(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20240813BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20240813BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240813BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240813BHJP
G07G 1/14 20060101ALN20240813BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q30/015
G06Q30/0207
G07G1/12 361C
G07G1/12 321M
G07G1/12 341B
G07G1/14
(21)【出願番号】P 2020191800
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100183438
【氏名又は名称】内藤 泰史
(72)【発明者】
【氏名】山口 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 喬
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-016658(JP,A)
【文献】特開2007-058800(JP,A)
【文献】特開2017-182410(JP,A)
【文献】特開2019-079211(JP,A)
【文献】特開2013-143027(JP,A)
【文献】特開2018-028818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/12
G07G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗を含んで構成されるコミュニティの各店舗からの呼び込み情報に応じて、当該コミュニティを利用する複数のユーザが来店に向けて起こしたアクションを示すユーザアクション情報と、前記複数の店舗のうちキャンセル待ちが発生している一又は複数のキャンセル待ち店舗及び予約が可能な一又は複数の予約可能店舗を示す店舗情報と、前記キャンセル待ち店舗を予約している複数のキャンセル待ち店舗ユーザを示すキャンセル待ち店舗ユーザ情報と、を取得する取得部と、
前記ユーザアクション情報に基づき、前記複数のキャンセル待ち店舗ユーザ
毎に、来店に向けたアクションを起こしたアクション対象店舗を特定し、前記アクション対象店舗への来店回数が多いほど、前記コミュニティにおけるこだわり度
が高くなるように、該こだわり度を推定する推定部と、
前記複数のキャンセル待ち店舗ユーザについて、前記こだわり度が低いほど、いずれかの前記予約可能店舗への予約変更の案内を受ける対象ユーザに選定されやすくなるように、一又は複数の前記対象ユーザを選定し、前記対象ユーザに対していずれかの前記予約可能店舗への予約変更を案内する案内メッセージを生成する制御部と、
前記案内メッセージを、前記対象ユーザによる閲覧のために出力する出力部と、を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記複数の店舗それぞれについて、将来の各日時における、予約可能席の有無を示す予約可能席情報、及び、予約している予約ユーザを示す予約ユーザ情報を特定する第1処理と、
前記複数の店舗のうち、前記予約可能席情報において前記予約可能席が無い店舗を前記キャンセル待ち店舗として特定すると共に前記予約可能席が有る店舗を前記予約可能店舗として特定し、前記予約ユーザ情報において前記キャンセル待ち店舗の前記予約ユーザとして示されている複数のユーザを前記キャンセル待ち店舗ユーザとして特定する第2処理と、を実行する特定部を更に備え、
前記取得部は、前記特定部が特定した前記キャンセル待ち店舗及び前記予約可能店舗に基づき前記店舗情報を取得し、前記特定部が特定した複数の前記キャンセル待ち店舗ユーザに基づき前記キャンセル待ち店舗ユーザ情報を取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記対象ユーザの前記アクション対象店舗であって且つ前記予約可能店舗である推奨店舗を特定し、前記対象ユーザに対して、前記推奨店舗への予約変更を案内する前記案内メッセ
ージを生成する、請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数のキャンセル待ち店舗ユーザについて、前記アクション対象店舗の数が多いほど、前記対象ユーザに選定されやすくなるように、前記対象ユーザを選定する、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記対象ユーザに対して、前記キャンセル待ち店舗から前記予約可能店舗に移動した場合にインセンティブを付与する旨の情報を含んだ前記案内メッセ
ージを生成する、請求項3又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
店舗の利用に係るインセンティブを前記ユーザに付与するインセンティブ付与部を更に備え、
前記取得部は、現時点から予め定められた期間遡った時点までの対象期間について、呼び込み情報の配信が行われた前記複数のユーザに含まれるユーザ毎に、
前記複数の店舗それぞれへの来店回数と、
前記複数の店舗それぞれについての、前記呼び込み情報の配信とともにユーザに付与された、インセンティブの利用回数である店舗インセンティブ利用回数と、
前記複数の店舗全体への来店回数と、
前記複数の店舗全体についての、前記インセンティブの利用回数である全体インセンティブ利用回数と、を更に取得し、
前記制御部は、
ユーザ毎に、前記複数の店舗に含まれる各店舗への前記来店回数に対する前記店舗インセンティブ利用回数の割合、及び前記複数の店舗全体への来店回数に対する前記全体インセンティブ利用回数の割合を算出し、
前記店舗インセンティブ利用回数の割合、及び前記全体インセンティブ利用回数の割合に基づき算出された第1対象値が所定の第1閾値以上であるユーザをインセンティブ必要ユーザとして選定し、前記第1対象値が前記第1閾値未満であるユーザをインセンティブ不要ユーザとして選定し、
前記インセンティブ付与部は、前記インセンティブ必要ユーザ、及び前記インセンティブ不要ユーザを示す情報に基づいて、前記インセンティブを前記ユーザに付与する、請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記インセンティブは、店舗の利用に係る割引券であって、
前記取得部は、前記対象期間について、ユーザ毎に、
前記複数の店舗のそれぞれについての、前記割引券の利用平均額である店舗利用平均額、及び前記割引券の付与平均額である店舗付与平均額と、
前記複数の店舗の全体についての、前記割引券の利用平均額である全体利用平均額及び前記割引券の付与平均額である全体付与平均額と、を更に取得し、
前記制御部は、
ユーザ毎に、前記複数の店舗に含まれる各店舗についての前記店舗付与平均額に対する前記店舗利用平均額の割合、及び前記全体付与平均額に対する前記全体利用平均額の割合を算出し、
前記複数の店舗に含まれる各店舗についての前記店舗付与平均額に対する前記店舗利用平均額の割合、及び前記全体付与平均額に対する前記全体利用平均額の割合に基づき算出された第2対象値が所定の第2閾値以上である前記インセンティブ必要ユーザを、高インセンティブ必要ユーザとして更に選定し、前記第2対象値が前記第2閾値未満である前記インセンティブ必要ユーザを、低インセンティブ許容ユーザとして更に選定する、請求項6に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の店舗に対して、売り上げに関するマーケティングを行う技術が知られている。特許文献1には、各店舗の売上データを収集し、店舗別の売上及び地域別の売上に関する集計を解析し、解析した結果を店舗端末に送信するサービス代行サーバが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば、複数の店舗で構成されるコミュニティにおいて、当該コミュニティ全体の売上を向上させることが望まれる場合がある。しかしながら、コミュニティ内において、ユーザを受け入れきれないほど混雑する店舗がある一方で空いている店舗がある等、複数の店舗間で混雑度の偏りが発生すると、コミュニティ全体としての売り上げが伸びづらくなってしまう。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、コミュニティ全体の売り上げの最適化に適したマーケティングを行うことができる情報処理システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、複数の店舗を含んで構成されるコミュニティの各店舗からの呼び込み情報に応じて、当該コミュニティを利用する複数のユーザが来店に向けて起こしたアクションを示すユーザアクション情報と、複数の店舗のうちキャンセル待ちが発生している一又は複数のキャンセル待ち店舗及び予約が可能な一又は複数の予約可能店舗を示す店舗情報と、キャンセル待ち店舗を予約している複数のキャンセル待ち店舗ユーザを示すキャンセル待ち店舗ユーザ情報と、を取得する取得部と、ユーザアクション情報に基づき、複数のキャンセル待ち店舗ユーザそれぞれの、コミュニティにおけるこだわり度を推定する推定部と、複数のキャンセル待ち店舗ユーザについて、こだわり度が低いほど、いずれかの予約可能店舗への予約変更の案内を受ける対象ユーザに選定されやすくなるように、一又は複数の対象ユーザを選定し、対象ユーザに対していずれかの予約可能店舗への予約変更を案内する案内メッセージを生成する制御部と、案内メッセージを、対象ユーザによる閲覧のために出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムでは、ユーザアクション情報に基づき、複数のキャンセル待ち店舗ユーザそれぞれの、コミュニティにおけるこだわり度が推定される。ユーザアクション情報は、複数の店舗を含んで構成されるコミュニティの各店舗からの呼び込み情報に応じてユーザが来店に向けて起こしたアクションを示す。そして、本情報処理システムでは、複数のキャンセル待ち店舗ユーザについて、こだわり度が低いほどいずれかの予約可能店舗への予約変更の案内を受ける対象ユーザに選定されやすくなるように、一又は複数の対象ユーザが選定され、いずれかの予約可能店舗への予約の変更を案内する案内メッセージが生成され、当該案内メッセージが、上記対象ユーザによる閲覧のために出力される。
【0008】
このように、店舗からの呼び込み情報に応じてユーザが来店に向けて実際に起こしたアクション(予約等)が考慮されて、各ユーザについてコミュニティにおけるこだわり度が推定されることにより、コミュニティに対するユーザのこだわり度を高精度に推定することができる。そして、高精度に推定されたこだわり度が低い(すなわち、店舗に対するこだわりが低い)ユーザほど、予約変更の案内を受け付ける対象ユーザに選定されやすくすることにより、キャンセル待ち店舗ユーザに対する予約可能店舗への予約の変更が効果的に(高確率で)促される。その結果、混雑によりユーザを受け入れきれないキャンセル待ち店舗から、ユーザの受け入れが可能な予約可能店舗へのユーザの移動の可能性を高めることができるので、コミュニティ全体の混雑度の平準化を図ることができる。これにより、例えば、キャンセル待ちとなっておりそのままでは売上に寄与しなかったユーザが、予約可能店舗の売り上げに寄与することとなり、コミュニティ全体としての売上を向上させることができる。以上のように、本発明の一態様に係る情報処理システムによれば、コミュニティ全体の売り上げの最適化に適したマーケティングを行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コミュニティ全体の売り上げの最適化に適したマーケティングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る案内情報の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る予約可能席情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るユーザの基礎情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る来店FB情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る割引券情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る管理用呼び込み情報の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る店舗予約情報の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るキャンセル待ち予約情報の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る呼び込み結果・FB情報の一例を示す図である。
【
図11】店舗ステータス情報の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る情報処理システムが行う管理処理から平準化処理までの一連の流れを示すフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係る情報処理システムが行うインセンティブ決定処理を示すフローチャートである。
【
図14】本実施形態に係る情報処理システムに含まれる通信端末、店舗管理端末、及びコミュニティサーバのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成を示すブロック図である。
図1に示される情報処理システム1は、複数の通信端末10と、複数の店舗管理端末20と、コミュニティサーバ30とを備えている。
【0013】
情報処理システム1は、コミュニティを利用する複数のユーザUと、コミュニティに含まれる複数の店舗との間の情報のやり取りを管理し、コミュニティに含まれる複数の店舗の売上に関するマーケティングを行うシステムである。コミュニティは、一の地域において複数の店舗を含んで構成されている。コミュニティの例としては、商店街、駅前の繁華街、及びショッピングモールが挙げられる。複数の店舗の例としては、飲食店が挙げられる。以下、商店街をコミュニティとし、商店街に含まれる飲食店を複数の店舗とし、商店街に含まれる飲食店を利用する複数のユーザを上述した複数のユーザUとして説明する。また、以下、コミュニティに含まれる複数の店舗のそれぞれを、単に「店舗」という場合がある。
【0014】
情報処理システム1は、以下の3つの処理を行う。まず、情報処理システム1は、複数の店舗から複数のユーザUに向けて配信される呼び込みメッセージ及び割引券と、複数のユーザUから受け付ける複数の店舗の予約情報とを管理する管理処理を行う。また、情報処理システム1は、コミュニティ内(具体的には、複数の店舗間)で混雑度の偏りが生じる場合には、複数の店舗の混雑度が平準化されるように、複数のユーザUの中から選定された対象ユーザに対して、コミュニティ内での店舗間の予約の移動を案内する平準化処理を行う。さらに、情報処理システム1は、各ユーザUに与える割引券の額の度合い(インセンティブの度合い)を決定するインセンティブ決定処理を行う。なお、情報処理システム1が行う処理は上記に限られず、他の処理を行ってもよい。
【0015】
各通信端末10は、コミュニティを利用するユーザUが携帯している端末である。各店舗管理端末20は、店舗ごとに設置され、店舗の管理に係る種々の情報を処理する端末である。コミュニティサーバ30は、複数のユーザUと複数の店舗との間の情報のやり取りを管理するサーバである。情報処理システム1では、各通信端末10とコミュニティサーバ30とが、各通信端末10と各店舗管理端末20とが、また、各店舗管理端末20とコミュニティサーバ30とが、相互に通信可能に構成されている。以下、情報処理システム1では、各通信端末10が互いに同様の機能を有し、また、各店舗管理端末20が互いに同様の機能を有しているとし、一の通信端末10、及び一の店舗管理端末20に着目して説明を行う。
【0016】
情報処理システム1では、コミュニティサーバ30が、複数の通信端末10及び複数の店舗管理端末20から取得した種々の情報(詳細は後述)に基づき、上述した管理処理、平準化処理、及びインセンティブ決定処理を行う。ここで、平準化処理について簡単に説明する。コミュニティサーバ30は、まず、コミュニティ内においてキャンセル待ちが発生しているキャンセル待ち店舗、及びキャンセル待ち店舗を予約しているキャンセル待ち店舗ユーザを特定する。そして、コミュニティサーバ30は、キャンセル待ち店舗ユーザの中から選定した対象ユーザが有する通信端末10に対して、予約が可能である予約可能店舗への予約変更を促す案内メッセージを出力する。これにより、案内メッセージを受信した対象ユーザに予約可能店舗への予約変更を促すことができる結果、コミュニティ内における混雑度の平準化を図ることができる。
【0017】
通信端末10は、例えば、無線通信を行うよう構成された端末である。通信端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、PC、及びウェアラブル型の通信機器等である。通信端末10は、コミュニティサーバ30から受信した種々の情報を通信端末10が有する画面(図示せず)に表示し、表示された情報に対するユーザUの回答、及び予約のリクエスト等の情報をユーザUから入力受付する。
【0018】
通信端末10がコミュニティサーバ30から受信する情報には、複数の店舗についての、呼び込みメッセージ(呼び込み情報)、割引券を示す情報、及び予約に対するアンケートが含まれる。例えば、通信端末10は、ユーザUが一の店舗の呼び込みメッセージを受信した場合、ユーザUから、当該店舗の予約に関する登録用予約情報を、画面を介して入力受付する。なお、登録用予約情報には、当該店舗を予約するユーザ(予約ユーザ)Uを示すユーザ情報(予約ユーザ情報)、当該ユーザUが当該店舗を予約している日時を示す予約日時情報、及び予約人数等の情報が含まれている。
【0019】
また、例えば、通信端末10は、予約に対するアンケートとして、呼び込みアンケート、及び来店アンケートを画面に表示する。呼び込みアンケートは、受信した呼び込みメッセージに対するアンケートである。来店アンケートは、ユーザUが予約後に実際に来店した店舗に対するアンケートである。そして、通信端末10は、呼び込みアンケートに対するユーザUの呼び込みフィードバック情報(以下、「呼び込みFB情報」という)と、来店アンケートに対するユーザUの来店フィードバック情報(以下、「来店FB情報」という)とを、ユーザUから入力受付する。呼び込みFB情報及び来店FB情報の詳細については後述する。
【0020】
また、通信端末10は、ユーザUの基礎情報の入力情報を画面に表示し、表示された入力情報に対するユーザUの回答(基礎情報)をユーザUから入力受付する。さらに、通信端末10は、呼び込みメッセージに対するユーザUのアクションを示すアクション情報を入力受付する。当該アクションの例としては、画面上において一の店舗の呼び込みメッセージを開封すること、及び画面を介して呼び込みメッセージに含まれるリンクを選択することにより当該店舗の予約状況を確認することが挙げられる。
【0021】
通信端末10は、入力受付した登録用予約情報、呼び込みFB情報、来店FB情報、基礎情報、及びアクション情報を、コミュニティサーバ30に出力する。出力された各情報は、コミュニティサーバ30による管理処理、平準化処理、及びインセンティブ決定処理に用いられる。
【0022】
店舗管理端末20は、店舗の運営に係る種々の情報を管理する端末である。店舗管理端末20は、各店舗に設置されており、案内情報、予約可能席情報、登録用呼び込み情報、及び登録用割引券情報を入力受付し、管理する。案内情報は、店舗に来店したユーザU、及びユーザUを案内した席に関する情報である。予約可能席情報は、店舗の予約可能席に係る情報である。登録用呼び込み情報及び登録用割引券情報の詳細については後述する。店舗管理端末20は、種々の情報を表示する画面を有する。店舗管理端末20は、案内情報、予約可能席情報、登録用呼び込み情報、及び登録用割引券情報を、定期的にコミュニティサーバ30に出力する。なお、店舗管理端末20は、取得の度に各情報をコミュニティサーバ30に出力してもよい。
【0023】
店舗管理端末20は、機能的な構成要素として、入力受付部21と、管理部22と、出力部23とを有している。
【0024】
入力受付部21は、案内情報、予約可能席情報、登録用呼び込み情報、及び登録用割引券情報の入力を受け付ける。案内情報、予約可能席情報、登録用呼び込み情報、及び登録用割引券情報は、例えば、店舗の従業員によって入力される。なお、これらの情報の一部は、自動的に入力されるものであってもよい。
【0025】
図2は、案内情報の一例を示す図である。
図2に示される例では、入力受付部21は、整理券番号、予約フラグ、来店日時、来店人数、予約番号、及び割引券情報を含む案内情報を入力受付する。整理券番号は、ユーザUが来店した際に配布された番号である。なお、整理券番号は、ユーザUに配布されずに、自動で付与される番号であってもよい。予約フラグは、ユーザUが予め店舗への来店の予約をしたか否かを示す情報である。予約番号は、ユーザUが行った来店予約を一意に識別可能な番号である(詳細は後述)。割引券番号は、ユーザUが店舗にて利用する割引券に関する情報である(詳細は後述)。なお、予約フラグ、予約人数、予約番号等の案内情報の一部は、店舗に来店したユーザUが店舗管理端末20の画面を操作することによっても入力されてもよいし、通信端末10を介してユーザUによって入力されてもよい。
【0026】
予約可能席情報は、各店舗において予約が可能な席に関する情報である。
図3は、予約可能席情報の一例を示す図である。
図3に示される例では、入力受付部21は、店舗を示す情報、予約可能日時、席番号、及び予約可能人数を含む予約可能席情報を入力受付する。席番号は、予約可能日時に予約可能な店舗の席を一意に識別可能な情報である。このように、予約可能席情報は、店舗における予約可能席の有無を示す情報である。
【0027】
登録用割引券情報は、店舗がユーザUに配信する割引券に関する情報である。入力受付部21は、例えば、店舗を示す情報、割引券番号、割引券の割引額、一又は複数の割引付与条件、及びユーザ情報を含む登録用割引券情報を入力受付する。登録用割引券情報の詳細については後述する。
【0028】
登録用呼び込み情報は、ユーザUに呼び込みメッセージを配信するための情報である。入力受付部21は、例えば、店舗を示す情報、配信日時、呼び込みメッセージ、配信対象条件、人数、割引券番号、及び予約番号を含む登録用呼び込み情報を入力受付する。呼び込みメッセージは、ユーザUに対して店舗への来店を促すメッセージである。登録用呼び込み情報の詳細については後述する。
【0029】
入力受付部21は、入力受付した案内情報、予約可能席情報、登録用割引券情報、及び登録用呼び込み情報を管理部22に出力する。管理部22は、入力された各情報を管理し、管理した情報を出力部23に出力する。出力部23は、管理部22から取得した各情報をコミュニティサーバ30に出力する。
【0030】
コミュニティサーバ30は、上述した管理処理、平準化処理、及びインセンティブ決定処理を行う。コミュニティサーバ30は、管理処理として、複数の店舗の予約情報、割引券情報、及び管理用呼び込み情報の管理と、複数のユーザUへの呼び込みメッセージ及び割引券の配信とを行う。また、コミュニティサーバ30は、インセンティブ決定処理として、各ユーザUに与える割引券の額の度合い(インセンティブの度合い)を決定する。
【0031】
コミュニティサーバ30は、平準化処理として、管理処理から得た種々の情報から、キャンセル待ち店舗、予約可能店舗、及びキャンセル待ち店舗ユーザを特定する。キャンセル待ち店舗ユーザは、キャンセル待ち店舗を予約しているユーザUである。そして、コミュニティサーバ30は、キャンセル待ち店舗ユーザの中から選定した対象ユーザに対して予約可能店舗への移動を促す案内メッセージを生成し、生成した案内メッセージを対象ユーザの閲覧のために出力する。コミュニティサーバ30は、機能的な構成要素として、第1取得部31と、記憶部32と、管理部(特定部、インセンティブ付与部)33と、第2取得部(取得部)34と、推定部35と、制御部36と、出力部37とを有している。
【0032】
第1取得部31は、通信端末10から、登録用予約情報、呼び込みFB情報、来店FB情報、ユーザUの基礎情報、及びアクション情報を取得し、店舗管理端末20から、案内情報、予約可能席情報、登録用割引券情報、及び登録用呼び込み情報を取得する。第1取得部31は、取得した登録用予約情報、呼び込みFB情報、来店FB情報、基礎情報、アクション情報、案内情報、予約可能席情報、登録用割引券情報、登録用呼び込み情報、基礎情報、及び来店FB情報を、記憶部32に出力する。
【0033】
記憶部32は、各機能部から入力(格納)された各情報を記憶している。記憶部32は、上記各情報をデータ300として記憶している。なお、記憶部32は、コミュニティサーバ30の外部の構成であってもよい。すなわち、データ300は、コミュニティサーバ30の外部のサーバに記憶されたデータであってもよい。
【0034】
図4は、第1取得部31から入力されるユーザUの基礎情報の一例を示す図である。基礎情報は、ユーザUのユーザ識別番号と、ユーザUが有する通信端末10の端末識別番号と、ユーザUの性別と、ユーザUの年齢と、ユーザUの居住地情報と、ユーザUのお気に入り店舗を示す情報と、ユーザUのコミュニティの利用頻度とを含んでいる。なお、上述した基礎情報は、上記各情報に限られず、ユーザUに関する他の情報を含んでいてもよい。
【0035】
図5は、第1取得部31から入力される来店FB情報の一例を示す図である。来店FB情報は、ユーザUのユーザ識別番号と、ユーザUが予約した店舗を示す情報と、ユーザUによる店舗の来店日と、FB1(満足度)情報と、FB2(理由)情報とを含んでいる。FB1(満足度)情報、及びFB2(理由)情報は、来店FB情報に含まれるアンケートの回答内容を示す。具体的には、FB1(満足度)情報は、ユーザUが来店した店舗に対する満足度を示す。FB2(理由)情報は、FB1(満足度)の理由を示す。なお、上述した来店FB情報は、上記各情報に限られず、例えば他の内容を示すFB情報を含んでいてもよい。
【0036】
管理部33は、第1取得部31によって取得されて記憶部32に記憶されている各情報に基づき、複数の店舗の店舗予約情報、キャンセル待ち予約情報、割引券情報、管理用呼び込み情報、及び呼び込み結果・FB情報を生成する。そして、管理部33は、生成した各情報を管理し、複数のユーザUへの呼び込みメッセージ及び割引券の配信を行う。なお、生成した各情報を管理するとは、例えば、生成した各情報を記憶部32に格納(出力)することにより管理するものであってもよい。
【0037】
まず、割引券情報に関する処理について説明する。管理部33は、記憶部32に記憶されている登録用割引券情報の内容についてコミュニティで定められたルール違反及び矛盾等の問題がないと判断した場合、登録用割引券情報に基づき、割引券情報を生成する。ルール違反の例としては、割引登録情報に含まれる割引額が、予め定められた額を超えた場合が挙げられる。管理部33は、生成した割引券情報を記憶部32に出力する。
【0038】
図6は、割引券情報の一例を示す図である。
図6に示される例では、管理部33は、店舗を示す情報、割引券番号、割引券の割引額、割引付与条件1~4、及びユーザ情報を含む割引券情報を生成する。割引券番号は、割引券を一意に識別可能な情報である。割引付与条件1~4のそれぞれは、店舗が割引券を付与する対象のユーザUを選定する際の条件を示す。当該条件の例としては、予約の必要性の有無、及び来店の時間帯が挙げられる。ユーザ情報の詳細については後述する。なお、本実施形態では、割引券情報に含まれる各情報は、店舗管理端末20から取得された登録用割引券情報と一致する。しかしながら、割引券情報は、上記各情報に限られず、割引券に関する他の情報を含んでいてもよい。
【0039】
次に、管理用呼び込み情報に関する処理について説明する。管理部33は、記憶部32に記憶されている登録用呼び込み情報について、コミュニティで定められたルール違反及び矛盾等の問題がないか否かを判定する。ルール違反の例としては、登録用呼び込み情報の配信のタイミングが、予め定められた一日の配信の回数の上限を超えた場合が挙げられる。
【0040】
管理部33は、登録用呼び込み情報に問題がないと判定した場合、ユーザ情報に基づき、複数のユーザUのうち登録用呼び込み情報に含まれる各配信条件を満たす配信対象ユーザを選定する。そして、管理部33は、登録用呼び込み情報に含まれる配信日時に、配信対象ユーザの通信端末10に呼び込みメッセージを配信する。管理部33は、登録用呼び込み情報に割引券番号が含まれている場合、当該割引券番号に対応する割引券情報を呼び込みメッセージとともに配信する。割引券は、ユーザUに付与される、店舗の利用に係るインセンティブである。そして、管理部33は、登録用呼び込み情報に含まれる各情報に、予約番号と、呼び込み番号とを更に含んだ管理用呼び込み情報を生成し、生成した管理用呼び込み情報を記憶部32に出力する。
【0041】
図7は、管理用呼び込み情報の一例を示す図である。
図7に示される例では、管理部33は、店舗を示す情報、配信日時、呼び込みメッセージ、配信対象条件、人数、割引券番号、予約番号、及び呼び込み番号を含む管理用呼び込み情報を生成する。配信日時は、呼び込みメッセージを配信する予定の日時である。配信対象条件は、呼び込みメッセージの配信対象ユーザを選定するための条件である。配信対象条件の例としては、ユーザUの居住地、ユーザの性別、及びユーザUの年代が挙げられる。人数は、呼び込みメッセージを配信する人数の上限を示す。予約番号は、ユーザUが呼び込みメッセージの配信によって店舗を予約した場合(詳細は後述)にユーザUに付与される予約番号である。呼び込み番号は、一の管理用呼び込み情報を一意に識別可能な情報である。一例として、配信対象条件が「T市に在住」である場合、管理部33は、各ユーザUの基礎情報に含まれる居住地を参照し、T市に在住のユーザUの中から配信対象ユーザを選定して呼び込み配信を行う。なお、上述した管理用呼び込み情報は、上記各情報に限られず、呼び込み配信に関する他の情報を含んでいてもよい。
【0042】
次に、店舗予約情報及びキャンセル待ち予約情報に関する処理について説明する。管理部33は、ユーザUからのリクエストに応じて、記憶部32に記憶されている登録用予約情報及び予約可能席情報を参照して、ユーザがリクエストする店舗において、ユーザUの予約人数及びユーザUの予約希望日時に対して予約可能な席があるか否かを特定する。そして、管理部33は、当該店舗に予約可能な席がある場合、通信端末10の画面にその旨を表示させる。また、管理部33は、店舗において予約可能な席がない場合、通信端末10の画面に当該店舗がキャンセル待ちの状態である旨を表示させる。なお、本実施形態では、ユーザUからのリクエストは、例えば、ユーザUが受け取った呼び込みメッセージに記載されたリンクをユーザUが選択する等、呼び込みメッセージを介して行われるものとして説明する。なお、ユーザUからのリクエストは、呼び込み配信を介さずに、例えば通信端末10にインストールされたアプリケーションを介する等、他の方法によって行われてもよい。
【0043】
そして、管理部33は、通信端末10を介して、ユーザUから、店舗の予約及びキャンセル待ち予約を受け付け、店舗の予約及びキャンセル待ち予約を確定する。このとき、管理部33は、ユーザUの予約が、予め定められたコミュニティルールの予約可能数(1日1席等)の範囲内であるか、予約金の事前支払いが可能か否か等、予め定められたルールに適しているかを判定し、適していないと判定した場合、当該予約を拒否してもよい。管理部33は、確定した予約に基づき店舗予約情報を生成し、確定したキャンセル予約に基づきキャンセル待ち予約情報を生成する。
【0044】
図8は、店舗予約情報の一例を示す図である。
図8に示される例では、管理部33は、ユーザ識別番号、予約した店舗を示す情報、予約日時情報、席番号、予約人数、割引券番号、及び予約番号を含む店舗予約情報を生成する。ユーザ識別番号は、店舗毎の、複数のユーザUのうち店舗を予約しているユーザU(予約ユーザ)を示す情報である。予約日時情報は、ユーザUが予約している将来の日時を示す情報である。席番号は、予約した店舗における予約席を一意に識別可能な番号である。割引券は、ユーザUが受け取った呼び込み配信に含まれる割引券であって、割引券番号は、ユーザUが予約時に使用した当該割引券の番号を示す。管理部33は、生成した店舗予約情報を記憶部32に出力する。
【0045】
図9は、キャンセル待ち予約情報の一例を示す図である。
図9に示される例では、管理部33は、ユーザ識別番号、予約した店舗を示す情報、予約日時情報、予約人数、割引券番号、及びキャンセル待ち予約番号を含むキャンセル待ち予約情報を取得する。キャンセル待ち予約番号は、ユーザUがキャンセル待ち店舗を予約した場合にユーザUに付与される予約番号である。なお、上述した店舗予約情報及びキャンセル待ち予約情報のそれぞれは、上記各情報に限られず、呼び込み配信に関する他の情報を含んでいてもよい。管理部33は、生成したキャンセル待ち予約情報を記憶部32に出力する。
【0046】
次に、呼び込み結果・FB情報に関する処理について説明する。管理部33は、記憶部32に記憶されている、店舗予約情報、呼び込みFB情報、案内情報、割引券情報、及びアクション情報等に基づき、呼び込み結果・FB情報を生成する。呼び込み結果・FB情報は、ユーザUが受信した複数の店舗の呼び込みメッセージに応じてユーザUが来店に向けて起こしたアクションを示す情報である。管理部33は、生成した呼び込み結果・FB情報を記憶部32に出力する。
【0047】
図10は、呼び込み結果・FB情報の一例を示す図である。
図10に示される例では、管理部33は、ユーザ識別番号と、ユーザUが予約した店舗を示す情報と、呼び込み番号と、付与割引券番号と、FB1(魅力)情報と、FB2(理由)情報と、メッセージ開封情報と、予約状況確認情報と、予約の有無情報と、来店の有無情報と、割引券利用有無情報とを含む呼び込み結果・FB情報を生成する。付与割引券番号は、呼び込み配信時に付与された割引券の番号を示す。FB1(魅力)情報及びFB2(理由)は、呼び込みFB情報に含まれるアンケートの内容を示す。具体的には、FB1(魅力)情報は、ユーザUが来店した店舗に対する魅力を示す。FB2(理由)は、FB1(魅力)の理由を示す。割引券利用有無情報は、ユーザUによる来店時の割引券の利用の有無を示す。
【0048】
メッセージ開封情報は、通信端末10を介して、呼び込み配信された呼び込みメッセージがユーザUによって開封されたか否かの情報を示す。予約状況確認情報は、ユーザUが店舗の予約状況を確認したか否かの情報を示す。管理部33は、例えば、アクション情報に、通信端末10の画面を介して呼び込みメッセージに含まれるリンクが選択されたアクションが含まれている場合、「実施」と判定する。予約の有無情報は、ユーザUが呼び込みメッセージの配信により予約を行ったか否かを示す。来店の有無情報は、ユーザUが店舗に来店したか否かの情報を示す。管理部33は、例えば、案内情報に含まれる予約番号と、店舗予約情報に含まれる予約番号を照合することによって、上述した割引券の利用の有無、予約の有無、及び来店の有無を判定する。呼び込み結果・FB情報は、後述する平準化処理等に用いられる。なお、上記各情報の判定方法は特に限られず、ユーザUが通信端末10を介して来店した旨をコミュニティサーバ30に出力することにより判定されてもよい。また、上述した呼び込み結果・FB情報は、上記各情報に限られず、呼び込み配信に関する他の情報を含んでいてもよい。
【0049】
また、管理部33は、記憶部32に記憶されている予約可能席情報及び登録用予約情報(詳細には予約ユーザ情報)に基づき、複数の店舗それぞれについて、将来の各日時における、予約可能席の有無を示す予約可能席情報、及び、予約している予約ユーザを示す予約ユーザ情報を特定する。当該予約可能席情報及び予約ユーザ情報の特定は、管理部33によって実行される第1処理である。上述したように、予約可能席情報(
図3参照)には、各店舗における各時間帯について予約可能な席の情報が示されている。また、上述したように、登録用予約情報には、各店舗における予約ユーザ情報及び予約ユーザの予約日時が示されている。管理部33は、予約可能席情報に基づいて、各店舗について、将来の各日時における予約可能席情報(予約可能席の有無)を特定する。また、管理部33は、登録用予約情報の予約ユーザ情報及び予約ユーザの予約日時に基づいて、各店舗について、将来の各日時における予約ユーザ情報を特定する。
【0050】
管理部33は、複数の店舗のうち、予約可能席情報において予約可能席が無い店舗をキャンセル待ち店舗として特定すると共に、予約可能席が有る店舗を予約可能店舗として特定する。管理部33は、当該キャンセル待ち店舗及び予約可能店舗の特定を、将来の各日時(例えば、1時間単位で現時点から1週間~1か月分の各日時)について行う。そして、管理部33は、予約ユーザ情報においてキャンセル待ち店舗の予約ユーザとして示されている複数のユーザをキャンセル待ち店舗ユーザとして特定する。当該キャンセル待ち店舗及び予約可能店舗の特定、並びに、キャンセル待ち店舗ユーザの特定は、管理部33によって実行される第2処理である。キャンセル待ち店舗とは、複数の店舗のうちキャンセル待ちが発生している一又は複数(ここでは複数)の店舗である。予約可能店舗とは、複数の店舗のうち予約が可能な一又は複数(ここでは複数)の店舗である。キャンセル待ち店舗ユーザとは、キャンセル待ち店舗を予約している複数のユーザUである。管理部33は、特定したキャンセル待ち店舗及び予約可能店舗を示す店舗情報と、キャンセル待ち店舗ユーザを示すキャンセル待ち店舗ユーザ情報とを記憶部32に出力する。
【0051】
なお、キャンセル待ち店舗、予約可能店舗、及びキャンセル待ち店舗ユーザの特定方法は、上記に限定されない。管理部33は、記憶部32に記憶されているキャンセル待ち予約情報(予約可能席情報及び予約ユーザ情報を考慮して生成された情報)を参照し、キャンセル待ち予約情報に含まれる一の「店舗」に示された店舗を、キャンセル待ち店舗として特定してもよい。管理部33は、当該「店舗」に紐づけられた「ユーザ識別番号」に示されたユーザUを、キャンセル待ち店舗ユーザとして特定してもよい。また、管理部33は、記憶部32に記憶されている店舗予約情報(予約可能席情報及び予約ユーザ情報を考慮して生成された情報)を参照し、キャンセル待ち予約情報に含まれる「店舗」及び「予約日時」と同じ「店舗」及び「予約日時」を含む店舗予約情報の「ユーザ識別番号」に示されたユーザUも、キャンセル待ち店舗ユーザとして特定してもよい。
【0052】
管理部33は、特定したキャンセル待ち店舗及び予約可能店舗を示す店舗情報と、キャンセル待ち店舗ユーザ情報とを第2取得部34に出力する。
【0053】
また、管理部33は、対象期間について、呼び込みメッセージの配信が行われたユーザU毎に、複数の店舗それぞれへの来店回数と、複数の店舗それぞれについての店舗割引券利用回数(店舗インセンティブ利用回数)と、複数の店舗全体への来店回数と、複数の店舗全体についての全体割引券利用回数(全体インセンティブ利用回数)とを更に特定する。対象期間は、現時点から予め定められた期間遡った時点までの期間であって、例えば、直近1ヶ月間である。管理部33は、特定したユーザU毎の各情報を記憶部32に出力する。
【0054】
店舗割引券利用回数は、各店舗についての、呼び込みメッセージの配信とともにユーザUに付与された且つ店舗の利用に係る割引券の利用回数である。複数の店舗の全体の来店回数は、各店舗において対象期間の複数のユーザUの来店回数を算出したとして、算出した来店回数のすべてを合計した場合の合計値である。全体割引券利用回数は、複数の店舗の全体についての、割引券の利用回数である。換言すれば、全体割引券利用回数は、まず、各店舗において対象期間の複数のユーザUに利用された割引券の利用回数を算出したとして、算出した利用回数のすべてを合計した場合の合計値である。
【0055】
管理部33は、例えば、呼び込み結果・FB情報を参照することにより、ユーザU毎の各店舗の来店回数、店舗割引券利用回数、複数の店舗の全体の来店回数、及び全体割引券利用回数を特定する。
図10に示される例では、管理部33は、呼び込み結果・FB情報を参照し、ユーザ識別番号「1」のユーザUについて、店舗Aの来店回数を「2回」、店舗Aの店舗割引券利用回数を「2回」、店舗Bの来店回数を「0回」、店舗Bの店舗割引券利用回数を「0回」と特定する。そして、管理部33は、複数の店舗の全体(店舗A,B)の来店回数を「2回」、及び全体割引券利用回数(店舗A,Bの割引券利用回数の合計)を「2回」と特定する。なお、
図10に示される呼び込み結果・FB情報のユーザ識別番号「1」に関する情報は、一の対象期間内に取得されたものである。また、上記各情報の特定方法は特に限られず、管理部33は、上記各情報を、案内情報に含まれる予約番号と、店舗予約情報に含まれる予約番号とを照合すること等によって特定してもよいし、ユーザUが通信端末10を介して入力した情報に基づき特定してもよい。管理部33は、例えば、案内情報等に基づき、呼び込み配信によって付与された割引券以外の割引券の利用も考慮して上記各情報を特定してもよい。
【0056】
管理部33は、上述した対象期間について、呼び込みメッセージの配信が行われたユーザU毎に、店舗利用平均額と、店舗付与平均額と、全体利用平均額と、全体付与平均額とを更に特定する。管理部33は、特定したユーザU毎の各情報を記憶部32に出力する。
【0057】
店舗利用平均額は、各店舗についての割引券の利用平均額である。店舗付与平均額は、各店舗についての、ユーザUに付与された割引券の付与平均額である。全体利用平均額は、複数の店舗の全体についての割引券の利用平均額である。換言すれば、全体利用平均額は、対象期間内に各店舗において複数のユーザUに利用された割引券の合計額を算出したとして、算出した合計額のすべてを合計した場合の合計値である。全体付与平均額は、複数の店舗の全体についての、割引券の付与平均額である。換言すれば、全体付与平均額は、対象期間内に各店舗において複数のユーザUに付与された割引券の合計額を算出したとして、算出した合計額のすべてを合計した場合の合計値である。
【0058】
管理部33は、例えば、割引券情報及び呼び込み結果・FB情報を参照することにより、ユーザU毎の店舗利用平均額、店舗付与平均額、全体利用平均額、及び全体付与平均額を特定する。
【0059】
図10に示される例では、管理部33は、割引券情報及び呼び込み結果・FB情報を参照し、ユーザ識別番号「1」のユーザUについて、店舗Aの店舗利用平均額及び店舗Aの店舗付与平均額のそれぞれを、「XXX円」と「RRR円」とを加算した値を2で除算した額と特定し、店舗Bの店舗利用平均額を「0円」、及び店舗Bの店舗付与平均額を「QQQ円」と特定する。そして、管理部33は、全体利用平均額(店舗A,Bの割引券利用額の合計を2で除算した額)を、「XXX円」と「RRR円」とを加算した値を2で除算した額と特定し、全体付与平均額(店舗A,Bの割引券付与額を3で除算した数)を「XXX円」と「RRR円」と「QQQ円」とを加算した値を3で除算した額と特定する。なお、上記各情報の特定方法は特に限られず、管理部33は、上記各情報を、案内情報に含まれる予約番号と、店舗予約情報に含まれる予約番号と、管理用呼び込み情報に含まれる予約番号とを照合すること等によって特定してもよいし、ユーザUが通信端末10を介して入力した情報に基づき特定してもよい。管理部33は、例えば、案内情報等に基づき、呼び込み配信によって付与された割引券以外の割引券の利用も考慮して上記各情報を特定してもよい。
【0060】
第2取得部34は、記憶部32から、呼び込み結果・FB情報、キャンセル待ち予約情報、及び店舗予約情報を取得する。これらの情報は、ユーザアクション情報である。ユーザアクション情報とは、複数の店舗を含んで構成されるコミュニティの各店舗からの呼び込みメッセージに応じて、当該コミュニティを利用する複数のユーザUが来店に向けて起こしたアクションを示す情報である。なお、第2取得部34は、ユーザアクション情報として、呼び込み結果・FB情報のみを取得してもよい。また、第2取得部34は、管理部33から、複数のキャンセル待ち店舗及び複数の予約可能店舗を示す店舗情報と、キャンセル待ち店舗を予約している複数のキャンセル待ち店舗ユーザを示すキャンセル待ち店舗ユーザ情報とを取得する。第2取得部34は、呼び込み結果・FB情報、キャンセル待ち予約情報、及び店舗予約情報、及びキャンセル待ち店舗ユーザ情報を推定部35に出力し、店舗情報及びキャンセル待ち店舗ユーザ情報を制御部36に出力する。
【0061】
第2取得部34は、対象期間について、呼び込みメッセージの配信が行われたユーザU毎に、各店舗の来店回数、店舗割引券利用回数、複数の店舗の全体の来店回数、全体割引券利用回数、店舗利用平均額、店舗付与平均額、全体利用平均額、及び全体付与平均額を記憶部32から更に取得する。第2取得部34は、取得した上記各情報を制御部36に出力する。
【0062】
推定部35は、第2取得部34から取得した呼び込み結果・FB情報、キャンセル待ち予約情報、及び店舗予約情報に基づき、第2取得部34から取得したキャンセル待ち店舗ユーザ情報に示された、複数のキャンセル待ち店舗ユーザのそれぞれの、コミュニティにおける嗜好度(こだわり度)を推定する。嗜好度が低いとはユーザUのこだわり度が低いことを示しており、嗜好度が高いとはユーザUのこだわり度が高いことを示している。本システムでは、店舗を予約しているユーザUについて、嗜好度が低いユーザUは店舗に対するこだわり度が低く予約変更等に比較的柔軟に対応するユーザUであると判断し、嗜好度が高いユーザUは店舗に対するこだわり度が高く予約変更等に比較的柔軟に対応しないユーザUであると判断する。推定部35は、上記嗜好度を推定する前段の処理として、呼び込み結果・FB情報及びキャンセル待ち予約情報に基づき、複数のキャンセル待ち店舗ユーザ毎に、来店に向けたアクションを起こしたアクション対象店舗を推定(特定)する。アクション対象店舗は、来店につながりやすいアクションをキャンセル待ち店舗ユーザが起こした店舗である。本実施形態では、アクション対象店舗として、第1アクション対象店舗、及び第2アクション対象店舗の2種類を推定する(詳細は後述)。上述した嗜好度は、複数の店舗に係る嗜好度であって、例えば、第1アクション対象店舗(アクション対象店舗)に対するこだわりの度合いを示す。すなわち、嗜好度の高さは、キャンセル待ち店舗ユーザが第1アクション対象店舗に行く可能性の高さを示す。推定部35は、例えば1か月毎等、定期的に嗜好度を推定する。推定部35は、推定された第1,2アクション対象店舗を示す情報及び嗜好度を、制御部36に出力する。第1,2アクション対象店舗を示す情報及び嗜好度は、後述する平準化処理に用いられる。以下、基本的に、一のキャンセル待ち店舗ユーザについての上記各情報の推定に着目して説明する。
【0063】
まず、推定部35は、例えば、呼び込み結果・FB情報を参照して、各キャンセル待ち店舗ユーザについて、第1,2アクション対象店舗を推定する。具体的には、推定部35は、例えば対象期間(直近1ヶ月間)等、現時点から所定の時間遡った時点までの間において、予約の有無情報が「実施」であって且つ来店の有無情報が「来店」である店舗を第1アクション対象店舗であると推定し、予約状況確認情報が「開封」であって且つ来店の有無情報が「未来店」である店舗を、第2アクション対象店舗であると推定する。
【0064】
推定部35は、呼び込み結果・FB情報を参照して、FB1(魅力)が所定の点数以上であって且つ来店の有無情報が「来店」である店舗を第2アクション対象店舗であると更に推定する。また、推定部35は、キャンセル待ち予約情報に含まれる予約店舗を第1アクション対象店舗であると更に推定する。以上のように、推定部35は、キャンセル待ち店舗ユーザ毎の第1,2アクション対象店舗を推定する。なお、第1,2アクション対象店舗候補の推定方法は、上記方法に限られず、例えば、推定部35は、呼び込み結果・FB情報を参照して、対象期間において、呼び込み回数=Xに対して予約の回数=1である店舗を第1アクション対象店舗であるとし、呼び込み回数=Y(Y>X)に対して予約の回数=1である店舗を第2アクション対象店舗であると推定してもよい。
【0065】
続いて、推定部35は、キャンセル待ち店舗ユーザ毎の嗜好度を推定する。推定部35は、例えば、以下のようにキャンセル待ち店舗ユーザ毎の嗜好度を算出する。まず、推定部35は、下記式(1)で示される値N1、及び下記式(2)で示される値N2を算出する。
値N1=(第1アクション対象店舗の数)÷(第1,2アクション対象店舗の合計数)…(1)
値N2=(第1アクション対象店舗の来店回数)÷(第2アクション対象店舗の来店回数+第1,2アクション対象店舗以外の店舗の来店回数)・・(2)
【0066】
推定部35は、例えば、第2取得部34から取得した店舗予約情報を参照して、対象期間における第1,2アクション対象店舗の来店回数、及び第1,2アクション対象店舗以外の店舗の来店回数を特定する。
【0067】
続いて、推定部35は、値N1,N2に基づき、下記式(3)で示される嗜好度を算出する。
嗜好度=値N1×値N2×100…(3)
【0068】
以上のように、推定部35は、キャンセル待ち店舗ユーザ毎の嗜好度を推定する。嗜好度の推定方法については、上記方法に限られず、例えば、推定部35は、値N1及び値N2のそれぞれに重み付けをしてから嗜好度を算出してもよい。また、例えば、推定部35は、値N1及び値N2のそれぞれの大きさに応じてランクを付与し、付与したランク同士と100とを乗算して嗜好度を算出してもよい。推定部35は、推定したキャンセル待ち店舗ユーザ毎の第1,2アクション対象店舗を示す情報、及び嗜好度を制御部36に出力する。制御部36は、上記各情報を含む店舗ステータス情報を生成し、生成した店舗ステータス情報を記憶部32に出力する。
【0069】
図11は、店舗ステータス情報の一例を示す図である。店舗ステータス情報は、ユーザ識別番号と、データ更新日と、第1アクション対象店舗情報と、第2アクション対象店舗情報と、嗜好度と、ユーザ情報とを含んでいる。ユーザ情報の詳細については後述する。
【0070】
制御部36は、平準化処理、及びインセンティブ決定処理を行う。まず、制御部36は、平準化処理として、複数のキャンセル待ち店舗ユーザについて、嗜好度が低いほどいずれかの予約可能店舗への予約変更の案内を受ける対象ユーザに選定されやすくなるように、一又は複数の対象ユーザを選定し、対象ユーザに対して案内メッセージを生成する。案内メッセージは、予約可能店舗への予約変更を案内するメッセージである。このとき、制御部36は、複数のキャンセル待ち店舗ユーザについて、第1アクション対象店舗(アクション対象店舗)の数が多いほど、対象ユーザに選定されやすくなるように、対象ユーザを選定する。
【0071】
ここで、制御部36による対象ユーザの選定方法の一例について説明する。まず、制御部36は、キャンセル待ち店舗ユーザを、嗜好度が低い順に並べ替える。制御部36は、嗜好度が同じ複数のキャンセル待ち店舗ユーザが存在する場合、当該複数のキャンセル待ち店舗ユーザを、第1アクション対象店舗の数が多い順に並べ替える。そして、制御部36は、キャンセル待ちをしているユーザUの数に応じて、対象ユーザを選定する。例えば、制御部36は、キャンセル待ちをしているユーザUの数が1人である場合、並び替え後の先頭のキャンセル待ち店舗ユーザを対象ユーザとして選定する。
【0072】
図11に示される店舗ステータス情報の例では、制御部36は、まず、各キャンセル待ち店舗ユーザの嗜好度を参照して、各キャンセル待ち店舗ユーザを、ユーザ識別番号「8」→「5,6」→「7」の順に並べ替える。そして、制御部36は、同じ嗜好度を有するユーザ識別番号「5」のユーザUの第1アクション対象店舗の数と、ユーザ識別番号「6」のユーザUの第1アクション対象店舗の数とを比較し、「6」→「5」の順に並べ替える。また、
図11に示される例では、キャンセル待ちをしているユーザUの数が1人である。したがって、制御部36は、先頭からユーザ識別番号「8」→「6」→「5」→「7」の順に並べ替えられたユーザUのうち、ユーザ識別番号「8」のユーザUを対象ユーザとして選定する。なお、対象ユーザの数は上記例に限られず、例えば、制御部36は、ユーザ識別番号「8」のユーザUに加えて、ユーザ識別番号「8」の次である「6」のユーザUも対象ユーザとして選定してもよいし、キャンセル待ちをしているユーザUを除いたキャンセル待ち店舗ユーザの中から対象ユーザを選定してもよい。
【0073】
制御部36は、選定した対象ユーザに対して送信するための案内メッセージを生成する。本実施形態では、制御部36は、推奨店舗を特定し、対象ユーザに、案内メッセージとして、推奨店舗への予約変更を案内するメッセ―ジを生成する。推奨店舗は、例えば、複数の店舗のうち、対象ユーザの第2アクション対象店舗(アクション対象店舗)であって且つ予約可能店舗に該当する店舗である。なお、推奨店舗は、上記例に限られず、例えば、対象ユーザの過去の来店回数が最も多い店舗且つ予約可能店舗であってもよい。なお、制御部36は、推奨店舗が存在しない場合、予約可能店舗のいずれかの予約変更を案内する案内メッセージを生成する。また、本実施形態では、制御部36は、対象ユーザに対して、キャンセル待ち店舗から予約可能店舗に移動した場合に割引券(インセンティブ)を付与する旨の情報を含んだ案内メッセ―ジを生成する。制御部36は、生成した案内メッセージを出力部37に出力する。
【0074】
次に、制御部36が行うインセンティブ決定処理について説明する。制御部36は、まず、第2取得部34から取得した各店舗の来店回数及び店舗割引券利用回数に基づき、ユーザU毎に、下記式(3)で示される値N3(店舗の来店回数に対する店舗割引券利用回数の割合)を算出する。
値N3=(店舗割引券利用回数÷店舗の来店回数)×100…(3)
【0075】
制御部36は、第2取得部34から取得した複数の店舗の全体の来店回数及び全体割引券利用回数に基づき、ユーザU毎に、下記式(4)で示される値N4(複数の店舗の全体の来店回数に対する全体割引券利用回数の割合)を算出する。
値N4=(全体割引券利用回数÷複数の店舗の全体の来店回数)×100…(4)
【0076】
そして、制御部36は、値N3及び値N4に基づき算出された第1対象値(対象値)が所定の第1閾値以上であるユーザUを、インセンティブ必要ユーザとして選定し、第1対象値が第1閾値未満のユーザUを、インセンティブ不要ユーザとして選定する。一例として、第1対象値は、値N3及び値N4の平均値であって、第1閾値は、50%である。第1対象値及び第1閾値は上記例に限られない。
【0077】
また、制御部36は、来店FB情報、及び呼び込み結果・FB情報を参照し、来店FB情報に含まれるFB1(満足度)が所定値よりも低く且つFB2(理由)が「割引額に不満」であるユーザU、及び呼び込み結果・FB情報に含まれるFB1(魅力)が低く且つFB2(理由)が「割引額に不満」が記載されているユーザUを、インセンティブ必要ユーザとして選定してもよい。また、制御部36は、来店FB情報に含まれるFB1(満足度)が所定値よりも高く且つFB2(理由)が「メニュー、お店の雰囲気」であるユーザU、及び呼び込み結果・FB情報に含まれるFB1(魅力)が高く且つFB2(理由)が「メニュー、お店の雰囲気」であるユーザUを、インセンティブ不要ユーザとして選定してもよい。
【0078】
次に、制御部36は、第2取得部34から取得した店舗利用平均額、及び店舗付与平均額に基づき、ユーザU毎に、下記式(5)で示される値N5(店舗付与平均額に対する店舗利用平均額の割合)を算出する。
値N5=(店舗利用平均額÷店舗付与平均額)×100…(5)
【0079】
制御部36は、第2取得部34から取得した全体利用平均額及び全体付与平均額に基づき、ユーザU毎に、下記式(6)で示される値N6(全体付与平均額に対する前記全体利用平均額の割合)を算出する。
値N6=(全体利用平均額÷全体付与平均額)×100…(6)
【0080】
そして、制御部36は、値N5及び値N6に基づき算出された第2対象値が、第2閾値以上のインセンティブ必要ユーザを、高インセンティブ必要ユーザとして選定し、第2対象値が第2閾値未満のインセンティブ必要ユーザを、低インセンティブ許容ユーザとして更に選定する。一例として、第2対象値は、値N5及び値N6の平均値であって、第2閾値は、100%である。第2対象値及び第2閾値は上記例に限られない。以上のように、制御部36は、値N5及び値N6が高いほど高くなるように、インセンティブ必要ユーザに対する割引券の割引の度合いを決定する。
【0081】
制御部36は、高インセンティブ必要ユーザ、低インセンティブ許容ユーザ、及びインセンティブ不要ユーザを示すユーザ情報(情報)を、管理部33に出力する。管理部33は、制御部36から受け取ったユーザ情報に基づいて、割引券をユーザUに配信する。具体的には、例えば、管理部33は、割引券情報を参照し、各ユーザUの基礎情報と、制御部36から受け取ったユーザ情報とに対応する割引券情報が示す割引券を、ユーザUに配信する。なお、例えば、管理部33は、ユーザ情報を参照して、高インセンティブ必要ユーザ及び低インセンティブ許容ユーザにのみ、割引券を付与して呼び込み配信を行ってもよい。また、管理部33は、ユーザ情報を参照して、高インセンティブ必要ユーザ及び低インセンティブ許容ユーザには割引券を付与して呼び込み配信を行い、インセンティブ不要ユーザには割引券を付与せずに呼び込み配信を行ってもよい。このようなユーザのカテゴリに応じた呼び込み配信の使い分けは、例えば、管理部33によって決定されてもよいし、また例えば、店舗管理端末20から受け取る登録用割引券情報に含まれる、使い分けを示す情報に基づいて決定されてもよい。
【0082】
制御部36は、高インセンティブ必要ユーザ、低インセンティブ許容ユーザ、及びインセンティブ不要ユーザの選定に関する処理を、例えば1か月間等、所定の間隔ごとに行う。また、制御部36は、各ユーザへの割引券の割引の度合いを提案する提案情報を、ユーザ情報とともに生成してもよい。例えば、制御部36は、低インセンティブ許容ユーザに対する割引券の割引額を、5回の割引券の付与回数のうち、4回は高インセンティブ必要ユーザに対する割引額よりも低く設定し、1回は高インセンティブ必要ユーザと同じ割引額に設定する旨の提案情報を生成する。制御部36は、生成した提案情報を出力部37に出力してもよい。
【0083】
また、制御部36は、上記3つの種類のユーザに加え、第1確認ユーザ及び第2確認ユーザを更に選定してもよい。第1確認ユーザは、高インセンティブ必要ユーザのカテゴリに変更される可能性が高い低インセンティブ許容ユーザである。第2確認ユーザは、低インセンティブ許容ユーザのカテゴリに変更される可能性が高いインセンティブ不要ユーザである。制御部36は、例えば、各低インセンティブ許容ユーザについて、当月の第2対象値と先月の第2対象値との差が所定の第3閾値以上である低インセンティブ許容ユーザを第1確認ユーザとして選定する。また、制御部36は、各インセンティブ不要ユーザについて、当月の第2対象値と先月の第2対象値との差が所定の第4閾値以上であるインセンティブ不要ユーザを第2確認ユーザとして選定する。制御部36は、例えば、第1確認ユーザ及び第2確認ユーザに対する割引券の割引額を、5回の割引券の付与回数のうち、3回は高インセンティブ必要ユーザに対する割引額よりも低く設定し、2回は高インセンティブ必要ユーザと同じ割引額に設定する旨の提案情報を生成する。
【0084】
出力部37は、制御部36から取得した案内メッセージを、対象ユーザによる閲覧のために、対象ユーザが有する通信端末10に出力する。また、出力部37は、制御部36から取得した提案情報を、店舗による閲覧のために、店舗管理端末20に出力してもよい。
【0085】
次に、本実施形態に係る情報処理システム1が行う管理処理から平準化処理までの一連の流れについて、
図12を参照して説明する。
図12は、情報処理システム1が行う平準化処理を示すフローチャートである。
【0086】
図12に示されるように、情報処理システム1では、コミュニティサーバ30において、通信端末10から、登録用予約情報、呼び込みFB情報、来店FB情報、ユーザUの基礎情報、及びアクション情報が取得され、店舗管理端末20から、案内情報、予約可能席情報、登録用割引券情報、及び登録用呼び込み情報が取得され、データ300として記憶部32に記憶される(ステップS11)。
【0087】
続いて、コミュニティサーバ30において、ステップS11で取得された登録用予約情報、呼び込みFB情報、案内情報、予約可能席情報、登録用割引券情報、及び登録用呼び込み情報に基づき、複数の店舗の店舗予約情報、キャンセル待ち予約情報、割引券情報、管理用呼び込み情報、及び呼び込み結果・FB情報が生成される(ステップS12)。続いて、コミュニティサーバ30において、ステップS12で生成された各情報が管理され、複数のユーザUへの呼び込みメッセージ及び割引券の配信が行われる(ステップS13)。
【0088】
続いて、コミュニティサーバ30において、ステップS12で生成された割引券情報、管理用呼び込み情報、店舗予約情報、キャンセル待ち予約情報、及び呼び込み結果・FB情報がデータ300として記憶される(ステップS14)。
【0089】
続いて、コミュニティサーバ30において、キャンセル待ち店舗、予約可能店舗、及びキャンセル待ち店舗ユーザが特定(取得)される(ステップS15)。
【0090】
続いて、コミュニティサーバ30において、呼び込み結果・FB情報及びキャンセル待ち予約情報に基づき、キャンセル待ち店舗ユーザ毎に、アクション対象店舗、及びコミュニティにおける嗜好度が推定される(ステップS16)。
【0091】
続いて、コミュニティサーバ30において、ステップS16で推定された嗜好度に応じて、複数のキャンセル待ち店舗ユーザの中から、予約可能店舗へと予約を変更しやすい対象ユーザが選定され(ステップS17)、対象ユーザに対して案内メッセージが生成され、生成された案内メッセージが対象ユーザの閲覧のために出力される(ステップS18)。これにより、案内メッセージが通信端末10によって取得されると、通信端末10が有する画面上に案内メッセージが表示される。
【0092】
次に、本実施形態に係る情報処理システム1が行うインセンティブ決定処理について、
図13を参照して説明する。
図13は、情報処理システム1が行うインセンティブ決定処理を示すフローチャートである。
【0093】
まず、情報処理システム1では、コミュニティサーバ30において、対象期間について、ユーザU毎に、各店舗の来店回数、店舗割引券利用回数、複数の店舗の全体の来店回数、全体割引券利用回数、店舗利用平均額、店舗付与平均額、全体利用平均額、及び全体付与平均額が特定(取得)される(ステップS21)。
【0094】
続いて、コミュニティサーバ30において、ステップS21で取得された各店舗の来店回数及び店舗割引券利用回数に基づき、ユーザU毎に、値N3が算出され、ステップS21で取得された複数の店舗の全体の来店回数及び全体割引券利用回数に基づき、値N4が算出される(ステップS22)。
【0095】
続いて、コミュニティサーバ30において、ステップS22で算出された値N3及び値N4に基づき算出された第1対象値が所定の第1閾値以上であるユーザUがインセンティブ必要ユーザとして選定され、第1対象値が第1閾値未満のユーザUがインセンティブ不要ユーザとして選定される(ステップS23)。
【0096】
続いて、コミュニティサーバ30において、ステップS21で取得された店舗利用平均額、及び店舗付与平均額に基づき、ユーザU毎に、値N5が算出され、ステップS21で取得された全体利用平均額及び全体付与平均額に基づき、値N6が算出される(ステップS24)。
【0097】
続いて、コミュニティサーバ30において、ステップS24で算出された値N5及び値N6に基づき算出された第2対象値が第2閾値以上のインセンティブ必要ユーザが、高インセンティブ必要ユーザとして選定され、第2対象値が第2閾値未満のインセンティブ必要ユーザが、低インセンティブ許容ユーザとして選定される(ステップS25)。その後、コミュニティサーバ30において、高インセンティブ必要ユーザ、低インセンティブ許容ユーザ、及びインセンティブ不要ユーザを示すユーザ情報、及びユーザUの基礎情報に基づいて、割引券がユーザUに配信される。
【0098】
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の作用効果について説明する。
【0099】
情報処理システム1では、ユーザアクション情報(呼び込み結果・FB情報、キャンセル待ち予約情報、及び店舗予約情報)に基づき、複数のキャンセル待ち店舗ユーザそれぞれの、コミュニティにおける嗜好度が推定される。ユーザアクション情報は、複数の店舗を含んで構成されるコミュニティの各店舗からの呼び込みメッセージ(呼び込み情報)に応じてユーザUが来店に向けて起こしたアクションを示す。そして、情報処理システム1では、複数のキャンセル待ち店舗ユーザについて、嗜好度が低いほどいずれかの予約可能店舗への予約変更の案内を受ける対象ユーザに選定されやすくなるように、一又は複数の対象ユーザが選定され、いずれかの予約可能店舗への予約の変更を案内する案内メッセージが生成され、当該案内メッセージが、上記対象ユーザによる閲覧のために出力される。
【0100】
このように、店舗からの呼び込みメッセージに応じてユーザUが来店に向けて実際に起こしたアクション(予約等)が考慮されて、各ユーザUについてコミュニティにおける嗜好度(こだわり度)が推定されることにより、コミュニティに対するユーザUの嗜好度を高精度に推定することができる。そして、高精度に推定された嗜好度が低い(すなわち、店舗に対するこだわりが低い)ユーザUほど、予約変更の案内を受け付ける対象ユーザに選定されやすくすることにより、キャンセル待ち店舗ユーザに対する予約可能店舗への予約の変更が効果的に(高確率で)促される。その結果、混雑によりユーザUを受け入れきれないキャンセル待ち店舗から、ユーザUの受け入れが可能な予約可能店舗へのユーザの移動の可能性を高めることができるので、コミュニティ全体の混雑度の平準化を図ることができる。これにより、例えば、キャンセル待ちとなっておりそのままでは売上に寄与しなかったユーザUが、予約可能店舗の売り上げに寄与することとなり、コミュニティ全体としての売上を向上させることができる。以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、コミュニティ全体の売り上げの最適化に適したマーケティングを行うことができる。
【0101】
管理部33は、複数の店舗それぞれについて、将来の各日時における、予約可能席の有無を示す予約可能席情報、及び、予約している予約ユーザを示す予約ユーザ情報を特定する処理(第1処理)と、複数の店舗のうち、予約可能席情報において予約可能席が無い店舗をキャンセル待ち店舗として特定すると共に予約可能席が有る店舗を予約可能店舗として特定し、予約ユーザ情報においてキャンセル待ち店舗の予約ユーザとして示されている複数のユーザUをキャンセル待ち店舗ユーザとして特定する処理(第2処理)と、を実行し、第2取得部34は、管理部33が特定したキャンセル待ち店舗及び予約可能店舗に基づき店舗情報を取得し、管理部33が特定した複数のキャンセル待ち店舗ユーザに基づきキャンセル待ち店舗ユーザ情報を取得する。このような構成によれば、複数の店舗のそれぞれについて将来の各日時における予約の状況が把握可能な予約可能席情報と、各ユーザUが複数の店舗のいずれを予約しているかを把握可能な予約ユーザ情報が用いられるため、適切且つ容易に、キャンセル待ち店舗、予約可能店舗、及びキャンセル待ち店舗ユーザを特定することができる。
【0102】
推定部35は、ユーザアクション情報に基づき、複数のキャンセル待ち店舗ユーザ毎に、来店に向けたアクションを起こしたアクション対象店舗を特定し、制御部36は、対象ユーザのアクション対象店舗であって且つ予約可能店舗である推奨店舗を特定し、対象ユーザに対して、推奨店舗への予約変更を案内する案内メッセ―ジを生成する。この構成によれば、対象ユーザが好んでいる店舗への予約変更を対象ユーザに案内するため、対象ユーザが予約店舗に予約変更する可能性を高めることができる。
【0103】
制御部36は、複数のキャンセル待ち店舗ユーザについて、アクション対象店舗の数が多いほど、対象ユーザに選定されやすくなるように、対象ユーザを選定する。
【0104】
一般的に、来店につながりやすいアクションをユーザUが起こした対象の店舗(アクション対象店舗)は、ユーザUの好みの店舗といえ、コミュニティ内で好みの店舗の数が多いユーザUほど、一の店舗に対するこだわりは少ないといえる。この情報処理システム1によれば、第1アクション対象店舗の数が多いユーザUほど対象ユーザとして選ばれやすくなるため、キャンセル待ち店舗を予約している複数のユーザUの中でも、こだわりが弱い(すなわち、同一のコミュニティ内の他の店舗へ予約変更しやすい)ユーザUを対象ユーザとして選定することができる。
【0105】
制御部36は、対象ユーザに対して、キャンセル待ち店舗から予約可能店舗に移動した場合にインセンティブを付与する旨の情報を含んだ案内メッセ―ジを生成する。この構成により、対象ユーザが予約可能店舗に予約変更する可能性をより一層高めることができる。
【0106】
管理部33は、割引券(店舗の利用に係るインセンティブ)をユーザUに配信(付与)し、第2取得部34は、現時点から予め定められた期間遡った時点までの対象期間について、呼び込みメッセージの配信が行われたユーザU毎に、複数の店舗それぞれへの来店回数と、複数の店舗それぞれについての店舗インセンティブ利用回数と、複数の店舗全体への来店回数と、複数の店舗全体についての全体インセンティブ利用回数と、を更に取得し、制御部36は、ユーザU毎に、複数の店舗に含まれる各店舗への来店回数に対する店舗インセンティブ利用回数の割合、及び複数の店舗全体への来店回数に対する全体インセンティブ利用回数の割合を算出し、店舗インセンティブ利用回数の割合、及び全体インセンティブ利用回数の割合に基づき算出された第1対象値が第1閾値以上であるユーザUをインセンティブ必要ユーザとして選定し、第1対象値が第1閾値未満であるユーザUをインセンティブ不要ユーザとして選定し、管理部33は、インセンティブ必要ユーザ、及びインセンティブ不要ユーザを示すユーザ情報に基づいて、割引券をユーザUに配信(付与)する。
【0107】
この構成により、例えば、複数のユーザUのそれぞれに対して割引券を付与するか否かの指標を自動的に決定することができるため、複数の店舗がマーケティングを行う負担を軽減することができる。
【0108】
第2取得部34は、対象期間について、ユーザU毎に、複数の店舗のそれぞれについての、店舗利用平均額、及び店舗付与平均額と、複数の店舗の全体についての、全体利用平均額及び全体付与平均額と、を更に取得し、制御部36は、ユーザU毎に、各店舗についての店舗付与平均額に対する店舗利用平均額の割合、及び全体付与平均額に対する全体利用平均額の割合を算出し、各店舗についての店舗付与平均額に対する店舗利用平均額の割合、及び全体付与平均額に対する全体利用平均額の割合に基づき算出された第2対象値が第2閾値以上であるインセンティブ必要ユーザを、高インセンティブ必要ユーザとして更に選定し、第2対象値が第2閾値未満であるインセンティブ必要ユーザを、低インセンティブ許容ユーザとして更に選定する。
【0109】
一般的に、割引券を多用しているユーザUが店舗に来店する理由は、割引券が付与されているためである可能性が高い。この情報処理システム1によれば、コミュニティ内の各店舗及びコミュニティ全体のそれぞれにおける割引券の利用の割合が考慮されて、割引券の割引の度合いを適切に決定できる結果、コミュニティ内の複数の店舗のマーケティング負担を軽減することができる。具体的には、例えば、割引券を理由に店舗に来店するユーザUに対しては割引率が高い割引券を付与し、他の理由により店舗に来店するユーザUに対しては割引率が低い割引券又は割引券を付与しない旨が情報処理システム1により自動的に決定されてユーザUに割引券が配信されるので、適正な割引券を各ユーザUに付与することができる。
【0110】
次に、情報処理システム1に含まれた通信端末10、店舗管理端末20、及びコミュニティサーバ30のハードウェア構成について、
図14を参照して説明する。上述の通信端末10、店舗管理端末20、及びコミュニティサーバ30は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0111】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、及びユニット等に読み替えることができる。通信端末10、店舗管理端末20、及びコミュニティサーバ30のハードウェア構成は、図に示された各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0112】
通信端末10、店舗管理端末20、及びコミュニティサーバ30における各機能は、プロセッサ1001及びメモリ1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0113】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の通信端末10、店舗管理端末20、及びコミュニティサーバ30の各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0114】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、及びデータ等を、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、通信端末10、店舗管理端末20、及びコミュニティサーバ30の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001によって同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0115】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る提案方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存できる。
【0116】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバ、その他の適切な媒体であってもよい。
【0117】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等ともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。例えば、上述の第1取得部31、及び出力部37等は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0118】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0119】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0120】
また、通信端末10、店舗管理端末20、及びコミュニティサーバ30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0121】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0122】
上記実施形態では、コミュニティサーバ30が、上記各機能を有している構成を例示した。しかしながら、情報処理システム1では、例えば、他のサーバが各機能的構成要素の一部あるいは全部を備えていてもよく、また、例えば、通信端末10及び店舗管理端末20が各機能的構成要素の一部を備えていてもよい。一例として、第1取得部31及び管理部33は、他のサーバが備えていてもよい。また、コミュニティサーバ30は、インセンティブ決定処理を行わなくてもよい。
【0123】
コミュニティサーバ30は、物理的又は論理的に結合した1つの装置によって構成されていてもよく、互いに物理的又は論理的に分離している複数の装置によって構成されてもよい。例えば、コミュニティサーバ30は、クラウドコンピューティングのようにネットワーク上に分散された複数のコンピュータによって実現されてもよい。以上のように、コミュニティサーバ30の構成は、コミュニティサーバ30の機能を実現し得るいかなる構成をも含み得る。
【0124】
ユーザアクション情報は、上記実施形態に限られず、複数の店舗を含むコミュニティを利用するユーザU毎の、ユーザUが受信した複数の店舗の呼び込み情報に応じてユーザUが来店に向けて起こしたアクションを示す情報であればよい。例えば、ユーザアクション情報は、登録用予約情報、呼び込みFB情報、来店FB情報、及びアクション情報であってもよい。
【0125】
案内メッセージには、割引券を付与する旨を含んでいなくてもよい。また、インセンティブは、例えば、複数の店舗で利用可能なポイント、及び優待券等、割引券以外であってもよい。また、上記実施形態では、管理部33が、第1処理及び第2処理を行い、割引券をユーザUに配信する構成を例示した。しかしながら、情報処理システム1では、例えば、コミュニティサーバ30が、第1処理及び第2処理を行う特定部と、インセンティブをユーザUに付与するインセンティブ付与部とを備えていてもよい。
【0126】
なお、上記実施形態の説明に用いられたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線等を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0127】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、及び割り振り(assigning)等があるが、これらの機能に限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)又は送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0128】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0129】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、及びフローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明された方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0130】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。情報等は、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0131】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0132】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0133】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0134】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有しない。
【0135】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
【0136】
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び無線技術(赤外線、マイクロ波等)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、コミュニティサーバ30、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0137】
本開示において説明した情報、及び信号等は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0138】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えられてもよい。
【0139】
本開示において使用される「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0140】
また、本開示において説明された情報、パラメータ等は、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0141】
上述したパラメータに使用される名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0142】
本開示で使用する「判断(determining)」、及び「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、又は「みなす(considering)」等で読み替えられてもよい。
【0143】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に一又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、一又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等を用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0144】
本開示において使用する「に基づき」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づき」を意味しない。言い換えれば、「に基づき」という記載は、「のみに基づき」と「に少なくとも基づき」の両方を意味する。
【0145】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」等の呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0146】
上記の各装置の構成における「部」は、「回路」、又は「デバイス」等に置き換えられてもよい。
【0147】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0148】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0149】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、及び「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0150】
1…情報処理システム、33…管理部(特定部、インセンティブ付与部)、34…第2取得部(取得部)、35…推定部、36…制御部、37…出力部、U…ユーザ。