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特許7536521地図更新システム、及び地図更新プログラム
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  • 特許-地図更新システム、及び地図更新プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】地図更新システム、及び地図更新プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240813BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240813BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G05D1/43
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020102658
(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2021196488
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】三舩 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】中島 正人
(72)【発明者】
【氏名】内藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 康如
(72)【発明者】
【氏名】柿崎 貴文
(72)【発明者】
【氏名】松尾 享
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-513981(JP,A)
【文献】特開2018-147081(JP,A)
【文献】特開2019-066381(JP,A)
【文献】特表2020-522042(JP,A)
【文献】国際公開第2018/189770(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/098082(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/026294(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0321687(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 23/00-29/14
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの空間における移動可能範囲を規定した三次元地図について、所定の範囲を表す複数のエリアに分割し、
前記三次元地図におけるロボットの経路を生成し、
生成した経路に基づいて、複数のエリアのうち経路の始発地点を含む1つ以上のエリアを、前記ロボットの経路の移動において参照が必要な参照エリアとして設定し、
設定した前記参照エリアを含む制御情報を前記ロボットに送信し、
記ロボットの経路の進行状況において前記参照エリアに含まれない他のエリアへの移動を検知した場合に複数のエリアのうち新たな1つ以上のエリアを前記参照エリアとして更新し、更新した前記参照エリアを含む制御情報を前記ロボットに送信する、
地図更新システムであって、
前記参照エリアの設定時及び更新時において、目的地までの合計のエリアの数及びエリアの空間の広さの少なくとも一方に応じて、1又は複数の前記参照エリアを設定する、
地図更新システム。
【請求項2】
前記空間はロボットが移動可能な屋内空間である請求項1に記載の地図更新システム。
【請求項3】
異なるエリア間を経由する地点に設置された発信機から信号を受信して前記他のエリアへの移動を検知し、前記参照エリアを切り替える請求項1又は請求項に記載の地図更新システム。
【請求項4】
ロボットの空間における移動可能範囲を規定した三次元地図について、所定の範囲を表す複数のエリアに分割し、
前記三次元地図におけるロボットの経路を生成し、
生成した経路に基づいて、複数のエリアのうち経路の始発地点を含む1つ以上のエリアを、前記ロボットの経路の移動において参照が必要な参照エリアとして設定し、
設定した前記参照エリアを含む制御情報を前記ロボットに送信し、
記ロボットの経路の進行状況において前記参照エリアに含まれない他のエリアへの移動を検知した場合に複数のエリアのうち新たな1つ以上のエリアを前記参照エリアとして更新し、更新した前記参照エリアを含む制御情報を前記ロボットに送信する、
処理をコンピュータに実行させる地図更新プログラムであって、
前記参照エリアの設定時及び更新時において、目的地までの合計のエリアの数及びエリアの空間の広さの少なくとも一方に応じて、1又は複数のエリアを前記参照エリアとして設定する、
地図更新プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの制御に必要な空間情報の更新に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場であっても自己の位置を推定するロボットの位置推定に係る技術が知られている(例えば、特許文献1)。この技術では、計測可能な施工対象物の施工データから抽出してマッピング情報を得て、計測データと、マッピング情報とに基づいて、空間内における自己位置を算出している。
【0003】
また、移動空間内のレイアウトを変更しても容易に適用でき、導入コストが小さく、さらに、高速且つ正確に自己位置認識できる移動体に係る技術が知られている(例えば、特許文献2)。同様の技術として、移動体は自分の位置を推定し、指定された目的地まで自律的に移動制御可能として、移動体の位置を安定的に得る技術が知られている(例えば、特許文献3)。
【0004】
また、建物の施工現場ならではの事情を考慮して、当該施工現場内で精度良く自己位置を推定することが可能な自律移動装置を提供する技術が知られている(例えば、特許文献4)。この技術では、建物のうち施工現場内に存在する複数の対象部位の形状データを取得し、図面データを参照し、複数の対象部位それぞれの寸法に関する情報に基づいて、複数の対象部位の中から基準対象部位を特定している。また、図面データに含まれる基準対象部位の位置と、形状データにおける実際の基準対象部位の位置との照合結果に基づいて、施工現場内における自己位置を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-164966号公報
【文献】特開2010-66934号公報
【文献】特開2019-125354号公報
【文献】特開2020-004231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1~4に記載の技術によれば、実空間におけるロボットの自己位置を精度よく推定できる。ここで、ロボットが自己位置を推定するためには、移動する空間についての地図データをロボット側で参照する必要があるが、この地図データの容量が大きい場合、ロボット側での処理に時間が掛かり、処理性能が低下することが懸念される。そのため、ロボット側で一度に処理する地図データの容量は少ない方が望ましい。ロボットの制御においては処理に時間を掛けず、作業を速やかに行うことが求められるからである。
【0007】
本発明は上記事実を考慮して、ロボットの移動に応じて速やかに参照エリアを切り替え、円滑な移動を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の地図更新システムは、ロボットの空間における移動可能範囲を規定した三次元地図について、所定の範囲を表す複数のエリアに分割し、前記三次元地図におけるロボットの経路を生成し、前記ロボットの経路において参照が必要な参照エリアを、前記ロボットの経路の進行状況に応じて更新する。これにより、ロボットの移動に応じて速やかに参照エリアを切り替え、円滑な移動を可能とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロボットの移動に応じて速やかに参照エリアを切り替え、円滑な移動を可能とする、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ロボット管理プラットフォームのイメージ図である。
図2】本発明の実施形態に係る地図更新システムの構成を示すブロック図である。
図3】参照エリアの更新態様の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る地図更新装置における地図更新処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の地図更新システムについて説明する。
【0012】
本発明の実施形態の概要を説明する。本発明の実施形態に係る手法では、建設現場を移動するロボットの移動に応じて、三次元地図の空間に割り当てられたエリアを切り替える。具体的には、三次元地図はエリアとして階、階段、部屋、又は区画等のそれぞれを分割し、ロボットは移動中に現在地に対応したエリアを参照して自己位置推定を行うようにする。ロボットが経路上で現在参照する必要があるエリアを参照エリアと定義する。このようにして、三次元地図におけるエリアを現在移動しているエリアに切り替える、あるいは段階的に参照するようにロボットを制御することで、ロボットが移動する際に参照する地図データの容量を軽量化する。軽量化により、ロボットがエリアを移動した時、速やかに参照エリアを切り替えることができる。つまり、ロボット制御に係る処理性能の向上を可能とする。また、全域を参照するときと比較して処理性能の低下を防ぐことができる。更に、処理性能の向上に伴い、各種ロボットを管理するロボット管理システムの精度の向上を可能とする。
【0013】
ここで、本実施形態の前提となるロボット管理プラットフォームについて説明する。図1はロボット管理プラットフォームのイメージ図である。図1に示すように、ロボット管理プラットフォームは、クラウド環境でロボットの管理を行うためのプラットフォームである。ロボット管理プラットフォームにはロボットを管理するための機能を実行するプログラムが各種モジュールとして実装されており、モジュールを適宜連携させて必要な処理を行う。これによりロボット管理プラットフォームは、ロボットによる施工作業のオートメーション化を実現する。図1に示したモジュールの一覧はあくまで機能的な手段の一例を示しており、これらの例に限定されない。このようなロボット管理プラットフォームを活用することにより、煩わしいロボット操作のための設定作業などを極力なくすことに繋がる。また、施工対象のBIM(Building Information Modeling)データをもとにロボットの自己位置を推定することで、現場担当者はBIMデータを参照してロボットの指示ができるようになるため、直感的な操作を現場担当者に提供できる。また、遠隔操作におけるロボットの状態監視など、施工時に必要な機能をプラットフォームのサービスとして展開できる。
【0014】
図1に示したロボット管理プラットフォームにおいて、本実施形態の手法は、例えばロボット運行管理、経路シミュレーション、又は自動運転に用いられる。これらのモジュールの機能において、ロボットが始発地点から目的地まで移動する際の制御を最適化し、性能向上を図るための手法という位置付けである。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係る地図更新システムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、地図更新システム100は、地図更新装置110と、端末140と、複数のロボット150と、複数の発信機160とが、ネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは、例えば、インターネット回線、又は公衆無線LAN等である。
【0016】
端末140は、地図更新装置110への三次元地図、ロボット150の制御入力データの入力、地図更新装置110からのロボット150の参照エリアの更新状況の確認等を行う端末である。制御入力データとは、例えば目的地、運搬対象等を含む情報である。なお、端末140は、各種担当が操作する端末であり、地図更新装置110の処理に必要な入出力を行う。ここでの各種担当は上述のロボット管理プラットフォームに当てはめられる。例えば、本実施形態では、ロボットの遠隔操作を担っている「現場担当」、又は経路シミュレーションを担っている「機材管理担当者」が運用に応じた担当となる。端末140のログイン時に各種担当に応じた権限が振り分けられているが、地図更新システム100の主たる処理でないためここでは説明は省略する。
【0017】
ロボット150は、制御対象とする複数のロボットであり、各種センサを備えている。また、ロボット150は、一定間隔で現在地点を地図更新装置110に送信する。ロボット150は、制御情報を受け付け、自己位置推定を行いながら制御情報に含まれる経路を移動する。ロボット150の経路上の移動においては参照エリアが用いられる。なお、ロボット150は、ロボット環境プラットフォームのシミュレーション環境にエージェントとして種類ごとに実装されており動作エミュレートが可能である。本実施形態では経路生成部116が動作エミュレートにより、三次元地図を用いて、ロボット150の経路生成を行うようにする。
【0018】
発信機160は、異なるエリア間を経由する地点に設置されており、ロボット150の通過を検知して、当該検知したことを示す信号を地図更新装置110に送信する。信号は、ロボット150の各々について固有に識別された信号である。
【0019】
地図更新装置110は、通信部112と、エリア分割部114と、経路生成部116と、エリア更新部118と、記憶部120とを含んで構成されている。また、地図更新装置110は、CPUと、RAMと、各処理部を実行するためのプログラム及び各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することができる(図示省略)。本実施形態の地図更新装置110は、上述した図1のロボット管理プラットフォームの一部の機能をモジュール化して構築したサーバであり、各機能部は機能の一例である。
【0020】
通信部112は、端末140及びロボット150との通信により各種データの送受信を行う。例えば、通信部112は、端末140から三次元地図を受け付け記憶部120に格納する。通信部112は、端末140からロボット150の制御入力データを受け付ける。通信部112は、ロボット150から現在地点を受け付ける。また、通信部112は、発信機160からロボット150に対応した信号を受け付ける。また、通信部112は、ロボット150が参照する参照エリアを含む制御情報を送信する。また、通信部112は、必要に応じて作業中のロボット150の参照エリアの更新状況を端末140に送信する。
【0021】
記憶部120には、端末140から受け付けた三次元地図の各々が格納される。三次元地図は、ロボットの空間における移動可能範囲を規定した地図であり、ロボットごとに用意した環境地図とする。また、記憶部120には、エリア分割部114により分割された三次元地図に対応する複数のエリアの各々が格納される。また、記憶部120には、経路生成部116により生成されたロボット150の経路が格納される。
【0022】
エリア分割部114は、記憶部120の三次元地図について、所定の範囲を表す複数のエリアに分割する。所定の範囲は、階(階ごとのフロア)、階段、部屋、又は区画等、任意の範囲を設定できる。なお、ここでの三次元地図、及びエリアはロボットが移動可能な屋内空間である。
【0023】
経路生成部116は、端末140から受け付けたロボット150の制御入力データに従って、記憶部120の三次元地図における当該ロボット150の経路を生成する。生成される経路は、分割されたいずれかのエリアに対応している。また、ここで生成される経路は、当該ロボット150の種類に対応した三次元地図を用いて、始発地点から制御入力データに含まれる目的地までの経路シミュレーション及び必要作業工程を含む情報とする。始発地点はロボット150から受け付けている最新の現在地点とする。
【0024】
エリア更新部118は、ロボット150の経路において参照が必要な参照エリアを、当該ロボット150の経路の進行状況に応じて更新し、参照エリアを含む制御情報をロボット150に送信する。参照エリアの更新は、発信機160から受信した信号に従って行う。参照エリアを含む制御情報は、例えば、当該参照エリアについての経路、及び当該経路における必要作業工程である。なお、発信機160の信号に替えて、ロボット150から受け付けた現在位置及びセンサ情報を用いて参照エリアを更新するようにしてもよい。
【0025】
ここでエリア更新部118による参照エリアの更新の具体例について説明する。図3は、参照エリアの更新態様の一例を示す図である。例えば、地下1階にいるロボット150Aを非常用エレベータ(以下、EV)前まで移動させ、6階の目的地まで移動させる場合について考える。図3に示すように、まず、ロボット150Aの始発地点の参照エリアは地下1階のフロアである。図3に示したように参照エリアには、各種障害物の配置があり、移動のための経路が生成されている。ロボット150Aは、地図更新装置110から参照エリアを地下1階とする制御情報1を受信する。ロボット150Aは制御情報1に含まれる経路に従って始発地点からEVまで移動する。EVが制御情報1に設定された参照エリア(1階)における中途の目標地点である。ロボット150AはEV前まで移動するとEVを呼び出し、EVに乗り込む。発信機160Aが、EVにロボット150Aが乗り込んだことを、例えばEVの扉の開閉及びロボット150Aの通過によって検知し、信号を地図更新装置110に送信する。地図更新装置110のエリア更新部118は受信した信号によりロボット150Aの参照エリアを6階のフロアに更新する。ロボット150Aは、地図更新装置110から参照エリアを6階とする制御情報2を受信する。また、ロボット150AはEVによる階の移動により6階の移動地点に到着する。ロボット150Aは制御情報2に含まれる経路に従って移動地点から目的地まで移動する。以上のようにして、参照エリアを切り替えてロボット150Aは目的地までの移動を行う。なお、以上のようにエリアの切り替わりについて階ごとのフロアをまたぐ場合について説明したが、エリアの切り替わりが部屋間の移動、又は区画間の移動の場合も同様である。
【0026】
次に、本発明の実施形態の地図更新装置110の作用について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る地図更新装置110における地図更新処理を示すシーケンス図である。CPUがROMからプログラム及び各種データを読み出して実行することにより、地図更新処理が行なわれる。CPUが、地図更新装置110の各部として機能する。なお、予め端末140から受け付けた三次元地図が記憶部120に予め格納されているとする。また、ロボット150Aから定期的に現在地点を受け付けている。また、地図更新装置110の各種情報の送受信について各機能部が行っているとする説明については、通信部112を介して行っているとする。
【0027】
ステップS100では、エリア分割部114が、記憶部120の三次元地図について、所定の範囲を表す複数のエリアに分割する。
【0028】
ステップS102では、端末140がロボット150の制御入力データを地図更新装置110に送信する。制御入力データにおいては特定のロボット150が指定されている。
【0029】
ステップS104では、経路生成部116が、制御入力データに従って、記憶部120の指定されたロボット150に対応した三次元地図における経路を生成する。なお、以上のステップS100~S104は地図更新処理の事前処理として行っておいてもよい。
【0030】
ステップS106では、エリア更新部118が、始発地点を含む参照エリアを設定する。
【0031】
ステップS108では、エリア更新部118が、始発地点を含む参照エリアを含む制御情報をロボット150に送信する。
【0032】
ステップS110では、ロボット150が、受け付けた参照エリアを含む制御情報に従って移動する。
【0033】
ステップS112では、発信機160が、ロボット150の他のエリアへの移動を検知した場合に、信号を地図更新装置110に送信する。
【0034】
ステップS114では、エリア更新部118が、発信機160から信号を受信したか否かを判定し、受信した場合にはステップS116へ移行し、受信していない場合には当該ステップを繰り返す。
【0035】
ステップS116では、エリア更新部118が、発信機160から受信した信号に従って参照エリアを更新する。
【0036】
ステップS118では、エリア更新部118が、更新した参照エリアを含む制御情報をロボット150に送信する。すると、ロボット150のステップS110の処理へ移行する。
【0037】
ステップS120では、エリア更新部118が、更新した参照エリアが最後の参照エリアか否かを判定する。最後の参照エリアと判定された場合には地図更新処理を終了し、最後の参照エリアでないと判定された場合にはステップS114に戻って処理を繰り返す。以上の地図更新処理により、ロボット150の経路の進行状況に応じて参照エリアを更新できる。
【0038】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る地図更新システム100によれば、ロボットの移動に応じて速やかに参照エリアを切り替え、円滑な移動を可能とする。
【0039】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0040】
例えば、上述した実施形態では、地図更新システムによって参照エリアを1エリアずつ更新する態様について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、目的地までの経路が複数の階のフロアにまたがるなど目的地までの経路のエリアが段階的にある場合には、参照エリアを段階的な複数の参照エリアの組としてもよい。例えば、目的地までの経路が5段階のエリアに分かれている場合には、2段階ずつ参照エリアとするように更新する。ここで、組の数は一定でなく、進行度に応じて可変としてもよい。例えば、1-5のエリアがあったとして、1-2エリアは空間が広いエリア、3-5エリアは空間が狭かったとする。この場合、1-2エリアの間は、1つのエリアだけを参照エリアとして更新し、3-5エリアの間は2つのエリアの組を参照エリアとして更新するようにする等、進行状況に応じた段階的な設定を行ってもよい。このように参照エリアの数を可変にすることにより、更新した参照エリアを含む制御情報を、ロボット150の処理スペックに適したデータ容量にできるようになる。
【符号の説明】
【0041】
100 地図更新システム
110 地図更新装置
112 通信部
114 エリア分割部
116 経路生成部
118 エリア更新部
120 記憶部
140 端末
150 ロボット
160 発信機
図1
図2
図3
図4