(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】疲労状態出力装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20240813BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A61B5/16 200
A61B5/16 130
A61B5/0245 100A
A61B5/16 120
(21)【出願番号】P 2020200825
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】本川 智紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 朋美
【審査官】喜々津 徳胤
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/153165(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/021653(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/168369(WO,A1)
【文献】特開2017-023477(JP,A)
【文献】特開2013-220244(JP,A)
【文献】特開2006-034803(JP,A)
【文献】特開2002-191579(JP,A)
【文献】特開2002-330934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を出力するための出力部と、
ユーザーの心拍に関する情報である心拍関連情報、当該ユーザーの自律神経バランスを示す自律神経バランス情報及び当該ユーザーの感情を示す感情情報の少なくとも2つの情報に基づいて、ユーザーの疲労状態を示すn(nは2又は3)個の疲労指標値を認識する疲労指標値認識部と、
前記ユーザーが心身を覚醒させるべき状況である覚醒状況、及び当該ユーザーが心身を休息させるべき状況である休息状況のいずれの状況にあるかを取得する状況取得部と、
前記n個の疲労指標値を、互いに交差するn軸で表されるn次元の座標系において前記n個の疲労指標値を当該n軸にそれぞれ設定したときの座標点として前記出力部に出力し、当該出力部における当該座標点を出力する出力領域を、前記ユーザーの心身の状態の良否を表す複数の領域に区分するとともに、当該複数の良否を表す領域を、前記ユーザーが前記覚醒状況にあるときと前記休息状況にあるときとで異なる状態に設定する出力制御部と、
を備えることを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の疲労状態出力装置において、
当該複数の良否を表す領域は、前記ユーザーが前記休息状況にあるときには、前記ユーザーが前記覚醒状況にあるときと比べて、前記複数の良否を表す領域の大きさ、位置及び形状の少なくとも1つが異なる状態に設定されることを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の疲労状態出力装置において、
前記複数の良否を表す領域は、前記ユーザーの心身の状態が最良な状態にあることを表す最良領域を含み、
当該最良領域は、前記n個の疲労指標値のいずれか1つが前記自律神経バランス情報である場合において、前記ユーザーが前記休息状況にあるときには、前記自律神経バランス情報を設定した軸の軸方向における、副交感神経が交感神経よりも優位であることを示す側に設定され、前記ユーザーが覚醒状況にあるときには、前記自律神経バランス情報を設定した軸において副交感神経及び交感神経の優位性が同一である位置を中心とする所定幅の領域として設定されることを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、
前記ユーザーの心身の状態の良否を表す複数の良否状態と、前記n個の疲労指標値の組み合わせとの相関関係を示す相関関係情報を記憶する記憶部と、
前記n個の疲労指標値の組み合わせ及び前記相関関係情報に基づいて、前記ユーザーの前記心身の状態の良否が前記複数の良否状態のいずれの良否状態にあるかを認識する良否状態認識部と、をさらに備え、
前記出力制御部は、前記良否状態認識部によって認識された前記良否状態を表す良否状態情報を、前記n次元の座標系における前記座標点の位置に出力することを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、
前記疲労指標値認識部は、前記心拍関連情報を、前記ユーザーの心拍間隔の標準偏差を当該ユーザーの当該心拍間隔の平均値で除した値を百分率で表した値であるCVR-Rとして認識することを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、
前記疲労指標値認識部は、前記心拍関連情報を、前記ユーザーの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとの合計であるトータルパワー値として認識することを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、
前記疲労指標値認識部は、前記心拍関連情報を、前記ユーザーの隣接する心拍間隔の長さの差が50ミリ秒を超える当該心拍間隔の総数であるNN50として認識することを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、
前記ユーザーの身体及び精神の少なくとも一方の疲労状態に関する主観的な情報である主観情報を取得する主観情報取得部をさらに備え、
前記疲労指標値認識部は、前記心拍関連情報及び前記主観情報に基づいて、前記n個の疲労指標値のいずれかを認識することを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、
前記疲労指標値認識部は、前記自律神経バランス情報を、前記ユーザーの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとの比であるLF/HFとして認識することを特徴とする疲労状態出力装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、
前記疲労指標値認識部は、前記感情情報を、下記式(1)に示すべきスペクトルの傾きβとして認識することを特徴とする疲労状態出力装置。
y=1/x
β ・・・(1)
ただし、yは、前記ユーザーの心拍間隔のパワースペクトル密度を対数化した値であり、xは周波数を対数化した値である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの疲労状態を示す値を出力する疲労状態出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、診断装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この診断装置では、心電図モニタによって被測定者の心電の動きを表す心電データを測定し、この心電データに基づいて、LF/HF(交感神経活動度情報)及びCVR-R(R-R間隔変動係数)が算出される。そして、LF/HFを横軸とし、CVR-Rを縦軸とするグラフと、HR(心拍数)を横軸とし、CVR-Rを縦軸とするグラフとが表示装置に表示される。これらのグラフでは、横軸及び縦軸のパラメータの範囲に応じて、低下領域、正常領域及び亢進領域がそれぞれ設定されており、被測定者のデータがいずれの領域にあるかに基づいて、被測定者の自律神経機能が評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の診断装置では、低下領域、正常領域及び亢進領域がそれぞれ設定されており、被測定者のデータがいずれの領域にあるかに基づいて、被測定者の自律神経機能が評価される。しかしながら、例えば、ユーザーが心身を休息させるべき状況にあるときには、交感神経よりも副交感神経が優位な心身の状態が望ましい。これとは逆に、ユーザーが心身を覚醒させるべき状況にあるときには、交感神経と副交感神経のバランスが中立に近い状態が望ましい。これに対して、上記診断装置では、ユーザーは、自身の心身の状態がこのような望ましい状態にあることを把握できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ユーザーの疲労状態を示す値を出力する場合において、ユーザーが自身の心身の状態が望ましい状態にあることを適切に把握することができる疲労状態出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る疲労状態出力装置は、情報を出力するための出力部と、ユーザーの心拍に関する情報である心拍関連情報、ユーザーの自律神経バランスを示す自律神経バランス情報及びユーザーの感情を示す感情情報の少なくとも2つの情報に基づいて、ユーザーの疲労状態を示すn(nは2又は3)個の疲労指標値を認識する疲労指標値認識部と、ユーザーが心身を覚醒させるべき状況である覚醒状況、及びユーザーが心身を休息させるべき状況である休息状況のいずれの状況にあるかを取得する状況取得部と、n個の疲労指標値を、互いに交差するn軸で表されるn次元の座標系においてn個の疲労指標値をn軸にそれぞれ設定したときの座標点として出力部に出力し、出力部における座標点を出力する出力領域を、ユーザーの心身の状態の良否を表す複数の領域に区分するとともに、複数の良否を表す領域を、ユーザーが覚醒状況にあるときと休息状況にあるときとで異なる状態に設定する出力制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この疲労状態出力装置によれば、心拍関連情報、自律神経バランス情報及び感情情報の少なくとも2つの情報に基づいて、ユーザーの疲労状態を示すn(nは2又は3)個の疲労指標値が認識され、ユーザーが心身を覚醒させるべき状況である覚醒状況、及びユーザーが心身を休息させるべき状況である休息状況のいずれにあるかが取得される。そして、n個の疲労指標値が、互いに交差するn軸で表されるn次元の座標系においてn個の疲労指標値をn軸にそれぞれ設定したときの座標点として出力部に出力される。
【0008】
その際、出力部における座標点を出力する出力領域が、ユーザーの心身の状態の良否を表す複数の領域に区分されるとともに、複数の良否を表す領域が、ユーザーが覚醒状況にあるときと休息状況にあるときとで異なる状態に設定される。それにより、ユーザーが覚醒状況及び休息状況のいずれにあるかに応じて、複数の良否を表す領域のいずれかに、ユーザーの心身の実際の疲労状態を表す座標点を出力することが可能になる。その結果、ユーザーは、自身が休息状況又は覚醒状態にある場合において、自身の心身の状態の良否を適確に把握することができ、自身の心身の状態を休息状況及び覚醒状況の一方に適した状態を移行させるための契機を得ることができる。なお、本明細書における「ユーザーの疲労状態」は、ユーザーの疲労の状態に限らず、ユーザーの自律神経の状態及び感情の状態を含む。また、本明細書における「値を認識する」ことは、値を取得すること、値を算出すること、値を読み取ること、及び値を受け取ることなどを含む。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の疲労状態出力装置において、複数の良否を表す領域は、ユーザーが休息状況にあるときには、ユーザーが覚醒状況にあるときと比べて、複数の良否を表す領域の大きさ、位置及び形状の少なくとも1つが異なる状態に設定されることを特徴とする。
【0010】
この疲労状態出力装置によれば、複数の良否を表す領域は、ユーザーが休息状況にあるときには、ユーザーが覚醒状況にあるときと比べて、複数の良否を表す領域の大きさ、位置及び形状の少なくとも1つが異なる状態に設定される。それにより、複数の良否を表す領域を、ユーザーが休息状況又は覚醒状態にあるときに、ユーザーの心身の実際の状態をより適切に表すように設定することが可能になる。その結果、ユーザーは、自身が休息状況又は覚醒状態にある場合において、自身の心身の状態の良否を適確に把握することができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の疲労状態出力装置において、複数の良否を表す領域は、ユーザーの心身の状態が最良な状態にあることを表す最良領域を含み、最良領域は、n個の疲労指標値のいずれか1つが自律神経バランス情報である場合において、ユーザーが休息状況にあるときには、自律神経バランス情報を設定した軸の軸方向における、副交感神経が交感神経よりも優位であることを示す側に設定され、ユーザーが覚醒状況にあるときには、自律神経バランス情報を設定した軸において副交感神経及び交感神経の優位性が同一である位置を中心とする所定幅の領域として設定されることを特徴とする。
【0012】
この疲労状態出力装置によれば、複数の領域が、ユーザーの心身の状態が最良な状態にあることを表す最良領域を含んでおり、この最良領域は、n個の疲労指標値のいずれかが自律神経バランス情報である場合において、ユーザーが休息状況にあるときには、自律神経バランス情報を設定した軸の軸方向における、副交感神経が交感神経よりも優位であることを示す側に設定される。すなわち、最良領域は、ユーザーが心身を休息させるべき状況にあるときには、副交感神経が交感神経よりも優位であることで、ユーザーの心身がよりリラックスしている側の領域として設定されることになる。したがって、ユーザーは、自身が休息状況にある場合において、座標点が最良領域にあるときには、自身の心身がリラックスした状態にあって、休息状況を実現するのに最適な状態にあることを把握することができる。
【0013】
一方、最良領域は、ユーザーが覚醒状況にあるときには、自律神経バランス情報を設定した軸において副交感神経及び交感神経の優位性が同一である位置を中心とする所定幅の領域として設定される。すなわち、最良領域は、ユーザーが心身を覚醒させるべき状況にあるときには、副交感神経及び交感神経の優位性が同一又はそれに近い状態にあることで、ユーザーの心身が覚醒している領域として設定されることになる。したがって、ユーザーは、自身が覚醒状況にある場合において、座標点が最良領域にあるときには、自身の心身が覚醒した状態にあって、覚醒状況を実現するのに最適な状態にあることを把握することができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、ユーザーの心身の状態の良否を表す複数の良否状態と、n個の疲労指標値の組み合わせとの相関関係を示す相関関係情報を記憶する記憶部と、n個の疲労指標値の組み合わせ及び相関関係情報に基づいて、ユーザーの心身の状態の良否が複数の良否状態のいずれの良否状態にあるかを認識する良否状態認識部と、をさらに備え、出力制御部は、良否状態認識部によって認識された良否状態を表す良否状態情報を、n次元の座標系における座標点の位置に出力することを特徴とする。
【0015】
この疲労状態出力装置によれば、ユーザーの心身の状態の良否を表す複数の良否状態と、n個の疲労指標値の組み合わせとの相関関係を示す相関関係情報が記憶される。そして、n個の疲労指標値の組み合わせ及び相関関係情報に基づいて、ユーザーの心身の状態の良否が複数の良否状態のいずれの良否状態にあるかが認識され、良否状態を表す良否状態情報が、n次元の座標系における座標点の位置に出力される。それにより、ユーザーは、n個の疲労指標値の組み合わせがどの位置にあるのかと、自身の疲労状態の良否がどの良否状態にあるのかとを同時に把握することができる。その結果、ユーザーは、自身の心身の状態を休息状況及び覚醒状況の一方に適した状態に移行させるための契機として、心身の状態における良否状態の情報を得ることができる。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、疲労指標値認識部は、心拍関連情報を、ユーザーの心拍間隔の標準偏差をユーザーの心拍間隔の平均値で除した値を百分率で表した値であるCVR-Rとして認識することを特徴とする。
【0017】
一般に、ユーザーの心拍間隔の標準偏差をユーザーの心拍間隔の平均値で除した値を百分率で表した値であるCVR-Rは、ユーザーの心拍の揺らぎを適切に表す値として知られており、ユーザーの心拍の揺らぎは、ユーザーの疲労状態と相関性が高いものとして知られている。したがって、この疲労状態出力装置によれば、心拍関連情報がCVR-Rとして認識されるので、そのようなCVR-Rを用いて疲労指標値を認識することによって、座標点をユーザーの疲労状態を適切に示す位置に出力することができる。それにより、ユーザーは、自身の疲労状態を適切に把握することができる。
【0018】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、疲労指標値認識部は、心拍関連情報を、ユーザーの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとの合計であるトータルパワー値として認識することを特徴とする。
【0019】
一般に、ユーザーの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとの合計であるトータルパワー値は、ユーザーの心拍の揺らぎを適切に表す値として知られており、ユーザーの心拍の揺らぎは、ユーザーの疲労状態と相関性が高いものとして知られている。したがって、この疲労状態出力装置によれば、心拍関連情報がトータルパワー値として認識されるので、そのようなトータルパワー値を用いて疲労指標値を認識することによって、座標点をユーザーの疲労状態を適切に示す位置に出力することができる。それにより、ユーザーは、自身の疲労状態を適切に把握することができる。
【0020】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、疲労指標値認識部は、心拍関連情報を、ユーザーの隣接する心拍間隔の長さの差が50ミリ秒を超える心拍間隔の総数であるNN50として認識することを特徴とする。
【0021】
一般に、ユーザーの隣接する心拍間隔の長さの差が50ミリ秒を超える心拍間隔の総数であるNN50は、ユーザーの心拍の揺らぎを適切に表す値として知られており、ユーザーの心拍の揺らぎは、ユーザーの疲労状態と相関性が高いものとして知られている。したがって、この疲労状態出力装置によれば、心拍関連情報がNN50として認識されるので、そのようなNN50を用いて疲労指標値を認識することによって、座標点をユーザーの疲労状態を適切に示す位置に出力することができる。それにより、ユーザーは、自身の疲労状態を適切に把握することができる。
【0022】
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、ユーザーの身体及び精神の少なくとも一方の疲労状態に関する主観的な情報である主観情報を取得する主観情報取得部をさらに備え、疲労指標値認識部は、心拍関連情報及び主観情報に基づいて、n個の疲労指標値のいずれかを認識することを特徴とする。
【0023】
この疲労状態出力装置によれば、ユーザーの身体及び精神の少なくとも一方の疲労状態に関する主観的な情報である主観情報が取得される。そして、心拍関連情報及び主観情報に基づいて、n個の疲労指標値のいずれかが認識されるので、n個の疲労指標値を座標点として出力部に出力する際、この座標点を、心拍関連情報による客観的な疲労状態の情報にユーザーの主観的な疲労状態の情報を加味しながら出力することができる。すなわち、座標点を、客観的な情報に加えて、ユーザーの主観を反映した疲労状態を表す位置に出力することができる。それにより、ユーザーは、自身の疲労状態を、客観的な情報に加えて自身の主観を反映させた状態で把握することができる。
【0024】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、疲労指標値認識部は、自律神経バランス情報を、ユーザーの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとの比であるLF/HFとして認識することを特徴とする。
【0025】
一般に、ユーザーの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとの比であるLF/HFは、自律神経のバランスを適切に表すものとして知られている。したがって、この疲労状態出力装置によれば、自律神経バランス情報がそのようなるLF/HFとして認識されるので、そのようなLF/HFを用いて疲労指標値を認識することによって、座標点をユーザーの自律神経のバランスを適切に示す位置に出力することができる。それにより、ユーザーは、自身の自律神経のバランス状態を適切に把握することができる。
【0026】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の疲労状態出力装置において、疲労指標値認識部は、感情情報を、下記式(1)に示すべきスペクトルの傾きβとして認識することを特徴とする。
y=1/xβ ・・・(1)
ただし、yは、ユーザーの心拍間隔のパワースペクトル密度を対数化した値であり、xは周波数を対数化した値である。
【0027】
上式(1)のべきスペクトルの傾きβは、人間の感情を表す値であることが知られている。したがって、この疲労状態出力装置によれば、感情情報がそのような値βとして認識されるので、そのような値βを用いて疲労指標値を認識することによって、座標点をユーザーの感情を適切に示す位置に出力することができる。それにより、ユーザーは、自身の感情の状態を適切に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る疲労状態出力装置としての携帯端末を備えた疲労判定システムの構成を示す図である。
【
図3】疲労判定システムの制御動作を示すシーケンス図である。
【
図4】ユーザー情報取得処理を示すフローチャートである。
【
図5】疲労指数取得処理を示すフローチャートである。
【
図6】疲労関連情報取得処理を示すフローチャートである。
【
図7】疲労状態表示処理を示すフローチャートである。
【
図14】回復力MAP画面における回復力MAPのみを示す図である。
【
図16】パフォーマンスMAP画面におけるパフォーマンスMAPのみを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る疲労状態出力装置について説明する。本実施形態の疲労状態出力装置としての携帯端末1は、
図1に示す疲労判定システムSに適用されたものであり、この疲労判定システムSは、ユーザーUの疲労状態を判定するためのである。
【0030】
図1に示すように、疲労判定システムSは、複数(1つのみ図示)の携帯端末1及びサーバ2を備えている。この疲労判定システムSでは、複数の携帯端末1の各々が、ネットワーク3を介して、サーバ2に接続されている。このネットワーク3は、携帯電話網又は無線LAN通信網などで構成されている。
【0031】
携帯端末1は、ユーザーUによって使用されるものであり、具体的には、スマートフォンによって構成されている。なお、携帯端末1をタブレット端末又は専用端末によって構成してもよい。
【0032】
図2に示すように、携帯端末1は、制御装置10、前面カメラ20、通信装置21及びディスプレイ30などを備えている。
【0033】
前面カメラ20は、携帯端末1の前面上部に設けられており、後述するように、ユーザーUが自身の顔の肌画像を撮影する際などに利用される。この前面カメラ20では、ユーザーUによって撮影された顔の肌画像の動画を含む動画信号が制御装置10に送信される。この場合、肌画像の動画は、後述するように、所定の撮影時間分の動画として撮影される。なお、肌画像として、動画に代えて、ユーザーの肌を前面カメラ20によって連続的に撮影した静止画像を用い、この静止画像を含む画像信号が前面カメラ20から制御装置10に送信されるように構成してもよい。
【0034】
また、通信装置21は、無線通信回路で構成されており、その動作状態が制御装置10によって制御されることにより、サーバ2との間で無線通信を実行する。具体的には、通信装置21は、後述するように、制御装置10からのユーザー情報信号をサーバ2に送信するとともに、サーバ2からの疲労関連情報信号を受信して制御装置10に入力する。
【0035】
さらに、ディスプレイ30(出力部)は、静電容量型のタッチパネルで構成されており、携帯端末1の前面のほぼ大部分に渡って配置されている。このディスプレイ30は、その動作状態が制御装置10によって制御されることにより、後述するように、各種情報及び各種画像を表示する。また、ディスプレイ30では、ユーザーUによる各種操作(例えば、タップ、スワイプ、ピンチアウト及びピンチイン)が実行された場合、それを表す操作信号がディスプレイ30から制御装置10に入力される。
【0036】
制御装置10は、例えば、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、後述するように、各種の制御処理を実行する。この制御装置10には、後述する疲労判定用のアプリケーションソフトがインストールされている。
【0037】
この制御装置10は、
図2に示すように、その機能的な構成として、ユーザー情報取得部11、主観情報取得部12、疲労指標値認識部13、良否状態認識部14、記憶部15、状況取得部16及び出力制御部17を備えている。
【0038】
ユーザー情報取得部11は、前面カメラ20からの動画信号を取得し、この動画信号に含まれるユーザーUの肌の動画から、RGBの各色成分の輝度の変化情報(以下「輝度変化情報」という)を取得する。次いで、ユーザー情報取得部11はこの輝度変化情報などを含むユーザー情報信号を、通信装置21を介してサーバ2に送信する。
【0039】
また、主観情報取得部12は、主観情報を取得するものであり、この主観情報は、ユーザーUの身体及び精神の少なくとも一方の疲労状態に関するユーザーUの主観的な疲労状態を表すものである。この主観情報は、具体的には、後述するように、ユーザーUによるディスプレイ30の操作によって決定される疲労指数として取得される。この主観情報は、主観情報取得部12から疲労指標値認識部13に入力される。
【0040】
さらに、疲労指標値認識部13は、通信装置21で受信された疲労関連情報信号に含まれる疲労関連情報、及び、主観情報取得部12からの主観情報に基づいて、2つの疲労指標値を認識する。この疲労関連情報信号には、疲労関連情報として、ユーザーUの心拍関連情報及び自律神経バランス情報が含まれており、これらの情報の詳細については後述する。
【0041】
また、2つの疲労指標値の一方は、ユーザーUの疲労度であり、この疲労度は、心拍関連情報及び主観情報に応じて、所定手法(例えば、マップ検索)により算出される。また、2つの疲労指標値の他方は、自律神経バランスであり、この自律神経バランスは、自律神経バランス情報から取得される。これらの疲労度及び自律神経バランスは、疲労指標値認識部13から良否状態認識部14に入力される。
【0042】
一方、良否状態認識部14は、疲労度及び自律神経バランスに応じて、記憶部15内に記憶されているマップ(図示せず)を検索することにより、ユーザーUの心身の状態の良否を段階的に表す6つの良否状態を認識する。本実施形態では、記憶部15内に記憶されているマップが相関関係情報に相当する。
【0043】
このマップでは、6つの良否状態として、良好な方から順に、「me-fullness」、「me-normal」、「over-active」、「over-relax」、「caution」及び「dangerous」の良否状態が設定されている。この場合、「me-fullness」の状態は、ユーザーUの心身の状態が極めて良好な状態に相当し、「dangerous」の状態は、ユーザーUの心身の状態が危険な状態に相当する。以上の良否状態、疲労度及び自律神経バランスは、良否状態認識部14から出力制御部17に入力される。
【0044】
また、状況取得部16は、ユーザーUが覚醒状況及び休息状況のいずれの状況にあるかを表すユーザー状況を取得するものであり、この覚醒状況は、ユーザーUが心身を覚醒させるべき状況に相当するとともに、休息状況は、ユーザーUが心身を休息させるべき状況に相当する。この状況取得部16では、ユーザー状況が、後述するように、ユーザーUによるディスプレイ30に表示されたボタン31a,31bの押下に基づいて取得され、その後、状況取得部16から出力制御部17に入力される。
【0045】
出力制御部17は、以上のユーザー状況、良否状態、疲労度及び自律神経バランスに基づいて、ユーザーUの疲労状態を表す画像(
図13参照)を表示するように、ディスプレイ30を制御する。この制御の詳細については後述する。
【0046】
次に、サーバ2について説明する。サーバ2は、図示しないが、CPUなどの演算処理装置と、RAM、ROM及びHDDなどの記憶装置と、通信装置などで構成されている。
【0047】
このサーバ2では、前述したユーザー情報信号を携帯端末1から受信した際、以下に述べるように、前述した疲労関連情報すなわちユーザーUの心拍関連情報及び自律神経バランス情報が取得される。
【0048】
まず、ユーザー情報信号に含まれる輝度変化情報が読み込まれ、この輝度変化情報における特定の色成分(例えばG(緑))の輝度の変化を所定アルゴリズムを用いて分析することにより、ユーザーUの心拍が取得される。
【0049】
次いで、このユーザーUの心拍に基づき、心拍関連情報及び自律神経バランス情報が取得される。この場合、心拍関連情報としては、例えば、CVR-R(Coefficient of Variation of R-R Interval)、トータルパワー値及びNN50のいずれか1つが取得される。
【0050】
このCVR-Rは、ユーザーUの心拍間隔の標準偏差をユーザーUの心拍間隔の平均値で除した値を百分率で表した値として算出され、トータルパワー値は、ユーザーUの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとを合計した値として算出される。さらに、NN50は、ユーザーUの隣接する心拍間隔の長さの差が50ミリ秒を超える心拍間隔の総数として算出される。
【0051】
また、自律神経バランス情報としては、例えば、LF/HFが取得される。このLF/HFは、ユーザーUの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとの比として算出される。
【0052】
サーバ2では、以上のように、疲労関連情報として、ユーザーUの心拍関連情報及び自律神経バランス情報を取得した後、この疲労関連情報を含む疲労関連情報信号が携帯端末1に送信される。
【0053】
次に、
図3~
図7を参照しながら、ユーザーUの疲労状態を判定する際に、携帯端末1及びサーバ2において実行される各種の制御処理について説明する。
【0054】
図3に示すように、まず、携帯端末1において、ユーザー情報取得処理が実行される(
図3/STEP1)。このユーザー情報取得処理は、前述したユーザー情報を取得するものであり、具体的には、制御装置10によって
図4に示すように所定周期で実行される。なお、
図4の制御処理は、前述した疲労判定用のアプリケーションソフトが起動している状態で実行される。この点は、後述する
図5及び
図7の制御処理においても同様である。
【0055】
同図に示すように、まず、ユーザー情報が出力済みであるか否かが判定される(
図4/STEP11)。この判定が肯定(
図4/STEP11…YES)で、ユーザー情報が出力済みであるときには、そのまま本処理が終了する。一方、この判定が否定(
図4/STEP11…NO)で、ユーザー情報が出力済みでないときには、顔撮影操作が実行済みであるか否かが判定される(
図4/STEP12)。この場合、後述する顔撮影スタートボタン32bがユーザーUのタップ操作などによって既に押下されているときには、顔撮影操作が実行済みであると判定される。
【0056】
この判定が肯定(
図4/STEP12…YES)で、顔撮影操作が実行済みであるときには、後述するSTEP18に進む。一方、この判定が否定(
図4/STEP12…NO)で、顔撮影操作が実行済みでないときには、選択操作が実行済みであるか否かが判定される(
図4/STEP13)。この場合、後述する2つのボタン31a,31bのいずれかが押下済みであるときに、選択操作が実行済みであると判定される。
【0057】
この判定が肯定(
図4/STEP13…YES)で、選択操作が実行済みであるときには、後述するSTEP16に進む。一方、この判定が否定(
図4/STEP13…NO)で、選択操作が実行済みでないときには、選択画面の表示処理が実行される(
図4/STEP14)。この処理では、
図8に示す選択画面31がディスプレイ30上に表示される。
【0058】
同図に示すように、この選択画面31には、夜の疲労ケア選択ボタン31a及び昼の疲労ケア選択ボタン31bが表示される。この場合、ユーザーUは、例えば夜間などの心身を休息させるべき状況にあると考えているときには、夜の疲労ケア選択ボタン31aを選択して押下する。一方、ユーザーUは、例えば朝・昼間などの心身を覚醒させるべき状況であると考えているときには、昼の疲労ケア選択ボタン31bを選択して押下する。
【0059】
なお、本実施形態では、上記2つのボタン31a,31bの一方が押下されたことを取得/判定することが、ユーザーが心身を覚醒させるべき状況である覚醒状況、及びユーザーが心身を休息させるべき状況である休息状況のいずれの状況にあるかを取得することに相当する。
【0060】
次いで、選択操作が実行されたか否かが判定される(
図4/STEP15)。この判定が否定(
図4/STEP15…NO)で、上記2つのボタン31a,31bがいずれも押下されていないときには、そのまま本処理が終了する。
【0061】
一方、この判定が肯定(
図4/STEP15…YES)で、上記2つのボタン31a,31bがいずれかが押下されたとき、又は、前回以前の制御タイミングにおいて、選択操作が実行済みであったとき(
図4/STEP13…YES)には、スタート画面の表示処理が実行される(
図4/STEP16)。この処理では、
図9に示すスタート画面32がディスプレイ30上に表示されると同時に、図示しないが、2つのボタン31a,31bの一方が押下されたことが制御装置10内に記憶される。
【0062】
同図に示すように、このスタート画面32には、説明表示欄32a及び顔撮影スタートボタン32bが表示される。この説明表示欄32aには、図示しないが、疲労判定用のアプリケーションソフトの操作説明文が表示される。また、顔撮影スタートボタン32bは、ユーザーUが以下に述べる顔撮影処理を開始する際に押下するボタンである。
【0063】
次いで、顔撮影操作が実行されたか否かが判定される(
図4/STEP17)。この場合、顔撮影スタートボタン32bがユーザーUによって押下されたときに、顔撮影操作が実行されたと判定される。この判定が否定(
図4/STEP17…NO)で、顔撮影スタートボタン32bが押下されていないときには、そのまま本処理が終了する。
【0064】
一方、この判定が肯定(
図4/STEP17…YES)で、顔撮影スタートボタン32bが押下されたとき、又は、前回以前の制御タイミングにおいて、顔撮影操作が実行済みであったとき(
図4/STEP12…YES)には、顔撮影処理が実行される。
【0065】
この顔撮影処理では、
図10に示す顔撮影画面33がディスプレイ30上に表示される。同図に示すように、この顔撮影画面33の場合、「疲労は顔に出ます。顔を観察してみましょう。」のメッセージが上端部に表示され、その下方には、ユーザーUの顔画像Ux、読み取り枠33a、説明枠33b及び分析アイコン33cが表示される。
【0066】
この読み取り枠33aは、ユーザーUの顔画像Uxの読み取り範囲を規定するものであり、説明枠33bには、「枠の中に顔を入れてください」のメッセージが表示される。このメッセージは、ユーザーUの顔画像Uxを読み取り枠33a内に適切に収めるように、ユーザーUに対して指示するためのものである。この顔撮影処理の実行中、読み取り枠33a内におけるユーザーUの顔画像Uxが前面カメラ20によって動画として撮影される。
【0067】
また、分析アイコン33cは、円形に構成され、その内部には、分析(顔画像の読み取り)の進行度合いを表す百分率の数字が表示されるとともに、その上方には、「分析中」のメッセージが表示される。この分析アイコン33c内の数字は、所定の撮影時間(例えば1分間)が経過した際、撮影が終了したことを表すために「100」の数字が表示される。これと同時に、撮影時間分の顔画像Uxの動画が制御装置10内に記憶される。
【0068】
次いで、撮影時間が経過したか否かが判定される(
図4/STEP19)。この判定が否定(
図4/STEP19…NO)で、顔撮影処理の開始から所定の撮影時間(例えば1分間)が経過していないときには、そのまま本処理が終了する。一方、この判定が肯定(
図4/STEP19…YES)で、顔撮影処理の開始から所定の撮影時間が経過したときには、ユーザー情報の取得処理が実行される(
図4/STEP20)。
【0069】
この取得処理では、まず、前述したように、前面カメラ20からの動画信号を取得し、この動画信号に含まれるユーザーUの肌の動画から、RGBの各色成分の輝度の変化情報(以下「輝度変化情報」という)が取得される。そして、ユーザー情報が、この輝度変化情報及びユーザーに関する情報(例えば、ユーザーID)などを含む情報として取得される。
【0070】
次いで、ユーザー情報が通信装置21に出力される(
図4/STEP21)。それにより、ユーザー情報信号が通信装置21を介してサーバ2に送信される。以上のように、ユーザー情報を出力した後、ユーザー情報取得処理が終了する。
【0071】
図3に戻り、携帯端末1において、ユーザー情報取得処理が以上のように実行された場合、ユーザー情報信号が携帯端末1からサーバ2に送信されるとともに、ユーザー情報取得処理に続けて、疲労指数取得処理が実行される(
図3/STEP2)。
【0072】
この疲労指数取得処理は、以下に述べるように、ユーザーUの疲労指数を取得するものであり、具体的には、制御装置10によって
図5に示すように所定周期で実行される。
【0073】
図5に示すように、まず、スタート動作が実行済みであるか否かが判定される(
図5/STEP41)。この場合、後述するスタートボタン34cがユーザーUによって既に押下されているときには、スタート動作が実行済みであると判定される。この判定が肯定(
図5/STEP41…YES)で、スタートボタン34cが押下済みであるときには、後述するSTEP44に進む。
【0074】
一方、この判定が否定(
図5/STEP41…NO)で、スタートボタン34cが押下済みでないときには、疲労指数選択画面の表示処理が実行される(
図5/STEP42)。この表示処理では、
図11に示す疲労指数選択画面34がディスプレイ30上に表示される。
【0075】
図11に示すように、この疲労指数選択画面34の場合、「体感の疲労指数を選択して下さい」のメッセージが上側部に表示され、その下方には、横長のポジションバー34a及びスライドスイッチ34bが表示される。このポジションバー34aは、左右方向に延びており、その上方には、1~10の疲労指数がそれぞれ表示されている。これらの疲労指数は、ユーザーUが感じている自身の心身疲労状態を表すものであり、ポジションバー34aの下方には、疲労指数「1」、「5」、「10」を説明するメッセージが表示されている。
【0076】
また、スライドスイッチ34bは、ユーザーUがこれを指で押下した状態で指を左右方向にずらすことにより、ポジションバー34a上を左右方向にスライドするようになっている。以上の構成により、この疲労指数選択画面34では、ユーザーUがスライドスイッチ34bをドラッグ操作することによって、疲労指数が選択される。
【0077】
さらに、疲労指数選択画面34の下側には、スタートボタン34cが表示されている。このスタートボタン34cは、上記のように疲労指数がユーザーUによって選択された後に、次の処理に進むためにユーザーUによって押下されるものである。
【0078】
なお、上記の疲労指数選択画面34に代えて、ユーザーUの顔の状態についての1つ以上の質問と、それらに対する回答とを入力可能な画面をディスプレイ30上に表示し、これらの質問に対するユーザーUの回答結果に基づいて、前述した主観情報(ユーザーの身体及び精神の少なくとも一方の疲労状態に関する主観的な情報)を取得するように構成してもよい。
【0079】
図5に戻り、以上の疲労指数選択画面の表示処理に続けて、スタート操作が実行されたか否かが判定される(
図5/STEP43)。この判定が否定(
図5/STEP43…NO)で、スタートボタン34cが押下されていないときには、そのまま本処理が終了する。
【0080】
一方、この判定が肯定(
図5/STEP43…YES)で、スタートボタン34cが押下されたとき、又は、前回以前の制御タイミングにおいてスタート動作が実行済みであったとき(
図5/STEP41…YES)には、分析中画面の表示処理が実行される(
図5/STEP44)。
【0081】
この表示処理では、
図12に示す分析中画面35がディスプレイ30上に表示される。
図12に示すように、分析中画面35には、「分析中」の文字が上側に表示され、その下側には、円形の表示窓35a及びリング状の表示部35bが表示される。この表示窓35aには、分析の進行度合いが百分率で表示される。また、表示部35bは、時計回りに色が変化するとともに、この色の変化部分の面積が分析の進行度合いを表すように構成されている。以上のように、分析中画面の表示処理が実行された後、本処理が終了する。
【0082】
図3に戻り、携帯端末1からのユーザー情報信号がサーバ2で受信された場合、サーバ2において、疲労関連情報取得処理が実行される(
図3/STEP3)。この疲労関連情報取得処理は、疲労関連情報を取得するものであり、具体的には、サーバ2の演算処理装置によって
図6に示すように所定周期で実行される。
【0083】
図6に示すように、まず、疲労関連情報が出力済みであるか否かが判定される(
図6/STEP51)。この判定が肯定(
図6/STEP51…YES)で、疲労関連情報が出力済みであるときには、そのまま本処理が終了する。一方、この判定が否定(
図6/STEP51…NO)で、疲労関連情報が出力済みでないときには、ユーザー情報信号を受信済みであるか否かが判定される(
図5/STEP52)。
【0084】
この判定が否定(
図6/STEP52…NO)で、ユーザー情報信号を受信済みでないときには、そのまま本処理が終了する。一方、この判定が肯定(
図6/STEP52…YES)で、ユーザー情報信号を受信済みであるときには、ユーザーUの心拍が取得される(
図6/STEP53)。すなわち、前述したように、ユーザーUの心拍は、ユーザー情報信号に含まれる輝度変化情報に基づき、この輝度変化情報における特定の色成分の輝度の変化を所定アルゴリズムを用いて分析することで取得される。
【0085】
次いで、ユーザーUの疲労関連情報が取得される(
図6/STEP54)。すなわち、前述したように、ユーザーUの心拍に基づき、疲労関連情報として、心拍関連情報及び自律神経バランス情報が所定手法により取得される。
【0086】
次に、ユーザーUの疲労関連情報がサーバ2の通信装置に出力される(
図6/STEP55)。それにより、疲労関連情報信号がサーバ2の通信装置を介して携帯端末1に送信される。以上のように、疲労関連情報を出力した後、疲労関連情報取得処理が終了する。
【0087】
図3に戻り、サーバ2からの疲労関連情報信号が携帯端末1で受信された場合、携帯端末1において、疲労状態表示処理が実行される(
図3/STEP4)。この疲労状態表示処理は、ユーザーUの疲労状態を表示するものであり、具体的には、制御装置10によって
図7に示すように所定周期で実行される。
【0088】
図7に示すように、まず、処理終了フラグF_ENDが「1」であるか否かが判定される(
図7/STEP71)。この処理終了フラグF_ENDは、後述するように、ユーザーUによって疲労状態表示処理が終了されるときに「1」に設定される。
【0089】
この判定が肯定(
図7/STEP71…YES)のときには、そのまま本処理が終了する。一方、この判定が否定(
図7/STEP71…NO)のときには、後述するMAP画面が表示中であるか否かが判定される(
図7/STEP72)。この判定が肯定(
図7/STEP72…YES)で、MAP画面が表示中であるときには、後述するSTEP74に進む。
【0090】
一方、この判定が否定(
図7/STEP72…NO)で、MAP画面が表示中でないときには、疲労関連情報信号が受信されているか否かが判定される(
図7/STEP73)。この判定が否定(
図7/STEP73…NO)で、疲労関連情報信号が受信されていないときには、そのまま本処理が終了する。
【0091】
一方、この判定が肯定(
図7/STEP73…YES)で、疲労関連情報信号が受信されているときには、疲労パラメータの算出処理が実行される(
図7/STEP74)。この算出処理では、疲労パラメータとして、前述した疲労度及び良否状態が算出される。
【0092】
疲労度は、疲労関連情報信号に含まれる心拍関連情報(CVR-R、トータルパワー値及びNN50のいずれか1つ)及び前述した疲労指数に基づき、所定手法(例えばマップ検索手法)によって算出される。また、良否状態は、疲労関連情報信号に含まれる自律神経バランス情報及び疲労度に基づき、図示しないマップを検索することにより、前述した6つの良否状態のいずれか1つとして算出される。
【0093】
次いで、MAP画面の表示処理が実行される(
図7/STEP75)。この表示処理では、前述した夜の疲労ケア選択ボタン31aが押下されていた場合と、昼の疲労ケア選択ボタン31bが押下されていた場合では、異なる画面がディスプレイ30に表示されるので、まず、夜の疲労ケア選択ボタン31aが押下されていた場合について説明する。
【0094】
夜の疲労ケア選択ボタン31aが押下されていたときには、例えば、
図13に示すような回復力MAP画面36がディスプレイ30に表示される。この回復力MAP画面36の上半部には、回復力MAP36aが表示され、この回復力MAP36aは、疲労度を縦軸とし、自律神経バランスを横軸とした2次元直交座標系のMAPとして構成されている。
【0095】
この回復力MAP36aは、疲労度の高低と、自律神経バランスの副交感神経及び交感神経の優位度に応じて、me-fullness領域36b、me-normal領域36c、over-active領域36d、caution領域36f及びdangerous領域36gの5つの領域に区分されている(
図14参照)。なお、本実施形態では、これらの領域36b~36d,36f~36gが複数の領域に相当する。
【0096】
これらの5つの領域36b~36d,36f~36gは、前述した良否状態のうちの5つの状態(me-fullness、me-normal、over-active、caution、dangerous)に対応するものであり、破線で示すように矩形に構成されているとともに、互いに異なる彩色(図示せず)が施されている。また、5つの領域36b~36d,36f~36gには、良否状態を表す英文字メッセージ(me-fullness、me-normal、over-active、caution、dangerous)がそれぞれ表示される。
【0097】
また、
図13に示すように、回復力MAP36a内には、疲労度及び自律神経バランスの組み合わせの座標点36xが表示され、この座標点36xに付属して、メッセージ画像37が表示される。このメッセージ画像37には、ユーザーUの良否状態を表す英文字メッセージと、良否状態を表す顔の略画と、心拍数とが表示される。
【0098】
この場合、メッセージ画像37としては、
図15に示すように、前述した6つの良否状態に対応して、6種類のメッセージ画像37b~37gが設定されており、これらのメッセージ画像37b~37gは、制御装置10内に記憶されている。
図13に示す例では、良否状態が「caution」の状態にあることで、メッセージ画像37fが表示されている。なお、本実施形態では、メッセージ画像37b~37gが良否状態情報に相当する。
【0099】
また、回復力MAP画面36では、回復力MAP36aの下側には、夜の疲労ケアアドバイスのメッセージが表示される。
図13に示す例では、ユーザーUの良否状態が「caution」であることで、それを解消するためのアドバイスのメッセージなどが表示されている。
【0100】
一方、前述した昼の疲労ケア選択ボタン31bが押下されていたときには、例えば、
図16に示すようなパフォーマンスMAP画面38が表示される。なお、このパフォーマンスMAP画面38の場合、実際には、前述した
図15の6種類のメッセージ画像37b~37gのいずれか1つと、アドバイスのメッセージなどが表示されるが、
図16に示す例では、便宜上、これらの画像及びメッセージの表示が省略されている。
【0101】
このパフォーマンスMAP画面38の上半部には、パフォーマンスMAP38aが表示される。このパフォーマンスMAP38aは、上述した回復力MAP36aと同様に、疲労度を縦軸とし、自律神経バランスを横軸とした2次元直交座標系のMAPとして構成されている。
【0102】
また、パフォーマンスMAP38aは、疲労度の高低と、自律神経バランスの副交感神経及び交感神経の優位度に応じて、me-fullness領域38b、me-normal領域38c、over-active領域38d、over-relax領域38e、caution領域38f及び2つのdangerous領域38g,38gの7つの領域に区分されている。これらの領域38b~38gは、互いに異なる彩色(図示せず)が施されている。なお、本実施形態では、これらの領域38b~~38gが複数の領域に相当する。
【0103】
図14と
図16を比較すると明らかなように、パフォーマンスMAP38aの場合、回復力MAP36aと比べて、over-relax領域38eが1つ加えられているとともに、dangerous領域38gが2つに分けられている点で異なっている。さらに、それ以外の領域38b~38d,38fはそれぞれ、上述した
図14の4つの領域36b~36d,36fと比べて、それぞれの大きさ及び位置が異なるように配置されている。これは、以下の理由による。
【0104】
すなわち、夜の疲労ケア選択ボタン31aが押下された場合には、ユーザーUがこれから就寝する可能性が高く、ユーザーUが心身を休息させるべき状況下にあると推定される。一方、昼の疲労ケア選択ボタン31bが押下された場合には、ユーザーが仕事などで身体を動かす可能性が高く、心身を覚醒させるべき状況下にあると推定される。したがって、そのようなユーザーUの心身の状況に応じて、ユーザーUの疲労状態の良否を適切に判定するために、パフォーマンスMAP38a及び回復力MAP36aにおいては、良否状態を表す領域の数、大きさ及び位置が異なる状態で配置されている。
【0105】
この理由により、例えば、ユーザーUの心身が正常な状態にあることを示す2つのme-fullness領域36b,38bの場合、回復力MAP36aのme-fullness領域36bの方は、パフォーマンスMAP38aのme-fullness領域38bと比べて、副交感神経がより優位な領域として設定されている。すなわち、ユーザーUがよりリラックスしている状態の領域に設定されている。なお、本実施形態では、me-fullness領域36b,38bが最良領域に相当する。
【0106】
以上のようにMAP画面の表示処理が実行された後、終了条件が成立したか否かが判定される(
図7/STEP76)。この場合、ユーザーUによって疲労状態表示処理を終了するための操作が実施されたときには、終了条件が成立したと判定される。この判定が否定(
図7/STEP76…NO)のときには、そのまま本処理が終了する。
【0107】
一方、この判定が肯定(
図7/STEP76…YES)で、終了条件が成立したときには、それを表すために、処理終了フラグF_ENDが「1」に設定される(
図7/STEP77)。その後、本処理が終了する。この処理終了フラグF_ENDは、疲労判定用のアプリケーションソフトが終了するときに「0」にリセットされる。
【0108】
以上のように、本実施形態の携帯端末1によれば、疲労判定用のアプリケーションソフトの起動中、ディスプレイ30に表示されている2つのボタン31a,31bの一方がユーザーUによって押下されるのに伴い、ユーザーUが心身を覚醒させるべき状況である覚醒状況、及びユーザーUが心身を休息させるべき状況である休息状況のいずれにあるかが取得される。
【0109】
そして、ユーザーUが休息状況にある場合には、回復力MAP画面36の回復力MAP36aがディスプレイ30に表示され、ユーザーUが覚醒状況にある場合には、パフォーマンスMAP画面38のパフォーマンスMAP38aが表示される。これらのMAP36a,38aは、疲労度を縦軸とし、自律神経バランスを横軸とする2次元直交座標系のMAPとして構成されている。
【0110】
回復力MAP36aにおける最良領域に相当するme-fullness領域36bは、パフォーマンスMAP38aのme-fullness領域38bよりも副交感神経がより優位な領域として設定されている。すなわち、ユーザーUの疲労状態が正常な状態にあることを示すための最良領域は、ユーザーUが心身を休息させるべき状況であるときには、ユーザーUが心身を覚醒させるべき状況であるときと比べて、副交感神経が優位であることでユーザーUがよりリラックスしている側に設定されている。したがって、そのような最良領域を、ユーザーUが休息状況及び覚醒状況のいずれにあるかに応じて適切に設定することができる。
【0111】
また、2つのMAP36a,38aでは、ユーザーUの良否状態を表すメッセージ画像37b~37gが疲労度及び自律神経バランスの組み合わせの位置(座標点)に表示されるので、ユーザーUは、疲労度及び自律神経バランスの組み合わせがどの位置にあるのかと、自身の良否状態がどの状態にあるのかとを同時に認識することができる。
【0112】
さらに、2つのMAP36a,38aの縦軸における疲労度は、心拍関連情報及び疲労指数に基づいて算出され、心拍関連情報は、CVR-R、トータルパワー値及びNN50のいずれか1つとして取得される。これらのCVR-R、トータルパワー値及びNN50はいずれも、ユーザーUの心拍の揺らぎを適切に表すものであり、疲労指数は、ユーザーUの身体及び精神の少なくとも一方の疲労状態に関する主観的な情報として取得される。したがって、疲労度を、そのような心拍関連情報及び疲労指数に基づいて算出することにより、2つのMAP36a,38aの縦軸において、ユーザーUの主観的な情報を加味しながらユーザーUの疲労状態を適切に表示することができる。
【0113】
また、2つのMAP36a,38aの横軸における自律神経バランスは、ユーザーUの心拍間隔をスペクトル解析した際の低周波成分の総パワーと高周波成分の総パワーとの比であるLF/HFとして取得され、このLF/HFは、自律神経のバランスを適切に表すものとして知られている。したがって、2つのMAP36a,38aの横軸において、ユーザーUの自律神経バランスを適切に表示することができる。
【0114】
なお、実施形態は、
図13,14に示す回復力MAP36a及び
図16に示すパフォーマンスMAP38aにおいて、縦軸を「疲労度」とし、横軸を「自律神経バランス」とした例であるが、これらのMAP36a,38aの縦軸及び横軸を以下に述べるように構成してもよい。例えば、MAP36a,38aの縦軸及び横軸を入れ換えてもよい。
【0115】
また、MAP36a,38aの横軸を「自律神経バランス」から感情情報としての「感情バランス」に置き換えてもよい。この場合、感情バランスは下記式(1)に示すべきスペクトルの傾きβとして算出される。
y=1/xβ ・・・(1)
ただし、yは、ユーザーの心拍間隔のパワースペクトル密度を対数化した値であり、xは周波数を対数化した値である。
【0116】
この場合、感情バランスβの値の意味は以下のようになる。
・2.2≦βのとき ・・・ 気持ちが高ぶっている状態
・0.7≦β<2.2のとき ・・・ リラックスしている状態
・β<0.7のとき ・・・ 気持ちが沈んでいる状態
【0117】
さらに、MAP36a,38aの縦軸を「自律神経バランス」とし、横軸を「感情バランス」に置き換えてもよい。
【0118】
また、実施形態は、2次元の直交座標系で表示したMAP36a,38aを用いた例であるが、これらのMAP36a,38aとして、2次元の斜交座標系で表示したものを用いてもよい。
【0119】
さらに、2次元の直交座標系で表示したMAP36a,38aに代えて、「疲労度」「自律神経バランス」及び「感情バランス」を、3次元座標系の3軸に設定した画像(例えば、ホログラム又は等角図のように表示した画像)を用いてもよい。この場合、3次元座標系を3次元の直交座標系としてもよく、3次元の斜交座標系としてもよい。
【0120】
一方、実施形態は、
図13,14に示す回復力MAP36a及び
図16に示すパフォーマンスMAP38aにおいて、最良領域に相当する2つのme-fullness領域36b,38bを同じサイズ及び同じ形状(矩形)に設定した例であるが、2つのme-fullness領域36b,38bにおいて、両者の大きさ、位置及び形状の少なくとも1つを異なる状態に設定してもよい。
【0121】
また、実施形態は、回復力MAP36aを5つの領域に区分し、パフォーマンスMAP38aを7つの領域に区分した例であるが、回復力MAP36a及びパフォーマンスMAP38aが複数の領域で区分されるとともに、両者の複数の領域が互いに異なる状態に区分されていればよい。
【0122】
一方、本実施形態では、ユーザーが心身を覚醒させるべき状況である覚醒状況、及びユーザーが心身を休息させるべき状況である休息状況のいずれにあるかを取得するために、前述した2つのボタン31a,31bの一方がユーザーUによって押下されたことを取得した例であるが、これに代えて、ユーザーUが覚醒状況及び休息状況のいずれの状況にあるかを表すユーザーUの音声を、携帯端末1のスピーカを介して取得することにより、ユーザーUが覚醒状況及び休息状況のいずれの状況にあるかを取得するように構成してもよい。
【0123】
また、制御装置10において、ユーザーUの勤務時間帯及び就寝時間帯などを予め記憶しておき、勤務時間帯の所定時間(例えば1時間)前の時間から勤務時間帯までをユーザーUの状況が覚醒状況にあるとし、勤務時間の終了後から就寝時間の開始までをユーザーUの状況が覚醒状況にあるとして取得してもよい。すなわち、制御装置10において、ユーザーが覚醒状況及び休息状況のいずれにあるかが、時間帯に応じて自動的に取得されるように構成してもよい。
【0124】
さらに、実施形態は、出力部として、ディスプレイ30を用いた例であるが、本発明の出力部は、これに限らず、情報を出力するものであればよい。例えば、出力部として、情報を紙などに印刷した状態で出力するプリンタを用いてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 携帯端末(疲労状態出力装置)
12 主観情報取得部
13 疲労指標値認識部
14 良否状態認識部
15 記憶部
16 状況取得部
17 出力制御部
36b me-fullness領域(複数の良否を表す領域、最良領域)
36c me-normal領域(複数の良否を表す領域)
36d over-active領域(複数の良否を表す領域)
36f caution領域(複数の良否を表す領域)
36g dangerous領域(複数の良否を表す領域)
37b~37g メッセージ画像(良否状態情報)
38b me-fullness領域(複数の良否を表す領域、最良領域)
38c me-normal領域(複数の良否を表す領域)
38d over-active領域(複数の良否を表す領域)
38e over-relax領域(複数の良否を表す領域)
38f caution領域(複数の良否を表す領域)
38g dangerous領域(複数の良否を表す領域)