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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ダニアレルゲン管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020184598
(22)【出願日】2020-11-04
(65)【公開番号】P2022074505
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000133445
【氏名又は名称】株式会社ダスキン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】前田 親男
(72)【発明者】
【氏名】桂 禎邦
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントの住居の1つ以上の対象箇所におけるダニアレルゲン量を管理するダニアレルゲン管理システムであって、
前記対象箇所を入力する対象入力部と、
入力された前記対象箇所におけるダニアレルゲン量の第1回測定結果を、低レベルから高レベルまでの所定の6段階に分けて、入力する、測定結果入力部と、
入力された前記対象箇所におけるダニアレルゲン量の管理目標を、前記所定の6段階の中から決定する、目標決定部と、
前記第1回測定結果と決定された前記管理目標とに基づいて、前記管理目標の達成具合を判定して表示する、管理判定表示部と、
前記第1回測定結果を得た時点において前記管理目標を達成するのに必要な管理作業を、前記第1回測定結果とアドバイステーブルに基づいて選定して、表示する、アドバイス選定表示部と、
を有しており、
前記アドバイステーブルは、前記クライアントの住居の全ての前記対象箇所と、前記対象箇所毎であって測定結果の前記所定の6段階の段階毎に定められた、1種以上の前記管理作業と、を含んでおり、前記管理作業は、無作業と軽作業と重作業とに分類可能であり、前記アドバイステーブルは、前記所定の6段階の前記レベルが高いほど前記重作業の割合が大きくなる傾向を有している、
ことを特徴とする、ダニアレルゲン管理システム。
【請求項2】
入力された前記対象箇所を使用する前記クライアントの、疾患歴の有無及び医師による指導歴の有無を、入力する、クライアント情報入力部を、更に有しており、
前記目標決定部は、前記管理目標を、入力された前記第1回測定結果と、入力された前記疾患歴の有無及び前記医師による指導歴の有無と、に基づいて、決定するようになっている、
請求項1記載のダニアレルゲン管理システム。
【請求項3】
ダニアレルゲン量の前記管理目標を入力する目標入力部を、更に有しており、
前記目標決定部は、前記目標入力部からの入力があると、それに基づいて、前記管理目標を決定するようになっている、
請求項1記載のダニアレルゲン管理システム。
【請求項4】
入力された前記対象箇所におけるダニアレルゲン量の第n回測定結果を、前記所定の6段階に分けて、入力する、測定結果再入力部と、
第n回測定結果と、少なくとも、第(n-1)回測定結果及び前記管理目標と、に基づいて、前記管理目標の達成具合を判定して表示する、管理再判定表示部と、
前記第n回測定結果を得た時点において前記管理目標を達成するのに必要な管理作業を、前記アドバイステーブルに基づいて選定して、表示する、アドバイス再選定表示部と、
を有しており、
nは2以上の整数である、
請求項1~3のいずれか一つに記載のダニアレルゲン管理システム。
【請求項5】
前記アドバイス再選定表示部は、前記軽作業を優先的に選定するようになっている、
請求項4記載のダニアレルゲン管理システム。
【請求項6】
前記アドバイス再選定表示部は、前記管理再判定表示部が前回及び今回共に「未達成」であると判定した場合には、前記重作業を選定するようになっている、
請求項5記載のダニアレルゲン管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント先において、ダニアレルゲン量を管理するとともにそれに基づいたアドバイスを行うことができる、ダニアレルゲン管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ダニアレルゲンを不活性化させるための薬剤や方法は、種々のものが知られている。更に、ダニアレルゲン量を検知する技術は、特許文献1、2などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6294155号公報
【文献】特開2016-139331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、クライアント先において、ダニアレルゲン量を管理するとともにそれに基づいたアドバイスを行うことができる、技術は、知られていない。
【0005】
本発明は、クライアント先において、ダニアレルゲン量を管理するとともにそれに基づいたアドバイスを行うことができ、それによって、クライアントの清掃モチベーションの向上を図ることができる、ダニアレルゲン管理システムを、提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、クライアントの住居の1つ以上の対象箇所におけるダニアレルゲン量を管理するダニアレルゲン管理システムであって、
前記対象箇所を入力する対象入力部と、
入力された前記対象箇所におけるダニアレルゲン量の第1回測定結果を、低レベルから高レベルまでの所定の6段階に分けて、入力する、測定結果入力部と、
入力された前記対象箇所におけるダニアレルゲン量の管理目標を、前記所定の6段階の中から決定する、目標決定部と、
前記第1回測定結果と決定された前記管理目標とに基づいて、前記管理目標の達成具合を判定して表示する、管理判定表示部と、
前記第1回測定結果を得た時点において前記管理目標を達成するのに必要な管理作業を、アドバイステーブルに基づいて選定して、表示する、アドバイス選定表示部と、
を有しており、
前記アドバイステーブルは、前記クライアントの住居の全ての前記対象箇所と、前記対象箇所毎であって前記所定の6段階の段階毎に定められた、1種以上の前記管理作業と、を含んでおり、前記管理作業は、無作業と軽作業と重作業とに分類可能であり、前記アドバイステーブルは、前記所定の6段階の前記レベルが高いほど前記重作業の割合が大きくなる傾向を有している、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
(a)対象箇所を入力し、第1回測定結果を入力するだけで、対象箇所におけるダニアレルゲン量の管理目標を自動で得ることができる。したがって、クライアントに対して清掃の目標を明確に示すことができ、よって、クライアントの清掃モチベーションの向上を図ることができる。
【0008】
(b)対象箇所を入力し、第1回測定結果を入力するだけで、対象箇所におけるダニアレルゲン量の管理目標を実現するのに必要な管理作業を、自動で得ることができる。したがって、クライアントに対して必要な清掃作業を具体的に示すことができ、よって、この点からも、クライアントの清掃モチベーションの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態のダニアレルゲン管理システムを実現するダニアレルゲン管理装置の構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態の管理装置の具体的構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態の管理装置の作動を示すフローチャートである。
図4図3のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
図5図3のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
図6】第1実施形態の管理装置の作動において表示される画面を示す図である。
図7図6の画面に次いで表示される画面を示す図である。
図8図7の画面に次いで表示される画面を示す図である。
図9図8の画面に次いで表示される画面を示す図である。
図10図9の画面に次いで表示される画面を示す図である。
【0010】
図11図7の画面に次いで表示される画面を示す図である。
図12図11の画面に次いで表示される画面を示す図である。
図13】第2実施形態の管理装置の入力部の構成を示すブロック図である。
図14】第2実施形態の管理装置の作動の要部を示すフローチャートである。
図15】第2実施形態の管理装置の作動において図8の画面に次いで表示される画面を示す図である。
図16】第3実施形態の管理装置の入力部の構成を示すブロック図である。
図17】第3実施形態の管理装置の作動の要部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態のダニアレルゲン管理システムを実現するダニアレルゲン管理装置の構成を示すブロック図である。この管理装置10は、入力部1、制御部2、記憶部3、及び出力部4を、備えている。装置10としては、例えば、タブレットコンピュータを用いるのが好ましい。その場合、出力部4は、ディスプレイであり、タッチパネルで構成されている。入力部1も、タッチパネルで構成されている。制御部2は、CPU、ROM、RAM等により、実現されている。記憶部3は、フラッシュメモリである。
【0012】
なお、装置10としては、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ、又はその他の携帯情報端末を、用いてもよい。また、ディスプレイとしては、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを用いてもよい。また、入力部1としては、キーボード又はマウスを用いてもよい。また、記憶部3としては、ハードディスクドライブを用いてもよい。また、本システムを、端末とサーバーとで構成し、端末には少なくとも入力部1及び出力部4を設け、制御部2及び記憶部3の一部又は全部をサーバーに設けるようにしてもよい。
【0013】
図2は、装置10の具体的構成を示すブロック図である。入力部1は、対象入力部11と、測定結果入力部12と、を有している。対象入力部11は、ダニアレルゲン量の測定を行うクライアント宅の対象箇所を、入力するようになっている。対象箇所としては、例えば、寝具、寝室、リビング、子供部屋、和室、廊下、トイレ、洗面などがある。測定結果入力部12は、入力された対象箇所におけるダニアレルゲン量の第1回測定結果を、低レベルから高レベルまでの「所定の6段階」に分けて、入力するようになっている。
【0014】
入力部1は、更に、測定結果再入力部13を有している。測定結果再入力部13は、入力された対象箇所におけるダニアレルゲン量の第n回測定結果を、「所定の6段階」に分けて、入力するようになっている。なお、nは2以上の整数である。
【0015】
なお、ダニアレルゲン量の測定は、公知のアレルゲン検査装置(特許第6294155号)によって行うことができ、この検査装置によれば、測定結果を「所定の6段階」で知ることができる。
【0016】
「所定の6段階」は、世界保健機関(WHO)によって規定されており、「段階1」はアレルギー反応が起こらないレベルであり、「段階2」はアレルギー反応が起こり始めるレベルであり、「段階5」はアレルギー発作を起こすレベルであり、「段階3」は「段階2」レベルと「段階5」レベルとの間であって「段階2」に近いレベルであり、「段階4」は「段階2」レベルと「段階5」レベルとの間であって「段階5」に近いレベルであり、「段階6」は「段階5」を超えるレベルである。
【0017】
制御部2は、目標決定部21と、管理判定表示部22と、アドバイス選定表示部23と、を有している。目標決定部21は、入力された対象箇所におけるダニアレルゲン量の管理目標(目標値)を、「所定の6段階」の中から決定するようになっている。管理判定表示部22は、管理目標の達成具合を判定して表示するようになっている。アドバイス選定表示部23は、管理目標を達成するのに必要な管理作業を、アドバイステーブル31に基づいて選定して、表示するようになっている。
【0018】
制御部2は、更に、管理再判定表示部24と、アドバイス再選定表示部25と、を有している。管理再判定表示部24は、第n回測定結果と、少なくとも、第(n-1)回測定結果及び管理目標と、に基づいて、管理目標の達成具合を判定して表示するようになっている。アドバイス再選定表示部25は、第n回測定結果を得た時点において管理目標を達成するのに必要な管理作業を、アドバイステーブル31に基づいて選定して、表示するようになっている。
【0019】
アドバイステーブル31は、クライアントの住居の全ての対象箇所と、1種以上の管理作業と、を含んでいる。管理作業は、対象箇所毎に、且つ、「所定の6段階」の段階毎に、定められている。管理作業は、無作業と軽作業と重作業とに分類可能である。そして、アドバイステーブル31は、「所定の6段階」のレベルが高いほど重作業の割合が大きくなる傾向を有している。表1~表3は、アドバイステーブル31の具体例を示している。
【0020】
表1~表3において、斜体文字で示された管理作業は「重作業」であり「◎」で示しており、「このまま継続」は「無作業」であり「△」で示しており、その他は「軽作業」であり「〇」で示している。例えば、対象箇所が「寝具(敷布団、ベッド)」の場合は、6種類の管理作業、すなわち、[1]掃除機掛け(1回/週)、[2]乾燥(乾燥機)(1回/週)、[3]布団丸洗い(プロ)、[4]防ダニカバー(購入・装着)、[5]買換え、[6]このまま継続、が挙げられており、[1]及び[2]は軽作業、[3]、[4]、及び[5]は重作業、[6]は無作業である。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
なお、アドバイス再選定表示部25は、次の両方の構成を有している。
(x)軽作業を優先的に選定するようになっている。
(y)管理再判定表示部24が前回及び今回共に「未達成」であると判定した場合には、重作業を選定するようになっている。
【0025】
記憶部3は、アドバイステーブル31を記憶している。また、記憶部3は、入力された対象箇所、第1回測定結果、第n回測定結果、及び目標値などを記憶するデータ部32を、有している。出力部4は、ディスプレイ41である。ディスプレイ41は、タッチパネルで構成されており、入力部1を兼ねている。管理判定表示部22、アドバイス選定表示部23、管理再判定表示部24、及びアドバイス再選定表示部25は、それぞれ、結果をディスプレイ41に表示させるようになっている。
【0026】
(作動について)
上記構成の管理装置10の作動を、図3図5に示すフローチャートを参照しながら、説明する。なお、「S」は「ステップ」の意である。
【0027】
(1)スイッチをオン(S1)すると、図6に示される測定部位設定用の画面G1がディスプレイ41に表示される(S2)。画面G1では、測定部位(対象箇所)を選択する欄100が表示されている。操作者は、まず、画面G1において、測定部位を選択する。すなわち、対象入力部11によって、対象箇所を入力する(S3)。ここでは、例として、「寝具」の「敷布団」を選択する。具体的には、操作者は、画面G1において、「寝具」の左横のボタン101を押し、「敷布団」の右横のボタン102を押し、「追加する」ボタン103を押す。そうすると、選択済の欄104に、「寝具(敷布団)」が表示される。そして、操作者は、利用開始ボタン105を押す(S4)。
【0028】
(2)利用開始ボタン105が押されると、図7に示されるメニュー用の画面G2がディスプレイ41に表示される(S5)。画面G2では、3つのメニューを示すボタン、すなわち、「測定する」ボタン111、「今までの測定結果を見る」ボタン112、及び「測定部位を設定する」ボタン113が、表示されている。操作者は、今回の測定が第1回目か否かを選択し(S6)、第1回目である場合、「測定する」ボタン111を押す(S7)。なお、今回の測定が第2回目以降である場合については、後述する。操作者が「測定部位を設定する」ボタン113を押した場合には、画面G1に戻るので、改めて、対象箇所を入力する。
【0029】
(3)なお、ダニアレルゲン量の測定は、既存のアレルゲン検査装置(特許第6294155号)によって行う。この検査装置によれば、測定結果は、1~6の段階(レベル)として得られる。
【0030】
(4)「測定する」ボタン111が押されると、図8に示される測定値入力用の画面G3がディスプレイ41に表示される(S8)。画面G3では、測定日欄121と、測定回数欄122と、測定部位欄123と、使用者欄124と、測定値欄125と、「目標を設定する」ボタン126と、「お客様情報登録」ボタン127と、が表示されている。ここでは、測定回数欄122には、「初回」が示されている。操作者は、アレルゲン検査装置によって対象箇所のダニアレルゲン量の測定を行って測定結果を得た後、測定値欄125の1~6のボタンの内の測定結果に対応するボタンを押す。すなわち、測定結果入力部12によって、第1回測定結果を入力する(S9)。ここでは、例として、「4」のボタンを押す。そして、操作者は、「目標を設定する」ボタン126を押す(S10)。なお、操作者が「お客様情報登録」ボタン127を押した場合は、別に説明する。
【0031】
(5)「目標を設定する」ボタン126が押されると、図9に示される目標設定用の画面G4がディスプレイ41に表示される(S11)。画面G4では、2つの設定方法を示すボタン、すなわち、「お勧め設定を使用する」ボタン131及び「手動で設定する」ボタン132と、目標値欄133と、目標値の説明欄134と、「判定結果を見る」ボタン135と、「戻る」ボタン136と、が表示されている。操作者は、ここでは、「お勧め設定を使用する」ボタン131を押す(S12)。なお、操作者が「手動で設定する」ボタン132を押した場合は、別に説明する。
【0032】
(6)「お勧め設定を使用する」ボタン131が押されると、目標決定部21が作動し、それによって、目標値(管理目標)が求められる。求められた目標値は、測定結果と同じ1~6の段階(レベル)の内のいずれかの段階として、目標値欄133に表示される(S13)。ここでは、例として、「2」のボタン1331が他のボタンと区別されて表示される。具体的には、「2」のボタン1331の下に星印が表示される。そして、操作者は、「判定結果を見る」ボタン135を押す(S14)。なお、操作者は、目標値に関する説明が欲しい場合には、目標値の説明欄134の内の該当する値のボタンを押す。また、操作者は、入力の訂正を行いたい場合には、「戻る」ボタン136を押して、画面G3を表示させる。
【0033】
(7)「判定結果を見る」ボタン135が押されると、図10に示される判定表である画面G5がディスプレイ41に表示される(S15)。画面G5では、採取場所欄141と、測定値表示欄142と、判定結果表示欄143と、アドバイス欄144と、が表示されている。採取場所欄141には、測定された対象箇所が示されている。測定値表示欄142には、3つの欄、すなわち、今回欄1421、前回欄1422、及び目標値欄1423が、示されている。ここでは、今回欄1421に、「初回」、測定した日付、及び測定値である「4」が、示されており、目標値欄1423に「2」が示されている。また、画面G5が表示される際には、管理判定表示部22が作動して、測定値(第1回測定結果)と目標値(管理目標)とに基づいて管理目標の達成具合を判定して表示するとともに、アドバイス選定表示部23が作動して、現時点(第1回測定結果を得た時点)における管理目標を達成するのに必要な管理作業を、アドバイステーブル31に基づいて選定して、表示する(S16)。具体的には、管理判定表示部22によって、判定の欄143に「×」が表示される。これは、測定値の「4」が目標値の「2」よりも2段階低いからである。また、アドバイス選定表示部23によって、アドバイス欄144に、第1回測定結果である段階「4」における管理作業の内の、「掃除機掛け(1回/週)」及び「乾燥(乾燥機など)(1回/週)」という管理作業が、表示される。なお、ここでは、「軽作業」が表示されている。
【0034】
(8)以上により、操作者は、対象箇所における現在(当初)のダニアレルゲン量が目標値に比してどのレベルであるかを知ることができ、更に、第1回測定時のダニアレルゲン量を目標値へ近づけるために必要な管理作業を知ることができる。したがって、操作者は、クライアントに対して、現在のダニアレルゲン量のレベルをアドバイスできるとともに、適切なダニアレルゲン量のレベルを実現するのに必要な管理作業を、明瞭にアドバイスできる(S17)。
【0035】
(9)一方、操作者は、今回の測定が第2回目である場合、画面G2において、「今までの測定結果を見る」ボタン112を押す(S18)。そうすると、図11に示される測定値入力用の画面G6がディスプレイ41に表示される(S19)。画面G6では、測定日欄151と、測定回数欄152と、測定部位欄153と、使用者欄154と、測定値欄155と、「判定結果を見る」ボタン156と、が表示されている。ここでは、測定回数欄152には、「2回目」が示されている。操作者は、アレルゲン検査装置によって対象箇所のダニアレルゲン量の測定を行って測定結果を得た後、測定値欄155の1~6のボタンの内の測定結果に対応するボタンを押す。すなわち、測定結果再入力部13によって、第2回測定結果を入力する(S20)。ここでは、例として、「3」のボタンを押す。そして、操作者は、「判定結果を見る」ボタン156を押す(S21)。
【0036】
(10)「判定結果を見る」ボタン156が押されると、図12に示される判定表である画面G7がディスプレイ41に表示される(S22)。具体的には、画面G7では、採取場所欄161と、測定値表示欄162と、判定結果表示欄163と、アドバイス欄164と、が表示されている。採取場所欄161には、測定された対象箇所が示されている。測定値表示欄162には、3つの欄、すなわち、今回欄1621、前回欄1622、及び目標値欄1623が、示されている。ここでは、今回欄1621に、「今回」、測定した日付、及び測定値である「3」が、示されており、前回欄1622に「4」が示されており、目標値欄1623に「2」が示されている。また、画面G7が表示される際には、管理再判定表示部24が作動して、測定値(第2回測定結果)と目標値(管理目標)とに基づいて管理目標の達成具合を判定して表示するとともに、アドバイス再選定表示部25が作動して、現時点(第2回測定結果を得た時点)における管理目標を達成するのに必要な管理作業を、アドバイステーブル31に基づいて選定して、表示する(S23)。具体的には、管理再判定表示部24によって、判定結果表示欄163に「△」が表示される。これは、今回の測定値の「3」が目標値の「2」よりも1段階低いからである。また、アドバイス再選定表示部25によって、アドバイス欄164に、第2回測定結果である段階「3」における管理作業の内の、「掃除機掛け(1回/週)」及び「乾燥(乾燥機など)(1回/週)」という管理作業が表示される。なお、アドバイス再選定表示部25は、軽作業を優先的に選定するようになっているので、「防ダニカバー(購入・装着)」という重作業は選定しない。
【0037】
(11)なお、今回の測定が第3回目以上である場合には、S18~S23まで同様に作動するが、アドバイス再選定表示部25は、前回及び今回共に「未達成」であると判定した場合には、「重作業」を選定する。「未達成」とは、目標値に達成していないことを意味し、具体的には、判定結果表示欄163に「△」又は「×」が表示される場合である。したがって、アドバイス再選定表示部25は、前回の判定結果表示欄163の表示が「△」又は「×」であり、今回の判定結果表示欄163の表示が「△」又は「×」である場合には、重作業を選定する。具体的には、対象箇所である「寝具(敷布団)」の管理作業の内の重作業は、「布団丸洗い(プロ)」、「防ダニカバー(購入・装着)」、及び「買換え」であるが、アドバイステーブル31に基づいて、今回の測定値が「4」の場合には全ての重作業を選定し、今回の測定値が「3」の場合には「防ダニカバー(購入・装着)」を選定する。
【0038】
(12)以上により、操作者は、前回測定時のアドバイスに基づいた管理作業を実行することによって対象箇所におけるダニアレルゲン量がどのレベルまで減少したかを知ることができ、更に、現時点のダニアレルゲン量を目標値へ近づけるために必要な管理作業を知ることができる。したがって、操作者は、クライアントに対して、現時点のダニアレルゲン量のレベルをアドバイスできるとともに、適切なダニアレルゲン量のレベルを実現するのに必要な管理作業を、明瞭にアドバイスできる(S24)。
【0039】
(13)なお、入力部1から入力されたデータ、及び、判定結果のデータは、データ部32に記憶され、必要に応じてデータ部32から取り出されるようになっている。
【0040】
(効果について)
本実施形態の管理システムによれば、次のような効果を発揮できる。
【0041】
(a)対象箇所を入力し、第1回測定結果を入力するだけで、対象箇所におけるダニアレルゲン量の管理目標を自動で得ることができる。したがって、クライアントに対して清掃の目標を明確に示すことができ、よって、クライアントの清掃モチベーションの向上を図ることができる。
【0042】
(b)対象箇所を入力し、第1回測定結果を入力するだけで、対象箇所におけるダニアレルゲン量の管理目標を実現するのに必要な管理作業を、自動で得ることができる。したがって、クライアントに対して必要な清掃作業を具体的に示すことができ、よって、この点からも、クライアントの清掃モチベーションの向上を図ることができる。
【0043】
(c)第n回測定結果を更に入力するだけで、前回測定時からのダニアレルゲン量のレベルの変動を知ることができるので、クライアントに対して、前回測定時からの管理作業の実行が十分であったか否かを知らせることができる。したがって、クライアントの清掃モチベーションの向上を図ることができる。
【0044】
(d)第n回測定結果を更に入力するだけで、今回測定時以降に必要な管理作業を、自動で得ることができる。したがって、クライアントに対して必要な清掃作業を具体的に示すことができ、よって、この点からも、クライアントの清掃モチベーションの向上を図ることができる。
【0045】
(e)アドバイス再選定表示部25が各種管理作業の内の「軽作業」を優先的に選定するので、クライアントに対して清掃作業における過度な負担を強いるのを、防止できる。
【0046】
(f)アドバイス再選定表示部25が前回及び今回共に「未達成」であると判定した場合には、「重作業」を選定するので、クライアントに対して、管理目標を確実に実現できる管理作業を提案でき、よって、清掃作業に関するクライアントの負担を低減できる。
【0047】
[第2実施形態]
本実施形態の管理装置10では、入力部1が、図13に示されるように、更に、クライアント情報入力部14を有しており、その他は第1実施形態と同じである。クライアント情報入力部14は、入力された対象箇所を使用するクライアント(お客様)の、疾患歴の有無及び医師による指導歴の有無を、入力するようになっている。具体的には、図14のフローチャートに示されるように、図8に示される測定値入力用の画面G3において、「目標を設定する」ボタン126を押す前に、「お客様情報登録」ボタン127を押すと(S31)、図15に示される画面G8が表示されるので(S32)、会員番号及び氏名(又は続柄)を記入し、住居形態及び間取りを選択し、疾患歴及び医師指導歴の有無を選択し、「登録する」ボタン171を押す(S33)。入力されたお客様情報は、記憶部3のデータ部32に記憶される。そして、「目標を設定する」ボタン126を押す(S10)。それ以降は、第1実施形態と同じである。
【0048】
なお、本実施形態では、制御部2の目標決定部21は、管理目標を、入力された第1回測定結果と、入力された疾患歴の有無及び医師による指導歴の有無と、に基づいて、決定するようになっている。また、画面G3の使用者欄124、画面G5の使用者欄145、及び画面G7の使用者欄165には、お客様情報として登録された氏名(又は続柄)が表示される。
【0049】
本実施形態によれば、クライアントの疾患歴などを考慮して管理目標を決定できるので、クライアントの疾患の悪化の防止を図りながら、ダニアレルゲン量の低減を図ることができる。
【0050】
[第3実施形態]
本実施形態の管理装置10では、入力部1が、図16に示されるように、更に、目標入力部15を有しており、その他は第1実施形態と同じである。目標入力部15は、操作者がダニアレルゲン量の管理目標を入力するようになっている。具体的には、図17のフローチャートに示されるように、図9に示される画面G4において、「お勧め設定を使用する」ボタン131ではなく、「手動で設定する」ボタン132を押すと、操作者は、目標値欄133の任意の数値の下に星印を設定することによって、目標値を設定できる(S41)。
【0051】
本実施形態では、制御部2の目標決定部21は、目標入力部15からの入力に基づいて、管理目標を決定するようになっている。
【0052】
本実施形態によれば、ダニアレルゲン量の目標レベルに関するクライアントの意思を尊重できるので、クライアントの清掃モチベーションの向上を図ることができる。
【0053】
[変形形態]
(1)第1実施形態の管理装置10は、測定結果再入力部13、管理再判定表示部24、及びアドバイス再選定表示部25を有していなくてもよい。それによっても、上記(a)及び上記(b)の効果を発揮できる。
【0054】
(2)アドバイス再選定表示部25は、上記(x)及び上記(y)の構成の、いずれか一方又は両方を、有していなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明のダニアレルゲン管理システムは、クライアント先においてダニアレルゲン量を管理してアドバイスを行うことができるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0056】
11 対象入力部
12 測定結果入力部
13 測定結果再入力部
14 クライアント情報入力部
15 目標入力部
21 目標決定部
22 管理判定表示部
23 アドバイス選定表示部
24 管理再判定表示部
25 アドバイス再選定表示部
31 アドバイステーブル
図1
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