(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】仮想通貨取引所のサーキットブレーカを発動させる方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q40/04
(21)【出願番号】P 2020121489
(22)【出願日】2020-07-15
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0085760
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェマン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ミヨン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ナラ
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョンドン
(72)【発明者】
【氏名】ホ ドンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ビョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョングク
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/103262(WO,A1)
【文献】和也,ビットフライヤーライトニング(Lightning FX)取引アプリの使い方、チャートの見方・攻略法まとめ,[online],2018年01月12日,https://bitcoinkiso.com/exchange/lightningfx.html,[検索日 2024.05.30]
【文献】取引ルール,[online],オーケーコイン・ジャパン株式会社,2020年04月01日,https://web.archive.org/web/20200401035557/https://www.okcoin.jp/pages/products/tradeRules.html,[検索日 2024.05.30]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムが実行する仮想通貨取引管理方法であって、
前記コンピュータシステムは、少なくとも1つのプロセッサを含み、
当該仮想通貨取引管理方法は、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、特定の仮想通貨を取引することができる複数の仮想通貨取引所を対象に、仮想通貨取引所別に前記仮想通貨と関連する取引情報を収集する段階、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記取引情報を利用して前記仮想通貨に対する仮想通貨市場の相場を計算する段階、および
前記少なくとも1つのプロセッサにより、特定の仮想通貨取引所で取引されている前記仮想通貨の価格と前記相場とを比較して
前記仮想通貨に対するサーキットブレーカを発動させる段階
を含む、仮想通貨取引管理方法。
【請求項2】
前記収集する段階は、
前記仮想通貨の価格情報が含まれた前記取引情報を、該当の仮想通貨取引所、または前記仮想通貨取引所の少なくとも価格情報を提供する取引情報提供サイトから収集し、
前記
相場を計算する段階は、
前記複数の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の
前記価格情報を利用して前記相場を計算すること
を特徴とする、請求項1に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項3】
前記収集する段階は、
前記仮想通貨の価格情報が含まれた前記取引情報を、該当の仮想通貨取引所、または前記仮想通貨取引所の少なくとも価格情報を提供する取引情報提供サイトから収集し、
前記
相場を計算する段階は、
前記仮想通貨取引所別に前記取引情報を利用して取引所信頼点数を計算する段階、
前記取引所信頼点数を基準として前記複数の仮想通貨取引所のうちから少なくとも一部の仮想通貨取引所を選別する段階、および
前記選別された仮想通貨取引所の前記仮想通貨の
前記価格情報を利用して前記相場を計算する段階
を含む、請求項1に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項4】
前記取引所信頼点数を計算する段階は、
前記仮想通貨取引所のユーザ数、前記仮想通貨の仮想通貨取引量全体に対する前記仮想通貨の前記仮想通貨取引所の取引量の割合、ハッキング発生回数、障害発生回数、ライセンスの取得有無、前記仮想通貨取引所の仮想通貨取引サービスの提供期間のうちの2つ以上の要素を利用して前記取引所信頼点数を計算すること
を特徴とする、請求項
3に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項5】
前記選別する段階は、
前記複数の仮想通貨取引所のうちから、前記取引所信頼点数が高い上位の一定件数の仮想通貨取引所を選別するか、前記取引所信頼点数が一定レベル以上の仮想通貨取引所を選別すること
を特徴とする、請求項
3に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項6】
前記
相場を計算する段階は、
前記選別された仮想通貨取引所の前記仮想通貨の
前記価格情報を利用し、前記仮想通貨に対する前記仮想通貨市場の相場情報として平均価格、最低価格、および最大価格を計算すること
を特徴とする、請求項3に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項7】
前記発動させる段階は、
前記特定の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格が前記相場を基準に一定範囲を逸脱する場合に、前記サーキットブレーカを発動させること
を特徴とする、請求項1に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項8】
前記
相場を計算する段階は、
一定の時間間隔ごとに前記仮想通貨に対する前記相場を計算すること
を特徴とし、
前記発動させる段階は、
特定の時間区間に収集された前記特定の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格が、前記特定の時間区間以前の時間区間に計算された前記仮想通貨に対する前記相場を基準に一定範囲を逸脱する場合に、前記サーキットブレーカを発動させること
を特徴とする、請求項
7に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項9】
互いに異なる政策が設定された複数のサーキットブレーカモードを含み、
前記発動させる段階は、
前記仮想通貨の価格が前記一定範囲を逸脱する状況が繰り返し発生する場合に、前記複数のサーキットブレーカモードを順に発動させること
を特徴とする、請求項
7に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項10】
互いに異なる政策が設定された複数のサーキットブレーカモードを含み、
前記発動させる段階は、
前記特定の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格と前記相場との差に基づき、前記複数のサーキットブレーカモードのうちからいずれか1つのサーキットブレーカモードを選択してサーキットブレーカを発動させること
を特徴とする、請求項
7に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項11】
前記特定の仮想通貨取引所において、前記特定の仮想通貨は、複数の市場仮想通貨として取引され、
前記仮想通貨と関連する取引情報は、前記複数の市場仮想通貨のうちのいずれか1つの市場仮想通貨と前記特定の仮想通貨とのペアに対して収集されること
を特徴とする、請求項1に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、特定の仮想通貨取引所と連関し、
前記収集する段階は、
前記特定の仮想通貨取引所とは異なる前記複数の仮想通貨取引所を対象に、前記取引情報を収集すること
を特徴とする、請求項1に記載の仮想通貨取引管理方法。
【請求項13】
請求項1~
12のうちのいずれか一項に記載の仮想通貨取引管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されている、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
コンピュータシステムであって、
メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
特定の仮想通貨を取引することができる複数の仮想通貨取引所を対象に、仮想通貨取引所別に前記仮想通貨と関連する取引情報を収集する取引情報収集部、
前記取引情報を利用して前記仮想通貨に対する仮想通貨市場の相場を計算する相場計算部、および
特定の仮想通貨取引所で取引されている前記仮想通貨の価格と前記相場とを比較して前記仮想通貨に対するサーキットブレーカを発動させるサーキットブレーカ発動部
を備える、コンピュータシステム。
【請求項15】
前記取引情報収集部は、
前記仮想通貨の価格情報が含まれた前記取引情報を、該当の仮想通貨取引所、または前記仮想通貨取引所の少なくとも価格情報を提供する取引情報提供サイトから収集し、
前記相場計算部は、
前記仮想通貨取引所別に前記取引情報を利用して取引所信頼点数を計算し、
前記取引所信頼点数を基準として前記複数の仮想通貨取引所のうちから少なくとも一部の仮想通貨取引所を選別し、
前記選別された仮想通貨取引所の前記仮想通貨の
前記価格情報を利用して前記相場を計算すること
を特徴とする、請求項
14に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記取引情報収集部は、
前記仮想通貨の価格情報が含まれた前記取引情報を、該当の仮想通貨取引所、または前記仮想通貨取引所の少なくとも価格情報を提供する取引情報提供サイトから収集し、
前記相場計算部は、
前記複数の仮想通貨取引所のうちから少なくとも一部の仮想通貨取引所を選別した後、前記選別された仮想通貨取引所の前記仮想通貨の
前記価格情報を利用し、前記仮想通貨に対する前記仮想通貨市場の相場情報として平均価格、最低価格、および最大価格を計算すること
を特徴とする、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記サーキットブレーカ発動部は、
前記特定の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格が前記相場を基準に一定範囲を逸脱する場合に、前記サーキットブレーカを発動させること
を特徴とする、請求項
14に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
互いに異なる政策が設定された複数のサーキットブレーカモードを含み、
前記サーキットブレーカ発動部は、
前記仮想通貨の価格が前記一定範囲を逸脱する状況が繰り返し発生する場合に、前記複数のサーキットブレーカモードを順に発動させること
を特徴とする、請求項
17に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
互いに異なる政策が設定された複数のサーキットブレーカモードを含み、
前記サーキットブレーカ発動部は、
前記特定の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格と前記相場との差に基づき、前記複数のサーキットブレーカモードのうちからいずれか1つのサーキットブレーカモードを選択してサーキットブレーカを発動させること
を特徴とする、請求項
17に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、仮想通貨取引を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の暗号化技術の登場に伴い、暗号化技術を基盤とする仮想通貨(cryptocurrency)に高い関心が寄せられている。
【0003】
代表的な仮想通貨であるビットコイン(bitcoin:BTC)をはじめ、イーサリアム(ethereum:ETH)、ライトコイン(litecoin:LTC)、ダッシュ(dash)などが仮想通貨市場を主導している。
【0004】
このような仮想通貨は、政府や中央銀行が発行する一般の貨幣とは異なり、最初の考案者が定めた規則によって価値が付けられ、ブロックチェーン技術に基づいて流通がなされる。
【0005】
一例として、特許文献1(公開日2019年3月8日)には、ブロックチェーンを有する仮想通貨の取引用トランザクション情報を検証するサーバによって取引を認証し、検証サーバの認証可否に従って取引を確定する方式により、URLに提供される個人キーを利用して仮想通貨を取引する技術が開示されている。
【0006】
しかし、仮想通貨取引所には、他の仮想通貨取引所との相場に差が生じる場合に、ユーザの資産を保護するための安全装置が設けられていないという実情がある。
【0007】
仮想通貨取引所は、中央で呼値を管理する構造ではなく、それぞれの仮想通貨取引所で呼値および相場を操作し、仮想通貨取引市場で形成されている相場とは別に運営がなされる。言い換えれば、仮想通貨取引所ごとに呼値や相場が形成されるため、特定の仮想通貨取引所だけで価格が急増/急落する状況が起こるようになる。
【0008】
このような特徴により、仮想通貨取引所で取引しているユーザに被害が起こらないように事前に備えたり防いだりすることが難しく、仮想通貨取引所で物量を確保して他の取引所に販売するなどの差益取引が発生することもあり、結果的には、仮想通貨取引所を利用するユーザが莫大な金銭的被害を受けるようになる危険がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0024601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
複数の異なる仮想通貨取引所の相場をモニタリングし、仮想通貨取引所の相場の急変を感知する。
【0011】
仮想通貨取引所の相場をモニタリングし、相場の推移によってサーキットブレーカを発動させることができる方法およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
コンピュータシステムが実行する仮想通貨取引管理方法であって、前記コンピュータシステムは、少なくとも1つのプロセッサを含み、当該仮想通貨取引管理方法は、前記少なくとも1つのプロセッサにより、特定の仮想通貨を取引する複数の仮想通貨取引所を対象に、仮想通貨取引所別に前記仮想通貨と関連する取引情報を収集する段階、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記取引情報を利用して前記仮想通貨に対する仮想通貨市場の相場を計算する段階、および前記少なくとも1つのプロセッサにより、特定の仮想通貨取引所で取引されている前記仮想通貨の価格と前記相場とを比較して前記仮想通貨に対するサーキットブレーカを発動させる段階を含む、仮想通貨取引管理方法を提供する。
【0013】
一側面によると、前記計算する段階は、前記複数の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格情報を利用して前記相場を計算してよい。
【0014】
他の側面によると、前記計算する段階は、前記複数の仮想通貨取引所のうちから少なくとも一部の仮想通貨取引所を選別した後、前記選別された仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格情報を利用して前記相場を計算してよい。
【0015】
また他の側面によると、前記計算する段階は、前記仮想通貨取引所別に前記取引情報を利用して取引所信頼点数を計算する段階、前記取引所信頼点数を基準として前記複数の仮想通貨取引所のうちから少なくとも一部の仮想通貨取引所を選別する段階、および前記選別された仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格情報を利用して前記相場を計算する段階を含んでよい。
【0016】
また他の側面によると、前記取引所信頼点数を計算する段階は、前記仮想通貨取引所のユーザ数、前記仮想通貨の仮想通貨取引量全体に対する前記仮想通貨の前記仮想通貨取引所の取引量の割合、ハッキング発生回数、障害発生回数、ライセンス取得有無、前記仮想通貨取引所の仮想通貨取引サービスの提供期間のうちの2つ以上の要素を利用して前記取引所信頼点数を計算してよい。
【0017】
また他の側面によると、前記選別する段階は、前記複数の仮想通貨取引所のうちから、前記取引所信頼点数が高い上位一定件数の仮想通貨取引所を選別するか、前記取引所信頼点数が一定レベル以上である仮想通貨取引所を選別してよい。
【0018】
また他の側面によると、前記計算する段階は、前記選別された仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格情報を利用し、前記仮想通貨の前記仮想通貨市場の相場情報として平均価格、最低価格、および最大価格を計算してよい。
【0019】
また他の側面によると、前記発動させる段階は、前記特定の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格が前記相場を基準に一定範囲を逸脱する場合に、前記サーキットブレーカを発動させてよい。
【0020】
また他の側面によると、前記計算する段階は、一定時間ごとに前記仮想通貨の前記相場を計算し、前記発動させる段階は、特定の時間区間に収集された前記特定の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格が、前記特定の時間区間以前の時間区間に計算された前記仮想通貨の前記相場を基準に一定範囲を逸脱する場合に、前記サーキットブレーカを発動させてよい。
【0021】
また他の側面によると、互いに異なる政策が設定された複数のサーキットブレーカモードを含み、前記発動させる段階は、前記仮想通貨の価格が前記一定範囲を逸脱する状況が繰り返し発生する場合に、前記複数のサーキットブレーカモードを順に発動させてよい。
【0022】
また他の側面によると、互いに異なる政策が設定された複数のサーキットブレーカモードを含み、前記発動させる段階は、前記特定の仮想通貨取引所の前記仮想通貨の価格と前記相場との差に応じ、前記複数のサーキットブレーカモードのうちから1つのサーキットブレーカモードを選択してサーキットブレーカを発動させてよい。
【0023】
また他の側面によると、前記特定の仮想通貨取引所において、前記特定の仮想通貨は複数の市場仮想通貨として取引され、前記仮想通貨と関連する取引情報は、前記複数の市場仮想通貨のうちの1つの市場仮想通貨と前記特定の仮想通貨とのペアに対して収集されてよい。
【0024】
さらに他の側面によると、当該仮想通貨取引管理方法は、特定の仮想通貨取引所と連関する前記コンピュータシステムによって実行され、前記収集する段階は、前記特定の仮想通貨取引所とは異なる前記複数の仮想通貨取引所を対象として前記取引情報を収集してよい。
【0025】
前記仮想通貨取引管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されている、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0026】
コンピュータシステムであって、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、特定の仮想通貨を取引する複数の仮想通貨取引所を対象に、仮想通貨取引所別に前記仮想通貨と関連する取引情報を収集する取引情報収集部、前記取引情報を利用して前記仮想通貨に対する仮想通貨市場の相場を計算する相場計算部、および特定の仮想通貨取引所で取引されている前記仮想通貨の価格と前記相場とを比較して前記仮想通貨に対するサーキットブレーカを発動させるサーキットブレーカ発動部を備える、コンピュータシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態における、仮想通貨取引を管理するためのモニタリングサービス環境の例を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムの内部構成の一例を説明するためのブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムのプロセッサが含むことのできる構成要素の例を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムが実行することのできる仮想通貨取引管理方法の例を示したフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態における、仮想通貨取引所別の取引情報テーブルの例を示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態における、仮想通貨相場を計算する方法の一例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態における、取引所信頼点数を計算する方式の一例を説明するための例示図である。
【
図8】本発明の一実施形態における、仮想通貨別の相場情報テーブルの例示を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
本発明の実施形態は、仮想通貨取引を管理する技術に関する。
【0030】
本明細書で具体的に開示される事項を含む実施形態は、仮想通貨取引所で取引される仮想通貨の相場をモニタリングし、相場の推移によってサーキットブレーカを発動させることができ、これによって仮想通貨市場で安全装置の役割を果たすことができ、ユーザ被害を最小化させることができる。
【0031】
以下では、仮想通貨取引所のサーキットブレーカを発動させる方法およびシステムの具体的な実施形態について説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態における、仮想通貨取引を管理するためのモニタリングサービス環境の例を示した図である。
【0033】
図1を参照すると、本発明に係る仮想通貨取引管理システム100は、仮想通貨取引所(例えば、Exchange#1、Exchange#2、Exchange#3、・・・、Exchange#N)をモニタリングするサービスプラットフォームの役割を行う。
【0034】
仮想通貨取引管理システム100は、仮想通貨取引所で取引されている仮想通貨の相場をモニタリングし、相場に差が発生した場合にサーキットブレーカを発動させる機能を提供する。
【0035】
一例として、仮想通貨取引管理システム100は、仮想通貨取引所側のサーバシステムと統合された1つのシステムの形態で実現され、該当の仮想通貨取引所に対するモニタリングサービスを提供してよい。このとき、仮想通貨取引管理システム100は、独立に動作するプログラム形態で実現されてもよいし、特定のアプリケーションのイン-アプリ(in-app)形態で構成され、その特定のアプリケーション上で動作可能であるように実現されてもよい。
【0036】
他の例として、仮想通貨取引管理システム100は、中央サーバの形態で実現され、複数の仮想通貨取引所側のサーバシステムとの連動によって複数の仮想通貨取引所に対してモニタリングサービスを提供してよい。
【0037】
上述した仮想通貨取引管理システム100は、仮想通貨市場で仮想通貨が急騰落する際に、ユーザの資産を保護する安全装置の役割を果たすことができる。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムの例を示したブロック図である。例えば、本発明の実施形態に係る仮想通貨取引管理システム100は、
図2に示したコンピュータシステム200によって実現されてよい。
【0039】
図2に示すように、コンピュータシステム200は、本発明の実施形態に係る仮想通貨取引管理方法を実行するための構成要素として、メモリ210、プロセッサ220、通信インタフェース230、および入力/出力インタフェース240を含んでよい。
【0040】
メモリ210は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、およびディスクドライブのような永続的大容量記録装置を含んでよい。ここで、ROMやディスクドライブのような永続的大容量記録装置は、メモリ210とは区分される別の永続的記録装置としてコンピュータシステム200に含まれてよい。また、メモリ210には、オペレーティングシステムと、少なくとも1つのプログラムコードが記録されてよい。このようなソフトウェア構成要素は、メモリ210とは別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリ210にロードされてよい。このような別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フロッピー(登録商標)ドライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでよい。他の実施形態において、ソフトウェア構成要素は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ではない通信インタフェース230を通じてメモリ210にロードされてもよい。例えば、ソフトウェア構成要素は、ネットワーク260を介して受信されるファイルによってインストールされるコンピュータプログラムに基づいてコンピュータシステム200のメモリ210にロードされてよい。
【0041】
プロセッサ220は、基本的な算術、ロジック、および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成されてよい。命令は、メモリ210または通信インタフェース230によって、プロセッサ220に提供されてよい。例えば、プロセッサ220は、メモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードに従って受信される命令を実行するように構成されてよい。
【0042】
通信インタフェース230は、ネットワーク260を介してコンピュータシステム200が他の装置と互いに通信するための機能を提供してよい。一例として、コンピュータシステム200のプロセッサ220がメモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードに従って生成した要求や命令、データ、ファイルなどが、通信インタフェース230の制御に従ってネットワーク260を介して他の装置に伝達されてよい。これとは逆に、他の装置からの信号や命令、データファイルなどが、ネットワーク260を経てコンピュータシステム200の通信インタフェース230を通じてコンピュータシステム200に受信されてよい。通信インタフェース230を通じて受信された信号や命令、データなどは、プロセッサ220やメモリ210に伝達されてよく、ファイルなどは、コンピュータシステム200がさらに含むことのできる記録媒体(上述した永続的記録装置)に記録されてよい。
【0043】
通信方式が限定されることはなく、ネットワーク260が含むことのできる通信網(一例として、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網)を利用する通信方式だけではなく、機器間の近距離有線/無線通信が含まれてもよい。例えば、ネットワーク260は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含んでよい。さらに、ネットワーク260は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリーまたは階層的ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されることはない。
【0044】
入力/出力インタフェース240は、入力/出力装置250とのインタフェースのための手段であってよい。例えば、入力装置は、マイク、キーボード、またはマウスなどの装置を、出力装置は、ディスプレイやスピーカのような装置を含んでよい。他の例として、入力/出力インタフェース240は、タッチスクリーンのように入力と出力のための機能が1つに統合された装置とのインタフェースのための手段であってもよい。入力/出力装置250は、コンピュータシステム200と1つの装置で構成されてもよい。
【0045】
また、他の実施形態において、コンピュータシステム200は、
図2の構成要素よりも少ないか多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術的構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、コンピュータシステム200は、上述した入力/出力装置250のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、トランシーバやデータベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムのプロセッサが含むことのできる構成要素およびデータベースの例を示した図であり、
図4は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムが実行することのできる仮想通貨取引管理方法の一例を示したフローチャートである。
【0047】
図3示すように、プロセッサ220は、仮想通貨取引管理方法を実行するための構成要素として、取引情報収集部310、相場計算部320、およびサーキットブレーカ発動部330を備えてよい。実施形態によれば、プロセッサ220の構成要素は、選択的にプロセッサ220に含まれても除外されてもよい。また、実施形態によれば、プロセッサ220の構成要素は、プロセッサ220の機能の表現のために分離されても併合されてもよい。
【0048】
プロセッサ220は、仮想通貨取引を管理するためのモニタリングサービスを提供するにあたり、関連情報をデータベースに記録して維持してよい。このようなデータベースは、
図3に示すように、取引情報DB301、相場情報DB302、および政策情報DB303を含んでよく、メモリ210とは区分される別の記録装置としてコンピュータシステム200に含まれてもよいし、コンピュータシステム200と連動可能な個別のシステムで構成されてもよい。
【0049】
このようなプロセッサ220およびプロセッサ220の構成要素は、
図4の仮想通貨取引管理方法が含む段階410~段階440を実行するようにコンピュータシステム200を制御してよい。例えば、プロセッサ220およびプロセッサ220の構成要素は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードと、少なくとも1つのプログラムのコードとによる命令(instruction)を実行するように実現されてよい。ここで、少なくとも1つのプログラムコードは、仮想通貨取引管理方法を処理するために実現されたプログラムのコードに対応してよい。
【0050】
プロセッサ220の構成要素は、少なくとも1つのプログラムコードによって提供される制御命令にしたがってプロセッサ220によって実行される、互いに異なる機能(different functions)の表現であってよい。例えば、プロセッサ220が各仮想通貨取引所の取引情報を収集するようにコンピュータシステム200を制御するために動作する機能的表現として、取引情報収集部310が使用されてよい。
【0051】
以下の仮想通貨取引管理方法は、図に示した順に発生しなくてもよく、段階の一部が省略されても、追加の過程がさらに含まれてもよい。
【0052】
段階410において、プロセッサ220は、コンピュータシステム200の制御と関連する命令がロードされたメモリ210から必要な命令を読み取ってよい。この場合、前記読み取られた命令は、以下で説明する段階420~段階440をプロセッサ220が実行するように制御するための命令を含んでよい。
【0053】
段階420において、取引情報収集部310は、仮想通貨取引所別に、該当の仮想通貨取引所で取引された仮想通貨の取引情報を収集してよい。このとき、取引情報は、仮想通貨取引所で単位期間(例えば、30分)内に取引された仮想通貨の取引量と価格情報を含んでよい。価格情報とは、仮想通貨取引所で取引されている仮想通貨の価格であって、単位期間内に取引された仮想通貨の価格に変動がある場合は平均価格を意味してよい。本発明に係る仮想通貨取引管理方法は、特定の仮想通貨取引所と連関するコンピュータシステム200によって実行されてよく、このとき、取引情報収集部310は、特定の仮想通貨取引所とは異なる複数の仮想通貨取引所を対象として仮想通貨の取引情報を収集してよい。一例として、取引情報収集部310は、各仮想通貨取引所と直接連動し、該当の仮想通貨取引所から仮想通貨取引情報を収集してよい。他の例として、取引情報収集部310は、仮想通貨取引所の取引量と価格情報を提供する取引情報提供サイトとの連動により、仮想通貨取引所別の仮想通貨取引情報を収集してよい。
【0054】
取引情報収集部310は、各仮想通貨取引所や取引情報提供サイトから収集した仮想通貨取引所別の取引情報を取引情報DB301に記録して管理してよい。
【0055】
図5は、本発明の一実施形態における、取引情報DB301に記録された取引情報テーブル500を示した図である。
【0056】
図5を参照すると、取引情報テーブル500には、収集対象となる仮想通貨取引所(Exchange#1、Exchange#2、Exchange#3、・・・、Exchange#N)別に、現在取引がなされている仮想通貨の価格、取引量、仮想通貨取引量全体に対する取引率が含まれてよい。
【0057】
この他にも、各仮想通貨取引所のハッキング事故回数、障害発生回数、仮想通貨取引サービスの提供期間などが取引情報に含まれ、取引情報テーブル500で管理されてよい。
【0058】
取引情報収集部310は、仮想通貨の種類別に、例えば、BTC、ETH、LTC、dashなどのようなそれぞれの仮想通貨に対し、仮想通貨を取引することのできる複数の仮想通貨取引所を対象に、仮想通貨取引所別に、該当の仮想通貨に関する取引情報を収集して取引情報テーブル500を構築してよい。特定の仮想通貨取引所で取引される特定の仮想通貨(取引仮想通貨:Trading cryptocurrency;Trading coin)は、複数の市場仮想通貨(Market cryptocurrency;Market coin)として取引されてよく、仮想通貨に関する取引情報は、複数の市場仮想通貨のうちのいずれか1つの市場仮想通貨と特定の仮想通貨とのペア(pair)に対して収集されてよい。
【0059】
再び
図4を参照すると、段階430において、相場計算部320は、仮想通貨取引所別の取引情報を利用して仮想通貨市場全体の仮想通貨の相場を計算してよい。一例として、相場計算部320は、収集対象に含まれたすべての仮想通貨取引所の価格情報を平均し、仮想通貨平均価格を仮想通貨市場全体の相場として決定してよい。他の例として、相場計算部320は、仮想通貨市場から信頼度のある仮想通貨取引所を選別した後、選別された仮想通貨取引所の価格情報だけを平均し、これを仮想通貨市場全体の相場として決定してよい。また他の例として、相場計算部320は、取引情報テーブル500に記録された仮想通貨取引所別の取引情報(ハッキング事故回数、障害発生回数、仮想通貨取引サービスの提供期間など)に基づいて仮想通貨取引所別の加重値を計算し、各仮想通貨取引所の価格情報および加重値を利用して仮想通貨市場全体の相場を決定してよい。
【0060】
図6は、本発明の一実施形態における、仮想通貨相場を計算する方法の一例を示したフローチャートである。
【0061】
段階601において、相場計算部320は、仮想通貨取引所別の取引情報を利用して取引所信頼点数を計算してよい。一例として、相場計算部320は、仮想通貨取引所の認知度要素と信用度要素とに基づいて取引所信頼点数を計算してよい。このとき、認知度要素は、仮想通貨市場全体で仮想通貨取引所が占める取引量の割合(仮想通貨の取引量全体に対する、仮想通貨取引所の取引量の割合)や、加入ユーザ数などを含んでよく、信用度要素は、ハッキングの発生有無、障害の発生有無、ライセンスの取得有無、仮想通貨取引サービスの提供期間などを含んでよい。相場計算部320は、認知度要素と信用度要素のうちの少なくとも1つの点数を合算する方式によって取引所信頼点数を計算してよい。このとき、認知度要素と信用度要素それぞれに対して互いに異なる加重値を反映してよい。
【0062】
図7は、本発明の一実施形態における、取引所信頼点数を計算する方式の一例を説明するための例示図である。
図7は、仮想通貨取引所別の取引所信頼点数テーブル700を示している。
【0063】
一例として、相場計算部320は、ハッキング事故回数、障害発生回数、仮想通貨取引サービスの提供期間、取引量の割合に基づいて取引所信頼点数を計算してよい。例えば、ハッキング事故回数に対する点数は、20点を満点とし、ハッキング事故が1回発生するたびに-10点となる方式で決定されてよく、障害発生回数に対する点数は、10点を満点とし、障害が1回発生するたびに-0.5点となる方式で決定されてよい。また、仮想通貨取引サービスの提供期間に対する点数は、月単位で計算され、36点を満点とし、該当の期間に加重値0.5を掛ける方式で決定されてよい。取引量の割合に対する点数は、仮想通貨取引所全体で取引された取引量に対して特定の仮想通貨取引所が占める取引量の比重(%)であり、加重値2を掛ける方式で決定されてよい。相場計算部320は、ハッキング事故回数による点数、障害発生回数による点数、仮想通貨取引サービスの提供期間による点数、取引量の割合による点数をすべて合算して取引所信頼点数を計算してよい。
【0064】
上述した取引所信頼点数計算方式は、例示的なものに過ぎず、これに限定されることはなく、認知度要素と信用度要素のうちの少なくとも1つを反映することのできる算出方式であれば、すべて適用可能である。
【0065】
再び
図6において、段階602において、相場計算部320は、取引所信頼点数を基準とし、取引情報収集対象に含まれる仮想通貨取引所のうちの2つ以上の仮想通貨取引所を、仮想通貨市場において信頼度のある仮想通貨取引所として選別してよい。一例として、相場計算部320は、取引所信頼点数を基準として取引所信頼点数が高い上位の一定件数(例えば、10件)の仮想通貨取引所を選別してよい。他の例として、相場計算部320は、取引所信頼点数が事前に定められた一定レベル以上の仮想通貨取引所を選別してよい。言い換えれば、取引所信頼点数が一定レベル未満の仮想通貨取引所は、仮想通貨市場の相場に反映しないため、相場計算過程から除外してよい。また他の例として、相場計算部320は、取引情報収集対象に含まれる仮想通貨取引所の一部またはすべての仮想通貨取引所を選別し、選別された仮想通貨取引所の取引所信頼点数に基づいて仮想通貨取引所別の加重値を計算してよい。
【0066】
段階603において、相場計算部320は、段階602において選別された仮想通貨取引所の価格情報を利用して仮想通貨相場を計算してよい。このとき、相場計算部320は、信頼度のある仮想通貨取引所を選別した後、選別された仮想通貨取引所の価格情報を平均した平均価格を仮想通貨市場の相場として決定してよい。また他の例として、相場計算部320は、選別された仮想通貨取引所の加重値および価格情報を利用して仮想通貨市場の相場を計算してよい。
【0067】
図8は、本発明の一実施形態における、仮想通貨別の相場情報テーブル800を示している。
【0068】
図8を参照すると、相場計算部320は、取引所信頼点数によって選別した仮想通貨取引所を対象に、各仮想通貨取引所で取引されている仮想通貨の価格を利用し、仮想通貨市場の相場情報として平均価格(AVG)、最低価格(MIN)、最大価格(MAX)を計算してよい。
【0069】
相場計算部320は、市場仮想通貨(Market cryptocurrency;Market coin)と取引仮想通貨(Trading cryptocurrency;Trading coin)とのペア(pair)別に、例えば、BTC-XRP、ETH-BCHなどのように、または仮想通貨の種類別に、例えば、BTC、ETH、LTC、dashなどのそれぞれの仮想通貨に対して相場情報を計算して相場情報テーブル800を構築してよい。
【0070】
また、相場計算部320は、定められた時間を周期とした一定時間間隔ごとに仮想通貨の相場情報を計算して時間区間別の相場情報を構築してよい。
【0071】
相場計算部320は、上述した段階601~段階603によって構築された仮想通貨取引所別の取引所信頼点数テーブル700と仮想通貨相場情報テーブル800とを、相場情報DB302で維持して管理してよい。
【0072】
したがって、相場計算部320は、取引所信頼点数を仮想通貨取引所の加重値として使用し、仮想通貨市場から信頼度のある一部の仮想通貨取引所を選別した後、選別された仮想通貨取引所の価格情報を利用して仮想通貨市場の相場を求めることができる。
【0073】
再び
図4を参照すると、段階440において、サーキットブレーカ発動部330は、仮想通貨取引所で取引されている仮想通貨の価格が、仮想通貨市場の相場を基準に一定範囲を逸脱する場合、該当の仮想通貨取引所に対してサーキットブレーカを発動させてよい。サーキットブレーカ発動部330は、仮想通貨取引所で取引されている仮想通貨の価格と仮想通貨市場の相場とを比較した比較結果に基づき、サーキットブレーカの発動可否を決定してよい。このとき、サーキットブレーカの発動基準となる一定範囲は、仮想通貨市場の相場情報として計算された最低価格と最大価格によって設定されてよく、一例として、最低価格と最大価格を含む範囲が設定されてよい。例えば、サーキットブレーカ発動部330は、特定の仮想通貨取引所の仮想通貨価格が、相場の一定範囲を逸脱する幅以上に急落する場合に、サーキットブレーカモードを発動させてよい。
【0074】
サーキットブレーカ発動部330は、仮想通貨取引所で取引されている仮想通貨の価格をモニタリングし、相場情報DB302に記録された仮想通貨相場情報テーブル800を基準に相場と一定以上の差が生じた場合に、該当の仮想通貨取引所に対してサーキットブレーカを発動させてよい。
【0075】
サーキットブレーカ発動部330は、一定の時間間隔で計算された仮想通貨相場情報を基準とし、特定の時間区間に収集された仮想通貨取引所の仮想通貨の価格が以前の時間区間に計算された相場を基準に一定範囲を逸脱する場合(急騰落状況)に、該当の仮想通貨取引所に対してサーキットブレーカを発動させてよい。
【0076】
サーキットブレーカモードは、政策に基づいて個別に管理されて設定されてよく、サーキットブレーカに関する政策情報は、政策情報DB303で管理されてよい。
【0077】
サーキットブレーカに関する政策情報は、各仮想通貨取引所に対して互いに異なる政策が個別に設定されてもよいし、複数の仮想通貨取引所に対して同じ政策が一括設定されてもよい。
【0078】
サーキットブレーカモードは、単一呼値を提供する第1モード、仮想通貨の取引締結速度を遅延させる第2モード、仮想通貨の取引を一時中断させる第3モードなどの多様な政策の設定が可能である。
【0079】
一例として、サーキットブレーカ発動部330は、仮想通貨の取引価格が相場範囲を逸脱する場合、第1モード、第2モード、第3モードのうちの予め設定されたいずれか1つのモードに従ってサーキットブレーカを発動させてよい。
【0080】
他の例として、サーキットブレーカ発動部330は、単位期間中の仮想通貨の価格が相場範囲を逸脱する状況が繰り返し発生する場合、第1モード、第2モード、第3モードを順に発動させてよい。例えば、仮想通貨の価格が相場範囲を逸脱する状況が初めて感知されたときには第1モードを発動させ、以後にも同じ状況が再感知されれば、第2モード、第3モードを順に発動させてよい。
【0081】
また他の例として、サーキットブレーカ発動部330は、仮想通貨の取引価格が相場範囲を逸脱した程度に応じて第1モード、第2モード、第3モードからいずれか1つのモードを選択し、サーキットブレーカを発動させてよい。例えば、サーキットブレーカ発動部330は、相場の差が事前に設定された第1レベル以下である場合には第1モードを発動させ、第1レベルよりも大きい第2レベル以下の場合には第2モードを発動させ、第2レベルを超える場合には第3モードを発動させてよい。
【0082】
したがって、サーキットブレーカ発動部330は、仮想通貨取引所で取引されている仮想通貨の価格が仮想通貨市場全体の相場から一定範囲以上を逸脱する場合、すなわち、信頼度があると判断される他の仮想通貨取引所で取引されている仮想通貨の価格と一定以上の差が生じる場合に、該当の仮想通貨に対してサーキットブレーカモードを発動させることにより、安定したサービスを提供することができる。
【0083】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0084】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、コンピュータ記録媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0085】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。このとき、媒体は、コンピュータ実行可能なプログラムを継続して記録するものであっても、実行またはダウンロードのために一時記録するものであってもよい。また、媒体は、単一または複数のハードウェアが結合した形態の多様な記録手段または格納手段であってよく、あるコンピュータシステムに直接接続する媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散して存在するものであってもよい。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令が記録されるように構成されたものであってよい。また、媒体の他の例として、アプリケーションを配布するアプリケーションストアやその他の多様なソフトウェアを供給または配布するサイト、サーバなどで管理する記録媒体または格納媒体が挙げられる。
【0086】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって代替されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0087】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0088】
220:プロセッサ
301:取引情報DB
302:相場情報DB
303:政策情報DB
310:取引情報収集部
320:相場計算部
330:サーキットブレーカ発動部