(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240813BHJP
B65G 47/90 20060101ALI20240813BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G47/90 B
B25J5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020166805
(22)【出願日】2020-10-01
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】竹村 大希
(72)【発明者】
【氏名】唐木 征二
(72)【発明者】
【氏名】倉田 茂
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-57336(JP,A)
【文献】特開2020-88352(JP,A)
【文献】特開2020-161540(JP,A)
【文献】特開2009-278027(JP,A)
【文献】特表2008-538654(JP,A)
【文献】特開2009-231623(JP,A)
【文献】国際公開第2007/046430(WO,A1)
【文献】特開2004-63934(JP,A)
【文献】特開2005-228917(JP,A)
【文献】特開2012-146862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 47/90
B25J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理部での処理が行われる第1ワーク、および前記処理部での処理が行われない第2ワークを受け取る第1ロボットと、
前記処理部での処理前の前記第1ワークが前記第1ロボットにより載置される第1載置部と、
前記第1ロボットから受け取った前記第2ワークを第1方向に搬送する搬送キャリッジと、
前記第1載置部にされた第1ワークを前記処理部に移動させるとともに、前記処理部で処理された処理済みの前記第1ワークを前記第1方向に位置する第2載置部に載置する走行機能付きの第2ロボットと、
を有し、
前記第2ロボットは、前記第1方向に走行して、前記処理済みの第1ワークを前記第2載置部に移動させるとともに、前記搬送キャリッジにより前記第1方向に搬送された前記第2ワークを前記搬送キャリッジから受け取って前記第2載置部に載置することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記第2ロボットは、前記処理前の第1ワークを保持する第1保持部と、前記処理済みの第1ワークを保持する第2保持部とを備え、
前記第1保持部は、前記第2保持部が前記処理部から前記処理済みの第1ワークを取り出した後に、前記処理部に前記処理前の第1ワークを移動させることを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送システムにおいて、
前記第2ロボットが前記処理前の第1ワークを前記第2載置部に移動させる際、前記第1保持部は、前記搬送キャリッジにより前記第1方向に搬送された前記第2ワークを前記搬送キャリッジから前記第2載置部に移動させることを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記搬送キャリッジは、前記第2ワークが載置されるとともに、前記第2ワークを搬送するステージを備え、
前記ステージは、上下方向を回転軸として回転可能であることを特徴とする搬送システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記第1載置部は、上下方向を回転軸として回転可能であることを特徴とする搬送システム。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記搬送キャリッジは、前記処理部と上下方向に重なることを特徴とする搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを搬送する搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の組立ラインに組み込まれる搬送システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の搬送システムは、前工程で処理されたガラス基板が載置されるステージと、前工程で処理されたガラス基板をガラス基板に対する処理を行う加熱部に移動させるとともに、加熱部で処理された処理済みのガラス基板を次工程に移動させるロボットとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の搬送システムでは、ガラス基板は各工程において順次処理される。ここで、第1工程(前工程)で処理されたパネルには、第2工程で処理が必要な第1基板と処理が不要な第2基板とが含まれており、第1基板および第2基板は、第3工程(次工程)で一緒に処理される場合がある。このような処理を行う場合、第1基板および第2基板は混在した状態で交互に搬送される。ロボットは、第2基板を搬送する際、第2基板を処理部には移動させずに、ステージから次工程へ移動させている。しかしながら、ロボットによる第2基板の移動距離が長い場合、ロボットの動作に時間がかかるので、搬送システムのタクトタイムが短縮できないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、処理部での処理が必要な第1基板と処理が不要な第2基板とを混在した状態で搬送した場合であっても、タクトタイムを短縮することが可能な搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の搬送システムは、処理部での処理が行われる第1ワーク、および前記処理部での処理が行われない第2ワークを受け取る第1ロボットと、前記処理部での処理前の前記第1ワークが前記第1ロボットにより載置される第1載置部と、前記第1ロボットから受け取った前記第2ワークを第1方向に搬送する搬送キャリッジと、前記第1載置部にされた第1ワークを前記処理部に移動させるとともに、前記処理部で処理された処理済みの前記第1ワークを前記第1方向に位置する第2載置部に載置する走行機能付きの第2ロボットと、を有し、前記第2ロボットは、前記第1方向に走行して、前記処理済みの第1ワークを前記第2載置部に移動させるとともに、前記搬送キャリッジにより前記第1方向に搬送された前記第2ワークを前記搬送キャリッジから受け取って前記第2載置部に載置することを特徴とする。
【0007】
本発明では、第2ロボットは、第1方向に走行して、処理済みの第1ワークを第2載置部に移動させるとともに、搬送キャリッジにより第1方向に搬送された第2ワークを搬送キャリッジから受け取って第2載置部に載置する。すなわち、処理部での処理が行われない第2ワークは、搬送キャリッジによって第1方向に搬送されるので、第2ロボットは、第1ワークを第2載置部に移動させる際、第1方向に搬送された第2ワークを第2載置部に移動させるだけであり、第2ワークを第1方向まで移動させる必要がない。このため、
第2ロボットの動作にかかる時間を短縮することができる。この結果、搬送システムのタクトタイムを短縮することができる。
【0008】
本発明において、前記第2ロボットは、前記処理前の第1ワークを保持する第1保持部と、前記処理済みの第1ワークを保持する第2保持部とを備え、前記第1保持部は、前記第2保持部が前記処理部から前記処理済みの第1ワークを取り出した後に、前記処理部に前記処理前の第1ワークを移動させることが好ましい。このように構成すれば、第2ロボットは、処理済みの第1ワークを処理部から取り出した後、続けて処理前の第1ワークを処理部に移動させることができる。この結果、搬送システムのタクトタイムを短縮することができる。
【0009】
本発明において、前記第2ロボットが前記処理前の前記第1ワークを前記第2載置部に移動させる際、前記第1保持部は、前記搬送キャリッジにより前記第1方向に搬送された前記第2ワークを前記搬送キャリッジから前記第2載置部に移動させることが好ましい。このように構成すれば、保持部が1つの場合と比べて、搬送システムのタクトタイムを短縮することができる。
【0010】
本発明において、前記搬送キャリッジは、前記第2ワークが載置されるとともに、前記第2ワークを搬送するステージを備え、前記ステージは、上下方向を回転軸として回転可能であることが好ましい。このように構成すれば、ステージに載置された第2ワークの向きを変更することが容易である。
【0011】
本発明において、前記第1載置部は、上下方向を回転軸として回転可能であることが好ましい。このように構成すれば、第1載置部に載置された第1ワークの向きを変更することが容易である。
【0012】
本発明において、前記搬送キャリッジは、前記処理部と上下方向に重なることが好ましい。このように構成すれば、搬送システムの設定面積をコンパクトにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の搬送システムでは、処理部での処理が必要な第1基板と処理が不要な第2基板とを混在した状態で搬送した場合であっても、搬送システムのタクトタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、ワークが、液晶ディスプレイ用のガラス基板(以下、「基板」とする。)である場合を中心に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
図2は、搬送システムの正面図である。
図3は、搬送システムの側面図ある。
図4は、第2ロボットの斜視図である。なお、
図3では、第1ロボットおよび第2載置部は省略されている。
【0016】
(搬送システム1の全体構成)
本形態の搬送システム1は、液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれて使用される。搬送システム1は、前工程で処理された基板100が搬入部2に搬入されると、基板1
00の一部を処理部10に移動するとともに、残りの基板100および処理部10で処理された基板100を、次工程の第2載置部7に搬送するためのシステムである。本形態の基板100は、長方形であり、処理部10での処理が行われる第1基板100A(第1ワーク)と、処理部10での処理が行われない第2基板100B(第2ワーク)とが含まれている。第1基板100Aと第2基板100Bとは同じ大きさである。
【0017】
図1~
図3に示すように、搬送システム1は、処理部10での処理が行われる第1基板100Aおよび処理部10での処理が行われない第2基板100Bを移動させる第1ロボット3と、処理部10での処理前の第1基板100Aが第1ロボット3により載置される第1載置部4と、第1ロボット3から受け取った第2基板100Bを第1方向に搬送する搬送キャリッジ5と、第1載置部4にされた第1基板100Aを処理部10に移動させるとともに、処理部10で処理された処理済みの第1基板100Aを第1方向に位置する第2載置部7に載置する走行機能付きの第2ロボット6とを有する。第2ロボット6は、第1方向に走行して、処理済みの第1基板100Aを第2載置部7に移動させるとともに、搬送キャリッジ5により第1方向に搬送された第2基板100Bを搬送キャリッジ5から受け取って第2載置部7に載置する。
【0018】
ここで、本明細書において、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、およびZ軸とする。搬送キャリッジ5は、X軸に沿って延在する。Z軸は鉛直軸である。X軸において、搬送キャリッジ5が第2基板100Bを移動させる方向をX1方向とし、その反対をX2方向とする。Z軸において、上方をZ1方向とし、下方をZ2方向とする。X軸において、一方をX1方向とし、その反対をX2方向とする。本形態において、X1方向は第1方向である。
【0019】
図1~
図3に示すように、搬入部2には、前工程で処理された基板100が載置される。基板100は、所定の方向となるように搬入部2に載置される。本形態では、基板100の長手方向がX軸方向となるように、基板100は搬入部2に載置される。
【0020】
図1~
図3に示すように、第1ロボット3は、搬入部2のX1方向の側に位置する。第1ロボット3は、搬入部2に載置された基板100のうち第1基板100Aを第1載置部4に移動させるとともに、搬入部2に載置された基板100のうち第2基板100Bを搬送キャリッジ5に移動させる。第1ロボット3は、基板100を支持するハンド部31と、ハンド部31が先端側に連結されるアーム32と、アーム32の基端側を支持する支持部33と、支持部33を上下方向に移動させる上下駆動部34とを備える。
【0021】
ハンド部31は、Z軸方向を回転軸として、アーム32の先端側に回動可能に連結されている。ハンド部31は、第1基板100Aを下方から支持する。この際、ハンド部31の延在する方向と第1基板100Aの長手方向とは一致する。アーム32は、Z軸方向を回転軸とした多関節アームである。アーム32の基端側は、Z軸方向を回転軸として、支持部33に回動可能に連結されている。上下駆動部34は、支持部33を介して、ハンド部31を上下方向に移動させる。よって、第1ロボット3は、ハンド部31を水平面に沿って、自在に移動させるとともに、ハンド部31を上下方向に移動させることが可能である。
【0022】
図1~
図3に示すように、第1載置部4は、第1ロボット3のY2方向の側に位置する。また、第1載置部4は、Z軸方向において、搬入部2と同じ高さに配置されている。第1載置部4は、第1基板100Aが載置されるステージ41と、ステージ41を回転させる回転駆動部42とを備える。ステージ41は、第1基板100Aが載置される大きさである。回転駆動部42は、モータなどの回転駆動源を備え、Z軸方向を回転軸として、ステージ41を回転させる。回転駆動部42は、ステージ41を回転させることによって、
ステージ41に載置された第1基板100Aの向きを変更することが可能である。
【0023】
図1~
図3に示すように、搬送キャリッジ5は、X軸方向に延在する。搬送キャリッジ5は、第1ロボット3のX1方向の側に位置する。また、搬送キャリッジ5は、Z軸方向において、搬入部2と同じ高さに配置されている。搬送キャリッジ5は、第2基板100Bが載置されるステージ51と、ステージ51を回転させる回転駆動部52と、回転駆動部52を介してステージ51をX軸方向に往復移動させる駆動部53とを備える。ステージ51は、第2基板100Bが載置される大きさである。
【0024】
回転駆動部52は、モータなどの回転駆動源を備え、Z軸方向を回転軸として、ステージ51を回転させる。回転駆動部52は、ステージ51を回転させることによって、ステージ51に載置された第2基板100Bの向きを変更するが可能である。駆動部53は、電動シリンダなどからなる。駆動部53は、X2方向の端部からX1方向の端部まで、ステージ51を往復移動させる。
【0025】
処理部10は、搬入部2、第1載置部4および搬送キャリッジ5より下方に位置する。処理部10は、3つ設けられている。処理部10は、内部において、例えば、第1基板100Aに液晶を滴下する処理などを行う。処理部10は、第2ロボット6のY1方向の側に設けられた第1処理部10Aと、第2ロボット6のY2方向の側に設けられた第2処理部10Bおよび第3処理部10Cとを備える。第1処理部10Aは、搬送キャリッジ5と上下方向に重なる。なお、処理部10は、3つに限定されず、必要に応じて設けることが可能である。
【0026】
図1~
図4に示すように、第2ロボット6は、第1処理部10Aと第2処理部10Bとの間に配置されている。第2ロボット6は、駆動部65によりX軸方向に往復走行する。第2ロボット6は、処理前の第1基板100Aを保持する第1保持部61と、処理済みの第1基板100Aを保持する第2保持部62とを備える。
【0027】
第2ロボット6は、第1保持部61および第2保持部62の基端側を支持する支持部63と、支持部63を上下方向に移動させる上下駆動部64と、を備える。上下駆動部64は、支持部63を介して、第1保持部61および第2保持部62を上下方向に移動させる。
【0028】
第1保持部61は、第1基板100Aを支持するハンド部66と、ハンド部66が先端側に連結されるアーム67とを備える。ハンド部66は、Z軸方向を回転軸として、アーム67の先端側に回動可能に連結されている。ハンド部66は、第1基板100Aを下方から支持する。この際、ハンド部66の延在する方向と第1基板100Aの長手方向とは一致する。アーム67は、Z軸方向を回転軸とした多関節アームである。アーム67の基端側は、Z軸方向を回転軸として、支持部63に回動可能に連結されている。
【0029】
第2保持部62は、第1基板100Aを支持するハンド部68と、ハンド部68が先端側に連結されるアーム69とを備える。ハンド部68は、Z軸方向を回転軸として、アーム69の先端側に回動可能に連結されている。ハンド部68は、第1基板100Aを下方から支持する。この際、ハンド部68の延在する方向と第1基板100Aの長手方向とは一致する。アーム69は、Z軸方向を回転軸とした多関節アームである。アーム69の基端側は、Z軸方向を回転軸として、支持部63に回動可能に連結されている。よって、第2ロボット6は、ハンド部66およびハンド部68を水平面に沿って、自在に移動させるとともに、ハンド部66およびハンド部68を上下方向に移動させることが可能である。
【0030】
駆動部65は、X軸方向に延在する。駆動部65は、X2方向の端部からX1方向の端
部まで、上下駆動部64を往復移動させる。これにより、第2ロボット6は、X軸方向に往復走行する。本形態では、駆動部65が上下駆動部64をX1方向の端部まで移動させた際、上下駆動部64は、X1方向の端部まで移動したステージ51とY軸方向で重なる。
【0031】
図1および
図2に示すように、第2載置部7は、第2ロボット6のX1方向の側に位置する。第2載置部7は、基板100を収容する棚である。第2載置部7は、第1基板100Aを載置する第1部分71と、第2基板100Bを載置する第2部分72とを備える。第2載置部7に載置された基板100は、次工程のロボットによって移動する。
【0032】
(搬送システム1の動作)
次に、搬送システム1の動作について説明する。まず、前工程のロボット等は、前工程で処理された基板100を搬入部2に順次移動させる。搬入部2に載置される基板100は、一定の割合で、第1基板100Aおよび第2基板100Bが混在している。第1ロボットが搬入部2から基板100を移動させた後、前工程のロボット等は、次の基板100を搬入部2に移動させる。
【0033】
第1ロボット3は、搬入部2に第1基板100Aが載置されると、第1基板100Aを第1載置部4に移動する。この際、第1基板100Aは、第1基板100Aの長手方向がY軸方向となるように、第1載置部4に載置される。
【0034】
一方は、第1ロボット3は、搬入部2に第2基板100Bが載置されると、第2基板100Bを搬送キャリッジ5のステージ51に移動する。この際、第2基板100Bは、第2基板100Bの長手方向がX軸方向となるように、ステージ51に載置される。
【0035】
第1載置部4は、ステージ41に第1基板100Aが載置された後、ステージ41を90°回転させることによって、ステージ41に載置された第1基板100Aの向きを変更する。これにより、第1基板100Aの長手方向は、X軸方向となる。
【0036】
搬送キャリッジ5は、ステージ51に第2基板100Bが載置された後、ステージ51をX1方向に移動させる。搬送キャリッジ5は、ステージ51をX1方向の端部まで移動させた後、ステージ51を90°回転させることによって、ステージ51に載置された第2基板100Bの向きを変更する。これにより、第2基板100Bの長手方向は、Y軸方向となる。なお、搬送キャリッジ5は、ステージ51をX1方向の端部まで移動させる最中に、ステージ51を90°回転させてもよい。
【0037】
第2ロボット6は、ステージ41が回転した後、ステージ41から第1基板100Aを第1保持部61によって保持する。その後、第2ロボット6は、各処理部10が位置する位置まで、X1方向に走行する。例えば、第2ロボット6は、第1処理部10Aが位置する位置まで走行した後、第1処理部10Aで処理された処理済みの第1基板100Aを第2保持部62で保持する。そして、第2ロボット6は、第1処理部10Aから処理済みの第1基板100Aを第2保持部62によって取り出した後、第1保持部61が保持した処理前の第1基板100Aを第1処理部10Aに移動させる。処理前の第1処理部10Aが第1処理部10Aに移動した後、第1処理部10Aは、第1基板100Aに対して処理を行う。
【0038】
第2ロボット6は、駆動部65のX1方向の端部までX1方向に走行して、第2保持部62が保持した処理済みの第1基板100Aを第2載置部7の第1部分71に移動させる。第1基板100Aを第2載置部7の第1部分71に移動させる際、第2ロボット6は、X1方向に搬送された第2基板100Bを第1保持部61によって搬送キャリッジ5のス
テージ51から受け取る。
【0039】
第1保持部61が第2基板100Bを受け取った後、搬送キャリッジ5は、ステージ51を90°回転させてから、ステージ51をX2方向に移動させる。ステージ51には、第1ロボット3によって、次の第2基板100Bが載置される。
【0040】
第1保持部61が第2基板100Bを受け取った後、第2ロボット6は、第1保持部61に保持された第2基板100Bを、第2載置部7の第2部分72に載置するとともに、第2保持部62に保持された第1基板100Aを、第2載置部7の第1部分71に載置する。
【0041】
第2ロボット6は、第2載置部に基板100を移動させた後、駆動部65のX2方向の端部まで走行する。第2ロボット6は、再び、ステージ51から第1基板100Aを第1保持部61によって保持し、次の処理部10(例えば第2処理部10B)に第1基板100Aを移動させ、上記の動作を順次繰り返す。
【0042】
(本形態の作用効果)
本形態の搬送システム1は、処理部10での処理が行われる第1基板100Aおよび処理部10での処理が行われない第2基板100Bを移動させる第1ロボット3と、処理部10での処理前の第1基板100Aが第1ロボット3により載置される第1載置部4と、第1ロボット3から受け取った第2基板100Bを第1方向に搬送する搬送キャリッジ5と、第1載置部4にされた第1基板100Aを処理部10に移動させるとともに、処理部10で処理された処理済みの第1基板100AをX1方向に位置する第2載置部7に載置する走行機能付きの第2ロボット6とを有する。第2ロボット6は、X1方向に走行して、処理済みの第1基板100Aを第2載置部7に移動させるとともに、搬送キャリッジ5により第1方向に搬送された第2基板100Bを搬送キャリッジ5から受け取って第2載置部7に載置する。
【0043】
このように構成すれば、処理部10での処理が行われない第2基板100Bは、搬送キャリッジ5によってX1方向に搬送されるので、第2ロボット6は、第1基板100Aを第2載置部7に移動させる際、X1方向に搬送された第2基板100Bを第2載置部7に移動させるだけであり、第2基板100BをX1方向まで移動させる必要がない。このため、第2ロボット6の動作にかかる時間を短縮することができる。この結果、搬送システム1のタクトタイムを短縮することができる。
【0044】
本形態において、第2ロボット6は、処理前の第1基板100Aを保持する第1保持部61と、処理済みの第1基板100Aを保持する第2保持部62とを備える。第1保持部61は、第2保持部62が処理部10から処理済みの第1基板100Aを取り出した後に、処理部10に処理前の第1基板100Aを移動させる。このように構成すれば、第2ロボット6は、処理済みの第1基板100Aを処理部10から取り出した後、続けて処理前の第1基板100Aを処理部10に移動させることができる。この結果、搬送システム1のタクトタイムを短縮することができる。
【0045】
本形態において、第2ロボット6が処理前の第1基板100Aを第2載置部7に移動させる際、第1保持部61は、搬送キャリッジ5によりX1方向に搬送された第2基板100Bを搬送キャリッジ5から第2載置部7に移動させる。このように構成すれば、保持部が1つの場合と比べて、搬送システム1のタクトタイムを短縮することができる。
【0046】
本形態において、搬送キャリッジ5は、第2基板100Bが載置されるとともに、第2基板100Bを搬送するステージ51を備え、ステージ51は、上下方向を回転軸として
回転可能である。このように構成すれば、ステージ51に載置された第2基板100Bの向きを変更することが容易である。
【0047】
本形態において、第1載置部4は、上下方向を回転軸として回転可能である。このように構成すれば、第1載置部4に載置された第1基板100Aの向きを変更することが容易である。
【0048】
本形態において、搬送キャリッジ5は、第1処理部10Aと上下方向に重なる。このように構成すれば、搬送システム1の設定面積をコンパクトにすることができる。
【0049】
(他の実施形態)
上記形態では、第2ロボット6は、駆動部65のX1方向の端部までX1方向に走行した後、搬送キャリッジ5によって第1方向に搬送された第2基板100Bを、搬送キャリッジ5のステージ51から第1保持部61によって受け取ったが、この形態に限定されない。例えば、第2ロボット6は、第2保持部62に保持された第1基板100Aを、第2載置部7の第1部分71に移動させた後、搬送キャリッジ5によって第1方向に搬送された第2基板100Bを、第1保持部61によって搬送キャリッジ5のステージ51から受け取って第2載置部7の第2部分72に載置してもよい。
【0050】
また、第2ロボットは、第1保持部61によって搬送キャリッジ5のステージ51から第2基板100Bを受け取る動作と、第2保持部62が保持した処理済みの第1基板100Aを第2載置部7の第1部分71に移動させる動作とを同時に行ってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…搬送システム、2…搬入部、3…第1ロボット、4…第1載置部、5…搬送キャリッジ、6…第2ロボット、7…第2載置部、10…処理部、10A…第1処理部、10B…第2処理部、10C…第3処理部、31…ハンド部、32…アーム、33…支持部、34…上下駆動部、41…ステージ、42…回転駆動部、51…ステージ、52…回転駆動部、53…駆動部、61…第1保持部、62…第2保持部、63…支持部、64…上下駆動部、65…駆動部、66…ハンド部、67…アーム、68…ハンド部、69…アーム、71…第1部分、72…第2部分、100…基板、100A…第1基板、100B…第2基板