例えば積載トレイ38及びシートの位置を検出する各センサーの故障や、昇降機構34(昇降モーターM1やワイヤー46等)の故障、異物等による積載トレイ38の昇降不能等によって引き起こされる異常状態をいうものとする。
【0037】
図1及び図5に示すように、下限センサー61は、積載トレイ38の昇降範囲における下限位置PBに、上限センサー62は、積載トレイ38の昇降範囲における上限位置PTにそれぞれ配置されている。中間センサー63は、下限位置PBと上限位置PTの間の中間位置PMに配置されている。中間位置PMから下限位置PBまでの距離(L1)は、中間位置PMから上限位置PTまでの距離(L2)よりも長くなるように設定配置されている。本実施形態では、中間センサー63として、積載トレイ38の上面又は積載トレイ38に載置されているシートSの上面が、シートを収納庫32に補充するための補充位置に到達したことを検出する中継センサーを用いている。
【0038】
前記異常検出タイマーは、積載トレイ38が中間位置PMから下限位置PBに下降するのに要する時間(t1)に、若干の所定の時間(t2)を加えた時間(T)に設定されている。本実施形態において、前記異常検出タイマーに設定されるこれらの時間は、昇降モーターM1を駆動するための駆動パルス値であり、この駆動パルスをカウントすることで時間を計測している。
【0039】
更にシート給送装置2は、積載トレイ38に積載された最上位のシートSが、分離給紙機構33によって画像形成装置1に向けて給送可能な高さ位置即ち給紙位置PUに到達したことを検出するための上面センサー64を備える。また、シート給送装置2は、積載トレイ38の上面又は積載トレイ38に積載されたシートSの最上面に異物が存在する場合にこれを検出するための異物センサー65を、収納庫32の上限位置PTより上方の位置に有する。
【0040】
(エアー吹き付け機構)
シート給送装置2は、図3中、奥側に配置された側端規制部材42の背後に、エアー吹き付け機構80を備える。エアー吹き付け機構80は、給紙方向に沿って画像形成装置1側の第1エアーブロワ81と、それより後端側の第2エアーブロワ82とから構成されている。第1エアーブロワ81及び第2エアーブロワ82は、それぞれ送風ファン83,84を有し、第1エアーブロワ81には、送風ファン83の上流側にヒーター85が設けられている。
【0041】
側端規制部材42は、給紙位置PUよりも高く設けられ、その上端部には、それぞれ第1エアーブロワ81及び第2エアーブロワ82のエアー吹き出し口86,87が開設されている。エアー吹き出し口86,87は、その上端が給紙位置PUに位置する積載トレイ38の最上位のシートよりも幾分上方に位置するように、その下端が前記最上位のシートよりも下側の複数シートを含むような寸法及び形状に形成されている。これにより、第1エアーブロワ81及び第2エアーブロワ82を作動させて、エアー吹き出し口86,87から吹き出されるエアーによって、積載トレイ38の最上位のシートを画像形成装置1側に送り出す際に、該最上位のシートをそれより下側のシートからより容易に分離させることができる。
【0042】
(重送防止機構)
別の実施形態において、シート給送装置2は、給紙ローラー52から搬送ローラー対54への搬送経路に、複数のシートが重なって給送されることを防止するための重送防止機構(図示せず)を備えることができる。かかる重送防止機構は、シート給送装置2と画像形成装置1との間に接続される搬送ユニット(図示せず)に設けることができる。前記重送防止機構は、例えばシートを画像形成装置1へ搬送するための搬送経路に設けられたシート仕分け機構と、該シート仕分け機構の下方に設けられるエスケープトレイとから構成される。前記シート仕分け機構は、例えば前記搬送経路を複数のシートが重送されたとき、最上位のシートをそのまま搬送させ、それより下側のシートを分離させて前記エスケープトレイに案内するフラップ部材を備えることができる。
【0043】
(シート搬送構造)
更に別の実施形態において、シート給送装置2は、給紙ローラー52から搬送ローラー対54への搬送経路でジャムが発生したときに、搬送経路上で停止したシートを取り出し易いシート搬送構造を備えることができる。かかるシート搬送構造は、シート給送装置2と画像形成装置1との間に接続される搬送ユニット(図示せず)に設けることができる。例えば、フラップ付き封筒のような折り曲げ部を有するシートを搬送経路上で、該折り曲げ部の開き方向が搬送方向と直交する向きにシートを配向して搬送すると、折り曲げ部が搬送経路に引っ掛かって取り出し難くなる虞がある。前記シート搬送構造は、折り曲げ部の引っ掛かりを未然に防止するための部材を搬送経路に備える。
【0044】
(制御部)
シート給送装置2は、その動作を制御するための制御部70を備える。図6に示すように、制御部70は、中央演算処理装置(CPU)71と、読み出し専用メモリであるROM72と、書き換え可能なメモリであるRAM73とを有する。ROM72には、後述する制御手順を予め記憶されている。RAM73は、入力データの記憶用及び作業用記憶領域等として使用される主記憶装置である。
【0045】
制御部70には、下限センサー61と、上限センサー62と、中間センサー63と、上面センサー64と、異物センサー65とが接続され、これら各センサーからの検出信号がリアルタイムで受信されるようになっている。更に制御部70には、昇降モーターM1、給紙モーターM2、操作部74、及び表示部75が接続されており、CPU71は、これらの動作を前記各センサーからの検出信号に基づいて制御する。表示部75は、積載トレイ38上のシートSが満載状態であること等の情報を表示する。
【0046】
正常な運転状態において、制御部70は、上面センサー64が上昇している積載トレイ38に積載されたシートSの最上面を検出すると、昇降モーターM1を制御して積載トレイ38の上昇を停止させる。下限センサー61が下降している積載トレイ38を検出すると、昇降モーターM1を制御して積載トレイ38の下降を下限位置PBで停止させる。中間センサー63が下降している積載トレイ38との接触を検出すると、次に中間センサー63が下降している積載トレイ38に積載されているシートSの最上面から離れるまで積載トレイ38の下降を維持し、中間センサー63が前記シートSの最上面から離れると、昇降モーターM1を制御して積載トレイ38の下降を停止させる。
【0047】
制御部70には、タイマー76がCPU71との間で双方向に通信可能に接続されている。タイマー76によって計時される時間として、図5において積載トレイ38が中間位置PMから下限位置PBに下降するのに要する時間(t1)は、積載トレイ38下面が収納庫32の下面に接触した後、ワイヤー46が巻き取りプーリー47から更に巻き出されて緩みを生じ、完全に巻き出された後に逆向きに巻き戻されることがないように、積載トレイ38の単位時間当たりの下降量を考慮して設定される。タイマー76は、上述した異常検出手段の異常検出タイマーとしても機能する。
【0048】
(異常検出動作)
シート給送装置2の前記異常検出手段に行われる異常検出動作を、図7乃至図11を用いて以下に詳細に説明する。先ず、シート給送装置2に電力が投入されたとき、初期設定が実行される。初期設定は、ユーザーが運転中のシート給送装置2を強制的に初期状態に戻したいとき等にも実行される。初期設定の際、積載トレイ38は、それまで停止していた位置から下降する。
【0049】
この積載トレイ下降動作は、初期設定のサブルーチンとして実行される。また、積載トレイ下降動作は、収納庫32のロック解除ボタン37が押されると、これをトリガーとして、収納庫32が引き出される際にシートの上面が補充位置PSになるまで、積載トレイ38を下降するように実行される。
【0050】
積載トレイ下降動作について、以下に説明する。先ず、前記初期設定におけるサブルーチンの実行として、又は収納庫32の開閉スイッチ37が押されることをトリガーとして(ステップST-B0)、制御部70は、昇降モーターM1が逆転駆動させる(ステップST-B1)。これによって、積載トレイ38が下降する。また、昇降モーターM1の逆転と同時に、異常検出タイマー(タイマー76)が計時をスタートする(ステップST-B2)。
【0051】
ステップST-B1において、昇降モーターM1が逆転する際に、中継センサー63がOFFであれば、制御部70は、積載トレイ38及びシートが、上限位置PTと補充位置PSとの間にあるか、又は補充位置PSよりも下方にある(図8(a)、図9(a))と判断し、異常検出処理1を実行する(ステップST-B3)。
【0052】
一方、ステップST-B1において、中継センサー63がONであれば、制御部70は、積載トレイ38が補充位置PSにあるか、又は補充位置PSよりも下方でシートが補充位置PSにある(図10(a)、図11(a))と判断し、異常検出処理2を実行する(ステップST-B3)。
【0053】
異常検出処理1では、中継センサー63、下限センサー61及び上限センサー62がOFF状態で(ステップST-B4~ステップST-B6)、異常検出タイマー76がタイムアップすると(ステップST-B7)、制御部70は、積載トレイ38又は前記各センサーを含むシート給送装置2の構成部品に何らかの不具合が生じたと判断して、表示部75にエラーを表示する(ステップST-B8)と同時に、昇降モーターM1を停止する(ステップST-B9)。
【0054】
また、ステップST-B4で、異常検出タイマー76がタイムアップするまでに、中継センサー63がON(図8(b))すれば(ステップST-B4)、制御部70は、異常検出タイマー76をリセットして該異常検出タイマーを再スタートさせた後、異常検出処理2を実行する(ステップST-B10)。
【0055】
次に、ステップST-B5で、タイマーがタイムアップする前に、下限センサー61がON(図9(b))すると(ステップST-B5)、制御部70は、正常であると判断して、昇降モーターM1を停止する(ステップST-B9)。
【0056】
更に、ステップST-B6で、上限センサー62がONすると(ステップST-B6)、制御部70は、表示部75にエラーを表示すると同時に、昇降モーターM1を停止する(ステップST-B9)。
【0057】
異常検出処理2は、上述したように、積載トレイ38が下降を開始する際に、既に中継センサー63がON、即ち積載トレイ38又は積載トレイ38上のシートを検出していた場合と、積載トレイ38が下降を開始した後に、中継センサー63がOFFからONになった場合に実行される。
【0058】
異常検出処理2では、中継センサー63がON状態、かつ下限センサー61及び上限センサー62がOFF状態のままで(ステップST-B11~ステップST-B13)、異常検出タイマー76がタイムアップする(ステップST-B14)と、制御部70は、表示部75にエラーを表示する(ステップST-B15)と同時に、昇降モーターM1を停止する(ステップST-B9)。
【0059】
一方、ステップST-B14で異常検出タイマー76がタイムアップする前に、ステップST-B11で中継センサー63がOFF(ステップST-B4経由の場合は図8(c)、ステップST-B3経由の場合は図10(b))の場合、又はステップST-B12で下限センサー61がON(図11(b))すると、制御部70は、正常であると判断して、昇降モーターM1を停止する(ステップST-B9)。
【0060】
また、異常検出タイマー76がタイムアップする前(ステップST-B14)に、中継センサー63がON、かつ下限センサー61がOFFで、上限センサー62がONすると(ステップST-B13)、制御部70は、表示部75にエラーを表示する(ステップST-B15)と同時に、昇降モーターM1を停止する(ステップST-B9)。
【0061】
尚、積載トレイ38は、図8(c)及び図10(b)に示すように、ステップST-B11で中継センサー63がOFFしたとき、シートの上面が補充位置PSに到達した状態となっており、ステップST-B12で下限センサー61がONしたときは、下限位置PBに到達した状態となっている。
【0062】
(積載トレイ上昇動作)
前記初期設定において、上述した積載トレイ下降動作が終了し、異常(エラー)が無い場合、制御部70は、昇降モーターM1を正転させて積載トレイ38を上昇させ、積載トレイ38上のシートの最上面を、上面センサー64によって検出される給紙位置PUまで移動させる。上面センサー64がONすると、制御部70は、昇降モーターM1を停止する。これによって、積載トレイ38上のシートの最上面が給紙位置PUに配置される。
【0063】
制御部70は、どのような場合でも、上限センサー62が積載トレイ38上のシート又は積載トレイ38を検出した時点で、異常(エラー)と判断し、昇降モーターM1を停止するように構成されている。上述した積載トレイ下降動作で、上限センサー62がONとなる場合として、例えば次のパターン1と、パターン2が想定される。
【0064】
パターン1は、図12(a)に示すように、積載トレイ38下面とシート収納部32の底面との間に異物Aが存在し、積載トレイ38の下限位置PBまでの下降を妨げている場合、又は下限センサー61が故障して、既に下限位置PBに到達している積載トレイ38を検出できない場合である。パターン1では、積載トレイ38上のシートの最上面は、中間位置PMよりも上方に位置している。
【0065】
この場合、昇降モーターM1が回転し続けることによって、巻き取りプーリー47から完全に巻き出されたワイヤー46が巻き戻されて、積載トレイ38を上昇させる。図12(b)に示すように、積載トレイ38又は積載トレイ38上のシートの最上面が上限位置PTに到達して、上限センサー62に検出されると、制御部70は、これを異常と判断して表示部75にエラーを表示すると同時に、昇降モーターM1を停止する。
【0066】
パターン2は、図13(a)に示すように、パターン1と同様に、積載トレイ38下面とシート収納部32の底面との間に異物Aが存在し、積載トレイ38の下限位置PBまでの下降を妨げている場合、又は下限センサー61が故障して、既に下限位置PBに到達している積載トレイ38を検出できない場合でおいて、積載トレイ38上のシートの最上面が、中間位置PMよりも下方に位置している。
【0067】
この場合、パターン1と同様に、昇降モーターM1が回転し続けることにより、巻き取りプーリー47から完全に巻き出されたワイヤー46が巻き戻されて、積載トレイ38を上昇させる過程で、図13(b)に示すように、中継センサー63がONになるので、タイマー76がリセットされ、計時が再スタートする。この場合も、図13(c)に示すように、積載トレイ38又は積載トレイ38上のシートの最上面が上限位置PTに到達して上限センサー62に検出されると、制御部70は、これを異常と判断して表示部75にエラーを表示すると同時に、昇降モーターM1を停止する。
【0068】
尚、上面センサー64は、積載トレイ38が下降している状態、即ち昇降モーターM1が逆転している状態では、検出動作を行わないように制御されている。また、積載トレイ38は、収納庫32が筐体31から引き出された状態では、上昇しないように構成されている。
【0069】
以上、添付図面の実施形態を参照して、本発明によるシート給送装置及びこれを備える画像形成システムについて説明したが、本発明は、図示される実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成装置
2 シート給送装置
32 収納庫
33 分離給紙機構
34 昇降機構
36 引き出し機構
37 開閉スイッチ
38 積載トレイ
41,42 側端規制部材
43 後端規制部材
46 ワイヤー
47 巻取りプーリー
61 下限センサー
62 上限センサー
63 中間センサー
64 上面センサー
65 異物センサー
70 制御部
75 表示部
76 タイマー
80 エアー吹き付け機構
100 画像形成システム
M1 昇降モーター
M2 給紙モーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13