(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】部材固定機構、被固定部材装置及びベッド装置
(51)【国際特許分類】
A47C 19/00 20060101AFI20240813BHJP
A47C 19/02 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A47C19/00 B
A47C19/02 A
(21)【出願番号】P 2020153929
(22)【出願日】2020-09-14
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2019170621
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】永野 豊
(72)【発明者】
【氏名】野口 二郎
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-015938(JP,U)
【文献】実開平05-078222(JP,U)
【文献】特表2012-510322(JP,A)
【文献】特開2003-038301(JP,A)
【文献】特開2017-225760(JP,A)
【文献】特開平07-327778(JP,A)
【文献】登録実用新案第3042540(JP,U)
【文献】特開2017-046850(JP,A)
【文献】特開2001-104099(JP,A)
【文献】特開平08-135622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/00 - A47C 23/34
A61G 1/00 - A61G 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け部と、
前記受け部に第1方向に沿って差し込まれるバー部と、
を備え、
前記バー部は、前記第1方向に向かうほど、少なくとも前記第1方向に直交する第2方向において前記バー部の厚さ
が薄くなる部分を含み、
前記受け部と前記バー部とは、第1位置と、第2位置と、第3位置において接触し、
前記バー部から見て、前記第1位置と前記第2位置は前記第2方向の同じ側に位置し、
前記バー部から見て、前記第3位置は前記第1位置及び前記第2位置とは前記第2方向の反対側に位置し、
前記第3位置は前記薄くなる部分に位置する部材固定機構。
【請求項2】
前記第1方向において、前記第3位置は前記第1位置と前記第2位置との間に位置する請求項1に記載の部材固定機構。
【請求項3】
前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置の少なくとも1つにおいて、前記受け部及び前記バー部のうち少なくとも一方に、凸形状の部分が存在する請求項1に記載の部材固定機構。
【請求項4】
前記凸形状の部分は、凹部に隣接した非凹部である請求項3に記載の部材固定機構。
【請求項5】
前記第1位置、前記第2位置、及び、前記第3位置には、それぞれ凸形状の部分が存在する請求項1に記載の部材固定機構。
【請求項6】
前記凸形状の部分は、いずれも前記バー部に設けられている請求項5に記載の部材固定機構。
【請求項7】
2つの前記凸形状の部分は前記バー部に設けられており、1つの前記凸形状の部分は前記受け部に設けられている請求項5に記載の部材固定機構。
【請求項8】
1つの前記凸形状の部分は前記バー部に設けられており、2つの前記凸形状の部分は前記受け部に設けられている請求項5に記載の部材固定機構。
【請求項9】
前記凸形状の部分は、いずれも前記受け部に設けられている請求項5に記載の部材固定機構。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載の部材固定機構と、
前記バー部が接続された構造部品と、
を備えた、被固定部材装置。
【請求項11】
前記
構造部品の形状は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向、並びに、前記第1方向に沿って拡がるボード状であり、
前記バー部は2本設けられており、
前記2本のバー部は前記第3方向に沿って配列されている、
請求項10に記載の被固定部材装置。
【請求項12】
請求項
11に記載の被固定部材装置と、
前記受け部が固定されるフレームと、
を備えたベッド装置。
【請求項13】
前記第1方向は重力の方向であり、
前記第2方向は前記フレームの長手方向であり、
前記第3方向は前記フレームの短手方向である
請求項12に記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、部材固定機構、被固定部材装置及びベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ベッドなどに取り付けられた受け部に、ボードなどの部材装置を着脱可能に固定することが行われる。部材装置を安定して固定することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、より安定して固定できる部材固定機構、被固定部材装置及びベッド装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る部材固定機構は、受け部と、前記受け部に第1方向に沿って差し込まれるバー部と、を備える。前記バー部は、前記第1方向に向かうほど前記バー部の厚さが薄くなる部分を含む。前記薄くなる部分は、少なくとも第2方向において薄くなる。前記第2方向は前記第1方向に直交する方向である。前記受け部と前記バー部とは、第1位置と、第2位置と、第3位置において接触する。前記バー部から見て、前記第1位置と前記第2位置は前記第2方向の同じ側に位置する。前記バー部から見て、前記第3位置は前記第1位置及び前記第2位置とは前記第2方向の反対側に位置する。前記第3位置は前記薄くなる部分に位置する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、より安定して固定できる部材固定機構、被固定部材装置及びベッド装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る部材固定機構が用いられるベッド装置を例示する模式的斜視図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構が用いられる被固定部材装置を例示する模式的斜視図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(c)は、第1実施形態に係る部材固定機構の一部を例示する模式図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構の一部を例示する模式図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構の一部を例示する模式図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構の一部を例示する模式図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的透過側面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的斜視図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図18】
図18は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
【
図20】
図20は、第1実施形態に係る固定部材機構を簡略化して示す図である。
【
図21】
図21は、凸形状の配置が相互に異なる複数の固定部材機構を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものである。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る部材固定機構が用いられるベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図1に示すように、実施形態に係る部材固定機構130を含む被固定部材装置150は、例えば、ベッド装置310に用いられる。例えば、被固定部材装置150は、構造部品15を含む。この例では、構造部品15は、ヘッドボード15A及びフットボード15Bの少なくともいずれかを含む。以下では、構造部品15が、ヘッドボード15Aを含む場合について説明する。
【0010】
ベッド装置310は、部材固定機構130を含む被固定部材装置150と、フレーム70Fと、を含む。例えば、フレーム70Fに、部材固定機構130の一部が固定される。
【0011】
この例では、ベースフレーム70BFにフレーム70Fが設けられる。例えば、ベースフレーム70BFを基準にして、フレーム70Fの高さが変更可能でも良い。
【0012】
例えば、フレーム70Fは、短フレーム70Fa及び長フレーム70Fbを含む。短フレーム70Faは、ベッド装置310の左右方向に延びる。長フレーム70Fbは、ベッド装置310の長手方向に延びる。
【0013】
長フレーム70Fbの延びる方向をX軸方向とする。X軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。Y軸方向は、例えば、左右方向である。Z軸方向は、例えば、高さ方向である。
【0014】
例えば、2つの短フレーム70Fa、及び、2つの長フレーム70Fbが設けられる。2つの短フレーム70Faの1つにヘッドボード15Aが設けられる。2つの短フレーム70Faの別の1つにフットボード15Bが設けられる。2つの短フレーム70Faは、2つの長フレーム70Fbに固定される。ヘッドボード15A及びフットボード15Bの形状は、それぞれ、Y方向及びZ方向に沿って拡がるボード状である。
【0015】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構が用いられる被固定部材装置を例示する模式的斜視図である。
被固定部材装置150は、部材固定機構130及び構造部品15(この例では、ヘッドボード15A)を含む。
図2(a)は、部材固定機構130により、構造部品15が、フレーム70Fに固定されている状態を例示している。
図2(b)は、構造部品15が、フレーム70Fから離れている状態を例示している。
【0016】
このように、部材固定機構130は、例えば、構造部品15をフレーム70Fに着脱可能に固定できる。
【0017】
この例では、部材固定機構130は、部材装置11M及び受け部21を含む。部材装置11Mの一部は、構造部品15に固定される。受け部21は、例えば、フレーム70Fに固定される。部材装置11Mは、受け部21と着脱可能である。これにより、部材装置11Mが固定された構造部品15(例えば、ヘッドボード15A)が、受け部21が固定されたフレーム70Fと着脱可能に接続可能である。
【0018】
この例では、複数の部材装置、及び、複数の受け部が設けられる。複数の部材装置の1つである部材装置11Mは、複数の受け部の1つである受け部21と着脱可能に接続可能である。複数の部材装置の別の1つである部材装置11Aは、複数の受け部の別の1つである受け部21Aと着脱可能に接続可能である。複数の部材装置、及び、複数の受け部が設けられることで、より安定した接続が可能である。
【0019】
図1に示すように、部材固定機構130の受け部21は、カバー16などにより覆われても良い。
図2(a)及び
図2(b)、並びに、以下の図では、カバー16を除去した状態を例示している。
【0020】
以下では、部材装置11M及び受け部21について説明する。部材装置11A及び受け部21Aには、部材装置11M及び受け部21の構成が適用できる。
【0021】
図3(a)~
図3(c)は、第1実施形態に係る部材固定機構の一部を例示する模式図である。
図3(a)は、斜視図である。
図3(b)は、側面図である。
図3(c)は、裏面の斜視図である。
【0022】
図3(a)~
図3(c)に示すように、部材装置11Mは、バー部11を含む。バー部11は、第1部分11e及び第2部分11fを含む。第1部分11eは、例えば、バー部11の下側の端部である。第2部分11fは、例えば、バー部11の上側の端部である(
図8参照)。構造部品15に、第2部分11fが接続される(
図8参照)。構造部品15は、部材装置11Mに含まれると見なされても良い。このように、部材装置11Mは、バー部11と、バー部11の第2部分11fが接続された構造部品15を含んでも良い。1つの構造部品15に接続された2本のバー部は、Y方向、すなわち、ベッド装置310のフレーム70Fの短手方向に沿って並設されている。
【0023】
図3(a)~
図3(c)に示すように、バー部11は、第1面11a及び第2面11bを含む。第2面11bは、第1面11aと反対である。第1面11a及び第2面11bは第2部分11fと第1部分11eとの間にある。
【0024】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、第2面11bは、傾斜面11cを含む。傾斜面11cは、第2部分11fから第1部分11eへの向きに進むに従って、傾斜面11cと第1面11aとの間の距離d11が短くなるように、第1面11aに対して傾斜する。距離d11は、ベッド装置310のフレーム70Fの長手方向の長さである。第2部分11fから第1部分11eへの向きは第1方向D1に対応する。第2部分11fから第1部分11eへの第1方向D1は、例えば、-Z方向に対応する。
【0025】
図3(a)に示すように、この例では、バー部11は、第2面11bに設けられた第2面凹部11dを含む。第2面凹部11dは、傾斜面11cと第1部分11eとの間にある。後述するように、第2面凹部11dに、受け部21の部品(後述する回動部21R)の一部が入ることが可能である。
【0026】
図3(b)に示すように、この例では、第1面11aは、第1領域R1及び第2領域R2を含む。第2部分11fから第1部分11eへの第1方向D1における傾斜面11cの位置は、第1方向D1における第1領域R1の位置と、第1方向D1における第2領域R2の位置と、の間にある。この例では、第1面11aは、第3領域R3をさらに含む。第1方向D1における第3領域R3の位置は、第1方向D1における第1領域R1の位置と、第1方向D1における第2領域R2の位置と、の間にある。
【0027】
この例では、第1面11aに第1面凹部11qaが設けられている。第1面凹部11qaは、周囲の領域(後述の第1非凹部11qb及び第2非凹部11qc)よりも、第1面11a全体で、後退している。すなわち、第1面11aは、第1面凹部11qaと、第1非凹部11qbと、第2非凹部11qcと、を含む。例えば、第1方向D1(例えば-Z方向)における第1面凹部11qaの位置は、第1方向における第1非凹部11qbの位置と、第1方向における第2非凹部11qcの位置と、の間にある。例えば、第1方向D1において、第1面凹部11qaは、第1非凹部11qbと第2非凹部11qcとの間にある。第1部分11eと第2部分11fとの間に、第1面凹部11qaがある。この例では、第1部分11eと第1面凹部11qaとの間に、第2非凹部11qcがある。この例では、第2部分11fと第1面凹部11qaとの間に、第1非凹部11qbがある。
【0028】
例えば、第1面凹部11qaから傾斜面11cへの方向は、第1方向D1と交差する第2方向(例えばX軸方向)に沿う。第1非凹部11qbから傾斜面11cへの方向は、第2方向と交差する。第2非凹部11qcから傾斜面11cへの方向は、第2方向と交差する。例えば、第1面凹部11qaから傾斜面11cへの方向は、第1方向D1に対して垂直である。第1非凹部11qbから傾斜面11cへの方向、及び、第2非凹部11qcから傾斜面11cへの方向は、第1方向D1bに対して傾斜する。
【0029】
例えば、第1面凹部11qaは、第3領域R3の少なくとも一部に対応する。第1非凹部11qbは、第1領域R1の少なくとも一部に対応する。第2非凹部11qcは、第2領域R2の少なくとも一部に対応する。
【0030】
この例では、バー部11は、第2面11bに設けられた第2面凸部11pを含む。第2面凸部11pは、第2部分11fと傾斜面11cとの間にある。すなわち、第2面凸部11pは、傾斜面11cよりも上方にある。第2面凸部11pは、傾斜面11cと連続しても良い。例えば、傾斜部11cは、第2面凸部11pと第1部分11eとの間にある。
【0031】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構の一部を例示する模式図である。
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構の一部を例示する模式図である。
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)及び
図5(b)は、受け部21を例示している。
図4(a)は側面図である。
図4(b)は、斜視図である。
図5(a)は、受け部21の一部を例示する斜視図である。
図5(b)は、受け部21の一部を例示する側面図である。
【0032】
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、受け部21は、構造体21S、支持部21P及び回動部21Rを含む。構造体21Sは、例えば、フレーム70F(例えば、短フレーム70Fa)に固定される。支持部21Pは、例えば、ピンである。
【0033】
図4(b)に示すように、構造体21Sは、受け部面21Fを有する(
図7(a)及び
図7(b)参照)。
図4(b)に示すように、この例では、構造体21Sは、第1片部21Sa、第2片部21Sb及び第3片部21Scを含む。第1片部21Sa及び第2片部21Sbは、例えば、Z-X平面に沿っている。第3片部21Scは、Z-Y平面に沿っている。第3片部21Scは、第1片部21Saの一端、及び、第2片部21Sbの一端と連続する。例えば、1つの板(例えば金属板)が折り曲げられることで、第1片部21Sa、第2片部21Sb及び第3片部21Scが形成できる。
【0034】
第3片部21Scの内側面の少なくとも一部が、受け部面21Fに対応する。第3片部21Scの内側面は、支持部21P及び回動部21Rに対向する。
【0035】
図4(b)に示すように、第3片部21Scに凹部(または孔)が設けられても良い。第3片部21Scの凹部(または孔)は、受け部面21Fの受け部面凹部21Fh(または孔)に対応する。第3片部21Scの凹部の周囲が、受け部面21Fに対応する。第3片部21Scの凹部の上側に、受け部面21Fの一部(上側部分)がある。第3片部21Scの凹部の下側に、受け部面21Fの別の一部(下側部分)がある。
【0036】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、支持部21Pは、構造体21Sに固定される。支持部21PはY軸方向に沿って延びる。例えば、第1片部21Sa及び第2片部21Sbのそれぞれに孔が設けられる。これらの孔を支持部21Pが貫く。これにより、支持部21Pが構造体21Sに固定される。固定のための構造は任意である。
【0037】
回動部21Rは、支持部21Pの周りを回動可能である。回動部21Rは、支持部21Pを軸として回動可能である。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、例えば、回動部21Rに孔21Rhが設けられる。支持部21Pは、孔21Rhを貫く。これにより、回動部21Rは、支持部21Pに支えられつつ、支持部21Pの周りを回動可能である。
【0038】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、この例では、受け部21は、弾性部材28を含む。弾性部材28により、回動部21Rに力が加わる。弾性部材28は、例えば、バネである。
【0039】
図6(a)及び
図6(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構の一部を例示する模式図である。
図6(a)及び
図6(b)は、弾性部材28を例示している。弾性部材28は、一端28a及び他端28bを含む。弾性部材28は、一端28aを含む第1弾性部分28pと、他端28bを含む第2弾性部分28qを含む。
図6(a)及び
図6(b)は、弾性部材28に力が加わっていないときの状態を例示している。
【0040】
一端28a及び他端28bは共にY方向に延びている。第1弾性部分28pにおける一端28aを除く部分、及び、第2弾性部分28qにおける他端28bを除く部分は、XZ平面内を相互に異なる方向に向けてそれぞれ直線状に延び、これらの部分間は所定の角度をなしている。そして、第1弾性部分28pと第2弾性部分28qとの間に、中心軸がY方向に延びるループ部分が設けられている。ループ部分においては、弾性部材28がコイルバネ状に周回している。このループ部分により、第1弾性部分28p及び第2弾性部分28qに、所定の角度を保持するような弾性力が付与される。すなわち、これらの弾性部分が所定の角度よりも広がった状態においては狭まろうとする力が発生し、所定の角度よりも狭まった状態においては広がろうとする力が発生する。
【0041】
図4(a)に示すように、例えば、第1片部21Saに孔21Sah(または凹部)が設けられる。回動部21Rに孔21h(または凹部)が設けられる。孔21Sahに弾性部材28の一端28aが挿入されて固定される。孔21hに弾性部材28の他端28bが挿入されて固定される。弾性部材28が孔21Sah及び孔21hに固定されたときの、第1弾性部分28pと第2弾性部分28qとの間の角度は、弾性部材28に力が加わっていないときの状態における角度(
図6(a)及び
図6(b)参照)よりも小さい。
【0042】
弾性部材28により、回動部21Rに、時計回りの向きの力、または、反時計回りの向きの力が加わる。弾性部材28が回動部21Rに与える力の例については、後述する。
【0043】
例えば、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、回動部21Rは、第1回動部突起21pを含む。第1回動部突起21pは、回動部21Rにおける下側の突起である。第1回動部突起21pは、支持部21Pよりも下にある。
【0044】
例えば、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、回動部21Rは、第2回動部突起21q及び第3回動部突起21rを含んでも良い。第2回動部突起21qは、支持部21Pよりも上方にある。第3回動部突起21rは、支持部21PからみてX軸方向に突出している。例えば、第3回動部突起21rを手動などで操作することで、回動部21Rを回動させることができる。回動部21Rを回動させることで、例えば、後述するロック状態または非ロック状態(例えばロック解除状態)が形成できても良い。後述するように、バー部11が第2回動部突起21qを押すことで、非ロック状態(例えばロック解除状態)が形成できても良い。
【0045】
図7(a)及び
図7(b)は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的透過側面図である。
図7(a)は、受け部21の第1状態ST1に対応する。
図7(b)は、受け部21の第2状態ST2に対応する。第1状態ST1は、例えば、ロック状態に対応する。第2状態ST2は、例えば、非ロック状態、または、ロック解除状態に対応する。第1状態ST1における第3回動部突起21rの高さは、第2状態ST2における第3回動部突起21rの高さよりも低い。例えば、人の操作により、第3回動部突起21rが上方向または下方向に押されることで、第1状態ST1または第2状態ST2が形成できても良い。
【0046】
図7(a)に示すように、受け部21の弾性部材28は、一端28a及び他端28bを含む。一端28aは、構造体21Sの第1固定部分FP1に固定される。この例では、第1固定部分FP1は、第1片部21Saの孔21Sah(または凹部)である。他端28bは、回動部21の第2固定部分FP2に固定される。この例では、第2固定部分FP2は、回動部21Rの孔21h(または凹部)である。
【0047】
図7(a)に示す第1状態ST1において、弾性部材28は、
図6(b)に例示した自然な状態に向けて、延びようとする。これにより、弾性部材28は、
図7(a)における時計周りの向きの力を回動部21Rに加える。
【0048】
図7(b)に示す第2状態ST2において、弾性部材28は、
図6(b)に例示した自然な状態に向けて、延びようとする。これにより、弾性部材28は、
図7(b)における反時計周りの向きの力を回動部21Rに加える。
【0049】
このように、弾性部材28は、第1向きに回動部21Rを回動させる第1状態ST1と、第1向きと逆の第2向きに回動部28を回動させる第2状態ST2と、を有する。
【0050】
図7(a)に示すように、例えば、第1状態ST1においては、第2固定部分FP2は、支持部21Pの中心21Pcと、第1固定部分FP1と、を結ぶ直線LL1と、受け部面21Fとの間にある。この第1状態ST1において、弾性部材28は、第1向き(例えば、時計周り)に回動部21Rを回動させる。
【0051】
図7(b)に示すように、第2状態ST2においては、上記の直線LL1が、第2固定部分FP2と受け部面21Fとの間にある。この第2状態ST2において、弾性部材28は、第1向きと逆の第2向き(例えば反時計回り)に回動部21Rを回動させる。
【0052】
弾性部材28により、第1向きまたは第2向きの力が回動部21Rに加わることで、第1状態ST1または第2状態ST2が安定して得られる。既に説明したように、人の操作により、第1状態ST1または第2状態ST2が切り替えられても良い。
【0053】
既に説明したように、受け部21に、バー部11が着脱可能に取り付けられる。以下、バー部11が受け部21に取り付けられたときの状態の例について説明する。
【0054】
図8は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的斜視図である。
図8に示すように、バー部11の一部が、受け部21の構造体21Sの中に挿入される。これにより、バー部11が受け部21に取り付けられる。バー部11は、受け部面21F及び支持部21Pにより挟まれ、安定して固定される。
【0055】
以下、バー部11が受け部21に取り付けられるときの状態の例について説明する。以下では、まず、受け部21が第1状態ST1である場合について説明する。
【0056】
図9~
図13は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
図9~
図13は、
図8のB1-B2線に対応する断面図である。
図9~
図13は、バー部11を受け部21に固定する操作の例を示している。
【0057】
図9に示すように、バー部11及び受け部21の位置あわせが行われる。
図9の状態においては、バー部11は、受け部21から離れている。この例では、回動部21Rは、ロック状態(第1状態ST1)である。ロック状態において、回動部21Rの第1回動部突起21pと受け部面21Fとの間の距離は、後述する非ロック状態におけるその距離よりも短い。例えば、弾性部材28により、
図9において時計回りの方向の力が回動部21Rに加わることで、ロック状態となる。
【0058】
図10に示すように、バー部11が下方向(重力の方向)に移動する。受け部21の受け部面21Fと支持部21Pとの間の隙間を、バー部11の第1部分11eが通過する。バー部11の第1面11aは、受け部面21Fに沿って下方向に移動でき、安定して垂直に移動できる。
【0059】
例えば、バー部11の第1部分11eが、回動部21Rの第1回動部突起21pに当たる。これにより、第1回動部突起21pが+X方向に押されて、第1回動部突起21pと受け部面21Fとの間の距離が、
図9に例示した状態のときの距離よりも長くなる。
図10の状態では、第1部分11eは、支持部21Pよりも下方にある、傾斜面11cは、支持部21Pよりも上方にある。
【0060】
図11に示すように、バー部11が下方向にさらに移動する。バー部11の第1部分11eが回動部21Rの第1回動部突起21pよりも下になる。
図11の状態では、第1回動部突起21pは、バー部11の第2面凹部11dの外にある。
【0061】
図12に示すように、バー部11が下方向にさらに移動する。第1回動部突起21pが、例えば弾性部材28による時計周りの力により、バー部11の第2面凹部11dの中に入る。これにより、回動部21Rは、ロック状態になる。ロック状態において、バー部11は、受け部21に固定され、抜け難くなる。
【0062】
図13は、ロック状態においてバー部11を抜こうしたときの状態を例示している。
図13に示すように、バー部11を抜くために、バー部11に上方向(+Z方向)の力を印加する。しかしながら、第1回動部突起21pが、バー部11の第2面凹部11dの中に入っている。これにより、第1部分11eが第1回動突起部21pに当接し、上方向への移動を規制される。このため、バー部11は、受け部21に固定され、抜けない。
【0063】
例えば、
図13において、第2回動部突起21qまたは第3回動部突起21rを操作して、回動部21Rを指などで、弾性部材28のバネの力に逆らって反時計回りに回す。これにより、第1回動部突起21pは第1部分11eを乗り越えてバー部11の第2面凹部11dの外に出る。このようなロック解除操作を行うことで、バー部11は、受け部21から抜くことができる。このように、バー部11は、着脱可能に受け部21に接続可能である。
【0064】
このように、バー部11は、第2面11bに設けられた第2面凹部11dを含んでも良い。一方、回動部21Rは、第1回動部突起21pを含んでも良い。受け部21にバー部11が取り付けられたときに、第1回動部突起21pの少なくとも一部が第2面凹部11dのなかに入って、バー部11が受け部21から外れることを抑制できる。例えば、第1領域R1及び第2領域R2が受け部面21Fと接し、傾斜面11cが支持部21Pと接して、受け部21にバー部11が取り付けられる。例えば、受け部21にバー部11が取り付けられたときに、第3領域R3は、受け部面12Fに接しない。
【0065】
図12において、第1面11aの少なくとも一部は、受け部面21Fと接している。傾斜面11cは支持部21Pと接している。この状態で、受け部21にバー部11が取り付けられる。
【0066】
受け部21にバー部11が取り付けられた状態では、第1面11aの上側部分(例えば、第1領域R1)と、受け部面21Fの上側部分と、が接する第1位置、第1面11aの下側部分(例えば、第2領域R2)と、受け部面21Fの下側部分と、が接する第2位置、及び、傾斜面11cと支持部21Pとが接する第3位置で、バー部11は、受け部21に固定される。バー部11が受け部21に、実質的に3つの位置で固定されるので、安定した固定が可能である。
【0067】
実施形態においては、傾斜面11cと支持部21Pとが接する構造が適用されるため、重力により、支持部21Pが傾斜面11cを押す力が生じる。これにより、より安定した固定が可能になる。
【0068】
既に説明したように、
図12に示すように、バー部11に、第1面凹部11qa、第1非凹部11qb及び第2非凹部11qcが設けられても良い。この場合、受け部21にバー部11が取り付けられたときに、第1非凹部11qb及び第2非凹部11qcが、受け部面21Fと接する。第1面凹部11qaは受け部面21Fから離れる。例えば、第1面凹部11qaと受け部面21Fとの間に隙間g1が形成される。この場合、受け部21にバー部11が取り付けられた状態では、第1非凹部11qbと受け部面21Fとが接する第1位置、第2非凹部11qcと受け部面21Fとが接する第2位置、及び、傾斜面11cと支持部21Pとが接する第3位置で、バー部11は、受け部21に固定される。より明確に、3つの位置で、バー部11は、受け部21に固定される。より安定した固定が可能である。
【0069】
図12に示すように、受け部面21Fは、受け部面凹部21Fh(または孔)、第1受け部非凹部21Fa及び第2受け部非凹部21Fbを含んでも良い。第1方向D1(例えば、-Z方向)において、受け部面凹部21Fhは、第1受け部非凹部21Faと、第2受け部非凹部21Fb部と、の間にある。受け部21にバー部11が取り付けられたときに、第1受け部非凹部21Fa及び第2受け部非凹部21Fbが、第1面11aと接する。この場合、受け部21にバー部11が取り付けられた状態では、第1面11aと第1受け部非凹部21Faとが接する第1位置、第1面11aと第2受け部非凹部21Fbとが接する第2位置、及び、傾斜面11cと支持部21Pとが接する第3位置で、バー部11は、受け部21に固定される。より明確に、3つの位置で、バー部11は、受け部21に固定される。より安定した固定が可能である。
【0070】
既に説明したように、受け部21は、弾性部材28をさらに含んでも良い。弾性部材28は、第1回動部突起21pが第2面凹部11dへ向かう向きに回動部21Rを押す状態を有する。これにより、第1回動部突起21pが第2面凹部11dに入りやすくなり、ロック状態が形成されやすい。
【0071】
第1回動部突起21pの少なくとも一部を第2面凹部11dの中から外に取り出すことが可能である。例えば、手動により第2回動部突起21qまたは第3回動部突起21rを操作することで、回動部21Rを回動させる。これにより、第1回動部突起21pの少なくとも一部を第2面凹部11dの外に出して、ロックを解除できる。
【0072】
以下、受け部21が第2状態ST2である場合について説明する。
図14~
図17は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
図14~
図17は、
図8のB1-B2線に対応する断面図である。
図14~
図17は、受け部21が第2状態ST2(例えば、ロック解除状態または非ロック状態)のときにおけるバー部11を受け部21に固定する操作の例を示している。
【0073】
図14に示すように、受け部21の回動部21Rはロック解除状態である。ロック解除状態において、第1回動部突起21pと受け部面21Fとの間の距離(X軸方向に沿う長さ)は、ロック状態(
図12または
図13参照)における第1回動部突起21pと受け部面21Fとの間の距離よりも長い。
図14に例示する状態は、例えば、手動で第3回動部突起21rを操作することなどで得られる。
図14に例示する第2状態ST2において、例えば、弾性部材28による力により、回動部21Rは、
図14における反時計回りの力を受けている。
【0074】
例えば、バー部11及び受け部21の位置あわせの後に、
図14に示すように、バー部11が下方向(重力の方向)に移動し、バー部11の第1部分11e(例えば下端)が受け部面21Fと回動部21Rとの間に入る。
【0075】
図15に示すように、バー部11が下方向にさらに移動する。例えば、バー部11の第1部分11eは、支持部21Pよりも下になる。回動部21Rの第2回動部突起21qが、バー部11の第2面凸部11pに接触する。第2回動部突起21qが第2面凸部11pに押される。これにより、第2回動部突起21qが、
図15において時計回りの力を受け、回動部21Rが時計回りに回動する。これにより、受け部21(例えば、弾性部材28)は、第2状態ST2から第1状態ST1に移行する。このように、バー部11により、回動部21Rが押されて、第2状態ST2から第1状態ST1に移行しても良い。
【0076】
図16に示すように、バー部11が下方向にさらに移動する。第2回動部突起21qが第2面凸部11pにさらに押される。これにより、第2回動部突起21qが、
図16において時計回りの力をうけ、回動部21Rが時計回りにさらに回動する。
【0077】
図17に示すように、バー部11が下方向にさらに移動する。第2回動部突起21qが第2面凸部11pを越える。これにより、回動部21Rはロック状態に向けて移行する。バー部11が下方向にさらに移動すると、
図11に例示した状態になり、さらに、
図12に例示した状態になる。
図12に関して説明したように、第1回動部突起21pが、バー部11の第2面凹部11dの中に入り、ロック状態が形成される。
【0078】
このように、最初の状態が
図14に例示したロック解除状態(非ロック状態)のときにも、第2回動部突起21qが第2面凸部11pに押されることで、回動部21Rが回動し、ロック状態に移行できる。
【0079】
例えば、第2回動部突起21qは、支持部21Pからみて、第1回動部突起21pと逆の位置にある。例えば、第2回動部突起21qから支持部21Pへの向きは、第1回動部突起21pから支持部21Pへの向きと逆向きの成分を有する。例えば、第1回動部突起21pと第2回動突起1qとの間に支持部21Pの少なくとも一部がある。
【0080】
受け部21にバー部11が取り付けられるときに、第2面凸部11pは、第2回動部突起21qを押して、第1回動部突起21pがバー部11に近づく向きに回動部21Rを回動させる。このような構造により、最初の状態がロック解除状態(非ロック状態)のときにも、回動部21Rが回動し、ロック状態に移行できる。
【0081】
複数の部材装置を着脱可能に固定する場合、製造公差を考慮して、複数の部材装置の間にクリアランスが設けられる。クリアランスにより、部材装置を固定した状態においても、複数の部材装置どうしが動く場合がある。
【0082】
実施形態においては、棒部材(例えばバー部11)に傾斜面11cが設けられ、傾斜面11cが受け部材(例えば受け部21)の支持部21Pに接するまで、棒部材を受け部材中に入れる。裏面側(第1面11aの側)では、棒部材の面と、受け部材の面と、が接する。このような構造により、2つの部材は、3つの位置(点)で接する。これにより、クリアランスを小さく、または、無くすことができる。例えば、バー部11の第1面11aが、第1面凹部11qa、第1非凹部11qb及び第2非凹部11qcを含み、第2面11bが傾斜面11cを含むことで、2つの部材は、3つの位置(点)で接することが容易になる。
【0083】
図18は、第1実施形態に係る部材固定機構を例示する模式的断面図である。
図18に示すように、実施形態に係る部材固定機構131も、部材装置11M及び受け部21を含む。部材固定機構131においても、部材装置11Mは、バー部11を含む。部材固定機構131においては、バー部11の第1面11aに凹部が設けられていない。この場合、受け部面21Fは、受け部面凹部21Fh(または孔)、第1受け部非凹部21Fa及び第2受け部非凹部21Fbを含んでも良い。第1方向D1(例えば、-Z方向)において、受け部面凹部21Fhは、第1受け部非凹部21Faと、第2受け部非凹部21Fb部と、の間にある。受け部21にバー部11が取り付けられたときに、第1受け部非凹部21Fa及び第2受け部非凹部21Fbが、第1面11aと接する。2つの部材は、3つの位置(点または線)で接する。これにより、クリアランスを小さく、または、無くすことができる。例えば、3つの線で2つの部材が接すると、より安定する。
【0084】
実施形態において、棒部材を受け部材に入れる方向は、例えば、重力の方向である。棒部材を受け部材に入れる方向は、水平方向でも良い。
【0085】
実施形態によれば、2つの部材装置の固定のための作業は、棒部材を受け部材に入れるだけで良く、簡単である。2つの部材装置どうしの動きが実質的になくなるので、安全性または品位などが向上する。
【0086】
実施形態において、オートロック抜け止め構造が設けられても良い。実施形態において、マニュアルロックが設けられても良い。これにより、例えば、被固定部材装置150またはベッド装置310などを搬送する際などに、棒部材が受け部材から抜けることが抑制できる。
【0087】
実施形態において、受け部面21Fの表面は、樹脂表面であることが好ましい。バー部11の第1面11aは、樹脂表面であることが好ましい。これにより、面接触部分における表面の損傷が抑制できる。一方、傾斜面11cの表面は、メッキ表面であることが好ましい。支持部21Pの表面は、メッキ表面であることが好ましい。これにより、小さい面積で互いに接触する傾斜面11c及び支持部21Pにおいて、高い強度による安定した接触が得られる。
【0088】
(第2実施形態)
第2実施形態は、被固定部材装置150に係る。被固定部材装置150は、例えば、第1実施形態に係る部材固定機構130と、構造部品15と、を含む。構造部品15に、部材固定機構130に含まれるバー部11の第2部分11fが接続される。構造部品15は、例えば、ヘッドボード15Aまたはフットボード15Bである。構造部品15は、例えば、サイドレールなどを含んでも良い。構造部品15は、例えば、ベッド装置310に含まれる任意の部品で良い。
【0089】
構造部品15は、ベッド以外の任意の装置に含まれる部品でも良い。構造部品15として、例えば、パーティション、医療用スタンド、または、家具などの任意の装置に含まれる部品が適用されても良い。
【0090】
(第3実施形態)
第3実施形態は、ベッド装置310に係る。
図19は、第3実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図19に示すように、ベッド装置310は、第2実施形態に係る被固定部材装置150と、フレーム70Fと、を含む。既に説明したように、フレーム70Fに、受け部21が固定される。
図19に示すように、ベッド装置310において、フレーム70Fの上に、背ボトム70a、腰ボトム70b、膝ボトム70c及び足ボトム70dなどが設けられても良い。
【0091】
(第4実施形態)
第4実施形態においては、第1実施形態に係る部材固定機構130を、バー部11と受け部21との接触位置に着目して抽象化した上で、部材固定機構130とは異なる種々のバリエーションについて説明する。
【0092】
図20は、第1実施形態に係る固定部材機構130を簡略化して示す図である。
図12及び
図20に示すように、部材固定機構130は部材装置11M及び受け部21を含む。ロック状態において、部材装置11Mのバー部11は受け部21に3点で支持されている。すなわち、バー部11の第1面11aの第1非凹部11qbと受け部21の受け部面21Fとが接する第1位置P1、バー部11の第1面11aの第2非凹部11qcと受け部21の受け部面21Fとが接する第2位置P2、及び、バー部11の傾斜面11cと受け部21の支持部21pとが接する第3位置P3において、バー部11は受け部21に支持される。バー部11の先端に向かう方向、すなわち、第1方向D1において、第3位置P3は第1位置P1と第2位置P2との間に位置することが好ましい。
【0093】
また、部材装置11Mのバー部11には、傾斜面11cのように、バー部11の先端に向かうほど、バー部11の厚さが薄くなる部分が存在する。この場合のバー部11の厚さは、ベッド装置310のフレーム70Fの長手方向、すなわち、X方向の厚さである。そして、第3位置P3は傾斜面11c上に位置している。このようにすることで、バー部11を受け部21に差し込んだときに、バー部11が受け部21に所定量以上進入することを規制しつつ、バー部11を両側から挟み、且つ、がたつきも抑えることができる。これにより、受け部21はバー部11を安定的に固定することができる。なお、「バー部11の先端に向かうほどバー部11の厚さが薄くなる部分」とは、バー部11における傾斜面11cの反対面も含む。
【0094】
第1実施形態に係る固定部材機構130を、バー部11と受け部21との接触位置に着目して抽象化すると、以下のように表現することができる。
固定部材機構130では、バー部11と受け部21とは、第1位置P1、第2位置P2及び第3位置P3の3点で接触する。第1位置P1及び第2位置P2は、バー部11から見て同じ側に位置する。第2位置P2は第1位置P1よりもバー部11の先端側に位置する。第3位置P3は、バー部11から見て、第1位置P1及び第2位置P2とは反対側に位置する。また、バー部11には、先端に向かうほどバー部11の厚さが薄くなる部分が存在する。
【0095】
そして、第1位置P1、第2位置P2及び第3位置P3のそれぞれにおいては、バー部11と受け部21が接触するために、何らかの凸形状が形成されている。なお、「凸形状」には、凹部に隣接した非凹部も含む。第1実施形態に係る固定部材機構130では、第1位置P1においては、接触するための凸形状は第1非凹部11qbである。第2位置P2においては、接触するための凸形状は第2非凹部11qcである。すなわち、第1位置P1及び第2位置P2においては、凸形状はバー部11に設けられている。一方、第3位置P3においては、接触するための凸形状は支持部21pである。すなわち、第3位置P3においては、凸形状が受け部21に設けられている。
【0096】
しかしながら、接触するための凸形状の配置は第1実施形態の例には限定されない。このような凹部は、バー部11に設けられていてもよく、受け部21に設けられていてもよい。すなわち、3つの凸形状の全てがバー部11に設けられていてもよく、2つの凸形状がバー部11に設けられ1つの凸形状が受け部21に設けられていてもよく、1つの凸形状がバー部11に設けられ2つの凸形状が受け部21に設けられていてもよく、3つの凸形状の全てが受け部21に設けられていてもよい。
【0097】
以下、凸形状の配置のバリエーションについて説明する。
図21は、凸形状の配置が相互に異なる複数の固定部材機構を模式的に示す図である。
図21においては、バー部11に設けられた凸形状を黒い半円で表し、受け部21に設けられた凸形状を白い半円で表している。
【0098】
図21に示すように、固定部材機構501は、3つの凸形状が全てバー部11に設けられた例である。すなわち、固定部材機構501においては、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3の全てにおいて、凸形状はバー11に設けられている。
【0099】
固定部材機構502、503、504は、2つの凸形状がバー部11に設けられており、1つの凸形状が受け部21に設けられた例である。固定部材機構502においては、第1位置P1及び第2位置P2において、凸形状がバー部11に設けられており、第3位置P3において、凸形状が受け部21に設けられている。固定部材機構502の凸形状の配置パターンは、第1実施形態に係る固定部材機構130と同じである。固定部材機構503においては、第1位置P1及び第3位置P3において、凸形状がバー部11に設けられており、第2位置P2において、凸形状が受け部21に設けられている。固定部材機構504においては、第2位置P2及び第3位置P3において、凸形状がバー部11に設けられており、第1位置P1において、凸形状が受け部21に設けられている。
【0100】
固定部材機構505、506、507は、1つの凸形状がバー部11に設けられており、2つの凸形状が受け部21に設けられた例である。固定部材機構505においては、第1位置P1において、凸形状がバー部11に設けられており、第2位置P2及び第3位置P3において、凸形状が受け部21に設けられている。固定部材機構506においては、第2位置P2において、凸形状がバー部11に設けられており、第1位置P1及び第3位置P3において、凸形状が受け部21に設けられている。固定部材機構507においては、第3位置P3において、凸形状がバー部11に設けられており、第1位置P1及び第2位置P2において、凸形状が受け部21に設けられている。
【0101】
固定部材機構508は、3つの凸形状が全て受け部21に設けられた例である。すなわち、固定部材機構508においては、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3の全てにおいて、凸形状は受け部21に設けられている。
【0102】
このように、凸形状の配置は種々のバリエーションを取り得る。第1位置P1、第2位置P2及び第3位置P2の少なくとも1つにおいて、受け部21及びバー部11のうち少なくとも一方に、凸形状の部分が存在すればよい。上述したいずれの配置であっても、受け部21はバー部11を3つの位置で支持し、安定して固定することができる。
【0103】
実施形態によれば、より安定して固定できる部材固定機構、被固定部材装置及びベッド装置が提供できる。
【0104】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、部材固定機構、被固定部材装置及びベッド装置に含まれる部材装置、バー部、受け部及びフレームなどの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0105】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0106】
その他、本発明の実施形態として上述した部材装置、部材固定機構、被固定部材装置及びベッド装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての部材装置、部材固定機構、被固定部材装置及びベッド装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0107】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0109】
(付記)
本発明は、以下の構成も含む。
【0110】
(構成1)
第1部分及び第2部分を含むバー部を備え、
前記バー部は、第1面と、前記第1面と反対の第2面と、を含み、
前記第1面及び前記第2面は前記第2部分と前記第1部分との間にあり、
前記第1面は、第1面凹部、第1非凹部及び第2非凹部を含み、
前記第2部分から前記第1部分への第1方向における前記第1面凹部の位置は、前記第1方向における前記第1非凹部の位置と、前記第1方向における前記第2非凹部の位置と、の間にあり、
前記第2面は、傾斜面を含み、
前記第1面凹部から前記傾斜面への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第1非凹部から前記傾斜面への方向は、前記第2方向と交差し、
前記第2非凹部から前記傾斜面への方向は、前記第2方向と交差する、部材装置。
【0111】
(構成2)
前記第1面凹部の前記第1方向に沿う長さは、前記傾斜面の前記第1方向に沿う長さよりも長い、構成1記載の部材装置。
【0112】
(構成3)
前記傾斜面は、前記第2部分から前記第1部分へ向かうに従って、前記傾斜面と前記第1面との間の距離が短くなるように、前記第1面に対して傾斜した、構成1または2に記載の部材装置。
【0113】
(構成4)
前記第2部分が接続された構造部品をさらに備えた、構成1~3のいずれか1つに記載の部材装置。
【0114】
(構成5)
第1部分及び第2部分を含むバー部を含む部材装置と、
前記バー部が着脱可能に取り付けられる受け部と、
を備え、
前記バー部は、第1面と、前記第1面と反対の第2面と、を含み、
前記第1面及び前記第2面は前記第2部分と前記第1部分との間にあり、
前記第2面は、傾斜面を含み、
前記受け部は、
受け部面を含む構造体と、
前記構造体に固定された支持部と、
前記支持部の周りを回動可能な回動部と、
を含み、
前記第1面は、第1領域及び第2領域を含み、
前記第2部分から前記第1部分への第1方向における前記傾斜面の位置は、前記第1方向における前記第1領域の位置と、前記第1方向における前記第2領域の位置と、の間にあり、
前記第1領域及び前記第2領域が前記受け部面と接し、前記傾斜面が前記支持部と接して、前記受け部に前記バー部が取り付けられる、部材固定機構。
【0115】
(構成6)
前記第1面は、第3領域をさらに含み、
前記第1方向における前記第3領域の位置は、前記第1方向における前記第1領域の前記位置と、前記第1方向における前記第2領域の前記位置と、の間にあり、
前記受け部に前記バー部が取り付けられたときに、前記第3領域は、前記受け部面に接しない、構成5記載の、部材固定機構。
【0116】
(構成7)
前記傾斜面は、前記第2部分から前記第1部分へ向かうに従って、前記傾斜面と前記第1面との間の距離が短くなるように、前記第1面に対して傾斜した、構成5または6に記載の部材固定機構。
【0117】
(構成8)
前記第1面は、第1面凹部と、第1非凹部と、第2非凹部と、を含み、前記第1方向における前記第1面凹部の位置は、前記第1方向における前記第1非凹部の位置と、前記第1方向における前記第2非凹部の位置と、の間にあり、
前記受け部に前記バー部が取り付けられたときに、前記第1非凹部及び前記第2非凹部が、前記受け部面と接する、構成5~7のいずれか1つ記載の部材固定機構。
【0118】
(構成9)
前記受け部面は、受け部面凹部と、第1受け部非凹部と、第2受け部非凹部と、を含み、前記第1方向において、前記受け部面凹部は、前記第1受け部非凹部と、前記第2受け部非凹部と、の間にあり、
前記受け部に前記バー部が取り付けられたときに、前記第1受け部非凹部及び前記第2受け部非凹部が、前記第1面と接する、構成5~7のいずれか1つに記載の部材固定機構。
【0119】
(構成10)
前記バー部は、前記第2面に設けられた第2面凹部を含み、
前記第2面凹部は、前記傾斜面と前記第1部分との間にあり、
前記回動部は、第1回動部突起を含み、
前記受け部に前記バー部が取り付けられたときに、前記第1回動部突起の少なくとも一部が前記第2面凹部のなかに入って、前記バー部が前記受け部から外れることを抑制する、構成5~9のいずれか1つに記載の部材固定機構。
【0120】
(構成11)
前記受け部は、弾性部材をさらに含み、
前記弾性部材は、一端及び他端を含み、
前記一端は、前記構造体の第1固定部分に固定され、
前記他端は、前記回動部の第2固定部分に固定され、
前記第2固定部分が、前記支持部の中心と前記第1固定部分とを結ぶ直線と、前記受け部面との間にある第1状態において、前記弾性部材は、第1向きに前記回動部を回動させ、
前記直線が、前記第2固定部分と前記受け部面との間にある第2状態において、前記弾性部材は、前記第1向きと逆の第2向きに前記回動部を回動させる、構成5~10のいずれか1つに記載の部材固定機構。
【0121】
(構成12)
前記バー部は、前記第2面に設けられた第2面凸部を含み、
前記第2面凸部は、前記第2部分と前記傾斜面との間にあり、
前記回動部は、第2回動部突起を含み、
前記第1回動部突起と前記第2回動突起との間に前記支持部の少なくとも一部があり、
前記受け部に前記バー部が取り付けられるときに、前記第2面凸部は、前記第2回動部突起を押して、前記第1回動部突起が前記バー部に近づく向きに前記回動部を回動させる、構成5~11のいずれか1つに記載の部材固定機構。
【符号の説明】
【0122】
11…バー部、 11A、11M…部材装置、 11a…第1面、 11b…第2面、 11c…傾斜面、 11d…第2面凹部、 11e…第1部分、 11f…第2部分、 11p…第2面凸部、 11qa…第1面凹部、 11qb…第1非凹部、 11qc…第2非凹部、 15…構造部品、 15A…ヘッドボード、 15B…フットボード、 16…カバー、 21、21A…受け部、 21F…受け部面、 21Fa…第1受け部非凹部、 21Fb…第2受け部非凹部、 21Fh…受け部面凹部、 21P…支持部、 21Pc…中心、 21R…回動部、 21Rh…孔、 21S…構造体、 21Sa…第1片部、 21Sah…孔、 21Sb…第2片部、 21Sc…第3片部、 21h…孔、 21p~21r…第1~第3回動部突起、 28…弾性部材、 28a…一端、 28b…他端、 28p、28q…第1、第2弾性部分、 70BF…ベースフレーム、 70F…フレーム、 70Fa…短フレーム、 70Fb…長フレーム、 130、131…部材固定機構、 150…被固定部材装置、 310…ベッド装置、 501、502、503、504、505、506、507、508…部材固定機構、 D1…第1方向、 FP1、FP2…第1、第2固定部分、 LL1…直線、 d11…距離、 g1…隙間、 P1…第1位置、 P2…第2位置、 P3…第3位置