(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ビル管理システム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/66 20060101AFI20240813BHJP
H04L 12/22 20060101ALI20240813BHJP
G04G 5/00 20130101ALI20240813BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20240813BHJP
【FI】
H04L12/66
H04L12/22
G04G5/00 J
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2020181191
(22)【出願日】2020-10-29
【審査請求日】2023-06-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217021
【氏名又は名称】馬場 進吾
(72)【発明者】
【氏名】杉本 侑基
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-215478(JP,A)
【文献】特開2019-047239(JP,A)
【文献】特表2013-501450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
G04G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻情報
および制御情報を取得するサーバと、
ビルに設けられ、前記時刻情報に含まれる標準時刻に内部時刻を同期させる第1機器と、
前記ビルに設けられ、前記第1機器と異なり、前記標準時刻に内部時刻を同期させる機能を有していない第2機器と、
前記サーバが前記時刻情報を取得した場合に前記第1機器への前記サーバの接続を許可する第1処理と、
前記サーバが前記制御情報を取得した場合に前記第2機器への前記サーバの接続を許可する第2処理と、を並列に行うファイアウォールと、
を備えているビル管理システム。
【請求項2】
前記サーバは、インターネットを介してNTPサーバから前記時刻情報を受信する請求項1に記載のビル管理システム。
【請求項3】
前記ファイアウォールは、
前記第1処理を実行する第1ファイアウォール部と、
前記第2処理を実行する第2ファイアウォール部と、
を備え、
前記第2ファイアウォール部は、前記第1ファイアウォール部から物理的に独立している請求項1又は2に記載のビル管理システム。
【請求項4】
前記ファイアウォールには、
前記第1処理を実行する第1ファイアウォール部と、
前記第2処理を実行する第2ファイアウォール部と、
を備え、
前記第1ファイアウォール部と前記第2ファイアウォール部とは、前記ファイアウォールにおいて仮想的に構成されている請求項1又は2に記載のビル管理システム。
【請求項5】
前記第1機器は、入退館監視システム、照明制御システム、電力監視システム及びCCTV監視システムの少なくとも1つの機能を含んでいる請求項1~4の何れか一項に記載のビル管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビル管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本標準時を伝える標準電波に基づいて修正した時刻を表示する電波修正時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビルに設けられた設備を管理するビル管理システムに特許文献1に示されている従来の技術が適用された場合には、標準電波を受信するための専用の受信設備が別途必要になる。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ビルにおける機器を管理するための時刻の修正を簡単な構成で行うことができるビル管理システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るビル管理システムは、時刻情報および制御情報を取得するサーバと、ビルに設けられ、前記時刻情報に含まれる標準時刻に内部時刻を同期させる第1機器と、前記ビルに設けられ、前記第1機器と異なり、標準時刻に内部時刻を同期させる機能を有していない第2機器と、前記サーバが前記時刻情報を取得した場合に前記第1機器への前記サーバの接続を許可する第1処理と、前記サーバが前記制御情報を取得した場合に前記第2機器への前記サーバの接続を許可する第2処理と、を並列に行うファイアウォールと、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ビルにおける機器を管理するための時刻の修正を簡単な構成で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1におけるビル管理システムのシステム構成例を示す図である。
【
図2】テナントサーバの制御例を説明するフローチャートである。
【
図3】ファイアウォールにおける制御情報の制御例を説明するフローチャートである。
【
図4】ファイアウォールにおける時刻情報の制御例を説明するフローチャートである。
【
図5】実施の形態2におけるビル管理システムのシステム構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるビル管理システムのシステム構成例を示す図である。
図1に示すように、ビル管理システムは、テナントサービスシステム1、ファイアウォール2及び中央監視システム3を備えている。
【0010】
テナントサービスシステム1は、インターネット11を介して、NTP(Network Time Protocol)サーバ12に接続されている。また、テナントサービスシステム1は、ファイアウォール2を介して、中央監視システム3に接続されている。
【0011】
テナントサービスシステム1は、テナントサーバ1aと、複数の端末1bと、を備えている。なお、複数の端末1bとしては、例えば、デスクトップPC(Personal Computer)が利用される。
【0012】
なお、テナントサーバ1aは、本開示におけるサーバに相当する。
【0013】
テナントサーバ1aは、ビルに設けられている。テナントサーバ1aは、中央監視システム3と、複数の端末1bとの間の各種情報の送受信を中継する。
【0014】
テナントサーバ1aは、Web(World Wide Web)サーバ1a1と、API(Application Programming Interface)1a2と、OS(Operating System)1a3と、を備えている。
【0015】
ファイアウォール2は、テナントサーバ1aと同じビルに設けられている。ファイアウォール2は、第1ファイアウォール部2aと、第2ファイアウォール部2bと、第3ファイアウォール部2cと、を備えている。第1ファイアウォール部2a、第2ファイアウォール部2b及び第3ファイアウォール部2cのそれぞれは、互いに物理的に独立している。
【0016】
第1ファイアウォール部2a、第2ファイアウォール部2b及び第3ファイアウォール部2cには、プロトコルの種別情報、パケットの送信元情報、パケットの送信先情報等が通信許可ルールとして予め記憶されている。第1ファイアウォール部2a、第2ファイアウォール部2b及び第3ファイアウォール部2cの詳細については後述する。
【0017】
Webサーバ1a1は、ファイアウォール2を介して、中央監視システム3から各種情報を取得する。Webサーバ1a1は、中央監視システム3から取得した各種情報をインターネット11を介して複数の端末1bに提供する機能を有している。また、Webサーバ1a1は、複数の端末1bの何れかから中央監視システム3宛に各種制御情報が供給された場合には、各種制御情報を中央監視システム3に供給する。API1a2は、Webサーバ1a1と、OS1a3との間とのインターフェースの機能を有し、OS1a3の各種機能を適宜呼び出す。OS1a3の各種機能の一つは、W32Timeサービスである。W32Timeサービスは、NTPクライアントの機能を有している。よって、W32TimeサービスによりNTPサーバ12からの時刻情報が取得可能になる。つまり、Webサーバ1a1は、W32Timeサービスの機能を介して、NTPサーバ12からの時刻情報を取得する。
【0018】
複数の端末1bには、Webブラウザが実装されている。このWebブラウザを介して、Webサーバ1a1から提供される各種情報の閲覧が可能である。また、このWebブラウザと、Webサーバ1a1とは、WebSocketによりプッシュ型の双方向通信が実現されている。
【0019】
NTPサーバ12は、stratumと呼ばれる複数の階層から構成されている。NTPサーバ12の最上位の階層は、時刻情報源から時刻情報を取得する機能を有している。時刻情報源は、原子時計又はGPS(Global Positioning System)衛星である。NTPサーバ12の最上位の階層は、下位の階層に時刻情報を伝える機能を有している。時刻情報は、標準時刻を含んでいる。NTPサーバ12は、インターネット11を介して、標準時刻を含む時刻情報を配信する機能を有している。つまり、NTPサーバ12は、GPS衛星等から取得した時刻情報を配信する機能を有している。
【0020】
DNS(Domain Name System)サーバ13は、NTPサーバ12におけるホスト名とIPアドレスとが定義されている。Webサーバ1a1は、DNSサーバ13に定義されている情報に基づいて、NTPサーバ12にアクセスする。
【0021】
SNTP(Simple Network Time Protocol)サーバ14は、NTPサーバ12から時刻情報を取得する機能を有している。
【0022】
中央監視システム3は、ファイアウォール2と同一のビルに設けられている。中央監視システム3は、中央監視サーバ3aと、機器群3bとを備えている。中央監視サーバ3aは、第1ネットワーク21及び第2ネットワーク23に接続されている。第1ネットワーク21は、インターネットプロトコルに準拠した通信を実現する通信媒体である。第2ネットワーク23は、BACnet(Building Automation and Control Networking)プロトコルに準拠した通信を実現する通信媒体である。
【0023】
機器群3bは、入退館監視システム5と、照明制御システム6と、電力監視システム7と、CCTV(Closed-Circuit Televison)監視システム8と、空調システム9と、を備えている。入退館監視システム5、照明制御システム6、電力監視システム7、CCTV監視システム8及び空調システム9のそれぞれは、第2ネットワーク23を介して、中央監視サーバ3aに接続されている。
【0024】
入退館監視システム5、照明制御システム6、電力監視システム7及びCCTV監視システム8は、時刻情報に含まれる標準時刻に内部時刻を同期させる機能を有する第1機器である。空調システム9は、第1機器とは異なる第2機器である。空調システム9は、時刻情報に含まれる標準時刻に内部時刻を同期させる機能を有していない。
【0025】
入退館監視システム5は、監視装置5aと、複数の入退館ゲート5bと、を有している。監視装置5aは、各入退館ゲート5bを通過する人の出入りを管理する機能を有している。
【0026】
照明制御システム6は、照明機器コントローラ6aと、複数の照明機器6bと、を有している。照明機器コントローラ6aは、例えば、各照明機器6bの消灯及び点灯を制御する機能と、各照明機器6bの消費電力を管理する機能と、を有している。
【0027】
電力監視システム7は、電力監視コントローラ7aと、単相二線式又は単相三線式の複数の電力量計7bと、を有している。電力監視コントローラ7aは、例えば、各電力量計7bの計測値を管理する機能を有している。
【0028】
CCTV監視システム8は、監視モニタ8aと、複数の監視カメラ8bと、を有している。監視モニタ8aは、例えば、各監視カメラ8bを管理する機能を有している。
【0029】
空調システム9は、空調機器コントローラ9aと、室内機及び室外機、全熱交換器、換気装置等のような複数の空調機器9bと、を有している。空調機器コントローラ9aは、例えば、各空調機器9bを制御する機能と、各空調機器9bを管理する機能と、を有している。
【0030】
次に、ファイアウォール2の詳細について説明する。
【0031】
第1ファイアウォール部2aは、テナントサーバ1aに接続されている。また、第1ファイアウォール部2aは、第1ネットワーク21を介して、中央監視サーバ3aに接続されている。中央監視サーバ3aは、第2ネットワーク23に接続されているので、第1ファイアウォール部2aは、中央監視サーバ3aを介して、第2ネットワーク23に接続されている各第1機器に接続されている。
【0032】
第1ファイアウォール部2aは、上記の接続構成において、入退館監視システム5、照明制御システム6、電力監視システム7及びCCTV監視システム8へのテナントサーバ1aの接続を許可する第1処理を実行する。第1ファイアウォール部2aは、到来したパケットの内容が通信許可ルールを満たす場合、そのパケットを通過させる。
【0033】
具体的には、第1ファイアウォール部2aにパケットが到来した場合、通信許可ルールに基づいて、次の各項目が判定される。第1にプロトコルの種別がインターネットプロトコルであるか否かが判定される。第2にパケットの送信元がテナントサーバ1aであるか否かが判定される。第3にパケットの送信先が入退館監視システム5、照明制御システム6、電力監視システム7及びCCTV監視システム8の何れであるかが判定される。
【0034】
例えば、プロトコルの種別がインターネットプロトコルであり、パケットの送信元がテナントサーバ1aであり、パケットの送信先が入退館監視システム5である場合、テナントサーバ1aから入退館監視システム5にパケットが送信される。
【0035】
第2ファイアウォール部2bは、テナントサーバ1aに接続されている。また、第2ファイアウォール部2bは、第2ネットワーク23を介して、各第1機器に接続されている。
【0036】
第2ファイアウォール部2bは、上記の接続構成において、空調システム9へのテナントサーバ1aの接続を許可する第2処理を実行する。第2ファイアウォール部2bは、到来したパケットの内容が通信許可ルールを満たす場合、そのパケットを通過させる。
【0037】
具体的には、第2ファイアウォール部2bにパケットが到来した場合、通信許可ルールに基づいて、次の各項目が判定される。第1にプロトコルの種別がBACnetプロトコルであるか否かが判定される。第2にパケットの送信元がテナントサーバ1aであるか否かが判定される。第3にパケットの送信先が空調機器コントローラ9aであるか否かが判定される。
【0038】
例えば、プロトコルの種別がBACnetプロトコルであり、パケットの送信元がテナントサーバ1aであり、パケットの送信先が空調機器コントローラ9aである場合、テナントサーバ1aから空調機器コントローラ9aにパケットが送信される。
【0039】
ファイアウォール2は、第1処理と、第2処理と、を並列に行う。
【0040】
第3ファイアウォール部2cは、テナントサーバ1aに接続されている。また、第3ファイアウォール部2cは、インターネット11を介して、NTPサーバ12、DNSサーバ13、SNTPサーバ14及び各端末1bに接続されている。
【0041】
第3ファイアウォール部2cは、テナントサーバ1aへのNTPサーバ12、DNSサーバ13、SNTPサーバ14及び各端末1bのそれぞれの接続を許可する処理を実行する。第3ファイアウォール部2cは、到来したパケットの内容が通信許可ルールを満たす場合、そのパケットを通過させる。
【0042】
具体的には、第3ファイアウォール部2cにパケットが到来した場合、通信許可ルールに基づいて、次の各項目が判定される。第1にプロトコルの種別がインターネットプロトコルであるか否かが判定される。第2にパケットの送信元がNTPサーバ12、DNSサーバ13、SNTPサーバ14及び各端末1bの何れであるかが判定される。第3にパケットの送信先がテナントサーバ1aであるか否かが判定される。
【0043】
例えば、プロトコルの種別がインターネットプロトコルであり、パケットの送信元がNTPサーバ12であり、パケットの送信先がテナントサーバ1aである場合、NTPサーバ12からテナントサーバ1aにパケットが送信される。この場合、テナントサーバ1aは、時刻情報を取得したことになる。そこで、テナントサーバ1aは、インターネットプロトコルに準拠し、時刻情報を含んだパケットを第1ファイアウォール部2aに送信する。
【0044】
また、例えば、プロトコルの種別がインターネットプロトコルであり、パケットの送信元が端末1bであり、パケットの送信先がテナントサーバ1aである場合、テナントサーバ1aにパケットが送信される。この場合、テナントサーバ1aは、制御情報を取得したことになる。そこで、テナントサーバ1aは、BACnetプロトコルに準拠し、制御情報を含んだパケットを第2ファイアウォール部2bに送信する。
【0045】
また、
図1に示す他のシステム4は、第1ネットワーク21に接続されている。よって、システム4は、第1ネットワーク21及び第1ファイアウォール部2aを介して、テナントサーバ1aに接続される。また、システム4は、第1ネットワーク21、第1ファイアウォール部2a、テナントサーバ1a及びインターネット11を介して、各端末1bに接続される。
【0046】
次に、ビル管理システムの制御例について具体的に説明する。
図2は、テナントサーバ1aの制御例を説明するフローチャートである。
図3は、ファイアウォール2における制御情報の制御例を説明するフローチャートである。
図4は、ファイアウォール2における時刻情報の制御例を説明するフローチャートである。
【0047】
図2において、ステップS11及びステップS12の処理は、テナントサーバ1aにより実行される処理である。また、ステップS21~ステップS25の処理は、第2ファイアウォール部2bにより実行される処理である。また、ステップS31~ステップS35の処理は、第1ファイアウォール部2aにより実行される処理である。
【0048】
ステップS11において、テナントサーバ1aは、制御情報を取得したか否かを判定する。制御情報を取得したと判定された場合、ステップS11の処理は、ステップS21の処理に進む。一方、制御情報を取得していないと判定された場合、ステップS11の処理は、ステップS12の処理に進む。
【0049】
ステップS12において、テナントサーバ1aは、時刻情報を取得したか否かを判定する。時刻情報を取得したと判定された場合、ステップS12の処理は、ステップS31の処理に進む。一方、時刻情報を取得していないと判定された場合、ステップS12の処理は、ステップS11の処理に戻る。
【0050】
ステップS21において、第2ファイアウォール部2bは、許可フラグを0に設定する。次に、ステップS21の処理は、ステップS22の処理に進む。
【0051】
ステップS22において、第2ファイアウォール部2bは、制御情報の内容が通信許可ルールを満たすか否かを判定する。制御情報の内容が通信許可ルールを満たすと判定される場合、ステップS22の処理は、ステップS23の処理に進む。一方、制御情報の内容が通信許可ルールを満たさないと判定される場合、ステップS22の処理は、ステップS24の処理に進む。
【0052】
ステップS23において、第2ファイアウォール部2bは、許可フラグを1に設定する。次に、ステップS23の処理は、ステップS24の処理に進む。
【0053】
ステップS24において、第2ファイアウォール部2bは、許可フラグが1であるか否かを判定する。許可フラグが1であると判定される場合、ステップS24の処理は、ステップS25の処理に進む。一方、許可フラグが1でないと判定される場合、ステップS24の処理は、終了する。
【0054】
ステップS25において、第2ファイアウォール部2bは、制御情報を通過させる。この後、ステップS25の処理は、終了する。
【0055】
ステップS31において、第1ファイアウォール部2aは、許可フラグを0に設定する。次に、ステップS31の処理は、ステップS32の処理に進む。
【0056】
ステップS32において、第1ファイアウォール部2aは、時刻情報の内容が通信許可ルールを満たすか否かを判定する。時刻情報の内容が通信許可ルールを満たすと判定される場合、ステップS32の処理は、ステップS33の処理に進む。一方、時刻情報の内容が通信許可ルールを満たさないと判定される場合、ステップS32の処理は、ステップS34の処理に進む。
【0057】
ステップS33において、第1ファイアウォール部2aは、許可フラグを1に設定する。次に、ステップS33の処理は、ステップS34の処理に進む。
【0058】
ステップS34において、第1ファイアウォール部2aは、許可フラグが1であるか否かを判定する。許可フラグが1であると判定される場合、ステップS34の処理は、ステップS35の処理に進む。一方、許可フラグが1でないと判定される場合、ステップS34の処理は、終了する。
【0059】
ステップS35において、第1ファイアウォール部2aは、時刻情報を通過させる。この後、ステップS35の処理は、終了する。
【0060】
以上の説明によれば、実施の形態1において、第1機器に時刻情報をテナントサーバ1aから供給することができる。これにより、標準電波を受信するための専用の受信設備を設けることなく第1機器の内部時刻を修正することができる。このため、ビルにおける機器を管理するための時刻の修正を簡単な構成で行うことができる。
【0061】
また、実施の形態1において、テナントサーバ1aが時刻情報をNTPサーバ12から受信することにより、ビルにおける機器を管理するための時刻をNTPサーバ12から供給される時刻に修正することができる。これにより、インターネット11を介して第1機器の内部時刻を修正することができる。このため、第1機器の内部時刻をさらに簡単に修正することができる。
【0062】
また、実施の形態1において、ファイアウォール2は、第1処理を実行する第1ファイアウォール部2aと、第2処理を実行する第2ファイアウォール部2bとが物理的に独立して構成されている。よって、時刻情報の通信経路と、制御情報の通信経路とを物理的に分けることができる。これにより、時刻情報が含まれるパケットと、制御情報が含まれるパケットとの衝突を回避できるため、パケットの衝突に起因する時刻情報の通信遅延を物理的に回避することができる。
【0063】
また、実施の形態1において、第1機器は、入退館監視システム5、照明制御システム6、電力監視システム7及びCCTV監視システム8の少なくとも1つの機能を含んでいるので、これらの各システムの時刻の修正を簡単な構成で行うことができる。
【0064】
実施の形態2.
実施の形態2においては、ファイアウォール201の構成が、実施の形態1におけるファイアウォール2の構成と異なる。他の構成については、実施の形態1と同様であるのでそれらの説明については省略する。
【0065】
図5は、実施の形態2におけるビル管理システムのシステム構成例を示す図である。
図3に示すように、ビル管理システムは、テナントサービスシステム1、ファイアウォール201及び中央監視システム3を備えている。
【0066】
ファイアウォール201は、第1ファイアウォール部201aと、第2ファイアウォール部201bと、第3ファイアウォール部201cと、を備えている。第1ファイアウォール部201a、第2ファイアウォール部201b及び第3ファイアウォール部201cのそれぞれは、互いに仮想的に構成されている。
【0067】
換言すれば、物理的に単一のファイアウォール201の内部には、論理的に複数のファイアウォール機能が実現されている。
【0068】
以上の説明によれば、実施の形態2において、ファイアウォール201には、第1処理を実行する第1ファイアウォール部201aと、第2処理を実行する第2ファイアウォール部201bとが仮想的に構成されている。よって、時刻情報の通信経路と、制御情報の通信経路とを仮想的に分けることができる。これにより、時刻情報が含まれるパケットと、制御情報が含まれるパケットとの衝突を1台で回避できるため、パケットの衝突に起因する時刻情報の通信遅延を仮想的に回避することができる。このため、省スペース化を図ることができると共に、設置コストを低減させることができる。
【0069】
なお、実施の形態1,2には、テナントサーバ1aがNTPサーバ12から取得した時刻情報による時刻同期の一例が記載されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、テナントサーバ1aが、FM放送波、標準電波又はGPS衛星から取得した時刻情報により時刻同期が行われてもよい。また、例えば、SNTPサーバ14により時刻同期が行われてもよい。
【0070】
また、実施の形態1,2には、第2ネットワーク23がBACnetプロトコルに準拠した通信を実現する通信媒体である一例が記載されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、Modbusプロコトルに準拠した通信を実現する通信媒体であってもよい。
【0071】
また、実施の形態1,2には、複数の端末1bとしてデスクトップPCの一例が記載されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、複数の端末1bの一つとしてスマートフォン、タブレット等が用いられてもよい。テナントサーバ1aは、例えば、中央監視システム3と、スマートフォンとの間の各種情報の送受信を中継してもよい。また、テナントサーバ1aは、例えば、中央監視システム3と、タブレットとの間の各種情報の送受信を中継してもよい。
【0072】
また、実施の形態1,2には、テナントサーバ1aがビルに設けられている一例が記載されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、テナントサーバ1aは、インターネット11を介して提供されるクラウドサービスの一部の機能であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 テナントサービスシステム、1a テナントサーバ、1a1 Webサーバ、1a2 API、1a3 OS、1b 端末、2,201 ファイアウォール、2a,201a 第1ファイアウォール部、2b,201b 第2ファイアウォール部、2c,201c 第3ファイアウォール部、3 中央監視システム、3a 中央監視サーバ、3b 機器群、4 システム、5 入退館監視システム、6 照明制御システム、7 電力監視システム、8 CCTV監視システム、9 空調システム、5a 監視装置、6a 照明機器コントローラ、7a 電力監視コントローラ、8a 監視モニタ、9a 空調機器コントローラ、5b 入退館ゲート、6b 照明機器、7b 電力量計、8b 監視カメラ、9b 空調機器、11 インターネット、12 NTPサーバ、13 DNSサーバ、14 SNTPサーバ、21 第1ネットワーク、23 第2ネットワーク。