(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】機器システム及び機器システムの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20240813BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20240813BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H04L12/28 500C
F25D11/00 101B
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 311J
(21)【出願番号】P 2020180001
(22)【出願日】2020-10-27
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】松永 健吾
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-094622(JP,A)
【文献】特開2006-340157(JP,A)
【文献】国際公開第2015/133022(WO,A1)
【文献】特開2002-101474(JP,A)
【文献】特開2013-090141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
F25D 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサを有する第1の機器と、
複数の電気部品を有するとともに、前記第1の機器と異なる第2の機器と、
表示部と前記第1の機器及び前記第2の機器と通信する通信機能を有する端末と、
前記端末に設けられた制御装置と、
を有した機器システムであって、
前記制御装置は、
前記複数のセンサからデータを取得し、
前記第2の機器の制御に用いるデータを出力するセンサを前記複数のセンサのうち所定のセンサからなる第1センサ群から選択可能なように、前記端末の前記表示部に前記第1センサ群を表示し、
前記複数のセンサのうち前記第1センサ群を除くセンサからなる第2センサ群を、前記第2の機器の制御に用いるデータとすることを制限する
機器システム。
【請求項2】
複数のセンサを有する第1の機器と、
複数の電気部品を有するとともに、前記第1の機器と異なる第2の機器と、
表示部と前記第1の機器及び前記第2の機器と通信する通信機能を有する端末と、
を有した機器システムの制御プログラムであって、
前記複数のセンサからデータを取得し、
前記第2の機器の制御に用いるデータを出力するセンサを前記複数のセンサのうち所定のセンサからなる第1センサ群から選択可能なように、前記端末の前記表示部に前記第1センサ群を表示し、
前記複数のセンサのうち前記第1センサ群を除くセンサからなる第2センサ群を、前記第2の機器の制御に用いるデータとすることを制限する
ことをコンピュータによって実現させるための機器システムの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、1の機器に設けられたセンサから取得したデータに基づいて他の機器の制御を行える機器システム及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫や洗濯機やエアコンなどの家電機器では、PCやスマートフォンなどの情報端末と連携し、情報端末と家電機器との間で制御データの送受信を行うことで、家電機器を遠隔操作する技術が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
ところで、家電機器では、種々のセンサが組み込まれており、家電機器のIoT化が普及するにつれ、ある家電機器のセンサから得た情報に基づいて他の家電機器を制御することが可能になる。
【0004】
このような家電機器の制御は、利便性を考慮すると、家電機器のメーカだけでなくユーザやメーカ以外の開発者などの第三者にも設定可能とすることが好ましい。しかしながら、第三者が家電機器の制御設定する場合、当該家電機器が正常に動作しない条件や危険な動作条件に設定するおそれがある。
【0005】
なお、特許文献1~3には、端末から離れた場所にある家電機器を遠隔操作するシステムに関する技術が開示されているが、家電機器の制御条件を設定し、設定した条件に従って家電機器を動作させることについては記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-184711号公報
【文献】特開2013-38487号公報
【文献】特開2014-50110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、上記事情を考慮してなされたものであり、安全性を確保しつつ、1の機器に設けられたセンサから取得したデータに基づいて他の機器の制御を行える機器システム及びその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態の機器システムは、複数のセンサを有する第1の機器と、複数の電気部品を有するとともに、前記第1の機器と異なる第2の機器と、表示部と前記第1の機器及び前記第2の機器と通信する通信機能を有する端末と、前記端末に設けられた制御装置と、を有した機器システムであって、前記制御装置は、前記複数のセンサからデータを取得し、前記第2の機器の制御に用いるデータを出力するセンサを前記複数のセンサのうち所定のセンサからなる第1センサ群から選択可能なように、前記端末の前記表示部に前記第1センサ群を表示し、前記複数のセンサのうち前記第1センサ群を除くセンサからなる第2センサ群を、前記第2の機器の制御に用いるデータとすることを制限する機器システムである。
【0010】
一実施形態の機器システムの制御プログラムは、複数のセンサを有する第1の機器と、複数の電気部品を有するとともに、前記第1の機器と異なる第2の機器と、表示部と前記第1の機器及び前記第2の機器と通信する通信機能を有する端末と、を有した機器システムの制御プログラムであって、前記複数のセンサからデータを取得し、前記第2の機器の制御に用いるデータを出力するセンサを前記複数のセンサのうち所定のセンサからなる第1センサ群から選択可能なように、前記端末の前記表示部に前記第1センサ群を表示し、前記複数のセンサのうち前記第1センサ群を除くセンサからなる第2センサ群を、前記第2の機器の制御に用いるデータとすることを制限することをコンピュータによって実現させるための機器システムの制御プログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る機器システムの構成例を示す図
【
図3】本発明の一実施形態に係る機器システムを設定する場合における制御を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態の機器システム及びプログラムを、図面を参照して説明する。
【0013】
図1に例示する機器システム1は、家電機器等の機器の制御を設定するシステムであって、複数の機器10と、サーバ30、ネットワーク40、及び端末50を含んで構築されている。
【0014】
機器10は、センサと電気部品とを有する機器と、センサのみを有する機器を含む。これらの機器10は、家庭内に設けられたルータ等を介してネットワーク40に接続される。
【0015】
センサと電気部品とを有する機器は、センサの検出データに基づいて電気部品が制御されることで機器が所定動作を行う。このような機器としては、例えば、冷蔵庫11、エアコン12、室内照明14、表示装置15等の家電機器などがある。
【0016】
冷蔵庫11は、電気部品として、冷気を生成する冷凍サイクルを構成する圧縮機及び冷媒流路切替弁や、冷凍サイクルで生成した冷気を貯蔵室へ送風するダンパ及びファンや、ボタン操作などの所定操作によって貯蔵室扉の開扉を補助する開扉装置、冷蔵庫11の運転メニューの表示や冷蔵庫の状態設定を切り替える操作表示部や、開扉時に貯蔵室内部を照明する庫内灯や、光触媒に紫外線又は可視光線を照射する等によって貯蔵室の空気を脱臭及び除菌する脱臭除菌装置や、給水タンクの水を給水して氷を作製する製氷装置や、蒸発器や製氷装置に給水する給水口の凍結を防止したり、貯蔵室の内壁面や冷蔵庫の筐体外側に発生する結露を防止したりするヒータ等を有している。
【0017】
また、冷蔵庫11は、上記した電気部品の制御に用いるデータを検出するセンサとして、例えば、貯蔵室内の温度を検出する庫内温度センサや、庫外雰囲気の温度や湿度を検出する庫外温度センサ及び庫外湿度センサや、開扉及び閉扉を検出する扉センサや、冷凍サイクルを構成する蒸発器の温度を検出する蒸発器温度センサ等を有している。
【0018】
エアコン12は、電気部品として、例えば、冷気あるいは暖気を生成する冷凍サイクルを構成する圧縮機及び冷媒流路切替弁や、熱交換器と熱交換した空気を送風する送風機等を有し、センサとして、室内機が設置された雰囲気の温度を検出する室内温度センサや、室外機が設置された室外の温度を検出する室外温度センサや、室内機に設けられた熱交換器の温度を検出する熱交換器センサ等を有している。
【0019】
室内照明14は、例えば、光源に駆動電源を供給する電源部を有し、センサとして、電源部のON・OFFを検出するセンサや人の近接を検出する人感センサ等を有している。
【0020】
表示装置15は、電気部品として、例えば、液晶パネルやバックライト等を有し、センサとして、照度センサや人感センサ等を有している。
【0021】
センサのみを有する機器としては、例えば、計量皿に載置された物の重さを検出する重量センサ16や玄関ドアの施錠の有無を検出する施錠センサ17等がある。
【0022】
ネットワーク40は、インターネット、一般電話回線、及び携帯電話回線等で構成される。サーバ30は、周知のコンピュータシステムにより構成されており、機器10を操作するために、端末50と機器10との通信を中継する。
【0023】
また、サーバ30には、機器10とその機器10が有するセンサ及び電気部品を示すデータが記憶されている。具体的には、機器10が有するセンサは第1センサ群と第2センサ群に分類され、電気部品は第1電気部品群と第2電気部品群に分類されており、サーバ30には、センサ及び電気部品とともに各センサ及び電気部品が属するセンサ群及び電気部品群が、センサ及び電気部品を示すデータとして記憶されている。
【0024】
端末50には、機器10を操作するためのアプリケーションがインストールされている。ユーザは、端末50においてアプリケーションを起動して、機器10が有するセンサからデータを取得したり、機器10が有する電気部品の制御方法を設定するなど、機器10を操作する。アプリケーションは、ネットワーク40及びサーバ30を介して機器10と通信する。
【0025】
図2に例示するように、端末50は、当該端末50の動作全般を制御する制御装置51を主体として構成されている。この制御装置51には、表示部52、操作部53、通信部54などが接続されている。表示部52は、例えば液晶パネルや有機EL等といった表示器により構成されている。操作部53は、表示部52の表示画面上に形成されるタッチパネルスイッチや表示部52の周囲に設けられた機械式のスイッチなどで構成されている。通信部54は、例えば、無線LANや、4Gや、5G等の規格に従って外部の機器と無線通信を実現する要素である。
【0026】
制御装置51は、アプリケーションを実行することによって機器登録部55、センサ設定部56、機器設定部57、条件設定部58及び処理部59を仮想的に実現する。上述した各部は、不図示のCPU(Central Processing Unit)やメモリ等を含むマイクロコンピュータにより制御される。
【0027】
機器登録部55は、操作対象とする機器10をサーバ30に登録する。具体的に、機器登録部55は、ユーザの指示により、サーバ30に登録されている機器と、ユーザのアカウントとを紐づける要求をサーバ30に行う。
【0028】
サーバ30は、当該要求を受信すると、受信したアカウントの機器を操作可能なアカウントとして登録するとともに、サーバ30に登録した機器が有するセンサ及び電気部品を示すデータ、つまり、サーバ30に登録した機器が有するセンサ及び電気部品とともに各センサ及び電気部品が属するセンサ群及び電気部品群を端末50へ送信する。端末50は、サーバ30から受信したセンサ及び電気部品を示すデータをメモリに記憶する。
【0029】
センサ設定部56は、機器登録部55から登録した機器の中から1又は複数の機器をユーザが選択可能なように、登録された機器を表示部52に表示する。そして、ユーザが操作部53を介して1の機器を選択すると、センサ設定部56は、選択された機器(以下、この機器を第1の機器ということもある)が有するセンサのうち、第1センサ群に属するセンサのみをユーザが選択可能なように表示部52に表示する。一方、第2センサ群に属するセンサについては、センサ設定部56は、ユーザが選択することができないように、グレーアウトで表示部52に表示する、あるいは、表示部52に表示させない。
【0030】
機器設定部57は、機器登録部55から登録した機器の中からセンサ設定部56で設定した第1の機器を除く機器からユーザが1の機器を選択可能なように、表示部52に選択可能な機器を表示する。なお、ここで表示部52に表示する機器は、電気部品を有する機器のみを表示する。
【0031】
そして、ユーザが操作部53を介して1の機器を選択すると、機器設定部57は、選択された機器(以下、この機器を第2の機器ということもある)が有する電気部品のうち、第1電気部品群に属する電気部品のみをユーザが選択可能なように表示部52に表示する。一方、第2電気部品群に属する電気部品については、機器設定部57は、ユーザが選択することができないように、グレーアウトで表示部52に表示する、あるいは、表示部52に表示させない。
【0032】
条件設定部58は、センサ設定部56において選択されたセンサ(以下、このセンサを制御用センサということもある)が取得したデータに基づいて、機器設定部57において選択された電気部品(以下、この電気部品を被制御部品ということもある)に対して実行する制御を設定する。つまり、制御用センサが取得したデータに関する条件と、当該条件を満たした場合に被制御部品が実行する動作を設定する。
【0033】
なお、センサ設定部56において選択される第1の機器は、1個であっても複数個であってもよく、センサ設定部56において選択される制御用センサは、1個であっても複数個であってもよい。つまり、1個の第1の機器から複数個の制御用センサを選択してもよく、複数個の第1の機器のそれぞれから1個または複数個の制御用センサを選択しても良い。また、機器設定部57において選択される被制御部品は、1個であっても複数個であってもよく、更にまた、機器設定部57において被制御部品を個別に選択することに代えて、複数個の電気部品の制御を予め組み合わせた運転モードを機器設定部57において選択可能としてもよい。
【0034】
処理部59は、選択した第1の機器の制御用センサからサーバ30を介してデータを取得するとともに、取得したデータが条件設定部58において設定した条件を満たす否か判断する。そして、条件を満たす場合、処理部59は、条件設定部58において設定した動作を被制御部品に実行させる指令をサーバ30を介して第2の機器に送信する。
【0035】
以上のような本実施形態の機器システム1では、ユーザが選択した第1の機器に設けられたセンサの検出結果とユーザが設定した条件に基づいて、第1の機器と異なる任意の機器が有する電気部品の動作を制御することを実現する。
【0036】
本実施形態の機器システム1では、第1の機器が有するセンサのうち、第1センサ群に属するセンサのみをユーザが選択可能なように表示部52に表示し、第2センサ群に属するセンサについては、グレーアウトで表示部52に表示したり、あるいは、表示部52に表示させないこととし、ユーザがこれを選択することができないように制限する。そのため、第三者が、機器を危険な動作条件に設定するのを防ぎつつ、任意の機器の制御を設定可能として利便性を高めることができる。
【0037】
また、本実施形態の機器システム1では、第2の機器が有する電気部品のうち、第1電気部品群に属する電気部品のみをユーザが選択可能なように表示部52に表示し、第2電気部品群に属する電気部品については、グレーアウトで表示部52に表示したり、あるいは、表示部52に表示させないこととし、ユーザがこれを選択することができないように制限する。そのため、第三者が、機器を危険な動作条件に設定するのを防ぎつつ、任意の機器の制御を設定可能として利便性を高めることができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0039】
例えば、上記した実施形態の機器システム1では、ユーザが第2センサ群に属するセンサや第2電気部品群に属する電気部品を選択することができないように制限する場合について説明したが、特定の条件を満たした場合に上記制限を解除して第2センサ群に属するセンサや第2電気部品群に属する電気部品の選択をユーザに許可してもよい。例えば、選択が制限されている第2センサ群に属するセンサや第2電気部品群に属する電気部品をユーザが選択すると、制御装置51が、選択されたセンサや電気部品を利用して第2の機器を制御する際の注意事項を端末50の表示部52に表示させ、ユーザからその注意事項に同意する意思表示を受け付けると、当該センサや電気部品の選択をユーザに許可してもよい。
(実施例)
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
本実施例では、上記した機器システム1を用いてエアコン12に設けられた室外機温度センサの検出結果に基づいて冷蔵庫11に設けられた脱臭除菌装置を制御する場合について、
図3を参照して説明する。
【0041】
まず、ユーザは、端末50において機器10を操作するためのアプリケーションを起動し、制御対象の機器である冷蔵庫11と冷蔵庫11の制御に用いるエアコン12をサーバ30に登録する(
図3のS1)。端末50から冷蔵庫11及びエアコン12をサーバ30に登録すると、冷蔵庫11及びエアコン12が有するセンサ及び電気部品に関するデータが端末50に送信され、端末50はこれらをメモリに保存する(
図3のS2)。
【0042】
冷蔵庫11については、扉センサ、庫外温度センサ及び庫外湿度センサを第1センサ群に属するセンサとしてメモリに保存し、庫内温度センサ及び蒸発器温度センサを第2センサ群に属するセンサとしてメモリに保存する。また、冷蔵庫11の第1電気部品群に属する電気部品として庫内灯及び脱臭除菌装置をメモリに保存し、第2電気部品群に属する電気部品として圧縮機、冷媒流路切替弁、ダンパ、ファン、開扉装置、操作表示部、製氷装置及びヒータをメモリに保存する。
【0043】
エアコン12については、室内温度センサ及び室外温度センサを第1センサ群に属するセンサとしてメモリに保存し、熱交換器センサを第2センサ群に属するセンサとしてメモリに保存し、圧縮機、冷媒流路切替弁及び送風機を第2電気部品群に属する電気部品としてメモリに保存する。この例では、エアコン12において第1電気部品群に属する電気部品が存在しない。
【0044】
また、冷蔵庫11及びエアコン12以外に、室内照明14、表示装置15、重量センサ16及び施錠センサ17等の機器が、サーバ30に登録され、これらの各機器が有するセンサ及び電気部品に関するデータが端末50のメモリに保存されていてもよい。
【0045】
次いで、ユーザは、アプリケーションの操作画面から第1の機器と制御用センサを選択する。端末50の操作画面には、サーバ30に登録した機器が、文字や図形によって表示される(
図3のS3)。
【0046】
そして、端末50の操作画面に表示された機器の中からユーザが第1の機器としてエアコン12を選択すると、表示部52には、第2センサ群に属する熱交換器センサが表示されず、第1センサ群に属する室内温度センサ及び室外温度センサが文字や図形によって表示される(
図3のS4)。
【0047】
そして、ユーザが第1センサ群から制御用センサとして室外機温度センサを選択すると、端末50の操作画面には、第1の機器として選択したエアコン12を除く機器、つまり、冷蔵庫11、室内照明14が表示される(
図3のS5)。
【0048】
そして、端末50の操作画面の中からユーザが第1の機器として冷蔵庫11を選択すると、表示部52には、第2電気部品群に属する圧縮機、冷媒流路切替弁、ダンパ、ファン、開扉装置、操作表示部、製氷装置及びヒータが表示されず、第1電気部品群に属する庫内灯及び脱臭除菌装置が文字や図形によって表示される(
図3のS6)。
【0049】
そして、ユーザが、第1電気部品群から被制御部品として脱臭除菌装置を選択すると、端末50の表示部52には、制御用センサが取得したデータに関する条件と、当該条件を満たした場合に被制御部品が実行する動作を設定する操作画面が表示される(
図3のS7)。そして、ユーザが当該条件及び動作の設定が可能となる。
【0050】
具体的には、制御用センサとしてエアコン12の室外機温度センサが選択されると、表示部52には、室外機温度センサの温度条件の設定画面と、その温度条件を満たした場合に脱臭除菌装置が実行する動作を設定する画面が表示される。例えば、室外機温度センサの温度条件として「検出温度が25℃以上」と設定し、その温度条件を満たした場合に脱臭除菌装置が実行する動作として「常時動作」と設定し、その温度条件を満たさない場合に脱臭除菌装置が実行する動作として「冷蔵庫の設定に従う」と設定する。
【0051】
そして、ユーザが設定した制御用センサの条件及び被制御部品の動作をメモリに記憶することで、エアコン12に設けられた室外機温度センサの検出結果に基づいて冷蔵庫11に設けられた脱臭除菌装置の制御を開始する。
【0052】
つまり、端末50に設けられた制御装置51の処理部59が、エアコン12の室外機温度センサの検出温度を所定時間ごとに取得し、取得した温度が上記した温度条件を満たすか否か判断する。取得した室外機温度センサの検出温度が25℃以上であって上記温度条件を満たしていると、脱臭除菌装置が常時動作するように制御装置51の処理部59が冷蔵庫11に指令を送信する。また、取得した室外機温度センサの検出温度が25℃未満の場合、脱臭除菌装置の常時動作の指令を解除し、冷蔵庫11の設定に従って脱臭除菌装置の動作を制御する。
【0053】
このような制御によって、通常、冷蔵庫11自身が取得することができない外気温に関するデータに基づいて冷蔵庫11を制御する機器システム1を、ユーザが簡単に構築することができ、食品が傷みやすい外気温が高い時期に脱臭除菌装置を常時動作させて臭気の発生や雑菌の繁殖を抑えることができる。
【0054】
また、本実施例の機器システム1では、被制御部品を選択する際に、表示部52には、第2電気部品群に属する圧縮機、冷媒流路切替弁、ダンパ、ファン、開扉装置、操作表示部、製氷装置、及びヒータが表示されず、第1電気部品群に属する庫内灯及び脱臭除菌装置が表示される。
【0055】
これにより、冷蔵庫11の貯蔵室内が冷却されないような条件に圧縮機、冷媒流路切替弁、ダンパ及びファンが設定されたり、扉がユーザに衝突するような危険なタイミングで開扉装置が動作したり、誤った冷蔵庫11の動作状態を操作表示部が表示したり、給水タンクの水が過剰に供給されて水漏れが発生するように製氷装置が動作したり、不所望な箇所に生じる凍結や結露を除去できない条件でヒータが動作するおそれがない。そのため、冷蔵庫の正常動作や安全性を確保しながら、ユーザによる冷蔵庫11の動作設定を可能として利便性を高めることができる。
【0056】
なお、本実施例では、エアコン12に設けられた室外機温度センサの検出結果に基づいて冷蔵庫11に設けられた脱臭除菌装置を制御する場合について説明したが、例えば、室内照明14の電源部のON・OFFを検出するセンサが電源部のOFFを検出すると冷蔵庫11に設けられた庫内灯の光量を低下させたり、冷蔵庫11の扉センサが貯蔵室扉の開閉を検出すると、貯蔵室扉の開閉があったことを表示装置15に表示するなど、任意の機器の第1センサ群に属するセンサを用いて、任意の機器の第1電気部品群に属する電気部品を制御することができる。
【0057】
また、本実施例では、エアコン12に設けられた室外機温度センサの検出結果に基づいて、冷蔵庫11に設けられた脱臭除菌装置の制御を設定する場合について説明したが、複数の電気部品を予め設定された条件に従って総合的に制御する運転モードを設定してもよい。
【0058】
例えば、圧縮機、流路切替弁、ダンパ及びファンを予め設定された条件に従って総合的に制御することで実現する冷却強度が複数設定されている冷蔵庫において、エアコン12に設けられた室外機温度センサの検出結果に基づいて、冷蔵庫11に設定された複数段階の冷却強度から1の冷却強度を選択してもよい。また、冷蔵庫11を通常よりも低い消費電力で運転するように圧縮機、流路切替弁、ダンパ、ファン、及びヒータを予め設定された条件に従って総合的に制御するお出かけモードが設定されている冷蔵庫において、施錠センサ17が玄関ドアの施錠に基づいて、お出かけモードの有無を選択してもよい。
【0059】
これらの場合、第2電気部品群に属する電気部品であっても予め設定された条件に従って総合的に制御するため、冷蔵庫の正常動作や安全性を確保することができ、ユーザによって種々の冷蔵庫11の動作設定が可能となり、更に利便性を高めることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…機器システム、10…機器、11…冷蔵庫、12…エアコン、14…室内照明、15…表示装置、16…重量センサ、17…施錠センサ、30…サーバ、40…ネットワーク、50…端末、51…制御装置、52…表示部、53…操作部、54…通信部、55…機器登録部、56…センサ設定部、57…機器設定部、58…条件設定部、59…処理部