(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】クリーニング装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240813BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240813BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
G03G21/00 318
G03G21/16 147
G03G15/16
G03G21/16 104
(21)【出願番号】P 2020155022
(22)【出願日】2020-09-15
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169155
【氏名又は名称】倉橋 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075638
【氏名又は名称】倉橋 暎
(72)【発明者】
【氏名】飯嶋 剛治
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-152342(JP,A)
【文献】特開2001-228775(JP,A)
【文献】特開平03-251887(JP,A)
【文献】特開2013-152341(JP,A)
【文献】特開2013-228519(JP,A)
【文献】特開2006-317594(JP,A)
【文献】特開平09-171334(JP,A)
【文献】特開平11-231688(JP,A)
【文献】特開2016-109744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/02
13/14-13/16
15/02
15/14-15/16
21/00
21/04
21/10-21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体の表面に当接して前記回転体の表面からトナーを除去するクリーニングブレードであって、前記回転体の表面の移動方向と略直交する幅方向と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、前記長手方向及び前記短手方向と略直交する厚さ方向に所定の厚さを有する板状の弾性体で形成されたクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードを支持する支持部材であって、前記長手方向及び前記短手方向と略平行な面に沿って前記長手方向に延在する第1の部分と、前記長手方向に関する前記第1の部分の両端部側にそれぞれ設けられ、前記厚さ方向に関して前記第1の部分よりも前記回転体側に突出するように延在する第2の部分と、を備え、前記クリーニングブレードが、前記短手方向に関して前記第1の部分よりも前記回転体側に突出するように、前記第1の部分の前記厚さ方向に関する前記回転体側の側面に固定されている支持部材と、
前記長手方向と略平行、かつ、前記第2の部分を通る回動軸線の周りを回動可能なように前記支持部材を保持するハウジングと、
前記支持部材と前記ハウジングとの間に配置され前記支持部材を加圧して前記回転体に対して前記クリーニングブレードを加圧する加圧部材と、
を有し、
前記ハウジングは、前記支持部材が回動可能なように前記ハウジングに保持され、前記クリーニングブレードが前記回転体に当接させられていない状態で、前記加圧部材により加圧された前記支持部材と当接して前記支持部材の回動を規制する規制部を有し、
前記短手方向において、前記回動軸線の位置は、前記加圧部材よりも前記回転体から遠い位置に設けられ、
前記規制部は、前記長手方向に関する前記第1の部分の両端部側で、それぞれ前記第1の部分の前記短手方向に関する前記回転体側の端部と当接し、
前記短手方向に関して、前記規制部と前記支持部材とが当接する当接位置と、前記加圧部材が前記支持部材を加圧する加圧位置と、の間の距離よりも、前記当接位置と前記回動軸線の位置との間の距離の方が大きいことを特徴とす
るクリーニング装置。
【請求項2】
回転体の表面に当接して前記回転体の表面からトナーを除去するクリーニングブレードであって、前記回転体の表面の移動方向と略直交する幅方向と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、前記長手方向及び前記短手方向と略直交する厚さ方向に所定の厚さを有する板状の弾性体で形成されたクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードを支持する支持部材であって、前記長手方向及び前記短手方向と略平行な面に沿って前記長手方向に延在する第1の部分と、前記長手方向に関する前記第1の部分の両端部側にそれぞれ設けられ、前記厚さ方向に関して前記第1の部分よりも前記回転体側に突出するように延在する第2の部分と、を備え、前記クリーニングブレードが、前記短手方向に関して前記第1の部分よりも前記回転体側に突出するように、前記第1の部分の前記厚さ方向に関する前記回転体側の側面に固定されている支持部材と、
前記長手方向と略平行、かつ、前記第2の部分を通る回動軸線の周りを回動可能なように前記支持部材を保持するハウジングと、
前記支持部材と前記ハウジングとの間に配置され前記支持部材を加圧して前記回転体に対して前記クリーニングブレードを加圧する加圧部材と、
を有し、
前記ハウジングは、前記支持部材が回動可能なように前記ハウジングに保持され、前記クリーニングブレードが前記回転体に当接させられていない状態で、前記加圧部材により加圧された前記支持部材と当接して前記支持部材の回動を規制する規制部を有し、
前記短手方向において、前記回動軸線の位置は、前記加圧部材よりも前記回転体から遠い位置に設けられ、
前記規制部は、前記長手方向に関する前記第1の部分の両端部側で、それぞれ前記第1の部分の前記短手方向に関する前記回転体側の端部と当接し、
前記短手方向に関して、前記加圧部材が前記支持部材を加圧する加圧位置は、前記規制部と前記支持部材とが当接する当接位置と、前記回動軸線の位置と、の間に位置することを特徴とす
るクリーニング装置。
【請求項3】
前記短手方向に関して、前記当接位置と前記加圧位置との間の距離の方が、前記加圧位置と前記回動軸線の位置との間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項
2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記加圧部材は、前記第1の部分の前記クリーニングブレードが固定されている側面とは反対側の側面に当接することを特徴とする請求項
3に記載のクリーニング装置。
【請求項5】
前記加圧部材は、少なくとも前記長手方向に関する前記クリーニングブレードの両端部側に対応する前記支持部材を加圧することを特徴とする請求項
4に記載のクリーニング装置。
【請求項6】
前記規制部は、前記支持部材を前記ハウジングにおける所定の位置に配置する際に前記支持部材に当接して前記支持部材の移動をガイドすることが可能であることを特徴とする請求項
5に記載のクリーニング装置。
【請求項7】
前記長手方向に沿って見たとき、前記回動軸線の位置は、前記支持部材を前記厚さ方向に沿って前記回転体側に投影した領域内、かつ、前記回転体を構成する円筒状部
材を前記短手方向に沿って前記支持部材側に投影した領域内に位置することを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項8】
前記クリーニングブレードにおいて、前記回転体に当接する稜線を含む面のうち前記厚さ方向に延在する面をカット面とし、前記厚さ方向と略直交する面をエア面としたとき、前記規制部は、前記第1の部分の前記短手方向に関する前記回転体側の端部の、前記カット面と略平行な面と、前記エア面と略平行な面のうち前記クリーニングブレードから遠い側の面と、が交わる稜線に当接することを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項9】
前記クリーニングブレードが前記回転体に当接させられて前記加圧部材により前記回転体に加圧された状態で、前記規制部は前記支持部材から離間することを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項10】
前記支持部材は、前記クリーニングブレードが固定される板金で形成された第1の支持部材と、前記第1の支持部材が固定される板金で形成された第2の支持部材と、を有し、前記規制部は、前記第1の部分を構成する前記第1の支持部材又は前記第2の支持部材に当接することを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項11】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、それぞれ前記短手方向に関する前記回転体とは反対側の端部の少なくとも一部が、前記厚さ方向に関して前記回転体側に突出するように曲げられていることを特徴とする請求項
10に記載のクリーニング装置。
【請求項12】
前記第2の部分は、前記長手方向に関する前記第2の支持部材の両端部が、それぞれ前記厚さ方向に関して前記回転体側に突出するように曲げられて形成されていることを特徴とする請求項
10又は
11に記載のクリーニング装置。
【請求項13】
前記支持部材は、1つの板金で構成されていることを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項14】
前記支持部材は、前記短手方向に関する前記回転体とは反対側の端部の少なくとも一部が、前記厚さ方向に関して前記回転体側に突出するように曲げられていることを特徴とする請求項
13に記載のクリーニング装置。
【請求項15】
前記第2の部分は、前記長手方向に関する前記支持部材の両端部が、それぞれ前記厚さ方向に関して前記回転体側に突出するように曲げられて形成されていることを特徴とする請求項
13又は
14に記載のクリーニング装置。
【請求項16】
前記回転体は、円筒状の感光体であることを特徴とする請求項1乃至
15のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項17】
記録材にトナーで画像を形成する画像形成装置であって、前記回転体と、請求項1乃至
16のいずれか1項に記載のクリーニング装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
前記回転体と前記クリーニング装置とは、前記画像形成装置に対して着脱可能なユニットに含まれていることを特徴とする請求項
17に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいはこれらのうち複数の機能を備えた複合機などの画像形成装置において用いられるクリーニング装置、及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電子写真方式を用いた複写機などの画像形成装置では、回転体である感光ドラムなどの像担持体から被転写体にトナー像を転写した後に像担持体上に残留したトナー(残トナー)を像担持体から除去するために、クリーニング装置が用いられている。クリーニング装置としては、ゴムなどの弾性体で形成されたクリーニングブレードを像担持体の表面(外周面)に当接させて、回転する像担持体の表面から残トナーを掻き取る方式(クリーニングブレード方式)のものが広く用いられている。
【0003】
クリーニングブレードの支持方式として、次のような揺動支持方式がある(特許文献1)。板金などで形成された支持部材にクリーニングブレードを接着などにより固定し、支持部材を揺動可能にハウジングに支持させ、クリーニングブレードが像担持体に所定の加圧力で当接するように圧縮コイルバネなどの加圧部材により支持部材を加圧する。なお、支持部材は、支持部材に設けられた揺動穴とハウジングに設けられた支持穴とに揺動ピンを挿通して揺動支点を設けることなどによって、揺動可能にハウジングに支持させる。
【0004】
揺動支持方式によれば、例えば、像担持体の使用に伴い像担持体の表面の摩擦係数が上昇した場合でも、クリーニングブレードが揺動してその影響を緩和するように作用して、像担持体の駆動トルクの上昇を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、揺動支持方式のクリーニング装置では、クリーニングブレードが固定された支持部材をハウジングに組み付けた後に、クリーニングブレードが像担持体に当接させられる。そして、クリーニングブレードが像担持体に当接させられるまでの間は、支持部材が自由に回動可能であるため、支持部材が加圧部材により押し出されて、加圧部材が脱落するなどの不具合が発生する可能性がある。そのため、クリーニングブレードが固定された支持部材の組み付け後、クリーニングブレードが像担持体に当接させられるまでの間、支持部材をハウジングに押さえ込むための工具が必要となるなど、組み立てが煩雑になるという課題がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、組み立ての容易性を向上させるこが可能なクリーニング装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は本発明に係るクリーニング装置及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、回転体の表面に当接して前記回転体の表面からトナーを除去するクリーニングブレードであって、前記回転体の表面の移動方向と略直交する幅方向と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、前記長手方向及び前記短手方向と略直交する厚さ方向に所定の厚さを有する板状の弾性体で形成されたクリーニングブレードと、前記クリーニングブレードを支持する支持部材であって、前記長手方向及び前記短手方向と略平行な面に沿って前記長手方向に延在する第1の部分と、前記長手方向に関する前記第1の部分の両端部側にそれぞれ設けられ、前記厚さ方向に関して前記第1の部分よりも前記回転体側に突出するように延在する第2の部分と、を備え、前記クリーニングブレードが、前記短手方向に関して前記第1の部分よりも前記回転体側に突出するように、前記第1の部分の前記厚さ方向に関する前記回転体側の側面に固定されている支持部材と、前記長手方向と略平行、かつ、前記第2の部分を通る回動軸線の周りを回動可能なように前記支持部材を保持するハウジングと、前記支持部材と前記ハウジングとの間に配置され前記支持部材を加圧して前記回転体に対して前記クリーニングブレードを加圧する加圧部材と、を有し、前記ハウジングは、前記支持部材が回動可能なように前記ハウジングに保持され、前記クリーニングブレードが前記回転体に当接させられていない状態で、前記加圧部材により加圧された前記支持部材と当接して前記支持部材の回動を規制する規制部を有し、前記短手方向において、前記回動軸線の位置は、前記加圧部材よりも前記回転体から遠い位置に設けられ、前記規制部は、前記長手方向に関する前記第1の部分の両端部側で、それぞれ前記第1の部分の前記短手方向に関する前記回転体側の端部と当接し、前記短手方向に関して、前記規制部と前記支持部材とが当接する当接位置と、前記加圧部材が前記支持部材を加圧する加圧位置と、の間の距離よりも、前記当接位置と前記回動軸線の位置との間の距離の方が大きいことを特徴とするクリーニング装置である。
本発明の他の態様によると、回転体の表面に当接して前記回転体の表面からトナーを除去するクリーニングブレードであって、前記回転体の表面の移動方向と略直交する幅方向と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、前記長手方向及び前記短手方向と略直交する厚さ方向に所定の厚さを有する板状の弾性体で形成されたクリーニングブレードと、前記クリーニングブレードを支持する支持部材であって、前記長手方向及び前記短手方向と略平行な面に沿って前記長手方向に延在する第1の部分と、前記長手方向に関する前記第1の部分の両端部側にそれぞれ設けられ、前記厚さ方向に関して前記第1の部分よりも前記回転体側に突出するように延在する第2の部分と、を備え、前記クリーニングブレードが、前記短手方向に関して前記第1の部分よりも前記回転体側に突出するように、前記第1の部分の前記厚さ方向に関する前記回転体側の側面に固定されている支持部材と、前記長手方向と略平行、かつ、前記第2の部分を通る回動軸線の周りを回動可能なように前記支持部材を保持するハウジングと、前記支持部材と前記ハウジングとの間に配置され前記支持部材を加圧して前記回転体に対して前記クリーニングブレードを加圧する加圧部材と、を有し、前記ハウジングは、前記支持部材が回動可能なように前記ハウジングに保持され、前記クリーニングブレードが前記回転体に当接させられていない状態で、前記加圧部材により加圧された前記支持部材と当接して前記支持部材の回動を規制する規制部を有し、前記短手方向において、前記回動軸線の位置は、前記加圧部材よりも前記回転体から遠い位置に設けられ、前記規制部は、前記長手方向に関する前記第1の部分の両端部側で、それぞれ前記第1の部分の前記短手方向に関する前記回転体側の端部と当接し、前記短手方向に関して、前記加圧部材が前記支持部材を加圧する加圧位置は、前記規制部と前記支持部材とが当接する当接位置と、前記回動軸線の位置と、の間に位置することを特徴とするクリーニング装置が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によると、記録材にトナーで画像を形成する画像形成装置であって、前記回転体と、上記本発明のクリーニング装置と、を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、組み立ての容易性を向上させるこが可能なクリーニング装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】ドラムカートリッジの概略外観斜視図である。
【
図5】ブレードアッシーを組み付けた状態のハウジングの概略斜視図である。
【
図6】ブレードアッシーを組み付けた状態のハウジングの概略断面図である。
【
図7】ブレードアッシーを組み付けた状態の比較例のハウジングの概略断面図である。
【
図8】実施例及び比較例の回り止めの作用を説明するため概略断面図である。
【
図9】ブレードアッシーを組み付けた状態の他の例のハウジングの概略断面図である。
【
図10】ベルトクリーニング装置及びその周辺部品の概略断面図である。
【
図11】他の例のベルトクリーニング装置及びその周辺部品の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るクリーニング装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0013】
[実施例1]
1.画像形成装置の構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することのできる、中間転写方式を採用したタンデム型の画像形成装置(フルカラーレーザービームプリンター)である。
【0014】
画像形成装置100は、複数の画像形成部(ステーション)として、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のトナー像を形成する第1、第2、第3、第4の画像形成部GY、GM、GC、GKを有する。第1、第2、第3、第4の画像形成部GY、GM、GC、GKにおいて、同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。本実施例では、画像形成部Gは、後述する感光ドラム101、帯電ローラ102、露光装置103、現像装置104、一次転写ローラ105、クリーニング装置106を有して構成される。
【0015】
第1の像担持体としての、ドラム型(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム101は、所定の周速度(プロセススピード)で
図1中の時計回り方向に回転駆動される。感光ドラム101は、本実施例におけるクリーニング装置の清掃対象を構成する回転可能な回転体の一例である。本実施例では、感光ドラム101は、円筒状のアルミニウムシリンダの外周面に帯電極性が負極性である感光層が形成されて構成されている。感光ドラム101には、画像形成装置100の装置本体110に設けられた駆動手段を構成する駆動モータ(図示せず)から駆動力が伝達される。本実施例では、感光ドラム101は260mm/secの周速度で回転駆動される。回転する感光ドラム101の表面(外周面)は、帯電手段としてのローラ状の帯電部材である帯電ローラ102によって、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電ローラ102は、感光ドラム101の表面に例えばバネなどの付勢手段によって所定の押圧力で押圧されて接触させられており、感光ドラム101の回転に伴って従動回転する。帯電処理時に、帯電ローラ102には、高圧電源である帯電電源(図示せず)から所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。本実施例では、帯電ローラ102には、帯電電圧として、-700Vの直流電圧と実効値750Vの交流電圧とが重畳された振動電圧が印加される。そして、感光ドラム101の表面に対して放電を発生させることによって、感光ドラム101の表面が約-700Vに帯電処理される。また、本実施例では、帯電クリーニング手段としてのローラ状の帯電クリーニング部材であるクリーニングローラ113(
図3)が帯電ローラ102に接触して配置されている。クリーニングローラ113は、帯電ローラ102の表面に例えばバネなどの付勢手段によって所定の押圧力で押圧されて接触させられており、帯電ローラ102の回転に伴って従動回転する。
【0016】
帯電処理された感光ドラム101の表面は、露光手段(静電潜像形成手段)としての露光装置(レーザースキャナー装置)103によって画像情報に従って走査露光され、感光ドラム101上に静電潜像(静電像)が形成される。露光装置103は、レーザービームを、回転ミラーを用いて走査して、一様に帯電処理された感光ドラム101の表面に照射することで、画像情報に応じた静電潜像を感光ドラム101上に書き込む。本実施例では、露光装置103は、各感光ドラム101Y、101M、101C、101Kを露光可能な1つのユニットとして構成されている。感光ドラム101上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置104によって現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム101上にトナー像が形成される。本実施例では、現像装置104は、トナー(非磁性トナー粒子)とキャリア(磁性キャリア粒子)とを含む二成分現像剤を用いて、感光ドラム101上の静電潜像にトナーを付着させることで、静電潜像を現像する。現像装置104は、トナーを担持して感光ドラム101との対向部(現像位置)に搬送する現像剤担持体としての現像スリーブを有する。現像スリーブは、回転駆動される。現像時に、現像スリーブには、高圧電源である現像電源から所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。現像電圧としては、直流電圧(直流成分)と交流電圧(交流成分)とが重畳された振動電圧を用いてもよいし、直流電圧のみを用いてもよい。また、本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム101上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム101の帯電極性と同極性に帯電したトナーが付着する(反転現像)。本実施例では、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。現像装置104には、トナー容器としてのトナーボトル150からトナー搬送路(図示せず)を介してトナーが供給される。
【0017】
各画像形成部Gの各感光ドラム101と対向するように、第2の像担持体としての、無端状のベルトで構成された中間転写体である中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト107は、複数の張架ローラ(支持ローラ)としての二次転写対向ローラ171、二次転写前ローラ172及びテンションローラ173に掛け渡されて所定の張力(テンション)で張架されている。中間転写ベルト107は、ポリイミドなどの誘電体樹脂によって無端状に形成されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラの機能を有する二次転写対向ローラ171が回転駆動されることで、感光ドラム101の周速度とほぼ同じ周速度(プロセススピード)で
図1中の反時計回り方向に回転(周回移動)する。二次転写対向ローラ171には、装置本体110に設けられた駆動手段を構成するベルト駆動モータ(図示せず)から駆動力が伝達される。中間転写ベルト107の内周面側には、各感光ドラム101に対応して、一次転写手段としてのローラ状の一次転写部材である一次転写ローラ105が配置されている。一次転写ローラ105は、中間転写ベルト107の内周面を感光ドラム101に向けて押圧して、感光ドラム101と中間転写ベルト107とが接触する一次転写部(一次転写ニップ部)N1を形成する。二次転写対向ローラ171以外の張架ローラ及び各一次転写ローラ105は、中間転写ベルト107の回転に伴って従動回転する。感光ドラム101上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ105の作用により、回転している中間転写ベルト107上に転写(一次転写)される。一次転写時に、一次転写ローラ105には、高圧電源である一次転写電源(図示せず)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム101上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、重ね合わせるようにして中間転写ベルト107上に順次転写される。
【0018】
中間転写ベルト107の外周面側において、二次転写対向ローラ171と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ状の二次転写部材である二次転写ローラ108が配置されている。二次転写ローラ108は、二次転写対向ローラ171に向けて押圧され、中間転写ベルト107を介して二次転写対向ローラ171に当接して、中間転写ベルト107と二次転写ローラ108とが接触する二次転写部(二次転写ニップ部)N2を形成する。中間転写ベルト107上に形成されたトナー像は、二次転写部N2において、二次転写ローラ108の作用により、中間転写ベルト107と二次転写ローラ108とに挟持されて搬送される紙などの記録材P上に転写(二次転写)される。二次転写時に、二次転写ローラ108には、高圧電源である二次転写電源(図示せず)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。記録材(転写材、記録媒体、用紙、シート)Pは、記録材収容部としての記録材カセット121に収容されている。記録材Pは、記録材カセット121から給送部材としての給送ローラ122などによって1枚ずつ給送され、搬送部材としての搬送ローラ対123などによって、搬送部材としてのレジストローラ対124へと搬送される。この記録材Pは、レジストローラ対124によって、斜行が補正されると共に、中間転写ベルト107上のトナー像とタイミングが合わされて二次転写部N2へと搬送される。記録材カセット121、給送ローラ122、搬送ローラ対123、レジストローラ対124などによって、給搬送装置120が構成される。
【0019】
トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着装置109へと搬送される。定着装置109は、熱源を備えた定着ローラ191と、定着ローラ191に圧接する加圧ローラ192と、によって、未定着のトナー像を担持した記録材Pを加熱及び加圧することで、トナー像を記録材Pに定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された記録材Pは、排出部材としての排出ローラ対131などによって、排出部としての排出トレイ132上に排出(出力)される。
【0020】
一方、一次転写後に感光ドラム101上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、クリーニング手段としてのクリーニング装置(ドラムクリーニング装置)106によって、感光ドラム101上から除去されて回収される。また、中間転写ベルト107の外周面側において、テンションローラ173と対向する位置には、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置140が配置されている。つまり、ベルトクリーニング装置140は、中間転写ベルト107の表面の移動方向に関して、二次転写部N2よりも下流側かつ一次転写部N1(最上流の一次転写部N1Y)よりも上流側に配置されている。二次転写後に中間転写ベルト107上に残留したトナー(二次転写残トナー)や紙粉などの付着物は、ベルトクリーニング装置140によって、中間転写ベルト107上から除去されて回収される。本実施例では、クリーニング装置106は、クリーニング部材として弾性ゴム材料で形成されたクリーニングブレード1(
図3)を有し、そのクリーニングブレード1の自由端部のエッジ部が感光ドラム101の表面に所定の加圧力で当接させられている。そして、クリーニング装置106は、このクリーニングブレード1によって、回転する感光ドラム101の表面から一次転写残トナーを掻き取って回収する。同様に、本実施例では、ベルトクリーニング装置140は、クリーニング部材としての弾性ゴム材料で形成されたクリーニングブレードを有し、そのクリーニングブレードの自由端部のエッジ部が中間転写ベルト107の表面に所定の加圧力で当接させられている。そして、ベルトクリーニング装置140は、このクリーニングブレードによって、回転する中間転写ベルト107の表面から二次転写残トナーなどの付着物を掻き取って回収する。各クリーニング装置106及びベルトクリーニング装置140に回収された残トナーなどの回収物は、廃トナー搬送部(図示せず)を介して廃トナー回収容器(図示せず)へと搬送されて回収される。廃トナー回収容器は、例えば、満杯になった場合などに空の廃トナー回収容器と交換される。
【0021】
本実施例では、各画像形成部Gにおいて、感光ドラム101、帯電ローラ102、クリーニング装置106は、一体的に装置本体110に対して着脱可能なドラムカートリッジ(プロセスカートリッジ)111を構成している。本実施例では、ドラムカートリッジ111には更に、クリーニングローラ113が設けられている。また、本実施例では、各画像形成部Gにおいて、現像装置104は、実質的に単独で装置本体110に対して着脱可能とされている。なお、クリーニング装置106は、感光体、帯電手段、現像手段のうち少なくとも1つと一体的に装置本体110に対して着脱可能であってよい。また、本実施例では、中間転写ベルト107、張架ローラ171~173、各一次転写ローラ106、ベルトクリーニング装置140は、一体的に装置本体110に対して着脱可能な中間転写ベルトユニット112を構成している。
【0022】
2.ドラムカートリッジ
図2は、本実施例におけるドラムカートリッジ111の概略外観斜視図である。また、
図3は、本実施例におけるドラムカートリッジ111の概略断面図(感光ドラム101の回転軸線方向と略直交する断面)である。ここでは、画像形成装置100及びその要素に関して、
図1の紙面手前側を「手前側」、紙面奥側を「奥側」とする。この手前側と奥側とを結ぶ前後方向は、感光ドラム101の回転軸線方向と略平行であるものとする。また、ドラムカートリッジ111及びその要素(クリーニング装置106及びその要素など)に関して、感光ドラム101の回転軸線方向(感光ドラム101の表面の移動方向と略直交する幅方向)と略平行な方向を単に「長手方向」ともいう。また、画像形成装置100、及びその要素に関して、上下方向は重力方向(鉛直方向)の上下方向を言うものであるが、それぞれ直上、直下のみを意味するものではなく、注目する要素又は位置を通る水平面より上側、下側を含むものである。
【0023】
ドラムカートリッジ111は、感光ドラム101、帯電ローラ102、クリーニング装置106などが、ハウジング(ケース(筐体)、枠体(フレーム)、クリーニング容器)5に保持されることで一体化されている。本実施例では、ドラムカートリッジ111には更に、クリーニングローラ113が設けられている。本実施例では、ハウジング5は、剛性の向上を目的として、強化剤を添加したPC+ABS樹脂で成形されている。なお、ハウジング5は単一の部材で構成されていても、複数の部材が適宜の固定手段を用いて連結されて構成されていてもよい。
【0024】
ドラムカートリッジ111は、一体的に装置本体110に対して着脱可能なように構成されている。本実施例では、ドラムカートリッジ111は、その長手方向に沿って手前側に向けてスライドさせて装置本体110から取り外し、奥側に向けてスライドさせて装置本体110に装着するように構成されている。ドラムカートリッジ111は、メンテナンスや交換などのために装置本体110に対して着脱される。また、ドラムカートリッジ111の交換は、例えば、感光ドラム101が寿命に達した場合などに行われる。
【0025】
本実施例では、感光ドラム101は、外径が30mm、回転軸線方向の長さが360mmのアルミニウム製シリンダー上に、厚さが約30μmの有機感光層が設けられたものである。感光ドラム101は、その回転軸線方向の両端部において、ドラム軸受部材114を介してその回転軸線を中心にして回転可能なようにハウジング5に保持されている。感光ドラム101には、ドラムカートリッジ111が装置本体110に装着された状態で、装置本体110に設けられた駆動源としての駆動モータから駆動力を受け取るためのカップリング(図示せず)が設けられている。画像形成時に、感光ドラム101は、
図3中の矢印A方向(時計回り方向)に回転駆動される。
【0026】
帯電ローラ102は、その回転軸線方向の両端部において、その回転軸102aが帯電ローラ軸受部材115に保持されることによって、その回転軸線を中心にして回転可能なようにハウジング5に支持されている。帯電ローラ軸受部材115は、ハウジング5に対してスライド移動可能なようにハウジング5に支持されている。具体的には、帯電ローラ102が感光ドラム101の回転軸線に垂直な面における感光ドラム101の回転軸線に向かう方向に沿って移動できるように、帯電ローラ軸受部材115が該軸線に向かう方向に沿って移動できるように構成されている。また、ハウジング5と帯電ローラ軸受部材115との間には付勢手段としての帯電ローラ加圧バネ(図示せず)が設けられている。この帯電ローラ加圧バネが、帯電ローラ102を感光ドラム101の回転軸線に垂直な面における感光ドラム101の回転軸線に向かう方向に付勢している。そのため、帯電ローラ102は、感光ドラム101に加圧されて接触している。つまり、帯電ローラ102は、帯電ローラ加圧バネによる付勢方向に沿って移動可能となっている。
【0027】
クリーニングローラ113は、その回転軸線方向の両端部において、その回転軸113aがクリーニングローラ軸受部材(図示せず)に保持されることによって、その回転軸線を中心にして回転可能なようにハウジング5に支持されている。クリーニングローラ軸受部材は、帯電ローラ軸受部材115に対してスライド移動可能なように帯電ローラ軸受部材115に支持されている。具体的には、クリーニングローラ113が帯電ローラ102の回転軸線に垂直な面における帯電ローラ102の回転軸線に向かう方向に沿って移動できるように、クリーニングローラ軸受部材が該軸線に向かう方向沿って移動できるように構成されている。また、帯電ローラ軸受部材115とクリーニングローラ軸受部材との間には付勢手段としてのクリーニングローラ加圧バネ(図示せず)が設けられている。このクリーニングローラ加圧バネが、クリーニングローラ113を帯電ローラ102の回転軸線に垂直な面における帯電ローラ102の回転軸線に向かう方向に付勢している。そのため、クリーニングローラ113は帯電ローラ102に加圧されて接触している。つまり、クリーニングローラ113は、クリーニングローラ加圧バネによる付勢方向に沿って移動可能となっている。
【0028】
以上の構成によって、ドラムカートリッジ111が装置本体110に装着されると、感光ドラム101に設けられたカップリングが、装置本体110に設けられたカップリングなどを介して、装置本体110に設けられた駆動源と連結される。感光ドラム101が装置本体110に設けられた駆動源から駆動力を受けて回転すると、帯電ローラ102は感光ドラム101との摩擦力によって従動回転する。また、帯電ローラ102が回転すると、クリーニングローラ113は帯電ローラ102との摩擦力によって従動回転する。また、ドラムカートリッジ111が装置本体110に装着されると、ドラムカートリッジ111に設けられた電気接点部と、装置本体110に設けられた電気接点部とが電気的に接続される。これにより、帯電ローラ102に帯電電圧を印加することが可能となる。
【0029】
3.クリーニング装置
次に、
図3~
図6を参照して、本実施例におけるクリーニング装置106について説明する。
図3は、前述のように、本実施例におけるドラムカートリッジ111の概略断面図(感光ドラム101の回転軸線方向と略直交する断面)である。
図4は、本実施例における後述するブレードアッシー10の概略断面図(クリーニングブレード1の長手方向と略直交する断面)である。
図5は、後述するブレードアッシー10が組み付けられた後、感光ドラム101が組み付けられる前のハウジング5を示す斜視図である。
図6は、後述するブレードアッシー10が組み付けられた後、感光ドラム101が組み付けられる前のハウジング5を示す概略断面図(クリーニングブレード1の長手方向と略直交する断面)である。
【0030】
図3に示すように、本実施例では、クリーニング装置106は、ドラムカートリッジ111に設けられている。本実施例では、クリーニング装置106は、感光ドラム101上の残トナーをクリーニングブレード1で除去するクリーニングブレード方式のものである。また、本実施例では、クリーニング装置106は、クリーニングブレード1の支持方式として、揺動支持方式を採用している。
【0031】
クリーニング装置106は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード1と、クリーニングブレード1を支持する支持部材2と、を有する。本実施例では、支持部材2は、第1の支持部材としての支持板(第1の板金)3と、第2の支持部材としての揺動板(第2の板金)4と、を有して構成されている。また、クリーニング装置106は、支持部材2を加圧してクリーニングブレード1を感光ドラム101に所定の加圧力(付勢力)で加圧する付勢手段としての加圧部材(付勢部材)であるブレード加圧バネ6を有する。また、クリーニング装置106は、ハウジング5によって形成される回収トナー収容部51と、回収トナー収容部51内に配置された搬送部材としての搬送スクリュー7と、を有する。また、クリーニング装置106は、支持部材2の揺動板4を軸支することで、後述するブレードアッシー10(すなわち、クリーニングブレード1)を揺動可能(回動可能)にハウジング5により保持するための、軸部材としての揺動軸(揺動ピン)8を有する。また、クリーニング装置106は、回収トナー収容部51からトナーが漏れることを抑制するための封止部材としての、端部シール11(
図5)と、スクイシート12(
図5)と、を有する。
【0032】
図4に示すように、本実施例では、クリーニングブレード1と、支持板3と、揺動板4と、を有して、ブレードアッシー(ブレード組立体、ブレードユニット)10が構成される。また、本実施例では、支持板3と、揺動板4と、を有して、支持部材2が構成される。クリーニングブレード1は、短冊状のゴムブレードで構成されている。本実施例では、クリーニングブレード1は、厚さ2mmのゴム(本実施例ではポリウレタン)製の板材を、14mm(短手方向)×325mm(長手方向)程度にカットして形成されている。支持板3は、厚さ2mmの板金(本実施例では亜鉛めっき鋼板)を、剛性を高めるために断面略L字状に曲げたものを使用している。また、揺動板4は、厚さ2mmの板金(本実施例では亜鉛めっき鋼板)を、剛性を高めるために断面略L字状に曲げたものを使用している。クリーニングブレード1は、支持板3から短手方向の自由端部を8mm突出させた状態で、支持板3に接着により固定されている。この突出量のことを、クリーニングブレード1の自由長と定義する。また、クリーニングブレード1の感光ドラム101と当接するエッジ部(稜線)Eを含む面のうち、クリーニングブレード1の厚さ方向に平行な面をカット面S1、厚さ方向と略直交する面をエア面S2と定義する。感光ドラム101に対するブレード1の当接圧を均一にするため、支持板3のブレード1を貼りつける面の平面度、ブレード1の厚さ、ブレード1を支持板3に貼り付けた際の自由長などは、高い精度で管理されている。
【0033】
更に説明すると、クリーニングブレード1は、感光ドラム101の表面の移動方向と略直交する幅方向(回転軸線方向)と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、所定の厚さを有する。つまり、クリーニングブレード1は、平面視略矩形の板状(ブレード状)の部材である。クリーニングブレード1は、弾性体(弾性部材)であるポリウレタン(ウレタンゴム)で形成されている。クリーニングブレード1は、短手方向における自由端部のエッジ部Eが感光ドラム101の表面(外周面)に当接するように、
図3中矢印Aで示す画像形成時における感光ドラム101の回転方向(表面の移動方向)に対してカウンター方向に配置される。つまり、クリーニングブレード1は、短手方向における自由端部が、感光ドラム101の表面の移動方向の上流側を向くように配置される。本実施例では、クリーニングブレード1は、後述するように揺動板4がブレード加圧バネ6で加圧され、エッジ部Eが感光ドラム101の表面に押し付けられることで撓ませられる。これにより、クリーニングブレード1が所定の当接圧で感光ドラム101と当接する。
【0034】
支持部材2を構成する支持板3は、板金(金属板)を、長手方向と略直交する断面が略L字状になるように曲げることで形成されている。つまり、支持板3は、第1の平坦部31と、第2の平坦部32と、を有するように金属板が屈曲させられて形成されている。第1の平坦部31は、その面方向が感光ドラム101の回転軸線方向と略平行に配置される。第2の平坦部32は、第1の平坦部31から該第1の平坦部31と交差(本実施例では略直交)する方向に延び、その面方向が感光ドラム101の回転軸線方向と略平行に配置される。本実施例では、第2の平坦部32は、第1の平坦部31から感光ドラム101側に延びるように配置される。支持板3は、上述のように曲げられることで剛性が高められている。クリーニングブレード1は、その短手方向の自由端部とは反対側の固定端部側の一部が、支持板3(より詳細には第1の平坦部31の短手方向における第2の平坦部32とは反対側の端部側の一部)に接着により固定される。クリーニングブレード1の短手方向の自由端部側の一部は、該短手方向に関して支持板3から感光ドラム101側に突出している。支持板3の第1の平坦部31及び第2の平坦部32の長手方向の長さは、クリーニングブレード1の長手方向の長さと同等とされている。
【0035】
支持部材2を構成する揺動板4は、板金(金属板)を、長手方向と略直交する断面が略L字状になるように曲げることで形成されている。つまり、揺動板4は、第1の平坦部41と、第2の平坦部42と、を有するように金属板が屈曲させられて形成されている。第1の平坦部41は、その面方向が感光ドラム101の回転軸線方向と略平行に配置される。第2の平坦部42は、第1の平坦部41から該第1の平坦部41と交差(本実施例では略直交)する方向に延び、その面方向が感光ドラム101の回転軸線方向と略平行に配置される。本実施例では、第2の平坦部42は、第1の平坦部41から感光ドラム101側に延びるように配置される。揺動板4は、上述のように曲げられることで剛性が高められている。そして、クリーニングブレード1が固定された支持板3は、ビス21によって揺動板4に固定されている。ビス21は、支持板3の長手方向に複数配置されている。本実施例では、揺動板4は、支持板3の第1の平坦部31の感光ドラム101とは反対側の側面に、揺動板4の第1の平坦部41の感光ドラム101側の側面が重ねられるようにして配置されて、支持板3に固定される。揺動板4の第1の平坦部41の後述する延長部46及び保持部43を除く部分並びに第2の平坦部42の長手方向の長さは、クリーニングブレード1の長手方向の長さと同等とされている。そして、揺動板4の第1の平坦部41の長手方向の両端部は、それぞれ支持板3の第1の平坦部31の長手方向の両端部よりも外側に延長されて延長部46が形成されている。また、この第1の平坦部41の長手方向の両端部に形成された延長部46の端部には、それぞれ感光ドラム101側に延びるように曲げられて形成された保持部43が設けられている。本実施例では、保持部43は、揺動板4の他の部分(延長部46を含む第1の平坦部41及び第2の平坦部42)と一体的に1枚の板金で形成されている。ただし、保持部43は別部材で構成されて、揺動板4の他の部分に対して固定されてもよい。保持部43は、その平面が揺動板4の第1の平坦部41及び感光ドラム101の回転軸線方向とそれぞれ交差(本実施例では略直交)する方向に配置される。揺動板4の長手方向の両端部の保持部43には、それぞれ例えば直径3mm程度の断面略円形(円筒形)の揺動穴(貫通穴)44(
図5及び
図6)が設けられている。両方の揺動穴44は、互いに中心が略同軸上になるように位置している。両方の保持部43の長手方向の外側には、それぞれハウジング5の一部である側面部52(
図5及び
図6)が設けられている。両方の側面部52には、それぞれ例えば直径3mm程度の断面略円形(円筒形)の支持穴(貫通穴)53(
図5及び
図6)が設けられている。両方の支持穴53は、上記両方の揺動穴43と略同軸上となるように位置している。
【0036】
上記各揺動穴43及び各支持穴53は、貫通穴となっており、ハウジング5の長手方向の両端部において、それぞれ揺動穴43及び支持穴53に対し揺動軸8が、例えばハウジング5の外側から挿通される。揺動軸8は、揺動穴43及び支持穴53に対し、それぞれ嵌合公差(例えば隙間50μm程度)の隙間を持った状態で嵌合し、ブレードアッシー10を軸支する。すなわち、ブレードアッシー10は、ハウジング5により、揺動軸8を支点(揺動支点、揺動軸線、回動軸線)として揺動可能(回動可能)に支持される。
【0037】
また、
図3に示すように、圧縮コイルバネで構成されたブレード加圧バネ6が、揺動板4とハウジング5との間に配置される。ブレード加圧バネ6は、圧縮コイルバネのコイル中心軸方向(伸縮方向)の一端部が、揺動板4(より詳細には第1の平坦部41の感光ドラム101とは反対側の側面)に設けられた第1の当接部45に当接(着座)させられる。また、ブレード加圧バネ6は、コイル中心軸方向(伸縮方向)の他端部が、ハウジング5に設けられた第2の当接部55に当接(着座)させられる。ブレード加圧バネ6は、少なくとも揺動軸8を支点としてブレードアッシー10を
図3中の反時計回り方向(
図6中の矢印B方向)へと回動させる回転力(モーメント)を発生させ、クリーニングブレード1を感光ドラム101に当接させるように配置される。
図5に示すように、本実施例では、ハウジング5の長手方向において、クリーニングブレード1の長手方向の両端部近傍に、それぞれ圧縮コイルバネで構成された複数のブレード加圧バネ6が、ハウジング5の長手方向に沿って並列に配置されている。特に、本実施例では、ハウジング5の長手方向の両端部側に、それぞれ4個のブレード加圧バネ6が並列に配置されている。なお、本実施例では、ハウジング5の長手方向の両端部側にそれぞれ4個のブレード加圧バネ6を配置しているが、設定する加圧力や配置スペースなどに応じて適宜変更することができる。
【0038】
以上のように、ブレードアッシー10は揺動軸8を支点として揺動可能であり、ブレード加圧バネ6の加圧力によりブレードアッシー10が回転力を受けることで、クリーニングブレード1が感光ドラム101に圧接する。そして、ブレードアッシー10は、回転する感光ドラム101上の残トナーをクリーニングブレード1のエッジ部Eにより掻き取ることで、感光ドラム101の表面の清掃を行う。このように、本実施例では、クリーニング装置106は、揺動支持方式を採用している。これにより、例えば、感光ドラム101の使用に伴い感光ドラム101の表面の摩擦係数が上昇した場合でも、クリーニングブレード1が感光ドラム101から離れる方向に回動することができる。そのため、感光ドラム101に対するクリーニングブレード1の当接圧の上昇が抑制され、感光ドラム101の駆動トルクの上昇が抑制される。
【0039】
クリーニングブレード1によって感光ドラム101の表面から掻き取られた残トナーは、回収トナー収容部51に収容される。回収トナー収容部51は、ハウジング5のクリーニングブレード1を挟んで感光ドラム101とは反対側の近傍に設けられている。回収トナー収容部51に収容されたトナー(回収トナー)は、回収トナー収容部51の内部を、搬送スクリュー7によって搬送される。本実施例では、回収トナー収容部51内の回収トナーは、感光ドラム101の回転軸線方向(クリーニング装置106の長手方向)に沿って、回収トナー収容部51の一端部(例えば手前側の端部)に向けて搬送される。本実施例では、感光ドラム101の長手方向の端部には、感光ドラム101の回転軸線を中心として感光ドラム101と一体で回転するように固定された回転部材としてのギヤ(図示せず)が設けられている。感光ドラム101が回転すると、感光ドラム101と一体で回転する上記ギヤの回転力が、搬送スクリュー7に伝達される。これにより、搬送スクリュー7が回転し、回収トナー収容部51内の回収トナーを搬送することが可能となっている。ハウジング5の上記一端部の壁部には排出口(図示せず)が形成されている。これにより、回収トナー収容部51の内部を搬送された回収トナーは、該排出口を介して回収トナー収容部51(クリーニング装置106)の外部へと排出される。回収トナー収容部51から排出された回収トナーは、前述のように、装置本体110に設けられた廃トナー搬送部(図示せず)を搬送されて廃トナー回収容器(図示せず)に貯留される。そして、廃トナー回収容器内が回収トナーで満たされると、廃トナー回収容器ごと交換される。なお、上記ハウジング5に設けられた排出口は、ドラムカートリッジ111が装置本体110に装着されると、装置本体110に設けられた廃トナー搬送部と接続されるようになっている。
【0040】
図5に示すように、クリーニングブレード1の長手方向の両端部に隣接して、それぞれクリーニングブレード1の長手方向の端部からのトナー漏れを抑制するための端部シール11が設けられている。端部シール11は、感光ドラム101と接する面が植毛布となっているスポンジで構成されており、厚さ0.1mm程度の金属板で形成されたシール固定部11aに貼り付けられている。端部シール11は、シール固定部11aがビス21によって支持板3と共に揺動板4に固定されることでブレードアッシー10に固定されており、ブレードアッシー10と共に回動する。また、クリーニングブレード1によってハウジング5内に回収したトナーが、ハウジング5の
図5中の上部から飛散することを抑制するため、スクイシート12が設けられている。スクイシート12は、厚さ0.1mm程度のウレタンシート製であり、感光ドラム101の表面に当接するよう突き出した状態で、ハウジング5に両面テープで固定されている。端部シール11とスクイシート12は一部が重なり、感光ドラム101を組み付けた際に感光ドラム101の表面と端部シール11との間にスクイシート12が挟まる状態にする。これにより、スクイシート12と感光ドラム101との間に隙間ができてトナーが飛散してしまうことを抑制することができる。そのため、感光ドラム101を組み付ける際には、
図5に示すように、予め端部シール11の感光ドラム101と当接する面の一部をスクイシート12で覆う必要がある。
【0041】
4.回り止めリブ
次に、本実施例におけるブレードアッシー10の回り止めについて説明する。
図6は、前述のように、ブレードアッシー10が組み付けられた後、感光ドラム101が組み付けられる前のハウジング5を示す概略断面図(クリーニングブレード1の長手方向と略直交する断面)である。また、
図7は、ブレードアッシーの回り止めが設けられていない比較例における、ブレードアッシー10が組み付けられた後、感光ドラム101が組み付けられる前のハウジング5を示す概略断面図(クリーニングブレード1の長手方向と略直交する断面)である。なお、
図7に示す比較例においても、本実施例のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素には同一の符号を付している。
【0042】
本実施例では、ブレードアッシー10は、感光ドラム101より前にハウジング5に組み付ける必要がある。ここで、ハウジング5にブレードアッシー10に対する回り止めがない場合には、感光ドラム101が組み付けられるまでの間に、
図7に示すように、ブレード加圧バネ6により揺動板4が押し出されることで、ブレードアッシー10が押し出されてしまう。その結果、ブレード加圧バネ6が脱落してしまうことがある。そのため、従来は、感光ドラム101を組み付けるまでの間、ブレードアッシー10の回り止めとなる工具を用いてブレード加圧バネ6の脱落を防止することが必要となるなど、組み立てが煩雑となることがあった。このような工具を必要とすることなく、組み立ての容易性を向上させるためには、ハウジング5に予めブレードアッシー10の回り止めを設けることが有効である。
【0043】
ここで、前述のように、本実施例では、感光ドラム101を組み付ける際には、
図5に示すように、予め端部シール11の感光ドラム101と当接する面の一部をスクイシート12で覆う必要がある。そのため、本実施例では、回り止めで維持すべきブレードアッシー10の姿勢は、クリーニングブレード1の先端部(自由端部)が、ハウジング5に組み付けられる感光ドラム101に対して2mm~2.5mm程度侵入した状態である。つまり、感光ドラム101をハウジング5に組み付ける際に、感光ドラム101によって、クリーニングブレード1の先端部を2mm~2.5mm程度押し込み、ブレードアッシー10を
図6中の時計回り方向に回動させるような姿勢である。
【0044】
そこで、本実施例では、ハウジング5に、ブレードアッシー10の回り止めとなる規制部としての回り止めリブ56を設ける。回り止めリブ56は、ハウジング5のブレードアッシー10と対向する側面からブレードアッシー10側に突出して設けられている。本実施例では、回り止めリブ56は、揺動板4の長手方向の両端部近傍において、揺動板4に形成された延長部46(
図5)の短手方向に関する感光ドラム101側の端部に当接可能な位置に設けられている。本実施例では、より詳細には、回り止めリブ56は、揺動板4の延長部46における、クリーニングブレード1のカット面S1と略平行、かつ、カット面S1に近い方の面S11(
図4)と、クリーニングブレード1のエア面S2と略平行、かつ、クリーニングブレード1から遠いほうの面S12(
図4)と、が交わるエッジ部(稜線)W(
図4)に当接可能な位置に設けられている。
【0045】
感光ドラム101がハウジング5に組み付けられた状態では、回り止めリブ56は揺動板4から離間する。つまり、少なくともクリーニング装置106の使用中(画像形成中)は、回り止めリブ56は揺動板4には当接していない。
【0046】
このように、本実施例によれば、特別の工具を必要とすることなく、ハウジング5に感光ドラム101が組み付けられるまでの間のブレードアッシー10の姿勢を、上述のような所望の姿勢に容易に保つことが可能となる。これにより、ハウジング5に感光ドラム101が組み付けられるまでの間に、ブレードアッシー10がブレード加圧バネ6により押し出され過ぎることで、ブレード加圧バネ6が脱落してしまうことなどを抑制することができる。
【0047】
図8(a)は、本実施例におけるブレードアッシー10の回り止めの位置の設定による効果を説明するためのハウジング5の断面図(クリーニングブレード1の長手方向と略直交する断面)である。また、
図8(b)は、本実施例とは異なる位置にブレードアッシー10の回り止めが設けられた比較例について示す
図8(a)と同様の断面図である。なお、
図8(b)に示す比較例においても、本実施例のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素には同一の符号を付している。
図8(b)に示す比較例では、揺動板4の保持部43における揺動軸8の周辺に突き当て部301が設けられている。そして、ハウジング5には、この突き当て部301に突き当たる突き当てリブ302が設けられている。
【0048】
図8(a)に示す断面において、ブレードアッシー10の回動軸線8aから、回り止めリブ56と揺動板4との当接点(当接位置)Paまでの距離をL1とする。また、
図8(b)に示す断面において、ブレードアッシー10の回動軸線8aから、突き当て部301と突き当てリブ302との当接点Pbまでの距離をL1とする。本実施例(
図8(a))では、比較例(
図8(b))と比較して、距離L1を長く取れる。そのため、本実施例では、比較例と比較して、回り止めリブ56の位置精度をそれほど高めなくても、所望のブレードアッシー10の姿勢を得ることができる。
【0049】
また、ハウジング5にブレードアッシー10を組み付ける際には、ブレード加圧バネ6の反力に対抗してブレードアッシー10の姿勢を安定させることが必要となる。そのために、操作者は揺動板4の短手方向に関するブレード加圧バネ6で加圧される箇所(加圧位置)Pcに対向する箇所を指などで押さえながら、ブレードアッシー10をハウジング5に組み付けることが望まれる。
図8(a)、(b)に示す断面において、上記押さえる箇所の代表位置である押圧点P
Fにかかる力の方向を矢印Fで示す。また、
図8(a)、(b)に示す断面において、押圧点P
Fから当接点Pa又はPbまでの距離をL2とする。本実施例(
図8(a))では、比較例(8(b))と比較して、距離L2が短くなる。そのため、ブレードアッシー10をハウジング5に組み付ける際には、まず回り止めリブ56と揺動板4とを突き当てて、矢印F方向にブレードアッシー10をスライドさせることができる。これにより、ブレードアッシー10の姿勢を安定的に維持することができ、揺動軸8を容易に揺動穴44及び支持穴53に差し込むことが可能となる。一方、比較例(
図8(b))では、本実施例(
図8(a))と比較して、距離L2が長い。そのため、予め揺動板4の突き当て部301と突き当てリブ302とを突き当てて、矢印F方向にブレードアッシー10をスライドさせて組み付けようとすると、ブレードアッシー10は、当接点Pbを中心に回転しやすく、その姿勢を安定させづらい。このように、本実施例によれば、ブレードアッシー10のハウジング5に対する組み付け易さも向上する。
【0050】
なお、本実施例では、支持部材2が支持板3と揺動板4とを有している構成において、回り止めリブ56は揺動板4の短手方向に関する感光ドラム101側の端部に当接するように設けられていた。これに対し、例えば、支持板3にも揺動板4の延長部46と同様の延長部を設けるなどして、回り止めリブ56をその延長部などにおいて支持板3の短手方向に関する感光ドラム101側の端部に当接するように設けてもよい。
【0051】
このように、本実施例では、クリーニング装置106は、回転体101の表面に当接して回転体101の表面からトナーを除去するクリーニングブレード1であって、回転体101の表面の移動方向と略直交する幅方向と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、上記長手方向及び上記短手方向と略直交する厚さ方向に所定の厚さを有する板状の弾性体で形成されたクリーニングブレード1を有する。また、このクリーニング装置106は、クリーニングブレード1を支持する支持部材2であって、上記長手方向及び上記短手方向と略平行な面に沿って上記長手方向に延在する第1の部分2aと、上記長手方向に関する第1の部分2aの両端部側にそれぞれ設けられ、上記厚さ方向に関して第1の部分2aよりも回転体側に突出するように延在する第2の部分2bと、を備え、クリーニングブレード101が、上記短手方向に関して第1の部分2aよりも回転体101側に突出するように、第1の部分2aの上記厚さ方向に関する回転体101側の側面に固定されている支持部材2を有する。本実施例では、支持部材2の第1の部分2aは、支持板(第1の支持部材)3の第1の平坦部31と、揺動板(第2の支持部材)4の第1の平坦部41(長手方向の両端部の延長部46を含む)と、を有して構成される。また、このクリーニング装置106は、上記長手方向と略平行、かつ、第2の部分2bを通る回動軸線8aの周りを回動可能なように支持部材2を保持するハウジング5を有する。また、このクリーニング装置106は、支持部材2とハウジング5との間に配置され支持部材2を加圧して回転体101に対してクリーニングブレード1を加圧する加圧部材6を有する。そして、ハウジング5は、支持部材2が回動可能なようにハウジング5に保持され、クリーニングブレード1が回転体101に当接させられていない状態で、加圧部材6により加圧された支持部材2と当接して支持部材2の回動を規制する規制部56を有し、上記短手方向において、上記回動軸線8aの位置は、加圧部材6よりも回転体101から遠い位置に設けられ、規制部56は、上記長手方向に関する第1の部分2aの両端部側で、それぞれ第1の部分2aの上記短手方向に関する回転体101側の端部と当接する。規制部56が当接する上記長手方向に関する第1の部分2aの両端部側の位置は、上記長手方向に関する中央よりも端部側の領域を含み、好ましくは両端部近傍である。
【0052】
ここで、
図6に示すように、本実施例では、上記短手方向に関して、規制部56と支持部材2とが当接する当接位置Paと、加圧部材6が支持部材2を加圧する加圧位置Pcと、の間の距離Laよりも、当接位置Paと回動軸線8aの位置との間の距離Lcの方が大きい。このような構成により、上述のように、規制部56の位置精度をそれほど高めなくても、所望の支持部材2の姿勢を得ることができる。また、
図6に示すように、本実施例では、上記短手方向に関して、加圧部材6が支持部材2を加圧する加圧位置Pcは、規制部56と支持部材2とが当接する当接位置Paと、回動軸線8aの位置と、の間に位置する。このような構成により、上述のように、支持部材2のハウジング5に対する組み付け易さが向上する。特に、本実施例では、上記短手方向に関して、当接位置Paと加圧位置Pcとの間の距離Laの方が、加圧位置Pcと回動軸線8aの位置との間の距離Lbよりも小さい。これにより、上記効果をより顕著に得ることができる。より詳細には、本実施例では、加圧部材6は、第1の部分2aのクリーニングブレード1が固定されている側面とは反対側の側面に当接する。また、加圧部材6は、少なくとも上記長手方向に関するクリーニングブレード1の両端部側に対応する支持部材2を加圧する。加圧部材6が加圧する上記長手方向に関するクリーニングブレード1の両端部側に対応する位置は、上記長手方向に関する中央よりも端部側の領域を含み、好ましくは両端部近傍である。そして、本実施例では、規制部56は、支持部材
2をハウジング5における所定の位置に配置する際に支持部材2に当接して支持部材2の移動をガイドすることが可能である。
【0053】
また、本実施例では、上記長手方向に沿って見たとき、回動軸線8aの位置は、支持部材2を上記厚さ方向に沿って回転体101側に投影した領域内、かつ、回転体101を構成する円筒状部材を上記短手方向に沿って支持部材側に投影した領域内に位置する。また、本実施例では、クリーニングブレード1において、回転体101に当接する稜線Eを含む面のうち上記厚さ方向に延在する面をカット面S1とし、上記厚さ方向と略直交する面をエア面S2としたとき、規制部56は、第1の部分2aの上記短手方向に関する回転体101側の端部の、カット面S1と略平行な面S11と、エア面S2と略平行な面のうちクリーニングブレード1から遠い側の面S12と、が交わる稜線Wに当接する。また、クリーニングブレード1が回転体101に当接させられて加圧部材6により回転体101に加圧された状態で、規制部56は支持部材2から離間する。
【0054】
また、本実施例では、支持部材2は、クリーニングブレード1が固定される板金で形成された第1の支持部材3と、第1の支持部材3が固定される板金で形成された第2の支持部材4と、を有し、規制部56は、第1の部分2aを構成する第1の支持部材3又は第2の支持部材4(特に、本実施例では第2の支持部材4)に当接する。本実施例では、第1の支持部材3及び第2の支持部材4は、それぞれ上記短手方向に関する回転体101とは反対側の端部の少なくとも一部が、上記厚さ方向に関して回転体101側に突出するように曲げられている。また、本実施例では、第2の部分2bは、上記長手方向に関する第2の支持部材4の両端部が、それぞれ上記厚さ方向に関して回転体101側に突出するように曲げられて形成されている。また、本実施例では、上記回転体101は、円筒状の感光体である。また、本実施例によれば、記録材Pにトナーで画像を形成する画像形成装置100であって、上記回転体101と、上記クリーニング装置106と、を有する画像形成装置100が提供される。また、本実施例では、回転体101とクリーニング装置106とは、画像形成装置100に対して着脱可能なユニット111に含まれている。
【0055】
以上説明したように、本実施例によれば、特別な工具を必要とすることなく、感光ドラム101がハウジング5に組み付けられる前にブレードアッシー10が必要以上に押し出されてブレード加圧バネ6が脱落するなどの不具合が発生することを抑制できる。また、本実施例によれば、回り止めリブ56の位置精度を高める必要性を低減しつつ、ブレードアッシー10の所望の姿勢を得ることができる。また、本実施例によれば、ブレードアッシー10を回り止めリブ56にガイドさせながら組み付けることができ、組み付けを容易とすることができる。したがって、本実施例によれば、ドラムカートリッジ111(クリーニング装置106)の組み立ての容易性を向上させるこが可能となる。
【0056】
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0057】
実施例1では、支持部材2は、支持板3と、揺動板4と、を有して構成されていた。これに対し、本実施例では、支持部材2を構成する支持板3がハウジング5に直接回動可能に支持される構成とされている。
【0058】
図9は、本実施例における、ブレードアッシー10が組み付けられた後、感光ドラム101が組み付けられる前のハウジング5を示す概略断面図(クリーニングブレード1の長手方向と略直交する断面)である。本実施例では、実施例1における揺動板4と同様に、支持板3の第1の平坦部31の長手方向の両端部は、クリーニングブレード1の長手方向の両端部よりも外側に延長されて延長部36が形成されている。また、実施例1における揺動板4と同様に、この第1の平坦部31の長手方向の両端部に形成された延長部36の端部には、それぞれ感光ドラム101側に延びるように形成された保持部33が設けられている。本実施例では、保持部33は、支持板3の延長部36が曲げられて一体的に形成されている。ただし、保持部33は別部材で構成されて、支持板3に固定されてもよい。保持部33は、その平面が支持板3のクリーニングブレード1が固定される第1の平坦部31及び感光ドラム101の回転軸線方向とそれぞれ交差(本実施例では略直交)する方向に配置される。そして、保持部33及びハウジング5にそれぞれ設けられた穴34、53に揺動軸8が挿通されて支持板3が軸支されることで、ブレードアッシー10はハウジング5により回動可能に保持される。
【0059】
本実施例では、ハウジング5に設けられた回り止めリブ56は、支持板3の長手方向の両端部近傍において、支持板3に形成された延長部36の短手方向に関する感光ドラム101側の端部に当接可能な位置に設けられている。本実施例では、より詳細には、回り止めリブ56は、支持板3の延長部36における、クリーニングブレード1のカット面S1と略平行、かつ、カット面S1に近い方の面S111と、クリーニングブレード1のエア面S2と略平行、かつ、クリーニングブレード1から遠い方の面S112と、が交わるエッジ部Wに当接可能な位置に設けられている。
【0060】
このように、本実施例では、支持部材2は、1つの板金(支持板)3で構成されている。本実施例では、支持部材2は、クリーニングブレード1の短手方向に関する回転体101とは反対側の端部の少なくとも一部が、クリーニングブレード1の厚さ方向に関して回転体101側に突出するように曲げられている。また、本実施例では、支持部材2の第2の部分2aは、上記長手方向に関する支持部材2の両端部が、それぞれ上記厚さ方向に関して回転体101側に突出するように曲げられて形成されている。
【0061】
以上説明したように、本実施例によれば、支持板3がハウジング5に直接回動可能に支持される構成においても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0062】
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0063】
実施例1、2では、本発明を回転体としての感光体のクリーニング手段であるクリーニング装置106に適用したが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。本発明は、例えば、回転体としての中間転写体のクリーニング手段であるベルトクリーニング装置140(
図1)に適用することもできる。
【0064】
図10は、本実施例におけるベルトクリーニング装置140及びその周辺部品を示す断面図(テンションローラ173の回転軸線方向と略直交する断面)である。なお、ベルトクリーニング装置140において、実施例1におけるクリーニング装置106のものと対応する機能あるいは構成を有する要素については、200番台の対応する符号を付している。
【0065】
ベルトクリーニング装置140は、中間転写ベルトユニット112に着脱可能に設けられている。本実施例では、ベルトクリーニング装置140は、中間転写ベルト107上の残トナーをクリーニングブレード201で除去するクリーニングブレード方式のものである。また、本実施例では、ベルトクリーニング装置140は、クリーニングブレード201の支持方式として、揺動支持方式を採用している。
【0066】
ベルトクリーニング装置140のハウジング205には、テンションローラ173が、軸受部材(図示せず)を介して、回転軸線を中心にして回転可能に保持されている。中間転写ベルト107は、テンションローラ173を含む複数の張架ローラに掛け渡されて所定の張力で張架されている。本実施例では、テンションローラ173は、アルミニウム製の直径22mmの円筒状のローラである。また、本実施例では、テンションローラ173は、中間転写ベルト107の回転に伴って
図10中の反時計回り方向に回転する。本実施例では、ハウジング205は、剛性の向上を目的として、強化剤を添加したPC+ABS樹脂で成形されている。
【0067】
クリーニングブレード201は、
図10中の矢印で示す画像形成時におけるテンションローラ173の回転方向、すなわち、中間転写ベルト107の回転方向(表面の移動方向)に対してカウンター方向で中間転写ベルト107に当接するように配置される。本実施例では、クリーニングブレード201の長手方向は、中間転写ベルト107の表面の移動方向と略直交する幅方向(テンションローラ173の回転軸線方向)と略平行に配置される。クリーニングブレード201は、支持部材202を構成する支持板203に接着により固定されている。支持板203は、支持部材202を構成する揺動板204にビス(図示せず)で固定されている。揺動板204は、揺動軸208により軸支されることでハウジング205により回動可能に保持される。本実施例では、実施例1における揺動板4と同様に、揺動板204のクリーニングブレード201が固定される平坦部の長手方向の両端部に形成された延長部の端部に、それぞれ感光ドラム101側に延びるように形成された保持部243が設けられている。本実施例では、保持部243は、揺動板204の上記延長部が曲げられて一体的に形成されている。ただし、保持部243は別部材で構成されて、揺動板204に固定されてもよい。保持部243は、その平面が揺動板204のクリーニングブレード201が固定される平坦部及びテンションローラ173の回転軸線方向とそれぞれ交差(本実施例では略直交)する方向に配置される。そして、保持部243及びハウジング205にそれぞれ設けられた穴に揺動軸208が挿通されて揺動板204が軸支されることで、ブレードアッシー210はハウジング205により回動可能に保持される。クリーニングブレード201と、支持部材202(支持板203、揺動板204)と、を有して構成されるブレードアッシー210は、揺動板204とハウジング205との間に配置されたブレード加圧バネ206によって加圧される。これにより、クリーニングブレード201がテンションローラ173にバックアップされた中間転写ベルト107に押し当てられる。
【0068】
このように、本実施例では、ベルトクリーニング装置140は、揺動支持方式を採用している。これにより、例えば、中間転写ベルト107の使用に伴い中間転写ベルト107の表面の摩擦係数が上昇した場合でも、クリーニングブレード201が中間転写ベルト107から離れる方向に回動することができる。そのため、中間転写ベルト107に対するクリーニングブレード201の当接圧の上昇が抑制され、中間転写ベルト107の駆動トルクの上昇が抑制される。
【0069】
クリーニングブレード201の近傍には、クリーニングブレード201によって中間転写ベルト107の表面から除去された残トナーを収容する回収トナー収容部251が設けられている。回収トナー収容部251には、回収されたトナー(回収トナー)を搬送してベルトクリーニング装置140の外部に排出するための搬送部材としての搬送スクリュー207が設けられている。搬送スクリュー207によってベルトクリーニングユニット140の外部に搬送された回収トナーは、装置本体110に設けられた廃トナー回収容器(図示せず)に回収される。本実施例では、テンションローラ173の長手方向の端部には、テンションローラ173の回転軸線を中心としてテンションローラ173と一体で回転するように固定された回転部材としてのギヤ(図示せず)が設けられている。テンションローラ173が回転すると、テンションローラ173と一体で回転する上記ギヤの回転力が、搬送スクリュー207に伝達される。これにより、搬送スクリュー207が回転し、回収トナー収容部251内の回収トナーを搬送することが可能となっている。
【0070】
クリーニングブレード201は、短冊状のゴムブレードで構成されている。本実施例では、クリーニングブレード201は、厚さ2mmのゴム(本実施例ではポリウレタン)製の板材を、14mm(短手方向)×325mm(長手方向)程度にカットして形成されている。支持板203は、厚さ2mmの板金(本実施例では亜鉛めっき鋼板)を、剛性を高めるために断面略L字状に曲げたものを使用している。また、揺動板204は、厚さ2mmの板金(本実施例では亜鉛めっき鋼板)を、剛性を高めるために断面略L字状に曲げたものを使用している。クリーニングブレード201は、支持板203から短手方向の自由端部を8mm突出させた状態で、支持板203に接着により固定されている。この突出量のことを、クリーニングブレード201の自由長と定義する。また、クリーニングブレード201の中間転写ベルト107と当接するエッジ部Eを含む面のうち、クリーニングブレード101の厚さ方向に平行な面をカット面S1、厚さ方向と略直交する面をエア面S2と定義する。中間転写ベルト107に対するブレード201の当接圧を均一にするため、支持板203のブレード201を貼りつける面の平面度、ブレード201の厚さ、ブレード201を支持板203に貼り付けた際の自由長などは、高い精度で管理されている。
【0071】
本実施例では、ブレードアッシー210は、ベルトクリーニング装置140が中間転写ベルトユニット112に取り付けられる前にハウジング205に組み付ける必要がある。ここで、ハウジング205にブレードアッシー210に対する回り止めがない場合には、次のようになる。つまり、ベルトクリーニング装置140が中間転写ベルトユニット112に取り付けられるまでの間に、ブレード加圧バネ206により揺動板204が押し出されることで、ブレードアッシー210が押し出されてしまう。その結果、ブレード加圧バネ206が脱落してしまうことがある。そのため、従来は、ベルトクリーニング装置140を上記ユニット112に組み付けるまでの間、ブレードアッシー210の回り止めとなる工具を用いてブレード加圧バネ206の脱落を防止することが必要となるなど、組み立てが煩雑となることがあった。このような工具を必要とすることなく、組み立ての容易性を向上させるためには、ハウジング205に予めブレードアッシー210の回り止めを設けることが有効である。
【0072】
そこで、本実施例では、ハウジング205に、ブレードアッシー210の回り止めとなる規制部としての回り止めリブ256を設ける。本実施例では、回り止めリブ256は、揺動板204の長手方向の両端部近傍において、揺動板204に形成された上記延長部の短手方向に関する中間転写ベルト107(テンションローラ173)側の端部に当接可能な位置に設けられている。本実施例では、より詳細には、回り止めリブ256は、揺動板204の上記延長部における、クリーニングブレード201のカット面S1と略平行、かつ、カット面S1に近い方の面S11と、クリーニングブレード201のエア面S2と略平行、かつ、クリーニングブレード201から遠いほうの面S12と、が交わるエッジ部Wに当接可能な位置に設けられている。
【0073】
このように、本実施例によれば、特別の工具を必要とすることなく、ベルトクリーニング装置140が中間転写ベルトユニット112に取り付けられるまでの間のブレードアッシー210の姿勢を所望の姿勢に容易に保つことが可能となる。これにより、ベルトクリーニング装置140が中間転写ベルトユニット112に取り付けられるまでの間に、ブレードアッシー210がブレード加圧バネ206により押し出され過ぎてブレード加圧バネ206が脱落してしまうことなどを抑制することができる。
【0074】
ここで、揺動板204の保持部243の揺動軸208の周辺に回り止めを設けることも考えられるが、本実施例では、それと比較して、ブレードアッシー210の回動軸線から回り止めリブ256と揺動板204との当接点までの距離を長く取れる。そのため、本実施例では、回り止めリブ256の位置精度をそれほど高めなくても、所望のブレードアッシー210の姿勢を得ることができる。
【0075】
本実施例では、クリーニングブレード201の長手方向に沿って見たとき、回動軸線208aの位置は、支持部材202をクリーニングブレード201の厚さ方向に沿って回転体107側に投影した領域内、かつ、回転体107を構成するベルトをバックアップする円筒状部材173をクリーニングブレード1の短手方向に沿って支持部材202側に投影した領域内に位置する。本実施例では、回転体107は、ローラにバックアップされた中間転写ベルトである。また、本実施例では、クリーニング装置140は、画像形成装置100に対して着脱可能なユニット112に対して着脱可能である。
【0076】
以上説明したように、本実施例によれば、特別な工具を必要とすることなく、ベルトクリーニング装置140のユニットへの取り付け前にブレードアッシー210が必要以上に押し出されてブレード加圧バネ206が脱落するなどの不具合の発生を抑制できる。また、本実施例によれば、回り止めリブ256の位置精度を高める必要性を低減しつつ、ブレードアッシー210の所望の姿勢を得ることができる。したがって、本実施例によれば、ベルトクリーニング装置140(中間転写ベルトユニット112)の組み立ての容易性を向上させるこが可能となる。
【0077】
[実施例4]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例3のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例3の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例3と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0078】
実施例3では、支持部材202は、支持板203と、揺動板204と、を有して構成されていた。これに対し、本実施例では、支持部材202を構成する支持板203がハウジング205に直接回動可能に支持される構成とされている。
【0079】
図11は、本実施例におけるベルトクリーニング装置140及びその周辺部品を示す断面図(テンションローラ173の回転軸線方向)である。本実施例では、実施例3における揺動板204と同様に、支持板203のクリーニングブレード201が固定される平坦部の長手方向の両端部に形成された延長部の端部に、中間転写ベルト107側に延びるように形成された保持部233が設けられている。本実施例では、保持部233は、支持板203の上記延長部が曲げられて一体的に形成されている。ただし、保持部233は別部材で構成されて、支持板203に固定されてもよい。保持部233は、その平面が支持板203のクリーニングブレード201が固定される平坦部及びテンションローラ173の回転軸線方向とそれぞれ交差(本実施例では略直交)する方向に配置される。そして、保持部233及びハウジング205にそれぞれ設けられた穴に揺動軸208が挿通されて支持板203が軸支されることで、ブレードアッシー210はハウジング205により回動可能に保持される。
【0080】
本実施例では、ハウジング205に設けられた回り止めリブ256は、支持板203の長手方向の両端部近傍において、支持板203に形成された上記延長部の短手方向に関する中間転写ベルト107側の端部に当接可能な位置に設けられている。本実施例では、より詳細には、回り止めリブ256は、支持板203の上記延長部における、クリーニングブレード201のカット面S1と略平行、かつ、カット面S1に近い方の面S111と、クリーニングブレード201のエア面S2と略平行、かつ、クリーニングブレード201から遠い方の面S112と、が交わるエッジ部Wに当接可能な位置に設けられている。
【0081】
以上説明したように、本実施例によれば、支持板203がハウジング205に直接回動可能に支持される構成においても、実施例3と同様の効果を得ることができる。
【0082】
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
【0083】
上述の実施例では、クリーニング装置の清掃対象としての回転体が感光ドラム及び中間転写ベルトである場合について説明した。ただし、クリーニング装置の清掃対象としての回転体はこれに限定されるものではない。クリーニング装置の清掃対象としての回転体は、例えば、感光体などの像担持体上に形成されたトナー像が転写される記録材を担持して搬送する記録材担持体としての、無端状のベルトで構成された記録材担持ベルトなどであってもよい。また、その他、感光体ベルトや静電記録誘電体ベルト、あるいは記録材を加熱する定着装置などの画像加熱装置が備えた加熱回転体や加圧回転体としてのベルトなどであってもよい。つまり、典型的には、クリーニング装置の清掃対象としての回転体は、トナー像、又はトナー像を担持した記録材を搬送する像搬送体である。
【符号の説明】
【0084】
1 クリーニングブレード
2 支持部材
3 支持板
4 揺動板
5 ハウジング
6 ブレード加圧バネ
8 揺動軸
56 回り止めリブ
10 ブレードアッシー
101 感光ドラム
106 クリーニング装置